JP2017209088A - 光劣化臭の改善作用を有する組成物および該組成物を含む食品 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1は、一重項酸素を消去する能力を有することが知られているアスコルビン酸を乳製品に添加することにより、乳製品に存在するリボフラビンにより生成された一重項酸素を化学的に消去させて除去でき、その結果、乳製品の酸化安定性を向上させて光線による乳製品のオフフレーバーの生成を抑制できることを開示している。
(1)含硫化合物及び/又はモノテルペン類を含むことを特徴とする光劣化臭の改善作用を有する組成物。
(2)前記含硫化合物がジメチルスルフィド及び/又はジメチルジスルフィドであることを特徴とする(1)に記載の光劣化臭の改善作用を有する組成物。
(3)前記モノテルペン類がα‐ピネン及び/又はD−リモネンであることを特徴とする(1)又は(2)のいずれか1項に記載の光劣化臭の改善作用を有する組成物。
(4)(1)から(3)に記載の光劣化臭の改善作用を有する組成物を含むことを特徴とする食品。
(5)3%以上の無脂乳固形分と、0.1%以上の脂質を含むことを特徴とする(4)に記載の食品。
(6)ラクチュロース量が50mg/L以下であることを特徴とする(4)又は(5)のいずれか1項に記載の食品。
(7)含硫化合物及び/又はモノテルペン類を含むことを特徴とする光劣化臭の改善作用を有する組成物を添加する工程と、100℃以下の殺菌工程と、を含むことを特徴とする食品の製造方法。
これに対して本発明は、ジメチルスルフィド(DMS)、ジメチルジスルフィド(DMDS)といった含硫化合物及び/又はD‐リモネン(LM)、α‐ピネン(PN)といったモノテルペン類を含むことを特徴とする光劣化臭の改善作用を有する組成物と、該組成物を含み光劣化臭が改善された食品を提供するものである。
また、SH基を有するタンパク質を含む食品を加熱し、DMSを生じさせたものを用いてもよい。このようなものとして、乳タンパク質濃縮物及び/又はホエイタンパク質分離物を100℃から200℃程度で乾式加熱及び/又は湿式加熱したものを例示できる。
また、SH基を有するタンパク質を含む食品を加熱し、DMDSを生じさせたものを用いてもよい。このようなものとして、乳タンパク質濃縮物及び/又はホエイタンパク質分離物を100℃から200℃程度で乾式加熱及び/又は湿式加熱したものを例示できる。
よって以下に、殺菌温度が100℃以下の牛乳、乳飲料、発酵乳を対象に、DMS、DMDS、LM、PNから選択される1つ又は複数を含む光劣化臭の改善作用を有する組成物と、該組成物を含む食品と、該組成物を含む食品の製造方法を例示して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、SNFが8.6%、脂質が3.8%の低温殺菌乳を例示して説明する。
また、このようにして得られた低温殺菌乳は、過酷な加熱処理にさらされていないことから、1500mg/L以上程度の未変性β−ラクトグロブリン(UDLG)と、35mg/L程度以下のラクチュロース(LTS)と、を含むものとなる。
このような低温殺菌牛乳は光照射下で保存しても、光劣化臭の改善作用を有する組成物を含まない低温殺菌牛乳と比較して、光劣化臭が改善される。
また、上記した低温殺菌牛乳のSNFは8.6%であるため、上記した低温殺菌牛乳のUDLG/SNFは0.017以上程度、LTS/SNFは0.00041以下程度となる。
以下に、SNFが4%、脂質が1%の低温殺菌低脂肪乳を例示して説明する。
原料を混合し、混合したものを40℃から60℃程度に加温したうえで均質化処理し、ミックスを得る。均質圧は乳飲料の製造で一般的なものでよい。
殺菌処理は、80℃で15秒、62℃で30分などの100℃以下で行う。
また、このようにして得られた低温殺菌低脂肪乳は、過酷な加熱処理にさらされていないことから、600mg/L以上程度のUDLGと、20mg/L以下程度のLTSと、を含むものとなる。
