本開示は、DOT1Lヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤と抗癌剤を併用して腫瘍を治療すると、DOT1Lヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤単独または抗癌剤単独による腫瘍治療によって達成される結果よりも優れた結果を得ることができるという発見に基づいている。
したがって、本開示は、DOT1Lヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤と1つまたは複数の治療剤の併用、ならびにその過程がヒストンまたは他のタンパク質のメチル化状態の調節により影響を受け得る疾患、たとえば癌を治療するためのその使用方法を提供する。特に、本開示は、式(I)、たとえば化合物A2または化合物D16およびAra−C、アザシチジン、またはダウノルビシンを含む組成物または併用を特徴とする。
いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)、たとえば化合物A2または化合物D16およびRAS−RAF−MEK−ERK経路の阻害剤を含む組成物または併用を提供する。いくつかの実施形態では、RAS−RAF−MEK−ERK経路の阻害剤は、MEK阻害剤である。いくつかの実施形態では、阻害剤は、トラメチニブである。
本開示はまた、癌、たとえば白血病を治療するための、式(I)の化合物、たとえばEPZ−5676またはEPZ−4777とAra−C、アザシチジン、またはダウノルビシンなど、DOT1Lヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤と1つまたは複数の治療剤とを含む併用療法のための方法を含む。具体的には、本開示の方法は、癌細胞増殖を治療または阻害するために有用である。
本開示は、疾患を治療するための薬物の製造における、本明細書に記載の任意の組成物または併用の使用をさらに提供する。そうした疾患としては、たとえば、癌、前癌性状態、またはヒストンもしくは他のタンパク質のメチル化状態の調節により影響を受ける疾患が挙げられる。
本明細書に開示された任意の化合物(たとえば、DOT1L阻害剤)は、本開示の組成物または併用療法に使用することができる。本明細書において使用されるように、DOT1L阻害剤は、DOT1L介在性のタンパク質メチル化の阻害剤(たとえばヒストンメチル化の阻害剤)である。いくつかの実施形態では、DOT1L阻害剤は、DOT1Lの小分子阻害剤である。
一態様では、本開示の組成物または併用は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つもしくは複数の治療剤を含む。式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676またはEPZ−4777)は、同時に、逐次的に、または交互に投与するのに適している1つもしくは複数の治療剤または治療法との併用療法の一部として投与するのに適している。
いくつかの実施形態では、本開示の併用のDOT1L阻害剤および1つまたは複数の治療剤は、同じ製剤で製剤化される。他の実施形態では、本開示の併用のDOT1L阻害剤および1つまたは複数の治療剤は、別個の製剤で製剤化され、同時に、逐次的に、または交互に投与される。
本開示は、式(I)の化合物:
(式中、
Tは6〜10個の炭素原子のリンカー基であり、1個または複数個の炭素原子はヘテロ原子で任意選択的に置き換えられており、Tは任意選択的に置換されており;
R
9は、C
6〜C
10アリール、または非置換もしくは置換t−ブチル、CF
3、シクロヘキシル、C
6〜C
10アリールおよび5〜10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換された5〜10員ヘテロアリールを含み;
AはOまたはCH
2であり;
GおよびJは各々独立にH、ハロ、C(O)OH、C(O)O−C
1〜C
6アルキルまたはOR
aであり、R
aはH、C
1〜C
6アルキル、C(O)−C
1〜C
6アルキルまたはシリルであり、C(O)O−C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6アルキルまたはC(O)−C
1〜C
6アルキルはハロ、シアノヒドロキシル、カルボキシル、C
1〜C
6アルコキシル、アミノ、モノC
1〜C
6アルキルアミノ、ジC
1〜C
6アルキルアミノおよびC
3〜C
8シクロアルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており;
Xは各々独立にNまたはCR
xであり、R
xはH、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノまたはR
S1であり、R
S1はアミノ、C
1〜C
6アルコキシル、C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、C
6〜C
10アリール、4〜6員ヘテロシクロアルキルまたは5〜6員ヘテロアリールであり、かつR
S1はハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、C
1〜C
6アルコキシル、アミノ、モノC
1〜C
6アルキルアミノ、ジC
1〜C
6アルキルアミノ、C
3〜C
8シクロアルキル、C
6〜C
10アリール、4〜6員ヘテロシクロアルキルおよび5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており;
R
1およびR
2は各々独立にH、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノまたはR
S2であり、R
S2はアミノ、C
1〜C
6アルコキシル、C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニルまたはC
3〜C
8シクロアルキルであり、かつR
S2は各々、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、C
1〜C
6アルコキシル、アミノ、モノC
1〜C
6アルキルアミノ、ジC
1〜C
6アルキルアミノ、C
3〜C
8シクロアルキル、C
6〜C
10アリール、4〜6員ヘテロシクロアルキルおよび5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており;
R
8はH、ハロまたはR
S3であり、R
S3はC
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニルまたはC
2〜C
6アルキニルであり、かつR
S3はハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノアミノ、C
1〜C
6アルコキシル、モノC
1〜C
6アルキルアミノ、ジC
1〜C
6アルキルアミノおよびC
3〜C
8シクロアルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており;かつ
QはH、NH
2、NHR
b、NR
bR
c、R
b、=O、OHまたはOR
bであり、R
bおよびR
cは各々独立にC
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、C
6〜C
10アリール、4〜7員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリールまたは−M
1−T
1であり、M
1は結合、またはハロ、シアノ、ヒドロキシルもしくはC
1〜C
6アルコキシルで任意選択的に置換されているC1〜C6アルキルリンカーであり、T
1はC
3〜C
8シクロアルキル、C
6〜C
10アリール、4〜6員ヘテロシクロアルキルまたは5〜10員ヘテロアリールであり、あるいは、R
bおよびR
cはそれらが結合しているN原子と一緒になって、C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、C(O)OH、C(O)O−C
1〜C
6アルキル、OC(O)−C
1〜C
6アルキル、シアノ、C
1〜C
6アルコキシル、アミノ、モノC
1〜C
6アルキルアミノ、ジC
1〜C
6アルキルアミノ、C
3〜C
8シクロアルキル、C
6〜C
10アリール、4〜6員ヘテロシクロアルキルまたは5〜6員ヘテロアリールで任意選択的に置換された、N原子に加えて0または1個のヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し、R
b、R
cおよびT
1は各々C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、C
1〜C
6アルコキシル、アミノ、モノC
1〜C
6アルキルアミノ、ジC
1〜C
6アルキルアミノ、C
3〜C
8シクロアルキル、C
6〜C
10アリール、4〜6員ヘテロシクロアルキルおよび5〜6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されている)
またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体を提供する。
本開示は、1つまたは複数の治療剤ならびに(i)化合物A2および化合物D16から選択される化合物;(ii)化合物A2および化合物D16から選択される化合物の塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体;(iii)化合物A2および化合物D16から選択される化合物のN−オキシド;または(iv)化合物A2および化合物D16から選択される化合物のN−オキシドの塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体を含む組成物に関する。たとえば、本開示は、1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物を含む組成物に関する。
一実施形態では、組成物は、1つまたは複数の治療剤および式:
を有するDOT1L阻害剤化合物A2(「Cpd A2」もしくはピノメトスタットもしくは「5676」もしくは「EPZ−5676」とも呼ばれる)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体を含む。
一実施形態では、組成物は、1つまたは複数の治療剤および式:
を有するDOT1L阻害剤化合物D16(「化合物T」もしくは「EPZ−4777」とも呼ばれる)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体を含む。
本明細書において記載される方法に従う使用に適している他のDOT1L阻害剤は、国際公開第2012/075381号パンフレット、国際公開第2012/075492号パンフレット、国際公開第2012/082436号パンフレット、国際公開第2012/75500号パンフレット、国際公開第2014/026198号パンフレット、国際公開第2014/035140号パンフレット、米国特許出願公開第2014/0100184号明細書、およびJ.Med Chem.(2013),56:p.8972−8983において提供され、これらの各々の内容を参照により全体をこれによって援用する。
本開示はさらに、治療有効量の本明細書に記載の任意の併用および薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。
本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤および本明細書に開示された式のいずれかの化合物ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。
本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤および本明細書に開示された式のいずれかの化合物の塩ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。
本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤および本明細書に開示された式のいずれかの化合物の水和物ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。
本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤および本明細書に開示された式のいずれかの化合物の多形ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。
本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤および本明細書に開示された式のいずれかの化合物の溶媒和物ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。
本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤および本明細書に開示された式のいずれかの化合物の立体異性体ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。
本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物の塩ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物のN−オキシドならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物の塩のN−オキシドならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物の水和物ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物の多形ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物の溶媒和物ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。本開示はさらに、治療有効量の1つまたは複数の治療剤ならびに化合物A2および化合物D16から選択される化合物の立体異性体ならびに薬学的に許容されるキャリアの医薬組成物に関する。
本明細書に示した式では、可変基は、後で詳細な説明において定義される化学部分のそれぞれの基から選択することができる。
さらに、本開示は、前述の化合物を合成する方法を提供する。合成後、治療有効量の1種または複数種の化合物は、エピジェネティックな酵素の調節に使えるように哺乳動物、特にヒトに投与するため、薬学的に許容されるキャリアと共に製剤化してもよい。ある種の実施形態では、本開示の化合物は、癌の治療、予防もしくは癌のリスクの低減に、または癌を治療する、予防するもしくは癌のリスクの低減するための薬物の製造に有用である。したがって、本化合物、組成物または製剤は、有効量の化合物を哺乳動物に与えるため、たとえば、経口経路、非経口経路、点耳経路、点眼経路、経鼻経路または局所経路により投与してもよい。
本明細書では、化合物の構造式は、場合によっては便宜上、特定の異性体を表しているが、本開示は、すべての異性体、たとえば幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体および同種のものを含む。さらに、式で表される化合物の結晶多形が存在してもよい。任意の結晶形、結晶形混合物またはその無水物もしくは水和物が本開示の範囲に含まれる点に注意されたい。さらに、本化合物のインビボでの分解により生成される、いわゆる代謝物も本開示の範囲に含まれる。
「異性」は、化合物が同一の分子式を有するものの、その原子の結合順序またはその原子の空間配置が異なることを意味する。原子の空間配置が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれ、光学異性体と呼ばれることもある。逆のキラリティーの各エナンチオマー型を等量含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
同一でない4つの置換基に結合した炭素原子は「キラル中心」と呼ばれる。
「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。2つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして存在しても、あるいは「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在してもよい。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(RまたはS)により特徴付けてもよい。絶対配置とは、キラル中心に結合した置換基の空間配置をいう。検討対象のキラル中心に結合した置換基は、Sequence Rule of Cahn,Ingold and Prelogに従いランク付けされる。(Cahn et al.,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;errata 511;Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78,413;Cahn and Ingold,J.Chem.Soc.1951(London),612;Cahn et al.,Experientia 1956,12,81;Cahn,J.Chem.Educ.1964,41,116)。
「幾何異性体」は、存在する原因が二重結合またはシクロアルキルリンカー(たとえば、1,3−シルコブチル)の周りの回転障壁であるジアステレオマーを意味する。これら配置は、接頭辞シスおよびトランス、またはカーン−インゴルド−プレローグ順位則に従い各基が分子の二重結合に関して同じ側または反対側にあることを示すZおよびEにより、その名称により区別される。
本開示の化合物は、異なるキラル異性体または幾何異性体として図示し得ることが理解されよう。さらに、化合物がキラル異性体型または幾何異性体型を有する場合、すべての異性体型が本開示の範囲に含まれることを意図しており、化合物の名称は任意の異性体型を除外するものではないことも理解されるべきである。
たとえば、式(I)の化合物は、以下のキラル異性体および幾何異性体の化合物を含む。
さらに、こうした構造および本開示で考察された他の化合物は、そのすべてのアトロピック(atropic)異性体を含む。「アトロピック(atropic)異性体」は、2つの異性体の原子が空間で異なって配置されている立体異性体の1種である。アトロピック(atropic)異性体が存在する原因は、中心結合の周りの大きな基の回転障壁により引き起こされる回転の束縛である。こうしたアトロピック(atropic)異性体は典型的には混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果、特定の場合、2つのアトロピック(atropic)異性体の混合物を分離することが可能になっている。
「互変異性体」は、2つ以上の構造異性体が平衡状態で存在し、ある異性体型から別の異性体型に容易に変換される、それらの構造異性体の1つである。この変換の結果、水素原子が、隣接する共役二重結合の変化を伴って形式的に移動する。互変異性体は、溶液中で互変異性体のセットの混合物として存在する。互変異性が可能である溶液においては、互変異性体の化学平衡に達する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒およびpHを含むいくつかの要因によって異なる。互変異性化により相互変換可能な互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。
考えられる様々なタイプの互変異性のうち、2つが一般に観察される。ケト−エノール互変異性では、電子および水素原子の同時移動が起こる。環鎖互変異性は、糖鎖分子のアルデヒド基(−CHO)が同じ分子のヒドロキシ基(−OH)の1つと反応して、分子にグルコースに見られるような環式(環状)形態が生じた結果として起こる。
一般的な互変異性のペアとして、ケトン−エノール、アミド−ニトリル、ラクタム−ラクチム、複素環式環における(たとえば、核酸塩基、たとえばグアニン、チミンおよびシトシンにおける)アミド−イミド酸互変異性、アミン−エナミンおよびエナミン−エナミンがある。ベンゾイミダゾールも互変異性を示し、ベンゾイミダゾールが4位、5位、6位または7位に1つまたは複数の置換基を有する場合、様々な異性体の可能性が生じる。たとえば、2,5−ジメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールは、互変異性化によりその異性体2,6−ジメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールと平衡状態で存在し得る。
本開示の化合物は、様々な互変異性体として図示し得ることが理解されよう。さらに、化合物が互変異性形を有する場合、すべての互異性形が本開示の範囲に含まれることを意図しており、化合物の名称は任意の互変異性体形を除外するものではないことも理解されるべきである。
「結晶多形」、「多形」または「結晶形」という用語は、化合物(またはその塩または溶媒和物)が様々な結晶のパッキング構造で結晶化することができ、そのすべてが同じ元素組成を有する結晶構造を意味する。異なる結晶形は通常、X線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度 硬度、結晶形状、光学的特性および電気的特性、安定性ならびに溶解性が異なる。再結晶溶媒、結晶化の速度、保存温度および他の要因により、1つの結晶形が多くを占めるようにすることができる。化合物の結晶多形は、様々な条件下、結晶化により調製することができる。
本開示の化合物は、結晶、半結晶、非晶質、アモルファス、およびメソモルファスであってもよい。
本明細書に開示された式のいずれかの化合物は、化合物自体のほか、妥当な場合、そのN−オキシド、塩、その溶媒和物、その多形、およびその立体異性体を含む。塩は、たとえば、アニオンと本化合物または阻害剤(たとえば、置換ヌクレオシド化合物、たとえば置換プリンまたは7−デアザプリン化合物)の正電荷を帯びた基(たとえば、アミノ)との間で形成することができる。好適なアニオンとして、クロリド、ブロミド、ヨージド、スルフェート、ビスルフェート、スルファメート、ニトレート、ホスフェート、シトレート、メタンスルホネート、トリフルオロアセテート、グルタメート、グルクロネート、グルタレート、マレート、マレエート、スクシネート、フマレート、タルトレート、トシレート、サリチレート、ラクテート、ナフタレンスルホネート、およびアセテートが挙げられる。同様に、塩は、カチオンと本化合物または阻害剤(たとえば、置換ヌクレオシド化合物、たとえば置換プリンまたは7−デアザプリン化合物)の負電荷を帯びた基(たとえば、カルボキシレート)との間でも形成することができる。好適なカチオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンおよびアンモニウムカチオン、たとえばテトラメチルアンモニウムイオンが挙げられる。本化合物または阻害剤(たとえば、置換ヌクレオシド化合物、たとえば置換プリンまたは7−デアザプリン化合物)は、第四級窒素原子を含む塩をさらに含む。
加えて、本開示の化合物、たとえば、化合物の塩は、水和もしくは非水和(無水)形態で存在しても、あるいは他の溶媒分子との溶媒和物として存在してもよい。水和物の非限定的な例として、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物等が挙げられる。溶媒和物の非限定的な例として、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物等が挙げられる。
「溶媒和物」は、化学量論量あるいは非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、結晶性固体状態で一定のモル比の溶媒分子を捕捉する傾向があり、したがって溶媒和物を形成する。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールの場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は1つの物質分子と1つまたは複数の水分子の組み合わせにより形成され、水はその分子状態をH2Oとして維持する。半水和物は、2つ以上の物質分子と1つの水分子の組み合わせにより形成され、水はその分子状態をH2Oとして維持する。
本明細書で使用する場合、「アナログ」という用語は、別の化学化合物と構造的に類似しているが、組成がやや異なる(異なる元素の原子による1つの原子の置き換え、または特定の官能基の存在、または別の官能基による1つの官能基の置き換えのように)化学化合物をいう。したがって、アナログは、参照化合物と機能および外観が類似または同様であるが、構造または起源が類似または同様でない化合物である。
本明細書で定義した、「誘導体」という用語は、共通のコア構造を有するが、本明細書に記載するような様々な基で置換されている化合物をいう。たとえば、式(I)で表される化合物はすべて、置換プリン化合物または置換7−デアザプリン化合物であり、共通のコアとして式(I)を有する。
「生物学的等価体」という用語は、ある原子または原子団と、別の概ね類似した原子または原子団との交換により生じる化合物をいう。生物学的等価性置換の目的は、親化合物に類似した生物学的特性を有する新しい化合物を作ることにある。生物学的等価性置換は、物理化学をベースにしても、あるいは位相幾何学をベースにしてもよい。カルボン酸の生物学的等価体の例として、アシルスルホンイミド、テトラゾール、スルホネートおよびホスホネートがあるが、これに限定されるものではない。たとえば、Patani and LaVoie,Chem.Rev.96,3147−3176,1996を参照されたい。
本開示は、本化合物に生じる原子の同位体をすべて含むことを意図している。同位体は、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例として、限定するものではないが、水素の同位体としてトリチウムおよびジュウテリウムがあり、炭素の同位体としてC−13およびC−14がある。
本開示はまた、本明細書に開示された式のいずれかの化合物の合成方法を提供する。本開示はまた、その内容全体を本明細書に援用する国際公開第2012/075381号パンフレット、国際公開第2012/075492号パンフレット、国際公開第2012/082436号パンフレット、国際公開第2012/75500号パンフレット、国際公開第2014/026198号パンフレット、国際公開第2014/035140号パンフレット、米国特許出願公開第2014/0100184号明細書、およびJ.Med Chem.(2013),56:p.8972−8983に記載されたスキームおよび実施例に従い、開示された様々な化合物を合成するための詳細な方法も提供する。
組成物が特定の成分を有する、それを含む(including)またはそれを含む(comprising)ものとして記載される説明において、組成物はさらに、記載された成分から本質的になる、またはそれからなることも意図している。同様に、方法またはプロセスが特定のプロセスステップを有する、それを含む(including)またはそれを含む(comprising)ものとして記載される場合、当該プロセスはさらに、記載されたプロセスステップから本質的になる、またはそれからなる。さらに、ステップの順序またはある行為を行う順序は、本発明が実施可能な状態である限り、重要でないことを理解すべきである。さらに、2つ以上のステップまたは行為を同時に行ってもよい。
組成物が特定の成分を有する、それを含む(including)またはそれを含む(comprising)ものとして記載される、またはプロセスが特定のプロセスステップを有する、それを含む(including)またはそれを含む(comprising)ものとして記載される説明において、本開示の組成物はさらに、記載された成分から本質的になる、またはそれからなること、および本開示のプロセスはさらに、記載されたプロセシスステップから本質的になる、またはそれからなることを意図している。さらに、ステップの順序またはある行為を行う順序は、特段の規定がなければ、本開示が実施可能な状態である限り、重要でないことを理解すべきである。さらに、2つ以上のステップまたは行為を同時に行ってもよい。
本発明の方法に好適な化合物は、生成されたならば、化合物が生物活性を有するかどうかを判定するため、当業者に公知の種々のアッセイを用いて特性評価を行ってもよい。たとえば、分子について、以下に限定されるものではないが、下記に記載のアッセイなど従来のアッセイにより特性評価を行い、分子が予想された活性、結合活性および/または結合特異性を有するかどうかを判定することができる。
さらに、こうしたアッセイを使用した解析を迅速化するため、ハイスループットスクリーニングを使用してもよい。その結果、本明細書に記載の分子について、当該技術分野において公知の技術を用いて活性を迅速にスクリーニングできる可能性がある。ハイスループットスクリーニングを行うための一般的な方法は、たとえば、Devlin(1998)High Throughput Screening,Marcel Dekker;および米国特許第5,763,263号明細書に記載されている。ハイスループットアッセイは、1つまたは複数の異なるアッセイ技術、たとえば以下に限定されるものではないが、本明細書に記載されたものなどを使用してもよい。
化合物の薬剤同様の特性をさらに評価するため、組換えヒト酵素系あるいはヒト肝臓ミクロソームのようなより複雑な系を用いて、チトクロームP450酵素および第2相代謝酵素活性の阻害に関する測定値をさらに測定してもよい。さらに、化合物をこうした代謝酵素活性の基質として同様に評価してもよい。こうした活性は、化合物が薬物相互作用を引き起こす、あるいは有用な抗菌活性を保持するまたは有さない代謝物を生成する可能性を判定するのに有用である。
化合物の経口吸収性の可能性を推定するため、溶解性アッセイおよびCaco−2アッセイをさらに行ってもよい。後者はヒト上皮由来の細胞株であり、多くの場合、1ミクロン膜を備えた24ウェルマイクロタイタープレートのウェル内で増殖するCaco−2細胞単層により薬剤の取り込みおよび通過の測定を可能にする。遊離薬剤濃度を単層の基底膜側で測定して、腸単層を通過できる薬剤の量を評価することができる。単層の完全性およびギャップ結合の密度を確保するには、適切な制御が必要とされる。この同じ系を用いて、P−糖タンパク質を介した排出を推定することもできる。P−糖タンパク質は、細胞の頂端膜に局在し、極性化した単層を形成するポンプである。このポンプは、Caco−2細胞膜を通過する能動的または受動的取り込みを抑制し、その結果、腸上皮層を通る薬剤を減少させることができる。これらの結果は、溶解性の測定結果と共に利用されることが多く、これらの因子はどちらも、哺乳動物の経口バイオアベイラビリティーに寄与することが知られている。伝統的な薬物動態実験による動物、最終的にはヒトの経口バイオアベイラビリティーの測定結果から、絶対経口バイオアベイラビリティーが判定される。
