JP2018024679A - バリンの連続分離のための装置及びそれを用いたバリンの連続分離方法 - Google Patents
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Abstract
Description
し、より具体的には、ロイシンやイソロイシンなどのアミノ酸を含む混合物からバリンを
連続して分離するための装置及びそれを用いたバリンの連続分離方法に関する。
酸であり、医薬品や化粧品の主要原料の1つとして用いられる。また、動物飼料に利用さ
れる重要な成分の一つでもある。これらの理由から、バリンの利用に注目した産業的市場
における関心は日増しに大きくなっている。
これに関して注目すべきは、発酵過程中にバリンだけでなく他の不純物なども共に得られ
るということである。これらの不純物は、塩、アラニン、ロイシン、イソロイシンなどで
あり、これらの不純物は全てバリンから分離しなければならない。
特許文献1)、沈殿剤を用いた結晶化方法(特許文献2、3及び4)、化学反応法(特許文献
5)などがある。しかし、前記分離方法のうち、イオン排除クロマトグラフィー方法は、
ロイシン、イソロイシンなどのアミノ酸の分離が難しく、廃水発生量が多く、結晶化など
の後処理工程がさらに必要であるという欠点がある。また、沈殿剤を用いた結晶化方法は
、沈殿剤を除去するための工程を必要とするので工程が複雑であり、精製のための後処理
工程がさらに必要であるという欠点がある。また、化学反応法は、ロイシンとイソロイシ
ンを全て分離することができるが、濃縮及び加水分解工程を必要とするので工程が複雑で
あり、溶媒を多量に用いるのでそれを回収する後処理工程に多くの設備を必要とすること
から精製工程のコストが上昇する。
製品の分離精製段階に広範囲に用いられており、その運用方式によって大きくバッチ(bat
ch)クロマトグラフィー工程と連続疑似移動床(simulated moving bed, SMB)クロマトグラ
フィー工程に区分される。前記SMB工程は、1961年に米国のUOP社が石油化学製
品の分離のために最初に開発した工程であり、その性能と分離効率はバッチ工程に比べて
はるかに優れることが報告されている。このようなSMB工程の優位性により、単に石油
化学製品の分離精製だけでなく、糖物質、キラル化合物、バイオ製品、医薬品などの高付
加製品の分離精製にまで広く用いられている。
ラム)と4つのポートが配置された構成となっており、4つのポートのうちフィードポー
トと脱着剤ポートから分離対象混合物と溶媒(脱着剤)がそれぞれ注入される。また、ラフ
ィネート(Raffinate)ポートと抽出物(Extract)ポートから吸着力の弱い物質と強い物質が
分離して得られる。このような一連の分離対象混合物と溶媒の注入、そして両成分の回収
が連続して行われるようにするために、4つのポートは所定時間間隔で溶媒が流れる方向
に応じて動くようになっている。
、各カラム毎のバルブと吸着剤はいずれも高価であるため、カラムの数を最小限にするこ
とが好ましい。
ンSMB)工程が導入されている。図2に示すように、3つのゾーンを用いるので、最小
カラム数を4つから3つに減らすことができる。また、4つのポートは、従来の4つのク
ロマトグラフィーゾーンを有するSMB構造と同様に配置される。
移動する低親和性成分は、図2のラフィネートポートから回収されるが、図2のようなラ
フィネートの濃縮ゾーン(enrichment zone)がないので、過度な希釈が避けられない。す
なわち、回収されたバリンの濃度が分離対象混合物中のバリン濃度に比べて低くなると、
SMB分離工程の後続の後処理工程の運用コストが上昇するという副作用が発生する。よ
って、このような副作用を克服する新たな構造を有する3-ゾーンSMB工程の適用が必
要とされる。
ー工程を行う装置により、ロイシンやイソロイシンなどのアミノ酸を含む混合物から効率
的にバリンを連続的且つ効果的に分離できることを確認し、本発明を完成するに至った。
分離する装置及びそれを用いたバリンの連続分離方法を提供することを目的とする。
分離のために用いる装置は、脱着剤ポートDと、フィードポートFと、ラフィネートポー
トRと、抽出物ポートEと、3つのロータリーバルブ(10、20、30)と、各ロータリ
ーバルブ(10、20、30)に連結される3つのクロマトグラフィーゾーン(40、50
、60)とを含む。
10b、10c)、(20a、20b、20c)、(30a、30b、30c)を備え、ロー
タリーバルブ(10、20、30)の回転に応じて各ロータリーバルブ(10、20、30)
のいずれか1つの連結ポートのみ開放されることにより、脱着剤ポートD、フィードポー
トF、ラフィネートポートR、抽出物ポートEに連通する。
Eに連結される各流路は3つに分岐されるように分岐点を有し、3つのロータリーバルブ
(10、20、30)に全て連結されており、いずれかの連結ポートが開放された後に特定
のロータリーバルブに連結される。