このような低温殺菌低脂肪乳は光照射下で保存しても、光劣化臭の改善作用を有する組成物を含まない低温殺菌低脂肪乳と比較して、光劣化臭が改善される。
また、上記した低温殺菌牛乳のSNFは4%であるため、上記した低温殺菌牛乳のUDLG/SNFは0.015以上程度、LTS/SNFは0.0005以下程度となる。
以下に、SNFが10%、脂質が3%の発酵乳を例示して説明する。
原料を混合し、混合したものを40℃から60℃程度に加温したうえで均質化処理し、ミックスを得る。均質圧は乳飲料の製造で一般的なものでよい。
得られたミックスの殺菌処理は、80℃で15秒、62℃で30分などの100℃以下で行う。
また、このようにして得られた発酵乳は、過酷な加熱処理にさらされていないことから、1400mg/L以上程度のUDLGと、50mg/L以下程度のLTSと、を含むものとなる。
このような発酵乳は光照射下で保存しても、光劣化臭の改善作用を有する組成物を含まない発酵乳と比較して、光劣化臭が改善される。
また、発酵乳のSNFは10%であるため、上記した発酵乳のUDLG/SNFは0.014以上程度、LTS/SNFは0.0005以下程度となる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
牛乳は65℃で30分間殺菌した低温殺菌牛乳(SNF8.6%、Fat3.8%)を用いた。DMSは、食品添加物グレードのDMSの1%アルコール溶液を用いた。
牛乳にDMSを添加し、表1に示した実施例品1から実施例品5と、比較例品1から比較例品2を調製し、紙容器に充填した(比較例品1は低温殺菌牛乳である)。また、参考としてUHT牛乳と生乳のデータも示した。
実施例品1から実施例品5と、比較例品1から比較例品2を10℃、光照射下で2日間保存した。光照射の照度は、 紙製容器の上面から2 0 0 0 l x, 4 側面から1 0 0 0 l xとした。
生乳(SNF8.6%、Fat3.8%)と、食品添加物グレードのDMDSの1%アルコール溶液を用い、殺菌後の牛乳のDMDS濃度が表2に示した含量となる実施例品6から実施例品10と比較例品3から比較例品4を調製した。
殺菌には間接式殺菌機を用い、75℃、15秒間の条件で処理した。殺菌後の牛乳を10℃に冷却した後、紙容器に充填した(比較例品3はDMDS無添加の牛乳である)。
実施例品6から実施例品10と、比較例品3から比較例品4を10℃、光照射下で2日間保存した。光照射の照度は、 紙製容器の上面から2 0 0 0 l x, 4 側面から1 0 0 0 l xとした。
生乳(SNF8.6%、Fat3.8%)と、食品添加物グレードのLMの1%アルコール溶液を用い、殺菌後の牛乳のLM濃度が表3に示した含量となる実施例品11から実施例品15と比較例品5から比較例品6を調製した。
殺菌には間接式殺菌機を用い、75℃、15秒間の条件で処理した。殺菌後の牛乳を10℃に冷却した後、紙容器に充填した(比較例品5はLM無添加の牛乳である)。
実施例品11から実施例品15と、比較例品5から比較例品6を10℃、光照射下で2日間保存した。光照射の照度は、 紙製容器の上面から2 0 0 0 l x, 4 側面から1 0 0 0 l xとした。
生乳(SNF8.6%、Fat3.8%)と、食品添加物グレードのPNの1%アルコール溶液を用い、殺菌後の牛乳のPN濃度が表4に示した含量となる実施例品16から実施例品20と比較例品7から比較例品8を調製した。
殺菌には間接式殺菌機を用い、75℃、15秒間の条件で処理した。殺菌後の牛乳を10℃に冷却した後、紙容器に充填した(比較例品7はPN無添加の牛乳である)。
実施例品16から実施例品20と、比較例品7から比較例品8を10℃、光照射下で2日間保存した。光照射の照度は、 紙製容器の上面から2 0 0 0 l x, 4 側面から1 0 0 0 l xとした。
