JP2019041886A - 椎体スペーサ - Google Patents
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Abstract
【課題】椎間板に椎体スペーサを挿入した場合の骨結合を促進することができる椎体スペーサを提供すること。【解決手段】椎体スペーサ1は、初期接触面25の第1多孔層35の厚みは、後方表面29の第2多孔層37の厚みよりも大である(例えば1.2倍以上)。従って、椎体スペーサ1を椎間板に挿入する際に、挿入方向の初期接触面25の第1多孔層35が多少潰れた場合でも、第1多孔層35内の気孔を十分に残留させることができる。そのため、この残留した気孔内に容易に新生骨が侵入することができるので、第1多孔層35(従って椎体スペーサ1)と新生骨との間の骨結合を促進することができる。手術後において早期の骨結合を促進することができ、また、骨結合強度も大きくなるという効果がある。【選択図】図3
Description
本開示は、隣り合う椎体間に配置される椎体スペーサに関する。
従来、隣り合う2つの椎体の間に位置する椎間板が損傷するなどして、本来の機能が損なわれた場合に、椎間板に代えて、隣り合う2つの椎体の間に配置される椎体スペーサが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、骨との結合性を高めるために、表面に多孔層を設けた生体インプラントも知られている(例えば特許文献2参照)。
さらに、近年では、骨や歯等を固定する生体骨固定用ネジにおいて、ネジの表面に多孔層を設けた技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
さらに、近年では、骨や歯等を固定する生体骨固定用ネジにおいて、ネジの表面に多孔層を設けた技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、例えば椎体スペーサの表面に多孔層を設けた場合には、下記のような問題があった。
具体的には、図11(a)に示すように、まず、隣り合う椎体間(即ち椎間板)に、髄液等の体液中に自家骨や人工骨等の骨片を混入させたゲル状の生体物質を配置する。そして、その生体物質に対して、緻密な本体部(P1)の表面に多孔層(P2)を形成した椎体スペーサ(P3)を、所定の挿入方向(同図の右方向)に押圧して挿入する。
具体的には、図11(a)に示すように、まず、隣り合う椎体間(即ち椎間板)に、髄液等の体液中に自家骨や人工骨等の骨片を混入させたゲル状の生体物質を配置する。そして、その生体物質に対して、緻密な本体部(P1)の表面に多孔層(P2)を形成した椎体スペーサ(P3)を、所定の挿入方向(同図の右方向)に押圧して挿入する。
これにより、図11(b)に示すように、多孔層と生体物質中の骨片との接触部分(P4)の面積は多くなるものの、押圧する際の荷重によって、多孔層中の多数の気孔(空孔)が潰れてしまうことがある。そして、この気孔が潰れると、椎体スペーサの周囲に新たに生成される新生骨が、多孔層の気孔内に侵入することができない。その結果、多孔層と新生骨との骨結合が十分にできず、骨結合強度の上昇効果が発揮されない恐れがある。
本開示は、前記課題を解決するためになされたものであり、椎間板に椎体スペーサを挿入した場合の骨結合を促進することができる椎体スペーサを提供することを目的とする。
(1)本開示の第1局面は、第1椎体と第1椎体に隣接する第2椎体との間の椎間板にて、所定の挿入方向に挿入されて配置される椎体スペーサに関するものである。
この椎体スペーサは、高分子材料からなる本体部を備えるとともに、本体部の表面として、挿入方向の先端側の初期接触面と、初期接触面より後端側の後方表面とを有しており、初期接触面及び後方表面を覆うように多孔層を備えるとともに、その多孔層のうち、初期接触面の第1多孔層の厚みは、後方表面の第2多孔層の厚みよりも大である。
この椎体スペーサは、高分子材料からなる本体部を備えるとともに、本体部の表面として、挿入方向の先端側の初期接触面と、初期接触面より後端側の後方表面とを有しており、初期接触面及び後方表面を覆うように多孔層を備えるとともに、その多孔層のうち、初期接触面の第1多孔層の厚みは、後方表面の第2多孔層の厚みよりも大である。
このように、本第1局面では、初期接触面の第1多孔層の厚みは、後方表面の第2多孔層の厚みよりも大であるので、椎体スペーサを椎間板に挿入する際に、挿入方向の初期接触面の第1多孔層が多少潰れた場合でも、第1多孔層内の気孔を十分に残留させることができる。そのため、この残留した気孔内に容易に新生骨が侵入することができるので、第1多孔層(従って椎体スペーサ)と新生骨との間の骨結合を促進することができる。その結果、手術後において早期の骨結合を促進することができ、また、骨結合強度も大きくなるという効果がある。
(2)本開示の第2局面では、初期接触面の第1多孔層の厚みは、後方表面の第2多孔層の厚みの1.2倍以上であってもよい。
本第2局面では、初期接触面の第1多孔層の厚みは後方表面の第2多孔層の厚みの1.2倍以上とすることにより、第1多孔層の厚みを十分に確保できる。従って、椎体スペーサを椎間板に挿入する際に、初期接触面の第1多孔層が多少潰れた場合でも、第1多孔層内の気孔を十分に残留させることができる。
本第2局面では、初期接触面の第1多孔層の厚みは後方表面の第2多孔層の厚みの1.2倍以上とすることにより、第1多孔層の厚みを十分に確保できる。従って、椎体スペーサを椎間板に挿入する際に、初期接触面の第1多孔層が多少潰れた場合でも、第1多孔層内の気孔を十分に残留させることができる。
そのため、第1多孔層(従って椎体スペーサ)と新生骨との間の骨結合を促進することができ、また、骨結合強度も大きくなる。
