JP2019015145A - 不平均力相殺構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】不平均力が発生する水管橋において、単純な構造で不平均力を相殺する。【解決手段】対向する支持部50、60の間に通水管16が架け渡されて形成された水管橋12と、水管橋12に沿って架設されたケーブル14と、を備えてなり、対向する支持部50、60のうちの少なくとも一方は、コンクリートおよび鋼のうちの少なくともいずれか一方を有してなる構造物であり、水管橋12の一端は構造物50に固定されており、かつ、ケーブル14の一端は構造物50に定着されており、水管橋12は、構造物50に固定されている前記一端に、不平均力が発生する屈曲部16Aを有している一方、ケーブル14には張力が導入されていて、ケーブル14の前記張力は構造物50を介して水管橋12の屈曲部16Aに作用して前記不平均力を相殺する。【選択図】図1

Description

本発明は、不平均力相殺構造に関し、詳細には、不平均力が発生する屈曲部を有している水管橋における不平均力相殺構造に関する。
通水管が屈曲部を有していると、その屈曲部には、水圧によって生じる不平均力が作用する。
この不平均力は、通水管の口径が大きく、かつ、水圧が大きい場合にはかなり大きな力となる。例えば、通水管の口径が1000mm、水圧(内圧)が10kg/cm2で、屈曲部が直角に屈曲している場合、75ton程度の不平均力が屈曲部に作用する。
図10は、屈曲部を有する通水管で形成された水管橋の一例である水管橋100の一端部を模式的に示す側面図である。この水管橋100は、不平均力が発生する屈曲部102Aを有する通水管102が、対向する橋台104の間に架け渡されて形成されている。図10に示す水管橋100の一端部においては、屈曲部102Aに水平方向に不平均力Fが作用し、橋台104には、不平均力Fに基づく転倒モーメントMが加わる。この転倒モーメントMに対する安定性を確保するため、橋台104の重量を増大させたり、橋台104の底面を拡幅したり、橋台104に杭基礎を用いたりすることが必要となることがある。
これに対して、特許文献1には、地中に配される伸縮自在継手によって、不平均力を吸収して対応を行う方法が記載されている。
特許文献1に記載の伸縮自在継手は、巧みな構造により、不平均力への対処を行っているようであるが、構造が精緻であり、大きな不平均力に対して、長期にわたって安定的に機能し得るかどうか懸念が残る。また、構造が精緻であるがゆえに、コストが嵩む可能性がある。
特開平11−30376号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、不平均力が発生する水管橋において、単純な構造で不平均力を相殺することができる不平均力相殺構造を提供することを課題とする。
本発明は、以下の不平均力相殺構造により、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明に係る不平均力相殺構造の第1の態様は、対向する支持部の間に通水管が架け渡されて形成された水管橋と、前記水管橋に沿って架設されたケーブルと、を備えてなり、対向する前記支持部のうちの少なくとも一方は、コンクリートおよび鋼のうちの少なくともいずれか一方を有してなる構造物であり、前記水管橋の一端は前記構造物に固定されており、かつ、前記ケーブルの一端は前記構造物に定着されており、前記水管橋は、前記構造物に固定されている前記一端に、不平均力が発生する屈曲部を有している一方、前記ケーブルには張力が導入されていて、前記ケーブルの前記張力は前記構造物を介して前記水管橋の前記屈曲部に作用して前記不平均力を相殺することを特徴とする不平均力相殺構造である。
ここで、「前記水管橋の一端は前記構造物に固定」とは、前記水管橋の一端が前記構造物中に埋め込まれる等により直接的に固定されている場合だけでなく、前記水管橋の一端が他の部材を介して間接的に前記構造物に固定されている場合も含む概念である。また、本願において、「固定」とは、水平、鉛直、回転の全ての変位を拘束することを意味する。
また、「前記ケーブルの前記張力は前記構造物を介して前記水管橋の前記屈曲部に作用」とは、前記ケーブルの前記張力が、前記構造物のみを介して前記屈曲部に作用する場合だけでなく、前記構造物に加えてさらに別の部材を介して、前記屈曲部に作用する場合も含む概念である。