SMB)工程の構造を示す概略図である。図3に示すように、ポートの移動が脱着剤ポート
、フィードポート、ラフィネートポート、抽出物ポートの順になっており、それぞれラフ
ィネート濃度の希釈を防止する濃縮ゾーンを運用することができる。よって、従来の3-
ゾーンSMBの問題であるラフィネート濃度の低下を予防できるという利点を有する。ま
た、脱着剤ポートとフィードポートが1つのカラムで連結されている構造であるので、溶
媒の使用量を低減することができるという利点もある。
は第1位置における装置を示す図であり、図4bは第2位置における装置を示す図であり
、図4cは第3位置における装置を示す図である。第1、第2、第3位置は連続して循環
する。すなわち、本発明による装置は、第1位置、第2位置、第3位置の順に作動し、そ
の後再び第1位置に回帰する方式である。
なわち、ロータリーバルブ(10、20、30)の第1連結ポート(10a、20a、30
a)が開放されることによって第1位置に設定され、さらにロータリーバルブ(10、20
、30)が回転することにより第2連結ポート(10b、20b、30b)が開放され、そ
れにより第2位置に設定され、再びロータリーバルブ(10、20、30)が回転すること
により第3連結ポート(10c、20c、30c)が開放され、第3位置に設定される。ロ
ータリーバルブ(10、20、30)がさらに回転すると再び第1位置に設定される。
は流入ポート(10a−1、20b−1、30c−1)と流出ポート(10a−2、20b−2、
30c−2)に分けて図示し、説明する。
10a、20a、30a)のみ開放され、第2連結ポート(10b、20b、30b)及び
第3連結ポート(10c、20c、30c)は閉鎖される。
ポートFは第2ロータリーバルブ20に連結され、ラフィネートポートRは第3ロータリ
ーバルブ30に連結され、抽出物ポートEは第1ロータリーバルブ10に連結される。
ロマトグラフィーゾーン40を通過し、その後第2ロータリーバルブ20に流入する。
を通過した脱着剤と共に第2ロータリーバルブ20に流入し、第2クロマトグラフィーゾ
ーン50を通過する。
ニン、ロイシン、イソロイシンなどを含んでいる。第2クロマトグラフィーゾーン50を
通過した後、流動速度の差による分離対象混合物の成分の分離が行われる。バリンは他の
不純物に比べて吸着力が弱い低親和性(low−affinity)成分であるので、より
速く移動する 。よって、その後分離対象混合物はバリンとその他の物質に分離され、そ
れぞれ時間差をおいて第3ロータリーバルブ30に流入する。
クロマトグラフィーゾーン60を通過して再び第1ロータリーバルブ10を通過すること
により抽出物ポートEに流出する。
ブ(10、20、30)が回転して図4bに示されるように第2位置に切り替えられる。所
定時間の基準については後述する。
10b、20b、30b)のみ開放され、第1連結ポート(10a、20a、30a)及び
第3連結ポート(10c、20c、30c)は閉鎖される。
ーバルブ(10、20、30)が1つずつ移動する。
ィードポートFは第3ロータリーバルブ30に連結され、ラフィネートポートRは第1ロ
ータリーバルブ40に連結され、抽出物ポートEは第2ロータリーバルブ20に連結され
る。
ロマトグラフィーゾーン50を通過し、その後第3ロータリーバルブ30に流入する。
を通過した脱着剤と共に第3ロータリーバルブ30に流入し、第3クロマトグラフィーゾ
ーン60を通過する。
物質は流動速度の差により第3ロータリーバルブ30にまだ流入していない。これを行う
ため、前述したロータリーバルブの回転時間間隔が調整される。
トグラフィーゾーン60を通過し、その後流動速度の差により分離対象混合物の分離が行
われてバリンとその他の物質に分離されるが、分離しようとするバリンは第1ロータリー
バルブ10とラフィネートポートRを通じて流出するのに対して、残りの物質は第1位置
で分離されたものの第3ロータリーバルブ30にまだ流入していないその他の物質と合わ
せられてより効果的に第2ロータリーバルブ20を通過し、その後抽出物ポートEに流入
する。
第3位置に切り替えられる。
10c、20c、30c)のみ開放され、第1連結ポート(10a、20a、30a)及び
第2連結ポート(10b、20b、30b)は閉鎖される。
ーバルブ(10、20、30)が1つずつ移動する。
クロマトグラフィーゾーン60を通過した脱着剤と共に第1ロータリーバルブ10に流入
し、第1クロマトグラフィーゾーン40を通過するが、この時、図4bに示す第2位置で
流入した分離対象混合物のうち残りの物質が流動速度の差により第2ロータリーバルブ2
0にまだ流入していない時点であるので、同様に共に合わせられて第3ロータリーバルブ
30を通過し、その後抽出物ポートEに流入する。
、その後ラフィネートポートRに分離される。
示す第1位置に切り替えられ、上記過程が連続して行われる。
剤としては、多孔性ポリマーレジンを用いることができ、不溶性ポリスチレンジビニルベ
ンゼンポリマー(insoluble polystyrene divinylbenzene polymer)物質からなるレジンを
