JP2019011232A - 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 - Google Patents
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Abstract
Description
B2O3成分を1.0%以上35.0%以下、
Ln2O3成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)を合計8.0%以上50.0%以下、
BaO成分を10.0%以上45.0%以下
含有し、
質量和TiO2+ZrO2+WO3+Nb2O5+Ta2O5が2.0%以上45.0%以下であり、
1.75以上の屈折率(nd)を有し、18以上42以下のアッベ数(νd)を有し、
相対屈折率(589.29nm)の温度係数(40〜60℃)が+4.0×10−6〜−10.0×10−6(℃−1)の範囲内にある光学ガラス。
SiO2成分 0〜25.0%、
La2O3成分 3.0〜45.0%、
Gd2O3成分 0〜23.0%、
Y2O3成分 0〜27.0%、
ZrO2成分 0〜15.0%、
Nb2O5成分 0〜17.0%、
WO3成分 0〜10.0%、
TiO2成分を 0〜30.0%、
ZnO成分 0〜5.0%未満、
MgO成分 0〜5.0%、
CaO成分 0〜13.0%、
SrO成分 0〜15.0%、
Li2O成分 0〜5.0%、
Na2O成分 0〜10.0%、
K2O成分 0〜10.0%、
Al2O3成分 0〜10.0%、
Sb2O3成分 0〜1.0%
である(1)記載の光学ガラス。
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は、特に断りがない場合、全て酸化物換算組成の全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」は、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量数を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
B2O3成分は、ガラス形成酸化物として必須の成分である。特に、B2O3成分を1.0%以上含有することで、ガラスの失透を低減できる。従って、B2O3成分の含有量は、好ましくは1.0%以上、より好ましくは2.0%以上、さらに好ましくは3.0%超、さらに好ましくは4.0%超、さらに好ましくは5.0%超、さらに好ましくは8.0%超とする。
他方で、B2O3成分の含有量を35.0%以下にすることで、より大きな屈折率を得易くでき、相対屈折率の温度係数を小さくでき、且つ化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B2O3成分の含有量は、好ましくは35.0%以下、より好ましくは30.0%以下、さらに好ましくは25.0%以下、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.5%未満とする。
他方で、この和を50.0%以下にすることで、ガラスの液相温度が低くなるため、ガラスの失透を低減できる。また、アッベ数の必要以上の上昇を抑えられる。従って、Ln2O3成分の質量和は、好ましくは50.0%以下、より好ましくは48.0%以下、さらに好ましくは45.0%未満、さらに好ましくは42.0%未満、さらに好ましくは40.0%未満、さらに好ましくは39.0%以下とする。
他方で、BaO成分の含有量を45.0%以下にすることで、過剰な含有によるガラスの屈折率の低下や、化学的耐久性(耐水性)の低下、失透を低減できる。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは45.0%以下、より好ましくは38.0%以下、さらに好ましくは35.0%未満、さらに好ましくは32.0%未満、さらに好ましくは30.0%未満とする。
他方で、この和は45.0%以下が好ましい。これにより、ガラスの安定性を高められる。従って、質量和TiO2+ZrO2+WO3+Nb2O5+Ta2O5は、好ましくは45.0%以下、より好ましくは43.0%未満、さらに好ましくは42.0%未満、さらに好ましくは40.0%未満、さらに好ましくは38.0%未満、さらに好ましくは35.0%未満、さらに好ましくは34.0%未満、さらに好ましくは30.0%未満とする。
他方で、SiO2成分の含有量を25.0%以下にすることで、相対屈折率の温度係数を小さくでき、ガラス転移点の上昇を抑えられ、且つ屈折率の低下を抑えられる。従って、SiO2成分の含有量は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは23.0%未満、さらに好ましくは22.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは16.0%未満、さらに好ましくは14.0%未満、さらに好ましくは13.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満とする。
他方で、La2O3成分の含有量を45.0%以下にすることで、相対屈折率の温度係数を小さくでき、ガラスの安定性を高めることで失透を低減でき、アッベ数の上昇を抑えられる。また、ガラス原料の熔解性を高められる。従って、La2O3成分の含有量は、好ましくは45.0%以下、より好ましくは41.0%未満、さらに好ましくは38.0%未満、さらに好ましくは36.0%未満、さらに好ましくは35.1%未満、さらに好ましくは34.0%未満、さらに好ましくは33.0%未満とする。
