JP2017181825A - 調光フィルム、窓 - Google Patents

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Norio Ishii
憲雄 石井
久美子 神原
Kumiko Kanbara
久美子 神原
川島 朋也
Tomoya Kawashima
朋也 川島
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Abstract

【課題】VA方式による調光フィルムにおいて、左右方向に係る見る方向による透過率の変化を低減する。
【解決手段】第1の直線偏光板2、液晶セル4、第2の直線偏光板3が順次設けられ、液晶セル4には、前記第1の直線偏光板2の側から、第1の基材15上に第1の透明電極16及び第1の配向層17を積層してなる第1の積層体6、液晶層8、第2の基材10上に第2の透明電極11及び第2の配向層12を積層してなる第2の積層体5が順次設けられる。第1及び第2の透明電極16、11による駆動によりVA方式により前記液晶層8の配向を可変して透過光の光量を制御し、少なくとも前記第1の配向層17に、配向規制力の向きが異なる第1及び第2の領域A、Bが順次交互に作製されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗用車の窓等に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を作製した透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの調光フィルムでは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
このような調光フィルムにおける液晶セルの駆動には、液晶表示パネルに関して提案されている種々の駆動方法を適用することができる。具体的には、例えばTN(Twisted Nematic)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、VA(Virtical Alignment)方式等の駆動方式を適用することができる。
これらの方式のうちVA方式は、液晶の配向を垂直配向と水平配向とで繰り替えて透過光を制御する方式であり、一般的に、無電界時、液晶を垂直配向させることにより、液晶層を垂直配向層により挟持して液晶セルが構成され、電界の印加により液晶材料を水平配向させるように構成される。
しかしながら調光フィルムは、例えば窓ガラス等に貼り付けて大面積により種々の用途で使用することが予測されることにより、簡易な構成により作製することが望まれ、これにより例えばVA方式により、シングルドメイン方式で駆動することが望まれる。
しかしながらシングルドメイン方式においては、視野角依存性が大きく、見る方向より透過率が大きく変化する。特に、調光可能範囲の中間値に透過率を設定している状態(中間諧調の状態である)では、見る方向で大きく透過率が変化することになる。これにより透過光に関して違和感が発生し、使い勝手の点で実用上未だ不充分な問題がある。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、VA方式による調光フィルムにおいて、左右方向に係る見る方向による透過率の変化を低減することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、配向層のパターニングによりマルチドメイン化し、さらにこのパターニングに係る配向規制力の向きを設定する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 第1の直線偏光板、液晶セル、第2の直線偏光板が順次設けられ、
前記液晶セルには、前記第1の直線偏光板の側から、
第1の基材上に第1の透明電極及び第1の配向層を積層してなる第1の積層体、液晶層、第2の基材上に第2の透明電極及び第2の配向層を積層してなる第2の積層体が順次設けられ、
前記第1及び第2の透明電極による駆動によりVA方式により前記液晶層の配向を可変して透過光の光量を制御し、
少なくとも前記第1の配向層に、配向規制力の向きが異なる第1及び第2の領域が順次交互に作製されている調光フィルム。
(1)によれば、配向層のパターニングによりマルチドメイン化により、VA方式による調光フィルムにおいて、見る方向による透過率の変化を低減することができる。
(2) (1)において、
前記第1及び第2の領域は、
当該調光フィルムの外形形状に係る矩形形状の1辺に平行な対称軸に対して配向規制力の方向が対称となるように設定され、
前記第2の配向層は、
前記第1及び第2の領域の配向規制力の向きを1/2に内分する方向が配向規制力の向きに設定され、
前記第2の直線偏光板は、
前記第2の配向層における配向規制力の向きと直交する方向が吸収軸の方向に設定され、
前記第1の直線偏光板は、
前記第2の直線偏光板に対してクロスニコル配置により配置された調光フィルム。