用いることが好ましい。前記レジンは、表面積が大きく、固有の細孔径分布及び細孔容積
分布(pore size and volume distribution)を有し、様々な物質、特に薬学的化合物の精
製に有用である。具体的には、Amberchrom CG161(Rohm & haas)又はCh
romalite PCG Series(Purolite)などを用いることができる。商業的に
用いられる前記レジンの粒径は10〜300μmであり、表面積は700〜900m2/
gであり、気孔の大きさは100〜200Åであり、細孔容積分布は0.7〜1.5ml
/gであり、均等係数(uniformity coefficient)は2未満である。
シン又はロイシンを含む混合物であり、微生物発酵により得られたバリン発酵液であるこ
とが好ましい。本発明の具体的な実施例においては、精製されたバリン、イソロイシン及
びロイシンを人為的に混合した混合液、及び微生物発酵により得られたバリン発酵液を用
いた。これは、微生物発酵の際にバリンのみ生産されることはほとんどなく、多くはイソ
ロイシン及びロイシンが共に生産されるからである。
バリンはラフィネートポートRから流出し、その他の物質は流動速度の差だけでなく、ロ
ータリーバルブ(10、20、30)の回転により効果的に分離されて抽出物ポートEから
流出し、バリンを連続して分離することができる。
トF及びラフィネートポートRの流量を調節し、それと共にロータリーバルブの回転速度
を調節することにより制御することができる。前記各ポートの流量は、カラムのintr
insic parameter(吸着係数、物質伝達係数、空隙率、物質環境など)を考
慮して調節することができる。
方法において、前記脱着剤ポートを用いて脱着剤を流入し、前記フィードポートにバリン
を流入させ、前記ラフィネートポートからバリンを回収する工程を含むことを特徴とする
バリンの連続分離法を提供する。前記脱着剤は水であることが好ましい。また、前記方法
で回収されたバリンの純度は90%〜99%であることを特徴とする。
リン、ロイシン及びイソロイシンを含む分離対象混合物を分離した結果、回収されたバリ
ンの収率は約98%以上、純度は約98%以上であったので、混合物からバリンを効果的
に分離できることが確認された。
本発明は、擬似移動層クロマトグラフィー工程を行う装置により、ロイシンやイソロイ
シンなどのアミノ酸を含む混合物から高純度及び高収率でバリンを連続して分離すること
ができる。
の実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるも
のではない。
1)モデルベースデザインアプローチ
新たな分離システムにおける連続工程を開発する上で最優先で考慮すべき事項が2つあ
る。まず、開発期間中に要する費用と期間の最小化である。次に、開発される工程の最適
状態が維持され、最大の生産性と最大の分離効率が得られる条件でなければならない。こ
れら2つの条件をどちらも満たすためには、詳細モデル(detailed model)に基づく吸着及
び物質伝達現象を正確に把握しなければならず、また、関連する様々なパラメータ値を得
なければならない。このような詳細モデル及びパラメータに基づく工程設計のアプローチ
方法をモデルベースデザインアプローチ(model-based design approach)という。本発明
においても、このようなアプローチ方法によりバリンの連続分離を行うSMB工程を開発
した。
モデルベースデザインアプローチの核心となる段階の1つがコンピュータシミュレーシ
ョンである。これは、カラム内の各成分の吸着及び物質伝達現象に対する詳細モデル式を
数値解析的方法で解いてその解を得る過程をいう。このような数値解析的方法は膨大な計
算量を要するので、コンピュータを用いて行う。
性と効率性を考慮して集中質量移動モデル(lumped mass-transfer model)(非特許文献1)
を本発明のシミュレーションモデルとした。集中質量移動モデルに基づくコンピュータシ
ミュレーションは、各アミノ酸成分の基礎パラメータの測定と検証だけでなく、SMB工
程の分離効率の検証にも活用された。さらに、このモデル式はSMB最適化ツールの製作
にも用いた。
モデルベースデザインアプローチにおいてコンピュータシミュレーションと共に核心的
な役割を果たすものとしてSMB最適化ツールがある。このツールは、開発されるSMB
工程の最適運転条件を得るために用いられる。この最適化ツールの製作のために優先的に
必要なのが最適化アルゴリズムである。現在まで、SMBなどの複雑な形態の工程最適化
においては、統計学的理論に立脚した遺伝子アルゴリズムが最も効率的であることが知ら
れている(非特許文献2)。
づくSMB最適化コンピュータプログラムを構築した。遺伝子アルゴリズム自体もこれま
で発展を繰り返してきたが、本発明の最適化ツール製作段階においては、最新の遺伝子ア
ルゴリズムといえるNSGA−II−JGアルゴリズム(非特許文献2)を基本アルゴリズ
