JP2018532020A - (ペル)フルオロポリエーテル変性ポリアミドの製造方法及びそのような方法で得ることができるポリアミド - Google Patents

(ペル)フルオロポリエーテル変性ポリアミドの製造方法及びそのような方法で得ることができるポリアミド Download PDF

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Abstract

本明細書では、フッ素化ポリアミドを提供するための方法が提供される。方法は、水素化モノカルボン酸及び/又は水素化モノアミンの存在下での、アミノ官能基又は酸官能基を含む(ペル)フルオロポリエーテルと、水素化ジカルボン酸並びにジアミン及び/若しくはアミノ酸又はラクタムの混合物との共重合を想定する。反応混合物の官能価の適切な選択により、16,000未満の平均分子量(M)及び5重量%〜50重量%の範囲のPFPEセグメントの含有量を有するフッ素化ポリアミドが得られる。これらのポリアミドは、有利には、成形物品へと形成され得るブレンド物を提供するために、他のポリアミド、特に非フッ素化ポリアミドのための添加剤として使用され得る。
【選択図】なし

Description

先行出願の相互参照
本出願は、インド国仮特許出願第4223/MUM/2015号明細書(2015年11月5日出願)、及び欧州特許出願公開第16150135.8号明細書(2016年1月5日出願)に対する優先権を主張し、これらの各出願の内容全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、ポリアミドに関し、特に他のポリアミドのための添加剤として有用なフッ素含有ポリアミドに関する。
熱可塑性ポリアミドは、主に自動車及び電子部品の製造並びに包装の分野でエンジニアリングプラスチックとして広く使用されている。これらの用途のために、ポリアミドは、
− 高い疎水性及び疎油性、
− 低い脆性(又は高い衝撃強さ)、すなわち特に低温又は機械的応力に曝された際の割れにくい傾向、
− 低い摩擦係数、
− 良好な流動性、並びに
− 良好な加工性
を有することが多くの場合に必要とされる。そのような特性を得るために、完成したポリアミドが添加剤(例えば、脆性を減らすことが望まれる場合には可塑剤又は耐衝撃性改良剤)とブレンドされる場合があり、又はこれらが特定のコモノマーの存在下で合成される場合がある。しかし、添加剤の組み込み又は特定のコモノマーの使用は、むしろ保持するか又は更に増加させることが望ましい他の特性(疎水性及び疎油性など)を変えるか又は低下させる場合がある。
官能性(ペル)フルオロポリエーテル(以降では「PFPE」という)が、懸念されるポリマーの特定の物理的/化学的特性を修正するための他のポリマー用の添加剤として、又は添加剤製造のためのコモノマー(多くの場合に「コマクロマー」と呼ばれる)として使用できることは当該技術分野で公知である。
例えば、次の特許文献は、重合中にコマクロマーとして官能性PFPEを使用し、それにより、これに共有結合したPFPEを有する変性ポリマー(すなわちポリウレタン(PU)、ポリウレタン/ポリエステル(PU/PE)又はポリエステル(PE))を得ることを教示している:欧州特許出願公開第1864685A号明細書(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)、米国特許第5476910号明細書(AUSIMONT S.P.A.)、米国特許第5686522号明細書(AUSIMONT S.P.A.)、及び米国特許第5109103号明細書(AUSIMONT S.P.A.)。
米国特許第6127498号明細書(AUSIMONT S.P.A.)には、モノマー、オリゴマー、又はポリマーを、一官能性PFPE鎖を含有するPFPE誘導体と重縮合反応若しくは重付加反応することにより、又はグラフト化することにより得ることができる変性水素化ポリマーであって、反応性末端基Tが、アミド基を含んでいてもよい二価のラジカルAを介してPFPE鎖に結合している、変性水素化ポリマーが開示されている。変性ポリマーは、改善された表面特性を有する物品の製造のために使用することができる。この文献では、ポリアミドについて具体的に述べられておらず、またAがアミド基を含む変性ポリマーに関する実施例も示されていない。
国際公開第2009/010533号パンフレット(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)には、任意選択的に置換された芳香族基を含む水素化ポリマーをPFPEペルオキシドと反応させることによって得られるポリマーが開示されている。得られるポリマー中では、芳香環は非加水分解性の共有結合を介してPFPE鎖と連結している。前記ポリマーは、高温及び酸化媒体に対する改善された安定性、改善された耐薬品性、並びに改善された表面特性を有する。PFPEペルオキシドと反応する水素化ポリマーがポリアミドの場合があるとしても、この文献には、PFPE鎖がアミド結合を介して水素化ポリマーと連結しているポリマーについての記述も示唆も存在しない。
米国特許第3876617号明細書(MONTEDISON S.P.A.)には、式:
HOOC−CFO−(CO)−(CFO)−CFCOOH
(式中、l及びnは、CO/CFOの比率が0.2〜1.5の範囲になるように選択される整数である)
のPFPE二酸、好ましくは反応性誘導体の形態である二酸をジアミンと反応させることによって得ることができるエラストマー性のポリアミド及びコポリアミドが開示されている。特に、米国特許第3876617号明細書では、3つ以上のカルボキシル基などの官能基を二官能性単位に対する数で最大30%の程度まで有する追加的なモノマー単位もポリアミドが含み得ることが述べられている。これらのポリアミド中に含まれているPFPE二酸の量は多く、そのため、得られるポリアミドはエラストマー特性を有する。更に、この文献には、PFPE二酸とジアミンとポリカルボン酸との反応により得られるポリアミドは具体的に開示されていない。
国際公開第2010/049365号パンフレット(SOLVAY SOLEXIS S.P.A)は、水素化ポリマーに優れた表面特性(特に低摩擦係数)を付与するための添加剤としての、PFPEセグメントと非フッ素化セグメントとを含むポリマーに関する(第1ページ第1行目〜第3行目)。非フッ素化セグメントは、少なくとも25℃の温度で融解する少なくとも1つの結晶相を有する。この文献は、特に、非フッ素化ジアミンを、ジアミンの官能基のアミノ基と等しい当量のアミノ基において、エステル又はカルボキシル官能基を有するPFPEと反応させることによって得ることができるポリアミド添加剤を開示している(第10ページ第5行目〜第8行目参照)。この文献には、水素化ジアミン及び水素化二酸とのPFPE二酸の共重合は開示されていない。更に、これらのポリマー中の高含有量のフッ素を鑑みると、添加剤(又は他にマスターバッチとして言及される)としてこれらを使用するには、これらを水素化ポリマー中で最初に希釈しなければならないことが理解される。
米国特許第5143963号明細書(RES DEVELOPMENT CORP)には、熱可塑性ポリマーと0.01重量%〜1重量%未満のフルオロカーボン添加剤との溶融ブレンドによって形成される組成物であって、フルオロカーボン添加剤が組成物の表面でより高い濃度を有している事実のため、添加剤がポリマーより小さい表面エネルギーを有している、組成物が開示されている。熱可塑性ポリマーはポリアミドであってもよく(第4欄、第31行目〜第39行目)、またフルオロカーボン添加剤はPFPEであってもよい(第5欄、第2行目〜第3行目)。この文献は、PFPEセグメントを組み込んだポリアミドを開示も示唆もしていない。
国際公開第99/23148号パンフレット(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY)は、熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン組成物を含有する耐摩耗性の物品及び前記物品の製造方法に関する(第1ページ、第5行目及び第6行目)。これには、ポリマー中にフルオロカーボンを取り込むと、「高分子添加剤をフルオロカーボンで表面処理することと比較して、有益な効果の寿命又は永続性が大幅に向上する」ことが教示されている。第6ページ第9行目〜第17行目で具体的に述べられている熱硬化性ポリマーの中には、ポリアミドは記述されていない。
国際公開第91/03523号パンフレット(COATES BROTHERS PLC)には、フッ素含有ポリアミドを含むコーティング組成物が開示されている。ポリアミドは、ポリカルボン酸成分と、ポリアミン成分と、一般的に最終的なポリアミドの分子量を制御するためのモノカルボン酸又はモノアミンとの重縮合によって得ることができる。フッ素原子は1種以上の反応物由来であってもよく、又は重縮合中若しくはその後に導入されてもよい。このように文献には、ポリカルボン酸成分又はポリアミン成分が完全に又は部分的にフッ素化されたポリエーテルのカルボキシル又はアミノ誘導体であるポリアミドに関する暗示も示唆も全く与えられていない。
国際公開第2015/097076号パンフレット(SOLVAY SPECIALTY POLYMERS ITALY,S.P.A.)には、モノマー(A)及び(B)由来の繰り返し単位を含むポリアミドであって、
モノマー(A)が、
(i)混合物であって、
− 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はその誘導体と、
− 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[酸(DA)]、又はその誘導体と
の混合物、
(ii)1種以上のアミノ酸[アミノ酸(AN)]又はラクタム[ラクタム(L)]
の少なくとも1種から選択され、
モノマー(B)が、PFPE−ジアミン(PFPE−NN)及びPFPE−ジカルボン酸(PFPE−DA)から選択される少なくとも1種の(PFPE−M)モノマーである、ポリアミドが開示されている。
これらのポリアミドは、モノマー(B)の量が、モノマー(A)及び(B)の全体の重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲であることを特徴とする。
そのため、この文献は、ポリアミドの特性(特に表面特性、耐薬品性)を改善するために及び脆性を低下させるために、モノマーの総重量に対して10重量%に達してもよい量のPFPEを組み込むことによってポリアミドを変性することを教示している。この文献は、PFPEモノマーが少なくとも1.80、好ましくは少なくとも1.95の平均官能価(F)を有することを教示している。
物理的/化学的特性を改善するために、多い量のPFPE単位を含み、他のポリアミド、特に非フッ素化ポリアミドのための添加剤として使用され得る更なる変性ポリアミドを提供することが望ましいであろう。
