JP2018024097A - 繊維強化樹脂成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]繊維強化樹脂中間材を成形下型の上に配置し、該繊維強化樹脂中間材の上に、成形上型をその外縁が該繊維強化樹脂中間材の外縁より内側に位置するように積載し、これらの上に通気性のないシートを被せ、該シートの該繊維強化樹脂中間材側を減圧した状態下にて、該繊維強化樹脂中間材を加熱硬化する、繊維強化樹脂成形体の製造方法。
[2]前記成形上型の全ての外縁が、前記繊維強化樹脂中間材の外縁より内側に位置する、[1]記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
[3]前記繊維強化樹脂中間材の外縁の任意の点から前記成形上型の外縁までの最短距離が5〜20mmの範囲である、[2]記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
[4]前記繊維強化樹脂中間材と前記成形上型のそれぞれの重心を結ぶ直線と、該繊維強化樹脂中間材と該成形上型の積載方向とが略平行の関係となっている、[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
[5]前記成形上型の厚みが0.5〜10mmの範囲である、[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
[6]前記成形上型の材質が金属である、[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
[7]前記繊維強化樹脂中間材と前記成形上型の間に離形フィルムを配置する、[1]〜[6]のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
本発明に用いる繊維強化樹脂中間材としては、一方向に連続して配列された複数本の強化繊維にマトリクス樹脂が含浸されたシート状のプリプレグが好適であり、このプレプレグを繊維方向が異なるように複数枚積層したものを用いるのがより好ましい。また、強化繊維から構成される織物、マット、不織布等にマトリクス樹脂が含浸されたプリプレグも適宜使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に好適な成形下型と成形上型の材質としては、鉄、ステンレス、インバー、アルミニウム、ステンレス、コンポジット、木材、石膏等から適宜選択するのが、耐熱性、形状賦形性の点で好ましい。
特に、成形上型の材質は、耐熱性、取り扱い性の点から、ステンレス、アルミニウム等の金属とするのが好ましい。
本発明に使用する成形上型の厚みは、0.5〜10mmの範囲とするのが好ましい。
これは、成形上型の厚みを0.5mm以上とすることによって、表面平滑性に優れた繊維強化樹脂成形体が製造される傾向にあるためである。より好ましくは0.7mm以上である。
また、成形上型の厚みを10mm以下とすることによって、成形中に通気性のないシートが破れる不具合が生じにくくなる傾向にあるためである。より好ましくは8mm以下である。
本発明においては、繊維強化樹脂中間材を成形下型の上に配置し、さらに該繊維強化樹脂中間材の上に成形上型を積載する際に、その成形上型の外縁が該繊維強化樹脂中間材の外縁より内側に位置するように積載するのが重要である。これによって、上述の減圧時に繊維強化樹脂中間材から空気を短時間で十分に排出することが可能となり、空隙(ボイド)の少ない高品質の成形体を得ることが可能となる。
これは、この最短距離を5mm以上とすることによって、成形上型が繊維強化樹脂中間材に均等に圧力を加える事ができるためである。より好ましくは7mm以上である。またこの最短距離を20mm以下とすることによって、繊維強化樹脂中間材の成形体周囲のトリミングを少なくすることができるためである。より好ましくは18mm以下である。
これは、このような位置関係にて繊維強化樹脂中間材と成形上型を積載することによって、繊維強化樹脂中間材に均等に圧力を加える事ができると同時に、繊維強化樹脂中間材の成形体周囲のトリミングを均等にすることができるためである。
本発明の繊維強化樹脂成形体の製造方法においては、前記繊維強化樹脂中間材と前記成形上型の間に離形フィルムを配置することができる。これによって、成形終了後の成形体と成形上型との分離が容易となるとともに、成形体の外観をより優れたものとすることができる。
本発明での使用に好適な離形フィルムの材質としては、適度な耐熱性を有し、硬化したエポキシ樹脂との離形性に優れるETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)や、PVF(ポリビニルフォルマール)等が好ましい。離形フィルムの厚みについては特に制限は無いが、取り扱い性の観点から20〜60μmの範囲とするのが好ましい。
本発明において、繊維強化樹脂中間材を成形下型の上に配置し、該繊維強化樹脂中間材の上に成形上型を積載した後に、これらの上に被せるシートは、真空バッグフィルムとも呼ばれ、伸張性を有し、通気性がないことが必要である。
このシートは、室温において100〜300%の伸度を有することが好ましい。このシートの伸張性が不充分である場合は、成形時に加圧してもシートが型に沿わないため、つっぱった部分ではシートと繊維強化樹脂中間材との間に空間ができ充分に加圧されないので、この部分に成形不良が発生しやすくなる。
このシートの材質としてはポリアミド、シリコーン等が例示されるが特にこれらに限定されるものではない。また、このシートの厚みは、成形の温度、圧力、シートの材質に応じて任意に設定することができる。また、後述するように、本発明においては、シートを境に減圧や気体による加圧を行うので、このシートは通気性がないことが必須となる。
本発明においては、上記の通気性のないシートを被せる前に、ブリーザークロスと呼ばれる織布や不織布等を上記の繊維強化樹脂中間材と成形上型の積載物の上に被せることができる。
このブリーザークロスを使用することによって、繊維強化樹脂中間材の層内、層間、及び上記シートとの間の空気を真空吸引、加圧により効果的に除去することができる。
ブリーザークロスとしては、ガラスクロスの他に、ポリエステル不織布等を好適に用いることができる。
