JP2017228366A - 触媒シートの製造方法、及び空気極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明の目的は、マンガン触媒を用いた構成で電子移動を円滑化可能とし、分極特性を改善し、且つ安価な触媒シート及び空気極を製造し、提供することにある。
本発明の実施形態に係る触媒シートは、空気電池の空気極に用いられる。
図1は空気電池の断面構造を模式的に示した図である。
空気電池10は、樹脂製のプラスチックケースで形成された外装体11を備え、この外装体11に、一対の電極を構成する空気極13と金属極15とが間隔を空けて対向配置される。この空気電池10は、外装体11内に電解液が注液されることによって、空気極13が正極として作用し、金属極15が負極として作用する一次電池である。図1中、符号ULは電解液の液面を示している。
金属極15は、空気極13と対向するように外装体11内に支持される。この金属極15を支持する構造は、前記するように外装体11内に配置した挟持部材11Aと支持部材11Bとで固定しても良いし、また、別途形成される外装体11の蓋部で金属極15を支持するなど、様々な支持構造を適用可能である。
マグネシウム空気電池は、電解液に海水を用いたり、水道水に塩を混合した液体を用いたりすることができるので、電解液の調達が容易である。なお、外装体11の内部に、電解質である塩化ナトリウムを収容した袋体を予め配置し、水道水などの水を注入するだけで発電するように構成しても良い。
空気極13の集電体は、矩形状の銅メッシュ(銅の網状体)である。なお、銅メッシュに限定されず、銅以外の金属を用いた金属メッシュなどの銅メッシュ以外の多孔構造を有する多孔質集電体を広く適用可能である。
触媒シートは、少なくとも導電材(導電性材料)とマンガン触媒とを含有するシートである。この触媒シートは、導電材と有機物バインダとを、マンガン触媒前駆体が分散する分散媒中で混練した後、成形乾燥してシート部材を作製し、シート部材に、マンガン触媒前駆体の溶液を含浸、乾燥、及び熱処理する一連の工程を、一回又は複数回行って目的の触媒量を担持したシートに作製される。この触媒シートは、所定サイズのシートに裁断された後、銅メッシュの両面に圧着して銅メッシュと一体化される。
なお、触媒シートは、後述するように、粒状の酸化還元触媒やバインダなどを練って焼成したものであるので、表面に凹凸を有しており、ローラープレス機でプレスした後もある程度の凹凸を有した状態となる。
有機物バインダは、高分子ディスパージョンであり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン(登録商標)とも言う)などのフッ素系樹脂、又は、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂である。
次に、実施例及び比較例を説明する。各実施例及び比較例は、触媒シートが異なる点を除いて同じ構成であり、以下、触媒シートについて説明する。各触媒シートに関する情報は表1に示している。
1.1(実施例1)
第1触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第1触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した2M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、120℃の温度で2時間の熱処理を実施した。その後に、PTFEの焼結処理として、200℃で30分の熱処理を行った。
この熱処理は、大気存在下、且つ、大気圧の環境で実施した。この熱処理により、硝酸マンガン(II)の熱分解により二酸化マンガンが析出するとともに、二酸化マンガンの固定と担持とが完了する。なお、硝酸マンガンを用いる場合、焼成処理として、約120℃以上であれば二酸化マンガンを得られることを確認している。
第1触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第1触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した2M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、120℃の温度で2時間の熱処理を実施した。さらに、焼成後の触媒シートに対し、上記の含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を、計3回実施した。その後に、PTFEの焼結処理として、200℃で30分の熱処理を行った。
なお、本実施例2、及び以下に説明する実施例3〜6及び比較例の熱処理は、実施例1と同様に、大気存在下、且つ、大気圧の環境で実施している。
第1触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第1触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した2M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、120℃の温度で2時間の熱処理を実施した。さらに、焼成後の触媒シートに対し、上記の含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を、計5回実施した。その後に、PTFEの焼結処理として、200℃で30分の熱処理を行った。
つまり、実施例3は、含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を計5回実施する点が実施例2と異なる。
