JP2017222911A - 鉄心、再冷延鋼板、再冷延鋼板の製造方法、及び鉄心の製造方法 - Google Patents

鉄心、再冷延鋼板、再冷延鋼板の製造方法、及び鉄心の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた磁気特性を有し、さらに、寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制された鉄心の提供。【解決手段】{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上である鋼板からなる鉄心。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄心、再冷延鋼板、再冷延鋼板の製造方法、及び鉄心の製造方法に関するものである。
近年、地球温暖化防止、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、鉄心の材料である一方向性電磁鋼板に対しても、商用周波数での低鉄損及び低励磁場での高磁束密度といった高い磁気特性が求められている。
このような磁気特性を実現するためには、鉄の磁化容易軸である<001>軸を使用磁界方向に集積させることが有効とされている。
一般的な方向性電磁鋼板は、{110}<001>方位(ゴス方位)、すなわち{110}面が鋼板に平行で、かつ<001>軸が圧延方向に収束した集合組織を有している。
これにより、一方向性電磁鋼板は、圧延方向に対して極めて高い磁気特性を示すことができる。このため、一方向性電磁鋼板は、巻き鉄心のような圧延方向にのみ磁束が流れる用途に適しており、有用な磁性材料として使用されている。
一方で、近年、一方向だけでなく、それと直交する方向の磁気特性にも優れた用途に適する二方向性電磁鋼板が要求されている。二方向性電磁鋼板は、{100}<001>(いわゆるキューブ方位)集合組織を有する。そして、二方向性電磁鋼板は、<001>軸が鋼板面内の圧延方向と圧延直角方向(圧延方向に対して直交する方向)の両方に向いており、鋼板面内に直交する2つの方向で優れた磁気特性を示す電磁鋼板である。
二方向性電磁鋼板は、例えば、特許文献1〜3に開示された製造方法によって得られることが知られている。
例えば、二方向性電磁鋼板は、クロス圧延による方法によって得られることが知られている(特許文献1)。この方法は、珪素鋼素材を一方向に冷間圧延した後、さらに、この冷間圧延方向と交差方向に冷間圧延を加え、その後、仕上げ焼鈍として、短時間焼鈍と900℃〜1300℃程度の高温焼鈍とを行う方法である。
しかし、仕上げ焼鈍前に交差圧延を行うことは、商業生産上、コイルの状態で幅方向に圧延しなければならず、特殊な装置が必要となる。
また、二方向性電磁鋼板を得るための他の製造方法としては、脱C、又は脱Cと脱Mnとを生じさせる高温焼鈍を利用した製造方法(特許文献2)も提案されている。
しかし、この手法では真空中で焼鈍しなければならず、やはり、特殊な装置が必要となる。
さらに、結晶粒径が小さい二方向性電磁鋼板を得るための製造方法として、二次再結晶後の方向性電磁鋼板を浸炭させ、100℃〜400℃で焼鈍し、圧延方向に50%以上の圧下率で圧延した後、再結晶焼鈍をする方法(特許文献3)が知られている。
しかし、この手法では、浸炭によりセメンタイトが析出し、鉄損が劣位である。
特公昭35−002657号公報 特開平07−173542号公報 特許第4826312号公報
ところで、二方向性電磁鋼板は、鋼板面内に直交する二方向に優れた磁気特性を示す電磁鋼板であることから、直交する両方向に優れた磁気特性が要求される用途に適用することが検討されている。このような用途としては、例えば、ティース部とヨーク部とで磁束が流れる方向が直交している鉄心の材料として適用することが提案されている。
しかしながら、特許文献1〜3に開示されている二方向性電磁鋼板は、生成される{100}<001>方位の集積度が高すぎる。このため、これら従来の二方向性電磁鋼板をモータの鉄心として適用する場合に、打ち抜き加工時の寸法精度が低いという課題、及び曲げ加工時に板厚が減少し、占積率が低下するという課題があった。二方向性電磁鋼板をモータの鉄心として使用する際、主に打ち抜き加工が行われる。打ち抜き加工時の寸法精度が低いとモータ効率が低下する。また、モータの鉄心が、螺旋巻き鉄心であるとき、曲げ加工を行う場合がある。二方向性電磁鋼板の{100}<001>方位が多いと、曲げ加工時に板厚が減少し、占積率が低下しやすい。占積率の低下はモータ効率の低下につながる。
このように、従来の二方向性電磁鋼板を用いて鉄心とする場合、直交する二方向に優れた磁気特性を有するだけでなく、さらに、寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制された鉄心を得る技術は確立されていなかったのが実情である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、優れた磁気特性を有し、さらに、寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制された鉄心を提供するものである。また、これら特性を有する鉄心を製造するのに好適な再冷延鋼板とその製造方法を提供するものである。さらに上記特性を有する鉄心の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、直交する二方向に優れた磁気特性を有する鉄心において、寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制された鉄心とする観点から、鋭意研究を重ねた。
その結果、本発明者らは、主方位となる{100}<001>から±30度以内の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、副方位となる結晶の滑り面が板厚と平行な{110}<110>から±30度以内の結晶方位の結晶粒の面積比率が20%以上である集合組織を有する鋼板からなる鉄心とすることで、優れた磁気特性を有するとともに、寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制されることを知見した。
本発明は上記の知見に基づきなされたものであり、その要旨は、以下のとおりである。
<1> {100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上である鋼板からなる鉄心。
<2> 前記鋼板の平均結晶粒径が350μm以下である<1>に記載の鉄心。
<3> 前記鋼板が、質量%で、
C:0.0100%以下、
Si:2.00%以上4.00%以下、
Mn:0.5%以下、
Sb:0.2%以下、
Sn:0.2%以下、
Ni:0.5%以下、
Cu:0.5%以下、
Cr:0.5%以下、
P:0.3%以下、
及びAl:0.5%以下を含有し、並びに、残部としてFeおよび不純物元素を含有する請求項<1>又は<2>に記載の鉄心。
