JP2018065103A - 有機物を担持した光触媒の製造方法、及び有機物担持光触媒 - Google Patents

有機物を担持した光触媒の製造方法、及び有機物担持光触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】金属錯体などの有機物を助触媒として光触媒に強固に担持させる新たな方法の提供。【解決手段】光触媒、及び光触媒に担持させる有機物を準備する準備ステップ、及び前記準備した光触媒及び有機物を、クリック反応により結合させる結合ステップ、を含む有機物を担持した光触媒の製造方法。前記光触媒は、表面にアルコキシシランが結合され、前記クリック反応は、以下の(a)〜(c)のいずれかを含む反応である有機物と光触媒に担持させる方法。(a)トリアゾール環の形成(b)3級アミンの形成又は4級アミンの形成(c)チオエーテルの形成【選択図】図1

Description

本発明は光触媒に関し、詳細には有機物を担持した光触媒の製造方法、及び有機物を担持した光触媒、に関する。
エネルギー資源の大半を占める化石燃料は有限であることから、光エネルギーを利用して、水を水素と酸素に分解することでエネルギー源とする研究が進められている。その際には光触媒が用いられることが通常である。
現在研究が進められている光触媒は、酸化物、酸窒化物、窒化物といった光半導体の表面に助触媒が担持され、助触媒を担持させることで光触媒の活性を向上させることができる。
一般に、光半導体表面に担持される助触媒としては金属や金属酸化物が知られている。例えば、水分解に用いられる光触媒用の助触媒としては、Fe、Cо、Ni、Mnなどの酸化物やリン化物を含む無機物が用いられており、特許文献1には、Co及びMnを含む酸化物粒子を特定の光半導体に担持させることで、Coドープの効果を顕著とさせる技術が開示されている。また、非特許文献1にはニッケル化合物が広く開示されており、そのうちNi2Pナノ粒子が非常に高い水素発生能力を有することが記載されている。
金属や金属酸化物の助触媒は耐久性が高い、調製法が簡便であるといった優れた特徴を有する反面、反応の選択性が乏しく逆反応を触媒する恐れがある、金属の使用量が多くなる、等の問題点があった。
これに対して、金属錯体を助触媒に用いた場合、緻密な分子設計による反応の選択性向上、金属の使用量の減少、などの効果が期待できる。さらに、金属錯体は種々の分光分析により反応機構を詳細に解明することが可能であることから、触媒改良の効率性が期待できる。
光半導体表面に助触媒として担持される金属錯体としては、二酸化炭素還元による蟻酸又は一酸化炭素作成、水分解反応による水素又は酸素発生を触媒する金属錯体が知られている。例えば非特許文献2では、光半導体であるグラファイト状窒化炭素表面にルテニウム二核錯体を担持させることで、可視光照射により二酸化炭素を還元して蟻酸を生成する光触媒能を付与することが開示される。
また、非特許文献3では、ZnS表面に鉄二核錯体を担持させることで、光駆動の水分解による水素発生能を向上することが開示される。
さらに非特許文献4では、BiVO4表面に銅錯体を担持させることで、可視光駆動の水分解による酸素発生能を向上することが開示される。
特開2015−112509号公報
Eric J. Popczun, et al. Journal of the American Chemical Society, 135, 9267-9270 (2013) O. Ishitani, et al. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 5159. C. Li, et al. ChemSusChem 2012, 5, 849. H. Tada, et al. Chem. Commun, 2016, 52, 3665. Thomas J. Meyer, et al. ACS Appl. Mater. Interfaces 2012, 4, 1462.
