JP2017223809A - 調光フィルムの製造方法、調光フィルム - Google Patents

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啓介 三浦
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弘毅 渡
Hiroki Wataru
弘毅 渡
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Abstract

【課題】調光フィルムに関して、液晶層への空気の侵入を確実に防止する。
【解決手段】基材15上に配向層17を作製する第1の積層体製造工程と、基材6上の配向層13を作製して第2の積層体5Dを作製する第2の積層体製造工程と、第1及び第2の積層体5U及び5Dにより液晶層8を挟持してなる液晶セル製造工程と、を備える。液晶セル製造工程は、第1のシール材19Aを塗工する第1の塗工工程と、第1のシール材19Aを囲む枠形状により第2のシール材19Bを塗工する第2の塗工工程と、大気圧以下において、液晶層8の材料を間に挟んで、第1及び第2の積層体5U及び5Dを積層する積層工程と、第1及び第2のシール材19A及び19Bを硬化させる硬化工程と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を作製した透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの調光フィルムでは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
また画像表示パネルの1つのである液晶表示パネルは、ガラス板材に透明電極、配向層を順次作製し、この透明電極、配向層を作製してなる1対のガラス板材により液晶材料を挟持して液晶セルが構成される。液晶表示パネルは、この液晶セルを直線偏光板により挟持して構成され、ガラス板材に形成された透明電極のパターンニングにより、画素単位で、液晶に印加する電界を可変して所望の画像を表示する。
ところで調光フィルムは、画素単位の駆動では無いものの、液晶表示パネルと同様に、透明電極を作製した透明基材により液晶層を挟持して作製することにより、液晶表示パネルの生産設備を利用して量産できると考えられる。これにより調光フィルムは、以下の工程により液晶セルを作製することができると考えられる。
すなわち調光フィルムの製造工程では、透明電極等を作製した透明フィルム材に枠形状によりシール材を配置し、このシール材により囲まれた部位に液晶材料を配置する。またこのシール材を配置した透明フィルム材に、同様に、透明電極等を作製してなる透明フィルム材を押圧し、これによりシール材を押し潰しながら液晶材料を押し広げ、1対の透明フィルム材により液晶材料を挟持する。またこの押し潰したシール材を硬化させて透明フィルム材を一体化すると共に、液晶材料の漏出を防止し、これにより液晶セルを作製する。
しかしながらこのようにして液晶セルを作製すると、液晶層に空気が侵入することが判った。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、厚みの薄い透明フィルム材を使用して構成される調光フィルムに関して、液晶層への空気の侵入を確実に防止できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、二重にシール材を塗布する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を作製して第1の積層体を作製する第1の積層体製造工程と、
透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を作製して第2の積層体を作製する第2の積層体製造工程と、
前記第1及び第2の積層体により液晶層を挟持してなる液晶セルを製造する液晶セル製造工程と、を備え、
前記液晶セル製造工程は、
第1の積層体に、前記液晶層を配置する部位を囲む枠形状により第1のシール材を塗工する第1の塗工工程と、
前記第1又は第2の積層体に、前記第1のシール材による枠形状を囲む枠形状により、又は前記第1のシール材による枠形状により囲まれた枠形状により、第2のシール材を塗工する第2の塗工工程と、
前記液晶層の材料を間に挟んで、前記第1及び第2の積層体を積層する積層工程と、
前記第1及び第2のシール材を硬化させる硬化工程と、を備える調光フィルムの製造方法。
(1)によれば、二重にシール材を配置することにより、大気圧による液晶層への空気の侵入を防止ことができる。
(2) (1)において、
前記硬化工程に続いて、前記第1及び第2のシール材の間で前記第1及び第2の積層体を切断して外方の部位を除去する切断工程を備える調光フィルムの製造方法。
(2)によれば、調光フィルムにおいて調光に供しない縁取りの部位を幅狭とすることができる。
(3) (1)又は(2)において、
前記第2の塗工工程は、前記硬化工程により硬化した後に、前記第1のシール材と前記第2のシール材との間に、少なくとも1mm以上の隙間が形成されるように前記第2のシール材を塗工する調光フィルムの製造方法。
(3)によれば、第1及び第2のシール材間の空隙により大気圧との間の気圧差を緩和して液晶層への空気の侵入を低減することができ、またさらに切断工程を設ける場合には、液晶材料の漏出を有効に回避して確実に外方の部位を除去することができる。
(4) 透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を備えてなる第1の積層体と、