<4> {110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上であり、せん断帯の数が30個/mm以上である再冷延鋼板。
<5> 質量%で、
C:0.0100%以下、
Si:2.00%以上4.00%以下、
Mn:0.5%以下、
Sb:0.2%以下、
Sn:0.2%以下、
Ni:0.5%以下、
Cu:0.5%以下、
Cr:0.5%以下、
P:0.3%以下、
及びAl:0.5%以下を含有し、並びに、残部としてFeおよび不純物元素を含有する<4>に記載の再冷延鋼板。
<6> {110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延して、<4>又は<5>に記載の再冷延鋼板を得る工程を有する再冷延鋼板の製造方法。
<7> <4>又は<5>に記載の再冷延鋼板を積層した鉄心。
<8> {110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延し、<4>又は<5>に記載の再冷延鋼板を得る工程と、
前記再冷延鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、
前記打ち抜き部材を積層一体化して、700℃以上の温度域で焼鈍する工程と、
を有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の鉄心の製造方法。
<9> 前記温度域が、700℃〜1000℃である<8>に記載の鉄心の製造方法。
<10> {110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延し、<4>又は<5>に記載の再冷延鋼板を得る工程と、
前記再冷延鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、
前記打ち抜き部材を積層一体化する工程と
を有する<7>に記載の鉄心の製造方法。
<11> <10>に記載の鉄心の製造方法であって、前記積層一体化する工程の後、700℃〜1000℃の温度域で焼鈍する工程をさらに有する鉄心の製造方法。
<12> {100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上である二方向性電磁鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、
前記打ち抜き部材を積層一体化する工程と、
を有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の鉄心の製造方法。
本発明によれば、優れた磁気特性を有し、さらに、寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制された鉄心を提供できる。また、これら特性を有する鉄心を製造するのに好適な再冷延鋼板とその製造方法が提供できる。さらに上記特性を有する鉄心の製造方法が提供できる。
本発明の鉄心に用いられる鋼板の(001)極点図を示す模式図である。 従来の二方向性電磁鋼板の(001)極点図を示す模式図である。 本発明例における鉄心に用いられる鋼板の(001)極点図である。 本発明の鉄心の一例を表す模式図である。 本発明の鉄心の他の一例を表す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の鉄心は、{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上の鋼板からなる。つまり、鉄心を構成する鋼板(鉄心となった状態の鉄心を構成している鋼板)は、{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上である結晶粒を有する。
本発明の鉄心を構成する鋼板は、200Hz以上の高周波鉄損を低減する点で、鉄心を構成する鋼板の平均結晶粒径を350μm以下とすることがよく、300μm以下とすることが好ましく、150μm以下とすることがより好ましい。
一方、平均結晶粒径の下限は特に限定されないが、平均結晶粒径が小さすぎると磁気特性が低くなるため、20μm以上にすることがよい。
鉄心を構成する鋼板の平均結晶粒径の測定方法は、以下のとおりである。
試験片を板厚断面が観察できるように切断し、ナイタールエッチングにより粒界を腐食させて発現させる。その後、100個以上の結晶粒の結晶粒径を線分法により測定し、平均結晶粒径を求める。
鉄心を構成する鋼板は、以下のような化学組成であることがよい。例えば、質量%で、C:0.0100%以下、Si:2.00%以上4.00%以下、Mn:0.5%以下、Sb:0.2%以下、Sn:0.2%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Cr:0.5%以下、P:0.3%以下、及びAl:0.5%以下を含有し、並びに、残部としてFeおよび不純物元素を含有する。
なお、本明細書中において、不純物とは、原材料に含まれる成分、または、製造の過程で混入する成分であって、意図的に鋼板に含有させたものではない成分を指す。
次に、本発明の鉄心に用いられる鋼板について説明する。
本発明の鉄心に用いられる好適な鋼板としては、{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上である集合組織を有する二方向性電磁鋼板が挙げられる。
なお、{100}<001>(±30°)は、{100}<001>から±30度以内を表し、{110}<110>(±30°)は、{110}<110>から±30度以内を表す。
まず、本発明の鉄心に用いられる鋼板の有する{100}<001>から±30度以内の結晶方位の結晶粒、及び{110}<110>から±30度以内の結晶方位の結晶粒について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の鉄心に用いられる鋼板の(001)極点図の一例を示す模式図である。本発明の鉄心に用いられる鋼板は、例えば、図1に示す(001)極点図のように、主方位である{100}<001>(±30°)の結晶方位1(以下、「{100}<001>近傍方位1」と称する)に結晶粒を有し、かつ、副方位である{110}<110>(±30°)の結晶方位2(以下、「{110}<110>近傍方位2」と称する)に結晶粒を有している。
そして、本発明の鉄心に用いられる鋼板は、{100}<001>近傍方位1の結晶粒が、全結晶粒に対する面積比率で50%以上であり、{110}<110>近傍方位2の結晶粒が、全結晶粒に対する面積比率で20%以上である結晶方位を有している。本発明の鉄心に用いられる鋼板は、板厚中心層を観察したときに、このような結晶方位を有している視野が一つ以上存在している。
一方、図2は、従来の二方向性電磁鋼板の(001)極点図を示す模式図である。従来の二方向性電磁鋼板は、図2に示す(001)極点図のように、{100}<001>近傍方位1に結晶粒を有しているが、{110}<110>近傍方位には結晶粒を有していない。
なお、図2に示す従来の二方向性電磁鋼板は、歪取り焼鈍を行っていない。
