JP2019018135A - 遠心機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータ室の圧力に関わりなく、ロータ室のシール性が低下することを抑制可能な遠心機を提供する。【解決手段】試料を支持するロータを収容するロータ室32と、ロータ室32を開閉するように移動及び停止可能なドア12と、を有する遠心機であって、ロータ室32の圧力がロータ室32の外部55の圧力以上である場合は、ロータ室32を外部55からシールしない一方、ロータ室32の圧力が外部55の圧力未満である場合は、ロータ室32を外部55からシールする第1シール部72と、ロータ室32の圧力が外部55の圧力以上である場合は、ロータ室32を外部55からシールする一方、ロータ室32の圧力が外部55の圧力未満である場合は、ロータ室32を外部55からシールしない第2シール部71と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ロータを収容するロータ室と、ロータ室を開閉するように動作可能なドアと、を有する遠心機に関する。
ロータを収容するロータ室と、ロータ室を開閉するように動作可能なドアと、を有する遠心機の例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された遠心機は、本体、収納容器、ロータ室、ロータ、モータ及びドアを有する。ロータ室は収納容器内に設けられ、ロータはロータ室に収容されている。モータはロータを回転させる。ドアは、蝶番を介して回動可能に本体に取り付けられ、ドアはロータ室を開閉する。ドアパッキンが、収納容器の開口部に設けられている。ドアパッキンは、本体に取り付けられている。特許文献1に記載された遠心機は、ドアが回動されてドアがロータ室の開口部を閉じると、ドアパッキンがドアで押し潰され、ドアパッキンは開口部を密閉する。さらに、モータと共にロータが回転し、ロータが支持する試料の遠心分離が行われる。
特許第4645329号公報
しかし、特許文献1に記載されている遠心機は、ロータ室を大気圧としてロータを回転させる大気運転、及び、ロータ室を大気圧よりも低い真空状態としてロータを回転させる真空運転を行う場合、その両方の運転状態において、ロータ室のシール性を良好に保持することについて改善の余地があった。
本発明の目的は、ロータ室の圧力に関わりなく、ロータ室のシール性が低下することを抑制可能な遠心機を提供することにある。
一実施形態の遠心機は、試料を支持するロータを収容するロータ室と、前記ロータ室を開閉するように移動及び停止可能なドアと、を有する遠心機であって、前記ロータ室の圧力が前記ロータ室の外部の圧力以上である場合は、前記ロータ室を前記外部からシールしない一方、前記ロータ室の圧力が前記ロータ室の外部の圧力未満である場合は、前記ロータ室を前記外部からシールする第1シール部と、前記ロータ室の圧力が前記ロータ室の外部の圧力以上である場合は、前記ロータ室と前記外部とをシールする一方、前記ロータ室の圧力が前記ロータ室の外部の圧力未満である場合は、前記ロータ室を前記外部からシールしない第2シール部と、を有する。
一実施形態の遠心機は、ロータ室の圧力に関わりなく、ロータ室のシール性が低下することを抑制可能である。
本発明の遠心機の一実施形態を示す全体断面図である。 遠心機に設けるシール部材の具体例1であり、遠心機を大気運転する場合の部分的な断面図である。 遠心機に設けるシール部材の具体例1であり、遠心機を真空運転する場合の部分的な断面図である。 遠心機の制御系統を示すブロック図である。 遠心機に設けるシール部材の具体例2であり、遠心機を大気運転する場合の部分的な断面図である。 遠心機に設けるシール部材の具体例2であり、遠心機を真空運転する場合の部分的な断面図である。 遠心機に設けるシール部材の具体例3であり、遠心機を大気運転する場合の部分的な断面図である。 遠心機に設けるシール部材の具体例3であり、遠心機を真空運転する場合の部分的な断面図である。
以下、本発明に係る遠心機の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示す遠心機10は、本体部11、ドア12、収納容器13、ロータ14、ロータ用モータ15、ロック機構16、冷却装置17及び真空ポンプ18を有する。本体部11は、金属及び合成樹脂等の材料により箱形に形成されている。隔壁19が本体部11内に設けられ、隔壁19は本体部11の内部を第1室20と第2室21とに仕切っている。重力の作用方向で、第1室20は第2室21の上に位置する。
