JP2019018614A - 車両用ワイパ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】払拭範囲を変更可能な構成を有する場合に、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制しながら、払拭速度に対する乗員への違和感を抑制可能な車両用ワイパ装置を提供することを目的とする。【解決手段】ワイパブレードによる払拭面の払拭動作を行わせるワイパモータ18と、ワイパブレードの払拭範囲を変更(拡大)する伸縮機構120と、ワイパブレードの払拭速度または払拭範囲を指示するワイパスイッチ50と、ワイパスイッチ50によって指示された払拭速度でかつ指示された払拭速度に応じて予め定めた払拭範囲で、またはワイパスイッチ50によって指示された払拭範囲でかつ指示された払拭範囲に応じて予め定めた払拭速度で、ワイパブレードの払拭動作を行うように、ワイパモータ18及び伸縮機構120を制御する制御回路52と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、払拭範囲を変更可能な車両用ワイパ装置に関する。
特許文献1には、ワイパ装置のリンク機構をいわゆる4節リンクとすることにより、動作中のワイパアームの全長を見かけ上伸長させることにより、助手席側のウィンドシールドガラスの払拭範囲を拡大するワイパ装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のワイパ装置では、払拭範囲を拡大するために動作中の助手席側のワイパアームの全長を常時伸長させている。その結果、助手席側のアームの動く軌跡が長くなるため、アームの慣性等によりモータの出力が必要となり、かつ機械的強度も必要となる。駆動源であるモータの出力アップや機械的強度アップのためにモータを大型化すると、コスト増加に繋がる。
また、助手席側のアームの動く軌跡が長くなることで、1往復での払拭速度が、運転席側に対して速くなり、乗員にワイパ装置の動作に違和感を与えるおそれがあった。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、払拭範囲を変更可能な構成を有する場合に、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制しながら、払拭速度に対する乗員への違和感を抑制可能な車両用ワイパ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用ワイパ装置は、揺動されるワイパアーム、前記ワイパアームに連結されたワイパブレード、及び前記ワイパアームの揺動の支点と前記ワイパブレードの先端とを接近及び離反させる接離機構を備えたワイパのワイパアームを揺動させてワイパブレードによる払拭面の往復払拭動作を行うための第1駆動源と、前記接離機構を駆動して前記払拭面の払拭範囲を変更する第2駆動源と、前記ワイパブレードの払拭動作に係る条件を指示する指示部と、前記指示部によって指示された条件に基づいて、前記ワイパブレードが往復払拭動作を行うように、前記第1駆動源及び前記第2駆動源を制御する制御部と、を備えている。
この車両用ワイパ装置によれば、第1駆動源によってワイパブレードによる払拭面の往復払拭動作が行われ、第2駆動源によってワイパブレードによる払拭面の払拭範囲が変更(拡大)され、ワイパブレードの払拭速度または払拭範囲は、指示部によって指示される。
そして、制御部では、指示部によって指示された条件(払拭速度、払拭範囲等)で、ワイパブレードの往復払拭動作を行うように、第1駆動源及び第2駆動源が制御される。
このように、払拭範囲に応じた払拭速度、または払拭速度に応じた払拭範囲になるように第1駆動源及び第2駆動源を制御することで、払拭範囲を変更可能な構成を有する場合に、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制しながら、払拭速度に対する乗員への違和感を抑制することが可能となる。
請求項2に記載の車両用ワイパ装置は、請求項1に記載の車両用ワイパ装置において、前記条件は、前記指示部によって指示された払拭速度であり、前記制御部は、前記払拭速度が遅いほど前記払拭範囲を拡大するように前記第1駆動源及び前記第2駆動源を制御する。
この車両用ワイパ装置によれば、払拭速度が変更された場合に、払拭速度が遅いほど払拭範囲を拡大することで、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制できると共に、払拭速度に対する乗員の違和感がなくなる。
請求項3に記載の車両用ワイパ装置は、請求項1に記載の車両用ワイパ装置において、前記条件は、前記指示部によって指示された払拭範囲であり、前記制御部は、前記払拭範囲が大きいほど払拭速度が遅くなるように前記第1駆動源及び前記第2駆動源を制御する。
この車両用ワイパ装置によれば、払拭範囲が変更された場合に、払拭範囲が大きいほど払拭速度を遅くすることで、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制できると共に、払拭速度に対する乗員の違和感がなくなる。
請求項4に記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用ワイパ装置において、降水量を検出する検出部を更に備え、前記ワイパブレードが往復払拭動作を行うように前記指示部が自動払拭を指示し、前記制御部が、前記指示部によって前記自動払拭が指示された場合に、前記検出部の検出結果に応じて払拭速度及び払拭範囲を決定し前記往復払拭動作を行うように、前記第1駆動源及び前記第2駆動源を制御する。
この車両用ワイパ装置によれば、自動払拭が指示された場合に、検出部によって検出された降水量によって払拭速度及び払拭範囲を決定し、決定した払拭速度及び払拭範囲に応じて払拭範囲及び払拭範囲の他方を変更することで、払拭範囲の拡大量または払拭範囲を自動的に制御することができる。
請求項5に記載の車両用ワイパ装置は、請求項1に記載の車両用ワイパ装置において、前記条件は、運転者の視野角の変化に対応する変数である。
この車両用ワイパ装置によれば、運転者の視野角に応じて払拭範囲の拡大量または払拭範囲を自動的に制御することにより、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制できると共に、払拭速度に対する乗員の違和感がなくなる。
請求項6に記載の車両用ワイパ装置は、請求項5に記載の車両用ワイパ装置において、前記変数は、車両の速度を含み、前記制御部は、検知された車両の速度が増大するに従って前記払拭範囲の拡大率を減少させる。
この車両用ワイパ装置によれば、車速の増大に従って狭くなる運転者の視野角に応じて払拭範囲の拡大量または払拭範囲を自動的に制御することにより、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制できると共に、払拭速度に対する乗員の違和感がなくなる。
請求項7に記載の車両用ワイパ装置は、請求項5または6に記載の車両用ワイパ装置において、前記変数は、車両前方の明るさを含み、前記制御部は、車両前方の明るさが低下するに従って前記払拭範囲の拡大率を減少させる。
この車両用ワイパ装置によれば、車両前方の明るさに従って狭くなる運転者の視野角に応じて払拭範囲の拡大量または払拭範囲を自動的に制御することにより、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制できると共に、払拭速度に対する乗員の違和感がなくなる。
請求項8に記載の車両用ワイパ装置は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の車両用ワイパ装置において、前記変数は、降水量を含み、前記制御部は、降水量が増大するに従って前記払拭範囲の拡大率を減少させる。
この車両用ワイパ装置によれば、降水量の増大に従って狭くなる運転者の視野角に応じて払拭範囲の拡大量または払拭範囲を自動的に制御することにより、必要とされる駆動源の出力及び機械的強度を抑制できると共に、払拭速度に対する乗員の違和感がなくなる。
請求項9に記載の車両用ワイパ装置は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用ワイパ装置において、前記第1駆動源は、出力軸を有し、前記出力軸の回転により前記ワイパブレードを動作させるワイパアームを往復回転させて、前記払拭面の予め定めた上反転位置と予め定めた下反転位置との間で前記ワイパブレードの前記往復払拭動作を行わせ、前記第2駆動源は、前記接離機構を往復運動させるリニアモータである。
この車両用ワイパ装置によれば、第1駆動源及びリニアモータである第2駆動源を制御することで、助手席側上方のワイパブレードによる払拭範囲を見かけ上拡大することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100の構成を示した概略図である。車両用ワイパ装置100は、例えば、乗用自動車等の車両に備えられたウィンドシールドガラス(ウィンドシールド)1を払拭するためのものであり、一対のワイパ14、16と、ワイパモータ18と、リンク機構20と、伸縮機構120と、制御回路52と、ウォッシャ装置70と、を備えている。
図1は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100の構成を示した概略図である。車両用ワイパ装置100は、例えば、乗用自動車等の車両に備えられたウィンドシールドガラス(ウィンドシールド)1を払拭するためのものであり、一対のワイパ14、16と、ワイパモータ18と、リンク機構20と、伸縮機構120と、制御回路52と、ウォッシャ装置70と、を備えている。
図1は、右ハンドル車の場合を示しているので、車両の右側(図1の左側)が運転席側、車両の左側(図1の右側)が助手席側である。車両が左ハンドル車の場合には、車両の左側(図1の右側)が運転席側、車両の右側(図1の左側)が助手席側になる。また、車両が左ハンドル車の場合には、ワイパ14、16の構成が左右反対になる。
ワイパモータ18は、出力軸32が所定の回転角度の範囲で正回転及び逆回転することにより、運転席側ワイパアーム26及び助手席側ワイパアーム24の各々をウィンドシールドガラス1上で往復動作させるための駆動源である。本実施形態では、ワイパモータ18が正回転した場合に、運転席側ワイパアーム26は運転席側ワイパブレード30が下反転位置P2Dから上反転位置P1Dを払拭するように動作し、助手席側ワイパアーム24は助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pを払拭するように動作する。また、ワイパモータ18が逆回転した場合には、運転席側ワイパアーム26は運転席側ワイパブレード30が上反転位置P1Dから下反転位置P2Dを払拭するように動作し、助手席側ワイパアーム24は助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pを払拭するように動作する。
ウィンドシールドガラス1の外縁部は、可視光及び紫外線を遮るため、セラミックス系の黒色顔料が塗布された遮光部1Aとなっている。黒色顔料は、ウィンドシールドガラス1の車室内側の外縁部に塗布された後、所定温度で加熱されることにより溶融し、ウィンドシールドガラス1の車室側表面に定着される。ウィンドシールドガラス1は、外縁部に塗布された接着剤により車体に固定されるが、図1に示したように、紫外線を透過させない遮光部1Aを外縁部に設けることにより、紫外線による当該接着剤の劣化を抑制する。