このように、本発明の鉄心に用いられる鋼板は、主方位である{100}<001>近傍方位1と、副方位である{110}<110>近傍方位2との両者に結晶方位を有している点で、従来の二方向性電磁鋼板とは、異なるものである。
ここで、本発明の鉄心に用いられる鋼板が有する{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率、及び{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率を測定する方法について説明する。
なお、以下の説明において、{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率、及び{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率は、それぞれ、「{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率」、及び「{110}<110>(±30°)の結晶粒の面積比率」と称する場合がある。
これらの面積比率は、以下の方法によって求められる。
本発明の鉄心に用いられる鋼板の結晶方位は、電子線後方散乱回折法(EBSD)を用いて観察する。結晶方位の{}内は圧延面の法線方向のミラー指数を示し、<>内は2次再結晶前の冷延における圧延方向と平行な方向をミラー指数で示している。
EBSDの測定条件の詳細は次の通りである。
・測定装置:電子線後方散乱回折装置付き走査型電子顕微鏡(SEM−EBSD)
(SEMの型番「JSM−6400」(JEOL社製))
・ステップ間隔:10μm
・倍率:100倍
・測定対象:鋼板の圧延面の中心層
・測定領域:7500μm×7500μm
・測定結晶粒数:1000個
以上の測定条件により測定された全結晶粒に対して、{100}<001>(±30°)の結晶粒、及び{110}<110>(±30°)の結晶粒について、全結晶粒に対する面積比率を求める。なお、面積比率は平均値で表される。
鉄心の磁気特性が特に優れる点で、{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが、鉄心の寸法精度、占積率の低下抑制の点で、80%以下であることがよい。
また、鉄心の磁気特性、及び寸法精度、並びに占積率の低下抑制の点で、鉄心に用いられる鋼板は、{110}<110>(±30°)の結晶粒の面積比率が、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。上限は磁気特性の点で、49%以下であることがよい。
本発明の鉄心は、鉄心に用いられる鋼板が上記構成を有することで、特に、寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制される。この理由は定かではないが、以下のように推測される。
鉄心に用いられる鋼板が、{110}<110>結晶粒を有することで、寸法精度が向上すると本発明者らは考えている。鉄心を得るための鋼板を打ち抜いたとき(例えば、円形)、鋼板が{100}<001>結晶粒のみ有する場合は、鋼板の加工異方性が強いため、鉄心の寸法精度が出にくい。しかしながら、鉄心を得るための鋼板が{110}<110>を有することで寸法精度が向上すると考えられる。
また、本発明の鉄心は、占積率の低下が抑制される点については、鉄心を得るための鋼板のr値(引張加工時における(幅減少量)/(板厚減少量))が高いことに起因していると本発明者らは考えている。{100}<001>のr値は{110}<110>のr値よりも低いことが知られている。鉄心を得るための鋼板は、{110}<110>結晶粒を有することで、従来の二方向性電磁鋼板よりもr値が高い。つまり、{110}<110>結晶粒を有する鋼板は、曲げ加工時の板厚が減少しにくくなっていると考えられる。それによって、鉄心の占積率の低下が抑制される。
なお、{110}<110>方位粒が、例えば、螺旋巻き鉄心のような螺旋状等の曲げ加工に適していることは、特許3631523号公報で述べられている。
本発明の鉄心に用いられる鋼板は、{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上であればよく、その化学組成は特に限定されない。鋼板の化学組成は、例えば、質量%で、C:0.0030%以下、Si:2.00%以上4.00%以下、Mn:0.5%以下、Sb:0.2%以下、Sn:0.2%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Cr:0.5%以下、P:0.3%以下、及びAl:0.5%以下を含有し、並びに、残部としてFeおよび不純物元素からなる鋼板であることが挙げられる。
これらの元素のうち、Cは、鉄損を低下させる成分であり、磁気時効の原因ともなる元素であるため、0.0100%以下(0.0000%〜0.0100%)とすることがよい。
また、Siは、電気抵抗を増大させて渦電流損を減少させることにより、鉄損を低減する作用のある成分であり、さらに、降伏比を増大させることにより、打ち抜き精度を向上させる作用も有する。これらの作用を奏するためには、2.00%以上含有させることがよい。
一方、Siは、含有量が増え過ぎると、磁束密度が低下し、かつ、硬度の上昇を招いて、打ち抜き精度が低下しやすくなる。また、鋼板(二方向性電磁鋼板)の製造工程において、冷延等の作業性の低下、コスト高ともなり得るので、4.00%以下とすることがよい。
なお、鋼板中には、上記したC、Siの他、Mn、Sb、Sn、Ni、Cu、Cr、P、及びAl等の元素を含んでいてもよい。これらの成分については、上述のような一般的な量で含有していてもよい。具体的には、Mn:0.5%以下、Sb:0.2%以下、Sn:0.2%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Cr:0.5%以下、P:0.3%以下、及びAl:0.5%以下を含有する。そして、残部としてFeおよび不純物元素を含有する。ただし、Mn、Sb、Sn、Ni、Cu、Cr、P、及びAlの下限としては、0.0%である。
ここで、本発明の好適な鉄心としては、例えば、図4および図5に示す鉄心が挙げられる。
図4に示す鉄心100は、本発明の鉄心の一例を表す模式図である。図4に示す鉄心100は、分割鉄心を表す。鉄心100は、図4に示すように、円弧上のヨーク部17と、ヨーク部17の内周面から径方向内側に向かって突出しているティース部15とを備えた分割鉄心用の打ち抜き部材11を有する。そして、鉄心100は、分割鉄心用の打ち抜き部材11を円環状に連結し、複数枚積層して一体化した積層体13として形成されている。なお、分割鉄心用の打ち抜き部材11は、図4に示す形状、個数、積層数等に限らず、目的に応じて設計すればよい。
