JP2019031464A - 口腔内粘膜貼付剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貼付後の表面側から順に、次の(a)層、(b)層及び(c)層を有することを特徴とするフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
(a)薬物非含有透明支持層、
(b)薬物と、水溶性高分子と、黄色系、だいだい色系及び赤色系から選ばれる1種以上の着色剤とを含有する薬物含有層、
(c)薬物と、水溶性高分子と、不透明化剤とを含有する薬物含有層。
【選択図】なし
Description
従って、本発明の課題は、口腔内粘膜に付着させたとき、表面と裏面とを明確に識別でき、正しく貼付できるとともに所望の薬効が得られ、貼付後のフィルムに違和感がなく、粘着性の良好なフィルム状口腔内粘膜貼付剤を提供することにある。
(a)薬物非含有透明支持層、
(b)薬物と、水溶性高分子と、黄色系、だいだい色系及び赤色系から選ばれる1種以上の着色剤とを含有する薬物含有層、
(c)薬物と、水溶性高分子と、不透明化剤とを含有する薬物含有層。
〔2〕(a)支持層が、水不溶性高分子を含有する〔1〕記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
〔3〕不透明化剤が、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムから選ばれる1種以上である〔1〕又は〔2〕記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
〔4〕(b)層及び(c)層が、さらにタンニン酸を0.5〜4.5質量%含有する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
〔5〕前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
〔6〕ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロース合計量に対するポリビニルピロリドンの含有質量比が0.2〜0.8である〔5〕記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
(a)薬物非含有透明支持層、
(b)薬物と、水溶性高分子と、黄色系、だいだい色系及び赤色系から選ばれる1種以上の着色剤とを含有する薬物含有層、
(c)薬物と、水溶性高分子と、不透明化剤とを含有する薬物含有層。
この(a)支持層は、貼付剤を口腔内粘膜に貼付する際に指にとり、貼付する支持層である。この(a)支持層には、薬物は含まない。
また、(a)支持層には、水不溶性高分子の他、フィルム形成剤としての水溶性高分子、可塑剤、抗酸化剤、不透明化剤、矯味剤、香料等を含有させることができる。ここで用いられる水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アルファー化デンプン、デキストリン、アラビアゴム、トラガントガム、ゼラチン、カンテン、プルラン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が用いられる。中でも、支持層の溶解時間の調整を行い易い点、支持層と薬物層を貼り合わせる際の装着性を良くする点から、水溶性高分子であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と水不溶性高分子であるエチルセルロース(EC)又はヒプロメロースフタル酸エステル(HPMCP)とを組み合わせて用いるのが好ましい。中でも、支持層の溶解時間を調整し易い点からHPCとECとを組み合わせて用いるのが良い。
なお、(a)支持層は、(b)着色剤を含有する薬物含有層の色を識別可能とする点から、透明であることが望ましく、不透明化剤の含有量は少ないのが好ましい。また、製剤の光沢を抑える目的で、支持層には不透明化剤を0.05〜0.9質量%添加するのが好ましく、0.1〜0.8質量%がより好ましく、0.25〜0.75質量%がさらに好ましい。少ないと製剤に光沢が出て歯茎等に貼付した場合製剤が目立ちやすくなる。多いと支持層が溶けやすくなり、支持層に求められる機能が得られなくなる。
可塑剤、抗酸化剤、矯味剤、香料等は後述のものを用いることができる。
ポリビニルピロリドンとヒドロキシプロピルセルロースの含有比は、ポリビニルピロリドンの含有比が高い場合が粘着力の向上性の点でより好ましく、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロース合計量に対するポリビニルピロリドンの含有質量比が0.2〜0.8であるのがより好ましく、0.4〜0.8がさらに好ましい。
これらの着色剤の含有量は、(b)層中に0.005〜0.4質量%が好ましく、0.01〜0.3質量%がより好ましく、0.01〜0.25質量%がさらに好ましい。
中でも、平均分子量の異なるグレードがあり、フィルム製剤の柔軟性を調整することが可能である点から、ポリエチレングリコールを用いるのが好ましい。