ムとして採用した。
(visual basic application)言語を用いて最適化アルゴリズムをコード化(coding)するこ
とにより、NSGA−II−JGアルゴリズムと詳細モデル式の計算が同時に行われるよ
うにした。
1)材料
分離対象混合物を構成する3つのアミノ酸成分のうち、バリンとロイシンはFluka
から購入し、イソロイシンはSigmaから購入した。アミノ酸を溶解するために用いた
水は3次脱イオン蒸留水(Distilled Deionized Water, DDW)であり、Milli−Q s
ystem(Millipore)により得た。実験に用いた吸着剤は、Amberchrom CG
161C(Rohm & haas)、Amberlite CG71C(Sigma Aldrich)、DIAIO
N SK1B(Mitsubishi Chemical)、Amberlite XAD−7HP(Sigma Aldric
h)である。HPLC濃度分析に用いたメタノールは、Burdick & Jackson
Co.(Muskegon, MI)から購入した。
フィットガラスカラム(Omnifit Glass Column)は、Biochemical Fluid
ics Co.(Boonton, NJ)から購入し、前者の実験には長さ11.6cm、直径1.5
cmのカラムを用い、後者の実験には長さ21.7cm、直径2.5cmのカラムを用い
た。
シングルカラム実験装置
吸着剤の選定実験には、Young−Lin SP930DポンプとYoung−Li
n UV730D検出器を用いた。この2つの装置の制御及びデータ処理は、Autoc
hro−3000ソフトウェアにより行った。各吸着剤で充填されたカラム内にアミノ酸
パルスを注入する際に用いたインジェクターはRheodyne 7725iインジェク
ターであり、注入量は100μlとした。
LC P−920ポンプ及びWaters 486 UV検出器、並びにAmersham
FPLC collector(Frac-900)を用いた。各詳細装置の制御とデータ収集は、
Unicorn 5.1ソフトウェアにより行った。
図4に示す装置を自主的に組み立てて用いた。完成したSMB実験装置における脱着剤
の流量速度と分離対象混合物の流量速度はYoung−Lin SP930Dポンプを用
いてそれぞれ制御し、ラフィネート流量速度はIsmatec MCP−CPF ISM
919ポンプを用いて制御した。4つのポートが周期的に移動する効果を得るために、S
T Valco ロータリーバルブ(VICI, Houston, TX)を用いた。図4a〜図4cは前記
ST valveの作動模式図である。実験に用いたValco ロータリーバルブはLa
bview 8.0 ソフトウェアにより自動制御した。
SMB実験により回収された物質の濃度測定のためにHPLC濃度分析装置を用いた。
分析用カラムとしては、Waters Symmetry C−18 カラム(250×4.6m
mID, particle size 5μm)を用いた。HPLC濃度分析に関する全てのデータの収集は、
Waters Millenniumソフトウェアを用いて処理した。Waters 51
5 HPLCポンプを用いて移動相の流量速度を制御した。濃度分析のためのサンプルは
、Rheodyne 9725iインジェクターを用いて分析用カラム内に注入し、注入
量は20μlとした。試料の検出はWaters 996 PDA検出器を用いた。
SP930DポンプとYoung−Lin UV730D検出器を用いた。Young−
Linポンプと検出器の制御及びデータ処理は、Autochro−3000ソフトウェ
アにより行った。実験により得られたサンプルは、Rheodyne 7725iインジ
ェクターを用いて分析用カラム内に注入し、注入量は20μlとした。
1)実験方法
バリンからロイシンとイソロイシンを分離する可能性のある4種類の通常の吸着剤、例
えば、Amberchrom CG161C(Rohm & haas)、Amberlite CG7
1C(Sigma Aldrich)、DIAION SK1B(Mitsubishi Chemical)、Amberli
te XAD−7HP(Sigma Aldrich)を用いて、最も適する吸着剤を選定するための実験
を一連のパルステスト方式で行った。
注入量は100μlとした。移動相の流量は2ml/分とした。
上記結果を図5に示す。図5に示すように、Amberchrom CG161C吸着
剤を除く他の吸着剤は、バリンの選択的分離が難しいことが確認された。上記結果から、
バリンを分離するためのSMB工程の構築には、Amberchrom CG161C吸
着剤が最も適することが確認された。
1)実験方法
前記実施例1で選定したAmberchrom−CG161C吸着剤の空隙率を測定し
た。まず、前記吸着剤をカラムに充填し、その後粒子間空隙率(inter-particle porosity
)(eb)を測定する実験を行った。実施例1と同様の方式で行ったが、実施例1とは異な