本体部11は上壁22を有し、上壁22は隔壁19と平行に配置されている。上壁22は開口部65を有し、開口部65は、第1室20と本体部11の外部55とをつなぐ。上壁22にヒンジ23が設けられている。遠心機10の平面視で、ドア12は円形や四角形、例えば正方形または長方形である。ドア12はヒンジ23を介して本体部11に接続されている。ドア12は、所定角度の範囲内で動作可能及び停止可能である。
ドア12は、板形状の基部59と、基部59から基部59の厚さ方向に突出した突部60と、突部60から基部59の厚さ方向に突出した突部61と、を有する。突部60及び突部61の平面形状は共に円形である。突部60の外径は、突部61の外径よりも大きい。
引張りスプリング27が本体部11に設けられている。引張りスプリング27は、ドア12に対して開く方向の力を加える。引張りスプリング27は、金属製であり、引張りスプリング27の伸縮方向の第1端部はドア12に接続され、引張りスプリング27の伸縮方向の第2端部は隔壁19に接続されている。引張りスプリング27は、ドア12に対して図1で時計回りの付勢力を加える。
収納容器13は金属製であり、収納容器13は、筒部28、底部29及び図2、図3に示すフランジ部56を有する。フランジ部56は、筒部28から径方向で外側に向けて突出されており、筒部28の全周に亘って設けられている。フランジ部56は、開口部65に配置されている。
図1のように、収納容器13内にロータ室32が形成されている。ドア12はロータ室32を開閉する。軸孔33が底部29を貫通して設けられている。第1室20内にケーシング57が設けられている。ケーシング57は金属製、かつ、円筒形状であり、ケーシング57内に収納容器13が配置されている。フランジ部56は、ケーシング57と収納容器13との間に断熱材58が設けられている。断熱材58は、例えば、発泡ウレタンである。
ロータ14は、試料を支持、具体的には収容する。ロータ14は、金属製、合成樹脂製、ガラス製等の何れでもよい。ロータ14に識別子が設けられ、識別子はロータ14の種類等の情報を表す。試料は、液体と固体との混合物、または液体同士の混合物を含む。ロータ用モータ15は、ロータ室32、軸孔33及び第2室21に亘って設けられている。ロータ用モータ15は電動モータであり、軸孔33をシールするシール部材37が設けられている。ロータ用モータ15の回転軸36は、ロータ室32に配置されている。回転軸36の回転中心となる中心線A1は、収納容器13の径方向の中心でもある。回転軸36はロータ14に接続されており、回転軸36及びロータ14は一体回転する。
冷却装置17は本体部11の第2室21に設けられている。冷却装置17は、冷却配管38、第1配管39、第2配管40、第3配管41、凝縮器42及び圧縮機43を有する。冷却配管38は、収納容器13の筒部28の外周に巻き付けられている。第1配管39は、冷却配管38と凝縮器42とを接続する。第3配管41は、冷却配管38と圧縮機43とを接続する。第2配管40は、圧縮機43と凝縮器42とを接続する。圧縮機43は、電動モータにより駆動されて気体の状態で冷媒を圧縮する。圧縮機43で圧縮された冷媒は第2配管40を介して凝縮器42に送られる。凝縮器42は、冷媒を冷却して液化する熱交換器である。凝縮器42から出た液状の冷媒は、第1配管39を介して冷却配管38に送られ、ロータ室32の熱が収納容器13および冷却配管38を介して冷媒に伝達され、冷却配管38内の冷媒の温度が上昇して気化する。気化した冷媒は、第3配管41を経由して圧縮機43に送られる。
このように、冷却装置17は、冷媒が循環する冷凍サイクルを形成し、ロータ室32の温度上昇を抑制する。冷却装置17は、インバータまたは流量調整弁のいずれか一方、または両方と、電動モータと、を有する。インバータを制御して電動モータの回転速度を制御することで冷媒の供給量を制御するか、または、流量調整弁を制御することで冷媒の圧縮圧力や供給量を制御し、ロータ室32の温度を調整可能である。
すなわち、流量調整弁を制御して冷媒の供給量を制御することで、ロータ室32の温度を調整することが可能である。また、圧縮機43の電動モータに印加する電圧の所定当たりの周波数を制御することで、ロータ室32の温度を調整することも可能である。
真空ポンプ18は、第2室21に設けられている。真空ポンプ18の吸入口は、吸気管44を介してロータ室32に接続されている。真空ポンプ18が駆動すると、ロータ室32内が減圧される。