本出願人は、ここで、(ペル)フルオロポリエーテルセグメントを含む更なるポリアミド[ポリアミド(F−PA)]を製造するための簡便な方法[方法(M)]を見出した。方法(M)によって得られるポリアミド(F−PA)は、国際公開第2015/097076号パンフレットに開示されているポリアミドよりも小さい分子量を有しており、多量のフッ素を含んでおり、且つ他のポリアミドのための添加剤として便利に使用され得る。
方法(M)は、
− 水素化モノカルボン酸又は水素化モノアミンの存在下での、
− 水素化ジアミン及び水素化ジカルボン酸(又は水素化アミノ酸又はラクタムのもの)、
− 一官能性種及び/又は二官能性種を含むPFPEアミノ又はカルボキシル誘導体
の混合物の共重合を想定し、
且つ反応混合物の平均官能価(FRM)が1.96未満であるように試薬の量が選択されることを特徴とする。
これらの条件下では、最大でも16,000(M)の分子量が得られるようにポリアミド鎖の成長を抑制することが可能であることが実際に観察された。
方法(M)で得られるポリアミド(F−PA)は2つの末端を有し、その少なくとも1つは、水素化モノカルボン酸又はモノアミン由来のエンドキャッピング基を含み、任意選択的にPFPEアミノ若しくはカルボキシル誘導体中に存在する一官能性種由来のエンドキャッピング基を含む。
方法(M)で得られるポリアミド(F−PA)は、本発明の追加的な態様である。
本発明の追加的な態様は、ポリアミドブレンド物[ブレンド物(B)]の製造のための添加剤としてのポリアミド(F−PA)の使用、及びそのようなブレンド物から得られる形成物品である。
全般的な定義及び記号
明確化のために、本出願全体を通じ、
− 本発明の各包括的な実施形態への任意の言及は、特段の指示がない限り、それぞれの包括的な実施形態に含まれる各具体的な実施形態を含むことが意図されており、
− 用語「(ペル)フルオロポリエーテル」は、完全に又は部分的にフッ素化されたポリエーテルを意味し、
− 「PFPE」は「(ペル)フルオロポリマー」、すなわち完全に又は部分的にフッ素化されたポリエーテルを意味し、名詞的に使用される場合、1つの「PFPE」及び複数の「PFPE」はそれぞれ単数形又は複数形を意味し、
− 化合物又は式を特定する記号又は数字の前後の括弧「()」の使用、例えば「ポリアミド(F−PA)」、「ジアミン(NN)」、「二酸(AA)]等...は、文章の残りからそれらの記号又は番号を区別し易くする目的を有しているに過ぎず、そのため、前記括弧は省略され得、
− 「エンドキャッピング基」は、ポリアミド(F−PA)の一端又は両端に存在する末端基である。この基は、水素化モノカルボン酸又はモノアミンと、任意選択的なPFPEアミノ又はカルボキシ誘導体中の一官能性種を、ポリアミド鎖の一端又は両端の最後のアミノ基又はカルボキシ基と縮合反応させてアミド結合を形成することにより形成され、
− 数値範囲が示される場合には範囲端が含まれ、
− 「シクロアルキル基」は、水素原子を取り除くことによってシクロアルカンから誘導される一価の基であり、そのため、シクロアルキル基は、環中に含まれる炭素原子の自由電子である1つの末端を含み、これは別の化学基と結合を形成することができ、
− 「二価のシクロアルキル基」は、環中の2つの異なる炭素から2個の水素原子を取り除くことによってシクロアルカンから誘導される二価のラジカルであり、そのため、二価のシクロアルキル基は2つの末端を含み、それぞれ別の化学基と結合を形成することができ、
− 形容詞「芳香族」は、4n+2(ここで、nは、0又は任意の正の整数である)に等しい数のπ電子を有する任意の単核又は多核環基(又は部分)を意味し、芳香族基(又は部分)は、アリール又はアリーレン基(又は部分)であり得、
− 「アリール基」は、1つのベンゼン環から、又は2つ以上の隣接環炭素原子を共有することによって一緒に縮合した複数のベンゼン環からなる1つのコアから、及び1つの末端からなる炭化水素一価基である。アリール基の非限定的な例は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、テトラセニル、トリフェニリル、ピレニル、及びペリレニル基である。アリール基の末端は、アリール基のベンゼン環に含有される炭素原子の自由電子であり、ここで、前記炭素原子に結合していた水素原子は除去されている。アリール基の末端は、別の化学基と結合することができ、
− 「アリーレン基」は、1つのベンゼン環から、又は2つ以上の隣接環炭素原子を共有することによって一緒に縮合した複数のベンゼン環からなる1つのコアから、及び2つの末端からなる炭化水素二価基である。アリーレン基の非限定的な例は、フェニレン、ナフチレン、アントリレン、フェナントリレン、テトラセニレン、トリフェニリレン、ピレニレン、及びペリレニレンである。アリーレン基の末端は、アリーレン基のベンゼン環に含有される炭素原子の自由電子であり、ここで、前記炭素原子に結合していた水素原子は除去されている。アリーレン基の各末端は、別の化学基と結合を形成することができ、
− 「1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はその誘導体」、「1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[二酸(AA)]、又はその誘導体」、及び「少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のモノアミン[アミン(N’)]、又はその誘導体であるか、或いは少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式又は芳香族のモノカルボン酸[酸(A’)]である化合物(C)」という表現中の形容詞「水素化された」は、脂肪族種[すなわち脂肪族ジアミン(NN)、脂肪族二酸(AA)、脂肪族アミン(N’)、及び脂肪族酸(A’)を意味し、これらの種中のアルキレン鎖又はアルキル鎖が炭素原子及び水素原子のみを含むことを示すために使用され、
− モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)について言及する「又はその誘導体」という表現は、アミド基を形成することが可能な誘導体を指すことが意図されている。
方法(M)
第1の態様では、本発明は、
(a)モノマー(A)であって、
(i)混合物であって、
− 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はその誘導体と、
− 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[二酸(AA)]、又はその誘導体と
の混合物、
(ii)1種以上のアミノ酸[アミノ酸(AN)]若しくはその誘導体又はラクタム[ラクタム(L)]
の少なくとも1つから選択されるモノマー(A)と共に、
(b)モノマー(B)であって、
− PFPEジアミン(PFPE−MN)及びPFPEモノアミン(PFPE−N)又はその誘導体の混合物[混合物(MN)]、及び
− PFPEジカルボン酸(PFPE−AA)及びPFPEモノカルボン酸(PFPE−A)又はその誘導体の混合物[混合物(MA)]
の少なくとも1つから選択される(ペル)フルオロポリエーテル混合物(PFPE−M)であるモノマー(B)
を、任意選択的に、
(c)化合物(C)であって、少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のモノアミン[アミン(N’)]、又はその誘導体、或いは少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のモノカルボン酸[酸(A’)]、又はその誘導体である化合物(C)
の存在下で共重合することを含む、好ましくはそれからなる、フッ素化ポリアミド(F−PA)の製造の方法(M)において、モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)の混合物[以降では「反応混合物(MR)」]の平均官能価(FRM)が1.96未満であることを特徴とする、方法(M)に関する。
平均官能価(FRM)は、次式に従う、モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)の全体の当量と、モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)の全体のモル数との間の比率である。
(FRM)=[式(A)+式(B)+式(C)]/[モル(A)+モル(B)+モル(C)]
モノマー(A)
ジアミン(NN)は、通常、1級及び2級のアルキレンジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
ジアミン(NN)は、典型的には一般式(NN−I)
(NN−I)R−HN−R−NH−R’
(式中、
− R及びR’が、互いに等しいか又は異なり、水素、上で定義した直鎖又は分岐のC〜C20アルキル及びアリールから選択され、好ましくはフェニルであり、
− Rが、(i)2〜36個の炭素原子を有し、任意選択的に上で定義した1つ以上の二価のシクロアルキル基又はアリーレン基を含む直鎖若しくは分岐の脂肪族アルキレンン鎖、(ii)二価のシクロアルキル基、又は(iii)上で定義したアリーレン基である)
に従う。
アミン(NN−I)中、二価のシクロアルキル基は、好ましくは3〜6個の炭素原子を含み、任意選択的に1つ以上の酸素原子又は硫黄原子を含む。
