JP2018100247A - デキストリン製剤 - Google Patents

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勝務 梅田
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Abstract

【課題】 生薬エキスの持つ特有の強い苦味を低減させることが可能であり、更には生薬エキスに特有のえぐ味を抑制することが可能であることで、服用感の改善を図ることができるデキストリン製剤を提供する。【解決手段】 デキストリン製剤は、分子量が5000以下のデキストリンと、生薬エキスとを含有しており、前記分子量が5000以下のデキストリンによって、前記生薬エキスが有する特有の苦味を抑制することができるとともに、更に結晶セルロースを含有することによって、前記生薬エキスが有する特有のえぐ味を抑制することができるようにしたものである。【選択図】 なし

Description

本発明は、生薬エキスを含有するデキストリン製剤に関する。更に詳しくは、生薬エキス由来の苦味が低減された、服用感に優れるデキストリン製剤に関する。
従来から生薬エキスは、医薬品として広く用いられている。それらの生薬エキスは、特定の生薬を水若しくは含水アルコールで抽出し、濃縮・殺菌して得られたものが使用されている。
そして、生薬エキスの多くはペースト状を為しているため、服用のしやすさや、保存性安定性の観点から、賦形剤や流動化剤と共に、顆粒剤や細粒剤の粒剤又は糖衣錠剤等の錠剤として用いられている。
このような生薬エキスを含有する製剤としては、例えば、特許文献1では、エキス末30〜70質量部、無機物2.5〜10質量部、結晶セルロースとクロスカルメロースナトリウムを合計20〜67.5質量部含有し、結晶セルロースとクロスカルメロースナトリウムの質量比が50/100〜300/100である錠剤が開示されている。
また、特許文献2では、生薬末または/及び生薬末からなる漢方薬に対し、軽質無水ケイ酸を5〜100重量%添加して混合した後、圧縮成型し、粉砕して得た生薬末または/及び生薬末からなる漢方薬造粒物が開示されている。
また、特許文献3では、生薬エキスまたは漢方エキスと吸着剤とを含む固形製剤であって、前記吸着剤が、吸着能が4〜6ml/gである第1の吸着剤と、吸着能が2ml/g以上であり、かつ4ml/g未満である第2の吸着剤とを含む固形製剤が開示されている。
また、特許文献4では、漢方乾燥エキスとアルファー化デンプンとを含む漢方製剤が開示されている。
特開2012−001474 特開2002−097130 特開2013−032346 特開2013−32351
特許文献1〜4における生薬エキスを含有する製剤は、べたつきを抑制する製剤や、所定の硬度を有する造粒物、あるいは、ケーキング(固化)及び変色を有効に抑制できるものや、吸湿性の高い漢方乾燥エキスを高濃度で含むことができるものに改善されているが、生薬エキス由来の苦味等に対する改善はされておらず、生薬エキスを含有する製剤の服用時の味覚に問題があった。
生薬エキスを含有する製剤では、苦味やえぐ味による服用感の問題があり、服用感の改善が未だ十分になされておらず、こうした服用感の改善が望まれている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、生薬エキスを含有し、その生薬エキス由来の苦味を抑制することで服用感の改善を図ることができるデキストリン製剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のデキストリン製剤の発明は、分子量が5000以下のデキストリンと、生薬エキスとを含有することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデキストリン製剤の発明において、更に、結晶セルロースを含有することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のデキストリン製剤の発明において、更に、流動化剤及び賦形剤を含有することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のデキストリン製剤の発明において、細粒剤であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のデキストリン製剤の発明において、顆粒剤であることを要旨とする。