また、本願において、「不平均力を相殺する」とは、不平均力を完全に相殺する場合だけでなく、不平均力の少なくとも一部を相殺する場合も含む概念である。
前記水管橋の前記屈曲部は前記構造物の中に埋め込まれていてもよい。
本発明に係る不平均力相殺構造の第2の態様は、対向する支持部の間に通水管が架け渡されて形成された水管橋と、前記水管橋に沿って架設されたケーブルと、を備えてなり、対向する前記支持部はどちらも、コンクリートおよび鋼のうちの少なくともいずれか一方を有してなる構造物であり、前記水管橋の一端は前記構造物のうちの一方に固定されており、前記水管橋の他端は前記構造物のうちの他方に固定されており、かつ、前記ケーブルの一端は前記構造物のうちの一方に定着されており、前記ケーブルの他端は前記構造物のうちの他方に定着されており、前記水管橋は、前記一端および前記他端に、不平均力が発生する屈曲部をそれぞれ有している一方、前記ケーブルには張力が導入されていて、前記ケーブルの前記張力は前記構造物を介して前記水管橋の前記一端および前記他端の前記屈曲部にそれぞれ作用して、それぞれの前記屈曲部で発生する前記不平均力を相殺することを特徴とする不平均力相殺構造である。
ここで、「前記水管橋の一端は前記構造物のうちの一方に固定」とは、前記水管橋の一端が前記構造物のうちの一方の中に埋め込まれる等により直接的に固定されている場合だけでなく、前記水管橋の一端が他の部材を介して間接的に前記構造物のうちの一方に固定されている場合も含む概念である。また、「前記水管橋の他端は前記構造物のうちの他方に固定」とは、前記水管橋の他端が前記構造物のうちの他方の中に埋め込まれる等により直接的に固定されている場合だけでなく、前記水管橋の他端が他の部材を介して間接的に前記構造物のうちの他方に固定されている場合も含む概念である。
また、「前記ケーブルの前記張力は前記構造物を介して前記水管橋の前記一端および前記他端の前記屈曲部にそれぞれ作用」とは、前記ケーブルの前記張力が、前記構造物のみを介して前記屈曲部にそれぞれ作用する場合だけでなく、前記構造物に加えてさらに別の部材を介して、前記屈曲部にそれぞれ作用する場合も含む概念である。
前記水管橋の前記一端の前記屈曲部は、前記構造物のうちの一方の中に埋め込まれていてもよく、前記水管橋の前記他端の前記屈曲部は、前記構造物のうちの他方の中に埋め込まれていてもよい。
前記構造物は、例えば橋台である。
前記不平均力相殺構造において、前記ケーブルの本数は単数または複数であり、前記ケーブルのうち少なくとも1本のケーブルは前記水管橋の支間部の下端部よりも上方に位置しており、前記水管橋の支間部の下端部よりも上方に位置する前記少なくとも1本のケーブルには連結材が取り付けられており、前記連結材によって、前記水管橋は、支間部の少なくとも一部の部位が吊り上げられているように構成してもよい。
ここで、「前記水管橋の支間部の下端部よりも上方」とは、前記水管橋の真上に位置する場合だけでなく、前記水管橋の真上に位置せずに、例えば前記水管橋の側方に位置する場合でも、その高さ位置が前記水管橋の支間部の下端部よりも上方に位置していれば、その場合も含む概念である。
本発明によれば、不平均力が発生する水管橋において、単純な構造で不平均力を相殺することができる。
本発明の第1実施形態に係る不平均力相殺構造を模式的に示す側面図 図1のII−II線断面図 図1のIII部を拡大して示す拡大側面図 本発明の第2実施形態に係る不平均力相殺構造を模式的に示す側面図 図4のV−V線断面図 定着態様28を示す側面図 本発明の第3実施形態に係る不平均力相殺構造を模式的に示す側面図 図7のVIII−VIII線断面図 図7のIX部を拡大して示す拡大側面図 屈曲部を有する通水管で形成された水管橋の一例である水管橋100の一端部を模式的に示す側面図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る不平均力相殺構造を模式的に示す側面図であり、図2は、図1のII−II線断面図であり、図3は、図1のIII部を拡大して示す拡大側面図である。
