ブリガチニブのための合成スキームである。
ブリガチニブ形態Aの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Aの試料の動的蒸気吸着(DVS)実験の吸脱着プロットである。質量の変化(%)が、縦軸上に示され、標的RH(%)が、横軸上に示される。
ブリガチニブの形態Aの試料から得られた示差走査熱量測定(DSC)スキャンである。熱流(mW)が、縦軸上に示され、温度(℃)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Aの試料に関する熱重量分析/単一示差熱分析サーモグラム(TGA/SDTA)である。
ブリガチニブ形態Aの試料に関する熱重量質量スペクトロメトリ(TGMS)サーモグラムである。
CD3OD中で溶解されたブリガチニブの試料に関して得られた1H−NMRスペクトルである。標準化された強度が、縦軸上に示され、化学シフト(ppm)が、横軸上に示される。
CDCl3中で溶解されたブリガチニブの試料に関して得られた13C−NMRスペクトルである。標準化された強度が、縦軸上に示され、化学シフト(ppm)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Aの試料の質量スペクトル断片化パターンである。相対存在量が、縦軸上に示され、原子量(m/z)が、横軸上に示される。
図9A〜9Eは、飛行時間質量分析計のエレクトロスプレー時間を使用して測定された、衝突活性化を使用したブリガチニブ形態Aの試料のイオンの断片化パターンを描写する。相対存在量が、縦軸上に示され、原子量(m/z)が、横軸上に示される。
単一結晶X線回折により判定したときのブリガチニブ形態Aの結晶構造である。
ブリガチニブ形態Bの試料から得られた示差走査熱量測定(DSC)スキャンである。熱流(mW)が、縦軸上に示され、温度(℃)が、横軸上に示される。
10℃/分で190℃に加熱し、同じ速度で25℃に冷却する、ブリガチニブ形態Bの試料の環状示差走査熱量測定(DSC)スキャンである。熱流(mW)が、縦軸上に示され、温度(℃)が、横軸上に示される。
10℃/分で190℃に加熱し、同じ速度で25℃に冷却した後に、同じ速度で300℃に第2の加熱を行う、ブリガチニブ形態Bの試料の環状示差走査熱量測定(DSC)スキャンである。熱流(mW)が、縦軸上にプロットされ、温度が(℃)、横軸上にプロットされる。
10℃/分で190℃に加熱し、同じ速度で25℃に冷却した後に、同じ速度で300℃に第2の加熱を行う、ブリガチニブ形態Bの試料の環状示差走査熱量測定(DSC)スキャンである。熱流が(mW)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
ブリガチニブ形態Bの試料に関する熱重量分析/単一示差熱分析サーモグラム(TGA/SDTA)である。
ブリガチニブ形態Bの試料に関する熱重量質量スペクトロメトリ(TGMS)サーモグラムである。
ブリガチニブ形態Bの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Cの試料から得られた示差走査熱量測定(DSC)スキャンである。熱流(mW)が、縦軸上に示され、温度(℃)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Cの試料の熱重量分析/単一示差熱分析(TGA/SDTA)サーモグラムである。1.44個の水分子に対応する、4.25%の水質量損失が、最大約75℃になるまでに観察された。
ブリガチニブ形態Cの試料の熱重量質量スペクトロメトリ(TGMS)サーモグラムである。1.44個の水分子に対応する、4.25%の水質量損失が、最大約75℃になるまでに観察された。
ブリガチニブ形態Cの試料の熱重量分析/単一示差熱分析(TGA/SDTA)サーモグラムである。2.12個の水分子に対応する、6.14%の水質量損失が、最大約75℃になるまでに観察された。
ブリガチニブ形態Cの試料の熱重量質量スペクトロメトリ(TGMS)サーモグラムである。2.12個の水分子に対応する、6.14%の水質量損失が、最大約75℃になるまでに観察された。
ブリガチニブ形態Cの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Dの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Dの試料に関する熱重量分析/単一示差熱分析サーモグラム(TGA/SDTA)である。
ブリガチニブ形態Dの試料に関する熱重量質量スペクトロメトリ(TGMS)サーモグラムである。
ブリガチニブ形態Eの試料の熱重量分析/単一示差熱分析(TGA/SDTA)である。
ブリガチニブ形態Eの試料の熱重量質量スペクトロメトリ(TGMS)サーモグラムである。
ブリガチニブ形態Eの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Fの試料の熱重量分析/単一示差熱分析(TGA/SDTA)である。
ブリガチニブ形態Fの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Gの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Hの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Aの試料と形態Jの試料との混合物から得られたX線粉末回折(XRPD)パターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
ブリガチニブ形態Aと形態Kとの混合物の試料、ブリガチニブ形態Aと形態Lとの混合物の試料、及びブリガチニブ形態Aの試料から得られたX線粉末回折(XRPD)オーバーレイパターンである。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
図27Aの拡大図である。
種々の長さに関して研削実験にかけられたブリガチニブ形態Aの重なり合ったX線粉末回折(XRPD)パターンを含む。相対強度(カウント)が、縦軸上に示され、角度(2シータ度(°2θ)で)が、横軸上に示される。
異なるpH値における、25℃及び37℃でのブリガチニブ形態A及び形態Bに関する溶解度データを描写する。
図30Bの拡大グラフであり、固有溶解速度(IDR)実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間を示し、濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
固有溶解速度(IDR)実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間のプロットであり、濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
pH1.0のHCl緩衝液中の25℃及び37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上に示され、時間(分)が、横軸上に示される。
図32Bの拡大グラフであり、pH6.5の緩衝液中の25℃及び37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間のプロットを示す。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
pH6.5の緩衝液中の25℃及び37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
図33Bの拡大グラフであり、SGFにおける、25℃及び37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間を示す。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
SGFにおける、25℃及び37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
水、ならびにpH1.0、4.5、及び6.5の水性緩衝液中の25℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態Aの濃度対時間のプロットである。
水、ならびにpH1.0、4.5、及び6.5の水性緩衝液中の37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態Aの濃度対時間のプロットである。
水、ならびにpH1.0、4.5、及び6.5の水性緩衝液中の25℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態Bの濃度対時間のプロットである。
水、ならびにpH1.0、4.5、及び6.5の水性緩衝液中の37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態Bの濃度対時間のプロットである。
図38Bの拡大グラフであり、25℃及び37℃での水におけるIDR実験から得られたブリガチニブ形態Aの濃度対時間を示す。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
25℃及び37℃での水におけるIDR実験から得られたブリガチニブ形態Aの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
図39Bの拡大グラフであり、25℃及び37℃でのpH6.5の緩衝液におけるIDR実験から得られたブリガチニブ形態Aの濃度対時間を示す。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
25℃及び37℃でのpH6.5の緩衝液におけるIDR実験から得られたブリガチニブ形態Aの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
図40Bの拡大グラフであり、25℃及び37℃でのpH6.5の緩衝液におけるIDR実験から得られたブリガチニブ形態Bの濃度対時間を示す。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
25℃及び37℃でのpH6.5の緩衝液におけるIDR実験から得られたブリガチニブ形態Bの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
図41Bの拡大グラフであり、pH6.5の緩衝液中の25℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間を示す。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
pH6.5の緩衝液中の25℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
図42Bの拡大グラフであり、pH6.5の緩衝液中の37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間を示す。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
pH6.5の緩衝液中の37℃でのIDR実験から得られたブリガチニブ形態A及びBの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
37℃での水における溶解速度(IDR)実験から得られたブリガチニブ形態A及び形態Bの濃度対時間のプロットである。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
図43Aの拡大グラフであり、37℃での水における溶解速度(IDR)実験から得られたブリガチニブ形態A及び形態Bの濃度対時間のプロットを示す。濃度(mg/mL)が、縦軸上にプロットされ、時間(分)が、横軸上にプロットされる。
形態BのDVSプロットであり、95%RHでの質量の総増加量は、2.26個の水分子に対応した。
形態BのDVSプロットであり、85%RHでの質量の総増加量は、5.6個の水分子に対応した。
形態BのDVSプロットであり、95%RHでの質量の総増加量は、5.15個の水分子に対応した。
形態BのDVSプロットであり、95%RHでの質量の総増加量は、7.2個の水分子に対応した。
形態A、B、C、及びDのXRPDパターンのオーバーレイである。
形態A、B、C、D、E、F、G、H、及びJと混合されたAのXRPDパターンのオーバーレイである。
実験に基づく形態A、B、C、及びDに関する相互転換スキームである。破線ボックスは、30℃での湿度の増加が、形態Bの水和を引き起こして、形態Cへ、及び結果的に形態Dにすることを示す。変化は、湿度が低下すると可逆的になる。実線ボックスは、周囲湿度での温度の増加が、形態C及び形態Dの脱水を引き起こして、約150℃での固体−固体転移を介して形態B(約40℃)及び形態Aにすることを示す。これらの転換は、可逆的ではなく、形態Aは、温度が低下しても安定したままである。
ブリガチニブの種々の結晶形態が本明細書で開示される。本明細書で使用される場合、用語「結晶形態」、「多形形態」、及び「多形体」は互換的に使用され、ブリガチニブの固体形態を指し、これらは、ブリガチニブの非晶質形態、かつ例えば、動態及び/若しくは熱力学的安定性、ある特定の物理的パラメータ、X線結晶構造、DSC、ならびに/または調製プロセスなどのある特定の特性を根拠とするブリガチニブの他の固体形態(複数可)と区別される。化合物の多形形態は、例えば、安定性、溶解度、溶解速度、光学特性、融解点、化学反応性、機械的特性、蒸気圧、及び/または密度を含む、異なる化学的特性及び/または物理的特性を有し得る。これらの特性は、例えば、原薬及び医薬品を処理及び/若しくは製造する能力、安定性、溶解、ならびに/または生物学的利用能に影響を及ぼし得る。よって、多形性は、質、安全、及び/または効き目を含むが、これらに限定されない薬物の少なくとも1つの特性に影響を及ぼし得る。
多形性は通常、結晶化して1つを超える結晶形態(同一の化学構造を有する)になる化合物の能力を指すが、用語「擬多形」は典型的に、溶媒和化合物及び水和物の結晶形態に適用される。しかし、本開示の目的に関して、本来の多形体、ならびに擬多形体(すなわち、水和物及び溶媒和化合物形態)の両方は、用語「結晶形態」及び「多形形態」の範囲に含まれる。加えて、「非晶質」は、非結晶性固体状態を指す。
XRPDディフラクトグラムにおけるピーク(XRPD最大値)の角度は、多様性であり得るはずである。当業者は、例えば、±0.2°2θの差異または±0.3°2θの差異などの、2−θピーク位置における差異が観察され得ることを理解する。さらに、当業者は、ピークの相対強度(カウントで表される)が、例えば、好ましい配向に因り、試料間で異なる場合があることを認識するであろう。例えば、米国薬局方<941>X線回折を参照されたい。したがって、本明細書で開示される結晶形態は、ある特定の図に示されるようなX線粉末回折パターンを実質的に有し、例えば、形態A〜Hはそれぞれ、図2、14、18、19、及び21〜25に実質的に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。当然、当業者は、XRPD試料中の任意の追加の構成成分(複数可)が、試料に関して観察されるXRPDパターンにピークを寄与し得、ピークが、XRPD試料中のブリガチニブの結晶形態(複数可)の基になるピークを(部分的にまたは完全に)覆い得るかまたは重ね得ることを認識するであろう。
本明細書で使用される場合、用語「単離された」及び「実質的に純粋」は、(当技術分野による方法により判定され得るとき)試料中に存在するブリガチニブの50%超、例えば60%超、例えば70%超、例えば80%超、例えば85%超、例えば90%超、例えば95%超、例えば99%超、例えば99.5%超、例えば99.8%超など、または例えば99.9%超が、単一結晶形態であることを意味する。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、実質的に純粋な結晶性ブリガチニブ形態Aである。いくつかの実施形態において、(例えば、XPRD分析などの当技術分野による方法により判定され得るとき)ブリガチニブの実質的に純粋な結晶形態は、5%未満、例えば1%未満、例えば0.5%未満、例えば0.2%未満、または例えば0.1%未満のブリガチニブの任意の他の固体形態を含有する。
本明細書で使用される場合、ブリガチニブなどの化合物の化学純度に関して使用されるとき、「純粋」は、(当技術分野による方法により判定され得るとき)選択された材料中、例えば、APIの試料中に存在する全ての化学物質(複数可)の合計のうち90%超、例えば95%超、例えば99%超、例えば99.5%超、例えば99.8%超、または例えば99.9%超がブリガチニブ分子であることを意味する。
溶媒に対する以下の略語が、本明細書で使用され得る。
本明細書で使用され得る他の略語(アルファベット順)には、以下が含まれる。
投与が企図される「対象」には、ヒト(すなわち、任意の年齢層の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、幼児、子ども、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人));別の霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル);ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、及び/若しくはイヌが含まれるが、これらに限定されない哺乳類;ならびに/またはニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、及び/若しくはシチメンチョウが含まれるが、これらに限定されない鳥類が含まれるが、これらに限定されない。
Crystallics T2高処理XRPD装置を使用して、本明細書で開示されるXRPDパターンを得た。Hi−Star面検出器を備え付けたBruker GADDS回折計上に、プレートを取り付けた。長い面間隔dのためのベヘン酸銀及び短い面間隔dのためのコランダムを使用して、XRPD構築基盤を較正した。
データ収集を、1.5°〜41.5°の2θ領域で単色CuKα放射を使用して室温で行った。各ウェルの回折パターンを、各フレームに対して90秒の曝露時間で、2つの2θ範囲(第1のフレームに対しては、1.5°≦2θ≦21.5°、及び第2のフレームに対しては、19.5°≦2θ≦41.5°)で収集した。図のXRPDパターンには背景差分または曲線の平滑化を適用しなかった。
XRPD分析中に使用した担体材料は、X線に対して透明であった。
本明細書で開示される高解像度X線粉末回折パターンを、LynxEye固体検出器を備え付けたブラッグ−ブレンタノ配置のD8アドバンスシステムで収集した。データを収集するために使用された放射線は、ゲルマニウム結晶により単色化されたCuKα1(λ=1.54056Å)であった。パターンを、さらなるプロセスを行うことなく、0.016°2θの範囲のステップで4〜41.5°2θの範囲で収集した。全てのパターンを、室温、およそ295Kで得た。0.3mm直径のほう素ガラスキャピラリー内に材料を置いた。本明細書で開示される可変湿度及び可変温度実験に関して、ANSYCO HTチャンバーを使用した。チャンバー内部に取り付けられた固定試料ホルダー上に材料を置いた。湿度を局所的に適用し、10%〜80%(露点)に変化させた。温度変化速度は、10℃/分であった。
実験中に使用されたステップは、0.016、0.017、または0.064°2θ/秒であった。
本明細書で開示される融解特性を、DSCサーモグラムから得て、熱流DSC822e器具(Mettler−Toledo GmbH,Switzerland)で記録した。DSC822eを、小さなインジウム片(m.p.=156.6℃、□Hf=28.45J.g−1)を用いて、温度及びエンタルピーに関して較正した。標準的な40μLのアルミニウム製鍋内に試料を密封し、針穴を開けて、10℃分−1の加熱速度で、25℃から300℃にDSC内で加熱した。50mL分−1の流速で測定中にDSC機器をパージするために、乾燥N2ガスを使用した。
本明細書で開示される種々の結晶試料からの、溶媒に因る質量損失または水損をTGA/SDTAにより判定した。TGA/SDTA851e器具(Mettler−Toledo GmbH,Switzerland)内で加熱する間、試料重量を監視すると、重量対温度の曲線をもたらした。TGA/SDTA851eを、インジウム及びアルミニウムを用いて温度に関して較正した。試料を計量して100μLのアルミニウム製るつぼ内に入れ、密封した。密封物に針穴を開けて、るつぼを10℃分−1の加熱速度で25℃から300℃にTGA内で加熱した。パージのために乾燥N2ガスを使用した。
TGA試料から発生したガスを、0〜200amuの範囲で質量を分析する四重極質量分析計Omnistar GSD 301 T2(Pfeiffer Vacuum GmbH,Germany)により分析した。
本明細書で開示されるデジタル画像は、Avantium Photosliderソフトウェアにより制御されたPhilips PCVC 840K CCDカメラを利用して、自動的に各ウェルプレートの全てのウェルに対して収集された。
本明細書で開示されるHPLC分析を、以下に提示される条件に従って、UV及びMS検出器を備え付けたAgilent 1200SL HPLCシステムを使用して実施した。
本明細書で開示される化合物完全性は、各ピーク(注入に因るピーク以外)に対する「ピーク領域%」として表され、以下の通り、クロマトグラムで各ピークの領域(「ピーク領域」)を合計ピーク領域(「合計領域」)で除算して、100%を乗算することにより計算される。
目的の化合物のピーク領域パーセンテージは、試料中の構成成分の純度の示度として利用され得る。
本明細書で開示される質量スペクトロメトリを、Finniganイオントラップ質量分析計モデルLTQ XLを使用して実施した。雰囲気圧エレクトロスプレーイオン化(ESI)プローブ中に注射ポンプを通して試料を注いだ。衝突活性化を使用してイオンの断片化を達成し、質量スペクトルデータをフルスキャン(MS1)、及び複数のレベルのMSモード(MS2及びMS3)で収集した。生成物イオンの構造を、確立された断片化ルールを使用し、かつMass Frontierソフトウェア(High Chem Ltd.,Slovak Republic,バージョン5.1.0.3)の使用により推測した。
I.ブリガチニブの多形形態
本明細書で開示される分析により、ブリガチニブの10個の多形形態が特定された。10個の新しい多形形態は、本明細書で形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、形態F、形態G、形態H、形態J、及び形態Kと称される。概して、ブリガチニブの結晶形態は、非晶質ブリガチニブと比較して、固体剤形の市販調製物にとって有利である物理的特性(高安定性など)を有する。結晶性ブリガチニブと非晶質ブリガチニブとの区別は、本明細書で開示されるブリガチニブの個別の結晶形態を区別するために使用されるのと同じ種類の物理的化学データ(例えば、DSC、XRPD、熱分析)で容易に見られ得る。
形態A:
形態Aは、本明細書で開示される実験で特定された主な結晶形態であった。形態Aは、例えば、結晶化温度を60℃に上昇させること及び低速でNaOH溶液を添加することにより、図1に示されるブリガチニブの合成における最終の合成ステップから得ることができる。形態Aは、無水性であり、吸湿性ではない。形態Aは、本明細書で開示されるように、溶媒媒介若しくは固体−固体転移を介して、または高温、高湿度、機械的圧力、若しくは研削への曝露により他の形態に転換しなかった。
形態Aの化学及び結晶構造は、核磁気共鳴分光法(NMR)と質量スペクトロメトリ(MS)とX線粉末回折(XRPD)との組み合わせ、元素分析(EA)からの確認的データを用いた単一結晶X線結晶解析法、ならびにフーリエ変換赤外(FT−IR)分光法により明確に確立されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Aに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Aに関し、ここで、ブリガチニブの結晶形態Aは実質的に純粋である。いくつかの実施形態において、結晶形態Aは、無水である。
形態Aの試料を、X線粉末回折(XRPD)により分析した。いくつかの実施形態において、本開示は、図2に実質的に示されるようなx線粉末回折パターンを有する結晶形態Aに関する。
いくつかの実施形態において、結晶形態AのXRPDパターンは、6.1、8.6、9.6、10.8、11.3、13.5、14.3、15.9、17.2、18.9、19.4、20.1、21.8、22.6、23.1、23.9、及び27.7から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、または少なくとも17個のピークを有する。前述されるように、いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態AのXRPDパターンは、6.1、8.58、9.58、10.78、11.34、13.46、14.34、15.9、17.22、18.86、19.38、20.1、21.82、22.58、23.14、23.86、及び27.66から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、または少なくとも17個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、9.6、17.2、19.4、20.1、23.1、及び27.7から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個のピークを有するX線粉末回折パターンを有する結晶形態Aに関する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、9.58、17.22、19.38、20.1、23.14、及び27.66から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも6個のピークを有するX線粉末回折パターンを有する結晶形態Aに関する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
形態Aを用いた示差蒸気吸着(DVS)実験において、試料をまず、0%RHで6時間乾燥させた。次いで、相対湿度を、各ステップ60分の保持時間で、5%〜95%RH(吸着)で循環させ、次いで、25℃の一定温度で5%RH(脱着)にした。図3に示されるように、これらの結果は、形態Aが吸湿性でないことを証明する。
図4に関して、形態Aの融解点を、示差走査熱量測定(DSC)により判定した。形態Aの試料を、10℃/分の加熱速度での25℃〜300℃の温度範囲において、針穴が開けられた40μLのアルミニウム製鍋内で分析した。214.5℃での吸熱ピークが観察された。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、214.5℃の開始融解温度を有する結晶形態Aに関する。いくつかの実施形態において、結晶形態Aの開始融解温度は、214℃である。いくつかの実施形態において、結晶形態Aの開始融解温度は、215℃である。
図5に関して、熱重量分析/単一示差熱分析(TGA/SDTA)及び熱重量質量スペクトロメトリ(TGMS)を、形態Aで実施した。針穴が開けられたるつぼ内に含有された試料を、10℃分−1の加熱速度で25℃から300℃にTGA器具内で加熱し、パージのために乾燥N2ガスを使用した。TGAから発生したガスを、四重極質量分析計を使用して分析した。TGA/TGMS実験は、0.23%(水)の質量損失が、30℃〜100℃yの温度範囲にわたって観察されたことを示した。
水素、炭素、窒素、塩素、亜リン酸、及び酸素に関して、元素分析を形態Aの試料で実施した。結果は、表1に示され、ブリガチニブの分子式を、C
29H
40ClN
7O
2Pとして確認する。決定された元素組成は、ブリガチニブの分子式と一致する。
表1:元素分析結果
溶液相NMR研究を形態Aで実施して、1H、13C、及び31P共鳴の完全帰属を得て、ブリガチニブの化学式を確認した。1H NMR分析を、CD3OD溶媒中で溶解された形態Aの試料で実施し、一方で、13C NMR分析を、CDCl3溶媒中で溶解された形態Aの試料で実施した。図6は、形態Aの1D1H−NMRスペクトルを提供する。図73は、形態Aの1D13C−NMRスペクトルを示す。
表2は、
1H−NMR実験及び
13C−NMR実験から得られた形態Aの関連化学シフトデータを要約する。信号の数及びそれらの相対強度(積分)は、ブリガチニブの形態Aの構造中のプロトン及び炭素の数を確認する。ブリガチニブ中の単一亜リン酸原子に関する
31P−NMR化学シフトは、43.6ppmであった。これらの
1H及び
13C−NMR化学シフトデータは、真下に示される原子番号付けスキームに従って報告される。
表2:ブリガチニブの形態Aの
1H及び
13C化学シフトデータ(ppm)
図8に関して、形態Aの質量スペクトル実験を、流体圧入試料導入を使用して、陽性イオンモードで動作する飛行時間質量分析計(Model 6210)のAgilientエレクトロスプレー時間を使用して行った。形態Aの試料をメタノール/水中で溶解して分析し、観察された質量は、m/z 584.263(M+H+)であり、計算された正確な質量は、584.2664(M+H+)であった。観察された分子質量は、ブリガチニブの分子式から計算された元素組成と一致する。
上述されるFinniganイオントラップ質量分析計を使用して、イオンの断片化を、衝突活性化を使用して達成し、図9に示されるように、質量スペクトルデータをフルスキャン(MS1)、及び複数のレベルのMSモード(MS2及びMS3)で収集した。生成物イオンの構造を、表3に示されるように、確立された断片化ルールを使用し、かつMass Frontierソフトウェア(High Chem Ltd.,Slovak Republic,バージョン5.1.0.3)の使用により推測した。表4に示されるように、重要な生成物イオンの推定構造は、ブリガチニブの構造と一致した。