粘着性を有し薬物を含有する薬物層2((b)層+(c)層)の一方の面には、口腔内で意図しない部分に製剤が付着したり、薬物が唾液中に流出するのを防ぐ目的で支持層1を設けている。
本発明の口腔内粘膜貼付剤の全体の厚みは、60〜500μmとすることが好ましく、60〜300μmとすることが更に好ましい。
支持層の厚みは5〜25μmとすることが好ましく、5〜15μmとすることが更に好ましい。また、薬物層((b)層+(c)層)の厚みは55〜475μmとすることが好ましく、55〜285μmとすることが更に好ましい。
薬物層の(b)層と(c)層の質量比は40:60〜10:90が好ましく、25:75〜15:85がより好ましい。着色剤を添加した(b)層の割合が大きくなると製剤の表面と裏面の識別できなくなる。一方、(b)層の割合が小さくなると、(b)層の厚さが薄くなってしまい後述するように、塗工乾燥したフィルムどうしを貼り合せる工程でのフィルムの取り扱い性が悪くなることがある。
本発明の口腔内粘膜貼付剤の形状は、口腔内粘膜への良好な貼付性が得られる形状であれば特に限定されない。例えば、円形、楕円形、方形等が挙げられる。
本発明の口腔内粘膜貼付剤の面積は0.5〜4cm2が好ましく、0.5〜2cm2がより好ましく、0.5〜1.5cm2がさらに好ましい。小さいと貼付時の製剤の取り扱い性が悪い、治療に必要な薬物を添加できない等の不都合が生じる。大きいと貼付時の違和感が強い。
また、上記の塗工・乾燥工程で得たフィルム上に更に塗工液を塗工、乾燥することでフィルム積層体を得た後、適切な大きさに裁断することで得ることができる。
塗工液の溶媒には、エタノール、水、又はこれらの混合溶液を用いることができる。溶媒は製剤の固形分に対して5〜10倍量含むのが良い。5倍量より少ないと塗工クリアランスのばらつきが製剤中の薬物含有量のばらつきに大きく現れる。10倍量より多いと乾燥時間が長くなり乾燥工程で気泡が発生し易くなる。
表1に記載した口腔内粘膜貼付剤を下記の方法で調製した。
(支持層塗工液の調製)
エタノール(適量)にマクロゴール400及び酸化チタンを加えて撹拌分散した。次にHPC及びECを加えて撹拌溶解することで支持層塗工液を得た。
(薬物層I塗工液の調製)
エタノール(適量)にトリアムシノロンアセトニドを加え撹拌溶解することで薬物溶液を得た。別途、エタノール(適量)にタンニン酸及びマクロゴール400を加え撹拌溶解することでタンニン酸溶液を得た。更に別途、精製水(適量)に赤色102号を加えて撹拌溶解することで着色剤溶液を得た。
エタノール(適量)に薬物溶液、タンニン酸溶液及び着色剤溶液を加えて撹拌し、更にHPC及びPVPを加えて撹拌溶解することで薬物層I塗工液を得た。
(薬物層II塗工液の調製)
エタノール(適量)にトリアムシノロンアセトニドを加え撹拌溶解することで薬物溶液を得た。別途、エタノール(適量)にタンニン酸及びマクロゴール400を加え撹拌溶解することでタンニン酸溶液を得た。更に別途、エタノール(適量)に酸化チタンを加えて撹拌分散することで不透明化剤分散液を得た。
エタノールと精製水の混合溶媒(適量)に薬物溶液、タンニン酸溶液及び不透明化剤分散液を加えて撹拌し、更にHPC及びPVPを加えて撹拌溶解することで薬物層II塗工液を得た。
(塗工乾燥及び裁断)
支持層塗工液をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレートのシリコーン処理面上に塗工し、60℃の温風を当てて乾燥することで支持層フィルムを得た。
薬物層I塗工液及び薬物層II塗工液も同様の方法で塗工、乾燥を行うことで、薬物層Iフィルム及び薬物層IIフィルムをそれぞれ得た。
尚、塗工量は乾燥後の質量が、支持層は11.21g/m2、薬物層Iは32.05g/m2、薬物層IIは32.00g/m2となるようにそれぞれ調整した。
得られた支持層フィルム上に薬物層Iフィルムを1回貼り合せ、更にその上から薬物層IIフィルムを4回貼り合せることで6層のフィルム積層体を得た。
得られたフィルム積層体を円形φ12mmの刃型で打ち抜くことにより支持層及び薬物層を含む口腔内粘膜貼付剤を得た(図1参照)。
尚、比較例2Aでは支持層に薬物層Iを5回、比較例3Aでは支持層に薬物層IIを5回貼り合せることで6層のフィルム積層体をそれぞれ得た。
表2及び表3に記載した試料塗工液を下記の方法で調製した。
(試料塗工液の調製)
エタノール(適量)にタンニン酸及びマクロゴール400を加えて撹拌溶解した。次にHPC及びPVPを加えて撹拌溶解することで試料塗工液を得た。
(塗工乾燥及び裁断)
試料塗工液をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレートのシリコーン処理面上に塗工し、60℃の温風を当てて乾燥することで試料フィルムを得た。尚、塗工量は乾燥後の質量が32.00g/m2となるように調整した。
得られた試料フィルムどうしを4回貼り合せることで5層のフィルム積層体とし、円形φ12mmの刃型で打ち抜くことにより口腔内粘膜貼付剤を得た。
製剤例として表4に記載した口腔内粘膜貼付剤を調製した。
尚、支持層にヒプロメロースフタル酸エステル(HPMCP)を用いた場合は、支持層塗工液の調製溶媒にエタノール/水(8:2)混液を用いた。