(2)によれば、
より具体的構成により、左右方向について、さらに一段と、見る方向による透過率の変化を低減することができる。
(3) (1)において、
前記第1及び第2の領域は、
当該調光フィルムの外形形状に係る矩形形状の1辺の延長方向に対して+45度及び45度の方向に配向規制力が設定されて、前記1辺に平行な対称軸に対して配向規制力の方向が対称となるように設定され、
前記第2の積層体の配向層は、
垂直配向層であり、
前記第1の直線偏光板は、
前記1辺の延長方向と直交する方向が吸収軸の方向に設定され、
前記第2の直線偏光板は、
前記第1の直線偏光板に対してクロスニコル配置により配置された調光フィルム。
(3)によれば、
より具体的構成により、左右方向について、さらに一段と、見る方向による透過率の変化を低減することができる。
(4) 調光フィルムを貼り付けてなる透明板材を配置した窓であって、
前記調光フィルムは、
第1の直線偏光板、液晶セル、第2の直線偏光板が順次設けられ、
前記液晶セルには、前記第1の直線偏光板の側から、
第1の基材上に第1の透明電極及び第1の配向層を積層してなる第1の積層体、液晶層、第2の基材上に第2の透明電極及び第2の配向層を積層してなる第2の積層体が順次設けられ、
前記第1及び第2の透明電極による駆動によりVA方式により前記液晶層の配向を可変して透過光の光量を制御し、
少なくとも前記第1の配向層に、配向規制力の向きが異なる第1及び第2の領域が順次交互に作製されている窓。
(4)によれば、車両のサンルーフ等に係る窓に関して、左右方向について、見る方向による透過率の変化を低減することができる。
本発明によれば、VA方式による調光フィルムにおいて、見る方向による透過率の変化を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す図である。 図1の調光フィルムの詳細構成の説明に供する図である。 図2との対比により比較例の説明に供する図である。 図1の調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す図である。 図5の調光フィルムの詳細構成の説明に供する図である。 図6との対比により比較例の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
〔調光フィルム〕
図1は、本発明の実施の形態に係る調光フィルムの説明に供する断面図である。この実施形態においては、車両の天井に設けられた窓ガラスであるサンルーフに粘着剤層等により調光フィルム1が貼り付けられて配置され、これにより調光フィルム1によりサンルーフの透過光を調整する。なおサンルーフに限らず、リアウインドウ等に配置しても良く、車両以外の各種通行手段の窓、建築物の窓等に配置してもよい。またさらにショーケース、屋内の透明パーテーション等の調光を図る種々の部位に配置してもよい。
調光フィルム1は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム材あり、直線偏光板2、3により調光フィルム用の液晶セル4を挟持して構成される。ここで直線偏光板2、3は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板2、3は、クロスニコル配置により、紫外線硬化性樹脂等による接着剤層により液晶セル4に配置される。なお直線偏光板2、3にあっては、いわゆる塗布型の直線偏光板を適用してもよい。なお直線偏光板3には、液晶セル4側に光学補償に供する位相差フィルム3Aが設けられるものの、位相差フィルム3Aは、必要に応じて省略してもよい。位相差フィルム3Aには、COPフィルム材等による2軸延伸透明フィルム材を適用することができる。
液晶セル4は、後述する透明電極への印加電圧により透過光の偏光面を制御する。これにより調光フィルム1は、透過光を制御して種々に調光を図ることができるように構成される。
〔液晶セル〕
液晶セル4は、フィルム形状による第1及び第2の積層体である上側積層体6及び下側積層体5により液晶層8を挟持して構成される。下側積層体5は、透明フィルム材による基材10に、透明電極11、配向層12、スペーサー13を作製して形成される。上側積層体6は、透明フィルム材による基材15に、透明電極16、配向層17を積層して形成される。液晶セル4は、この下側積層体5及び上側積層体6に設けられた透明電極11、16の駆動により、VA(Virtical Alignment)方式におけるマルチドメイン方式により液晶層8に設けられた液晶材料の配向を制御し、これにより透過光の偏光面を制御する。より具体的にこの実施形態では、無電界時、後述する配向層12,17により液晶を垂直配向させ、電界の印加により液晶材料を水平配向させて遮光する。液晶セル4は、この電界印加時に倒れ込む方向が異なる2つのドメインによりマルチドメイン化される。