金属錯体を助触媒として使用する場合に光半導体表面に金属錯体を担持させる方法としては、光半導体表面と相互作用するアンカー基を導入した金属錯体を作成し、これが溶解した溶液に光半導体を浸漬することで、光半導体表面に金属錯体を化学吸着させる方法がある。この際のアンカー基として、カルボキシル基やホスホン基が知られている。
しかしながら、アンカー基であるカルボキシル基やホスホン酸基と光半導体表面との相互作用は十分に強いものではなく、金属錯体を光半導体表面に担持させるためには複数のアンカー基を金属錯体分子に導入する必要があるため、金属錯体の分子設計が制約される場合や、製造工程が複雑化する場合があった。
更には、非特許文献5に開示されているように、光半導体表面に2つのアンカー基を用いて金属錯体を担持させた場合であっても、中性または塩基性の水溶液中で、光照射により容易に金属錯体が剥離することが知られている。
本発明は、このような問題を解決するものであり、金属錯体などの有機物を光触媒に強固に担持させる新たな方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、金属錯体などの有機物を光触媒に担持させる新たな方法を提供すべく鋭意検討を重ね、有機物と無機物を結合させるためアルコキシシランを用いることを試みた。しかしながら、アルコキシシランは加水分解し易く、アルコキシシランを有する金属錯体の調製は非常に困難であった。その理由は、金属錯体調製において、合成後の粗生成物を精製する方法がカラムクロマトグラフィーに限定される場合が多く、アルコキシシランがシリカゲルやアルミナ表面に強固に結合してしまうため、精製できないことによる。
そこで本発明者らは、アルコキシシランを有する金属錯体を調製することなく、クリック反応を利用して金属錯体を光触媒に担持させることで、金属錯体などの有機物を光半導体に強固に担持させられることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の一側面は、以下の要旨を含む。
(1)光触媒、及び光触媒に担持させる有機物を準備する準備ステップ、及び
前記準備した光触媒及び有機物を、クリック反応により結合させる結合ステップ、を含む有機物を担持した光触媒の製造方法。
(2)前記光触媒は、表面にアルコキシシランが結合された、(1)に記載の光触媒の製造方法。
(3)前記クリック反応は、以下の(a)〜(c)のいずれかを含む反応である、(1)または(2)に記載の光触媒の製造方法。
(a)トリアゾール環の形成
(b)3級アミンの形成又は4級アミンの形成
(c)チオエーテルの形成
(4)前記結合ステップは、
前記光触媒と、クリック反応を生じさせる一方の反応基を含むアルコキシシランと、を結合させる第1結合ステップ、
必要に応じて、前記有機物と、クリック反応を生じさせるもう一方の反応基と、を結合させる第2結合ステップ、および
クリック反応を生じさせる2つの反応基を反応させる第3結合ステップ、を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(5)前記有機物は金属錯体である、(1)〜(4)のいずれかに記載の光触媒の製造方
法。
本発明の別の要旨は、以下の要旨を含む。
(6)光触媒に有機物が担持された有機物担持光触媒であって、
前記光触媒と有機物との間に、以下の(a´)〜(c´)のいずれかを含む、有機物担持光触媒。
(a´)トリアゾール環
(b´)3級アミン又は4級アミン
(c´)チオエーテル
(7)前記有機物は金属錯体である、(6)に記載の有機物担持光触媒。
(8)前記光触媒と前記(a´)〜(c´)との間にケイ素酸素結合を含む、(6)または(7)に記載の有機物担持光触媒。
本発明によれば、金属錯体などの有機物を光触媒に担持させる新たな方法を提供することができ、該方法により、光触媒と有機物が強固に結合された有機物担持光触媒が提供される。
実施例において、光半導体に有機物を担持させる、一般的なスキーム図である。
以下、本発明について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明に係る一実施形態は、有機物を担持した光触媒の製造方法であり、光触媒、及び光触媒に担持させる有機物を準備する準備ステップ、及び前記準備した光触媒及び有機物を、クリック反応により結合させる結合ステップ、を含む。本発明の効果を阻害しない範囲で、準備ステップ、結合ステップ以外のステップを有していてもよい。
(準備ステップ)
準備ステップは、光触媒、及び光触媒に担持させる有機物を準備するステップである。
光触媒に用いられる光半導体は、Ti、V、Nb及びTaからなる群から選ばれる1種以上の元素を含み、これらの元素のいずれかを含んだ酸化物、酸窒化物、窒化物、(オキシ)カルコゲナイド等が挙げられる。これらは、市場で入手可能であり、又は既知の製法により調製することができる。
具体的には、
TiO2、CaTiO3、SrTiO3、Sr3Ti27、Sr4Ti37、K2La2Ti310、Rb2La2Ti310、Cs2La2Ti310、CsLaTi2NbO10,La2TiO5、La2Ti39、La2Ti27、La2Ti27:Ba、KaLaZr0.3Ti0.74、La4CaTi57、KTiNbO5、Na2Ti613、BaTi49、Gd2Ti27、Y2Ti27、(Na2Ti37、K2Ti25、K2Ti49、Cs2Ti25、H+−Cs2Ti25(H+−CsはCsがH+でイオン交換されていることを示す。以下同様)、Cs2Ti511、Cs2Ti613、H+−CsTiNbO5、H+−CsTi2NbO7、SiO2−pillared K2Ti49、SiO2−pillared K2Ti2.7Mn0.37、BaTiO3、BaTi49、AgLi1/3Ti2/32等のチタン含有酸化物;