(3)本開示の第3局面では、初期接触面は、先端側が凸となった錐体又は先端側が曲面となった凸部の形状を有していてもよい。
(3)本開示の第3局面では、初期接触面は、先端側が凸となった錐体又は先端側が曲面となった凸部の形状を有していてもよい。
本第3局面では、初期接触面が、先端側が凸となった錐体又は先端側が曲面となった凸部を有することにより、椎間板に椎体スペーサを容易に挿入することができる。
なお、初期接触面の第1多孔層は、初期接触面を所定厚み(例えば均一な厚み)で覆った形状となる。
なお、初期接触面の第1多孔層は、初期接触面を所定厚み(例えば均一な厚み)で覆った形状となる。
(4)本開示の第4局面では、多孔層は、その空隙率が30%以上であってもよい。
本第4局面では、多孔層の空隙率が30%以上であるので、多孔層の気孔に新生骨が侵入し易い。そのため、骨結合を一層促進できるという利点がある。
本第4局面では、多孔層の空隙率が30%以上であるので、多孔層の気孔に新生骨が侵入し易い。そのため、骨結合を一層促進できるという利点がある。
(5)本開示の第5局面では、多孔層は、小径気孔と該小径気孔より大径の大径気孔とを有しており、小径気孔及び大径気孔の一部は、多孔層の表面に開口する開気孔を形成していてもよい。
本第5局面では、小径気孔及び大径気孔の一部は、多孔層の表面に開口する開気孔を形成しているので、多孔層の気孔に新生骨が侵入し易い。そのため、骨結合を一層促進できるという利点がある。
(6)本開示の第6局面では、高分子材料が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であってもよい。
本第6局面では、椎体スペーサを構成する高分子材料として好適な材料を例示している。このPEEKは、高い生体適合性(即ち生体内における無害性)を有し、力学的特性が骨と近いという特性を有している。
本第6局面では、椎体スペーサを構成する高分子材料として好適な材料を例示している。このPEEKは、高い生体適合性(即ち生体内における無害性)を有し、力学的特性が骨と近いという特性を有している。
(7)本開示の第7局面では、高分子材料中に、繊維を含んでいてもよい。
本第7局面では、高分子材料中に、例えばカーボン繊維及び/又はガラス繊維などの繊維を含んでいるので、椎体スペーサの強度が向上する。よって、椎体スペーサを挿入した術部の耐久性が向上する。なお、繊維は、柔軟性がある糸状の物質であり、長さが太さの100倍以上のものを採用できる。
本第7局面では、高分子材料中に、例えばカーボン繊維及び/又はガラス繊維などの繊維を含んでいるので、椎体スペーサの強度が向上する。よって、椎体スペーサを挿入した術部の耐久性が向上する。なお、繊維は、柔軟性がある糸状の物質であり、長さが太さの100倍以上のものを採用できる。
(8)本開示の第8局面では、多孔層は、自身の表面に開口する開気孔を有しており、開気孔の内壁面及び開気孔以外の多孔層の表面の少なくとも一方に、生体活性物質を有していてもよい。
本第8局面では、生体活性物質と椎体スペーサの周囲の骨組織との化学的反応により、新たな骨(新生骨)の形成を促進できるので、椎体と椎体スペーサとの結合を一層早めることができる。
(9)本開示の第9局面では、生体活性物質が、リン酸カルシウムであってもよい。
本第9局面では、生体活性物質として好ましい物質を例示している。このリン酸カルシウムは、生体活性(即ち生体内における化学的反応性)が高いので好適である。
本第9局面では、生体活性物質として好ましい物質を例示している。このリン酸カルシウムは、生体活性(即ち生体内における化学的反応性)が高いので好適である。
(10)本開示の第10局面では、リン酸カルシウムが、水酸アパタイトであってもよい。
本第10局面では、リン酸カルシウムとして好ましい物質を例示している。この水酸アパタイトは、実際の骨と、組成、構造、性質が似ているので、生体環境における安定性が優れており、体内で顕著な溶解性を示さないので好適である。また、生体拒絶反応を起こし難いという利点がある。
本第10局面では、リン酸カルシウムとして好ましい物質を例示している。この水酸アパタイトは、実際の骨と、組成、構造、性質が似ているので、生体環境における安定性が優れており、体内で顕著な溶解性を示さないので好適である。また、生体拒絶反応を起こし難いという利点がある。
<以下、本開示の構成について説明する>
・椎体スペーサの本体部と多孔層とは、同一の高分子材料から形成されていてもよいが、別種の材料から構成されていてもよい。
・椎体スペーサの本体部と多孔層とは、同一の高分子材料から形成されていてもよいが、別種の材料から構成されていてもよい。
・初期接触面とは、椎体スペーサを挿入方向に挿入する場合に、挿入方向と反対側に圧力(即ち反力)を受ける面である。この初期接触面としては、挿入方向に対して垂直の垂直面や、この垂直面に対して傾斜した面(但し、90°未満)が挙げられる。
・後方表面としては、初期接触面に隣接する側面、すなわち、初期接触面から後方(即ち挿入方向と反対側である反対方向)に延びる側面。また、椎体スペーサの後端側を構成する面、すなわち先端側と反対側の背面が挙げられる。
・初期接触面の第1多孔層の厚みとは、初期接触面上における平均の厚みであり、後方表面の第2多孔層の厚みとは、後方表面における平均の厚みである(但し、本体部に貫通孔を形成する場合には貫通孔の内側表面は除く)。
・椎体スペーサとしては、椎体スペーサ(従って本体部)を貫通して、側面側にて開口する貫通孔を有していてもよい。
・生体活性物質とは、椎体スペーサを構成する物質(例えば高分子材料からなる本体部)に比べて、生体との親和性が高く、生体骨を含む骨組織と化学的に反応性を有する物質(又は反応性に優れた物質)である。