後述する伸縮機構120が動作しない場合には、ワイパモータ18の出力軸32が所定の回転角度(以下、「所定回転角度」と称する)で正回転及び逆回転することにより、運転席側ワイパブレード30は払拭範囲H1を、助手席側ワイパブレード28は払拭範囲Z1を、各々払拭する。
伸縮機構120は、助手席側ワイパブレード28を、助手席側ワイパアーム24に対して動作させる機構である。伸縮機構120は、助手席側ワイパブレード28を、ピボット軸42を中心とする円弧の半径方向に移動させ、助手席側ワイパアーム24を見かけ上伸長させる。前述のワイパモータ18が動作中に伸縮機構120が動作することにより、助手席側ワイパアーム24は助手席側上方に見かけ上伸長され、助手席側ワイパブレード28は払拭範囲Z2を払拭する。また、伸縮機構120の作動量(伸縮の程度)を変更することにより、助手席側ワイパアーム24が伸長する範囲を変更することが可能となる。例えば、作動量を大きくすれば、助手席側ワイパアーム24が伸長する範囲は大きくなり、作動量を小さくすれば、助手席側ワイパアーム24が伸長する範囲は小さくなる。
ワイパモータ18は、出力軸32の回転方向を正回転及び逆回転に制御可能であると共に、出力軸32の回転速度も制御可能なモータであり、一例としてブラシ付きDCモータ及びブラシレスDCモータのいずれかである。また、伸縮機構120は、後述するように、複数の電磁石及び複数の永久磁石を含む一種のリニアモータである。
ワイパモータ18及び伸縮機構120には、各々の動作を制御するための制御回路52が接続されている。本実施の形態に係る制御回路52は、例えば、ワイパモータ18の出力軸32末端付近に設けられた絶対角センサ114が検知したワイパモータ18の出力軸32の回転方向、回転位置、回転速度及び回転角度に基づいて、ワイパモータ18に印加する電圧のデューティ比を算出する。また、伸縮機構120の固定子側に設けられた移動検出センサ(図示せず)が検知した可動子の移動方向、移動による位置の変化及び移動速度に基づいて、電磁石で構成された固定子に印加する電圧の極性及びデューティ比を算出する。
本実施形態では、ワイパモータ18及び伸縮機構120の各々に印加する電圧を、電源である車載バッテリの電圧(略12V)をスイッチング素子によってオンオフしてパルス状の波形に変調するパルス幅変調(PWM)によって生成する。本実施の形態でデューティ比は、PWMによって生成される電圧の波形の1周期間に対する前述のスイッチング素子がオンになったことで生じる1のパルスの時間の割合である。また、PWMによって生成される電圧の波形の1周期は、前述の1のパルスの時間と前述のスイッチング素子がオフになりパルスが生じない時間との和である。駆動回路56は、制御回路52によって算出されたデューティ比に従って駆動回路56内のスイッチング素子をオンオフさせてワイパモータ18及び伸縮機構120の各々に印加する電圧を生成し、生成した電圧をワイパモータ18及び伸縮機構120の各々の巻線の端子に印加する。
本実施の形態に係るワイパモータ18は、ウォームギアで構成された減速機構48を有しているので、各々の出力軸の回転方向、回転速度及び回転角度は、ワイパモータ18本体の回転速度及び回転角度と同一ではない。しかしながら、本実施の形態では、各モータと減速機構48とは、一体不可分に構成されているので、以下、ワイパモータ18の出力軸32の回転速度及び回転角度を、ワイパモータ18の回転方向、回転速度及び回転角度とみなすものとする。
絶対角センサ114は、例えばワイパモータ18の減速機構48内に設けられ、出力軸32に連動して回転する励磁コイル又はマグネットの磁界(磁力)を電流に変換して検出するセンサであり、一例として、MRセンサ等の磁気センサである。また、移動検出センサは、固定子に面した側の磁極が交互に異なるように複数の永久磁石が配置された可動子の磁界(磁力)を電流に変換して検出するセンサであり、一例として、MRセンサ等の磁気センサである。
制御回路52は、ワイパモータ18の出力軸32末端付近に設けられた絶対角センサ114が検出したワイパモータ18の出力軸32の回転角度から運転席側ワイパブレード30のウィンドシールドガラス1上での位置を算出可能なマイクロコンピュータ58を備えている。マイクロコンピュータ58は、算出した位置に応じてワイパモータ18の出力軸32の回転速度が変化するように駆動回路56を制御する。
また、マイクロコンピュータ58は、ワイパモータ18の出力軸32末端付近に設けられた絶対角センサ114が検出したワイパモータ18の出力軸32の回転角度から助手席側ワイパブレード28のウィンドシールドガラス1上での位置を算出し、算出した位置に応じて伸縮機構120の可動子の移動量及び移動速度が変化するように駆動回路56を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、伸縮機構120の移動検出センサが検出した可動子の移動量から助手席側ワイパアーム24の伸長の程度を算出する。
制御回路52には、駆動回路56の制御に用いるデータ及びプログラムを記憶した記憶装置であるメモリ60が設けられている。メモリ60は、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28のウィンドシールドガラス1上の位置を示すワイパモータ18の出力軸32の回転角度に応じてワイパモータ18の出力軸32の回転速度等(回転角度を含む)及び伸縮機構120の可動子の移動速度(移動量含む)を算出するためのデータ及びプログラムを記憶している。
また、マイクロコンピュータ58には、車両のエンジン等の制御を統括する車両ECU(Electronic Control Unit)90が接続されている。また、車両ECU90には、ワイパスイッチ50、ウォッシャスイッチ62、及びレインセンサ76が接続されている。
ワイパスイッチ50は、車両のバッテリからワイパモータ18に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ワイパスイッチ50は、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28を、低速で動作させる低速作動モード選択位置、中速で動作させる中速作動モード選択位置、高速で動作させる高速作動モード選択位置、一定周期で間欠的に動作させる間欠作動モード選択位置、レインセンサ76が雨滴を検知した場合に動作させるAUTO(オート)作動モード選択位置、格納(停止)モード選択位置に切替可能である。また、各モードの選択位置に応じた信号を、車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に出力する。なお、本実施形態では、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28の動作させる速度は、予め定めた速度の中から選択可能な例として説明するが、無段階で速度変更可能としてもよい。
ワイパスイッチ50から各モードの選択位置に応じて出力された信号が車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に入力されると、マイクロコンピュータ58がワイパスイッチ50からの出力信号に対応する制御をメモリ60に記憶されたデータ及びプログラムを用いて行う。
本実施の形態では、ワイパスイッチ50には、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を払拭範囲Z2に変更する拡大モードスイッチが別途設けられていてもよい。拡大モードスイッチがオンになると、所定の信号が車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58に入力される。マイクロコンピュータ58は、所定の信号が入力されると、例えば、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに動作する場合に、払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御する。
ウォッシャスイッチ62は、車両のバッテリからウォッシャモータ64、ワイパモータ18及び伸縮機構120に供給される電力をオン又はオフするスイッチである。ウォッシャスイッチ62は、例えば、前述のワイパスイッチ50を備えたレバー等の操作手段に一体に設けられ、当該レバー等を乗員が手元に引く等の操作によりオンになる。マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオンになると、ウォッシャモータ64及びワイパモータ18を作動させる。マイクロコンピュータ58は、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pまで払拭する場合には、払拭範囲Z2を払拭するように、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pから下反転位置P2Pまで払拭する場合には、払拭範囲Z1を払拭するように伸縮機構120を各々制御する。かかる制御により、ウィンドシールドガラス1の助手席側を広く払拭することが可能となる。
ウォッシャスイッチ62がオンになっている間は、ウォッシャ装置70が備えるウォッシャモータ64の回転でウォッシャポンプ66が駆動される。ウォッシャポンプ66はウォッシャ液タンク68内のウォッシャ液を運転席側ホース72A又は助手席側ホース72Bに圧送する。運転席側ホース72Aは、ウィンドシールドガラス1の運転席側の下方に設けられた運転席側ノズル74Aに接続されている。また、助手席側ホース72Bは、ウィンドシールドガラス1の助手席側の下方に設けられた助手席側ノズル74Bに接続されている。圧送されたウォッシャ液は、運転席側ノズル74A及び助手席側ノズル74Bからウィンドシールドガラス1上に噴射される。ウィンドシールドガラス1上に付着したウォッシャ液は、動作している運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28によってウィンドシールドガラス1上の汚れと一緒に払拭される。
マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオンになっている間のみ動作するようにウォッシャモータ64を制御する。また、マイクロコンピュータ58は、ウォッシャスイッチ62がオフになっても運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2D、P2Pに達するまで動作を継続するようにワイパモータ18を制御する。さらにマイクロコンピュータ58は、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1D、P1Pに向かって払拭している際にウォッシャスイッチ62がオフになった場合には、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が、ワイパモータ18の回転により上反転位置P1D、P1Pに達するまで、払拭範囲Z2を払拭するように伸縮機構120を制御する。