基材10、15は、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルム材を適用することができるものの、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。この実施形態において、基材10、15は、ポリカーボネートフィルムが適用されるものの、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
透明電極11、16は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
配向層12、17は、光配向層により形成される。ここでこの光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるものの、この実施形態では、例えば光2量化型の材料を使用する。この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。なお配向層12、17は、光配向層に代えて、ポリイミド等の樹脂層を作製し、この樹脂層をラビング処理して作製してもよい。またラビング処理によるライン状微細凹凸形状を賦型処理して配向層を作製するようにしてもよい。
スペーサー13は、液晶層8の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができるものの、この実施形態ではフォトレジストにより作製され、配向層12を作製してなる基材10の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。なおスペーサー13は、上側積層体6に設けるようにしてもよく、上側積層体6及び下側積層体5の双方に設けるようにしてもよい。またスペーサー13は、透明電極11の上に設けるようにしてもよい。またスペーサー13は、いわゆるビーズスペーサを適用してもよい。
液晶層8は、この種の調光フィルムに適用可能な各種の液晶材料を広く適用することができる。なお液晶セル4は、液晶層8を囲むように、シール材が配置され、このシール材により下側積層体5、上側積層体6が一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。
図2は、直線偏光板2、3、配向層12、17の説明に供する図である。この図2においては、矢印により直線偏光板2、3の吸収軸方向を示す。また同様に、矢印により配向層12、17による配向規制力の方向を示し、矢印の先端方向がプレチルト角の方向である。この配向層12、17に係る配向規制力の方向は、液晶層8に係る液晶材料が電界の印加により倒れ込む方向である。
この実施形態において、この調光フィルム1が貼り付けられる窓ガラスは、車両の搭乗者から見て水平方向が横長の矩形形状であって、角が丸みを帯びた略長方形形状により構成され、調光フィルム1は、この窓ガラスの全体を覆うように、横長の矩形形状による略長方形形状により形成される。調光フィルム1において、図2(A)に示すように、上側積層体6に係る配向層17は、配向規制力の方向が異なる第1及び第2の領域A及びBが密接して順次交互に設けられる。ここでこの実施形態では、この第1及び第2の領域A及びBが帯状領域により形成されて、この調光フィルム1の外形形状に係る矩形形状の長辺に沿って、順次交互に設けられる。なお第1及び第2の領域A及びBは、矩形形状により形成して、市松模様状に配置してもよい。しかしながら調光フィルム1は、外形形状が矩形形状により形成されることにより、隣接する辺の成す角度が90である四角形形状により形成され、長方形形状、正方形形状は含まれるものの、平行四辺形形状、菱形形状は除かれる形状により形成される。
なお上述のように調光フィルム1においては、サンルーフに適用して搭乗者から見て水平方向が横長の矩形形状に形成され、図2に示すように、この横長の方向に順次交互に、第1及び第2の領域A及びBを設ける場合について述べたが、これに代えて短辺に沿って順次交互に配置してもよい。またサイドウィンド等に適用してもよく、この場合は矩形形状から変形した種々の形状に形成されることにより、領域A、Bの配置にあっては、種々の配置を適用することができ、調光フィルムにおいて1つの方向に順次交互に、第1及び第2の領域A及びBを設けることができる。
ここで調光フィルムは、種々の形状の部位に貼り付けて使用され、このような貼り付け対象の形状に対応するように、例えば台形形状、三角形形状等により作製することもできる。このような場合、調光フィルムは、このような貼り付け対象における配置において水平方向となる方向に対して、反時計方向に45度だけ傾いた方向が、吸収軸方向になるように直線偏光板2が配置される。また直線偏光板2に対してクロスニコル配置により、直線偏光板2の側より平面視して、長辺方向から、反時計方向に135度だけ傾いた方向が、吸収軸方向になるように、直線偏光板3が配置される。