本第1実施形態に係る不平均力相殺構造10は、水管橋12と、ケーブル14とを有してなり、水管橋12は、対向する橋台50と石積み擁壁60との間に通水管16が架け渡されて形成されている。したがって、水管橋12は、対向する橋台50と石積み擁壁60との間に架け渡された状態の通水管16のことであり、通水管16の屈曲部16Aは、水管橋12の屈曲部と言うこともできる。
水管橋12の通水管16は、橋台50側の端部が橋台50の上端前面部50Aから橋台50内に埋め込まれており、橋台50に固定されている。橋台50はコンクリート製である。橋台50の上端前面部50Aから橋台50内に埋め込まれた通水管16は、屈曲部16Aで下向きに向きを変えている。このため、屈曲部16Aにおいて、不平均力F1が、水平方向(図1において右から左に向かう方向)に生じる。
また、通水管16は、橋台50の前端部50Bの上面に設置された可動サポート52に可動に支持(通水管16の長さ方向に可動に支持)されている。また、通水管16は、橋台50の上端前面部50Aと可動サポート52との間に伸縮管16Bを備えている。伸縮管16Bは、温度変化等に伴う通水管16の伸縮を吸収する。
水管橋12の通水管16の石積み擁壁60側の端部は、石積み擁壁60内に、そのまままっすぐに水平に埋め込まれている。
ケーブル14は、図1および図2に示すように、水管橋12の延びる水平方向に沿って、水管橋12の上部に2本平行に架設されている。ケーブル14の橋台50側の端部は、橋台50の上端後面部50Cで定着されている。また、ケーブル14の石積み擁壁60側の端部は、通水管16の外周面に溶接で取り付けられた定着ブラケット16Cに定着されている。
図3は、ケーブル14の橋台50側の端部(図1のIII部)を拡大して示す拡大側面図であり、本第1実施形態に係る不平均力相殺構造10におけるケーブル14の定着態様20を示している。図3においては、図示の都合上、橋台50の内部に位置する部材も実線で描いている。
ケーブル14はPC鋼線であり、ケーブル14はその端部にマンション22が取り付けられている。マンション22の外周面はねじ加工が施されていて、アンカープレート24およびナット26によって、マンション22が橋台50の上端後面部50Cに取り付けられており、ケーブル14は、マンション22、アンカープレート24およびナット26を介して、橋台50の上端後面部50Cに定着されている。
ケーブル14の一端は橋台50の上端後面部50Cで定着されていて、また、ケーブル14の他端は通水管16の外周面に溶接で取り付けられた定着ブラケット16Cに定着されており、さらにケーブル14には張力が導入されている。ケーブル14に導入された張力は、橋台50の上端後面部50Cにおける定着部から橋台50の上端部近傍に水平方向(図1において左から右に向かう方向)の力P1として作用して、通水管16の屈曲部16Aで生じた不平均力F1を相殺する。
このため、本第1実施形態に係る不平均力相殺構造10を用いることにより、通水管16の屈曲部16Aで生じた不平均力F1に対応するための対策(橋台50の重量を増大させたり、橋台50の底面を拡幅したり、橋台50に杭基礎を用いたりすること)を行わずに済むようになるか、あるいは大幅に簡略化することができる。
また、以上説明したように、本第1実施形態に係る不平均力相殺構造10は、ケーブル14の張力を橋台50の上端後面部50Cに作用させて不平均力F1を相殺するという構造であり、単純な構造である。
なお、橋台50の上端部近傍に水平方向(図1において左から右に向かう方向)に作用する力P1の反力として、定着ブラケット16Cには、水平方向(図1において右から左に向かう方向)に力P2が作用している。
(2)第2実施形態
図4は、本発明の第2実施形態に係る不平均力相殺構造を模式的に示す側面図であり、図5は、図4のV−V線断面図である。
本第2実施形態に係る不平均力相殺構造30は、水管橋32と、ケーブル34とを有してなり、水管橋32は、対向する橋台70と橋台80との間に通水管36が架け渡されて形成されている。したがって、水管橋32は、対向する橋台70と橋台80との間に架け渡された状態の通水管36のことであり、通水管36の屈曲部36A、36Bは、水管橋32の屈曲部と言うこともできる。
水管橋32の通水管36は、橋台70側の端部が橋台70の上端前面部70Aから橋台70内に埋め込まれており、橋台70に固定されている。橋台70はコンクリート製である。橋台70の上端前面部70Aから橋台70内に埋め込まれた通水管36は、屈曲部36Aで下向きに向きを変えている。このため、屈曲部36Aにおいて、不平均力F2が、水平方向(図4において右から左に向かう方向)に生じる。