レインセンサ76は、例えば、ウィンドシールドガラス1の車室内側に設けられる光学センサの一種であり、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。レインセンサ76は、一例として、赤外線の発光素子であるLED、受光素子であるフォトダイオード、赤外線の光路を形成するレンズ及び制御回路を含んでいる。LEDから放射された赤外線はウィンドシールドガラス1で全反射するが、ウィンドシールドガラス1の表面に水滴が存在すると赤外線の一部が水滴を透過して外部に放出されるため、ウィンドシールドガラス1での反射量が減少する。その結果、受光素子であるフォトダイオードに入る光量が減少する。かかる光量の減少に基づいて、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を検知する。図1に示したように、本実施の形態では、レインセンサ76は、一例として、ウィンドシールドガラス1の中央上部付近に設けられる。
続いて、ワイパ14、16の構成について説明する。ワイパ14、16は、それぞれ助手席側ワイパアーム24、26と助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30とにより構成されている。助手席側ワイパアーム24、26の基端部は、後述するピボット軸42、44に各々固定されており、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30は、助手席側ワイパアーム24、26の先端部に各々固定されている。
ワイパ14、16は、助手席側ワイパアーム24、26の動作に伴って助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30がウィンドシールドガラス1上を往復動作し、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30がウィンドシールドガラス1を払拭する。
ワイパモータ18は、減速機構48を介して、正逆回転可能な出力軸32を有し、リンク機構20は、クランクアーム34と、第1リンクロッド36と、一対のピボットレバー38、40と、一対のピボット軸42、44と、第2リンクロッド46とを備えている。
クランクアーム34の一端側は、出力軸32に固定されており、クランクアーム34の他端側は、第1リンクロッド36の一端側に動作可能に連結されている。また、第1リンクロッド36の他端側は、ピボットレバー38のピボット軸42を有する端とは異なる端寄りの箇所に動作可能に連結されており、ピボットレバー38のピボット軸42を有する端とは異なる端及びピボットレバー40におけるピボットレバー38の当該端に対応する端には、第2リンクロッド46の両端がそれぞれ動作可能に連結されている。
また、ピボット軸42、44は、車体に設けられた図示しないピボットホルダによって動作可能に支持されており、ピボットレバー38、40におけるピボット軸42、44を有する端は、ピボット軸42、44を介して助手席側ワイパアーム24、26が各々固定されている。
車両用ワイパ装置100では、出力軸32が所定の範囲の回転角度θ1で正逆回転されると、この出力軸32の回転力がリンク機構20を介して助手席側ワイパアーム24、26に伝達され、この助手席側ワイパアーム24、26の往復動作に伴って助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30がウィンドシールドガラス1上における下反転位置P2D、P2Pと上反転位置P1D、P1Pとの間で往復動作をする。θ1の値は、車両用洗浄システムのリンク機構の構成等によって様々な値をとり得るが、本実施の形態では、一例として140°とする。
本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100では、図1に示されるように、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30が格納位置P3D、P3Pに位置された場合には、クランクアーム34と第1リンクロッド36とが直線状をなす構成とされている。
格納位置P3D、P3Pは、下反転位置P2D、P2Pの下方に設けられている。助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30が下反転位置P2D、P2Pにある状態から、出力軸32がθ2回転することにより、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30は格納位置P3D、P3Pに動作する。θ2の値は、車両用洗浄システムのリンク機構の構成等によって様々な値をとり得るが、本実施の形態では、一例として10°とする。
なお、θ2が「0」の場合は、下反転位置P2D、P2Pと格納位置P3D、P3Pは一致し、助手席側ワイパブレード28、運転席側ワイパブレード30は、下反転位置P2D、P2Pで停止し、格納される。
図2は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100のワイパ14の伸縮機構120の構成の一例を示した概略図である。図2に示したように、伸縮機構120は、助手席側ワイパアーム24の端部に固定軸24Pで固定されたハウジング120H内に設けられた固定子120Aと、助手席側ワイパブレード28側に設けられ、永久磁石列120Bを備えた可動子126と、を含む。
固定子120Aにはコイル120Cが巻装され、コイル120Cに駆動回路56から供給された電圧が印加されると励磁される。駆動回路56は、コイル120Cに印加する電圧の極性を変化させることにより、励磁された固定子120Aの磁極を変化させる。助手席側ワイパアーム24の内部にはコイル120Cと駆動回路56とを導通接続する接続線(図示せず)が配策されている。
可動子126の永久磁石列120Bは、固定子120Aに面した側の磁極が交互に異なるように複数の永久磁石が配置されている。従って、固定子120Aが励磁されると、固定子120Aの磁界と永久磁石列120Bの磁界との吸引及び反発による相互作用により、可動子126は、固定子120Aに対して図2の矢印B方向または矢印C方向に移動する、いわゆる往復運動を行う。
固定子120Aを収めたハウジング120H内には、移動検出センサ118が設けられている。移動検出センサ118は、可動子126の移動に伴って変化する永久磁石列120Bの磁界を検出し、電気信号に変換して制御回路52に出力する。図2の破線で示したように、助手席側ワイパアーム24の内部には移動検出センサ118と制御回路52とを導通接続する信号線が配策されている。
図3は、図2に示されたA−A線に沿って切断した伸縮機構120の断面図である。図3に示したように、可動子126にはブレードラバー122と、金属板であるバッキング124とを備える。バッキング124は、可動子126のバッキング保持部126Aに保持されることにより、助手席側ワイパブレード28の形状保持及び弾性付与に資する部材である。
ブレードラバー122は、基端部122Aが可動子126のブレードラバー保持部126Bに嵌合され、前述のバッキング124と共に、可動子126を含む助手席側ワイパブレード28を構成する。
可動子126の頂部は、固定子120Aのハウジング120Hの下端部の案内機構120Rと嵌合するガイドレール126Rとなっており、可動子126が固定子120Aに対してピボット軸42を中心とする円弧の半径方向に移動可能に構成されている。
本実施形態に係る車両用ワイパ装置100では、図2、3に示した伸縮機構120を作動させることにより、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大することが可能とされ、払拭範囲を拡大することにより、助手席側の払拭不能領域を縮小することができる。
しかしながら、払拭速度においては、払拭範囲を拡大するほどアーム慣性などによりモータの出力が必要となり、かつ機械的強度も必要になってしまう。
そこで、本実施形態では、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28を動作させる速度(以下、払拭速度という。)に応じて払拭範囲を可変するようになっている。具体的には、ワイパスイッチ50によって指示された払拭速度が遅いほど、払拭範囲を拡大するように制御回路52による制御が行われる。
詳細には、制御回路52は、低速作動モード選択位置にワイパスイッチ50が操作された場合に、払拭範囲最大の払拭範囲Z2に拡大して図4の点線に沿って助手席側ワイパブレード28が低速で移動するように制御回路52がワイパモータ18及び伸縮機構120を制御する。また、中速作動モード選択位置にワイパスイッチ50が操作された場合に、最大より小さい払拭範囲Z3に拡大して図4の一点鎖線に沿って助手席側ワイパブレード28が中速で移動するように制御回路52がワイパモータ18及び伸縮機構120を制御する。そして、高速作動モード選択位置にワイパスイッチ50が操作された場合に、拡大しない払拭範囲Z1として図4の二点鎖線に沿って助手席側ワイパブレード28が高速で移動するように制御回路52がワイパモータ18及び伸縮機構120を制御する。なお、間欠作動モード位置にワイパスイッチ50が操作された場合には、間欠作動モード時の払拭速度に応じて払拭範囲を変更するものとするが、以下では、間欠作動モード位置にワイパスイッチ50が操作された場合の説明は省略する。
次に、払拭速度(払拭サイクル)に応じて払拭範囲の変更制御を行う場合の制御回路52によるワイパモータ18及び伸縮機構120の制御方法について説明する。
払拭範囲を最大に拡大する場合、伸縮機構120の作動量は、ワイパモータ18の出力軸32の回転角度に応じて決定される。ワイパモータ18の出力軸32の回転角度をθ1、伸縮機構120の作動量をMVとすると、図5(A)に示したように伸縮機構120の作動量は、ワイパモータ18の回転角度の関数として表せる(MV=f(θ1))。
また、払拭範囲を拡大しない場合の伸縮機構120の作動量MV=f’(θ1)とし、速度に応じて払拭範囲を最大と最小の間に変更する場合、伸縮機構120の作動量は、MV={f(θ1)−f’(θ1)}*X+f’(θ1)で表せる。なお、Xは払拭速度で変わる変数とし、最大速度V_Hi、最低速度V_Lo、最大と最低の間の速度(中速度)をV_midとすると、X=(V_Hi−V_mid)/(V_Hi−V_Lo)で、例えば、図5(B)に示したようになる。
この関数を利用して本実施形態では、低速作動モード選択位置にワイパスイッチ50が操作された場合には、ワイパモータ18の速度(ワイパブレードの払拭速度)を予め設定された最低速度(V_Lo)で駆動し、伸縮機構120の作動量をMV=f(θ1)となるように駆動を制御する。
また、中速作動モード選択位置にワイパスイッチ50が操作された場合には、ワイパモータ18の速度を予め設定された中速度(V_mid)で駆動し、変数Xを算出して算出した変数Xから伸縮機構120の作動量をMV={f(θ1)−f’(θ1)}*X+f’(θ1)で算出し、伸縮機構120を制御する。なお、本実施形態では、中速度は、予め定めた払拭速度として説明するが、払拭速度を無段階に変更可能として任意の払拭速度(V_Lo<V_mid<V_Hi)としても同様に制御することができる。
また、高速作動モード選択位置にワイパスイッチ50が操作された場合には、ワイパモータ18の速度を予め設定された最大速度(V_Hi)で駆動して、伸縮機構120の作動量をMV=f’(θ1)となるように駆動を制御する。
なお、本実施形態では、払拭範囲を拡大しない場合には、伸縮機構120を駆動しないよう(伸縮機構120の作動量が常に0になるよう)にしたが、車両用ワイパ装置100のリンク機構の構成やレイアウトによってはワイパモータ18の駆動力が拡大動作に干渉することがあるため、図5(A)に示したように、伸縮機構120の作動量はMV=f’(θ1)として示した。