他方で、Gd2O3成分及びYb2O3成分は希土類の中でも原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが高くなる。また、Gd2O3成分やYb2O3成分の含有を低減させることで、ガラスのアッベ数の上昇を抑えられる。従って、Gd2O3成分の含有量は、好ましくは23.0%以下、より好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは9.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満としてもよい。また、Yb2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは6.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%以下としてもよい。
他方で、Y2O3成分の含有量を27.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、ガラスのアッベ数の上昇を抑えられ、且つガラスの安定性を高められる。また、ガラス原料の熔解性の悪化を抑えられる。従って、Y2O3成分の含有量は、好ましくは27.0%以下、より好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは18.0%未満、さらに好ましくは15.0%以下としてもよい。
他方で、ZrO2成分の含有量を15.0%以下にすることで、相対屈折率の温度係数を小さくでき、ZrO2成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、ZrO2成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは8.0%未満、さらに好ましくは7.0%以下、さらに好ましくは5.0%未満としてもよい。
他方で、Nb2O5成分の含有量を17.0%以下にすることで、相対屈折率の温度係数を小さくでき、Nb2O5成分の過剰な含有による失透を低減でき、且つ、ガラスの可視光(特に波長500nm以下)に対する透過率の低下を抑えられる。従って、Nb2O5成分の含有量は、好ましくは17.0%以下、より好ましくは15.0%以下、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは8.0%未満、さらに好ましくは7.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.5%未満としてもよい。
他方で、WO3成分の含有量を10.0%以下にすることで、相対屈折率の温度係数を小さくでき、且つ材料コストを抑えられる。また、WO3成分によるガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。従って、WO3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.5%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよい。
他方で、TiO2成分の含有量を30.0%以下にすることで、相対屈折率の温度係数を小さくでき、TiO2成分の過剰な含有による失透を低減でき、ガラスの可視光(特に波長500nm以下)に対する透過率の低下を抑えられる。従って、TiO2成分の含有量は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは28.0%以下、さらに好ましくは24.0%以下、さらに好ましくは21.0%未満、さらに好ましくは18.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは13.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満としてもよい。
他方で、Ta2O5成分の含有量を10.0%以下にすることで、光学ガラスの原料コストを低減でき、また、原料の熔解温度が低くなり、原料の熔解に要するエネルギーが低減されるため、光学ガラスの製造コストも低減できる。従って、Ta2O5成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは7.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよい。特に材料コストを低減させる観点では、Ta2O5成分を含有しないことが最も好ましい。
他方で、ZnO成分の含有量を5.0%未満にすることで、相対屈折率の温度係数を小さくでき、熱による膨張を低減でき、屈折率の低下を抑えられ、且つ、過剰な粘性の低下による失透を低減できる。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは5.0%未満、より好ましくは4.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満としてもよい。
他方で、MgO成分の含有量を5.0%以下に、又は、CaO成分若しくはSrO成分の含有量を15.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えることができ、且つこれらの成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、MgO成分の含有量は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。また、CaO成分及びSrO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは13.0%以下、より好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは6.5%未満、さらに好ましくは4.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満とする。