LaTiO2N等のチタン含有酸窒化物;および
La5Ti2CuS57、La5Ti2AgS57、Sm2Ti252等のチタン含有(オキ
シ)カルコゲナイド;等のチタン含有化合物:
BiVO4、Ag3VO4等のバナジウム含有酸化物;等のバナジウム含有化合物:
4Nb617、Rb4Nb617、Ca2Nb27、Sr2Nb27、Ba5Nb415、NaCa2Nb310、ZnNb26、Cs2Nb411、La3NbO7、H+−KLaNb27、H+−RbLaNb27、H+−CsLaNb27、H+−KCa2Nb310、SiO2−pillared KCa2Nb310(Chem.Mater.1996,8,2534.)、H+−RbCa2Nb310、H+−CsCa2Nb310、H+−KSr2Nb310、H+−KCa2NaNb413)、PbBi2Nb29等のニオブ含有酸化物;および
CaNbO2N、BaNbO2N、SrNbO2N、LaNbON2等のニオブ含有酸窒化物;等のニオブ含有化合物:
Ta25、K2PrTa515、K3Ta3Si213、K3Ta3212、LiTaO3、NaTaO3、KTaO3、AgTaO3、KTaO3:Zr、NaTaO3:La、NaTaO3:Sr、Na2Ta26、K2Ta26(pyrochlore)、CaTa26、SrTa26、BaTa26、NiTa26、Rb4Ta617、H2La2/3Ta27、K2Sr1.5Ta310、LiCa2Ta310、KBa2Ta310、Sr5Ta415、Ba5Ta415、H1.8Sr0.81Bi0.19Ta27、Mg−Ta oxide(Chem.Mater.2004 16, 4304−4310)、LaTaO4、La3TaO7等のタンタル含有酸化物;
Ta35等のタンタル含有窒化物;および
CaTaO2N、SrTaO2N、BaTaO2N、LaTaO2N、Y2Ta252、TaON等のタンタル含有酸窒化物;等のタンタル含有化合物:等が用いられる。
太陽光を利用した光水分解反応をより効率的に生じさせる観点からは、上記各種光半導体のうち、可視光応答型の光半導体を用いることが好ましい。具体的には、LaTiO2N、BaNbO2N、BaTaO2N、TaON、BiVO4、Ta35が好ましく、この中でも特に、LaTiO2N、BaNbO2N、BaTaO2N、TaON、BiVO4が好ましい。上記の各種光半導体は、固相法、溶液法等の公知の合成方法によって容易に合成可能である。
光半導体の形態(形状)については、有機物を担持させることができ、光触媒として機能し得るような形態であれば特に限定されるものではなく、光触媒の設置形態等に合わせて、粒子状、塊状、板状等を適宜選択すればよい。特に、水分解反応用光触媒とする場合は、粒子状の光半導体の表面に助触媒を担持することが好ましい。この場合、粒子径の下限が好ましくは50nm以上であり、上限が好ましくは500μm以下である。尚、本明細書において「粒子径」とは、定方向接線径(フェレ径)の平均値(平均粒子径)を意味し、XRD、TEM、SEM法等の公知の手段によって測定することができる。
光触媒に担持させる有機物は、典型的には助触媒としての有機金属錯体があげられるが、これに限られない。例えば、光触媒の耐久性を向上させるための保護膜などであってよい。
有機金属錯体は、Fe、Co、Ni、Mn、Zn、Cu、W、Ru、Pd、Pt、Ir、Rh、Os、Sm、Sc、Se、Re、Au、Agからなる群より選ばれる1種類以上の金属と、
アクア(OH2)、ヒドロキソ(OH)、ヒドリド(H)、クロロ(Cl)、カルボニル(CO)、カルボキシル(COOH)、ピリジン(py)、4−ピコリン(pic)、イソキノリン(isoq)、ペンタメチルシクロペンタジエニル(Cp*)等の単座配位子及びその誘導体、並びに2,2´−ビピリジン(bpy)、2−フェニルピリジン(ppy)、1,10−フェナントロリン(phen)、ピリジン−2−チオレート(pyS)、1,2−ベンゼンジチオレート(bdt)、2,2´:6´,2´´−ターピリジン(tpy)、2,6−ビス(1−メチルベンゾイミダゾル−2−イル)ピリジン(Meb
impy)、2,6−ビス−(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ピリジン(PNPtBu)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(cyclam)、ポルフィリン(por)等の多座配位子及びその誘導体、からなる群より選ばれる1種類以上の配位子と、
から形成されてよい。
具体的な金属錯体としては、
[Co(cyclam)]2+、[Co(bdt)2-等のコバルト錯体:
[Ni(cyclam)]2+、[Ni(pyS)2-等のニッケル錯体:
[Mn(bpy)(CO)3(Br)]、[Mn(tpy)(H2O)O]2 3+等のマンガン錯体:
[Ru(bpy)(tpy)(OH2)]2+、[Ru(Mebimpy)(bpy)(OH2)]2+、[Ru(bpy)32+、[Ru(bpy)2(CO)22+、[Ru(PNPtBu)(H)(CO)(Cl)]、[Ru(bda)(isoq)2](bda;2,2´−ビピリジン−6,6´−ジカルボキシレート)、[Ru2(btpyan)(3,6−Bu2Q)2(OH)22+(btpyan;1,8−ビス(2,2´:6´,2´´−ターピリド−4´−イル)アントラセン、3,6−Bu2Q;3,6−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノン)等のルテニウム錯体:
[Ir(ppy)(tpy)(Cl)]+、[Ir(PNPtBu)(C66)]、[Ir(ppy)(Cp*)(Cl)]等のイリジウム錯体:
[Re(bpy)(CO)3(Cl)]などのレニウム錯体:等が例示される。
太陽光を利用した光水分解反応をより効果的に生じさせる観点からは、上記各種有機金属錯体のうち、酸素発生触媒能、水素発生触媒能を持つ有機金属錯体を用いることが好ましい。具体的には、[Mn(tpy)(H2O)O]2 3+、[Ru(bpy)(tpy)(OH2)]2+、[Ru(Mebimpy)(bpy)(OH2)]2+、[Ru(bda)(isoq)2]、[Ru2(btpyan)(3,6−Bu2Q)2(OH)22+、[Ir(ppy)(Cp*)(Cl)]が好ましく用いられる。
光触媒に担持させる保護膜は、光触媒の耐久性を向上できるものであれば特段限定されず、置換基を有してもよいポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリ(p−フェニレン)等の共役系高分子、置換基を有してもよいポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン類、ポリエチレングリコールなどのポリエーテル化合物などが用いられる。置換基としては、水酸基、エステル基、カルボン酸基、アミノ基、ハライド、アルキル基などが挙げられるがこれらに限らない。
(結合ステップ)
結合ステップは、前記準備した光触媒及び有機物を、クリック反応により結合させるステップである。
クリック反応とは、高い反応性・選択性を持った反応で、比較的単純な小分子パーツを多様に組み合わせる反応を総称し、バリー・シャープレスにより提案された。典型的にはアルキンとアジド化合物とを反応させることによりトリアゾール環を形成する反応であるがこれに限られない。本実施形態においてクリック反応は、以下の反応のいずれかを含むことが好ましい。
(a)トリアゾール環の形成
(b)3級アミンの形成又は4級アミンの形成
(c)チオエーテルの形成
具体的には、(a)トリアゾール環は、アルキンとアジド化合物とを反応させることで形成され、(b)3級アミンは、2級アミンとビニル基やエポキシ基との反応により形成
され、4級アミンは、3級アミンと求電子剤との反応により形成され、(c)チオエーテルは、チオールとビニル基が反応することで形成されるが、これらに限られない。
本実施形態における結合ステップを更に詳細に説明すると、以下の第1結合ステップ、乃至第3結合ステップを含んでもよい。
(第1結合ステップ)
第1結合ステップは、光触媒と、クリック反応を生じさせる一方の反応基を含むアルコキシシランと、を結合させるステップである。
アルコキシシランを有する錯体の調製は、金属錯体の精製時にアルコキシシランがカラム中で結合されるために困難であるところ、本実施形態ではクリック反応を利用することで金属錯体等の有機化合物を光半導体に強固に担持させることができることを見出した。
そのため第1ステップでは、光触媒を構成する光半導体表面に、クリック反応を生じさせる一方の反応基を含むアルコキシシランを結合させる。
クリック反応を生じさせる反応基としては、上述したクリック反応に用いられる反応基であればよい。
また、アルコキシシランは、加水分解によりシラノールを生じるシラン化合物であれば特段限定されず、シランカップリング剤として知られているものを用いてもよい。典型的にはメトキシシラン、エトキシシランなどがあげられる。
光半導体とアルコキシシランとの結合は、担持する有機物の量に応じて適宜その量(数)を設定できる。
クリック反応を生じさせる一方の反応基を含むアルコキシシランとしては、アジアルキルトリアルコキシシランが挙げられる。アジアルキル基の炭素数は、1以上であればよく、10以下であってよく、7以下であってよく、4以下であってよい。アルコキシル基の炭素数は、1以上であればよく、10以下であってよく、7以下であってよく、5以下であってよく、3以下であってよい。アジアルキル基のアルキル基は直鎖状(ポリメチレン基)であってもよい。アジアルキル基のアジド基(N3−)は、クリック反応の反応性向上のため、アルキルの基末端の炭素、すなわち、ケイ素と結合していない1級炭素と結合していてもよい。アジアルキル基のアルキル基が直鎖状の場合は、ケイ素と結合している炭素とは反対の末端に位置する1級炭素にアジド基が結合していてもよい。
アジアルキルトリアルコキシシランのアジド基は、クリック反応を生じさせる他の反応基に替えてもよい。クリック反応を生じさせる他の反応基としては、上述したクリック反応に用いられる反応基であればよい。クリック反応を生じさせる反応基以外の構造の具体的態様は、アジアルキルトリアルコキシシランの場合と同様である。
(第2結合ステップ)