ロック機構16は、ロータ室32を閉じたドア12が開くことを禁止するロック状態と、ロータ室32を閉じたドア12が開くことを許容するアンロック状態とに切り替えられる。ロック機構16は、フックキャッチ45、フック46及びロック用モータ47を有する。フックキャッチ45は、ドア12に固定されている。フック46は、ロック用モータ47の動力で回転及び停止する。
フック46がフックキャッチ45に係合すると、ロック機構16はロック状態になる。ロック機構16がロック状態になると、フック46とフックキャッチ45との係合力により、ドア12の開放が禁止される。つまり、ドア12は第1の閉位置に保持される。ドア12が第1の閉位置に保持されている状態において、フック46とフックキャッチ45との間に隙間がある。このため、ドア12を閉じる向きに付勢して、ドア12を第1の閉位置から隙間に応じた分だけ移動させることが可能である。
フック46がフックキャッチ45から解放されると、ロック機構16がアンロック状態になる。ロック機構16がアンロック状態になると、ドア12の開放が許容される。
図4に示す操作表示部87が、図1に示す本体部11に設けられている。操作表示部87は、ユーザが操作可能及び目視可能である。ユーザが操作表示部87を操作すると、ロータ用モータ15の回転、停止及び回転速度を設定し、ロータ室32の温度を設定し、ドア12のロック解除を行うことが可能である。
さらに、図4に示すドアセンサ51、回転速度センサ52、温度センサ53、ロータ検出センサ91及びエアリークバルブ92が設けられている。ドアセンサ51は、ドア12が閉じられているか開いているかを検出して信号を出力する。回転速度センサ52は、回転軸36の回転速度、つまり、ロータ14の回転速度を検出して信号を出力する。温度センサ53は、ロータ室32内の温度を検出して信号を出力する。ロータ検出センサ91は、ロータ14の識別子を検出することで、ロータ14の有無、ロータ14の種類を検出して信号を出力する。
エアリークバルブ92は、収納容器13に取り付けられている。エアリークバルブ92は、ロータ室32と収納容器13の外部とを接続する管路を開閉する要素である。エアリークバルブ92としては、例えば、ソレノイドバルブを用いることが可能である。
図1のように、制御部54が第2室21に設けられている。制御部54は、入力インタフェース、出力インタフェース、演算処理装置、記憶装置等を有するマイクロコンピュータである。制御部54は操作表示部87との間で信号の授受可能であり、ドアセンサ51、回転速度センサ52及び温度センサ53から出力される信号は、制御部54に入力される。制御部54は、ロータ用モータ15及びロック用モータ47を制御する信号、圧縮機43を制御する信号、真空ポンプ18を制御する信号を出力する。制御部54は、ロータ検出センサ91によって検出されたロータ14の種類に応じて、真空ポンプ18の起動及び停止、ロータ用モータ15の回転数、エアリークバルブ92を制御し、かつ、運転モードを選択する。運転モードは、大気運転モード及び真空運転モードを含む。
シール部材34が、ドア12と収納容器13との間に設けられている。シール部材34は、合成ゴム製で環状に形成されている。シール部材34の具体例を順次説明する。
(具体例1)
図2及び図3は、シール部材34の具体例1を示す。シール部材34は、フランジ部56に嵌め込んで取り付けられている。シール部材34は、基部62、フランジ部88、リップ部63,64を有する。基部62は円筒形状であり、フランジ部88は、基部62における中心線A1方向の端部から、基部62の径方向で外側に向けて突出している。フランジ部88は、基部62の全周に亘って環状に形成されている。基部62は筒部28の内周面に固定され、フランジ部88はフランジ部56に固定されている。基部62の内径は、突部61の外径よりも大きい。基部62の外径は、開口部65の内径よりも小さい。
リップ部63はフランジ部88に設けられ、かつ、中心線A1を中心とする環状に形成されている。リップ部63は基部62の径方向に延ばされている。リップ部63は、フランジ部88に対して傾斜している。基部62の径方向で、リップ部63の先端が、リップ部63の基端よりも外側に位置するように、リップ部63はフランジ部88に対して傾斜している。
リップ部64は基部62の内周面に設けられ、かつ、中心線A1を中心とする環状に形成されている。リップ部63とリップ部64とは、外部55とロータ室32との間における気体の流れ方向で異なる位置に配置されている。リップ部64は、外部55とロータ室32との間における気体の流れ方向で、ロータ室32とリップ部63との間に配置されている。リップ部64は、基部62の径方向でリップ部63よりも内側に配置されている。