また、通水管36は、橋台70の前端部70Bの上面に設置された可動サポート72に可動に支持(水管橋32の延びる水平方向に可動に支持)されている。また、通水管36は、橋台70の上端前面部70Aと可動サポート72との間に伸縮管36Cを備えている。伸縮管36Cは、温度変化等に伴う通水管36の伸縮を吸収する。
また、水管橋32の通水管36は、橋台80側の端部が橋台80の上端前面部80Aから橋台80内に埋め込まれており、橋台80に固定されている。橋台80はコンクリート製である。橋台80の上端前面部80Aから橋台80内に埋め込まれた通水管36は、屈曲部36Bで下向きに向きを変えている。このため、屈曲部36Bにおいて、不平均力F3が、水平方向(図4において左から右に向かう方向)に生じる。
また、通水管36は、橋台80の前端部80Bの上面に設置された可動サポート82に可動に支持(水管橋32の延びる水平方向に可動に支持)されている。また、通水管36は、橋台80の上端前面部80Aと可動サポート82との間に伸縮管36Dを備えている。伸縮管36Dは、温度変化等に伴う通水管36の伸縮を吸収する。
ケーブル34は、図4および図5に示すように、水管橋32の延びる水平方向に沿って、水管橋32の上部に2本平行に架設されている。ケーブル34の橋台70側の端部は、橋台70の上端後面部70Cで定着されている。また、ケーブル34の橋台80側の端部は、橋台80の上端後面部80Cで定着されている。
ケーブル34の橋台70の上端後面部70Cでの定着態様および橋台80の上端後面部80Cでの定着態様は、図3に示す定着態様20(第1実施形態に係る不平均力相殺構造10のケーブル14の橋台50の上端後面部50Cでの定着態様)と同様であるので、説明は省略する。
ケーブル34の一端は橋台70の上端後面部70Cで定着されていて、また、ケーブル34の他端は橋台80の上端後面部80Cで定着されており、さらにケーブル34には張力が導入されている。ケーブル34に導入された張力は、橋台70の上端後面部70Cにおける定着部から橋台70の上端部近傍に水平方向(図4において左から右に向かう方向)の力P3として作用して、通水管36の屈曲部36Aで生じた不平均力F2を相殺するとともに、橋台80の上端後面部80Cにおける定着部から橋台80の上端部近傍に水平方向(図4において右から左に向かう方向)の力P4として作用して、通水管36の屈曲部36Bで生じた不平均力F3を相殺する。
このため、本第2実施形態に係る不平均力相殺構造30を用いることにより、通水管36の屈曲部36A、36Bで生じた不平均力に対応するための対策(橋台70、80の重量を増大させたり、橋台70、80の底面を拡幅したり、橋台70、80に杭基礎を用いたりすること)を行わずに済むようになるか、あるいは大幅に簡略化することができる。
また、以上説明したように、本第2実施形態に係る不平均力相殺構造30は、ケーブル34の張力を橋台70の上端後面部70Cおよび橋台80の上端後面部80Cに作用させて不平均力F2およびF3を相殺するという構造であり、単純な構造である。
(3)第1実施形態および第2実施形態についての補足
第1実施形態に係る不平均力相殺構造10のケーブル14および第2実施形態に係る不平均力相殺構造30のケーブル34の橋台50、70、80への定着は、図3に示すような定着態様20(定着部材の大半の部分が橋台の内部に埋め込まれている定着態様)を用いて、橋台50、70、80の上端後面部50C、70C、80Cで定着するようにしたが、ケーブル14およびケーブル34の橋台50、70、80への定着態様は、これに限定されず、十分な定着が可能であれば、他の定着態様を用いてもよい。
例えば、第1実施形態に係る不平均力相殺構造10において、図6に示す定着態様28のように、橋台50の上端面50Dに、ケーブル定着用のブラケット54をアンカー56で取り付けて、このケーブル定着用のブラケット54にケーブル14の一端を定着するようにしてもよい。この定着態様28は、定着部材の大半の部分が橋台50の外部に露出している定着態様である。なお、図6においては、図3に描かれた部材と同様の部材には、同一の符号を付しており、その説明は省略する。また、図6においては、図示の都合上、橋台50の内部に位置する部材も実線で描いている。
