JP2018085437A - 電子部品の製造方法及び電子部品 - Google Patents

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石田 卓也
Takuya Ishida
卓也 石田
祥文 間木
Yoshifumi Maki
祥文 間木
真哉 平井
Masaya Hirai
真哉 平井
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Abstract

【課題】部品素体の内部に予め添加剤を混ぜ込むことなく、めっき処理により電極を形成可能な電子部品の製造方法を提案する。【解決手段】本発明の電子部品の製造方法は、ガラス系絶縁体材料からなる部品素体10を準備する工程Aと、前記ガラス系絶縁体材料の還元を促進する添加剤40を前記部品素体の表面に付与する工程Bと、前記添加剤を付与した前記部品素体の表面の電極形成領域S1,S2にレーザを照射することにより、前記部品素体の表面にガラス系絶縁体材料の還元部301を形成する工程Cと、前記還元部を形成した部品素体をめっき処理することにより、前記還元部を核にしてめっき金属302を成長させ、前記部品素体の表面の電極形成領域に電極30、31を形成する工程Dと、を備える。【選択図】 図4

Description

本発明は、電子部品の製造方法及び電子部品、特にガラス系絶縁体材料からなる部品素体に電極を形成する方法及びその電子部品に関する。
従来から、ガラス系絶縁体材料からなる部品素体に外部電極を形成した電子部品が知られている。このような電子部品における外部電極の形成方法は、部品素体の両端面に電極ペーストを塗布し、焼付けして下地電極を形成した後、その下地電極の上にめっき処理によって上層電極を形成するのが一般的である。しかしながら、この方法では、下地電極の形成にペーストの塗布工程と焼付けに伴う加熱工程とを必要とするため、製造工程の増加、及びコスト上昇を招くという問題がある。
さらに、下地電極の形成において導電ペーストを塗布する際、その塗布形状に制約があるという問題がある。例えば直方体形状の部品素体の端部に導電ペーストをディップ法により形成する場合、導電ペーストは部品素体の両端面だけでなく、両端面に隣接する4つの側面にも回り込んで塗布される。つまり、5面にペーストが塗布される。そのため、例えば両端面とその両端面に隣接する1つの側面とに外部電極を形成したい場合、上述のような導電ペーストを用いた方法は採用できない。
このような従来の電極形成方法に代えて、めっき処理だけで電極を形成する方法が提案されている(特許文献1)。まず、添加剤として窒化物(例:AlN)を予め混ぜ込んだ絶縁体基板を準備する。その絶縁体基板のめっきを析出させたい部分にレーザを照射し、窒素を蒸発させる。つまり、レーザを照射すると、窒化物が分解されるため、窒素が蒸発し、Alが絶縁体基板の表面に残る。最表面は酸化するが、化学的還元処理を行った後に無電解めっき(例:Cu)を行うことによって、Alを核としてめっきを析出させることが可能となる。
しかし、この工法では、基板を構成する絶縁体材料の中に予め添加剤を混ぜ込んでおく必要があり、この混ぜ込まれた添加剤が製品の完成後も電子部品の内部に残留する。そのため、電子部品としての電気的特性に影響を与える可能性がある。しかも、レーザを照射する前に添加剤を混合した絶縁体材料を準備する必要があるので、工程が複雑になり、コスト上昇をまねく可能性もある。
米国特許出願公開US2007−0247822A1
本発明の目的は、部品素体の内部に予め添加剤を混ぜ込むことなく、めっき処理により電極を形成可能な電子部品の製造方法及び電子部品を提案するものである。
前記目的を達成するため、第1の発明は、ガラス系絶縁体材料からなる部品素体を準備する工程Aと、前記ガラス系絶縁体材料の還元を促進する添加剤を前記部品素体の表面に付与する工程Bと、前記添加剤を付与した前記部品素体の表面の電極形成領域にレーザを照射することにより、前記部品素体の表面にガラス系絶縁体材料の還元部を形成する工程Cと、前記還元部を形成した部品素体をめっき処理することにより、前記還元部を核にしてめっき金属を成長させ、前記部品素体の表面の電極形成領域に電極を形成する工程Dと、を備える電子部品の製造方法を提供するものである。
