JP2018041876A - 発光装置の製造方法及び発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LED素子への給電が損なわれ、LED素子が発光しなくなる可能性を減少する。【解決手段】発光装置の製造方法は、半導体積層と、半導体積層の両面に形成され、少なくとも一方が金属である電極とを有し、平面形状の寸法が50μm以下であり、厚さが10μm以下である、複数の微小発光素子を形成し、微小発光素子に親水化処理を施し、透光性絶縁樹脂溶液を作成し、親水化処理を受けた微小発光素子を混合し、微小発光素子を含む透光性絶縁樹脂溶液を下側基板上に印刷し、下側基板上の印刷に上側基板を結合する。【選択図】 図1−3
Description
本発明は、多数の微小な発光素子を含む発光装置の製造方法、発光装置に関する。
車載ランプ、ディスプレイ、照明などの製品分野においては、精細でデザイン性が高く、自由曲面での発光が可能な発光装置への期待が高まっており、たとえば有機EL(electroluminescence)素子を使用した発光装置が実用化されつつある。
本発明者は、たとえば多数の微小な半導体発光素子、一例として平面形状が一辺50μm以下の正方形であり、高さ(厚さ)が10μm以下の上下電極型発光ダイオード(light emitting diode; LED)を用いて、面状に分布した発光装置を製造することを検討している。
しかしながら、ピックアップ実装等の手段によって、多数の微小サイズのLEDを基材上に配置することは困難であり、可能であっても時間がかかって非実用的になる。
微小サイズのLEDをピックアップせずに、所定領域に配置する方法として、印刷技術によって微小LEDを基材上に配置する方法が考えられる(例えば特許文献1,2)。多数の微小LED素子をキャリア液の中に混合し、キャリア液を配線を有する支持シート上に印刷する。キャリア液として、透光性絶縁樹脂を溶媒中に溶解したものを用いると、透光性絶縁樹脂が出射光を透過できる絶縁層を形成する。所定面積内に多数の発光素子を配置した発光装置を形成する場合、発光面積内の多数の発光素子の分布がほぼ均一であれば、個々の発光素子の位置はあまり問題とはならないと考えられる。
n型半導体層、半導体発光層、p型半導体層を含む半導体積層構造の両面にn側電極、p側電極を形成した微小LED素子を透光性絶縁樹脂溶液中に混合し、表面に導電層を有する支持シートの上に、多数の微小LED素子を含む透光性絶縁樹脂溶液を印刷し、溶媒を乾燥させることによって、微小LED素子を導電層上に配置することが可能であろう。
印刷技術としては、スクリーン印刷、凸版印刷、平板印刷、凹版印刷、オフセット印刷等が知られているが、本出願ではスクリーン印刷を対象とする。スクリーン印刷では、繊維状のスクリーンを枠に張って固定し、その上に開口領域を有する版膜(レジスト)を作り、絶縁樹脂を通過させる印刷領域以外の目を塞いだスクリーン版を作製する。スクリーン版の枠内に絶縁樹脂を載せ、スキージで絶縁樹脂を摺動することにより、レジストのない印刷領域のスクリーンを通して絶縁樹脂を被印刷物上に転写する。絶縁樹脂に一定密度の発光素子を含ませることにより、絶縁性樹脂に含まれた発光素子を被印刷物上に配置することができる。
印刷用の透光性絶縁樹脂溶液は、一般的に、アクリル樹脂等の透光性絶縁樹脂を溶媒中に溶解して作成する。n型半導体層、半導体発光層、p型半導体層を含む半導体積層構造の両面に電極を形成した、多数の微小LED素子電極を透光性絶縁樹脂溶液中に混合する。多数の微小LED素子を保持する部材として、可撓性、透光性を有し、導電層を備えた基板を用意する。導電層を上側にした下側基板の上に、多数の微小LED素子を含む透光性絶縁樹脂溶液を印刷する。微小LED素子の一方の電極が下側基板の導電層上に配置され、電気的に接続されるようにする。多数の微小LED素子の上方に、導電層を下側にした上側基板を配置し、多数の微小LED素子の他方の電極に、上側基板の導電層を接続するようにする。微小LED素子の外側の透光性絶縁樹脂溶液は、一部蒸発し、残る絶縁樹脂が上側と下側の基板の間に絶縁層を形成する。