ケーブル定着用のブラケット54は、底鋼板54Aと、受圧鋼板54Bと、補強鋼板54Cと、を有してなり、溶接で組み立てられている。図6に示すように、底鋼板54Aが橋台50の上端面50Dに配置されて、橋台50の上端面50Dにアンカー56で取り付けられており、このようにして、ケーブル定着用のブラケット54は、橋台50の上端面50Dに取り付けられている。
底鋼板54Aの上面には、受圧鋼板54Bと補強鋼板54Cが溶接で取り付けられている。受圧鋼板54Bはケーブル14と直交する鋼板であり、ケーブル14の端部に取り付けられたマンション22が挿通する貫通孔を有している。受圧鋼板54Bの前記貫通孔を挿通したマンション22は、アンカープレート24およびナット26によって受圧鋼板54Bに取り付けられている。
補強鋼板54Cは、ケーブル14と平行に配置された鋼板であり、対向して2枚配置されており、対向する2枚の補強鋼板54Cの間にマンション22が配置されるようになっている。補強鋼板54Cは、ケーブル14の張力を底鋼板54Aに伝達する。
以上説明した定着態様28は、第2実施形態に係る不平均力相殺構造30においても、採用することができる。
また、第1実施形態に係る不平均力相殺構造10ではケーブル14を2本用い、第2実施形態に係る不平均力相殺構造30ではケーブル34を2本用いたが、用いるケーブル14、34の本数は2本に限定されるわけではなく、1本でもよく、また、3本以上としてもよい。用いるケーブル14、34の本数は、相殺すべき不平均力の大きさや周辺環境の状況等に応じて適宜に本数を定めることができる。
また、第1実施形態に係る不平均力相殺構造10および第2実施形態に係る不平均力相殺構造30では、ケーブル14、34を通水管16、36よりも上方の高さ位置に配置したが、ケーブル14、34と通水管16、36との高さ位置の関係は特には限定されず、ケーブル14、34の高さ位置を通水管16、36の高さ位置よりも下方にしてもよく、通水管16、36の高さ位置と同程度にしてもよい。
また、第1実施形態に係る不平均力相殺構造10のケーブル14および第2実施形態に係る不平均力相殺構造30のケーブル34ではPC鋼線を用いたが、ケーブル14、34として用いる緊張材は、必要な性能を有しているものであれば特には限定されず、例えば、炭素繊維やアラミド繊維等を用いたFRPロッド等も、必要な性能を有していれば使用することができる。
また、第1実施形態に係る不平均力相殺構造10においては、水管橋12の通水管16は、橋台50側の端部(屈曲部16A)が橋台50内に埋め込まれて橋台50に固定されているが、水管橋12の通水管16の橋台50側の端部(屈曲部16A)が橋台50に固定される態様は、橋台50内への埋め込みでなくてもよく、水管橋12の通水管16の橋台50側の端部(屈曲部16A)が、例えば、橋台50に十分に固定された固定サポートに固定されていて、この固定サポートを介して橋台50に十分に固定されている固定態様でもよい。
また、第2実施形態に係る不平均力相殺構造30においては、水管橋32の通水管36は、一端部(屈曲部36A)が橋台70内に埋め込まれて橋台70に固定されていて、他端部(屈曲部36B)が橋台80内に埋め込まれて橋台80に固定されているが、水管橋32の通水管36の端部が橋台70、80に固定される態様は、橋台70、80内への埋め込みでなくてもよく、水管橋32の通水管36の一端部(屈曲部36A)が、例えば、橋台70に十分に固定された固定サポートに固定されていて、この固定サポートを介して橋台70に十分に固定されている固定態様でもよく、水管橋32の通水管36の他端部(屈曲部36B)が、例えば、橋台80に十分に固定された固定サポートに固定されていて、この固定サポートを介して橋台80に十分に固定されている固定態様でもよい。
水管橋12、32の通水管16、36が固定サポートを介して橋台50、70、80に固定されている態様の場合、ケーブル14、34に導入された張力は、橋台50、70、80と前記固定サポートを介して、水管橋12、32の通水管16、36の屈曲部16A、36A、36Bに作用して、通水管の屈曲部16A、36A、36Bで生じた不平均力を相殺する。