第2の発明は、ガラス系絶縁体材料からなる部品素体と、前記部品素体の表面の一部を還元することにより形成された還元部と、前記還元部上に形成されためっき電極と、を有する電子部品を提供する。
ガラス系絶縁体材料の表面にめっき電極を直接形成するには、ガラス系絶縁体材料の表面の電極形成領域に抵抗値の低い部分を形成する必要がある。しかし、特許文献1のように予めガラス系絶縁体材料に窒化物などを混ぜ込むと、電子部品としての電気的特性に悪影響を及ぼす。本発明者らは、窒化物などを含まないガラス系絶縁体材料の表面にレーザを照射することにより、抵抗値の低い還元部を形成することに着目した。しかし、ガラス系絶縁体材料であるSiO2は赤外線より短波長の領域では吸収率が低いため、レーザを直接照射するだけでは還元は困難である。そこで、本発明ではガラス系絶縁体材料からなる部品素体の表面にガラス系絶縁体材料の還元を促進する添加剤を付与し、その上からレーザを照射した。添加剤がレーザの吸収性を高めることで、局所加熱された部品素体の表面部が変質し(例えばSiO2がSi23やSiOへ還元され)、還元部を形成できることを発見した。添加剤は部品素体の表面に単に付与するだけであり、予め部品素体に添加剤を混ぜ込む必要がない。添加剤の作用により、レーザを照射した部品素体の表面のガラス系絶縁体材料の還元反応が促進され、還元部が形成される。還元部の表面抵抗は、ガラス系絶縁体材料の表面抵抗より低い。そのため、レーザを照射した部品素体をめっき処理すると、レーザ照射部にめっき金属が析出し、それを核としてめっき金属が成長することで、電極を形成することができる。なお、還元部とは、ガラス系絶縁体材料の還元物だけでなく、添加剤の成分が混合している場合もあり得る。
ガラスとは、昇温によりガラス転移現象を示す非晶質固体のことであり、ガラスセラミックスでもよい。ガラスセラミックスとは、通常のガラスが非晶質であるのに対し、紫外線照射あるいは熱処理などによって微結晶を発生させ、「結晶粒子の集合体としたガラス」のことである。さらに、結晶化ガラス(ガラスを再加熱して「結晶を析出させて作った材料」である。例として、Li2O−Al23−SiO2系がある)でもよい。無機酸化物(Al23、BaTiO3、SrTiO3、Fe23、CaO、MgO、SiO2などがある)でもよい。少なくとも、従来のような特性に影響を与える窒化物を含有しないガラスが用いられる。
添加剤(還元剤)は、レーザを吸収する性質を持つ材料であり、絶縁体ガラスを伝熱によって還元できるものである。添加剤として例えば、金属酸化物、窒化物、炭化物などが考えられる。代表的な炭化物として、炭素Cからなる黒鉛等がある。金属酸化物の例としてTiO2、Al23、ZnO、Fe23、CuOなどがある。添加剤の付与方法としては、添加剤の粉末を部品素体の表面に振りかけてもよいし、添加剤の粉末を液体(例えば水など)に混ぜて部品素体の表面に塗布し、乾燥させてもよい。
使用するレーザとしては、添加剤(還元剤)の吸収率が高く、ガラス系材料が還元できる温度以上に加熱できる出力を備えたレーザが好ましい。例えば、YVO4レーザ、YAGレーザなどを使用できる。波長の範囲としては、193nm〜10600nmの範囲が望ましい。出力の範囲は数W程度までの範囲がよい。
めっき処理方法としては、電解めっき又は無電解めっきを使用できる。特に、電解めっきはめっき電極の厚さをコントロールしやすい点で有利である。めっき処理は1回だけに限らず、複数回実施してもよい。例えば、ある材料(例えばNi)をめっきした後、その上に別の材料(例えばSn)をめっきしてもよい。
本発明方法の特徴の1つは、異形状の電極を容易に形成できる点である。レーザを照射できる部分であれば、特定箇所にのみ還元部を形成できるからである。例えば、直方体形状の部品素体の長手方向両端面と、これら両端面に隣接する1つの面(例えば底面)にだけ還元部を形成した場合には、一対のL字形外部電極を形成することが可能になる。つまり、両端面と底面とにだけ外部電極を形成し、上面や幅方向両側面には電極を形成しないようにすることもできる。L字形の外部電極を形成する利点は、実装のために必要な箇所にだけ外部電極が形成されるので、その外部電極と部品素体の内部に形成された内部電極との間の寄生容量を低減でき、電子部品の電気的特性を向上させ得る点である。さらに、回路基板などにこの電子部品を高密度で実装した場合、隣接する電子部品との絶縁距離を確保しやすいこと、さらには複数の回路基板を厚み方向に平行に配置した場合に、電子部品とその上側に配置される回路基板の導電部との絶縁距離を確保しやすいこと、等の利点がある。