透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を備えてなる第2の積層体と、
前記第1及び第2の積層体により挟持された液晶層と、を備え、
前記液晶層を囲む枠形状により第1のシール材が設けられ、
前記第1のシール材を囲む枠形状により第2のシール材が設けられた調光フィルム。
(4)によれば、二重にシール材を配置することにより、大気圧による液晶層への空気の侵入を低減し、さらには液晶材料の漏出を低減することができる。
透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を備えてなる第1の積層体と、
透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を備えてなる第2の積層体と、
前記第1及び第2の積層体により挟持された液晶層と、を備え、
前記液晶層を囲む枠形状によりシール材が設けられ、
前記シール材により前記第1及び第2の積層体が前記液晶層を間に挟んで積層されて一体化され、
前記シール材の延長方向に前記第1の積層体から前記第2の積層体を剥離した場合の前記シール材の幅方向の断面形状は、幅方向の両端部の厚みの差分値が5μm以下である調光フィルム。
(5)によれば、シール材の幅方向の断面形状において、シール材両端部の厚みがほぼ等しいことにより、少なくも二重にシール材を配置して作製された内側(液晶層側)のシール材であり、これにより大気圧による液晶層への空気の侵入を低減し、さらには液晶材料の漏出を低減することができる。
本発明によれば、調光フィルムに関して、液晶層への空気の侵入を確実に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す図である。 図1の調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の製造工程における液晶セル造工程を詳細に示すフローチャートである。 図3の製造工程の説明に供する図である。 図4に続く製造工程の説明に供する図である。 図5の製造工程の説明に供する図である。 図1の調光フィルムのシール材の断面形状を詳細に示す図である。
〔第1実施形態〕
〔調光フィルム〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム1は、建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等の調光を図る部位に、粘着剤層等により貼り付けて使用され、印加電圧の可変により透過光の光量を制御する。なお調光フィルム1を合わせガラスに挟持して使用することも可能である。
この調光フィルム1は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム材あり、直線偏光板2、3により調光フィルム用の液晶セル4を挟持して構成される。ここで直線偏光板2、3は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板2、3は、クロスニコル配置により、紫外線硬化性樹脂等による接着剤層により液晶セル4に配置される。なお直線偏光板2、3には、それぞれ液晶セル4側に光学補償に供する位相差フィルム2A、3Aが設けられるものの、位相差フィルム2A、3Aは、必要に応じて省略してもよい。なお調光フィルム1は、ゲストホスト方式により構成することも可能であり、この場合は、両面或いは片面の直線偏光板を省略してもよい。
液晶セル4は、後述する透明電極への印加電圧により透過光の偏光面を制御する。これにより調光フィルム1は、透過光を制御して種々に調光を図ることができるように構成される。
〔液晶セル〕
液晶セル4は、フィルム形状による第1及び第2の積層体である上側積層体5U及び下側積層体5Dにより液晶層8を挟持して構成される。下側積層体5Dは、透明フィルム材による基材6に、透明電極11、スペーサー12、配向層13を作製して形成される。上側積層体5Uは、透明フィルム材による基材15に、透明電極16、配向層17を積層して形成される。液晶セル4は、この上側積層体5U及び下側積層体5Dに設けられた透明電極11、16の駆動により、VA(Virtical Alignment)方式により液晶層8に設けられた液晶材料の配向を制御し、これにより透過光の偏光面を制御する。なおVA方式は、液晶の配向を垂直配向と水平配向とで変化させて透過光を制御する方式であり、一般的に、無電界時、液晶を垂直配向させることにより、液晶層を垂直配向層により挟持して液晶セルが構成され、電界の印加により液晶材料を水平配向させるように構成される。
なおVA方式に代えて、TN(Twisted Nematic)方式、IPS(In-Place-Switching)方式等の駆動方式を適用するようにしてよい。なおIPS方式により駆動する場合、上側積層体5U又は下側積層体5Dの透明電極11又は16の何れか一方を省略し、他方の側に対応する電極をまとめて作製する。またシングルドメイン方式により駆動してもよく、マルチドメイン方式により駆動してもよい。なおマルチドメイン化は、電界の可変に対して液晶分子の挙動が異なる領域を複数設けることであり、一般的に、この複数領域における光学特性の平均値化(積分化)により視野角特性を向上するために適用される。