第1触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第1触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した2M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、120℃の温度で2時間の熱処理を実施した。さらに、焼成後の触媒シートに対し、上記の含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を、計7回実施した。その後に、PTFEの焼結処理として、200℃で30分の熱処理を行った。
つまり、実施例4は、含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を計7回実施する点が実施例2と異なる。
有機物バインダとしてPTFEをPPに代えて第1触媒シートを作製し、この第1触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した2M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、120℃の温度で2時間の熱処理を実施した。さらに、焼成後の触媒シートに対し、上記の含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を、計5回実施した。その後に、PPの焼結処理として、140℃で30分の熱処理を行った。
つまり、実施例5は、有機物バインダとしてPPを用いる点、及び含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を計5回実施する点が実施例2と異なる。
なお、PPの融点が約165℃であるため、焼結処理の温度を140℃とした。
第1触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第1触媒シートを、酢酸マンガン(II)四水和物を溶解した2M酢酸マンガン水溶液に入れ、シート中に酢酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、200℃の温度で2時間の熱処理を実施した。さらに、焼成後の触媒シートに対し、上記の含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を、計5回実施した。その後に、PTFEの焼結処理として、200℃で30分の熱処理を行った。
つまり、実施例6は酢酸マンガンを使用する点が実施例3と異なる。
2.1(比較例1)
第1触媒シートに対し、200℃で30分の熱処理を実施した。つまり、比較例1の触媒シートはマンガン触媒を含んでいない。
導電材としてKBと二酸化マンガン粉末とを9:1の割合とし、これに有機物バインダとしてPTFEと水を混練し、成形乾燥することにより、触媒シートを作製した。
つまり、比較例2は二酸化マンガン粉末を単純追加する方法によって、二酸化マンガンを10%含有する触媒シートとした。なお、二酸化マンガン粉末には、乾電池グレードの電解二酸化マンガン(EMD)の粉末を用いた。最終的に200℃で30分の熱処理(焼成処理)を実施した。
導電材としてKBと二酸化マンガン粉末とが9:1の割合になるように、KBと、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した1M硝酸マンガン水溶液とを混練し、混練物を80℃で24時間乾燥した。その後、120℃で24時間の熱処理を実施し、二酸化マンガンが表面に担持された触媒粉を調製した。この触媒粉と有機物バインダとしてPTFEと水を混練して触媒シートを作製した。最終的に200℃で30分の熱処理(焼成処理)を実施した。
つまり、比較例3は、二酸化マンガンをカーボン表面に析出担持した粉末を混合し、二酸化マンガンを10%含有した触媒シートを得る点が比較例2と異なる。
有機物バインダとしてPTFEを、バインダとしてPEに変更して触媒シート(第1触媒シートに対応するシート)を作製した。この触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した2M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、120℃の温度で2時間の熱処理を行った。
しかし、ポリエチレンが低融点であるため、ポリエチレンが融解して凝集し、強度が得られず、触媒シートの作製は不可能であった。なお、ポリエチレンの融点は、低密度ポリエチレンで95〜130℃である。これに対し、PTFEの融点は327℃であり、PPの融点は約165℃である。
有機物バインダとしてPTFEを、バインダとしてPPに変更して触媒シート(第1触媒シートに対応するシート)を作製した。この触媒シートを、酢酸マンガン(II)四水和物を溶解した2M酢酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、200℃で2時間の熱処理を行った。
しかし、ポリプロピレンが融解して凝集したので、強度が得られず、触媒シートの作製は不可能であった。
比較例4,5を除いた各触媒シートを所定サイズに切断(サイジング)し、銅メッシュの両面に圧着して空気極13を作製した。次に、各空気極13と、マグネシウム合金からなる金属極15とを用いて空気電池10をそれぞれ作製し、放電による分極試験を行った。試験結果は図2に示している。図2中、横軸は、電流密度(mA/平方センチメートル)を示し、縦軸は電池電圧(V)を示している。
また、含浸から焼成の回数が多いほど性能が更に向上する傾向が見られるが、5回と7回の差は小さく、回数は5回までが効率良く性能向上できる範囲と考えられる。
比較例については、マンガン触媒を含有しない比較例1と比べて、触媒をカーボン表面に析出担持させた比較例3と、二酸化マンガン粉末を単純追加した比較例2とが多少の分極改善は見られたが、十分な効果は得られていない。
酢酸マンガンを用いる実施例6では、120℃及び200℃で熱処理を行っている。200℃であっても、PTFEの融点(327℃)よりも十分に低いので、PTFEの分解を避けることが可能である。