工程Cと工程Dとの間に、レーザの未照射部の添加剤を除去する工程Eを含んでもよい。本発明では、添加剤を部品素体の表面に付与するだけであるから、レーザの未照射部の添加剤は簡単に除去できる。除去方法としては、水洗などの公知の清浄化処理を行ってもよいし、粘着性のあるものに押し付けて除去してもよいし、弱いレーザを照射して除去してもよい。但し、この場合のレーザは、部品素体に影響を及ぼさないように、還元部を形成する際のレーザに比べて出力の低いレーザを使用する必要がある。
本発明が対象とする電子部品は、チップ部品のような個別部品だけでなく、例えば回路基板や回路モジュールのような部品を含む。形成される電極は、外部電極に限らず、配線電極や回路部であってもよい。
以上のように、本発明によれば、ガラス系絶縁体材料からなる部品素体の表面に還元を促進する添加剤を付与し、その部品素体の表面部にレーザを照射することにより、部品素体の表面部にガラス系絶縁体材料の還元部を形成し、還元部を形成した部品素体をめっき処理することにより部品素体の表面に選択的に電極を形成するので、ガラス系の部品素体の表面にめっき電極を簡単に形成できる。従来のように、部品素体の内部に予め添加剤を混ぜ込む必要がないので、製造工程が簡素化されると共に、電子部品の電気的特性を損なうことがない、という優れた効果を有する。さらに、添加剤を付与できかつレーザを照射できる部分であれば、部品素体の任意の部分に電極を形成できるので、異形状の外部電極でも容易に形成できる。
本発明に係る電子部品の第1実施形態の斜視図である。 図1に示す電子部品の分解斜視図である。 図1の電子部品をY方向から見たときの断面図である。 部品素体の底面の長さ方向両端部に電極を形成する工程を示す図である。 添加剤の違いによって、レーザ照射の前後でのガラス系絶縁体材料の抵抗値の変化を示す図である。 添加剤としてFe23を使用した場合の、レーザ照射前と照射後のXPSによる分析結果を示す図である。 電極部の最終的な断面形状の一例を示す図である。 本発明に係る電子部品の他の幾つかの例の斜視図である。
図1は本発明に係る電子部品の一例であるチップ型インダクタ1を示す。図1では、インダクタ1の底面が上向きとなるように表されている。インダクタ1はケイ酸ガラスSiO2を主成分とするガラス系絶縁体材料からなる部品素体10を備えており、部品素体10の長さ方向両端部の電極形成領域には外部電極30,31がそれぞれ形成されている。この実施例のインダクタ1の形状は、図1に示すようにY軸及びZ軸方向の寸法に比べてX軸方向の寸法が長い直方体である。なお、この明細書で「直方体」とは、コーナ部がエッジ状であるものに限らず、面取りやR面が形成されたものでもよい。
部品素体10は、図2に示すように、例えばシリカガラス(SiO2)を主体とする絶縁体層12a〜12eを積層し、焼結することによって得られる。絶縁体層12a〜12eは、上下方向(Z軸方向)に順に積層されている。上下両端の絶縁体層12a、12eを除く中間の絶縁体層12b〜12d上には、内部電極20を構成するコイル導体21〜23がそれぞれ形成されている。これら3つのコイル導体21〜23はビア導体24、25によって相互に接続され、全体としてらせん状に形成されている。コイル導体21〜23及びビア導体24、25は、Au,Ag,Pd,Cu,Ni等の導電性材料で形成されている。コイル導体21の一端部(引出部)21aが部品素体10のX軸方向の一端面10aに露出しており、コイル導体23の一端部(引出部)23aが部品素体10のX軸方向の他端面10bに露出している。内部電極20の両端部21a,23aが露出している部品素体10の端面10a,10bが引き出し面である。なお、この実施例ではコイル導体21〜23が2ターン分のコイルを形成している例を示したが、ターン数は任意であり、コイル導体の形状及び絶縁体層の層数も任意に選択できる。また、コイル導体を有しない絶縁体層12a、12eの層数も任意である。