・生体活性物質とは、椎体スペーサを構成する物質(例えば高分子材料からなる本体部)に比べて、生体との親和性が高く、生体骨を含む骨組織と化学的に反応性を有する物質(又は反応性に優れた物質)である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.実施形態]
本実施形態の椎体スペーサは、隣り合う椎体間(即ち椎間板)にて所定の挿入方向に挿入されて配置されるスペーサである。
[1.実施形態]
本実施形態の椎体スペーサは、隣り合う椎体間(即ち椎間板)にて所定の挿入方向に挿入されて配置されるスペーサである。
[1−1.椎体スペーサの全体構成]
まず、本実施形態の椎体スペーサの全体構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の椎体スペーサ1は、四角柱状の柱部3と、柱部3の長手方向の一端(即ち挿入方向の一端)にて四角錐状に突出した凸部5と、を備えている。
まず、本実施形態の椎体スペーサの全体構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の椎体スペーサ1は、四角柱状の柱部3と、柱部3の長手方向の一端(即ち挿入方向の一端)にて四角錐状に突出した凸部5と、を備えている。
柱部3は、上側の平面である上側面7と、上側面7と平行で上側面7の反対側の平面である下側面9と、上側面7及び下側面9に垂直で上側面7と下側面9とをつなぐ一対の側面(左側面11、右側面13)とを有している。
また、椎体スペーサ1には、椎体スペーサ1自身を図2(b)の上下方向に貫通して、上側面7と下側面9とに開口する貫通孔15を備えている。
なお、図2(b)の一点鎖線で示すように、前記貫通孔15に加えて(又は貫通孔15を設けずに)、椎体スペーサ1自身を図2(a)の上下方向に貫通して、両側面11、13に開口する貫通孔17を設けてもよい。
なお、図2(b)の一点鎖線で示すように、前記貫通孔15に加えて(又は貫通孔15を設けずに)、椎体スペーサ1自身を図2(a)の上下方向に貫通して、両側面11、13に開口する貫通孔17を設けてもよい。
図3(a)に示すように、椎体スペーサ1は、高分子材料からなる緻密な本体部(例えば気孔が無い本体部)21と、同じ高分子材料からなり本体部21の表面を覆う多孔層(即ち多数の気孔を有する多孔層)23とから、構成されている。
また、本体部21の内部には、レントゲンで造影可能な例えばステンレス等の金属からなる金属マーキング24が埋め込まれている。
なお、この多孔層23の空隙率は例えば30%以上である。高分子材料としては、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を採用でき、高分子材料中に、カーボン繊維及び/又はガラス繊維などの繊維(即ち繊維成分)を含んでいてもよい。
なお、この多孔層23の空隙率は例えば30%以上である。高分子材料としては、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を採用でき、高分子材料中に、カーボン繊維及び/又はガラス繊維などの繊維(即ち繊維成分)を含んでいてもよい。
また、前記本体部21の表面として、挿入方向(同図右方向:F方向)の先端側に、初期接触面25を備えている。つまり、本体部21の先端側(挿入方向)の形状は、椎体スペーサ1の外形と同様に、四角錐状の凸部27となっているので、この凸部27の表面(4面)により初期接触面25が構成されている。
さらに、本体部21の表面として、初期接触面25より後端側(図3(a)の左側)に後方表面29を有している。この後方表面29としては、前記柱部3の表面(上側面7、下側面9、右側面11、左側面13)に対応するように(即ち向かい合うように)、4つの側面31を有するとともに、挿入方向と反対側に背面33を有している。
特に、本実施形態では、図3(b)に示すように、初期接触面25及び後方表面29の全面を覆うように、前記多孔層23を備えるとともに、初期接触面25を覆う多孔層(第1多孔層35)の厚みD1の平均値は、後方表面29を覆う多孔層(第2多孔層37)の厚みD2の平均値よりも大である。例えば、第1多孔層35の厚みの平均値は、第2多孔層37の厚みの平均値の1.2倍以上(例えば2倍)である。
なお、多孔層23の厚みとしては、例えば10μm〜1000μmの範囲を採用できる。
また、図4に示すように、多孔層23には多数の気孔(空孔)41が形成されており、気孔41の多くは、多孔層23の表面に直接に開口したり、他の気孔41を介して表面に連通する開気孔47となっている。詳しくは、多孔層23は、小径気孔43と小径気孔43より大径の大径気孔45とを有しており、小径気孔43及び大径気孔45の一部は、多孔層23の表面に開口する開気孔47を形成している。例えば、開気孔である大径気孔45に小径気孔43に開口することによって、小径気孔43も開気孔となっている。
また、図4に示すように、多孔層23には多数の気孔(空孔)41が形成されており、気孔41の多くは、多孔層23の表面に直接に開口したり、他の気孔41を介して表面に連通する開気孔47となっている。詳しくは、多孔層23は、小径気孔43と小径気孔43より大径の大径気孔45とを有しており、小径気孔43及び大径気孔45の一部は、多孔層23の表面に開口する開気孔47を形成している。例えば、開気孔である大径気孔45に小径気孔43に開口することによって、小径気孔43も開気孔となっている。
なお、小径気孔43の孔径としては、10μm未満が挙げられ、大径気孔45の孔径としては、10μm〜200μmが挙げられる。