リップ部64は基部62の長手方向に延ばされている。基部62の長手方向は、中心線A1方向である。リップ部64は、基部62に対して傾斜している。基部62の長手方向で、リップ部64の先端が、リップ部64の基端よりもロータ室32に近くに位置するように、リップ部64は基部62に対して傾斜している。
次に、遠心機10の使用例を説明する。ユーザは、ドア12が開かれている状態で、ロータ14をロータ室32に配置する。ドア12は、引張りスプリング27の付勢力で開かれており、かつ、ストッパにより所定の位置で停止している。ユーザは、操作表示部87を操作して、ロータ室32の温度、ロータ14の回転速度を設定する。
制御部54は、ドア12が開口部31を閉じているか開いているかを判断する。制御部54は、ドア12が開口部31を開いた状態にあると、ロック用モータ47を停止しており、ロック機構16はアンロック状態で停止している。
ユーザがドア12をヒンジ23を中心として図1で反時計回りに動作させると、ドア12はシール部材34に近づくように移動する。ドア12がシール部材34に近づくように移動すると、引張りスプリング27は伸びる。そして、ユーザは、ドア12の表面35がシール部材34に接触した状態で、ドア12を引張りスプリング27の付勢力に抗して停止させる。
図2を参照して具体的に説明する。ドア12の突部60の表面66がシール部材34のリップ部63に接触し、ユーザがドア12を押さえる荷重はリップ部63に加わる。表面66がリップ部63に接触した時点において、表面66は中心線A1に対して略垂直である。
制御部54は、ドア12が閉じられていること、すなわち、ユーザがドア12をシール部材34に接触し停止させた位置から更に閉じ方向に押し、ドア12がドアロック位置に到達したことを検出すると、ロック用モータ47を回転させる。すると、フック46が動作して、フック46がフックキャッチ45に係合し、ロック用モータ47が停止する。このようにして、ロック機構16はアンロック状態からロック状態に切り替わる。ロック機構16がロック状態になると、ドア12の開放が禁止される。つまり、ドア12は、引張りスプリング27の付勢力に抗して、ドア12は開口部31を閉じた状態に維持される。このように、ドア12がロック機構16により停止されている位置、つまり、ドア12が開く方向に動作することが禁止されている位置が、ドア12における第1の閉位置である。
ドア12が第1の閉位置で停止していると、リップ部64は、図2に二点鎖線で示すように、突部61の外周面67と先端面68との間の境界部69から離れている。突部60の表面66と、突部61の外周面67と、基部62との間に空間70が形成される。つまり、ロータ室32と外部55との間における空気の流れ方向で、リップ部63とリップ部64との間に空間70が形成されてる。
ユーザがロータ14を回転させる操作を行うと、ロータ用モータ15と共にロータ14が回転し、ロータ14内で試料の遠心分離処理が行われる。遠心分離処理は、試料の沈殿分離、精製、濃縮等を含む。遠心分離処理中、制御部54は、ロータ室32内のロータ室32内の温度を、ユーザが設定した値に制御する。
制御部54が、ロータ14の種類に応じて大気運転モードを選択していると、ロータ14の回転によりロータ室32の圧力が上昇する。制御部54は、大気運転モードを選択すると、真空ポンプ18を停止させている。ロータ室32の圧力が上昇すると、リップ部64が弾性変形し、リップ部64は図2に実線で示すように境界部69に押し付けられ、第2シール部71を形成する。つまり、第2シール部71が、ロータ室32を外部55からシールする。なお、リップ部63が表面66に接触して第1シール部72を形成するが、第1シール部72は、大気運転モードにおいて、ロータ室32を外部55からシールしない。
制御部54は、試料の遠心分離処理が終了するとロータ用モータ15を停止する。そして、ユーザが操作表示部87でドア12のロックを解除する操作を行うと、制御部54はロック用モータ47を回転させる。このため、フック46が動作してフック46がフックキャッチ45から解放され、ロック用モータ47が停止する。このようにして、ロック機構16がロック状態からアンロック状態に切り替わる。すると、ドア12は引張りスプリング27の付勢力により図1で時計回りに回動し、ドア12は所定の開き位置で停止する。ユーザは、更にロータ室32からロータ14を取り出す。
