JP2017209802A - ガスバリア性積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
P = P0×e^(−E/RT) (式1)
(P:透過率、P0:定数、E:活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度)
図1に、本発明のガスバリア性積層体10のある態様について概略断面図を示す。ガスバリア性積層体10は、樹脂基材11の片面に、蒸着層12、オーバーコート層13が順次積層した構成の積層体である。以下、樹脂基材11を基準として、蒸着層12やオーバーコート層13が積層される向きを上(層)として説明する。
樹脂基材11は、ガスバリア性積層体10の基体となる層である。樹脂基材11は、一般的に使用されている種々のシート状の基材(フィルム状のものを含む)のなかから適宜選択し、用いてよい。例えば、(1)ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、(2)ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、(3)ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ乳酸などの生分解性プラスチックフィルム、などが挙げられる。
蒸着層12は、ガスバリア性を付与するため、蒸着材料を蒸着させることにより、樹脂基材11より上層に形成される層である。蒸着層12に用いる蒸着材料は、公知のガスバリア性蒸着膜を構成する無機材料から適宜選択して用いてよい。例えば、Si、Al、Zn、Sn、Fe、Mn等の金属、これらの金属の1種以上を含む無機化合物などが挙げられる。該無機化合物としては、酸化物、窒化物、炭化物、フッ化物等が挙げられる。これらの中でも、金属及び金属酸化物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。具体的には、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素等のケイ素酸化物(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、などが挙げられる。なかでも、酸化アルミニウムを含有する蒸着膜は、ヘリウムバリア性にも優れ好適である。
オーバーコート層13は、蒸着層12上に形成される層である。オーバーコート層13を蒸着層12上に積層することで、蒸着層12が単層で構成されたガスバリア性積層体では発現できない優れたガスバリア性を得ることができる。また、オーバーコート層は、緻密で脆い蒸着層12を保護する機能も有しており、擦れや屈曲によるクラックの発生を抑制できる。オーバーコート層13は、塗布液を調整し、蒸着層12上に塗布液を塗布し、塗布液を加熱乾燥することにより形成する。
また、本実施形態のガスバリア性積層体10は、上記樹脂基材11と上記蒸着層13との間に、さらに、アンカーコート層24を備えてもよい。アンカーコート層24を設けることにより、樹脂基材11と蒸着層12との密着性を高め、各層の間での剥離発生を抑制することができる。アンカーコート層24は、特に蒸着層12の下地となる層であり、蒸着層12の欠陥数などに影響が大きく、高い熱安定性を有し、異物が少なく、平滑で均質な状態が好ましい。蒸着層の下地効果により、蒸着層の欠陥数を低減することでき、ヘリウム透過性が低減され、酸素や水蒸気のバリア性にも好適である。
一方、OH基価が250[mgKOH/g]よりも大きいと、イソシアネート化合物(2)との反応量が多くなり過ぎて、アンカーコート層24の膜収縮が大きくなるおそれがある。膜収縮が大きいと、その上に蒸着層12がきれいに積層されず、充分なガスバリア性を示さないおそれがある。
また、ガスバリア性積層体20は、オーバーコート層13の上層に、さらに少なくとも1組以上の蒸着層12とオーバーコート層13とを積層した多層構成としてもよい。1組以上の多層構成にすることでさらにバリア性が向上し、ネオンや二酸化炭素の透過率を大きく低減させる効果も高く、オーバーコート層13が長期の耐久性を維持する。
また、ガスバリア性積層体20は、さらに、接着層31を介してラミネート樹脂層32を積層し、最表面をラミネート樹脂層32としてもよい。最表面にラミネート樹脂層32を設けることにより、用途に応じた機能・特性を付与し、実用性を高めることができる。ここで、ラミネート樹脂層32は、片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
まず、樹脂基材11上に蒸着層12を形成した。樹脂基材11には、片面がコロナ処理された厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社、T60)を用いた。また、真空蒸着機を使用して、上記樹脂基材11のコロナ処理面に、直接、元素比O/Alが1.7になるように酸素を導入しながら、金属アルミを蒸発させ、樹脂基材上に蒸着層12を形成した。このとき、形成された蒸着層(AlOx蒸着膜)は厚さ15nmであった。
実施例1のガスバリア性積層体について、ヘリウムガスの透過率測定を行ったところ、85cc/(m2・day・atm)であった。また、水蒸気透過度(WVTR)の測定は、(1)製造直後(初期)と、(2)加速劣化試験(60℃90%RHで500時間の保存試験)後との2回行った。その結果、初期のWVTRは0.15g/(m2・day)、加速劣化試験後のWVTRは0.21g/(m2・day)であった。測定結果を表1に示す。
まず、アンカーコート剤を調製した。アンカーコート剤として、OH基価が178mgKOH/gになるように、モノマーとして、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とメチルメタクリレート(MMA)を共重合させてアクリルポリオール(重量平均分子量約10000)を調整し、該アクリルポリオールを主剤とし、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を、主剤のOH基量に対して0.5当量となるように配合した固形分5質量%のメチルエチルケトン溶液を調製した。