ある実施形態では、ジアミン(NN)は1級アルキレンジアミンである。1級アルキレンジアミンは、有利には、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、プロピレン−1,3−ジアミン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−1,1−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−1−エチルブタン、1,4−ジアミノ−1,2−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−1,3−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−1,4−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−2,3−ジメチルブタン、1,2−ジアミノ−1−ブチルエタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノ−オクタン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−3,3−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,2−ジメチルヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,8−ジアミノ−2−メチルオクタン、1,6−ジアミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,4,4−トリメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,3−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,4−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,2−ジメチルヘプタン、1,10−ジアミノデカン、1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−1,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−2,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−3,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,5−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−2,2−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−3,3−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,4−ジメチルオクタン、1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘキサン、1,9−ジアミノ−5−メチルノナン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、及び1,13−ジアミノトリデカンからなる群から選択される。脂肪族アルキレンジアミンは、好ましくは、1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のジアミンを含む。より好ましくは、脂肪族アルキレンジアミンは、1,2−ジアミノエタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,10−ジアミノデカン、及びこれらの混合物から選択される。
アルキレン鎖がアリーレン基を含む1級アルキレンジアミンの例は、メタ−キシレンジアミン(MXDA)、及びパラ−キシレンジアミンである。より好ましくは、ジアミンはMXDAである。
別の実施形態では、ジアミン(NN)は二級ジアミンである。二級ジアミンの非限定的な例は、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、及びN,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミンである。
ジアミン(NN)の誘導体は、方法(M)を行うために使用され得、そのような誘導体には、特に同様にアミド基を形成することが可能なその塩が含まれる。
二酸(AA)は、脂肪族ジカルボン酸[酸(AL)]であってもよく、又は上で定義した少なくとも1つのアリール基若しくはアリーレン基を含むジカルボン酸[酸(AR)]であってもよい。二酸(AR)の非限定的な例は、特に、フタル酸(イソフタル酸(IA)及びテレフタル酸(TA)など)、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ケトン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸など)である。酸(AL)の中でも、特にシュウ酸(HOOC−COOH)、マロン酸(HOOC−CH−COOH)、コハク酸[HOOC−(CH−COOH]、グルタル酸[HOOC−(CH−COOH]、2,2−ジメチルグルタル酸[HOOC−C(CH−(CH−COOH]、アジピン酸[HOOC−(CH−COOH]、2,4,4−トリメチル−アジピン酸[HOOC−CH(CH)−CH−C(CH−CH-COOH]、ピメリン酸[HOOC−(CH5−COOH]、スベリン酸[HOOC−(CH−COOH]、アゼライン酸[HOOC−(CH−COOH]、セバシン酸[HOOC−(CH−COOH]、ウンデカン二酸[HOOC−(CH−COOH]、ドデカン二酸[HOOC−(CH10−COOH]、テトラデカン二酸[HOOC−(CH12−COOH]、オクタデカン二酸[HOOC−(CH16−COOH]、2,5−フランジカルボン酸、及びテトラヒドロフラン−2,5−ジカルボン酸を挙げることができる。好ましくは、二酸(AA)は上で詳述した酸(AL)である。酸(AL)の好ましい例はアジピン酸及びセバシン酸であり、より好ましくは、酸(AL)はアジピン酸である。
二酸(AA)の誘導体は、方法(M)を行うために使用され得、そのような誘導体としては、特にアミド基を形成することが可能な塩、無水物、エステル、及び酸ハライドが挙げられる。
ポリアミド(PA)の製造のために適切なアミノ酸(AN)の中でも、6−アミノ−ヘキサン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸からなる群から選択されるものを挙げることができる。アミノ酸の誘導体(AN)も方法(M)を行うために使用され得、そのような誘導体としては、特にアミド基を形成することが可能な塩、エステル、及び酸ハライドが挙げられる。
ポリアミド(PA)の製造のために適切なラクタム(L)の中でも、β−ラクタム及びε−カプロラクタムを挙げることができる。
モノマー(B)(PFPE−M)
混合物(MN)は、2つの鎖末端を有する完全に又は部分的にフッ素化されたポリアルキレンオキシ鎖[(ペル)フルオロポリオキシアキレン鎖(R)]を含むフルオロポリマーの混合物であり、一方又は両方の鎖末端が、アミノ基、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体(特に塩)を含む。混合物(MN)は、極微量の非官能性種、すなわち完全に又は部分的にフッ素化された直鎖又は分岐のポリアルキレンオキシ鎖[(ペル)フルオロポリオキシアキレン鎖(R)であって、両端が非官能性基を有する、ポリアルキレンオキシ鎖[(ペル)フルオロポリオキシアキレン鎖(R)も含み得る。
混合物(MA)は、2つの鎖末端を有する完全に又は部分的にフッ素化された直鎖又は分岐のポリアルキレンオキシ鎖[(ペル)フルオロポリオキシアキレン鎖(R)]を含むフルオロポリマーの混合物であり、一方又は両方の鎖末端が、−COOH基、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体を含み、好ましくは、誘導体はエステル誘導体である。混合物(MA)は、極微量の非官能性種、すなわち完全に又は部分的にフッ素化された直鎖又は分岐のポリアルキレンオキシ鎖[(ペル)フルオロポリオキシアキレン鎖(R)であって、両端が非官能性基を有する、ポリアルキレンオキシ鎖[(ペル)フルオロポリオキシアキレン鎖(R)も含み得る。
混合物(PFPE−M)中の一官能性及び二官能性のポリマー、並びに任意選択的な非官能性のポリマーの量は、平均官能価[以降では(F)]によって表され、これは、
(F)=[2×モルの(PFPE−AA)又は(PFPE−NN)+1×モルの(PFPE−A)又は(PFPE−N)/(非官能性PFPEのモル数+(PFPE−A)又は(PFPE−N)のモル数+(PFPE−AA)又は(PFPE−N)のモル数]
と定義される。
平均官能価(F)は、当該技術分野で公知の手法に従って、例えば適切な修正を加えた米国特許第5910614号明細書(AUSIMONT SPA)の教示に従ってH−NMR及び19F−NMR分析により計算することができる。
典型的には、方法(M)で使用される混合物(PFPE−M)は、少なくとも1.80の平均官能価(F)を有し、有利には、(F)は、1.80〜1.95、より有利には1.85〜1.90の範囲である。
鎖(R)は、少なくとも1つのカテナリーエーテル結合と少なくとも1つのフルオロカーボン部位とを有する繰り返し単位R°を含み、鎖に沿ってランダムに分布している前記繰り返し単位は、
(i)−CFXO−(式中、XがF又はCFである)、
(ii)−CFXCFXO−(式中、Xが、各存在で等しいか又は異なり、F又はCFであり、ただし、Xの少なくとも1つが−Fである)、
(iii)−CFCFCW°O−(式中、W°のそれぞれが、互いに等しいか又は異なり、F、Cl、Hである)、
(iv)−CFCFCFCFO−、
(v)−(CF−CFZ−O−(式中、jが0〜3の整数であり、及びZが一般式−OR T°の基であり、ここで、R が、0〜10の数の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルケン鎖であり、前記繰り返し単位が、以下:−CFXO−、−CFCFXO−、−CFCFCFO−、−CFCFCFCFO−(ここで、Xのそれぞれが独立にF又はCFである)の中から選択され、T°が、C〜Cペルフルオロアルキル基である)
からなる群から選択される。
好ましくは、鎖(R)は、以下の式:
(R−I)
−(CFXO)g1(CFXCFXO)g2(CFCFCFO)g3(CFCFCFCFO)g4
(式中、
− Xが、−F及び−CFから独立して選択され、
− X、Xが、互いに及び各存在で等しいか又は異なり、独立に−F、−CFであり、ただし、Xの少なくとも1つが−Fであり、
− g1、g2、g3、及びg4が、互いに等しいか又は異なり、独立して、g1+g2+g3+g4が2〜300、好ましくは2〜100の範囲であるような0以上の整数であり、g1、g2、g3及びg4の少なくとも2つがゼロと異なる場合、異なる繰り返し単位が鎖に沿って概して統計的に分布している)
に従う。
より好ましくは、鎖(R)は、式:
(R−IIA)−(CFCFO)a1(CFO)a2
(式中、
− a1及びa2が、独立して、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるような0以上の整数であり、a1及びa2の両方が、好ましくはゼロと異なり、比a1/a2が、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.3〜3に含まれる)、
(R−IIB)−(CFCFO)b1(CFO)b2(CF(CF)O)b3(CFCF(CF)O)b4
(式中、
b1、b2、b3、b4が、独立して、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるような0以上の整数であり、好ましくは、b1が0であり、b2、b3、b4が0より大きく、比b4/(b2+b3)が1以上である)、
(R−IIC)−(CFCFO)c1(CFO)c2(CF(CFcwCFO)c3
(式中、
cw=1又は2であり、
c1、c2、及びc3が、独立して、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるように選択される0以上の整数であり、好ましくは、c1、c2及びc3が全て0より大きく、比c3/(c1+c2)が概して0.2より小さい)、