微小LED素子の上側電極の表面上に絶縁樹脂が残ると、LED素子への給電が損なわれ、LED素子が発光しなくなる可能性が生じる。透光性絶縁樹脂溶液から溶媒が蒸発してしまった後では、絶縁樹脂の除去は困難になると考えられる。透光性絶縁樹脂溶液が液体の状態の間に、電極表面から透光性絶縁樹脂溶液を排除することが望まれる。
上下両面に電極を備えた微小LED素子の金属の電極面を親水化処理する。親水化処理した金属の電極面は親水性になる。微小LED素子を、透光性絶縁樹脂を溶媒に溶解した溶液中に混合し、下側基板の導電層上に透光性絶縁樹脂溶液を印刷する。疎水性の透光性絶縁樹脂溶液は、親水化した電極面にはなじみにくく、弾かれ易い。露出した電極面に上側基板の配線を接続する。
親水化処理した金属の電極面は、疎水性の樹脂溶液を弾き、LED素子への給電障害を低減する。
GS 成長基板、 11 下地層、 12 n型GaN層、
14 発光層、 16 p型GaN層、 RP レジストパターン、
G 溝、 21 p側電極、 22 絶縁層、 SS 支持基板、
23 ウエハ接合剤、 27 n側電極、 31 チオール溶液、
32 透光性絶縁樹脂溶液、 33 スキージ、 34 スクリーン版、
35 開口領域、 36 Agペースト層(接続剤)、 LE 下側基板、
UE 上側基板。
14 発光層、 16 p型GaN層、 RP レジストパターン、
G 溝、 21 p側電極、 22 絶縁層、 SS 支持基板、
23 ウエハ接合剤、 27 n側電極、 31 チオール溶液、
32 透光性絶縁樹脂溶液、 33 スキージ、 34 スクリーン版、
35 開口領域、 36 Agペースト層(接続剤)、 LE 下側基板、
UE 上側基板。
以下、図面を参照して、実施例による発光装置の製造方法を説明する。本実施例においては、微小LED素子の金等で作成された電極を、チオール処理によって親水性にする。これにより、疎水性の透光性絶縁樹脂溶液を弾くようになる。電極表面上の樹脂被膜が抑制され、印刷方式で実装された微小LED素子の発光不良を抑制する。
(工程1:図1A参照)
両面研磨されたc面サファイア基板を成長基板として用いる。成長基板上に、MOCVDを用いて厚み10μm以下のLED構造用半導体積層を成長する。まず成長基板GS表面上に、低温でGaNバッファ層を成長し、基板温度を結晶化温度に昇温して結晶化を促進し、その後同じ温度でアンドープGaN層を成長する。良好な結晶性を有するInxGa1−xN層(GaN系層と呼ぶことがある)の成長が可能となる。GaNバッファ層とアンドープGaN層をまとめて下地層11と呼ぶことにする。下地層の図示は、以下適宜省略する。下地層11の上に、n型GaN層12、GaN/InGaN多重量子井戸構造の発光層14、およびp型GaN層16を形成する。GaN/InGaN多重量子井戸構造の発光層は、InGaN層を井戸層、GaN層を障壁層とする多重量子井戸層である。
(工程2:図1B参照)
半導体積層の上に微小LED素子の形状を有するレジストパターンRP1を形成し、反応性イオンエッチング(RIE)等により、露出領域の半導体積層をエッチングして、素子間に配置され、成長基板GSを露出する溝Gを形成する。半導体積層の各素子領域10が、溝Gで画定される。その後、レジストパターンRP1を除去する。p型GaN層16が露出する。
(工程3:図1C参照)
p型GaN層16の上に、p側電極21を形成する。p側電極21は、たとえば厚さ約500nmのTi/Pt/Auの積層を蒸着して形成する。なお、Ti/Pt/Auとの表記は、Ti側が最下層であり、Pt、Auの順に積層されていることを表す。以下の表記も同様である。最上層は金(Au)層である。p側電極21の整形は、例えば電極積層の上にレジストパターンRP2を形成し、不要電極層をエッチングし、その後レジストパターンRP2は除去する。また、電極層形成前に不要部を覆うレジストパターンを形成し、電極層を形成し、その後レジストパターンごと不要部の電極層をリフトオフしてもよい。
(工程4:図1D参照)
p側電極21をレジストパターンRP3で覆い、発光層の絶縁保護のため、例えばスパッタ法により、厚さ約200nmのSiO2膜22を形成する。露出している半導体積層表面は絶縁層22により覆われる。尚、絶縁層は、SiO2膜に限らない。窒化膜等を組み合わせて用いてもよい。その後、レジストパターンRP3は除去する。p側電極21の表面が露出する。
