JP2018091967A - 波長変換シート及びそれに用いられるバリアフィルム - Google Patents
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本実施形態の波長変換シート1は、図1に示すように、蛍光体112と封止樹脂111とが含有される蛍光体層11と、蛍光体層11の両表面に配置されるバリアフィルム12と、が積層された表示装置のバックライト光源に用いられる波長変換シートである。蛍光体層11の両表面に、バリアフィルム12を積層させることにより、バリア性に優れる波長変換シートとすることができる。尚、本明細書において蛍光体層の両表面側とは、波長変換シート1をバックライト光源として用いた場合に、光源が配置されている側(入光面側)と、バックライト光源が配置されている側から反対側(出光面側)と、の両方の表面側であることを意味する。
本実施形態の波長変換シートにおいて、バリアフィルム12とは、図1に示すように蛍光体層11の両表面側に配置されるフィルムである。蛍光体層11の両表面に、バリアフィルム12を積層させることにより、バリア性に優れる波長変換シートとすることができる。
第1基材フィルム124及び第2基材フィルム121に用いることのできる材質は、波長変換シートの機能を害することのない材質であれば特に制限はされず、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等の樹脂を挙げることができる。波長変換シートの機能を害することのない透明性と耐熱性等の観点からポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)であることが好ましい。尚、第1基材フィルム124及び第2基材フィルム121の材質は同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
本実施形態に関する第1基材フィルム124の一方のバリア層122側の表面には、後述するバリア層122との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、バリア層の積層前に予め、所望の表面処理層を設けてもよい(図示せず)。表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
第1基材フィルム124の他方の蛍光体層11側の表面には、後述する蛍光体層11との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、蛍光体層の積層前に予め、所望のプライマー層を設けてもよい(図示せず)。プライマー層は、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂から形成されるのが好ましく、更に、プライマー層は、シランカップリング剤と、充填材と、を含むことが好ましい。
バリア層は、バリアフィルムにバリア性を付与する層であり、一般にポリビニルアルコール等の水溶性高分子等を含むコーティング剤を塗布して形成される有機被覆層、及び/又は、無機酸化物を蒸着することにより形成される無機酸化物薄膜層である。図2に示した本実施形態に関するバリア層は、有機被覆層と無機酸化物薄膜層とが積層された複数の層からなる層である。尚、本発明に関するバリア層は、有機被覆層と無機酸化物薄膜層とが積層された複数の層に限定されるものではなく、有機被覆層と無機酸化物薄膜層がそれぞれ単層であってもよく、又は有機被覆層と無機酸化物薄膜層とが交互に2層以上積層されるような層であってもよい。又、図2に示したバリアフィルム12のように、有機被覆層が無機酸化物薄膜層と密着して積層されることにより有機被覆層よりも内層に積層される無機酸化物薄膜層に傷や割れの発生を軽減することができる。
本実施形態の波長変換シート1は、図1に示すように、バリア層122と第2基材フィルム121との間に接着剤層123が積層されている。接着剤層123を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマ−、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマ−との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂又はメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等を使用することができる。
本実施形態の波長変換シートにおいて、蛍光体層11とは、バックライト光源から発せられた光の発光波長を調整するための層である。蛍光体層11には、量子ドットからなる1種又は2種以上の蛍光体が含有される。
本実施形態の波長変換シートの製造方法は、例えば、第1基材フィルムの一方の表面にバリア層を積層するバリア層積層工程と、第1基材フィルムのバリア層の表面に接着剤層を介して第2基材フィルムを積層する積層工程と、一対のバリアフィルムを蛍光体層を介して積層し、波長変換シートを製造する蛍光体層積層工程と、を含む波長変換シートの製造方法を挙げることができる。
バリア層積層工程では、第1基材フィルムの一方の表面にバリア層として有機被覆層、及び/又は、無機酸化物薄膜層を積層する。有機被覆層は、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子等を含むコーティング剤を塗布、硬化して形成することができる。コーティング剤を塗布する方法は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デップコート、スプレイコート、その他のコーティング法の塗布方式を挙げることができる。無機酸化物薄膜層は、無機酸化物を蒸着することにより形成することができる。無機酸化物を蒸着する方法は、CVD、PVDなどの真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理的蒸着法を挙げることができる。尚、基材フィルムの一方の表面に予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤からなる層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
第2基材フィルム積層工程では、第1基材フィルムのバリア層の表面に接着剤層を介して第2基材フィルムを積層し、バリアフィルムを製造する。接着剤を塗布する方法は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デップコート、スプレイコート、その他のコーティング法、あるいは、印刷法等によって施すことができる。