外部電極30、31は、図3に示すように、部品素体10をY方向から見たとき、外部電極30、31はそれぞれL字形に形成されている。すなわち、外部電極30は部品素体10のX軸方向の一端面10aと底面(実装面)10cの一部とを覆うようにL字形に形成され、外部電極31は部品素体10のX軸方向の他端面10bと底面10cの一部とを覆うようにL字形に形成されている。図3に示すように、部品素体10の端面10aを覆う外部電極30の部分はコイル導体23の引出部23aと接続されており、部品素体10の端面10bを覆う外部電極31の部分はコイル導体21の引出部21aと接続されている。外部電極30,31は、後述するようにめっき処理により形成されている。
外部電極30、31の下層には、部品素体10が変質した還元部301が形成されている。還元部301は、後述するように部品素体10の表面にガラス系絶縁体材料の還元を促進する添加剤を付与し、その上からレーザを照射することにより、部品素体10の表面部を変質させることで形成される。具体的には、ガラス系絶縁体材料であるSiO2がSi23やSiOへ還元される。還元部301の表面抵抗は、ガラス系絶縁体材料の表面抵抗より低い。
還元部301の上には、外部電極であるめっき電極302が連続的に形成されている。図3では、部品素体10の一端側の外部電極30について、還元部301及びめっき電極302を拡大図示しているが、他端側の外部電極31についても同様である。図3では、還元部301及びめっき電極302の表面が平坦な層状に形成されているが、実際にはレーザ加工により凹凸状に形成されている場合もある。また、還元部301は、レーザ照射の方法によって断続状や筋状などに形成されていてもよい。めっき電極302は湿式めっき法により形成されたものであり、還元部301が断続的又は間隔をあけて形成されている場合であっても、連続面状のめっき電極302が形成される。めっき電極302の材料は、例えばCu,Au,Ag,Pd,Ni,Sn等が使用されている。なお、めっき電極302は、1層に限らず、多層のめっき層で構成されていてもよい。最外層のめっき電極は、はんだ濡れ性のよい材料が望ましい。
図4は部品素体10の底面10cの長さ方向両端部に電極を形成する工程を示している。実際には部品素体10の両端面10a,10bにも同様に電極が形成されるが、ここでは省略する。最初に、図4の(a)のようにシリカガラス系絶縁体材料(主成分はSiO2)で構成された部品素体10を準備し、部品素体10の底面10c上に添加剤40を全面に付与する。添加剤40の付与方法としては、添加剤の乾燥した粉末を部品素体10の表面に振りかけてもよいし、添加剤の粉末を水などの溶剤に溶いて部品素体10の表面に塗布し、乾燥させてもよい。なお、添加剤40の付与は、底面10cの全面に行う必要はなく、少なくとも電極を形成すべき領域を含む領域に付与すればよい。添加剤としては、レーザの吸収性が高く、部品素体10の表面部のガラス系絶縁体材料の還元反応を促進できる材料が選択される。例えばC、TiO2、Al23、ZnO、Fe23、CuOなどが用いられる。
次に、図4の(b)のように、添加剤40が付与された部品素体10の上方から、電極形成領域S1、S2にレーザ発生装置41によりレーザLを均一に照射する。レーザLとしては、ガラス系材料が還元できる温度以上に加熱できる出力を備えたレーザであって、例えばYVO4レーザ、YAGレーザなどを使用できる。レーザLによる局部加熱により、ガラス系絶縁体材料の還元反応が促進され、還元部301が形成される。具体的には、部品素体10の表面部のSiO2の一部がSi23やSiOへ還元される。還元部301の表面抵抗は、ガラス系絶縁体材料の表面抵抗より低い。なお、還元部301は、その全てがガラス系絶縁体材料の還元物に変質している訳ではなく、一部にSiO2及び添加剤が含まれている可能性がある。
次に、図4の(c)のように、レーザLの未照射部(電極形成領域S1、S2以外の領域)の添加剤40を除去する。除去方法としては種々の方法を適用可能であり、還元部301を損傷/再酸化させない方法であれば如何なる方法でもよい。例えば、粘着性のあるものに押し付けて除去する方法、弱いレーザを照射して除去する方法などがある。未照射部の添加剤40を除去することにより、部品素体10の底面10aの電極形成領域S1、S2には、還元部301が残る。図4の(c)では還元部301が面状に連続しているように描かれているが、レーザLの走査方法、照射エネルギー、照射範囲などを設定することによって、断続状、筋状など任意の形態の還元部301を形成できる。