このように制御回路52がワイパモータ18及び伸縮機構120の駆動を制御することで、払拭速度に応じて払拭範囲を変更することが可能となる。
また、最大拡大時及び拡大しない場合のワイパモータ18の回転角度と伸縮機構120の作動量の設定だけをメモリ60等に記憶しておけば、可変拡大の範囲は上記数式から各回転角度を設定できるので、メモリ容量を節約することができる。
続いて、払拭速度に応じて払拭範囲を変更する際に、制御回路52で行われる処理の一部について説明する。図6は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置100において、払拭速度に応じて払拭範囲を変更する際に、制御回路52で行われる処理の一部を示したフローチャートである。なお、図6の処理は、ワイパスイッチ50がオンされて車両用ワイパ装置100の作動が指示された場合に開始する。また、図6の処理は、説明を簡略化するために伸縮機構120の制御に関わる部分を主に捉えた処理であり、ワイパモータ18の制御については一部省略して示す。
ステップ200では、制御回路52が、ワイパスイッチ50の払拭速度を取得してステップ202へ移行する。すなわち、制御回路52が、低速作動モード選択位置、中速作動モード選択位置、または高速作動モード選択位置の選択位置にワイパスイッチ50が操作されたかを検出する。
ステップ202では、制御回路52が、選択された払拭速度にワイパモータ18の払拭速度を決定してステップ204へ移行する。
ステップ204では、制御回路52が、伸縮機構120の作動量を算出するための速度の変数X(払拭速度で変わる変数X)を決定して、ワイパモータ18の駆動を開始するようワイパモータ18を制御してステップ206へ移行する。
ステップ206では、制御回路52が、ワイパモータ18の回転角度及び変数Xに基づいて伸縮機構120の作動量を算出してステップ208へ移行する。これにより、払拭速度に応じた払拭範囲で助手席側ワイパブレード28を移動させることが可能となる。
ステップ208では、制御回路52が、ステップ206で算出された伸縮機構120の作動量になるように伸縮機構120を制御してステップ210へ移行する。
ステップ210では、制御回路52が、払拭速度の変更がないかを確認するために、ステップ200と同様に、ワイパスイッチ50の払拭速度を取得してステップ212へ移行する。
ステップ212では、制御回路52が、払拭速度の変更があるか否か判定する。該判定が肯定された場合にはステップ214へ移行し、否定された場合にはステップ218へ移行する。
ステップ214では、制御回路52が、ワイパモータ18の速度を変更された払拭速度に変更してステップ216へ移行する。
ステップ216では、制御回路52が、伸縮機構120の作動量を算出するための速度の変数Xを再決定してステップ206に戻って前述の処理が繰り返される。
一方、ステップ218では、制御回路52が、ワイパスイッチ50がオフされたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ206に戻って前述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ220へ移行する。
ステップ220では、制御回路52が、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28が停止位置に移動するようにワイパモータ18及び伸縮機構120を制御して一連の処理を終了する。なお、停止位置が下反転位置付近であり、ワイパブレードが下反転位置から上反転位置へ移動している場合は、上反転位置を経由してから停止位置に移動する。
このように制御回路52が制御することで、ワイパスイッチ50によって指示された払拭速度に応じた払拭範囲に変更することができる。本実施形態では、ワイパスイッチ50によって指示された払拭速度が遅いほど、払拭範囲を拡大するように制御することで、モータの出力の増大が不要となり、また機械的強度も抑えることができるので、モータの大型化が不要となりコストアップを抑制することができる。
なお、上記実施形態では、ワイパスイッチ50によって指示された払拭速度に応じて払拭範囲を変更する例を説明したが、雨量に応じて払拭速度を決定し、払拭速度に応じて払拭範囲を変更してもよい。例えば、ワイパスイッチ50によってAUTO作動モードが選択された場合に、雨量に応じて払拭速度を決定し、払拭速度に応じて払拭範囲を変更する。ここで、雨量に応じて払拭速度を決定し、払拭速度に応じて払拭範囲を変更する場合の制御回路52で行われる処理について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る車両用ワイパ装置100において、雨量に応じて払拭速度を決定し、払拭速度に応じて払拭範囲を変更する場合の制御回路52で行われる処理の一部を示したフローチャートである。なお、図6の処理と同一処理については同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、図7の処理は、例えば、ワイパスイッチ50によってAUTO作動モードが選択された場合に開始する。
図7の処理の場合にはステップ200の代わりにステップ200Aを行う。ステップ200Aでは、制御回路52が、レインセンサ76の検出結果を取得することで、降水量(本実施形態では雨量)を検出し、雨量に応じた払拭速度を決定してステップ202へ移行する。例えば、少雨量、中雨量、多雨量とレインセンサ76の検出値の対応関係を予め定めると共に、雨量に応じた払拭速度を予め定めておく、例えば、少雨量の場合は低速、中雨量の場合は中速、多雨量の場合は高速として予め定めて、レインセンサ76の検出値に対応する雨量を検出して払拭速度を決定する。
また、ステップ210の代わりにステップ210Aを行う。ステップ210Aでは、制御回路52が、雨量の変化があるか否かを判断するために雨量を再度検出してステップ212Aへ移行する。
ステップ212Aでは、制御回路52が、雨量の変化があるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ214Aへ移行し、否定された場合には前述のステップ218へ移行する。
ステップ214Aでは、制御回路52が、雨量に応じた払拭速度にワイパモータ18の速度を変更して前述のステップ216へ移行する。
これにより、雨量に応じて払拭速度を自動的に決定して払拭範囲を変更することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、払拭速度に応じて払拭範囲を変更する例を説明したが、これに限るものではなく、払拭範囲に応じて払拭速度を変更するようにしてもよい。ここで、払拭範囲に応じて払拭速度を変更する場合の制御回路52で行われる処理について説明する。図8は、本発明の実施形態に係る車両用ワイパ装置100において、払拭範囲に応じて払拭速度を変更する場合の制御回路52で行われる処理の一部を示したフローチャートである。なお、図6の処理と同一処理については同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、図8の処理では、払拭範囲は、拡大しない払拭範囲Z1と、拡大した払拭範囲Z2に2種類にワイパスイッチ50の操作によって変更可能として、払拭速度がHIとLOWの2種類である場合を例として説明する。
図8の処理の場合には、ステップ200の代わりステップ200Bを行う。ステップ200Bでは、制御回路52が、ワイパスイッチ50の信号を取得することにより、払拭範囲の指示を検出してステップ201へ移行する。
ステップ201では、制御回路52が、ワイパスイッチ50の信号に基づいて払拭範囲を拡大するか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ202Aへ移行し、否定された場合にはステップ202Bへ移行する。
ステップ202Aでは、制御回路52が、ワイパモータ18の払拭速度を予め定めたLOW速度に設定してステップ204へ移行する。一方、ステップ202Bでは、制御回路52が、ワイパモータ18の払拭速度を予め定めたHI速度に設定してステップ204へ移行する。これにより、払拭範囲に応じて払拭速度を設定することが可能となる。
また、ステップ210の代わりにステップ210Bを行う。ステップ210Bでは、制御回路52が、払拭範囲の変更があるか否かを判断するためにワイパスイッチ50の信号を再度取得してステップ212Bへ移行する。
ステップ212Bでは、制御回路52が、払拭範囲の変更があるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ214Bへ移行し、否定された場合には前述のステップ218へ移行する。
ステップ214Bでは、制御回路52が、変更された払拭範囲に応じてワイパモータ18の速度を変更して前述のステップ216へ移行する。
これにより、払拭範囲を拡大するか否かをワイパスイッチ50により指示することで、払拭速度を自動的に変更することができる。すなわち、払拭範囲を拡大する場合には拡大しない場合よりも払拭速度を遅くすることで、モータの出力の増大が不要となり、また機械的強度も抑えることができるので、モータの大型化等が不要となりコストアップを抑制することができる。
また、払拭範囲を拡大する場合と拡大しない場合とで払拭速度が同じ場合は、助手席側のアームの動く軌跡が長くなるため、1往復での払拭速度が非常に速くなり、乗員に違和感を与えるが、払拭範囲に応じて払拭速度を変更するので、乗員の違和感を防止できる。
なお、上記の図6の処理、図7の処理、及び図8の処理は、各々個別に説明したが、これに限るものではなく、少なくとも2つ以上の処理を含むものとして、ワイパスイッチ50等によって切替可能としてもよい。
また、上記の実施形態では、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲を拡大することにより、助手席側ワイパブレード28の車両下側の払拭軌跡が運転席側ワイパブレード30の払拭軌跡と重ならず、払拭不能領域が発生してしまう。そのため、払拭不能な領域をなくすために、払拭範囲を拡大する場合に往動時と復動時の助手席側ワイパブレード28を異なる軌跡として説明したが、これに限るものではない。例えば、図9に示したように、助手席側ワイパブレード28の長さが払拭範囲を拡大した際に払拭されない領域がない長さに設定して往動時及び復動時共に同じ払拭軌跡の払拭範囲Z2となるように制御してもよい。
また、本実施形態は、ワイパモータ18の出力軸32が正逆(往復)回転可能に制御されていたが、これに限定されることはない。例えば、出力軸32が一方向に回転するものでもよい。
また、本実施形態は、ワイパモータ18の出力軸32の回転により、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1D、P1Pと下反転位置P2D、P2Pとの間で移動させていたが、これに限定されることはない。例えば、ワイパモータ18として「運転席側ワイパモータ」と「助手席側ワイパモータ」とを備え、運転席側ワイパモータの回転によって運転席側ワイパブレード30を上反転位置P1Dと下反転位置P2Dとの間で移動させ、助手席側ワイパモータの回転によって助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1Pと下反転位置P2Pとの間で移動させる構造でもよい。
