JP2017209802A - ガスバリア性積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】過酷な環境下においても長期に亘って優れたガスバリア性を発揮するガスバリア性積層体およびその製造方法を提供する。【解決手段】ガスバリア積層体は、樹脂基材と、樹脂基材の少なくとも片面側に積層された蒸着層と、蒸着層上に積層されたオーバーコート層とを備え、測定条件40℃、90%R.H.における水蒸気透過度が0.5g/(m2・day)以下であり、測定条件40℃、0%R.H.におけるヘリウム透過率が100cc/(m2・day・atm)以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性積層体およびその製造方法に関する。
ガスバリア性積層体とは、酸素や水蒸気などのガスを透過させない性質(ガスバリア性)を備えている積層体である。このため、ガスバリア性積層体で遮蔽された部位に保持された部材は、外部のガスに起因する劣化/変質などを抑制することができる。近年、このようなガスバリア性積層体は、様々な分野で活用されている。
このようなガスバリア性積層体は、例えば、食品などの包装に用いられる包装材料として活用されている。食品などの包装用途では、内容物の変質を防止することが求められている。具体的には、タンパク質や油脂等の酸化や変質を抑制し、更に風味や鮮度を保持できることが求められる。このため、好適にガスバリア性積層体が用いられる。
また、このようなガスバリア性積層体は、例えば、医薬品などの包装に用いられる包装材料として活用されている。医薬品などの包装用途では、内容物の変質を防止することが求められている。具体的には、無菌状態を保持し、内容物の有効成分の変質を抑制し、その効能を保持できることが求められている。このため、好適にガスバリア性積層体が用いられる。
また、このようなガスバリア性積層体は、例えば、半導体ウェハなどの電子部品や精密部品の包装に用いられる包装材料として活用されている。精密部品は、外部のガスに暴露されると、外部のガスが異物として働き不良品となる恐れがあることから、外部のガスを遮蔽することが求められている。このため、好適にガスバリア性積層体が用いられる。
また、このようなガスバリア性積層体は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの部材として活用されている。フラットパネルディスプレイの用途では、画素素子など内部部材の劣化を防止することが求められている。このため、好適にガスバリア性積層体が用いられる。
また、このようなガスバリア性積層体は、例えば、太陽電池におけるバックシートやフロントシートとして活用されている。太陽電池用途では、紫外線や湿気などから内部機構の劣化を防止することが求められる。このため、好適にガスバリア性積層体が用いられる。
このようなガスバリア性積層体を包装部材として用いる場合、透明性も兼ね備えることが好ましい。包装材料が透明性を有することで、包装の外から内容物の形状や内容物の色などが目視で確認することができ、それにより、内容物の取り違い防止や、損傷の有無、内容物の変質の有無が開封前に把握することができる。
以上述べたように、ガスバリア性積層体は、種々の広範な用途に対応できるように、ガスバリア性だけでなく、透明性、耐湿性、耐候性、耐久性などの特性を高度なレベルで兼ね備えていることが求められる。
従来、ガスバリア性積層体として、フィルム基材上にガスバリア性物質を蒸着したガスバリア性積層体が知られている。ガスバリア性物質の蒸着膜は、ガスバリア性を有するほか、極めて薄いことから透明性も良好である。
このようなガスバリア性積層体としては、例えば、シリカ系蒸着フィルムやアルミナ反応蒸着フィルムが挙げられる。シリカ系蒸着フィルムは、フィルム基材に、一酸化ケイ素やSi/SiO混合材料を蒸着した積層体である。また、アルミナ反応蒸着フィルムは、フィルム基材に、金属アルミニウムを蒸発させ酸素と反応させて蒸着した積層体である。
ここで、シリカ系蒸着フィルムやアルミナ反応蒸着フィルムは、ガスバリア性が温度や水分の影響を受けやすいことから、耐熱性、耐水性、耐湿性を向上させたガスバリア性積層体が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1および特許文献2に開示された積層体は、基材上に設けた蒸着膜の上に、さらに、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子と、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン又はその加水分解物とを含有するコーティング液を塗工し、加熱乾燥させてガスバリア性被膜を設けている。このような構成によって、ガスバリア性、耐熱性、耐水性、耐湿性等を向上させている。
特開平7−164591号公報 国際公開第2004/048081号
しかしながら、用途の拡大に伴い、ガスバリア積層体はさらなる過酷な環境下での使用が求められている。このため、さらなる耐湿性、耐熱性、耐水性、耐候性、などの耐久性の向上が求められている。ここで、過酷な環境下での使用態様としては、例えば、(1)包装材料用途では、包装材料で囲われたままボイルやレトルト殺菌のような処理を行うこと、(2)太陽電池用途では、屋外で長時間使用することなどが挙げられる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、過酷な環境下においても長期に亘って優れたガスバリア性を発揮するガスバリア性積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、ガスバリア性積層体において、特定のガスバリア性を制御することを見出し、本発明を完成した。本発明は、例えば以下の態様を有する。
