JP2019042701A - 密閉型混練機に備えられているダストストップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の混練機にも適用可能とし、リング回転と固定リングの当接面間に所定の成分を組合せた摺動材を備えることで、当該当接面間の摩耗量を低減させると共に潤滑油を少量とすることができる密閉型混練機に備えられているダストストップ装置を提供する。【解決手段】本発明は、一対ロータ4を収納するハウジング3を有する密閉型混練機1に備えられ、混練物の外部漏出を防止するダストストップ装置14において、ダストストップ装置14は、ロータ4側に配備され、当該ロータ4とともに回転する回転リング15と、ハウジング3側に配備された固定リング16で構成され、回転リング15の側面と固定リング16の側面とは当接し且つ面接触状態で摺動する当接面19とされ、当接面19の一方がグラファイトと1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドとの少なくとも一方で構成され、当接面19の他方がアモルファス金属で構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、密閉型混練機に備えられているダストストップ装置に関するものであって、詳しくは、密閉型混練機の内部で混練される混練物が外部へ漏出することを防止する装置に関する。
従来より、ゴム、プラスチック等の被混練材料を混練するバッチ式の密閉型混練機は、内部が混練室とされたハウジングと、このハウジングの内部に設けられ、回転自在に支持されている一対のロータとを備えている。この密閉型混練機は、混練室に圧入されたゴムやプラスチックなどの被混練材料を、回転自在の一対のロータで混練し、所望の混練状態となった混練物を外部に取り出す構成となっている。
混練室(中空部)を備えたハウジングは、フレーム部材に支持されている。また、一対のロータは、被混練材料を混練する本体部が混練室に収納されるとともに、本体部の両端面から突設された軸部がフレーム部材を介して外部へ突出状に配備されている。
混練室に収納されたロータの本体部の端面とフレーム部材の間には、本体部が回転するので、所定の隙間が設けられている。すなわち、混練室はその隙間を介して、外部と連通された状態になっている。
ところが、混練室と外部が連通状態となっていると、その混練室内の混練物が隙間から外部へ漏出する虞がある。そのため、従来からその隙間には、混練室内の混練物が外部へ漏出を防止するダストストップ装置(混練物の漏出を防止する装置)が備えられている。
このダストストップ装置は、混練室を密閉するため、ロータの本体部とフレーム部材のそれぞれに面接触するように配備されている。ロータの本体部が回転すると、それに伴って、ダストストップ装置が接触面において摺動することとなる。
摺動時においては、接触面間の摩擦力が大きいと、ダストストップ装置が発熱したり、摩耗する。そのため、ダストストップ装置の接触面間に、摩擦力を低減させる潤滑油が供給されている。
このようなダストストップ装置としては、特許文献1、2に開示されたものがある。
特許文献1には、ロータのフランジ端面がロータシャフトを取り込む環状のエンドプレートと、ロータシャフトの外周面とエンドプレートの内周面との間に軸方向に嵌合され、ヨークを介して前記フランジ端面に押付けられかつ回り止めされた環状のダストストップリングと、を少なくとも備えてなる混練機の圧着型ダストストップ組立体において、ダストストップリングは、第1リングと第2リングとに2ツ割とされ、その分割端面を接合分離自在に組付けてなり、第1リングと第2リングの外周面に冷却水の導通ジャケットが周方向にそれぞれ形成され、該導通ジャケットを連通する連絡管が設けられ、導通ジャケットの一方に冷却水供給管が、他方に冷却水排出管がそれぞれ接続され、更に、第1リングと第2リングのそれぞれには前記フランジ端面との摺接部分に潤滑油を送る潤滑孔が軸方向に形成されている混練機の圧着型ダストストップの構造が開示されている。
特許文献2には、合成樹脂、ゴム等の混練機ローター軸の軸封装置において、エンドプレートとローター軸との間に狭い間隙を保ち、ローター軸に沿って移動可能なシールリングとローター軸との間にOリングを嵌め込み、エンドプレートにスプリングにより押し付けられる上記シールリングを、自己潤滑性を有する材料で製作し、潤滑油管理作業を除去した混練機の軸封装置の無給油運転方法が開示されている。
また、特許文献3に開示されているようなダストストップ装置も提案されている。
特許文献3は、潤滑油が混練物に混入することによる品質不良を防止すると共に、当接面間の摺動速度を上昇させても摩擦により生じる発熱や磨耗を十分に抑制することを目的としている。
具体的には、ロータ軸7と一体に回転するロータ側端面リング9の当接面と、この当接面に対して所定の押圧力で圧接されるフレーム側端面リング10の当接面との間でダストストップを構成し、これらリング9、10の何れか一方は、グラファイト、及び/又は、1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドにより形成されている。
実公昭61−29467号公報 特公平2−32014号公報 特開平10−230153号公報
ところで、ダストストップ装置は、ハウジング側に備えられた環状の固定リングと、ロータの本体部側に備えられた環状の回転リングとからなるものである。これら2つのリング15,16は、混練室を密閉するように、面接触している。ロータ回転時には、回転リングと固定リングは接触面(シール面)間で摺動する。これら摺動する2つのリング15,16の摩耗を低減するため、接触面間に潤滑油が供給されている。その潤滑油は、固定リング側に設けられた潤滑油供給部(供給口)から、接触面間に供給されている。
