JP2019010697A - スリット形成用のカット刃及び当該カット刃を用いてスリットが形成された医療用ゴム製弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム製弁に、より長いスリットを形成することのできるスリット形成用のカット刃を提供する。【解決手段】ゴム製の弁の天面部に三叉のスリットを形成するためのカット刃10であって、カット刃10は、軸芯に対して3等配の角度位置に設けられた3つのカット刃10a、10b、10cを含み、各カット刃10a、10b、10cは、その刃径(半径)aが、0.9mm≦a≦1.1mmで、かつ、先端部の角度が15〜25°であり、カット刃同士で形成される刃先の角度が80〜180°である。【効果】形成された三叉スリットの一辺の長さcとスリット形成に用いられたカット刃の刃径(半径)aとの関係が、0.6≦c/a≦0.9である医療用ゴム製弁が得られる。【選択図】図3

Description

この発明は、医療用ゴム製弁にスリットを形成するためのカット刃及びに当該カット刃を用いてスリットが形成された医療用ゴム製弁に関する。
止血弁等として用いられる医療用のゴム製弁が公知である。係る医療用ゴム製弁には、弁の中央部に針やカテーテル等を刺せるように、通常、三叉のスリットが形成されている(例えば、特許文献1、2及び3を参照)。
特開平2002−263197号公報 実開平4−13156号公報(実願平2−54742号のマイクロフィルム) 実開平1−87746号公報(実願昭62−184502号のマイクロフィルム)
医療用ゴム製弁の製造時、弁の中央部に三叉のスリットを形成するに際しては、三叉状のカット刃が用いられる。一例として、ゴム製弁1が特許文献1に記載のような形状の場合、すなわち、図1に示すような弁体部2と、弁体部2の周縁から立ち上がった筒体部3とを含む形状の場合、カット刃10を、ゴム製弁1の筒体部3の一端に開口した穴4(穴4の半径はb)から挿入し、弁体部2の天面5から中央部を貫通させて、弁体部2にスリットを形成する。その際、受け板6にゴム製弁1を乗せ、周囲をホールドプレート7で囲む。
弁体部2にスリットを形成する時、ゴムはカット刃10の進入に対して外側へ逃げようとする性質があり、形成されるスリットの長さcと、カット刃10の刃径(半径)aとの関係は、0.4≦c/a≦0.6というものが一般的である。
このため、スリットの長さcを長くするためには、カット刃10の刃径(半径)aを大きくすればよいのであるが、カット刃10の刃径(半径)aを大きくすると、カット刃10が筒体部3の穴4と干渉し、穴4が損傷する虞がある。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ゴム製弁により長いスリットを形成することのできるスリット形成用のカット刃を提供することを主たる目的とする。
この発明は、また、耐久性に優れたスリット形成用のカット刃を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するためのこの発明は、以下の構成を有している。
第1の発明は、ゴム製の弁の天面部に三叉のスリットを形成するためのカット刃であって、前記カット刃は、軸芯に対して3等配の角度位置に設けられた3つのカット刃を含み、各カット刃は、その刃径(半径)aが、0.9mm≦a≦1.1mmで、かつ、先端部の角度が15〜25°であり、カット刃同士で形成される刃先の角度が80〜180°であることを特徴とするスリット形成用のカット刃である。
第2の発明は、前記カット刃は、刃の材質がコバルトを6〜14%含有する超硬合金、超微粒子超硬合金または超々微粒子超硬合金のいずれかであることを特徴とするスリット形成用のカット刃である。
第3の発明は、第1または第2の発明に係るカット刃を用いてスリットが形成された医療用ゴム製弁であって、形成された三叉スリットの一辺の長さcとスリット形成に用いられた前記カット刃の刃径(半径)aとの関係が、0.6≦c/a≦0.9であることを特徴とする医療用ゴム製弁である。
この発明によれば、ゴム製の弁に三叉のスリットを形成するに際し、相対的に長さの長い三叉のスリットを形成することができる。また、この発明によれば、カット刃が耐久性に優れ、長期間良好にスリットを形成できる。
よって、この発明のカット刃を用いてスリットが形成された医療用ゴム製弁は、性能や使用勝手の良いゴム製弁となる。
図1は、一例としての医療用ゴム製弁に三叉状のカット刃で三叉スリットを形成する様子を説明する図解図である。 図2は、この発明の一実施形態に係る三叉状のカット刃を示す斜視図である。 図3は、図2に示す三叉状カット刃の模式図であり、図3(A)は側面図であり、図3(B)は正面図である。
以下には、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図2は、この発明の一実施形態に係る三叉状のカット刃10を示す斜視図である。カット刃10は、ボディ軸11の先端が縮径するテーパ12に加工され、テーパ12の先端から軸芯13方向に直線状に突出している。カット刃10は、ボディ軸11との一体成形品である。カット刃10は、図3(B)の正面図に示すように。軸芯13の回りに、120°の角度をあけて三叉状に3等配された3つのカット刃10a、10b及び10cを含んでいる。各カット刃10a、10b、10cは、相互に等しい形態であり、図3(B)に示すように、刃径(半径)はa、図3(A)に示すように、刃先端部角度はe、各カット刃とカット刃とのなす刃先角度はdとされている。
この実施形態に係る三叉状カット刃10の特徴は、
(1) 刃先角度dを、d=80〜180°と相対的に広角にしたこと
(2) 刃先端部角度eを、e=18〜24°と相対的に鋭角にしたこと
(3) 刃の材質を超硬合金、超微粒子超硬合金、超々微粒子超硬合金等とし、刃を相対的に硬くしたこと
である。