実験結果はさらに、薬剤と同様の特性に寄与する物理化学的パラメーターの予測に資するモデルを構築するのに使用することもできる。こうしたモデルが検証されると、実験方法が削減され、モデルの予測性に対する信頼性が高まる可能性がある。
本開示の組成物または併用は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤を含む。本開示は、同一の製剤または別個の製剤としての、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤の投与を提供し、製剤の投与は、同時、逐次的、または交互である。一実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、本開示の組成物により治療される疾患または状態を治療するのに有用であるとして、当該技術分野で認識されている薬剤であり得る。別の実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、本開示の組成物により治療される疾患または状態を治療するのに有用であるとして、当該技術分野で認識されていない薬剤であり得る。一態様では、他の治療剤は、本開示の組成物に有益な性状を付与する薬剤(たとえば、組成物の粘性に影響を与える薬剤)であり得る。本開示の組成物に対する有益な性状としては、以下に限定されるものではないが、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)と1つまたは複数の治療剤との併用から生じる薬物動態的または薬力学的共同作用が挙げられる。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、抗癌剤または化学療法剤であり得る。たとえば、1つまたは複数の治療剤は、Ara−C、ダウノルビシン、アザシチジン、デシタビン、パノビノスタット、ビダーザ、ミトキサントロン、メトトレキセート、マホスファミド、プレドニゾロン、ビンクリスチン、レナリドミド、ヒドロキシ尿素、Menin−MLL阻害剤MI−2、JQ1、IBET151、ボリノスタット、キザルチニブ、ミドスタウリン、トラニルシプロミン、LSD1阻害剤II、ナビトクラックス、ベルケイド、SRT−1720、フラゾリドン、フルダラビン、メルカプトプリン、オバトクラックス、ABT−199、トラメチニブ、クロファラビン、イブルチニブ、パルボシクリブ、AZ20、MK2206、BEZ235、T0070907、ロミデプシン、ティピファニブ、ボラセルチブ、化合物E10、10−ヒドロキシカンプトテシン、ABT−737、アリトレチノイン、AT7867、オウラノフィン、AZD8055、AZD6244、バリシチニブ、BEP800、ベキサロテン、BIX01294、硫酸ブレオマイシン、BMN673、BMS345541、BMS−754807、BX−912、C646、CAL−101、CAPE、セリバスタチンナトリウム、クロラムブチル、シスプラチン、CPI−203、ダブラフェニブ、GSK−LSD1、エルロチニブ塩酸塩、エトポシド、エベロリムス、ホスタマチニブジナトリウム、GDC−0941、Go 6976、GSK2656157、IKK−2阻害剤VIII、イリノテカン塩酸塩、JNJ26854165、KU0063794、ラパチニブ、LB42708、LDN57444、LEE011、LY2603618、メルファラン、メナジオン、メチルプレドニソロン、マイトマイシンC、MK−2206、MLN2238、MS436、MS−275、NKH477、NU7441、ニュートリン−3(Nutlin−3)、オラパリブ、OTX015、オキサリプラチン、パパベリン塩酸塩、パルテノライド、PHA−793887、ポマリドミド、ラロキシフェン塩酸塩、SB−505124、SCH772984、SGC−CBP30、SMER3、ソラフェニブ、SRT1720、TANSHINONE IIA、テムシロリムス、チオストレプトン、チオテパ、トポテカン塩酸塩、トレチノイン、トリシリビン、UNC0646、VE−821、XL147、またはその機能的なアナログ、誘導体、プロドラッグ、および代謝産物から選択することができる。好ましくは、治療剤は、Ara−C、アザシチジン、もしくはダウノルビシンまたはその機能的なアナログ、誘導体、プロドラッグ、および代謝産物である。その代わりに、治療剤は標準治療薬である。たとえばKlaus et al.,J Pharmacol Exp Ther 350:1−11(2014年9月)を参照されたい。この内容を参照により全体をこれによって援用する。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、レナリドマイドなどのような免疫調節薬を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、SRT−1720などのようなSIRT1活性化因子を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、フラゾリドンなどのような抗生物質を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、トポイソメラーゼ阻害剤(たとえばミトキサントロン)、低メチル化剤(たとえばデシタビンもしくはビダーザ)、Menin阻害剤(たとえばMI−2)、ブロモドメイン阻害剤(たとえばIBET−151およびJQ1)、HDAC阻害剤(たとえばパノビノスタットおよびボリノスタット)、Bcl−2阻害剤(たとえばナビトクラックス、オバトクラックス、もしくはABT−199)、MEK1/2阻害剤(たとえばトラメチニブ)、BTK阻害剤(たとえばイブルチニブ)、CDK4/6阻害剤(たとえばパルボシクリブ)、FLT阻害剤(たとえばキザルチニブもしくはミドスタウリン)、HDM阻害剤(たとえばトラニルシプロミンおよびLSD1阻害剤II)、AML標準治療薬(Ara−C、ダウノルビシン、およびメルカプトプリンなど)、ALL標準治療薬(ミトキサントロン、メトトレキサート、マホスファミド、プレドニゾロン、およびビンクリスチンなど)、ALL/AML標準治療薬(たとえばフルダラビン)、DNMT阻害剤(アザシチジンおよびデシタビンなど)、免疫調節薬(たとえばレナリドマイド)、プロテアソーム阻害剤(たとえばベルケイド)、代謝拮抗物質(たとえばヒドロキシ尿素およびクロファラビン)、SIRT1活性化因子(たとえばSRT−1720)、抗生物質(たとえば、フラゾリドンなどのようなニトロフラン)、ATR阻害剤(たとえばAZ20およびVE−821)、AKT1阻害剤もしくはpan−AKTアロステリック阻害剤(たとえばMK2206)などのようなAKT阻害剤、二重PI3K/MTOR阻害剤(たとえばBEZ235)、PPARアンタゴニスト(たとえばGW9662もしくはT0070907)、EZH2(zeste2ポリコーム抑制複合体2サブユニットのエンハンサー)阻害剤(たとえば、本明細書において化合物E10と呼ばれる
)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(たとえばティピファニブ)、PLK1阻害剤(たとえばボラセルチブ)、または本明細書において開示される治療剤のいずれかの併用を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、ブロモドメイン阻害剤(たとえばIBET−151)、Menin阻害剤(たとえばMI−2)を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、HDM阻害剤(たとえばトラニルシプロミン)を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、マホスファミドを含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、CDK4/6阻害剤(たとえばパルボシクリブ)を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、表4〜8に含まれる1つまたは複数の化合物(たとえば、Molm13および/またはMV4−11細胞において化合物A2と組み合わせて相加または相乗効果を示すもの)を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、Molm13および/またはMV4−11細胞において化合物A2と組み合わせて相加または相乗効果を示す表4〜8に含まれる1つまたは複数の化合物を含む。
以下に示す治療剤は、例示を目的とするものであり、限定を意図するものではない。本開示は、以下のリストから選択される少なくとも1つの治療剤を含む。本開示は、本開示の組成物がその目的とする機能を発揮することができるように、2つ以上の治療剤、たとえば、2つ、3つ、4つまたは5つの治療剤を含むことができる。
一実施形態では、他の治療剤は、抗癌剤である。一実施形態では、抗癌剤はHDAC阻害剤などヒストン修飾に影響を与える化合物である。ある種の実施形態では、抗癌剤は、化学療法剤(2CdA、5−FU、6−メルカプトプリン、6−TG、アブラキサン(商標)、アキュテイン(登録商標)、アクチノマイシンD、アドリアマイシン(登録商標)、アリムタ(登録商標)、全トランス型レチノイン酸、アメトプテリン、Ara−C、アザシタジン(Azacitadine)、BCNU、ブレノキサン(登録商標)、カンプトスター(Camptosar)(登録商標)、CeeNU(登録商標)、クロファラビン、クロラール(商標)、シトキサン(登録商標)、塩酸ダウノルビシン、ダウノキソーム(DaunoXome)(登録商標)、ダコゲン(Dacogen)(登録商標)、DIC、ドキシル(登録商標)、エレンス(Ellence)(登録商標)、エロキサチン(登録商標)、エムシト(Emcyt)(登録商標)、リン酸エトポシド、フルダラ(登録商標)、FUDR(登録商標)、ジェムザール(登録商標)、グリベック(登録商標)、ヘキサメチルメラミン、ハイカムチン(登録商標)、ハイドレア(登録商標)、イダマイシン(登録商標)、アイフェックス(Ifex)(登録商標)、イキサベピロン、イグゼンプラ(登録商標)、L−アスパラギナーゼ、ロイケラン(登録商標)、リポソームAra−C、L−PAM、リソドレン(Lysodren)、マチュレーン(Matulane)(登録商標)、ミスラシン(mithracin)、マイトマイシンC、ミレラン(登録商標)、ナベルビン(登録商標)、ノイトレキシン(Neutrexin)(登録商標)、ニロチニブ、ニペント(Nipent)(登録商標)、ナイトロジェンマスタード、ノバントロン(登録商標)、オンカスパー(Oncaspar)(登録商標)、パンレチン(登録商標)、パラプラチン(登録商標)、プラチノール(登録商標)、カルムスチンインプラント含有プロリフェプロスパン(prolifeprospan)20、サンドスタチン(登録商標)、タルグレチン(Targretin)(登録商標)、タシグナ(登録商標)、タキソテール(登録商標)、テモダール(登録商標)、TESPA、トリセノックス(登録商標)、バルスター(Valstar)(登録商標)、ベルバン(Velban)(登録商標)、ビダーザ(商標)、硫酸ビンクリスチン、VM26、ゼローダ(登録商標)およびザノサー(登録商標)など);生物製剤(アルファインターフェロン、無菌化ウシ型結核菌、ベキサール(登録商標)、キャンパス(登録商標)、エルガミソール(Ergamisol)(登録商標)、エルロチニブ、ハーセプチン(登録商標)、インターロイキン2、イレッサ(登録商標)、レナリドミド、マイロターグ(登録商標)、オンタック(Ontak)(登録商標)、ペガシス(登録商標)、レブリミド(登録商標)、リツキサン(登録商標)、タルセバ(商標)、サロミド(登録商標)、タイケルブ(登録商標)ベルケイド(登録商標)およびゼバリン(商標)など);コルチコステロイド(リン酸デキサメタゾンナトリウム、デルタソン(DeltaSone)(登録商標)およびデルタコルテフ(Delta−Cortef)(登録商標)など);ホルモン療法(アリミデックス(登録商標)、アロマシン(登録商標)、カソデックス(登録商標)、シタドレン(登録商標)、エリガード(登録商標)、ユーレキシン(Eulexin)(登録商標)、エビスタ(登録商標)、フェソロデックス(登録商標)、フェマーラ(登録商標)、ハロテスチン(登録商標)、メガス(Megace)(登録商標)、ニランドロン(Nilandron)(登録商標)、ノルバデックス(登録商標)、プレナキシス(Plenaxis)(商標)およびゾラデックス(登録商標)など);ならびに放射性医薬品(ヨードトープ(Iodotope)(登録商標)、メタストロン(登録商標)、ホスホコル(Phosphocol)(登録商標)およびサマリウムSM−153など)からなる群から選択される。
別の実施形態では、他の治療剤は、アルキル化剤;抗生物質;代謝拮抗剤;解毒剤;インターフェロン;ポリクローナルまたはモノクローナル抗体;EGFR阻害剤;HER2阻害剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;ホルモン;有糸分裂阻害剤;MTOR阻害剤;多標的キナーゼ阻害剤;セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;チロシンキナーゼ阻害剤;VEGF/VEGFR阻害剤;タキサンまたはタキサン誘導体、アロマターゼ阻害剤、アントラサイクリン、微小管標的薬、トポイソメラーゼ毒性薬、分子標的または酵素(たとえば、キナーゼまたはタンパク質メチルトランスフェラーゼ)の阻害剤、シチジンアナログ薬、あるいはワールド・ワイド・ウェブ(www)cancer.org/docroot/cdg/cdg_0.aspに収載されている任意の化学療法剤、抗新生物剤または抗増殖剤を含む群から選択される化学療法剤(抗新生物剤または抗増殖剤とも呼ばれる)である。
例示的なアルキル化剤としては、以下に限定されるものではないが、シクロホスファミド(シトキサン;ネオサー(Neosar));クロランブシル(ロイケラン);メルファラン(アルケラン);カルムスチン(BiCNU);ブスルファン(ブスルフェクス);ロムスチン(CeeNU);ダカルバジン(DTIC−Dome);オキサリプラチン(エロキサチン);カルムスチン(ギリアデル);イホスファミド(アイフェックス);メクロレタミン(ムスタルゲン);ブスルファン(ミレラン);カルボプラチン(パラプラチン);シスプラチン(CDDP;プラチノール);テモゾロミド(テモダール);チオテパ(チオプレックス(Thioplex));ベンダムスチン(トレアンダ);またはストレプトゾシン(ザノサー)が挙げられる。
例示的な抗生物質としては、以下に限定されるものではないが、ドキソルビシン(アドリアマイシン);ドキソルビシンリポソーム(ドキシル);ミトキサントロン(ノバントロン);ブレオマイシン(ブレノキサン);ダウノルビシン(セルビジン);ダウノルビシンリポソーム(ダウノキソーム);ダクチノマイシン(コスメゲン);エピルビシン(エレンス);イダルビシン(イダマイシン);プリカマイシン(ミスラシン(Mithracin));マイトマイシン(ムタミシン(Mutamycin));ペントスタチン(ニペント);またはバルルビシン(バルスター)が挙げられる。
例示的な代謝拮抗剤としては、以下に限定されるものではないが、フルオロウラシル(アドルシル);カペシタビン(ゼローダ);ヒドロキシ尿素(ハイドレア);メルカプトプリン(プリネトール);ペメトレキセド(アリムタ);フルダラビン(フルダラ);ネララビン(アラノン(Arranon));クラドリビン(クラドリビンノバプラス(Cladribine Novaplus));クロファラビン(クロラール);シタラビン(サイトサール−U);デシタビン(ダコゲン);シタラビンリポソーム(DepoCyt);ヒドロキシ尿素(ドロキシア(Droxia));プララトレキセート(フォロチン);フロクスウリジン(FUDR);ゲムシタビン(ジェムザール);クラドリビン(ロイスタチン);フルダラビン(オフォルタ(Oforta));メトトレキセート(MTX;リウマトレックス);メトトレキセート(トレキサール(Trexall));チオグアニン(タブロイド);TS−1またはシタラビン(タラビン(Tarabine)PFS)が挙げられる。
例示的な解毒剤としては、以下に限定されるものではないが、アミホスチン(エチオール(Ethyol))またはメスナ(メスネックス(Mesnex))が挙げられる。
例示的なインターフェロンとしては、以下に限定されるものではないが、インターフェロンアルファ−2b(イントロンA)またはインターフェロンアルファ−2a(ロフェロンA)が挙げられる。
例示的ポリクローナルまたはモノクローナル抗体としては、以下に限定されるものではないが、トラスツズマブ(ハーセプチン);オファツムマブ(アーゼラ);ベバシズマブ(アバスチン);リツキシマブ(リツキサン);セツキシマブ(アービタックス);パニツムマブ(ベクティビックス);トシツモマブ/ヨウ素131トシツモマブ(ベキサール);アレムツズマブ(キャンパス);イブリツモマブ(ゼバリン;In−111;Y−90ゼバリン);ゲムツズマブ(マイロターグ);エクリズマブ(ソリリス)またはデノスマブが挙げられる。
例示的なEGFR阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ゲフィチニブ(イレッサ);ラパチニブ(タイケルブ);セツキシマブ(アービタックス);エルロチニブ(タルセバ);パニツムマブ(ベクティビックス);PKI−166;カネルチニブ(CI−1033);マツズマブ(Emd7200)またはEKB−569が挙げられる。
例示的なHER2阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、トラスツズマブ(ハーセプチン);ラパチニブ(タイケルブ)またはAC−480が挙げられる。
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ボリノスタット(ゾリンザ)が挙げられる。
例示的なホルモン剤としては、以下に限定されるものではないが、タモキシフェン(ソルタモックス(Soltamox);ノルバデックス);ラロキシフェン(エビスタ);メゲストロール(メガス);リュープロリド(リュープロン;リュープロンデポー剤;エリガード;ビアドュール(Viadur));フルベストラント(フェソロデックス);レトロゾール(フェマーラ);トリプトレリン(トレルスターLA;トレルスターデポー剤);エキセメスタン(アロマシン);ゴセレリン(ゾラデックス);ビカルタミド(カソデックス);アナストロゾール(アリミデックス);フルオキシメステロン(アンドロキシ(Androxy);ハロテスチン);メドロキシプロゲステロン(プロベラ;デポプロベラ);エストラムスチン(エムシト);フルタミド(ユーレキシン);トレミフェン(フェアストン);デガレリクス(ファーマゴン);ニルタミド(ニランドロン(Nilandron));アバレリックス(プレナキシス(Plenaxis));またはテストラクトン(テスラック)が挙げられる。
例示的な有糸分裂阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、パクリタキセル(タキソール;オンキソール(Onxol);アブラキサン);ドセタキセル(タキソテール);ビンクリスチン(オンコビン;ビンカサールPFS);ビンブラスチン(ベルバン);エトポシド(トポサール(Toposar);エトポホス;ベペシド;テニポシド(ブモン(Vumon));イキサベピロン(イグゼンプラ);ノコダゾール;エポチロン;ビノレルビン(ナベルビン);カンプトテシン(CPT);イリノテカン(カンプトサール);トポテカン(ハイカムチン);アムサクリンまたはラメラリンD(LAM−D)が挙げられる。
例示的なMTOR阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、エベロリムス(アフィニトール)またはテニシロリムス(トーリセル);ラパミューン、リダホロリムス;またはAP23573が挙げられる。
例示的な多標的キナーゼ阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ソラフェニブ(ネクサバール);スニチニブ(スーテント);BIBW2992;E7080;Zd6474;PKC−412;モテサニブ;またはAP24534が挙げられる。
例示的なセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ルボキシスタウリン;エリル/塩酸イースジル(easudil);フラボピリドール;Pkc412;ブリオスタチン;KAI−9803;SF1126;またはPD332991が挙げられる。
例示的なチロシンキナーゼ阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、エルロチニブ(タルセバ);ゲフィチニブ(イレッサ);イマチニブ(グリベック);ソラフェニブ(ネクサバール);スニチニブ(スーテント);トラスツズマブ(ハーセプチン);ベバシズマブ(アバスチン);リツキシマブ(リツキサン);ラパチニブ(タイケルブ);セツキシマブ(アービタックス);パニツムマブ(ベクティビックス);エベロリムス(アフィニトール);アレムツズマブ(キャンパス);ゲムツズマブ(マイロターグ);テニシロリムス(トーリセル);パゾバニブ(ヴォトリエント);ダサチニブ(スプリセル);ニロチニブ(タシグナ);バタラニブ(Ptk787;ZK222584);WHI−P154;WHI−P131;AC−220;またはAMG888が挙げられる。
例示的なVEGF/VEGFR阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ベバシズマブ(アバスチン);ソラフェニブ(ネクサバール);スニチニブ(スーテント);ラニビズマブ;ペガプタニブ;またはバンデチニブ(vandetinib)が挙げられる。
例示的な微小管標的薬としては、以下に限定されるものではないが、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロンおよびナベルビンが挙げられる。
例示的なトポイソメラーゼ毒性薬としては、以下に限定されるものではないが、テニポシド、エトポシド、アドリアマイシン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、エピルビシンおよびイダルビシンが挙げられる。
例示的なタキサンまたはタキサン誘導体としては、以下に限定されるものではないが、パクリタキセルおよびドセタキソールが挙げられる。
例示的な一般的化学療法剤、抗新生物剤、抗増殖剤としては、以下に限定されるものではないが、アルトレタミン(ヘキサレン);イソトレチノイン(アキュテイン;アムネスティーム;クララビス;ソトレット(Sotret));トレチノイン(ベサノイド);アザシチジン(ビダーザ);ボルテゾミブ(ベルケイド)アスパラギナーゼ(エルスパール(Elspar));レバミソール(エルガミソール(Ergamisol));ミトタン(リソドレン);プロカルバジン(マチュレーン);ペガスパルガーゼ(オンカスパー);デニロイキンディフチトクス(オンタック);ポルフィマー(フォトフリン);アルデスロイキン(プロロイキン);レナリドミド(レブリミド);ベキサロテン(タルグレチン);サリドマイド(サロミド);テニシロリムス(トーリセル);三酸化ヒ素(トリセノックス);ベルテポルフィン(ビスダイン);ミモシン(ロイセノール);(1M テガフール−0.4M 5−クロロ−2,4−ジヒドロキシピリミジン−1M カリウムオキソネート、またはロバスタチンが挙げられる。
別の態様では、他の治療剤は、化学療法剤またはG−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)などのサイトカインである。
さらに別の態様では、他の治療剤は、以下に限定されるものではないが、CMF(シクロホスファミド、メトトレキセートおよび5−フルオロウラシル)、CAF(シクロホスファミド、アドリアマイシンおよび5−フルオロウラシル)、AC(アドリアマイシンおよびシクロホスファミド)、FEC(5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミド)、ACTまたはATC(アドリアマイシン、シクロホスファミドおよびパクリタキセル)、リツキシマブ、ゼローダ(カペシタビン)、シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、TS−1(1:0.4:1のモル比のテガフール、ギメスタットおよびオタスタットカリウム)、カンプトテシン−11(CPT−11、イリノテカンまたはカンプトサール(商標))、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、オンコビン、およびプレドニゾンまたはプレドニゾロン)、R−CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、オンコビン、プレドニゾンまたはプレドニゾロン)、あるいはCMFP(シクロホスファミド、メトトレキセート、5−フルオロウラシルおよびプレドニゾン)など標準的な化学併用療法であり得る。
別の態様では、他の治療剤は、受容体型または非受容体型キナーゼなどの酵素の阻害剤であり得る。受容体型および非受容体型キナーゼは、たとえばチロシンキナーゼまたはセリン/スレオニンキナーゼである。本明細書に記載のキナーゼ阻害剤は、小分子、ポリ核酸、ポリペプチドまたは抗体である。
例示的なキナーゼ阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ベバシズマブ(VEGFを標的にする)、BIBW2992(EGFRおよびErb2を標的にする)、セツキシマブ/アービタックス(Erb1を標的にする)、イマチニブ/グリベック(Bcr−Ablを標的にする)、トラスツズマブ(Erb2を標的にする)、ゲフィチニブ/イレッサ(EGFRを標的にする)、ラニビズマブ(VEGFを標的にする)、ペガプタニブ(VEGFを標的にする)、エルロチニブ/タルセバ(Erb1を標的にする)、ニロチニブ(Bcr−Ablを標的にする)、ラパチニブ(Erb1およびErb2/Her2を標的にする)、GW−572016/ラパチニブジトシレート(HER2/Erb2を標的にする)、パニツムマブ/ベクティビックス(EGFRを標的にする)、バンデチニブ(Vandetinib)(RET/VEGFRを標的にする)、E7080(RETおよびVEGFRを含む複数を標的にする)、ハーセプチン(HER2/Erb2を標的にする)、PKI−166(EGFRを標的にする)、カネルチニブ/CI−1033(EGFRを標的にする)、スニチニブ/SU−11464/スーテント(EGFRおよびFLT3を標的にする)、マツズマブ/Emd7200(EGFRを標的にする)、EKB−569(EGFRを標的にする)、Zd6474(EGFRおよびVEGFRを標的にする)、PKC−412(VEGRおよびFLT3を標的にする)、バタラニブ/Ptk787/ZK222584(VEGRを標的にする)、CEP−701(FLT3を標的にする)、SU5614(FLT3を標的にする)、MLN518(FLT3を標的にする)、XL999(FLT3を標的にする)、VX−322(FLT3を標的にする)、Azd0530(SRCを標的にする)、BMS−354825(SRCを標的にする)、SKI−606(SRCを標的にする)、CP−690(JAKを標的にする)、AG−490(JAKを標的にする)、WHI−P154(JAKを標的にする)、WHI−P131(JAKを標的にする)、ソラフェニブ/ネクサバール(RAFキナーゼ、VEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3、PDGFR−β、KIT、FLT−3およびRETを標的にする)、ダサチニブ/スプリセル(BCR/ABLおよびSrc)、AC−220(Flt3を標的にする)、AC−480(HERタンパク質をすべて標的にする、「panHER」)、モテサニブ二リン酸塩(VEGF1−3、PDGFRおよびc−kitを標的にする)、デノスマブ(RANKLを標的にし、SRCを阻害する)、AMG888(HER3を標的にする)、ならびにAP24534(Flt3を含む複数を標的にする)が挙げられる。
例示的なセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ラパミューン(mTOR/FRAP1を標的にする)、デフォロリムス(mTORを標的にする)、サーティカン/エベロリムス(mTOR/FRAP1を標的にする)、AP23573(mTOR/FRAP1を標的にする)、エリル/塩酸ファスジル(RHOを標的にする)、フラボピリドール(CDKを標的にする)、セリシクリブ(Seliciclib)/CYC202/ロスコビトリン(Roscovitrine)(CDKを標的にする)、SNS−032/BMS−387032(CDKを標的にする)、ルボキシスタウリン(PKCを標的にする)、Pkc412(PKCを標的にする)、ブリオスタチン(PKCを標的にする)、KAI−9803(PKCを標的にする)、SF1126(PI3Kを標的にする)、VX−680(オローラキナーゼを標的にする)、Azd1152(オローラキナーゼを標的にする)、Arry−142886/AZD−6244(MAP/MEKを標的にする)、SCIO−469(MAP/MEKを標的にする)、GW681323(MAP/MEKを標的にする)、CC−401(JNKを標的にする)、CEP−1347(JNKを標的にする)およびPD332991(CDKを標的にする)が挙げられる。
一実施形態では、本開示の組成物は、式(I)の化合物(たとえば、EPZ−5676またはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の抗癌剤とを含む。抗癌剤としては、たとえば、Ara−C、ダウノルビシン、デシタビン、ビダーザ、ミトキサントロン、JQ1、IBET151、パノビノスタット、ボリノスタット、キザルチニブ、ミドスタウリン、トラニルシプロミン、LSD1阻害剤II、ナビトクラックスまたはそれらの機能的なアナログ、誘導体、プロドラッグおよび代謝産物が挙げられる。