表3:ブリガチニブの質量スペクトル生成物イオン
表4:ブリガチニブの生成物イオンの質量スペクトルデータ
ブリガチニブの形態Aの結晶構造を解析するために、単一結晶X線回折を利用した。ブリガチニブ形態Aの結晶はMeOH−トルエンから得られ、形態Aのブリガチニブの構造は図10に示され、結晶学的パラメータは表5に要約される。構造は、水素結合二量体から構成される。この構造溶液に基づいて、形態Aが非溶媒和化合物であることが判定された。結晶におけるいくつかの障害は、ブリガチニブの末端N−メチルピペリジン部分に関連する。
表5:ブリガチニブ形態Aに関する結晶データ及び構造精密化
ブリガチニブ形態Aの透過率%FT−IRスペクトルは、表6で提供された選択されたIR帯帰属の要約とともに、表6に示される。臭化カリウム塩プレート内の形態Aの試料に関して、データを収集した。
表6:ブリガチニブの選択されたIR帯帰属
いくつかの実施形態において、本開示は、以下の周波数帯域のうちのいずれか少なくとも1つを有するFT−IRスペクトルを有する結晶形態Aに関する。
形態B:
形態Bは、吸湿性である。形態Bは、例えば、水和物形態C及びDの脱水から間接的に得ることができる。形態A、B、及びCの混合物は、水を溶媒として使用する、固体上への蒸気拡散により形成し得る。本明細書で開示される直接結晶化実験のどれも、形態Bをもたらさなかった。
形態Bは、例えば、湿度レベル(例えば、30℃で60%RH)に応じて水和物形態C及びDに転換し得る。その転換は、可逆的であると判定された。形態Bは、XRPDを根拠とするように、固体−固体転移を介して約150℃で形態Aに非可逆的に転換する。形態Bはまた、高温、例えば、少なくとも37℃での水性培養液中でスラリー化すると、形態Aに形質転換する。形態Bの溶解度は、形態Bが形態D及び/若しくはC(25℃)、または形態A(37℃)に転換したときスラリーを介しては判定され得なかった。
図11に示されるDSCサーモグラムにおいて、試料中に存在する少量の形態Cの水損失に対応するわずかな吸熱が最大およそ50℃までに観察された。その後、形態Bは、固体−固体転移(171.8℃に示される発熱)により形態Aに形質転換し、次いで、融解した(214.3℃に示される吸熱)。形態BにおけるVT−XRPD実験により、その継続的な事象を確認した。
形態Bを使用して2つの環状DSC実験を実施した。第1の実験において、図12に示されるように、温度を10℃/分で190℃に上昇させ、その後、10℃/分で25℃に低下させた。図12において、70℃周辺での吸熱は、少量の形態Cの存在及びその水損失に起因すると言える。161℃での発熱は、形態Aへの形態Bの固体−固体形質転換に起因すると言える。固体のXRPD分析は、環状DSC実験の最後で固体が形態Aに形質転換したことを確認した。
第2の環状DSC実験を、以下の熱プロファイルを用いて実施した:10℃/分で190℃に加熱、10℃/分で25℃に冷却、10℃/分で300℃に第2の加熱。得られたサーモグラムは、図13に示される。上部のサーモグラムは、対時間でプロットされており、下部のサーモグラムは、対温度でプロットされている。第1の加熱及び冷却区分に関して、挙動は、第1の環状DSC実験に関して上述された通りであった。第2の加熱の際、形態Aの融解のみが、Tピーク=214.0℃で観察された。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Bに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Bに関し、ここで、ブリガチニブの結晶形態Bは、実質的に純粋である。
X線粉末回折(XRPD)により、形態Bの試料を分析した。いくつかの実施形態において、本開示は、図14に実質的に示されるようなx線粉末回折パターンを有する結晶形態Bに関する。
いくつかの実施形態において、結晶形態BのXRPDパターンは、5.7、9.2、11.5、12.8、14.5、15.5、16.9、17.7、19.2、20.4、21.8、23.2、及び29.5から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、または少なくとも13個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態BのXRPDパターンは、5.74、9.22、11.46、12.82、14.5、15.46、16.94、17.66、19.22、20.38、21.78、23.18、及び29.54から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、または少なくとも13個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、11.5、14.5、16.9、19.2、及び23.2から選択される2θ度で表される少なくとも2つのピークを有するx線粉末回折パターンを有する結晶形態Aに関する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、11.46、14.5、16.94、19.22、及び23.18から選択される2θ度で表される少なくとも2つのピークを有するx線粉末回折パターンを有する結晶形態Aに関する。ある特定の実施形態において、いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
形態C:
形態Cは、例えば、七水和物形態Dの部分的な脱水から、または形態Bの水和により得ることができる。形態Cは、30℃で25%RH未満の相対湿度レベルに曝露されると脱水して形態Bになる水和物である。形態Cは、30℃で90%RHに曝露されると形態Dに転換する。これらの転換は、履歴現象で可逆的である。温度が周囲湿度で増加すると、形態Cは、脱水して形態Bになり、これは、XRPDにより測定すると、固体−固体転移を介して形態Aに非可逆的に転換する。本明細書に記載されるような直接結晶化実験は、形態Cをもたらさなかった。
図15のDSCサーモグラムは、固体形態が形態Bに転換させられた水損失(TGMSにより確認された)に対応する吸熱を示す。形態Bは、固体−固体転移(159.6℃での発熱)により形態Aに転換し、次に融解した(214.3℃での吸熱)。形態CにおけるVT−XRPD実験により、その継続的な事象を確認した。
形態Cの異なる試料からの2つのTGMSサーモグラムは、図16A/B及び図17A/Bに示され、各々は、上部にTGA/SDTAプロット及び下部にTGMSプロットを含む。これらのサーモグラムはそれぞれ、4.25%及び6.14%の水質量損失を示す。対応する水分子の数は、1.44及び2.12であり、2の水和度を呈する。
形態Cは、水を溶媒として使用する、固体上への蒸気拡散により、形態A、B、及びCの混合物として得ることができる。形態AとCとの混合物は、溶媒系としてアセトン/水(50/50)、水/メタノール(50/50)、及び水/1,4−ジオキサン(50/50)のうちいずれか1つを使用して、熱ろ過を用いる冷却結晶化することにより得ることができる。形態Cの形成の別の方法は、アセトン/水(50/50)溶媒からの蒸発である。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Cに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Cに関し、ここで、ブリガチニブの結晶形態Cは、実質的に純粋である。
X線粉末回折(XRPD)により、形態Cの試料を分析した。いくつかの実施形態において、本開示は、図18に実質的に示されるようなx線粉末回折パターンを有する結晶形態Cに関する。
いくつかの実施形態において、結晶形態CのXRPDパターンは、2.1、2.5、5.4、9.9、10.9、12.9、14.9、15.9、16.6、17.3、17.9、19.2、20.6、23.9、26.8、及び27.4から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個のピークを有する。前述されるように、いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態CのXRPDパターンは、2.1、2.54、5.42、9.9、10.9、12.86、14.86、15.94、16.62、17.26、17.9、19.18、20.58、23.94、26.82、及び27.42から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個のピークを有する。
いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態CのXRPDパターンは、5.4、14.9、15.9、17.3、19.2、及び23.9から選択される2θ度で表され少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
形態D:
形態Dは、メトノール(methonal)を溶媒として及び水を逆溶媒として用いた結晶化から直接的に得ることができる七水和物である。形態Dは、水性培養液中でスラリーになり、高い相対湿度(30℃で90%以上)に曝露されると、形態Cを介して形態Bからも得ることができる。形態Dは、30℃での約80%RHで脱水して(部分的に)形態Cになる。温度が周囲湿度で増加すると、形態Dは脱水して、XRPDにより測定すると形態Cになる。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Dに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Dに関し、ここで、ブリガチニブの結晶形態Dは、実質的に純粋である。
X線粉末回折(XRPD)により、形態Dの試料を分析した。いくつかの実施形態において、本開示は、図19に実質的に示されるようなx線粉末回折パターンを有する結晶形態Dに関する。
いくつかの実施形態において、結晶形態DのXRPDパターンは、4.7、9.2、9.7、11.1、14.5、17.4、18.9、22.4、及び23.7から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個のピークを有する。前述されるように、いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態DのXRPDパターンは、4.66、9.22、9.74、11.06、14.54、17.38、18.94、22.42、及び23.66から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個のピークを有する。前述されるように、いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態DのXRPDパターンは、9.7、11.1、17.4、18.9、及び23.7から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個のピークを有する。前述されるように、いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態DのXRPDパターンは、9.74、11.06、17.38、18.94、及び23.66から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
形態A〜Dの転換:
形態Aが得られると、本明細書で開示される従来の方法がこの形態を別の形態に転換しないことが分かった。しかし、形態B、C、及びDの全ては、温度及び相対湿度条件に応じて相互転換した。
破線ボックスは、30℃での湿度の増加が、形態Bの水和を引き起こして、形態Cへ、及び結果的に形態Dにすることを示す。変化は、湿度が低下すると可逆的になり、履歴現象で発生した:形態Bは、約65%RHで形態Cに転換し、一方で形態Cは、25%RHで脱水して形態Bになった。同様に、形態Cは、約90%RHで形態Dに転換し、一方で形態Dは、80%RHで部分的に脱水して形態Cになった。
周囲湿度での温度の増加は、形態C及びDの脱水を引き起こして、約150℃での固体−固体転移を介して無水物形態B(約40℃)及び形態Aにする。これらの転換は、可逆的ではなく、形態Aは、温度が低下しても安定したままであった。
熱安定性及び水分下での安定性を、50℃、75℃(形態Aに対して)、及び40℃/75%の相対湿度(形態A及びBの両方に対して)で、最大5週間の保管後に査定した。この期間において、試料を、以下の通りXRPD及びHPLCにより分析した:1日、3日、1週間、2週間、3週間、4週間、及び5週間後。形態Aは、全ての試験条件下で物理的及び化学的に安定していた。しかし、形態Bは、気候チャンバー内で1日後に水和物形態Cに転換し、その後、形態Aに(部分的に)転換した(最大3週間のデータ)。
形態E:
形態Eは、クロロホルムからのフリーズドライから得ることができ、クロロホルム溶媒和化合物である。形態Eは、クロロホルムを用いたスラリー化により、形態Aとの混合物としても得ることができる。周囲温度で数週間後、XRPDにより測定すると、形態Eは形態Aに戻っていることがある。TGA/SDTAによる分析(図20A)は、ブリガチニブ分子当たり1.5クロロホルム分子に対応する、40〜120℃の温度範囲における23.4%の質量損失を示した。SDTA信号及び示された融解点によると、脱溶媒和すると発生する固体は、形態Aである。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Eに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Eに関し、ここで、ブリガチニブの結晶形態Eは、実質的に純粋である。
形態Eの試料を、X線粉末回折(XRPD)により分析した。いくつかの実施形態において、本開示は、図21に実質的に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶形態Eに関する。
いくつかの実施形態において、結晶形態EのXRPDパターンは、9.1、10.2、11.2、12.0、13.7、14.4、15.8、16.5、17.4、18.3、19.2、21.6、22.3、23.1、23.9、26.0、26.4、25.8、及び29.3から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態EのXRPDパターンは、9.06、10.22、11.18、11.98、13.66、14.42、15.82、16.54、17.42、18.34、19.22、21.62、22.3、23.14、23.9、26.02、26.42、25.78、及び29.34から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態EのXRPDパターンは、9.1、10.2、15.8、19.2、及び23.9から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態EのXRPDパターンは、9.06、10.22、15.82、19.22、及び23.9から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
形態F:
形態Fは、TFE/水を使用するフリーズドライ実験から得られ、TFE溶媒和化合物である。XRPDにより測定すると、形態Fは、加熱または周囲条件での8週間の保管により、脱溶媒和して形態Aになる。TGA/SDTAによる分析(図22)は、ブリガチニブ分子当たり1.24トリフルオロエタノール分子に対応する、40〜160℃の温度範囲における17.5%%の質量損失を示した。SDTA信号及び示された融解点によると、脱溶媒和すると発生する固体は、形態Aである。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Fに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Fに関し、ここで、ブリガチニブの結晶形態Fは、実質的に純粋である。
X線粉末回折(XRPD)により、形態Fの試料を分析した。いくつかの実施形態において、本開示は、図22に実質的に示されるようなx線粉末回折パターンを有する結晶形態Fに関する。
いくつかの実施形態において、結晶形態FのXRPDパターンは、8.5、9.8、11.1、16.3、17.0、17.6、18.7、19.4、20.3、22.0、23.2、23.9、及び27.1から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態FのXRPDパターンは、8.46、9.78、11.14、16.34、17.02、17.58、18.74、19.38、20.34、22.02、23.22、23.86、及び27.1から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態FのXRPDパターンは、9.8、17.0、19.4、20.3、及び27.1から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態FのXRPDパターンは、9.78、17.02、19.38、20.34、及び27.1から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
形態G:
形態Gは、クロロホルムを溶媒として及びアセトニトリルを逆溶媒として用いた急速結晶化実験から得られた。形態Aとの混合物の形態Gは、クロロホルムを使用する2つの他の実験(逆溶媒添加及び熱サイクル)からも得られた。測定プレートを周囲条件で5週間保管した後形態GをXRPDにより再測定すると、形態Gが形態Aに形質転換したことを示した。形態Gは、不安定形態であり得、例えば、クロロホルム溶媒和化合物であり得、これは、周囲条件で保管されると脱溶媒和し、形態Aに転換する。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Gに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Gに関し、ここで、ブリガチニブの結晶形態Gは、実質的に純粋である。
X線粉末回折(XRPD)により、形態Gの試料を分析した。いくつかの実施形態において、本開示は、図24に実質的に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶形態Gに関する。
いくつかの実施形態において、結晶形態GのXRPDパターンは、7.2、8.3、9.7、10.4、12.9、15.8、18.1、18.7、20.7、21.5、22.8、23.5、24.5、及び26.8から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態GのXRPDパターンは、7.22、8.34、9.7、10.38、12.86、15.78、18.1、18.7、20.74、21.46、22.82、23.54、24.5、及び26.82から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態GのXRPDパターンは、8.3、9.7、12.9、15.8、18.1、20.7、22.8、及び26.8から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態GのXRPDパターンは、8.34、9.7、12.86、15.78、18.1、20.74、22.82、及び26.82から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
形態H:
形態Hは、例えば、エタノール/水、1,4ジオキサン/水、メタノール、メタノール/クロロホルム、及びメタノール/アセトニトリルなどの様々な溶媒から冷却蒸発方法により、純粋形態としてまたは形態Aとの混合物として得ることができる。形態Hは、メタノール、エタノールなどの低分子アルコール、及び1,4−ジオキサンを含む、溶媒和化合物であり得る。周囲条件で1〜3週間保管した後にXRPDにより判定すると、形態Hは形態Aに部分的に形質転換していた。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Hに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの結晶形態Hに関し、ここで、ブリガチニブの結晶形態Hは、実質的に純粋である。
X線粉末回折(XRPD)により、形態Hの試料を分析した。いくつかの実施形態において、本開示は、図25に実質的に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶形態Hに関する。
いくつかの実施形態において、結晶形態HのXRPDパターンは、4.2、5.2、8.4、10.9、12.7、15.0、15.7、16.5、17.2、18.4、19.5、及び21.3から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態HのXRPDパターンは、4.22、5.22、8.38、10.86、12.66、14.98、15.74、16.5、17.18、18.42、19.5、及び21.3から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態HのXRPDパターンは、4.2、5.2、8.4、10.9、12.7、及び21.3から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.3°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
いくつかの実施形態において、結晶形態HのXRPDパターンは、4.22、5.22、8.38、10.86、12.66、及び21.30から選択される2θ度で表される少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個のピークを有する。いくつかの実施形態において、±0.30°2θの差異は、1つ以上の2−θピーク位置で観察され得る。
形態J:
形態Jは、μL規模での冷却蒸発実験の2−メトキシエタノールから形態Aとの混合物として得られた。測定プレートを周囲条件で3週間保管した後にXRPDにより形態A+Jの混合物を再測定すると、材料がなおも形態A+Jの混合物であったことを示したが、形態Aの構成成分の方が、明らかにより大きかった。
X線粉末回折(XRPD)により、形態Aと形態Jとの混合物を分析し、パターンを図26に示す。XRPDパターンは、形態A+Jに関して示される2θ度における以下のピーク、5.3、7.6、11.2、17.6、18.5、19.8、及び21.3のうちの少なくとも1つまたは全てを有する。ある特定の実施形態において、形態A+Jの混合物は、2シータ度(2θ)における以下のピーク、7.6、17.6、及び21.3のうちの1つ以上を含むXRPDパターンを特徴とする。ある特定の実施形態において、形態A+Jの混合物のXRPDパターンは、上に列挙されるピークのうちの2つのピークまたは3つのピークを有し得る。
形態K及びL:
形態K及びLは、形態Aとの混合物として得られ、それらのXRPDパターンは、形態Aのものとほんのわずかな違いを呈する。形態Kは、μL規模での冷却蒸発実験のTHF/NMP混合物から形態Aとの混合物として得られた。測定プレートを周囲条件で3週間保管した後にXRPDにより形態A+Kの混合物を再測定すると、材料がなおも形態A+Kの混合物であったことを示した。
形態Lは、n−ヘプタン、ヘキサン、またはメチルシクロヘキサンを用いたスラリー実験から形態Aとの混合物としても得られる。測定プレートを周囲条件で3週間保管した後にXRPDにより混合物A+Lを再測定すると、固体がなおもA+Lの混合物であったことを示した。
図27A及び27Bは、混合物A+K及びA+Lに関して観察されるXRPDパターンを示す。マーカーは、追加の強度ピークが現れる2θ位置を示す。形態Kに関して、上述されるような、形態Aにとって追加であるピークには、2シータ度(2θ)で5.5、7.7、及び12.3が含まれる。形態Lに関して、上述されるような、2シータ度(2θ)で、形態Aにとって追加であるピーク:18.2。ある特定の実施形態において、形態Kまたは形態LのXRPDパターンは、上に列挙されるピークのうちの2つのピークまたは3つのピークを示し得る。
ブリガチニブの非晶質形態
非晶質ブリガチニブを得るために、研削実験を実施した。形態Aの試料を30及び60分間研削した後、XRPD研究は、図28に示されるように非晶質含有量の増加を示した。HPLCにより純度を査定し、研削プロセスの間、化学変質が発生しなかったことを確認した。研削による機械的ストレス試験において、形態Aの試料を、2、3、4、及び5時間磨砕した。XRPD及びHPLCにより、回収した固体を分析した。5時間で、試料はほぼ完全に非晶質になった。
II.ブリガチニブの多形形態を特定する実験
ブリガチニブの多形形態を特定するための最初の取り組みを二段階に分割した。段階1は、開始材料の特徴付け、実現可能性試験、溶解度研究、圧縮研究、及び固有溶解速度を含み、段階2の溶媒選択のためのデータを提供した。段階2は、ミリリットル(mL)及びマイクロリットル(μL)規模での多形体選別実験を含んだ。これらの取り組みは、10個の多形形態:形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、形態F、形態G、形態H、形態J、及び形態Kの特定をもたらした。
段階1:開始材料の特徴付け
開始材料であるブリガチニブは、灰白色の固体として提供され、その化学純度は、HPLCにより99.9%と査定された。質量スペクトルデータは、ブリガチニブの分子量が584g/molであることを確認した。TGA及びTGMS分析は、30℃〜100℃の温度間隔における0.23%の質量損失(形態Aの分子当たり約0.08個の水分子に対応する)を示した。DSC分析は、化合物、ブリガチニブの融解に関する、Tピーク=214.5℃を有する吸熱事象を示した。電量カールフィッシャー方法により、形態Aの水含有量を判定した。2つの決定基からの平均水含有量が、0.32%であることが分かった。ブリガチニブ形態A中の代表的な残留重金属を、ICP−MSにより判定した。検出された元素には、カドミウム(0.02ppm)、銅(0.14ppm)、モリブデン(0.10ppm)、パラジウム(0.087ppm)、及び銀(0.03ppm)が含まれた。以下の金属、アンチモン、ヒ素、ビスマス、鉛、水銀、及び錫は、検出されなかった。
NaOH添加速度及び結晶化温度の、単離された結晶形態への影響を調査するために、NaOH滴定実験を実施した。ブリガチニブ形態Aの保存溶液を、形態Aを450mg計量すること、及び10分間、9mLの水中でスラリー化することにより調製した。4.5mLの量の1M HClを添加して、ブリガチニブを溶解した(最終のAPI濃度、33.3mg/mL)。各実験に関して、3mLの保存溶液を、滴定装置(Titrino)に接続する撹拌棒、pHプローブ、及び管材料を含む8mLのバイアル中に添加した。バイアルを結晶体内に置き、NaOH滴定開始前の温度にした。3mLの0.1M NaOH溶液の体積を既定の速度で滴定した。実験中に500rpmでの底部撹拌を適用した。滴定中に茶色の固体が現れたが、撹拌(10分)するとピンク色に変化した。その後、全ての固体を遠心分離により溶液から分離し、5mLの水で2回洗浄し、次いで、乾燥させた。
4つのセットのNaOH添加速度(mL/分)及び温度℃条件を評価した:25℃で0.02mL/分、60℃で20mL/分、25℃で0.05mL/分、及び60℃で20mL/分。60℃でプロセスを発生させ、緩慢なNaOH添加が適用されるとき、水性培養液から形態Aの直接形成が可能になる。高速でのNaOH添加により、25℃では、形態Aと七水和物形態Dとの混合物がもたらされ、それによる結晶化はNaOH添加速度とは関係なく七水和物であった。
段階1:溶解度研究
定量的溶解度試験を、24個の溶媒群を利用して(DMSO、ヘプタン、及び水を三連で実施した)、ブリガチニブ開始材料で実施した。約40mgの開始材料、400μLの溶媒、及び撹拌棒をバイアル中に添加した。20℃で24時間24時間撹拌した後、液体を、回収し、ろ過し、HPLCによりAPI含有量に関して分析した。残留固体をXRPDにより特徴付けると、形態Aであることが分かった。結果は、表7に要約される。
表7:ブリガチニブの溶解度
1試料は、24時間の平衡化時間後に溶解され、固体は、採取されなかった。
2この範囲の下、次いで、検出リミットを低下させると、濃度は、0.22mg/mLより低くなる。
3フリーズドライ実験から得られたデータ
形態Aの溶解度は疑似胃液中でも評価され、52mg/mlであることが観察された。37℃での水性緩衝液中で、形態Aの溶解度が、70mg/mL(pH1.0において)、26mg/mL(pH4.5において)、及び6mg/mL(pH6.5において)であることが観察された。
第2の溶解度研究において、形態A及びBの溶解度を、25℃及び37℃での水、37℃でのpH1.0の緩衝液(0.1N HCl)、pH4.5の酢酸緩衝液、pH6.5のリン酸緩衝液、ならびに疑似胃液SGFにおいて三連で判定した。各培養液に関して、標準的な1.8mLのねじ蓋バイアルを、およそ40mgの開始材料、400μlの溶媒、及び磁気撹拌棒(クロロホルム及びジクロロメタン200μlの溶媒が使用された場合)で満たした。その後、バイアルを閉めて、対応する温度で24時間、撹拌しながら平衡させた。液体部分を注射器で回収し、ろ過し(0.5マイクロンのろ過器)、単離された母液を較正曲線に従って選択された2つの希釈度に希釈した。HPLC分析(DAD)により、希釈された溶液中のAPIの量を判定した。50%水/50%アセトニトリル/0.1%TFA中の化合物、ブリガチニブの2つの独立して調製された保存溶液から、較正曲線を得た。その後、分離された固体の湿性をXRPDにより測定し、その固体形態を確認し、その溶解度を測定した。