これによりこの実施形態では、この第1及び第2の領域A及びBにおいて、電界の可変により液晶層8に係る液晶分子の倒れ込む方向が異なるように(逆向きとなるように)設定され、これにより2ドメインのマルチドメインにより液晶層8を駆動する。これにより調光フィルム1では、この隣接する領域A及びBにより相互に光学特性を補完し合い、視野角特性を向上する。すなわちこのようにマルチドメイン化すると、方位角の変化により一方のドメインで低下する透過率を、隣接する他方のドメインで向上する透過率により補うことができ、これにより方位角の変化による見た目の透過率の変化を充分に抑圧して視野角特性を向上することができる。
しかしながらこのように単純に2ドメインのマルチドメイン化により視野角特性を向上しても、見る方向による透過率の変化にあっては、実用上未だ不充分な問題がある。そこでこの実施形態では、配向層17においては、領域A及びBの連続する方向である左右方向が領域A及びBの配向規制力の方向であるように領域A及びBの配向規制力を設定する。より具体的に、左右方向に対して直交する方向である上下方向に延長するように基準軸O(矩形形状に係る短辺に平行な基準軸である)を設定したとして、この基準軸Oを対称軸として第1及び第2の領域A及びBを見た場合、この対象軸に対して第1及び第2の領域A及びBの配向規制力の向きが対称となるように配向規制力を設定する。またこの領域A及びBに係る配向規制力の向きを1/2に内分する方向に配向規制力を発現するように、配向層12に配向規制力を設定する。なお図2(A)との対比により図2(B)により示すように、配向層12に配向規制力にあっては、領域A及びBに係る配向規制力の向きを1/2に内分する方向であれば良く、図2(A)とは逆向きに設定してもよい。
またこの配向層12の配向規制力の向きが吸収軸方向となるように、上側積層体6側の直線偏光板2が配置され、またこの直線偏光板2に対してクロスニコル配置により直線偏光板3が配置される。これによりこの実施形態では、左右方向について、見る方向による透過率の変化を低減し、違和感を解消する。
すなわち図3(A)及び(B)は、図2(A)及び(B)との対比により作製した比較例に係る調光フィルムの説明に供する図である。この比較例では、配向層17において、第1及び第2の領域の延長方向を配向規制力の方向に設定し、第1及び第2の領域で交互に向きを切り替えた。またこの第1及び第2の領域の配向規制力の方向と直交する方向を配向層12における配向規制力の方向に設定した。また下側積層体5及び上側積層体6の直線偏光板2及び3にあっては、吸収軸方向をそれぞれ配向層12及び17の配向規制力の方向に設定した。
この図3(A)及び(B)の構成によれば、中間諧調において、調光フィルムを左側又は右側から見た場合に透過率の低下が観察され、これにより見る方向による透過率の変化が知覚されて違和感が感じられた。しかしながら図2(A)及び(B)の構成においては、このような左右方向における見る方向による透過率の変化が充分に抑圧されており、これにより違和感を感じることなく調光を図ることができた。なお図2(A)及び(B)の構成においては、左右方向については見る方向による透過率の変化が充分に抑圧されているものの、上下方向では見る方向による透過率の変化が知覚される。これに対して図3(A)及び(B)の構成においては、上下方向については見る方向による透過率の変化が充分に抑圧されているものの、左右方向では見る方向による透過率の変化が知覚される。これによりこの実施形態では、見る方向による透過率の変化が知覚され難い側の向きを左右方向として、左右方向について、見る方向による透過率の変化を一段と低減する。
〔製造工程〕
図4は、液晶セルの製造工程を示すフローチャートである。調光フィルム1の製造工程は、この製造工程で作製された液晶セル4に紫外線硬化性樹脂等の接着剤により直線偏光板2、3、位相差フィルム3Aを貼り付けた後、粘着剤層、セパレータフィルムを設け、所望の大きさに切断して調光フィルムを作製する。
この製造工程では、電極作製工程SP2において、フォトリソグラフィーの手法を適用して、透明基材10、15に透明電極11、16をそれぞれ作成する。さらに続いて配向層作製工程SP3において、基材10、15に配向層12、17を作製する。この配向層作製工程SP3において、配向層12については、斜め方向から直線偏光による紫外線を照射することにより、図2(A)又は(B)ついて説明した方向に配向規制力を設定する。また配向層17については、領域A又はBに対応する透光部を備えたマスクを使用して、斜め方向から直線偏光による紫外線の照射を繰り返すことにより、図2(A)又は(B)ついて説明した方向に配向規制力を設定する。
さらに続くスペーサー作製工程SP4において、配向層12を作製した透明基材10にフォトレジスト膜を作製した後、露光、現像処理し、これによりスペーサー13を作製する。このようにして基材10及び15にそれぞれ配向層12及び17を作製して、下側積層体5及び上側積層体6を作製すると、この製造工程は、封止工程SP5において、ディスペンサーによりシール材を枠形状により下側積層体5に塗布した後、この枠形状により囲まれた所定位置に、ディスペンサーを使用して液晶層8に係る液晶材料を滴下する。なおこの液晶材料の滴下とシール材との配置の順序を入れ替えるようにしてもよい。また下側積層体5に代えて上側積層体6にシール材、液晶材料を配置してもよい。その後、この製造工程は、下側積層体5及び上側積層体6を積層した後、加熱、押圧してシール材を硬化させ、これにより液晶層8を挟持するようにして、下側積層体5及び上側積層体6をシール材により貼り合せて一体化する。