(工程5:図1E参照)
成長基板GSを剥離するために、LED素子構造に支持部材を取り付ける。素子の上部側(p側電極側)を、ウェハ接合剤23を介してサファイア基板(支持基板)SSに貼り付ける。支持基板SSは、サファイア等の高耐久性材料で形成されることが望ましい。例として、支持基板SSへの貼り付けは、素子上部にウェハ接合剤23をスピンコートにより50μmの厚さに塗布し、130℃で10分間、250N/m2の圧力で支持基板SSに押圧することで行った。微小LED素子構造10が、ウエハ接合剤23に囲まれ、一対のサファイア基板GS,SSに挟まれる。なお、ウェハ接合剤としては、Brewer Science 社の Brewer BOND 220 を用いることができる。
(工程6:図1F参照)
レーザリフトオフ法により、成長基板GSを剥離する。一例として、波長248nmのエキシマレーザの光を成長基板GS側から照射し、GaN下地層11を加熱分解して、成長基板GSを剥離させる。レーザリフトオフで発生したGaを熱水等で除去し、表面処理を行うことにより、n型GaN層12が露出する。
(工程7:図1G参照)
露出したn型GaN層12上に、n側電極27を形成する。例えば、n側電極27に対応する開口を有するレジストパターンRP4を予め形成しておき、例えば、厚さ約270nmのITO(インジウム錫酸化物)膜をスパッタ法で成膜し、スパッタリング後レジストパターンRP4上に堆積した不要層をリフトオフして除去する。
(工程8:図1H参照)
支持基板SSから発光素子10の分離を行う。素子側から表面に粘着性をもったフィルムHSに基板を貼り付け、リムーバ液中に投入し、支持基板SSを取り除く。フィルムHS上に素子を回収できる。フィルムHSは、たとえば材質がポリ塩化ビニル(PVC)の半導体素子ハンドリング用フィルムである。
(工程9:図1I参照)
ハンドリング用フィルムHSから、各LED素子を外すと、個々の微小LED素子が得られる。この工程までは、発明者が従来行った工程であり、他の公知の工程に適宜交換したり、組み合わせることも可能である。例えば、同一出願人の特開2014−146672号公報の実施例の開示を取り入れることができる。
以下、本実施例の中心をなす工程を説明する。
(工程10:図1J参照)
LED素子の金属電極にチオール処理を行って、親水化処理を行うことができる。Ti/Pt/Au積層で形成された金属電極の最上層Auに、効率的なチオール処理を行うことができる。チオール処理はCu等の金属層にも行うことができる。
(工程1:図1A参照)
両面研磨されたc面サファイア基板を成長基板として用いる。成長基板上に、MOCVDを用いて厚み10μm以下のLED構造用半導体積層を成長する。まず成長基板GS表面上に、低温でGaNバッファ層を成長し、基板温度を結晶化温度に昇温して結晶化を促進し、その後同じ温度でアンドープGaN層を成長する。良好な結晶性を有するInxGa1−xN層(GaN系層と呼ぶことがある)の成長が可能となる。GaNバッファ層とアンドープGaN層をまとめて下地層11と呼ぶことにする。下地層の図示は、以下適宜省略する。下地層11の上に、n型GaN層12、GaN/InGaN多重量子井戸構造の発光層14、およびp型GaN層16を形成する。GaN/InGaN多重量子井戸構造の発光層は、InGaN層を井戸層、GaN層を障壁層とする多重量子井戸層である。
(工程2:図1B参照)
半導体積層の上に微小LED素子の形状を有するレジストパターンRP1を形成し、反応性イオンエッチング(RIE)等により、露出領域の半導体積層をエッチングして、素子間に配置され、成長基板GSを露出する溝Gを形成する。半導体積層の各素子領域10が、溝Gで画定される。その後、レジストパターンRP1を除去する。p型GaN層16が露出する。
(工程3:図1C参照)