図5に示す鉄心300は、本発明の鉄心の他の一例を表す模式図である。図5に示す鉄心300は、螺旋巻き鉄心を表す。鉄心300は、図5に示すように、外周側にヨーク部37、ヨーク部37の内周面から径方向内側に向かって突出しているティース部35を備えた螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材31を有する。螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材31は、ヨーク部37を外周側、ティース部35を内周側となるように、螺旋状の曲げ加工が行われている。そして、鉄心300は、打ち抜き部材31を複数枚積層して一体化した積層体33として形成されている。なお、螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材31は、図4に示す形状、積層数等に限らず、目的に応じて設計すればよい。
以上、図4および図5に示す鉄心について説明したが、本発明の鉄心はこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の鉄心の好適な製造方法について説明する。本発明の鉄心の好適な製造方法としては、例えば、下記のような製造方法が挙げられる。
{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%である二方向性電磁鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、打ち抜き部材を積層一体化して鉄心を得る工程と、を有していてもよい。なお、積層一体化した鉄心は、加工歪みを除くための焼鈍を行ってもよい。
具体的には、まず、{110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板を準備する。準備した一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延する。冷間圧延の後、700℃以上(好ましくは700℃以上1100℃未満)の温度域で焼鈍して、{100}<001>(±30°)の結晶粒を50%以上有し、{110}<110>(±30°)の結晶粒を20%以上有する二方向性電磁鋼板を得る。
この二方向性電磁鋼板から、打ち抜き部材を得て、打ち抜き部材を積層一体化する。打ち抜き部材を得る方法、及び打ち抜き部材を積層一体化する方法は、通常工業的に採用されている方法によって鉄心を製造すればよい。
例えば、鉄心が分割鉄心である場合、この二方向性電磁鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る。そして、打ち抜き部材を組み合わせて積層し、積層一体化して鉄心を得る。
打ち抜き部材は、例えば、ティース部とヨーク部とを有する所定形状の打ち抜き部材でもよい。また、所定形状の打ち抜き部材は、所定の枚数を打ち抜く。所定形状の打ち抜き部材は、例えば、所定の形状に打ち抜かれるときに、積層して一体化するための凹凸部が形成されてもよい。次に、所定形状の打ち抜き部材を所定の枚数を組み合わせて積層し、積層一体化させて鉄心を得る。積層一体化は、例えば、かしめ加工により、各々の打ち抜き板に形成された凹凸部が機械的に相互に嵌め合わされて固定され、打ち抜き部材が積層一体化される。
また、例えば、鉄心が螺旋巻き鉄心である場合、この二方向性電磁鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る。そして、打ち抜き部材に螺旋状の曲げ加工を施し、曲げ加工部材を得る。その後、曲げ加工部材を積層一体化して鉄心を得る。
螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材は、例えば、帯状の打ち抜き部材の長手方向に沿う方向に連続的に延びているヨーク部と、ヨーク部の短手方向の一端部側に突出して複数個設けられたティース部とを有する。螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材は、例えば、一周分の螺旋状の曲げ加工を行うことが可能な長さでもよく、螺旋状に曲げ加工を行い巻き回しながら積層することが可能な長さでもよい。この打ち抜き部材は、例えば、所定の形状に打ち抜かれるときに、積層して一体化するための凹凸部が形成されてもよい。
螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材は、螺旋状の曲げ加工により、曲げ加工部材とした後、この曲げ加工部材を積層し、積層一体化させて鉄心を得る。例えば、打ち抜き部材を板面方向に、ティース部を内側、ヨーク部を外側にして、螺旋状に曲げ加工を行ってもよい。曲げ加工部材の積層は、複数枚の曲げ加工部材を積層してもよい。この場合、回し積みによって積層してもよい。また、曲げ加工部材を巻き回して積層してもよい。積層一体化は、例えば、かしめ加工により、各々の打ち抜き板に形成された凹凸部が機械的に相互に嵌め合わされて固定され、打ち抜き部材が積層一体化される。
以上の工程を経て、二方向性電磁鋼板を用いた鉄心が得られる。すなわち、二方向性電磁鋼板を用いて得た鉄心は、直交する二方向に優れた磁気特性を有する。
なお、鉄心を得るために用いる上記一方向性電磁鋼板の化学組成は、例えば、質量%で、C:0.0030%以下、Si:2.00%以上4.00%以下、Mn:0.5%以下、Sb:0.2%以下、Sn:0.2%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Cr:0.5%以下、P:0.3%以下、及びAl:0.5%以下を含有し、並びに、残部としてFeおよび不純物元素からなる鋼板であることがよい。
次に、本発明の鉄心に用いられる好適な他の鋼板について説明する。
本発明の鉄心に用いられる好適な他の鋼板としては、得られる鉄心が寸法精度に優れる点および占積率の低下を抑制する点で、例えば、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上(好ましくは90%〜100%、さらに好ましくは95%〜100%)であり、せん断帯の数が30個/mm以上(好ましくは40個/mm以上、さらに好ましくは50個/mm以上)である再冷延鋼板が挙げられる。
再冷延鋼板が、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上であることに加えて、せん断帯の数が30個/mm以上であることで、打ち抜き加工を行うときの打ち抜き寸法精度、及び曲げ加工を行うときの曲げ加工性に優れる。そのため、これら特性を有する再冷延鋼板を用いることで、得られる鉄心は寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制される。
ここで、再冷延鋼板及び再冷延鋼板を焼鈍した鋼板についての結晶方位は、{}内の面が鋼板に平行で、かつ<>内の軸が再圧延方向に平行であることを示す。なお、結晶方位の観察は、EBSDを用いて既述の条件で行う。
上記の再冷延鋼板を得る方法としては、例えば、{110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の切板の幅方向(一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向)に冷間圧延(以下、「冷延」と称する場合がある)を行う。この冷延により、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上(例えば、95%以上)であり、せん断帯の数が30個/mm以上(例えば、40個/mm以上)である再冷延鋼板を得る。この冷延において、圧下率は20%〜50%の範囲とすることがよい。