実施例品1から実施例品20、及び比較例品1から8のリボフラビン、脂肪、UDLG、及びLTS量を測定した。また、FUR、HMFを測定した。
リボフラビンはMunozらの方法に従って測定した(Food Chemistry、49、2、1994、203−206)。脂質はレーゼゴットリーブ法で測定した。UDLG、LTS、FUR、及びHMFはElliottらの方法に従って測定した(The Australian Journal of Dairy Technology.Vol.58、No.1,3−19)。
DMSおよびDMDSは、GC−MS(アジレント・テクノロジー社製)を用いた標準添加法により測定した。1つのサンプルに対し4本の20mLバイアル瓶を準備し、それぞれサンプル4gとDMS、またはDMDSを0.05mL添加した。分析は25℃に設定したDHS(ゲステル社製)で、バイアル瓶中の香気を平衡状態にするため20分間インキュベーションし、流速5mL/分の窒素で10mLヘッドスペースを採取し、テナックスTA(ゲステル社製)に吸着させた。テナックスTAを25℃に維持した状態で、水分を除くため流速10mL/分で10分間ドライパージした。250℃でテナックスTAから香気を脱着し、−50℃でトラップしたのちGC−MSへスプリットレスで注入した。カラムはDB−5ms60m×0.32mm(J&W社製)を用いた。各サンプルのDMS、DMDSピークの各SIM(順にm/z 62、94)におけるエリアから検量線を作成し、サンプル中のDMSおよびDMDS量を算出した。
LMおよびPNは、GC−MSを用いたSPME法によって測定した。サンプル4gを20mLバイアル瓶にとり、内部標準として5μg/mLの5−メチル−2−ヘキサノンを0.02mL入れ、窒素を封入してキャップを閉め、香気分析まで冷蔵保管した。37℃に温めたアジテーターで、攪拌をかけながら10分間香気を平衡化させたのち、60分間SPMEファイバー(50/30 DVB/Carboxen/PDMS(SUPELCO社製)にヘッドスペース香気を吸着させた。ファイバーはコーティング長さが1cmのものを使用した。香気を吸着させたら直ちにGC−MS(アジレント・テクノロジー社製)へ注入し、10分間香気を脱着させた。注入口温度は250℃、スプリットレスでサンプルを注入した。カラムはDB−5ms60m×0.32mm(J&W社製)を用いた。MSの結果からPNおよびLMのエリア面積を求め、内部標準に対する比から濃度を算出した。レスポンスファクターは1とした。
官能評価は 専門パネル30 名により, 光劣化臭、加熱臭、異風味について評価した。評価は0点:全く感じない、1点:わずかに感じる、2点:やや感じる、3点:感じる、4:強く感じる、の5段階で評価した。
光劣化臭のスコアが2点未満のものを光劣化臭なしと判定した。同様に加熱臭、異風味もスコアが2点未満のものをそれぞれ加熱臭、異風味なしと判定した。
これに対し、実施例品1から実施例品5は光劣化臭、加熱臭、異風味の全てが2点以下であり、光劣化臭が改善されていた。
これに対し、実施例品6から実施例品10は光劣化臭、加熱臭、異風味の全てが2点以下であり、光劣化臭が改善されていた。
これに対し、実施例品11から実施例品15は光劣化臭、加熱臭、異風味の全てが2点以下であり、光劣化臭が改善されていた。
これに対し、実施例品16から実施例品20は光劣化臭、加熱臭、異風味の全てが2点以下であり、光劣化臭が改善されていた。
生脱脂乳を70℃で15秒の条件で殺菌した後に噴霧乾燥することにより得られるローヒート脱脂粉乳(SNF95%)、無塩バター(脂質83%)、乳化剤、水、DMS、及びLMを原料とし、4.2%のローヒート脱脂粉乳、1.2%の無塩バター、0.1%の乳化剤、94.5%の水、及び表5に示したDMSとLMを混合した。