また、第1実施形態に係る不平均力相殺構造10および第2実施形態に係る不平均力相殺構造30においては、それぞれ水管橋12の通水管16および水管橋32の通水管36が、それぞれコンクリート製の橋台50およびコンクリート製の橋台70、80に固定されていたが、本発明においては、水管橋の通水管を固定する構造物は、コンクリート製の構造物に限定されず、鋼製の構造物であってもよい。また、コンクリートおよび鋼の両者を用いた構造物であってもよい。
また、第1実施形態に係る不平均力相殺構造10および第2実施形態に係る不平均力相殺構造30を適用することが可能な水管橋12、32の支間長の長さは、ケーブル14、34を設置することができるのであれば、特に制限はなく、ケーブル14、34としてPC鋼線を用いる場合、例えば、150mぐらいの支間長でも適用可能である。
(4)第3実施形態
図7は、本発明の第3実施形態に係る不平均力相殺構造を模式的に示す側面図であり、図8は、図7のVIII−VIII線断面図であり、図9は、図7のIX部を拡大した拡大側面図である。
本第3実施形態に係る不平均力相殺構造40は、第2実施形態に係る不平均力相殺構造30に通水管36を吊り上げる連結材48を6箇所(3箇所×2列)に設けた実施形態である。第3実施形態に係る不平均力相殺構造40の説明において、第2実施形態に係る不平均力相殺構造30と同一の部材には原則として同一の符号を用い、その説明は原則として省略する。
第2実施形態に係る不平均力相殺構造30において、ケーブル34は通水管36の屈曲部36A、36Bで生じた不平均力を相殺するが、本第3実施形態に係る不平均力相殺構造40において用いるケーブル44は、通水管36の屈曲部36A、36Bで生じた不平均力を相殺するだけでなく、連結材48を介して水管橋42(通水管36)を吊り上げて、水管橋42のたわみを小さくする役割も果たす。
図7および図8に示すように、ケーブル44は、水管橋42の延びる水平方向に沿って、水管橋42の上部に2本平行に架設されており、連結材48は2本の平行なケーブル44の双方に取り付けられている。
連結材48は、ターンバックル48Aと、ブラケット48Bと、可動連結部材48Cと、を有してなる。
ターンバックル48Aは、下端部がブラケット48Bに取り付けられており、上端部には可動連結部材48Cが取り付けられている。ブラケット48Bは、通水管36の外周面に溶接で取り付けられている。
可動連結部材48Cは、ケーブル44に沿って移動することを可能にする機構を備えており、ケーブル44に沿って移動可能なようにケーブル44に取り付けることができるが、所定の位置に配置された段階で位置を固定できるように、位置固定機構も備えている。
連結材48は、ケーブル44と通水管36との間を連結しており、ケーブル44は、連結材48を介して通水管36を上方に吊り上げており、通水管36のたわみを減少させる。
ケーブル44が連結材48を介して通水管36を上方に吊り上げる力の大きさは、ターンバックル48Aの長さを調整することで調節することができる。
連結材48の配置ピッチは、ケーブル44が連結材48を介して通水管36を上方に吊り上げる力の合計の大きさおよび1つの連結材48が負担できる吊り上げ力の大きさ等に応じて適宜に定めることができ、具体的には例えば、5mピッチ程度にすることが標準的である。
本第3実施形態に係る不平均力相殺構造40においては、ケーブル44が連結材48を介して通水管36を上方に吊り上げて、通水管36のたわみを減少させているので、本第3実施形態に係る不平均力相殺構造40を用いることにより、水管橋42のたわみを減少させるための補剛材の設置等を不要にするか軽減することができる。本第3実施形態に係る不平均力相殺構造40を適用できる水管橋42の支間長に特に制限はないが、水管橋42の支間長としては、10〜30m程度が標準的である。
連結材48が取り付けられるケーブル44の高さ位置は、連結材48を介して通水管36を上方に吊り上げることを可能にする観点から、水管橋42の支間部における下端部の高さ位置X(図9参照)よりも高い位置であることが必要である。即ち、本第3実施形態に係る不平均力相殺構造40においては、用いるケーブル44のうち、少なくとも1本は、その高さ位置が水管橋42の支間部における下端部の高さ位置Xよりも高い位置であることが必要であり、水管橋42の支間部における下端部の高さ位置Xよりも高い位置のケーブル44に連結材48を取り付ける。