実施例2で得られたガスバリア性積層体について、実施例1と同様にして、各種ガスの透過率測定を行った。その結果、ヘリウムガスの透過率測定は20cc/(m2・day・atm)、初期のWVTRは0.07g/(m2・day)、加速劣化試験後のWVTRは0.11g/(m2・day)であった。測定結果を表1に示す。
オーバーコート層形成用の塗布液を以下に示す塗布液の組成とし、実施例1と同様に真空蒸着機を使用して、元素比O/Alが1.5になるように酸素を導入しながら、金属アルミを蒸発させ、樹脂基材上に蒸着層12を形成した。このとき、形成された蒸着層(AlOx蒸着膜)は厚さ25nmであった。
実施例3で得られたガスバリア性積層体について、実施例1と同様にして、各種ガスの透過率測定を行った。その結果、ヘリウムガスの透過率測定は11cc/(m2・day・atm)、初期のWVTRは0.05g/(m2・day)、加速劣化試験後のWVTRは0.09g/(m2・day)であった。測定結果を表1に示す。
樹脂基材11に、片面がコロナ処理された厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社、T60)を用い、オーバーコート層13を設けない以外は実施例2と同様にアンカーコート層、蒸着層を設け、樹脂基材11/アンカーコート層24/蒸着層12がこの順で積層された比較例1のガスバリア性積層体を製造した。比較例1のガスバリア性積層体において、各層の膜厚は、樹脂基材11:25μm/アンカーコート層24:0.15μm/蒸着層12:15nmであった。
比較例1で得られたガスバリア性積層体について、実施例1と同様にして、各種ガスの透過率測定を行った。その結果、ヘリウムガスの透過率測定は120cc/(m2・day・atm)、初期のWVTRは1.5g/(m2・day)、加速劣化試験のWVTRは13g/(m2・day)であった。測定結果を表1に示す。
樹脂基材11には、片面がコロナ処理された厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社、T60)を用い、真空蒸着機を使用して、上記樹脂基材11のコロナ処理面に、直接、一酸化ケイ素蒸発材料を用い、元素比O/Siが1.9になるように酸素を導入しながら、樹脂基材上に蒸着層12を形成した。このとき、形成された蒸着層(SiOx蒸着膜)は厚さ50nmであった。
比較例2で得られたガスバリア性積層体について、実施例1と同様にして、各種ガスの透過率測定を行った。その結果、ヘリウムガスの透過率測定は750cc/(m2・day・atm)、初期のWVTRは0.4g/(m2・day)であり、加速劣化試験後のWVTRは2.8g/(m2・day)であった。測定結果を表1に示す。
実施例1〜3のガスバリア性積層体のガスバリア性は、WVTRの初期値が低く、優れたガスバリア性を有していた。また、加速劣化試験後も、WVTRの値が初期値からそれほど増加していなかった。一方、比較例1、2のガスバリア性積層体のガスバリア性は、加速劣化試験後、WVTRの値が初期値に比べて5倍以上増加しており、WVTRが1.0g/(m2・day)より大きい値を示した。
11 樹脂基材
12 蒸着層
13 オーバーコート層
20 ガスバリア性積層体
24 アンカーコート層
30 ガスバリア性積層体
31 接着層
32 ラミネート樹脂層
33 接着層
34 ラミネート樹脂層
Claims (8)
- 樹脂基材と、前記樹脂基材の少なくとも片面側に積層された蒸着層と、前記蒸着層上に積層されたオーバーコート層とを備えたガスバリア性積層体であって、
測定条件40℃、90%R.H.における水蒸気透過度が0.5g/(m2・day)以下であり、
測定条件40℃、0%R.H.におけるヘリウム透過率が100cc/(m2・day・atm)以下である、ガスバリア性積層体。 - ヘリウム透過の活性化エネルギーが前記樹脂基材の活性化エネルギーの0.8倍以上1.5倍以下である、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
- 水蒸気透過の活性化エネルギーが前記樹脂基材の活性化エネルギーの2倍以上である、請求項1または2に記載のガスバリア性積層体。
- 前記樹脂基材と前記蒸着層との間に、さらに、アンカーコート層を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
- 前記オーバーコート層の上層に、さらに少なくとも1組以上の蒸着層とオーバーコート層とが積層された、請求項1から4のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
- 前記オーバーコート層の上層に、さらに接着層を介してラミネート樹脂層が積層された、請求項1から5のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
- 前記蒸着層が、酸化アルミニウムであり、O/Al比が1.4〜2.0である、請求項1から6のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
- 請求項4に記載のガスバリア性積層体の製造方法であって、
前記アンカーコート層を、前記樹脂基材上にアンカーコート剤を塗布することにより形成する工程を含み、
前記アンカーコート剤は、OH基を2個以上有するアクリルポリオールと、分子内にNCO基を少なくとも2個以上有するイソシアネート化合物とを含有し、
前記アクリルポリオールのOH基価が50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であり、
前記アクリルポリオールのOH基に対する前記イソシアネート化合物のNCO基の当量比(NCO/OH)が0.3以上2.5以下である、ガスバリア性積層体の製造方法。
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