混合して得られたミックスを60℃に加温し10MPaで均質化処理した。ミックスを80℃で15秒間殺菌した後、10℃に冷却して低温殺菌低脂肪乳である実施例品21から実施例品25を得た。DMSとLMを添加しない比較例品9も同様に調製した。
実施例品21から25、および比較例品9を10℃、光照射下で2日間保存した。光照射の照度は、 紙製容器の上面から2 0 0 0 l x, 4 側面から1 0 0 0 l xとした。
比較例品9は光劣化臭と異風味の評点が高かった。これに対して、実施例品21から実施例品25は表5に示すとおり光照射下で保存しても光劣化臭の評点が低いものであった(各成分の分析法は上記したものと同じである)。
50%の生乳(SNF8.6%、Fat3.8%)、5.7%のローヒート脱脂粉乳(SNF95%)、1.33%の無塩バター(脂質83%)42.67%の水、及び表6に示したDMDSとPNを混合し、混合したものを60℃に加温し10MPaで均質化処理してミックスを得た。ミックスを、間接式殺菌機を用い、75℃、15秒間の条件で殺菌した後、40℃程度に冷却し、乳酸菌を接種して、40℃で4時間発酵させ、10℃で12時間冷却することによりセットタイプの発酵乳である実施例品26から実施例品30を得た。DMDSとPNを添加しない比較例品10も同様に調製した。
比較例品10は光劣化臭と異風味の評点が高かった。これに対して、実施例品26から実施例品30は表6に示すとおり光照射下で保存しても光劣化臭の評点が低いものであった(各成分の分析法は上記したものと同じである)。
限外濾過膜を用いて脱脂乳をダイアフィルトレーション処理し、これにより得られた保持画分を乾燥することにより得た分離乳タンパク質(以下MPI、SNF92%)をアルミパウチに封入し、オートクレーブで120℃、20分間乾熱滅菌し、DMSを150ppb、DMDSを190ppb含むMPIを調製した。
上記のMPI、無塩バター(脂質83%)、乳化剤、水を原料とし、5%のMPI、1.2%の無塩バター、0.1%の乳化剤、93.7%の水を混合した。
混合して得られたミックスを60℃に加温し10MPaで均質化処理した。ミックスを80℃で15秒間殺菌した後、10℃に冷却して低温殺菌低脂肪乳である実施例品31を得た。
実施例品31は表7に示すとおり光照射下で保存しても光劣化臭の評点が低いものであった(各成分の分析法は上記したものと同じである)。
牛乳は65℃で30分間殺菌した低温殺菌牛乳(SNF8.6%、Fat3.8%)を用いた。牛乳に対して2%のレモンジュース、及び表8に示したDMSを混合し、実施例品32を得た。
実施例品32は表8に示すとおり光照射下で保存しても光劣化臭の評点が低いものであった(各成分の分析法は上記したものと同じである)。
Claims (7)
- 含硫化合物及び/又はモノテルペン類を含むことを特徴とする光劣化臭の改善作用を有する組成物。
- 前記含硫化合物がジメチルスルフィド及び/又はジメチルジスルフィドであることを特徴とする請求項1に記載の光劣化臭の改善作用を有する組成物。
- 前記モノテルペン類がα‐ピネン及び/又はD−リモネンであることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の光劣化臭の改善作用を有する組成物。
- 請求項1から請求項3に記載の光劣化臭の改善作用を有する組成物を含むことを特徴とする食品。
- 3%以上の無脂乳固形分と、0.1%以上の脂質を含むことを特徴とする請求項4に記載の食品。
- ラクチュロース量が50mg/L以下であることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれか1項に記載の食品。
- 含硫化合物及び/又はモノテルペン類を含むことを特徴とする光劣化臭の改善作用を有する組成物を添加する工程と、100℃以下の殺菌工程と、を含むことを特徴とする食品の製造方法。
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