JP2017221900A - 成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性に優れ、かつ、所望の形状を有する成形体を容易に製造することができる成形体の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の成形体の製造方法は、塩化ビニル系樹脂および可塑剤を含む組成物を用いて成形体を製造する方法であって、前記組成物を鋼板に塗布する塗布工程と、前記鋼板に塗布された前記組成物を固化させる固化工程とを有し、前記塗布工程における前記組成物の粘度が100,000mPa・s超400,000mPa・s以下であり、前記組成物を用いて形成された厚さ:2mmの固体状の膜について、光源としてメタルハライドランプを用い、照射強度:81mW/cm2、スプレーサイクル:120分中2分間、ブラックパネル温度:80℃という条件でのメタルウェザー試験を、500時間行った場合における前記膜の体積収縮率が24%以下であることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、成形体の製造方法に関するものである。
近年、建築物の高耐久化が求められるに伴って、多くの建築物の屋上やベランダ等において、樹脂シート(防水シート)を敷設施工したシート防水構造が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
このシート防水構造では、例えば、屋上の床部と、床部の外縁に沿って設けられた壁部との境界部に、ポリ塩化ビニルで被覆された鋼板(金属板)を配置し、床部と壁部とをかかる鋼板とともに樹脂シートを用いて覆う構成となっており、これにより、屋上に防水が施される。
ここで、防水が施工される屋上等の形状は、当然、様々である。そのため、前記鋼板としては、複数種の形状のものが予め用意され、実際に施工される屋上等の形状に合致するものを選択し、これらを接合して用いられる。
このような鋼板同士の接合は、複雑な形状に対応できる射出成形により成形された成形体を予め用意しておき、この成形体を用いて施工者が接合部を覆うことにより行っている。
防水構造は、一般に、長期間にわたって防水性を安定的に保持する必要があるが、上記のような射出成形品では金型費用が高価になり、小ロット多品種の形状に対応出来ない。また、今後さらに耐久性の高い用途で使用可能な成形体を作成する方法が望まれる。
本発明の目的は、耐久性に優れ、かつ、所望の形状を有する成形体を容易に製造することができる成形体の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(2)の本発明により達成される。
(1) 塩化ビニル系樹脂および可塑剤を含む組成物を用いて成形体を製造する方法であって、
前記組成物を鋼板に塗布する塗布工程と、
前記鋼板に塗布された前記組成物を固化させる固化工程とを有し、
前記塗布工程における前記組成物の粘度が100,000mPa・s超400,000mPa・s以下であり、
前記組成物を用いて形成された厚さ:2mmの固体状の膜について、光源としてメタルハライドランプを用い、照射強度:81mW/cm2、スプレーサイクル:120分中2分間、ブラックパネル温度:80℃という条件でのメタルウェザー試験を、500時間行った場合における前記膜の体積収縮率が24%以下であることを特徴とする成形体の製造方法。
(1) 塩化ビニル系樹脂および可塑剤を含む組成物を用いて成形体を製造する方法であって、
前記組成物を鋼板に塗布する塗布工程と、
前記鋼板に塗布された前記組成物を固化させる固化工程とを有し、
前記塗布工程における前記組成物の粘度が100,000mPa・s超400,000mPa・s以下であり、
前記組成物を用いて形成された厚さ:2mmの固体状の膜について、光源としてメタルハライドランプを用い、照射強度:81mW/cm2、スプレーサイクル:120分中2分間、ブラックパネル温度:80℃という条件でのメタルウェザー試験を、500時間行った場合における前記膜の体積収縮率が24%以下であることを特徴とする成形体の製造方法。
(2) 前記固化工程は、加熱をすることにより行う上記(1)に記載の成形体の製造方法。
本発明によれば、耐久性に優れ、かつ、所望の形状を有する成形体を容易に製造することができる成形体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、成形体の製造に用いられる鋼板の一実施形態を示す斜視図、図2は、本発明に係る成形体の一実施形態を示す斜視図、図3は、本発明の成形体の製造方法の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図2中の上側を「上」、下側を「下」とする。なお、本発明は以下に記載した用途に限るものではない。
鋼板(接合体)10は、図1に示すように、第1の部材1と、第2の部材2をあらかじめ接合させたものである。