次に、制御部54が、ロータ14の種類に応じて真空運転モードを選択した場合について、図3を参照して説明する。制御部54は、真空運転モードを選択すると、真空ポンプ18を起動させ、かつ、エアリークバルブ92を閉じる。すると、ロータ室32の圧力が低下してドア12が大気圧で付勢され、ドア12は、図3に二点鎖線で示す第1の閉位置から、収納容器13に近づく向きで移動する。ドア12が移動する方向は、中心線A1と平行な方向である。ドア12が収納容器13に近づく向きで移動すると、リップ部63が受ける荷重が増加して弾性変形する。リップ部63が所定量弾性変形すると、ドア12は、図3に実線で示す第2の閉位置で停止する。ドア12の第2の閉位置は、中心線A1方向で第1の閉位置よりもロータ室32に近い。
また、リップ部64は境界部69から離れており、空間70とロータ室32とがつながる。大気運転モードが選択されてロータ室32が真空状態にあると、外部55の空気圧でリップ部63が表面66に押し付けられる荷重が増加する。このように、第1シール部72のシール面圧が増加し、第1シール部72は、ロータ室32を外部55からシールする。なお、リップ部64が形成する第2シール部71は、ロータ室32を外部55からシールしない。
制御部54は、試料の遠心分離処理が終了するとロータ用モータ15を停止し、かつ、真空ポンプ18を停止する。また、制御部54は、ロータ用モータ15の減速中にエアリークバルブ92を開き、収納容器13の外部の空気をロータ室32に送り込む。このため、ロータ14が完全に停止したときには、ロータ室32は大気圧にある。ロータ室32が大気圧になると、ドア12は、図3で実線で示す第2の閉位置から、図2に示す第1の閉位置に移動して停止する。
そして、ユーザが操作表示部87でドア12のロックを解除する操作を行うと、制御部54は、ロック機構16をロック状態からアンロック状態に切り替える。すると、ドア12は引張りスプリング27の付勢力により図1で時計回りに回動し、ドア12は所定の位置で停止する。
制御部54が真空運転モードを選択して、ロータ室32が真空状態にある際、リップ部64が境界部69から離れ、空間70はロータ室32につながっている。このため、ドア12が開く際に、リップ部63,64がドア12に吸着された状態になることを防止できる。したがって、ドア12が開く動作が阻害されることを抑制できる。さらに、リップ部63,64は、単数のシール部材34に設けられているため、遠心機10の製造コストが上昇することを抑制できる。
(具体例2)
図5及び図6は、シール部材34の具体例2を示す。図5及び図6に示す構成において、図2及び図3に示す構成と同じ構成は、図2及び図3と同じ符号を付してある。シール部材34は、リップ部73,74を有する。リップ部74は基部62の内周面に設けられ、かつ、基部62の長さ方向に延ばされている。リップ部74は、基部62に対して傾斜している。基部62の長手方向で、リップ部74の先端と、ロータ室32との間に、リップ部74の基端が位置する向きで、リップ部74は基部62に対して傾斜している。リップ部74が大気圧を受けている状態で、リップ部74は突部61の外周面67から離れている。
リップ部73とリップ部74とは、外部55とロータ室32との間における気体の流れ方向で異なる位置に配置されている。リップ部74は、外部55とロータ室32との間における気体の流れ方向で、ロータ室32とリップ部73との間に配置されている。リップ部74は、基部62の径方向でリップ部73よりも内側に配置されている。
リップ部73はフランジ部88の表面に設けられており、フランジ部88から基部62の径方向に延ばされている。リップ部73は、フランジ部88に対して傾斜している。基部62の径方向で、リップ部73の先端が、リップ部73の基端よりも内側に位置する向きで、リップ部73はフランジ部88に対して傾斜している。
ドア12がロック機構16によりロックされて、ドア12が第1の閉位置で停止している状態を、図5を参照して説明する。ドア12が第1の閉位置に停止していると、突部60の表面66がリップ部73に接触し、ドア12からリップ部73に荷重が加わっている。
ドア12が第1の閉位置で停止していると、リップ部74は、突部61の外周面67から離れている。ドア12が第1の閉位置で停止していると、ロータ室32と外部55との間における空気の流れ方向で、リップ部73とリップ部74との間に空間70が形成される。