り、分離しようとする分離対象物質の代わりに粒子間空隙率の測定に適したトレーサー分
子をカラム内に注入した。用いたトレーサー分子はブルーデキストランであり、注入濃度
は1g/Lとし、流量は4ml/分とし、注入量は500μlとした。
上記実験の結果、カラムの粒子間空隙率の値は0.391であった。重要な情報の一つ
である粒子内空隙率は文献に報告されている値を用いたが、この値は0.737である(
非特許文献3)。
礎パラメータの測定
吸着係数の測定
1)実験方法
分離対象混合物の各成分に該当するバリン、ロイシン、イソロイシンの基礎パラメータ
の測定のために階段式フロンタルテスト(multiple frontal test)を行った。階段式フロ
ンタルテストは、分離しようとする各物質の吸着平衡データを得て、そのデータに基づい
て吸着モデル式を作成すると共に関連吸着パラメータを決定するために行われる実験であ
る。
はDDW、他方のポンプにはバリン、ロイシン又はイソロイシン溶液を満たした。その後
、カラム内の吸着剤相と移動相間の平衡が得られるまで、バリン、ロイシン又はイソロイ
シン溶液をカラム内部に注入し続けた。平衡状態では吸着剤粒子間の濃度と吸着剤内部の
濃度がどちらもカラム内に注入されるバリン、ロイシン又はイソロイシン溶液の濃度と同
じ濃度に維持されるので、簡単な物質収支式を立てると吸着剤相における吸着濃度が直ち
に得られる。カラム内部の濃度が平衡をなすと、分離対象混合物溶液の比率を前段階より
高くし、新たに平衡状態を維持するようにした。再度、この平衡状態に対して物質収支式
を立て、吸着剤相における吸着濃度を計算した。このような階段式フロンタルテストを行
うことにより、各アミノ酸成分に対するステップタイムをパルステストの結果から得られ
た滞留時間の2〜3倍に決定した。
ムとしてバリンは40分、ロイシンは70分、イソロイシンは70分に設定した。また、
全ての試料の濃度は5g/L、流量は4ml/分で一定に維持した。ロイシンとイソロイ
シンはUV検出器において205nm、218nmの波長で実験を行った。それに対して
、バリンの場合は、ロイシンやイソロイシンの実験におけるオンライン・モニタリング方
式とは異なり、ダイレクトHPLC分析方式(カラム流出液を逐一採取してその濃度をH
PLC装置で分析する方式)を採用した。HPLC分析条件は、10%メタノール水溶液
を移動相として用い、注入量を20μlとし、流量を0.5ml/分とした。分析前に標
準溶液を用いて自主的に検量線(calibration curve)を決定した。その結果を図6に示し
、それに基づいて吸着平衡データを算出し、その結果を図7に示す。
図7に示すように、バリン、ロイシン、イソロイシンの全てがAmberchrom
CG161C相で線形吸着関係を示す。よって、各アミノ酸成分を線形吸着モデル式にフ
ィッティングし、そこから線形吸着係数を決定した。決定した吸着係数の値を下記表1に
示す。
1)実験方法
吸着係数と共にもう一つの重要な基礎パラメータといえる物質伝達係数を下記の方法で
決定した。
-transfer coefficient)は、Chung & Wen correlation(非特許文献
4)とWilson & Geankopolis correlation(非特許文献5)
を用いてそれぞれ予測し、分子拡散係数(molecular diffusivity)は、Wilke & C
hang correlation(非特許文献6)を用いて計算した。また、粒子内拡散
係数(intra-particle diffusivity)は、フロンタル実験のデータと集中質量移動モデルに
基づくシミュレーション結果を互いにフィッテイングして決定した。
前述したように決定された分子拡散率と粒子内拡散率の値を下記表1に示す。
この値を代入したモデルシミュレーション結果とフロンタル実験結果を比較して図6に示
す。
よって、前述したように決定された基礎パラメータの値は、後続して行われるSMB工程
の最適化に十分に活用することができる。
1)実験方法
前記実施例3で決定された基礎パラメータ値の検証のために、混合物フロンタル実験を
行った。この実験においては、実施例3とは異なり、3つのアミノ酸を全て含む混合物溶
液を分離対象混合物として用いてフロンタル実験を行った。
モデルシミュレーションを行った。さらに、そのシミュレーション結果を混合物フロンタ
ル実験データと比較した。その結果を図8に示す。
図8に示すように、実験データとシミュレーション結果が一致することが確認された。
これは、実施例3で決定された基礎パラメータ値は、純粋な成分のときだけでなく、混合
物状態においても、各アミノ酸のカラム内の挙動を説明することができることを意味する
。また、各アミノ酸間の相互作用がほとんどないことを意味する。
最適化過程で重点を置いたのは、目標分離対象物質であるバリンの高純度と高収率を保
持しつつバリンの生産性を最大化することである。ここで、バリンの生産性は下記式のよ
うに定義される。