本発明に係るガスバリア性積層体は、樹脂基材と、前記樹脂基材の少なくとも片面側に積層された蒸着層と、前記蒸着層上に積層されたオーバーコート層とを備え、測定条件40℃、90%R.H.における水蒸気透過度が0.5g/(m・day)以下であり、測定条件40℃、0%R.H.におけるヘリウム透過率が100cc/(m・day・atm)以下であるものである。
また、ヘリウム透過の活性化エネルギーが樹脂基材の活性化エネルギーの0.8倍以上1.5倍以下であってもよい。
また、水蒸気透過の活性化エネルギーが樹脂基材の活性化エネルギーの2倍以上であってもよい。
また、樹脂基材と蒸着層との間に、さらに、アンカーコート層を備えてもよい。
また、オーバーコート層の上層に、さらに少なくとも1組以上の蒸着層とオーバーコート層とが積層されてもよい。
また、オーバーコート層の上層に、さらに接着層を介してラミネート樹脂層が積層されてもよい。
また、蒸着層が酸化アルミニウムであってもよく、この場合、O/Al比が1.4〜2.0であることが好ましい。
また、本発明に係るガスバリア性積層体の製造方法は、アンカーコート層を、樹脂基材上にアンカーコート剤を塗布することにより形成する工程を含み、前記アンカーコート剤は、OH基を2個以上有するアクリルポリオールと、分子内にNCO基を少なくとも2個以上有するイソシアネート化合物とを含有し、前記アクリルポリオールのOH基価が50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であり、前記アクリルポリオールのOH基に対する前記イソシアネート化合物のNCO基の当量比(NCO/OH)が0.3以上2.5以下であるものである。
本発明のガスバリア性積層体は、過酷な環境下であっても、オーバーコート層および蒸着層の劣化が抑制され、長期に亘って優れたガスバリア性を発揮する。よって、本発明によれば、ボイル殺菌、レトルト殺菌のような過酷な処理および屋外配置のような過酷環境下におかれる用途であっても、長期に亘って優れたガスバリア性を発揮するガスバリア性積層体を提供できる。
本発明の一実施形態に係るガスバリア性積層体の概略断面図 本発明の一実施形態に係るガスバリア性積層体の概略断面図 本発明の一実施形態に係るガスバリア性積層体の概略断面図
以下、本発明の一実施形態に係るガスバリア性積層体の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。ただし、本発明の具体的な構成は下記実施形態の内容に限定されるものではなく、本明細書の趣旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、それらは本発明に含まれる。
本実施形態のガスバリア積層体は、測定条件40℃、90%R.H.における水蒸気透過度が0.5g/(m2・day)以下であり、測定条件40℃、0%R.H.におけるヘリウム透過率が100cc/(m2・day・atm)以下の特性を有するものである。このガスバリア積層体は、高い水蒸気バリア性を有しながら、ヘリウムが通過できるパス構造を制限することで、耐久性などに優れた積層体とすることができるものである。
特にヘリウムの透過においては透過の活性化エネルギーが基材と同等(例えば、基材の活性化エネルギーの0.8倍以上1.5倍以下)で、さらに水蒸気の透過の活性化エネルギーを基材の活性化エネルギーの2倍以上とすることで、バリア性やバリア耐久性を向上することができる。
ヘリウム透過の活性化エネルギーが基材とほぼ同等であるということは、ヘリウムの透過はバリア層の欠陥部分を主に透過していると考えられ、ヘリウムの透過に対しては基材が律速であり、ヘリウムが積層体を透過する場合は、ヘリウム分子より数倍大きな透過パスを主に通過していると考えられる。したがって、ヘリウムが容易に通過できるパス構造を少なくすれば、水蒸気はヘリウムが透過できないパスを拡散し、その結果水蒸気の活性化エネルギーが高くなると考えられる。
ヘリウムの透過するパス構造を制御することで大きな欠陥に相当する箇所を抑制し、局所的な透過を防止することで、経年劣化を著しく改善することができ、さらに有機ELや太陽電池における局所的な透過による欠陥、いわゆるダークスポットの発生なども抑制することが期待できる。
本実施形態では、透過の活性化エネルギーは、JIS K7126に準拠した透過度測定を温度範囲30℃以上60℃以下で行い、式(1)に基づいて、透過率の温度依存性によるアレニウスプロットから求めた。
P = P×e^(−E/RT) (式1)
(P:透過率、P:定数、E:活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度)
(ガスバリア性積層体)
図1に、本発明のガスバリア性積層体10のある態様について概略断面図を示す。ガスバリア性積層体10は、樹脂基材11の片面に、蒸着層12、オーバーコート層13が順次積層した構成の積層体である。以下、樹脂基材11を基準として、蒸着層12やオーバーコート層13が積層される向きを上(層)として説明する。
<樹脂基材>
樹脂基材11は、ガスバリア性積層体10の基体となる層である。樹脂基材11は、一般的に使用されている種々のシート状の基材(フィルム状のものを含む)のなかから適宜選択し、用いてよい。例えば、(1)ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、(2)ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、(3)ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ乳酸などの生分解性プラスチックフィルム、などが挙げられる。
また、樹脂基材11には、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の公知の添加剤が含有されていてもよい。