また、本実施形態では、出力軸32の所定回転角度における中間角度付近までの間で助手席側ワイパアーム24(助手席側ワイパブレード28)を伸長させ、中間角度付近から所定回転角度までの間で助手席側ワイパアーム24(助手席側ワイパブレード28)を縮小させる制御を行ったが、これに限定されることはない。例えば、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに向かって払拭する際(往動払拭時)に、助手席側ワイパアーム24が徐々に伸長するように制御してもよい。
また、本実施形態では、レインセンサ76で検出した雨量に応じて払拭速度を決定し、決定した払拭速度に応じた払拭範囲にてワイパモータ18及び伸縮機構120を制御していたが、これに限定されることはない。例えば、レインセンサ76で検出した雨量に応じて払拭範囲を決定し、決定した払拭範囲に応じた払拭速度にてワイパモータ18及び伸縮機構120を制御してもよい。また、雨の量に代えて雪の量に応じてワイパモータ18及び伸縮機構120を制御してもよい。
なお、本実施の形態では、ワイパモータ18の出力軸32の回転角度と伸縮機構120の作動量とを用いた実施の形態を説明したが、これに代えて出力軸32の回転位置と伸縮機構の作動位置とを用いたものとしてもよい。
また、上記の実施形態における払拭範囲を変更可能にする構成は一例として説明したが、これに限るものではなく、他の構成を適用してもよい。
また、上記の実施形態では、助手席側ワイパブレード28の払拭範囲のみを変更可能な例を説明したが、これに限るものではなく、運転席側についても助手席側と同様の機構を設けて払拭範囲を変更可能としてもよい。
以上、第1の実施の形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
[第2の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200自体の基本構成は第1の実施の形態と同様であるため、共通部分には同一の符号を用いて、説明を省略する。
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200自体の基本構成は第1の実施の形態と同様であるため、共通部分には同一の符号を用いて、説明を省略する。
図10に示されるように、本実施の形態の車両ECU90には、ワイパスイッチ50、ウォッシャスイッチ62、レインセンサ76に加えて、方向指示器スイッチ54、車両の速度を検知する車速センサ92、車両の前方を撮影する車載カメラ94、GPS(Global Positioning System)装置96及び操舵角センサ98が接続されている。
方向指示器スイッチ54は、車両の方向指示器(図示せず)の作動を指示するスイッチであり、運転者の操作により、右又は左の方向指示器をオンにするための信号を車両ECU90に出力する。車両ECU90は、方向指示器スイッチ54から出力された信号に基づいて、右又は左の方向指示器のランプを点滅させる。方向指示器スイッチ54から出力された信号は、車両ECU90を介してマイクロコンピュータ58にも入力される。
車速センサ92は、車両の車輪の回転数を検知し、当該回転数を示す信号を出力するセンサである。車両ECU90は、車速センサ92が出力した信号と車輪の周長から車速を算出する。
車載カメラ94は、車両前方を撮影し、動画像のデータを取得する装置である。車両ECU90は、車載カメラ94で取得した動画像のデータを画像処理することにより、車両がカーブに差し掛かっている等を判定することが可能である。また、車両ECU90は、車載カメラ94で取得した動画像のデータの輝度から、車両前方の明るさを算出できる。
本実施の形態に係る車載カメラ94は、被写体までの距離を取得した画像データから算出できるように右撮像部94Rと左撮像部94Lとを備えた、いわゆるステレオカメラである。別途ミリ波レーダ等の車両前方の障害物等を探知し、当該障害物までの距離を検出できる装置を車両が備えている場合には、車載カメラはステレオカメラでなくてもよい。
図10に示したように、本実施の形態では、レインセンサ76及び車載カメラ94は、ウィンドシールドガラス1の中央上部付近の機能エリア102に設けられる。機能エリア102は、レインセンサ76の検知範囲と、車載カメラ94の撮影の視野と、をカバーし得る所定範囲である。
GPS装置は、上空にあるGPS衛星から受信した測位のための信号に基づいて車両の現在位置を算出する装置である。本実施の形態では、車両用ワイパ装置200専用のGPS装置96を用いるが、車両がカーナビゲーションシステム等の他のGPS装置を備える場合には、当該他のGPS装置を用いてもよい。
操舵角センサ98は、一例としてステアリングの回転軸(図示せず)に設けられ、当該ステアリングの回転角度を検出するセンサである。
図11は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200の回路を模式的に示した回路図である。図11に示したように、車両用ワイパ装置200は、制御回路52と駆動回路56とを含んでいる。
制御回路52は、前述のようにマイクロコンピュータ58とメモリ60を有し、マイクロコンピュータ58には、車両ECU90(図示せず)を介して、ワイパスイッチ50、方向指示器スイッチ54、ウォッシャスイッチ62、レインセンサ76、車速センサ92、車載カメラ94、GPS装置96、操舵角センサ98が各々接続されている。
駆動回路56は、ワイパモータ18を駆動させるための第1プリドライバ104及びワイパモータ駆動回路108、伸縮機構120を駆動させるための第2プリドライバ106及び伸縮機構駆動回路110を備えている。また駆動回路56は、ウォッシャモータ64を駆動させるための、リレー駆動回路78、FET駆動回路80及びウォッシャモータ駆動回路57を有している。
制御回路52のマイクロコンピュータ58は、第1プリドライバ104を介してワイパモータ駆動回路108を構成するスイッチング素子をオンオフさせることによりワイパモータ18の回転を、第2プリドライバ106を介して伸縮機構駆動回路110のスイッチング素子をオンオフさせることにより伸縮機構120の動作を、各々制御する。また、マイクロコンピュータ58は、リレー駆動回路78及びFET駆動回路80を制御することによりウォッシャモータ64の回転を制御する。
ワイパモータ18がブラシ付きDCモータの場合、ワイパモータ駆動回路108は4個のスイッチング素子を含む。スイッチング素子は、一例としてN型のFET(電界効果トランジスタ)である。また、伸縮機構120を駆動する電圧を生成する伸縮機構駆動回路110も、一例として図11に示したように、4個のスイッチング素子を含み、各スイッチング素子はN型のFETである。
図11に示したように、ワイパモータ駆動回路108は、FET108A〜108Dを含んでいる。FET108Aは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースがワイパモータ18の一端部に接続されている。FET108Bは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースがワイパモータ18の他端部に接続されている。FET108Cは、ドレインがワイパモータ18の一端部に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースが接地されている。FET108Dは、ドレインがワイパモータ18の他端部に接続され、ゲートが第1プリドライバ104に接続され、ソースが接地されている。
第1プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に従ってFET108A〜108Dのゲートに供給する制御信号を切り替えることで、ワイパモータ18の駆動を制御する。すなわち、第1プリドライバ104は、ワイパモータ18の出力軸32を所定方向に回転(正回転)させる場合には、FET108AとFET108Dの組をオンさせ、ワイパモータ18の出力軸32を所定方向と逆方向に回転(逆回転)させる場合には、FET108BとFET108Cの組をオンさせる。また、第1プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に基づいて、FET108A及びFET108Dを断続的にオンオフさせるPWMを行う。
第1プリドライバ104はPWMにより、FET108A及びFET108Dのオンオフに係るデューティ比を変化させることにより、ワイパモータ18の正回転での回転速度を制御する。当該デューティ比が大きくなれば、正回転時にワイパモータ18の端子に印加される電圧の実効値が高くなり、ワイパモータ18の回転速度は大きくなる。
同様に、第1プリドライバ104はPWMにより、FET108B及びFET108Cのオンオフに係るデューティ比を変化させることにより、ワイパモータ18の逆回転での回転速度を制御する。当該デューティ比が大きくなれば、逆回転時にワイパモータ18の端子に印加される電圧の実効値は高くなり、ワイパモータ18の回転速度は大きくなる。
伸縮機構駆動回路110は、FET110A〜110Dを含んでいる。FET110Aは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが伸縮機構120の固定子120Aのコイルの一端部に接続されている。FET110Bは、ドレインが電源(+B)に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが伸縮機構120の固定子120Aのコイルの他端部に接続されている。FET110Cは、ドレインが伸縮機構120の固定子120Aのコイル120Cの一端部に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが接地されている。FET110Dは、ドレインが伸縮機構120の固定子120Aのコイル120Cの他端部に接続され、ゲートが第2プリドライバ106に接続され、ソースが接地されている。
第2プリドライバ106は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に従ってFET110A〜110Dのゲートに供給する制御信号を切り替えることで、伸縮機構120の駆動を制御する。一例として、助手席側ワイパアーム24を助手席側上方に見かけ上伸長させるように伸縮機構120の可動子126を所定方向に移動させる場合、第2プリドライバ106は、FET110AとFET110Dの組をオンさせ、次いでFET110BとFET110Cの組をオンさせる。かかるスイッチング制御を反復することにより、可動子126を所定方向に移動させる。また、可動子126の移動速度は、FET110AとFET110Dの組をオンさせ、次いでFET110BとFET110Cの組をオンさせるスイッチングのタイミングを早めるとともに、FET110A、110B、110C、110Dの各々に印加する電圧を高くすることによって高速化できる。第2プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に基づいて、前述の第1プリドライバ104のようなPWMを行うことにより、FET110A、110B、110C、110Dの各々に印加する電圧を制御する。
