JP2018024603A - 口唇用医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】口唇炎、口角炎の予防や治療を目的として口唇に適用される外用剤に色材を配合することにより、従来にない優れたメーキャップ効果を発揮し、患者のQOLを向上させる医薬組成物の提供。【解決手段】(A)炭化水素系の油性基剤;(B)色材;及び(C)口唇炎及び/又は口角炎の治療に有効な薬剤を含有する口唇用医薬組成物。【効果】前記口唇用医薬組成物は、配合された有効成分に基づいて口唇炎及び/又は口角炎を治療、緩和及び予防できるのみならず、配合した色材が優れた発色性及びツヤ感を発揮するためメーキャップ効果にも優れ、さらには口唇炎又は口角炎による口唇の外観変化を隠蔽する効果もある。【選択図】なし

Description

本発明は口唇用医薬組成物に関する。より詳細には、口唇炎及び口角炎の治療に有効であるのみならず、塗布した際の発色性及びツヤ感に優れる、口唇のメーキャップ効果も発揮することのできる口唇用医薬組成物に関する。
口唇炎は、口唇の乾燥、亀裂、腫脹、浮腫、さらにびらん、落屑、潰瘍を示す疾患状態であり、接触アレルギー、小児が舌でなめるために生ずるもの、日焼けによるもの等の外因性のもの、ビタミンB、Bの欠乏によるもの等、様々な要因が知られている。口角炎(口角びらん症とも呼ばれる)は、両側の口角に生じた痂皮の付着したびらん、亀裂を伴う疾患であり、病因は口唇炎と同様に様々である。
特許文献1には、D−メチオニン等のIL−8発現を抑制する成分を配合した経口薬、食品及び皮膚外用剤が紫外線に起因する光口唇炎の治療に有効であることが記載され、特許文献2には、抗真菌剤を配合した医薬組成物が口角炎や亀裂性湿疹の治療に有効であることが記載されている。
一方、口唇などの粘膜を含む皮膚に適用される外用剤として、ワセリンやゲル化炭化水素といった油性基剤を含む油性外用剤は、水性製剤に比較して創傷保護機能が高いことが示唆され(特許文献3、段落0004)、特許文献3においては、油性基剤にカチオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を所定量配合することにより皮膚への刺激性を低減したことが記載されている。また、特許文献4には、炭化水素系油分からなる軟膏基剤に特定構造のアルキレンオキシド誘導体を配合することにより、べたつきやのびといった使用性を改善し、経時安定性を向上させた油性軟膏剤が記載され、保湿、保護効果が向上するために口唇炎、口角炎の予防や治療にも有効であったとされている。
特開2012−77022号公報 特開2013−67589号公報 特開2015−74627号公報 特開2006−117539号公報
しかしながら、従来の製剤は無色又は白色もしくは原料由来の基剤色であり、治療中は口紅等のメーキャップ化粧料の使用も制限されるために特に日中ではノーメークに見え、患者のQOL低下が課題であった。一方、口唇炎、口角炎の予防や治療を目的として口唇に適用される外用剤に色材を配合した例は知られていない。
本発明者は炭化水素系の油性基剤、特にゲル化炭化水素含む基剤を含有する油性医薬組成物に色材を配合すると、色材の発色性が格段に向上し、なおかつツヤ感も発揮され、治療と患者のQOL向上を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)炭化水素系の油性基剤;
(B)色材;及び
(C)口唇炎及び/又は口角炎の治療に有効な薬剤を含有する口唇用医薬組成物を提供する。
本発明の口唇用医薬組成物は、配合された有効成分に基づいて口唇炎及び/又は口角炎を治療、緩和及び予防できるのみならず、配合した色材が優れた発色性及びツヤ感を発揮するためメーキャップ効果にも優れ、さらには口唇炎又は口角炎による口唇の外観変化を隠蔽する効果もある。
上記の通り、本発明の口唇用医薬組成物は、(A)炭化水素系の油性基剤; (B)色材;及び(C)口唇炎及び/又は口角炎の治療に有効な薬剤を含有する。以下、各成分について説明する。
本発明における(A)炭化水素系の油性基剤は、ワセリンを除く炭化水素系の油性基剤が好ましく、ゲル化炭化水素を含んでいることが特に望ましい。ゲル化炭化水素としては、医薬品添加物規格の「ゲル化炭化水素」に適合するもの、流動パラフィンをポリエチレンでゲル化したゲル化炭化水素を好適に使用することができる。
具体例としては、流動パラフィン100重量部をポリエチレン5〜10重量部でゲル化したゲル化炭化水素が挙げられる。
ゲル化炭化水素としては市販品を用いてもよく、例示すれば、「プラスチベース(登録商標)」(ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社製)、「ハイコールジェル(商品名)」(カネダ株式会社製)、ポロイド(丸石製薬株式会社製)等が挙げられる。
(A)油性基剤は、前記ゲル化炭化水素に加えて他の油性成分を含んでいてもよい。他の油性成分としては、医薬品又は医薬部外品に配合可能な油性成分であって、常温(25℃)において流動性を有する油分及び半固形油分から選択される。ここで、「常温(25℃)において流動性を有する油分」とは、一般的な粘度計で粘度が測定可能な流動性を有する油分を意味し、常温で固形又は一般的な粘度計で粘度が測定不能な硬度を有する油分(本明細書では「固形油分」と称する)とは区別される。
具体例を挙げれば、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、トリイソオクタン酸グリセリン、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、乳酸エチル、イソパラフィン、パラフィン、2−エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、スクワラン、スクワレン、ラノリン、ユーカリ油、ハッカ油、オリブ油、硬化油、ダイズ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ペパーミント油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、ローズ油、ワセリン、ジメチルポリシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物における(A)油性基剤の配合量は、組成物全体に対して40質量%〜99.99899質量%、好ましくは50質量%〜99.99899質量%、より好ましくは50質量%〜98質量%である。