また、樹脂基材11の厚みは、特に制限がなく、仕様などに応じて適宜決定してよい。実用上、樹脂基材の厚みは、6μm以上200μm以下程度、好ましくは12μm以上125μm以下程度、より好ましくは12μm以上50μm以下程度が望ましい。ただし、本実施形態のガスバリア性積層体10において、樹脂基材11の厚みは上記範囲に限定されるものではない。
また、樹脂基材11は、樹脂基材11表面に表面処理を施してもよい。表面処理を行うことにより、他の層(蒸着層、アンカーコート層、など)を積層するにあたり、他の層との密着性を高めることができる。ここで、表面処理として、例えば、(1)コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの物理的処理、(2)酸やアルカリによる薬液処理などの化学的処理、などを用いてもよい。
<蒸着層>
蒸着層12は、ガスバリア性を付与するため、蒸着材料を蒸着させることにより、樹脂基材11より上層に形成される層である。蒸着層12に用いる蒸着材料は、公知のガスバリア性蒸着膜を構成する無機材料から適宜選択して用いてよい。例えば、Si、Al、Zn、Sn、Fe、Mn等の金属、これらの金属の1種以上を含む無機化合物などが挙げられる。該無機化合物としては、酸化物、窒化物、炭化物、フッ化物等が挙げられる。これらの中でも、金属及び金属酸化物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。具体的には、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素等のケイ素酸化物(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、などが挙げられる。なかでも、酸化アルミニウムを含有する蒸着膜は、ヘリウムバリア性にも優れ好適である。
また、蒸着層12は、金属アルミを含有する蒸着材料を用いて酸素を導入しながら反応させる真空蒸着により形成することが特に好ましい。上述のとおりに形成された蒸着層12は、透明性や、酸素ガスや水蒸気に対するバリア性に特に優れる。蒸着材料中、アルミと酸素の含有量の比率は、アルミと酸素との元素比O/Alが1.0以上2.0以下になる比率で含有することが好ましく、O/Alが1.4以上2.0以下になる比率で含有することがより好ましい。O/Alが1.4以上であると、透明性が良好で、O/Alが2.0以下であると、バリア性が良好である。さらにO/Alが2.0以下の場合は緻密な膜が形成されるため、ヘリウムバリア性にも好適である。
蒸着層12の形成方法には、公知の蒸着方法から適宜選択し用いてよい。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長(PVD:Physical Vapor Deposition)法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法等の化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、ALD:Atomic Layer Deposition法、などを用いてよい。特に、EB:electron beam加熱方式の真空蒸着法は高い成膜速度が得ることができ、本実施形態のガスバリア性積層体の蒸着層12の形成方法として好ましい。
また、蒸着を行うにあたり、反応蒸着法を用いてもよい。反応蒸着法は、蒸着材料を蒸着させる際に、蒸発した粒子と雰囲気中に導入したガスなどと反応させて蒸着させる方法である。導入するガスとしては、例えば、酸素ガス、アルゴンガス、などが挙げられる。酸素ガスなどとの反応蒸着を行うことにより、蒸着材料中の金属成分が酸化され、蒸着層12の透明性を向上させることができる。また、反応蒸着法を用いる場合、ガスを導入する際は、成膜室の圧力が2×10−1Pa以下にすることが望ましい。成膜室の圧力が2×10−1Paよりも大きくなってしまうと、蒸着層12がきれいに積層されず、水蒸気バリア性が低下してしまうおそれがある。
また、蒸着層12の膜厚は、5nm以上300nm以下が好ましく、10nm以上150nm以下がより好ましい。5nm以上であると充分なバリア性が発現し、300nm以下であると、後工程などでクラックの発生やそれによるバリア性の低下が生じにくい。ただし、本実施形態のガスバリア性積層体10において、蒸着層12の膜厚は上記範囲に限定されるものではない。
<オーバーコート層>
オーバーコート層13は、蒸着層12上に形成される層である。オーバーコート層13を蒸着層12上に積層することで、蒸着層12が単層で構成されたガスバリア性積層体では発現できない優れたガスバリア性を得ることができる。また、オーバーコート層は、緻密で脆い蒸着層12を保護する機能も有しており、擦れや屈曲によるクラックの発生を抑制できる。オーバーコート層13は、塗布液を調整し、蒸着層12上に塗布液を塗布し、塗布液を加熱乾燥することにより形成する。
オーバーコート層13は、シロキサン結合を有するケイ素化合物(A)を含有する成分、およびヒドロキシル基を有する水溶性高分子、あるいはカルボキシル基を有する水溶性高分子、あるいはヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールのいずれかひとつ(B)を含有する成分からなり、上記オーバーコート層における無機成分含有比率がSiO換算で55wt%以上90wt%以下であることが望ましい。
シロキサン結合を有するケイ素化合物(A)を含有するコーティング剤およびヒドロキシル基を有する水溶性高分子、あるいはカルボキシル基を有する水溶性高分子、あるいはヒドロキシル基とカルボキシル基とを含有するアクリルポリオールのいずれかひとつ(B)を含有するコーティング液を蒸着層12の上に塗工し、乾燥させることにより形成される。