(R−IID)−(CFCF(CF)O)
(式中、
dが、数平均分子量が400〜10,000、好ましくは400〜5,000であるような0より大きい整数である)、
(R−IIE)−(CFCFC(Hal)O)e1−(CFCFCHO)e2−(CFCFCH(Hal)O)e3
(式中、
− Halが、各存在で等しいか又は異なり、フッ素原子及び塩素原子から選択されるハロゲン、好ましくはフッ素原子であり、
− e1、e2、及びe3が、互いに等しいか又は異なり、独立して(e1+e2+e3)の和が2〜300に含まれるような0以上の整数である)
の鎖から選択される。
更により好ましくは、鎖(R)は、以下の式(R−III):
(R−III)−(CFCFO)a1(CFO)a2
(式中、
− a1及びa2が、数平均分子量が400〜5,000であるような0より大きい整数であり、比a2/a1が概して0.3〜3の範囲である)
に従う。
混合物(PFPE−M)は、好ましくは以下の一般式(I):
(I)A−O−R−A’
に従い、式中、
− Rが、上で定義した通りであり、
− A及びA’が、互いに等しいか又は異なり、C〜Cハロアルキル基を表し、典型的には−CF、−CFCl、−CFCFCl、−CCl、−CFBr、及び−CFCF、又は式:
CF−L−Tの基
から選択され、
式中、
− Lが、
(a)任意選択的にO、N、S、及びPから選択される1つ以上のヘテロ原子並びに/又は式−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−C(O)NH−、−NHC(O)NH−、及び−C(O)S−の1つ以上の基を含むC〜C20の直鎖又は分岐のC〜C20アルキレン鎖(Calk)であって、任意選択的に本明細書の下で定義する(ヘテロシクロ)脂肪族環(Rali)又は(ヘテロシクロ芳香族)環(Rar)を含む、C〜C20の直鎖又は分岐のC〜C20アルキレン鎖(Calk)、
(b)任意選択的に1つ以上の直鎖又は分岐のアルキル基、好ましくはC〜Cのアルキル基で置換され、任意選択的にN、O、Sから選択されるヘテロ原子又は式−C(O)−、−C(O)O−、及び−C(O)NHの基の1つ以上を含むC〜C10脂環式環(Rali)であって、任意選択的に1つ以上の直鎖又は分岐のアルキル基、好ましくはC〜Cのアルキル基で置換されていてもよい、本明細書の下で定義する追加的な環(Rali)又はC〜C12の芳香族若しくはヘテロ芳香族の環(Rar)に連結しているか又はこれらと縮合していてもよく、
− xが0又は1である、C〜C10脂環式環(Rali)、
(c)任意選択的にN、O、Sから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、任意選択的に1つ以上の直鎖又は分岐のアルキル基、好ましくはC〜Cのアルキル基で置換されたC〜C12の芳香族環(Rar)であって、任意選択的に別の等しいか又は異なる環(Rar)に連結しているかこれらと縮合していてもよい、C〜C12の芳香族環(Rar
から選択される二価のラジカルを表し、
− Tが、−COOH若しくは−NH基又は上で定義したその誘導体である。
典型的には、基CF−L−T中、xは1であり、連結基Lは次の基Wの1つを含み、前記基Wは、鎖(R)と、連結基L:−CHO−、−CHOC(O)NH−、−CHNR−(式中、Rが水素又は直鎖若しくは分岐のC〜Cアルキルである)、及び−C(O)NH−との間の−CF−基に直接結合している。式中のxが1であるモノマー(B)が、特にアミン(NN)及び酸(AA)との反応性及び適合性を有しているという点で、並びに熱的及び化学的に安定でもあるという点で有利であることが実際に観察された。
混合物(PFPE−M)の好ましい例は、A及び/又はA’が次の基から選択されるものである:
(a)−CFCHO−アルキレン−T、
(b)−CFCHO(アルキレン−O)−C alk−T、
(c)−CFCHO−アルキレン−C(O)NH−アルキレン−T、
(d)−CFCHNR−アルキレン−T、
(e)−CFCHNR(アルキレン−NR−C alk−T、
(f)−CFCHNR−アルキレン−C(O)O−アルキレン−T、
(g)−CFCHNR−アルキレン−C(O)NH−アルキレン−T、
(h)−CFC(O)NH−(C alk)−T、
(i)−CFC(O)NH−(R ali)−T、及び
(l)−CFC(O)NH−(R ar)−T
(式中、
− アルキレンが、C〜C20の直鎖又は分岐のC〜C20アルキレン鎖、好ましくはC〜C12の鎖であり、
− nが1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3の範囲の正の数(両端を含む)であり、
− Tが、上で定義した通りであり、
− Rが水素又は直鎖若しくは分岐のC〜C
− C alk、R ali、及びR arが、上で定義したCalk、Rali、及びRarと同じ意味を有する)。
式中のA及び/又はA’が式(b)の基である混合物(PFPE−M)では、好ましい(アルキレン−O)部位には、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−(CHO−、及び−(CHO−が含まれる。
式中のxが1であり、Lが−CHO−、−CHOC(O)NH−、及び−CHNR−(式中、Rが水素又は直鎖若しくは分岐のC〜Cアルキルである)から選択されるW基を含む混合物(PFPE−M)は、下記式(II)のPFPEアルコールを前駆体として使用することで得ることができる:
(II)Y−O−R−Y’
(式中、Rが、上で定義した通りであり、Y及びY’が、互いに等しいか又は異なり、C〜Cハロアルキル基、典型的には−CF、−CFCl、−CFCFCl、−CCl、−CFBr、及び−CFCFから選択されるハロアルキル基であるか、又は式−CFCHOHの基を表す)。
式(II)の好適なPFPEアルコールは、米国特許第3715378号明細書(MONTECATINI EDISON S.P.A.)及び米国特許第3665041号明細書(MONTEDISON S.P.A.)に記載のようなペル(ハロ)フルオロモノマーの光開始酸化重合(光酸化反応)によって合成することができる。典型的には、ペルフルオロポリエーテルの混合物は、3000Å未満の波長(A)でのUV照射下において、通常、−40℃未満である低温でヘキサフルオロプロピレン及び/又はテトラフルオロエチレンと酸素との組み合わせによって得ることができる。米国特許第3847978号明細書(MONTEDISON S.P.A.)及び米国特許第3810874号明細書に記載のような末端基のその後の変換は、特に光酸化反応からの粗生成物に対して行われる。光開始酸化重合によって製造されるPFPEアルコール(II)が二官能性及び一官能性のPFPEアルコール並びに非官能性(他に「中性」と呼ばれる)PFPEの混合物として得られることは当業者に知られている。PFPEアルコール(II)中に含まれる一官能性PPFPEアルコール及び中性PFPEは、鎖Rの一端又は両端に、上で定義したC〜Cハロアルキル基を有する。通常、中性PFPEの量は、二官能性、一官能性のPFPEアルコール及び中性PFPEの全体のモル量に対して0.04モル%未満である。そのため、PFPEアルコール(II)は、以下のように定義される平均官能価(F°)によって特徴付けられる:
[(2xPFPEアルコールのモル数)+一官能性PFPEアルコールのモル数]/二官能性PFPEアルコールのモル数+一官能性PFPEアルコールのモル数+中性PFPEのモル数。
そのため、官能価(F°)を有するPFPEアルコール(II)が、完全な変換及び100%の選択率での適切な反応相手との反応による混合物(PFPE−M)の前駆体として使用される場合、混合物(F)の官能価が(F°)に等しくなることが当業者に理解されるであろう。そのため、混合物(PFPE−M)は、それぞれのA若しくはA’の1つ又はAとA’との両方が、出発物質であるPFPEアルコール(II)の一端又は両端[式(II)中のY及びY’]にそれぞれ存在するC〜Cハロアルキル基と同じである、PFPE−A又はPFPE−N及び中性PFPEを更に含むであろう。
式中のWが−CHO−である混合物(PFPE−M)は、PFPEアルコール(II)と、式E−B−Tの化合物(式中、Eが脱離基を表し、Bが、C alk、R ali、及びR arから選択される基を表し、Tが、任意選択的に保護された形態であるアミノ又はカルボキシである)との反応によって得ることができる。適切な脱離基Eとしては、ハロゲン(好ましくは塩素及び臭素)、及びトリフルオロメタンスルホネートなどのスルホネートが挙げられる。−COOH基のための好ましい保護基はエステルである一方、−NH基のための好ましい保護基はアミド及びフタルイミドである。代替形態として、式(II)のPFPEアルコール中の末端ヒドロキシル基は、上で定義した脱離基Eへと変換することができ、式HO−B−Tの化合物(式中、B及びTが、上で定義した通りである)と反応することができる。
典型的には、式中のA及び/又はA’が上で定義した式(a)の基を表す混合物(PFPE−M)は、PFPEアルコール(II)と式E−C alk−Tの化合物(式中、E、C alk、及びTが、上で定義した通りである)との反応によって得ることができる。式中の基(a)が−CFCHO−CH−Tである(PFPE−AA)及び(PFPE−A)を含む混合物(PFPE−M)の好ましい例は、PFPE−ジオール(II)と2−ハロ酢酸のエステル(例えば2−クロロ酢酸エチル)との反応によって得ることができる。
式中のA及び/又はA’が上で定義した式(b)の基を表す混合物(PFPE−M)は、E−C alk−Tの化合物と反応させられるか、又はヒドロキシル末端基が上で定義した脱離基Eへと変換されられて式HO−C alk−Tの化合物と反応するヒドロキシル化合物を得るために、PFPEアルコール(II)とHO−アルケン−OH型のジオールとの縮合反応により、又はPFPEアルコール(II)とエチレンオキシド若しくはプロピレンオキシドとの開環反応により、合成することができる。
式中のA及びA’が上で定義した基(c)を表す混合物(PFPE−M)は、A及び/又はA’が基−CFCHO−アルキレン−COOH又はその誘導体である混合物(PFPE−M)と、式NH−アルキレン−T(式中、アルキレン及びTが、上で定義した通りである)のジアミン又はアミノ酸との反応によって合成することができる。
式中のxが1であり、Lが式−CHNHR−(式中、Rが、上で定義した通りである)のW基を含む混合物(PFPE−M)は、そのヒドロキシル末端基Eが脱離基Eへと変換されたPFPEアルコール(II)と、式RHN−B−T(式中、R、B、及びTが、上で定義した通りである)の化合物との反応によって得ることができる。
例えば、式中のA及び/又はA’が上で定義した式(d)の基を表す混合物(PFPE−M)は、PFPEアルコール(II)と、式RNH−アルキレン−Tのアミン(式中、R及びアルキレンが、上で定義した通りであり、Tが、任意選択的に保護された形態である)との反応によって合成することができる。