制御部54が大気運転モードを選択していると、ロータ14の回転によりロータ室32の空気圧が上昇する。ロータ室32の空気圧が上昇すると、ロータ室32の空気圧は、リップ部74と外周面67との間を介して空間70に伝達される。リップ部74と外周面67とにより第1シール部75が形成されるが、第1シール部75は、大気運転モードにおいて、ロータ室32をシールする役割を果たさない。これに対して、リップ部73が表面66に押し付けられて第2シール部76を形成し、第2シール部76が、ロータ室32を外部55からシールする。
制御部54が試料の遠心分離処理の終了後に、ロック機構16をロック状態からアンロック状態に切り替えると、ドア12は引張りスプリング27の付勢力により図1で時計回りに動作し、表面66はリップ部73から離れ、ドア12は所定の位置で停止する。
次に、制御部54が真空運転モードを選択した場合を、図6を参照して説明する。ドア12が図6の二点鎖線で示す第1の閉位置で停止している際に、制御部54が真空ポンプ18を起動し、かつ、エアリークバルブ92を閉じると、ロータ室32の空気圧が低下する。すると、ドア12は大気圧で付勢されて収納容器13に近づく向きで移動し、リップ部73が受ける荷重が増加して弾性変形する。リップ部73が所定量弾性変形すると、ドア12は、図6に実線で示す第2の閉位置で停止する。ドア12の第2の閉位置は、中心線A1方向でドア12の第1の閉位置よりもロータ室32に近い。
また、真空運転モードが選択されてロータ室32が減圧されると、リップ部74が外周面67に押し付けられ、第1シール部75がロータ室32をシールする。このように、ロータ室32が真空状態にあると、第1シール部75は、ロータ室32を外部55からシールする。なお、第2シール部76は、真空運転モードが選択されると、ロータ室32を外部55からシールしない。
さらに、制御部54は、試料の遠心分離処理が終了するとロータ用モータ15を停止し、かつ、真空ポンプ18を停止する。また、制御部54は、ロータ用モータ15の減速中にエアリークバルブ92を開く。すると、ロータ室32の圧力が上昇し、ドア12は図6に実線で示す第2の閉位置から、図5に示す第1の閉位置に移動して停止する。また、リップ部74は外周面67から離れ、ロータ室32と空間70とがつながる。このため、第1の閉位置に停止しているドア12が開く際に、リップ部73,74がドア12に吸着された状態になることを防止できる。したがって、ドア12が開く動作を阻害されることを抑制できる。さらに、リップ部73,74は、単数のシール部材34に設けられているため、遠心機10の製造コストが上昇することを抑制できる。
(具体例3)
図7及び図8は、シール部材34の具体例3を示す。図7及び図8に示す構成において、図2及び図3に示す構成と同じ構成は、図2及び図3と同じ符号を付してある。シール部材34はドア12に固定されている。
ドア12の突部60及び突部61に亘って保持溝77が設けられている。保持溝77は環状であり、シール部材34は保持溝77に取り付けられている。シール部材34は、基部78と、基部78に設けられた環状のリップ部79,80と、を有する。リップ部79は基部78の径方向に延ばされている。リップ部79は、突部60の表面66に対して傾斜している。基部78の径方向で、リップ部79の先端が、リップ部79の基端よりも外側に位置する向きで、リップ部79は表面66に対して傾斜している。
リップ部79とリップ部80とは、外部55とロータ室32との間における気体の流れ方向で異なる位置に配置されている。リップ部80は、外部55とロータ室32との間における気体の流れ方向で、ロータ室32とリップ部79との間に配置されている。リップ部80は、基部78の径方向でリップ部79よりも内側に配置されている。リップ部80はドア12の厚さ方向で、先端面68とリップ部79との間に配置されている。
リップ部79は基部78からドア12の厚さ方向に突出している。リップ部79は、表面66に対して傾斜している。突部60の径方向で、リップ部79の先端が、リップ部79の基部よりも外側に位置するように、リップ部79は表面66に対して傾斜している。リップ部80は基部78からドア12の厚さ方向に突出している。リップ部80は、外周面67に対して傾斜している。ドア12の厚さ方向で、リップ部80の先端が、リップ部80の基端よりも先端面68の近くに位置する向きで、リップ部80は外周面67に対して傾斜している。