シロキサン結合を有するケイ素化合物(A)は、アルコキシシランやシランカップリング剤などの有機ケイ素化合物の加水分解生成物からなり、メタノールなどのアルコールにアルコキシシランを溶解し、その溶液に塩酸などの酸の水溶液を添加し、加水分解反応させることにより調製したものが挙げられる。
アルコキシシランとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどを用いることができる。シランカップリング剤などの有機ケイ素化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するものなどが挙げられ、これらのシランカップリング剤を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの有機ケイ素化合物は単独で有機成分と無機成分から構成されるコート膜を形成することができ好適である。
また、本発明のオーバーコート層を形成する水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアクリル酸樹脂(PAA)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリビニルピロリドン樹脂(PVP)、あるいは、ヒドロキシル基とカルボキシル基を有するアクリルポリオールを用いることができ、これらを単独あるいは複数組み合わせて用いてもよい。 本発明のオーバーコート層は、オーバーコート層全体のうち無機成分の含有比率がSiO換算で含有比率55wt%以上とすることで湿潤状態でのバリア性において優れた特性を得ることができ好適である。一方無機成分が90%を超えると十分なバリア性能を得ることができなくなり、さらに可とう性が著しく低下するため不適である。
また、蒸着層12との密着性を上げるために、分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート系化合物を添加してもよい。
塗布液の塗布方法は、通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ローコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など、熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。乾燥方法において、加熱温度は、60℃以上200℃以下程度の範囲内が好ましく、100℃以上150℃以下程度の範囲内がより好ましい。60℃以上であると、所望のバリア性が発現され良好である。150℃以下であると、蒸着短時間であれば、基材の変形や蒸着膜にクラックが発生することなく好適である。
オーバーコート層13の膜厚は、0.1μm以上2μm以下程度が好ましく、0.2μm以上1.0μm以下程度がより好ましい。0.2μm以上であると安定してバリア性が発現され、1μm以下であると、印刷や他のフィルムの積層や曲げ加工などの後加工適性に優れる。ただし、本実施形態のガスバリア性積層体10において、オーバーコート層の膜厚13は上記範囲に限定されるものではない。
また、本実施形態のガスバリア性積層体10は、板状でもよく、フィルム状でもよい。例えばロールでの巻き取り加工等によりフィルム状に成形されたものでもよい。
<アンカーコート層>
また、本実施形態のガスバリア性積層体10は、上記樹脂基材11と上記蒸着層13との間に、さらに、アンカーコート層24を備えてもよい。アンカーコート層24を設けることにより、樹脂基材11と蒸着層12との密着性を高め、各層の間での剥離発生を抑制することができる。アンカーコート層24は、特に蒸着層12の下地となる層であり、蒸着層12の欠陥数などに影響が大きく、高い熱安定性を有し、異物が少なく、平滑で均質な状態が好ましい。蒸着層の下地効果により、蒸着層の欠陥数を低減することでき、ヘリウム透過性が低減され、酸素や水蒸気のバリア性にも好適である。
図2に、アンカーコート層24を積層したガスバリア性積層体20の概略断面図を示す。ガスバリア性積層体20は、樹脂基材11の片面に、アンカーコート層24、蒸着層12、オーバーコート層13が順次積層した構成の積層体である。
アンカーコート層24は、アンカーコート剤を調整し、樹脂基材11上にアンカーコート剤を塗布し、塗布された該アンカーコート剤を加熱乾燥することにより形成する。アンカーコート剤は、OH基を2個以上有するアクリルポリオール(1)と、分子内にNCO基を少なくとも2個以上有するイソシアネート化合物(2)と、を含有することが好ましい。
アクリルポリオール(1)としては、OH基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られる高分子化合物、OH基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとその他のモノマーとを共重合させて得られる高分子化合物などが挙げられる。OH基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。OH基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、OH基を有さない(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが好ましい。OH基を有さない(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えば、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、環構造を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマー等が挙げられる。