第2結合ステップは、有機物と、クリック反応を生じさせるもう一方の反応基と、を結合させるステップである。例えば、第1結合ステップでアルコキシシランにアジド基が含まれる場合には、第2結合ステップにおいて有機物にエチニル基を結合させる。第1結合ステップでアルコキシシランに含まれるクリック反応を生じさせる反応基の種類により、第2ステップで有機物に結合される反応基は適宜選択され、また結合の手法も既知の方法が適宜選択される。なお、第2結合ステップは必ずしも必要ではなく、有機物と、クリック反応を生じさせるもう一方の反応基と、が結合した有機物を準備できる場合には、該第2結合ステップを省略してもよい。
(第3結合ステップ)
第3結合ステップは、クリック反応を生じさせる2つの反応基を反応させるステップである。反応条件は、クリック反応の種類により適宜設定されるが、穏やかな条件下でスムーズに反応が進むことがクリック反応の特徴である。
上記ステップを経て製造された有機物担持光触媒は、クリック反応を利用して有機物を光触媒に担持させていることから、光触媒と有機物との間に以下の(a´)〜(c´)のいずれかを含む有機物担持光触媒であり得る。
(a´)トリアゾール環
(b´)3級アミン又は4級アミン
(c´)チオエーテル
(a´)〜(c´)の構造は、1つのみ含んでもよく、複数含んでもよい。また(a´)〜(c´)の構造は、1種のみ含んでもよく、複数種含んでもよい。
有機物を強固に担持させるため、光触媒と(a´)〜(c´)との間にケイ素酸素結合(−Si−O−)が含まれていてもよい。ケイ素酸素結合の酸素は光半導体と結合していてもよい。さらに、(a´)〜(c´)とケイ素酸素結合とは直接結合していてもよく、(a´)〜(c´)とケイ素酸素結合との間に2価の有機基が含まれていてもよい。2価の有機基は、ケイ素酸素結合のケイ素と結合していてもよい。2価の有機基は、ポリメチレン基等のアルケニル基であってもよい。アルケニル基の炭素数は、1以上であればよく、10以下であってよく、7以下であってよく、4以下であってよい。
以上の通り、本実施形態に係る光触媒の製造方法により、金属錯体などの有機物を簡易な方法で、強固に光半導体の表面に担持させることができ、有機物を光反応体に担持させることで、光触媒に様々な機能を付与することが可能となる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲が実施例のみに限定されないことはいうまでもない。実施例において、光半導体に有機物を担持させる一般的なスキームを図1に示す。
<エチニル基を有する金属錯体>
エチニル基を持つ金属錯体としては、水の分解による酸素発生を触媒することが期待できるルテニウム錯体
(1)[Ru(bpy)(4´−ethynyl−tpy)(OH2)](PF62
(2)[Ru(pad)(4´−ethynyl−tpy)− (NCCH3)](PF62
(3)[Ru(1,7−phenH)(4´−ethynyl−tpy)(NCCH3)](PF62
を用いた。なお、ここでの略称は以下の通りである。
bpy;2,2´-ビピリジン、
4´−ethynyl−tpy;4´−エチニル−2,2´:6´,2´´−ターピリジン、
pad; 2−(ピリジン−2−イル)アクリジン、
1,7−phen;1,7−フェナントロリン
ルテニウム錯体(1)−(3)の合成法を以下に示す。なお、必要な試薬のうち4´−トリイソピルシリルエチニル−2,2´:6´,2´´−ターピリジン(4´-TIPSethynyl−tpy)、[Ru(padH)(NCCH34](PF62、[Ru2Cl4(C662]、4´−ethynyl−tpyは文献に従って合成したものを用いた。それ以外の試薬は全て市販品を精製せずに用いた。
<ルテニウム錯体(1)の合成>
以下の構造式で示すルテニウム錯体(1)を合成した。
50mLのフラスコに、塩化ルテニウム(183 mg、0.700mmol)、4´−TIPSethynyl−tpy(274 mg、0.662 mmol)、塩化リチウム(281mg、6.63 mmol)、及びメタノール28.5 mLを加え、45℃で6時間攪拌した。反応液を放冷後、濾過した。濾物をメタノールで洗浄し、真空乾燥して[RuCl3(4´−TIPSethynyl−tpy)] 287mgを得た(収率69.8%)。
次に、30mLのフラスコに[RuCl3(4´−TIPSethynyl−tpy)] (268 mg、0.432 mmol)、bpy(67.5 mg、0.432mmol)、塩化リチウム(181 mg、4.27 mmol)、4−エチルモルフォリン(150μL、1.19mmol)、エタノール13.5mL、及び水4.5 mLを加え、1時間還流した。反応液を放冷後、減圧下で1 mL程度に濃縮し、濃縮物をヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液(3g/30mL)に滴下した。生成した沈殿を濾過で回収し、アルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン/アセトニトリル/メタノール=78/1/1)で精製して[RuCl(bpy)(4´−TIPSethynyl− tpy)]PF6 349 mgを得た(収率94.9%)。
1HNMR(400MHz,CD3CN):δ10.19(d,1H)、8.59(d,1H)、8.50(s,2H)、8.41(d,2H)、8.29(d,1H)、8.26(t,1H)、7.96(t,1H)、7.88(t,2H)、7.69−7.64(m,3H)、7.30−7.25(m,3H)、6.93(t,1H)、1.30−1.19(m,21H).