p型GaN層16の上に、p側電極21を形成する。p側電極21は、たとえば厚さ約500nmのTi/Pt/Auの積層を蒸着して形成する。なお、Ti/Pt/Auとの表記は、Ti側が最下層であり、Pt、Auの順に積層されていることを表す。以下の表記も同様である。最上層は金(Au)層である。p側電極21の整形は、例えば電極積層の上にレジストパターンRP2を形成し、不要電極層をエッチングし、その後レジストパターンRP2は除去する。また、電極層形成前に不要部を覆うレジストパターンを形成し、電極層を形成し、その後レジストパターンごと不要部の電極層をリフトオフしてもよい。
(工程4:図1D参照)
p側電極21をレジストパターンRP3で覆い、発光層の絶縁保護のため、例えばスパッタ法により、厚さ約200nmのSiO2膜22を形成する。露出している半導体積層表面は絶縁層22により覆われる。尚、絶縁層は、SiO2膜に限らない。窒化膜等を組み合わせて用いてもよい。その後、レジストパターンRP3は除去する。p側電極21の表面が露出する。
(工程5:図1E参照)
成長基板GSを剥離するために、LED素子構造に支持部材を取り付ける。素子の上部側(p側電極側)を、ウェハ接合剤23を介してサファイア基板(支持基板)SSに貼り付ける。支持基板SSは、サファイア等の高耐久性材料で形成されることが望ましい。例として、支持基板SSへの貼り付けは、素子上部にウェハ接合剤23をスピンコートにより50μmの厚さに塗布し、130℃で10分間、250N/m2の圧力で支持基板SSに押圧することで行った。微小LED素子構造10が、ウエハ接合剤23に囲まれ、一対のサファイア基板GS,SSに挟まれる。なお、ウェハ接合剤としては、Brewer Science 社の Brewer BOND 220 を用いることができる。
(工程6:図1F参照)
レーザリフトオフ法により、成長基板GSを剥離する。一例として、波長248nmのエキシマレーザの光を成長基板GS側から照射し、GaN下地層11を加熱分解して、成長基板GSを剥離させる。レーザリフトオフで発生したGaを熱水等で除去し、表面処理を行うことにより、n型GaN層12が露出する。
(工程7:図1G参照)
露出したn型GaN層12上に、n側電極27を形成する。例えば、n側電極27に対応する開口を有するレジストパターンRP4を予め形成しておき、例えば、厚さ約270nmのITO(インジウム錫酸化物)膜をスパッタ法で成膜し、スパッタリング後レジストパターンRP4上に堆積した不要層をリフトオフして除去する。
(工程8:図1H参照)
支持基板SSから発光素子10の分離を行う。素子側から表面に粘着性をもったフィルムHSに基板を貼り付け、リムーバ液中に投入し、支持基板SSを取り除く。フィルムHS上に素子を回収できる。フィルムHSは、たとえば材質がポリ塩化ビニル(PVC)の半導体素子ハンドリング用フィルムである。
(工程9:図1I参照)
ハンドリング用フィルムHSから、各LED素子を外すと、個々の微小LED素子が得られる。この工程までは、発明者が従来行った工程であり、他の公知の工程に適宜交換したり、組み合わせることも可能である。例えば、同一出願人の特開2014−146672号公報の実施例の開示を取り入れることができる。
以下、本実施例の中心をなす工程を説明する。
(工程10:図1J参照)
LED素子の金属電極にチオール処理を行って、親水化処理を行うことができる。Ti/Pt/Au積層で形成された金属電極の最上層Auに、効率的なチオール処理を行うことができる。チオール処理はCu等の金属層にも行うことができる。
エタノール中に親水チオールを10mmоl/L混合し、10分間撹拌し、チオール溶液31を調製する。親水基を持つチオールの例としては、カルボキシル末端を持つもの(10-Carboxy-1-decanethiol等)やアミノ末端を持つもの(11-Amino-1-undecanethiol等)が挙げられる。これらのチオール溶液を用いることにより、電極表面にカルボキシル基やアミン基を形成し、親水化を行うことができる。チオール溶液31中に発光素子10を混合し、10分間撹拌したあと、窒素雰囲気中で1時間静置する。これによりチオールが発光素子10のp側電極21表面のAuと結合し、p側電極21が親水化する。n側電極27は、ITO膜で形成されており、チオール処理しても親水性にはならない。
(工程11:図1K参照)