接合体10(第1の部材1および第2の部材2)は、表面が樹脂で被覆(コーティング)されている金属板で構成される。このように、樹脂で被覆することで、金属板の腐食を確実に防止することができる。
金属板としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼板、鉄板のような鋼板、アルミ板、銅板等が挙げられるが、鋼板であるのが好ましい。これにより、接合体10を優れた強度を有するものとすることができる。
また、金属板の厚さは、特に限定されないが、0.1mm以上3mm以下であるのが好ましく、0.3mm以上2.5mm以下であるのがより好ましい。
樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニルのような塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、塩化ビニル系樹脂(特に、ポリ塩化ビニル)であるのが好ましい。当該樹脂は、溶剤溶着性や熱融着性に優れるため、防水シートとの密着性を確実に確保することができる。
また、金属板を被覆する樹脂(樹脂層)の厚さは、特に限定されないが、0.03mm以上2mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上0.7mm以下であるのがより好ましい。
図2に示すように、成形体100は、塩化ビニル系樹脂および可塑剤を含む組成物20’を用いて形成された樹脂部20と、樹脂部20を支持する支持部としての鋼板(接合体)10とを備えている。
成形体100は、屋上やベランダのような躯体が有する床部と壁部との境界部に配置され、床部と壁部とを成形体100とともに防水シートを用いて覆うことで、躯体に防水を施すシート防水構造に用いられるものである。
樹脂部20は、鋼板(接合体)10を構成する第1の部材1と第2の部材2との境界(接触部)を覆うように配されている。
樹脂部20の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.2mm以上7mm以下であるのが好ましく、0.3mm以上3mm以下であるのがより好ましい。これにより、成形体100の耐久性(例えば、長期間にわたる防水性等)をより優れたものとすることができるとともに、成形体100における不本意な凹凸の発生をより効果的に防止、抑制することができる。
次に、接合体10の製造方法について説明する。
[A]まず、第1の部材1および第2の部材2を用意する。
[A]まず、第1の部材1および第2の部材2を用意する。
第1の部材1および第2の部材2は、それぞれ、これらの展開図に相当する表面が樹脂で被覆(コーティング)された平板状をなす金属板を用意し、底部、立ち上がり面、目地内部平面および目地内部立ち上がり面がそれぞれ形成されるように、これらを屈曲させることにより得ることができる。
[B]次に、第1の部材1と第2の部材2とを接合する。
第1の部材1と第2の部材2との接合は、例えば、リベットにより行うことができる。
以上のような工程を経ることで、接合体10が製造される。
第1の部材1と第2の部材2との接合は、例えば、リベットにより行うことができる。
以上のような工程を経ることで、接合体10が製造される。
次に、成形体100の製造方法について説明する。
[1]まず、塩化ビニル系樹脂および可塑剤、さらに、必要に応じてその他の成分を用意し、これらを、ミキサー等を用いて常温でそれぞれ均一に混合して組成物(ゾル組成物)20’を得る(組成物調製工程)。
[2]次に、得られた組成物(ゾル組成物)20’を、塗布法により、鋼板(接合体)10に塗布する(塗布工程。図3(a)参照)。
これにより、複雑な形状(例えば、複雑な凹凸パターンを有する形状)の形成体であっても好適に製造することができる。また、鋼板10の形状を変形することにより、様々な形状に対応することができる。また、鋼板10に対する塗布法による製造方法は、射出成形に比べて、成形体100の製造プロセス全体でのコストを大幅に抑制することができる。
また、塗布法を採用することにより、ディッピング法(浸漬法)等の他の形成方法を採用する場合に比べて、高粘度の組成物を用いることができる。また、鋼板10の所望の部位に、選択的に組成物20’を付与することができ、所望の形状の樹脂部20を形成することができる。
具体的には、本工程(塗布工程)における組成物20’の粘度は、100,000mPa・s超400,000mPa・s以下である。
これにより、例えば、組成物20’の成形性を確保するために、組成物20’中における揮発性の溶剤の含有率を高くしたり、本工程における組成物20’の温度を過剰に高くする必要がないため、後述する固化工程等での組成物20’の収縮や、組成物20’の構成成分の不本意な変性、劣化を効果的に防止することができる。また、成形時における組成物20’の不本意なダレ等を効果的に防止、抑制することができるため、比較的厚みの大きい成形体100であっても、不本意な膜厚のばらつきの発生を効果的に防止、抑制することができる。以上のようなことから、耐久性に優れ、かつ、所望の形状を有する成形体100を容易に高い生産性で製造することができる。