表8において、分離されたスラリーの固体形態が列挙される。形態Aは全ての培養液中で安定したままであったが、一方で、形態Bは、25℃での実験において水和物形態D及び/またはCに、ならびに37℃での実験において形態Aに転換した。後者の温度及び水中において、形態Bは、残りの培養液のようにAではなく水和物C及びDに転換した。形態Bの溶解度は、それが他の固体形態に転換したため測定することができなかった。同じ表に示される平均溶解度値は、最初に置いた形態Bが形質転換した固体形態を指す。それゆえ、形態Bの溶解度を測定することは不可能であったが、形態C(及びC+D)のものは可能であった。溶解度値は、図29にプロットされる。溶解度は、塩基性培養液と比較して酸性培養液中で大きかった。
表8.溶解度研究結果で達成された形態
第3の溶解度研究において、形態Aを、表9に示されるように異なる緩衝液溶液中で測定した。
表9:緩衝液中の形態Aの溶解度測定
段階1:実現可能性研究
段階2の研究の一部のいくつかの結晶化技法において利用できた非晶質開始材料の取得を試みるために、実現可能性試験を実施した。2つの技法、すなわち、研削及びフリーズドライを利用した。結果は、以下に提示される。
研削。2つの研削実験を、30Hzの周波数での2つの異なる期間(30及び60分)において形態Aの試料で実施した。それらの非晶質含有量は時間と共に増加したが、それらの純度は約100%に安定していた。研削実験による機械的ストレスも、2、3、4、及び5時間の研削時間で実施した。同様に、アモルファウス含有量は、化学純度が変質することなく増加した。
フリーズドライ。表10に記載されるように、形態Aの試料を用いて、6つのフリーズドライ実験を実施した。試料1、2、及び4はほとんど結晶性のままであったが、試料3及び5は非晶質であり、約15〜16%の残留溶媒を含有した。試料6は非晶質であり、約7%の残留溶媒を含有した。この方法を使用して、形態E及びFを生成した。しかし、可変形態及び溶媒和作用に因り、非晶質ブリガチニブを得るためにフリーズドライをさらに利用しなかった。
表10:ブリガチニブ形態Aのフリーズドライ実現可能性研究
段階1:圧縮
圧力誘起相の形質転換または結晶化度の損失が発生したかを判定するために、ブリガチニブ形態Aにおいて圧縮試験を実施した。使用したプレス器は、Atlas Manual 25 Ton Hydraulic Press(SPECACから)であった。実験を、3及び6トン/cm2で、各事例において1分間行った。圧下された固体をXRPDにより測定すると、相転移またはXRPDパターンのピークシフトは示されなかった。圧縮試験にかけられた2つの試料のHPLCによる純度は、両方ともに開始材料のものと比較可能であると判定された。
段階1:固有溶解速度
固有溶解速度(IDR)を測定するために、小型IDR圧縮システム(pION/Heath Scientific)を使用して、開始材料を錠剤状にした。錠剤の調製に関して、およそ11mgの材料を、0.072cm2の曝露領域を有する不動態化ステンレス鋼ダイの円筒孔に、均一で平らな表面になるように圧下した。適用した圧力は、およそ50バールで、3〜5分間であった。試料ダイを、底に埋め込み型磁気撹拌棒を収容する円筒状のテフロン回転円盤搬送機中に挿入した。ダイ/撹拌機組立体を平らな底部のガラスバイアル内に置き、溶解分析の準備を整えた。
溶解速度を20mLの溶媒(培養液)中で測定し、UV計測器のパス長は、2mmであった。測定中に適用した撹拌スピードは、100rpmであった。20℃及び37℃で測定を実施した。
粉末状の試料から溶解速度を判定するために、およそ5mgのブリガチニブ(形態AまたはB)を計量して5mLの溶解バイアル中に入れ、溶解プローブをバイアル中に挿入した。その後、測定を開始するのと同時に、4mLの水を添加した。濃度を20時間記録した。
第1のシリーズにおいて、形態A及びBのIDRを一連で判定した。測定を、25℃及び37℃での水、pH1.0(0.1N HCl)の緩衝液、pH6.8のリン酸緩衝液、及び疑似胃液SGF中で行った。図30〜37において、IDRは、形態と同じ培養液との間または種々の培養液と同じ形態との間の比較のためにプロットされる。種々の培養液中の形態A及びBの各々のIDRは、酸性培養液の増加と共に増加する(図34〜37を参照されたい)。
pH1.0及びSGF中の形態Aの固有溶解速度測定は、5分以内におよそ0.25mg/mlの濃度に達することができたことを示す。これは、胃の中で、200mlの水と共に、約50mgの形態Aが溶解されたことを示す(数字は例示のみである)。
さらに、IDR実験は、形態Aが水、SGF、及びpH1.0の水性緩衝液中でスラリー化するとき安定したままであることを示す。それらの結果に基づいて、胃の中では転換が起こっていないことが予想されるであろう。
複数の事例において、結果は、反直感的であった。これらの結果は、(1)IDRは37℃で最も高いであろうことが予想されるが、37℃のものと比較してより高い、25℃での化合物の溶解速度(水及びpH6.5の緩衝液中の形態Aの場合、最初の3〜4分、−ならびに全部の範囲において、pH6.5の緩衝液中の形態B)、ならびに(2)形態A及びBの相対安定性の基準と反対に予想されるであろうが、pH6.5の緩衝液での形態Bのものと比較してより高い形態AのIDRに関する。これらの結果をさらに研究するために、2つの追加のシリーズの実験を実施した:(a)形態A及びBのIDR値を、25℃での水、ならびに25℃及び37℃でのpH6.5の緩衝液中で測定し(一連で)、(b)形態AのIDR値を、25℃での水及びpH6.5緩衝液中で三連で測定し、これらの追加の実験の結果を、図38〜42にプロットする。
第1の観察(37℃のものと比較して25℃でより高い、形態AのIDR)に対して、以下のコメントがなされ得る。
図30:25℃での水中の形態AのIDRは、最初の3分間でより高くなっているように見える。この結果に対する1つの可能性としては、濃度を強める錠剤粒子の脱離である。その後、予想されるように、形態A及びBの両方の濃度は、37℃でより高くなる。しかし、両方の温度における水中の形態AのIDRの再測定は、相当な変化性を示した(図38A/B)。この結果に対する1つの可能性としては、低濃度であり、測定が測定条件に対して影響を受け易くなる。
図31:同様に、25℃での形態A及びBの両方のpH1.0の緩衝液中のIDRは、より高くなっているように見え、両方の事例の濃度のかなりの増加(約1分での)が示すように、1つの可能性としては、錠剤粒子の脱離である。0.25mg/mLよりも高い濃度は、検出器がこれらの値の周辺で飽和に達するためにプロットされない。
図32A/B:25℃でのpH6.5の緩衝液中の形態AのIDRは、最初の4分間は37℃でのものより高くなっているように見え、1つの可能性としては、錠剤粒子の脱離であるが、4分後、37℃でのIDRはより高くなる。しかし、pH6.5の緩衝液中の形態AのIDRの再測定は、速度が25℃のものと比較して37℃でより高かったことを示した(図39A/B)。形態BのIDRは、25℃で高くなっているように見えるが、両方の温度における形態Bの濃度は、安定しているように見える。第2のシリーズの実験で、pH6.5の緩衝液中の形態BのIDR測定を繰り返すと、結果は、37℃でのIDRは25℃でのものより高かったことを示した(図40A/B)。しかし、測定は変わりやすくなる可能性があり、さらに、低濃度を主な原因として、測定が測定条件に対して影響を受け易くなる。
形態Aが形態Bより早く溶解するように見える観察(図32A/B)を、IDR測定の第2のシリーズにおいて調査した。図41において、25℃での形態A及びBの全てのIDR測定がプロットされ、第2のシリーズの実験は、3分後、予想されるように形態Bの濃度が最も高くなることを示した。3分になる前、複数の事例において濃度が大きく増加したことが観察され、これは、錠剤からの粒子の脱離を示す。図42A/Bにおいて、37℃での形態A及びBの全てのIDR測定がプロットされ、第2のシリーズの実験は、約1分後、予想されるように形態Bの濃度が最も高くなったことを示した。
25及び37℃の両方での水及びpH6.5の緩衝液中の形態A及びBのIDR値の場合、濃度値が極めて低く、記録値が測定条件に対してかなり影響を受け易くなることが理解される。これらの濃度での測定は、より高い濃度での測定と比較して大幅に変わりやすくなる。IDRのこれらの値は、絶対的であるというよりむしろ、例示的であると見なされるべきである。
図33A/B:25℃での形態AのIDRは、最初の5分間は37℃でのものより高いように見え、測定の最初において錠剤粒子の脱離の可能性があり、これが、濃度を強めている。その後、25及び37℃での両方での形態AのIDR値は、類似しているように見える。形態BのIDRは、予想されるように25℃でより37℃で高い。pH1.0の緩衝液及びSGF中の形態A及びBの両方のIDRは、両方の温度で比較可能である(図31及び図33A/Bを参照されたい)。0.3mg/mL周辺の濃度で、検出器はほぼ飽和状態になる。
図34:水、ならびにpH1.0、4.5、及び6.5の水性緩衝液中の25℃でのIDR実験による形態Aの増加濃度対時間のプロット。
図35:水、ならびにpH1.0、4.5、及び6.5の水性緩衝液中の37℃でのIDR実験による形態Aの増加濃度対時間のプロット。
図36:水、ならびにpH1.0、4.5、及び6.5の水性緩衝液中の25℃でのIDR実験による形態Bの増加濃度対時間のプロット。
図37:水、ならびにpH1.0、4.5、及び6.5の水性緩衝液中の37℃でのIDR実験による形態Bの増加濃度対時間のプロット。
粉末の溶解速度の測定に関して、形態A及びBの溶解度が検出を可能するのには十分に低かったため、形態A及びBに関して37℃での水中でのみ、試験を実施した。
図43A/Bにおいて、形態A及びBの濃度対時間がプロットされる。両方の事例において、約10分以内に濃度が「最大」に達し、その後、溶解は減速した。10分〜20時間の間に形態Aの濃度が(0.07から0.14mg/mLへ)ほぼ二倍になった。形態Bに関して、10分〜260分の間に濃度の低下が観察され、その後、濃度が再度増加して、実験の最後に、10分でのものと比較してわずかにより高い値に達した。濃度の増加は、再溶解する形態Dへの形態Bの形質転換に関係するであろう。約0.3mg/mlでの検出器の飽和に因り、形態Bの最大濃度は、最終的に判定されなかった。
段階2:多形体の特定
ブリガチニブのための多形体の選別実験を、ほぼ300個の異なる条件を使用するミリリットル(mL)規模、及びほぼ200個の異なる条件を使用するマイクロリットル規模で行った。6個の異なる結晶化手順を適用した:(1)冷却蒸発、(2)蒸発結晶化、(3)蒸気曝露、(4)熱ろ過を用いた冷却結晶化、(5)逆溶媒添加を用いた急速結晶化、(6)スラリー、(7)溶液中への蒸気拡散、(8)固体上への蒸気拡散、(9)研削、(10)熱サイクル、(11)VT−XRPD、(12)VH−XRPD、(13)DVS、及び(14)脱水。選別実験の完了後、材料を収集し、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。
冷却蒸発結晶化実験
μL規模で表11〜14に示される、冷却蒸発実験を、24個の異なる溶媒及び溶媒混合物、2つの濃度、ならびに2つの温度プロファイルを利用して96ウェルプレートで実施した。各ウェルにおいて、4mgの形態Aを計量した。次いで、選別溶媒が添加されて、およそ40mg/mLまたは80mg/mLの濃度に達した。各ウェルが個別に密封されたプレートをCrystalBreeder(商標)内に置いて、以下の表10に記載されるように温度プロファイルを進めた。次いで、プレートを真空下に置いて、200ミリバール及び/または5ミリバールの下、数日間蒸発させ、次に、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。得られた最終の形態は、表12〜14に供される。
表11:冷却蒸発結晶化パラメータ
表12:冷却蒸発結晶化実験結果:T1及びT2プロファイル
表13:冷却蒸発結晶化実験結果:Tプロファイル3
表14:冷却蒸発結晶化実験結果:Tプロファイル4
蒸発結晶化実験
ブリガチニブ形態A及び30個の異なる溶液を利用した。20mgの材料を計量し、1000μLの所定の溶媒をバイアル中に添加した。室温で最大3時間撹拌した後、溶媒を室温で蒸発させた(200ミリバールで120時間、次いで、5ミリバールで48時間)。得られた固体の乾性を、表15に示されるように、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。
表15:蒸発結晶化実験
蒸気曝露実験
表16に示されるような20個の溶媒中で、溶媒蒸気に曝露されたときの形態Aの安定性を調査した。1.8mLのバイアル中で、およそ20mgのブリガチニブ形態Aを計量した。バイアルを開放したままにして、2mLの溶媒を含む密閉した40mLのバイアル内に置いた。材料を、室温で2週間、溶媒蒸気に曝露した。実験時間の最後に、固体を湿性状態及び乾性状態で採取し、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。
表16:蒸気曝露実験
熱ろ過を用いた冷却結晶化
熱ろ過を用いた冷却結晶化方法は、34個の溶媒及び溶媒混合物を含んだ。過飽和溶液を、60℃で1時間、1300μLの所定の溶媒または混合物中でブリガチニブのスラリーを撹拌することにより調製した。その後、ろ過により液体を固体から分離した。溶液をCrystal16(商標)器具内に置いて、以下の冷却プロファイルを進めた。試料を60℃に温めて60分間保持し、次いで、5℃に達するまで1℃/時間の速度で冷却した。次いで、試料を、その温度で48時間保持した。各実験において、熱プロファイルの最後に沈殿は観察されなかった。200ミリバールで104時間及び5ミリバールで70時間、溶媒を蒸発させた。複数の事例において、5ミリバールでの蒸発を約400時間継続させたが、いくつかの他の事例において、溶媒の蒸発の後に産物は得られなかった。全ての得られた固体を、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。表17は、適用した結晶化条件及び対応する得られた固体形態を提供する。
表17:熱ろ過を用いた冷却結晶化
逆溶媒添加を用いた急速結晶化
急速結晶化実験において、6個の異なる溶媒及び24個の異な逆溶媒を使用して、34個の異なる結晶化条件を適用した(表17を参照されたい)。逆溶媒添加実験を実施した。各溶媒に関して、保存溶液を調製し、各事例のブリガチニブの濃度は、ろ過する前に24時間平衡化した後に周囲温度での飽和で達成されたものであった。
各実験に関して、溶媒の逆溶媒に対する比率を1:0.25として、逆溶媒を各溶媒バイアルに添加した。沈殿が発生しなかった事例において、この比率を1:1に増加し、再度沈殿が発生しなかった場合、比率を1:4に増加し、添加間(最大第3の添加まで)の待機時間を60分に、及び第3の添加と第4の添加との間を35分とした。結晶化が発生しなかったか、または沈殿した固体が分離には不十分なとき、試料を5℃で17時間維持した。沈殿した固体を、遠心分離及びデカンテーションにより、液体から分離した。デカンテーションが適用できなかったとき、Pasteurのピペットを使用して、液体を慎重に除去した。固体を200ミリバールで17時間乾燥させ、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。沈殿が発生しなかった事例において、溶媒を200ミリバールで17時間蒸発させた後、真空を5ミリバールに下げた。全ての得られた固体を、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。最終の固体を含む測定プレートを、周囲温度で5週間保管した。固体形態をXRPDにより再度査定した。表18の矢印は、保管中に形態が変化したかどうかを示す。
表18.逆溶媒添加実験を用いた急速結晶化
*ML=母液から、
**産物無し、
***適用した添加が2つ、
****液体から選択された単一結晶
スラリー実験
合計68回のスラリー実験を、34個の溶媒を使用して、室温(20℃)及び40℃の両方でブリガチニブを用いて実施した。全ての事例において、250μLの溶媒体積を使用した。スラリーを2週間撹拌した。スラリー時間の最後に、バイアルを遠心分離し、固体及び母液を分離した。固体の湿性及び乾性をXRPD及びデジタル画像処理により分析した。次いで、測定プレートを周囲条件で3〜4週間保管し、固体について別のXRPDを得て、任意の形態変化を矢印により示す。表19a及び19bは、実験条件及び得られた固体形態を要約する。
表19a:20℃でのスラリー実験
*この実験において、固体は14日後に溶解した。
表19b:40℃でのスラリー実験
*この実験において、固体は14日後に溶解した。
第2のセットのスラリー実験において、同じ量の形態A及び形態Bを計量して1.8mLのバイアル中に入れ、撹拌棒で満たした。溶媒の添加後、スラリーを撹拌しながら25℃及び50℃で置いた。スラリーからの材料を、2、4、及び14日の時点で試料抽出した(溶媒及び温度毎に、同じバイアルから試料抽出した)。これらの材料の湿性をXRPD及びデジタル画像処理により分析した。表20で見られるように、形態Bは、37℃での全ての有機溶媒及び水中で形態Aに転換した。25℃での水中に2日及び4日置いた後に試料抽出すると、固体が形態Aと七水和物形態Dとの混合物であったことを示した。この観察は、形態Bが水性環境で形態Dに転換したこと及び形態Aが安定したままであったことを示した。14日目の試料抽出において、形態Aのみが存在し、これは、形態Dと比較して、水中でのそのより高い安定性を示す。
表20:スラリー実験
溶液中への蒸気拡散実験
溶液中への蒸気拡散実験に関して、ブリガチニブの飽和溶液を、室温で2週間、逆溶媒蒸気に曝露した。一定分量の飽和溶液を、開放したままのバイアルに移し、逆溶媒を有する密閉容器内に置いた(表20を参照されたい)。2週間後、固体形成に関して試料を評価した。固体が存在した場合、液体を固体から分離し、次いで、完全真空で乾燥させた。沈殿が観察されなかった場合、溶媒を5℃で一晩置いて、沈殿を促進した。固体が存在しなかった場合、液体を、200ミリバールで75時間蒸発させ、または固体がなおも存在しなかった場合、液体を10ミリバールで最大10日間さらに蒸発させた。全ての得られた固体の乾性を、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。表21は、実験条件及び対応する得られた固体形態を提供する。
表21:溶液中への蒸気拡散実験
*蒸発後の産物無し
固体上への蒸気拡散実験
34個の固体上への蒸気拡散実験に関して、開始材料を4時間研削することにより、非晶質ブリガチニブを調製した。非晶質ブリガチニブを含むバイアルを開放したままにして、2mLの溶媒を含む密閉した40mLのバイアル内に置いた(表21を参照されたい)。非晶質ブリガチニブを、室温で2週間、溶媒蒸気に曝露した。実験時間の最後に、固体を湿性状態及び乾性状態で採取し、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。適用した結晶化条件及び対応する得られた固体形態に関しては、表22を参照されたい。
表22.固体上への蒸気拡散
溶媒支援研削実験
溶媒支援研削実験において、少量の溶媒を、2つのステンレス鋼研削球を装着するステンレス鋼バイアル内で機械的に研削された固体ブリガチニブに添加した。この手法で17個の異なる溶媒を調査した。典型的に、30mgの開始材料を計量し、研削バイアル中に入れ、10μLの溶媒をバイアルに添加した。研削実験を30Hzで60分間実施した。その後、試料を収集し、XRPD及びデジタル画像処理により(湿性を)分析した。適用した結晶化条件及び対応する得られた固体形態に関しては、表23を参照されたい。
表23:溶媒支援研削実験
熱サイクル実験
溶媒中の開始材料の合計33個のスラリー及び1個の溶液(クロロホルム)を、室温で調製した。混合物をCrystal16(商標)内に置いて、以下の温度プロファイルを進めた。
1. 5℃/時間の速度で40℃に達するまで、撹拌(500rpm)しながら加熱する。
2. 5℃/時間の速度で5℃になるまで、撹拌(200rpm)しながら冷却する。
3. 5℃で30分間経過させる。
4. 8サイクル繰り返す。
サイクルプログラムの完了後、固体を遠心分離により母液から分離し、200ミリバールで48時間(2−エトキシエタノールは283時間)乾燥させ、XRPD及びデジタル画像処理により分析した。適用した結晶化条件及び対応する得られた固体形態に関しては、表24を参照されたい。測定プレートを周囲条件で5週間保管した後にXRPDにより再測定すると、矢印(→)の後の固体形態(または混合物)が得られていた。
表24:熱サイクル実験
可変温度XRPD実験
標的温度に達したほぼ直後(およそ10分以内)の形態A、B、C、及びDに関するデータを収集した。
形態Aに関して、実験で使用した温度は、25、40、60、100、120、140、150、160、170、180、190、及び200℃であった。データ収集を各温度につき20分継続させ、合間の安定化時間は、10分であった。形態Aに関して収集された可変温度XRPDデータは、相形質転換を一切示さなかった。唯一観察されたピークシフトは、熱膨張に起因していた。
形態Bに関して、実験で使用した温度は、25、40、60、100、120、140、150、155、160、165、170、180、及び190℃であった。データ収集を45分継続させ、合間の安定化時間は、10分であった。150℃で、形態Aへの部分的な転換が観察され、155℃で転換が完了した。その後、形態Aは、残りの温度プロファイルの間安定したままであった。
形態Cに関して、実験で使用した温度は、25、40、60、70、80、100、120、140、150、155、160、165、170、175、180、190、及び200℃であった。データ収集を40分継続させ、合間の安定化時間は、10分であった。形態Cは、25℃より高い温度で不安定になる。第1の測定によると、材料は既に脱水形態Bに部分的に転換していた。その後、固体形態の形質転換は、形態BのVT−XRPD実験で観察されたものに似ていたが、形態Aへの形態Bの形質転換が、120℃で既に開始されたという違いがあった。転換は、同じ温度(155℃)で完了した。今回も、冷却時の相転移は観察されなかった。
形態Dに関して、実験で使用した温度は、25、35、45、55、65、75、85、100、120、140、150、155、160、165、170、175、180、190、及び200℃であった。データ収集を、1分の安定化時間で25〜85℃の温度の間10分継続させ、かつ10分の安定化時間で100〜25℃の温度の間40分継続させた。可変温度XRPDは、七水和物形態Dが25℃より高い温度で不安定になることを確認した。実際、第1の測定後、形態Dは既に、(35℃で)(部分的に)水和物形態Cに及び45℃で脱水形態Bに転換していた。その後、固体形態の形質転換は、形態CのVT−XRPD実験で観察されたものに似ており、形態Bは、120℃で形態Aに(部分的に)転換した。転換は、150℃で完了した。冷却時の相転移は観察されなかった。
可変湿度−XRPD実験
相対湿度を開始したときの量から増加させて最大まで上昇させ、次いで、最小値まで乾燥させた。データ収集時間は、各ステップで41分であり、時間は、相対湿度の平衡化の後に開始した。
形態Aに関して、形態Aの収集されたXRPDパターンは、30℃でも60℃でも相転移を一切示さなかった。わずかではあるが、0.03°2θの順序の明らかなピークシフトが、特定のピークで観察され、これは約60%RHで開始していた。ピークシフトは、約30%RHで可逆的であった。次いで、形態Aの試料を、80%RHに15時間曝露した。ピークシフトは、90分後に発生し、シフトの程度は、80%RHでの15時間の曝露を通して一定のままであった。10%RHに戻すと、ピークはそれらの元の位置にシフトした。吸着された水量を調査するために、新しい形態Aの試料を80%で2時間曝露し、この試料のTGMSを測定した。TGMSサーモグラムは、0.1個の水分子に対応する0.35%の質量損失を示した。
形態Bに関して、相対湿度を30℃で測定した。測定されたRH%値は、10、30、50、60、65、70、75、及び80%であった。吸着すると、形態Bは、水和物形態Cに転換し、これは約65%RHで開始する。80%RHで、形態Cへの転換が完了した。脱着すると、形態Cは、脱水して形態Bになり、これは約30%RHで開始する。10%RHで、形態Bへの転換が完了した。
水和物である形態Cに関して、相対湿度を30℃で測定した。実験を、最大のRHで開始して、脱水し、次いで、最大値まで再水和して実施した。測定されたRH%値は、10、15、20、25、30、35、40、60、及び80%であった。脱着すると、形態Cは、脱水して形態Bになり、これは約25%RHで開始した。10%RHで、形態Bへの転換が完了した。吸着すると、形態Bは、形態Cに転換し、これは約60%RHで開始した。80%RHで、形態Cへの転換が完了した。結果は、形態Bの対応する実験と一致する。
水和物である形態Dに関して、相対湿度を30℃で測定した。実験を、最大のRHで開始して、脱水し、次いで、最大値まで再水和して実施した。測定されたRH%値は、10、15、20、25、30、35、40、60、及び80%であった。新たに形態Dを調製しようとしたにも関わらず、80%RHでの第1の測定でさえ、固体が既に形態Cに部分的に形質転換したことを示した。その後、固体は、水和物形態Cに形質転換し、結果的に、形態B及びCのVH−XRPD測定で既に観察されたような無水物形態Bに形質転換した。脱着すると、七水和物形態Dは、水和物形態Cに転換した。形態Cは、脱水して形態Bになり、これは、約20%RHで開始した。10%RHで、形態Bへの転換が完了した。吸着すると、形態Bは、形態Cに転換し、これは約40%RHで開始した。80%RHで、形態Cへの転換が完了した。80%の相対湿度が十分でなかったため、固体は水和せず形態Dにならなかったが、形態Dへの転換に関しては、95%の相対湿度での曝露が利用され得る。
動的蒸気吸着実験
3つのDVS実験において、相対湿度を以下の通り変化させた。
実験1:5%→95%→65%RH
実験2:5%→95%→5%RH
実験3:5%→95%RH
実験4:0%で6時間→5%で1時間→15%で1時間→25〜85%の勾配で2時間→95%RHで5時間
実験1に関して、図44に示されるように、吸着の間、形態Bは、45〜95%RHで2.26個の水分子に対応する水質量を吸着した。65%RHの脱着において、増加した水質量は、ほぼ一定のままであった。固体のXRPD測定は、それが水和物形態Cであったことを示した。追加の増加した水質量は、材料の表面上の吸着性に起因すると言える。
実験2に関して、図45に示されるように、吸着中に二段階の水質量の増加が観察された。45〜85%RHの第1の段階において、2.1個の水分子に対応する6.45%の質量変化が観察された。データは、この段階で形成されている水和物形態Cと一致する。85%〜95%RHの第2の段階において、質量の全体的な変化は16.7%に達した。17.4%のさらなる質量増加が、脱着中に85%RHで観察された。脱着中に増加する質量増加量は、95%RHで1時間以内に平衡には達せず、湿度が低下する中、水吸着性は少なくとも85%RHまで継続したことを示す。質量の最大の変化は、5.6個の水分子に対応した。データは、最大RHで(部分的に)形成されている七水和物形態Dと一致する。二段階の脱着中の質量の変化は、最大約75%RHでほぼ安定しており、それはその後、約5.2%に低減された。後者の質量の変化は、約1.7個の水分子に対応した。この段階で、データは、形成されている水和物形態Cと一致する。その後、かつ約25%RHまで、増加した質量は、1.4個の水分子に対応する4.2%に低下した。データは、水和物形態Cと、形成されている無水物形態Bとの混合物と一致する。その後、増加した水は25%〜15%RHの1つのステップで失った。吸脱着サイクルの最後における材料のXRPDは、それが形態BとCとの混合物であったことを示した。
実験3に関して、図46に示されるように、DVSは、二段階の水吸着を示した。第1の段階(45〜85%RH)における質量の変化は、1.8個の水分子に対応する5.59%であった。95%RHでの質量の全体的な変化は、5.15個の水分子に対応する15.88%であった。サイクル後の固体のXRPD測定は、それが形態B+Cであったことを示した。
実験4に関して、水質量の増加または損失の測定された値と予想された対応する水分子との間の偏差は、測定が事象の平衡に達する前に実施されたという事実に起因すると言える。よって、この実験において、各ステップでのより長い平衡化時間の影響を調査するために、相対湿度プロファイルを修正した。図47で見られるように、質量の最大の変化は、7.2個の水分子に対応する22.2%であった。サイクル後の材料のXRPDパターンは、形態C+Dであった。
形態A及びBの水和研究
室温での、水、pH1.0のHCl緩衝液(0.1N HCl)、及びSGF(形態Aに関して)中で、形態A及びB(別々に)のスラリー化を実施した。固体を採取し、45分、1.5時間、15時間、48時間、及び10日後の湿性をXRPDにより測定した(SGFは除外)。形態Aは、水及びHCl緩衝液中で10日、またはSGF中で1.5時間のスラリー化後でも安定したままであった。形態Bは、45分後に七水和物形態Dに転換し、これは、少なくとも10日間安定したままであった。形態Bを90%RHに1日曝露した別の実験において、材料は、形態CとDとの混合物に転換した。
形態C及びDの脱水
表25において、形態Cに関する乾燥条件のリストが、最終の固体形態と共に提示される。周囲圧力で、形態Cは、30℃で1.5時間後でも安定しているように見えるが、一方で、それは、40℃で1時間以内に形態Bに転換した。
表26において、形態Dの乾燥プロセスのリストが提示される。5ミリバールの圧力及び60℃での形態Dは、24時間後、形態Bの形成をもたらした。いくつかの例において、少量の形態Cが、5日間乾燥した後でもXRPDパターンで可視であった。この観察は、異なる微粒子形態(細粒子対集塊/凝集体)に起因した可能性がある。60℃及び50ミリバールの圧力で、形態Dは、86時間後に形態B+Cの混合物に、110時間後に形態Bに転換した。概して、時間及び圧力に応じて形態B及びCが発生する。
表25.形態Cの脱水
表26.形態Dの脱水