ある種の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、RAS−RAF−MEK−ERK経路(MAPK(ERK)経路としても知られている)における阻害剤から選択される。MAPK(ERK)経路は、阻害剤によって標的にすることができるいくつかのタンパク質を含む。たとえば、RAS(低分子量Gタンパク質)、BRAF(MAPKKK)、MEK(MAPKK)、およびERK(MAPK)の任意の1つまたは複数の活性形態、不活性形態、または突然変異形態を標的にする阻害剤は、本明細書において開示される任意の1つまたは複数DOT1L阻害剤と併用して使用することができる。MAPK(ERK)経路における阻害剤の例は、MEK1および/またはMEK2阻害剤(たとえばMEK162、セルメチニブ(Selumetinib)、トラメチニブ、コビメチニブ、CI−1040、PD035901、AZD6244、RO5126766、GDC−0623、またはPD0325901);ERK阻害剤(たとえばSCH772984、GDC0994、ウリキセルチニブ(Ulixertinib)、VTX11e);ならびにRAF阻害剤(ソラフェニブ、RAF265、GDC−0879、PLX−4032、ダブラフェニブ、SB590885、PLX4720、XL281、エンコラフェニブ(encorafenib)、ベムラフェニブ、MLN2480、またはTAK−632)を含むが、これらに限定されない。たとえば、本明細書において開示される併用および方法に適しているRAS−RAF−MEK−ERK阻害剤は、BRAF V600E突然変異体を標的にする阻害剤などのような、特異的なMAPK(ERK)経路突然変異体を標的にするものを含む(たとえばダブラフェニブ、LGX818、またはベムラフェニブ)。RAS−RAF−MEK−ERK経路における阻害剤のそれ以外の例は、たとえばNature Reviews Drug Discovery(2014)13,928−942,Leukemia(2003)17,1263−1293;およびPharmacy and Therapeutics(2013)38(2):96−98,105−108において記載され、これらの各々の内容を参照により全体を本明細書において援用する。
ある種の実施形態では、本明細書において開示される任意の1つまたは複数のDOT1L阻害剤(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)と併用して使用されることが適しているRAS−RAF−MEK−ERK経路における1つまたは複数の阻害剤は、MEK162、セルメチニブ、トラメチニブ、SCH772984、GDC0994、ウリキセルチニブ、ソラフェニブ、およびRAF265から選択される。
本開示は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)
またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の他の治療剤を含む組成物が、疾患または癌の治療を必要とする被検体に投与される、併用療法のための方法を提供する。この併用療法はまた、増殖を阻害するまたは細胞死を誘導するために、癌細胞に対して施すことができる。
本開示は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および抗癌剤を投与する併用療法を含み、抗癌剤は、Ara−C、ダウノルビシン、デシタビン、ビダーザ、ミトキサントロン、JQ1、IBET151、パノビノスタット、ボリノスタット、キザルチニブ、ミドスタウリン、トラニルシプロミン、LSD1阻害剤II、トラメチニブ、およびナビトクラックスまたはその機能的なアナログ、誘導体、プロドラッグ、および代謝産物から選択される。
一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤は、同時にまたは逐次的に投与される。
一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤を含む本開示の組成物の投与前に投与される。
一態様では、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤を含む本開示の組成物の投与前に投与される。1つまたは複数の治療剤は、単一の組成物でまたは2つ以上の組成物で投与され、たとえば、同時に、逐次的に、または交互に投与される。
一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤の投与前に投与され、1つまたは複数の治療剤は、単一の組成物または2つ以上の組成物で投与され、たとえば、同時に、逐次的に、または交互に投与される。
一態様では、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前に投与される。1つまたは複数の治療剤は、単一の組成物でまたは2つ以上の組成物で投与され、たとえば、同時に、逐次的に、または交互に投与される。
一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤は、逐次的に投与される。1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与1時間後もしくは複数時間後または1日後もしくは複数日後に投与することができることを認識されたい。あるいは、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与1時間前もしくは複数時間前または1日前もしくは複数日前に投与することができる。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数に投与される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数に投与される。
たとえば、MEK阻害剤(たとえばトラメチニブ)およびEPZ−5676は、同時にまたは逐次的に投与される。たとえば、MEK阻害剤(たとえばトラメチニブ)は、EPZ−5676またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後1〜21日(たとえば3〜14日、4〜10日、7〜8日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、または21日)に投与される。他の例として、MEK阻害剤(たとえばトラメチニブ)は、EPZ−5676またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前1〜21日(たとえば3〜14日、4〜10日、7〜8日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、または21日)に投与される。
たとえば、ERK阻害剤(たとえばSCH772984)およびEPZ−5676は、同時にまたは逐次的に投与される。たとえば、ERK阻害剤(たとえばSCH772984)は、EPZ−5676またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後1〜21日(たとえば3〜14日、4〜10日、7〜8日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、または21日)に投与される。他の例として、ERK阻害剤(たとえばSCH772984)は、EPZ−5676またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前1〜21日(たとえば3〜14日、4〜10日、7〜8日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、または21日)に投与される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体を含む組成物および1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数に投与される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤を含む組成物は、1つまたは複数の治療剤の投与後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数に投与される。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間またはそれ以上の時間に投与される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間またはそれ以上の時間に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間またはそれ以上の時間に投与される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物は、1つまたは複数の治療剤の投与後1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間またはそれ以上の時間に投与される。
1つもしくは複数の治療剤または式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物は、被検体に投与された式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の被検体におけるレベルが低下した後に、被検体に投与され得ることを認識されたい。したがって、たとえば、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体が被検体に投与され、そして投与された式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体のレベルが初期レベルの90%未満、初期レベルの80%未満、初期レベルの70%未満、初期レベルの60%未満、初期レベルの50%未満、初期レベルの40%未満、初期レベルの30%未満、初期レベルの20%未満または初期レベルの10%未満になった後に1つまたは複数の治療剤が投与される。いくつかの実施形態では、被検体に投与された式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤の投与前には被検体にもはや検出することができない。
式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体または式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物は、被検体に投与された1つまたは複数の治療剤の被検体におけるレベルが低下した後に、被検体に投与され得ることを認識されたい。たとえば、1つまたは複数の治療剤が被検体に投与され、そして投与された1つまたは複数の治療剤のレベルが初期レベルの90%未満、初期レベルの80%未満、初期レベルの70%未満、初期レベルの60%未満、初期レベルの50%未満、初期レベルの40%未満、初期レベルの30%未満、初期レベルの20%未満または初期レベルの10%未満になった後に式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体が投与される。いくつかの実施形態では、被検体に投与された1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前には被検体にもはや検出することができない。
上記の化合物のいずれも、その薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、または立体異性体を含む。
一態様では、本開示は、1つまたは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)の投与に対して、被検体を感作またはプライミングするための方法を提供する。いくつかの実施形態では、被検体は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与により、1つまたは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)に対して感作またはプライミングされる。したがって、一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体が被検体に投与され、その結果、被検体が感作またはプライミングされ、その後1つもしくは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)または式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物が投与される。特定の機序に限定されるものではないが、被検体は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与によって引き起こされるクロマチン状態の持続的な変化を通して、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与により感作されると考えられる。いくつかの実施形態では、クロマチン状態の持続的な変化は、ヒストンメチル化の低下である。いくつかの実施形態では、クロマチンメチル化の低下はH3K79のメチル化の低下である。いくつかの実施形態では、クロマチン状態の持続的な変化は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数に存在する。
一態様では、本開示は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与に対して被検体を感作またはプライミングするための方法を提供する。いくつかの実施形態では、被検体は、1つまたは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)の投与によって、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体に対する反応について感作またはプライミングされる。したがって、一態様では、1つもしくは複数の治療剤または式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物が、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前に投与され、その結果、被検体が感作またはプライミングされる。結果として、被検体は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体に対して感受性が高まる。
いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)または式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物の投与前に、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体を投与することにより生物学的作用が得られる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与により生物学的作用が得られた後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数経過するまで投与されない。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、H3K79メチルマークの低下、芽球細胞の成熟もしくは誘導、白血病性芽球細胞のアポトーシス、発熱、悪液質もしくは皮膚白血病の消散および/または正常な造血の回復である。2つ以上の生物学的作用が、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体から生じ得ることを認識されたい。いくつかの実施形態では、生物学的作用はH3K79メチルマークの低下である。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、無治療対照レベルに比較して、少なくとも90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%またはそれ以下にH3K79メチルマークを低下させることである。いくつかの実施形態では、H3K79メチルマークは、1つまたは複数の治療剤の追加前に、無治療対照レベルに比較して少なくとも90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%またはそれ以下になっていなければならない。いくつかの実施形態では、生物学的作用は白血病性芽球細胞の成熟または分化である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤の追加前に、白血病性芽球細胞の少なくとも20%が成熟または分化する、白血病性芽球細胞の少なくとも50%が成熟または分化する、あるいは白血病性芽球細胞の少なくとも80%が成熟または分化する。いくつかの実施形態では、生物学的作用は白血病性芽球細胞のアポトーシスである。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤の投与前に、白血病性芽球細胞の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%が細胞死またはアポトーシスを起こす。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、発熱の消散、悪液質の消散および/または皮膚白血病の消散である。いくつかの実施形態では、発熱、悪液質および/または皮膚白血病が、1つまたは複数の治療剤の投与前に消散される。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、正常な造血の回復である。いくつかの実施形態では、正常な造血が、1つまたは複数の治療剤の投与前に回復される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体または式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物の投与前に、1つまたは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)の投与により生物学的作用が得られる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤の投与により生物学的作用が得られた後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数経過するまで投与されない。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、H3K79メチルマークの低下、芽球細胞の成熟もしくは誘導、白血病性芽球細胞のアポトーシス、発熱、悪液質もしくは皮膚白血病の消散および/または正常な造血の回復である。1つまたは複数の治療剤の投与から2つ以上の生物学的作用が生じ得ることを認識されたい。いくつかの実施形態では、生物学的作用はH3K79メチルマークの低下である。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、無治療対照レベルに比較して、少なくとも90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%またはそれ以下にH3K79メチルマークを低下させることである。いくつかの実施形態では、H3K79メチルマークは、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の追加前に、無治療対照レベルに比較して少なくとも90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%またはそれ以下にならなければならない。
いくつかの実施形態では、生物学的作用は白血病性芽球細胞の成熟または分化である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の追加前に、白血病性芽球細胞の少なくとも20%が成熟または分化したか、白血病性芽球細胞の少なくとも50%が成熟または分化したか、または白血病性芽球細胞の少なくとも80%が成熟または分化した。
いくつかの実施形態では、生物学的作用は白血病性芽球細胞のアポトーシスである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前に、白血病性芽球細胞の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%が細胞死またはアポトーシスを起こす。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、発熱の消散、悪液質の消散および/または皮膚白血病の消散である。いくつかの実施形態では、発熱、悪液質および/または皮膚白血病が、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与前に消散される。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、正常な造血の回復である。いくつかの実施形態では、正常な造血が、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の治療剤の投与前に回復される。
いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)または式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物の投与前に、任意の生物学的作用について式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後に被検体が評価される。いくつかの実施形態では、評価された生物学的作用がある所定のレベルまたは活性に到達した場合のみ、1つまたは複数の治療剤が投与される。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、芽球細胞の成熟もしくは誘導、白血病性芽球細胞のアポトーシス、発熱、悪液質もしくは皮膚白血病の消散および/または正常な造血の回復である。いくつかの実施形態では、生物学的作用はクロマチン状態の持続的な変化である。いくつかの実施形態では、クロマチン状態の持続的な変化は、ヒストンメチル化の低下である。いくつかの実施形態では、クロマチンメチル化の低下はH3K79のメチル化の低下である。いくつかの実施形態では、クロマチン状態の持続的な変化は、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数に存在する。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体または式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物の投与前に、任意の生物学的作用について1つまたは複数の治療剤(たとえば、抗癌剤)の投与後に被検体が評価される。いくつかの実施形態では、評価された生物学的作用がある所定のレベルまたは活性に到達した場合のみ、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体が投与される。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、芽球細胞の成熟もしくは誘導、白血病性芽球細胞のアポトーシス、発熱、悪液質もしくは皮膚白血病の消散および/または正常な造血の回復である。いくつかの実施形態では、生物学的作用はクロマチン状態の持続的な変化である。いくつかの実施形態では、クロマチン状態の持続的な変化は、ヒストンメチル化の低下である。いくつかの実施形態では、クロマチンメチル化の低下はH3K79のメチル化の低下である。いくつかの実施形態では、クロマチン状態の持続的な変化は、1つまたは複数の治療剤の投与後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数に存在する。
本発明のある種の態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676またはEPZ−4777)による感作またはプライミングにより、それに続く治療剤の治療有効量を減少させる必要性が生じる。ある種の実施形態では、感作により、式(I)の化合物と標準治療薬などの治療剤との間に、本明細書に記載するような相乗効果がもたらされる可能性があることを認識されたい。
本発明のある種の態様では、1つまたは複数の治療剤による感作またはプライミングにより、それに続く式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体または本開示の組成物の投与の治療有効量を減少させる必要性が生じる。ある種の実施形態では、感作により、式(I)の化合物と標準治療薬などの治療剤との間に、本明細書に記載するような相乗効果がもたらされる可能性があることを認識されたい。
一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、休薬日なしで投与される。
一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤は、同時にまたは逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤は、継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤は、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤は、休薬日なしで投与される。
一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は継続的に投与されるが、1つまたは複数の治療剤は継続的に投与されない。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与されるが、1つまたは複数の治療剤は、少なくとも7、14、21、28、35、42、47または64日間継続的に投与されない。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、休薬日なしで投与されるが、1つまたは複数の治療剤は休薬日を設けて投与される。式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤は、異なるレジメンで投与することができることを認識されたい。したがって、たとえば、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、継続的に投与することができるが、1つまたは複数の治療剤は、単回用量または所定回数の複数回用量として投与することができる。1つまたは複数の治療剤の投与レジメンは、ラベル上に指示されるように行ってもよく(たとえば、治療剤が規制薬の場合)、かつ/あるいは1つまたは複数の治療剤の生物学的作用および/または1つもしくは複数の治療剤と式(I)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体との併用の生物学的作用を最適化するように改変することもできる。
一態様では、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤は、逐次的に(最初に化合物または最初に薬剤のいずれかで)投与される。式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤の投与前または投与後に、継続投与および/または休薬日なしの投与によってなど、本明細書に記載の方法のいずれかに従って投与され得ることを認識されたい。さらに、上記に記載のように、1つまたは複数の治療剤の投与前に、継続投与および/または休薬日なしの投与によってなど、本明細書に記載の投与レジメンのいずれかによって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与により、被検体を感作またはプライミングすることができる。あるいは、被検体は1つまたは複数の治療剤の投与により感作またはプライミングすることができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、継続投与および/または休薬日なしの投与で投与され、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与1日後もしくは複数日後または投与1日前もしくは複数日前に投与される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤の投与前に、所望の生物学的作用(たとえば、クロマチン状態の変化、H3K79メチルマークの低下および/または細胞分化)が達成されるまで、継続投与および/または休薬日なしの投与で投与される。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の治療剤は、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体または式(I)の化合物(たとえば、EPZ−5676またはEPZ−4777)もしくはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つもしくは複数の治療剤とを含む組成物の投与前に、所望の生物学的作用(たとえば、クロマチン状態の変化、H3K79メチルマークの低下および/または細胞分化)が達成されるまで、ラベル上に指示されるように投与される。
いくつかの実施形態では、被検体は、任意の生物学的作用について本明細書に記載の一治療レジメンの後に評価される。いくつかの実施形態では、評価された生物学的作用がある所定のレベルまたは活性に到達した場合、さらなる治療は要求されない。いくつかの実施形態では、生物学的作用は、芽球細胞の成熟もしくは誘導、白血病性芽球細胞のアポトーシス、発熱、悪液質もしくは皮膚白血病の消散、正常な造血の回復、および/または完全緩解である。いくつかの実施形態では、生物学的作用はクロマチン状態の持続的な変化である。いくつかの実施形態では、クロマチン状態の持続的な変化は、ヒストンメチル化の低下である。いくつかの実施形態では、クロマチンメチル化の低下はH3K79のメチル化の低下である。いくつかの実施形態では、クロマチン状態の持続的な変化は、治療後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日またはそれ以上の日数に存在する。
「併用療法」は、各治療剤が異なる時点で投与される、これらの治療剤の逐次的な投与、ならびにこれらの治療剤またはこれらの治療剤の少なくとも2つの同時または実質的に同時の投与を包含することを意図する。同時投与は、たとえば、固定比率の各治療剤を含有する単一カプセル剤または治療剤の各々についての複数の単一カプセル剤を被検体に投与することによって達成することができる。各治療剤の逐次的または実質的に同時の投与は、以下に限定されるものではないが、経口経路、静注経路、筋肉内経路および粘膜組織による直接吸収を含む、任意の適切な経路により達成することができる。治療剤は、同じ経路によりまたは異なる経路により投与することができる。たとえば、選択された併用の最初の治療剤は静脈内注射により投与することができ、一方他の治療剤は経口投与することができる。あるいは、たとえば、治療剤をすべて経口投与することも、または静脈内注射により投与することもできる。治療剤が投与される順序は厳密には重要ではない。治療剤はまた交互に投与してもよい。