以上の構成によれば、配向層のパターンニングによりマルチドメイン化することにより、VA方式による調光フィルムにおいて、見る方向による透過率の変化を低減することができる。
またマルチドメインに係る第1及び第2の領域では、矩形形状に係る短辺に平行な対称軸に対して左右方向で対称となる向きに配向規制力を設定するようにして、この第1及び第2の領域の配向規制力の向きと直交する方向を配向層12の配向規制力の向きに設定し、さらに配向層12の配向規制力の向きと直交する方向が直線偏光板3の吸収軸方向であるように設定することにより、左右方向について、見る方向による透過率の変化を一段と低減することができる。
〔スペーサーの詳細構成〕
ここでこの実施形態では、円柱形状又は円錐台形状によりスペーサー13が形成される。さらにこの実施形態では、スペーサー13のビッカース硬度値Xs、スペーサー13の先端が当接する部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2以上、ビッカース硬度値6以下であって、かつXs<Xfであるように設定され、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上する。
すなわちXf<Xsである場合、使用中の押圧力により、スペーサー13の先端が対向する面に貫入したりし、その結果、セルギャップが不均一化したり、局所的な配向不良が発生する。また甚だしい場合には、スペーサー13の先端が対向する積層体を突き破り、液晶材料が漏出することになる。しかしながらXs<Xfであることにより、使用中の押圧力等により、スペーサーの先端が対向する面に貫入したりする状況を低減することができ、これによりセルギャップの不均一化、局所的な配向不良の発生を低減することができ、さらには液晶材料の漏出を有効に回避することができる。
またビッカース硬度値2より小さい場合には、外圧によりスペーサーが潰れてセルギャップが低減したり、所望のセルギャップを得られなくなるものの、この実施形態ではビッカース硬度値2以上であることにより、このような状況を低減することができる。またビッカース硬度値6超である場合は、基材が傷つき易く、また全体を屈曲した際にクラックが生じるのに対し、この実施形態ではビッカース硬度値が6以下であることにより、基材の傷つきを低減し、また全体が屈曲した際のクラックの発生を低減することができる。これらによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上することができる。
Figure 2017181825
表1は、このスペーサーに関する構成の確認に供した試験結果を示す図表である。この表1における試験例1〜6の調光フィルムは、スペーサー及びこのスペーサーが当接する配向層に関する構成が異なる点を除いて、同一に構成される。より具体的に、これら試験例1〜6の調光フィルムは、下側積層体5にのみスペーサー13を設けるようにし、このスペーサー13に係る熱処理の条件により、スペーサー13のビッカース硬度値Xsを設定した。
すなわちスペーサー13は、スペーサー13に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、その後、露光装置を使用したマスク露光により、スペーサー13を作製する部位を選択的に露光する。なおこれはポジ型のフォトレジストの場合であり、ネガ型のフォトレジストではこれとは逆にスペーサー13を作製する部位を除く部位が選択的に露光処理される。その後、スペーサー13は、現像処理により未露光の部位又は露光処理した部位が選択的に除去されてリンス等の処理が実行され、必要に応じて乾燥等の処理が実行される。
この露光処理では、事前に加熱していわゆるハーフキュアーの状態で露光処理したり、加熱した環境下で露光処理する場合があり、また現像処理において、リンス等の処理を実行した後、加熱処理して反応を促進する場合がある。スペーサー13の硬度Xsは、スペーサー13に係るフォトレジストの材料の選定、露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定、露光光量及び露光時間の設定により設定することができる。
この実施形態では、この露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定により、試験例1、5、6におけるスペーサー13のビッカース硬度値Xsをそれぞれ1.8、4.2、4.2に設定し、試験例2、3、4におけるスペーサー13のビッカース硬度値Xsをそれぞれ2.2、3.7、4.2に設定した。なおスペーサー13は、直径15μm、高さ5μmの円柱形状により作製した。