表27において、ブリガチニブの固体形態の発生が、それらが結晶化する結晶化方法及び関連する溶媒と共に供される。この表は、600を超す実験の結果を、XRPDにより湿性及び/または乾性(別々の実験としての湿性及び乾性計数)を測定された固体形態と共に提供する。8つの事例において、低収率に因り形態帰属がなされなかった。測定プレートを周囲条件で数週間(2〜5週間)保管した後にXRPDにより再測定すると、矢印の後の固体形態(複数可)が得られていた。
表27:ブリガチニブ固体形態の要約
III.薬学的組成物
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの少なくとも1つの結晶形態と、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるビヒクル、及び薬学的に許容される賦形剤から選択される少なくとも1つの構成成分と、を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、ブリガチニブの少なくとも1つの結晶形態は、治療有効量で存在する。いくつかの実施形態において、ブリガチニブの少なくとも1つの結晶形態は、実質的に純粋である。いくつかの実施形態において、ブリガチニブの少なくとも1つの結晶形態は、形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、形態F、形態G、及び形態Hから選択される。いくつかの実施形態において、結晶性ブリガチニブは、形態Aである。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物の単位剤形は、APIとしてブリガチニブの単一結晶形態を含む。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの1つの結晶形態からなる薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの1つの結晶形態と、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるビヒクル、及び薬学的に許容される賦形剤から選択される少なくとも1つの構成成分と、からなる薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの1つの結晶形態と、任意に、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるビヒクル、及び薬学的に許容される賦形剤から選択される少なくとも1つの構成成分と、から本質的になる薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示は、ブリガチニブの少なくとも1つの結晶形態と、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるビヒクル、及び薬学的に許容される賦形剤から選択される少なくとも1つの構成成分と、を組み合わせることにより生成される薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物の単位剤形は、ブリガチニブの1つを超える結晶形態を含む。いくつかの実施形態において、本組成物中のブリガチニブの50%超、70%超、80%超、90%超、95%超、または99%超は、単一結晶形態である。いくつかの実施形態において、ブリガチニブの単一結晶形態は、形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、形態F、形態G、及び形態Hから選択される。いくつかの実施形態において、ブリガチニブの単一結晶形態は、形態Aである。
いくつかの実施形態において、結晶形態のうちの1つまたは全ては、実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、ブリガチニブの実質的に純粋な形態Aと、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるビヒクル、及び薬学的に許容される賦形剤から選択される少なくとも1つの構成成分と、を含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、ブリガチニブの形態A及び形態Bと、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるビヒクル、及び薬学的に許容される賦形剤から選択される少なくとも1つの構成成分と、を含む。他の実施形態は、この論旨の変形形態であり、これらは、本開示を読む当業者にとって容易に明白になるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、形態Aと、形態B、C、D、E、F、G、H、J、及びKから選択されるブリガチニブの少なくとも1つの追加の結晶形態と、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるビヒクル、及び薬学的に許容される賦形剤から選択される少なくとも1つの構成成分と、を含み得る。
少なくとも1つの構成成分は、当業者により容易に選択され得、投与様式により判定され得る。好適な投与様式の例示的で非限定的な例には、経口、経鼻、非経口、局所、経皮、及び直腸が含まれる。本明細書で開示される薬学的組成物は、好適な、当業者にとって認識可能な任意の薬学的形態になり得る。好適な薬学的形態の非限定的な例には、錠剤、粉末、カプセル、坐薬、懸濁液、リポソーム、及びエアロゾルなどの固体、半固体、液体、及びフリーズドライ製剤が含まれる。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は任意に、少なくとも1つの追加の治療剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような化合物は、1つ以上の他の治療介入(例えば、クリゾチニブまたは他のキナーゼ阻害剤、インターフェロン、骨髄移植、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ビスホスホネート、サリドマイド、癌ワクチン、ホルモン療法、抗体、放射線など)を受けている対象に投与され得る。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような化合物は、少なくとも1つの追加の治療剤(例えば、抗癌剤など)との併用療法の構成成分として使用され得、少なくとも1つの追加の治療剤は、本明細書で開示されるような化合物と共に、または別々に製剤化されている。
本明細書で使用される場合、用語「本明細書で開示されるような化合物」は、形態A、B、C、D、E、F、G、H、J、及びKという名称で本明細書で開示されるものから選択されるブリガチニブの少なくとも1つの結晶形態、ならびに非晶質ブリガチニブを指す。本明細書で開示されるような化合物は、単一活性薬剤として薬学的組成物中で存在し得るか、あるいは別の形態のブリガチニブ若しくは非晶質ブリガチニブ、または別の非ブリガチニブ化合物であり得る少なくとも1つの追加の活性薬剤と組み合わせられ得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される薬学的組成物は、固体または液体形態で投与するために特別に製剤化され得、以下:経口投与、例えば、水薬(水性若しくは非水性溶液、または懸濁液)、錠剤(例えば頬、舌下、及び体内吸収を標的とするもの)、カプセル、ボーラス、粉末、顆粒、舌に適用するためのペースト、及び十二指腸内経路;例えば、無菌液、無菌懸濁液、若しくは徐放性製剤として静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、腹腔内、若しくは点滴を含む非経口投与;例えば、皮膚に適用するクリーム、軟膏、徐放性パッチ、若しくはスプレーとして局所適用;例えば、ペッサリー、クリーム、ステント、若しくは泡として膣内若しくは直腸内;舌下;眼;肺;カテーテル若しくはステントによる局所送達;くも膜下腔内;または経鼻のために適用される非限定的な例を含む。
本明細書で開示される薬学的組成物中で利用され得る好適な担体の非限定的な例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、植物油(オリーブオイルなど)、注入可能な有機エステル(オレイン酸エチルなど)、及びこれらの混合物が含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用により、分散液の場合は必要な粒径の維持により、かつ表面活性剤の使用により、維持することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、潤滑剤、抗酸化剤、抗菌薬、抗真菌薬(例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノールなど)、等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)、及び吸収を遅らせることができる作用物質(例えば、モノステアリン酸アルミニウム、ゼラチンなど)から選択される少なくとも1つの補助剤も含む。
本明細書で開示される組成物の調製方法は、例えば、本明細書で開示されるような少なくとも1つの化合物と、例えば、化学療法剤(複数可)及び/または担体(複数可)などの他の構成成分(複数可)とを会合させることを含み得る。いくつかの実施形態において、本組成物は、本明細書で開示されるような化合物を、液体担体及び微粉化固体担体から選択される少なくとも1つの担体と均一かつ密接に会合させ、次いで、必要に応じて生成物を成形することにより調製される。
かかる薬学的組成物のための調製は、当技術分野で周知されている。例えば、Anderson,Philip O.;Knoben,James E.;Troutman,William G,eds.,Handbook of Clinical Drug Data,Tenth Edition,McGraw−Hill,2002、Pratt and Taylor,eds.,Principles of Drug Action,Third Edition,Churchill Livingston,New York,1990、Katzung,ed.,Basic and Clinical Pharmacology,Ninth Edition,McGraw Hill,2003、Goodman and Gilman,eds.,The Pharmacological Basis of Therapeutics,Tenth Edition,McGraw Hill,2001、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th Ed.,Lippincott Williams&Wilkins.,2000、Martindale,The Extra Pharmacopoeia,Thirty−Second Edition(The Pharmaceutical Press,London,1999)を参照されたく、それらの全てが、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。任意の望ましくない生物学的効果を生成すること、または他の方法で薬学的に許容される組成物の任意の他の構成成分(複数可)と有害な様式で相互作用することなどにより、任意の従来の賦形剤培養液が本明細書に提供される化合物と適合しない場合を除いて、賦形剤の使用は、本開示の範囲内にあると企図される。
いくつかの実施形態において、開示される薬学的組成物中のブリガチニブの濃度は、100%、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約19%、約18%、約17%、約16%、約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、約0.4%、約0.3%、約0.2%、約0.1%、約0.09%、約0.08%、約0.07%、約0.06%、約0.05%、約0.04%、約0.03%、約0.02%、約0.01%、約0.009%、約0.008%、約0.007%、約0.006%、約0.005%、約0.004%、約0.003%、約0.002%、約0.001%、約0.0009%、約0.0008%、約0.0007%、約0.0006%、約0.0005%、約0.0004%、約0.0003%、約0.0002%、または約0.0001w/w、w/v、またはv/v%未満である。本明細書で使用される場合、「約」は、修正値の±10%を意味する。
いくつかの実施形態において、開示される薬学的組成物中のブリガチニブの濃度は、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約19.75%、約19.50%、約19.25%、約19%、約18.75%、約18.50%、約18.25%、約18%、約17.75%、約17.50%、約17.25%、約17%、約16.75%、約16.50%、約16.25%、約16%、約15.75%、約15.50%、約15.25%、約15%、約14.75%、約14.50%、約14.25%、約14%、約13.75%、約13.50%、約13.25%、約13%、約12.75%、約12.50%、約12.25%、約12%、約11.75%、約11.50%、約11.25%、約11%、約10.75%、約10.50%、約10.25%、約10%、約9.75%、約9.50%、約9.25%、約9%、約8.75%、約8.50%、約8.25%、約8%、約7.75%、約7.50%、約7.25%、約7%、約6.75%、約6.50%、約6.25%、約6%、約5.75%、約5.50%、約5.25%、約5%、約4.75%、約4.50%、約4.25%、約4%、約3.75%、約3.50%、約3.25%、約3%、約2.75%、約2.50%、約2.25%、約2%、約1.75%、約1.50%、約1.25%、約1%、約0.5%、約0.4%、約0.3%、約0.2%、約0.1%、約0.09%、約0.08%、約0.07%、約0.06%、約0.05%、約0.04%、約0.03%、約0.02%、約0.01%、約0.009%、約0.008%、約0.007%、約0.006%、約0.005%、約0.004%、約0.003%、約0.002%、約0.001%、約0.0009%、約0.0008%、約0.0007%、約0.0006%、約0.0005%、約0.0004%、約0.0003%、約0.0002%、または約0.0001w/w、w/v、またはv/v%超である。本明細書で使用される場合、「約」は、修正値の±10%を意味する。
いくつかの実施形態において、開示される薬学的組成物中のブリガチニブの濃度は、およそ0.0001%〜およそ50%、およそ0.001%〜およそ40%、およそ0.01%〜およそ30%、およそ0.02%〜およそ29%、およそ0.03%〜およそ28%、およそ0.04%〜およそ27%、およそ0.05%〜およそ26%、およそ0.06%〜およそ25%、およそ0.07%〜およそ24%、およそ0.08%〜およそ23%、およそ0.09%〜およそ22%、およそ0.1%〜およそ21%、およそ0.2%〜およそ20%、およそ0.3%〜およそ19%、およそ0.4%〜およそ18%、およそ0.5%〜およそ17%、およそ0.6%〜およそ16%、およそ0.7%〜およそ15%、およそ0.8%〜およそ14%、およそ0.9%〜およそ12%、およそ1%〜およそ10w/w、w/vまたはv/v、v/v%の範囲である。本明細書で使用される場合、「およそ」は、修正値の±10%を意味する。
いくつかの実施形態において、開示される薬学的組成物中のブリガチニブの濃度は、およそ0.001%〜およそ10%、およそ0.01%〜およそ5%、およそ0.02%〜およそ4.5%、およそ0.03%〜およそ4%、およそ0.04%〜およそ3.5%、およそ0.05%〜およそ3%、およそ0.06%〜およそ2.5%、およそ0.07%〜およそ2%、およそ0.08%〜およそ1.5%、およそ0.09%〜およそ1%、およそ0.1%〜およそ0.9w/w、w/v、またはv/v%の範囲である。本明細書で使用される場合、「およそ」は、修正値の±10%を意味する。
いくつかの実施形態において、開示される薬学的組成物中のブリガチニブの量は、約10g、約9.5g、約9.0g、約8.5g、約8.0g、約7.5g、約7.0g、約6.5g、約6.0g、約5.5g、約5.0g、約4.5g、約4.0g、約3.5g、約3.0g、約2.5g、約2.0g、約1.5g、約1.0g、約0.95g、約0.9g、約0.85g、約0.8g、約0.75g、約0.7g、約0.65g、約0.6g、約0.55g、約0.5g、約0.45g、約0.4g、約0.35g、約0.3g、約0.25g、約0.2g、約0.15g、約0.1g、約0.09g、約0.08g、約0.07g、約0.06g、約0.05g、約0.04g、約0.03g、約0.02g、約0.01g、約0.009g、約0.008g、約0.007g、約0.006g、約0.005g、約0.004g、約0.003g、約0.002g、約0.001g、約0.0009g、約0.0008g、約0.0007g、約0.0006g、約0.0005g、約0.0004g、約0.0003g、約0.0002g、または約0.0001g以下である。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような化合物のうちの1つ以上の量は、約0.0001g、約0.0002g、約0.0003g、約0.0004g、約0.0005g、約0.0006g、約0.0007g、約0.0008g、約0.0009g、約0.001g、約0.0015g、約0.002g、約0.0025g、約0.003g、約0.0035g、約0.004g、約0.0045g、約0.005g、約0.0055g、約0.006g、約0.0065g、約0.007g、約0.0075g、約0.008g、約0.0085g、約0.009g、約0.0095g、約0.01g、約0.015g、約0.02g、約0.025g、約0.03g、約0.035g、約0.04g、約0.045g、約0.05g、約0.055g、約0.06g、約0.065g、約0.07g、約0.075g、約0.08g、約0.085g、約0.09g、約0.095g、約0.1g、約0.15g、約0.2g、約0.25g、約0.3g、約0.35g、約0.4g、約0.45g、約0.5g、約0.55g、約0.6g、約0.65g、約0.7g、約0.75g、約0.8g、約0.85g、約0.9g、約0.95g、約1g、約1.5g、約2g、約2.5、約3g、約3.5、約4g、約4.5g、約5g、約5.5g、約6g、約6.5g、約7g、約7.5g、約8g、約8.5g、約9g、約9.5g、または約10gを超える場合がある。本明細書で使用される場合、「約」は、修正値の±10%を意味する。
いくつかの実施形態において、開示される薬学的組成物中のブリガチニブの量は、約0.0001〜約10g、約0.0005g〜約9g、約0.001g〜約0.5g、約0.001g〜約2g、約0.001g〜約8g、約0.005g〜約2g、約0.005g〜約7g、約0.01g〜約6g、約0.05g〜約5g、約0.1g〜約4g、約0.5g〜約4g、または約1g〜約3gの範囲である。本明細書で使用される場合、「約」は、修正値の±10%を意味する。
いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの化合物と、経口投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む経口投与のための薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、(i)治療有効量の本明細書で開示されるような少なくとも1つの化合物と、任意に(ii)有効量の少なくとも1つの第2の薬剤と、(iii)経口投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む経口投与のための薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、(iv)有効量の少なくとも1つの第3の薬剤をさらに含む。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、経口消費に好適な液体薬学的組成物であり得る。経口投与に好適な薬学的組成物は、例えば、カプセル、カシェ剤、若しくは錠剤、または液体若しくはエアロゾルスプレーなどの個別の剤形として提示され得、各々が粉末として若しくは顆粒状で、水性液体若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液、水中油型乳剤、または油中水型乳剤として既定の量の活性成分を含有する。かかる剤形は、調剤法のいずれかにより調製され得るが、全ての方法は、活性成分を、1つ以上の成分を構成する担体と会合させるステップを含む。概して、薬学的組成物は、活性成分を液体担体若しくは微粉化固体担体、またはそれらの両方と均一かつ密接に混和し、次いで、必要に応じて生成物を所望の外観に成形することにより調製される。例えば、錠剤は、圧縮または型成形により任意に1つ以上の補助成分と共に調製され得る。圧縮された錠剤は、好適な機械内で、任意に、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、及び/または表面活性剤若しくは分散剤などだが、これらに限定されない賦形剤と混合された、粉末または顆粒としての自由流動形態の活性成分を圧縮することより調製され得る。型成形された錠剤は、好適な機械内で湿らせた粉末化化合物と不活性液体希釈剤との混合物を型成形することにより作製され得る。
錠剤はコーティングされていなくとも、または胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせるための既知の技法によりコーティングされてもよく、それにより、より長い期間にわたって持続作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が利用され得る。経口使用のための製剤は、活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリンと混合され得る硬性ゼラチンカプセルとして、または活性成分が、水または油培養液、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合され得る軟性ゼラチンカプセルとしても提示され得る。
本開示は、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの活性成分を含む無水の薬学的組成物及び剤形をさらに包含する。水は、いくつかの化合物の変質を促進し得る。例えば、水は、薬学分野において、時間の経過に伴う製剤の貯蔵寿命または安定性などの特徴を判定するために、長期保管のシミュレーションを行なう手段として添加され得る(例えば、約5%)。無水の薬学的組成物及び剤形は、無水または低水分含有成分、及び低水分または低湿度条件を使用して調製され得る。例えば、乳糖を含有する薬学的組成物及び剤形は、製造、包装、及び/または保管中に、水分及び/または湿気との実質的な接触が予想される場合、無水に作製され得る。無水の薬学的組成物は、その無水性が維持されるように調製及び保管され得る。したがって、無水の薬学的組成物は、水への曝露を阻止することで既知の材料を使用して、それらが好適な製剤キット中に含まれ得るように包装され得る。好適な包装の例には、密封のシールフォイル、プラスチックなど、単位用量容器、ブリスターパック、及びストリップパックが含まれるが、これらに限定されない。
活性成分は、従来の薬剤調合技法に従って、薬学的担体と密接な混和で組み合わせられ得る。担体は、投与にとって所望される調製の形態に応じて多種の形態を取り得る。経口剤形のための薬学的組成物の調製において、乳糖の使用を利用することなくいくつかの実施形態において、例えば、経口液体調製物(懸濁液、溶液、及びエリキシル剤など)若しくはエアロゾルの場合、水、グリコール、油、アルコール、香味料、防腐剤、着色料などの通常の薬学的培養液のうちのいずれかが、担体として利用され得るか、または経口固体調製物の場合、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、及び崩壊剤などが担体として使用され得る。いくつかの実施形態において、化合物は、乳糖、ショ糖、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、滑石、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム及びカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ならびに/または後の製剤のためのポリビニルアルコールと混和され得る。例えば、好適な担体には、固体経口調製物を有する粉末、カプセル、及び錠剤が含まれる。いくつかの実施形態において、錠剤は、標準的な湿式技法または乾式技法によりコーティングされ得る。
本明細書で開示される薬学的組成物及び剤形で使用するのに好適な結合剤の非限定的な例には、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及び他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然及び合成のゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸、粉末状のトラガント、グアーゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される薬学的組成物及び剤形で使用するのに好適な充填剤の非限定的な例には、滑石、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
崩壊剤は、水性環境に曝露したとき、崩壊する錠剤を提供するために本明細書で開示される薬学的組成物及び剤形で使用され得る。崩壊剤が多すぎると、ボトル内で崩壊し得る錠剤が生成され得る。少ないと、不十分な崩壊が発生し得、よって、剤形からの活性成分(複数可)の放出の速度及び程度を変えてしまうことがある。よって、活性成分(複数可)の放出を不利に変えることがない、少な過ぎず、多過ぎない十分な量の崩壊剤が、本明細書で開示される薬学的組成物及び剤形を調製するために使用され得る。崩壊剤の量は、製剤の種類及び投与様式に基づいて異なることがあり、当業者に容易に認識され得る。例えば、いくつかの実施形態において、約0.5〜約15の総重量パーセントの少なくとも1つの崩壊剤が使用され得る。いくつかの実施形態において、約1〜約5総重量パーセントの少なくとも崩壊剤が、薬学的組成物で使用され得る。使用され得る崩壊剤には、天草、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴム、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される薬学的組成物及び剤形で使用され得る潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、軽鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、滑石、水素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブオイル、トウモロコシ油、及びダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、シロイドシリカゲル、合成シリカの凝固エアロゾル、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。潤滑剤は、薬学的組成物の約1総重量パーセント未満の量で任意に添加され得る。
水性懸濁液及び/またはエリキシル剤が経口投与のために選択されるとき、薬学的組成物は、甘味料、香味料、着色剤、色素剤、乳化剤、懸濁剤、及び希釈剤(例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなど)から選択される少なくとも1つの追加の薬剤をさらに含んでよい。
本明細書で開示される薬学的組成物及び剤形に含まれ得る界面活性剤には、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。つまり、親水性界面活性剤の混合物が利用され得るか、親油性界面活性剤の混合物が利用され得るか、または少なくとも1つの親水性界面活性剤と少なくとも1つの親油性界面活性剤との混合物が利用され得る。
いくつかの実施形態において、親水性界面活性剤(複数可)は、少なくとも約10のHLB値を有するが、一方で親油性界面活性剤(複数可)は、または約10未満のHLB値を有する。非イオン性両親媒性化合物の相対親水性及び疎水性を特徴付けるために使用される実験パラメータは、親水性−親油性バランス(「HLB」値)である。より低いHLB値を有する界面活性剤は、より親油性または疎水性であり、油中でより大きな溶解度を有するが、一方で、より高いHLB値を有する界面活性剤は、より親水性であり、水性溶液中でより大きな溶解度を有する。親水性界面活性剤は概して、約10超のHLB値を有する化合物、ならびにHLB規模が概して適用できないアニオン性、カチオン性、または双性イオン性化合物であると見なされる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10以下のHLB値を有する化合物である。しかし、界面活性剤のHLB値は、概して、工業用、医薬用、及び化粧料用乳剤の製剤化を可能するために使用される大まかな指針に過ぎない。
親水性界面活性剤は、イオン性または非イオン性であり得る。好適なイオン性界面活性剤には、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチン及び水素化レシチン;リゾレシチン及び水素化リゾレシチン;リン脂質及びこれらの誘導体;リゾリン脂質及びこれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキルスルフェートの塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルアクチレート(acylactylate);モノ及びジグリセリドのモノ及びジアセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ及びジグリセリド;モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