収納容器13に補助リング81が取り付けられている。補助リング81は合成樹脂製である。補助リング81は、筒部28の内周面及びフランジ部56に亘って固定されている。補助リング81は、断面形状がL字形であり、内周面82及び端面83を有する。補助リング81の内径は、突部61の外径よりも大きく、突部60の外径よりも小さい。内周面82は中心線A1を中心として形成され、かつ、中心線A1と平行である。端面83は中心線A1に対して垂直である。内周面82及び端面83は共に環状である。
ユーザがドア12を引張りスプリング27の付勢力に抗して図1で反時計回りに動作させると、突部61が補助リング81内に進入する。そして、図7のように、リップ部79の先端が端面83に接触する。ユーザがドア12を更に閉じ方向に移動して、制御部54がドア12が第1の閉位置に到達したことを検出すると、ロック機構16がアンロック状態からロック状態に切り替わり、ドア12が第1の閉位置で停止する。
ドア12が第1の閉位置で停止した状態において、リップ部80は、二点鎖線で示すように、補助リング81の内周面82から離れている。ドア12が第1の閉位置で停止していると、ロータ室32と外部55との間における空気の流れ方向で、リップ部79とリップ部80との間に空間84が形成される。
制御部54が大気運転モードを選択すると、ロータ14の回転によりロータ室32の空気圧が上昇する。ロータ室32の空気圧が上昇すると、リップ部80が弾性変形し、リップ部80は図7に実線で示すように内周面82に押し付けられ、リップ部80と内周面82とにより第2シール部85が形成される。第2シール部85は、大気運転モードにおいて、ロータ室32を外部55からシールする。これに対して、リップ部79が端面83に接触して第1シール部86を形成するが、第1シール部86は、大気運転モードが選択されていると、ロータ室32を外部55からシールしない。
制御部54が試料の遠心分離処理の終了後にロータ用モータ15を停止させると、ロータ室32の空気圧が低下し、リップ部80は内周面82から離れる。そして、ユーザがドア12のロック解除をする操作を行うと、制御部54がロック機構16をロック状態からアンロック状態に切り替える。すると、ドア12が引張りスプリング27の付勢力により図1で時計回りに動作し、リップ部79は端面83から離れ、ドア12が所定の位置で停止する。
次に、制御部54が真空運転モードを選択する例を、図8を参照して説明する。ドア12が図8の二点鎖線で示す第1の閉位置で停止している際に、真空ポンプ18が起動し、かつ、エアリークバルブ92が閉じられ、ロータ室32の空気圧が低下する。すると、ドア12は大気圧で付勢されて収納容器13に近づく向きで移動する。リップ部79が所定量弾性変形すると、ドア12は、図8に実線で示す第2の閉位置で停止する。ドア12の第2の閉位置は、中心線A1方向で第1の閉位置よりもロータ室32に近い。
また、真空運転モードが選択されてロータ室32が減圧されると、リップ部80は内周面82から離れている。つまり、第2シール部85は、ロータ室32を外部55からシールしない。また、リップ部79が端面83に押し付けられ、第1シール部86がロータ室32を外部55からシールする。
さらに、制御部54は、試料の遠心分離処理が終了すると、ロータ用モータ15を停止し、かつ、真空ポンプ18を停止する。制御部54は、ロータ用モータ15の減速中に、エアリークバルブ92を開く。すると、ロータ室32の圧力が上昇して、ドア12が図8に実線で示す第2の閉位置から、図7に示す第1の閉位置に移動して停止する。ドア12が第1の閉位置で停止し、かつ、ロータ室32が大気圧になると、リップ部80は二点鎖線で示すように内周面82から離れる。このため、ロック機構16がロック状態からアンロック状態に切り替えられて、ドア12が第1の閉位置から開く際に、リップ部79,80がドア12に吸着された状態になることを防止できる。したがって、ドア12が開く動作が阻害されることを抑制できる。さらに、リップ部79,80は、単数のシール部材34に設けられているため、遠心機10の製造コストが上昇することを抑制できる。
実施形態で説明した事項の意味を説明する。リップ部63,74,79は、第1シール要素の一例である。リップ部64,73,80は、第2シール要素の一例である。補助リング81は収納容器13の一部である。外部は、第1シール部または第2シール部により、ロータ室から隔てられる空間である。
また、“大気運転モードが選択されてロータ14が回転し、ロータ室32の空気圧が上昇した場合”が、“ロータ室の圧力がロータ室の外部の圧力以上である場合”の一例である。さらに、“真空運転モードが選択されてロータ室32の空気圧が減圧される場合”が、“ロータ室の圧力が外部の圧力未満である場合”の一例である。