本開示で注目する併用療法は、疾患または癌の治療において相乗効果をもたらし得るものである。「相乗効果」は、治療剤の併用の効力が単独投与されたいずれの薬剤の効果の合計よりも大きい場合として定義される。相乗効果はまた、化合物または他の治療剤のいずれについても単剤として投与することによって達成することができない効果でもあり得る。相乗効果には、以下に限定されるものではないが、腫瘍サイズの縮小、腫瘍増殖の阻害または被検体の生存期間の延長による癌治療の効果が含まれる。相乗効果にはまた、癌細胞生存率の低下、癌細胞死の誘導および癌細胞増殖の阻害または遅延も含まれ得る。
本明細書に提示するように、式(I)の化合物(たとえば、EPZ−5676またはEPZ−4777)と1つまたは複数の治療剤との併用投与は、相乗効果をもたらす。本明細書に提示するように、式(I)の化合物(たとえば、EPZ−5676またはEPZ−4777)と治療剤の併用は、相乗的な抗増殖反応、白血病細胞におけるアポトーシスの相乗的な誘導、および白血病細胞の分化の相乗的な誘導をもたらす。本明細書に提示するように、治療剤の投与前に式(I)の化合物(たとえば、EPZ−5676またはEPZ−4777)の投与により白血病細胞が感作される場合にも、相乗効果が得られる。
「併用療法」はまた、他の生物学的に活性な成分および非薬物療法(たとえば、外科手術または放射線治療)とのさらなる併用における、上記の治療剤の投与も包含する。併用療法が非薬物治療をさらに含む場合、治療剤の併用と非薬物治療との共同作用からの有益な効果が達成される限り、非薬物治療は任意の好適な時期に行うことができる。たとえば、適合する症例では、非薬物治療が治療剤の投与のためにおそらく数日間または数週間も一時的に中断される場合でも依然として有益な効果が達成される。
別の態様では、本開示の組成物は放射線療法と併用して投与することができる。放射線療法はまた、本開示の組成物および複数薬剤療法の一部として本明細書に記載の他の化学療法剤と併用して施すことができる。
本開示はまた、本明細書に記載の疾患または状態を治療または予防する用量で、薬学的に好適なキャリアまたは賦形剤と混合された、式(I)の化合物(たとえばEPZ−5676もしくはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩と本明細書に開示された1つまたは複数の他の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
一態様では、本開示はまた、本明細書に記載の疾患または状態を治療または予防する用量で、薬学的に好適なキャリアまたは賦形剤と混合された、化合物A2および化合物D16の任意の化合物またはその薬学的に許容される塩と1つまたは複数の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本開示はまた、本明細書に記載の疾患または状態を治療または予防する用量で、薬学的に好適なキャリアまたは賦形剤と混合された、式:
を有する化合物A2(EPZ−5676としても知られている)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤を含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本開示はまた、本明細書に記載の疾患または状態を治療または予防する用量で、薬学的に好適なキャリアまたは賦形剤と混合された、式:
を有する化合物D16(化合物TおよびEPZ−4777としても知られている)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体および1つまたは複数の治療剤を含む医薬組成物を提供する。
本開示の医薬組成物はまた、他の治療剤または治療手段と併用して、同時に、逐次的にまたは交互に投与することができる。
本開示の組成物の混合物もまた、単一混合物としてまたは好適な製剤化された医薬組成物で患者に投与することができる。
「医薬組成物」は、被検体への投与に好適な形態で本開示の化合物を含む製剤である。一実施形態では、医薬組成物はバルクまたは単位剤形である。単位剤形は、たとえば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器の単一ポンプまたはバイアルなど種々の形態のいずれかである。単位用量の組成物における活性成分(たとえば、開示された化合物またはその塩、水和物、溶媒和物または異性体の製剤)の量は有効量であり、関連する個々の治療に応じて変化する。当業者であれば、患者の年齢および状態によって投薬量を日常的に変える必要があることもあることを理解するであろう。投薬量はまた投与経路によって異なる。経口、経肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔内、舌下、胸膜内、髄腔内、鼻腔内および同種のものなど種々の経路を意図している。本開示の化合物の局所投与または経皮投与用の剤形として、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液剤、パッチ剤および吸入薬が挙げられる。一実施形態では、活性化合物は、滅菌条件下で薬学的に許容されるキャリアと、必要とされる任意の防腐剤、バッファーまたは噴霧剤と混合される。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」という語句とは、化合物、材料、組成物、キャリアおよび/または剤形が、適切な医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を回避しつつ、合理的なベネフィット/リスク比に見合ってヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに好適であることをいう。
「薬学的に許容される賦形剤」は、医薬組成物の調製に有用であり、かつ一般に安全で無毒性であり、生物学的にもあるいは他の点でも望ましい賦形剤を意味し、動物用途のほか、ヒトの医薬用途に許容可能な賦形剤を含む。本明細書および特許請求の範囲に使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、そうした賦形剤の1種および2種以上の両方を含む。
本開示の医薬組成物は、その目的の投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例として、非経口投与、たとえば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、経口投与(たとえば、吸入)、経皮投与(局所)、および経粘膜投与が挙げられる。非経口用途、皮内用途または皮下用途に使用される溶液または懸濁液として、以下の成分:無菌希釈液、たとえば食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌薬、たとえばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート化剤、たとえばエチレンジアミン四酢酸(EDTA);バッファー、たとえばアセテート、シトレートまたはホスフェート、および張度調整剤、たとえば塩化ナトリウムまたはブドウ糖を挙げることができる。pHは、酸または塩基、たとえば塩酸または水酸化ナトリウムで調整することができる。非経口調製物は、ガラスもしくはプラスチック製のアンプル、ディスポーザブルシリンジまたはマルチドーズバイアルに封入してもよい。
本開示の化合物または医薬組成物は、化学療法治療に現在使用されるよく知られた方法の多くで被検体に投与することができる。たとえば、癌の治療では、本開示の化合物を腫瘍に直接注射しても、血流中もしくは体腔に注射しても、あるいは経口投与しても、あるいはパッチを用いて経皮適用してもよい。選択される用量は効果的な治療となるのに十分であるが、許容できない副作用を引き起こすほど高くないようにすべきである。病状の状況(たとえば、癌、前癌および同種のもの)および患者の健康については好ましくは、治療中および治療後相当期間、詳細にモニターすべきである。
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、特定された疾患または状態を治療、軽減または予防する、あるいは検出可能な治療効果または阻害効果を示す医薬剤の量をいう。効果は、当該技術分野において公知の任意のアッセイ方法により検出することができる。被検体の正確な有効量は、被検体の体重、大きさおよび健康;その状態の性質および程度;ならびに投与のために選択した治療法によって異なる。ある状況に対する治療有効量は、臨床医の技能および判断の範囲内にある通常の実験により決定することができる。好ましい態様では、治療対象の疾患または状態は癌である。別の態様では、治療対象の疾患または状態は細胞増殖性障害である。
いずれの化合物でも、治療有効量は、たとえば、腫瘍性細胞の細胞培養アッセイ、または動物モデル、通常ラット、マウス、ウサギ、イヌもしくはブタを用いて最初に推定することができる。動物モデルはさらに、適切な濃度範囲および投与経路を判定するのに使用してもよい。次いでこうした情報を使用して、ヒトの投与に有用な用量および経路を判定することができる。治療/予防有効性および毒性は、細胞培養または実験動物を対象とした標準的な薬学的手順、たとえば、ED50(集団の50%で治療効果のある用量)およびLD50(集団の50%致死用量)により判定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は治療係数であり、LD50/ED50比で表すことができる。好ましいのは、大きな治療係数を示す医薬組成物である。投薬量は、利用する剤形、患者の感受性および投与経路によってこの範囲内で変わってもよい。
投薬量および投与は、十分なレベルの活性剤(単数または複数)を与えるか、または所望の効果を維持するように調整される。考慮に入れてもよい因子として、病状の重症度、被検体の一般的な健康状態、被検体の年齢、体重および性別、食事、投与の時間および頻度、薬剤相互作用(単数または複数)、反応感受性、ならびに治療に対する忍容性/反応が挙げられる。長時間作用性医薬組成物は、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度によって3〜4日毎、毎週あるいは2週に1回投与してもよい。
本開示の活性化合物を含む医薬組成物は、一般に知られた方法で、たとえば、従来の混合プロセス、溶解プロセス、造粒プロセス、糖衣錠製造プロセス、研和プロセス、乳化プロセス、カプセル化プロセス、封入プロセスまたは凍結乾燥プロセスによって製造することができる。医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用することができる調製物に加工しやすくする賦形剤および/または助剤を含む、1種もしくは複数種の薬学的に許容されるキャリアを用いて従来の方法で製剤化してもよい。言うまでもなく、適切な製剤は選択された投与経路によって異なる。
注射用途に好適な医薬組成物は、無菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および必要に応じて調製される無菌注射用溶液または分散液用の無菌粉末を含む。静脈内投与では、好適なキャリアとして、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)またはリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。すべての場合において、組成物は無菌でなければならず、シリンジ操作が容易である程度の流動性があるべきである。組成物は、製造および保存条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの混入微生物の作用を防止しなければならない。キャリアは、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールならびに同種のもの)およびこれらの好適な混合物を含む溶媒または分散媒であってもよい。適切な流動性は、たとえば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には、必要とされる粒度の維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールおよび同種のものの使用により達成することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、たとえば、糖、多価アルコール、たとえばマンニトールおよびソルビトール、ならびに塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の吸収の持続化は、組成物に吸収を遅らせる薬、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含ませることにより行うことができる。
無菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した1つの成分または成分の組み合わせと共に適切な溶媒に加え、続いて濾過滅菌を行うことにより調製することができる。一般に、分散液は、基本的な分散媒および上記に列挙したものから必要とされる他の成分を含む無菌ビヒクルに活性化合物を加えることにより調製される。無菌注射溶液の調製用の無菌粉末の場合、調製方法は真空乾燥およびフリーズドライであり、これにより活性成分と任意の所望の追加成分との、前もって滅菌濾過した溶液から、活性成分と任意の所望の追加成分との粉末が得られる。
経口組成物は一般に、不活性希釈剤または食用の薬学的に許容されるキャリアを含む。経口組成物はゼラチンカプセルに封入しても、あるいは錠剤に圧縮してもよい。経口治療投与の目的上、活性化合物を賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態で使用してもよい。経口組成物はさらに、洗口剤として使用される液体キャリアを用いて調製してもよく、液体キャリア中の化合物は経口適用し、すすいで吐き出すかまたは飲み込む。薬学的に適合する結合剤および/または補助剤を組成物の一部として含めてもよい。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤および同種のものは、性質の類似した以下の成分または化合物:バインダー、たとえば微結晶性セルロース、トラガントゴムまたはゼラチン;賦形剤、たとえばデンプンまたはラクトース、崩壊剤、たとえばアルギン酸、Primogelまたはコーンスターチ;滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウムまたはSterotes;流動促進剤、たとえばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、たとえばスクロースまたはサッカリン;または着香剤、たとえばペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香味料のいずれかを含んでもよい。
吸入による投与では、化合物は、好適な噴射剤、たとえば、二酸化炭素などのガスを含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送達される。
全身投与はまた、経粘膜または経皮手段によるものでもよい。経粘膜または経皮投与では、透過対象のバリアに適した浸透剤を製剤に使用する。こうした浸透剤は一般に当該技術分野において公知であり、たとえば、経粘膜投与の場合、界面活性剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用により達成することができる。経皮投与では、活性化合物を一般に当該技術分野において公知の軟膏、膏薬、ゲルまたはクリームに製剤する。
活性化合物は、化合物の身体からの急速な排除を防ぐ薬学的に許容されるキャリア、たとえばインプラントおよびマイクロカプセル化送達系などの放出制御製剤と共に調製してもよい。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性生体適合性ポリマーを使用してもよい。こうした製剤を調製するための方法は、当業者に明らかであろう。こうした材料はさらに、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から市販品として入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を用いて感染細胞を標的としたリポソームを含む)も、薬学的に許容されるキャリアとして使用することができる。これらは、たとえば米国特許第4,522,811号明細書に記載されているような当業者に公知の方法に従い調製することができる。
投与のしやすさおよび投薬量の均一性のため、経口または非経口組成物を投薬単位剤形で製剤化すると特に有利である。投薬単位剤形とは、本明細書で使用する場合、単位投薬量として治療対象の被検体に適した物理的に分離した単位をいい、各単位は、必要とされる薬学的キャリアと共に、所望の治療効果を発揮するように計算された所定量の活性化合物を含む。本開示の投薬単位剤形の規格は、活性化合物の特有の特徴および達成されるべき個々の治療効果により決定され、それらに直接左右される。
治療用途では、本開示に従い使用される医薬組成物の投薬量は、選択した投薬量に影響を与える数ある要因の中でも、薬、レシピエント患者の年齢、体重および臨床状態、ならびに治療を行う臨床医または開業医の経験および判断によって異なる。一般に、用量は、腫瘍の増殖を遅延させる、そして好ましくは退縮させる、さらに好ましくは癌を完全に退縮させるのに十分であるべきである。投薬量は、単回投与、分割投与または連続投与で約0.01mg/kg/日〜約5000mg/kg/日の範囲であってもよい。好ましい態様では、投薬量は約1mg/kg/日〜約1000mg/kg/日の範囲であってもよい。一態様では、用量は約0.1mg/日〜約50g/日;約0.1mg/日〜約25g/日;約0.1mg/日〜約10g/日;約0.1mg〜約3g/日;または約0.1mg〜約1g/日の範囲であってもよい(投与はkg単位の患者の体重、m2単位の体表面積および年齢に応じて調整してもよい)。医薬剤の有効量は、臨床医または他の適格な観察者により認められる改善が客観的に特定できる量である。たとえば、患者の腫瘍の退縮は、腫瘍の直径を基準に測定してもよい。腫瘍の直径の減少は退縮を示す。退縮はさらに、治療を中止した後に再発する腫瘍がないことによっても示される。本明細書で使用する場合、「投薬量効果的方法」という用語は、活性化合物の量が被検体または細胞で所望の生物学的作用を発揮することをいう。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、休薬日なしで、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、少なくとも36、45、54、70、80、または90mg/m2/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、少なくとも36、45、54、70、80、または90mg/m2/日の用量で、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、休薬日なしで、少なくとも36、45、54、70、80、または90mg/m2/日の用量で継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、休薬日なしで、少なくとも36、45、54、70、80、または90mg/m2/日の用量で、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤と併用して、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤と併用して、休薬日なしで少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤と併用して、少なくとも36、45、54、70、80、または90mg/m2/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤と併用して、少なくとも36、45、54、70、80、または90mg/m2/日の用量で、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤と併用して、休薬日なしで、少なくとも36、45、54、70、80、または90mg/m2/日の用量で継続的に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体は、1つまたは複数の治療剤と併用して、休薬日なしで、少なくとも36、45、54、70、80、または90mg/m2/日の用量で、少なくとも7、14、21、28、35、42、47、56または64日間継続的に投与される。
医薬組成物は、投与説明書と共に容器、パックまたはディスペンサーに含めてもよい。
本開示の化合物はさらに塩を形成することができる。こうした形態もすべて、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲内にあることを意図している。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸性塩または塩基性塩を作ることにより修飾された本開示の化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例として、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩、および同種のものがあるが、これに限定されるものではない。薬学的に許容される塩は、たとえば、無毒性無機酸または有機酸から形成された親化合物の従来の無毒性塩または第四級アンモニウム塩を含む。たとえば、そうした従来の無毒性塩として、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバム酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、サブ酢酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸および一般に存在するアミン酸、たとえば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニン等から選択される無機酸および有機酸から得られるものがあるが、これに限定されるものではない。
薬学的に許容される塩の他の例として、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ムコン酸および同種のものが挙げられる。本開示はさらに、親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、たとえば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンに置き換えられている場合、あるいは有機塩基、たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンおよび同種のものと配位している場合に形成される塩を包含する。
薬学的に許容される塩への言及にはすべて、本明細書で定義した同じ塩の溶媒付加体(溶媒和物)または結晶形(多形)が含まれることを理解すべきである。
本開示の化合物はさらに、エステル、たとえば、薬学的に許容されるエステルとして調製してもよい。たとえば、化合物のカルボン酸官能基をその対応するエステル、たとえば、メチル、エチルまたは他のエステルに変換してもよい。さらに、化合物のアルコール基をその対応するエステル、たとえば、アセテート、プロピオネートまたは他のエステルに変換してもよい。
本開示の化合物はさらに、プロドラッグ、たとえば、薬学的に許容されるプロドラッグとして調製してもよい。「プロドラッグ(pro−drug)」および「プロドラッグ(prodrug)」という用語は、本明細書において同義で使われ、活性親薬剤をインビボで放出する任意の化合物をいう。プロドラッグは医薬品の多くの望ましい性質(たとえば、溶解性、バイオアベイラビリティー、製造等)を高めるので、本開示の化合物は、プロドラッグ形態で送達してもよい。したがって、本開示は、本特許請求の範囲に記載された化合物のプロドラッグ、それを送達する方法、およびそれを含む組成物を包含することを意図している。「プロドラッグ」は、そうしたプロドラッグが被検体に投与されたときに、本開示の活性親薬剤をインビボで放出する任意の共有結合したキャリアを含むことを意図している。本開示のプロドラッグは、修飾が通常の操作またはインビボで親化合物に切断されるように、化合物に存在する官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグは、ヒドロキシ基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基またはカルボニル基がインビボで切断されて、それぞれ遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、遊離スルフヒドリル、遊離カルボキシまたは遊離カルボニル基を形成し得る任意の基に結合した本開示の化合物を含む。
プロドラッグの例として、本開示の化合物のヒドロキシ官能基のエステル(たとえば、アセテート、ジアルキルアミノアセテート、ホルメート、ホスフェート、スルフェートおよびベンゾエート誘導体)およびカルバメート(たとえば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)、カルボキシル官能基のエステル(たとえば、エチルエステル、モルホリノエタノールエステル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(たとえば、N−アセチル)N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基およびエナミノン、ケトン官能基およびアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステル、ならびに同種のものがあるが、これに限定されるものではない。Bundegaard,H.,Design of Prodrugs,p1−92,Elesevier,New York−Oxford(1985)を参照されたい。
化合物またはその薬学的に許容される塩、エステルもしくはプロドラッグは、経口投与、経鼻投与、経皮投与、経肺投与、吸入投与、口腔内投与、舌下投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、直腸内投与、胸膜内投与、髄腔内投与および非経口投与される。一実施形態では、化合物は経口投与される。当業者であれば、特定の投与経路の利点を認識するであろう。
化合物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態;治療対象の状態の重症度;投与経路;患者の腎機能および肝機能;ならびに利用される個々の化合物またはその塩など種々の因子に従い選択される。通常の知識を有する医師または獣医師であれば、当該状態の進行を予防、防止または停止するのに必要な薬剤の有効量を容易に判定し、処方することができる。
開示した化合物の製剤および投与のための技術は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy,19th edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)で確認することができる。一実施形態では、本明細書に記載の化合物およびその薬学的に許容される塩は、薬学的に許容されるキャリアまたは希釈薬と組み合わせて医薬調製物に使用される。好適な薬学的に許容されるキャリアとして、不活性な固体充填剤または希釈薬、および無菌水溶液または有機溶液が挙げられる。本化合物は、本明細書に記載の範囲の所望の投薬量を与えるのに十分な量でそうした医薬組成物中に存在する。
本明細書に使用されるパーセンテージおよび比率はすべて、他に記載がない限り、重量による。本発明の他の特徴と利点は様々な例から明らかである。提示した例は、本発明を実施する際に有用な様々な要素および方法を説明するものである。こうした例は、特許請求の範囲に記載されている発明を限定するものではない。本開示に基づき、当業者であれば、本発明を実施するのに有用な他の要素および方法を特定し、利用することができる。
本明細書に記載の合成スキームでは、簡潔にするため1つの特定の構造で化合物を描いていることがある。こうした特定の構造は、本開示を異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体のいずれかに限定するものと解釈してはならず、異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体は、異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体の混合物を排除するものでもない。
本明細書に記載の化合物は、下記の例に記載された活性の調節、たとえば、ヒストンメチル化、細胞増殖および/またはIC50の調節についてアッセイされる。選択したDOT1L阻害剤に関するDOT1L阻害のIC50値を実施例1に記載されているように決定し、下記に記載する。
癌および神経疾患などの疾患は、タンパク質(たとえば、ヒストン)メチル化のモジュレーター、たとえば、ヒストンメチルトランスフェラーゼまたはヒストンデメチラーゼ酵素活性のモジュレーターの投与により治療することができる。ヒストンメチル化は、癌の特定の遺伝子の異常発現および非神経細胞における神経細胞遺伝子のサイレンシングに関与することが報告されている。本開示の組成物、たとえば、式(I)の任意の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と本明細書に記載の1つまたは複数の治療剤とを含む組成物は、そうした疾患を治療するために、すなわち、冒された細胞のヒストンメチル化を低減または阻害するために、または対応する正常細胞におけるおよそのメチル化レベルにメチル化を回復させるために使用することができる。
本開示は、ヒストンまたは他のタンパク質のメチル化状態の調節により、その過程がヒストンまたは他のタンパク質のメチル化状態の調節により影響を受け得る状態および疾患の症状を治療または緩和するための組成物および方法であって、前記メチル化状態が、DOT1Lの活性により少なくとも部分的に媒介される組成物および方法を提供する。ヒストンのメチル化状態の調節の結果、メチル化により活性化される標的遺伝子および/またはメチル化により抑制される標的遺伝子の発現レベルが影響され得る。この方法は、そうした治療を必要とする被検体に、治療有効量の本開示の組成物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物を投与することを含む。