[作用]
本発明のデキストリン製剤は、デキストリンと、生薬エキスとを含有するものである。発明者等は、鋭意研究の結果、該デキストリンとして、分子量が5000以下のものを使用することにより、生薬エキスの持つ特有の強い苦味を低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。そして、本発明のデキストリン製剤は、賦形剤のデキストリンに分子量が5000以下のものを使用することで、生薬エキスによる強い苦味の抑制が可能になり、服用感の改善を図ることができる。
また、前記生薬エキスのなかには、例えばオンジエキスのように、強い苦味に加えて、強いえぐ味も有するものがあり、こうした強いえぐ味もまた服用感を悪化させる原因となる。本発明のデキストリン製剤は、賦形剤として更に結晶セルロースを含有することで、生薬エキスによる強いえぐ味の抑制が可能になり、服用感の更なる改善を図ることができる。
また、前記デキストリン製剤は、更に、流動化剤及び賦形剤を含有することで、好適に固形状の剤形とすることができる。
また、前記デキストリン製剤は、細粒剤又は顆粒剤とすることで、服用量の自由度を高めることができる。
[効果]
本発明によれば、生薬エキスの持つ特有の強い苦味を低減させることができるので、服用感に優れたデキストリン製剤を提供することができる。
以下、本発明のデキストリン製剤を具体化した一実施形態について説明する。
前記デキストリン製剤は、生薬エキスと、デキストリンとを含有している。
前記生薬エキスは、本発明のデキストリン製剤の主成分であり、所定の生薬から抽出されたものである。前記生薬エキスの形態としては、特に限定されず、液状、軟稠エキス状、乾燥エキス状の何れの形態でも使用することができる。
前記生薬からの前記生薬エキスの抽出方法としては、特に限定されず、一般的な何れの抽出方法も採用可能である。該抽出方法の具体例としては、日本薬局方カンゾウエキスの製法に準じて生薬から得られた抽出液を濃縮し、エタノール若しくは含水エタノールを定量加えて撹拌し、沈殿物と上澄み液とに分け、該上澄み液を濃縮する方法、あるいは水若しくは含水エタノールで生薬から低温抽出する方法、あるいは同様にして加熱抽出する方法、あるいは抽出液にキシリトールなどの糖類を適量溶かし入れた後に濃縮する方法などが挙げられる。また、これら抽出方法で得られた軟稠エキスは、前記デキストリン等のような賦形剤と混和した後、噴霧乾燥や凍結乾燥などの一般的な手段によって乾燥エキスにすることができる。
前記生薬は、特に限定されず、何れも使用可能である。例えば、アセンヤク、イレイセン(威霊仙)、ウイキョウ(茴香)、エンゴサク(延胡索)、オウギ(黄耆)、オウゴン(黄岑)、オウバク(黄柏)、オウヒ(桜皮)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ガジュツ、カゴソウ(夏枯草)、カンキョウ(乾姜)、カッコン(葛根)、カッコウ、カロニン、カノコソウ、カンゾウ(甘草)、カミツレ、キキョウ(桔梗)、キクカ(菊花)、キジツ(枳実)、キョウニン(杏仁)、キョウカツ、クジン(苦参)、ケイガイ(荊芥)、ケイヒ(桂皮)、ゲンチアナ、コウカ(紅花)、コウブシ(香附子)、コウベイ、コウボク(厚朴)、ゴオウ、ゴシツ(牛膝)、ゴシュユ(呉茱萸)、ゴボウシ(牛蒡子)、ゴミシ(五味子)、サイコ(柴胡)、サイシン(細辛)、サンシシ(山梔子)、サンシュユ(山茱萸)、サンショウ(山椒)、サンザシ(山査子)、サンズコン(山豆根)、サンソウニン(酸棗仁)、サンヤク(山薬)、サンナ(山奈)、ジオウ(地黄)、シオン、シャクヤク、ジャコウ、ショウマ(升麻)、シツリシ、