透光性絶縁樹脂溶液32を準備し、チオール処理を行ってp側電極21を親水化した発光素子10を混合して発光素子入り透光性絶縁樹脂溶液を作製する。例えばアクリルや塩酢ビニルを含むような疎水性かつ透光性絶縁樹脂を溶剤に溶解したものを使用する。透光性絶縁樹脂溶液32は、透光性絶縁樹脂、溶剤(溶媒)と、必要な顔料を混ぜて作られる。透光性絶縁樹脂は塩酢ビニル、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、アクリル、ポリアミド、ポリウレタン等を用いる。いずれも疎水性の材料である。溶剤(溶媒)は、主に酢酸エチルやイソプロピルアルコール等が用いられ、粘度調整及び乾燥速度調整も行う。顔料は、用途に応じて用いられる任意性部材である。例えば、素子の発光と組み合わせて、異なる波長の光を取り出すような蛍光顔料を用いる。例えば、青色発光素子と組み合わせて黄色蛍光顔料を用い、白色光を取り出す。また発光素子の発光波長の一部を吸収する顔料を用いることもできる。赤外発光素子は、可視赤色光も発光する場合があり、赤見えを防ぎたい場合は、赤色の発光を吸収する顔料を組み合わせ、赤見えを防止する。
(工程12:図1L参照)
発光素子10入り透光性絶縁樹脂溶液32をスクリーン印刷によって導電領域を有する下側基板LE上に塗布する。下側基板LEは、例えば表面に導電領域を備えたフィルム状支持材で形成する。スクリーン印刷装置のスクリーン版34の枠内に透光性絶縁樹脂溶液32を載せ、スキージ33で透光性絶縁樹脂溶液32を摺動することにより、レジストのない開口領域35のスクリーンを通して透光性絶縁樹脂溶液32を被印刷物である下側基板LE上に転写する。例で用いたスクリーンは40μm程度のメッシュであり、メッシュを通す微小LED素子の面内寸法は18〜19μm程度、厚さは5〜6μm程度とした。得られる結果から、スキージ33で押し込まれる際に、薄板状の発光素子10はスクリーン版34に平行な向きに姿勢制御されると考えられる。透光性絶縁樹脂溶液32に一定密度の発光素子10を含ませておくことにより、所望密度の発光素子10を下側基板LE上に配置することができる。
(工程13:図1M参照)
下側基板上に塗布された発光素子10を含む透光性絶縁樹脂溶液32を概略的に示す。透光性絶縁樹脂溶液32は疎水性であるので、親水化されたp側電極21を弾いて付着せず図1Mに示すようにp側電極21表面への被膜が抑制される。一方、n側電極27は親水化されておらず、疎水性の透光性絶縁樹脂溶液32となじむ。ITOは親水化しない。n側電極27は固体化した透光性絶縁樹脂溶液32Sで覆われ易い。発光素子10入り透光性絶縁樹脂溶液32をスクリーン印刷によって下側基板LE上に塗布した後、印刷物を常温環境に30分おき、透光性絶縁樹脂溶液32を乾燥させる。
(工程14:図1N参照)
乾燥後、微小LED素子10と透光性絶縁樹脂層32Sを含む塗布物の上部に、たとえばAgペースト層等の接続剤36を塗布し、p型電極21に接続された導電層を形成する。尚、発光パターン以外の領域にはAgペースト層36を形成する必要はない。Agペースト層36の上に、上側基板UEの導電領域を載せ、押圧する。150℃で30分間乾燥させて固定する。上側基板UEは、例えば表面に導電領域を備えたフィルム状支持材で形成する。上側基板UE、下側基板LEのフィルム部分をアクリル等の透光性絶縁樹脂で形成すると、可撓性を有する透光性発光装置を形成することが可能である。
(工程11:図1K参照)
透光性絶縁樹脂溶液32を準備し、チオール処理を行ってp側電極21を親水化した発光素子10を混合して発光素子入り透光性絶縁樹脂溶液を作製する。例えばアクリルや塩酢ビニルを含むような疎水性かつ透光性絶縁樹脂を溶剤に溶解したものを使用する。透光性絶縁樹脂溶液32は、透光性絶縁樹脂、溶剤(溶媒)と、必要な顔料を混ぜて作られる。透光性絶縁樹脂は塩酢ビニル、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、アクリル、ポリアミド、ポリウレタン等を用いる。いずれも疎水性の材料である。溶剤(溶媒)は、主に酢酸エチルやイソプロピルアルコール等が用いられ、粘度調整及び乾燥速度調整も行う。顔料は、用途に応じて用いられる任意性部材である。例えば、素子の発光と組み合わせて、異なる波長の光を取り出すような蛍光顔料を用いる。例えば、青色発光素子と組み合わせて黄色蛍光顔料を用い、白色光を取り出す。また発光素子の発光波長の一部を吸収する顔料を用いることもできる。赤外発光素子は、可視赤色光も発光する場合があり、赤見えを防ぎたい場合は、赤色の発光を吸収する顔料を組み合わせ、赤見えを防止する。