他方で、Li2O成分、Na2O成分及びK2O成分の含有量を低減させることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、且つガラスの失透を低減できる。また、特にLi2O成分の含有量を低減させることで、ガラスの粘性が高められるため、ガラスの脈理を低減できる。従って、Li2O成分の含有量は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.3%未満としてもよい。また、Na2O成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよい。また、K2O成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%以下としてもよい。
他方で、P2O5成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの化学的耐久性、特に耐水性の低下を抑えられる。従って、P2O5成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよく、P2O5成分を含まなくてもよい。
しかしながら、GeO2は原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが高くなる。従って、GeO2成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよい。
他方で、Al2O3成分又はGa2O3成分の含有量をそれぞれ10.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる。従って、Al2O3成分及びGa2O3成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよい。
他方で、Bi2O3成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる。従って、Bi2O3成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよい。
他方で、TeO2は白金製の坩堝や、熔融ガラスと接する部分が白金で形成されている熔融槽でガラス原料を熔融する際、白金と合金化しうる問題がある。従って、TeO2成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよい。
他方で、SnO2成分の含有量を3.0%以下にすることで、熔融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を低減できる。また、SnO2成分と熔解設備(特にPt等の貴金属)の合金化が低減されるため、熔解設備の長寿命化を図れる。従って、SnO2成分の含有量は、好ましくは3.0%以下、より好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満としてもよい。
他方で、Sb2O3成分の含有量を1.0%以下にすることで、可視光領域の短波長領域における透過率の低下や、ガラスのソラリゼーション、内部品質の低下を抑えられる。従って、Sb2O3成分の含有量は、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.2%未満としてもよい。
しかし、F成分の含有量、すなわち上述した各金属元素の1種又は2種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての合計量が10.0%を超えると、F成分の揮発量が多くなるため、安定した光学恒数が得られ難くなり、均質なガラスが得られ難くなる。また、アッベ数が必要以上に上昇する。
従って、F成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満としてもよい。
他方で、この合計量を35.0%以下にすることで、相対屈折率の温度係数を小さくできる。従って、質量和(SiO2+B2O3)は、好ましくは35.0%以下、より好ましくは30.0%未満、さらに好ましくは28.0%未満、さらに好ましくは25.5%以下とする。
他方で、この質量比BaO/SiO2は、無限大(すなわちSiO2成分の含有量が0%)であってもよいが、安定なガラスを得る観点から、好ましくは10.00以下、より好ましくは5.00以下、さらに好ましくは4.00未満、さらに好ましくは3.50未満としてもよい。
他方で、この合計量を27.0%以下にすることで、ガラスのアッベ数の上昇を抑えられる。従って、質量和(Gd2O3+Y2O3)は、好ましくは27.0%以下、より好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは18.0%未満、さらに好ましくは15.0%以下としてもよい。
他方で、この質量比Y2O3/Ln2O3は、より屈折率が高く、安定性の高いガラスを得る観点から、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.40未満、さらに好ましくは0.35未満としてもよい。