シャゼンシ、シャゼンソウ、シャジン(シュクシャ(縮砂))、獣胆(ユウタンを含む)、ショウキョウ(生姜)、ジリュウ(地竜)、シンイ(辛夷)、ジコッピ(地骨皮)、シコン、セキサン(石蒜)、セッコウ(石膏)、セネガ、センコツ(川骨)、ゼンコ(前胡)、センキュウ、センブリ、ソウジュツ(蒼朮)、ソウハクヒ(桑白皮)、ソヨウ(蘇葉)、ダイオウ(大黄)、タイソウ、チクジョ、チクセツニンジン(竹節人参)、チモ(知母)、チョウジ(丁子)、チョレイ(猪苓)、チンピ(陳皮)、テンナンショウ(天南星)、トウガシ(冬瓜子)、トウキ(当帰)、トウニン(桃仁)、トコン、トチュウ、ナンテンジツ、ニンジン(人参)、ニンドウ(忍冬)、バイモ、バクモンドウ、ハッカ(薄荷)、ハンゲ(半夏)、ビャクシ、ビャクシャク、ビャクジュツ(白朮)、ビワヨウ(枇杷葉)、ビンロウジ(檳榔子)、ブクリョウ(茯苓)、ボタンピ(牡丹皮)、マオウ(麻黄)、マシニン(麻子仁)、モッコウ(木香)、ヨクイニン、リュウガンニク(竜眼肉)、リョウキョウ(良姜)、リュウコツ(竜骨)、リュウタン(竜胆)、レンニク(蓮肉)、レンギョウ(連翹)などが挙げられる。これらのうち、前記デキストリン製剤が強い苦味等の抑制に効果を有するとの観点から、強い苦味等を有するものが好適である。このような強い苦味等を有する生薬の具体例として、オンジ、チンピ、カゴソウ、ボウイ、サイコ、及びチモ等が挙げられ、特に、オンジは強い苦味を有することからオンジエキスに好適である。
前記デキストリンは、低分子量の多糖類であって、賦形剤として使用され、更に本発明のデキストリン製剤では、前記生薬エキスの持つ強い苦味を包み隠す(以下、「マスキングする」とも記載する)ものとして使用される。
前記デキストリンには、前記生薬エキスの強い苦味をマスキングするために、分子量(重量平均分子量)が5000以下のものが使用される。また、該分子量は、900以上で5000以下のものが好ましく、1500以上で3000以下のものがより好ましい。該分子量が前記範囲外の場合、前記強い苦味をマスキングする効果が十分に得られなくなる。
前記デキストリンは一般に、デキストロース当量(DE)に応じて、10以下を「デキストリン」、10〜20程度を「マルトデキストリン」、20〜40程度を「粉あめ」と、グレードを分類されている。こうしたデキストリンのグレードにおいて、前記生薬エキスの強い苦味のマスキングには、何れのグレードでも使用可能である。但し、過剰にDEが低いと、苦味のマスキングとは別に、冷蔵時等の老化による白濁や沈殿、あるいは粉臭等の問題が生じるおそれがある。こうした観点から、前記デキストリンのグレードはDEで3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上が更に好ましい。
前記デキストリン製剤中における前記デキストリンの含有量は、前記生薬エキスの固形分に対して、20〜300質量%とすることが好ましく、30〜200質量%とすることがより好ましく、50〜150質量%とすることが更に好ましい。前記デキストリンの含有量が過剰に少ない場合、苦味をマスキングする効果が得られず、含有量が過剰に多い場合、前記デキストリン製剤の服用量が増すことで却って服用感が低下してしまう。
前記デキストリン製剤は、更に結晶セルロースを含有することができる。該結晶セルロースは、繊維性植物から得られたα−セルロースを精製したものであって、無味で水に不溶であるとともに、化学的に不活性であるから、前記デキストリンと併用可能な賦形剤として好ましいものである。更に、前記結晶セルロースは、前記生薬エキスの持つ強いえぐ味をマスキングすることができ、前記デキストリンとの併用によって前記生薬エキスの持つ苦味及びえぐ味の両方がマスキング可能になることから、本発明のデキストリン製剤には、前記結晶セルロースを含有させることが望ましい。
前記結晶セルロースの平均粒子径、乾燥減量、かさ密度、平均重合度等のグレードは、特に限定されず、医薬品に使用されるグレードのものであれば何れも使用可能である。中でも伏見製薬所社製の商品名「コンプレッセルM101」が好ましい。