しかしながら、供給される潤滑油は、混練時にはロータの回転により、潤滑油が接触面全域に供給されにくくなる。詳しくは、混練時においては、ロータの回転による遠心力により、径外方向へ移動する潤滑油の量が多くなり、リングの内周側には供給されにくくなる。
このような状況下となると、リングが摩耗して焼き付いてしまうなど、ダストストップ装置が損傷することとなる。
そこで、ハウジング側に備えられた固定リングと、ロータ側に備えられた回転リングの接触面全域に、潤滑油を十分に行き渡らせることができるようにする必要がある。
ところで、上記のようなダストストップ装置の損傷を防ぐため、特許文献3の技術を採用したとしても、大型の生産機(密閉型混錬機)においては、固定リングと回転リングの接触面間の摺動速度、及び、固定リングと回転リング接触面間における押付け圧力が非常に大きくなるので、それにより生じる摩擦によるリングの摩耗量が非常に多くなってしまうため、実用的ではない。
そこで本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、回転リングと固定リングの当接面間の摺動速度や、回転リングと固定リングの当接面間における押付け圧力が大きい大型の混練機にも適用可能とし、且つ、回転リングと固定リングの当接面間に所定の成分を組合せた摺動材を備えることで、当該当接面間における摩耗量を低減させると共に、供給する潤滑油を少量とすることができる密閉型混練機に備えられているダストストップ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる密閉型混練機に備えられているダストストップ装置は、軸心が互いに平行となるように所定の隙間をあけて隣接して配置されると共に互いに異なる方向へ回転する一対のロータと、当該一対のロータを収納するハウジングとを有するバッチ式の密閉型混練機に備えられた、前記ロータの軸方向両端側に配備され且つ、一対の前記ロータにて混練された混練物の外部への漏出を防止するダストストップ装置において、前記ダストストップ装置は、前記ロータ側に配備され、当該ロータとともに回転する回転リングと、前記ハウジング側に配備された固定リングとで構成されており、前記回転リングの側面と固定リングの側面とは当接し且つ面接触状態で摺動する当接面とされていて、前記当接面の一方が、グラファイトと1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドとの少なくとも一方で構成され、前記当接面の他方が、アモルファス金属で構成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記アモルファス金属は、Feを主成分とするアモルファス合金とされているとよい。
好ましくは、前記アモルファス金属を、前記当接面の他方側に溶射して構成するか、あるいは、アモルファス金属からなる部材を前記当接面の他方に締結具を介して締結して構成してもよい。
好ましくは、前記固定リングには、当該固定リングと前記回転リングの接触面に、潤滑油を供給する潤滑油供給部が、少なくとも1つ以上設けられていて、前記潤滑油供給部は、前記ハウジング側を向く一方の面と、当該一方の面と対向する他方の面を連通する貫通孔であって、前記一方の面において長孔とされているとよい。
好ましくは、前記潤滑油供給部は、前記長孔の長手方向の長さが、前記回転リングの回転方向に対して、前記固定リングの内周側に向かう方向に傾斜して設けられているとよい。
好ましくは、前記潤滑油供給部は、前記長孔の長手方向の長さが、前記固定リングの円周接線方向に沿って設けられているとよい。
好ましくは、前記潤滑油供給部の長孔形状が、ストレート形状、円弧形状、ブーメラン形状、L字形状のいずれかであるとよい。
本発明によれば、回転リングと固定リングの当接面間の摺動速度や、回転リングと固定リングの当接面間における押付け圧力が大きい大型の混練機にも適用可能とし、且つ、回転リングと固定リングの当接面間に所定の成分を組合せた摺動材を備えることで、当該当接面間における摩耗量を低減させると共に、供給する潤滑油を少量とすることができる。
本発明のダストストップ装置が備えられる、密閉型混練機の混練部の構造を模式的に示した図である。 本発明のダストストップ装置の構成を模式的に示した図である。 本発明のダストストップ装置の拡大図である。 本発明のダストストップ装置を構成する固定リングの正面図であり、その固定リングに設けられた潤滑油供給部の第1実施形態を示す図である。 本発明のダストストップ装置を構成する固定リングの正面図であり、その固定リングに設けられた潤滑油供給部の第2実施形態を示す図である。 供給される潤滑油の量と、ダストストップ装置の摩耗量との関係を示す図である。 摺動材料の組合せ毎における摩擦係数の測定結果を示すヒストグラムである。 供給される潤滑油の量と、ダストストップ装置の摩耗量との関係を示す図である。
以下、本発明にかかる密閉型混練機1に備えられているダストストップ装置14の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。
まず、本発明のダストストップ装置14が備えられている密閉型混練機1について説明する。
図1は、バッチ式の密閉型混練機1の一例を模式的に示した、上方から見た断面図である。
なお、以降の説明において、図1の紙面の左側を密閉型混練機1の「駆動側」または「他端側」とし、紙面の右側を密閉型混練機1の「反駆動側」または「一端側」とする。また、図1は装置上面図であるため、図1の紙面の上側を密閉型混練機1の「幅方向左側」とし、紙面の下側を密閉型混練機1の「幅方向右側」とする。また、図1の紙面の貫通方向手前側を密閉型混練機1の「上側」とし、紙面の貫通方向奥側を「下側」とする。