上記熱処理の温度は、PTFEの分解を避ける温度であればよく、反応熱による温度上昇を考慮する観点から、320℃以下が好ましい。より好ましくは、120℃以上280℃以下が良い。なお、熱処理の時間は、バインダの種類や熱処理温度に応じて適宜に調整すれば良い。
Mn(NO3)2→MnO2+2(NO2) ・・・式(1)
また、有機物バインダが熱可塑性を有するので、熱処理温度がこれらの焼結温度付近のときにバインダ同士の焼結が起こり、触媒シートの機械的強度を増大させる効果も得ることができる。
また、マンガン触媒前駆体の溶液を含浸、乾燥、及び熱処理する一連の工程の回数によって、触媒シートに担持される触媒量を容易に調整可能である。
また、実施例1〜5に示すように、マンガン触媒前駆体の溶液として、硝酸マンガン水溶液を用いるので、比較的低い温度でマンガン酸化物系触媒を析出形成できる。従って、融点が上記温度以上の高分子バインダである有機物バインダを選び易くなる。
さらに、有機物バインダとして、前記熱処理する際の温度よりも融点が高い高分子ディスパージョンを用いるので、有機物バインダの分解を避け、シートの破壊を回避することができる。また、この有機物バインダに熱可塑性樹脂を用いることによって、触媒シートの機械的強度を増大させることができる。
上述の実施形態では、第1触媒シートを、導電材であるカーボンパウダーと有機物バインダと水を混練した後、成形乾燥して作製した。これに限らず、シート部材を、導電材と二酸化マンガン粉末と有機物バインダとを分散媒中で混練した後、成形乾燥して作製しても良い。
なお、作製したシート部材に、マンガン触媒前駆体の溶液を含浸、乾燥、及び熱処理する一連の工程を、一回又は複数回行う点は、上記実施形態と同じである。
実施例及び比較例を説明する。各実施例及び比較例は、触媒シートが異なる点を除いて同じであり、以下、触媒シートについて説明する。各触媒シートに関する情報は表2に示している。
ここで、電解二酸化マンガン粉末には、乾電池グレードの電解二酸化マンガン(EMD)の粉末を用いた。EMDはγ型の二酸化マンガンを主体とし、粒状である。
第1触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第1触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した0.5M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、200℃の温度で1時間の熱処理を実施した。
上記の熱処理は、大気存在下、且つ、大気圧の環境で実施した。200℃は、触媒が得られる温度である。この熱処理により、硝酸マンガン(II)の熱分解により二酸化マンガンが析出するとともに、二酸化マンガンの固定と担持とが完了する。触媒シート全体重量に対し、二酸化マンガンの総添加量は10mass%である。
なお、析出する二酸化マンガンはα型とβ型とを含み、第1触媒シートはγ型の二酸化マンガンを含むので、触媒シートにはα型、β型、及びγ型の二酸化マンガンが混在する。
第2触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第2触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した0.5M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、200℃の温度で1時間の熱処理を実施した。さらに、焼成後の触媒シートに対し、上記の含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を、計3回実施した。触媒シート全体重量に対し、二酸化マンガンの総添加量は14mass%である。
なお、本実施例2A、及び以下に説明する実施例3A,4A及び比較例の熱処理は、実施例1Aと同様に、大気存在下、且つ、大気圧の環境で実施している。
第2触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第2触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した0.5M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、200℃の温度で1時間の熱処理を実施した。さらに、焼成後の触媒シートに対し、上記の含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を、計5回実施した。触媒シート全体重量に対し、二酸化マンガンの総添加量は17mass%である。
第2触媒シートにエタノールを適量噴霧した後、第2触媒シートを、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した0.5M硝酸マンガン水溶液に入れ、シート中に硝酸マンガン水溶液を真空含浸した。余分な液を除去した後に、乾燥機により80℃で2時間の乾燥を行い、その後、焼成処理として、200℃の温度で1時間の熱処理を実施した。さらに、焼成後の触媒シートに対し、上記の含浸、乾燥及び熱処理からなる一連の処理を、計7回実施した。触媒シート全体重量に対し、二酸化マンガンの総添加量は20mass%である。
5.1(比較例1A)
導電材としてKBと有機物バインダとしてPTFEと水を混練し、PTFEのフィブリル化が起こり、粘度変化が安定するまで継続し、所定粘度のペースト(電材料スラリー)を作製した。このペーストをPETフィルムに挟み、1mmのロールギャップに設定したローラープレス機により所定厚さのシート部材を作製した。このシート部材を200℃で1時間の乾燥及び焼成を行い、マンガン触媒を含まない触媒シートを作製した。この触媒シート中の組成は、KB:PTFE=60:40とした。