基材6、15は、透明電極11、16等の支持体であり、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルム材を適用することができるものの、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。この実施形態において、基材6、15は、同一の材料、同一の厚みによる透明フィルム材が適用され、より具体的にはポリカーボネートフィルムが適用されるものの、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
透明電極11、16は、液晶層8への電界の印加に供する電極であり、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
スペーサー12は、液晶層8の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができるものの、この実施形態ではフォトレジストにより作製され、透明電極11を作製してなる基材6の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。なおスペーサー12は、上側積層体5Uに設けるようにしてもよく、上側積層体5U及び下側積層体5Dの双方に設けるようにしてもよい。またフォトレジストによるスペーサーに代えて、いわゆるビーズスペーサーを適用してもよい。
配向層13、17は、光配向層により構成される。なお配向層13、17は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料を使用する。この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。なお光配向層に代えて、ポリイミド樹脂層等をラビング処理して作製してもよく、ラビング処理、研磨処理による微細なライン状凹凸形状を賦型処理により作製して形成してもよい。なおスペーサー12は、配向層13の上に設けるようにしてもよい。
液晶層8は、この種の調光フィルムに適用可能な配向方式に応じた各種の液晶材料を広く適用することができる。具体的に、液晶層8には、例えばメルク社製MLC2166等の液晶材料を適用することができる。
液晶セル4は、液晶層8を囲むように、シール材19(後述するシール材19A,19B)配置され、このシール材19により上側積層体5U、下側積層体5Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材19は、例えばエポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
〔製造工程〕
図2は、調光フィルム1の製造工程の説明に供するフローチャートである。調光フィルム1の製造工程は、この図2に示す製造工程により作製した液晶セルの両面に、紫外線硬化性樹脂等の接着剤により直線偏光板2、3を貼り付けて調光フィルム1を製造する。
この製造工程は、上側積層体製造工程SP2において、透明フィルム材による基材15に、スパッタリング等によりITOによる透明電極16が製造される。また続いて配向層17に係る塗工液を塗工して乾燥させ、続いて直線偏光による紫外線の照射により硬化して配向層17を製造する。これにより上側積層体製造工程SP2において、上側積層体5Uを作製する。
続いてこの製造工程は、下側積層体製造工程SP3において、透明フィルム材による基材6に、スパッタリングによりITOによる透明電極11が製造される。続いてこの製造工程は、スペーサー12に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、その後、スペーサー12に係るマスクを使用して露光処理、現像処理し、これによりフォトレジストによりスペーサー12を作製する。また続いて配向層13に係る塗工液を塗工して乾燥、露光することにより配向層13を形成し、これらにより下側積層体5Dを作製する。
この製造工程では、続く液晶セル製造工程SP4において、液晶層8を間に挟んで、上側積層体5U及び下側積層体5Dを積層してシール材19(19A、19B)により一体化し、液晶セル4が製造される。
〔液晶セル製造工程〕
図3は、液晶セル製造工程を詳細に示すフローチャートである。この液晶セル製造工程では、第1の塗工工程SP12において、ディスペンサーを使用した塗工処理により、図4に示すように、液晶層8を配置する部位を囲む枠形状によりシール材19Aを配置する。これにより第1の積層体5Uに第1のシール材19Aを塗工する。なお第1の積層体5Uに代えて第2の積層体5Dの側に配置してもよい。
また続く第2の塗工工程SP13において、同様に、ディスペンサーを使用した塗工処理により、第1のシール材19Aを囲む枠形状によりシール材19Bを塗工する。これにより第1の積層体5Uに第2のシール材19Bを塗工する。なおこの第2のシール材19Bを第1のシール材19Aが囲むように配置してもよい。また第2のシール材19Bを第2の積層体5Dの側に配置してもよい。これらによりこの製造工程は、液晶層8を配置する部位を二重に囲むようにシール材19A、19Bを配置する。
続いてこの製造工程は、積層工程SP14において、第1及び第2の積層体5U及び5Dを積層する。すなわち積層工程SP14は、図4をA−A線により断面を取って図5(A)により示すように、第1及び第2の積層体5U及び5Dをチャンバー20内に保持した後、このチャンバー20内を排気し、第1の積層体5Uの液晶層8を形成する部位(シール材19A及び又は19Bにより囲まれた部位)に液晶材料を滴下する。なお液晶材料を滴下した後、チャンバー20内に保持して排気してもよい。