また、(A)油性基剤の0.1〜100質量%、好ましくは1〜90質量%、より好ましくは5〜80質量%をゲル化炭化水素が占めるようにする。
本発明における(B)色材は、医薬品、医薬部外品、化粧料に配合可能な色材であればよく、有機合成色素(タール色素;染料、レーキ、有機顔料を含む)、天然色素、及び無機顔料から選択できる。
本発明の医薬組成物に配合され得る色材としては、法定色素別表1〜3に記載された色素、具体的には、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、黄色4号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、だいだい色201号、だいだい色203号、だいだい色204号、だいだい色205号、だいだい色206号、だいだい色207号、黄色201号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色205号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、かっ色201号、紫色201号、赤色401号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号及びこれらのレーキが挙げられる。
天然色素としては、β−カロチン等のカロチノイド系、フラボノイド系、フラビン系、キノン系、ポルフィリン系、ジケトン系、ベタシアニジン系の色素が挙げられる。
無機顔料としては、酸化鉄等の着色顔料、酸化チタンや酸化亜鉛等の白色顔料、マイカ、タルク、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等の真珠光沢顔料が例示される。
本発明の医薬組成物における(B)色材の配合量は、組成物全体に対して0.00001質量%〜20質量%、好ましくは0.00005質量%〜10質量%である。
本発明の医薬組成物における(C)口唇炎及び/又は口角炎の治療に有効な薬剤(以下、単に「有効成分」とも称する)は、口唇炎及び/又は口角炎の治療又は予防に有効であること、あるいは口唇炎及び/又は口角炎の症状を緩和するのに有効であることが知られた薬剤から選択できる。
本発明における有効成分の具体例を挙げると、トコフェロール酢酸エステル、グリチルレチン酸及びその誘導体、ピリドキシン塩酸塩、塩化セチルピリジニウム、アラントイン、dl−メントール、パンテノール、グリチルリチン酸及びその誘導体、ピリドキシンジパルミテート、プラセンタリキッド、プレドニゾン等のステロイド類等がある。
本発明の医薬組成物における(C)口唇炎及び/又は口角炎の治療に有効な薬剤(有効成分)の配合量は、組成物全体に対して0.001質量%〜20質量%、好ましくは0.01質量%〜10質量%である。
本発明の医薬組成物は、前記(A)〜(C)成分に加えて、(D)油溶性増粘剤又は固形油分を配合するのが好ましい。
油溶性増粘剤は、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトールのベンジリデン誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
デキストリン脂肪酸エステルの具体例は、パルミチン酸デキストリン,オレイン酸デキストリン及びステアリン酸デキストリン等を含む。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、8個の水酸基のうち3個以下が高級脂肪酸でエステル化され、高級脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸であるものが挙げられる。
ソルビトールのベンジリデン誘導体としては、モノベンジリデンソルビトール又はジベンジリデンソルビトールが挙げられる。
本発明で用いられる固形油分としては、固体油脂、ロウ類、固形炭化水素、高級アルコールが挙げられる。例えば、カカオ脂、硬化ヒマシ油等の固体油脂;モクロウ、カルナウバロウ、ミツロウ、サラシミツロウ、キャンデリラロウ、ホホバロウ等のロウ類:ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素ワックス;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール等の高級アルコール;シリコーンワックス等が例示される。
本発明の医薬組成物に(D)油溶性増粘剤又は固形油分を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して0.01質量%〜30質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%である。
本発明の口唇用医薬組成物には、医薬品、医薬部外品、又は化粧品に配合され得る他の任意成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合してもよい。
他の任意成分としては、保湿剤、水、水溶性増粘剤、界面活性剤、香料等が例示されるが、これらに限定されない。但し、本発明の医薬組成物は、特許文献4に記載された以下の一般式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体を必須成分として含有するものではない。