さらに、開気孔47の内壁面51及び開気孔47以外の多孔層23の表面(外表面53)の少なくとも一方には、生体活性物質からなる生体活性物質部49が固着している。なお、生体活性物質としては、水酸アパタイト等のリン酸カルシウムを採用できる。
さらに、開気孔47の内壁面51及び開気孔47以外の多孔層23の表面(外表面53)の少なくとも一方には、生体活性物質からなる生体活性物質部49が固着している。なお、生体活性物質としては、水酸アパタイト等のリン酸カルシウムを採用できる。
また、前記気孔径や空隙率は、下記の方法によって求めることができる。
例えば、多孔層23を厚み方向に破断した断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、SEM画像を得る。次に、そのSEM画像から平均径が約10μm以上の気孔(大径気孔)の長径と短径とを求め、これらの算術平均を気孔径とする。この操作をSEM画像の所定範囲にて行い、例えば所定個(例えば50個)以上の気孔が観察される範囲にて行い、その平均を大径気孔の気孔径とする。
例えば、多孔層23を厚み方向に破断した断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、SEM画像を得る。次に、そのSEM画像から平均径が約10μm以上の気孔(大径気孔)の長径と短径とを求め、これらの算術平均を気孔径とする。この操作をSEM画像の所定範囲にて行い、例えば所定個(例えば50個)以上の気孔が観察される範囲にて行い、その平均を大径気孔の気孔径とする。
同様に、SEM画像から平均径が約10μm未満の気孔(小径気孔)の長径と短径とを求め、これらの算術平均を気孔径とする。この操作を前記所定個以上が観察される前記所定範囲にて行い、その平均を小径気孔の気孔径とする。
また、空隙率は、前記SEM画像に対して、解析ソフト(例えばScion社製、Scion Image)を使用して、前記所定範囲における各気孔の面積を求め、所定領域の面積S1に対する気孔の合計の面積S2の割合{(S2/S1)×100}から求めることができる。
[1−2.椎体スペーサの各構成]
次に、椎体スペーサ1の各構成について詳細に説明する。
椎体スペーサ1の本体部21及び多孔層23を構成する材料としては、椎体である椎骨と同等又は椎骨に近い力学的特性を有する高分子材料が好ましい。前記力学的特性として、弾性率が1〜50GPa、曲げ強度は100MPa以上を挙げることができる。
次に、椎体スペーサ1の各構成について詳細に説明する。
椎体スペーサ1の本体部21及び多孔層23を構成する材料としては、椎体である椎骨と同等又は椎骨に近い力学的特性を有する高分子材料が好ましい。前記力学的特性として、弾性率が1〜50GPa、曲げ強度は100MPa以上を挙げることができる。
力学的特性が骨に近い高分子材料(例えばプラスチック)としては、エンジニアリングプラスチック又は繊維強化プラスチック等が挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリフェニリンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリメチルペンテン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリオキシメチレン、ポリ四フッ化エチレン等が挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリフェニリンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリメチルペンテン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリオキシメチレン、ポリ四フッ化エチレン等が挙げられる。
繊維強化プラスチックのマトリックスとなるプラスチックとしては、前記エンジニアリングプラスチックに加えて、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、EVA樹脂、EEA樹脂、4−メチルペンテン−1樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ACS樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、エチレン塩化ビニル共重合体、プロピレン塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリフッ化エチレンプロピレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、メタクリル樹脂、ノリル樹脂、ポリアリルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリケトンスルフィド、ポリスチレン、ポリアミノビスマレイミド、ユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、イソフタル酸系樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン、アルキルベンゼン樹脂、グアナミン樹脂、ポリジフェニルエーテル等が挙げられる。
繊維強化プラスチックにおける繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維、有機繊維等が挙げられる。炭素繊維については、カーボンナノチューブも含まれる。ガラス繊維としては、ホウケイ酸ガラス(Eガラス)、高強度ガラス(Sガラス)、高弾性ガラス(YM−31Aガラス)等の繊維が挙げられる。セラミック繊維としては、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、チタン酸カリウム、炭化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ素の繊維が挙げられる。金属繊維としては、タングステン、モリブデン、ステンレス、スチール、タンタルの繊維が挙げられる。有機繊維としては、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、アラミドの繊維が挙げられる。なお、繊維は1種単独で又は2種以上の混合物を用いることができる。
