JP2018168708A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏向および分布のムラの抑制を狙った燃料噴射をすることで、筒内における混合気をより均質にすることができる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】1つの気筒ごとに吸気バルブ10の中心方向に設置された第1の燃料噴射弁14aと、吸気バルブ10の中心方向から下向きに設置された第2の燃料噴射弁14bを備え、第1の燃料噴射弁14aによる燃料噴射を、吸気バルブ10の開弁中において、噴霧滞留噴射開始時期で噴射を開始し、噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射と、残りの噴射量を噴霧流入最終時期で噴射を終了する燃料噴射とし、第2の燃料噴射弁14bによる燃料噴射を、吸気バルブ10の開弁中において、噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射以降で、且つ、吸気バルブ通過高流速時期で燃料噴射を開始燃料噴射とした。【選択図】図1
Description
この発明は、内燃機関の筒内に設置される燃料噴射弁における吸気行程中の燃料噴射を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
近年において、大気汚染や石油事情の変動などに伴い、内燃機関(以下「エンジン」ともいう。)の排気ガス規制および燃費の向上が強く要求されている。エンジンの排気ガス規制および燃費を向上する方法として、エンジンにおける混合気の燃焼状態を向上することが注目されている。
混合気の燃焼状態を向上するためには、混合気を燃焼させる直前までに空気と燃料を均質に混合することで効率的に燃焼をさせる必要がある。空気と燃料を均質に混合する方法の一つとして、吸気バルブ開弁中である吸気行程中に筒内に流入するタイミングで吸気ポートに設置した燃料噴射弁から燃料を噴射させることで、空気と燃料の混合開始から燃焼させる時期までの時間を長くとり、且つ、筒内に直接に空気と燃料を流入させることで、吸気ポート壁面に燃料を衝突させる量を少なくし、より均質な混合気を形成させる技術が周知である。
また、筒内に複数設置されている吸気ポートの集合部から1つの燃料噴射弁で各吸気ポートに燃料を噴射させるより、各吸気ポートに燃料噴射弁を設置して燃料を噴射させることで、燃料噴霧方向を筒内に直接流入するような方向に噴射でき、吸気ポート壁面に付着する燃料を抑制し、且つ吸気ポートにおける燃料分布のムラを抑制させることで、混合気をより均質にする技術も周知である。
一方、吸気ポートから筒内に流入する空気に関して、内燃機関の運転状態で空気の流れの速さが変化するが、同じ運転状態においても、筒内に混合気を流入させる吸気バルブの開閉タイミングなどにより、1サイクルの吸気行程中において空気の流れの速さが変化する。このため、吸気行程中に燃料を噴射すると空気の流れの速さの変化によって燃料噴射弁から噴射している噴霧形状および噴射された後の燃料が流されてしまい、吸気ポート壁面に衝突して付着が増加したり、燃料分布のムラが増加することで、最終的に筒内に形成される混合気が均質になりにくくなってしまう。よって、この空気の流れを考慮した制御が必要となる。
例えば、特開2015−212532号公報(特許文献1)には、各吸気ポートに2つの異なる貫徹力の燃料噴射弁を設置し、吸気行程時に噴射する場合には相対的に貫徹力が強い燃料噴射弁から燃料を噴射して空気流動の影響を抑制する技術が記載されている。また、特開2014−114718号公報(特許文献2)には、吸気ポート内のガス流速の大きさに応じて、吸気ポート内の空気の流れが順流(吸気ポートから筒内への流れ)になるタイミングに燃料噴射する技術が記載されている。
ここで、1サイクルにおける吸気開弁中の吸気ポートの空気の流れである吸気バルブ通過流速の変化を図10で説明する。図10において、吸気開弁中に噴射された燃料の挙動の傾向および筒内混合気均質性を向上させる方法を(A)から(D)のタイミングに分けて考える。また、(A)から(D)に分けられたタイミングでの空気と燃料噴射の衝突のイメージを図11(A)から(D)に示す。
まず、図10および図11の(A)では、吸気バルブがTDC(TOP DEAD CENTER:上死点)前に開弁し、筒内から吸気ポートへの逆流(吹き戻し)が発生するタイミングである。そのため、この領域において噴霧の付着、偏向および分布のムラを抑制して筒内に均質な混合気を形成するには、吹き戻し期間中に吹き戻しに対向するような噴射方向(図11の矢印(ア))に燃料を噴射して噴霧を吸気バルブ近傍に滞留させて、吹き戻し終了後に素早く筒内に流入させる必要がある。
空気と燃料の混合開始から燃焼させる時期までの時間を長くとることが混合気均質性の向上に繋がるため、吹き戻し終了後のタイミングである程度燃料が蒸発して既に形成された混合気や未蒸発の燃料噴霧を素早く筒内に流入させることが重要である。
ここで、吹き戻しより前に燃料が噴射されると、吹き戻しによって燃料が吸気ポート上流へ流され、吹き戻し後の混合気流入が遅れてしまうことになる。また、吹き戻し後の燃料噴射では、吹き戻し直後に空気のみが流入することになるため、これも混合気流入が遅れてしまうことになる。そのため、吹き戻し直後に混合気を流入させるためには、吸気バルブ近傍に噴霧を滞留させる必要がある。
ここで、吹き戻しより前に燃料が噴射されると、吹き戻しによって燃料が吸気ポート上流へ流され、吹き戻し後の混合気流入が遅れてしまうことになる。また、吹き戻し後の燃料噴射では、吹き戻し直後に空気のみが流入することになるため、これも混合気流入が遅れてしまうことになる。そのため、吹き戻し直後に混合気を流入させるためには、吸気バルブ近傍に噴霧を滞留させる必要がある。