メチル化のモジュレーターは、一般に、細胞増殖の調節のために使用することができる。たとえば、場合によっては、過剰な増殖は、メチル化を低下させる薬剤により低減することができるのに対して、不十分な増殖は、メチル化を増大させる薬剤により刺激することができる。したがって、治療することができる疾患には、良性の細胞増殖および悪性の細胞増殖(癌)など過剰増殖の疾患が含まれる。
DOT1L介在性のタンパク質メチル化が役割を果たす障害として、癌、細胞増殖性障害または前癌性状態があり得る。治療することができる例示的な癌として、脳およびCNS癌、腎臓癌、卵巣癌、膵癌、肺癌、乳癌、結腸癌、前立腺癌または血液癌が挙げられる。たとえば、血液癌は白血病またはリンパ腫である。好ましくは、癌は白血病である。白血病は急性または慢性白血病であってもよい。いくつかの実施形態では、白血病は急性骨髄性白血病または急性リンパ球性白血病である。いくつかの実施形態では、治療することができる白血病は、混合系統白血病遺伝子(MLL)のキメラ融合またはMLLの縦列部分重複(MLL−PTD)を含む、染色体11q23上の染色体再構成を特徴とする白血病である。いくつかの実施形態では、治療することができる白血病は、MLLの遺伝的異常の存在を特徴とする白血病である。そうした遺伝的異常として、染色体再構成、たとえばMLL遺伝子の転座、欠失および/または重複が挙げられる。MLLは、MLLのキメラ融合、MLL遺伝子の縦列部分重複(MLL−PTD)または非再構成MLLを有するものと分類または特徴付けられてきた。
本明細書に記載の併用療法により治療することができる障害は、染色体11q23上の遺伝子の転座、欠失および/または重複のために投薬治療を受ける障害であり得る。
一般に、メチル化モジュレーターである化合物は、細胞増殖の調節のために使用することができる。たとえば、場合によっては、過剰な増殖は、メチル化を低下させる薬剤により低減することができるのに対して、不十分な増殖は、メチル化を増大させる薬剤により刺激することができる。したがって、本開示の化合物により治療することができる疾患には、良性の細胞増殖および悪性の細胞増殖など過剰増殖の疾患が含まれる。
本明細書で使用する場合、「それを必要とする被検体」は、DOT1L介在性のタンパク質メチル化が役割を果たす障害を有する被検体、または一般集団と比較してそうした障害を発症するリスクが高い被検体をいう。それを必要とする被検体は、前癌性状態を有していてもよい。好ましくは、それを必要とする被検体は癌を有する。「被検体」は、哺乳動物を含む。哺乳動物は、たとえば、任意の哺乳動物、たとえばヒト、霊長類、トリ、マウス、ラット、家禽、イヌ、ネコ、雌ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジまたはブタであってもよい。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
いくつかの実施形態では、被験体は小児である。いくつかの実施形態では、被検体は18歳よりも若齢である。いくつかの実施形態では、被検体は、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1歳よりも若齢である。いくつかの実施形態では、被検体は3か月齢〜18歳の間である。
いくつかの実施形態では、被検体は、RAS−RAF−MEK−ERK経路において突然変異(たとえばRASにおける1つもしくは複数の突然変異、1つもしくは複数の突然変異RAF、MEKにおける1つもしくは複数の突然変異、および/またはERKにおける1つもしくは複数の突然変異)を有する。たとえば、被検体は、Ras突然変異(たとえばH−RasもしくはHRAS突然変異、K−RasもしくはKRAS突然変異、またはN−RasもしくはNRAS突然変異)を有する。いくつかの実施形態では、KRAS突然変異は、A146にある。いくつかの実施形態では、KRAS突然変異は、KRAS A146Tである。いくつかの実施形態では、KRAS突然変異は、ヘテロ接合性である。いくつかの実施形態では、KRAS突然変異は、ヘテロ接合性KRAS A146TまたはKRAS A146T(het)である。いくつかの実施形態では、KRAS突然変異は、K117にある。いくつかの実施形態では、KRAS突然変異は、KRAS K117Nである。いくつかの実施形態では、KRAS突然変異は、ホモ接合性である。いくつかの実施形態では、KRAS突然変異は、ホモ接合性KRAS K117NまたはKRAS K117N(homo)である。いくつかの実施形態では、NRAS突然変異は、Q61にある。いくつかの実施形態では、NRAS突然変異は、NRAS Q61Rである。いくつかの実施形態では、NRAS突然変異は、ヘテロ接合性である。いくつかの実施形態では、NRAS突然変異は、ヘテロ接合性NRAS Q61RまたはNRAS Q61R(het)である。いくつかの実施形態では、NRAS突然変異は、G12にある。いくつかの実施形態では、NRAS突然変異は、NRAS G12Dである。いくつかの実施形態では、NRAS突然変異は、ホモ接合性である。いくつかの実施形態では、NRAS突然変異は、ヘテロ接合性である。
いくつかの実施形態では、被検体は、RAS−RAF−MEK−ERK経路において活性化突然変異(たとえばRASにおける1つもしくは複数の活性化突然変異、1つもしくは複数の活性化突然変異RAF、MEKにおける1つもしくは複数の活性化突然変異、および/またはERKにおける1つもしくは複数の活性化突然変異)を有する。いくつかの実施形態では、RAS−RAF−MEK−ERK経路における突然変異は、RAS−RAF−MEK−ERK経路のアップレギュレーションをもたらす。
活性化Ras突然変異は、多くのタイプの癌において頻繁に見つけられる。3つのRasアイソフォーム、K−Ras、H−Ras、およびN−Rasにおける活性化突然変異は、以前に記載されている。活性化Ras突然変異は、コドン12、13、または61に存在することが多い。Prior et al.,Cancer Res.2012,72(10:2457−2467)を参照されたい。この内容を参照により全体を本明細書において援用する。コドン12、13、または61でのこれらの突然変異は、3つのRasアイソフォームの間で見つけられる。これらの突然変異はRasアイソフォームにおいて見つけられるが、ある種の突然変異Rasアイソフォームは、ある種類の癌においてより頻繁に見つけられる。たとえば、突然変異K−Rasは、膵癌のおよそ60%に存在するが、造血腫瘍は、K−Ras突然変異と比較してN−Ras突然変異をより頻繁に有する。Catalogue of Somatic Mutations in Cancer(COSMIC) v52 Releaseにあるデータによれば、K−Rasの活性化突然変異は、腫瘍において存在する最も頻繁に見つけられるRasアイソフォームであり(22%)、これにN−Ras(8%)およびH−Ras(3%)が続く。同書。
コドン12、13、および61での活性化Ras突然変異は、ある種のRasアイソフォームにおいてより頻繁に生じる。たとえば、腫瘍において見つけられる活性化K−Ras突然変異のおよそ80%はコドン12で生じるのに対して、腫瘍において見つけられるN−Ras突然変異のおよそ35%はコドン12で生じる。腫瘍において見つけられるH−Ras活性化突然変異は、それぞれ、コドン12および61でおよそ50%および40%で生じる。Prior et al.,Cancer Res.2012,72(10:2457−2467)を参照されたい。これらのデータは、様々な癌において存在するRasアイソフォームにおけるコドン12、13、および61での突然変異の特有の役割を支持する。コドン12、13、および61内のある種類の点突然変異は、ある種のRasアイソフォームにおいて存在することがより多い。たとえば、腫瘍において見つけられるK−Ras突然変異の43%はG12DまたはG13D突然変異を有したのに対して、H−Ras活性化突然変異を有する腫瘍はG12V突然変異をより頻繁に有した。
点突然変異、遺伝子欠失、および染色体転座を含む、Ras−Raf−MEK−ERK経路に影響を与える突然変異は、小児急性リンパ性白血病(ALL)において頻繁に見つけられる。Knight and Irving,Frontiers in Oncology,2014,4:160,pages 1−12を参照されたい。この内容を参照により全体を本明細書において援用する。ALL患者由来の生物学的サンプルは、多くのALL癌が、MLL H3K4ヒストンメチルトランスフェラーゼ遺伝子再構成およびRAS経路に影響を与える突然変異の両方に関連することを示した。Grossman et al.Leukemia,2013,27(9):1933−1936を参照されたい。この内容を参照により全体を本明細書において援用する。
癌表現型に対する様々な化合物の効果を研究するのに有用なMLL遺伝子再構成を有する特定の細胞株が単離されている。これらの細胞株は、MOLM−13(MLL−AF9)(Matsuo et al,Leukemia,1997,11,1469−1477を参照されたい)、OCI−AML−4(MLL−ENL)(Koistinen et al,Leukemia,1991,5(8):704−711を参照されたい)、THP−1(MLL−AF9)(Odero et al,Genes Chromosomes Cancer,2000,29(4):333−338を参照されたい、ML−2(MLL−AF6)(Deshpande et al,Blood,2013,121(13):2533−2541を参照されたい)、およびRS4−11(MLL−AF4)(Xia et al,PNAS,2005,102(39):14028−33を参照されたい)を含む。これらの各々の内容を全体を本明細書において援用する。
本開示の被験体は、癌または前癌性状態と診断されている、それらの症状を有する、またはそれらを発症するリスクのある任意のヒト被験体を含む。
それを必要とする被検体は、DOT1Lに関連する障害を有する被検体であってもよい。それを必要とする被検体は、前癌性状態を有していてもよい。好ましくは、それを必要とする被検体は癌を有する。それを必要とする被検体はDOT1Lに関連する癌を有してもよい。好ましい態様では、それを必要とする被検体は、脳および中枢神経系(CNS)癌、頭頸部癌、腎臓癌、卵巣癌、膵癌、白血病、肺癌、リンパ腫、骨髄腫、肉腫、乳癌、前立腺癌および血液癌からなる群から選択される1つまたは複数の癌を有する。好ましくは、それを必要とする被検体は、白血病またはリンパ腫である血液癌を有する。例示的な白血病としてMLLがある。本開示の他の血液癌として、多発性骨髄腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、小児リンパ腫、ならびにリンパ球および皮膚由来のリンパ腫を含む)、白血病(小児白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病およびマスト細胞白血病を含む)、骨髄系新生物およびマスト細胞新生物を挙げることができる。
それを必要とする被検体は、以前に癌または前癌性状態を有すると診断または確認された被検体であってもよい。それを必要とする被検体はまた、癌または前癌性状態を有する(罹患している)被検体であってもよい。あるいは、それを必要とする被検体は、一般集団と比較してそうした障害を発症するリスクが高い被検体(すなわち、一般集団と比較してそうした障害を発症しやすい被検体)であってもよい。
それを必要とする被検体は、HOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよびDOT1Lからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質の増加した発現(mRNAまたはタンパク質)レベルおよび/または活性レベルに関連する癌を有してもよい。それを必要とする被検体は、HOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよびDOT1Lからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質の下流の少なくとも1つのシグナル伝達要素の少なくとも1つの増加したmRNAレベル、タンパク質レベルおよび/または活性レベルを有していてもよい。こうした下流要素は、当該技術分野において容易に知られ、他の転写因子またはシグナル伝達タンパク質を含めてもよい。本明細書で使用する場合、「活性の増加」という用語は、野生型と比較して遺伝子産物/タンパク質の増加またはその機能の増加をいう。これを踏まえて、mRNAもしくはタンパク質の発現レベルおよび/または活性レベルの増加は、当該技術分野において利用可能な任意の好適な方法を用いて検出することができる。
任意選択的にそれを必要とする被検体は、癌または前癌性状態に対して少なくとも1つの治療介入を既に受けたことがある、受けているあるいは受ける予定である。
それを必要とする被検体は、最も新しい療法に対する難治性癌を有していてもよい。「難治性癌」は、治療に反応しない癌を意味する。癌は治療の初期に抵抗性がある場合も、または治療中に抵抗性になる場合もある。難治性癌は抵抗性癌とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は、直近の療法による寛解後に癌が再発している。いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は、癌治療に有効な既知の療法をすべて受けて無効であった。いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は少なくとも1つの従来療法を受けた。
いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は、以前の療法の結果として二次癌を有してもよい。「二次癌」は、以前の発癌療法、たとえば化学療法によりあるいはその結果として発生する癌を意味する。いくつかの実施形態では、二次癌は血液癌、たとえば白血病である。
被検体は、DOT1Lヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤または他の任意の治療剤に対して耐性を示すことがある。
本開示はまた、白血病を有する被検体に対する併用療法を選択する方法を特徴とする。この方法は、被検体由来のサンプルにおいてHOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよび/またはDOT1Lのレベルを検出するステップ;および増加したレベルのHOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよび/またはDOT1Lの存在に基づき、白血病を治療するための併用療法を選択するステップを含む。一実施形態では、この療法は、被検体に本開示の組成物を投与することを含む。一実施形態では、この方法は、治療有効量の本開示の組成物を被検体に投与することをさらに含む。一実施形態では、白血病はMLL遺伝子の縦列部分重複(MLL−PTD)nを特徴とする。別の実施形態では、白血病は、HOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよび/またはDOT1Lの過剰発現を特徴とする。
本明細書に記載の方法および使用は、被検体への本開示の組成物(たとえば、式(I)の化合物(たとえば、EPZ−5676またはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物)の投与前および/または投与後に、それを必要とする被検体に由来するサンプルにおいて、HOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよび/またはDOT1LのmRNAレベル、タンパク質レベルおよび/または活性(機能)レベルを検出するステップを含むことができる。試験サンプルにおける増加したレベルのHOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよび/またはDOT1Lの存在は、被検体が本明細書に記載の併用療法に感受性であることを示す。
本開示は、被検体のHOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよびDOT1Lからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質の増加した遺伝子発現(mRNAまたはタンパク質)レベルおよび/または増加した機能または活性レベルの遺伝子スクリーニングにより、被検体の個別化した医療、治療および/または癌の管理を提供する。たとえば、本開示は、併用療法に対する被検体の反応性を判定して、被検体が併用療法に感受性がある場合、被検体に本開示の組成物を投与することにより、それを必要とする被検体の癌の症状または前癌性状態を治療または緩和するための方法を提供する。反応性は、被検体からサンプルを採取し、HOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよびDOT1Lからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質の増加したmRNAもしくはタンパク質レベルおよび/または増加した活性レベルを検出することにより判定され、そうした発現および/または機能の増加の存在から、被検体は本開示の組成物に感受性があることが示される。被検体の反応性が判定されたならば、治療有効量の組成物、たとえば、式(I)の化合物(たとえば、EPZ−5676またはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくは立体異性体と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物を投与することができる。組成物の治療有効量は、当業者が判定することができる。
本明細書で使用する場合、「反応性」という用語は、「反応性のある」、「感受性のある」および「感受性」と同義であり、本開示の組成物を投与されたときに被検体が治療反応を示す、たとえば、被検体の腫瘍細胞または腫瘍組織がアポトーシスおよび/もしくは壊死を起こし、かつ/または成長、分裂もしくは増殖の低下を示すことを意味する。この用語はまた、被検体が、本開示の組成物を投与されたときに一般集団と比較して、治療反応を示す、たとえば、被検体の腫瘍細胞または腫瘍組織がアポトーシスおよび/もしくは壊死を起こし、かつ/または成長、分裂もしくは増殖の低下を示す確率が高くなることまたは高いことを意味する。
「サンプル」は、被検体から得られた任意の生物学的サンプルを意味し、以下に限定されるものではないが、細胞、組織サンプル、体液(粘液、血液、血漿、血清、尿、唾液および精液があるが、これに限定されるものではない)、腫瘍細胞および腫瘍組織がある。好ましくは、サンプルは、骨髄、末梢血細胞、血液、血漿および血清から選択される。サンプルは、治療または検査中の被検体から得てもよい。あるいはサンプルは、当該技術分野における通常の業務に従い医師が採取してもよい。
mRNAもしくはタンパク質の発現レベルおよび/または活性レベルの増加は、当該技術分野において利用可能な任意の好適な方法を用いて検出することができる。たとえば、活性レベルの増加は、遺伝子産物の生物学的機能、たとえばDOT1Lのヒストンメチルトランスフェラーゼ活性(すなわち、イムノブロットによるヒストン基質、たとえばH3K79のメチル化);HOXA9、MEIS2またはMEIS1の転写活性(すなわち、RT−PCRによるHOXA9標的遺伝子、MEIS2標的遺伝子またはMEIS1標的遺伝子の発現レベル);またはFLT3のリン酸化活性(すなわち、イムノブロットまたはラジオイムノアッセイによるFLT3標的のリン酸化状態)を測定することにより検出することができる。あるいは、機能獲得変異は、HOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよびDOT1Lからなる群から選択されるタンパク質をコードする核酸配列の任意の変化を検出することにより判定することができる。たとえば、機能獲得変異を有するHOXA9、FLT3、MEIS1、MEIS2、TBP、BCLおよびDOT1Lをコードする核酸配列は、当該技術分野において周知の方法に従い、適切に選択されたDNAおよびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーの供給源を用いて全ゲノムリシーケンシングまたはターゲット領域リシーケンシング(後者はターゲットリシーケンシングとも呼ばれる)により検出することができる。この方法は典型的かつ一般的に、ゲノムDNA精製、目的の領域を増幅するためのPCR増幅、サイクルシーケンシング、シーケンシング反応クリーンアップ、キャピラリー電気泳動および/またはデータ解析の各ステップを必要とする。あるいはまたはさらに、この方法は、マイクロアレイを用いたターゲット領域ゲノムDNAキャプチャーおよび/またはシーケンシングの使用を含んでもよい。適切なPCRプライマーを選択し、リシーケンシングを行うためのキット、試薬および方法は、たとえば、Applied Biosystems、AgilentおよびNimbleGen(Roche Diagnostics GmbH)から市販されている。mRNA発現の検出は、当該技術分野において公知の方法、たとえばノーザンブロット、核酸PCR、および定量RT−PCRにより検出することができる。ポリペプチド発現(すなわち、野生型またはミュータント)の検出は、当該技術分野において任意の好適なイムノアッセイ、たとえばウエスタンブロット解析を用いて行うことができる。
本明細書で使用する場合、「細胞増殖性障害」という用語は、細胞の制御不能な増殖もしくは異常な増殖、または制御不能かつ異常な増殖により、癌性であることもあればそうでない場合もある望ましくない状態または疾患が発症し得る状態をいう。本開示の例示的な細胞増殖性障害は、細胞分裂が無秩序である種々の状態を包含する。例示的な細胞増殖性障害として、新生物、良性腫瘍、悪性腫瘍、前癌性状態、in situ腫瘍、被包性腫瘍、転移性腫瘍、液性腫瘍、充実性腫瘍、免疫学的腫瘍、血液系腫瘍、癌、癌腫、白血病、リンパ腫、肉腫および急速に分裂する細胞があるが、これに限定されるものではない。「急速に分裂する細胞」という用語は、本明細書で使用する場合、同じ組織内の隣接するまたは並列する細胞において予想または観察される速度を上回るまたはそれより大きな速度で分裂する任意の細胞と定義される。
細胞増殖性障害は前癌または前癌性状態を含む。細胞増殖性障害は癌を含む。好ましくは、本明細書に規定される方法は癌の症状を治療または緩和するために使用される。「癌」という用語は、充実性腫瘍のほか、血液腫瘍および/または悪性腫瘍を含む。「前癌細胞」または「前癌性細胞」は、前癌または前癌性状態である細胞増殖性障害を発現している細胞である。「癌細胞」または「癌性細胞」は、癌である細胞増殖性障害を発現している細胞である。任意の再現可能な測定手段を用いて、癌細胞または前癌性細胞を同定することができる。癌細胞または前癌性細胞は、組織サンプル(たとえば、生検標本)の組織学的分類またはグレード分類により同定してもよい。癌細胞または前癌性細胞は、適切な分子マーカーの使用により同定してもよい。
例示的な非癌性状態または障害として、関節リウマチ;炎症;自己免疫疾患;リンパ球増殖状態;先端巨大症;リウマチ性脊椎炎;変形性関節症;痛風、他の関節炎状態;敗血症;敗血症性ショック;内毒素性ショック;グラム陰性敗血症;毒素ショック症候群;喘息;成人呼吸窮迫症候群;慢性閉塞性肺疾患;慢性肺炎症;炎症性腸疾患;クローン病;乾癬;湿疹;潰瘍性大腸炎;膵線維症;肝線維症;急性および慢性腎疾患;過敏性腸症候群;発熱(pyresis);再狭窄症;脳マラリア;脳卒中および虚血傷害;神経外傷;アルツハイマー病;ハンチントン病;パーキンソン病;急性および慢性疼痛;アレルギー性鼻炎;アレルギー性結膜炎;慢性心不全;急性冠状動脈症候群;悪液質;マラリア;ハンセン病;リーシュマニア症;ライム病;ライター症候群;急性滑膜炎;筋変性、滑液包炎;腱炎;腱鞘炎;ヘルニア様、断裂性もしくは脱出性椎間板症候群;大理石骨病;血栓症;再狭窄症;珪肺症;肺肉腫;骨吸収疾患、たとえば骨粗鬆症;移植片対宿主反応;多発性硬化症;ループス;線維筋痛症;AIDSおよび他のウイルス性疾患、たとえば帯状疱疹、単純ヘルペスIもしくはII、インフルエンザウイルスおよびサイトメガロウイルス;ならびに糖尿病があるが、これに限定されるものではない。
例示的な癌として、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、肛門直腸癌、肛門管癌、虫垂癌、小児小脳星状細胞腫、小児大脳星状細胞腫、基底細胞癌、皮膚癌(非メラノーマ性)、胆道癌、肝外胆管癌、肝内胆管癌、膀胱癌(bladder cancer、urinary bladder cancer)、骨および関節癌、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳癌、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚路および視床下部神経膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、胃腸、神経系癌、神経系リンパ腫、中枢神経系癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ系腫瘍、菌状息肉腫、Seziary症候群、子宮内膜癌、食道癌、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃癌(gastric cancer、stomach cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、眼癌、島細胞腫瘍(膵内分泌部)、カポジ肉腫、腎臓癌、腎癌、腎臓癌、喉頭癌、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、口唇および口腔癌、肝癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、Waldenstramマクログロブリン血症、髄芽腫、メラノーマ、眼内(眼)メラノーマ、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、中皮腫、転移性頸部扁平上皮癌、口癌、舌癌、多発性内分泌腫瘍症候群、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌(oral cancer、oral cavity cancer)、中咽頭癌、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵癌、島細胞 膵癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、腎盂および尿管移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮癌、子宮肉腫、皮膚癌(非メラノーマ性)、皮膚癌(メラノーマ)、メルケル皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管ならびに他の泌尿器の移行上皮癌、妊娠性絨毛性腫瘍、尿道癌、子宮内膜子宮癌、子宮肉腫、子宮体部癌、腟癌、外陰癌、ならびにウィルムス腫瘍があるが、これに限定されるものではない。
「血液系の細胞増殖性障害」は、血液系の細胞に関係する細胞増殖性障害である。血液系の細胞増殖性障害として、リンパ腫、白血病、骨髄系新生物、マスト細胞新生物、骨髄形成異常、良性単クローン性免疫グロブリン血症、リンパ腫様肉芽腫症、リンパ腫様丘疹症、真性赤血球増加症、慢性骨髄球性白血病、原発性骨髄線維症および本態性血小板血症を挙げることができる。血液系の細胞増殖性障害として、血液系の細胞の過形成、異形成および化生を挙げることができる。好ましくは、本開示の組成物は、本開示の血液癌または本開示の血液細胞増殖性障害からなる群から選択される癌を治療するのに使用してもよい。本開示の血液癌として、多発性骨髄腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、小児期リンパ腫、ならびにリンパ球および皮膚由来のリンパ腫)、白血病(小児白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病およびマスト細胞白血病を含む)、骨髄系新生物およびマスト細胞新生物を挙げることができる。
「肺の細胞増殖性障害」は、肺の細胞に関係する細胞増殖性障害である。肺の細胞増殖性障害として、肺細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。肺の細胞増殖性障害として、肺癌、肺の前癌または前癌性状態、肺の良性増殖または病変、および肺の悪性増殖または病変、および肺以外の体内の組織および臓器の転移病変を挙げることができる。好ましくは、本開示の組成物は、肺癌または肺の細胞増殖性障害を治療するのに使用してもよい。肺癌として、肺の癌のすべての型を挙げることができる。肺癌として、悪性肺新生物、上皮内癌、定型的カルチノイド腫瘍、および非定型的カルチノイド腫瘍を挙げることができる。肺癌として、小細胞肺癌(「SCLC」)、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、大細胞癌、腺扁平上皮細胞癌および中皮腫を挙げることができる。肺癌として、「瘢痕癌」、気管支肺胞上皮癌、巨細胞癌、紡錘細胞癌および大細胞神経内分泌癌を挙げることができる。肺癌として、組織化学的および超徴形態学的多様性(たとえば、混合細胞型)を有する肺新生物を挙げることができる。
肺の細胞増殖性障害として、肺細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。肺の細胞増殖性障害として、肺癌、肺の前癌性状態を挙げることができる。肺の細胞増殖性障害として、肺の過形成、化生および異形成を挙げることができる。肺の細胞増殖性障害として、アスベストによる過形成、扁平上皮化生および良性反応性中皮化生を挙げることができる。肺の細胞増殖性障害として、円柱上皮が重層扁平上皮に置換された状態、および粘膜異形成を挙げることができる。有害な環境化学物質、たとえばタバコの煙およびアスベストを吸入した個体は、肺の細胞増殖性障害を発症するリスクが高い場合がある。個体に肺の細胞増殖性障害の発症を引き起こしやすい可能性がある既往の肺疾患として、慢性間質性肺疾患、壊死性肺疾患、強皮症、リウマチ様疾患、サルコイドーシス、間質性肺臓炎、結核、繰り返す肺炎、特発性肺線維症、肉芽腫、石綿肺、線維化肺胞炎およびホジキン病を挙げることができる。