ここで、{110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板を板厚方向に90度回転させると{110}<110>方位となる。この{110}<110>方位を冷間圧延すると、剪断変形により圧下率に応じて{110}<110>が一部{100}<001>に方位変化する。
このとき、圧下率が20%未満のときは{100}<001>方位の発生量が少な過ぎる。そのため、この{100}<001>方位の発生量が少な過ぎる再冷延鋼板を用いて鉄心を得た場合、得られた鉄心は磁気特性が低下する。また、再冷延鋼板のせん断帯の数が30個/mm未満となるため、鉄心の寸法精度が劣位となる。
一方、圧下率が50%超のときは{110}<110>方位粒が磁気特性の低い{111}<110>に変化するため、得られる鉄心の磁気特性が低下する。また、鉄心の寸法精度および占積率が低下する。しかも、再冷延鋼板の焼鈍後の方位が、磁気特性の悪い{111}<211>に変化しやすくなるため、得られる鉄心の磁気特性がより低下する。
このように、{110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板を、圧延方向に対して直交する方向に圧下率が20%〜50%となるように冷延した再冷延鋼板を用いると、上記特性を有する再冷延鋼板が得られる。そして、この再冷延鋼板を用いて得られた鉄心は、磁気特性、及び寸法精度に優れ、占積率の低下が抑制される。
なお、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率は、既述の方法により測定する。
また、再冷延鋼板のせん断帯の数は、次のようにして測定する。
試験片を板厚断面が観察できるように圧延方向に平行に切断し、ナイタールエッチングによりせん断帯を腐食させて発現させる。結晶粒径観察に用いた写真の板厚中心部に1mmの線分を描く。その線分とせん断帯との交点を数え、その交点数を個/mmの単位で表す。この時、せん断帯とは結晶粒内に圧延方向から10°から70°傾いた斜め線状のエッチング痕のことを指す。
再冷延鋼板としては、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上であり、せん断帯の数が30個/mm以上であれば、再冷延鋼板の化学組成は特に限定されない。再冷延鋼板は、例えば、以下の化学組成を有する再冷延鋼板が挙げられる。
質量比で、C:0.0000%〜0.0030%、Si:2.00%〜4.00%、Mn:0.0%〜0.5%、Sb:0.0%〜0.2%、Sn:0.0%〜0.2%、Ni:0.0%〜0.5%、Cu:0.0%〜0.5%、Cr:0.0%〜0.5%、P:0.0%〜0.3%、及びAl:0.0%〜0.5%を含有する。そして、残部は、Feおよび不純物元素からなる鋼板である。
再冷延鋼板の化学組成は、前述の鉄心に用いる好適な鋼板(二方向性電磁鋼板)で例示した化学組成と同様の点で、上記範囲の化学組成とすることがよい。
なお、再冷延鋼板を用いて得られる好適な鉄心としては、例えば、前述の図4および図5に示す鉄心が挙げられる。
次に、本発明の鉄心の好適な他の製造方法について説明する。
本発明の鉄心の好適な他の製造方法は、例えば、{110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延し、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上であり、せん断帯の数が30個/mm以上である再冷延鋼板を得る工程と、再冷延鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、打ち抜き部材を積層一体化して、700℃以上の温度域で焼鈍する工程と、を有する。
まず、一方向性電磁鋼板から特定の再冷延鋼板を得る。
具体的には、{110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板のコイルの幅方向に切断された鋼板(以下、「切板」と称する)を準備する。一方向性電磁鋼板としては、絶縁コーティング、及びフォルステライト皮膜を有しない鋼板を準備してもよい。又は、絶縁コーティング、及びフォルステライト皮膜を有している鋼板を準備し、絶縁コーティング、及びフォルステライト皮膜を切削等で機械的に除去した鋼板としてもよい。
また、一方向性電磁鋼板としては、{110}<001>方位に集積した結晶粒を有するのであれば、一方向性電磁鋼板の化学組成は特に限定されない。{110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板としては、例えば、以下の化学組成を有する一方向性電磁鋼板であることがよい。
このような一方向性電磁鋼板としては、質量比で、C:0.0000%〜0.0030%、Si:2.00%〜4.00%、Mn:0.0%〜0.5%、Sb:0.0%〜0.2%、Sn:0.0%〜0.2%、Ni:0.0%〜0.5%、Cu:0.0%〜0.5%、Cr:0.0%〜0.5%、P:0.0%〜0.3%、及びAl:0.0%〜0.5%を含有する。そして、残部は、Feおよび不純物元素からなる鋼板である。
次に、準備した切板の幅方向(一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向)に、圧下率が20%〜50%となるように、冷間圧延を行い、前述の再冷延鋼板と同様の再冷延鋼板を得る。すなわち、再冷延鋼板は、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上であり、せん断帯の数が30個/mm以上である。
次に、再冷延鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材(打ち抜き板)を得る。打ち抜き部材は、目的に合わせた鉄心に応じて、所定の形状に打ち抜く。打ち抜き部材を得る方法は特に限定されず、通常工業的に採用されている方法によって行えばよい。
なお、打ち抜き部材を得る工程は、例えば、所定形状の打ち抜き部材よりも大きい予備打ち抜き部材を得る工程と、予備打ち抜き部材から目的とする所定形状の打ち抜き部材を得る工程とを有する2段階の工程としてもよい。
鉄心が分割鉄心である場合、分割鉄心用の打ち抜き部材は、例えば、ティース部とヨーク部とを有する分割された形状の打ち抜き部材が挙げられる。
また、鉄心が螺旋巻き鉄心である場合、螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材は、例えば、帯状の打ち抜き部材であり、長手方向に沿う方向に連続的に延びているヨーク部と、ヨーク部の短手方向の一方の端部側に突出して複数個設けられたティース部とを有する形状の打ち抜き部材が挙げられる。螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材は、例えば、一周分の螺旋状の曲げ加工を行うことが可能な長さでもよく、螺旋状に曲げ加工を行い巻き回しながら積層することが可能な長さでもよい。