図10および図11の(B)では、吸気バルブのリフト量が増加し、吸気バルブ通過流速が高くなるため、吸気ポート上部へ向かう流動が強くなるタイミングである。そのため、筒内に均質な混合気を形成するには、噴霧を若干吸気ポート下部へ向けた噴射方向(図11の矢印(イ))で燃料を噴射して噴霧を吸気バルブ中心近傍から筒内に混合気を流入させる必要がある。なお、ここで、吸気ポート上部へ向かう流動に打ち勝つように噴霧を勢いよく噴射させる方法もあるが、勢いが強くなった分、吸気ポート、吸気バルブおよび筒内の壁面へ噴霧が衝突し、燃料付着が増加する可能性があるため、流動に打ち勝つよりも、流動に流された上で噴霧を狙いの位置、タイミングで筒内に導く方法が望ましい。
図10および図11の(C)では、吸気バルブのリフト量が減少し、吸気バルブ通過流速が弱まるため、筒内への混合気の流入が少なくなるタイミングである。そのため、筒内に均質な混合気を形成するには、噴霧を吸気バルブへ向けた噴射方向(図11の矢印(ウ))で、噴射時のペネトレーションの勢いで筒内に混合気を余すことなく流入させる必要がある。
図10および図11の(D)では、BDC(BOTTOM DEAD CENTER:下死点)を越えた後に発生する吹き戻しが発生するタイミングである。しかし、この領域ではこれ以上混合気が流入されないため、次サイクルでの流入になる。未蒸発燃料が次サイクルまでに吸気ポートに付着し、その結果次サイクルでの混合気均質性を悪化させてしまうため、このタイミングでは燃料噴射を行わないことが望ましい。
更に、(A)、(B)、(C)いずれかのタイミングのみの噴射であると、そのタイミングのみでは混合気均質性が向上するが、そのタイミング以外においてはほとんど空気だけの薄い混合気が筒内に流入することとなるため、噴射時に形成された混合気との濃度差が大きくなり、着火直前における混合気均質性を向上することができない。そのため、着火直前における混合気均質性の向上には、(A)、(B)、(C)全てのタイミングで燃料噴射を行い、吸気開弁中に筒内に絶え間なく混合気を流入させる必要がある。
以上のことから、図10および図11の(A)、(B)、(C)において空気と噴霧の衝突方向がそれぞれ異なることを考慮し、全てのタイミングで噴霧の付着、偏向および分布のムラの抑制を狙った燃料噴射をすることにより、筒内における混合気をより均質にすることができ、その結果、排ガス、燃費、およびドライバビリティの向上が可能となることがわかった。
ここで、特許文献1に記載の吸気行程噴射時に貫徹力が相対的に強い燃料噴射弁からのみの噴射による制御方法では、吸気バルブ開弁中に吸気バルブに向けて直接噴霧が流入するため、吸気ポート、吸気バルブおよび筒内の壁面に噴霧が勢いよく衝突することで燃料の付着が多くなり、その結果着火直前での混合気の均質性が悪くなってしまう。
また、特許文献2に記載の吸気ポート内の流れが順流になるタイミングに燃料噴射するように制御する方法では、吹き戻し直後の順流時に燃料噴射を開始するため、吹き戻し直後に空気のみが流入することになる。また、吸気ポートから流入するのは未蒸発の燃料噴霧と空気であり、燃料と空気は筒内に流入してから混合されることとなるため、空気と燃料の混合開始から燃焼させる時期までの時間が短くなり、その結果着火直前での混合気の均質性が悪くなってしまう。
この発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、燃焼室に空気を吸入する第1および第2の吸気ポートに、燃料噴射方向を吸気バルブに向けた第1の燃料噴射弁と、第1の燃料噴射弁による燃料噴射方向より、吸気ポートを通過する吸気流動と燃料噴霧の衝突する角度が垂直方向に近づくように燃料噴射方向をずらした第2の燃料噴射弁を設置し、それぞれの噴射しているタイミングでの混合気の均質性を向上すると共に、最終的に着火直前での混合気均質性を向上することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の燃焼室に空気を吸入する第1および第2の吸気ポートと、上記燃焼室と上記第1および第2の吸気ポートとの間を開閉する吸気バルブと、上記第1および第2の吸気ポートに一つずつ設置されて燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備え、
上記燃料噴射弁を、燃料噴射方向が上記吸気バルブの中心に向けて設置された第1の燃料噴射弁と、上記第1の燃料噴射弁による燃料噴射方向より、上記第1および第2の吸気ポートを通過する吸気流動と燃料噴霧の衝突する角度が垂直方向に近づくように燃料噴射方向をずらして設置された第2の燃料噴射弁で構成した内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関の運転状態に応じて上記吸気バルブを通過する流速を推定する吸気バルブ通過流速推定手段と、上記吸気バルブの通過流速が、上記燃焼室から上記第1および第2の吸気ポートへの逆流が最も強くなる流速となる時期を噴霧滞留噴射開始時期として算出する噴霧滞留噴射開始時期算出手段と、上記吸気バルブの通過流速が、上記第1の燃料噴射弁による燃料噴霧が吸気流動によって上記吸気バルブの円周方向に均一に流入しなくなることを示す予め設定された噴霧偏向流速を超える時期を噴霧偏向開始時期として算出する噴霧偏向開始時期算出手段と、上記吸気バルブの通過流速が、上記吸気バルブの閉弁直前において燃料噴霧が筒内に流入する限界の流速を示す予め設定された噴霧流入限界流速を下回る時期を噴霧流入最終時期として算出する噴霧流入最終時期算出手段と、上記吸気バルブの通過流速が、高流速であり燃料噴霧が強く流されることを示す予め設定された吸気バルブ通過高流速下限値を越える時期を吸気バルブ通過高流速時期として算出する吸気バルブ通過高流速時期算出手段と、上記第1の燃料噴射弁による燃料噴射を、上記吸気バルブの開弁中において、上記噴霧滞留噴射開始時期で噴射を開始し、上記噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射と、残りの噴射量を上記噴霧流入最終時期で噴射を終了する燃料噴射とする第1燃料噴射弁噴射制御手段と、上記第2の燃料噴射弁による燃料噴射を