また、椎体スペーサ1を構成する高分子材料中に、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、顔料等の着色料等の各種添加剤を含有していてもよい。
なお、椎体スペーサ1を構成する高分子材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が特に好ましい。PEEKは、生体適合性を有し、高強度低弾性で力学特性が生体骨に近い。従って、PEEKを採用すると、大きな荷重が連続的に長期間かかるような椎体間に椎体スペーサ1を埋設した場合でも、ストレスシールディングが起こりにくい。すなわち、骨に加わる応力の遮蔽によって生じる骨減少及び骨密度の低下等が起こりにくい、高強度の椎体スペーサ1を得ることができる。
上述した椎体スペーサ1は、一般的のプラスチック成形加工方法、例えば、射出成形、押出成形等によって形成できる。
多孔層23は、上述したように、多孔層23よりも緻密な(即ち空隙率が小さな)本体部21の表面を被覆する層、すなわち、多くの開気孔47等の気孔41が形成された空隙率の大きな層である。この多孔層23は、本体部21を構成するのと同様な高分子材料、特にエンジリアニングプラスチック(例えばPEEK)にて構成されるとともに、更に生体活性物質を含有することができる。
多孔層23は、上述したように、多孔層23よりも緻密な(即ち空隙率が小さな)本体部21の表面を被覆する層、すなわち、多くの開気孔47等の気孔41が形成された空隙率の大きな層である。この多孔層23は、本体部21を構成するのと同様な高分子材料、特にエンジリアニングプラスチック(例えばPEEK)にて構成されるとともに、更に生体活性物質を含有することができる。
この生体活性物質は、多孔層23における開気孔47の内壁面51及び/又は外表面53などにおいて、独立した状態及び/又は結合して樹枝状に張り巡らされた状態で存在している。生体活性物質は、具体的には、開気孔47の内壁面51や外表面53などに、膜状又は層状に担持されている。このように生体活性物質が担持されていると、椎体スペーサ1が椎間板内に埋植された後に、生体活性物質と生体の骨組織との化学的な反応が始まり、新たな骨が速やかに形成され、迅速な骨結合力を発揮する。
生体活性物質は、生体との親和性が高く、生体骨を含む骨組織等の生体組織と化学的に反応する性質を有する物質であれば特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム系材料(化合物)、バイオガラス、結晶化ガラス(ガラスセラミックスとも称する)、炭酸カルシウム等が挙げられる。
リン酸カルシウム系材料としては、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム水和物、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、ドロマイト、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム、水酸アパタイト、フッ素アパタイト、炭酸アパタイト、塩素アパタイト等が挙げられる。
バイオガラスとしては、SiO2−CaO−Na2O−P2O5系ガラス、SiO2−CaO−Na2O−P2O5−K2O−MgO系ガラス、SiO2−CaO−Al2O3−P2O5系ガラス等が挙げられる。
結晶化ガラスとしては、SiO2−CaO−MgO−P2O5系ガラス(アパタイトウォラストナイト結晶化ガラスとも称する)、CaO−Al2O3−P2O5系ガラス等が挙げられる。
これらのリン酸カルシウム系材料、バイオガラス、結晶化ガラスは、例えば、「化学便覧 応用化学編 第6版」(日本化学会、平成15年1月30日発行、丸善株式会社)、「バイオセラミックスの開発と臨床」(青木秀希ら編著、1987年4月10日、クインテッセンス出版株式会社)等に詳述されている。
生体活性物質は、これらの中でも生体活性に優れる点でリン酸カルシウム系の材料が好ましい。さらに、生体骨と組成、構造、性質が似ており体内環境における安定性が優れ、体内で顕著な溶解性を示さない点で、水酸アパタイトが特に好ましい。
[1ー3.椎体スペーサの製造方法]
次に、椎体スペーサ1の製造方法について、図5〜図7等に基づいて説明する。
(ステップS10)
まず、椎体スペーサ1の元となる基材61(図6(a)参照)を作成する。
次に、椎体スペーサ1の製造方法について、図5〜図7等に基づいて説明する。
(ステップS10)
まず、椎体スペーサ1の元となる基材61(図6(a)参照)を作成する。
具体的には、プラスチック材料(例えばPEEK)を椎体スペーサ1の形状になるように切削加工することで、基材61を作成する。なお、切削加工に代えて、金型を用いた射出成形等によって基材61を作成してもよい。
この基材61は、前記図1に示す椎体スペーサ1の形状とほぼ同様な形状である。つまり、基材61は、四角柱状の柱部63と、その軸方向の先端側(図6(a)の右側)にて突出する四角錐状の凸部65を有する形状である。なお、基材61にも、椎体スペーサ1の貫通孔15と同様な貫通孔67が形成されている。
(ステップS20)