図1に示すように、密閉型混練機1は、軸心が互いに平行となるように所定の隙間をあけて、左右方向に隣接して配置されると共に、互いに異なる方向へ回転する一対のロータ4と、内部が混練室2とされ、当該混練室2内に一対のロータ4を収納するハウジング3とを有している。この密閉型混練機1は、混練室2に圧入されたゴムやプラスチックなどの被混練材料を、一対のロータ4で混練し、所望の混練状態となった混練物を外部に取り出す構成となっている。
ロータ4は、被混練材料を混練する本体部5と、その本体部5の両端面から突出状に形成されている軸部6を備え、本体部5と軸部6は一体的に形成されている。本体部5の両端に備えられた各軸部6は、軸受8で回転自在に支持されている。その軸受8で支持された軸部6が回転することにより、本体部5が共に回転する。
各本体部5の外周面には、被混練材料を混練する翼7が形成されている。この翼7は、いずれのロータ4においても、軸心方向(軸線)に対してねじれた構造とされている。具体的には、混練室2内に圧入された被混練材料がよく混練されるように、右側のロータ4の本体部5に形成されている翼7と、左側のロータ4の本体部5に形成されている翼7が、互いに軸方向逆向きの流れとなるように、配備されている。
また、一端側(反駆動側)の軸部6は、ハウジング3の外部へ突出していないが、他端側(駆動側)の軸部6は、ハウジング3の外部へ突出している。他端側のロータ4の軸部6には、ロータ4駆動機構(図示せず)が接続されていて、その機構で発生した回転駆動力が入力される。
一対のロータ4は、ロータ駆動機構により回転駆動力が入力されて、互いに異方向に回転する。
混練室2は、ハウジング3に設けられていて、ロータ4の軸方向の一端側及び他端側が開口されている。すなわち、混練室2は、ロータ4の軸方向を向いた筒状のものである。
具体的には、混練室2は、2つの円筒状の空洞を、外周面の一部が互いに重なり合うように左右平行に並べたような形状(ロータ4の軸に対して垂直方向に沿った断面がめがね穴の形状)に形成されている。すなわち、混練室2は、ロータ4の軸心を垂直方向に切断した断面が、左右(幅)方向を向く、まゆ型形状とされている。
2つの円筒状の空洞(空間)それぞれに、その円筒の軸心とロータ4の軸心とが略一致するように、被混練材料を混練するロータ4が回転自在に配備されている。つまり、ロータ4は、円筒状とされた混練室2内に、水平方向に並行で且つ、左右に隣接して一対配備されている。
なお、図示はしないが、混練室2の上部には、上方に向かって開口する開口部が設けられている。その開口部の上方には、被混練材料を上下方向に沿って案内する材料案内路が設けられている。その材料案内路の上方には、開口可能なホッパ(投入口)が設けられている。上述した密閉型混練機1では、ホッパからゴムやプラスチックなどの母材に添加剤などが配合された被混練材料が投入されると、材料案内路で案内されて開口部を経て、混練室2内に押し込まれる。
混練室2に圧入された被混練材料は、翼7のねじれ方向が同じで回転方向が互いに逆とされ且つ、混練室2の内壁を掃くように回転している本体部5の翼7により、混練される。混練された混練物は、混練室2の下側に形成された排出口(図示せず)から混練室2の外部に取り出される。そして、混練物を取り出した後は、混練室2の排出口を閉塞し、ホッパから次バッチの被混練材料を投入し、混練室2内に押し込む。このようなバッチ式の混練サイクルを繰り返すことで、上述した密閉型混練機1では混練が行われる。
ところで、混練室2を備えたハウジング3は、フレーム部材9に支持されている。
具体的には、フレーム部材9は、所定の厚みを有する板材であって、ハウジング3の一端側の壁面及び他端側の壁面に、それぞれ取り付けられている。すなわち、この一対のフレーム部材9は、一端側及び他端側が開放状とされたハウジング3、つまり混練室2を、ロータ4の軸心方向から塞ぐものであって、その混練室2を挟み込むように配備されている。
また、このフレーム部材9には、貫通孔10が2つ設けられていて、混練室2内に一対配備されたロータ4の軸部6が貫通するようになっている。
例えば、ハウジング3の一端側に取り付けられたフレーム部材9の2つの貫通孔10においては、反駆動側の軸部6がそれぞれ貫通している。一方で、ハウジング3の他端側に取り付けられたフレーム部材9の2つの貫通孔10においては、駆動側の軸部6がそれぞれ貫通している。
すなわち、各ロータ4の軸部6は、本体部5の端面からフレーム部材9に形成された各貫通孔10を介して、外部へ突出するように配備される。
ところで、混練室2は上記のように、一対のフレーム部材9により、基本的には閉鎖された状態となっているが、混練室2内に配備されたロータ4の本体部5の端面と、フレーム部材9の混練室2側の壁面との間には、ロータ4の本体部5が回転するため、小さな隙間が設けられている。その隙間から混練室2内の混練物が外部へ漏出する虞があるので、その隙間に混練物の漏出(流出)を防止するダストストップ装置14が備えられている。
ダストストップ装置14は、外部との連通を閉鎖して混練室2が密閉状態となるように、上記した隙間に配備されている。
なお、図1に示すような、混練室2内に一対のロータ4が配備された密閉型混練機1においては、ダストストップ装置14は、各ロータ4の軸方向両端側、つまり各ロータ4の軸部6に配備されていることとなる。ダストストップ装置14は、各ロータ4の一端側の軸部6及び他端側の軸部6の、それぞれに配備されている(合計4箇所)。