、上記吸気バルブの開弁中において、上記噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射以降で、且つ、上記吸気バルブ通過高流速時期で燃料の噴射を開始する燃料噴射とする第2燃料噴射弁噴射制御手段と、を備えたことを特徴とする。
上記燃料噴射弁を、燃料噴射方向が上記吸気バルブの中心に向けて設置された第1の燃料噴射弁と、上記第1の燃料噴射弁による燃料噴射方向より、上記第1および第2の吸気ポートを通過する吸気流動と燃料噴霧の衝突する角度が垂直方向に近づくように燃料噴射方向をずらして設置された第2の燃料噴射弁で構成した内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関の運転状態に応じて上記吸気バルブを通過する流速を推定する吸気バルブ通過流速推定手段と、上記吸気バルブの通過流速が、上記燃焼室から上記第1および第2の吸気ポートへの逆流が最も強くなる流速となる時期を噴霧滞留噴射開始時期として算出する噴霧滞留噴射開始時期算出手段と、上記吸気バルブの通過流速が、上記第1の燃料噴射弁による燃料噴霧が吸気流動によって上記吸気バルブの円周方向に均一に流入しなくなることを示す予め設定された噴霧偏向流速を超える時期を噴霧偏向開始時期として算出する噴霧偏向開始時期算出手段と、上記吸気バルブの通過流速が、上記吸気バルブの閉弁直前において燃料噴霧が筒内に流入する限界の流速を示す予め設定された噴霧流入限界流速を下回る時期を噴霧流入最終時期として算出する噴霧流入最終時期算出手段と、上記吸気バルブの通過流速が、高流速であり燃料噴霧が強く流されることを示す予め設定された吸気バルブ通過高流速下限値を越える時期を吸気バルブ通過高流速時期として算出する吸気バルブ通過高流速時期算出手段と、上記第1の燃料噴射弁による燃料噴射を、上記吸気バルブの開弁中において、上記噴霧滞留噴射開始時期で噴射を開始し、上記噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射と、残りの噴射量を上記噴霧流入最終時期で噴射を終了する燃料噴射とする第1燃料噴射弁噴射制御手段と、上記第2の燃料噴射弁による燃料噴射を
、上記吸気バルブの開弁中において、上記噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射以降で、且つ、上記吸気バルブ通過高流速時期で燃料の噴射を開始する燃料噴射とする第2燃料噴射弁噴射制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、上記構成により、吸気行程噴射モードにおいて、吸気バルブ開弁中に変化する吸気バルブ通過流速に応じて、噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射によって吹き戻し期間中に噴霧を吸気バルブ近傍に滞留させて吹き戻し終了後に素早く筒内に流入させ、吸気バルブ通過高流速時期で燃料の噴射を開始する燃料噴射によって吸気バルブ中心から外した方向に噴射して強い流動で噴霧を吸気バルブ中心へと導くことで筒内への混合気流入の偏りを抑制させ、残りの噴射量を上記噴霧流入最終時期で噴射を終了する燃料噴射によって比較的弱まった流動によって吸気ポートに残留する燃料噴霧を抑制させることで各噴射時における混合気均質性を向上することができる。また、各噴射時に均質性が向上した混合気が偏りのないタイミングで筒内に流入させることができるため、着火直前の筒内における混合気をより均質にすることができ、その結果排ガス、燃費、およびドライバビリティを向上することができる。
以下、この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において同一または相当部分には、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置について図面を参照して説明するが、この実施の形態1においては、吸気バルブ開弁中に燃料噴射する条件が成立中に、第1の燃料噴射弁において第1の燃料噴射のための第1の燃料噴射開始時期と第1の燃料噴射期間、および第4の燃料噴射のための第4の燃料噴射終了時期と第4の燃
料噴射期間を設定し、第2の燃料噴射弁において第2の燃料噴射のための第2の燃料噴射開始時期と第2の燃料噴射期間、および第3の燃料噴射のための第3の燃料噴射終了時期と第3の燃料噴射期間を設定する実施形態について説明する。
以下、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置について図面を参照して説明するが、この実施の形態1においては、吸気バルブ開弁中に燃料噴射する条件が成立中に、第1の燃料噴射弁において第1の燃料噴射のための第1の燃料噴射開始時期と第1の燃料噴射期間、および第4の燃料噴射のための第4の燃料噴射終了時期と第4の燃
料噴射期間を設定し、第2の燃料噴射弁において第2の燃料噴射のための第2の燃料噴射開始時期と第2の燃料噴射期間、および第3の燃料噴射のための第3の燃料噴射終了時期と第3の燃料噴射期間を設定する実施形態について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を含むシステム全体を示す構成図である。なお、一般的に、エンジンには複数のシリンダが設けられているが、図1においてはそのうちの1つのシリンダについて説明する。