上記のように、本工程(塗布工程)における組成物20’の粘度は、100,000mPa・s超400,000mPa・s以下であればよいが、150,000mPa・s以上350,000mPa・s以下であるのが好ましく、200,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、組成物20’を所定の条件で成形して得られる膜は、以下に示す条件を満足するものである。
組成物20’を用いて形成された厚さ:2mmの固体状の膜について、光源としてメタルハライドランプを用い、照射強度:81mW/cm2、スプレーサイクル:120分中2分間、ブラックパネル温度:80℃という条件でのメタルウェザー試験を、500時間行った場合における前記膜の体積収縮率が24%以下である。
このような条件を満足する組成物20’を用いることにより、組成物を用いて製造される成形体100の経年劣化による収縮等を効果的に防止、抑制することができ、成形体100の耐久性を優れたものとすることができる。
前記条件でのメタルウェザー試験を行った際の前記膜の体積収縮率は、試験前後の膜の縦、横、厚みの変化から算出することができる。また、体積収縮率は24%以下であればよいが、22%以下であるのが好ましく、20%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
なお、メタルウェザー試験は、例えば、KW−R5TP(ダイプラウィンテス株式会社)、SUV−W151(岩崎電気株式会社)、M6T(スガ試験機株式会社)等のメタルウェザー試験機を用いて行うことができる。
組成物(ゾル組成物)20’の鋼板10への付与(塗布)は、塗布法により行うものであればよく、より具体的には、例えば、刷毛塗り、ディスペンス法、スキージー法、スプレー法、フローガンによる押し出し法等の方法により行うことができる。
[3]次に、鋼板10に塗布された組成物20’を固化させる(固化工程。図3(b)参照)。
このように、組成物20’が所定の形状に成形された状態で固化することにより、組成物20’は、流動性を失い、固体としての樹脂部20となり、当該樹脂部20を備えた成形体100が得られる。
一実施形態において、組成物20’の固化は、加熱により行うことが挙げられる。固化工程の加熱条件は、組成物20’の構成材料等によって異なるが、たとえば温度は120℃以上250℃以下であるのが好ましく、140℃以上230℃以下であるのがより好ましい。また、加熱時間も、組成物20’の構成材料等によって異なるが、3分以上30分以下であるのが好ましく、5分以上20分以下であるのがより好ましい。
塗布工程に供される組成物20’が揮発性の溶剤を含むものである場合には、本工程(固化工程)は、溶剤の除去により行うことができる。
組成物20’からの溶剤の除去は、例えば、組成物20’を加熱したり、組成物20’を減圧下に置くこと等により行うことができる。
前述したように、組成物20’は、塩化ビニル系樹脂および可塑剤を含むものである。
塩化ビニル系樹脂は、各種樹脂材料の中でも、優れた耐水性、耐酸性、耐アルカリ性を有し、また、難燃性で、電気絶縁性である。また、溶剤溶着性や熱融着性に優れている。したがって、塩化ビニル系樹脂を含む材料で構成された成形体100は、施工を好適に行うことができるとともに、耐久性にも優れた防水構造に好適に適用することができる。
塩化ビニル系樹脂は、各種樹脂材料の中でも、優れた耐水性、耐酸性、耐アルカリ性を有し、また、難燃性で、電気絶縁性である。また、溶剤溶着性や熱融着性に優れている。したがって、塩化ビニル系樹脂を含む材料で構成された成形体100は、施工を好適に行うことができるとともに、耐久性にも優れた防水構造に好適に適用することができる。
また、組成物20’が可塑剤を含むことにより、成形体100の成形性を良好なものとすることができ、また、成形体100におけるひび割れ等の発生をより効果的に防止、抑制することができ、成形体100の耐久性を優れたものとすることができる。
組成物20’中における塩化ビニル系樹脂の含有率は、特に限定されないが、例えば、40質量%以上80質量%以下とすることができ、さらには55質量%以上75質量%以下とすることができる。
組成物20’中において、塩化ビニル系樹脂は、いかなる形態で含まれるものであってもよく、例えば、溶融状態で含まれるものであってもよいし、溶解状態で含まれるものであってもよいし、固体の粒子状態で含まれるものであってもよい。