バリンの生産性(Productivity)=Qraf×Craf,valine
(上記式において、Qrafはラフィネートポートにおける流量速度を意味し、Cra
f,valineはラフィネートポートにおけるバリンの濃度を意味する。)
制約条件(constraint)に設定して最適化過程を行った。具体的な最適化過程を要約すると
次の通りである。
Subject to Valine purity=98%
Valine yield=98%
Fixed variables Qdes=5mL/分
Cfeed for each component=5g/L
LC=21.7cm,dC=2.5cm
(上記式において、QfeedとQdesは分離対象混合物の流量速度と脱着剤の流量
速度をそれぞれ意味し、tswはスイッチングタイムを意味する。)
ために、NSGA−II−JGアルゴリズムに基づく最適化コンピュータプログラムを自
主的にコード化し、前記コンピュータプログラムをAspenシミュレーターに接続して
該当工程を最適化した。その結果を下記表2に示す。
こうして得られたデータを用いて、本発明によるバリンの連続分離装置でバリンを分離
し、その収率と純度を次のように測定した。
図4に示す装置と、前記実施例5で得られた最適化条件を用いてSMB実験を行った。
カラムはAmberchrom CG161Cを用いた。
2ml/分に維持し、他のポンプの作動を中止した。それぞれのバルブとカラムを連結し
た。ここで、カラム内部に空気が入らないように注意した。カラムの全ての連結を終え、
その後脱着剤の流量速度を目標値まで増加させた。SMB実験は分離対象混合物溶液が注
入される時点から始まるので、分離対象混合物ポンプを作動させると同時にLabvie
w 8.0ソフトウェアを実行した。Labview 8.0によりバルブのスイッチング
とスイッチングタイムを同時に制御した。
ステップ以降は定常状態に達することが確認された。よって、SMB実験は、それよりは
るかに多いステップである60番目のステップまで行った。SMB実験が行われている間
、ステップ毎に各排出ポートから溶出する溶液の濃度をHPLC装置を用いて分析した。
また、カラムプロフィールの決定のために、最後のステップで関連サンプルを採取した。
このために、SMB実験が60.5ステップに達したときに、駆動している全てのポンプ
を同時に停止した。そして、バルブに連結されたカラムの下部を開けてカラムから出てく
る溶液を回収し、その濃度を分析した。HPLC分析条件は、10%メタノール水溶液を
移動相として用い、注入量を20μlとし、流量を0.5ml/分とした。分析前に標準
溶液を用いて自主的に検量線を決定した。その結果を図9に示す。図9において(a)はラ
フィネート濃度分析の結果であり、(b)は抽出物濃度分析の結果である。
図9の(a)に示すように、ラフィネート溶液内のほとんどの成分がバリンであり、不純
物に該当するロイシンとイソロイシンはほとんど存在しないことが確認された。これは、
バリンの純度が非常に高く維持されていることを意味する。また、図9の(b)に示すよう
に、抽出物濃度分析の結果においてほとんどの成分がロイシンとイソロイシンであり、検
出されたバリンの量は無視できるほど少ないことが確認された。これは、抽出物ポートに
おけるバリンの損失が非常に少ないことを意味する。
ョンを同時に行い、その結果をラフィネートと抽出物のHPLC濃度分析データと直接比
較した。図9に示すように、シミュレーション結果とSMB実験データが一致することが
分かる。
、最後の6つのステップで得られた流出溶液を同じ割合で混合し、その後その溶液につい
てHPLC濃度分析を行った。分析された濃度データに基づいてバリンの純度と収率を計
算し、その結果を下記表3に示す。
MB工程は、バリンの連続分離と高純度及び高収率の保持において非常に優れることが確
認された。これに関する実験による実証データとして、図10にHPLC濃度分析の生ク
ロマトグラム(HPLCの生データ)を示す。
のアミノ酸成分の全てが大きいサイズのピークを示している。バリンの生産ポートに該当
するラフィネートポートの流出液に対するHPLCの生データ(図10の(b))においては
、バリン成分のみ大きいサイズのピークを明確に示しているのに対して、イソロイシンの
ピークは非常に小さいサイズを示しており、ロイシンのピークはほとんど見出されなかっ
た。不純物のみ得られるように設定された抽出物ポートの流出液に対するHPLCの生デ
ータ(図10の(c))においては、バリン成分のピークはほぼ無視できるのに対して、他の
2つのアミノ酸成分は大きいサイズのピークを示している。このような一連のHPLCの
生データにより、本発明におけるバリンの連続分離SMB実験が成功したことが再度確認
された。
も重要なSMB実験データの1つである。このような理由から、カラムプロフィールデー
タの確保に必要なサンプルを最終スイッチング周期の中間時間、すなわち60.5ステッ
プで採取した。そのサンプル濃度を分析し、その結果を図12に示す。図11に示すよう