( 式中、EO はオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、mおよびnはそれぞれ前記オキシエチレン基、オキシアルキレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量% である。オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R、Rは、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子であり、RおよびRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合が0.15以下である。)
保湿剤としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース、エリスリトール、コンドロイチン硫酸およびその塩類、ヒアルロン酸およびその塩類、ポリエチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸塩、フィッシュコラーゲン、フィトステリル−12−ヒドロキシステアレート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液等が挙げられる。
本発明の医薬組成物は油性製剤であることを基本とするが、少量の水を含む油中水型乳化物の形態であってもよい。
水溶性増粘剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム/アクリル酸アルキル/メタクリル酸ナトリウム/メタクリル酸アルキル共重合体、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カードラン、デンプン、グリコーゲン、アラビアガム、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポピドン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、ポリビニルアルコール、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシエチルセルロース、その他のセルロース類等が挙げられる。
配合可能な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤が挙げられ、シリコーン系又は炭化水素系の界面活性剤が含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される組成物全量に対する質量%で示す。
下記の表1に掲げる処方で口唇用医薬組成物の試料を調製した。次いで、調製した各例の試料について、その外観(色及び色の発色状態、ツヤ感)を、10名の専門パネルが判定した。色の発色状態に関して「濃く明瞭に発色した」と判定したパネルの割合、及びツヤ感に関して「ツヤ感がある」と判定したパネルの割合を評価結果とし、表1に併せて示す。
上記の表1に示した実験結果から明らかなように、油性基剤にゲル化炭化水素を配合した実施例1及び2では、ゲル化炭化水素に代えてワセリンを配合した比較例1及び2に比較して、色の発色状態が格段に向上した。この結果は配合する色材の種類に依らず観察された。さらに、ツヤ感についても、ゲル化炭化水素を配合した実施例1及び2の方が有意に優れていることが確認された。
以下に、本発明による口唇用医薬組成物の別の処方例を挙げる。いずれの処方も、口唇炎及び口角炎の症状を緩和/抑制するのに有効でるとともに、色の発色性及びツヤ感に優れたものであった。
<処方例1>
トコフェロール酢酸エステル 0.2% ・・・(C)
グリチルレチン酸 0.3% ・・・(C)
ピリドキシン塩酸塩 0.1% ・・・(C)
塩化セチルピリジニウム 0.1% ・・・(C)
アラントイン 0.5% ・・・(C)
dl−メントール 0.5% ・・・(C)
流動パラフィン 残余 ・・・(A)
IPM 15% ・・・(A)
ワセリン 1% ・・・(A)
ゲル化炭化水素 10% ・・・(A)
マイクロクリスタリンワックス 2% ・・・(D)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1%
パルミチン酸デキストリン 1% ・・・(D)
パラベン 0.1%
BHT 0.1%
グリセリン 3%
赤色2号 0.001% ・・・(B)
青色2号アルミニウムレーキ 0.0005% ・・・(B)
寒天 0.01%
<処方例2>
グリチルレチン酸 0.3% ・・・(C)
ピリドキシン塩酸塩 0.1% ・・・(C)
パンテノール 0.5% ・・・(C)
アラントイン 0.5% ・・・(C)
トコフェロール酢酸エステル0.2% ・・・(C)
スクワラン 10% ・・・(A)
オリブ油 5% ・・・(A)
ジメチルポリシロキサン 0.1% ・・・(A)
ステアリン酸グリセリン 2%
グリセリン脂肪酸エステル 2%
硬化油 4% ・・・(A)
ゲル化炭化水素 50% ・・・(A)
パラフィン 15% ・・・(D)
サラシミツロウ 0.5% ・・・(D)
パラベン 0.1%
プロピレングリコール 3%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.001%
赤色105号 0.0001% ・・・(B)
黄色三二酸化鉄 1% ・・・(B)
黒酸化鉄 0.1% ・・・(B)
カオリン 5% ・・・(B)
ヒドロキシプロピルセルロース 0.05%
ビタミンB2 0.001%
香料 微量

Claims (4)

  1. (A)炭化水素系の油性基剤;
    (B)色材;及び
    (C)口唇炎及び/又は口角炎に有効な薬剤を含有する口唇用医薬組成物。
  2. 前記(A)炭化水素系の油性基剤がゲル化炭化水素を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(B)色材が有機合成色素、天然色素、及び無機顔料からなる群から選択される一種又は二種以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (D)油溶性増粘剤及び固形油分からなる群から選択される一種又は二種以上を更に含有する、請求項1から3の何れか一項に記載の組成物。
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