「結腸の細胞増殖性障害」は、結腸の細胞に関係する細胞増殖性障害である。好ましくは、結腸の細胞増殖性障害は結腸癌である。好ましくは、本開示の組成物は、結腸癌または結腸の細胞増殖性障害を治療するのに使用してもよい。結腸癌として、結腸の癌のすべての型を挙げることができる。結腸癌として、散発性および遺伝性結腸癌を挙げることができる。結腸癌として、悪性結腸新生物、上皮内癌、定型的カルチノイド腫瘍、および非定型的カルチノイド腫瘍を挙げることができる。結腸癌として、腺癌、扁平上皮癌および腺扁平上皮細胞癌を挙げることができる。結腸癌は、遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌、家族性大腸腺腫症、ガードナー症候群、ポイツ・ジェガース症候群、ターコット症候群および若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性症候群と関連していてもよい。結腸癌は、遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌、家族性大腸腺腫症、ガードナー症候群、ポイツ・ジェガース症候群、ターコット症候群および若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性症候群により引き起こされることがある。
結腸の細胞増殖性障害として、結腸細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害として、結腸癌、結腸の前癌性状態、結腸の腺腫性ポリープおよび結腸の異時性病変を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害として腺腫を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害は、結腸の過形成、化生および異形成を特徴としてもよい。個体に結腸の細胞増殖性障害の発症を引き起こしやすい可能性がある既往の結腸疾患として、既往の結腸癌を挙げることができる。個体に結腸の細胞増殖性障害の発症を引き起こしやすい可能性がある現在の疾患として、クローン病および潰瘍性大腸炎を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害は、p53、ras、FAPおよびDCCからなる群から選択される遺伝子の突然変異と関連していてもよい。個体は、p53、ras、FAPおよびDCCからなる群から選択される遺伝子の突然変異の存在のため、結腸の細胞増殖性障害を発症するリスクが高い可能性がある。
「膵臓の細胞増殖性障害」は、膵臓の細胞に関係する細胞増殖性障害である。膵臓の細胞増殖性障害として、膵臓細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。膵臓の細胞増殖性障害として、膵臓癌、膵臓の前癌または前癌性状態、膵臓の過形成、および膵臓の異形成、膵臓の良性増殖または病変、および膵臓の悪性増殖または病変、ならびに膵臓以外の体内の組織および臓器の転移病変を挙げることができる。膵癌は、膵臓の癌のすべての型を含む。膵癌として、導管腺癌、腺扁平上皮癌、多形巨細胞癌、粘液性腺癌、破骨細胞様巨細胞癌、粘液性嚢胞性癌、細葉細胞癌、分類不能大細胞癌、小細胞癌、膵芽腫、乳頭状新生物、粘液性嚢胞腺腫、乳頭状嚢胞性新生物、および漿液性嚢胞腺腫を挙げることができる。膵癌はまた、組織化学的および超徴形態学的多様性(たとえば、混合細胞型)を有する膵臓の新生物を含んでもよい。
「前立腺の細胞増殖性障害」は、前立腺細胞に関係する細胞増殖性障害である。前立腺の細胞増殖性障害として、前立腺細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。前立腺の細胞増殖性障害として、前立腺癌、前立腺の前癌または前癌性状態、前立腺の良性増殖または病変、および前立腺の悪性増殖または病変、ならびに前立腺以外の体内の組織および臓器の転移病変を挙げることができる。前立腺の細胞増殖性障害として、前立腺の過形成、化生および異形成を挙げることができる。
「皮膚の細胞増殖性障害」は、皮膚の細胞に関係する細胞増殖性障害である。皮膚の細胞増殖性障害として、皮膚細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。皮膚の細胞増殖性障害として、皮膚の前癌または前癌性状態、皮膚の良性増殖または病変、メラノーマ、悪性メラノーマおよび皮膚の他の悪性増殖または病変、ならびに皮膚以外の体内の組織および臓器の転移病変を挙げることができる。皮膚の細胞増殖性障害として、皮膚の過形成、化生および異形成を挙げることができる。
「卵巣の細胞増殖性障害」は、卵巣の細胞に関係する細胞増殖性障害である。卵巣の細胞増殖性障害として、卵巣の細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。卵巣の細胞増殖性障害として、卵巣の前癌または前癌性状態、卵巣の良性増殖または病変、卵巣癌、卵巣の悪性増殖または病変、および卵巣以外の体内の組織および臓器の転移病変を挙げることができる。皮膚の細胞増殖性障害として、卵巣の細胞の過形成、化生および異形成を挙げることができる。
「乳房の細胞増殖性障害」は、乳房の細胞に関係する細胞増殖性障害である。乳房の細胞増殖性障害として、乳房細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。乳房の細胞増殖性障害として、乳癌、乳房の前癌または前癌性状態、乳房の良性増殖または病変、および乳房の悪性増殖または病変、ならびに乳房以外の体内の組織および臓器の転移病変を挙げることができる。乳房の細胞増殖性障害として、乳房の過形成、化生および異形成を挙げることができる。
乳房の細胞増殖性障害は、乳房の前癌性状態であってもよい。本開示の組成物は、乳房の前癌性状態を治療するのに使用してもよい。乳房の前癌性状態として、乳房の非定型的過形成、非浸潤性乳管癌(DCIS)、乳管内癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、小葉性新生物、およびステージ0もしくはグレード0の乳房の増殖または病変(たとえば、ステージ0もしくはグレード0の乳癌または上皮内癌)を挙げることができる。乳房の前癌性状態は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)により承認されたTNM分類スキームに従いステージ判定することができ、原発腫瘍(T)にはステージT0またはTisが割り当てられ;所属リンパ節(N)にはステージN0が割り当てられ;遠隔転移(M)にはステージM0が割り当てられている。
乳房の細胞増殖性障害は乳癌であってもよい。好ましくは、本開示の組成物は、乳癌を治療するのに使用してもよい。乳癌は、乳房の癌のすべての型を含む。乳癌として、原発性上皮乳癌を挙げることができる。乳癌として、乳房が他の腫瘍、たとえばリンパ腫、肉腫またはメラノーマに罹患している癌を挙げることができる。乳癌として、乳房の癌腫、乳房の腺管癌、乳房の小葉癌、乳房の未分化癌、乳房の葉状嚢肉腫、乳房の血管肉腫および乳房の原発性リンパ腫を挙げることができる。乳癌として、ステージI、II、IIIA、IIIB、IIICおよびIVの乳癌を挙げることができる。乳房の腺管癌として、浸潤癌、管内成分優位の浸潤性上皮内癌、炎症性乳癌、ならびに面皰型、粘液(膠様)型、髄様、リンパ球浸潤を伴う髄様型、乳頭型、硬性型および管状型からなる群から選択される組織学的型を有する乳房の腺管癌を挙げることができる。乳房の小葉癌として、in situ成分優位の浸潤性小葉癌、浸潤性(invasive)小葉癌、および浸潤性(infiltrating)小葉癌を挙げることができる。乳癌として、パジェット病、乳管内癌を伴うパジェット病、および浸潤性腺管癌を伴うパジェット病を挙げることができる。乳癌として、組織化学的および超徴形態学的多様性(たとえば、混合細胞型)を有する乳房新生物を挙げることができる。
好ましくは、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物は、乳癌を治療するのに使用してもよい。治療できる乳癌として、家族性乳癌を挙げることができる。治療できる乳癌として、散発性乳癌を挙げることができる。治療できる乳癌は、男性/雄被検体に発生してもよい。治療できる乳癌は、女性/雌被検体に発生してもよい。治療できる乳癌は、閉経前の女性/雌被検体に発生しても、あるいは閉経後の女性/雌被検体に発生してもよい。治療できる乳癌は、30歳以上の被検体に発生しても、あるいは30歳未満の被検体に発生してもよい。治療できる乳癌は、50歳以上の被検体または50歳未満の被検体に発生している。治療できる乳癌は、70歳以上の被検体に発生しても、あるいは70歳未満の被検体に発生してもよい。
治療できる乳癌は、BRCA1、BRCA2またはp53の家族性突然変異または自然突然変異を同定するため型別にしてもよい。治療できる乳癌は、HER2/neu遺伝子の増幅を有するもの、HER2/neuを過剰発現するもの、あるいは低レベル、中間レベルまたは高レベルのHER2/neu発現を有するものとして型別にしてもよい。治療できる乳癌は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、ヒト上皮増殖因子受容体−2、Ki−67、CA15−3、CA 27−29およびc−Metからなる群から選択されるマーカーについて型別にしてもよい。治療できる乳癌は、ER不明、高ERまたは低ERとして型別にしてもよい。治療できる乳癌は、ER陰性またはER陽性として型別にしてもよい。乳癌のER分類は、任意の再現可能な手段により行ってもよい。乳癌のER分類は、Onkologie 27:175−179(2004)に記載されているように行ってもよい。治療できる乳癌は、PR不明、高PRまたは低PRとして型別にしてもよい。治療できる乳癌は、PR陰性またはPR陽性として型別にしてもよい。治療できる乳癌は、受容体陽性または受容体陰性として型別にしてもよい。治療できる乳癌は、CA 15−3もしくはCA27−29またはその両方の血中レベルの上昇と関連するものとして型別にしてもよい。
治療できる乳癌として、乳房の局所腫瘍を挙げることができる。治療できる乳癌として、センチネルリンパ節(SLN)生検陰性と関連する乳房の腫瘍を挙げることができる。治療できる乳癌として、センチネルリンパ節(SLN)生検陽性と関連する乳房の腫瘍を挙げることができる。治療できる乳癌として、任意の適用可能な方法により腋窩リンパ節がステージ判定された、1つまたは複数の腋窩リンパ節陽性と関連する乳房の腫瘍を挙げることができる。治療できる乳癌として、リンパ節転移の陰性状態(たとえば、リンパ節転移陰性)またはリンパ節転移の陽性状態(たとえば、リンパ節転移陽性)を有するものとして型別にされた乳房の腫瘍を挙げることができる。治療できる乳癌として、体内の他の部位に転移した乳房の腫瘍を挙げることができる。治療できる乳癌は、骨、肺、肝臓または脳からなる群から選択される部位に転移したものとして分類してもよい。治療できる乳癌は、転移性、限局性、局部性、局所局部性、局所進行性、遠隔性、多中心性、両側性、同側性、対側性、新規診断性、再発性および手術不能性からなる群から選択される特徴に従い分類してもよい。
本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物は、乳房の細胞増殖性障害を治療または予防するのに使用しても、あるいは一般集団と比較して乳癌を発症する高いリスクを有する被検体の乳癌を治療または予防するのに使用してもよい。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、乳癌の家族歴または個人歴がある女性/雌被検体である。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、BRCA1もしくはBRCA2またはその両方に生殖系列突然変異または自然突然変異を有する女性/雌被検体である。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、乳癌の家族歴、およびBRCA1もしくはBRCA2またはその両方に生殖系列突然変異または自然突然変異がある女性/雌被検体である。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、30歳より高齢、40歳より高齢、50歳より高齢、60歳より高齢、70歳より高齢、80歳より高齢、または90歳より高齢の女性/雌である。一般集団と比較して乳癌を発症するリスクが高い被検体は、乳房の非定型的過形成、非浸潤性乳管癌(DCIS)、乳管内癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、小葉性新生物、またはステージ0の乳房の増殖または病変(たとえば、ステージ0もしくはグレード0の乳癌または上皮内癌)を有する被検体である。
治療できる乳癌は、Scarff−Bloom−Richardson方式に従い組織学的にグレード分けしてもよく、この場合、乳腺腫瘍には1、2または3の有糸分裂数スコア;1、2または3の核異型度スコア;1、2または3の脈管形成スコア;および3〜9のScarff−Bloom−Richardson総スコアが割り当てられる。治療できる乳癌には、グレード1、グレード1〜2、グレード2、グレード2〜3またはグレード3からなる群から選択される、International Consensus Panel on the Treatment of Breast Cancerによる腫瘍グレードが割り当てられていてもよい。
治療できる癌は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)のTNM分類方式に従いステージ判定することができ、この場合、腫瘍(T)にはTX、T1、T1mic、T1a、T1b、T1c、T2、T3、T4、T4a、T4b、T4cまたはT4dのステージが割り当てられており;所属リンパ節(N)にはNX、N0、N1、N2、N2a、N2b、N3、N3a、N3bまたはN3cのステージが割り当てられており;遠隔転移(M)にはMX、M0またはM1のステージが割り当てられ得る。治療できる癌は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)分類に従い、ステージI、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIIA、ステージIIIB、ステージIIICまたはステージIVとステージ判定することができる。治療できる癌は、AJCC分類に従い、グレードGX(たとえば、評価できないグレード)、グレード1、グレード2、グレード3またはグレード4のグレードを割り当ててもよい。治療できる癌は、AJCCの病理分類(pN)に従い、pNX、pN0、PN0(I−)、PN0(I+)、PN0(mol−)、PN0(mol+)、PN1、PN1(mi)、PN1a、PN1b、PN1c、pN2、pN2a、pN2b、pN3、pN3a、pN3bまたはpN3cのステージに判定することができる。
治療できる癌として、直径が約2センチメートル以下であると判定された腫瘍を挙げることができる。治療できる癌として、直径が約2〜約5センチメートルであると判定された腫瘍を挙げることができる。治療できる癌として、直径が約3センチメートル以上であると判定された腫瘍を挙げることができる。治療できる癌として、直径が5センチメートル超であると判定された腫瘍を挙げることができる。治療できる癌は、顕微鏡所見によって高分化、中分化、低分化または未分化として分類してもよい。治療できる癌は、顕微鏡所見により有糸分裂数(たとえば、細胞分裂の量)または核異型度(たとえば、細胞の変化)に関して分類してもよい。治療できる癌は、顕微鏡所見により壊死領域(たとえば、死につつあるまたは変性しつつある細胞領域)を伴うものとして分類してもよい。治療できる癌は、異常核型を有するもの、異常な数の染色体を有するもの、あるいは外見が異常な1つまたは複数の染色体を有するものと分類してもよい。治療できる癌は、異数体、三倍体、四倍体または倍数性が変化したものとして分類してもよい。治療できる癌は、染色体転座、または全染色体の欠失もしくは重複、または一部の染色体の欠失、重複もしくは増幅の領域を有するものとして分類してもよい。
治療できる癌は、DNAサイトメトリー、フローサイトメトリーまたはイメージサイトメトリーにより評価してもよい。治療できる癌は、細胞の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%が細胞分裂の合成期(たとえば、細胞分裂のS期)にあるものとして型別にしてもよい。治療できる癌は、S期割合が低いまたはS期割合が高いものとして型別にしてもよい。
本明細書で使用する場合、「正常な細胞」は、「細胞増殖性障害」の一部として分類できない細胞である。正常な細胞には、望ましくない状態または疾患の発症に至る可能性がある制御不能な増殖もしくは異常な増殖、または制御不能かつ異常な増殖が見られない。好ましくは、正常な細胞は、正常に機能する細胞周期チェックポイント制御機構を有する。
本明細書で使用する場合、「細胞を接触させること」とは、化合物または他の組成物が細胞と直接接触している、あるいは細胞に所望の生物学的作用を起こすのに十分に接近している状態をいう。
本明細書で使用する場合、「候補化合物」とは、その化合物が細胞、組織、系、動物またはヒトにおいて研究者または臨床医が求めている所望の生物学的または医学的反応を惹起する可能性が高いかどうかを判定するため、1つまたは複数のインビトロまたはインビボでの生物学的アッセイで試験したことがあるあるいは試験する予定の本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物をいう。候補化合物は、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物である。生物学的または医学的反応は、癌の治療であってもよい。生物学的または医学的反応は、細胞増殖性障害の治療または予防であってもよい。インビトロまたはインビボでの生物学的アッセイとして、以下に限定されるものではないが、酵素活性アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、レポーター遺伝子アッセイ、インビトロ細胞生存率アッセイおよび本明細書に記載のアッセイを挙げることができる。
たとえば、使用することができるインビトロ生物学的アッセイは、(1)ヒストン基質(たとえば、目的のヒストンもしくは修飾ヒストンの単離されたヒストンサンプル、または単離されたオリゴヌクレオソーム基質)を組換えDOT1L酵素(たとえば、アミノ酸1〜416を含む組換えタンパク質)と混合するステップ;(2)この混合物に本開示の候補化合物を加えるステップ;(3)非放射性および3H−標識S−アデノシルメチオニン(SAM)を加えて反応を開始させるステップ;(4)過剰量の非放射性SAMを加えて反応を停止させるステップ;(4)取り込まれなかった遊離の3H−SAMを洗い流すステップ;および(5)当該技術分野において公知の任意の方法により(たとえば、PerkinElmer TopCountプレートリーダーにより)3H−標識ヒストン基質の量を検出するステップを含む。
たとえば、使用することができるインビトロ細胞生存率アッセイは、(1)濃度を増加させた候補化合物(たとえば、化合物A2、化合物D16)の存在下で細胞(たとえば、EOL−1細胞、KOPM−88細胞、Molm13細胞、MV411細胞、LOUCY細胞、SemK2細胞、Reh細胞、HL60細胞、BV173細胞、またはJurkat細胞)を培養するステップ;(2)当該技術分野において公知の方法により(たとえば、Millipore Guava Viacountアッセイを用いて)生細胞数を3〜4日毎に判定するステップ;(3)濃度依存増殖曲線をプロットするステップ;および任意選択的に(4)濃度依存増殖曲線から当該技術分野において公知の方法により(たとえば、GraphPad Prismソフトウェア)を用いてIC50値を算出するステップを含む。
たとえば、使用することができるヒストンメチル化アッセイは、(1)候補化合物(たとえば、化合物A2または化合物D16)の存在下で細胞(たとえば、EOL−1細胞、KOPM−88細胞、Molm13細胞、MV411細胞、LOUCY細胞、SemK2細胞、Reh細胞、HL60細胞、BV173細胞、またはJurkat細胞)を培養するステップ;(2)細胞を回収するステップ;(3)当該技術分野において公知の方法(たとえば、硫酸沈殿)を用いてヒストンタンパク質を抽出するステップ;(4)SDS−PAGE電気泳動によりヒストン抽出物を分画し、フィルターに転写するステップ;(5)目的のタンパク質またはメチル化タンパク質に特異的な抗体(たとえば、H3K79me2特異抗体および総ヒストンH3特異抗体)でフィルターをプローブするステップ;および(6)当該技術分野において公知の方法(たとえば、Li−cor Odyssey赤外撮像装置)を用いて抗体のシグナルを検出するステップを含む。
たとえば、使用することができる遺伝子発現アッセイは、(1)候補化合物(たとえば、化合物A2または化合物D16)の存在下または非存在下で細胞(たとえば、EOL−1細胞、KOPM−88細胞、Molm13細胞、MV411細胞、LOUCY細胞、SemK2細胞、Reh細胞、HL60細胞、BV173細胞またはJurkat細胞)を培養するステップ;(2)細胞を回収するステップ;(3)当該技術分野において公知の方法(たとえば、Qiagen RNeasyキット)を用いてRNAを抽出するステップ;(4)抽出したRNAからcDNAを合成するステップ(たとえば、Applied Biosystems逆転写酵素キット);(5)たとえば、プライマーおよびプローブ(たとえば、Applied Biosystems社製のHOXA9、FLT3、MEIS1、MESI2、TBP、BCL、DOT1L、およびβ2−ミクログロブリンに関する予め設計された標識プライマーおよびプローブセット)、合成されたサンプルcDNA、およびqPCRマスターミックス試薬(たとえば、Applied Biosystems TaqmanユニバーサルPCRマスターミックス)を用いてqPCR反応を準備するステップ;(6)サンプルをPCR装置(たとえば、Applied Biosystems)にかけるステップ;(7)データの解析および相対遺伝子発現の計算を行うステップを含む。
本明細書で使用する場合、「単独療法」とは、それを必要とする被検体に単一の活性化合物または治療用化合物を投与することをいう。好ましくは、単独療法は、治療有効量の単一の活性化合物の投与を含む。たとえば、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、アナログもしくは誘導体の1つを用いた、癌の治療を必要とする被検体への癌単独療法である。一態様では、単一の活性化合物は本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物である。
本明細書で使用する場合、「治療すること」または「治療する」は、疾患、状態または障害の対処を目的とした患者の管理およびケアをいい、疾患、状態もしくは障害の症状または合併症を緩和するため、あるいは疾患、状態もしくは障害を除去するため本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物を投与することを含む。
本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物はまた、疾患、状態または障害を予防するために使用してもよい。本明細書で使用する場合、「予防すること」または「予防する」は、疾患、状態もしくは障害の症状または合併症の発症を減少または除去することをいう。
本明細書で使用する場合、「緩和する」という用語は、障害の徴候または症状の重症度を低下させるプロセスを記載することを意図している。重要な点として、徴候または症状は、除去することなく緩和することができる。好ましい実施形態では、本開示の医薬組成物を投与すると徴候または症状が除去されるが、しかしながら、除去は必須ではない。効果的な投薬量は徴候または症状の重症度を低下させると予想される。たとえば、複数の部位で起こり得る癌などの障害の徴候または症状は、複数の部位の少なくとも1つで癌の重症度が低下すると緩和される。
本明細書で使用する場合、「重症度」という用語は、癌が前癌性または良性状態から悪性状態に変化する可能性を記載することを意図している。あるいは、またはさらに、重症度は、たとえば、TNM方式(International Union Against Cancer(UICC)およびAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)により認められた)により、あるいは他の当該技術分野において承認されている方法により癌の病期を記載することを意図している。癌の病期とは、原発腫瘍の位置、腫瘍の大きさ、腫瘍数およびリンパ節転移(癌のリンパ節への広がり)などの因子に基づく癌の程度または重症度をいう。あるいは、またはさらに、重症度は、当該技術分野において承認されている方法により腫瘍グレードを記載することを意図している(米国国立癌研究所(National Cancer Institute)、ワールド・ワイド・ウェブ(www)cancer.govを参照されたい)。腫瘍グレードは、癌細胞が顕微鏡下でどのように異常に見えるか、そして腫瘍がいかに急速に増殖し広がる傾向があるかという観点から癌細胞を分類するのに使用するシステムである。腫瘍グレードを判定する際は、細胞の構造および増殖パターンなど多くの因子が考慮される。腫瘍グレードの判定に使用される具体的な因子は、各癌型によって異なる。重症度はまた、腫瘍細胞が同じ組織型の正常な細胞にどの程度類似しているかを示す、分化とも呼ばれる組織学的グレードもいう(米国国立癌研究所(National Cancer Institute、ワールド・ワイド・ウェブ(www)cancer.govを参照されたい)。さらに、重症度は、腫瘍細胞の核の大きさおよび形状と、分裂している腫瘍細胞の割合とを示す核グレードについてもいう(米国国立癌研究所(National Cancer Institute、ワールド・ワイド・ウェブ(www)cancer.govを参照されたい)。
本発明の別の態様では、重症度は、腫瘍が増殖因子をどの程度分泌したか、細胞外マトリックスをどの程度分解したか、どの程度血管新生化したか、隣接した組織への接着をどの程度失ったか、あるいはどの程度転移したかをいう。さらに重症度は、原発腫瘍が転移した部位の数も示す。最後に、重症度は、様々な型および部位の腫瘍の治療のしにくさを含む。たとえば、手術不能な腫瘍、複数の器官に到達しやすい癌(血液系および免疫系の腫瘍)、および伝統的な治療に最も抵抗性があるものが、最も重度と見なされる。これらの状況において、被検体の平均余命の延長および/または疼痛の低下、癌性細胞の比率の低下または細胞が1つの系に限定されること、ならびに癌の病期/腫瘍グレード/組織学的グレード/核グレードの改善は、癌の徴候または症状の緩和と見なされる。
本明細書で使用する場合、「症状」という用語は、疾患、疾病、障害または体内に適切でないものがあることの兆しと定義される。症状は、症状を経験している個体が感じあるいは気付くものであるが、他人は容易に気付くことができない。他人は、非医療専門家と定義される。
本明細書で使用する場合、「徴候」という用語も、体内に適切でないものがあることの兆しと定義される。ただし、徴候は、医師、看護師または他の医療専門家により確認することができるものと定義される。
癌は、ほとんどすべての徴候または症状を引き起こし得る疾患群である。徴候および症状は、癌がどこにあるか、癌の大きさ、および癌が近くの器官または構造にどの程度影響を与えるかによって異なる。癌が広がる(転移する)場合、症状は体の様々な部分で現れることがある。
癌が増殖すると、癌は近くの器官、血管および神経を押し始める。この圧力により癌の徴候および症状の一部が出る。癌が重要な領域、たとえば脳の特定の部分にある場合、最も小さな腫瘍でも初期症状が出ることがある。
一方、癌は往々にして、癌が非常に大きく増殖するまで少しも症状が生じない場所で始まる。膵臓癌は、たとえば、通常身体の外側から触知できるほど大きく増殖しない。膵癌の中には、膵癌が近くの神経周辺に増殖し始めて(これにより背部痛が起こる)初めて症状が出るものがある。膵癌によっては胆管周囲に増殖し、胆汁の流れが遮断され、黄疸と呼ばれる皮膚の黄変が生じるものもある。膵癌はこれらの徴候または症状が出るまでには、通常進行期になっている。
癌はまた、発熱、疲労または体重減少などの症状を引き起こすこともある。これは、癌細胞が身体のエネルギー供給の多くを使い尽くす、あるいは身体の代謝を変化させる物質を放出するためである可能性がある。あるいは癌は、こうした症状を起こすように免疫系を反応させることもある。
場合によっては、癌細胞は、通常癌に起因するとは考えられない症状を引き起こす物質を血流に放出する。たとえば、一部の膵臓癌は、下肢静脈に血栓を生じさせる物質を放出することができる。一部の肺癌は、血中カルシウムレベルに影響を及ぼすホルモン様物質を作り、神経および筋肉を侵して脱力および眩暈を引き起こす。
癌は、種々の癌細胞のサブタイプが存在すると現れる、いくつかの一般的な徴候または症状を示す。癌の人の大部分は、その疾患によりいずれ体重が減少する。10ポンド以上の不明な(意図しない)体重減少は、癌、特に膵臓、胃、食道または肺の癌の最初の徴候である場合がある。
発熱は癌に非常に多いが、進行疾患でより頻繁に見られる。ほぼすべての癌患者は、特に癌またはその治療が免疫系に影響を与え、身体が感染と戦うことが困難になる場合、いずれかの時点で発熱を有する。頻度は低いが、発熱は、白血病またはリンパ腫などのように癌の初期徴候であることもある。
癌が進行すると、疲労が重要な症状である場合がある。ただし、白血病のような癌においては、あるいは一部の結腸癌または胃癌(stomach cancer)のように癌により出血が進行している場合は、疲労が早期に起こることもある。
一部の癌、たとえば骨癌または精巣癌では、疼痛が初期症状であることがある。ただしほとんどの場合、疼痛は進行疾患の症状である。
皮膚の癌(次のセクションを参照)と共に、一部の内臓癌は見て分かる皮膚徴候が出ることがある。こうした変化として、暗色になる皮膚(色素沈着過剰)、黄色に見える皮膚(黄疸)または赤色に見える皮膚(紅斑);そう痒;または多毛症が挙げられる。
あるいは、またはさらに、癌のサブタイプは特定の徴候または症状を示す。排便習慣または膀胱機能の変化は癌を示すことがある。長期の便秘、下痢または便の大きさの変化は、結腸癌の徴候である場合がある。排尿に伴う疼痛、血尿、または膀胱機能の変化(たとえば排尿頻度の増加または減少)は、膀胱または前立腺癌に関係している可能性がある。
皮膚状態の変化または新たな皮膚状態の出現は、癌を示すことがある。皮膚癌は出血し、治癒していないただれのように見えることがある。持続性の口内のただれは、特に喫煙する、タバコを噛む、または頻繁に飲酒する患者において口腔癌である可能性がある。陰茎または膣のただれは、感染症あるいは初期癌の徴候である場合がある。