この比率を大きくすることで、相対屈折率の温度係数を小さくできる。従って、質量比BaO/(SiO2+B2O3+ZnO)は、好ましくは0.30超、より好ましくは0.40超、さらに好ましくは0.50超、さらに好ましくは0.60超、さらに好ましくは0.80超、さらに好ましくは0.95以上とする。
他方で、この質量比BaO/(SiO2+B2O3+ZnO)は、安定なガラスを得る観点から、好ましくは3.50以下、より好ましくは3.00以下、さらに好ましくは2.50未満、さらに好ましくは2.00未満、さらに好ましくは1.80未満、さらに好ましくは1.60未満、さらに好ましくは1.40未満としてもよい。
他方で、RO成分の質量和を45.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えられ、また、ガラスの安定性を高められる。従って、RO成分の質量和は、好ましくは45.0%以下、より好ましくは38.0%以下、さらに好ましくは35.0%未満、さらに好ましくは32.0%未満、さらに好ましくは30.0%未満とする。
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記各成分の原料として、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、水酸化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を、各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝に投入し、ガラス原料の熔解難易度に応じて電気炉で1000〜1500℃の温度範囲で1〜10時間熔解させて攪拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型に鋳込み、徐冷することにより作製される。
本発明の光学ガラスは、高屈折率及び低アッベ数(高分散)を有する。
特に、本発明の光学ガラスの屈折率(nd)は、好ましくは1.75、より好ましくは1.80、さらに好ましくは1.85、さらに好ましくは1.88を下限とする。この屈折率(nd)は、好ましくは2.10、より好ましくは2.00、より好ましくは1.97を上限としてもよい。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は、好ましくは18、より好ましくは20、さらに好ましくは23、さらに好ましくは26、さらに好ましくは29、さらに好ましくは32を下限とする。このアッベ数(νd)は、好ましくは42、より好ましくは40、さらに好ましくは35を上限としてもよい。
このような高屈折率を有することで、光学素子の薄型化を図っても大きな光の屈折量を得ることができる。また、このような高分散を有することで、単レンズとして用いたときに光の波長によって焦点を適切にずらすことができる。そのため、例えば低分散(高いアッベ数)を有する光学素子と組み合わせて光学系を構成した場合に、その光学系の全体として収差を低減させて高い結像特性等を図ることができる。
このように、本発明の光学ガラスは、光学設計上有用であり、特に光学系を構成したときに、高い結像特性等を図りながらも、光学系の小型化を図ることができ、光学設計の自由度を広げることができる。
従って、本発明の光学ガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、nd≧(−0.0112νd+2.15)の関係を満たすことが好ましく、nd≧(−0.0112νd+2.18)の関係を満たすことがより好ましく、nd≧(−0.0112νd+2.20)の関係を満たすことがさらに好ましい。
一方で、本発明の光学ガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、nd≦(−0.0112νd+2.35)の関係を満たすことが好ましく、nd≦(−0.0112νd+2.30)の関係を満たすことがより好ましく、nd≦(−0.0112νd+2.28)の関係を満たすことがさらに好ましく、nd≦(−0.0112νd+2.25)の関係を満たすことがさらに好ましい。
より具体的には、本発明の光学ガラスの相対屈折率の温度係数は、好ましくは+4.0×10−6℃−1、より好ましくは+3.5×10−6℃−1、さらに好ましくは+3.0×10−6℃−1、さらに好ましくは+2.8×10−6℃−1、さらに好ましくは+2.5×10−6℃−1、さらに好ましくは+2.0×10−6℃−1を上限値とし、この上限値又はそれよりも低い(マイナス側)の値をとりうる。
他方で、本発明の光学ガラスの相対屈折率の温度係数は、好ましくは−10.0×10−6℃−1、より好ましくは−5.0×10−6℃−1、さらに好ましくは−3.0×10−6℃−1、さらに好ましくは−2.8×10−6℃−1、さらに好ましくは−2.5×10−6℃−1、さらに好ましくは−2.0×10−6℃−1、さらに好ましくは0×10−6℃−1を下限値とし、この下限値又はそれよりも高い(プラス側)の値をとりうる。
このうち、1.75以上の屈折率(nd)を有し、且つ18以上42以下のアッベ数(νd)を有するガラスとして、相対屈折率の温度係数の低いガラスは殆ど知られておらず、温度変化による結像のずれ等の補正の選択肢を広げられ、その補正をより容易にできる。したがって、このような範囲の相対屈折率の温度係数にすることで、温度変化による結像のずれ等の補正に寄与することができる。
本発明の光学ガラスの相対屈折率の温度係数は、光学ガラスと同一温度の空気中における、波長589.29nmの光についての屈折率の温度係数のことであり、40℃から60℃に温度を変化させた際の、1℃当たりの変化量(℃−1)で表される。