図1において、エンジン1には筒状のシリンダ2が設けられている。シリンダ2の軸線方向に往復自在なピストン3が設けられている。これらシリンダ2とピストン3によって、燃料と空気との混合気が燃焼する燃焼室4が形成されている。また、ピストン3の往復運動を回転運動に変換するクランク軸5が設けられており、クランク軸5の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサ6が設けられている。また、シリンダ2には、エンジン1を冷却するための冷却水(図示せず)の温度に応じた電圧を出カする水温センサ7が設けられている。
シリンダ2の内部(以下「筒内」という。)に空気を吸入する吸気マニホールド8と、燃焼室4の内部で混合気が燃焼して生成された排気ガスを排出する排気マニホールド9とがシリンダ2に接続されている。また、シリンダ2には、燃焼室4と吸気マニホールド8との間を開閉する吸気バルブ10と、燃焼室4と排気マニホールド9との間を開閉する排気バルブ11とがそれぞれ2つ(図1では1つずつのみ図示)が取り付けられている。
吸気バルブ10および排気バルブ11を適切な開弁時期および適切なリフト量で制御するために、吸気バルブ10および排気バルブ11の上部には、回転して各バルブを押し下げるカム(図示せず)を含んだ吸気可変バルブ機構12と排気可変バルブ機構13がそれぞれ設置されている。吸気可変バルブ機構12と排気可変バルブ機構13により、吸気バルブ10および排気バルブ11の位相角をずらし、バルブオーバーラップ量を制御することができる。また、吸気可変バルブ機構12と排気可変バルブ機構13に吸気バルブ10および排気バルブ11の位相角を検出するカム角センサ(図示せず)が設けられている。
吸気マニホールド8と吸気バルブ10の間には、適切なタイミングで燃料を噴射する燃料噴射弁14が取り付けられている。ここで、燃料噴射弁14の詳細について説明する。
図2は燃料噴射弁14の詳細を示す図である。図2において、吸気マニホールド8には、空気および燃料を供給するための流路である第1の吸気ポート8aおよび第2の吸気ポート8bが設けられており、第1の吸気ポート8aおよび第2の吸気ポート8bのそれぞれに対し、第1の燃料噴射弁14aと第2の燃料噴射弁14bが取り付けられている。更に、第1の燃料噴射弁14aは、図2のA−A断面図である図3に示すように、吸気バルブ10の中心に向けて設置されている。一方、第2の燃料噴射弁14bは、図2のB−B断面図である図4に示すように、吸気バルブ10の中心から若干シリンダ2の壁面方向に向けて設置されている。
図2は燃料噴射弁14の詳細を示す図である。図2において、吸気マニホールド8には、空気および燃料を供給するための流路である第1の吸気ポート8aおよび第2の吸気ポート8bが設けられており、第1の吸気ポート8aおよび第2の吸気ポート8bのそれぞれに対し、第1の燃料噴射弁14aと第2の燃料噴射弁14bが取り付けられている。更に、第1の燃料噴射弁14aは、図2のA−A断面図である図3に示すように、吸気バルブ10の中心に向けて設置されている。一方、第2の燃料噴射弁14bは、図2のB−B断面図である図4に示すように、吸気バルブ10の中心から若干シリンダ2の壁面方向に向けて設置されている。
図1に戻り、シリンダ2の頂部には、燃焼室4に形成された混合気に火花点火する点火プラグ15が取り付けられており、点火プラグ15に高電圧エネルギを供給する点火コイル16が取り付けられている。
吸気マニホールド8の上流側には、燃焼室4に吸入される空気を一時的にためるサージタンク17が接続されており、サージタンク17の上流側には、スロットルバルブ18が接続されている。スロットルバルブ18には、バルブ開度に応じた電圧を出力するスロットルバルブ開度センサ(図示せず)が設けられている。また、スロットルバルブ18の下流側には、ブースト圧に応じた電圧を出力するブースト圧センサ19が設けられている。
また、排気マニホールド9の下流側には、排気ガスの温度中の有害物質を取り除く触媒装置(図示せず)が接続されており、触媒装置の下流側には、排気ガスを外部に排気するテールパイプ(図示せず)が接続されている。
エンジン制御用電子コントロールユニット(以下「ECU」という。)20は、演算処理をするCPU、プログラムデータや固定値データを記憶するROM、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM、およびECU20の電源が切られても格納されているデータを保持するバックアップRAMを有するマイクロコンピュータ(図示せず)と、アクチュエータ駆動のための駆動回路(図示せず)と、各種信号の入出力を行うI/Oインターフェース(図示せず)を備えている。
図5は、燃料噴射制御装置の構成並びに機能を示すブロック図である。燃料噴射制御装置は、吸気バルブ通過流速推定手段21、噴霧滞留噴射開始時期算出手段22、噴霧偏向開始時期算出手段23、噴霧流入最終時期算出手段24、吸気バルブ通過高流速時期算出手段25、吸気バルブ通過高流速終了時期算出手段26、第1燃料噴射弁噴射制御手段27、第2燃料噴射弁噴射制御手段28を備えている。
ECU20のメモリには、上記の各手段、即ち、吸気バルブ通過流速推定手段21、噴霧滞留噴射開始時期算出手段22、噴霧偏向開始時期算出手段23、噴霧流入最終時期算出手段24、吸気バルブ通過高流速時期算出手段25、吸気バルブ通過高流速終了時期算出手段26、第1燃料噴射弁噴射制御手段27、第2燃料噴射弁噴射制御手段28がソフトウェアとして記憶されている。また、ECU20には、水温センサ7、ブースト圧センサ19、スロットルバルブ開度センサからの電圧出力値がA/D変換されて入カされ、これらA/D変換された各出カ値は、それぞれ水温Tw、ブースト圧Pb、スロットル開度Thとして上記各手段での演算に用いられる。
ECU20にはカム角センサの信号が割り込み入力されて、吸気バルブ位相角VVTIと排気バルブ位相角VVTEが演算される。また、ECU20にはクランク角センサ6の信号が割り込み入力されて、クランク角CAが演算され、ECU20に内蔵されたタイマーとクランク角センサ6の信号とからエンジン回転数Neが演算される。