伸縮機構120の可動子126を所定方向の逆方向に移動させる場合、第2プリドライバ106は、FET110BとFET110Cの組をオンさせ、次いでFET110AとFET110Dの組をオンさせる。かかるスイッチング制御を反復することにより、可動子126を所定方向の逆方向に移動させる。また、可動子126の移動速度は、FET110BとFET110Cの組をオンさせ、次いでFET110AとFET110Dの組をオンさせるスイッチングのタイミングを早めるとともに、FET110A、110B、110C、110Dの各々に印加する電圧を高くすることによって高速化できる。第2プリドライバ104は、マイクロコンピュータ58からの制御信号に基づいて、前述の第1プリドライバ104のようなPWMを行うことにより、FET110A、110B、110C、110Dの各々に印加する電圧を制御する。
ワイパモータ18の減速機構48内における出力軸32の出力軸端部112には、2極のセンサマグネット112Aが固定され、センサマグネット112Aに対向するように絶対角センサ114が設けられている。
伸縮機構120のハウジング120H内には、可動子126の永久磁石列120Bに対向するように移動検出センサ118が設けられている。
絶対角センサ114はセンサマグネット112Aの磁界を、移動検出センサ118は永久磁石列120Bの磁界を、各々検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する。マイクロコンピュータ58は、絶対角センサ114が出力した信号に基づいて、ワイパモータ18の出力軸32の回転角度、回転位置、回転方向及び回転速度を算出すると共に、移動検出センサ118が出力した信号に基づいて、伸縮機構120の移動量、位置、移動方向及び移動速度を算出する。
ワイパモータ18の出力軸32の回転角度からは、運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置が算出できる。また、伸縮機構120の可動子126の移動量からは、助手席側ワイパアーム24の見かけの伸長の程度(拡大の程度)が算出できる。マイクロコンピュータ58は、出力軸32の回転角度から算出した運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置に基づいて、可動子126の移動量を制御することにより、ワイパモータ18と伸縮機構120の各々の動作を同期させる。一例として、メモリ60に、運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置(又は出力軸32の回転角度)と可動子126の移動量とを対応付けたマップ(例えば、後述する伸縮機構作動量マップ)を予め記憶させ、当該マップに従って、出力軸32の回転角度に応じて可動子126の移動量を制御する。
図12は、本実施の形態における出力軸32の回転角度に応じた可動子126の移動量(作動量)を規定した伸縮機構作動量マップの一例を示している。図12の横軸は出力軸32の回転角度である出力軸回転角度θAである。出力軸回転角度θAは、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pに位置する場合は「0°」になる。図12の縦軸は可動子126の移動量である伸縮機構作動量MVであり、その最大値は所定作動量MV2となる。伸縮機構作動量MVは、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pに位置する場合に「0」となるので、伸縮機構作動量MVが「0」となる位置から可動子126の位置までの距離を示している。図12の原点Oは、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pにある状態を示している。図12のθ1は、出力軸32が所定回転角度θ1回転した結果、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pにある状態を示している。
マイクロコンピュータ58は、ワイパモータ18の出力軸32が回転を始めると、絶対角センサ114で検知した出力軸32の回転角度と伸縮機構作動量マップとを照合する。かかる照合により、図12の曲線190で示された角度から、絶対角センサ114で検知した出力軸回転角度θAに対応する伸縮機構作動量MVを算出し、算出した伸縮機構作動量MVになるように伸縮機構120の可動子126の移動量を制御する。
より具体的には、マイクロコンピュータ58は、絶対角センサ114によりワイパモータ18の出力軸32の回転角度が0°から正回転方向で変化を開始した場合を、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pからの移動を開始したと判定し、伸縮機構120の可動子126の助手席側上方(所定方向)への移動を開始させる。マイクロコンピュータ58は、前述のように、伸縮機構作動量マップを用いて出力軸32の回転角度に対応した可動子126の移動量を決定するが、マイクロコンピュータ58は、移動検出センサ118からの信号に基づいて可動子126の移動量をモニターし、伸縮機構作動量マップを用いて決定した移動量になるように伸縮機構120の動作を制御する。伸縮機構作動量マップの設定によるが、図12に示したように、出力軸回転角度θAが0°と所定回転角度θ1との間の中間回転角度θmになった場合に、可動子126の助手席側上方への移動量が所定作動量MV2となるようにする。可動子126の助手席側上方への移動量が所定作動量MV2になることで、助手席側ワイパブレード28をウィンドシールドガラス1上の助手席側上方に移動させる。
可動子126の所定方向への移動量が所定作動量MV2に達した後は、伸縮機構作動量マップに従い、可動子126を所定方向とは逆方向に移動させる。具体的には、出力軸32の回転角度が所定回転角度θ1に達して、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pに達するまでに可動子126を所定作動量MV2で所定方向とは逆方向に移動させることにより、図12の伸縮機構作動量マップに示したように、可動子126の移動量を0まで減少させる。本実施の形態の移動検出センサ118は、MRセンサ等の、対象物の移動量及び移動方向が検出可能なセンサを用いているので、可動子126が所定方向と逆方向に移動した場合には、それまでに検出した移動量が0に向かって減少する状態を検出できる。そして、かかる可動子126の移動量の減少により、助手席側ワイパブレード28は元の位置に戻される。
以上の説明は、助手席側ワイパブレード28を下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに移動させながら払拭範囲Z2を払拭させる場合である。助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1Pから下反転位置P2Pに移動させながら払拭範囲Z2を払拭させる場合には、絶対角センサ114により出力軸32の回転角度が0°から逆回転方向で変化を開始した場合を、助手席側ワイパブレード28が上反転位置P1Pからの移動を開始したと判定し、伸縮機構120の可動子126の所定方向への移動を開始させ、可動子126の所定方向への移動量が所定作動量MV2に達した後は、伸縮機構作動量マップに従い、可動子126を所定方向とは逆方向に移動させる。なお、図12に示した伸縮機構作動量マップは中間回転角度θmを軸にして左右対称な曲線190となっているが、これに限定されることはない。マップの曲線はウィンドシールドガラス1の形状等に応じて、個別に設定する。
また、マイクロコンピュータ58は、運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置及び助手席側ワイパアーム24の拡大の程度に基づいて、ワイパブレードの払拭速度を変化させる等の制御を行うことも可能である。以下に、可動子126の移動量である所定作動量を大きく設定して、助手席側ワイパアーム24の拡大の程度を大きくした場合の払拭速度の制御の一例について述べる。かかる場合には、ワイパモータ18の出力軸32の回転角度が中間回転角度θmに近づくにつれて、出力軸32の回転速度を徐々に減速させる。そして、出力軸32の回転角度が中間回転角度θmに達した場合、すなわち、助手席側ワイパアーム24が最大に伸長される場合に、出力軸32の回転速度が極小となるように制御する。出力軸32の回転速度の制御には、例えば、出力軸32の回転角度に応じて規定された出力軸32の回転速度のマップ等(図示せず)を用いる。また、出力軸32の回転速度に対応して、可動子126の移動速度も制御する。例えば、図12に示したような伸縮機構作動量マップを用いているのであれば、出力軸32の回転に可動子126の動作を同期できるので、出力軸32の回転速度の増減に対応して、可動子126の移動速度も制御できる。かかる制御により、助手席側ワイパアーム24を伸長させる速度と助手席側ワイパブレード28の払拭速度とを緩和でき、「助手席側ワイパアーム24が急激に伸びた」という違和感を乗員が覚えるおそれを軽減できる。
ウォッシャモータ駆動回路57は、2個のリレーRLY1、RLY2を内蔵したリレーユニット84、2個のFET86A、86Bを含んでいる。リレーユニット84のリレーRLY1、RLY2のリレーコイルはリレー駆動回路78に各々接続されている。リレー駆動回路78はリレーRLY1、RLY2のオンオフ(リレーコイルの励磁/励磁停止)を切り替える。リレーRLY1、RLY2は、リレーコイルが励磁されていない間は、共通端子84C1、84C2が第1端子84A1、84A2と各々接続している状態(オフ状態)を維持し、リレーコイルが励磁されると共通端子84C1、84C2を第2端子84B1、84B2に各々接続する状態に切り替わる。リレーRLY1の共通端子84C1はウォッシャモータ64の一端に接続されており、リレーRLY2の共通端子84C2はウォッシャモータ64の他端に接続されている。また、リレーRLY1、RLY2の第1端子84A1、84A2の各々はFET86Bのドレインに接続され、リレーRLY1、RLY2の第2端子84B1、84B2の各々は電源(+B)に接続されている。
FET86BはゲートがFET駆動回路80に接続され、ソースが接地されている。FET86Bのオンオフに係るデューティ比はFET駆動回路80によって制御される。また、FET86Bのドレインと電源(+B)との間にはFET86Aが設けられている。FET86Aは、ゲートに制御信号が入力されないのでオンオフの切り替えは行われず、寄生ダイオードをサージの吸収に用いる目的で設けられている。
リレー駆動回路78及びFET駆動回路80は、2個のリレーRLY1、RLY2とFET86Bとのオンオフを切り替えることで、ウォッシャモータ64の駆動を制御する。すなわち、ウォッシャモータ64の出力軸を所定方向に回転(正回転)させる場合、リレー駆動回路78はリレーRLY1をオンさせ(リレーRLY2はオフ)、FET駆動回路80は所定のデューティ比でFET86Bをオンさせる。上記の制御により、ウォッシャモータ64の出力軸の回転速度が制御される。
以下、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200の制御について説明する。図13は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200における、車両の速度に応じて助手席側ワイパアーム24の拡大率(変更率)を制御する変更率制御処理の一例を示したフローチャートである。図13に示した一連の手順は、制御回路52内のマイクロコンピュータ58によって処理される。本実施の形態では、助手席側ワイパアーム24を見かけ上伸長させることにより、払拭範囲を拡大することが可能であるが、助手席側ワイパアーム24を見かけ上収縮させることにより、払拭範囲を縮小することも可能である。従って、以下、払拭範囲を拡大または縮小することを、「払拭範囲の変更」と称し、払拭範囲の変更に係る拡大率を変更率と称する。