前記デキストリン製剤中における前記結晶セルロースの含有量は、前記生薬エキスの固形分に対して、20〜300質量%とすることが好ましく、30〜200質量%とすることがより好ましく、50〜150質量%とすることが更に好ましい。前記結晶セルロースの含有量が過剰に少ない場合、えぐ味をマスキングする効果が得られず、含有量が過剰に多い場合、前記デキストリン製剤の服用量が増すことで却って服用感が低下してしまう。
本発明のデキストリン製剤の剤形は、固形製剤であれば特に限定されず、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤等の何れも可能である。
前記固形製剤を製造するために、前記デキストリンや前記結晶セルロースの他に、賦形剤として乳糖(ラクトース)などの糖類や、コーンスターチ等の澱粉類を使用することができる。また、賦形剤の他に、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等の二酸化ケイ素やタルク等といった顆粒の流動性改善や錠剤の硬度増加のための流動化剤、ステアリン酸マグネシウムやタルクや水素添加植物油等といった粉体間の付着力を弱めることで粉体の流動性を高めるための滑沢剤などを使用することができる。
本発明のデキストリン製剤は、服用量の自由度が高いという観点から、前記固形製剤の中でも細粒剤、あるいは顆粒剤とすることが好ましい。
前記細粒剤の調製は、周知の方法、例えば、流動層造粒法により行うことができる。具体的には、軟稠状の生薬エキスをバインダーにして、流動層造粒機に適量のデキストリン及び/又は結晶セルロースを投入し、噴霧と乾燥を行い調製することができる。
前記顆粒剤の調製は、周知の方法、例えば、乾式顆粒法により行うことができる。具体的には、所定の方法で乾燥した粉末状の生薬エキスに適量のデキストリン及び/又は結晶セルロースを適宜加えて混合した後、乾式顆粒機(ローラーコンパクター)を使用することによって調製することができる。
前記デキストリン製剤の1日当たりの摂取量は、含有する生薬エキスによっても異なるが、例えばオンジエキスであれば、大人(15歳以上)の場合、オンジエキスの乾燥物として400mg〜800mgであり、1日に1〜3回に分けて経口投与の形態で食前又は食間に服用する。
なお、前記デキストリン製剤は、前記生薬エキスと前記賦形剤等の他に、これらの効能を損なわない程度に、スクラロース、アスパルテーム、グリシン、アセスルファムカリウム、サッカリン等の甘味剤、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、エタノール、クエン酸等の防腐剤、増粘剤、乳化剤、保存料、食用色素、香料や調味料や酵素や酸化防止剤等の食品添加物、ビタミン類等の添加剤を含有することも可能である。
前記添加剤の前記デキストリン製剤中における含有量は、医薬品の基準の範囲内であれば任意の量を選択可能である。
以下、本発明を更に具体化した実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
尚、下記において、デキストリンには松谷化学工業社製の商品名「パインデックス#1」を使用し、コーンスターチには日本食品加工社製の商品名「コーンスターチIPY」を使用し、結晶セルロースには伏見製薬所社製の商品名「コンプレッセルM101」を使用した。
[生薬エキスの製造]
生薬として5〜10mm程度に裁断されたオンジの根の乾燥物500gを用い、これに5000mLの常水を加えて加熱し、沸騰後30分間抽出し、固液分離して抽出液を得た。その後、該抽出液を60℃以下で減圧濃縮し、1000gの濃縮液を得た。そして、該濃縮液を凍結乾燥し、生薬エキスとして、オンジ乾燥エキス100gを得た。
[試料の調製(その1)]
(実施例1〜5)
上記生薬エキスの製造で得たオンジ乾燥エキス1質量部に対し、各実施例で分子量が異なるデキストリン(それぞれの分子量は、表1中に記載した)を1質量部混合し、各試料を得た。
(比較例1,2)