吸気バルブ通過流速推定手段21は、予めクランク角CAおよび吸気バルブ位相角VVTIに応じて設定されているマップを参照して吸気バルブ通過流速を推定する。具体的な演算方法は、後述する図7を用いた制御の流れの説明で示す。
噴霧滞留噴射開始時期算出手段22は、吸気バルブ通過流速VVが下向きのピーク、すなわち最小値であれば、第1の燃料噴射開始時期SOI1に現在のクランク角CAを代入して演算される。具体的な演算方法は、後述する図7を用いた制御の流れの説明で示す。
噴霧偏向開始時期算出手段23は、吸気バルブ通過流速VVが予め設定してある噴霧偏向流速Th1を超した場合、第1の燃料噴射終了時期EOI1に現在のクランク角CAを代入して演算される。具体的な演算方法は、後述する図7を用いた制御の流れの説明で示す。
噴霧流入最終時期算出手段24は、吸気バルブ通過流速VVが噴霧流入最終時期Th3を下回った場合、第4の燃料噴射終了時期EOI4に現在のクランク角CAを代入して演算される。具体的な演算方法は、後述する図7を用いた制御の流れの説明で示す。
吸気バルブ通過高流速時期算出手段25は、吸気バルブ通過流速VVが予め設定してあ
る吸気バルブ通過高流速下限値Th2を超した場合、第2の燃料噴射開始時期SOI2に現在のクランク角CAを代入して演算される。具体的な演算方法は、後述する図7を用いた制御の流れの説明で示す。
る吸気バルブ通過高流速下限値Th2を超した場合、第2の燃料噴射開始時期SOI2に現在のクランク角CAを代入して演算される。具体的な演算方法は、後述する図7を用いた制御の流れの説明で示す。
吸気バルブ通過高流速終了時期算出手段26は、吸気バルブ通過流速VVが予め設定してある吸気バルブ通過高流速下限値Th2を下回った場合、第3の燃料噴射終了時期EOI3に現在のクランク角CAを代入して演算される。具体的な演算方法は、後述する図7を用いた制御の流れの説明で示す。
第1燃料噴射弁噴射制御手段27は、吸気バルブ開弁中において、第1の燃料噴射開始時期SOI1から第1の燃料噴射終了時期EOI1の期間噴射する第1の燃料噴射と、残りの噴射量を第4の燃料噴射終了時期で終了するように噴射する第4の燃料噴射が設定される。具体的な演算方法は、後述する図6を用いた制御の流れの説明で示す。
第2燃料噴射弁噴射制御手段28は、吸気バルブ開弁中において、第2の燃料噴射開始時期SOI2から噴射量の所定割合を噴射する第2の燃料噴射と、残りの噴射量を第3の燃料噴射終了時期で終了するように噴射する第3の燃料噴射が設定される。具体的な演算方法は、後述する図6を用いた制御の流れの説明で示す。
以下、上記構成の燃料噴射制御装置において、吸気行程噴射条件成立時、吸気バルブ通過流速VVの挙動より第1の燃料噴射弁14aにおいて第1の燃料噴射のための第1の燃料噴射開始時期と第1の燃料噴射期間、および第4の燃料噴射のための第4の燃料噴射終了時期と第4の燃料噴射期間を設定し、第2の燃料噴射弁14bにおいて第2の燃料噴射のための第2の燃料噴射開始時期と第2の燃料噴射期間、および第3の燃料噴射のための第3の燃料噴射終了時期と第3の燃料噴射期間を設定する動作について説明する。
まず、図6の第1および第2の燃料噴射弁制御ルーチンのフローチャートを参照しながら各動作を説明する。なお、この動作は、ECU20において所定クランク角度毎に割り込んで実行される割り込みルーチン内のサブルーチンとして実行される。また、本実施の形態においては所定クランク角度毎に割り込んで実行される割り込みルーチン内のサブルーチンとして実行されるが、所定時間周期のメインルーチン内のサブルーチンとして実行されても良い。
図6のステップS101において、現在吸気行程噴射制御の領域であるかを判定する。例えば、エンジン回転数Neやブースト圧Pbに基づいてあらかじめ設定してある噴射制御マップを参照して噴射時期モードが決定される。
ステップS101において吸気行程噴射の制御領域として成立していないと判定された場合、ステップS102で初期化処理が実行される。ステップS102の初期化処理は、後述する第1の燃料噴射開始時期SOI1、第1の燃料噴射終了時期EOI1、第2の燃料噴射開始時期SOI2、第3の燃料噴射終了時期EOI3、第4の燃料噴射終了時期EOI4、第1の燃料噴射期間DOI1、第2の燃料噴射期間DOI2、第3の燃料噴射期間DOI3、第4の燃料噴射期間DOI4にそれぞれ0を初期値として入力し、そのままサブルーチンを終了する。
ステップS101において吸気行程噴射の制御領域として成立した場合、ステップS103において現在のクランク角CAが排気行程であるか判定される。ステップS103において条件が成立した場合、後述するステップS107およびステップS109にて第1および第2の燃料噴射弁14b制御値の演算が終了したため、次の吸気行程において、第1の燃料噴射弁14aから第1と第4の燃料噴射、第2の燃料噴射弁14bから第2と第3の燃料噴射がされるよう設定される。このステップS104が第1燃料噴射弁噴射制御手段27、第2燃料噴射弁噴射制御手段28に相当する。その後、ステップS105において、前述のステップS102と同じ初期化処理を行い、ステップS106へ進む。ステップS103において条件が成立しない場合、次のステップS106へ進む。
ステップS106では、現在吸気バルブが開弁している最中であるか判定される。ステップS106において条件が成立した場合、ステップS107の噴射時期演算ルーチンへと進む。この噴射時期演算ルーチンの詳細は後述する。ステップS107の次にステップS108へ進む。また、ステップS106において条件が成立しない場合も次のステップS108へ進む。
ステップS108では、吸気バルブ開弁が終了した直後であるか判定される。ステップS108において条件が成立した場合、ステップS109で第1の燃料噴射期間DOI1、第2の燃料噴射期間DOI2、第3の燃料噴射期間DOI3、第4の燃料噴射期間DOI4が、1サイクル当たりの総燃料噴射期間をDOITotとしてそれぞれ次の式(1)から式(4)のように演算される。