異常な出血または分泌は、癌を示すことがある。異常な出血は、初期癌あるいは進行癌で起こり得る。血液の混じった痰(sputumまたはphlegm)は、肺癌の徴候である場合がある。血液の混じった便(または暗色もしくは黒色便)は、結腸または直腸癌の徴候である可能性がある。頸部または子宮内膜(子宮の内膜)の癌は、膣出血を引き起こすことがある。血尿は、膀胱または腎臓癌の徴候である場合がある。乳頭からの血性分泌物は、乳癌の徴候である可能性がある。
乳房または身体の他の部分の肥厚またはしこりは、癌の存在を示すことがある。多くの癌は、主に乳房、睾丸、リンパ節(腺)および身体の軟部組織の皮膚上から触知することができる。しこりまたは肥厚は、癌の初期または後期の徴候である場合がある。任意のしこりまたは肥厚は、特にその形成が新しいか、あるいは大きさが大きくなっている場合、癌を示唆することがある。
消化障害または嚥下困難は、癌を示すことがある。消化障害または嚥下困難には一般に他に原因があるものの、これらの症状は、食道、胃または咽頭(pharynxまたはthroat)の癌の徴候である可能性がある。
疣贅または黒子に変化が見られるようになると、癌が示唆される場合がある。色、大きさまたは形状が変化した、あるいはその明確な境界が失われた任意の疣贅、黒子または雀斑は、癌発症の可能性を示す。たとえば、皮膚病変はメラノーマであり得る。
持続性の咳または嗄声は、癌を示唆することがある。治らない咳は、肺癌の徴候である可能性がある。嗄声は、喉頭(larynxまたはvoice box)または甲状腺の癌の徴候であることがある。
上記に列挙した徴候および症状は、癌に高頻度に見られるものであるが、頻度がより低く、本明細書に列挙していない他の症状も多くある。ただし、当該技術分野において承認されている癌の徴候および症状はすべて、本開示に包含されることを意図している。
癌を治療すると、腫瘍の大きさが小さくなることがある。腫瘍の大きさが小さくなることは、「腫瘍退縮」という場合もある。好ましくは、治療後、腫瘍の大きさは、治療前のその大きさと比較して5%以上縮小し;一層好ましくは、腫瘍の大きさは10%以上縮小し;一層好ましくは20%以上縮小し;一層好ましくは30%以上縮小し;一層好ましくは40%以上縮小し;なお一層好ましくは、50%以上縮小し;最も好ましくは、75%超縮小する。腫瘍の大きさは、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の大きさは、腫瘍の直径として測定してもよい。
癌を治療すると、腫瘍容積が縮小することがある。好ましくは、治療後、腫瘍容積は、治療前のその大きさと比較して5%以上縮小し;一層好ましくは、腫瘍容積は10%以上縮小し;一層好ましくは20%以上縮小し;一層好ましくは30%以上縮小し;一層好ましくは40%以上縮小し;なお一層好ましくは50%以上縮小し;最も好ましくは75%超縮小する。腫瘍容積は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。
癌を治療すると、腫瘍の数が減少する。好ましくは、治療後、腫瘍数は、治療前の数と比較して5%以上減少し;一層好ましくは、腫瘍数は10%以上減少し;一層好ましくは20%以上減少し;一層好ましくは30%以上減少し;一層好ましくは40%以上減少し;なお一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは75%超減少する。腫瘍の数は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の数は、肉眼または特定の倍率で観察できる腫瘍をカウントすることにより測定することができる。好ましくは、特定の倍率は2倍、3倍、4倍、5倍、10倍または50倍である。
癌を治療すると、原発腫瘍部位から離れた他の組織または器官における転移病変の数が減少することがある。好ましくは、治療後、転移病変の数は、治療前の数と比較して5%以上減少し;一層好ましくは、転移病変の数は10%以上減少し;一層好ましくは20%以上減少し;一層好ましくは30%以上減少し;一層好ましくは40%以上減少し;なお一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは75%超減少する。転移病変の数は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。転移病変の数は、肉眼または特定の倍率で観察できる転移病変をカウントすることにより測定することができる。好ましくは、特定の倍率は2倍、3倍、4倍、5倍、10倍または50倍である。
癌を治療すると、治療した被検体の集団の平均生存期間が、キャリアを単独投与した集団と比較して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層好ましくは60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による治療の開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回治療の終了後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。
癌を治療すると、治療した被検体の集団の平均生存期間が、未治療被検体の集団と比較して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層好ましくは60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による治療の開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回治療の終了後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。
癌を治療すると、治療した被検体の集団の平均生存期間が、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、アナログもしくは誘導体ではない薬剤による単独療法を受けた集団と比較して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層好ましくは60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による治療の開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回治療の終了後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。
癌を治療すると、治療した被検体の集団の死亡率がキャリアを単独投与した集団と比較して低下することがある。癌を治療すると、治療した被検体の集団の死亡率が未治療集団と比較して低下することがある。癌を治療すると、治療した被検体の集団の死亡率が、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、アナログもしくは誘導体ではない薬剤による単独療法を受けた集団と比較して低下することがある。好ましくは、死亡率は2%超;一層好ましくは5%超;一層好ましくは10%超;最も好ましくは25%超低下する。治療した被検体の集団の死亡率の低下は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の死亡率の低下は、たとえば、集団について活性化合物による治療の開始後の単位時間当たりの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。集団の死亡率の低下はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回治療の終了後の単位時間当たりの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。
癌を治療すると、腫瘍の成長率が低下することがある。好ましくは、治療後、腫瘍の成長率は治療前の数と比較して少なくとも5%低下し;一層好ましくは、腫瘍の成長率は少なくとも10%低下し;一層好ましくは少なくとも20%低下し;一層好ましくは少なくとも30%低下し;一層好ましくは少なくとも40%低下し;一層好ましくは少なくとも50%低下し;なお一層好ましくは少なくとも50%低下し;最も好ましくは少なくとも75%低下する。腫瘍の成長率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の成長率は、単位時間当たり腫瘍直径の変化により測定してもよい。
癌を治療すると、腫瘍の再増殖が抑制されることがある。好ましくは、治療後、腫瘍の再増殖は5%未満であり;一層好ましくは、腫瘍の再増殖は10%未満であり;一層好ましくは20%未満であり;一層好ましくは30%未満であり;一層好ましくは40%未満であり;一層好ましくは50%未満であり;なお一層好ましくは50%未満であり;最も好ましくは75%未満である。腫瘍の再増殖は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の再増殖は、たとえば、以前の腫瘍縮小後に、治療後生じた腫瘍の直径の増加を測定することにより測定してもよい。腫瘍の再増殖の抑制は、治療を中止した後に腫瘍が再発しないことにより示される。
細胞増殖性障害を治療または予防すると、細胞増殖率が低下することがある。好ましくは、治療後、細胞増殖率は少なくとも5%低下し;一層好ましくは少なくとも10%低下し;一層好ましくは少なくとも20%低下し;一層好ましくは少なくとも30%低下し;一層好ましくは少なくとも40%低下し;一層好ましくは少なくとも50%低下し;なお一層好ましくは少なくとも50%低下し;最も好ましくは少なくとも75%低下する。細胞増殖率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。細胞増殖率は、たとえば、組織サンプルにおいて単位時間当たりに分裂している細胞数を測定することにより測定してもよい。
細胞増殖性障害を治療または予防すると、増殖している細胞の比率が低下することがある。好ましくは、治療後、増殖している細胞の比率は少なくとも5%;一層好ましくは少なくとも10%;一層好ましくは少なくとも20%;一層好ましくは少なくとも30%;一層好ましくは少なくとも40%;一層好ましくは少なくとも50%;なお一層好ましくは少なくとも50%;最も好ましくは少なくとも75%低下する。増殖している細胞の比率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。好ましくは、増殖している細胞の比率は、たとえば組織サンプルにおいて分裂している細胞数を非分裂細胞の数と比較して定量することにより測定される。増殖している細胞の比率は、分裂指数と等価であり得る。
細胞増殖性障害を治療または予防すると、細胞の増殖部位または領域の大きさが小さくなることがある。好ましくは、治療後、細胞の増殖部位または領域の大きさは、治療前のその大きさと比較して少なくとも5%縮小し;一層好ましくは少なくとも10%縮小し;一層好ましくは少なくとも20%縮小し;一層好ましくは少なくとも30%縮小し;一層好ましくは少なくとも40%縮小し;一層好ましくは少なくとも50%縮小し;なお一層好ましくは少なくとも50%縮小し;最も好ましくは少なくとも75%縮小する。細胞の増殖部位または領域の大きさは、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。細胞の増殖部位または領域の大きさは、細胞の増殖部位または領域の直径または幅として測定してもよい。
細胞増殖性障害を治療または予防すると、異常な外観もしくは形態を有する細胞の数または比率が低下することがある。好ましくは、治療後、異常な形態を有する細胞数は、治療前のその大きさと比較して少なくとも5%減少し;一層好ましくは少なくとも10%減少し;一層好ましくは少なくとも20%減少し;一層好ましくは少なくとも30%減少し;一層好ましくは少なくとも40%減少し;一層好ましくは少なくとも50%減少し;なお一層好ましくは少なくとも50%減少し;最も好ましくは少なくとも75%減少する。異常な細胞外観または形態は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。異常な細胞形態は、たとえば倒立型培養顕微鏡を用いて顕微鏡観察により測定してもよい。異常な細胞形態は、核異型の形をとることがある。
本明細書で使用する場合、「選択的に」という用語は、ある集団において別の集団より高頻度で起こる傾向があることを意味する。比較される集団は細胞集団であってもよい。好ましくは、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物は、癌または前癌性細胞に選択的に作用するが、正常な細胞には作用しない。好ましくは、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形もしくは溶媒和物は、ある分子標的(たとえば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)を調節するが、別の分子標的(たとえば、非標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)をあまり調節しないように選択的に作用する。本開示はまた、酵素、たとえばタンパク質メチルトランスフェラーゼの活性を選択的に阻害するための方法を提供する。好ましくは、あるイベントが集団Bと比較して集団Aで2倍を超える高い頻度で起こる場合、そのイベントは、集団Bに対して集団Aにおいて選択的に起こる。あるイベントが集団Aで5倍を超える高い頻度で起こる場合、そのイベントは選択的に起こる。あるイベントが集団Bと比較して集団Aで10倍を超える高い頻度で;一層好ましくは50倍を超える;なお一層好ましくは100倍を超える;最も好ましくは1000倍を超える高い頻度で、集団Aで起こる場合、そのイベントは選択的に起こる。たとえば、細胞死は、正常な細胞と比較して癌細胞で2倍を超える頻度で起こる場合、癌細胞で選択的に起こるといえると考えられる。
本開示の組成物、たとえば、式(I)の化合物(たとえば、EPZ−5676またはEPZ−4777)またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、代謝物、多形もしくは溶媒和物と1つまたは複数の治療剤とを含む組成物は、分子標的(たとえば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)の活性を調節することができる。調節とは、分子標的の活性を刺激または阻害することをいう。好ましくは、本開示の組成物が、前記化合物が存在しない以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して分子標的の活性を少なくとも2倍刺激または阻害する場合、この組成物は分子標的の活性を調節する。一層好ましくは、本開示の組成物が、前記化合物が存在しないこと以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して分子標的の活性を少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍刺激または阻害する場合、この組成物は分子標的の活性を調節する。分子標的の活性は、任意の再現可能な手段により測定することができる。分子標的の活性はインビトロで測定しても、あるいはインビボで測定してもよい。たとえば、分子標的の活性は酵素活性アッセイまたはDNA結合アッセイによりインビトロで測定してもよいし、あるいは、分子標的の活性はレポーター遺伝子の発現をアッセイすることによりインビボで測定してもよい。
本明細書で使用する場合、「アイソザイム選択的」という用語は、酵素の第2のアイソフォームと比較して酵素の第1のアイソフォームの優先的な阻害または刺激(たとえば、タンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムβと比較してタンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムαの優先的な阻害または刺激)を意味する。好ましくは、本開示の組成物は、生物学的作用を得るのに必要な投薬量で最低4倍の差、好ましくは10倍の差、一層好ましくは50倍の差を示す。好ましくは、本開示の組成物は、阻害の範囲にわたりこの差を示し、この差の例としてIC50、すなわち、目的の分子標的の50%阻害が挙げられる。
本開示の組成物を細胞またはそれを必要とする被検体に投与すると、目的のタンパク質メチルトランスフェラーゼの活性が調節(すなわち、刺激または阻害)され得る。本開示の化合物を用いて、以下に限定されるものではないが、タンパク質メチルトラスフェラーゼなどいくつかの細胞内標的を調節することができる。
本明細書で使用する場合、「細胞周期チェックポイント経路」とは、細胞周期チェックポイントの調節に関わる生化学的経路をいう。細胞周期チェックポイント経路は、細胞周期チェックポイントを含む1つまたは複数の機能に対して刺激作用もしくは阻害作用を有しても、あるいはその両方を有してもよい。細胞周期チェックポイント経路は、少なくとも2つの組成物、好ましくはタンパク質からなり、そのどちらも細胞周期チェックポイントの調節に寄与する。細胞周期チェックポイント経路は、細胞周期チェックポイント経路の1つまたは複数のメンバーの活性化により活性化され得る。好ましくは、細胞周期チェックポイント経路は生化学的シグナル伝達経路である。
本明細書で使用する場合、「細胞周期チェックポイント制御因子」とは、細胞周期チェックポイントの調節において少なくともある程度機能し得る組成物をいう。細胞周期チェックポイント制御因子は、細胞周期チェックポイントを含む1つまたは複数の機能に対して刺激作用もしくは阻害作用を有しても、あるいはその両方を有してもよい。細胞周期チェックポイント制御因子はタンパク質でも、あるいはタンパク質でなくてもよい。
癌または細胞増殖性障害を治療すると、細胞死が起こることがあり、好ましくは細胞死により、ある集団で細胞の数が少なくとも10%減少する。一層好ましくは、細胞死は、少なくとも20%の減少;一層好ましくは少なくとも30%の減少;一層好ましくは少なくとも40%の減少;一層好ましくは少なくとも50%の減少;最も好ましくは少なくとも75%の減少を意味する。集団における細胞数は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団における細胞数は、蛍光活性化セルソーター(FACS)、免疫蛍光顕微鏡および光学顕微鏡により測定してもよい。細胞死を測定する方法は、Li et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.100(5):2674−8,2003に示される通りである。一態様では、細胞死はアポトーシスにより起こる。
好ましくは、有効量の本開示の組成物は、正常な細胞に対してあまり細胞毒性を示さない。治療有効量の組成物の投与により、正常な細胞に10%を超えて細胞死が誘導されない場合、治療有効量の組成物は正常な細胞に対してあまり細胞毒性を示さない。治療有効量の組成物の投与により、正常な細胞に10%を超えて細胞死が誘導されない場合、治療有効量の組成物は正常な細胞の生存率にあまり影響を与えない。一態様では、細胞死はアポトーシスにより起こる。
本開示の組成物と細胞を接触させると、癌細胞に選択的に細胞死を誘導または活性化することができる。それを必要とする被験体に本開示の組成物を投与すると、癌細胞に選択的に細胞死を誘導または活性化することができる。本開示の組成物と細胞を接触させると、細胞増殖性障害に冒された1つまたは複数の細胞に選択的に細胞死を誘導することができる。好ましくは、それを必要とする被験体に本開示の組成物を投与すると、細胞増殖性障害に冒された1つまたは複数の細胞に選択的に細胞死が誘導される。
本開示は、それを必要とする被検体に本開示の組成物を投与することにより癌の症状を治療または緩和する方法であって、この組成物を投与すると、細胞周期のG1および/またはS期の細胞の蓄積、正常な細胞において相当量の細胞死を起こすることのない、癌細胞の細胞死による細胞毒性、動物における治療係数が少なくとも2の抗腫瘍活性、および細胞周期チェックポイントの活性化の1つまたは複数が起こる方法に関する。本明細書で使用する場合、「治療係数」は最大耐量を有効用量で除した値である。
当業者は、本明細書で考察した公知の技術または等価な技術の詳細な説明に関する一般的な参考図書を参照してもよい。そうした図書として、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.(2005);Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd edition),Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York(2000);Coligan et al.,Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,N.Y.;Enna et al.,Current Protocols in Pharmacology,John Wiley & Sons,N.Y.;Fingl et al.,The Pharmacological Basis of Therapeutics(1975),Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,18th edition(1990)が挙げられる。さらにこれらの図書は、本発明の態様の製造または使用の際に参照してもよいことは、言うまでもない。
本開示の組成物はまた、神経疾患または障害の症状を治療または緩和するために利用してもよい。本開示の化合物を用いて治療してもよい神経疾患または障害として、癲癇、統合失調症、双極性障害または他の心理および/または精神障害、ニューロパチー、骨格筋萎縮、ならびに神経変性疾患、たとえば、神経変性疾患が挙げられる。例示的な神経変性疾患として、アルツハイマー型、筋萎縮性側索硬化症(ALS)およびパーキンソン病が挙げられる。神経変性疾患の別のクラスとして、少なくとも一部がポリ−グルタミンの凝集により引き起こされる疾患が挙げられる。このクラスの疾患として、ハンチントン病、球脊髄性筋萎縮症(SBMAまたはケネディ病)歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、脊髄小脳失調症1(SCA1)、脊髄小脳失調症2(SCA2)、Machado−Joseph病(MJD;SCA3)、脊髄小脳失調症6(SCA6)、脊髄小脳失調症7(SCA7)および脊髄小脳失調症12(SCA12)が挙げられる。
DOT1により誘発されるエピジェネティックなメチル化が役割を果たす他の任意の疾患も、本明細書に記載の化合物および方法を用いて治療可能または予防可能である。
本開示は、細胞内のDOT1L活性を阻害するための、本明細書に開示された組成物の使用を提供する。本発明のなお別の態様は、細胞内のヒストンH3リジン残基79(H3−K79)のメチル化のレベルを低下させるための、本明細書に開示された組成物の使用に関する。
上記の態様および実施形態のいずれも、任意の他の態様または実施形態と組み合わせることができる。
本明細書に引用する刊行物および特許文書はすべて、そうした刊行物または文書を本明細書に援用するために具体的に個々に示しているかのように本明細書に援用する。刊行物および特許文書の引用は、いずれかが適当な従来技術であること認めることを意図するものではなく、その内容または日付について何ら承認することにならない。これまで本発明を書面による記載により説明してきたが、当業者であれば、本発明を種々の実施形態で実施することができること、および前述の記載および下記の例は説明を目的としたものであり、以下の特許請求の範囲の限定を目的としたものでないことを認識するであろう。
実施例1:MLL再構成細胞株におけるDOT1L併用試験
方法
急性骨髄性白血病細胞株のMV4−11(MLL−AF4)およびMOLM−13(MLL−AF9)をそれぞれ、American Type Culture Collection(ATCC;Rockville,MD)およびDeutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen(DSMZ;Braunschweig,Germany)から入手した。MV4−11細胞は、IMDM(Invitrogen、10%熱不活化ウシ胎児血清(Life Technologies,Grand Island,NY)を添加)中で維持し、MOLM−13細胞は、10%ウシ胎児血清(Life Technologies,Grand Island,NY)を添加したRPMI−1640中で維持した。5%CO2を含む加湿雰囲気中で培養物を維持した。
細胞増殖に対する2薬剤一緒の併用の抗増殖効果を評価するために、インビトロのMLL再構成細胞株を用いて試験を行った。最初の増殖試験は、各細胞株における所与の化合物のIC50を決定するために行なった。細胞数は、Promega Cell Titer Gloキットおよび所与のウェルにおけるATP量に対応したルミネセンス値を用いるATP定量により測定した。
4+3モデル(濃度を増加させた化合物A2を用いて、細胞を4日間前処理した後、化合物A2と被験物質を用いて3日間同時処理した)または7日間同時処理モデルにおける、細胞増殖に対する化合物の効果を検討するために、化合物A2と併用して化合物を試験した(図1および2)。
結果
化合物について、そのIC50値周辺を含む濃度範囲で化合物を試験することによって、同時処理段階における相乗作用を評価した。この試験では、各化合物単独の効果に加えて、一定比で併用する各薬物を増加する濃度で含むマトリックス形式で96ウェルプレートに化合物を入れた(図3)。細胞を播種し、同時処理段階において3または7日間、対数直線期で増殖させた。試験ウェルの作用を受けた割合(fraction affected)(Fa)を計算するために、各プレートに最小阻害(DMSO単独)対照を用いた。DMSO濃度は0.1%v/vに維持した。
薬物併用解析は、Chou−Talalay法を利用して行った。相乗作用は、BiosoftによるソフトウェアパッケージCalcusynを用いて判定した。併用指数(CI)は、所与の試験システムにおける相乗作用または拮抗作用のレベルを記載するために使用する定量的用語である。1未満の併用指数は相乗作用を示し、1を超えるCIは拮抗作用を示す。さらに、CI値が0.3未満になる場合、強力な相乗作用が達成される。
化合物A2による前処理後、Ara−Cまたはダウノルビシンのいずれかと同時処理すると、MV4−11およびMOLM−13の両細胞株において、相乗作用が示された。
7日間同時処理モデルでは、化合物A2との相乗作用が、MOLM−13(MLL−AF9再構成)細胞株において以下の薬物で示された:Ara−C(図4)、ダウノルビシン(図5)、デシタビン(強力)(図6)、ビダーザ(強力)(図6)、ミトキサントロン(図7)、IBET−151(図8)。MV4−11(MLL−AF4)細胞株においては、化合物A2との相乗作用が以下の薬物で示された:Ara−C(図9)、ダウノルビシン(図10)、ビダーザ(図11)、ミトキサントロン(図12)、IBET−151(図14)。
この目的に対して、LSD1阻害剤トラニルシプロミン(図15)およびBcl−2阻害剤ナビトクラックス(図16)は、MOLM(図15および16)およびMV4−11(図15および16)の両細胞株において化合物A2との相乗作用を示すことが実証された。FLT阻害剤キザルチニブ(図17)も、MV4−11細胞において相乗作用を示した。
実施例2:DOT1L阻害剤化合物A2は、MLL再構成白血病細胞において、標準治療薬またはDNA低メチル化剤との併用で相乗的な抗増殖活性を示す
急性白血病に対する現行の標準治療薬および他のクロマチン修飾薬との併用における化合物A2の活性を、3種のヒト急性白血病細胞株;Molm−13(MLL−AF9を発現する急性骨髄性白血病(AML))、MV4−11(MLL−AF4を発現する急性混合性白血病細胞株)およびSKM−1(非MLL再構成AML)における細胞増殖アッセイで評価した。統計的に意味のある結果が得られるように、複数のレプリケートポイントを有する2つの薬剤の完全な用量設定マトリックスの抗増殖活性の試験に適した高密度併用プラットフォームを確立した。このプラットフォームを用いて、第2の薬剤をアッセイの開始時に化合物A2と一緒に加える同時処理モデル、または第2の薬剤の添加前に、細胞を化合物A2の存在下で数日間インキュベートする前処理モデルで試験した化合物A2の抗増殖作用を評価した。薬物併用解析は、Chou−Talalay法[Chou TC Pharmacological Reviews 2006]を用いて行なった。Fa−CIプロットとして知られる併用指数(CI)対分割効果(Fa)の値を示すグラフを作成し、相乗作用を評価した。薬物相乗作用は1未満のCI値によって、拮抗作用はCI>1によって、相加作用はCI=1によって統計的に定義される。
この結果から、化合物A2は、Molm−13およびMV4−11のMLL再構成細胞株において、AML標準治療薬シタラビンおよびダウノルビシンと相乗的に作用することが示された。さらに、標準治療薬の追加前に化合物A2をウォッシュアウトした場合でも、持続的な併用有益性が観察され(図18)、これから化合物A2が、MLL再構成細胞において化学療法剤の効果を増強するクロマチン状態の持続的な変化を確立することが示唆される。化合物A2と他のクロマチン修飾薬の併用はまた、DNA低メチル化剤との相乗作用を含めて、一貫した併用有益性を示した。
要約すると、これらの結果から、化合物A2は、MLL再構成細胞において、単剤として高度に効果的であると共に、AML標準治療薬およびDNA低メチル化剤を含む他の抗癌剤と相乗的であることが示される。
実施例3:実施例DOT1L阻害剤化合物A2は、MLL再構成白血病細胞において、標準治療薬またはDNA低メチル化剤との併用で相乗的な抗増殖活性を示す
化合物A2は、MLL再構成を有する急性白血病に対する有望な療法として現在臨床試験中である、ヒストンメチルトランスフェラーゼDOT1Lの小分子阻害剤である。遺伝子ノックアウトおよび小分子阻害剤試験から、DOT1Lが、モデル系においてMLL融合タンパク質介在性の白血病誘発に必要であることが実証された。前臨床試験では、化合物A2は、インビトロにおいて、MLL遺伝子転座のない急性白血病株を除外した、MLL転座を有する急性白血病株の細胞致死を促進し、またMLL再構成白血病のラット異種移植モデルにおいて持続的な腫瘍退縮をもたらした[Daigle et al.Blood 2013]。有望な将来の臨床的シナリオを支援するために、急性白血病の現行の標準治療薬および他のクロマチン修飾薬と併用した化合物A2の活性を、3種のヒト急性白血病細胞株;Molm−13(MLL−AF9発現する急性骨髄性白血病(AML))、MV4−11(MLL−AF4発現する急性混合性白血病細胞株)およびSKM−1(非MLL再構成AML)について細胞増殖アッセイで評価した。ここで、統計的に意味のある結果が得られるように、複数のレプリケートポイントを有する2つの薬剤の完全な用量設定マトリックスの抗増殖活性の試験に適した高密度併用プラットフォームを確立した。このプラットフォームを用いて、第2の薬剤をアッセイの開始時に化合物A2と一緒に加える同時処理モデル、または第2の薬剤の添加前に、細胞を化合物A2の存在下で数日間インキュベートする前処理モデルで試験した化合物A2の抗増殖作用を評価した。薬物併用解析は、Chou−Talalay法[Chou TC Pharmacological Reviews 2006]を用いて行なった。Fa−CIプロットとして知られる併用指数(CI)対分割効果(Fa)の値を示すグラフを作成し、相乗作用を評価した。薬物相乗作用は1未満のCI値によって、拮抗作用はCI>1によって、相加作用はCI=1によって統計的に定義される。