続いて、30 mLのフラスコに[RuCl(bpy)(4´−TIPSethynyl−tpy)]PF6(200mg、0.235mmol)、硝酸銀(84.0mg、0.494mmol)、アセトン10 mL、及び水10 mLを加え、3時間還流した。反応液を放冷後、セライト濾過した。濾液を減圧下で1 mL程度に濃縮し、濃縮物をヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液(3g/30mL)に滴下した。生成した沈殿を濾過で回収し、水で洗浄し、真空乾燥して[Ru(bpy)(4´−TIPSethynyl−tpy)(OH2)](PF62 196 mgを得た(収率85.1%)。
1HNMR(400 MHz,CD3CN):δ9.57(d,1H)、8.61(d,1H)、7.58(s,2H)、8.46(d,2H)、8.34(d,1H)、8.33
(t,1H)、8.01(t,2H)、7.96(t,1H)、7.81(t,1H)、7.67(d,2H)、7.35(t,2H)、7.30(d,1H)、7.07(t,1H)、1.30−1.21(m,21H).
10mLのフラスコに[Ru(bpy)(4´−TIPSethynyl−tpy)(OH2)](PF62(21.3 mg、21.7μmol)、弗化カリウム(41.0mg、0.706mmol)、アセトン1 mL、及び水1mLを加え、室温で12時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、濾液を減圧下で1 mL程度に濃縮し、濃縮物をヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液(1g/10mL)に滴下した。生成した沈殿を濾過で回収し、水で洗浄し、真空乾燥してルテニウム錯体(1)14.9 mgを得た(収
率83.4%)。
1HNMR(400 MHz,CD3CN):δ9.58(d,1H)、8.64(s,2H)、8.62(d,1H)、8.42(d,2H)、8.36−8.30(m,2H)、8.01(t,2H)、7.96(t,1H)、7.81(t,1H)、7.67(d,2H)、7.36(t,2H)、7.28(d,1H)、7.07(t,1H)、4.11(s,1H).
<ルテニウム錯体(2)の合成>
以下の構造式で示すルテニウム錯体(2)を合成した。
20mLのフラスコに[Ru(padH)(NCCH34](PF62(121mg、0.149mmol)、4´−TIPSethynyl−tpy(62.0mg, 0.150mmol)、トリエチルアミン(42μL、0.301mmol)、及びエタノール12 mLを加え、12時間還流した。反応液を放冷後、減圧下で濃縮乾固した。得られた乾固物をアセトニトリル1mLに溶解し、塩酸でpH=1程度に調整したヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液(2g/20mL)に滴下した。生成した沈殿を濾過で回収し、水で洗浄し、真空乾燥して[Ru(padH)(4´−TIPSethynyl−tpy)(NCCH3)](PF62 154 mgを得た(収率94.0%)。
1HNMR(400 MHz, CD3CN):δ9.52(d,1H)、9.17(s,1H)、8.53(s,2H)、8.51−8.47(m,2H)、8.42(d,2H)、8.17(t,1H)、8.10(d,1H)、7.96−7.75(m,3H)、7.80−7.75(m,3H)、7.71(t,1H)、7.65−7.48(m、2H)、7.28(t,2H)、6.51(s,1H)、1.32−1.21(m,21H).
次に、30mLのフラスコに[Ru(padH)(4´−TIPSethynyl−tpy)(NCCH3)](PF62(154mg、0.140mmol)、弗化カリウム(162 mg、2.79mmol)、アセトニトリル10mL、及びメタノール5mLを加え、室温で12時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、濾液を減圧下で1mL程度に濃縮し、濃縮物を塩酸でpH=1程度に調整したヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液(2g/20mL)に滴下した。生成した沈殿を濾過で回収し、水で洗浄し、真空乾燥してルテニウム錯体(2)125mgを得た(収率94.3%)。
1HNMR(400MHz、CD3CN):δ9.53(d,1H)、9.34(s,1H)、8.60(s,2H)、8.51−8.48(m,2H)、8.39(d,2H)、8.21−8.16(m,2H)、8.01(t,1H)、7.91(t,2H)、7.83−7.72(m,4H)、7.67−7.58(m,2H)、7.30(t,2H)、6.49(s,1H)、4.09(s,1H).
<ルテニウム錯体(3)の合成>
以下の構造式で示すルテニウム錯体(3)を合成した。
100mLのフラスコに[RuCl4(C662](200mg、0.400mmol)、1,7−phen(141mg、0.782mmol)、水酸化ナトリウム(30.0mg、0.750mmol)、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム(270mg、1.61mmol)、及びアセトニトリル70mLを加え、70℃で2日間攪拌した。反応液を放冷後、セライト濾過した。濾液を減圧下で2mL程度に濃縮し、濃縮物を塩酸でpH=1程度に調整したヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液(4g/40mL)に滴下した。生成した沈殿を濾過で回収し、水で洗浄し、真空乾燥して[Ru(1,7−phenH)(NCCH34](PF62 462 mgを得た(収率80.3%)。
1HNMR(400MHz, CD3CN):δ9.35(d,1H)、8.72(d,1H)、8.58(d,1H)、8.33(d,1H)、8.13(d,1H)、8.04 (d,1H)、7.83(dd,1H)、2.59(s,3H)、1.96(s,3H)、1.93(s,3H).