式中のA及び/又はA’が上で定義した式(e)の基を表す混合物(PFPE−M)は、PFPEアルコール(II)と、式RNH−(アルキレン−NRn−1アルキレン−NHRのポリアミン(式中、n及びRが、上で定義した通りである)との反応及びそれに続く式E−C alk−Tの化合物(式中、E、C、及びTが、上で定義した通りである)との反応によって合成することができる。
式中のA及び/又はA’が上で定義した式(f)の基を表す混合物(PFPE−M)は、PFPEアルコール(II)と、式RNH−アルキレン−Tのアミノ酸との反応及びそれに続く式HO−アルキレン−Tの化合物(式中、R及びTが、上で定義した通りである)との反応によって合成することができる。
式中のA及び/又はA’が上で定義した式(g)の基を表す混合物(PFPE−M)は、PFPEアルコール(II)と、式RNH−アルキレン−COOHのアミノ酸との反応及びそれに続く式NH−アルキレン−Tの化合物(式中、R及びTが、上で定義した通りである)との反応によって合成することができる。
代替形態として、式中のxが1であり、Lが式−CHNHR−のW基(式中、Rが、上で定義した通りである)を含む混合物(PFPE−M)は、PFPEアルコール(II)を例えばCFSOFなどとの反応により対応するスルホン酸エステル誘導体に変換し、下の式(III)のPFPEジアミンを得るためにスルホン酸ジエステルを無水液体アンモニアと反応させることによって得ることができる:
(III)Y’−O−R−CFCHNH
(式中、Rが、上で定義した通りであり、Y’が、−CFCHNHであるか、又は上で定義したYと同じである)。
PFPEジアミン(III)は、式E−B−Tの化合物(式中、E、B、及びTが、上で定義した通りである)と反応することができる。
式中のxが1であり、Lが式−C(O)NH−のW基を含む混合物(PFPE−M)は、下記式(IV)のPFPE二酸:
(IV)Y’’−O−R−CFCOOH
(式中、Rが、上で定義した通りであり、Y’’が、−CFCOOHであるか、又は上で定義したYと同じである)
又はその反応性誘導体、好ましくはエステル誘導体、典型的にはメチル若しくはエチルエステル誘導体を前駆体として使用して得ることができる。
PFPE酸(IV)の好適なPFPEエステル誘導体は、例えば米国特許第5371272号明細書(AUSIMONT SPA)に開示の通りに簡便に得ることができる。PFPEアルコール(II)と同様に、PFPE酸(IV)も二官能性、一官能性、及び中性の種の混合物として得られ、混合物(PFPE−M)の前駆体として使用されるPFPE酸(IV)の官能価が、PFPEジオール(II)について上で説明したのと同様に、そのような混合物の官能価(F)に影響を与えることは当業者に知られている。
PFPE酸(IV)又はその反応性誘導体は、式NH−B−Tの化合物(式中、B及びTが、上で定義した通りである)と反応することができる。
具体的には、式中のA及びA’が上で定義した式(h)〜(l)に従う混合物(PFPE−M)は、酸(IV)のエステル誘導体と、式NH−(C alk)−T、NH−(R ali)−T、又はNH−(R ar)−Tの化合物との反応によって合成することができる。
明確且つ正確にするために、特定の事例では、上の式(I)の混合物(PFPE−M)の合成は、一定量の二量体若しくは多量体の副生成物の生成をもたらし得ることが指摘される。例えば、式中のA及び/又はA’が、式:
(c1*)−CFCHO−アルキレン−C(O)NH−アルキレン−NH
の基を表す混合物の合成では、式:HN−アルキレン−NHのジアミンと1〜2のモル量での式:HOOC−アルキレン−O−CHCF−O−R−CFCHO−アルキレン−COOHの二酸との反応のため、式:
A−O−R−CFCHO−アルキレン−C(O)NH−アルキレン−NH(O)C−アルキレン−OCHCF−Rf−O−A
の二量体副生成物が得られる。
更に、PFPEアルコールと式RNH−アルキレン−NH(式中、Rが水素以外である)との反応による(PFPE−MN)の合成では、例えば、式:
N−アルキレン−N(R)−CHCF−O−R−CFCH−N(R)−アルキレン−NH
(R)HN−アルキレン−NH−CHCF−O−R−CFCH−NH−アルキレン−NH(R
のものなどの位置異性体の混合物が得られる場合がある。
そのため、本発明の目的のために、表現「PFPE−MN」、「PFPE−MA」は、これらの合成において形成する可能性のある任意の二量体又は多量体副生成物又は位置異性体も包含することが意図されている。
化合物(C)
アミン(N’)は、少なくとも1種の1級又は2級の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のアミン又はその誘導体である。
典型的には、アミンT(N’)は、式(N’−I)に従う:
(N’−I)R−NH−R
(式中、
− Rが水素又は直鎖若しくは分岐のC〜C20アルキルであり、
− Rが、(i)2〜36個の炭素原子を含み、任意選択的に1つ以上のシクロアルキル若しくはアリール基を有し、及び/又は任意選択的に1つ以上の二価のシクロアルキレン若しくはアリーレン基が挿入される直鎖又は分岐の脂肪族アルキル鎖、(ii)シクロアルキル基、又は(iii)上で定義したアリール基である)。
好ましくは、アミン(N’)は、1〜36個の炭素原子を有する少なくとも1種の直鎖又は分岐の1級アルキルアミンである。より好ましくは、アミン(N’)は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、及びトリデシルアミンから選択され、全てのこれらの用語には全ての存在する直鎖及び分岐の構造異性体が含まれると理解される。例えば、「プロピルアミン」には、1−アミノプロパン及び2−アミノプロパンが含まれ、「ブチルアミン」には1−アミノブタン、2−アミノブタン、1−アミノ−2−メチル−プロパン等が含まれる。
方法(M)を行うために使用することができるアミン(N’)の誘導体には、特に同様にアミド基を形成することが可能なその塩が含まれる。
酸(A’)は、水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のモノカルボン酸、又はその誘導体である。ある実施形態によれば、酸(A’)は、1〜26個の炭素原子を含む少なくとも1種の直鎖又は分岐の脂肪族の酸であり、好ましくは、酸(A’)は、エタン酸(酢酸)、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、及びトリデカン酸から選択され、全てのこれらの用語には全ての存在する直鎖及び分岐の構造異性体が含まれると理解される。例えば、「ブタン酸」には、1−ブタン酸及び2−メチルプロパン酸が含まれる。好ましくは、水素化脂肪族酸(A’)は酢酸である。
別の実施形態によれば、酸(A’)は、少なくとも1つの5員環又は6員環を含む芳香族酸であって、その中の1つのsp炭素原子がこれに共有結合しているカルボキシル基を有しており、環の1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換されていてもよく、前記環が任意選択的に別の5員環又は6員環の芳香環と縮合しているか又は共有結合している酸である。少なくとも1つの芳香環は、任意選択的に1つ以上のsp炭素原子上において直鎖又は分岐のアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で置換されていてもよい。適切な芳香族酸の例は、安息香酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4−メチル安息香酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、2,3,4−トリメチル安息香酸、2,3,5−トリメチル安息香酸、2,3,6トリメチル安息香酸、及び3,4,5−トリメチル安息香酸である。好ましくは、水素化芳香族酸(A’)は安息香酸である。
方法(M)の詳細な説明
方法(M)は、ポリアミドの合成のための当該技術分野で公知の手順に従って行うことができる。好ましくは、モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)は、溶媒の不存在下で窒素雰囲気の反応器中で互いに混合されて反応混合物(MR)を形成し、50℃〜300℃の範囲であってもよい温度で1〜10時間の範囲の時間にわたり加熱される。典型的には、反応の進行は、反応混合物のトルクを確認することによってモニタリングされる。通常、トルクの値が頭打ちに達した場合に反応が完結したとみなされる。反応の終わりに、溶融塊の形態である得られるフッ素化ポリアミド(F−PA)は、氷冷水中に注がれ、次いで分離される。
モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)の種類及び量は、上で定義した平均官能価(FRM)が1.96未満となるように当業者によって選択されるであろう。有利には、(FRM)は1.90〜1.95の範囲で選択されるであろう。
好ましくは、モノマー(A)は、ジアミン(NN)、好ましくは芳香族ジアミン(NN)と、二酸(AA)、好ましくは脂肪族ジカルボン酸(AA)との混合物であり、ある好ましい実施形態では、モノマー(A)はMXDAとアジピン酸との混合物である。
モノマー(B)は好ましくは混合物(MA)である。より好ましくは、混合物(MA)は、式中のA及び/又はA’が(a)基である上で定義した式(I)の混合物である。更により好ましくは、混合物(MA)は、式中のA及び/又はA’が、式−CFCHOCHCOOHの基(a)、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体(好ましくはエステル基、より好ましくはエチルエステル基)であり、鎖Rが上で定義した通り(好ましくは鎖(R−III))である、上で定義した式(I)の混合物である。そのような混合物(M)を使用して得られるフッ素化ポリアミド(F−PA)が特に加水分解に対して安定であることが実際に観察された。
好ましくは、化合物(C)は酸(A)であり、酸(A)の好ましい例は酢酸及び安息香酸である。
モノマー(A)、(B)、及び(C)の量は、酸及びアミノ基(又はその誘導体)の当量間の完全な釣り合いが得られるように選択される。換言すると、前記モノマーの量は、酸基及びアミノ基の当量間の比率が1:1であるように選択される。
モノマー(B)は、好ましくはモノマー(A)に対して0.50%〜20%の範囲の当量で使用される。好ましくは、(PFPE−M)は、1.80〜1.99、より好ましくは1.90〜1.95の範囲の平均官能価(F)、及び400〜2,000の範囲の平均分子量Mを有する。
化合物(C)は、好ましくはモノマー(A)に対して2%〜6%の範囲の当量で使用される。
ポリアミド(F−PA)