アルキル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸などが挙げられる。環構造を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えばベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その他のモノマーとして、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー以外のモノマーを用いてもよい。該モノマーとしては、例えばスチレンモノマー、シクロヘキシルマレイミドモノマー、フェニルマレイミドモノマーなどが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸誘導体モノマー以外のモノマーはOH基を有していてもよい。
また、アクリルポリオール(1)のOH基価が50[mgKOH/g]以上250[mgKOH/g]以下であることが好ましい。OH基価[mgKOH/g]とは、アクリルポリオール中のOH基量の指標であり、アクリルポリオール1g中の水酸基をアセチル化するために必要な水酸化カリウムのmg数を示す。OH基価が50[mgKOH/g]未満であると、イソシアネート化合物(2)との反応量が少なく、アンカーコート層24による樹脂基材11と蒸着層12との密着性の向上効果が充分に発現しないおそれがある。
一方、OH基価が250[mgKOH/g]よりも大きいと、イソシアネート化合物(2)との反応量が多くなり過ぎて、アンカーコート層24の膜収縮が大きくなるおそれがある。膜収縮が大きいと、その上に蒸着層12がきれいに積層されず、充分なガスバリア性を示さないおそれがある。
アクリルポリオール(1)の重量平均分子量は特に規定しないが、3000以上200000以下が好ましく、5000以上100000以下がより好ましく、5000以上40000以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ポリスチレンを基準として、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された重量平均分子量とする。また、アクリルポリオール(1)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
イソシアネート化合物(2)としては、分子内にNCO基を少なくとも2個以上有するものであればよい。例えば、モノマー系イソシアネートとして、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂肪族系イソシアネート、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香脂肪族系イソシアネートなどを用いてもよい。また、これらのモノマー系イソシアネートの重合体又は誘導体も用いてもよい。該重合体又は誘導体としては、例えば、3量体のヌレート型、1,1,1−トリメチロールプロパンなどと反応させたアダクト型、ビウレットと反応させたビウレット型などが挙げられる。イソシアネート化合物(2)としては、上記のモノマー系イソシアネート、その重合体、誘導体等のなかから任意に選択してよく、1種を単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、アンカーコート剤において、アクリルポリオール(1)のOH基に対するイソシアネート化合物(2)のNCO基の当量比(NCO/OH)が0.3以上2.5以下であることが好ましく、0.5以上2.0以下であることがより好ましい。NCO/OHが0.3以上であると基材との密着性が向上し、2.0以下であると湿熱耐性試験後の密着性が向上する。アンカーコート剤におけるアクリルポリオール(1)とイソシアネート化合物(2)の配合量は、当量比に基づき配合されるのが好ましく、概ねアクリルポリオール(1)の100質量部に対し、イソシアネート化合物(2)が10質量部以上90質量部以下程度であることが好ましく、20質量部以上80質量部以下程度であることがより好ましい。
また、アンカーコート剤は、樹脂基材と蒸着層との密着性をより高めるために、さらに、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するものなどが挙げられる。また、シランカップリング剤としては1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
アンカーコート剤は、アクリルポリオール(1)とイソシアネート化合物(2)と任意成分(シランカップリング剤等)と溶媒と混合することにより調製できる。溶媒としては、アクリルポリオール(1)とイソシアネート化合物(2)を溶解し得るものであればよく、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、アセトンなどが挙げられる。これらの溶媒は1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
アンカーコート剤の塗布方法は、通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など、熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。乾燥方法において、加熱温度は、特に限定されないが、60℃以上140℃以下程度の範囲内が好ましく、残留溶剤がない程度でかつ巻き取り加工しても塗工面が裏面にくっついてしまういわゆるブロッキング現象がないような条件を適宜選択でき、必要に応じて40℃以上60℃以下程度の範囲内でエージング処理を行っても良い。