次に、30 mLのフラスコに[Ru(1,7−phenH)(NCCH34](PF62(155mg、0.211mmol)、4´−ethynyl−tpy(54.0mg、0.210mmol)、2−メトキシエタノール18mLを加え、80℃で3時間攪拌した。反応液を放冷後、減圧下で濃縮乾固した。得られた乾固物をアセトニトリル1mLに溶解し、塩酸でpH=1程度に調整したヘキサフルオロリン酸アンモニウム水溶液(2g/20mL)に滴下した。生成した沈殿を濾過で回収し、水で洗浄し、真空乾燥してルテニウム錯体(3)182mgを得た(収率99.5%)。
1HNMR(400MHz、CD3CN):δ9.13(d,1H)、8.73(s,2H)、8.40(d,2H)、8.32−8.24(m,3H)、8.13(d,1H)、7.87(t,2H)、7.67−7.48(m,4H)、7.27(dd,1H)、7.08(t,2H)、4.11(s,1H).
<ルテニウム錯体(4)の合成>
以下の構造式で示すルテニウム錯体(4)を合成した。
ホスホン基を持つ金属錯体として、ルテニウム錯体(1)と同じ[Ru(bpy)(tpy)(OH2)]2+構造を有し、さらにホスホン基を2つ持つルテニウム錯体(4)[Ru(dmpbpy)(tpy)(OH2)](PF62を公知の方法(S. Masaoka, et a
l. Chem. Lett. 2010, 39, 1146)に従って合成した。なお、ここでdmpbpyは4,4´−ビス(メチレンホスホナト)−2,2´−ビピリジンの略称である。
ルテニウム錯体を電極表面に担持してサイクリックボルタモグラム(CV)を測定すると、ルテニウム錯体に特有の酸化還元反応に由来する電流を観測することが出来る。そこで、光半導体表面にルテニウム錯体を担持して光触媒を作成する前に、酸化物の電極であるITO電極表面にルテニウム錯体を担持して、そのCVを測定することにより、ルテニウム錯体の担持量、触媒活性、酸化還元に対する耐久性等を評価した。結果を以下の表1に示す。
<アジド基含有シラン化合物の合成>
アジド基を持つアルコキシシランとしては(EtO)3Si(CH233を文献に従って合成し、用いた。
<ルテニウム錯体(1)−(3)が担持されたITO電極の作製>
シャーレに、アンモニア水1mL、過酸化水素水2mL、及び水5mLを加え、攪拌して均一な溶液を得た。ここに、ITO電極(10×20mm)2枚を浸漬し、室温で12時間静置した。その後、シャーレからITO電極を取り出し、水で洗浄し、乾燥させることで、表面が洗浄されたITO電極を得た。
次に、ガラス容器に、(EtO)3Si(CH233 2μL、及びトルエン2mLを加え、攪拌して均一な溶液を得た。ここに、洗浄済ITO電極2枚を浸漬し、ガラス容器を密閉し、120℃で3時間加熱した。加熱処理後、ガラス容器内からITO電極を取り出し、トルエン、2−プロパノールで洗浄し、乾燥させることで、表面に(EtO)3Si(CH233が結合したITO電極を得た。
続いて、シャーレに、それぞれのルテニウム錯体(0.5μmol)、CuSO4・5H2O(1.25mg、5.01μmol)、アスコルビン酸ナトリウム(14.9mg、75.2μmol)、メタノール3.75mL、及び水1.25mLを加え、攪拌して均一な溶液を得た。ここに、(EtO)3Si(CH233で処理したITO電極2枚を浸漬し、室温で1時間静置した。その後、シャーレからITO電極を取り出し、メタノール、2−プロパノールで洗浄し、乾燥させることで、それぞれのルテニウム錯体が担持されたITO電極を得た。
<ルテニウム錯体(4)が担持されたITO電極の作製>
シャーレに、アンモニア水1mL、過酸化水素水2mL、及び水5mLを加え、攪拌して均一な溶液を得た。ここに、ITO電極(10×20mm)2枚を浸漬し、室温で12時間静置した。その後、シャーレからITO電極を取り出し、水で洗浄し、乾燥させることで、表面が洗浄されたITO電極を得た。
次に、シャーレに、[Ru(dmpbpy)(tpy)(OH2)](PF62(0.49mg、0.50μmol)、及びメタノール5mLを加え、攪拌して均一な溶液を得た。ここに、洗浄済ITO電極2枚を浸漬し、室温で12時間静置した。その後、シャーレからITO電極を取り出し、メタノール、2−プロパノールで洗浄し、乾燥させることで、ルテニウム錯体(4)が担持されたITO電極を得た。
<担持量、触媒活性、耐久性の評価>
得られたルテニウム錯体が担持されたITO電極のCVを測定することで、種々の特性を評価した。CVで観測されたRu(II)/Ru(III)に由来する酸化波の面積から担持量(mol/cm2)を見積もった。そして、CVを0.45−2.20Vの範囲で10周掃引した後、担持量を再度見積もることで、酸化還元に対する耐久性を評価した。なお、ルテニウム錯体(2)、(3)が担持されたITO電極では、Ru(II)/R