上記生薬エキスの製造で得たオンジ乾燥エキス1質量部に対し、比較例1は分子量が5000を超える(分子量8500)デキストリンを、比較例2はコーンスターチを1質量部混合し、各試料を得た。
[評価試験(その1)]
実施例1〜5及び比較例1,2の各試料について、測定者が各試料を実際に服用して、官能試験による味の評価を行った。評価は、苦味強度で1(なし)、2(弱)、3(中)、4(強)、5(超強)の5段階とした。
なお、各試料の服用量は、通常のオンジ製剤の1回の服用に相当するオンジ乾燥エキスの量と等量になるようにした。
結果を表1に示す。
Figure 2018100247
[試料の調製(その2)]
(実施例6〜10)
上記生薬エキスの製造で得たオンジ乾燥エキス1質量部に対し、平均分子量2300のデキストリンを表2の質量部で混合し、各試料を得た。
(比較例3,4)
上記生薬エキスの製造で得たオンジ乾燥エキス1質量部に対し、コーンスターチを表2の質量部で混合し、各試料を得た。
[評価試験(その2)]
実施例6〜10及び比較例3,4の各試料について、上記の評価試験(その1)と同様にして、味の評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 2018100247
[試料の調製(その3)]
(実施例11〜15)
上記生薬エキスの製造で得たオンジ乾燥エキス1質量部と、平均分子量2300のデキストリン1質量部とに対して、実施例11〜13は結晶セルロース及びコーンスターチを、実施例14,15は結晶セルロースのみを、表3の質量部で混合して、各試料を得た。
(比較例5,6)
上記生薬エキスの製造で得たオンジ乾燥エキス1質量部に対し、コーンスターチを表3の質量部で混合し、各試料を得た。
[評価試験(その3)]
実施例11〜15及び比較例5,6の各試料について、上記の評価試験(その1)と同様にして、味の評価を行った。評価において、えぐ味強度は、苦味強度と同様に、1(なし)、2(弱)、3(中)、4(強)、5(超強)の5段階とした。
結果を表3に示す。
Figure 2018100247
[考察(その1)]
表1の結果、分子量が5000以下のデキストリンにはオンジの苦味をマスキングする効果があることが示された。また実施例1〜4に比べて実施例5で苦味強度が増していることから、デキストリンの分子量が小さい方がマスキング効果は大きいと考えられる。
表2の結果、デキストリンは、含有量が増すにつれてマスキング効果が高まることが示された。またデキストリンの有効量は、オンジ乾燥エキス1質量部に対し0.5質量部以上であることが示された。
なお、デキストリンの有効量の下限は、上記のようにオンジ乾燥エキス1質量部に対し0.5質量部である。有効量の上限に関しては、デキストリンの量が多くなればなるほど苦味は製剤全体に希釈されるので、その場合はデキストリン以外のマスキング効果のない賦形剤であっても、苦味を緩和可能であると考えられる。従って、有効量の上限は、製剤化する上で常識的な範囲が妥当であると考えられる。
表3の結果、結晶セルロースにはオンジのえぐ味をマスキングする効果があることが示された。また結晶セルロースは、含有量が増すにつれてマスキング効果が高まることが示された。更に、結晶セルロースの有効量は、オンジ乾燥エキス1質量部に対し0.2質量部以上であることが示された。
なお、結晶セルロースの有効量の下限は、上記のようにオンジ乾燥エキス1質量部に対し0.2質量部であり、上限は、上記デキストリンの有効量の上限と同じく、製剤化する上で常識的な範囲と考えられる。
[試料の調製及び評価試験(その4)]
(実施例21〜27及び比較例21,22)
上記生薬エキスの製造で得たオンジ乾燥エキス1質量部に対し、デキストリン、コーンスターチ、結合剤(ヒプロメロース)、流動化剤(軽質無水ケイ酸)、乳糖水和物、トウモロコシデンプンをそれぞれ表4に示す質量部で量りとり、トウモロコシデンプンの一部をバインダーとして流動造粒機を使用して、細粒剤として各試料を調製した。