本発明の更なる態様は、方法(M)によって得ることができるフッ素化ポリアミド(F−PA)によって表される。ポリアミド(F−PA)は、典型的には16,000未満、好ましくは8,000〜16,000の範囲の平均分子量(M)を有し、ポリアミドの分子量に対して5重量%〜50重量%、好ましくはポリアミドの重量に対して5重量%〜40重量%、より好ましくは5重量%〜30重量%、更に好ましくは5重量%〜20重量%の範囲の重量のPFPEセグメントを含む。平均分子量(M)は、当該技術分野で公知の方法に従って、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定することができる。
ポリアミド(F−PA)は、モノマー(A)及び(B)由来の繰り返し単位と、化合物(C)並びに/又はモノマー(B)中に存在する(PFPE−N)及び/若しくは(PFPE−A)由来のエンドキャッピング基とからなる。
そのため、本発明のポリアミド(F−PA)は、
(a)モノマー(A)であって、
(i)混合物であって、
− 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はその誘導体と、
− 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[二酸(AA)]、又はその誘導体と
の混合物、及び
(ii)1種以上のアミノ酸[アミノ酸(AN)]若しくはその誘導体又はラクタム[ラクタム(L)]
の少なくとも1つから選択されるモノマー(A)と共に、
(b)モノマー(B)であって、
− PFPEジアミン(PFPE−NN)及びPFPEモノアミン(PFPE−N)又はその誘導体の混合物[混合物(MN)]、及び
− PFPEジカルボン酸(PFPE−AA)及びPFPEモノカルボン酸(PFPE−A)、又はその誘導体の混合物[混合物(MA)]
から選択される少なくとも1種の(ペル)フルオロポリエーテル混合物(PFPE−M)であるモノマー(B)
に由来する繰り返し単位からなり、前記(F−PA)は、
(c)エンドキャッピング基であって、
− 化合物(C)であって、少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のモノアミン[アミン(N’)]、又は少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のアミン又はモノカルボン酸[酸(A’)]、或いはその誘導体である化合物(C)と、任意選択的に、
− (PFPE−N)及び/又は(PFPE−A)と
に由来するエンドキャッピング基
を有する。
好ましいポリアミド(F−PA)は、モノマー(A)がジアミン(NN)と二酸(AA)との混合物であり、モノマー(B)が混合物(MN)であるものである。有利には、ジアミン(NN)はMXDAであり、二酸(AA)はアジピン酸である。
有利には、エンドキャッピング基は、酸(A’)である化合物(C)由来であり、好ましくは安息香酸又は酢酸由来である。
ポリアミド(F−PA)を含有するポリアミドブレンド物[ブレンド物(B)]、これから得られる成形物品、及びそれらの製造方法
更なる態様では、本発明は、ポリアミド(F−PA)と、ポリアミド(F−PA)以外のポリアミドとを含有するブレンド物(B)に関する。そのような他のポリアミドは、好ましくは、
(i)1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はその誘導体と、1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[二酸(AA)]、又はその誘導体、或いは
(ii)1種以上のアミノ酸[アミノ酸(AN)]若しくはその誘導体又はラクタム[ラクタム(L)]
の共重合反応によって得ることができる水素化ポリアミド[ポリアミド(H−PA)]であり、ここで、ジアミン(NN)、ジカルボン酸(AA)、アミノ酸(AN)、又はその誘導体及びラクタム(L)は、上で定義した通りである。
ジアミン(NN)、二酸(AA)、及びアミノ酸(AN)は、互いに独立に、ポリアミド(F−PA)の合成のために使用されるものと等しいか又は異なっていてよい。
ポリアミド(F−PA)の構造的特徴のために、すなわち16,000未満の分子量及びPFPEセグメントの含有率のために、これらは、改善された撥水性/撥油性、耐汚染性、改善された耐薬品性、及び高い衝撃強さを有するブレンド物及び成形物品を作製するための他のポリアミドのための添加剤として使用され得ることが実際に観察された。
ブレンド物(B)の作製のための(H−PA)の非限定的な例は、
− PA5.6、PA6.6、PA5.10、PA5.12、PA6.10、PA6.12、PA10.10、PA10.6、PA10.12、PA12.12、PA4.6、PA MXD6、PA92、PA102など、少なくとも脂肪族ジカルボン酸(AA)と脂肪族、脂環式、又は芳香族ジアミン(NN)との重縮合によって得られるポリアミド、
− ジカルボン酸において様々なモル組成のタイプPA4T、PA9T、PA10T、PA10T/11、PA10T/10I、PA10T/6T、PA10T/106、PA11T、PA12T、PA13T若しくは6T/MT、PA6T/6I、PA66/6T、PA66/6T/6Iコポリマーのポリテレフタルアミド、タイプPA6I、PA6I/6Tのポリイソフタルアミド、タイプPA10N、PA11N、PA12Nのポリナフタルアミド、Kevlar(登録商標)のようなポリアリールアミド、並びにこれらの混合物及び(コ)ポリアミドなど、芳香族ジカルボン酸(AA)と脂肪族又は芳香族ジアミン(NN)との重縮合によって得られるポリアミド、
− PA6、PA7、PA11、PA12、PA13、並びにこれらの混合物及び(コ)ポリアミドなど、少なくとも1種のアミノ酸(AN)又はラクタム(L)の重縮合によって得られるポリアミドであって、アミノ酸がラクタムの加水分解によって場合により得られるポリアミド
である。ポリアミド6/66、ポリアミド6/11、ポリアミド6/12、及びポリアミド11/12を(コ)ポリアミドの例として挙げることができる。
好ましい実施形態では、ポリアミド(H−PA)は、芳香族ジアミン(NN)と脂肪族ジカルボン酸(AA)との重縮合により得られる。この分類の好ましい(H−PA)は、MXDAとアジピン酸との重縮合により得られるポリアミドである。
ブレンド物(B)は、当該技術分野で一般的に知られている他の成分及び/又は添加剤も含んでいてもよい。追加的な成分及び/又は添加剤の非限定的な例としては、熱安定剤、光及びUV光安定剤、加水分解安定剤、酸化防止剤、潤滑剤、可塑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、造核剤、触媒、離型剤、香料、発泡剤、粘度調整剤、流動助剤、強化用繊維等が挙げられる。強化用繊維の中でも、特に炭素繊維及びガラス繊維を挙げることができる。成分及び/又は添加剤の種類並びに量は、例えばZWEIFEL,H,et al.Plastics Additives Handbook.5th edition.Edited by HANSEL.Munich:Hanser,2001.ISBN 1569901449の教示に従って、一般的な方法により当業者によって選択されるであろう。
好ましいブレンド物(B)は、
(a)上で定義した1種以上のポリアミド(F−PA)、
(b)上で定義した1種以上の水素化ポリアミド(H−PA)、及び
(c)1種以上のガラス繊維
を含み、好ましくはこれらからなる。
典型的には、ブレンド物(B)は、1重量%〜5重量%のポリアミド(F−PA)と、35%〜99%のポリアミド(H−PA)と、30重量%〜60重量%のガラス繊維とを含む。
ブレンド物(B)は、例えば射出成形、押出、ブロー成型、及び回転成形を含む成形法など、プラスチックの製造及び成形に関する技術分野で公知の手法によって成形物品へと作製及び成形することができる。
ブレンド物(B)から得られる成形物品は、オートクレーブ、電気・電子用途及び包装のためのものを含む。
本発明は、非限定的な実施例によって以下の実験項でより詳細に開示される。
参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、及び刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
実験項
原材料
式:
EtO(O)CCHOCHO−R−CHOCHC(O)OEt
(式中、R=CF(OCF(OCFCFOCFであり、n/m=1であり、n+mはM=1,864(NMRにより決定)になるように選択され、平均官能価(F)=1.87であり、平均重量(E)=997である)
の二官能性PFPEエステルを含む混合物(PFPE−M)[以降ではPFPEエステル(E−1)]は、対応する官能価が1.87のPFPEアルコール(II)とクロロ酢酸エチルとの反応による、国際公開第2015/097076号パンフレットの実施例1に開示のものと類似の手順に従って合成した。
二官能性種として式:
EtO(O)C−R−C(O)OEt
(式中、R=CF(OCF(OCFCFOCFであり、n/m=1であり、n+mはM=1,500になるように選択され、E=802であり、平均官能価(F)=1.87である)
のPFPEエステルを含む、二官能性及び一官能性のPFPEエステルと中性PFPEとの混合物[(以降ではPFPEエステル(E−2)]は、当該技術分野で公知の方法に従って合成した。
非フッ素化ポリアミドMXD6は、当該技術分野で公知の方法に従って、当量のアジピン酸とm−キシレンジアミンとの混合物の共重合によって得た。このポリアミドは、M=24,000であり、M=54,874であり、多分散度が2.29であり、酸含有量が108meq/kgである。
ガラス繊維OCV EC10 983は、Oven Cornings(登録商標)から入手可能である。
他の試薬及び溶媒は市販品であり、製造業者から受け取ったままの状態で使用した。
分析方法 − 試験
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
実施例及び比較例のポリアミド並びにポリアミドMXD6を、0.05Mのトリフルオロ酢酸カリウム(KTFAT)が入っているヘキサフルオロイソプロパノール(HFIPA)中に完全に溶解させた。その後、全てのフィラー及び不溶性添加剤を、0.2ミクロンのPTFE製使い捨てシリンジフィルターを通して濾過した。濾過した溶液は、Waters HPLCポンプ(型番515)、Shodex屈折率(RI)検出計(型番109)、分析中に40℃に維持されるWatersカラムオーブン(室温から150℃まで可能)、2本のmini mixed B SECカラムの組及びmini mix Bガードカラム(Agilent製)、Clarity SEC統合ソフトウェア(Version5.0.00.323)からなるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)システムで分離した。移動相 − 0.4mL/分の流量でのHFIPA/0.05Mトリフルオロ酢酸カリウム(KTFAT)。システムは、狭い多分散度のPMMA標準試料の組を使用して校正した。分子量は、Clarity SEC統合ソフトウェアを用いてPMMA標準を使用して生成した校正ファイルを使用して計算した。