なお、以降のダストストップ装置14を説明するにあたり、図1中のA部に着目して説明する。また、図2は、図1のA部及びその近傍部を拡大した図であって、ダストストップ装置14全体を示した、上方から見た断面図である。また、図3は、図1のA部のみを拡大した図であって、ダストストップ装置14の構成のうち、潤滑油供給経路側を側面から見た断面図である。
詳しくは、ダストストップ装置14は、混練室2内で回転するロータ4の本体部5の端面(本体部5と軸部6が切り替わる部位)と、ハウジング3に固定されているフレーム部材9の混練室2側の壁面のそれぞれに、面接触するように配備される。つまり、ダストストップ装置14は、混練室2内側であって、ロータ4の軸部6が貫通する各貫通孔10の外周囲に沿って配備されている。
ところで、図2、図3に示すように、ダストストップ装置14は、一対のロータ4の軸部6に配備され、当該一対のロータ4とともに回転する回転リング15と、ハウジング3側(フレーム部材9)に配備され、一方の面17が回転リング15の他方の面と面接触する固定リング16とで構成されている。
回転リング15と固定リング16は、ロータ4の本体部5が回転するとき、互いに密着するように接触している接触面19間において摺動する。この摺動している接触面19には、固定リング16と回転リング15の摩耗を低減させるための潤滑油が供給されている。
回転リング15は、ロータ4の本体部5の端面と軸部6との切り替え部分、すなわち軸部6の基端側に嵌り込むように配備されていて、ロータ4とともに回転する。なお、図3に示す事例では、ロータ4の本体部5の端面と軸部6との切り替わる部分にリング状の溝が形成されていて、そのリング状の溝に回転リング15が圧入されるようになっている。
つまり、本実施形態の回転リング15は、外周径がリング状の溝の内周径とほぼ同じ径、或いは、やや大きい径とされた環状の薄板部材であって、そのリング状の溝に内嵌するように取り付けられる。
なお、回転リング15に関して、内周径が軸部6の外周径とほぼ同じ径、或いはやや小さい径とされた環状の薄板部材とし、軸部6の基端側の外周面に外嵌するように取り付けられていてもよい。
回転リング15は、径方向の厚みが後述する固定リング16の径方向の厚みとほぼ同じである。つまり、回転リング15と固定リング16は、内周径と外周径とがほぼ同じ径とされている。一方、回転リング15の軸方向の長さは、隙間を塞ぐため、所定の長さ(厚み)を有するものとされている。
固定リング16は、フレーム部材9に形成された貫通孔10の周囲に取り付けられるものであって、フレーム部材9の混練室2側を向く側壁に取り付けられている。すなわち、固定リング16は、ロータ4の本体部5の端面に取り付けられた回転リング15と対向する位置に配備されている。
図3に示すように、固定リング16は、外周径が貫通孔10の内周径とほぼ同じ径、或いは、やや大きい径とされた環状の薄板部材であって、その貫通孔10に内嵌するように取り付けられる。つまり、固定リング16は、フレーム部材9に形成された貫通孔10に圧入されるように配備される。
フレーム部材9側に取り付けられた固定リング16は、当該フレーム部材9側に備えられた押付力付与機構13により、混練室2の外側から室内の方向に向けて押し付けられている。このように、固定リング16が混練室2内方向に押し付けられることにより、固定リング16と回転リング15が密着するように接触することになるので、混練室2の密閉状態が保持されている。
さて、本発明は、固定リング16に設けられ、その固定リング16と回転リング15が密着し摺動する接触面19全域に、潤滑油を供給する潤滑油供給部20の形状に特徴がある。
さらに、本発明の特徴のもう一つとしては、回転リング15と固定リング16が密着して摺動する接触面19(当接面)の一方と他方には、所定の成分を有する摺動材が取り付けられている。なお、この摺動材に関しては、後ほど第3実施形態として、詳しく述べることとする。
まず、固定リング16に設けられた潤滑油供給部20の形状に関し、2つの事例を挙げて説明する。
[第1実施形態]
まず、潤滑油供給部20の第1実施形態について、詳細に説明する。
図4は、固定リング16に設けられた潤滑油供給部20の第1実施形態を示す正面図である。
図4に示すように、ダストストップ装置14を構成する固定リング16には、当該固定リング16と、ロータ4とともに回転する回転リング15の接触面19に潤滑油を供給する潤滑油供給部20が、少なくとも1つ以上設けられている。本実施形態においては、正面視で、潤滑油供給部20が6つ設けられている。
なお、本実施形態においては、潤滑油供給部20は固定リング16に等間隔に設けられているが、ロータ4の回転の遠心力による潤滑油の流れ方などを考慮して不等間隔に設けてもよい。また、潤滑油供給部20の数も6つに限定されない。例えば、3つでもよい。
この潤滑油供給部20は、回転リング15と面接触する固定リング16の一方の面17と、当該一方の面17と対向する他方の面18を連通する貫通孔である。その他方の面18の後方には、潤滑油を供給する潤滑油供給手段11(例えば、圧注油器など)の供給ノズル12が配備されていて、その供給ノズル12の先端部が他方の面18側から潤滑油供給部20に挿入されている(図2、図3参照)。
潤滑油供給部20は、固定リング16の一方の面17(接触面19となる面)において、長孔とされている。なお、本明細書における長孔は、「スリット状の孔」や「細長い溝」なども含むこととする。
潤滑油供給部20は、長孔の長手方向が固定リング16の円周接線方向に沿った方向を向いて設けられている。なお以降、長孔の長手方向を、長さ方向と呼ぶこととする。また、長孔の長手方向に対して直交する方向を、幅方向と呼ぶこととする。