なお、刃先端部の角度は研磨によって調整するが、研磨方法は、放電研磨、ダイヤモンド砥石研磨等の公知の各種研磨方法を用いることができる。
そして、上記の構成の三叉状カット刃にしたことにより、ゴム製の弁に三叉のスリットを形成するに際し、相対的に長さの長いスリットを形成することができ、かつ、耐久性も向上したものとなった。
[実施例及び比較例の構成]
実施例1として、ハイス鋼で、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=90°、刃先端部角度eがe=22°の三叉状カット刃を作った。
実施例2として、ハイス鋼で、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=90°、刃先端部角度eがe=18°の三叉状カット刃を作った。
実施例3として、超微粒子超硬合金で、カッター刃(径半)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=90°、刃先端部角度eがe=24°の三叉状カット刃を作った。
実施例4として、ハイス鋼で、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=160°、刃先端部角度eがe=24°の三叉状カット刃を作った。
実施例5として、超微粒子超硬合金で、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=160°、刃先端部角度eがe=22°の三叉状カット刃を作った。
実施例6として、超微粒子超硬合金で、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=160°、刃先端部角度eがe=18°の三叉状カット刃を作った。
また、実施例と比較する比較例の三叉状カット刃は、すべて、ハイス鋼で作成した。
比較例1は、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=75°、刃先端部角度eがe=24°とした。
比較例2は、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=200°、刃先端部角度eがe=24°とした。
比較例3は、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=90°、刃先端部角度eがe=26°とした。
比較例4は、カッター刃径(半径)aがa=1.0mm、刃先角度dがd=90°、刃先端部角度eがe=15°とした。
比較例5は、カッター刃径(半径)aがa=0.8mm、刃先角度dがd=90°、刃先端部角度eがe=24°とした。
比較例6は、カッター刃径(半径)aがa=1.2mm、刃先角度dがd=90°、刃先端部角度eがe=24°とした。
[評価方法]
(1)実施例1〜6及び比較例1〜6の各カット刃で、図1に示すゴム製弁1の弁体部2に、天面5から中央部を貫通させるようにスリットを形成した。
そして、形成されたスリットの長さをマイクロスコープ(株式会社キーエンス製 型式:VHX−900、測定倍率:100倍)にて測定した。
測定値は、ゴム製弁10個を測定した際の平均値を記載した。
なお、スリットを見やすくするために、スリットにインクを染み込ませてから測定を行った。
(2)カット初期(スリット形成初期)のスリットの長さ(c)に対して、25万カット後のスリットの長さ(c ’)との比率(c/c’ )を算出し、c/c’ が0.95以上が耐久性◎、0.90〜0.95が耐久性○、0.90未満を耐久性Δと判定した。
(3)カット刃の干渉によって、ゴム製弁の穴部が損傷したサンプルが見つかった場合、外観検査をΔと判定した。
実施例1〜6及び比較例1〜6の構成とその評価結果を下記表1に示す。
Figure 2019010697
表1において、比較例1は、刃先角度dが狭く、スリット長cが不十分である。比較例2は、刃先角度dが広く、刃の耐久性が良くない。比較例3は、刃先端部角度eが広く、カット時にゴムが逆げ、スリット長cが不十分である。比較例4は、刃先端部角度eが狭く、刃の耐久性が良くない。比較例5は、カッター刃径(半径)aが細く、スリット長cが不十分である。比較例6は、カッター刃径(半径)aが太く、ゴム製弁の穴部に損傷が生じた。
実施例1〜6は、いずれも、性能的に満足のいく三叉状カット刃となった。
そして、この発明の実施例1〜6に係るカット刃を用いてスリットが形成された医療用ゴム製弁は、同じカッターの刃径(半径)aに対して、スリットの長さcをより長くすることができた。具体的には、0.6≦c/a≦0.9とすることができた。
1 ゴム製弁
2 弁体部
3 筒体部
4 穴
5 天面
6 受け板
10 カット刃
11 ボディ軸
13 軸芯

Claims (3)

  1. ゴム製の弁の天面部に三叉のスリットを形成するためのカット刃であって、
    前記カット刃は、軸芯に対して3等配の角度位置に設けられた3つのカット刃を含み、
    各カット刃は、その刃径(半径)aが、0.9mm≦a≦1.1mmで、かつ、先端部の角度が15〜25°であり、カット刃同士で形成される刃先の角度が80〜180°であることを特徴とする、スリット形成用のカット刃。
  2. 前記カット刃は、刃の材質がコバルトを6〜14%含有する超硬合金、超微粒子超硬合金または超々微粒子超硬合金のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のスリット形成用のカット刃。
  3. 請求項1または2に記載のカット刃を用いてスリットが形成された医療用ゴム製弁であって、
    形成された三叉スリットの一辺の長さcとスリット形成に用いられた前記カット刃の刃径(半径)aとの関係が、0.6≦c/a≦0.9であることを特徴とする、医療用ゴム製弁。
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