DOI1=EOI1−SOI1 ・・・(1)
DOI2=(DOITot/2)/2 ・・・(2)
DOI3=(DOITot/2)/2 ・・・(3)
DOI4=DOITot/2−DOI1 ・・・(4)
DOITot=map(Ne,Pb) ・・・(5)
なお、第2の燃料噴射期間DOI2は、例えば第2の燃料噴射弁14bから噴射する量の半分を所定の割合として演算している。また、1サイクル当たりの総燃料噴射期間DOITotは予め設定してあるマップを用いてエンジン回転数Neおよびブースト圧Pbから求める。また、第1の燃料噴射開始時期SOI1および第1の燃料噴射終了時期EOI1は、後述する噴射時期演算サブルーチン内で演算される。
DOI1=EOI1−SOI1 ・・・(1)
DOI2=(DOITot/2)/2 ・・・(2)
DOI3=(DOITot/2)/2 ・・・(3)
DOI4=DOITot/2−DOI1 ・・・(4)
DOITot=map(Ne,Pb) ・・・(5)
なお、第2の燃料噴射期間DOI2は、例えば第2の燃料噴射弁14bから噴射する量の半分を所定の割合として演算している。また、1サイクル当たりの総燃料噴射期間DOITotは予め設定してあるマップを用いてエンジン回転数Neおよびブースト圧Pbから求める。また、第1の燃料噴射開始時期SOI1および第1の燃料噴射終了時期EOI1は、後述する噴射時期演算サブルーチン内で演算される。
ステップS109の次、もしくはステップS108で条件が成立しない場合には、サブルーチンを終了する。
次に、図6のステップS107にある燃料噴射演算ルーチンを図7のフローチャートを参照しながら、各動作を説明する。
まず、図7のステップS201において、クランク角CAの吸気バルブ通過流速VVを推定する。吸気バルブ通過流速VVは、図8のように予めクランク角CAおよび吸気バルブ位相角VVTIに応じて設定されているマップを参照し、ブースト圧Pbと予め設定してある重み付け係数K1を用いて式(6)で求められる。
VV=map(CA,VVTI)×Pb×K1 ・・・(6)
このステップS201が吸気バルブ通過流速推定手段21に相当する。
なお、ここでは、図8のマップや係数を用いて吸気バルブ通過流速VVを推定したが、これに限らず、例えば、吸気バルブ近傍に流速を検出するセンサを取り付けることや、吸気ポートと筒内の圧力を検出し、その圧力差からバルブ通過流速を求めるなどの方法でも推定可能である。
VV=map(CA,VVTI)×Pb×K1 ・・・(6)
このステップS201が吸気バルブ通過流速推定手段21に相当する。
なお、ここでは、図8のマップや係数を用いて吸気バルブ通過流速VVを推定したが、これに限らず、例えば、吸気バルブ近傍に流速を検出するセンサを取り付けることや、吸気ポートと筒内の圧力を検出し、その圧力差からバルブ通過流速を求めるなどの方法でも推定可能である。
次にステップS202において、吸気バルブリフト量がピーク前、すなわち吸気バルブが閉弁動作に移っていない状態であるか判定する。これは、予め設定してある吸気バルブのリフト量プロフィールもしくはリフト量までの所要角度と吸気バルブ位相角VVTよりピーク位置を演算し、クランク角CAと比較することで判定できる。
ステップS202において条件が成立する場合はステップS203に進み、吸気バルブ
通過流速VVが下向きのピーク、すなわち最小値をとっているか判定する。ステップS203で条件が成立した場合、ステップS204にて第1の燃料噴射開始時期SOI1に現在のクランク角CAを代入し、次のステップS205へ進む。ステップS203で条件が成立しない場合、そのままステップS205へ進む。
通過流速VVが下向きのピーク、すなわち最小値をとっているか判定する。ステップS203で条件が成立した場合、ステップS204にて第1の燃料噴射開始時期SOI1に現在のクランク角CAを代入し、次のステップS205へ進む。ステップS203で条件が成立しない場合、そのままステップS205へ進む。
このステップS203およびステップS204が噴霧滞留噴射開始時期算出手段22に相当し、吸気バルブ通過流速プロフィールVVが逆流となるタイミングで第1の燃料噴射弁14aから第1の燃料噴射を開始するようにしている。
ステップS205では、吸気バルブ通過流速VVが予め設定してある噴霧偏向流速Th1を超した(跨いだ)かどうか判定する。ステップS205で条件が成立した場合、ステップS206にて第1の燃料噴射終了時期EOI1に現在のクランク角CAを代入し、次のステップS207へ進む。ステップS205で条件が成立しない場合、そのままステップS207へ進む。
このステップS205およびステップS206が噴霧偏向開始時期算出手段23に相当し、吸気バルブ通過流速VVが噴霧形状への影響が強くなり、これ以上第1の燃料噴射弁14aから燃料を噴射しても噴霧が流されてしまう。そのタイミングで第1の燃料噴射弁14aからの第1の燃料噴射を終えるよう第1の燃料噴射終了時期としている。
なお、ここでは噴霧偏向流速を所定値としているが、これに限らず、例えば運転状態に応じて変更するようにマップで設定されているものを用いても良い。
なお、ここでは噴霧偏向流速を所定値としているが、これに限らず、例えば運転状態に応じて変更するようにマップで設定されているものを用いても良い。
ステップS207では、吸気バルブ通過流速VVが予め設定してある吸気バルブ通過高流速下限値Th2を超した(跨いだ)かどうか判定する。ステップS207で条件が成立した場合、ステップS208にて第2の燃料噴射開始時期SOI2に現在のクランク角CAを代入し、サブルーチンを終了する。ステップS207で条件が成立しない場合、そのままサブルーチンを終了する。