その後、図5(B)に示すように、第1の積層体5Uに対向するように第2の積層体5Dを配置して第1及び第2の積層体5U及び5Dを積層する。これによりこの製造工程は、排気した環境下で第1及び第2の積層体5U及び5Dの間に液晶材料を配置し、液晶層8への大気の混入を有効に回避する。
この工程は、その後、押圧工程SP15において、図5(C)に示すように、チャンバー20内を大気圧に戻し、第2の積層体5Dを押圧して液晶材料を押し広げながら、シール材19A及び19Bを押し潰し、スペーサー12で決まるセルギャップに第1及び第2の積層体5U及び5D間の間隔を設定する。このとき図5(C)において、矢印により大気圧による圧力を示すように、第1及び第2の積層体5U及び5Dを大気圧により押圧するようにして均一に第1及び第2の積層体5U及び5Dを押圧する。
その後、この工程は、硬化工程SP16において、紫外線の照射により、又は加熱により、押し潰したシール材19A、19Bを硬化させ、これにより第1及び第2の積層体5U及び5Dを一体化する。
このようにして排気した環境下で第1及び第2の積層体5U及び5Dの間に液晶材料を配置した後、大気圧下でセルギャップに液晶材料を押し潰すようにして、この実施形態では、第1及び第2のシール材19A及び19Bにより二重にシール材を配置したことにより、液晶層への空気の侵入を確実に防止することができる。また液晶材料の漏出も有効に回避することができる。
すなわち図5(A)〜(C)との対比により図6(A)〜(C)により示すように、一重によりシール材19を配置した場合、大気圧により側方よりシール材19が液晶層側に押圧され、これによりシール材19に微細穴が形成されて液晶層8に待大気が侵入することが判った。
しかしながらこの実施形態のように、シール材19A、19Bにより二重にシール材を配置すれば、大気圧によるシール材の押圧を緩和し、さらには等価的にシール材の厚みを厚くすることができることにより、液晶層への大気の侵入を確実に防止することができる。また液晶材料の漏出も一段と確実に防止することができる。
ここでこのように二重のシール材の配置により大気圧によるシール材の押圧を緩和し、さらには等価的にシール材の厚みを厚くする場合、内側のシール材19Aと外側のシール材19Bとの間に充分な間隔を確保することが望まれる。具体的に、押圧してセルギャップを確保した場合に、押し潰されてなる内側のシール材19Aと外側のシール材19Bとの間に、少なくとも1mm以上、好ましくは5mm以上の隙間Dが形成されることが望ましい。このためには、シール材19A及び19Bを乾燥膜厚5μm以上により塗工するようにして、塗工軌跡の中心線の間隔を1mm以上により塗工することが望ましい。また塗工幅にあっては、押し潰した状態で、0.5mm以上10mm以下であることが望ましい。
なおこのように二重により配置したシール材19A、19Bの内側のシール材19Aは、液晶セルに加工した後、シール材の塗工方向に向かって上側積層体及び下側積層体を剥離してその幅方向の断面形状を観察すると、図7(A)に示すように、基材と接する辺が長辺であって、ほぼセルギャップの厚みが短辺である略長方形形状に、この長方形形状に接する側が弦であって、引き剥がした側が、中央部分が盛り上がった略弧である高さの低い円弧形状を重ね合わせた形状となる。この場合、シール材19Aの幅方向には大気圧が印加させていないことにより、幅方向には形状の偏りが少なく、これにより幅方向の両端部の厚みT1,T2は、ほぼセルギャップと等しくなる。
これに対して図7(B)に示すように、一重によるシール材にあっては、同様にして観察した場合、シール材19Aの幅方向に大気圧が印加されることにより、幅方向に形状の偏りが発生し、この図7(B)の例では、両端部の厚みT1,T2の差分値は約7μmとなる。また外周側端における厚みT1は、セルギャップ以上となる。すなわちこの図7(B)の例では、基材と接する辺が底辺であって、この底辺の外周側が直角である直角三角形形状の斜面に、又はこの直角三角形形状の頂点を切り取った台形形状の斜面に、高さの低い円弧形状を重ね合わせた形状となる。
これにより二重により配置したシール材と一重により配置したシール材とでは、その断面形状により、より具体的には、この両端部の厚みT1、T2の差分値により識別することができる。従ってこの実施形態において、調光フィルム10は、この両端部の厚みT1,T2は、その差分値が5μm以下となる。
しかしながらこのようにして二重にシール材を配置する場合には、調光フィルム1の外周部において、調光に供し得ない領域が作製されることになり、内側のシール材19Aと外側のシール材19Bとの間に充分な間隔を確保する場合には、この調光に供し得ない領域幅が拡大することになる。
しかしながらこのようにして外周部の調光に供し得ない縁取り領域を幅狭に作製するようにしても、このままでは、結局は、2重にシール材を配置する分だけ、縁取りの領域幅が大きくなる。
そこでこの実施形態では、続く切断工程SP17において、例えばレーザー光の照射により、押し潰して硬化させた第1及び第2のシール材19A及び19Bの間の隙間の部位で第1及び第2の積層体5U及び5Dを切断し、外方の調光に供し得ない部位を除去する。なお切断手法は種々の方法を広く適用することができる。
これにより調光フィルムにおいては、調光に供しない縁取りの部位を幅狭とすることができる。しかしてこのように切断するにつき、上述したように、押し潰されてなる内側のシール材19Aと外側のシール材19Bとの間に、少なくとも1mm以上、好ましくは5mm以上の隙間Dを形成することにより、このように外方の調光に供し得ない部位を除去する場合にあっては、内側のシール材19Aには何ら損傷を与えないようにして切断することができ、これにより液晶材料の漏出を有効に回避して信頼性を確保することができる。