次に、基材61の表面に多数の微小な気孔(即ち小径気孔43)を形成する。基材61の表面に小径気孔43を形成させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
次に、基材61の表面に多数の微小な気孔(即ち小径気孔43)を形成する。基材61の表面に小径気孔43を形成させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えばプラスチック製の基材61を、濃硫酸、濃硝酸、又はクロム酸等の腐食性溶液に所定時間浸漬し、次いで、この基材61をプラスチックが溶出しない洗浄用溶液、例えば純水に浸漬させる方法を挙げることができる。
ここで、プラスチックとしてPEEKを採用した場合には、基材61を例えば濃度が90%以上の濃硫酸に所定時間(例えば1〜30分間)浸漬させて、基材61の表面を柔らかくし、その後、基材61を純水に浸漬させることにより、基材61の表面に多数の小径気孔43を形成することができる。
特に本実施形態では、基材61を濃硫酸に浸漬させて基材61の表面を柔らかくした状態で、図6(b)に示すように、空気中に基材61を取り出して、基材61の先端側(凸部65側)を下方にして吊した状態とする。例えば図示しないが、貫通孔67に棒材を通して、基材61を吊した状態とする。
これにより、基材61の表面の柔らかくなった柔軟部分(即ち多孔層23となる柔軟部分69)は、重力によって徐々に下方に移動するので、先端側(図6(b)の下側)の凸部65の表面の柔軟部分(即ち第1多孔層35となる第1柔軟部分71)の厚みは、その凸部65より後端側の柔軟部分(即ち第2多孔層37となる第2柔軟部分73)の厚みよりも厚くなる。
なお、基材61を吊す時間を長くすることにより、第2柔軟部分73の厚みよりも第1柔軟部分71の厚みが増加するので、基材61を吊す時間を調節することにより、第1柔軟部分71と第2柔軟部分73の厚みを所望の厚みに調節することができる。
(ステップS30)
次に、多数の小径気孔43を有する基材61の表面、即ち、多数の小径気孔43が形成された柔軟部分69を備えた基材61の表面に、発泡剤を付着させて、発泡剤が保持された発泡剤保持基材(図示せず)を作製する。
次に、多数の小径気孔43を有する基材61の表面、即ち、多数の小径気孔43が形成された柔軟部分69を備えた基材61の表面に、発泡剤を付着させて、発泡剤が保持された発泡剤保持基材(図示せず)を作製する。
発泡剤としては、プラスチック製の基材61の表面に、上述した多孔層23の多孔質構造を形成させることができる物質であればよく、そのような発泡剤として、炭酸塩、アルミニウム粉末等の無機系発泡剤や、アゾ化合物、イソシアネート化合物等の有機系発泡剤を挙げることができる。発泡剤は、生体に悪影響を与えない物質であるのが好ましく、そのような発泡剤としては炭酸塩が好ましく、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを挙げることができる。
(ステップS40)
次に、発泡剤保持基材から発泡基材81(図7参照)を作製する。具体的には、発泡剤保持基材を、プラスチックを膨潤させ、かつ、発泡剤を発泡させる発泡溶液に所定時間浸漬させて、プラスチックの膨潤と発泡剤の発泡とを同時に進行させる。その後、膨潤したプラスチックを凝固させる凝固溶液に浸漬することにより、発泡基材81を作製する。
次に、発泡剤保持基材から発泡基材81(図7参照)を作製する。具体的には、発泡剤保持基材を、プラスチックを膨潤させ、かつ、発泡剤を発泡させる発泡溶液に所定時間浸漬させて、プラスチックの膨潤と発泡剤の発泡とを同時に進行させる。その後、膨潤したプラスチックを凝固させる凝固溶液に浸漬することにより、発泡基材81を作製する。
なお、ここで、発泡基材81を作製する際に、膨潤した発泡剤保持基材を前記図6(b)に示すように、先端側を下方にして吊るすことにより、第1多孔層35の厚みを増加させる処理を行ってもよい。つまり、基材61の凸部65側を下方にして、重力によって第1多孔層35の厚みを増加させる処理は、前記ステップS30及び/又はステップS40にて実施してもよい。
発泡溶液としては、濃硫酸、塩酸、又は硝酸等の酸性溶液を挙げることができる。発泡剤保持基材を形成する材料がPEEKであり、発泡剤が炭酸塩である場合には、前記発泡溶液としては濃度が90%以上の濃硫酸が好ましい。
凝固溶液、すなわちプラスチックが溶出しない溶液としては、水、アセトン、又はエタノールなどの水性溶液を挙げることができる。発泡基材81を構成する材料がPEEKである場合には、上記に挙げた他に、濃度が90%未満の硫酸、硝酸、リン酸、又は塩酸等の無機酸水溶液、水溶性有機溶剤が挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、テトラヒドロフラン、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエトレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、グリセリンエタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、又はヘキサノ−ル等のアルコ−ル及びこれらの水溶液、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリビニルピロリドン等液状高分子またはそれらの水溶液及びこれらの混合物を挙げることができる。
(ステップS50)
次に、発泡基材81の表面に、生体活性物質の水酸アパタイト粒子を固定化する。これにより、多孔層23の気孔41の内壁面51や多孔層23の外表面53に、水酸アパタイト粒子が固定化される。