に、カラムプロフィールデータもシミュレーション結果と一致することが確認された。こ
れはカラムプロフィールデータもSMB実験が成功したことを証明するものである。すな
わち、SMBカラム内の各アミノ酸成分のsolute waveがバリンの高純度及び
高収率分離に最大限有利に分布していることが実験的に検証されたものであるといえる。
ロフィール)により、本発明のAmberchrom CG161Cを用いたSMB工程が
産業的規模のバリン連続分離過程に十分に適用できることが分かった。
され、実験的に検証された。この吸着剤以他に、バリン分離に効果が検証されているCh
romalite PCG−600に基づくSMB工程も最適化を行い、それに対する実
験も行った。その結果、Chromalite PCG−600吸着剤も、SMB工程に
適用するとバリンの連続分離に十分に活用できることが確認された。
上記実験と同様の方法で実際の発酵混合物を用いて実験を行った。
達係数)を測定するために、発酵混合物溶液をChromalite PCG600C r
esinが充填されたシングルカラム内に注入し、カラム流出物の各時間の濃度を測定す
る混合物フロンタル実験を行った。
てバリンとロイシンの基礎パラメータを決定し、その結果を表4に示す。
して分離するPCG600C−SMB工程を最適設計した。このSMB工程も、本発明の
新たなポート配置順序に基づくものであり、カラムの構成は図3に示すように3-ゾーン
構造を採用した。
収率とロイシンの高除去率を保持しつつバリンの生産性を最大化することである。このよ
うな最適化目標を達成するために、バリンの生産性を目的関数に設定し、バリンの収率と
ロイシンの除去率を制約条件に設定して最適化過程を行った。具体的な最適化過程を要約
すると次の通りである。Qdesはバリンの純度及び収率を増加させることのできる範囲
内で調節された値である。
Subject to Valine yield=97%
Leucine removal efficiency=90%
Fixed variables Qdes=6mL/分
LC=21.7cm,dC=2.5cm
Column configuration=1−1−2
(上記式において、QfeedとQdesは分離対象混合物の流量速度と脱着剤の流量
速度をそれぞれ意味し、tswはスイッチングタイムを意味する。)
アルゴリズムに基づく最適化コンピュータプログラムを自主的にコード化し、前記コンピ
ュータプログラムをAspenシミュレーターに接続して該当工程を最適化した。最適化
結果を表5に示す。
的に組み立てた。組み立てた工程装置の模式図を図4に示す。
離SMB実験を行った。この実験に用いた実際の発酵混合物内のバリンとロイシンの濃度
は、それぞれ71.8g/Lと0.742g/Lであった。
図12のラフィネートの結果に示すように、バリンの高濃度回収がシミュレーションで予
測したレベルで行われており、ロイシンの流出濃度レベルは無視できるほど低い。図13
の抽出物の結果に示すように、ロイシンがシミュレーションで予測したレベルで好適に除
去されていることが確認された。また、抽出物ポートにおけるバリンの損失は非常に少な
いことが確認された。これらの実験結果は、PCG600C−SMB工程によるバリンと
ロイシンの連続分離において、バリンの高収率とロイシンの高除去率が十分に保持される
ことを意味するものである。
ンの連続分離が成功したことを示すものである。図14に示すように、各カラム内のバリ
ンとロイシンの濃度分布は、バリンの高収率回収とロイシンの高除去率保持に非常に有利
であることが確認された。これらの結果から、実際の発酵混合物内のバリンの99.7%
をラフィネートポートにより回収することができ、それと同時にロイシンの98.0%を
抽出物ポートにより除去することができることが分かる。
F:フィードポート
R:ラフィネートポート
F:抽出物ポート
10,20,30:ロータリーバルブ
40,50,60:クロマトグラフィーゾーン
10a,10b,10c,20a,20b,20c,30a,30b,30c:連結ポ
ート
Claims (12)
- 脱着剤ポートDと、
フィードポートFと、
ラフィネートポートRと、
抽出物ポートEと、
前記ポート(D、F、R、E)とそれぞれ選択的に連結される複数のロータリーバルブ(
10、20、30)と、
前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)毎にそれぞれ備えられた複数のクロマ
トグラフィーゾーン(40、50、60)とを含み、
前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)は互いに連結され、
前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)は、それぞれ複数の連結ポート(10
a、10b、10c)、(20a、20b、20c)、(30a、30b、30c)を備え、
前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)が回転することにより、前記複数の連