各試料について、上記の評価試験(その1)と同様にして、味の評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2018100247
[考察(その2)]
表4の結果、細粒剤とした場合も、分子量が5000以下のデキストリンにはオンジの苦味をマスキングする効果があることが示された。
実施例24〜26を比較すると、デキストリンの含有量が少ない実施例25で苦味が増していることから、細粒剤とした場合も、デキストリンの含有量が増すにつれてマスキング効果が高まることが示された。
実施例21〜24と実施例27を比べると、実施例27で苦味強度が増していることから、細粒剤とした場合も、デキストリンの分子量が小さい方がマスキング効果は大きいと考えられる。
[試料の調製及び評価試験(その5)]
(実施例31〜40及び比較例31,32)
上記生薬エキスの製造で得たオンジ乾燥エキス1質量部に対し、デキストリン、コーンスターチ、結晶セルロース、流動化剤(軽質無水ケイ酸)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)、乳糖水和物をそれぞれ表5に示す質量部で量りとり、混合し、連続乾式造粒機を使用して、顆粒剤として各試料を調製した。
各試料について、上記の評価試験(その3)と同様にして、味の評価を行った
その結果を表5に示す。
Figure 2018100247
[考察(その3)]
表5の結果、顆粒剤とした場合も、分子量が5000以下のデキストリンにはオンジの苦味をマスキングする効果が、結晶セルロースにはオンジのえぐ味をマスキングする効果があることが示された。
実施例31〜34と実施例40を比べると、実施例33,34で苦味強度が低いことから、デキストリンと結晶セルロースを併用して顆粒剤とした場合、デキストリンの分子量は2000〜2300とする方がマスキング効果は大きいと考えられる。
実施例34〜37を比べると、実施例35,36でえぐ味強度が増していることから、細粒剤とした場合も、結晶セルロースの含有量が増すにつれてマスキング効果が高まることが示された。
[試料の調製及び評価試験(その6)]
(実施例41〜43及び比較例41,42)
生薬として細かく刻んだチンピ、カゴソウ、ボウイを各1000gずつ用い、それぞれに10Lの常水を加えて加熱し、沸騰後30分間抽出し、固液分離して抽出液を得た。その後、該抽出液を60℃以下で減圧濃縮し、それぞれ2000gの濃縮液を得た。そして、該濃縮液を凍結乾燥し、生薬エキスとして、チンピ70g、カゴソウ100g、ボウイ130gをそれぞれ乾燥エキスで得た。
次いで、チンピ、カゴソウ、ボウイの乾燥エキス各1質量部に対し、デキストリン、コーンスターチをそれぞれ表6に示す質量部で量りとり、混合して、各試料を調製した。
各試料について、上記の評価試験(その1)と同様にして、味の評価を行った。その結果を表6に示す。
Figure 2018100247
[考察(その4)]
表6の結果、チンピ、カゴソウ、ボウイについても、オンジと同様に、分子量が5000以下のデキストリンによる苦味をマスキングする効果が示された。
本発明によれば、分子量が5000以下のデキストリンを使用することで、生薬エキスに特有の苦みを抑えて服用感の向上を図ることができるデキストリン製剤を提供できるので、産業上の利用可能性を有する。

Claims (5)

  1. 分子量が5000以下のデキストリンと、生薬エキスとを含有することを特徴とするデキストリン製剤。
  2. 更に、結晶セルロースを含有する請求項1に記載のデキストリン製剤。
  3. 更に、流動化剤及び賦形剤を含有する請求項1又は請求項2に記載のデキストリン製剤。
  4. 細粒剤である請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のデキストリン製剤。
  5. 顆粒剤である請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のデキストリン製剤。
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