u(III)に由来する酸化還元波が明確ではなかったため、これらの評価は実施しなかった。また、CVの測定電位2.20Vにおける電流密度から水の分解による酸素発生に対する触媒活性を評価した。また、未修飾(有機金属錯体を担持しない)ITO電極のCVも併せて評価した。結果を以下の表1に示す。なお、測定条件は以下のとおり。
<測定条件>
CV測定は以下の条件で行った。
電解液:0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH=4.0) 5 mL
参照電極:Ag/AgCl
対電極:白金線
走査速度:50mV/s
表1から理解できる通り、アルコキシシランを介してITO電極表面にルテニウム錯体を担持されることで、従来法であるホスホン酸アンカーで有機錯体を担持した場合に比べて、担持物が強固に担持された。
<BiVO4電極上へのルテニウム錯体固定>
光半導体であるBiVO4の表面に上記調製したルテニウム錯体(1)〜(3)を担持させて複合光触媒を作製し、水の分解による酸素発生に対する触媒活性を評価した。
光水分解反応用BiVO4電極は公知の方法に従って作製した(Science 2014, 343, 990)。なお、公知の方法には、一部変更を加えた。
具体的には、0.04M Bi(NO33・5H2O及び0.4M KIを含む50mLの水溶液を濃硝酸でpH=1.7に調整後、0.23M p−ベンゾキノンのエタノール溶液20 mLを加え電解液とした。2〜3分撹拌後、ITO電極(15×15mm)を作用電極として、−0.1V vs Ag/AgClで電荷量3.0Cになるまで電析を行った。電析後のITO電極をエタノール及び水で洗浄後、0.2M Bis(2,4−Pentanedionato)−vanadium(4)OxideのDMSO溶液を表面に塗布し、450℃で焼成した。焼成した電極を1M NaOH及び水で洗浄して、光水分解反応用BiVO4電極を得た。
得られた光水分解反応用BiVO4電極へのルテニウム錯体(1)〜(3)の担持は、ITO電極へのルテニウム錯体担持と同様の手順にて行った。
<触媒活性評価>
得られたルテニウム錯体担持光水分解反応用BiVO4電極を用いて、以下の条件によって、電解液の分解を行った。測定電位0.7V、1.0V、及び1.2Vにおける光電流密度を評価の指標とした。また、測定はルテニウム錯体担持の前後で行い、性能を比較した。結果を以下の表2に示す。
<測定条件>
光源:AM1.5ソーラーシミュレーター[AM 1.5G(100 mW/cm2)]
電解液:0.5 Mホウ酸カリウム緩衝液(pH=9.5)50 mL
参照電極:Ag/AgCl、対電極:白金線
初期電位:−0.75V、最終電位:0.75V、静止時間:2s、掃引速度:10 mV/s
以上の通り、本実施形態に係る担持方法で酸素発生触媒能を持つルテニウム錯体をBiVO4表面に担持させた複合光触媒では、ルテニウム錯体未担持のBiVO4に比べて可視光駆動の水の分解に伴う酸素発生能が向上した。

Claims (8)

  1. 光触媒、及び光触媒に担持させる有機物を準備する準備ステップ、及び
    前記準備した光触媒及び有機物を、クリック反応により結合させる結合ステップ、を含む有機物を担持した光触媒の製造方法。
  2. 前記光触媒は、表面にアルコキシシランが結合された、請求項1に記載の光触媒の製造方法。
  3. 前記クリック反応は、以下の(a)〜(c)のいずれかを含む反応である、請求項1または2に記載の光触媒の製造方法。
    (a)トリアゾール環の形成
    (b)3級アミンの形成又は4級アミンの形成
    (c)チオエーテルの形成
  4. 前記結合ステップは、
    前記光触媒と、クリック反応を生じさせる一方の反応基を含むアルコキシシランと、を結合させる第1結合ステップ、
    必要に応じて、前記有機物と、クリック反応を生じさせるもう一方の反応基と、を結合させる第2結合ステップ、および
    クリック反応を生じさせる2つの反応基を反応させる第3結合ステップ、を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の光触媒の製造方法。
  5. 前記有機物は金属錯体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光触媒の製造方法。
  6. 光触媒に有機物が担持された有機物担持光触媒であって、
    前記光触媒と有機物との間に、以下の(a´)〜(c´)のいずれかを含む、有機物担持光触媒。
    (a´)トリアゾール環
    (b´)3級アミン又は4級アミン
    (c´)チオエーテル
  7. 前記有機物は金属錯体である、請求項6に記載の有機物担持光触媒。
  8. 前記光触媒と前記(a´)〜(c´)との間にケイ素酸素結合を含む、請求項6または7に記載の有機物担持光触媒。
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