このステップS207およびステップS208が吸気バルブ通過高流速時期算出手段25に相当し、吸気バルブ通過流速VVが噴霧形状への影響が強くなり、設置時に若干下向きに設置した第2の燃料噴射弁14bから噴射された燃料は、噴霧が流動に流されて吸気バルブ中心近傍に拡散するようになる。このタイミングで第2の燃料噴射弁14bからの第2の燃料噴射を開始するよう第2の燃料噴射開始時期としている。
なお、ここでは吸気バルブ通過高流速下限値を所定値としているが、これに限らず、例えば運転状態に応じて変更するようマップで設定されているものを用いても良い。
なお、ここでは吸気バルブ通過高流速下限値を所定値としているが、これに限らず、例えば運転状態に応じて変更するようマップで設定されているものを用いても良い。
ステップS209では、吸気バルブ通過流速VVが予め設定してある吸気バルブ通過高流速下限値Th2を下回ったかどうか判定する。ステップS209で条件が成立した場合、ステップS210にて第3の燃料噴射終了時期EOI3に現在のクランク角CAを代入し、次のステップS211へ進む。ステップS209で条件が成立しない場合、そのままステップS211へ進む。
このステップS209およびステップS210が吸気バルブ通過高流速終了時期算出手段26に相当し、吸気バルブ通過流速VVが噴霧形状への影響が弱くなり、これ以上第2の燃料噴射弁14bから燃料を噴射しても噴霧が流されずに吸気ポート壁面に付着してしまう。そのタイミングで第2の燃料噴射弁14bからの第3の燃料噴射を終えるよう第3の燃料噴射終了時期としている。
ステップS211では、吸気バルブ通過流速VVが噴霧流入最終時期Th3を下回ったかどうか判定する。ステップS211で条件が成立した場合、ステップS212にて第4
の燃料噴射終了時期EOI4に現在のクランク角CAを代入し、サブルーチンを終了する。ステップS211で条件が成立しない場合、そのままサブルーチンを終了する。
の燃料噴射終了時期EOI4に現在のクランク角CAを代入し、サブルーチンを終了する。ステップS211で条件が成立しない場合、そのままサブルーチンを終了する。
このステップS211およびステップS212が噴霧流入最終時期算出手段24に相当し、吸気バルブ通過流速プロフィールVVが極端に弱く、これ以上第1の燃料噴射弁14aから燃料を噴射しても噴霧が筒内に流入しない。そのタイミングで第1の燃料噴射弁14aからの第4の燃料噴射を終えるよう第4の燃料噴射終了時期としている。
なお、ここでは噴霧流入最終時期を所定値としているが、これに限らず、例えば運転状態に応じて変更するようマップで設定されているものを用いても良い。
なお、ここでは噴霧流入最終時期を所定値としているが、これに限らず、例えば運転状態に応じて変更するようマップで設定されているものを用いても良い。
以上説明した実施の形態1の吸気行程噴射条件成立時、吸気バルブ通過流速VVの挙動より第1の燃料噴射弁14aにおいて第1の燃料噴射のための第1の燃料噴射開始時期と第1の燃料噴射期間、および第4の燃料噴射のための第4の燃料噴射終了時期と第4の燃料噴射期間を設定し、第2の燃料噴射弁14bにおいて第2の燃料噴射のための第2の燃料噴射開始時期と第2の燃料噴射期間、および第3の燃料噴射のための第3の燃料噴射終了時期と第3の燃料噴射期間を設定する実行例を図9のタイミングチャートを用いて説明する。
まず初めに、(A)のタイミングにおいて、吸気バルブリフト量がピーク前であり、且つ、吸気バルブ通過流速が最小値となっていることから、第1の燃料噴射開始時期SOI1が設定される。次に(B)のタイミングにおいて、吸気バルブ通過流速が逆流から順流に転じるタイミングであり、噴霧偏向流速Th1を超えるタイミングであることから、第1の燃料噴射終了時期EOI1が設定される。
吸気バルブリフト量の増加に伴い吸気バルブ通過流速が増加していき、(C)のタイミングにおいて、吸気バルブ通過高流速下限値Th2を超えていることから、吸気バルブ通過流速VVが噴霧形状への影響が強くなり、設置時に若干下向きに設置した第2の燃料噴射弁14bから噴射された燃料は、噴霧が流動に流されて吸気バルブ中心近傍に拡散するようになるため、第2の燃料噴射弁14bからの第2の燃料噴射開始時期SOI2を設定する。
更に、(D)のタイミングでは、吸気バルブリフト量が閉弁挙動に移り、吸気バルブ通過高流速下限値Th2を下回っていることから、これ以上第2の燃料噴射弁14bから燃料を噴射しても噴霧が流されずに吸気ポート壁面に付着してしまうため、第2の燃料噴射弁14bからの第3の燃料噴射を終えるよう第3の燃料噴射終了時期EOI3を設定する。
最後に、(E)のタイミングにおいて、吸気バルブ通過流速VVが噴霧流入最終時期Th3を下回っており、吸気バルブ通過流速プロフィールVVが極端に弱く、これ以上第1の燃料噴射弁14aから燃料を噴射しても噴霧が筒内に流入しないため、第1の燃料噴射弁14aからの第4の燃料噴射を終えるよう第4の燃料噴射終了時期EOI4を設定する。
(E)のタイミング後、設定されたSOI1、EOI1、SOI2、EOI3、EOI4から各燃料噴射に対する噴射期間DOI1〜DOI4を求め、次サイクルにおいて、設定された燃料噴射時期、燃料噴射期間によって、第1および第2の燃料噴射弁14bが制御される。これにより、偏向および分布のムラの抑制を狙った燃料噴射をすることで、筒内における混合気をより均質にすることができ、その結果排ガス、燃費、およびドラビリの向上が可能となる。
以上詳述したように、実施の形態1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、吸気行程噴射モードにおいて、吸気バルブ開弁中に変化する吸気バルブ通過流速に応じて、第1の燃料噴射によって吹き戻し期間中に噴霧を吸気バルブ近傍に滞留させて吹き戻し終了後に素早く筒内に流入させ、第2の燃料噴射によって吸気バルブ中心から外した方向に噴射して強い流動で噴霧を吸気バルブ中心へと導くことで筒内への混合気流入の偏りを抑制させ、第4の燃料噴射によって比較的弱まった流動によって吸気ポートに残留する燃料噴霧を抑制させることで各噴射時における混合気均質性を向上することができる。