これらの打ち抜き部材は、積層一体化する場合に、ティース部とヨーク部とを有する所定の形状に打ち抜かれるときに、例えば、積層して一体化するための凹凸部が形成されてもよい。
次に、打ち抜き部材を積層一体化する。
例えば、鉄心が分割鉄心である場合、分割鉄心用の打ち抜き部材の所定枚数を組み合わせて環状に連結させ、これを積層する。そして、例えば、かしめ加工により、各々の打ち抜き板に形成された凹凸部が機械的に相互に嵌め合わされて固定され、打ち抜き部材が積層一体化される。
鉄心が螺旋巻き鉄心である場合、螺旋巻き鉄心用の打ち抜き部材に曲げ加工を行い、曲げ加工された打ち抜き部材(以下、「曲げ加工部材」とも称する)を得る。曲げ加工は、打ち抜き部材の板面方向に対して、例えば、ヨーク部を外周側、ティース部を内周側となるように螺旋状の曲げ加工を行い、曲げ加工部材を得る。そして、曲げ加工部材を積層する。曲げ加工部材の積層は、一周分の曲げ加工を行った曲げ加工部材を所定枚数積層してもよい。この場合、回し積みによって積層してもよい。また、曲げ加工部材を巻き回して積層してもよい。その後、例えば、かしめ加工により、積層された曲げ加工部材が機械的に相互に嵌め合わされて固定され、曲げ加工部材が積層一体化される。
なお、かしめ加工により積層一体化する方法を例に挙げて説明したが、積層一体化する方法は特に限定されず、通常工業的に採用されている方法で行えばよい。
次に、積層一体化された積層体に対して焼鈍を行う。焼鈍温度は、得られる鉄心の磁気特性が優位となる点で、700度以上で焼鈍をすることがよく、800度以上であることが好ましい。なお、焼鈍の温度域の上限は特に限定されないが、焼鈍温度が高すぎると、得られる鉄心の磁気特性が劣位となる場合があるので、焼鈍の温度域の上限は、1100℃未満(好ましくは1000℃以下)とすることがよい。
以上の工程を経て、再冷延鋼板を用いた鉄心が得られる。
ここで、再冷延鋼板は、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上であり、せん断帯の数が30個/mm以上である。この再冷延鋼板では、{100}<001>方位から±30度以内の結晶粒の面積比率は15%未満である。この再冷延鋼板を再結晶させた後の鋼板は、{100}<001>方位から±30度以内の結晶粒の面積比率を50%以上に増加し得る。このとき、再結晶比率を100%にすることが望ましい。再冷延鋼板を再結晶させるためには、700度以上(好ましくは700℃〜1000℃)の温度域で焼鈍をすることがよい。この焼鈍により、再結晶させた後の鋼板は、{100}<001>(±30°)の結晶粒を50%以上有し、{110}<110>(±30°)の結晶粒を20%以上有する。すなわち、再冷延鋼板を用いて得た鉄心は、上記の焼鈍により、直交する二方向に優れた磁気特性を有する。
なお、本発明の鉄心は、再冷延鋼板を積層したものとしてもよい。再冷延鋼板を積層した鉄心とする場合、この鉄心の製造方法としては、{110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延し、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上であり、せん断帯の数が30個/mm以上である再冷延鋼板を得る工程と、再冷延鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、打ち抜き部材を積層一体化する工程とを有することが挙げられる。
また、この再冷延鋼板を積層した鉄心は、例えば、700℃〜1000℃の温度域で焼鈍を施してもよい。この温度域で焼鈍することで、鉄心を構成する鋼板は、{100}<001>(±30°)の結晶粒を50%以上有し、{110}<110>(±30°)の結晶粒を20%以上有するものとなる。つまり、鉄心は、前述の直交する二方向に優れた磁気特性を有するものとなる。
以上、本発明の鉄心を得るための好適な鋼板として、二方向性電磁鋼板および再冷延鋼板を例に挙げて説明したが、{100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上の鋼板からなる鉄心が得られるのであれば、上記の鋼板に限定されるものではない。
なお、従来の二方向性電磁鋼板を用いて鉄心を得る方法では、二方向性電磁鋼板を得るための特殊な装置を必要としていた。これに対して、本発明の鉄心は、二方向性電磁鋼板を得るための特殊な装置を必要とせず、二方向に優れた磁気特性を有する鉄心が簡便に製造し得る。
以上のように、本発明によれば、鉄心は、優れた磁気特性を有し、寸法精度に優れおよび占積率の低下が抑制されているため、電気機器鉄心(特に、モータの螺旋巻き鉄心)として適用することが望ましい。本発明によれば、電気機器の分野における喫緊の高効率化、小型化要請に十分に応えることができ、その工業的価値は極めて高いものである。
なお、本発明は、上記に限定されるものではない。上記は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を例示して、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
(実施例1)
−主方位および副方位の確認−
本発明の鉄心を構成する鋼板が、主方位および副方位を有することについて確認試験を行う。
まず、質量%で、C:0.0030%、Si:3.10%、Mn:0.1%、を含有する厚さ0.30mmの一方向性電磁鋼板の切板を準備する。次に、絶縁コーティングを水酸化ナトリウム水溶液で、フォルステライト皮膜を硫酸で除去する。しかる後に、絶縁コーティング、及びフォルステライト皮膜を除去した切板の幅方向に対して40%の圧下率で冷延を行い、再冷延鋼板を得る。この再冷延鋼板は、{110}<110>から30°以内の結晶粒が91%、せん断帯の数が72個/mmである。
この再冷延鋼板を窒素雰囲気中にて850℃で1秒焼鈍する。焼鈍終了後、鋼板を空冷する。
上記焼鈍後の鋼板の中心層を既述の測定条件により、EBSDにより観察を行う。
上記焼鈍後の鋼板の(001)極点図を図3に示す。図3に示すとおり、焼鈍後の鋼板は、主方位である{100}<001>近傍方位1Aと、副方位である{110}<110>近傍方位2Aとの2方位で結晶粒が観察される。この鉄心に用いられる鋼板における各結晶粒の面積比率は、{100}<001>から30°以内の結晶粒は61%であり、{110}<110>から30°以内の結晶粒は37%である。
また、上記の再冷延鋼板から、冷延方向に沿う方向に対して複数のティース部が形成されるように、帯状の打ち抜き部材を打ち抜く。この帯状の打ち抜き部材は、長手方向に沿う方向に連続的に延びているヨーク部と、ヨーク部の短手方向の一端部側に突出して複数個設けられたティース部とを有する。次に、この帯状の打ち抜き部材に対し曲げ加工を行い、曲げ加工部材を得る。曲げ加工は、帯状の打ち抜き部材が一周するように、かつ、ヨーク部が外周側、ティース部が内周側となるように、螺旋状の曲げ加工を行う。その後、曲げ加工部材を積層して、かしめ加工を行い、積層一体化した積層体を得る。その後、この積層体を窒素雰囲気中にて、850℃の各温度条件で1秒間焼鈍して鉄心を得る。焼鈍終了後、鉄心を空冷する。