アンカーコート層24の膜厚は、0.02μm以上1.0μm以下が好ましく、0.04μm以上0.5μm以下がより好ましい。0.02μm以上であると、樹脂基材11と蒸着層12との密着性が充分に良好となる。0.5μmよりも厚いと内部応力の影響が大きくなり、蒸着層12がきれいに積層されず、ガスバリア性の発現が不充分となるおそれがある。
<多層積層体>
また、ガスバリア性積層体20は、オーバーコート層13の上層に、さらに少なくとも1組以上の蒸着層12とオーバーコート層13とを積層した多層構成としてもよい。1組以上の多層構成にすることでさらにバリア性が向上し、ネオンや二酸化炭素の透過率を大きく低減させる効果も高く、オーバーコート層13が長期の耐久性を維持する。
<ラミネート樹脂層>
また、ガスバリア性積層体20は、さらに、接着層31を介してラミネート樹脂層32を積層し、最表面をラミネート樹脂層32としてもよい。最表面にラミネート樹脂層32を設けることにより、用途に応じた機能・特性を付与し、実用性を高めることができる。ここで、ラミネート樹脂層32は、片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
図3に、ラミネート樹脂層32を両面に備えたガスバリア性積層体30の概略断面図を示す。ガスバリア性積層体30は、樹脂基材11の一方の面に、アンカーコート層24、蒸着層12、オーバーコート層13、接着層31、ラミネート樹脂層32が順次積層し、樹脂基材11の他方の面に、接着層33、ラミネート樹脂層34が順次積層した構成の積層体である。
ラミネート樹脂層32、34の材料は、所望する機能・特性などに応じて、適宜公知の材料から選択し、用いてよい。例えば、ラミネート樹脂層32、24に、ヒートシール性のある樹脂で構成されるシーラントフィルムを用いることで、ガスバリア性積層体30を、袋状包装体などを形成する際の接着部に利用することができる。シーラントフィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等が挙げられる。シーラントフィルムの厚さは、目的に応じて決められるが、一般的には15μm以上200μm以下の範囲である。なお、ラミネート樹脂層32、34を両面に積層する場合、いずれか一方にシーラントフィルムを用い、他方にシーラントフィルム以外の樹脂フィルムを用いた構成としてもよい。
例えば、ラミネート樹脂層32、34に、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムを用いることで、ガスバリア性積層体を、液晶表示素子や、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネルで使用する透明伝導シートなどの封止材として利用することもできる。ラミネート樹脂層32、34の形成は、選択したラミネート樹脂層32、34の材料に応じて、適宜公知の接着方法を用いて行ってよい。例えば、接着剤を用いたドライラミネート、熱接着性樹脂を用いた押出成形、などのラミネート方法を用いてもよい。接着剤を用いたドライラミネートの場合、接着剤が接着層を形成する構成となる。また、熱接着性樹脂を用いた押出成形の場合、熱接着性樹脂が接着層31を形成する構成となる。
以下、本発明のガスバリア性積層体の実施例について詳細に説明する。ただし、本発明のガスバリア性積層体は、実施例で示した様態に限定されるものではない。なお、オーバーコート層形成用の塗布液およびアンカーコート剤における有機ケイ素化合物またはその加水分解物の含有量を示す「固形分」は、加水分解した有機ケイ素化合物が重合し、成膜される塗膜重量に換算した量とする。
また、ガス透過率の測定はヤナコ製差圧式ガス透過率測定装置GTR−30XTを用いて、Heをテストガスとして差圧150kPa、30℃から60℃までの各種ガスの透過率を測定し、アレニウスプロットから活性化エネルギーを求めた。また、水蒸気透過率測定はHeガスを相対湿度90%になるように調湿したガスを用いて全差圧1atmとしてを行い、活性化エネルギーを求める際には各温度における水蒸気分圧を考慮した透過率P(HO)g/(m・day・atm)を基に求めた。
(実施例1)
まず、樹脂基材11上に蒸着層12を形成した。樹脂基材11には、片面がコロナ処理された厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社、T60)を用いた。また、真空蒸着機を使用して、上記樹脂基材11のコロナ処理面に、直接、元素比O/Alが1.7になるように酸素を導入しながら、金属アルミを蒸発させ、樹脂基材上に蒸着層12を形成した。このとき、形成された蒸着層(AlOx蒸着膜)は厚さ15nmであった。
次に、オーバーコート層形成用の塗布液を調製した。オーバーコート塗布液として、テトラエトキシシラン(TEOS)の加水分解溶液(0.01Nの塩酸を用いて水としてテトラエトキシシランの5倍モル当量加えたもの)と、ポリビニルアルコールの水溶液とを、TEOSのSiO換算量とPVAとの質量比が60:40となるように混合して固形分5質量%の溶液を調製した。
次に、蒸着層12上に塗布液を塗布し、加熱乾燥し、オーバーコート層13を形成した。塗布液の塗工には、バーコートを用いた。また、加熱乾燥の条件は、120℃、2分間とした。このとき、形成されたオーバーコート層13の乾燥膜厚は、膜厚0.3μmであった。
以上より、樹脂基材11/蒸着層12/オーバーコート層13がこの順で積層された実施例1のガスバリア性積層体を製造した。実施例1のガスバリア性積層体において、各層の膜厚は、樹脂基材11:25μm/蒸着層12:15nm/オーバーコート層13:0.3μmであった。
[検査測定]