酸含有量の決定(酸末端基)
約0.3gのポリアミドを、磁気撹拌子が入っているガラスバイアル中に秤量し、100℃に加熱されている6mLのo−クレゾール中に溶解させた。溶解させた後、試料を冷却して6mLのクロロホルムで希釈した。カルボキシル及びアミン末端基間での塩の生成を抑制するために、50μLのホルムアルデヒドをシリンジで添加してアミン末端基と反応させた。その後、カルボキシル末端基を、スリーブ接合部を有する複合ガラス電極を使用して標準的な0.05NのKOHメタノール溶液で滴定した。酸性末端基の濃度は、次の計算に従って滴定データ及び滴定の規定度から計算した。
酸価(meq/g)=(滴定剤の体積(mL)×KOHの規定度×1000)/試料重量(g)
ポリアミド組成物中のガラス繊維含有量(GF)の決定
約1gのポリアミド組成物を予め秤量した石英繊維るつぼ内に入れた。その後、るつぼをマイクロ波加熱炉(CEM製Phoenix Airwaveマイクロ波加熱炉)内に入れた。温度プログラムは次の通りであった:
室温から500℃まで2時間で加熱、
500℃で2分間維持、
500℃から600℃まで30分間、
600℃で90分間維持、
600℃から室温まで2時間で冷却。
加熱炉が室温まで冷めた後、つるぼを取り出し、分析天秤を使用して再び秤量した。
ガラスフィラー含有量は、次の式によって計算した:
%ガラス繊維=[(残留物の重量+空のるつぼの重量)−空のるつぼの重量]*100/[試料の重量+空のるつぼの重量)−空のるつぼの重量)−空のるつぼの重量]。
接触角測定
ポリアミドブレンド物(B−1)〜(B−4)、(B−1bis)、参照ブレンド物(B−1a)〜(B−4a)の静的接触角は、液滴法を用いるDataphysics Contact Angle System OCA20を使用して、2mmの繊維で強化された射出成形スラブ上での2μlの水に対して測定した。液体を載せた後、10秒の固定時間後に画像を取得した。複数のデータ点(16−20)を集め、平均及び標準偏差を計算した。
スパイラルフロー長試験
メルトフローを測定するために、スパイラルフローを用いた射出成形を使用した。このモールドに、射出成形中にポリアミドブレンド物が進む長さ(mm単位)又は距離を測定するための印を付けた。或いは、スパイラルモールド試験片を秤量し、ポリアミドの量をグラム単位で測定した。
塩基性pHでの安定性試験
磁気撹拌子及びコンデンサーを備えたフラスコ中に1gの試験ポリアミドと1.5当量のNaOH(0.1Mの溶液)とを入れた。得られた混合物を室温で3週間撹拌したままの状態にした。アミド基の加水分解は、過剰のHClで処理し、得られたアンモニウム塩を0.1Nの水酸化テトラブチルアンモニウムのイソプロピルアルコール溶液で逆滴定することによって決定した。
ポリアミドの合成
実施例1 − PFPEを10%含むPFPE変性ポリアミド(M=4,856、M=10,002、多分散度2.06)
メカニカルスターラー、コンデンサー、及び窒素入口を備えた1Lの四口円筒状ガラス製ケトルにアジピン酸(91.8g、0.63mol、1.26当量)、安息香酸(15.0g、0.12mol、0.12当量)、キシリデンジアミン(MXDA、47.65g、0.35mol、0.7当量)、及びPFPE−エステル(E−1)(18.8g、0.01mol、0.02当量)を入れ、これをオイルバス中に浸漬した。温度を100℃に上げ、次いで連続的に撹拌しながら更に47.65gのMXDAを添加し、浴温を200℃に挙げた。次いで、200℃の反応スラリーを10℃/5分の速度で275℃の最終的なオイルバス温度まで加熱した。この温度に達した後、必要とされるトルクが頭打ちに達するまで反応を継続した。得られた溶融物を氷冷水中でクエンチすることにより、ケトルから流し込んでポリマー塊を得た。その後、塊を乾燥し、更に分析するために摩砕した。酸含有量は94meq/kgであり、アミン基は検出されなかった。
実施例1A(比較例) − PFPEを20重量%含むPFPE変性ポリアミド(P−1A)(M=9,140、M=20,126、多分散度2.20)
次の試薬を用いて実施例1の手順に従ってポリアミドを合成した:
アジピン酸:99.2g、0.68mol、1.36当量、
MXDA:90.6g、0.66mol、1.32当量、
PFPEエステル(E−1):38.58g、0.02mol、0.04当量。
酸含有量は370meq/kgであり、アミン基の含有量は5meq/kgであった。
実施例2 − PFPEを20重量%含むPFPE変性ポリアミド(M=7,123、M=15,083、多分散度2.12)
次の試薬:
アジピン酸:460.5g、3.15mol、6.30当量、
MXDA:456.9g、3.42mol、6.84当量、
PFPEエステル(E−1):192.3、0.10mol、0.20当量、
酢酸:20.0g、0.33mol、0.33当量
を、4.5Paの圧力及び30℃〜250℃の温度で3時間オートクレーブ中に入れた。トルクの値が頭打ちに達した場合に反応が完結したとみなした。反応が完結した後、得られた溶融物をオートクレーブから取り出し、実施例1に従って処理した。
酸含有量は125meq/kgであり、これは最初の酸基の約98%の変換率に相当する。
実施例2A(比較例) − PFPEを20重量%含むPFPE変性ポリアミド(M17,506、M=42,130、多分散度2.41)
実施例1の手順に従って、次の試薬を用いてポリアミドを合成した:
アジピン酸:99.2g、0.68mol、1.36当量、
MXDA:96.0g、0.70mol、1.40当量、
PFPEエステル(E−1):38.6g、0.02mol、0.04当量。
酸含有量は107meq/kgであり、アミン基の含有量は32meq/kgであった。
実施例3 − PFPEを10重量%含むPFPE変性ポリアミド(M=6,476、M=13,908、多分散度2.15)
このポリアミドは、実施例2の手順に従って、次の試薬を用いて合成した:
アジピン酸:460.48g、3.151mol、6.30当量、
MXDA:458.3g、3.37mol、6.73当量、
PFPEエステル(E−1):95g、0.051mol、0.102当量、
酢酸:20.0g、0.333mol、0.33当量。
酸含有量は87meq/kgであり、アミン基含有量は22meq/kgであった。
実施例3A(比較例) − PFPEを10重量%含むPFPE変性ポリアミド(M=22,342及びM=58,364、多分散度2.61)
このポリアミドは、次の試薬を用いて実施例1の手順に従って合成した:
アジピン酸:460.5g、3.15mol、6.30当量、
MXDA:435.8g、3.20mol、6.40当量、
PFPEエステル(E−1):95.0g、0.05mol、0.10当量。
酸含有量は125meq/kgであり、アミン基含有量は36meq/kgであった。
実施例4 − PFPEを20重量%含むPFPE変性ポリアミド(M=3,352、M=9,928、多分散度2.96)
このポリアミドは、次の試薬を用いて実施例1の手順に従って合成した:
アジピン酸:89.9g、0.61mol、1.23当量
MXDA:95.3g、0.70mol、1.4当量
安息香酸:15.0g、0.12mol、0.12当量
PFPEエステル(E−1):46.0g、0.02mol、0.05当量。
酸基含有量は179meq/kgであり、アミン基含有量は12meq/kgであった。
実施例4A(比較例) − PFPEを20重量%含むPFPE変性ポリアミド(M=25,268、M=72,643、多分散度2.87)
このポリアミドは、次の試薬を用いて実施例1の手順に従って合成した:
アジピン酸:99.22g、0.678mol、1.36当量、
MXDA:95.3g、0.70mol、1.40当量、
PFPEエステル(E−1):38.58g、0.021mol、0.040当量。
酸基含有量は80meq/kgであり、アミン基含有量は164meq/kgであった。
実施例5 − PFPEエステル(E−2)由来の10重量%のPFPE単位を含むポリアミド(M=5,000、M=11,000、多分散度:2.1)
このポリアミドは、PFPEエステル(E−2)を使用したことを除いて実施例1と同じ試薬を用いて合成した。
酸含有量は90meq/kgであり、これは最初の酸基の約99%の変換率に相当する。
実施例6 − 参照ポリアミドMDX6
このポリアミドは、実施例1の手順に従って次の試薬を用いて合成した:
− アジピン酸:560g、4.44mol、1当量、
− MXDA、605g、4.44mol、1当量。
酸基含有量は108meq/kgであり、アミン基含有量は25meq/kgであった。
本発明の実施例1〜4及び比較例1A〜4Aから、化合物(C)を使用せず、反応混合物の平均官能価(FRM)が1.96より高い場合、得られるポリアミドは20,000より大きい分子量(M)を有する。
試験用ポリアミドブレンド物及び成形試験片の作製のための基本手順
押出成形
非フッ素化ポリアミドMXD6を、2つの押出サイクルによって実施例1〜4及び1A〜4Aのフッ素化ポリアミドとブレンドした。
1回目サイクル:最初のブレンド物を得るための、MXD6と実施例1〜4及び1A〜4Aのフッ素化ポリアミドとの混合、
2回目サイクル:OCV EC10 983ガラス繊維(4.5mm)と最初のブレンド物との共押出(混合物に対して30〜60重量%のガラス繊維)。ポリアミドの最初のブレンド物は、重量検出式フィーダーから、12ゾーンからなる押出機のゾーン1の最初のバレルに供給した。バレルの設定は220〜250℃の範囲であった。ガラス繊維は、重量検出式フィーダーを介して、サイドスタッファーによりゾーン7から供給した。スクリュー速度は、100rpmであった。押出物を従来の装置を使用して冷却し、ペレット化した。ガラス繊維含有量は、方法の項に開示した灰化法によって決定した。
比較の目的で、上述の共押出サイクル2のみに従ってMXD6をガラス繊維とブレンドした。
射出成形
押出したフッ素化ポリアミドをSumitomo 75 TON射出成形装置内で成形した。温度範囲は265〜280℃であった。成形温度制御装置を140〜165℃に設定した。冷却サイクル時間は35〜50秒に固定した。これらの条件下において、ISO引張試験片(165×10×4mm)、ISO衝撃試験片(ノッチなし:80×10×4mm)、ノッチあり:80×8×4mm)、及び着色平板(75×50×2.6mm)などの適切な試験片を成形した。
ポリアミドブレンド物
ポリアミドブレンド物(B−1)〜(B−4)、(B−1bis)、(比較ブレンド物(B−1a)〜(B1−d)、及び参照ブレンド物(B)は、上述の基本手順に従って作製した。各ブレンド物の成分及びガラス繊維含有量(GF)は、下の表で報告されている。
水に対するポリアミドブレンド物の接触角
本発明のポリアミドブレンド物、比較ブレンド物、及び参照ブレンド物から得た試験片の水に対する接触角を、方法の項で開示されている手順に従って測定した。結果は下の表で報告されている。