これに対してこのスペーサーが当接する面である上側積層体6の配向層17にあっては、光配向層に代えてラビング処理により作製した。すなわち塗工液を塗工して乾燥、硬化することによりポリイミド膜を作製し、このポリイミド膜をラビング処理して作製した。またこのポリイミド膜を作製する際の硬化時の加熱温度、及び加熱時間の設定により、ビッカース硬度値Xfを設定した。なおラビング処理した後に改めて加熱処理してビッカース硬度値Xfを調整してもよい。これにより試験例1、5、6ではビッカース硬度値Xfを4.9、6.7、3.6に設定し、また試験例2、3、4ではビッカース硬度値Xfを4.9に設定した。
この実験では、定盤による硬度の高い平滑面に調光フィルムを載置した状態で、0.8MPaに相当する加重を印加した後、セルギャップを計測してセルギャップの減少を判断した。なお加重の時間は24時間である。またこのように加重した後、上側積層体及び下側積層体を剥離してスペーサーを顕微鏡により観察して、スペーサーの潰れ(スペーサー潰れ)を確認し、またスペーサーが当接する部位を顕微鏡により観察してスペーサー先端の貫入(フィルム貫入)を観察した。
ここでこの顕微鏡による観察にはSEM等の手法を用いて正面視、斜視、及び断面観察し、目視でスペーサーの変形を確認し、スペーサーの変形が確認された場合にはその状況に応じ、「セルギャップ減少、スペーサー潰れ」の有無を○×判定した。従ってこの表1において「○」は、対応する項目に係る異常が見られない場合であり、「×」は対応する項目に係る異常が見られる場合である。
また同様にスペーサーが当接する部位をSEM等の手法を用いて斜視した場合、窪み(凹部)が確認された場合、「フィルム貫入」を×判定とし、凹部が認められない場合、「フィルム貫入」を○判定とした。
また積層体6及び5を積層して0.1MPaに相当する加重を印加した状態で、積層体6及び5の相対位置を0.1cm/secにより変位させ、目視により傷の発生を確認した。ここで複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認された場合、「キズ(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認されない場合、「キズ(フィルム)」を「○」により示す。
また調光フィルムの状態で、JIS K5600−5−1の曲げ試験の規定に従って、直径2mmの円柱マンドレルに巻き付けてクラックの発生を確認した。この試験で複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認された場合、「クラック(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認されない場合、「クラック(フィルム)」を「○」により示す。
この表1の計測結果では、試験例1では、スペーサーの硬度が不足することにより、セルギャップ減少、スペーサー潰れが観察され、また試験例5ではスペーサー対向面のビッカース硬度値Xfが6を超えることにより、クラックの発生が観察され、さらにはセルギャップ減少、スペーサー潰れが観察された。また試験例6ではスペーサーのビッカース硬度値Xsが対向面のビッカース硬度値Xfより大きいことにより、基材の傷つきが観察され、さらにスペーサー先端の貫入も確認された。しかしながら試験例2、3、4では、これらの現象は観察されず、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上できる。
〔第2実施形態〕
図5は、図1との対比により本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す図である。この実施形態に係る車両の窓等には、この図5に示す調光フィルム21が配置される点を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
ここでこの調光フィルム21は、液晶セル4に代えて、液晶セル24が適用される点を除いて、調光フィルム1と同一に構成される。また液晶セル24では、下側積層体5及び上側積層体6に代えて、下側積層体25、上側積層体26がそれぞれ適用される点を除いて、液晶セル4と同一に構成される。また下側積層体25、上側積層体26においては、配向層12、17に代えて配向層32、37が適用される点を除いて、下側積層体5、上側積層体6と同一に構成される。
ここで図6(A)又は(B)に示すように、上側積層体26に係る配向層37は、配向規制力の方向が、調光フィルム21の長辺に対して+45度及び45度の方向であり、かつ左右方向に対して直交する方向である上下方向に対称軸を設定して第1及び第2の領域A及びBを見た場合、この対称軸に対して対称となるように配向規制力が設定されて、第1及び第2の領域A及びBが順次交互に設けられる。下側積層体25に係る配向層32は、配向層37と同一の光配向層に係る塗工液を塗工した後、乾燥させて、作製される。これにより配向層32は、露光処理されることなく、垂直方向(厚み方向)に配向規制力を発現するように作製される。なお無偏光の紫外線を正面より照射して露光するようにしてもよい。これにより調光フィルム21においては、2ドメインによるマルチドメインにより液晶層8を駆動する。