また、吸気バルブ開弁中に偏りのないタイミングで第1、第2、第4の燃料噴射を実行する。このため、各噴射時に均質性が向上した混合気が偏りのないタイミングで筒内に流入させることができると共に、着火直前の筒内における混合気をより均質にすることができ、その結果排ガス、燃費、およびドラビリを向上することができる。
更に、第2の燃料噴射を第2および第3の燃料噴射とするように噴射のタイミングを2分割することで、吸気バルブ開弁中に更に偏りの少ないタイミングで混合気を筒内に流入させ、着火直前の筒内における混合気をより均質にすることができ、その結果排ガス、燃費、およびドラビリを向上することができる。
なお、上記においてこの発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置について説明したが、この発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 エンジン、2 シリンダ、3 ピストン、4 燃焼室、5 クランク軸、6 クランク角センサ、7 水温センサ、8 吸気マニホールド、8a 第1の吸気ポート、8b 第2の吸気ポート、9 排気マニホールド、10 吸気バルブ、11 排気バルブ、12
吸気可変バルブ機構、13 排気可変バルブ機構、14 燃料噴射弁、14a 第1の燃料噴射弁、14b 第2の燃料噴射弁、15 点火プラグ、16 点火コイル、17 サージタンク、18 スロットルバルブ、19 ブースト圧センサ、20 ECU、21
吸気バルブ通過流速推定手段、22 噴霧滞留噴射開始時期算出手段、23 噴霧偏向開始時期算出手段、24 噴霧流入最終時期算出手段、25 吸気バルブ通過高流速時期算出手段、26 吸気バルブ通過高流速終了時期算出手段、27 第1燃料噴射弁噴射制御手段、28 第2燃料噴射弁噴射制御手段
吸気可変バルブ機構、13 排気可変バルブ機構、14 燃料噴射弁、14a 第1の燃料噴射弁、14b 第2の燃料噴射弁、15 点火プラグ、16 点火コイル、17 サージタンク、18 スロットルバルブ、19 ブースト圧センサ、20 ECU、21
吸気バルブ通過流速推定手段、22 噴霧滞留噴射開始時期算出手段、23 噴霧偏向開始時期算出手段、24 噴霧流入最終時期算出手段、25 吸気バルブ通過高流速時期算出手段、26 吸気バルブ通過高流速終了時期算出手段、27 第1燃料噴射弁噴射制御手段、28 第2燃料噴射弁噴射制御手段
Claims (2)
- 内燃機関の燃焼室に空気を吸入する第1および第2の吸気ポートと、
上記燃焼室と上記第1および第2の吸気ポートとの間を開閉する吸気バルブと、
上記第1および第2の吸気ポートに一つずつ設置されて燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備え、
上記燃料噴射弁を、燃料噴射方向が上記吸気バルブの中心に向けて設置された第1の燃料噴射弁と、上記第1の燃料噴射弁による燃料噴射方向より、上記第1および第2の吸気ポートを通過する吸気流動と燃料噴霧の衝突する角度が垂直方向に近づくように燃料噴射方向をずらして設置された第2の燃料噴射弁で構成した内燃機関の制御装置において、
上記内燃機関の運転状態に応じて上記吸気バルブを通過する流速を推定する吸気バルブ通過流速推定手段と、
上記吸気バルブの通過流速が、上記燃焼室から上記第1および第2の吸気ポートへの逆流が最も強くなる流速となる時期を噴霧滞留噴射開始時期として算出する噴霧滞留噴射開始時期算出手段と、
上記吸気バルブの通過流速が、上記第1の燃料噴射弁による燃料噴霧が吸気流動によって上記吸気バルブの円周方向に均一に流入しなくなることを示す予め設定された噴霧偏向流速を超える時期を噴霧偏向開始時期として算出する噴霧偏向開始時期算出手段と、
上記吸気バルブの通過流速が、上記吸気バルブの閉弁直前において燃料噴霧が筒内に流入する限界の流速を示す予め設定された噴霧流入限界流速を下回る時期を噴霧流入最終時期として算出する噴霧流入最終時期算出手段と、
上記吸気バルブの通過流速が、高流速であり燃料噴霧が強く流されることを示す予め設定された吸気バルブ通過高流速下限値を越える時期を吸気バルブ通過高流速時期として算出する吸気バルブ通過高流速時期算出手段と、
上記第1の燃料噴射弁による燃料噴射を、上記吸気バルブの開弁中において、上記噴霧滞留噴射開始時期で噴射を開始し、上記噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射と、残りの噴射量を上記噴霧流入最終時期で噴射を終了する燃料噴射とする第1燃料噴射弁噴射制御手段と、
上記第2の燃料噴射弁による燃料噴射を、上記吸気バルブの開弁中において、上記噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射以降で、且つ、上記吸気バルブ通過高流速時期で燃料の噴射を開始する燃料噴射とする第2燃料噴射弁噴射制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 上記吸気バルブの通過流速が、上記吸気バルブ通過高流速下限値を下回る時期を吸気バルブ通過高流速終了時期として算出する吸気バルブ通過高流速終了時期算出手段を備えると共に、
上記第2燃料噴射弁噴射制御手段を、上記噴霧偏向開始時期で噴射を終了する燃料噴射以降で、且つ、上記吸気バルブ通過高流速時期で噴射量の所定割合の噴射を開始する燃料噴射と、残りの噴射量を上記吸気バルブ通過高流速終了時期で噴射を終了する燃料噴射とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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