次に、発泡基材81の表面に、生体活性物質の水酸アパタイト粒子を固定化する。これにより、多孔層23の気孔41の内壁面51や多孔層23の外表面53に、水酸アパタイト粒子が固定化される。
固定化の方法としては、例えば以下の方法を採用できる。
まず、水酸アパタイト粒子をエタノール溶液に分散させた分散系溶液を用意する。
次に、この分散系溶液に、発泡基材81を浸漬し、浸漬した状態で分散系溶液に超音波を付与する。これにより、水酸アパタイト粒子が発泡基材81の表面に均一に付着する(図4参照)。
まず、水酸アパタイト粒子をエタノール溶液に分散させた分散系溶液を用意する。
次に、この分散系溶液に、発泡基材81を浸漬し、浸漬した状態で分散系溶液に超音波を付与する。これにより、水酸アパタイト粒子が発泡基材81の表面に均一に付着する(図4参照)。
次に、発泡基材81を分散系溶液から取り出して、所定条件下(例えば、約230℃の温度で20分間)で乾燥させて、水酸アパタイト粒子を固定化する。
このように、前記ステップS10〜S50の処理を行うことにより、表面に水酸アパタイト粒子からなる生体活性物質部49を備えた椎体スペーサ1を作製することができる。
このように、前記ステップS10〜S50の処理を行うことにより、表面に水酸アパタイト粒子からなる生体活性物質部49を備えた椎体スペーサ1を作製することができる。
[1ー4.使用方法]
次に、椎体スペーサ1の使用方法について説明する。
図8に示すように、椎体スペーサ1は、第1椎体91と第1椎体91に隣り合う第2椎体93との間の椎間板95において、所定の挿入方向(F方向)に押圧して挿入することにより配置される。以下、詳細に説明する。
次に、椎体スペーサ1の使用方法について説明する。
図8に示すように、椎体スペーサ1は、第1椎体91と第1椎体91に隣り合う第2椎体93との間の椎間板95において、所定の挿入方向(F方向)に押圧して挿入することにより配置される。以下、詳細に説明する。
椎間板95には、その周囲を(図8の上方から見て)環状に囲む膜部材(線維輪に相当する部材)97が配置されるとともに、膜部材97の内部には、髄液等の体液中に自家骨や人工骨等の骨片99(図9参照)を混入させたゲル状の生体物質(髄核に相当する部材)101が配置されている。そして、椎体スペーサ1は凸部5を先端側として、生体物質101に向かって挿入方向に挿入される。
これにより、図9に示すように、第1多孔層35と生体物質101中の骨片99との接触部分103(図9の太線部分)の面積が多くなる。
また、押圧する際の荷重によって、第1多孔層35中の多数の気孔41が潰れるが、第1多孔層35は十分な厚みを有しているので、一部の気孔41が潰れても、他の部分に多くの気孔41が残留する。
また、押圧する際の荷重によって、第1多孔層35中の多数の気孔41が潰れるが、第1多孔層35は十分な厚みを有しているので、一部の気孔41が潰れても、他の部分に多くの気孔41が残留する。
[1−5.効果]
(1)本実施形態では、椎体スペーサ1において、初期接触面25の第1多孔層35の厚みは、後方表面29の第2多孔層37の厚みよりも大である(例えば1.2倍以上)。よって、椎体スペーサ1を椎間板95に挿入する際に、挿入方向における初期接触面25の第1多孔層35が多少潰れた場合でも、第1多孔層35内の気孔41を十分に残留させることができる。そのため、この残留した気孔41内に容易に新生骨が侵入することができるので、第1多孔層35(従って椎体スペーサ)と新生骨との間の骨結合を促進することができる。その結果、手術後において早期の骨結合を促進することができ、また、骨結合強度も大きくなるという効果がある。
(1)本実施形態では、椎体スペーサ1において、初期接触面25の第1多孔層35の厚みは、後方表面29の第2多孔層37の厚みよりも大である(例えば1.2倍以上)。よって、椎体スペーサ1を椎間板95に挿入する際に、挿入方向における初期接触面25の第1多孔層35が多少潰れた場合でも、第1多孔層35内の気孔41を十分に残留させることができる。そのため、この残留した気孔41内に容易に新生骨が侵入することができるので、第1多孔層35(従って椎体スペーサ)と新生骨との間の骨結合を促進することができる。その結果、手術後において早期の骨結合を促進することができ、また、骨結合強度も大きくなるという効果がある。
(2)本実施形態では、初期接触面25は、先端側が凸となった錐体であるので、椎間板95に椎体スペーサ1を容易に挿入することができる。
(3)本実施形態では、多孔層23の空隙率が30%以上であるので、多孔層23の気孔41に新生骨が侵入し易い。そのため、骨結合を一層促進できるという利点がある。
(3)本実施形態では、多孔層23の空隙率が30%以上であるので、多孔層23の気孔41に新生骨が侵入し易い。そのため、骨結合を一層促進できるという利点がある。
(4)本実施形態では、小径気孔43及び大径気孔45の一部は、多孔層23の表面に開口する開気孔47を形成しているので、多孔層23の気孔41に新生骨が侵入し易い。そのため、骨結合を一層促進できるという利点がある。
(5)椎体スペーサ1を構成する高分子材料として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いる場合には、PEEKは、高い生体適合性と力学的特性が骨と近いという特性を有しているので好適である。
(6)椎体スペーサ1の開気孔47内や外表面53に、生体活性物質(例えば水酸アパタイト等のリン酸カルシウム)を備えている場合には、生体活性物質と椎体スペーサ1の周囲の骨組織との化学的反応により、新たな骨(新生骨)の形成を促進できるので、椎体91、93と椎体スペーサ1との結合を一層早めにことができる。
[1−6.文言の対応関係]