蛍光体層積層工程は、一対のプライマー層付バリアフィルムのうち1のバリアフィルムのプライマー層の表面に蛍光体110と封止樹脂111とが含有された混合液(インク)を塗布し、他のプライマー層付バリアフィルムのプライマー層の積層側の面と混合液(インク)の塗布面とを接触させ、硬化させる工程である。蛍光体層積層工程を経ることによって、図1の実施形態のような波長変換シートを製造することができる(プライマー層図示せず)。
波長変換シートを用いることにより、バックライト光源の発光波長の可視領域全体に渡って調整可能である。そのため、色純度の優れた三原色の光で照明することが可能となり、優れた色再現性を有する表示装置とすることができる。更に、本実施形態の波長変換シートを用いることにより、高温環境下に晒した場合においても、酸素バリアの低下が防げるので、蛍光強度の低下が起きにくい。
[試験例1]
第1基材フィルムの表面にバリア層を積層した。具体的には、12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの1の表面に酸化珪素をCVD真空蒸着させることにより無機酸化物薄膜層を30nm積層した。そして、その無機酸化物薄膜層の表面に、テトラエトキシランとポリビニルアルコール等を含むコーティング剤を塗布し、硬化させることにより有機被覆層を200nm積層して、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの1の表面に無機酸化物薄膜層と有機被覆層からなるバリア層を形成した。
第2基材フィルムとして100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用したこと以外、試験例1と同様に試験例2のバリアフィルム(層構成が、第1基材フィルム/バリア層/接着剤層/第2基材フィルムの順)を製造した。尚、試験例2のバリアフィルムは、ロール状の1000mm×200mmのバリアフィルムであり、ロール状にした際に第1基材フィルムと第2基材フィルムとが接触する。
第2基材として150μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用したこと以外、試験例1と同様に試験例3のバリアフィルム(層構成が、第1基材フィルム/バリア層/接着剤層/第2基材フィルムの順)を製造した。尚、試験例3のバリアフィルムは、ロール状の1000mm×200mmのバリアフィルムであり、ロール状にした際に第1基材フィルムと第2基材フィルムとが接触する。
第1基材フィルムの表面にバリア層を積層した。具体的には、12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの1の表面に酸化珪素をCVD真空蒸着させることにより無機酸化物薄膜層を30nm積層した。そして、その無機酸化物薄膜層の表面に、テトラエトキシランとポリビニルアルコール等を含むコーティング剤を塗布し、硬化させることにより有機被覆層を200nm積層して、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの1の表面に無機酸化物薄膜層と有機被覆層からなるバリア層を形成した。
第1基材フィルムとして75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用したこと以外、試験例2と同様に試験例5のバリアフィルム(層構成が、第1基材フィルム/バリア層/接着剤層/第2基材フィルムの順)を製造した。尚、試験例5のバリアフィルムは、ロール状の1000mm×200mmのバリアフィルムであり、ロール状にした際に第1基材フィルムと第2基材フィルムとが接触する。
試験例1〜5のバリアフィルム(プライマー層付きのバリアフィルム)について、酸素バリアの酸素透過率を測定した。具体的には、室温高湿環境(23℃90%RT、表1中「23℃90%」と表記)及び高温(80℃、表1中「80℃」と表記)環境において各バリアフィルムの酸素透過率を測定した。尚、酸素透過率の測定は、MOCON社製 酸素透過率測定装置 OX−TRANにて測定を行った(モコン法)。酸素透過率の測定結果を表1に示す。
蛍光体層の形成に用いられる蛍光体と封止樹脂とが含有された混合液(インク)を製造した。具体的には、コアがセレン化カドニウム(CdSe)、シェルが硫化亜鉛(ZnS)からなる蛍光体(平均粒径3〜5nmの量子ドット)に、封止樹脂(ウレタンアクリレート系樹脂)を封止樹脂100質量部に対して蛍光体が1質量部となるように混合して蛍光体層を形成する混合液(インク)を製造した。
上記の試験例1〜5のプライマー層付きのバリアフィルム及び混合液(インク)を用いて実施例及び比較例の波長変換シートを製造した。具体的には、上記の試験例1、2、3、5については、バリアフィルムの第1基材フィルム側の表面に積層されているプライマー層の表面に、上記の試験例4については、バリア層の表面に積層されているプライマー層の表面に、蛍光体層を形成する混合液(インク)を塗布し、膜厚が100μmとなるように蛍光体層を積層した。
実施例及び比較例の波長変換シートについて、環境試験後の蛍光体層の劣化確認試験を行った。具体的には、実施例及び比較例の波長変換シートを60℃、湿度90%及び80℃湿度0%の環境試験にそれぞれ500時間放置し、500時間放置後の実施例及び比較例の波長変換シートを青色LEDパネルの上に配置し、目視にて蛍光体層の劣化の確認を行った。評価結果を表2に示す。
11 蛍光体層
111 封止樹脂
112 蛍光体
12 バリアフィルム
121 第2基材フィルム
122 バリア層
122a 有機被覆層
122b 無機酸化物薄膜層
123 接着剤層
124 第1基材フィルム
Claims (4)
- 表示装置のバックライト光源に用いられる波長変換シートであって、
量子ドットを用いた蛍光体層の両表面側にバリアフィルムがそれぞれ配置されており、
それぞれの前記バリアフィルムは、前記蛍光体層側から、少なくとも第1基材フィルムと、バリア層と、第2基材フィルムと、がこの順に積層されており、
前記第1基材フィルムの厚みは8μm以上50μm以下であって、前記第2基材フィルムの厚みは50μm超200μm以下である、波長変換シート。 - それぞれの前記バリア層が、有機被覆層及び/又は無機酸化物層で構成される、1又は複数の層である、請求項1に記載の波長変換シート。
- 請求項1又は2に記載の波長変換シートを備えたバックライト光源を用いた表示装置。
- 表示装置のバックライト光源に用いられる波長変換シートを構成し、量子ドットを用いた蛍光体層の両表面側に配置されるバリアフィルムであって、
第1基材フィルムと、バリア層と、第2基材フィルムと、がこの順に積層されており、
前記第1基材フィルムの厚みは8μm以上50μm以下であって、前記第2基材フィルムの厚みは50μm超150μm以下である、バリアフィルム。
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