前述の群において、イオン性界面活性剤には、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質、及びこれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキルスルフェートの塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルアクチレート(acylactylate);モノ及びジグリセリドのモノ及びジアセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ及びジグリセリド;モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル;ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
イオン性界面活性剤の他の非限定的な例には、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチルエステル(lactylic esters)、ステアロイル−2−1アクチレート(actylate)、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン(cholylsarcosine)、カプロアート、カプリレート、カプラート、ラウラート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレート、リノレート、リノレネート、ステアレート、ラウリルスルフェート、テラセシルスルフェート、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ならびにこれらの塩及び混合物のイオン化形態が含まれる。
親水性非イオン性界面活性剤の非限定的な例には、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリエチレングリコールアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコールアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル及びポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオールとグリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸、及びステロールのうちの少なくとも1つのメンバーとの親水性エステル交換生成物;ポリオキシエチレンステロール、誘導体、及びこれらのアナログ;ポリオキシエチル化ビタミン及びこれらの誘導体;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;及びこれらの混合物;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ならびにポリオールとトリグリセリド、植物油、及び水素化植物油のうちの少なくとも1つのメンバーとの親水性エステル交換生成物が含まれる。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、またはサッカライドであり得る。
他の親水性−非イオン性界面活性剤には、PEG−10ラウラート、PEG−12ラウラート、PEG−20ラウラート、PEG−32ラウラート、PEG−32ジラウラート、PEG−12オレエート、PEG−15オレエート、PEG−20オレエート、PEG−20ジオレエート、PEG−32オレエート、PEG−200オレエート、PEG−400オレエート、PEG−15ステアレート、PEG−32ジステアレート、PEG−40ステアレート、PEG−100ステアレート、PEG−20ジラウラート、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−32ジオレエート、PEG−20グリセリルラウラート、PEG−30グリセリルラウラート、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−20グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルラウラート、PEG−40グリセリルラウラート、PEG−40パーム核油、PEG−50水素化ひまし油、PEG−40ひまし油、PEG−35ひまし油、PEG−60ひまし油、PEG−40水素化ひまし油、PEG−60水素化ひまし油、PEG−60トウモロコシ油、PEG−6カプラート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプラート/カプリレートグリセリド、ポリグリセリル−10ラウラート、PEG−30コレステロール、PEG−25フィトステロール、PEG−30ダイズステロール、PEG−20トリオレエート、PEG−40ソルビタンオレエート、PEG−80ソルビタンラウラート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100スクシネート、PEG−24コレステロール、ポリグリセリル−10オレエート、Tween40、Tween60、ショ糖モノステアレート、ショ糖モノラウラート、ショ糖モノパルミテート、PEG10〜100ノニルフェノールシリーズ、PEG15〜100オクチルフェノールシリーズ、及びポロクサマーが含まれるが、これらに限定されない。
好適な親油性界面活性剤には、脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロール及びステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロール及びステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノ及びジグリセリドの乳酸誘導体;ポリオールと少なくとも1つのメンバー、オブグリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸、及びステロールとの疎水性エステル交換生成物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。この群において、親油性界面活性剤の非限定的な例には、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びこれらの混合物が含まれるか、またはポリオールと植物油、水素化植物油、植物油、及びトリグリセリドのうちの少なくとも1つのメンバーとの疎水性エステル交換生成物である。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される薬学的組成物及び剤形は、本明細書で開示されるような化合物を確実かつ良好に可溶及び/または溶解するため、ならびに化合物の沈殿を最小限に抑えるための少なくとも1つの可溶化剤を含み得る。これは、非経口使用のための薬学的組成物、例えば、注入のための薬学的組成物にとって有用であり得る。可溶化剤は、親水性薬物及び/若しくは界面活性剤などの他の構成成分の溶解度を増加するか、または薬学的組成物を、安定しているか若しくは均一な溶液若しくは分散液として維持するために添加することもできる。
好適な可溶化剤の例には、以下の、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール及びこれらの異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロース誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体などのアルコール及びポリオール;テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPEGなどの、約200〜約6000個の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル;2−ピロリドン、2−ピペリドン、ε−カプロラクタム、N−アルキルピロリドン、N−ヒドロキシアルキルピロリドン、N−アルキルピペリドン、N−アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、及びポリビニルピロリドンなどのアミド及び他の窒素含有化合物;エチルプロピオネート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリエチルシトレート、エチルオレエート、エチルカプリレート、エチルブチレート、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ε−カプロラクトン及びこれらの異性体、δ−バレロラクトン及びこれらの異性体、β−ブチロラクトン及びこれらの異性体などのエステル;ならびにジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N−メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及び水などの当技術分野で既知の他の可溶化剤が含まれるが、これらに限定されない。
可溶化剤の混合物も使用され得る。例には、トリアセチン、トリエチルシトレート、エチルオレエート、エチルカプリレート、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200〜100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、及びジメチルイソソルビドが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、可溶化剤には、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG−400、グリコフロール、及びプロピレングリコールが含まれる。
含まれ得る可溶化剤の量は、本組成物に伴って異なり得る。所定の可溶化剤の量は、生体許容量に限定され得、当業者により容易に判定され得る。いくつかの状況において、例えば、薬物の濃度を最大限にするために生体許容量をはるかに超える量の可溶化剤を含むことが有利であり得、過度の可溶化剤は、薬学的組成物を対象に提供する前に、蒸留または蒸発などの従来の技法を使用して除去される。よって、可溶化剤は、存在する場合、本組成物の総重量に基づいて、約10%、約25%、約50%、約100%、または最大約200重量%の量で存在し得る。いくつかの実施形態において、可溶化剤は、約5%、約2%、約1%以下の量で存在し得る。いくつかの実施形態において、可溶化剤は、約1%〜約100%、例えば、約5%〜約25重量%の量で存在し得る。
薬学的組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤をさらに含み得る。かかる賦形剤には、脱粘着剤、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤、粘度調節剤、等張化剤、香料、着色料、油、付臭剤、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
防腐剤の非限定的な例には、抗酸化剤、キレート剤、抗菌防腐剤、抗真菌防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤、及び他の防腐剤が含まれる。典型的な抗酸化剤には、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。キレート剤の非限定的な例には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸ジナトリウム、エデト酸ジカリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、及びエデト酸トリナトリウムが含まれる。典型的な抗菌防腐剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、チオルヘキシジン、チオロブタノール、チオロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、及びチメロサールが含まれるが、これらに限定されない。典型的な抗真菌防腐剤には、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、及びソルビン酸が含まれるが、これらに限定されない。典型的なアルコール防腐剤には、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、安息香酸ヒドロキシ、及びフェニルエチルアルコールが含まれるが、これらに限定されない。典型的な酸性防腐剤には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、及びフィチン酸が含まれるが、これらに限定されない。他の防腐剤には、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム、セトリミド、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall115、GermabenII、Neolone、Kathon、及びEuxylが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、防腐剤は、抗酸化剤であり得る。他の実施形態において、防腐剤は、キレート剤であり得る。
典型的な油には、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、ベルガモット油、黒潮種油、ルリジサ油、カデ油、カミツレ油、キャノーラ油、キャラウェイ油、カルナウバ油、海狸香、シナモン油、カカオバター、ココナツ油、タラ肝油、コーヒーの油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、ユーカリ油、月見草油、魚油、アマニ油、ゲラニオール油、ゴード油、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、ヒソップ油、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ油、ククニナッツ油、ラバンディン油、ラベンダー油、レモン油、リツェアクベバ油、マカデミアナッツ油、ゼニアオイ油、マンゴー種子油、メドウフォームシード油、ミンク油、ナツメグ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラッフィー油、パーム油、パーム核油、桃仁油、ピーナッツ油、ケシの実油、パンプキンシード油、菜種油、米ぬか油、ローズマリー油、ベニバナ油、サンダルウッド油、サスクアナ油、セイボリー油、シーバックソーン油、ゴマ油、シアバター、シリコーン油、ダイズ油、ヒマワリ油、ティーツリー油、アザミ油、ツバキ油、ベチバー油、クルミ油、及び小麦胚種油が含まれるが、これらに限定されない。典型的な油には、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコーン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱物油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される組成物は、油/水性製剤であり得る。油/水性乳化製剤は、少なくとも1つの乳化剤を、任意に少なくとも1つの脂肪及び/油と共に含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの親水性乳化剤は、本明細書で開示される組成物中に、任意に、安定剤として作用し得る少なくとも1つの親油性乳化剤と共に含まれ得る。いくつかの実施形態において、油及び脂肪の両方が使用され得る。少なくとも1つの乳化剤は、任意に少なくとも1つの安定剤を伴って、乳化軟膏基剤を形成し得る少なくとも1つの乳化ワックスを作り得る。この軟膏基剤は、クリーム製剤の油性に分散した相を形成し得る。開示される製剤で使用するのに好適な乳化剤及び乳化安定剤には、単独でまたはワックスを伴う、Tween60、Span80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリル、及び当技術分野で周知の他の材料が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの事例において、医薬用乳化製剤中で使用される可能性が高い油(複数可)の中の活性化合物の溶解度は、低い場合がある。直鎖状または分岐鎖状の一塩基または二塩基アルキルエステルは、溶解度を補助し得、例えば、ジ−イソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ココナツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、または分岐鎖状エステルのブレンドが使用され得る。これらは、必要とされる特性に応じて単独または組み合わせて使用され得る。あるいは、白色ワセリン及び/若しくは流動パラフィン、または他の鉱物油などの高融解点脂質が使用され得る。
加えて、酸または塩基は、プロセスを促進するため、安定性を高めるため、または他の理由で薬学的組成物中に組み込まれ得る。薬学的に許容される塩基の例には、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロカルサイト、水酸化マグネシウムアルミニウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)などが含まれる。さらに、好適なものは、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸(hydroquinosulfonic acid)、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などの薬学的に許容される酸の塩である塩基である。リン酸ナトリウム、リン酸水素ジナトリウム、及びリン酸二水素ナトリウムなどの多塩基酸の塩も使用され得る。塩基が塩であるとき、カチオンは、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ性土類金属などの、任意の便宜的で薬学的に許容されるカチオンであり得る。例には、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、及びアンモニウムが含まれ得るが、これらに限定されない。
好適な酸の非限定的な例は、薬学的に許容される有機または無機酸である。好適な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが含まれるが、これらに限定されない。好適な有機酸の例には、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸(hydroquinosulfonic acid)、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような少なくとも1つの化合物と、非経口投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含有する非経口投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、(i)有効量の本明細書で開示される少なくとも1つの化合物と、任意に(ii)有効量の少なくとも1つの第2の薬剤と、(iii)非経口投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む非経口投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、(iv)有効量の少なくとも1つの第3の薬剤をさらに含む。
開示される薬学的組成物が注入による投与のために組み込まれ得る形態には、水性若しくは油性懸濁液、またはゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、若しくはピーナッツ油を伴う乳剤、ならびにエリキシル剤、マンニトール、デキストロース、または無菌水性溶液、及び類似の薬学的ビヒクルが含まれる。生理食塩水中の水性溶液も注入のために従来通り使用され得る。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、ベンジルアルコールなど(及びこれらの好適な混合物)、シクロデキストリン誘導体、塩化ナトリウム、トラガントゴム、緩衝液、及び植物油も利用され得る。
生理食塩水中の水性溶液も注入のために従来通り使用され得る。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど(及びこれらの好適な混合物)、シクロデキストリン誘導体、及び植物油も利用され得る。例えば、分散液の場合、必要とされる粒子サイズの維持のためのレシチンなどのコーティングの使用により、及び界面活性剤の使用により、適切な流動性が維持され得る。微生物の作用の阻止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによりもたらされ得る。
いくつかの実施形態において、活性成分も、生理食塩水、デキストロース、若しくは水を含むが、これらに限定されない好適な担体、またはシクロデキストリン(例えば、Captisol)、共溶媒可溶化(例えば、プロピレングリコール)、若しくはミセル可溶化(例えば、Tween80)を有する組成物として注入により投与され得る。
無菌注入可能溶液は、本明細書で開示されるような化合物を必要とされる量で、上記に列挙される種々の他の成分と共に適切な溶媒中に組み込んだ後、適切である場合、ろ過滅菌することにより調製され得る。概して、分散液は、種々の滅菌された活性成分を、塩基性分散培養液及び上記に列挙される適切な他の成分を含有する無菌ビヒクル中に組み込むことにより調製される。無菌粉末の場合、無菌注入可能溶液の調製に関して、ある特定の調製方法は、先に無菌ろ過したこれらの溶液の活性成分プラス任意の追加の成分の粉末を産生する真空乾燥技法及びフリーズドライ技法である。
無菌注入可能調製物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中、無菌注入可能溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液でもあり得る。利用され得る許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌固定油が溶媒または懸濁培養液として従来利用されている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の銘柄の固定油が利用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注入可能な調製物中で使用されることが分かっている。
注入可能製剤は、例えば、細菌保持ろ過器に通してろ過することにより、または使用前に無菌水若しくは他の注入可能な無菌培養液中に溶解または分散され得る無菌固体組成物の形態で無菌剤を組み込むことにより滅菌され得る。注入可能組成物は、約0.1%〜約5w/w%の本明細書で開示されるような化合物を含有し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような少なくとも1つの化合物と、局所投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む局所(例えば、経皮)投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、(i)有効量の本明細書で開示される少なくとも1つの化合物と、任意に(ii)有効量の少なくとも1つの第2の薬剤と、(iii)局所投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む局所投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される組成物は、(iv)有効量の少なくとも1つの第3の薬剤をさらに含む。
本明細書に提供される薬学的組成物は、ゲル、水溶性ゼリー、ラインメント、クリーム、ローション、懸濁液、泡、粉末、スラリー、軟膏、溶液、油、ペースト、坐薬、スプレー、乳剤、生理食塩水溶液、ジメチルスルホキシド(DMSO)系溶液などの、局所(local)または局所(topical)投与に好適な固体、半固体、または液体形態で調製物に製剤化され得る。概して、より高い密度を有する担体は、領域に活性成分への長期間の曝露を提供することができる。対照的に、溶液製剤は、選択される領域への活性成分のより即時的な曝露を提供し得る。例えば、軟膏製剤は、パラフィン系または水混和性基剤を有し得る。あるいは、活性成分は、水中油型クリーム基剤を有するクリームに製剤化され得る。クリーム基剤の水性相は、例えば、少なくとも約30w/w%の多価アルコール、例えば、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物を含み得る。
薬学的組成物は、好適な固体またはゲル相の担体または賦形剤も含み得、これらは、皮膚の角質層透過性障壁にわたる治療用分子の増加した浸透を可能にするか、またはそれらの送達を支援する化合物である。局所製剤の当業者に既知のこれらの浸透向上分子が多く存在する。かかる担体及び賦形剤の例には、湿潤剤(例えば、尿素)、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、アルコール(例えば、エタノール)、脂肪酸(例えば、オレイン酸)、界面活性剤(例えば、ミリスチン酸イソプロピル及びラウリル硫酸ナトリウム)、ピロリドン、モノラウリン酸グリセロール、スルホキシド、テルペン(例えば、メントール)、アミン、アミド、アルカン、アルカノール、水、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
開示される方法で使用するための別の典型的な製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を利用する。かかる経皮パッチは、本明細書に提供されるような化合物の継続的または断続的な点滴を制御された量で、別の薬剤を伴ってかまたは伴わずに提供するために使用され得る。パッチは、貯蔵膜及び多孔性膜型または様々な固体マトリックスであり得る。どちらの事例においても、活性薬剤は、貯蔵所またはマイクロカプセルから膜を通して、レシピエントの皮膚または粘膜と接触している活性薬剤浸透性接着物中に継続的に送達され得る。活性薬剤が皮膚を通して吸収されると、活性薬剤の制御及び既定された供給量がレシピエントに投与され得る。マイクロカプセルの場合、封入剤も膜として機能し得る。
医薬品を送達するための経皮パッチの構成及び使用は、当技術分野で周知である。例えば、米国特許第5,023,252号、同第4,992,445号、及び同第5,001,139号を参照されたい。かかるパッチは、医薬品の継続的、拍動的、または要求に応じた送達のために構成され得る。
本明細書に記載される薬学的に許容される真皮内組成物の送達において使用するための好適なデバイスには、米国特許第4,886,499号、同第5,190,521号、同第5,328,483号、同第5,527,288号、同第4,270,537号、同第5,015,235号、同第5,141,496号、及び同第5,417,662号に記載されるものなどの短針デバイスが含まれる。真皮内組成物は、PCT公開第WO99/34850号に記載されるもの及びこれらと機能的同等物などの、針の皮膚への効果的な貫通長さを限定するデバイスにより投与され得る。角質層を突き通し、真皮に達するジェットを生み出す液体ジェット注入器及び/または針を介して液体ワクチンを真皮に送達するジェット注入デバイスが好適である。ジェット注入デバイスは、例えば、米国特許第5,480,381号、同第5,599,302号、同第5,334,144号、同第5,993,412号、同第5,649,912号、同第5,569,189号、同第5,704,911号、同第5,383,851号、同第5,893,397号、同第5,466,220号、同第5,339,163号、同第5,312,335号、同第5,503,627号、同第5,064,413号、同第5,520,639号、同第4,596,556号、同第4,790,824号、同第4,941,880号、同第4,940,460号、ならびにPCT公開第WO97/37705及び同第WO97/13537号に記載される。ワクチンを粉末形態で皮膚の外層を通して真皮に進めるために圧縮ガスを使用する弾道粉末/微粒子送達デバイスが好適である。あるいはまたは加えて、従来の注射器が、真皮内投与の模範的なマントー方法で使用され得る。
局所的投与が可能な製剤は、例えば、約1%〜約10%(w/w)の開示される化合物を含み得るが、式Iの化合物の濃度は、溶媒中の化合物の溶解度の限度の高さになり得る。いくつかの実施形態において、局所的投与が可能な製剤は、例えば、約0.001%〜約10%(w/w)の化合物、約1%〜約9%(w/w)の化合物、例えば約1%〜約8%(w/w)、さらに例えば約1%〜約7%(w/w)、さらに例えば約1%〜約6%(w/w)、さらに例えば約1%〜約5%(w/w)、さらに例えば約1%〜約4%(w/w)、さらに例えば約1%〜約3%(w/w)、さらに例えば約1%〜約2%(w/w)、及びさらに例えば約0.1%〜約1%(w/w)の化合物を含み得る。いくつかの実施形態において、局所製剤は、1日1回〜4回、例えば1回または2回投与される約0.1mg〜約150mgを含む。局所投与のための製剤は、本明細書に記載される追加の薬学的に許容される賦形剤のうちの1つ以上をさらに含み得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような少なくとも1つの化合物と、局所投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む吸入投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、(i)有効量の本明細書で開示される少なくとも1つの化合物と、任意に(ii)有効量の少なくとも1つの第2の薬剤と、(iii)吸入投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む吸入投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、(iv)有効量の少なくとも1つの第3の薬剤をさらに含む。