得られる鉄心において、ティース部とヨーク部から鋼板を採取し、その板厚中心層を既述の測定条件により、EBSDにより観察を行う。この採取した鋼板における結晶粒の面積比率は、{100}<001>から30°以内の結晶粒が61%であり、{110}<110>から30°以内の結晶粒が37%である。
このように、上記の再冷延鋼板を用いて得る鉄心は、再冷延鋼板を焼鈍して得られる鋼板の主方位と副方位とに対応する結晶方位の結晶粒を有することが分かる。
(実施例2)
−圧下率および焼鈍条件の影響−
まず、質量%で、C:0.0002%、Si:3.09%を含有する0.30mmの一方向性電磁鋼板の切板を準備する。次に、水酸化ナトリウム水溶液で絶縁コーティングを除去し、硫酸でフォルステライト皮膜を除去する。その後に、絶縁コーティング、及びフォルステライト皮膜を除去した切板の幅方向に対して圧下率10%〜60%で冷延を行い、再冷延鋼板を得る。
この再冷延鋼板から、冷延方向に沿う方向に対して複数のティース部が形成されるように、帯状の打ち抜き部材を打ち抜く。この帯状の打ち抜き部材は、長手方向に沿う方向に連続的に延びているヨーク部と、ヨーク部の短手方向の一端部側に突出して複数個設けられたティース部とを有する。次に、この帯状の打ち抜き部材に対し曲げ加工を行い、曲げ加工部材を得る。曲げ加工は、帯状の打ち抜き部材が一周するように、かつ、ヨーク部が外周側、ティース部が内周側となるように、螺旋状の曲げ加工を行う。その後、曲げ加工部材を積層して、かしめ加工を行い、積層一体化した積層体を得る。その後、この積層体を窒素雰囲気中にて、600℃〜1100℃の各温度条件で1秒間焼鈍して鉄心を得る。焼鈍終了後、鉄心を空冷する。
上記方法で得られる鉄心について、磁気特性の各評価を行う。上記方法で得られる鉄心において、ティース部とヨーク部とから鋼板を採取し、その板厚中心層を既述の測定条件により、EBSDにより観察を行う。さらに、上記方法で得られる鉄心において、鋼板を採取し、平均結晶粒径の測定を行う。また、再冷延鋼板について、打ち抜き精度、及び曲げ加工性の各評価を行う。
EBSD観察および平均結晶粒径の測定は、既述の方法により測定を行う。
磁気特性はB50(T)(磁化力5000A/mにおける磁束密度)およびW10/400(W/kg)(磁束密度1.0T、周波数400Hzの時の鉄損)の測定を行う。
50(T)と、W10/400(W/kg)は、鉄心における径方向に沿う方向と、周の接線方向との平均値である。
寸法精度と曲げ加工性は下記操作方法により評価を行う。
なお、再冷延鋼板の寸法精度、及び曲げ加工性を評価することにより、鉄心の寸法精度、及び占積率が評価される。
・打ち抜き精度
内径100mm、外径120mmのリング状試料を打ち抜き、真円からの平均差(真円からのズレ)を求める。平均差が2μm以下であれば、得られる鉄心の寸法精度は良いと考える。
・曲げ加工性
20mm幅×800mm長さの鋼板を作製し、内径200mm、外径240mmの曲げ加工を行う。その際の板厚変化量(%)を測定する。板厚変化量が6%以下であれば、得られる鉄心の占積率の低下が抑制されていると考える。ただし、曲げ加工時に割れが発生しやすい場合は、300℃以下での温間加工をしても良い。
表1に示すように、符号2−2〜符号2−6は本発明の範囲内であり、これらの鉄心は、磁束密度B50が高く、打ち抜き精度及び、曲げ加工性が良好である。符号2−1の鉄心の鋼板は{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率が少ない。そのため、符号2−1の鉄心は磁束密度B50が低い。また、符号2−1は、再冷延鋼板のせん断帯の数が少ないため、寸法精度が劣位である。さらに、せん断帯が少ないため、再結晶後の{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率も少なくなり、鉄心の磁気特性も劣位である。
符号2−7及び符号2−8の鉄心の鋼板は{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率と{110}<110>(±30°)の結晶粒の面積比率が少ない。そのため、符号2−7及び符号2−8の鉄心は磁束密度B50が低い。また、符号2−7の再冷延鋼板は、{110}<110>(±30°)の結晶粒の面積比率が少ない。そのため、曲げ加工性が劣位である。さらに、符号2−8の鉄心の鋼板は、未再結晶部が残存しているため、鉄心のW10/400が著しく劣位である。
また、表1に示すように、圧下率が低すぎると、鉄心の鋼板は{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率が少ない。圧下率が高すぎる、又は焼鈍温度が低すぎると、鉄心の鋼板は{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率、及び{110}<110>(±30°)の結晶粒の面積比率が少ない。さらに、同じ圧下率であって、焼鈍温度が高い場合は、鉄心の鋼板は平均結晶粒径が大きくなる傾向がある。
なお、符号2−6の鉄心の鋼板は本発明の範囲内であるが、結晶粒径が320μmと粗大である。そのため、同一再冷延条件の符号2−3の鉄心よりも鉄損が高く、磁気特性的に不利である。
(実施例3)
−化学組成による影響−
まず、質量%で、表2に示す化学組成を有し、厚さ0.30mmの一方向性電磁鋼板(鋼板と表記)の切板を準備する。次に、水酸化ナトリウム水溶液で絶縁コーティングを除去し、硫酸でフォルステライト皮膜を除去する。その後に、絶縁コーティング、及びフォルステライト皮膜を除去した切板の幅方向に圧下率40%で冷延を行い、再冷延鋼板を得る。
この再冷延鋼板から、冷延方向に沿う方向に対して複数のティース部が形成されるように、帯状の打ち抜き部材を打ち抜く。この帯状の打ち抜き部材は、長手方向に沿う方向に連続的に延びているヨーク部と、ヨーク部の短手方向の一端部側に突出して複数個設けられたティース部とを有する。次に、この帯状の打ち抜き部材に対し曲げ加工を行い、曲げ加工部材を得る。曲げ加工は、帯状の打ち抜き部材が一周するように、かつ、ヨーク部が外周側、ティース部が内周側となるように、螺旋状の曲げ加工を行う。その後、曲げ加工部材を積層して、かしめ加工を行い、積層一体化した積層体を得る。この積層体を窒素雰囲気中にて850℃で1秒焼鈍して鉄心を得る。焼鈍終了後、鉄心を空冷する。
上記方法で得られる再冷延鋼板および鉄心について、実施例2と同様の評価方法により、各評価を行う。