言い換えると、潤滑油供給部20は、長孔の長さ方向が回転リング15の回転方向(図4中の矢印)に沿った方向を向いて設けられている。これは、回転リング15中心からの長孔の一端部までの距離(半径)と、回転リング15中心からの長孔の他端部までの距離(半径)とが同じことを意味する。
なお、図4の事例では、潤滑油供給部20は、固定リング16の径方向(厚み)において、固定リング16の内周と外周の略中間の位置に設けられている。また、潤滑油供給部20の後方に配備されている供給ノズル12は、固定リング16の正面視で、長さ方向における中央部であり且つ幅方向における中央部に配備されている。なお、潤滑油供給部20における供給ノズル12の配備位置は一例である。
また、潤滑油供給部20における供給ノズル12より左右方向外側の空間、すなわち長孔の右端側(一方端21)及び左端側(他方端22)の空間は、潤滑油を一時的に貯留する貯留部23(油だまり部)とされる。
なお、潤滑油供給部20において、固定リング16の一方の面17のみを長孔としたが、固定リング16の一方の面17及び他方の面18、すなわち両面を長孔としてもよい。
以上述べたように、固定リング16に設けられている潤滑油供給部20を長孔とし、且つその長孔の長さ方向を固定リング16の円周接線方向に沿った方向を向いて設けることで、固定リング16と回転リング15との接触面19全域に潤滑油を十分に供給することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明にかかるダストストップ装置14を構成する固定リング16に設けられた潤滑油供給部20の第2実施形態について、詳細に説明する。
図5は、固定リング16に設けられた潤滑油供給部20の第2実施形態を示す正面図である。なお、本実施形態においては、図5中の紙面上側の潤滑油供給部20に着目して説明する。また、本実施形態における潤滑油供給部20の基本的な構成、すなわち潤滑油供給部20の正面視での形状以外の構成については、第1実施形態で述べた構成と同様であるので、説明を省略する。例えば、本実施形態においても、潤滑油供給部20は固定リング16に等間隔に6つ設けられているが、ロータ4の回転の遠心力による潤滑油の流れ方などを考慮して、不等間隔に少なくとも1つ以上(例えば3つ)設けてもよい。
図5に示すように、本実施形態の潤滑油供給部20は、固定リング16の一方の面17と他方の面18を連通する貫通孔であって、固定リング16の一方の面17(接触面19となる面)において、長孔とされている。また、潤滑油供給部20は、その長孔の長さ方向が回転リング15の回転方向に対して、当該回転リング15の内周側に向かう方向に傾斜して設けられている。
具体的には、潤滑油供給部20は、例えば図5中において、紙面右側から左側に回転する方向(反時計回り)を、回転リング15の回転方向(同図中の矢印)とした場合、その長孔の左端(一方端21)側が固定リング16の内周径側(固定リング16の円周接線方向内側)に位置し、且つ右端(他方端22)側が固定リング16の外周径側(固定リング16の円周接線方向外側)に位置するように、設けられる。すなわち、回転リング15中心からの長孔の一端部までの距離(半径)が短く、回転リング15中心からの長孔の他端部までの距離(半径)が長いこととなっている。
つまり、図5に示すように、潤滑油供給部20は、正面視で、長さ方向の軸心が回転リング15の回転方向に沿う方向となるような長孔形状とされている。また、潤滑油供給部20は、回転リング15の回転方向において、固定リング16の外周側から内周側へ向かってゆくような長孔形状ともいえる。
以上述べた長孔(潤滑油供給部20)の長さ方向の傾斜角α(長孔の長さ方向の線と、長孔の長さ方向中心における固定リング16の中心に対する接線が成す角)について、接触面19に対する潤滑油の供給範囲を考慮すると、0°以上45°以下が好ましい。さらには、固定リング16の形状を考慮すると、潤滑油供給部20の傾斜角αは0°以上25°以下であるとより好ましい。
なお、このような固定リング16における潤滑油供給部20の位置関係、すなわち回転リング15の回転方向に対する長孔の長さ方向の向きの関係(長孔)を、回転リング15の回転方向に閉方向とする。
ところで、図5に示すように、供給ノズル12は、固定リング16の正面視において、長孔の右端(他方端22)側に配備されている。なお、潤滑油供給部20における供給ノズル12の配備位置は一例である。
また、潤滑油供給部20における長孔の長手方向中途部から左端側にかけては、潤滑油を一時的に貯留する貯留部23(油だまり部)とされている。
さて、供給ノズル12から供給された潤滑油のうち一部は、回転リング15の回転による遠心力により、潤滑油供給部20の右端側から固定リング16の径外方向に流れてゆき、固定リング16の外周側の接触面19を潤滑する。また供給された潤滑油の残りのものは、固定リング16の内周径に向かって流れてゆき、貯留部23で一時的に貯留され、固定リング16の径内方向に流れてゆき、固定リング16の内周側の接触面19を潤滑する。
以上より、潤滑油供給部20は、長孔の長さ方向が回転リング15の回転方向に対して閉方向を向いて、固定リング16に設けられていると好ましい。また、潤滑油供給部20において、固定リング16の一方の面17のみを長孔としたが、固定リング16の一方の面17及び他方の面18の双方を長孔としてもよい。
以上述べたように、固定リング16に設けられている潤滑油供給部20を長孔とし、且つその長孔の長さ方向を回転リング15の回転方向に対して、当該回転リング15の内周側に向かう方向に沿った方向を向いて設けることで、固定リング16と回転リング15との接触面19全域に潤滑油を途切れること無く十分に供給することができる。