遠心機は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、シール部材34の具体例3において、図7及び図8に示されたリップ部79の傾斜方向を逆にし、リップ部80の傾斜方向を逆にすることも可能である。補助リング81を設けることなく、リップ部79とフランジ部56とにより第1シール部を形成し、リップ部80と筒部28の内周面とにより第2シール部を形成することも可能である。
さらに、遠心機は、第1シール要素をドアに設け、第2シール要素を収納容器に設けたものを含む。さらに、遠心機は、第2シール要素をドアに設け、第1シール要素を収納容器に設けたものを含む。第1シール要素及び第2シール要素を、ドアまたは収納容器に取り付ける方法は、埋め込み、接着、嵌め込みなどの方法を単独で行うこと、または、これらの方法を組み合わせて行うことを含む。
10…遠心機、12…ドア、13…収納容器、14…ロータ、32…ロータ室、55…外部、63,64,73,74,79,80…リップ部、71,76,85…第2シール部、72,75,86…第1シール部、81…補助リング。

Claims (9)

  1. 試料を支持するロータを収容するロータ室と、前記ロータ室を開閉するように移動及び停止可能なドアと、を有する遠心機であって、
    前記ロータ室の圧力が前記ロータ室の外部の圧力以上である場合は、前記ロータ室を前記外部からシールしない一方、前記ロータ室の圧力が前記ロータ室の外部の圧力未満である場合は、前記ロータ室を前記外部からシールする第1シール部と、
    前記ロータ室の圧力が前記ロータ室の外部の圧力以上である場合は、前記ロータ室と前記外部とをシールする一方、前記ロータ室の圧力が前記ロータ室の外部の圧力未満である場合は、前記ロータ室を前記外部からシールしない第2シール部と、
    を有する、遠心機。
  2. 前記ロータ室を形成する収納容器と、
    前記第1シール部を形成する第1シール要素と、
    前記第2シール部を形成する第2シール要素と、
    が設けられ、
    前記第1シール要素及び前記第2シール要素は、前記ドアまたは前記収納容器のいずれか一方に設けられている、請求項1記載の遠心機。
  3. 前記第1シール要素及び前記第2シール要素は、前記ロータ室と前記外部との間における気体の流れ方向で異なる位置に配置されている、請求項2記載の遠心機。
  4. 前記第1シール要素及び前記第2シール要素は、前記収納容器に設けられ、
    前記第2シール要素は、前記気体の流れ方向で前記ロータ室と前記第1シール要素との間に配置されている、請求項3記載の遠心機。
  5. 前記第2シール要素は、前記ロータ室の圧力が前記外部の圧力未満である場合に前記ドアに接触しない一方、前記ロータ室の圧力が前記外部の圧力以上である場合に前記ドアに接触する、請求項4記載の遠心機。
  6. 前記第1シール要素及び前記第2シール要素は、前記収納容器に設けられ、
    前記第1シール要素は、前記気体の流れ方向で前記ロータ室と前記第2シール要素との間に配置されている、請求項3記載の遠心機。
  7. 前記第1シール要素は、前記ロータ室の圧力が前記外部の圧力以上である場合に前記ドアに接触しない一方、前記ロータ室の圧力が前記外部の圧力未満である場合に前記ドアに接触する、請求項6記載の遠心機。
  8. 前記第1シール要素及び前記第2シール要素は、前記ドアに設けられ、
    前記第2シール要素は、前記気体の流れ方向で前記ロータ室と前記第1シール要素との間に配置されている、請求項3記載の遠心機。
  9. 前記第2シール要素は、前記ロータ室の圧力が前記外部の圧力未満である場合に前記ドアに接触しない一方、前記ロータ室の圧力が前記外部の圧力以上である場合に前記収納容器に接触する、請求項8記載の遠心機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024047107A3 (de) * 2022-08-31 2024-05-02 Andreas Hettich Gmbh & Co. Kg Zentrifuge und verfahren zum betrieb dieser zentrifuge

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