結ポート(10a、10b、10c)、(20a、20b、20c)、(30a、30b、3
0c)のいずれか1つのみ開放され、それに応じて前記ポート(D、F、R、E)のそれぞ
れに選択的に連結されるいずれか1つのロータリーバルブ(10、20、30)が切り替え
らえることを特徴とするバリンの連続分離装置。 - 前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)は、所定時間が経過すると回転し、
前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)の回転により、前記ポート(D、F、
R、E)に連結されるロータリーバルブ(10、20、30)が切り替えられることを特徴
とする請求項1に記載のバリンの連続分離装置。 - 前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)は、前記所定時間後の回転により第1
、第2及び第3位置を循環するように連続して切り替えられ、
前記第1位置では、第1連結ポート(10a、20a、30a)が開放され、
前記第2位置では、第2連結ポート(10b、20b、30b)が開放され、
前記第3位置では、第3連結ポート(10c、20c、30c)が開放されることを特徴
とする請求項2に記載のバリンの連続分離装置。 - 前記第1位置では、
前記脱着剤ポート脱着剤ポートDが第1ロータリーバルブ10の第1連結ポート10a
を通過して第1クロマトグラフィーゾーン40に連通し、
前記フィードポートFが第2ロータリーバルブ20の第2連結ポート20aを通過して
第2クロマトグラフィーゾーン50に連通し、
前記ラフィネートポートRが第3ロータリーバルブ30の第3連結ポート30aを通過
して第3クロマトグラフィーゾーン60に連通し、
前記抽出物ポートEが第1ロータリーバルブ10の第1連結ポート10aを通過するこ
とを特徴とする請求項3に記載のバリンの連続分離装置。 - 前記第1位置で前記フィードポートFから流入した分離対象混合物は、前記第2クロマ
トグラフィーゾーン50を通過することによりバリンとその他の物質に分離され、
前記第1位置で分離された前記バリンは、前記第3ロータリーバルブ30に流入して前
記ラフィネートポートRから流出し、
前記第1位置で分離された前記その他の物質は、前記第1ロータリーバルブ10に流入
して前記抽出物ポートEから流出することを特徴とする請求項4に記載のバリンの連続分
離装置。 - 前記所定時間は、前記分離対象混合物から分離された前記バリンが前記第3ロータリー
バルブ30に流入し、前記その他の物質が前記第3ロータリーバルブ30に流入しない時
間であることを特徴とする請求項5に記載のバリンの連続分離装置。 - 前記ロータリーバルブ(10、20、30)が前記第1位置から前記第2位置に回転する
と、前記フィードポートFから流入した分離対象混合物は、前記第3クロマトグラフィー
ゾーン60を通過することによりバリンとその他の物質に分離され、
前記第2位置で分離された前記バリンは、前記第1ロータリーバルブ10に流入して前
記ラフィネートポートRから流出し、
前記第2位置で分離された前記その他の物質は、前記第1位置で分離されたその他の物
質と共に前記第2ロータリーバルブ10に流入し、前記抽出物ポートEから流出すること
を特徴とする請求項6に記載のバリンの連続分離装置。 - 前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)は、連続して回転することにより第1
、第2及び第3位置に交互に切り替えられ、
前記第1、第2及び第3位置で前記ポート(D、F、R、E)が連結される前記ロータリ
ーバルブはそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載のバリンの連続分離装置。 - 前記フィードポートFから流入した分離対象混合物は、バリンとその他の物質に分離さ
れ、
前記複数のロータリーバルブ(10、20、30)が位置を切り替える回転間隔が、前記
バリンはいずれか1つのロータリーバルブから他のロータリーバルブに移動し、前記その
他の物質は移動していない時間であることを特徴とする請求項8に記載のバリンの連続分
離装置。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のバリンの連続分離装置を用いてバリンを連続分
離する方法において、
前記脱着剤ポートに脱着剤を注入し、前記フィードポートにバリンを含む混合物を流
入して前記フラフィネートポートからバリンを回収する工程を含むことを特徴とするバリ
ンの連続分離方法。 - 前記脱着剤が水であることを特徴とする請求項10に記載のバリンの連続分離方法。
- 前記回収されたバリンの純度が90%〜99%であることを特徴とするバリンの連続分
離方法。
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