吸入または吹送のための薬学的組成物は、薬学的に許容される水性若しくは有機溶媒、またはこれらの混合物中の溶液及び懸濁液、ならびに粉末を含む。液体または固体の薬学的組成物は、本明細書に記載されるような好適な薬学的に許容される賦形剤を含有し得る。例えば、好適な賦形剤には、生理食塩水、ベンジルアルコール、及びフルオロカーボンが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、局所または全身効果のために口または鼻呼吸経路により投与される。薬学的に許容される溶媒中の薬学的組成物は、不活性ガスの使用により噴霧され得る。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接的に吸入され得るか、または噴霧デバイスが、顔面マスクテント若しくは断続的陽圧呼吸機器に装着され得る。溶液、懸濁液、または粉末薬学的組成物は、適切な手法で製剤を送達するデバイスから、例えば、経口的または経鼻的に投与することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような少なくとも1つの化合物と、眼投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む眼投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。眼口投与に好適な薬学的組成物は、目薬またはエアロゾルスプレーなどの個別の剤形として提示され得、各々が水性液体若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液、水中油型乳剤、または油中水型乳剤である既定の量の活性成分を含有する。他の投与形態には、眼内注入、硝子体内注入、局所的、または薬物溶出デバイス、マイクロカプセル、インプラント、若しくはマイクロ流体デバイスの使用によることが含まれる。いくつかの事例において、本明細書で開示されるような化合物は、界面薄膜により包囲される油性コアを有するコロイド微粒子を有する油性及び水性乳剤などの、化合物の眼内浸透を増加させる担体または賦形剤と共に投与される。局所、結膜下、眼球周囲、眼球後、テノン嚢下、前房内、硝子体内、眼内、網膜下、強膜近傍、及び脈絡膜上投与を含む、目への全ての局所経路が使用され得ることが企図される。静脈内、皮下、及び経口送達を含むが、これらに限定されない全身または非経口投与が実行可能であり得る。典型的な投与方法は、溶液若しくは懸濁液の硝子体内若しくはテノン嚢下注入、または生体分解可能性若しくは非生体分解可能性デバイスの硝子体内若しくはテノン嚢下配置、または溶液若しくは懸濁液の局所的眼投与によるか、またはゲル若しくはクリーム製剤の後強膜近傍投与であり得る。
目薬は、生理食塩水、緩衝溶液などの無菌水性溶液中で活性成分を溶解すること、または粉末組成物を組み合わせて、使用前に溶解することにより調製され得る。平衡塩溶液、生理食塩水溶液、ポリエシレングリコールなどの水溶性ポリエーテル、ポリビニルアルコール及びポビドンなどのポリビニル、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、鉱物油及び白色ワセリンなどの石油誘導体、ラノリンなどの動物性脂肪、カルボキシポリメチレンゲルなどのアクリル酸のポリマー、ピーナッツ油などの植物性脂肪及びデキストランなどのポリサッカライド、ならびにヒアルロン酸ナトリウムなどのグルコサミノグリカンを含むが、これらに限定されない、当技術分野で既知であるような他のビヒクルが選択され得る。いくつかの実施形態において、目薬で通常使用される添加剤が添加され得る。かかる添加剤には、等張化剤(例えば、塩化ナトリウムなど)、緩衝剤(例えば、ホウ酸、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、チオロブタノールなど)、濃厚剤(例えば、乳糖、マンニトール、マルトースなどのサッカライド;例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウムなどのヒアルロン酸若しくはその塩;例えば、硫酸コンドリチンなどのムコポリサッカライド;例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、架橋ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または当業者に既知の他の薬剤)が含まれる。
いくつかの事例において、コロイド微粒子には、ポロクサマー、チロキサポール、ポリソルベート、ポリオキシエチレンひまし油誘導体、ソルビタンエステル、またはステアリン酸ポリオキシルなどの少なくとも1つのカチオン性薬剤及び少なくとも1つの非イオン性界面活性剤が含まれる。いくつかの事例において、カチオン性薬剤は、アルキルアミン、三級アルキルアミン、四級アンモニウム化合物、カチオン性脂質、アミノアルコール、ビグアニジン塩、カチオン性化合物、またはこれらの混合物から選択され得る。いくつかの事例において、カチオン性薬剤は、クロルヘキシジン、ポリアミノプロピルビグアニジン、フェンホルミン、アルキルビグアニジン、またはこれらの混合物などのビグアニジン塩であり得る。いくつかの事例において、四級アンモニウム化合物は、ハロゲン化ベンザルコニウム、ハロゲン化ラウラルコニウム、セトリミド、ハロゲン化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラデシルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ドデシルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化セトリモニウム、ハロゲン化ベンゼトニウム、ハロゲン化ベヘナルコニウム、ハロゲン化セタルコニウム、ハロゲン化セテチルジモニウム、ハロゲン化セチルピリジニウム、ベンゾドデシニウム、ハロゲン化クロラリルメテンアミン(chlorallyl methenamine)、ハロゲン化ミリスチルアルコニウム(myristylalkonium)、ハロゲン化ステアラルコニウム、またはこれらの2つ以上の混合物であり得る。いくつかの事例において、カチオン性薬剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ラウラルコニウム、臭化ベンゾドデシニウム、塩化ベンゼテニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、またはこれらの2つ以上の混合物であり得る。いくつかの事例において、油相は、鉱物油及び軽鉱物油、中鎖トリグリセリド(MCT)、ココナツ油;水素化綿実油、水素化パーム油、水素化ひまし油、または水素化ダイズ油を含む水素化油;ポルオキシル−40水素化ひまし油、ポリオキシル−60水素化ひまし油、またはポリオキシル−100水素化ひまし油を含むポリオキシエチレン水素化ひまし油誘導体であり得る。
いくつかの実施形態において、製剤中の本明細書で開示されるような化合物の量は、約0.5%〜約20%、0.5%〜約10%、または約1.5w/w%であり得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような少なくとも1つの化合物と、制御された放出投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む制御された放出投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、(i)有効量の本明細書で開示される少なくとも1つの化合物と、任意に(ii)有効量の少なくとも1つの第2の薬剤と、(iii)制御された放出投与に好適な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む制御された放出投与のための薬学的組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、(iv)有効量の少なくとも1つの第3の薬剤をさらに含む。
本明細書に提供される化合物などの活性薬剤が、制御された放出手段により、または当業者に周知である送達デバイスにより投与され得る。例には、米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号、同第3,536,809号、同第3,598,123号;及び4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、同第5,639,480号、同第5,733,566号、同第5,739,108号、同第5,891,474号、同第5,922,356号、同第5,972,891号、同第5,980,945号、同第5,993,855号、同第6,045,830号、同第6,087,324号、同第6,113,943号、同第6,197,350号、同第6,248,363号、同第6,264,970号、同第6,267,981号、同第6,376,461号、同第6,419,961号、同第6,589,548号、同第6,613,358号、同第6,699,500号に記載されるものが含まれるが、これらに限定されず、各々が参照により、本明細書に組み込まれる。かかる剤形は、異なる割合で所望の放出プロファイルを提供するように、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他の高分子マトリックス、ゲル、透過膜、浸透圧性系、多層コーティング、微小粒子、リポソーム、小球体、またはそれらの組み合わせを使用して、1つ以上の活性薬剤の緩慢または制御された放出を提供するために使用され得る。本明細書に記載されるものを含む当業者に既知の好適な制御された放出製剤は、本明細書に提供される活性薬剤と共に使用するために容易に選択され得る。よって、提供される薬学的組成物は、制御された放出のために適合された錠剤、カプセル、ゲルキャップ、及びカプレットなどだがこれらに限定されない、経口投与に好適な単一の単位剤形を包含する。
全ての制御された放出薬学的生成物は、それらの非制御の対応物により達成されたものを超える薬物療法の改善という共通の目的を有する。いくつかの実施形態において、医学的処置における制御された放出調製物の使用は、最短時間で疾患、障害、または状態を治療または制御するのに利用されている最小の原薬を特徴とし得る。制御された放出製剤の利点には、薬物の長期間の活性、低減された投与頻度、及び増加した対象の服用率が含まれる。加えて、制御された放出製剤は、作用の開始の時間、または薬物の血中濃度などの他の特徴に影響を及ぼすために使用され得、よって、副(例えば、逆)作用の発生にも影響を及ぼし得る。
いくつかの実施形態において、制御された放出製剤は、所望の治療効果を迅速に生み出す本明細書で開示されるような化合物の量を最初に放出し、化合物の他の量を徐々に、かつ連続的に放出して、長期間にわたってこのレベルの治療または予防効果を維持するように考案される。身体内の化合物のこの一定のレベルを維持するために、化合物は、身体から代謝及び排出されている薬物の量に取って代わるであろう速度で剤形から放出されるべきである。活性薬剤の制御された放出は、pH、温度、酵素、水、または他の生理的条件若しくは化合物を含むが、これらに限定されない種々の条件により刺激を受け得る。
ある特定の実施形態において、薬学的組成物は、静脈内点滴、埋め込み可能な浸透ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、または他の投与様式を使用して投与され得る。いくつかの実施形態において、ポンプが使用され得る(Sefton,CRC Crit.Ref Biomed.Eng.14:201(1987)、Buchwaldら,Surgery 88:507(1980)、Sandekら,N.Engl.J.Med.321:574(1989)を参照されたい)。別の実施形態において、ポリマー材料が使用され得る。さらに別の実施形態において、制御された放出システムは、当業者により判定される対象内の適切な部位に置くことができ、すなわち、よって、全身用量の一部のみを必要とする(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,115−138(vol.2,1984)を参照されたい。他の制御された放出システムは、Langer,Science 249:1527−1533(1990)による総説において考察される。少なくとも1つの活性薬剤は、固体内部マトリクス、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化テレフタル酸ポリエチレン、天然ラバー、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンラバー、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドキシオゲルなどの親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び部分的にヒドキシオ化架橋ポリ酢酸ビニル中に分散され得、それは、体液中で不溶性である、外部ポリマー膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリル酸コポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンラバー、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンラバー、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニルを有する塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーテレフタル酸ポリエチレン、ブチルラバーエピクロロヒドリンラバー、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーにより包囲される。次いで、少なくとも1つの活性薬剤が、放出速度制御ステップにおいて外部ポリマー膜を通って拡散する。かかる非経口組成物中の少なくとも1つの活性薬剤のパーセンテージは、それらの特定の性質、ならびに対象の必要性に依存し得る。
本明細書に記載される化合物は、治療有効量の本明細書で開示される少なくとも1つの化合物、及び/または少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と一緒に製剤化された、化学療法剤などの少なくとも1つの追加の治療剤を含む、薬学的に許容される組成物の形態で送達され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される化合物のみが、追加の治療剤を伴うことなく剤形中に含まれ得る。いくつかの例において、本明細書に記載される化合物及び追加の治療剤は、別々の薬学的組成物中で投与され、(例えば、異なる物理的及び/または化学的特徴に起因して)異なる経路を介して投与され得る(例えば、ある治療剤は、経口で投与され得、一方で他の治療剤は、静脈内に投与され得る)。他の例において、本明細書に記載される化合物及び追加の治療剤は、別々ではあるが、同じ経路を介して(例えば、両方とも経口または両方とも静脈内に)投与され得る。さらに他の例において、本明細書に記載される化合物及び追加の治療剤は、同じ薬学的組成物中で投与され得る。
選択される投薬量レベルは、利用される特定の化合物の活性、状態の重症度、投与の経路、投与の時間、利用されている特定の化合物の排出または代謝の速度、吸収の速度及び程度、治療の期間、利用される特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物、及び/または材料の投与、治療されている患者の年齢、性別、体重、状態、健康全般、及び病歴、ならびに医療分野において周知である同様の要因を含む、様々な要因に依存するであろう。
用量レベルの情報は、任意に、最適な投与範囲の特定を助けるために利用することができるインビトロアッセイまたはインビボアッセイにより与えられ得る。有効用量に対する1つの指針は、インビトロまたは動物モデル試験系に由来する用量反応曲線から外挿され得る。さらに、所望の用量で適切な薬学的に許容される担体と製剤化した後、本明細書で開示されるような組成物は、経口、直腸、非経口、大槽内、膣内、腹腔内、局所(経皮パッチ、粉末、軟膏、または目薬による)、舌下、頬、経口若しくは経鼻スプレーとして、またはこれらと同様にヒト及び他の動物に投与され得る。
概して、本明細書に記載される化合物及び/または化学療法剤の好適な1日用量は、いくつかの実施形態において、治療効果が生じるのに効果的な最低用量であり得る化合物の量になるであろう。かかる有効用量は、概して上述の因子に依存するであろう。いくつかの実施形態において、患者に対して本明細書に記載される化合物が示される効果のために使用されるとき、その用量は、1日当たり約0.0001mg〜約100mg、または1日当たり約0.001mg〜約100mg、または1日当たり約0.01mg〜約100mg、または1日当たり約0.1mg〜約100mg、または1日当たり約0.1mg〜約125mg、または1日当たり約0.0001mg〜約500mg、または1日当たり約0.001mg〜約500mg、または1日当たり約0.01mg〜約1000mg、または1日当たり約0.01mg〜約500mg、または1日当たり約0.1mg〜約500mg、または1日当たり約1mg〜約25mg、または1日当たり約1mg〜約50mg、または1日当たり約5mg〜約40mgの範囲になるであろう。典型的な用量は、1日当たり約10〜約30mgであり得る。いくつかの実施形態において、70kgのヒトに対して、好適な用量は、約0.05〜約7g/日、例えば、約0.05〜約2g/日であろう。いくつかの実施形態において、1日の経口用量は、約30mg、約90mg、約150mg、または約180mgである。本明細書で使用される場合、「約」は、修正値の±5%を意味する。本明細書に記載される薬学的組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、患者に対して毒性であることなく、特定の患者、組成物、及び投与様式に関して所望の治療的応答を達成するのに有効である活性成分の量を得るように、変化され得る。いくつかの例において、前述の範囲の下限未満の用量レベルは、十分過ぎる場合があるが、一方で他の事例において、さらに大きな用量が、例えば、1日かけてかかるより大きな用量を投与するように少量を複数に分割することにより有害な副作用を一切引き起こすことなく利用され得る。
いくつかの実施形態において、化合物は、毎日、1日おき、週に3回、週に2回、毎週、2週間に1回、または別の断続的スケジュールで投与され得る。投薬スケジュールは、「休薬日」を含み得、すなわち、薬物が、2週間投与され得、1週間投与されず、若しくは3週間投与され得、1週間投与されず、若しくは4週間投与され得、1週間投与されないか、または休薬日がなく継続的に投与され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるような化合物が、複数回の投薬で投与され得る。投薬は、1日当たり約1回、2回、3回、4回、5回、または6回以上になり得る。投薬は、月に約1回、2週間に約1回、1週間に約1回、または約1日おきになり得る。別の実施形態において、本明細書で開示されるような化合物及び別の薬剤が共に、1日当たり約1回〜1日当たり約6回投与される。例えば、化合物は、無期限に、または例えば4〜10週間の期間の間、毎週(例えば、毎週月曜日)1日当たり1回以上投与され得る。あるいは、それは、何日かの期間の間(例えば、2〜10日)毎日投与され得、その後何日かの期間の間(例えば、1〜30日)化合物は投与されず、このサイクルが、無期限、または所定の数のサイクルの間、例えば、4〜10サイクル繰り返される。例として、本明細書に提供される化合物は、毎日5日間投与され得、次いで、9日間中止され、次いで、さらに5日間投与され、次いで、9日間中止され、無期限に、または合計4〜10回このサイクルを繰り返す。別の実施形態において、本明細書に提供されるような化合物及び薬剤の投与の継続は、約7日未満である。さらに別の実施形態において、投与は、約6日、約10日、約14日、約28日、約2ヶ月、約6ヶ月、または約1年を超えて継続する。いくつかの事例において、継続的投薬は達成され得、必要な限り維持され得る。
本明細書で開示されるような薬学的組成物の投与は、必要な限り継続され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような薬剤は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約14日、または約28日を超えて投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような薬剤は、約28日、約14日、約7日、約6日、約5日、約4日、約3日、約2日、または約1日未満で投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような薬剤は、例えば慢性効果の治療のために、継続的に長期的に投与され得る。
特定の疾患状態または障害の治療または阻害のために投与されるとき、有効用量の本明細書で開示されるような化合物は、使われる特定の化合物、投与様式、状態、及び治療されている状態のこれらの重症度、ならびに治療されている個体に関する種々の物理的要因に応じて異なり得る。いくつかの実施形態において、本化合物の有効全身用量は典型的に、1回または複数回の投薬で投与される、患者の体重1kg当たり約0.01〜約500mgの化合物、例えば、約0.1〜約125mg/kg、及びいくつかの事例において、約1〜約25mg/kgの範囲になるであろう。計画的な毎日の用量は、投与の経路に伴って異なると予想される。よって、非経口投薬はしばしば、経口投薬レベルの約10%〜約20%のレベルになるであろう。概して、本化合物は、かかる治療が必要な患者に、患者1人当たり約50〜約2000mgの1日用量の範囲で投与され得る。投与は、1日1回若しくは複数回、毎週(または、数日間隔で)、または断続的スケジュールになり得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような化合物の用量は、1日1回経口投与される30、60、90、120、180、及び240mgから選択され得る。別の投薬レジメンは、1日1回90mg経口投与されるか、または90mgを毎日7日間経口投薬された後、毎日180mg投薬されることを含み得る。いくつかの実施形態において、投与される化合物は、ブリガチニブ形態Aである。
本明細書に記載される化合物は、他の治療法(追加の化学療法、放射線、または手術など)と組み合わせて投与することができるため、各薬剤または療法の用量は、単一の薬剤療法の対応する用量より低くなり得る。単一の薬剤療法の用量は、例えば、体重1キログラム当たり、1日約0.0001〜約200mg、または約0.001〜約100mg、または約0.01〜約100mg、または約0.1〜約100mg、または約1〜約50mgの範囲になり得る。
本明細書に提供される化合物が1つ以上の薬剤を含む薬学的組成物中に投与され、薬剤のうちの1つ以上が本明細書に提供される化合物より短い半減期を有するとき、薬剤(複数可)及び本明細書に提供される化合物の単位剤形は、適宜調整され得る。
いくつかの実施形態において、キットが本明細書に提供される。キットは、好適な包装内に、本明細書に記載される化合物または薬学的組成物、及び使用説明、臨床研究の考察、副作用の列挙などを含み得る文書を含み得る。キットは、錠剤またはカプセルなどの固体の経口剤形の送達に大変適している。かかるキットは、科学文献参照、添付文書資料、臨床試験結果、及び/若しくはこれらの要約などの情報も含み得、これは、薬学的組成物の活性及び/若しくは利点を示すか若しくは確立し、かつ/または用量、投与、副作用、薬物相互作用、若しくは医療提供者にとって有用な他の情報を記載する。かかる情報は、種々の研究、例えば、インビボモデルを伴う実験動物を使用した研究及びヒト臨床試験に基づく研究の結果に基づき得る。
いくつかの実施形態において、記憶補助装置が、例えば、錠剤またはカプセルの隣の数字の形態でキットに提供され得、それにより、数字は、規定通りの錠剤またはカプセルが摂取されるべきレジメンの日数に対応する。かかる記憶補助装置の別の例は、カードに印刷された、例えば、以下「第1の週、月曜日、火曜日、など、第2の週、月曜日、火曜日」などのカレンダーであり得る。記憶補助装置の他の変形形態は、容易に明白になるであろう。「1日用量」は、所定の日に服用すべき単一の錠剤若しくはカプセルまたは複数の錠剤若しくはカプセルであり得る。
キットは、別の薬剤をさらに含有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような化合物及び薬剤は、キット内に、別々の容器中の別々の薬学的組成物として提供される。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるような化合物及び薬剤は、キット内に、容器中の単一の薬学的組成物として提供される。使用するための好適な包装及び追加の物品(例えば、液体調製物のための測定カップ、空気への曝露を最小限に抑えるためのホイル包装など)は、当技術分野で既知であり、キット内に含まれ得る。他の実施形態において、キットは、活性薬剤を投与するために使用されるデバイスをさらに含み得る。かかるデバイスの例には、注射器、ドリップバッグ、パッチ、及び吸入器が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載されるキットは、医師、看護師、薬剤師、調剤職員などを含む医療提供者に、提供、市販、及び/または販売促進され得る。キットは、いくつかの実施形態において、消費者に直接市販もされ得る。
かかるキットの例は、所謂ブリスターパックである。ブリスターパックは、包装業界では周知であり、薬学的単位剤形(錠剤、カプセルなど)の包装に幅広く使用されている。ブリスターパックは概して、通常透明のプラスチック材料のホイルで覆われた相対的に堅い材料のシートからなる。包装プロセス中にプラスチックホイルに凹所が形成される。凹所は、梱包される錠剤またはカプセルのサイズ及び形を有する。次に、錠剤またはカプセルは凹所に置かれ、相対的に堅い材料のシートは、凹が形成された方向とは逆であるホイルの前面でプラスチックホイルに対して密封される。結果として、錠剤またはカプセルは、プラスチックホイルとシートとの間の凹所に密封される。シートの強度は、凹所に手動で圧力を適用して、それにより開放部が凹所があるシートに形成されることにより、錠剤またはカプセルがブリスターパックから取り出され得る程度である。次いで、錠剤またはカプセルが、該開放部を介して取り出され得る。
キットは、1つ以上の活性薬剤を投与するために使用され得る薬学的に許容されるビヒクルをさらに含み得る。例えば、活性薬剤が、非経口投与のために再構成される必要がある固体形態に提供される場合、キットは、ビヒクルに好適な密封容器油浸式強制空冷を含み得、ここで、活性薬剤は溶解されて、非経口投与に好適である微粒子不含無菌溶液を形成し得る。薬学的に許容されるビヒクルの例には、注入USP用の水;塩化ナトリウム注入液、リンガー注入液、デキストロース注入液、デキストロースと塩化ナトリウムとの注入液、及び乳酸リンガー注入液などであるが、これらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどであるが、これらに限定されない水混和性ビヒクル;ならびにトウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどであるが、これらに限定されない非水性ビヒクルが含まれるが、これらに限定されない。
本開示は、水がいくつかの化合物の変質を促進し得るため、活性成分を含む無水の薬学的組成物及び剤形をさらに包含する。例えば、水は、薬学分野において、時間の経過に伴う製剤の貯蔵寿命または安定性などの特徴を判定するために、長期保管のシミュレーションを行なう手段として添加され得る(例えば、約5%)。無水の薬学的組成物及び剤形は、無水または低水分含有成分、及び低水分または低湿度条件を使用して調製され得る。例えば、乳糖を含有する薬学的組成物及び剤形は、製造、包装、及び/または保管中に、水分及び/または湿気との実質的な接触が予想される場合、無水に作製され得る。無水の薬学的組成物は、その無水性が維持されるように調製及び保管され得る。したがって、無水の薬学的組成物は、水への曝露を阻止することで既知の材料を使用して、それらが好適な製剤キット中に含まれ得るように包装され得る。好適な包装の例には、密封のシールフォイル、プラスチックなど、単位用量容器、ブリスターパック、及びストリップパックが含まれるが、これらに限定されない。
IV.治療法
いくつかの実施形態において、ブリガチニブの少なくとも1つの結晶形態を含む薬学的組成物は、治療有効量の薬学的組成物をそれらを必要とする対象に投与することにより癌を治療するために使用され得る。いくつかの実施形態において、癌は、ALK+誘導癌である。いくつかの実施形態において、癌は、非小細胞肺癌である。
「治療有効量」は、検出可能な癌細胞の死滅、または成長若しくは拡散の阻害;腫瘍のサイズまたは数;あるいは癌のレベル、段階、進行、または重症度の他の指標に対する効果的な量である。必要とされる正確な量は、対象の人種、年齢、及び概況、疾患の重症度、特定の抗癌剤、その投与様式、他の療法との併用治療などに応じて対象ごとに異なり得る。