ステップ300では、車速センサ92が出力した信号から算出した車両の速度の情報を取得する。車両の速度が車両ECU90により算出されるのであれば、マイクロコンピュータ58は、車両ECU90から車両の速度の情報を取得する。
図14は、運転者の視野の範囲である視野角130と、車両の速度(車速)との対応関係の一例を示したグラフである。視野角130は、正中線(生物体の前面・背面の中央を,頭頂から縦にまっすぐ通る線)を中心とした左右方向でのヒトの両眼での視野の範囲を角度で表したものであり、健常者であれば、略120°である。しかしながら、車速が増大すると運転者の視野角130は狭くなる。図14に示したように、車速が40km/hの場合、運転者の視野角130は略100°であるが、車速が130km/hに達すると視野角130は略30°となる。
車両用ワイパ装置200による払拭範囲の拡大は、助手席側前方の視界確保(助手席側の広い視界の確保)に有効であるが、運転者の視野が低下している場合に払拭範囲の拡大を行っても、その効果は有意とは言えない。助手席側ワイパアーム24が伸長される払拭範囲の拡大の動作は、乗員、特に助手席側の乗員に違和感を抱かせるおそれがあるので、払拭範囲の拡大の効果が薄いと思われる高速走行時には、払拭範囲の変更率を低速時に比して抑制することが望ましい。
本実施の形態では、一例として、払拭範囲の変更率132を、図14に示したように車速に応じて変化させる。そのため、図13のステップ302では、下記の式(1)により、0〜1.0の数値で示される払拭範囲の変更率Xを現在の車速Vpに応じて算出する。
一例として、式(1)中の、Vmax、Vminは各々定数であり、本実施の形態では、Vmaxは90km/h以上、Vminは30〜40km/hである。上記の式(1)に変数である現在の車速Vpを代入して、車速に応じた変更率Xを算出する。
または、車速に応じた変更率Xを、図14に示したように予め算出しておき、メモリ60に車速に対する変更率Xのマップとして記憶させてもよい。かかる場合には、マイクロコンピュータ58は、マップを参照して車速に応じた変更率Xを決定する。
ステップ304では、ステップ302で算出した変更率Xに応じて助手席側ワイパアーム24の伸長の制御をして、処理をリターンする。ステップ304では、変更率Xと図15に示した伸縮機構作動量マップと下記の式(2)とによって算出した伸縮機構作動量MVになるように可動子126の移動量を制御する。
上記の式(2)中のθAは、図12、15で示した出力軸32の回転角度である出力軸回転角度θAである。f(θA)は図15の曲線190で示された、変更率Xが1.0(100%相当)の場合に、出力軸回転角度θAに応じて決定される可動子126の移動量である。また、g(θA)は図15の曲線194で示された、変更率Xが0(0%相当)の場合に、出力軸回転角度θAに応じて決定される可動子126の移動量である。
変更率Xが0の場合、すなわち伸縮機構120が動作しない場合には、理論上、可動子126の移動量g(θA)は、出力軸回転角度θAの値に関係なく常に「0」になる。しかしながら、本実施の形態では、伸縮機構120にも、運転席側ワイパアーム26及び助手席側ワイパアーム24を往復動作させるワイパモータ18の駆動力が影響する場合があり、g(θA)は、実際には出力軸回転角度θAの値に関係なく常に「0」にはならない場合がある。
ただし、出力軸回転角度θAに対するg(θA)の変化が無視できるようであれば、下記の式(3)のように、変更率Xでの伸縮機構作動量MVは、f(θA)とXとの積で算出できる。
図15の曲線192は、上記の式(1)に基づいて算出された変更率Xが0.5(50%相当)の場合の伸縮機構作動量MVである。曲線192が示す伸縮機構作動量MVは、変更率Xが100%相当の場合である曲線190が示す角度の略1/2になっている。
図16は、変更率Xに応じた払拭範囲の変化の一例を示している。図16において、払拭範囲Z1は変更率Xが0%相当の場合、払拭範囲Z2は変更率Xが100%相当の場合、払拭範囲Z3は変更率Xが50%相当の場合、を各々示している。図16に示したように、車速に応じて変更率Xを変化させることにより、運転者の視野角が狭まる高速走行時には、助手席側ワイパアーム24の伸長の程度を抑制して、乗員に車両用ワイパ装置200の動作についての違和感を与えないようにすることができる。
なお、本実施の形態では、車速に対する運転者の視野角の変化に着目して助手席側ワイパアーム24の伸長の程度を制御した。運転者の視野角は車速以外にも、周囲の明るさ及び天候によっても左右される。
例えば、車両前方の光景の明るさが低下するほど、運転者の視野角も低下する。本実施の形態では、車載カメラ94によって取得した車両前方の画像データの輝度から、車両前方の光景の明るさ(照度)を算出し、算出した照度に応じて変更率Xを算出してもよい。
車外の明るさに応じた変更率Xの算出は、一例として、下記の式(4)による。
一例として、式(4)中のLmax、Lminは各々定数であり、本実施の形態では、Lmaxは晴天の日中における車両前方の光景の照度、Lminは晴天の日没時における車両前方の光景の照度である。上記の式(4)に変数である現在の照度Lpを代入して、照度Lpに応じた変更率Xを算出し、算出した変更率Xに応じて伸縮機構作動量MVを制御する。
または雨脚の強さに対応して変更率Xを算出してもよい。本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200は、レインセンサ76を備えているので、レインセンサ76によって検知した降水の程度によって、変更率Xを算出する。降水の程度に応じた変更率Xの算出は、一例として、下記の式(5)による。
一例として、式(4)中のRmax、Rminは各々定数であり、本実施の形態では、Rmaxは1時間雨量で20〜30mm程度の強い雨に相当する降水の程度、Rminは1時間雨量で1〜3mm程度の弱い雨に相当する降水の程度である。上記の式(4)に変数であるレインセンサ76によって検知した降水の程度Rpを代入して、雨脚に応じた変更率Xを算出し、算出した変更率Xに応じて伸縮機構作動量MVを制御する。
本実施の形態では、上述のように、車速、車両前方の明るさ又は天候による影響がいずれか1つ存在する場合に、当該影響に応じて変更率Xを変化させる、いわゆるOR制御を行った。しかしながら、変更率Xの制御を厳格化する等の場合は、車速、車両前方の明るさ又は天候による影響が少なくとも2つ以上存在する場合に変更率Xを変化させる、いわゆるAND制御を行ってもよい。
なお、上記照度又は雨脚に応じた変更率Xを、予め算出しておき、メモリ60に照度又は雨脚に対する変更率Xのマップとして記憶させてもよい。かかる場合には、マイクロコンピュータ58は、マップを参照して照度又は雨脚に応じた変更率Xを決定する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、車速、車両前方の明るさ又は天候によって運転者の視野角が影響を受ける場合には、受ける影響に応じて変更率Xを変化させることにより、運転者の視野角が狭まる場合に、助手席側ワイパアーム24の伸長の程度を抑制して、乗員に車両用ワイパ装置200の動作についての違和感を与えないようにすることができる。
続いて、本実施の形態の変形例について説明する。図17は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置200における、車両の速度に応じて助手席側ワイパアーム24の変更率を制御する変更率制御処理の変形例を示したフローチャートである。図17に示した一連の手順は、制御回路52内のマイクロコンピュータ58によって処理される。
図13に示した変更率制御処理は、車速の変化に応じて連続的に変更率Xを変更したが、図17に示した変形例は、所定の閾値速度に応じて段階的に変更率Xを変更する。
図17のステップ330では、車速センサ92が出力した信号から算出した車速の情報を取得する。車速が車両ECU90により算出されるのであれば、マイクロコンピュータ58は、車両ECU90から車速の情報を取得する。
ステップ332では、車速が第1閾値速度以上か否かを判定する。第1閾値速度は、一例として一般道での制限速度に相当する40〜50km/hである。ステップ332で肯定判定の場合には、手順をステップ336に移行させる。ステップ332で否定判定の場合には、ステップ334で変更率Xを例えば100%相当に設定して、手順をステップ342に移行させる。
ステップ336では、車速が第2閾値速度以上か否かを判定する。第2閾値速度は、一例として高速道路での制限速度に相当する80〜100km/hである。ステップ336で肯定判定の場合には、ステップ340で変更率Xを例えば0%相当に設定して、手順をステップ342に移行させる。ステップ336で否定判定の場合には、ステップ338で変更率Xを例えば50%相当に設定して、手順をステップ342に移行させる。
ステップ342では、ステップ334、338、340で各々算出された変更率Xに応じて、図13のステップ304のように、助手席側ワイパアーム24の伸長の制御を行い、処理をリターンする。
以上説明したように、本実施の形態の変形例では、車速に応じて段階的に変更率Xを変更しているので、マイクロコンピュータ58による演算処理の負荷を、図13に示した場合よりも軽減できる。従って、図13に示したような、車速に応じて連続的に変更率Xを変更する場合よりも、マイクロコンピュータ58の性能は高度であることを必要とせず、車両用ワイパ装置200を、図13の場合よりも低コストで構成できる。
なお、本実施の形態は、ワイパモータ18の出力軸32が正逆(往復)回転可能に制御されていたが、これに限定されることはない。例えば、出力軸32が一方向に回転するものでもよい。
なお、本実施の形態は、ワイパモータ18の出力軸32の回転により、運転席側ワイパブレード30及び助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1D、P1Pと下反転位置P2D、P2Pとの間で移動させていたが、これに限定されることはない。例えば、ワイパモータ18として「運転席側ワイパモータ」と「助手席側ワイパモータ」とを備え、運転席側ワイパモータの回転によって運転席側ワイパブレード30を上反転位置P1Dと下反転位置P2Dとの間で移動させ、助手席側ワイパモータの回転によって助手席側ワイパブレード28を上反転位置P1Pと下反転位置P2Pとの間で移動させる構造でもよい。
なお、本実施の形態では、運転席側ワイパブレード30と助手席側ワイパブレード28とが下反転位置P2D、P2Pにて車幅方向に重ならない構造になっていたが、これに限定されることはない。例えば、助手席側ワイパブレード28の運転席側ワイパブレード30側を長く設定してもよい。換言すると、助手席側ワイパブレード28の運転席側ワイパブレード30側が、当該運転席側ワイパブレード30の助手席側ワイパブレード28側と重なるように助手席側ワイパブレード28の長さを設定してもよい。これにより、往復動時に払拭範囲Z2を払拭する際に、ウィンドシールドガラスの中央下側に残る払拭不能領域を少なくすることができる。
なお、本実施の形態では、出力軸32の所定回転角度における中間角度付近までの間で助手席側ワイパアーム24(助手席側ワイパブレード28)を伸長させ、中間角度付近から所定回転角度までの間で助手席側ワイパアーム24(助手席側ワイパブレード28)を縮小させる制御を行ったが、これに限定されることはない。例えば、助手席側ワイパブレード28が下反転位置P2Pから上反転位置P1Pに向かって払拭する際(往動払拭時)に、助手席側ワイパアーム24が徐々に伸長するように制御してもよい。