続いて、本発明の作用効果について、図6に示す固定リング16の摩耗試験の結果に基づいて、説明する。
図6に示すように、固定リング16の潤滑油供給部20を、第1実施形態の長孔形状とした場合、潤滑油の供給量がおよそ0.05(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ4.5μmとされ、潤滑油の供給量がおよそ0.11(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ3.8μmとされ、潤滑油の供給量がおよそ0.22(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ3.9μmとされている。
つまり、潤滑油供給部20を第1実施形態の長孔形状とした場合、固定リング16の摩耗量は4μm前後となっているので、摩耗低減の効果が発現されていることがわかる(▲印)。
また、固定リング16に設けられる潤滑油供給部20を、第2実施形態の長孔形状とした場合、潤滑油の供給量がおよそ0.05(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ1.9μmとされ、潤滑油の供給量がおよそ0.11(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ1μmとされ、潤滑油の供給量がおよそ0.22(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ0.8μmとされている。
つまり、潤滑油供給部20を第2実施形態の長孔形状とした場合、固定リング16の摩耗量が2μm未満とされていて、第1実施形態の形状とした場合に比べて、摩耗量が大幅に低減されていることがわかる(■印)。
ここで、比較例として図6に示している、潤滑油供給部20を第2実施形態の長孔形状と反対方向にした場合とは、回転リング15の回転方向において、固定リング16の内周側から外周側へ向かう方向を向いた長孔形状である。つまり、比較例の潤滑油供給部20は、長さ方向の軸心が回転リング15の回転方向から離れる方向(回転リング15の回転方向に対して開方向)を向いた長孔形状のことである。
図6を参照するとわかるように、上記の比較例の場合、潤滑油の供給量がおよそ0.05(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ10.3μmとされ、潤滑油の供給量がおよそ0.11(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ12μmとされ、潤滑油の供給量がおよそ0.22(cc/sec)のとき、固定リング16の摩耗量はおよそ11.5μmとされている。
比較例の場合、固定リング16の摩耗量が10μm超とされていて、本発明に比べて、摩耗低減の効果が全くないことがわかる(◆印)。
以上より、潤滑油供給部20を比較例のような形状とすると、回転リング15の回転による遠心力により、接触面19に供給される潤滑油がほぼすべて、摺動している2つのリング15,16の外側へ流れ出して、油切れを生じさせてしまう虞がある。特に、固定リング16内周側に、潤滑油が供給されにくくなると考えられる。
つまり、潤滑油供給部20の長孔形状を比較例とした場合、2つのリング15,16が酷く摩耗してしまう虞がある。
以上、潤滑油供給部20を本発明の形状とすれば、固定リング16と回転リング15が摺動する接触面19全域に十分に潤滑油を供給することができる。つまり、本発明は、接触面19全域における潤滑性能が際だって優れたものである。
[第3実施形態]
さてここで、上で述べた、回転リング15と固定リング16が密着して摺動する当接面19の一方と他方に取り付けられている摺動材について、詳しく述べる。
回転リング15の側面と、固定リング16の側面とが、当接し且つ面接触状態で摺動する当接面19において、当接面19の一方が、グラファイトと1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドとの少なくとも一方で構成されていて、当接面19の他方は、アモルファス金属で構成されている。なお、このアモルファス金属は、単一の金属元素からなるもの、複数の金属元素からなるもの(アモルファス合金)、または金属元素と非金属元素からなるもの(アモルファス合金)のいずれも含むものである。
すなわち、例えば、回転リング15の外側面24(混練室2中央から見て幅方向外側を向く面であり、一方の面17と対面する面、図3参照)が、「グラファイトと1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドとの少なくとも一方」で構成されている場合、固定リング16の内側面17(混練室2中央から見て幅方向内側を向く面、一方の面17、図3参照)は、「アモルファス金属」で構成されている。
また、逆に固定リング16の内側面17が、グラファイトと1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドとの少なくとも一方で構成されている場合、回転リング15の外側面24は、アモルファス金属で構成されている。
言い換えれば、固定リング16の内側面17と回転リング15の外側面24が面で接した状態で摺動可能であり、外側面24と内側面17とのいずれか一方が、「グラファイトと1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドとの少なくとも一方」で構成され、さらに、他方が「アモルファス金属」で構成されている部材が、所定の成分を有する摺動材といえる。
上記の作用効果としては、以下の通りである。