次に、図4の(d)のように、電解めっきによって還元部301上にめっき電極302を析出させる。導電性を有する還元部301における電流密度が他の部分より高いので、還元部301の表面にめっき金属が速やかに析出する。析出しためっき金属を核としてめっき金属が周囲へと成長することで、電極形成領域S1、S2に連続しためっき電極302が形成される。したがって、還元部301が断続的又は筋状であっても、平面状の連続しためっき電極302を形成することができる。
めっき処理時間、電圧または電流を制御することによって、めっき電極の形成時間や厚さをコントロールすることが可能である。さらに、1回目のめっき処理により形成しためっき電極302の上に追加のめっき処理を行うことにより、多層構造のめっき電極を形成することもできる。この場合には、すでに下地となるめっき電極が形成されているので、追加のめっき処理時間は短くて済む。
図5は、レーザ照射の前後でのガラス系絶縁体材料の抵抗値の変化を示す。照射前の抵抗値は1011Ω・m以上である。ここでは、添加剤としてC、TiO2、Al23、ZnO、Fe23、CuOの他に、比較例としてAlとBiも使用した。これら添加剤を水に溶いて一定厚みに塗布した。レーザはYVO4レーザ(波長1064nm)を使用し、表1に示す条件で照射した。
Figure 2018085437
図5から明らかなように、添加剤としてC、TiO2、Al23、ZnO、Fe23を使用した場合には、いずれも103〜104Ω・m程度まで抵抗値を低下させることができた。CuOの場合には、やや抵抗値の低下は小さく、107Ω・m程度まで低下した。これにより、低抵抗の還元部が形成されたことがわかる。一方、金属AlおよびBiでは抵抗値の変化が認められなかった。
表2は、各添加剤について、波長1000nm付近でのレーザの吸収率を示す。吸収率は、レーザ光を物質に入射して、その透過光を分光測定することにより得られたものである。C、TiO2、Al23、ZnO、Fe23、CuOでは、いずれも吸収率が高く、特に炭素Cの吸収率が最も高い。一方で、Alの吸収率は1%以下であるため、熱を効率よく伝達させることができなかったことが、還元反応が促進されない原因であると考えられる。BiについてもAlと同様である。
Figure 2018085437
図6は、レーザ照射前と照射後のXPSによる分析結果を示す。ガラス系絶縁体材料は元々、SiO2側にピークが存在していたが、添加剤(Fe23)の塗布後にレーザ照射を行うと、Si23やSiO側へピーク位置が変化した。SiO2は赤外線より短波長の領域では吸収率が低いため、そのままレーザを照射するだけでは還元は困難である。添加剤(Fe23)を塗布すると、添加剤がレーザを吸収してSiO2へ伝熱し、これによりSiO2の還元反応が促進されたと推測することができる。Fe23以外の添加剤(C、TiO2、Al23、ZnO、CuO)でも同様な効果を発揮できた。
表3は、レーザ照射後の部品素体に対し、Niの電解めっきを以下の条件で行った。具体的には、バレルめっきを使用した。
Figure 2018085437
なお、Niめっき以外にCuめっきを行ってもよいし、Niめっきの後にSnめっきを行うこともできる。めっき金属の種類や、層数は任意に選択できる。さらに、電解めっきの他に無電解めっきを行うこともできる。
図7は、電極部の最終的な断面形状の一例を示す。ここで、ガラス系絶縁体材料からなる部品素体10の上に還元部301が断続的に形成され、その上にNiめっき302aが形成され、その上にSnめっき302bが形成されている。図7では、部品素体10の表面は平坦なSnめっき302bで覆われているが、最上層のめっき302bの表面が凹凸状であってもよい。
図1に示すようにL字形の外部電極30、31を形成した電子部品1の場合、上述のような電気的特性の違いの他に、以下のような違いも発生する。すなわち、外部電極が電子部品1の上面に形成されていないので、実装状態において電子部品1の上方に近接して別の電子部品又は導体が存在する場合でも、ショートの発生リスクを低減できる。さらに、外部電極がY方向の両側面にも形成されていないので、電子部品1のY方向に隣接して別の電子部品が実装されている場合でも、隣接する電子部品との絶縁距離を確保できると共に、外部電極に塗布されるはんだ同士の距離も確保できる。そのため、隣接する電子部品とのショートの発生リスクを低減できる。その結果、L字形外部電極を有する電子部品1の場合には、さらなる高密度実装が可能になる。