本発明においては、上記のように通気性がないシートを被せた後に、このシートの繊維強化樹脂中間材側を減圧し、できるだけ真空状態に近づけることによって、ボイドの少ない所望の形状の繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
また、この減圧と同時に、繊維強化樹脂中間材側の反対側をオートクレーブ等にて加圧することによって、ボイドをさらに減少させることができるとともに、成形体の外観をより優れたものとすることができる。この場合、減圧側の圧力が10kPa以下、加圧側の圧力が400〜700kPaの範囲であることが好ましい。オートクレーブを利用する場合の加圧媒体としては、窒素等の不活性ガスが好適であるが、空気でも差し支えない。
本発明の繊維強化樹脂成形体の製造方法において、繊維強化樹脂中間材を加熱硬化させる条件は、特に限定されるものではなく、繊維強化樹脂中間材の加熱条件は、例えば使用するプリプレグを構成する樹脂の特性、すなわち熱硬化性樹脂にあっては硬化温度、硬化に要する時間、熱可塑性樹脂にあっては軟化温度、変形に要する時間によって、適宜設定することができる。
下型:アルミニウム製プレート(950mm×460mm×10mm厚)
成形上型:ステンレス製プレート(330mm×280mm×1mm厚)
(350mm×300mm×1mm厚)
プリプレグ:三菱レイヨン製180℃硬化型中弾性炭素繊維プリプレグ
離形フィルム:フッ素系樹脂フィルム(旭硝子製、アフレックス25MW−1250NT)
ブリーザークロス:ガラスクロス(有沢製作所製、ECC120MIL−C−9084)
通気性のないシート:AIRTECH製、WRIGHTLON NYLON BAGGING FILM8400
超音波探傷映像化装置(KJTD社製SDS−6500)を用い、水温15℃の水槽内に成形板を沈め、該成形板の上面から下面へ周波数5MHz、強度18dBの超音波を照射し、その透過率を測定、透過率をグラデーション表示することで空隙の多少を画像化した。
成形下型として10mm厚のアルミニウム製プレートを用い、オートクレーブ装置を用い平板を成形した。
まず、繊維強化複合材料用プリプレグとして、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維MR50A−12Kを一方向に引き揃え、180℃硬化のエポキシ樹脂を含浸した繊維目付268g/m2、樹脂含有率35重量%のプリプレグを350mm×300mmに切り出し、繊維軸方向を0°とした際に[0/+45/−45/0/90]2sとなる積層構成にて20枚積層したものを用意し、繊維強化樹脂中間材を準備した。これを成形下型の上に配置し、その上に離形フィルムとして旭硝子株式会社製のアフレックス25MW−1250NTを被せた。次に、成形上型としてプリプレグ積層体より長辺、短辺それぞれが10mm短い、330mm×280mm×1mm厚のステンレス製プレートを積層体と該成形上型それぞれの長辺、短辺の中心点(重心)が同位置になるように置いた。各辺の任意の点から繊維強化樹脂中間材の外縁への最短距離は10mm〜14mmであった。次に外周部にニトリルゴム製のダムを設置し、ガラスブリーザーとして、有沢製作所製ガラスクロスECC120MIL−C−9084を被せ、最後に通気性のないシートとして、AIRTECH製WRIGHTLON NYLON BAGGING FILM8400で成形下型のアルミプレート全体を覆い、繊維強化樹脂中間材側を真空吸引した。これをオートクレーブ内に設置し、繊維強化樹脂中間材側を2kPaに減圧した。オートクレーブ内を1.7℃/分で昇温すると同時に窒素で650kPaに加圧した。オートクレーブ内が140kPaに到達した際に真空吸引を停止し、繊維強化樹脂中間材側を大気解放した。繊維強化樹脂中間材の温度が180℃に達した後、120分保持し、これを硬化させた。オートクレーブ内の窒素を排出した後、繊維強化複合材料の成形板を取り出した。
この成形板を上記の方法で空隙の存在状況を画像解析したところ、図1の通り空隙がほぼ皆無であった。
成形上型として、プリプレグ積層体と同寸法の350mm×300mm×1mm厚のステンレス製プレートを用いた以外は実施例1と同様の方法にて成形を行い、繊維強化複合材料成形板を得た。
この成形板を実施例と同様の方法で空隙の存在状況を画像解析したところ、図2の通り全体において空隙が多く残る結果となった。
Claims (7)
- 繊維強化樹脂中間材を成形下型の上に配置し、該繊維強化樹脂中間材の上に、成形上型をその外縁が該繊維強化樹脂中間材の外縁より内側に位置するように積載し、これらの上に通気性のないシートを被せ、該シートの該繊維強化樹脂中間材側を減圧した状態下にて、該繊維強化樹脂中間材を加熱硬化する、繊維強化樹脂成形体の製造方法。
- 前記成形上型の全ての外縁が、前記繊維強化樹脂中間材の外縁より内側に位置する、請求項1記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
- 前記繊維強化樹脂中間材の外縁の任意の点から前記成形上型の外縁までの最短距離が5〜20mmの範囲である、請求項2記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
- 前記繊維強化樹脂中間材と前記成形上型のそれぞれの重心を結ぶ直線と、該繊維強化樹脂中間材と該成形上型の積載方向とが略平行の関係となっている、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
- 前記成形上型の厚みが0.5〜10mmの範囲である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
- 前記成形上型の材質が金属である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
- 前記繊維強化樹脂中間材と前記成形上型の間に離形フィルムを配置する、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化樹脂成形体の製造方法。
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