なお、連結材48は、通水管36を上方に吊り上げることに耐える性能を有しているものであれば用いることができ、必要な性能を有しているのであれば、長さの調節機能を備えていなくても連結材48の長尺部材として使用可能であり、例えば、丸鋼やPC鋼線を連結材48の長尺部材として用いることもできる。
10、30、40…不平均力相殺構造
12、32、42…水管橋
14、34、44…ケーブル
16、36…通水管
16A、36A、36B…屈曲部
16B、36C、36D…伸縮管
16C…定着ブラケット
20、28…定着態様
22…マンション
24…アンカープレート
26…ナット
48…連結材
48A…ターンバックル
48B…ブラケット
48C…可動連結部材
50、70、80…橋台
50A、70A、80A…上端前面部
50B、70B、80B…前端部
50C、70C、80C…上端後面部
50D…上端面
52、72、82…可動サポート
54…ブラケット
54A…底鋼板
54B…受圧鋼板
54C…補強鋼板
56…アンカー
60…石積み擁壁
F、F1、F2、F3…不平均力
M…転倒モーメント
P1、P2、P3、P4…力
X…水管橋42の支間部における下端部の高さ位置

Claims (6)

  1. 対向する支持部の間に通水管が架け渡されて形成された水管橋と、
    前記水管橋に沿って架設されたケーブルと、
    を備えてなり、
    対向する前記支持部のうちの少なくとも一方は、コンクリートおよび鋼のうちの少なくともいずれか一方を有してなる構造物であり、
    前記水管橋の一端は前記構造物に固定されており、かつ、前記ケーブルの一端は前記構造物に定着されており、
    前記水管橋は、前記構造物に固定されている前記一端に、不平均力が発生する屈曲部を有している一方、
    前記ケーブルには張力が導入されていて、前記ケーブルの前記張力は前記構造物を介して前記水管橋の前記屈曲部に作用して前記不平均力を相殺することを特徴とする不平均力相殺構造。
  2. 前記水管橋の前記屈曲部は前記構造物の中に埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の不平均力相殺構造。
  3. 対向する支持部の間に通水管が架け渡されて形成された水管橋と、
    前記水管橋に沿って架設されたケーブルと、
    を備えてなり、
    対向する前記支持部はどちらも、コンクリートおよび鋼のうちの少なくともいずれか一方を有してなる構造物であり、
    前記水管橋の一端は前記構造物のうちの一方に固定されており、前記水管橋の他端は前記構造物のうちの他方に固定されており、かつ、前記ケーブルの一端は前記構造物のうちの一方に定着されており、前記ケーブルの他端は前記構造物のうちの他方に定着されており、
    前記水管橋は、前記一端および前記他端に、不平均力が発生する屈曲部をそれぞれ有している一方、
    前記ケーブルには張力が導入されていて、前記ケーブルの前記張力は前記構造物を介して前記水管橋の前記一端および前記他端の前記屈曲部にそれぞれ作用して、それぞれの前記屈曲部で発生する前記不平均力を相殺することを特徴とする不平均力相殺構造。
  4. 前記水管橋の前記一端の前記屈曲部は、前記構造物のうちの一方の中に埋め込まれており、前記水管橋の前記他端の前記屈曲部は、前記構造物のうちの他方の中に埋め込まれていることを特徴とする請求項3に記載の不平均力相殺構造。
  5. 前記構造物は橋台であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の不平均力相殺構造。
  6. 前記ケーブルの本数は単数または複数であり、
    前記ケーブルのうち少なくとも1本のケーブルは前記水管橋の支間部の下端部よりも上方に位置しており、前記水管橋の支間部の下端部よりも上方に位置する前記少なくとも1本のケーブルには連結材が取り付けられており、
    前記連結材によって、前記水管橋は、支間部の少なくとも一部の部位が吊り上げられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不平均力相殺構造。
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