さらに下側積層体5側の直線偏光板3にあっては、左右方向が吸収軸方向となるように、上側積層体6側の直線偏光板2にあっては、この下側積層体5側の直線偏光板3に対してクロスニコルを構成するように配置される。
このように光フィルム21の長辺に対して+45度及び45度の方向であり、かつ左右方向で配向規制力が対称となるように配向規制力を設定して配向層を作製する場合でも、第1実施形態と同様に、左右方向に係る見る方向による透過率の変化を一段と低減することができる。
すなわち図7(A)及び(B)は、図6(A)又は(B)との対比に係る比較例を示す図である。この比較例では、第1の領域Aの配向規制力の方向(プレチルトに係る向き)を図6(A)又は(B)の例とは逆向きに設定した。この図7の例では、左右方向に視点を振って観察したところ、見る方向による透過率の変化が視認された、しかしながらこの実施形態では、このような左右方向に係る見る方向による透過率の変化にあっては、充分に低減されていることが確認された。しかしてこの図6(A)及び(B)の構成においては、図2(A)及び(B)、図3(A)及び(B)について上述したと同様に、見る方向による透過率の変化が知覚され難い側の向きを左右方向として、左右方向について、見る方向による透過率の変化を一段と低減する。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、第1及び第2の領域による配向層のパターンニングによりマルチドメイン化する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、複数領域による配向層のパターンニングによりマルチドメイン化する場合に広く適用することができる。
1、21 調光フィルム
2、3 直線偏光板
3A 位相差フィルム
4、24 液晶セル
5、25 下側積層体
6、26 上側積層体
8 液晶層
10 第2の基材
11 第2の透明電極
12、32 第2の配向層
13 スペーサー
15 第1の基材
16 第1の透明電極
17、37 第1の配向層

Claims (4)

  1. 第1の直線偏光板、液晶セル、第2の直線偏光板が順次設けられ、
    前記液晶セルには、前記第1の直線偏光板の側から、
    第1の基材上に第1の透明電極及び第1の配向層を積層してなる第1の積層体、液晶層、第2の基材上に第2の透明電極及び第2の配向層を積層してなる第2の積層体が順次設けられ、
    前記第1及び第2の透明電極による駆動によりVA方式により前記液晶層の配向を可変して透過光の光量を制御し、
    少なくとも前記第1の配向層に、配向規制力の向きが異なる第1及び第2の領域が順次交互に作製されている
    調光フィルム。
  2. 前記第1及び第2の領域は、
    当該調光フィルムの外形形状に係る矩形形状の1辺に平行な対称軸に対して配向規制力の方向が対称となるように設定され、
    前記第2の配向層は、
    前記第1及び第2の領域の配向規制力の向きを1/2に内分する方向が配向規制力の向きに設定され、
    前記第2の直線偏光板は、
    前記第2の配向層における配向規制力の向きと直交する方向が吸収軸の方向に設定され、
    前記第1の直線偏光板は、
    前記第2の直線偏光板に対してクロスニコル配置により配置された
    請求項1に記載の調光フィルム。
  3. 前記第1及び第2の領域は、
    当該調光フィルムの外形形状に係る矩形形状の1辺の延長方向に対して+45度及び45度の方向に配向規制力が設定されて、前記1辺に平行な対称軸に対して配向規制力の方向が対称となるように設定され、
    前記第2の積層体の配向層は、
    垂直配向層であり、
    前記第1の直線偏光板は、
    前記1辺の延長方向と直交する方向が吸収軸の方向に設定され、
    前記第2の直線偏光板は、
    前記第1の直線偏光板に対してクロスニコル配置により配置された
    請求項1に記載の調光フィルム。
  4. 調光フィルムを貼り付けてなる透明板材を配置した窓であって、
    前記調光フィルムは、
    第1の直線偏光板、液晶セル、第2の直線偏光板が順次設けられ、
    前記液晶セルには、前記第1の直線偏光板の側から、
    第1の基材上に第1の透明電極及び第1の配向層を積層してなる第1の積層体、液晶層、第2の基材上に第2の透明電極及び第2の配向層を積層してなる第2の積層体が順次設けられ、
    前記第1及び第2の透明電極による駆動によりVA方式により前記液晶層の配向を可変して透過光の光量を制御し、
    少なくとも前記第1の配向層に、配向規制力の向きが異なる第1及び第2の領域が順次交互に作製されている
    窓。
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