実施例1のガスバリア性積層体について、ヘリウムガスの透過率測定を行ったところ、85cc/(m・day・atm)であった。また、水蒸気透過度(WVTR)の測定は、(1)製造直後(初期)と、(2)加速劣化試験(60℃90%RHで500時間の保存試験)後との2回行った。その結果、初期のWVTRは0.15g/(m・day)、加速劣化試験後のWVTRは0.21g/(m・day)であった。測定結果を表1に示す。
(実施例2)
まず、アンカーコート剤を調製した。アンカーコート剤として、OH基価が178mgKOH/gになるように、モノマーとして、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とメチルメタクリレート(MMA)を共重合させてアクリルポリオール(重量平均分子量約10000)を調整し、該アクリルポリオールを主剤とし、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を、主剤のOH基量に対して0.5当量となるように配合した固形分5質量%のメチルエチルケトン溶液を調製した。
次に、樹脂基材11上にアンカーコート剤を塗布し、アンカーコート層24を形成した。樹脂基材11には、片面がコロナ処理された厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社、T60)を用いた。グラビアコート機を用いて、アンカーコート剤を上記樹脂基材のコロナ処理面に塗工し、50℃の恒温室に48時間保管(エージング処理)し、アンカーコート層を形成した。このとき、アンカーコート層24の乾燥膜厚は、0.15μmであった。
次に、アンカーコート層24上に実施例1と同様に蒸着層12を形成した。真空蒸着機を使用して、元素比O/Alが1.7になるように酸素を導入しながら、金属アルミを蒸発させ、樹脂基材上に蒸着層12を形成した。このとき、形成された蒸着層(AlOx蒸着膜)は厚さ15nmであった。
次に、オーバーコート層形成用の塗布液を調整した。塗布液は、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートの加水分解溶液(0.001Nの塩酸を用いて水としてシリルイソシアヌレートの6倍モル当量加えたもの)と、テトラエトキシシランを、シリルイソシアヌレート:テトラエトキシシラン=20:80(モル比)となるように混合し、IPAにて希釈して固形分5質量%の溶液としたものとした。
次に、蒸着層12上に塗布液を塗布し、加熱乾燥し、オーバーコート層13を形成した。塗布液の塗工には、バーコートを用いた。また、加熱乾燥の条件は、120℃,2分間とした。このとき、形成されたオーバーコート層の乾燥膜厚は、膜厚0.5μmであった。
以上より、樹脂基材11/アンカーコート層24/蒸着層12/オーバーコート層13がこの順で積層された本実施例のガスバリア性積層体を製造した。本実施例のガスバリア性積層体20において、各層の膜厚は、樹脂基材11:25μm/アンカーコート層24:0.15μm/蒸着層12:15nm/オーバーコート層13:0.5μmであった。
[検査測定]
実施例2で得られたガスバリア性積層体について、実施例1と同様にして、各種ガスの透過率測定を行った。その結果、ヘリウムガスの透過率測定は20cc/(m・day・atm)、初期のWVTRは0.07g/(m・day)、加速劣化試験後のWVTRは0.11g/(m・day)であった。測定結果を表1に示す。
(実施例3)
オーバーコート層形成用の塗布液を以下に示す塗布液の組成とし、実施例1と同様に真空蒸着機を使用して、元素比O/Alが1.5になるように酸素を導入しながら、金属アルミを蒸発させ、樹脂基材上に蒸着層12を形成した。このとき、形成された蒸着層(AlOx蒸着膜)は厚さ25nmであった。
次に、実施例2と同様に、オーバーコート層形成用の塗布液を調整し、蒸着層12上に塗布液を塗布し、加熱乾燥し、オーバーコート層13を形成した。塗布液の塗工には、バーコートを用いた。また、加熱乾燥の条件は、120℃,2分間とした。このとき、形成されたオーバーコート層の乾燥膜厚は、膜厚0.5μmであった。
以上より、樹脂基材11/アンカーコート層24/蒸着層12/オーバーコート層13がこの順で積層された本実施例のガスバリア性積層体を製造した。本実施例のガスバリア性積層体20において、各層の膜厚は、樹脂基材11:25μm/アンカーコート層24:0.15μm/蒸着層12:25nm/オーバーコート層13:0.5μmであった。
[検査測定]
実施例3で得られたガスバリア性積層体について、実施例1と同様にして、各種ガスの透過率測定を行った。その結果、ヘリウムガスの透過率測定は11cc/(m・day・atm)、初期のWVTRは0.05g/(m・day)、加速劣化試験後のWVTRは0.09g/(m・day)であった。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
樹脂基材11に、片面がコロナ処理された厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社、T60)を用い、オーバーコート層13を設けない以外は実施例2と同様にアンカーコート層、蒸着層を設け、樹脂基材11/アンカーコート層24/蒸着層12がこの順で積層された比較例1のガスバリア性積層体を製造した。比較例1のガスバリア性積層体において、各層の膜厚は、樹脂基材11:25μm/アンカーコート層24:0.15μm/蒸着層12:15nmであった。
[検査測定]
比較例1で得られたガスバリア性積層体について、実施例1と同様にして、各種ガスの透過率測定を行った。その結果、ヘリウムガスの透過率測定は120cc/(m・day・atm)、初期のWVTRは1.5g/(m・day)、加速劣化試験のWVTRは13g/(m・day)であった。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