塩化ビニル系樹脂で構成される粒子の形状は、球状の他、例えば、顆粒状(複数の球状体が連結したもの)、ペレット状(塊状)、ブロック状(例えば、多孔質体)等とすることもできる。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、DOA(ジ−2−エチルヘキシルアジペート)、DIDA(ジイソデシルアジペート)、DOS(ジ−2−エチルヘキシルセバセート)のような脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、エチレングリコールのベンゾエート類のような芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、および、TOTM(トリオクチルトリメリテート)のようなトリメリット酸エステル系可塑剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記フタル酸エステル系可塑剤は、一般式(1)で示される。
該アルキル基の具体例としては、例えば、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシル、イソウンデシル、n−ラウリル、イソラウリル等を挙げることができる。
一般式(1)で示されるフタル酸エステル系可塑剤の具体例としては、例えば、ジブチルフタレート、ジ−n−ヘプチルフタレート、ジイソヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジ−n−ノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジ−n−デシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジ−n−ウンデシルフタレート、ジ−n−ラウリルフタレート、ブチルオクチルフタレート、n−オクチル−n−デシルフタレート等を挙げることができる。
組成物20’中における可塑剤の含有率は、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、40質量部以上90質量部以下とすることができ、さらには50質量部以上80質量部以下とすることができる。
可塑剤の含有量が前記下限値未満であると、可塑剤の種類によっては、得られる成形体100の樹脂部20に充分な柔軟性を付与することができないおそれがある。また、含有量が前記上限値を超えると、可塑剤の種類によっては、収縮が大きくなる恐れがある。
また、組成物20’中には、塩化ビニル系樹脂、可塑剤以外の成分が含まれていてもよい。
このような成分としては、例えば、充填材、安定剤、安定助剤、紫外線吸収剤、難燃剤、繊維強化剤、着色剤、滑剤、希釈剤、増粘剤等が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述したものに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明の成形体の製造方法において、必要に応じて、1以上の任意の目的の工程を追加してもよい。
また、本発明において、成形体や接合体、または、これらの構成部材は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
また、前記の実施形態では、接合方法について、2つの部材同士を成形体を介して接合して接合体を得る際に適用する場合を一例に説明したが、かかる場合に限定されず、例えば、3つ以上の部材同士が成形体を介して接合されている接合体を得る際に適用するようにしてもよい。
また、本発明において、各部材は、上記のような形状をなすものに限らず、いかなる形状をなすものであってもよい。
100 成形体
10 接合体(鋼板)
1 第1の部材
2 第2の部材
20’ 組成物(ゾル組成物)
20 樹脂部
10 接合体(鋼板)
1 第1の部材
2 第2の部材
20’ 組成物(ゾル組成物)
20 樹脂部
Claims (2)
- 塩化ビニル系樹脂および可塑剤を含む組成物を用いて成形体を製造する方法であって、
前記組成物を鋼板に塗布する塗布工程と、
前記鋼板に塗布された前記組成物を固化させる固化工程とを有し、
前記塗布工程における前記組成物の粘度が100,000mPa・s超400,000mPa・s以下であり、
前記組成物を用いて形成された厚さ:2mmの固体状の膜について、光源としてメタルハライドランプを用い、照射強度:81mW/cm2、スプレーサイクル:120分中2分間、ブラックパネル温度:80℃という条件でのメタルウェザー試験を、500時間行った場合における前記膜の体積収縮率が24%以下であることを特徴とする成形体の製造方法。 - 前記固化工程は、加熱をすることにより行う請求項1に記載の成形体の製造方法。
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2016
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