従来、特に大型の密閉型混練機1に用いられるダストストップ装置14に用いられる摺動材については、金属同士の組合せで構成されることが一般的である。しかしながら、本発明では、当接面19の一方と他方(摺動材)を、「カーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンド」と「アモルファス金属」の組合せで構成されているので、従来技術の金属同士の組合せに比べて、回転リング15と固定リング16の摩擦係数を非常に小さくすることができると共に、当接面19に供給する潤滑油を非常に少なくすることができる。
また例えば、ダストストップ装置14の使用寿命を従来品と同じ程度の長さとした場合、当接面19に供給する潤滑油を10分の1以下の量に低減することができるので、密閉型混練機1のランニングコストを大幅に低減することができる。
上記の「アモルファス金属」については、Feを主成分とするアモルファス合金とすることが好ましい。
上記の作用効果としては、以下の通りである。
上記した材料成分の組合せにより、回転リング15と固定リング16の摩擦係数を非常に小さくすることができ、且つ、従来技術に比べて、潤滑油を10分の1程度に削減することができる。
なお、アモルファス金属であれば、結晶構造と結晶粒内の転位や結晶粒界といった欠陥がないので、強度、耐摩耗性が向上する。従って腐食や繰り返し摩耗にも強く、硬度が高く、摩擦係数も低いという特長を有する。特に、Feを主成分とするアモルファス合金であれば、その特長は顕著である。
なお、上記したFeを主成分とするアモルファス合金を、当接面19の他方側に溶射(肉盛溶射を含む)するようにして形成するとよい。それ以外に、アモルファス合金からなる部材を当接面の他方に、螺子などの締結具を介して締結してもよい。
上記の作用効果としては、以下の通りである。
少なくとも、回転リング15と固定リング16とが摺動する際に必要となる当接面19のみにアモルファス金属を構成することで、部品の形状及び製作に自由度が増し、製造において経済的で且つ効率的に装置を構成することが可能となるからである。
ところで、図1〜図3においては、回転リング15と固定リング16で構成されたダストストップ装置14を示す図であり、回転リング15全体に、「グラファイトが充填された樹脂コンパウンド」を形成し、一方で、固定リング16の内側面17のみに、「アモルファス金属」を溶射した例である。
上でも述べたが、この回転リング15には、貫通した潤滑油供給部20が設けられており、回転リング15と固定リング16の当接面19に潤滑油を供給することができるようになっている。
また、混練中において、ロータ4の本体部5、及び、軸部6が回転しているとき、固定リング15も回転しているが、本体部5側(図3の右部分)から混練された材料が外部(図3の左方向)に漏出しないように、固定リング16は回転リング15との当接面19(摺動面)に押し付けられることでシール(密閉)されていて、混練材料が外部に漏出しないようになっている。
上で詳説した本実施形態の通り、回転リング15の外側面24と固定リング16の内側面17が摺動する当接面19に、「グラファイトが充填された樹脂コンパウンド」と、「アモルファス金属」との部材の組合せのシール面を構成することで、回転リング15と固定リング16の摩擦係数を低減させることができると共に、当接面19に供給する潤滑油の使用量を大幅に低減させることができる。
回転リング15については、本実施形態の場合、すべてに樹脂コンパウンドを構成して回転リング15と一体としたが、摺動面のみに樹脂コンパウンドを構成するものを採用してもよい。なおこの場合、樹脂コンパウンドが構成されている以外の部分については、他の材料とネジなどの締結具を用いて取り付ける構成を採用してもよいし、樹脂コンパウンドと金属部品とを一体成形した構成などを採用してもよい。
また、固定リング16については、本実施形態の場合、摺動面のみにアモルファス金属を溶射したが、全体にアモルファス金属を溶射した構成を採用してもよい。あるいは固定リング16に、アモルファス金属からなる部材と、そのアモルファス金属とは別の材質からなり、且つ固定リング16の主たる部分を構成する部材とを螺子などの締結具で締結する方法で組合せた構成を採用してもよい。前者の構成であれば、固定リング16を破損しにくい堅牢なものとすることができる。後者の構成であれば、アモルファス金属からなる部材を、その磨耗の度合い等に応じて、容易に交換することが可能となる。
この本発明の作用効果について、図7に示す摺動材料の組合せ毎における摩擦係数の測定結果、及び、図8に示す供給される潤滑油の量と、ダストストップ装置14(固定リング16)の摩耗量との関係に基づいて、説明する。
図7に示すように、「従来品(肉盛材)」、「グラファイト入樹脂コンパウンドとアモルファス金属との組合せ」、「グラファイト入樹脂コンパウンドと従来品(肉盛材)との組合せ」のそれぞれの場合における回転リング15と固定リング16の摩擦係数を測定した。
その結果、「グラファイトが充填された樹脂コンパウンドとアモルファス金属との組合せ」、すなわち本発明の実施例が、回転リング15と固定リング16の摩擦係数が最も小さくなることが確認された(図7中の左側)。
図8に示すように、本発明の組合せ(グラファイトが充填された樹脂コンパウンドとアモルファス金属)については、従来の材料に比べて(▲印)、リング摩耗量が非常に小さくなる、あるいは、同等のリング摩耗量であっても、潤滑油量を非常に少ない量にできることが確認された(■印)。
以上より、本発明の組合せによれば、回転リング15と固定リング16の当接面19間の摺動速度や、回転リング15と固定リング16の当接面19間における押付け圧力が大きい大型の混練機1にも適用可能とされ、且つ、回転リング15と固定リング16の当接面19間に所定の材質を組合せた摺動材料を備えることで、当該当接面19間における摩耗量を少なくすると共に、供給する潤滑油を少量とすることができる。