樹脂基材11には、片面がコロナ処理された厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社、T60)を用い、真空蒸着機を使用して、上記樹脂基材11のコロナ処理面に、直接、一酸化ケイ素蒸発材料を用い、元素比O/Siが1.9になるように酸素を導入しながら、樹脂基材上に蒸着層12を形成した。このとき、形成された蒸着層(SiOx蒸着膜)は厚さ50nmであった。
オーバーコート層形成用塗布液として実施例1で用いたものと同じものを用い、実施例1と同様にオーバーコート層を形成し、樹脂基材11/蒸着層12/オーバーコート層13がこの順で積層された比較例2のガスバリア性積層体を製造した。比較例1のガスバリア性積層体において、各層の膜厚は、樹脂基材11:25μm/蒸着層12:15nm/オーバーコート層13:0.3μmであった。
[検査測定]
比較例2で得られたガスバリア性積層体について、実施例1と同様にして、各種ガスの透過率測定を行った。その結果、ヘリウムガスの透過率測定は750cc/(m・day・atm)、初期のWVTRは0.4g/(m・day)であり、加速劣化試験後のWVTRは2.8g/(m・day)であった。測定結果を表1に示す。
実施例1〜3および比較例1〜2で得た積層体の層構成(使用材料)とヘリウム透過率(HeTR)、水蒸気透過度(WVTR)等の測定結果を表1にまとめて示す。なお、表1中の「AC層」は「アンカーコート層」を示し、表1中の「OC層」は「オーバーコート層」を示す。
<評価>
実施例1〜3のガスバリア性積層体のガスバリア性は、WVTRの初期値が低く、優れたガスバリア性を有していた。また、加速劣化試験後も、WVTRの値が初期値からそれほど増加していなかった。一方、比較例1、2のガスバリア性積層体のガスバリア性は、加速劣化試験後、WVTRの値が初期値に比べて5倍以上増加しており、WVTRが1.0g/(m・day)より大きい値を示した。
以上より、本発明のガスバリア性積層体は、加速劣化試験(60℃、90%R.H.で500時間の保存試験)後であってもガスバリア性を維持すること(具体的には、WVTRが0.5g/(m・day)以下程度)ができ、過酷環境下であってもガスバ・BR>潟A性を維持することが確認された。このため、ボイルやレトルト殺菌のような処理を行う包装材料用途、屋外での長時間の使用が想定される太陽電池用途、などの過酷環境下であっても好適に用いることができることが確認された。
本発明のガスバリア性積層体は、ガスバリア性、透明性、耐久性、を高度なレベルで兼ね備えていることから、ガスバリア性積層体を必要とする分野に広範に利用できる。例えば、(1)医薬品や食料などの包装用フィルム、(2)半導体ウェハなどの電子部品や精密部品の包装用フィルム、(3)液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ部材、(4)太陽電池におけるバックシート用途およびフロントシート用途、などの分野に好適に利用が期待されるが、これに限るものではない。
10 ガスバリア性積層体
11 樹脂基材
12 蒸着層
13 オーバーコート層
20 ガスバリア性積層体
24 アンカーコート層
30 ガスバリア性積層体
31 接着層
32 ラミネート樹脂層
33 接着層
34 ラミネート樹脂層

Claims (8)

  1. 樹脂基材と、前記樹脂基材の少なくとも片面側に積層された蒸着層と、前記蒸着層上に積層されたオーバーコート層とを備えたガスバリア性積層体であって、
    測定条件40℃、90%R.H.における水蒸気透過度が0.5g/(m・day)以下であり、
    測定条件40℃、0%R.H.におけるヘリウム透過率が100cc/(m・day・atm)以下である、ガスバリア性積層体。
  2. ヘリウム透過の活性化エネルギーが前記樹脂基材の活性化エネルギーの0.8倍以上1.5倍以下である、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  3. 水蒸気透過の活性化エネルギーが前記樹脂基材の活性化エネルギーの2倍以上である、請求項1または2に記載のガスバリア性積層体。
  4. 前記樹脂基材と前記蒸着層との間に、さらに、アンカーコート層を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
  5. 前記オーバーコート層の上層に、さらに少なくとも1組以上の蒸着層とオーバーコート層とが積層された、請求項1から4のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
  6. 前記オーバーコート層の上層に、さらに接着層を介してラミネート樹脂層が積層された、請求項1から5のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
  7. 前記蒸着層が、酸化アルミニウムであり、O/Al比が1.4〜2.0である、請求項1から6のいずれか一項に記載のガスバリア性積層体。
  8. 請求項4に記載のガスバリア性積層体の製造方法であって、
    前記アンカーコート層を、前記樹脂基材上にアンカーコート剤を塗布することにより形成する工程を含み、
    前記アンカーコート剤は、OH基を2個以上有するアクリルポリオールと、分子内にNCO基を少なくとも2個以上有するイソシアネート化合物とを含有し、
    前記アクリルポリオールのOH基価が50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であり、
    前記アクリルポリオールのOH基に対する前記イソシアネート化合物のNCO基の当量比(NCO/OH)が0.3以上2.5以下である、ガスバリア性積層体の製造方法。
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