化合物を、キナーゼが関係し得る疾患、かかる疾患の症状、またはキナーゼにより媒介される他の生理的事象の効果を治療するかまたは低調させるための目的の化合物とする生物学的特性を有する化合物が本明細書で開示される。例えば、本明細書で開示されるようないくつかの化合物は、ALK、fak、及びc−metのチロシンキナーゼ活性を阻害すると示され、とりわけチロシンキナーゼは癌の成長、進展、及び/または転移を媒介すると考えられる。本明細書で開示されるようないくつかの化合物は、とりわけkarpas299細胞を含む、癌細胞株に対する強力なインビトロ活性を保有することも分かった。よって、かかる化合物は、固体腫瘍、ならびにリンパ腫を含み、かつ他の療法に対して耐性がある癌を含む、癌治療のための目的の化合物である。
いくつかの実施形態において、癌は、ALK+誘導癌である。いくつかの実施形態において、癌は、非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態において、癌は、ALK陽性NSCLCである。いくつかの実施形態において、癌は、局所的進行性または転移性のALK陽性NSCLCである。いくつかの実施形態において、癌/患者は以前、クリゾチニブまたは別のチロシンキナーゼ阻害剤で治療したことがある。いくつかの実施形態において、癌/患者は以前、ALK阻害剤で治療したことがない。
かかる癌には、乳癌;非小細胞肺癌(NSCLC);神経膠芽腫及び神経芽細胞腫などの神経性腫瘍;食道癌腫;横紋筋肉腫などの軟組織癌;とりわけ未分化大細胞リンパ腫(ALCL)として既知の非ホジキンスリンパ腫(NHL)などの種々の形態のリンパ腫;種々の形態の白血病;ならびにALKまたはc−met媒介性である癌が含まれるが、これらに限定されない。
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)は、インスリン受容体亜群に属する細胞膜貫通受容体チロシンキナーゼである。ALK受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)として既知のヒト非ホジキンリンパ腫リンパ腫亜型におけるその関係性に因り最初に特定された。ALKは通常、胚発生において神経システムでのみ著しいレベルで見られる、哺乳類細胞において制限された分配を有し、これは、脳発生におけるALKの可能性のある役割を呈する(Duyster,J.ら.,Oncogene,2001,20,5623−5637)。
正常発生におけるその役割に加えて、完全長正常ALKの発現が、神経芽細胞腫、神経外胚葉性腫瘍(Lamant L.ら,Am.J.Pathol.,2000,156,1711−1721;Osajima−Hakomori Y.ら,Am.J.Pathol.2005,167,213−222)、及び神経膠芽腫(Powers C.ら,J.Biol.Chem.2002,277,14153−14158;Grzelinski M.ら,Int.J.Cancer,2005,117,942−951;Mentlein,R.ら,J.Neurochem.,2002,83,747−753)、ならびに乳癌及び黒色腫株(Dirk WG.ら,Int.J.Cancer,2002,100,49−56)などの様々な腫瘍を由来とする細胞株でも検出された。
他のRTKと共通して、転座は、ALK遺伝子に影響を及ぼし、発癌性融合キナーゼの発現をもたらし、最も共通しているのは、NPM−ALKである。例えば、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)のおよそ60パーセントが、ALKのヌクレオフォスミン(NMP)及び細胞内ドメインからなる融合タンパク質を発生させる染色体突然変異に関連する。(Armitage,J.O.ら,Cancer:principle and practice of oncology,6thEdition,2001,2256−2316;kutok,J.L &Aster J.C.,J.Clin.Oncol.,2002,20,3691−3702;Wan,W.ら,Blood,2006,107,1617−1623。この突然変異タンパク質、NPM−ALKは、下流エフェクターの活性化により、その発癌性の原因である構成的に活性なチロシンキナーゼドメインを保有する(Falini,B and al.,Blood,1999,94,3509−3515;Morris,S.W.ら,Brit.J.Haematol.,2001,113,275−295)。実験データは、構成的に活性なALKがALCLの発病に直接的に関係すること、及びALKの阻害がALK陽性リンパ腫細胞の成長を明らかに減じ得ることを証明した(Kuefer,Muら,Blood,1997,90,2901−2910;Bai,R.Y.ら,Exp.Hematol.,2001,29,1082−1090;Slupianek,A.ら,Cancer Res.,2001,61,2194−2199;Turturro,F.ら,Clin.Cancer.Res.,2002,8,240−245)。構成的に活性化されたキメラALKも、主に子ども及び若年成人に影響を及ぼす緩慢に成長する肉腫である炎症性筋線維芽細胞腫(IMT)の約60%で証明された(Lawrence,B.ら,Am.J.Pathol.,2000,157,377−384)。さらに、最近の報告では、食道の扁平上皮細胞癌種(SCC)の場合の、変異体ALK融合、TPM4−ALKの発生も記載されている(Jazzi fr.ら,World J.Gastroenterol.,2006,12,7104−7112;Du X.ら,J.Mol.Med.,2007,85,863−875;Aklilu M.,Semin.Radiat.Oncol.,2007,17,62−69)。よって、ALKは、非造血性及び造血性の両方の悪性病変における発癌に関係するRTKの2、3の例のうちの1つである。さらに最近、染色体2p内の小転位が、非小細胞肺癌(NSCLC)細胞中の棘皮動物微小管結合タンパク質様4(EML4)遺伝子及び未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子の部分を含む融合遺伝子の形成をもたらすことが示されている。(Soda M.ら,Nature,2007,448,561−567)。
いくつかの実施形態において、ALK阻害剤は、ALCL、IMT、増殖性障害、神経膠芽腫、及び本明細書に記載される他の可能性のある固体腫瘍のための単一の治療剤としてもしくは現在の化学療法と組み合わせて使用されるとき、持続的な治癒を生み出し得るか、または、単一の治療剤として、かかる治療を必要とする患者において再発の阻止を維持する役割で使用される可能性がある。
本明細書で開示されるような化合物は、化合物が単独の活性医薬品である治療レジメンの一部として投与され得るか、または併用療法の一部として1つ以上の他の治療剤と組み合わせて使用され得る。併用療法の1つの構成成分として投与されるとき、投与されている治療剤は、同時に若しくは異なる時間で順次に(例えば、相互に72時間、48時間、または24時間以内)で投与される別々の組成物として製剤化され得るか、または治療剤は、単一の薬学的組成物と共に製剤化され、同時に投与され得る。
よって、本明細書で開示される形態のブリガチニブの投与は、放射線治療剤または細胞増殖抑制性剤、細胞傷害性剤、他の抗癌剤、及び他の薬物などの、癌の阻止または治療における当業者に既知の少なくとも1つの追加の治療剤と合わせられて、癌の症状または薬物のいずれかの副作用を好転し得る。追加の治療剤の非限定的な例には、免疫療法(例えば、PD−1及びPDL−1阻害剤など)、血管新生抑制(例えば、ベバシズマブなど)、及び/または化学療法に好適な薬剤が含まれる。
固定用量として製剤化される場合、かかる複合剤は、許容される用量範囲内で本明細書で開示されるような化合物を利用する。複合製剤が不適切であるとき、本明細書で開示されるような化合物はまた、他の抗癌剤または細胞傷害性剤と共に順次に投与され得る。本明細書で開示されるような化合物は、他の抗癌または細胞傷害性剤の投与の前に、投与と同時に、または投与の後に投与され得る。
現在、原発腫瘍の標準的な治療は、外科切除からなり、適切である場合、その後に放射線治療または化学療法が続き、典型的には、静脈内(IV)に投与される。典型的な化学療法政権は、DNAアルキル化剤、DNA挿入剤、CDK阻害剤、または微小管毒物からなる。化学療法用量は、わずかに最大耐量未満であり、よって、用量制限毒性は、悪心、嘔吐、下痢、毛髪損失、好中球減少などである。
商用利用、臨床評価、及び臨床前の開発に利用可能な多くの抗悪性腫瘍剤が存在し、これらは併用薬物化学療法による癌の治療のために選択されるであろう。かかる抗悪性腫瘍剤には、抗生物質型薬剤、アルキル化剤、アンチメタボライト剤、ホルモン剤、免疫剤、インターフェロン型薬剤という名称の複数の主なカテゴリー、及び種々の薬剤のカテゴリーが存在する。
本明細書で開示されるような化合物と組み合わせて使用され得る抗悪性腫瘍剤の第1のファミリーには、アンチメタボライト型/チミジレートシンターゼ阻害剤抗悪性腫瘍剤が含まれる。好適なアンチメタボライト抗悪性腫瘍剤は、5−FU−フィブリノゲン、アカンチホリック酸(acanthifolic acid)、アミノチアジアゾール、ブレキナルナトリウム、カルモフール、CibaGeigy CGP−30694、シクロペンチルシトシン、リン酸シタラビンステアレート、シタラビン共役体、Lilly DATHF、Merrel Dow DDFC、デザグアニン(dezaguanine)、ジデオキシシチジン、ジデオキシグアノシン、ジドックス(didox)、吉富DMDC、ドキシフルリジン、Wellcome EHNA、Merck&Co.,EX−015、ファザラビン、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、5フルオロウラシル、N−(21−フラニジル)フルオロウラシル、第一製薬FO−152、イソプロピルピロリジン、Lilly LY−188011、Lilly LY−264618、メトベンザプリム(methobenzaprim)、メトトレキセート、Wellcome MZPES、ノルスペルミジン、NCI NSC−127716、NCI NSC−264880、NCI NSC−39661、NCI NSC−612567、Warner−Lambert PALA、ペントスタチン、ピリトレキシム、プリカマイシン、朝日化学PL−AC、武田TAC788、チオグアニン、チアゾフリン、Erbamont TIF、トリメトレキセート、チロシンキナーゼ阻害剤、大鵬UFT、及びウリシチン(uricytin)から選択され得るが、これらに限定されない。
本明細書で開示されるような化合物と組み合わせて使用され得る抗悪性腫瘍剤の第2のファミリーは、アルキル化型抗悪性腫瘍剤からなる。好適なアルキル化型抗悪性腫瘍剤は、塩野義254−S、アルド−ホスファミドアナログ、アルトレタミン、アナキシロン、Boehringer Mannheim BBR−2207、ベストラブシル(bestrabucil,)、ブドチタン、湧永CA−102、カルボプラチン、カルムスチン、Chinoin−139、Chinoin−153、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、American Cyanamid CL−286558、Sanofi CY−233、シプラテート(cyplatate)、Degussa D384、住友DACHP(Myr)2、ジフェニルスピロムスチン、二白金細胞増殖抑制剤、Erbaジスタマイシン誘導体、中外DWA−2114R、ITI E09、エルムスチン、Erbamont FCE−24517、リン酸エストラムスチンナトリウム、ホテムスチン、Unimed G M、Chinoin GYKI−17230、ヘプスルファム(hepsulfam)、イホスファミド、イプロプラチン、ロムスチン、マホスファミド、ミトラクトフ日本化薬NK−121、NCI NSC−264395、NCI NSC−342215、オキサリプラチン、Upjohn PCNU、プレドニムスチン、Proter PTT−ll9、ラニムスチン、セムスチン、SmithKline SK&F−101772、ヤクルト本社SN−22、スピロムスチン、田辺製薬TA−077、タウロムスチン、テモゾロミド、テロキシロン、テトラプラチン、及びトリメラモール(trimelamol)から選択され得るが、これらに限定されない。
本明細書で開示されるような化合物と組み合わせて使用され得る抗悪性腫瘍剤の第3のファミリーには、抗生物質型抗悪性腫瘍剤が含まれる。好適な抗生物質型抗悪性腫瘍剤には、大鵬4181−A、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アクチノプラノン、Erbamont ADR−456、エアロプリシニン誘導体、味の素AN II、味の素AN3、日本ソーダアニソマイシン、アントラサイクリン、アジノマイシン−A、ビスカベリン、Bristol−Myers BL−6859、Bristol−Myers BMY−25067、Bristol−Myers BNY−25551、Bristol−Myers BNY−26605、IBristolMyers BNY−27557、Bristol−Myers BMY−28438、硫酸ブレオマイシン、ブリオスタチン−1、大鵬C−1027、カリケマイシン(calichemycin)、クロモキシマイシン(chromoximycin)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、協和醗酵DC−102、協和醗酵DC−79、協和醗酵DC−88A、協和醗酵DC89−Al、協和醗酵DC92−B、ジトリサルビシンB、塩野義DOB−41、ドキソルビシン、ドキソルビシン−フィブリノゲン、エルサマイシン−A、エピルビシン、エルブスタチン、エソルビシン、エスペラマイシン−Al、エスペラマイシン−Alb、Erbamont FCE21954、藤沢FK−973、ホストリエシン、藤沢FR−900482、グリドバクチン、グレガチン−A、グリンカマイシン、ハービマイシン、イダルビシン、イルージン類、カズサマイシン、ケサリロジン(kesarirhodin)類、協和醗酵KM−5539、キリンビールKRN−8602、協和醗酵KT−5432、協和醗酵KT−5594、協和醗酵KT−6149、American Cyanamid LL−D49194、明治製菓ME2303、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、SmithKline M−TAG、ネオエナクチン(neoenactin)、日本化薬NK−313、日本化薬NKT−01、SRI International NSC−357704、オキサリシン、オキサウノマイシン、ペプロマイシン、ピラチン、ピラルビシン、ポロスラマイシン(porothramycin)、ピリンダマイシン(pyrindanycin)A、東菱RA−I、ラパマイシン、リゾキシン、ロドルビシン、シバノマイシン、シウェンマイシン、住友SM5887、雪印SN−706、雪印SN−07、ソランギシン−A、スパルソマイシン、エスエス製薬SS−21020、エスエス製薬SS−7313B、エスエス製薬SS−9816B、ステッフィマイシンB、大鵬4181−2、タリソマイシン、武田TAN−868A、テルペンテシン、スラジン(thrazine)、トリクロザリン(tricrozarin)A、アップジョンU−73975、協和醗酵UCN−10028A、藤沢WF−3405、吉富Y−25024、及びゾルビシンから選択され得るが、これらに限定されない。
本明細書で開示されるような化合物と組み合わせて使用され得る抗悪性腫瘍剤の第4のファミリーには、Xカロテン、X−ジフルオロメチル−アルギニン、アシトレチン、Biotec AD−5、杏林AHC−52、アルストニン、アモナフィド、アンフェチニル、アムサクリン、Angiostat、アンキノマイシン(ankinomycin)、アンチーネオプラストンA10、アンチネオプラストンA2、アンチネオプラストンA3、アンチネオプラストンA5、アンチネオプラストンAS2−1F Henkel APD、グリシン酸アフィジコリン、アスパラギナーゼ、アバロール、バッカリン、バトラシリン、ベンフルロン、ベンゾトリプト、Ipsen−Beaufour BIM−23015、ビサントレン、BristoMyers BNY−40481、Vestarボロン−10、ブロモホスファミド、Wellcome BW−502、Wellcome BW−773、カラセミド、カルメチゾールヒドロクロリド、味の素CDAF、クロロスルファキノキサロン(chlorsulfaquinoxalone)、Chemes CHX−2053、Chemex CHX−100、Warner−Lambert CI−921、Warner−Lambert CI−937、Warner−Lambert CI−941、Warner−Lambert CI958、クランフェナー(clanfenur)、クラビリデノン、ICN化合物1259、ICN化合物4711、コントラカン、ヤクルト本社CPT−11、クリスナトール、キュラダーム(curaderm)、サイトカラシンB、シタラビン、サイトシチン(cytocytin)、Merz D−609、DABISマレエート、ダカルバジン、ダテリプチニウム(datelliptinium)、ジデムニン−B、ジヘマトポルフィリンエーテル、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、ジナリン、ジスタマイシン、東洋ファルマーDM−341、東洋ファルマーDM−75、第一製薬DN−9693、ドセタキセルエリプラビン、酢酸エリプチニウム、ツムラEPMTC、エポチロン類、エルゴタミン、エトポシド、エトレチネート、フェンレチニド、藤沢FR−57704t硝酸ガリウム、ゲンクアダフニン、中外GLA−43、Glaxo GR−63178、グリホラン(grifolan)NMF5N、ヘキサデシルホスホコリン、Green Cross HO−221、ホモハリングトニン、ヒドロキシ尿素、BTG ICRF−187、イルモホシン、イソグルタミン、イソトレチノイン、大塚JI−36、Ramot K−477、大塚K−76COONa、呉羽化学K−AM、MECT Corp KI−8110、American Cyanamid L−623、ロイコレグリン、ロニダミン、Lundbeck LU1121 Lilly LY−186641、NCI(US)MAP、マリシン(marycin)、Merrel Dow MDL−27048、Medco MEDR−340、メルバロン、メロシアニン誘導体、メチルアニリノアクリジン、Molecular Genetics MGI136、ミナクチビン、ミトナフィド、ミトキドンモピダモール、モトレチニド、全薬工業MST−16、N−(レチノイル)アミノ酸、日清製粉N−021、N−アシル化デヒドロアラニン類、ナファザトロム、大正NCU−190、ノコダゾール誘導体、Normosang、NCI NSC−145813、NCI NSC−361456、NCI NSC−604782、NCI NSC−95580、オクトレオチド、小野ONO−112、オキザノシン(oquizanocine)、Akzo Org−10172、パクリタキセル、パンクラチスタチン、パゼリプチン、WarnerLambert PD−111707、Warner−Lambert PD−115934、Warner−Lambert PD−131141、Pierre Fabre PE−1001、ICRTペプチドD、ピロキサントロン、ポリヘマトポルフィリン、ポリプレイン酸(polypreic acid)、エファモルポルフィリン、プロビマン、プロカルバジン、プログルミド、インビトロンプロテアーゼネクシンI、東菱RA−700、ラゾキサン、サッポロビールRBS、レストリクチン(restrictin)−P、レテリプチン、レチノイン酸、Rhone−Poulenc RP−49532、Rhone−Poulenc RP−56976、SmithKline SK&F−104864、住友SM−108、クラレSMANCS、SeaPharm SP10094、スパトール(spatol)、スピロシクロプロパン誘導体、スピロゲルマニウム、Unimed、SS製薬SS−554、ストリポルジノン(strypoldinone)、スチポルジオン、サントリーSUN0237、サントリーSUN2071、スーパーオキシドジスムターゼ、富山T−506、富山T−680、タキソール、帝人TEI−0303、テニポシド、タリブラスチン(thaliblastine)、Eastman Kodak TJB−29、トコトリエノール、トポテカン、トポスチン、帝人TT82、協和醗酵UCN−01、協和醗酵UCN−1028、ウクライン、Eastman Kodak USB−006、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネストラミド(vinestramide)、ビノレルビン、ビントリプトール、ビンゾリジン、ウィタノリド、及び山之内YMから選択されるが、これらに限定されるものではないチューブリン相互作用剤、トポイソメラーゼII阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、及びホルモン剤などの抗悪性腫瘍剤の種々のファミリーが含まれる。
あるいは、本化合物は、アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、ANCER、アンセスチム、ARGLABIN、三酸化ヒ素、BAM002(Novelos)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロモデオキシウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリクス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビンオクホスフェート、DA 3030(Dong−A)、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトクス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼプ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HITジクロフェナク、インターフェロンアルファ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルホシン、エドレコロマブエフロルニチン、エミテフル、エピルビシン、エポエチンベータ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、ホルメスタン、ホテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツマブゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフールの組合せ、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児アルファフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン(イミキモド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンアルファ−2、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−NI、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンアルファコン1、インターフェロンアルファ、天然型、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ−la、インターフェロンベータ−lb、インターフェロンガンマ、天然型インターフェロンガンマ−la、インターフェロンガンマ−lb、インターロイキン−Iベータ、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC9018(ヤクルト)、レフルノミド、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レトロゾール、白血球アルファインターフェロン、リュープロレリン、レバミゾール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストーン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミス対合二重鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規の赤血球生成促進タンパク質、NSC631570オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペントサン、ポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ピシバニール、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンアルファ−2a、ポルフィマーナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリケース、エチドロン酸レニウムRe186、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム−89、スラミン、タソネルミン、タザロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキサイド、サリドマイド、チマルファシン、甲状腺刺激ホルモンアルファ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ−ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキセート、トリプトレリン、腫瘍壊死因子アルファ、天然型、ウベニメクス、膀胱癌ワクチン、丸山ワクチン、黒色腫可溶化液ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、VIRULIZIN、ジノスタチンスチマラマーまたはゾレドロン酸;アバレリクス;AE941(Aeterna)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl−2(Genta)、APC8015(Dendreon)、セツキシマブ、デシタビン、デキサアミノグルテチミド(dexaminoglutethimide)、ジアジコン、EL532(Elan)、EM800(Endorecherche)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニドIフィルグラスチムSDO1(Amgen)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17イムノゲン、HLA−B7遺伝子療法(Vical)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イロマスタット、IM862(Cytran)、インターロイキンイプロキシフェン(interleukin iproxifene)、LDI200(Milkhaus)、レリジスチム、リンツズマブ、CA125MAb(Biomira)、癌MAb(日本薬品開発)、HER−2及びFc MAb(Medarex)、イディオタイプ105AD7 MAb(CRC Technology)、イディオタイプCEA MAb(Trilex)、LYMヨウ素131MAb(Techniclone)、多形上皮性ムチン−イットリウム90MAb(Antisoma)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィン、ガドリニウム、MX6(Galderma)、ネララビン、ノラトレキセド、P30タンパク質、ペグビソマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL0903(Shire)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルホス酸、SRL172(SR Pharma)、SU5416(SUGEN)y SU6668(SUGEN)、TA077(田辺)、テトラチオモリブデート、サリブラスチン、トロンボポエチン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、癌ワクチン(Biomira)、黒色腫ワクチン(New York University)、黒色腫ワクチン(Sloan Kettering Institute)、黒色腫腫瘍崩壊産物ワクチン(New York Medical College)、ウイルス黒色腫細胞可溶化物ワクチン(Royal Newcastle Hospital)、またはバルスポダールなどの他の抗悪性腫瘍剤との共同療法においても使用され得る。
V.ブリガチニブ形態Aの合成
以下のブリガチニブ形態Aの代表的な合成は、本発明を、その種々の実施形態及びこれらの同等物において実践するように適合され得る追加の情報、例証、及び指針を含有する。
実施例は、本発明の例示を促すことを意図し、その範囲を限定することを意図せず、そう解釈されるべきでもない。実際、本明細書に示され、かつ記載されるものに加えて、本発明の種々の変更、及びこれらのさらに多くの実施形態は、後から出てくる実施例、ならびに本明細書に記載される科学文献及び特許文献への参照を含み、本明細書を精査すると、当業者にとって明白になるであろう。
それらの記載される参考文献の内容は、参照により、本明細書に組み込まれて最新技術の例示を促す。加えて、本発明の目的のために、化学元素は、the Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75thEd.の見返しに従って特定される。加えて、有機化学の一般原理、ならびに特定の官能部分及び反応性は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、及び“Organic Chemistry”,Morrison&Boyd(3d Ed)に記載され、両方の全ての内容が、参照により、本明細書に組み込まれる。