なお、本実施の形態では、ワイパモータ18の出力軸32の回転角度と伸縮機構120の可動子126の移動量とを用いた実施の形態を説明したが、これに代えて出力軸32の回転位置と可動子126の位置とを用いたものとしてもよい。
以上、第2の実施の形態について説明したが、本願は、上記に限定されるものではなく、上記以外にも、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。例えば、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを適宜組み合わせることが可能である。
[第3の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、伸縮機構140が助手席側ワイパアーム24のピボット軸42の近くに設けられている点で、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と相違するが、その他の構成については、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、伸縮機構140が助手席側ワイパアーム24のピボット軸42の近くに設けられている点で、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と相違するが、その他の構成については、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
図18は、本実施の形態に係る車両用ワイパ装置の伸縮機構140の一例を示した概略図である。図18に示したように、本実施の形態の伸縮機構140は、助手席側ワイパアーム24を望遠鏡状に伸縮させる機構であり、一端がピボット軸42に連結され、内部に電磁石列140Aを備えた固定子である外部筒24Bと、永久磁石列140Bを備えた可動子である内部筒24Aと、を含み、ゴム等の弾性体で構成されたシール部材170によって伸縮機構140の内部の機構が保護されている。外部筒24Bの内部に入り込んだ水は、排水孔172を介して外部筒24Bの外に排出される。
永久磁石列140Bは、電磁石列140Aに面した側の磁極が交互に異なるように複数の永久磁石が配置されている。従って、電磁石列140Aが励磁されると、電磁石列140Aの磁界と永久磁石列140Bとの磁界の吸引及び反発による相互作用により、内部筒24Aは、外部筒24Bに対して図18の矢印D方向または矢印E方向に移動する、いわゆる往復運動を行う。
外部筒24B内には、移動検出センサ118が設けられている。移動検出センサ118は、可動子である内部筒24Aの移動に伴って変化する永久磁石列140Bの磁界を検出し、電気信号に変換して制御回路52に出力する。
マイクロコンピュータ58は、第2の実施の形態で説明したように、出力軸32の回転角度から算出した運転席側ワイパブレード30の下反転位置P2Dと上反転位置P1Dとの間での位置に基づいて、内部筒24Aの移動量を制御することにより、ワイパモータ18と伸縮機構140の各々の動作を同期させる。
以上説明したように、本実施の形態では、伸縮機構140を助手席側ワイパアーム24が揺動する支点であるピボット軸42近くに設けられるので、第1の実施の形態及び第2の実施の形態よりも、助手席側ワイパアーム24の揺動による遠心力が伸縮機構140に作用しにくくなり、伸縮機構140をより安定して動作させることができる。
また、ウィンドシールドガラス1表面の水滴を払拭する助手席側ワイパブレード28近くに設けられた第1の実施の形態及び第2の実施の形態の伸縮機構120よりも、本実施の形態に係る伸縮機構140は、助手席側ワイパブレード28から離れた位置に設けられるので、内部機構に雨水が侵入するおそれが軽減できる。
以上、第3の実施の形態について説明したが、本願は、上記に限定されるものではなく、上記以外にも、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。例えば、第1の実施の形態と第2の実施の形態と第3の実施の形態とを適宜組み合わせることが可能である。
1…ウィンドシールドガラス、1A…遮光部、14,16…ワイパ、18…ワイパモータ、20…リンク機構、24…助手席側ワイパアーム、24A…内部筒、24B…外部筒、24P…固定軸、26…運転席側ワイパアーム、28…助手席側ワイパブレード、30…運転席側ワイパブレード、32…出力軸、34…クランクアーム、36…第1リンクロッド、38,40…ピボットレバー、42,44…ピボット軸、46…第2リンクロッド、48…減速機構、50…ワイパスイッチ、52…制御回路、54…方向指示器スイッチ、56…駆動回路、57…ウォッシャモータ駆動回路、58…マイクロコンピュータ、60…メモリ、62…ウォッシャスイッチ、64…ウォッシャモータ、66…ウォッシャポンプ、68…ウォッシャ液タンク、70…ウォッシャ装置、72A…運転席側ホース、72B…助手席側ホース、74A…運転席側ノズル、74B…助手席側ノズル、76…レインセンサ、78…リレー駆動回路、80…FET駆動回路、84…リレーユニット、84A1,84A2…第1端子、84B1,84B2…端子、84C1,84C2…共通端子、90…車両ECU、92…車速センサ、94…車載カメラ、94L…左撮像部、94R…右撮像部、96…GPS装置、98…操舵角センサ、100…車両用ワイパ装置、102…機能エリア、104…第1プリドライバ、106…第2プリドライバ、108…ワイパモータ駆動回路、110…伸縮機構駆動回路、112…出力軸端部、112A…センサマグネット、114…絶対角センサ、118…移動検出センサ、120…伸縮機構、120A…固定子、120B…永久磁石列、120C…コイル、120H…ハウジング、120R…案内機構、122…ブレードラバー、122A…基端部、124…バッキング、126…可動子、126A…バッキング保持部、126B…ブレードラバー保持部、126R…ガイドレール、130…視野角、132…変更率、140…伸縮機構、140A…電磁石列、140B…永久磁石列、170…シール部材、172…排水孔、190,192,194…曲線、200…車両用ワイパ装置、RLY1,RLY2…リレー、θ1…所定回転角度、θA…出力軸回転角度、θm…中間回転角度、θ1…回転角度、H1…払拭範囲、MV…伸縮機構作動量、MV2…所定作動量、P1D,P1P…上反転位置、P2D,P2P…下反転位置、P3D,P3P…格納位置、Z1,Z2,Z3…払拭範囲
Claims (9)
- 揺動されるワイパアーム、前記ワイパアームに連結されたワイパブレード、及び前記ワイパアームの揺動の支点と前記ワイパブレードの先端とを接近及び離反させる接離機構を備えたワイパのワイパアームを揺動させてワイパブレードによる払拭面の往復払拭動作を行うための第1駆動源と、
前記接離機構を駆動して前記払拭面の払拭範囲を変更する第2駆動源と、
前記ワイパブレードの払拭動作に係る条件を指示する指示部と、
前記指示部によって指示された条件に基づいて、前記ワイパブレードが往復払拭動作を行うように、前記第1駆動源及び前記第2駆動源を制御する制御部と、
を備えた車両用ワイパ装置。 - 前記条件は、前記指示部によって指示された払拭速度であり、
前記制御部は、前記払拭速度が遅いほど前記払拭範囲を拡大するように前記第1駆動源及び前記第2駆動源を制御する請求項1に記載の車両用ワイパ装置。 - 前記条件は、前記指示部によって指示された払拭範囲であり、
前記制御部は、前記払拭範囲が大きいほど払拭速度が遅くなるように前記第1駆動源及び前記第2駆動源を制御する請求項1に記載の車両用ワイパ装置。 - 降水量を検出する検出部を更に備え、
前記ワイパブレードが往復払拭動作を行うように前記指示部が自動払拭を指示し、
前記制御部が、前記指示部によって前記自動払拭が指示された場合に、前記検出部の検出結果に応じて払拭速度及び払拭範囲を決定し前記往復払拭動作を行うように、前記第1駆動源及び前記第2駆動源を制御する請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用ワイパ装置。 - 前記条件は、運転者の視野角の変化に対応する変数である、請求項1に記載の車両用ワイパ装置。
- 前記変数は、車両の速度を含み、
前記制御部は、検知された車両の速度が増大するに従って前記払拭範囲の拡大率を減少させる請求項5に記載の車両用ワイパ装置。 - 前記変数は、車両前方の明るさを含み、
前記制御部は、車両前方の明るさが低下するに従って前記払拭範囲の拡大率を減少させる請求項5または6に記載の車両用ワイパ装置。 - 前記変数は、降水量を含み、
前記制御部は、降水量が増大するに従って前記払拭範囲の拡大率を減少させる請求項5〜7のいずれか1項に記載の車両用ワイパ装置。 - 前記第1駆動源は、出力軸を有し、前記出力軸の回転により前記ワイパブレードを動作させるワイパアームを往復回転させて、前記払拭面の予め定めた上反転位置と予め定めた下反転位置との間で前記ワイパブレードの前記往復払拭動作を行わせ、
前記第2駆動源は、前記接離機構を往復運動させるリニアモータである請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用ワイパ装置。
Priority Applications (1)
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| JP2017136249A JP2019018614A (ja) | 2017-07-12 | 2017-07-12 | 車両用ワイパ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2017136249A JP2019018614A (ja) | 2017-07-12 | 2017-07-12 | 車両用ワイパ装置 |
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| JP2019018614A true JP2019018614A (ja) | 2019-02-07 |
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ID=65354980
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| JP (1) | JP2019018614A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019117379A (ja) * | 2013-10-21 | 2019-07-18 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung | 複屈折ポリマーフィルムの調製方法 |
| CN113815567A (zh) * | 2021-09-23 | 2021-12-21 | 杭州电子科技大学 | 一种可控制伸缩的雨刮器及控制方法 |
| WO2025150463A1 (ja) * | 2024-01-11 | 2025-07-17 | 株式会社ミツバ | 払拭装置 |
-
2017
- 2017-07-12 JP JP2017136249A patent/JP2019018614A/ja active Pending
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