これらの結果から、化合物A2は、Molm−13およびMV4−11のMLL再構成細胞株において、AML標準治療薬シタラビンまたはダウノルビシンと相乗的に作用することが示された。しかしながら、再構成SKM−1細胞株では、化合物A2は単独で効果を示さず、シタラビンまたはダウノルビシンと相乗的に作用しなかった。
さらに、標準治療薬の追加前に化合物A2をウォッシュアウトした場合でも、持続的な併用有益性が観察され、これから化合物A2が、MLL再構成細胞において化学療法剤の効果を増強するクロマチン状態の持続的な変化を確立することが示唆される。
他のクロマチン修飾薬と併用した化合物A2の評価からも、DNA低メチル化剤との相乗作用を含めて、一貫した併用有益性が明らかになった。
要約すると、本明細書に提示する結果から、化合物A2は、MLL再構成細胞において、単剤として高度に効果的であると共に、AML標準治療薬およびDNA低メチル化剤を含む他の抗癌剤と相乗的であることが示される。
方法:
A)96ウェル形式での前処理モデル:
ヒト白血病細胞株を、7濃度の化合物A2またはDMSOにより、4日間(MV4−11細胞)または7日間(MOLM−13細胞)フラスコ中で前処理した。次いで、細胞をカウントし、化合物A2と共にまたは化合物A2なしで(化合物A2ウォッシュアウト)、濃度を増加させた第2の薬剤の存在下、96ウェルプレートに一定の細胞密度でさらに3日間再播種した。HP−D300デジタルディスペンサー(Tecan)を用いて、組合せマトリックスに化合物を分注した。各化合物単独のIC50の上下を含む複数濃度の化合物A2および標準治療薬で細胞を処理した。細胞生存率を、CellTiter−Glo(登録商標)(Promega)を用いて、ATP含量により測定した。
B)96ウェル形式での同時処理モデル:
ヒト白血病細胞株を、7濃度の化合物A2および9濃度の目的化合物のマトリックスで7日間処理した。生存率をCellTiter−Glo(登録商標)(Promega)を用いて決定した。
C)細胞死機序試験のための前処理モデル:
MOLM−13細胞を、7濃度の化合物A2またはDMSOビヒクル対照で7日間、フラスコ中で前処理した。次いで、細胞をカウントし、相乗的な細胞致死活性を与えることが以前に実証されている濃度の化合物A2およびAra−Cの存在下、一定の細胞密度で再播種し、さらに3または7日間インキュベートした。Guava EasyCyte HT(商標)フローサイトメーターを用いて、DNA含量、アネキシンV染色ならびにCD14マーカーおよびCD11bマーカーの細胞表面発現を10および14日目に測定した。
化合物A2との併用有益性は、非再構成SKM−1細胞株を除外した、MLL再構成白血病細胞株Molm−13およびMV4−11ならびにMLL−PTD細胞株EOL−1およびKOPM−88で試験したすべての薬物について達成されている。
要約すると、この試験から以下のことが実証される:
(1)化合物A2は、AML SOC薬のAra−Cおよびダウノルビシンと相乗的に作用して、MLL再構成白血病細胞に選択的である強力な抗増殖反応を誘導する;
(2)相乗作用は、化合物A2がAra−Cおよびダウノルビシンの追加前にウォッシュアウトされる場合でも、観察される;
(3)初期の試験から、アポトーシスおよび分化の同時誘導がMLL再構成白血病細胞株MOLM−13においてSOC薬について観察された併用有益性の基礎となることが示唆される;また
(4)MLL再構成白血病細胞株における相乗的な抗増殖活性は、化合物A2が、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤アザシチジンおよびデシタビンならびにブロモドメイン阻害剤i−BETを含むいくつかのクロマチン修飾剤と併用される場合にも観察される。
まとめると、これらの試験から、化合物A2が、現行のAML SOC薬の細胞毒性効果を劇的に増強する、MLL再構成細胞におけるクロマチンおよび/または遺伝子発現状態の変化を確立することが示唆される。
実施例4:Ara−Cおよび化合物A2の相乗的な活性
図26Dに示すように、96ウェル形式において添加順序を逆にした前処理モデルを以下のとおりに実施する。
MOLM−13細胞を、9濃度のAra−CまたはDMSOで3日間前処理した。次いで、細胞をカウントし、Ara−Cと共にまたはAra−Cなしで(Ara−Cウォッシュアウト)、濃度を増加させた化合物A2の存在下、96ウェルプレートに一定の細胞密度でさらに7日間再播種した。
HP−D300デジタルディスペンサー(Tecan)を用いて、組合せマトリックスに化合物A2およびAra−Cを分注した。各化合物単独のIC50の上下を含む複数濃度の化合物A2およびAra−Cで細胞を処理した。細胞生存率を、CellTiter−Glo(登録商標)(Promega)を用いて、ATP含量により測定した。
結果:
細胞をAra−Cで前処理した後、化合物A2と同時処理した場合に相乗作用が観察される。Ara−Cが化合物A2による処理前にウォッシュアウトされる場合にも、併用有益性が維持される。
実施例5:化合物A2は、AML標準治療薬との併用で相乗的および持続的抗増殖効果を誘導する
材料および方法
細胞株
急性骨髄性白血病細胞株MV4−11(MLL−AF4)(CRL−9591)は、American Type Culture Collection(ATCC)、Manassas,VAから入手し、MOLM−13(MLL−AF9)細胞(ACC554)およびSKM−1(ACC547)細胞は、Leibniz Institute DSMZ−German Collection of Microorganisms and Cell Cultures,Braunschweig,Germanyから入手した。MV4−11細胞は、10%ウシ胎児血清を添加したIMDM中で維持した。MOLM−13およびSKM−1細胞は、10%ウシ胎児血清を添加したRoswell Park Memorial Institute培地(RPMI)中で維持した。これらの細胞は、加湿した5%CO2雰囲気中、フラスコまたはプレートで培養した。
増殖アッセイおよび相乗作用の計算
細胞増殖に対する2薬剤一緒の併用の癌細胞致死効果を評価するために、MOLM−13、MV4−11およびSKM−1細胞株を用いてインビトロで増殖試験を行った。最初の増殖試験は、各細胞株における所与の化合物のIC50値を決定するために行なった。細胞数は、Promega Cell Titer Gloキットおよび所与のウェルにおけるATP量に対応したルミネセンス値を用いるATP定量により測定した。
これらの試験は、細胞致死に対する化合物の組合せ効果と薬剤の1つをウォッシュアウトすることによる効果の持続性の両方を評価するために行った。濃度を増加させた化合物A2を用いて、細胞を4日間前処理した後、化合物A2と被験物質を用いて3日間同時処理する4+3モデル、または7日間同時処理モデルにおける、細胞増殖に対する化合物の効果を検討するために、化合物A2と併用して化合物を試験した。
加えて、化合物添加の順序効果を、3+7モデルにおいて、シタラビンで前処理した細胞の10日間増殖の測定により試験した。この実験は、濃度を増加させたAra−Cで3日間、MOLM−13細胞を最初に前処理することにより行った。次いで、Ara−Cをウォッシュアウトし、細胞数を規準化して、化合物A2単独またはマトリックス形式でのAra−Cと化合物A2の同時処理のいずれかを行った。次いで、3日目に細胞を規準化した後、Ara−Cをウォッシュアウトするまたは化合物AとAra−Cによる細胞の同時処理を7日間行った。
同時処理段階における相乗作用について評価する化合物を、そのIC50値周辺を含む濃度範囲で試験した。この試験では、各化合物単独の効果に加えて、一定比で併用する各薬物を増加する濃度で含むマトリックス形式で96ウェルプレートに化合物を入れた。細胞を播種し、同時処理段階において3または7日間、対数直線期で増殖させた。試験ウェルの作用を受けた割合(fraction affected)(Fa)を計算するために、各プレートに最大および最小阻害(DMSO単独)対照を用いた。DMSO濃度は0.1%v/vに維持した。薬物併用解析は、Chou−Talalay法を利用して行った。相乗作用は、BiosoftによるソフトウェアパッケージCalcusynを用いて判定した。併用指数(CI)は、所与の試験システムにおける相乗作用または拮抗作用のレベルを記載するために使用する用語である。1未満の併用指数は相乗作用を示し、1を超えるCIは拮抗作用を示す。
細胞死機序試験の解析のための細胞処理
0日目に、MOLM−13細胞を3,000細胞/mLで播種する。7日目および10日目に、MOLM−13細胞をカウントし、50,000細胞/mLで再播種する。MOLM−13細胞を、種々の濃度の化合物で単剤として、またはAraCもしくはダウノルビシンと併用して処理した。1〜7日目は、化合物A2のみで細胞を処理した。7日目に細胞を再播種し、以下に記載のように、化合物A2を単独またはAra−Cもしくはダウノルビシンと併用して再投与した。10日目に、それらをさらに再投与した。14日目に、実験を終了した。7、10および14日目に、CD14およびCD11bの解析のために細胞を採取した。
細胞周期およびアネキシンVのフローサイトメトリー解析
各細胞周期にある細胞の割合を評価するために、フローサイトメトリー解析を行った。アポトーシスによる細胞死の検出および細胞周期についてFACS解析を行った。化合物A2により単独でまたは併用で細胞を処理した。細胞周期とアポトーシスの同時解析を可能にするために、化合物A2により単独でまたは併用で細胞を処理した。
7、10および14日目に細胞を回収し、細胞周期とアネキシンV染色の同時解析を可能にするように分割した。Guava Nexin Assay(Millipore 4500−0450)を用いてアポトーシスを判定し、製造業者の推奨に従って細胞を調製した。Guava EasyCyte Plus System(Millipore)を用いてサンプルを解析した。細胞周期解析のための細胞を、4℃で5分間、200×gの遠心分離によりペレット化し、氷冷PBSで2回洗浄した後、70%氷冷エタノールで固定した。すべてのサンプルを実験の終了時に一緒に解析した。固定後、細胞をPBSで洗浄し、Guava細胞周期試薬(Millipore 4500−0220)で30分間染色した。Guava EasyCyte Plus System(Millipore)を用いてサンプルを解析した。
フローサイトメトリーによるCD11bおよびCD14発現の解析
分化の程度を解析するために、MOLM−13細胞を0.1%DMSOもしくは以前に記載した濃度の化合物A2、Ara−C、ダウノルビシンの存在下、または併用してインキュベートした。7、10および14日目に、細胞を解析のために回収した。細胞をPBS中で2回洗浄した後、4%ホルムアルデヒド中、37℃で10分間固定することにより調製した。固定後、細胞を洗浄し、室温で10分間、ブロッキングバッファーでブロックした。次いで抗CD14抗体、抗CD11b抗体または抗IgG抗体の存在下、回転させながら、室温で1時間、細胞をインキュベートした。細胞を洗浄し、PBSに再懸濁し、GuavaCyte Plus System上のExpressProソフトウェアを用いて、5,000イベントを解析した。
ハイコンテントスクリーニングによるCD11bおよびカスパーゼ切断の解析
分化またはアポトーシス細胞死のマーカーについて細胞集団をさらに解析するために、MOLM−13細胞を、5、7、8、9、10、11、12および14日目にイメージング用に回収した。細胞を被験物質とインキュベートし、各時点で細胞を回収し、PBSで1回洗浄し、0.5%BSA+PBSブロッキングバッファーに再懸濁した。1:12.5の稀釈のCD11b抗体を、暗所にて37℃で15分間、回転させながら細胞とインキュベートした。培地Aを加え、細胞をさらに15分間インキュベートした。PBS+0.1%NaN3+5%FBSで1回洗浄した後、細胞をFixおよびPermキットからの培地Bに再懸濁した。1:100,000稀釈のDAPIおよび1:50稀釈の第2の抗体(カスパーゼ−3またはH2A.X)を加え、暗所にて室温で20分間、細胞をインキュベートした。最後のインキュベーション後、PBS+0.1%NaN3+5%FBSで1回細胞を洗浄し、150μLのPBSに再懸濁し、約30〜60分間プレート上で沈降させた後、イメージングを行った。
薬物併用解析は、Chou−Talalay法を用いて行った。Fa−CIプロットとして知られる併用指数(CI)対分割効果(Fa)の値を示すグラフを作成し、相乗作用を評価した。薬物相乗作用は1未満のCI値によって、拮抗作用はCI>1によって、相加作用はCI=1によって統計的に定義される。
結果
化合物A2は、AML標準治療薬との併用で相乗的および持続的抗増殖効果を誘導する
化合物A2は、MLL再構成白血病細胞株MOLM−13およびMV4−11において、AMLの2種の標準治療(SOC)薬シタラビンおよびダウノルビシンとの併用で相乗的な抗増殖活性を示す(図28)。上記に記載の前処理モデルに従って細胞を処理した(すなわち、化合物A2のウォッシュアウトなし)。同時処理モデルに従って細胞を処理した場合にも、AML SOC薬との併用で化合物A2の相乗的な抗増殖活性が観察された。興味深いことには、この相乗的な抗増殖活性は、化合物A2がSOC薬の追加前に除去(すなわち、ウォッシュアウト)された場合でも、MOLM−13およびMV4−11のMLL再構成細胞において維持された(図29)。これらのデータは、DOT1L阻害剤が細胞環境から除去された場合でも、これらの細胞を化学療法剤に対して一層急性的に感受性にさせる、化合物A2による、これらの細胞のエピジェネティックな状態の持続的なリプログラミングを意味するという点で注目すべきである。この結果は、DOT1L基質部位のH3K79でのヒストンメチル化に対する化合物A2の効果のカイネティクスと一致している(Daigle et al,2013)。以前の試験において、化合物A2による4日間処理がH3K79me2の細胞レベルを80%超枯渇させるのに十分であることを示した。次いで、これらの細胞からウォッシュアウトにより化合物A2が除去された場合、H3K79メチル化の回復はウォッシュアウト後3日間観察されなかった。この3日間の潜在期間後、H3K79me2のレベルは、その後の4日間にわたって前処理レベルに徐々に戻った。したがって、化合物A2によるMLL再構成細胞の処理により、化学療法誘導の細胞致死に対してこれらの細胞を感作する、H3K79メチル化の持続的な阻害がもたらされる。これらの結果は、化合物A2と化学療法の併用に関する高度に柔軟な投薬スケジュールの可能性を提供する。
化合物A2と化学療法剤の相乗効果は、試験した両方のMLL再構成細胞(MV4−11およびMOLM−13)において極めて類似していた。明瞭さと簡潔さのために、以下では、MOLM−13細胞のみについて代表的なデータを提示する。すべての場合に、同様の結果が、MV4−11細胞株でも観察された。
相乗的な細胞致死をもたらす可能性のある投薬スケジュールの柔軟性をさらに試験するために、MOLM−13細胞を化学療法剤シタラビンにより3日間前処理し、この薬物をウォッシュアウトし、次いで、さらに7日間、化合物A2により細胞を処理した。図30に示すように、この逐次的な処理スケジュールにより、両方の薬物を細胞に同時に投与した場合に観察されたものと基本的に同レベルの相乗的な細胞致死がもたらされた。
単剤活性とシタラビンおよびダウノルビシンとの強力な相乗作用の両方が、MLL再構成細胞株MV4−11およびMOLM−13において、化合物A2について観察されたが、非MLL再構成白血病細胞株SKM−1では、化合物A2の効果は観察されなかった。化合物A2は、この後者の細胞株では単剤活性を示さず、またこの細胞株ではいずれの化学療法剤の抗増殖活性にも影響を与えなかった(データを示さず)。SKM−1細胞における化合物A2の活性の欠如は、この薬物の提案された作用機序と完全に一致している。以前の試験において、化合物A2が、一連のAML細胞株にわたって−H3K79メチル化の濃度依存的阻害により証明されるように−細胞内DOT1L活性を阻害するが、この酵素阻害は、11q23染色体転座を有する白血病細胞に対してのみ抗増殖効果に変換されることを実証した。
化合物A2は、単剤として、またAML標準治療薬との併用において、分化マーカーの発現およびアポトーシスを増加させる
化合物A2は、単剤として、MOLM−13細胞の7日間処理後にアポトーシス細胞(アネキシンV染色により測定される)の濃度依存的な増加を誘導する。図32Aに示すように、生細胞の総数は、古典的なラングミュア等温線に従って化合物Aの濃度と共に減少し、中央値(EC50)として364±18nMが得られるが、この傾向は、アポトーシス細胞(初期および後期アポトーシスの合計)の含量の増加に正確に反映される。アポトーシス誘導のカイネティクスは、DMSO(対照として)、156nMの化合物A2、63nMのシタラビン(Ara−C)または化合物A2とAra−C(単剤処理と同じ濃度)の併用で処理する、MOLM−13細胞に対する14日間処理にわたって定時ポイントで測定した。Ara−Cは単独で、14日間の処理期間にわたってアポトーシス細胞集団の中程度の増加を誘導したが、化合物A2は、同じ時間経過中にアポトーシスのさらに一層激しい誘導をもたらした。この2つの薬物の併用により、MOLM−13細胞においてアポトーシスが増強された(図32B)。アポトーシス細胞含量はまた、細胞周期のサブG1期にある細胞のパーセントを測定することにより評価した。図32Cに、DMSO(対照)、156nMの化合物A2、63nMのAra−Cまたは化合物A2とAra−Cの併用で処理したMOLM−13細胞についての種々の時点での細胞周期段階の分布を示す。サブG1細胞集団に対するデータはまた、図32Dにカイネティックプロットとして図示する。このプロットから、Ara−C処理単独では、14日間の処理期間にわたって、MOLM−13細胞のサブG1集団は最小限の影響しか受けなかったが、化合物A2による処理では、サブG1集団の中程度の時間依存的増加が得られることが明らかになる。化合物A2とAra−Cを併用すると、10および14日目に、サブG1細胞集団の顕著な増加が、サブG1集団の増殖速度の増加も伴って得られる。同様の結果は、化合物A2をダウノルビシンと併用した場合にも観察された。
アポトーシス細胞死を促進することに加えて、化合物A2およびAra−Cは、MLL再構成MOLM−13細胞において、単剤として、また併用において、分化マーカーのCD11bおよびCD14(図34)の時間および濃度に依存的なアップレギュレーションを促進する。同じ効果は、ダウノルビシンに関し、単剤として、また化合物A2との併用において観察された。
分化マーカーアップレギュレーションの程度は、どちらかの薬剤単独よりも薬剤の併用で大きかった。この有意なアップレギュレーションはまた、単独でまたは化合物A2およびAra−Cまたはダウノルビシンと併用して治療したMOLM−13細胞における分化マーカーの遺伝子発現分析によって示された。理論によって拘束されないが、これらの結果は、AML SOC薬剤と化合物A2を併用することにより観察された相乗的な抗増殖活性が、MLL−r細胞におけるアポトーシスおよび分化を誘発するための単剤にまさる薬剤併用の能力の増強によるものであることを実証する。
化合物A2は急性リンパ性白血病標準治療薬と併用有益性を示す
MLL−rはまた、急性リンパ性白血病(ALL)において見つけられ、乳児(12月齢よりも幼い子供)に主として関連する。11q23転座を有していないALL患者と比較した場合、この一部のALLは予後不良を有する。MLL−rを持つ乳児において長期的にイベントがない生存は28〜45%であることが報告された。これらの割合は、90%に近い生存率を有する非MLL−r患者よりもはるかに低い(Pieters et al.,Lancet 370:240−250,2007;Bhojwani et al.,Clin Lymphoma Myeloma 9(Suppl 3):S222−S230 10.3816/CLM.2009.s.016,2009;Inaba et al.,Lancet 381:1943−1955,2013)。AML SOCと同様に、実験は、ミトキサントロン、メトトレキサート、マホスファミド、プレドニゾロン、およびビンクリスチンを含む現行のALL療法と化合物A2の併用を評価するために実行した(Pieters et al.,2007;Inaba et al.,2013)。これらの併用の結果を表4に要約する。相乗作用または相加効果は、プレドニゾロンを除いて化合物A2と併用したすべてのALL SOC薬剤で観察され、拮抗作用は、MLL−r細胞株において観察された。ALL SOC薬剤の抗増殖単剤活性の増強は、プレドニゾロンを除いて非MLL−r細胞株SKM−1において化合物A2と併用した場合、見られず、抗増殖活性の増強は、1000nMを超える化合物A2濃度の存在下において観察された。プレドニゾロン活性におけるこの増強の根拠は不明である;しかしながら、使用したこれらの化合物A2濃度が、前臨床MLL−rモデルにおける最大の効能に必要とされるものよりもはるかに高いことは注意すべきことである。
化合物A2は、MLL再構成細胞株においてDNMT阻害剤と強力な相乗作用を示す
化合物A2は、ヒト臨床試験で試験される最初のタンパク質メチルトランスフェラーゼ(PMT)阻害剤である。PMT標的クラスは、ヒストンH3およびH4上のリジン残基の部位特異的メチル化によりクロマチンリモデリングおよび遺伝子転写プログラミングをもたらす。DOT1Lの場合、酵素は、単一ヒストン部位H3K79のメチル化を唯一触媒する。遺伝子転写のエピジェネティックな調節は、ヒストンメチル化、ヒストンアセチル化、他の共有結合ヒストン修飾およびDNAメチルトランスフェラーゼによる染色体DNAのCpGアイランドでの直接メチル化を含む、クロマチン成分の別個の共有結合修飾の組合せ効果から生じるという証拠がかなりある。次に、それらの薬理学に影響を与える他の化合物と組み合わせて、PMT阻害剤の化合物A2を併用することの影響を、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)、ヒストンデメチラーゼ(HDM)、アセチルリジンリーダードメイン(ブロモドメイン)およびDNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)などの他のクロマチン修飾酵素の阻害によって試験した。これらの併用の結果を表4に要約し、MV4−11細胞の文脈において、いくつかのHDAC阻害剤との拮抗作用から相乗作用までの一連の効果を示す。これらの他のクロマチン修飾酵素阻害剤の中で、化合物A2と併用した場合、DNMT阻害剤デシタビンおよびアザシチジンが、MLL再構成細胞において相乗的な抗増殖活性を示した。これに対して、また化合物A2の作用機序と一致して、非MLL再構成白血病細胞株SKM−1で試験した場合に、この化合物は、いずれのDNMT阻害剤の抗増殖性の活性にも影響を及ぼさなかった(表4)。図35に、MV4−11およびMOLM−13細胞株におけるアザシチジンと化合物A2との併用の強力な相乗効果に関する代表的なデータを示す。同様の相乗作用はまた、化合物A2を別のDNMT阻害剤デシタビンと併用した場合にも、これらの細胞株で観察された(表4)。
それらの薬理に影響を与える他の化合物と併用した化合物A2を試験した。これらの併用の結果を下記の表5に要約する。
本開示のさらなる態様、実施形態、および要素は、Klaus et al “DOT1L Inhibitor EPZ−5676 Displays Synergistic Antiproliferative Activity in Combination with Standard of Care Drugs and Hypomethylating Agents in MLL−Rearranged Leukemia Cells” J Pharmacol Exp Ther 350:1−11,September 2014において記載されており、この内容を参照により全体をこれによって援用する。
実施例6:さらなる併用研究
方法
MOLM−13細胞またはSKM−1細胞は、4日間の前処理期間の間、T175フラスコ中で300nMのEPZ−5676(つまり化合物A2)またはDMSOにより前処理した。細胞は、EPZ−5676またはDMSO含有成長培地を使用して分割し、さらなる3日間の前処理期間の間、さらにインキュベートした。細胞は、最終的に、500細胞/ウェルの密度で、384ウェルプレート中EPZ−5676またはDMSOを含有する成長培地中に接種した。次いで、細胞は、第2の化合物による治療の前に24時間、インキュベーターにおいて平衡化した。治療したアッセイプレートを、72時間、第2の化合物と共にインキュベートした。この期間の後、プレートは、細胞生存率の指標として使用されるATP含量を測定するためのATPLiteを使用してエンドポイントでの分析のために現像した。
EPZ−5676および第2の化合物の併用は、第2の化合物のIC50値がDMSOコントロールと比較してEPZ−5676を追加した場合に2倍以上低下した場合、相乗的であると考えられた。これらの併用の結果を下記の表6に要約する。「N/D」は、両方の条件について第2の化合物のIC50を判定することができなかったことを意味する。
実施例7:さらなる併用研究
方法
最初のスクリーニングのために、MOLM−13細胞、OCI−AML−4細胞、ML−2細胞、THP−1細胞、RS4−11細胞、またはSKM−1細胞は、4日間の前処理期間の間、T175フラスコ中で300nMのEPZ−5676(つまりピノメトスタットもしくは化合物A2)またはDMSOにより前処理した。細胞は、EPZ−5676またはDMSO含有成長培地を使用して分割し、さらなる3日間の前処理期間の間、さらにインキュベートした。細胞は、最終的に、500細胞/ウェルの密度で、384ウェルプレート中EPZ−5676またはDMSOを含有する成長培地中に接種した。次いで、細胞は、第2の化合物による治療の前に24時間、インキュベーターにおいて平衡化した。治療したアッセイプレートを、72時間、第2の化合物と共にインキュベートした。この期間の後、プレートは、細胞生存率の指標として使用されるATP含量を測定するためのATPLiteを使用してエンドポイントでの分析のために現像した。
再試験のために、MOLM−13、ML−2、THP−1、RS4−11、SKM−1、およびOCI−AML−4細胞は、4日間の前処理期間の間、T175フラスコ中でEPZ−5676(つまり化合物A2;MOLM−13については150nMならびにML−2、THP−1、RS4−11、SKM1、およびOCI−AML−4については300nM)またはDMSOにより前処理した。細胞は、EPZ−5676またはDMSO含有成長培地を使用して分割し、さらなる3日間の前処理期間の間、さらにインキュベートした。細胞は、最終的に、96ウェルプレート中EPZ−5676またはDMSOを含有する成長培地中に接種した。次いで、細胞は、72時間、第2の化合物により治療した。この期間の後、プレートは、細胞生存率の指標として使用されるATP含量を測定するためのCell Titer Gloを使用してエンドポイントでの分析のために現像した。
EPZ−5676および第2の化合物の併用は、第2の化合物のGI100(成長阻害100)値がDMSOコントロールと比較してEPZ−5676を追加した場合に2倍以上低下した場合、相乗的であると考えられた。
これらの併用の結果を下記の表7および8に要約する。「N/D」は、両方の条件について第2の化合物のGI100を判定することができなかったことを意味し、「−」は試験しなかったことを意味する。
細胞生存率の尺度としての成長阻害(GI):ビヒクルの細胞生存率は、第2の薬剤の投薬の時(T
0)におよび72時間後(T
72)に測定した。0%のGI測定値は、成長阻害がなかったことを示す−T
72ビヒクルシグナルと比較した、試験化合物により治療した細胞を測定した。GI 100%は、完全な成長阻害を示す−T
0ビヒクルシグナルと比較した、試験化合物により治療した細胞を測定した。細胞数は、GI 100%を有するウェルで処理期間の間、増加せず、この効果レベルでプラトーに達する化合物についての細胞増殖抑制効果を示唆し得る。GI 200%は、培養ウェル中のすべての細胞の完全な死を示す。GI 200%の活性プラトーに達する化合物は、細胞傷害性であると考えられる。GIは、下記の条件および式を適用することにより計算する。
式中、Tが被験物質についてのシグナル尺度であり、Vはビヒクル治療コントロール尺度であり、V
0は0時間のビヒクルコントロール尺度である。
表7および8に示されるように、最も説得力のある発見の中には、複数のMLL−r細胞株におけるMAPキナーゼ経路のいくつかのモジュレーター(たとえばトラメチニブ、承認されているMEK阻害剤)とのピノメトスタットの相乗活性があった。トラメチニブとのピノメトスタットの併用の投薬スケジュールの研究は、すべてのスケジュールが、化合物の追加の順序に関係なく、併用有益性を実証することを明らかにした。しかしながら、DOT1L阻害剤による前処理は、生理学的に実現可能な濃度で劇的な細胞の死滅を惹起した。
単独療法と比較した場合、結果は、トラメチニブとのピノメトスタットの併用治療が、DOT1L阻害に感受性であり耐性である細胞株に対する阻害効果を増大させることを示す。総合的に考えると、これらの発見は、MEK阻害前のDOT1L活性の抑制がいずれの薬剤による単独療法にもまさって利点を有し得ることを示唆する。
実施例8:DOT1L阻害剤化合物A2は、MLL再構成白血病細胞において、PPARアンタゴニストとの併用で相乗的な抗増殖活性を示す
化合物A2および第2の治療剤(ロシグリタゾンまたはT0070907)は、実施例3、同時処理モデルなどのような前の実施例において開示される方法に従ってMOLM−13細胞に投与した。併用投与からの結果を、下記の表に列挙し、図36Aおよび36Bに示す。
本発明は、その精神または本質的な特徴を逸脱することなく他の特定の形態で実施することができる。したがって前述の実施形態は、あらゆる点で本明細書に記載の本発明に関する限定ではなく、例示と見なすべきである。このため本発明の範囲は、明細書本文ではなく添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の均等範囲に属するすべての変更をすべてその範囲内に包含することを意図している。