特に、JOGIS06−2009に準じたガラスの粉末法による化学的耐久性(耐水性)は、好ましくはクラス1〜3、より好ましくはクラス1〜2、最も好ましくはクラス1である。これにより、光学ガラスを研磨加工する際に、水性の研磨液や洗浄液によるガラスの曇りが低減されるため、ガラスからの光学素子の作製を行い易くできる。
ここで、「耐水性」とは、水によるガラスの侵食に対する耐久性であり、この耐水性は、日本光学硝子工業会規格「光学ガラスの化学的耐久性の測定方法」JOGIS06−2009により測定することができる。また、「粉末法による化学的耐久性(耐水性)がクラス1〜3である」とは、JOGIS06−2009に準じて行った化学的耐久性(耐水性)が、測定前後の試料の質量の減量率で、0.25質量%未満であることを意味する。
また、化学的耐久性(耐水性)の「クラス1」は、測定前後の試料の質量の減量率が0.05質量%未満であり、「クラス2」は、測定前後の試料の質量の減量率が0.05質量%以上0.10質量%未満であり、「クラス3」は、測定前後の試料の質量の減量率が0.10質量%以上0.25質量%未満であり、「クラス4」は、測定前後の試料の質量の減量率が0.25質量%以上0.60質量%未満であり、「クラス5」は、測定前後の試料の質量の減量率が0.60質量%以上1.10質量%未満であり、「クラス6」は、測定前後の試料の質量の減量率が1.10質量%以上である。すなわち、クラスの数が小さいほど、ガラスの耐水性が優れていることを意味する。
本発明の光学ガラスの比重は、日本光学硝子工業会規格JOGIS05−1975「光学ガラスの比重の測定方法」に基づいて測定する。
作製された光学ガラスから、例えば研磨加工の手段、又は、リヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスに対して研削及び研磨等の機械加工を行ってガラス成形体を作製したり、光学ガラスからモールドプレス成形用のプリフォームを作製し、このプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.0112νd+2.15)≦nd≦(−0.0112νd+2.35)の関係を満たしており、より詳細には(−0.0112νd+2.21)≦nd≦(−0.0112νd+2.28)の関係を満たしていた。そして、本願の実施例のガラスについての屈折率(nd)及びアッベ数(νd)の関係は、図1に示されるようになった。
Claims (12)
- 質量%で、
B2O3成分を1.0%以上35.0%以下、
Ln2O3成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)を合計8.0%以上50.0%以下、
BaO成分を10.0%以上45.0%以下
含有し、
質量和TiO2+ZrO2+WO3+Nb2O5+Ta2O5が2.0%以上45.0%以下であり、
1.75以上の屈折率(nd)を有し、18以上42以下のアッベ数(νd)を有し、
相対屈折率(589.29nm)の温度係数(40〜60℃)が+4.0×10−6〜−10.0×10−6(℃−1)の範囲内にある光学ガラス。 - 質量%で、
SiO2成分 0〜25.0%、
La2O3成分 3.0〜45.0%、
Gd2O3成分 0〜23.0%、
Y2O3成分 0〜27.0%、
ZrO2成分 0〜15.0%、
Nb2O5成分 0〜17.0%、
WO3成分 0〜10.0%、
TiO2成分を 0〜30.0%、
ZnO成分 0〜5.0%未満、
MgO成分 0〜5.0%、
CaO成分 0〜13.0%、
SrO成分 0〜15.0%、
Li2O成分 0〜5.0%、
Na2O成分 0〜10.0%、
K2O成分 0〜10.0%、
Al2O3成分 0〜10.0%、
Sb2O3成分 0〜1.0%
である請求項1記載の光学ガラス。 - 質量%で、Y2O3成分を0.4〜27.0%含有する請求項1又は2記載の光学ガラス。
- 質量和(SiO2+B2O3)が6.0%以上35.0%以下である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス。
- 質量比BaO/SiO2が0.50以上である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。
- 質量比Y2O3/Ln2O3が0.10以上0.70以下である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)。
- 質量比BaO/(SiO2+B2O3+ZnO)が0.30超3.50以下である請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス。
- 質量%で、RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される1種以上)の含有量の和が10.0%以上45.0%以下である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。
- 質量%で、Rn2O成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)の含有量の和が10.0%以下である請求項1から8のいずれか記載の光学ガラス。
- 請求項1から9のいずれか記載の光学ガラスからなるプリフォーム材。
- 請求項1から9のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
- 請求項11に記載の光学素子を備える光学機器。
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