表3に示すように、鉄心を構成する鋼板は、再冷延鋼板を得るために用いる一方向性電磁鋼板の化学組成によらずに、{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率、及び{110}<110>(±30°)の結晶粒の面積比率が本発明の範囲内であることが分かる。そして、{100}<001>(±30°)の結晶粒の面積比率、及び{110}<110>(±30°)の結晶粒の面積比率が本発明の範囲内である鋼板からなる鉄心は、磁束密度B50が高いことが分かる。また、{110}<110>(±30°)の結晶粒の面積比率が85%以上であり、せん断帯の数が30個/mm以上である再冷延鋼板は、打ち抜き精度及び曲げ加工性が良好であることが分かる。これにより、この再冷延鋼板を用いて得られる鉄心は、寸法精度及び占積率の低下が抑制されることが分かる。
しかし、化学成分の推奨範囲を外れると別の課題が発生する。符号3−9の鋼板はCが多く、磁気時効を起こすためモータ鉄心への適用は不向きである。また、符号3−10の鋼板はSiが多く、冷延時の作業性が低下するため、商業生産には向いていない。符号3−11の鋼板はSi量が少なく、相変態をするため、一方向性電磁鋼板を商業的に生産するには不向きである。したがって、これらの鋼板を用いて、鉄心を商業的に製造することは困難であり、鉄心を生産できても、鉄心としての安定した十分な性能が得られ難い。
(実施例4)
−他の例による主方位および副方位の確認−
本発明の鉄心が、主方位および副方位を有する二方向性電磁鋼板から製造しても、鉄心を構成する鋼板が、主方位と副方位とを有することについて確認試験を行う。
質量%で、C:0.0030%、Si:3.10%、Mn:0.1%、を含有する厚さ0.30mmの一方向性電磁鋼板の切板を準備する。次に、絶縁コーティングを水酸化ナトリウム水溶液で、フォルステライト皮膜を硫酸で除去する。しかる後に、絶縁コーティング、及びフォルステライト皮膜を除去した切板の幅方向に対して40%の圧下率で冷延を行う。その後、冷延板を窒素雰囲気中にて850℃で1秒焼鈍する。焼鈍終了後、鋼板を空冷し、二方向性電磁鋼板を得る。
この鋼板の中心層を既述の測定条件により、EBSDにより観察を行う。その結果、この二方向性電磁鋼板における結晶粒の面積比率は、{100}<001>から30°以内の結晶粒は61%であり、{110}<110>から30°以内の結晶粒は37%である。
この二方向性電磁鋼板から、冷延方向に沿う方向に対して複数のティース部が形成されるように、帯状の打ち抜き部材を打ち抜く。この帯状の打ち抜き部材は、長手方向に沿う方向に連続的に延びているヨーク部と、ヨーク部の短手方向の一端部側に突出して複数個設けられたティース部とを有する。次に、この帯状の打ち抜き部材に対し曲げ加工を行い、曲げ加工部材を得る。曲げ加工は、帯状の打ち抜き部材が一周するように、かつ、ヨーク部が外周側、ティース部が内周側となるように、螺旋状の曲げ加工を行う。その後、曲げ加工部材を積層して、かしめ加工を行い、積層一体化して鉄心を得る。
上記方法で得られる鉄心において、鉄心のティース部とヨーク部から鋼板を採取し、その板厚中心層を既述の測定条件により、EBSDにより観察を行う。その結果、採取した鋼板における結晶粒の面積比率は、{100}<001>から30°以内の結晶粒は61%であり、{110}<110>から30°以内の結晶粒は37%である。
このように、上記の主方位と副方位とを有する二方向性電磁鋼板を用いて得る鉄心は、曲げ加工による方位変化をほとんどせず、二方向性電磁鋼板に対応する主方位と副方位とを有することが分かる。

Claims (12)

  1. {100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上である鋼板からなる鉄心。
  2. 前記鋼板の平均結晶粒径が350μm以下である請求項1に記載の鉄心。
  3. 前記鋼板が、質量%で、
    C:0.0100%以下、
    Si:2.00%以上4.00%以下、
    Mn:0.5%以下、
    Sb:0.2%以下、
    Sn:0.2%以下、
    Ni:0.5%以下、
    Cu:0.5%以下、
    Cr:0.5%以下、
    P:0.3%以下、
    及びAl:0.5%以下を含有し、並びに、残部としてFeおよび不純物元素を含有する請求項1又は2に記載の鉄心。
  4. {110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が85%以上であり、せん断帯の数が30個/mm以上である再冷延鋼板。
  5. 質量%で、
    C:0.0100%以下、
    Si:2.00%以上4.00%以下、
    Mn:0.5%以下、
    Sb:0.2%以下、
    Sn:0.2%以下、
    Ni:0.5%以下、
    Cu:0.5%以下、
    Cr:0.5%以下、
    P:0.3%以下、
    及びAl:0.5%以下を含有し、並びに、残部としてFeおよび不純物元素を含有する請求項4に記載の再冷延鋼板。
  6. {110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延して、請求項4又は5に記載の再冷延鋼板を得る工程を有する再冷延鋼板の製造方法。
  7. 請求項4又は5に記載の再冷延鋼板を積層した鉄心。
  8. {110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延し、請求項4又は5に記載の再冷延鋼板を得る工程と、
    前記再冷延鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、
    前記打ち抜き部材を積層一体化して、700℃以上の温度域で焼鈍する工程と、
    を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄心の製造方法。
  9. 前記温度域が、700℃〜1000℃である請求項8に記載の鉄心の製造方法。
  10. {110}<001>方位に集積した結晶粒を有する一方向性電磁鋼板の圧延方向に対して直交する方向に、圧下率が20%〜50%となるように冷間圧延し、請求項4又は5に記載の再冷延鋼板を得る工程と、
    前記再冷延鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、
    前記打ち抜き部材を積層一体化する工程と
    を有する請求項7に記載の鉄心の製造方法。
  11. 請求項10に記載の鉄心の製造方法であって、前記積層一体化する工程の後、700℃〜1000℃の温度域で焼鈍する工程をさらに有する鉄心の製造方法。
  12. {100}<001>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が50%以上であり、{110}<110>(±30°)の結晶方位の結晶粒の占める面積比率が20%以上である二方向性電磁鋼板を打ち抜き、打ち抜き部材を得る工程と、
    前記打ち抜き部材を積層一体化する工程と、
    を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄心の製造方法。
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