結果は、本発明のブレンド物の接触角が参照ブレンド物B及び比較ブレンド物よりも大きいことを示している。
スパイラルフロー長試験
スパイラルフロー長試験の結果は、参照ブレンド物B、本発明の(B−2)、及び比較組成物(B−2a)について下の表で報告されている。
スパイラルモールド中での本発明のポリアミドブレンド物(B−2)についての長さ(進んだ距離)又は重量は、参照ブレンド物(BR)及び比較ブレンド物(B−2a)よりも大きかった(これは、よりよく容易に流動することを意味する)。
塩基による加水分解に対する耐性
この試験は、PFPEエステル(E−2)(この中のエステル基はPFPE鎖と直接結合している)由来のPFPEセグメントを含むポリアミドと比較した、PFPEエステル(E−1)(この中のエステル基は水素化エーテルスペーサーを介してPFPEと結合している)由来のPFPEセグメントを含むポリアミドの改良された耐性を示すために行った。
実施例1〜5のポリアミドに対して上述した安定性試験を行った。実施例5のポリアミドが約8%加水分解した一方、実施例1のポリアミドは約1%加水分解した。
機械的試験
全ての成形した試験片は、「成形したままの乾燥品」として試験した。この目的のために、射出成形後、密封したアルミニウム袋内のデシケーター内において試験片を室温で少なくとも48時間保管した。材料の引張特性は、ISO527試験手順に従って測定した一方、ノッチあり及びノッチなしのIzod衝撃強さはISO180試験手順に従って測定した。下の表に、ノッチなし及びノッチありの試験片についての衝撃強さのデータが報告されている。

Claims (15)

  1. (a)モノマー(A)であって、
    (i)混合物であって、
    − 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体と、
    − 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[二酸(AA)]、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体と
    の混合物、
    (ii)1種以上のアミノ酸[アミノ酸(AN)]若しくはその誘導体又はラクタム[ラクタム(L)]
    の1つから選択されるモノマー(A)と共に、
    (b)モノマー(B)であって、
    − PFPEジアミン(PFPE−NN)及びPFPEモノアミン(PFPE−N)又はその誘導体の混合物[混合物(MN)]、及び
    − PFPEジカルボン酸(PFPE−AA)及びPFPEモノカルボン酸(PFPE−A)又はその誘導体の混合物[混合物(MA)]
    の少なくとも1つから選択される少なくとも1種の完全に又は部分的にフッ素化されたポリエーテル混合物(PFPE−M)であるモノマー(B)と、
    (c)化合物(C)であって、少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のモノアミン[アミン(N’)]、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体、或いは少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のモノカルボン酸[酸(A’)]、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体である化合物(C)と
    を含む混合物[混合物(MN)]の共重合を含む、フッ素化ポリアミド(F−PA)の製造の方法(M)において、
    − モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)の全体の当量と、モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)の全体のモル数との間の比率として定義される、モノマー(A)、(B)、及び化合物(C)の混合物の平均官能価(FRM)が1.96未満であることを特徴とする、方法。
  2. 平均官能価(FRM)が1.90〜1.95の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. モノマー(A)が、
    − 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はその誘導体と、
    − 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[酸(AA)]、又はその誘導体と
    の混合物である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ジアミン(NN)が、一般式(NN−I)
    (NN−I)R−HN−R−NH−R’
    (式中、
    − R及びR’が、互いに等しいか又は異なり、水素及び直鎖又は分岐のC〜C20アルキルから選択され、及び
    − Rが、(i)任意選択的に1つ以上の二価のシクロアルキル基又はアリーレン基を含む、2〜36個の炭素原子の直鎖又は分岐の脂肪族アルキレン鎖、(ii)二価のシクロアルキル基、又は(iii)アリーレン基である)
    に従い、
    二酸(AA)が、2個の反応性カルボン酸基を含む芳香族ジカルボン酸[酸(AR)]又は2個の反応性カルボン酸基を含む脂肪族ジカルボン酸[酸(AL)]である、請求項3に記載の方法。
  5. ジアミン(NN)がm−キシレンジアミンであり、及び二酸(AA)がアジピン酸である、請求項4に記載の方法。
  6. 混合物(M)が、2つの鎖末端を有する、完全に又は部分的にフッ素化された直鎖又は分岐のポリアルキレンオキシ鎖(R)を含むフルオロポリマーの混合物(MA)であり、一方又は両方の鎖末端が、−COOH基、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 鎖(R)の一端又は両端が、式−CFCHOCHCOOHの基、又はアミド基を形成することが可能なその誘導体を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 鎖(R)が、少なくとも1つのカテナリーエーテル結合と少なくとも1つのフルオロカーボン部位とを有する繰り返し単位R°を含み、鎖に沿ってランダムに分布している前記繰り返し単位が、
    (i)−CFXO−(式中、XがF又はCFである)、
    (ii)−CFXCFXO−(式中、Xが、各存在で等しいか又は異なり、F又はCFであり、ただし、Xの少なくとも1つが−Fである)、
    (iii)−CFCFCW°O−(式中、W°のそれぞれが、互いに等しいか又は異なり、F、Cl、Hである)、
    (iv)−CFCFCFCFO−、
    (v)−(CF−CFZ−O−(式中、jが0〜3の整数であり、及びZが一般式−OR T°の基であり、ここで、R が、0〜10の数の繰り返し単位を含むフルオロポリオキシアルケン鎖であり、前記繰り返し単位が、以下:−CFXO−、−CFCFXO−、−CFCFCFO−、−CFCFCFCFO−(ここで、Xのそれぞれのそれぞれが独立にF又はCFである)の中から選択され、及びT°がC〜Cペルフルオロアルキル基である)
    からなる群から選択される、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 鎖(R)が、下記の式(R−III):
    (R−III)−(CFCFO)a1(CFO)a2
    (式中、
    − a1及びa2が、数平均分子量が400〜5,000であるような0より大きい整数であり、ここで、比a2/a1が0.3〜3の範囲である)
    に従う、請求項8に記載の方法。
  10. 化合物(C)が水素化脂肪族、脂環式又は芳香族モノカルボン酸(A’)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 酸(A’)が酢酸及び安息香酸から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. (a)モノマー(A)であって、
    (i)混合物であって、
    − 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はその誘導体と、
    − 1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[二酸(AA)]、又はその誘導体と
    の混合物、
    (ii)1種以上のアミノ酸[アミノ酸(AN)]若しくはその誘導体又はラクタム[ラクタム(L)]
    の少なくとも1つから選択されるモノマー(A)と共に、
    (b)モノマー(B)であって、
    − PFPEジアミン(PFPE−NN)及びPFPEモノアミン(PFPE−N)又はその誘導体の混合物[混合物(MN)]、及び
    − PFPEジカルボン酸(PFPE−AA)及びPFPEモノカルボン酸(PFPE−A)又はその誘導体の混合物[混合物(MA)]
    から選択される少なくとも1種の(ペル)フルオロポリエーテル混合物(PFPE−M)であるモノマー(B)
    に由来する繰り返し単位からなるフッ素化ポリアミド(F−PA)であって、
    (c)エンドキャッピング基であって、
    − 化合物(C)であって、少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のモノアミン[アミン(N’)]、又は少なくとも1種の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のアミン若しくはモノカルボン酸[酸(A’)]、或いはアミド基を形成することが可能なその誘導体である化合物(C)と、任意選択的に、
    − (PFPE−N)及び/又は(PFPE−A)と
    に由来するエンドキャッピング基
    を有する、フッ素化ポリアミド(F−PA)。
  13. ポリアミドの重量に対して5〜50重量%のモノマー(B)由来の単位を含む、請求項12に記載のポリアミド(F−PA)。
  14. − 請求項12又は13に記載のフッ素化ポリアミドと、
    − 水素化ポリアミドであって、
    (i)1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジアミン[ジアミン(NN)]、又はその誘導体と、1種以上の水素化された脂肪族、脂環式若しくは芳香族のジカルボン酸[二酸(AA)]、又はその誘導体、或いは
    (ii)1種以上のアミノ酸[アミノ酸(AN)又はラクタム[ラクタム(L)]
    の共重合によって得ることができる水素化ポリアミドと
    を含む、ポリアミドブレンド物[ブレンド物(B)]。
  15. 請求項14に記載のポリアミドブレンド物を成形することによって得ることができる成形物品。
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