図9は、本発明を用いて外部電極を形成した電子部品の他の例を示す。図9の(a)は、部品素体10の底面10c(図9では上下逆転して示してある)のx方向両端部とx方向両端面10a、10bとに外部電極30、31が形成された電子部品を示している。他の面には外部電極が形成されていない。この場合は、内部電極の端部21a,23aが部品素体10の両端面10a、10bには露出しておらず、底面10cにのみ露出している。部品素体10の底面10cには、外部電極30、31が内部電極の端部23a,21aとそれぞれ接続されるように形成されている。この実施形態では、外部電極30、31が端面10a、10bの一部に形成されているが、端面10a、10bの全面に形成してもよい。
図9の(b)は、多端子型の電子部品を示している。この例では、内部電極の引き出し部21a,23aが部品素体10の両端面10a、10bには露出しておらず、y方向両側面10d,10eに露出している。部品素体10の両側面10d,10e及び底面10c(図9では上側の面)の4箇所には、それぞれ外部電極30、31、32、33が形成されている。x方向両端面10a,10bと上面(図9では下側の面)には外部電極が形成されていない。
上記実施形態では、本発明をチップ型インダクタの外部電極の形成に適用した例を示したが、これに限るものではない。本発明が対象とする電子部品としては、インダクタに限らず、レーザ照射によって変質し、めっき電極の析出起点となる還元部が形成されるガラス系絶縁体材料からなる部品素体を使用した電子部品であれば、適用可能である。
本発明において、レーザの照射方法は、1本のレーザを分光して、複数箇所に同時にレーザを照射してもよい。さらに、レーザの焦点をずらして、レーザの焦点が合っている場合に比べて、レーザの照射範囲を広げてもよい。
本発明は、めっき金属が複数層で形成される場合に、めっき金属の最下層を還元部の全域に広がるように成長させる場合に限らない。めっき金属の最下層を還元部のみに析出するよう形成し、めっき金属の上層を還元部を含む電極形成領域の全域に広がるように成長させてもよい。
1 電子部品
10 部品素体
10a、10b 両端面
10c 底面
20 内部電極
21a、23a 一端部(引出部)
30、31 外部電極
301 還元部
302 めっき電極
40 添加剤
L レーザ
S1、S2 電極形成領域

Claims (7)

  1. ガラス系絶縁体材料からなる部品素体を準備する工程Aと、
    前記ガラス系絶縁体材料の還元を促進する添加剤を前記部品素体の表面に付与する工程Bと、
    前記添加剤を付与した前記部品素体の表面の電極形成領域にレーザを照射することにより、前記部品素体の表面にガラス系絶縁体材料の還元部を形成する工程Cと、
    前記還元部を形成した部品素体をめっき処理することにより、前記還元部を核にしてめっき金属を成長させ、前記部品素体の表面の電極形成領域に電極を形成する工程Dと、
    を備える電子部品の製造方法。
  2. 前記添加剤は、TiO2、Al23、ZnO、Fe23、CuO、Cから選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記工程Cと工程Dとの間に、前記レーザの未照射部の添加剤を除去する工程Eを含む、請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記ガラス系絶縁体材料はケイ酸ガラスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記レーザはYVO4レーザ又はYAGレーザである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記部品素体は、ガラス系絶縁体材料からなる複数の層を積層したものであり、
    前記層間には内部電極が形成されており、
    前記内部電極の一部が前記部品素体の電極形成領域に露出している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
  7. ガラス系絶縁体材料からなる部品素体と、
    前記部品素体の表面の一部を還元することにより形成された還元部と、
    前記還元部上に形成されためっき電極と、を有する電子部品。
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