なお、上で述べた本実施形態に対して、回転リング15に備える材料と、と固定リング16に備える材料を入れ替えた構成を採用してもよい。
すなわち、固定リング16全体に、グラファイトが充填された樹脂コンパウンドを構成し、回転リング15の外側面24(固定リング16と摺動する面)に、アモルファス金属を溶射したものを構成し、それら固定リング16と回転リング15との組合せの構成を採用してもよい。
また、固定リング16全体にアモルファス金属を溶射した構成を採用してもよい。あるいは、固定リング16に、アモルファス金属からなる部材と、そのアモルファス金属とは別の材質、例えば結晶質の金属、樹脂などからなり、且つ固定リング16の主たる部分を構成する部材とを、螺子などの締結具を用いて組合わせた構成を採用してもよい。前者の構成であれば、固定リング16を破損しにくい堅牢なものとすることができる。後者の構成であれば、アモルファス金属からなる部材を、その磨耗の度合い等に応じて、容易に交換することが可能となる。
すなわち、本発明で規定した組合せを、当接面19の一方と他方(回転リング15の外側面24と固定リング16の内側面17)において構成することで、回転リング15と固定リング16の当接面19間における摩耗量を少なくすると共に、供給する潤滑油を少量とすることができるという良好な結果を得ることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、潤滑油供給部20の長孔形状が、長さ方向が直線状とされたストレート形状、長さ方向が固定リング16の円弧に沿った形状、長さ方向が湾曲状とされたブーメラン形状、長さ方向が屈曲状とされたL字形状のいずれかであるとよい。
また、本実施形態においては、潤滑油供給部20を固定リング16側に設けたものとして説明したが、ロータ4側に潤滑油を供給する手段を配備することが可能であれば、回転リング15側に潤滑油供給部20を設けてもよい。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 密閉型混練機
2 混練室
3 ハウジング
4 ロータ
5 本体部
6 軸部
7 翼
8 軸受
9 フレーム部材
10 貫通孔
11 潤滑油供給手段
12 供給ノズル
13 押付力付与機構
14 ダストストップ装置
15 回転リング
16 固定リング
17 一方の面(内側面)
18 他方の面
19 接触面(当接面)
20 潤滑油供給部
21 一方端
22 他方端
23 貯留部
24 外側面

Claims (7)

  1. 軸心が互いに平行となるように所定の隙間をあけて隣接して配置されると共に互いに異なる方向へ回転する一対のロータと、当該一対のロータを収納するハウジングとを有するバッチ式の密閉型混練機に備えられた、前記ロータの軸方向両端側に配備され且つ、一対の前記ロータにて混練された混練物の外部への漏出を防止するダストストップ装置において、
    前記ダストストップ装置は、前記ロータ側に配備され、当該ロータとともに回転する回転リングと、前記ハウジング側に配備された固定リングとで構成されており、前記回転リングの側面と固定リングの側面とは当接し且つ面接触状態で摺動する当接面とされていて、
    前記当接面の一方が、グラファイトと1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドとの少なくとも一方で構成され、
    前記当接面の他方が、アモルファス金属で構成されている
    ことを特徴とする密閉型混練機に備えられているダストストップ装置。
  2. 前記アモルファス金属は、Feを主成分とするアモルファス合金とされていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型混練機に備えられているダストストップ装置。
  3. 前記アモルファス金属を、前記当接面の他方側に溶射して構成したか、あるいは、アモルファス金属からなる部材を前記当接面の他方に締結具を介して締結して構成したことを特徴とする請求項1に記載の密閉型混練機に備えられているダストストップ装置。
  4. 前記固定リングには、当該固定リングと前記回転リングの接触面に、潤滑油を供給する潤滑油供給部が、少なくとも1つ以上設けられていて、
    前記潤滑油供給部は、前記ハウジング側を向く一方の面と、当該一方の面と対向する他方の面を連通する貫通孔であって、前記一方の面において長孔とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型混練機に備えられているダストストップ装置。
  5. 前記潤滑油供給部は、前記長孔の長手方向の長さが、前記回転リングの回転方向に対して、前記固定リングの内周側に向かう方向に傾斜して設けられていることを特徴とする請求項4に記載の密閉型混練機に備えられているダストストップ装置。
  6. 前記潤滑油供給部は、前記長孔の長手方向の長さが、前記固定リングの円周接線方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項4に記載の密閉型混練機に備えられているダストストップ装置。
  7. 前記潤滑油供給部の長孔形状が、ストレート形状、円弧形状、ブーメラン形状、L字形状のいずれかであることを特徴とする請求項4〜6に記載の密閉型混練機に備えられているダストストップ装置。
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