導電材としてKB、電解二酸化マンガン粉末、有機物バインダとしてPTFE及び水を混練し、PTFEのフィブリル化が起こり、粘度変化が安定するまで継続し、所定粘度のペースト(電材料スラリー)を作製した。このペーストをPETフィルムに挟み、1mmのロールギャップに設定したローラープレス機により所定厚さのシート部材を作製した。このシート部材を270度で30分間の乾燥及び焼成を行い、マンガン触媒を含まない触媒シートを作製した。この触媒シート中の組成は、電解二酸化マンガン:KB:PTFE=10:50:40とした。
導電材としてKB、電解二酸化マンガン粉末、有機物バインダとしてPTFE及び水を混練し、PTFEのフィブリル化が起こり、粘度変化が安定するまで継続し、所定粘度のペースト(電材料スラリー)を作製した。このペーストをPETフィルムに挟み、1mmのロールギャップに設定したローラープレス機により所定厚さのシート部材を作製した。このシート部材を270度で30分間の乾燥及び焼成を行い、マンガン触媒を含まない触媒シートを作製した。この触媒シート中の組成は、電解二酸化マンガン:KB:PTFE=30:30:40とした。
導電材としてKBと二酸化マンガン粉末とが5:1の割合になるように、KBと、硝酸マンガン(II)六水和物を溶解した1M硝酸マンガン水溶液とを混練し、混練物を80℃で24時間乾燥した。その後、200℃で1時間の熱処理した後、粉砕し、KBの表面に二酸化マンガン担持された触媒粉を調製した。この触媒粉と有機物バインダとしてPTFEが6:4になる比率で、触媒粉と有機物バインダとしてPTFEと水を混練して触媒シートを作製した。最終的に200℃で1時間の熱処理(焼成処理)を実施した。
このように、比較例4Aは、二酸化マンガンをカーボン表面に析出担持した粉末を混合することで、二酸化マンガンを10%含有した触媒シートを作製した。
各触媒シートを所定サイズに切断(サイジング)し、集電体となる銅メッシュの両面に圧着して空気極13を作製した。また、銅メッシュの一方側に実施例1Aの触媒シート、他方側に比較例1Aの金属触媒を含まない触媒シートを圧着して空気極13を作製した。
次に、各空気極13と、マグネシウム合金からなる金属極15とを用いて空気電池10をそれぞれ作製し、放電による分極試験を行った。各空気電池10の空気極13の仕様は表3に示し、試験結果は図3に示している。
一般に、EMDは、十分な触媒活性を得るためには数十%の程度の添加が必要である。その理由は、EMDを単純追加しただけでは、各EMD粒子は独立してカーボンと接触しているだけであり、触媒表面の反応場からの電子移動が円滑ではないと考えられるからである。
これに対し、本実施例1A〜4Aでは、表2に示すように、二酸化マンガンがトータルで10%〜20%の範囲にも関わらず、十分な効果を得ている。つまり、本実施例では、EMDを使用し、且つ、二酸化マンガンの全添加量を抑えつつ、シート内の電子移動を円滑化可能であり、これにより、高性能な空気極13を得やすくなる。
図3に示す電池9は、電解液側に実施例1Aの触媒シート、空気側に比較例1Aの金属触媒を含まない触媒シートを圧着した空気極13を用いている。この電池9は、実施例1Aに近い特性を得ており、比較例1A〜4Aと比べて良好な特性である。このように、空気側に触媒量が少ない触媒シートを採用することによって、より少ない触媒量で良好な特性を確保し易くなる。
また、マンガン触媒前駆体の溶液を含浸、乾燥、及び熱処理する一連の工程の回数によって、触媒シートに担持される触媒量を容易に調整可能である、といった上述の各種の効果を得ることができる。
また、触媒シートは、導電材であるカーボンパウダーと有機物バインダとを水で混練した後、成形乾燥して作製されるので、有機物バインダに用いた高分子ディスパージョンにより水分の透過を抑制したシートを得ることができる。
また、二酸化マンガン粉末の量の調整によっても、触媒シートに担持される触媒量を調整することが可能である。
11 外装体
11A 狭持部材
11B 支持部材
11K 開口部
13 空気極
15 金属極
Claims (7)
- 電池の電極に用いられる触媒シートの製造方法において、
導電材と有機物バインダと水を混練した後、成形乾燥してシート部材を作製し、前記シート部材に、マンガン触媒前駆体の溶液を含浸、乾燥、及び熱処理する一連の工程を、一回又は複数回行って目的の触媒量を担持した触媒シートを得ることを特徴とする触媒シートの製造方法。 - 前記シート部材は、前記導電材と二酸化マンガン粉末と前記有機物バインダとを水で混練した後、成形乾燥して作製されることを特徴とする請求項1に記載の触媒シートの製造方法。
- 前記マンガン触媒前駆体の水溶液として、硝酸マンガン水溶液を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒シートの製造方法。
- 前記二酸化マンガン粉末として、電解二酸化マンガンを用いることを特徴とする請求項2に記載の触媒シートの製造方法。
- 前記有機物バインダとして、前記熱処理する際の温度よりも融点が高い高分子ディスパージョンを用いたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の触媒シートの製造方法。
- 空気電池に使用される空気極の製造方法において、
導電材と有機物バインダと水を混練した後、成形乾燥してシート部材を作製し、前記シート部材に、マンガン触媒前駆体の溶液を含浸、乾燥、及び熱処理する一連の工程を、一回又は複数回行って目的の触媒量を担持した触媒シートを得、前記触媒シートを集電体に圧着することで得られることを特徴とする空気極の製造方法。 - 前記シート部材は、前記導電材と二酸化マンガン粉末と前記有機物バインダとを水で混練した後、成形乾燥して作製されることを特徴とする請求項6に記載の空気極の製造方法。
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