ステップ1:(2−アミノフェニル)ジメチルホスフィンオキシド
DMF(700mL)中の2−ヨードアニリン(86g、0.393mol、1.0当量)、ジメチルホスフィンオキシド(36.4g、0.466mol、1.19当量)、リン酸カリウム(92.4g、0.423mol、1.1当量)、酢酸パラジウム(II)(4.56g、0.02mol、0.05当量)、及びキサントホス(11.6g、0.02mol、0.05当量)の混合物を約120℃で約6時間攪拌した。混合物の色は、濃い茶色になった。室温に冷却して、セライト(30g)を混合物に添加した。次いで、混合物をろ過し、ろ過した固形物をEtOAc(2×250mL)ですすいだ。次いで、ろ液を真空中で濃縮して、残留物をもたらした。
(2−アミノフェニル)ジメチルホスフィンオキシドの別のバッチを上で実施したのと同じ規模で合成し、両方のバッチから得られた残留物を組み合わせ、以下で考察されるように精製した。
組み合わせた残留物にEtOAc(1L)を添加し、得られた混合物を室温で約1時間攪拌した。混合物をろ過し、収集した残留物をEtOAc(2×250mL)で洗浄した。組み合わせたろ液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して油をもたらした。得られた油を水/濃縮塩酸(1.2L/300mL)の混合物中で、室温で扇動しながら溶解し、30分間撹拌した。得られた混合物をろ過し、収集した残留物を塩酸水溶液(10%、300mL)で洗浄した。組み合わせた水性ろ液をEtOAcで洗浄した(2×1Lで洗浄した後、500mLで洗浄した)。水層を氷浴中で冷却し(10℃未満の混合物内部温度)、水酸化ナトリウム水溶液(30w/w%)を添加することにより、溶液のpHを約12(pH試験紙により判定されるとき)に調整しながら、溶液内部温度を添加の間中20℃未満に維持した。得られた溶液をIPA/DCM(1/3v/v、4×1L)で抽出し、組み合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、粘性油をもたらし、これは室温で静置すると結晶化した。得られた固体をEtOAc/ヘプタン(1/10v/v、2×150mL)で粉砕して、明るい茶色の固体として(2−アミノフェニル)ジメチルホスフィンオキシドをもたらした。
ステップ2:(2−((2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド
DMF(1050mL)中の2,4,5−トリクロロピリミジン(54.2g、0.296mol、1.0当量)、(2−アミノフェニル)ジメチル−ホスフィンオキシド(50.0g、0.296モル、1.0当量)、炭酸カリウム(49.1g、0.355mol、1.2当量)、及び重硫酸テトラブチルアンモニウム(10.2g、0.03モル、0.1当量)を組み合わせ、65℃で約8.0〜8.5時間加熱した。加熱の間、灰白色懸濁液が形成された。冷却にあたり、混合物を室温に冷却し、ろ過した。収集した固体をDMF(2×50mL)ですすぎ、組み合わせたろ液を真空中で濃縮した。得られた残留物をEtOAc(1.3L)及び水(350mL)中で溶解した。水層を単離し、EtOAc(2×250mL)で抽出した。組み合わせた有機層を塩水(20w/w%、500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して灰白色の固体として(2−((2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシドをもたらした。
(2−((2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−ジメチルホスフィンオキシドの代替的な合成
表28の条件を使用して、前述された手順に従うと(2−((2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシドを合成することができる。
表28.(2−((2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシドの合成のための反応条件
ステップ3:1−(1−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピペリジン−4−イル)−4−メチルピペラジン
MeCN(500mL)中の5−フルオロ−2−ニトロアニソール(85.6g、0.5mol、1.0当量)、1−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)ピペラジン(91.7g、0.5mol、1.0当量)、及び炭酸カリウム(138.5g、1.0mol、2.0当量)の混合物を還流で約13時間攪拌した。室温に冷却して、DCM(1L)を混合物に添加し、得られた混合物をろ過した。収集した残留物をDCM(500mL)で洗浄した。組み合わせたろ液を水(400mL)及び塩水(20w/w%、300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、黄色い固体として1−(1−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピペリジン−4−イル)−4−メチルピペラジンをもたらした。
ステップ4:2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)アニリン
EtOH(800mL)中の1−(1−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピペリジン−4−イル)−4−メチルピペラジン(78g、0.233mol)、及びPd/C(担持量10%、50%の湿性、4g、約2.5重量%)の混合物を水素雰囲気(約20p.s.i.)下で約2.5時間撹拌した。その後、混合物をセライト(50g)のパッドを通してろ過し、セライトパッドをEtOH(2×50mL)ですすいだ。
組み合わせたろ液を真空中で濃縮して、紫色の固体として2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)アニリンをもたらした。
ステップ5:(2−((5−クロロ−2−((2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド
2−メトキシエタノール(750mL)中の(2−((2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−ジメチルホスフィンオキシド(55g、0.174mol、1.0当量)、2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)アニリン(74.2g、0.244mol、1.4当量)、及びEtOH(2.5M、175mL)中のHClの混合物を120℃で約6時間攪拌した。室温に冷却して、混合物を真空中で濃縮し、得られた残留物を水(400mL)中で溶解し、EtOAc(500mL)で洗浄した。pHが約12(pH試験紙により判定されるとき)になるまで、水酸化ナトリウム水溶液(20w/w%)を水層に添加した。水層をDCM(3×500mL)で抽出し、組み合わせた有機層を真空中で濃縮した。室温で約1時間、残留物をEtOAc/MeOH(9/1v/v、250mL)及びEtOAc/ヘプタン(1/2v/v、300mL)で順次に粉砕し、次いで、ろ過して、明るい色の固体をもたらした(バッチA)。
別のバッチの(2−((5−クロロ−2−((2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ジメチル−ホスフィンオキシドを、2−メトキシエタノール(650mL)中の(2−((2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(50.8g、0.161mol、1.0当量)、2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)アニリン(68.4g、0.225mol、1.4当量)、及びEtOH中のHCl(2.5M、160mL)を使用して調製した。前述の精密試験後、固体が得られた(バッチB)。
2つのバッチ(バッチA及びバッチB)を組み合わせ、室温で約30分間、MeOH/EtOAc(1v/v%、500mL)及びMeOH/EtOAc(2.5v/v%、500mL)で粉砕し、次いで、ろ過した。次いで、単離した固体を高温のEtOAc(500mL)で15分間粉砕した後、室温に冷却し、次いで、ろ過した。次いで、単離した固体を高温のMeOH/EtOAc(2v/v%、500mL)中で15分間粉砕した後、室温に冷却し、ろ過した。次いで、単離した固体を室温でDCM(750mL)中で粉砕した。得られた溶液をろ過し、収集した固体を真空中で乾燥させて、ベージュ色の固体として(2−((5−クロロ−2−((2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシドをもたらした。127g、65%の収率。1H NMR:表2を参照されたい。ESI−MS m/s:584.2[M+H]+。
VI.薬学的組成物の実施例
ヒトの治療用途または予防用途のための本明細書で開示されるような化合物(「化合物」と称されている活性成分)の代表的な薬学的組成物及び剤形は、以下の通りであり得る。
これらの製剤は、薬学分野で周知の従来の手順を使用して調製され得る。錠剤(a)〜(c)は、例えば、酢酸フタル酸セルロースのコーティングの提供が所望される場合、従来の手段により腸溶性コーティングされ得る。ある特定の実施形態において、経口投与に好適な錠剤は、本明細書に記載されるようなものなどの1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と共に、約30mg、約90mg、約150mg、または約180mgのブリガチニブの実質的に純粋な形態Aを含有する。本明細書で使用される場合、「約」は、修正値の±5%を意味する。エアロゾル製剤(h)〜(k)は、標準的な計量エアロゾルディスペンサーと合わせて使用され得、懸濁剤ソルビタントリオレエート及びダイズレシチンは、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリソルベート80、ポリグリセロールオレエート、またはオレイン酸などの代替的な懸濁剤により置き換えられ得る。
VII.キナーゼ阻害
本明細書に記載されるような化合物をキナーゼ阻害活性に関して以下の通り選別した。以下のプロトコルで使用するための好適なキナーゼには、ALK、Jak2、b−Raf、c−Met、Tie−2、FLT3、Abl、Lck、Lyn、Src、Fyn、Syk、Zap−70、Itk、Tec、Btk、EGFR、ErbB2、Kdr、FLT1、Tek、InsR、及びAKTが含まれるが、これらに限定されない。
キナーゼは、キナーゼドメインまたは完全長構成体が大腸菌またはバキュロウイルス高の5つの発現系におけるグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)またはポリヒスチジンタグ融合タンパク質に融合されると発現される。それらは、前述の親和クロマトグラフィーによりほぼ均一になるまで精製される(Lehrら,1996;Gishら,1995)。いくつかの例において、キナーゼは、活性の測定前に精製されたかまたは部分的に精製された調節ポリペプチドと同時発現されるかまたは混合される。
キナーゼ活性及び阻害は、確立されたプロトコルにより測定され得る(例えば、Braunwalderら,1996を参照されたい)。かかる事例において、ATPからマイクロタイタープレートの生物活性表面に付着する合成基材ポリ(Glu、Tyr)4:1またはポリ(Arg、Ser)3:1への33PO4の移動は、酵素活性の指標として得られる。インキュベーション期間後、移動したリン酸の量を、まずプレートを0.5%のリン酸で洗浄し、液体シンチラントを添加し、次いで、液体シンチレーション検出器で計数することにより測定する。IC50は、プレートに連結する基材上に組み込まれた33Pの量の50%の低減を引き起こす化合物の濃度により判定される。
チロシン、セリン、スレオニン、またはヒスチジンを、溶液または不動化(すなわち、固体相)状で、単独に、または互いに組み合わせて、または他のアミノ酸と組み合わせて含有するペプチドまたはポリペプチド基材へのリン酸の移動に依存する他の方法も有用である。
例えば、ペプチドまたはポリペプチドへのリン酸の移動は、シンチレーション近接法、蛍光偏光法、及び均一時間分解蛍光法を使用しても検出され得る。あるいは、キナーゼ活性は、抗体またはポリペプチドがリン酸化標的ポリペプチドを検出するための試薬として使用され得る抗体系方法を使用して測定され得る。
かかるアッセイ方法の追加の背景情報に関しては、例えば、Braunwalderら,1996,Anal.Biochem.234(l):23、Cleavelandら,1990,Anal Biochem.190(2):249、Gishら(1995).Protein Eng.8(6):609、Kolbら(1998).Drug Discov.Toda V.3:333、Lehrら(1996).Gene 169(2):27527−87、Seethalaら(1998).Anal Biochem.255(2):257、Wuら(2000)を参照されたい。
ALKチロシンキナーゼ活性の阻害は、既知の方法を使用して証明され得る。例えば、1つの方法において、参照により、本明細書に組み込まれる、Angeles,T.S.ら,Anal.Biochem.1996,236,49−55でtrkAに関して報告されるELISAプロトコルの修正を使用して、化合物を、バキュロウイルス発現ALKのキナーゼ活性を阻害するそれらの能力に関して試験することができる。参照により、組み込まれる、rotin,D.ら,EMBO J.1992,11,559−567で報告される、基材のリン酸化、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として生成されるホホリパーゼCガンマ(PLC−γ)は、ユーロピウムラベル抗ホスホチロシン抗体で検出され得、時間分解蛍光(TRF)により測定され得る。このアッセイにおいて、96ウェルプレートを、10μg/mL基材の100μL/ウェルでコーティングする(トリス緩衝生理食塩水(TBS)中のホスホリパーゼC−γ。次いで、20nMのHEPES(pH7.2、1μMのATP(Kmレベル)、5nMのMnCl2、0.1%のBSA、2.5%のDMSO、及び種々の濃度の試験化合物からなるアッセイ混合物(総体積=100μL/ウェル)がアッセイプレートに添加される。酵素(30ng/mLのALK)を添加することにより反応を開始し、37度で15分間進める。リン酸化生成物の検出は、100μL/ウェルのEu−N1ラベルPT66抗体(Perkim Elmer #AD0041)を添加することにより実施され得る。次いで、37度でのインキュベーションを1時間進めた後、100μLの増強溶液(例えば、Wallac#1244−105)が添加される。プレートは徐々に扇動され、30分後、得られた溶液の蛍光性が測定され得る(例えば、Perkin ElmerのEnVision2100(または2102)マルチラベルプレートリーダーを使用する)。
次いで、データ分析が実施され得る。阻害パーセント対化合物の濃度のlog10をプロットすることにより、IC50値が計算され得る。
ALKチロシンキナーゼ活性の阻害は、J.Woodら,Cancer Res 2000,60,2178−2189に記載されるVEDG−Rキナーゼアッセイと類似した方法でALKの組み換えキナーゼドメインを使用しても測定することができる。GST−ALKタンパク質チロシンキナーゼを使用するインビトロ酵素アッセイは、20mMのTris.HCl、pH7.5、3mMのMgCl2、10mMのMnCl2、1nMのDTT、0.1μCi/アッセイ(=30μL)[γ−33P]−ATP、2μMのATP、3μg/mLのポリ(Glu、tyr 4:1)ポリ−EY(シグマP−0275)、1%のDMSO、25ngのALK酵素中のろ過結合アッセイとして、96ウェルプレートで実施され得る。アッセイは、周囲温度で10分間インキュベートされ得る。反応は50μLの125mMのEDTAを添加することにより停止され得、反応混合物は、事前にメタノールで湿らせたMAIPマルチスクリーンプレート(Millipore,Bedford,MA)上に移動され、5分間、水で再水和され得る。洗浄(0.5%のH3PO4)後、プレートが液体シンチレーション計数機で計数され得る。IC50値は、阻害パーセンテージの線形回帰分析により計算される。
本明細書で開示されるようなある特定の化合物は、腫瘍及び他の癌細胞株における細胞傷害効果または成長阻害効果により、癌及び他の細胞増殖性疾患の治療において有用であり得ることが証明された。化合物は、当業者に周知であるインビボ及びインビトロアッセイを使用して抗腫瘍活性に関して検定される。概して、抗癌薬物候補を特定するための化合物の最初の選別が細胞アッセイで実施される。次いで、かかる細胞系アッセイにおいて抗増殖活性を有すると特定された化合物は、抗腫瘍活性及び毒性に関して生物全体で続いて検定され得る。概して言えば、細胞系選別は、生物全体を使用するアッセイに対してより迅速に及び費用対効果的に実施され得る。本明細書で開示される場合、用語「抗腫瘍」及び「抗癌」活性は、互換的に使用される。
抗増殖活性を測定するための細胞系方法は周知であり、本明細書で開示されるような化合物の比較特性化のために使用され得る。概して、細胞増殖及び細胞生存性アッセイは、細胞が代謝的に活性であるとき検出可能信号を提供するために考案される。化合物は、細胞を化合物に曝露した後の細胞の代謝活性において観察される任意の低下を測定することにより、抗増殖活性に関して試験され得る。一般的に使用される方法には、例えば、膜の完全性の測定(細胞生存性の指標)(例えば、トリパンブルー排除法を使用する)またはDNA合成の測定(例えば、BrdUまたは3H−チミジンの組み込みを測定することによる)が含まれる。
細胞増殖を検定するためのいくつかの方法は、細胞増殖中に検出可能化合物に転換される試薬を使用する。かかる試薬は、テトラゾリウム塩であり、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−臭化ジフェニルテトラゾリウム;Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、MTS(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム)、XTT(2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム−5−カルボキシアニリド)、INT、NBT、及びNTVが含まれるが、これらに限定されない(Bernasら Biochim Biophys Acta 1451(1):73−81,1999)。より一般的に使用されるテトラゾリウム塩を使うアッセイは、ブルーホルマザン誘導体へのテトラゾリウム塩の酵素転換の生成物を検出することにより細胞増殖を検出し、これは、分光法により容易に検出される(Mosman.J.Immunol.Methods.65:55−63,1983)。
細胞増殖を検定するための他の方法は、試験される化合物を有する所定の成長培養液及び化合物を有さない所定の成長培養液中で細胞をインキュベートすることを伴う。種々の原核細胞及び真核細胞に対する成長条件は、当業者に周知である(Ausubelら Current Protocols in Molecular Biology.Wiley and Sons.1999、Bonifacinoら Current Protocols in Cell Biology.Wiley and Sons.1999、両方とも参照により、本明細書に組み込まれる)。細胞増殖を検出するために、テトラゾリウム塩は、インキュベートされた培養細胞に添加されて、活性細胞により検出可能生成物への酵素転換を可能にする。細胞は処理され、細胞の光学密度が判定されて、ホルマザン誘導体の量が測定される。さらに、試薬及びプロトコルを含む市販されるキットは、例えば、Promega Corporation(Madison,WI)、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)、及びTrevigen(Gaithersburg,MD)から入手可能である。
加えて、抗増殖活性のための化合物を選別するために、以下の細胞株、とりわけ:COLO205(結腸癌)、DLD−1(結腸癌)、HCT−15(結腸癌)、HT29(結腸癌)、HEP G2(肝細胞癌)、K−562(白血病)、A549(肺)、NCI−H249(肺)、MCF7(乳房)、MDA−MB−231(乳房)、SAOS−2(骨肉腫)、OVCAR−3(卵巣)、PANC−1(膵臓)、DU−145(前立腺)、PC−3(前立腺)、ACHN(腎臓)、CAKI−1(腎臓)、MG−63(肉腫)を含む、多種の細胞型が使用され得る。
細胞株は哺乳類であり得るが、酵母などの下位真核細胞も化合物を選別するために使用され得る。哺乳類細胞株は、ヒト、ラット、マウス、ウサギ、サル、ハムスター、及びモルモットの由来であるが、これは、これらの生物からの細胞株が深く研究されており、かつ特徴付けられているためである。しかし、他のものも使用され得る。
好適な哺乳類細胞株はしばしば、腫瘍を由来とする。例えば、以下の腫瘍細胞型は、培養細胞のための細胞の源であり得る:黒色腫;骨髄性白血病;肺、乳房、卵巣、結腸、腎臓、前立腺、膵臓、及び精巣)の癌腫;心筋細胞;内皮細胞;上皮細胞;リンパ球(T−細胞及びB細胞);肥満細胞;好酸球;血管内膜細胞;肝細胞;単核白血球を含む白血球、造血性、神経性、皮膚、肺、腎臓、肝臓、及びミオサイト幹細胞などの幹細胞(分化及び非分化因子に対する選別において使用);破骨細胞;軟骨細胞;ならびに他の結合組織細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、肝臓細胞、腎臓細胞、及び脂肪細胞。研究者により幅広く使用されている哺乳類細胞株の非限定的な例には、HeLa、NIH/3T3、HT1080、CHO、COS−1、293T、WI−38、及びCV1/EBNA−1が含まれる。
代謝的に活性な細胞を検出するのにレポーター遺伝子に依存する他の細胞アッセイが使用され得る。レポーター遺伝子発現系の非限定的な例には、緑色蛍光タンパク質(GFP)、及びルシフェラーゼが含まれる。可能性のある抗腫瘍薬物を選別するためのGFPの使用の例として、Sandmanらは(Chem Biol.6:541−51;参照により、本明細書に組み込まれる)、GFPの発現を阻害し、よって、細胞増殖を阻害した化合物を検出するために、GFPの誘発変異体を含有するHeLa細胞を使用した。
細胞系アッセイの実施例は、以下に示される。アッセイで使用され得る細胞株は、マウスのpro−B細胞株であるBa/F3であり、これは、NPM−ALKをコードする発現ベクターpClneo(商標)(Promega Corp.,Madison WI)で安定してトランスフェクトされ、続いてG418耐性細胞が選択される。非トランスフェクトBa/F3細胞は、細胞寿命をIL−3に依る。NPM−ALKと対照的に、発現Ba/F3細胞(Ba/F3−NPM−ALKという名称)は、NPM−ALKキナーゼを通して増殖性信号を得るため、IL−3の不在下で増殖し得る。よって、NPM−ALKキナーゼの推定阻害剤は成長信号をなくし、抗増殖活性をもたらす。しかし、NPM−ALKキナーゼの阻害剤の抗増殖活性は、NPM−ALK非依存性機構を介して成長信号を提供するIL−3の添加により打ち消され得る。FLT3キナーゼを使用する類似した細胞系に関しては、E.Weisbergら Cancer cell,2002,1,433−443を参照されたい。本明細書で開示されるような化合物の阻害活性は、以下の通り判定され得る:BaF3−NPM−ALK細胞(15,000/マイクロタイタープレートウェル)が、96ウェルマイクロタイタープレートに移動され得る。次いで、試験化合物(DMSO中で溶解される)を、DMSOの最終の濃度が1%(v/v)を超えないような手法において一連の濃度(希釈シリーズ)で添加する。添加後、プレートは2日間インキュベートされ得、その間、試験化合物なしの対照培養が2回の細胞分割サイクルを経験し得る。BaF3−NPM−ALK細胞の成長は、Yopro(商標)染色の手段により測定され得る(T Idziorekら,J.Immunol.Methods 1995,185,249−258)。次いで、20mMのクエン酸ナトリウム、pH4.0、26.8nMの塩化ナトリウム、0.4%のNP40、20mMのEDTA、及び20mMからなる25μLの溶解緩衝液を各ウェル中に添加する。細胞溶解は室温で60分以内に完了し、DNAに結合したYoproの総量を、例えば、Cytofluor II 96ウェルリーダー(PerSeptive Biosystems)を使用して測定することにより判定する。IC50は、以下の式を使用した、コンピューター補助システムにより判定され得、
IC50=[(ABS試験−ABS開始)/(ABS対照−ABS開始)]×100
式中、ABSは、吸収である。かかる実験におけるIC50値を、阻害剤なしの対照を使用して得られるものより50%低い細胞数をもたらす、試験化合物の濃度として提供する。
本明細書で開示されるような化合物の抗増殖性作用はまた、BaF3−NPM−ALK細胞株に関して上述される方法を使用して、WG Dirksら Int.J.Cancer 2002,100,49−56.に記載されるような免疫ブロットの手段により、ヒトKARPAS−299リンパ腫細胞系においても判定され得る。
別の実施例において、抗増殖活性は、以下の手順でKARPAS−299ルンポ腫細胞株を使用して判定され得る:本明細書で開示されるような化合物を細胞で3日間インキュベートし、各ウェル中の生存可能な細胞の数をMTSテトラゾリウムアッセイ(Promega)を使用して間接的に測定した。このアッセイは、それらの代謝活性の測定を通して生存可能な細胞の数を判定するための比色分析方法である。例えば、ブルーホルマザン誘導体へのテトラゾリウム塩の酵素転換の生成物の検出は、プレートリーダーを使用して490nmでの吸収を測定することにより達成される。40μLのMTS試薬を端のウェル以外の全てのウェルに添加し、次いで、プレートを37℃で2時間、インキュベーターに戻した。次いで、Wallac Victor2Vプレートリーダーを使用して、各ウェルの吸収を490nmで測定した。IC50を、Microsoft XL適合ソフトウェアを使用して、ベースライン、DMSO対照、0%阻害として比較することにより、最適曲線においてMTS信号を50%低下するために必要とされる化合物の濃度を判定することにより計算した。
次いで、かかる細胞アッセイにより抗細胞増殖活性を有すると特定された化合物は、哺乳類種などの全体生物における抗腫瘍活性に関して試験され得る。癌研究のための、よく特徴付けられた哺乳類系には、ラット及びマウスなどの齧歯類が含まれる。典型的に、目的の腫瘍は、腫瘍への免疫応答を開始させる低減した能力を有するマウスに移植され、拒絶の可能性を低減する。かかるマウスには、例えば、ヌードマウス(無胸腺症)及びSCID(重症複合免疫不全)マウスが含まれる。発癌遺伝子含有マウスなどの他の遺伝子導入マウスが本アッセイで使用され得る(例えば、USP4,736,866及びUSP5,175,383を参照されたい)。抗腫瘍薬物試験のための齧歯類モデルの使用の総説及び考察に関しては、Kerbel(Cancer Metastasis Rev.17:301−304,1998−99)を参照されたい。
概して、目的の腫瘍は、試験生物の皮下にインプラントされる。腫瘍を含有する生物は、抗腫瘍化合物候補の用量で治療される。腫瘍のサイズは、腫瘍への試験化合物の効果を判定するために周期的に測定される。いくつかの腫瘍型は、皮下部位以外の部位(例えば、腹腔内部位)にインプラントされ、寿命が終点として測定される。通例の選別で検定されるパラメータは、異なる腫瘍モデル、種々の腫瘍及び薬物経路、ならびに用量及びスケジュールを含む。抗腫瘍化合物の検出におけるマウスの使用の総説に関しては、Corbettらを参照されたい(Invest New Drugs.15:207−218,1997;参照により、本明細書に組み込まれる)。
本明細書で開示される化合物は、野生型若しくは突然変異体(特に、臨床的関連性突然変異体)キナーゼ、特に、ALK、Met、Jak2、bRaf、EGFR、Tie−2、FLT3などのキナーゼ、または1μM以下のIC50値(任意の科学的に許容されるキナーゼ阻害アッセイを使用して判定されるとき)、例えば、500nMより良好なIC50、及びさらに、例えば、250nMより良好なIC50値を有する目的の別のキナーゼに対する阻害活性、あるいは
・目的の他のキナーゼのIC50値より少なくとも100倍低いIC50値を有する所定のキナーゼに対する阻害活性、あるいは
・互いに対して、1μMより良好なIC50値を有するALK、Met、Jak2、またはB−Rafに対する阻害活性、あるいは
・インビトロで、または科学的に許容される癌細胞異種移植片モデル(例えば、比較研究により判定されるとき、例えば、既知のALK阻害剤、とりわけ、NVP−TAE684及びPF2341066の効能と少なくとも同じ大きさの効能を有するか、若しくは既知のALK阻害剤のものの少なくとも2倍の効能を有するか、若しくは既知のALK阻害剤のものの少なくとも10倍の効能を有するBa/F3 NPM−ALK、Ba/F3 EML4−ALK、Karpas299、及び/若しくはSU−DHL−1細胞を使用する動物性研究において維持される癌細胞株における細胞傷害性効果または成長阻害効果を有する。
本明細書で開示される化合物は、いくつかの重要なキナーゼ標的を強力に阻害することが分かった。化合物は、例えば、キナーゼ、ALKの阻害剤として試験されたとき、100nM未満、及び多くの事例において、10nM未満、及びいくつかの事例において、1nMのIC50値を呈した。いくつかの化合物は、ALK、FER、FLT3、FES/FPS、FAK/PTK2、BRKなどのようなキナーゼを含む一連のキナーゼの一桁のナノモルの阻害剤であった。