(工程12:図1L参照)
発光素子10入り透光性絶縁樹脂溶液32をスクリーン印刷によって導電領域を有する下側基板LE上に塗布する。下側基板LEは、例えば表面に導電領域を備えたフィルム状支持材で形成する。スクリーン印刷装置のスクリーン版34の枠内に透光性絶縁樹脂溶液32を載せ、スキージ33で透光性絶縁樹脂溶液32を摺動することにより、レジストのない開口領域35のスクリーンを通して透光性絶縁樹脂溶液32を被印刷物である下側基板LE上に転写する。例で用いたスクリーンは40μm程度のメッシュであり、メッシュを通す微小LED素子の面内寸法は18〜19μm程度、厚さは5〜6μm程度とした。得られる結果から、スキージ33で押し込まれる際に、薄板状の発光素子10はスクリーン版34に平行な向きに姿勢制御されると考えられる。透光性絶縁樹脂溶液32に一定密度の発光素子10を含ませておくことにより、所望密度の発光素子10を下側基板LE上に配置することができる。
(工程13:図1M参照)
下側基板上に塗布された発光素子10を含む透光性絶縁樹脂溶液32を概略的に示す。透光性絶縁樹脂溶液32は疎水性であるので、親水化されたp側電極21を弾いて付着せず図1Mに示すようにp側電極21表面への被膜が抑制される。一方、n側電極27は親水化されておらず、疎水性の透光性絶縁樹脂溶液32となじむ。ITOは親水化しない。n側電極27は固体化した透光性絶縁樹脂溶液32Sで覆われ易い。発光素子10入り透光性絶縁樹脂溶液32をスクリーン印刷によって下側基板LE上に塗布した後、印刷物を常温環境に30分おき、透光性絶縁樹脂溶液32を乾燥させる。
(工程14:図1N参照)
乾燥後、微小LED素子10と透光性絶縁樹脂層32Sを含む塗布物の上部に、たとえばAgペースト層等の接続剤36を塗布し、p型電極21に接続された導電層を形成する。尚、発光パターン以外の領域にはAgペースト層36を形成する必要はない。Agペースト層36の上に、上側基板UEの導電領域を載せ、押圧する。150℃で30分間乾燥させて固定する。上側基板UEは、例えば表面に導電領域を備えたフィルム状支持材で形成する。上側基板UE、下側基板LEのフィルム部分をアクリル等の透光性絶縁樹脂で形成すると、可撓性を有する透光性発光装置を形成することが可能である。
なお、上記実施例においては親水チオール基を形成することにより親水化を行った。この他、シランカップリング剤を塗布して電極表面にシラノール基を形成したり、電極表面に酸素プラズマによる表面処理を行い、電極表面に親水性官能基を付与することにより、親水化を行ってもよい。
図2A〜図2Cは、研究結果から予測される、多数の微小LEDを含む発光装置を示す。
図2Aは下側基板LE上にITOで形成されたn側電極27が配置され、上側にTi/Pt/Au積層で形成されたp側電極21が配置された微小LED構造を示す。p側電極21は親水化チオール処理され、効率的に接続剤36と接触、接続されている。上側に配置された電極が、p側電極21(金属電極)であるサンプルをSAと呼ぶ。
図2Bは下側基板LE上にTi/Pt/Au積層で形成されたp側電極21が配置され、上側にITOで形成されたn側電極27が配置された微小LED構造を示す。n側電極21は親水化チオール処理による影響を受けず、透光性絶縁樹脂で覆われ、接続剤36は有効な接続を形成していない。上側に配置された電極が、n側電極27(金属電極ではない)サンプルをSBと呼ぶ。
図2Cは、対向基板間に多数の微小LED素子が配置された発光装置を示す平面図である。微小LED素子に付したSA,SBは、図2A,2Bに示したように、上側に配置された電極が金属電極であるサンプルSA,金属電極ではないサンプルSBを指す。微小LED内に示した○印は良好な接続を形成しているサンプルを示し、×印は適切な接続が形成されていないサンプルを示し、△印は不十分な接続が形成されたサンプルを示す。