Figure 2017223809
〔実験結果〕
表1は、実験結果を示す図表である。実施例及び比較例では、厚み100μmのポリカーボネートフィルム材を基材6、15に適用して下側積層体5D及び上側積層体5Uを作製した。電極11、16にはITOを使用し、配向層13、17には光配向層を適用した。この下側積層体5D及び上側積層体5Uを積層して厚み3.5μmによる液晶層8を作製して調光フィルムを作製した。
比較例では、シール材を一重により作製し、実施例1ではシール材を二重により作製した。このシール材の配置に関する構成が異なる点を除いて、比較例及び実施例1では同一に上述の実施形態により作製した。なお実施例2,3は積層工程SP14の排気条件を変更することでT1−T2値を変化させた。
比較例では、5個中4個で、顕微鏡の観察によりシール材の幅方向に微細な貫通孔が発見された。また5個中3個で、液晶層に気泡の発生が確認され、これにより貫通孔を介して大気が侵入したことが確信された。これに対して実施例では、5個の試料において、第1及び第2のシール材の何れにおいても、厚み方向における貫通孔は発見されず、また液晶層で気泡の発生も確認されなかった。
〔第2実施形態〕
この実施形態では、図3について説明した切断工程が省略されて調光フィルムが製造される。これによりこの実施形態の調光フィルムは、二重にシール材が配置されたままの状態で提供される。この実施形態では、このシール材に係る構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を組み合わせ、さらには種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、二重にシール材を配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、三重以上により配置してもよい。
1 調光フィルム
2、3直線偏光板
2A、3A 位相差フィルム
4 液晶セル
5D 下側積層体(第2の積層体)
5U 上側積層体(第1の積層体)
6、15 基材
8 液晶層
11、16 透明電極
12 スペーサー
13、17 配向層
19、19A、19B シール材
20 チャンバー

Claims (5)

  1. 透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を作製して第1の積層体を作製する第1の積層体製造工程と、
    透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を作製して第2の積層体を作製する第2の積層体製造工程と、
    前記第1及び第2の積層体により液晶層を挟持してなる液晶セルを製造する液晶セル製造工程と、を備え、
    前記液晶セル製造工程は、
    第1の積層体に、前記液晶層を配置する部位を囲む枠形状により第1のシール材を塗工する第1の塗工工程と、
    前記第1又は第2の積層体に、前記第1のシール材による枠形状を囲む枠形状により、又は前記第1のシール材による枠形状により囲まれた枠形状により、第2のシール材を塗工する第2の塗工工程と、
    前記液晶層の材料を間に挟んで、前記第1及び第2の積層体を積層する積層工程と、
    前記第1及び第2のシール材を硬化させる硬化工程と、を備える
    調光フィルムの製造方法。
  2. 前記硬化工程に続いて、前記第1及び第2のシール材の間で前記第1及び第2の積層体を切断して外方の部位を除去する切断工程を備える
    請求項1に記載の調光フィルムの製造方法。
  3. 前記第2の塗工工程は、前記硬化工程により硬化した後に、前記第1のシール材と前記第2のシール材との間に、少なくとも1mm以上の隙間が形成されるように前記第2のシール材を塗工する
    請求項1又は請求項2に記載の調光フィルムの製造方法。
  4. 透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を備えてなる第1の積層体と、
    透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を備えてなる第2の積層体と、
    前記第1及び第2の積層体により挟持された液晶層と、を備え、
    前記液晶層を囲む枠形状により第1のシール材が設けられ、
    前記第1のシール材を囲む枠形状により第2のシール材が設けられた
    調光フィルム。
  5. 透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を備えてなる第1の積層体と、
    透明フィルム材による基材に少なくとも配向層を備えてなる第2の積層体と、
    前記第1及び第2の積層体により挟持された液晶層と、を備え、
    前記液晶層を囲む枠形状によりシール材が設けられ、
    前記シール材により前記第1及び第2の積層体が前記液晶層を間に挟んで積層されて一体化され、
    前記シール材の延長方向に前記第1の積層体から前記第2の積層体を剥離した場合の前記シール材の幅方向の断面形状は、幅方向の両端部の厚みの差分値が5μm以下である
    調光フィルム。
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