製剤1枚あたりの支持層、薬物層I及び薬物層IIの各層の質量は表4に示す値とし、必要に応じて1回あたりの塗工量と貼り合せ回数を調整した。
口腔内粘膜貼付剤の支持層側及び粘着層側の目視での識別性(表裏識別性)を確認した。また、アルミ袋に包装し、60℃で1週間保存した後の層間での着色剤の移行性も確認した。それぞれの判定基準は下記の通りである。
・表裏識別性の確認
○:製剤の表裏識別が目視で確認できる
×:製剤の表裏識別が目視で確認できない
・色調変化(60℃1週保管後)の確認
○:層間での着色剤の移行が生じず、目視での表裏識別も可能である
×:層間での着色剤の移行が生じ、目視での表裏識別が困難である
A〜C試験群で調製した口腔内粘膜貼付剤の粘着力は、人工口腔粘膜(「EXSURG」(有限会社テクノキャスト))を被着体とし、テクスチャーアナライザーTA−XT plus(英弘精機株式会社)を用いて、日本薬局方記載の粘着力試験法のプローブタック試験法を準用することで測定した(図2を参照)。
(測定手順)
人工口腔粘膜5を37±2℃の水に浸した後、濾紙に挟み200gの荷重を30秒加えることで表面の水分を除去した。人工口腔粘膜5をスタンド6の中央に置き、中央にφ16mmの穴を開けたプラスチック板8で固定した。
別途、φ15mmのプローブ9底面に口腔内粘膜貼付剤10を粘着面4を下向きにした状態で両面テープで固定した。
プローブ9をスタンド6から10mmの高さから0.5mm/secの速さで下降させることで、プローブ9底面の粘着面4を人工口腔粘膜5に接触させ、1.0Nの荷重を60秒間加えた後、プローブを1.0mm/secの速さで上昇させた。
上記操作により、プローブ9上昇時に粘着面4が人工口腔粘膜5から離れる際に発生する最大荷重を測定し、粘着力(g)とした。
表1(実施例1A〜6A)実施例4Aに示したように、着色剤を添加した薬物層(薬物層I)と着色剤を添加していない薬物層(薬物層II)とを組み合わせた(支持層)/(着色剤添加薬物層)/(着色剤非添加薬物層)の製剤構成では、製剤の表裏識別性が良好であった。
一方、比較例2Aに示したように、(支持層)/(着色剤添加薬物層)からなる製剤では製剤の表裏識別が困難であった。
更に比較例3Aに示したように、支持層にのみ着色剤を添加した(着色剤添加支持層)/(着色剤非添加薬物層)からなる製剤は、製剤作成直後の表裏識別性は良好であるが、製剤を長期間保管した場合には支持層から薬物層に着色剤が移行し、製剤の表裏識別性が悪くなることが示された。
図3より、PVPの添加量を多くした場合の粘着力の向上が顕著であり、下式で定義するPVP比率が20〜80質量%の製剤は口腔内粘膜貼付剤として良好な粘着性及び物性を示した。
C試験群では、タンニン酸を6質量%添加した製剤(実施例5C)は添加していない製剤(比較例1C)に比べて粘着力は向上したものの、4.5質量%添加した製剤(実施例4C)と比較すると粘着力の低下が見られた。
また、タンニン酸を6質量%添加した製剤の調製液は収斂性を示す傾向にあり、若干塗工ムラが生じる傾向にあった。
2:薬物層
2A:薬物層I
2B:薬物層II
3:非粘着面
4:粘着面
5:人工口腔粘膜
6:スタンド
7:クランプ
8:プラスチック板
9:プローブ
10:口腔内粘膜貼付剤
20:引張試験器
Claims (6)
- 貼付後の表面側から順に、次の(a)層、(b)層及び(c)層を有することを特徴とするフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
(a)薬物非含有透明支持層、
(b)薬物と、水溶性高分子と、黄色系、だいだい色系及び赤色系から選ばれる1種以上の着色剤とを含有する薬物含有層、
(c)薬物と、水溶性高分子と、不透明化剤とを含有する薬物含有層。 - (a)支持層が、水不溶性高分子を含有する請求項1記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
- 不透明化剤が、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムから選ばれる1種以上である請求項1又は2記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
- (b)層及び(c)層が、さらにタンニン酸を0.5〜4.5質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
- 前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースである請求項1〜4のいずれか1項記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
- ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロース合計量に対するポリビニルピロリドンの含有質量比が0.2〜0.8である請求項5記載のフィルム状口腔内粘膜貼付剤。
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