金属電極が上側に配置された微小LED素子は、チオール処理の効果を適切に維持し、上側に配置された電極が金属電極でなく(酸化物電極であり)、チオール処理の影響を受けない微小LED素子と較べて、格段に高い確率の適切な接続を実現できる。上側に配置された電極が親水処理された金属電極である素子を第1種とし、上側に配置された電極が金属電極でなく、チオール処理の影響を受けない素子を第2種とした時、第1種の素子の給電可能比率は、第2種の素子の給電可能比率と比較して、少なくとも2割以上、典型的には5割以上、高い。
以上実施例に沿って発明を説明したが、実施例で用いた構成、材料、数値などは制限的なものではない。例えば、半導体積層の一方の面に金属電極、他方の面に透明電極を形成する場合を説明したが、図3に示すように、微小LED素子のp側電極21とn側電極27が、共に金属積層で形成され、共に有効なチオール処理を受けるものであってもよい。金属電極の面積、形状は種々変更してもよい。
その他、種々の追加、置換、改良、組み合わせ等が可能である。
Claims (10)
- 半導体積層と、前記半導体積層の両面に形成され、少なくとも一方が金属である電極とを有し、平面形状の寸法が50μm以下であり、厚さが10μm以下である、複数の微小発光素子を形成し、
前記微小発光素子に親水化処理を施し、
透光性絶縁樹脂溶液を作成し、親水化処理を受けた前記微小発光素子を混合し、
前記微小発光素子を含む前記透光性絶縁樹脂溶液を下側基板上に印刷し、
前記下側基板上の印刷に上側基板を結合する
発光装置の製造方法。 - 前記金属である電極の最表面が、AuまたはCuを含み、前記親水化処理が前記微小発光素子の金属である電極に親水化処理を行う請求項1に記載の発光装置の製造方法。
- 前記透光性絶縁樹脂溶液が疎水性であり、前記親水化処理を受けた前記金属である電極に弾かれるものである請求項2に記載の発光装置の製造方法。
- 前記親水化処理が、前記金属である電極に対する、カルボキシル末端、又はアミノ末端を持つチオール溶液を用いる処理、シランカップリング剤の塗布、酸素プラズマ処理による表面処理のいずれかを含む請求項3に記載の発光装置の製造方法。
- 前記印刷がスクリーン版を用いるスクリーン印刷であり、前記透光性絶縁樹脂溶液をスクリーン版上に配置し、スキージを用いてスクリーン版を通過させることを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
- 前記下側基板及び前記上側基板が透光性フィルム状支持体の上に導電領域を有するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
- さらに、前記微小発光装置と前記上側基板の間に接続剤を用いる請求項6に記載の発光装置の製造方法。
- 対向配置され、それぞれ導電領域を有する、第1、第2の透光性基板と、
前記導電領域を対向させた、前記第1、第2の透光性基板の間に配置された多数の微小発光素子であって、各微小発光素子は半導体積層とその両面上に形成された第1、第2の電極とを有し、面内の寸法が50μm以下であり、厚さが10μm以下である、多数の微小発光素子と、
前記多数の発光素子を包囲し、前記一対の透光性基板の間に配置された透光性絶縁樹脂層と、
を有し、前記第1、第2の電極は少なくとも一方が金属電極であり、親水化処理の影響を維持するものである発光装置。 - 前記親水化処理は、カルボキシル末端、又はアミノ末端を持つチオール溶液を用いる処理、シランカップリング剤の塗布、酸素プラズマ処理による表面処理のいずれかである請求項8に記載の発光装置。
- 前記多数の微小発光素子が、前記第1の透光性基板に第1の電極が対向する第1種の素子群と、前記第2の透光性基板に第1の電極が対向する第2種の素子群とを含み、前記第1種の素子群と前記第2種の素子群において、給電可能な素子の比率が2割以上異なる請求項8または9に記載の発光装置。
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