実施形態の、椎体スペーサ1、本体部21、多孔層23、初期接触面25、後方表面29、第1多孔層35、第2多孔層37、小径気孔43、大径気孔45、開気孔47、内壁面51、外表面53、第1椎体91、第2椎体93、椎間板95は、それぞれ、本開示の、椎体スペーサ、本体部、多孔層、初期接触面、後方表面、第1多孔層、第2多孔層、小径気孔、大径気孔、開気孔、内壁面、(開気孔以外の多孔層の)表面、第1椎体、第2椎体、椎間板の一例に相当する。
実施形態の、椎体スペーサ1、本体部21、多孔層23、初期接触面25、後方表面29、第1多孔層35、第2多孔層37、小径気孔43、大径気孔45、開気孔47、内壁面51、外表面53、第1椎体91、第2椎体93、椎間板95は、それぞれ、本開示の、椎体スペーサ、本体部、多孔層、初期接触面、後方表面、第1多孔層、第2多孔層、小径気孔、大径気孔、開気孔、内壁面、(開気孔以外の多孔層の)表面、第1椎体、第2椎体、椎間板の一例に相当する。
[1−7.実験例]
前記実施形態と同様にして、高分子材料としてPEEKを用いた椎体スペーサの試料を作製した。なお、試料を樹脂で固定した。
前記実施形態と同様にして、高分子材料としてPEEKを用いた椎体スペーサの試料を作製した。なお、試料を樹脂で固定した。
次に、この試料の椎体スペーサを多孔層(詳しくは上側面側の第2多孔層)の厚み方向に沿って切削・研磨し、その破断面をマイクロデジタルスコープ(倍率100〜500倍)により観察した。
その写真を、図10に示すが、本体部(即ちPEEK緻密層)の表面に、ほぼ均一な厚さ(約100μm)で多孔層(即ちPEEK多孔層)が形成されていることが確認できた。
[2.その他の実施形態]
尚、本開示は、前記実施形態等に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[2.その他の実施形態]
尚、本開示は、前記実施形態等に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
(1)椎体スペーサの形状(従って初期接触面の形状)としては、先端側(挿入方向側)が凸となった錐体以外に、先端側が曲面となった凸部の形状を採用できる。また、椎体スペーサの形状としては、先端側が凸となっていないものを採用することもできる。
(2)第1多孔層の厚みを第2多孔層の厚みより大きくする方法は、重力による方法に限定されない。例えば基材の凸部を他の部分よりも多くの回数又は長時間濃硫酸等に漬けることにより、第1多孔層の厚みを増加させてもよい。
(3)椎体スペーサを構成する高分子材料中に、カーボン繊維等の繊維を含んでいてもよい。
(4)なお、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(4)なお、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…椎体スペーサ
21…本体部
23…多孔層
25…初期接触面
29…後方表面
35…第1多孔層
37…第2多孔層
43…小径気孔
45…大径気孔
47…開気孔
51…内壁面
53…外表面
91…第1椎体
93…第2椎体
95…椎間板
21…本体部
23…多孔層
25…初期接触面
29…後方表面
35…第1多孔層
37…第2多孔層
43…小径気孔
45…大径気孔
47…開気孔
51…内壁面
53…外表面
91…第1椎体
93…第2椎体
95…椎間板
Claims (10)
- 第1椎体と該第1椎体に隣接する第2椎体との間の椎間板にて、所定の挿入方向に挿入されて配置される椎体スペーサにおいて、
前記椎体スペーサは、高分子材料からなる本体部を備えるとともに、該本体部の表面として、前記挿入方向の先端側の初期接触面と、該初期接触面より後端側の後方表面とを有しており、
前記初期接触面及び前記後方表面を覆うように多孔層を備えるとともに、該多孔層のうち、前記初期接触面の第1多孔層の厚みは、前記後方表面の第2多孔層の厚みよりも大である、
椎体スペーサ。 - 前記初期接触面の第1多孔層の厚みは、前記後方表面の第2多孔層の厚みの1.2倍以上である、
請求項1に記載の椎体スペーサ。 - 前記初期接触面は、前記先端側が凸となった錐体又は前記先端側が曲面となった凸部の形状を有する、
請求項1又は2に記載の椎体スペーサ。 - 前記多孔層は、その空隙率が30%以上である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の椎体スペーサ。 - 前記多孔層は、小径気孔と該小径気孔より大径の大径気孔とを有しており、
前記小径気孔及び前記大径気孔の一部は、前記多孔層の表面に開口する開気孔を形成している、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の椎体スペーサ。 - 前記高分子材料が、ポリエーテルエーテルケトンである、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の椎体スペーサ。 - 前記高分子材料中に、繊維を含む、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の椎体スペーサ。 - 前記多孔層は、自身の表面に開口する開気孔を有しており、該開気孔の内壁面及び前記開気孔以外の前記多孔層の表面の少なくとも一方に、生体活性物質を有する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の椎体スペーサ。 - 前記生体活性物質が、リン酸カルシウムである、
請求項8に記載の椎体スペーサ。 - 前記リン酸カルシウムが、水酸アパタイトである、
請求項9に記載の椎体スペーサ。
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