JP2019043073A - 記録装置 - Google Patents

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靖 赤塚
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Abstract

【課題】記録ヘッドと対向する位置に設けられる媒体支持部に、媒体を吸着するための吸着機構を備えるとともに、記録後の前記媒体をバックフィードさせる構成の記録装置において、前記媒体を適切に搬送する。【解決手段】記録を行う場合の媒体搬送方向である第1搬送方向と、その逆方向である第2搬送方向と、の双方に用紙Pを搬送可能なプリンター1において、制御部18は、吸着状態変更機構20の動作を制御して、記録を行うために、用紙Pが前記第1搬送方向に搬送される場合に、支持面15における用紙Pの吸着状態を第1の吸着状態とする第1制御と、記録後の用紙Pが前記第2搬送方向に搬送される場合に、支持面15における用紙Pの吸着状態を前記第1の吸着状態とは異なる第2の吸着状態にする第2制御と、を実行可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、搬送される媒体に記録を行う記録装置に関する。
記録ヘッドから液体としてのインクを媒体に噴射して記録を行う記録装置としてのインクジェットプリンター(以下、単にプリンターと言う場合がある)において、前記記録部と対向する位置に設けられる媒体支持部の支持面に、前記媒体を吸着する吸着機構を備えて構成されるものがある。
例えば、特許文献1には、前記媒体支持部を構成する搬送ベルトを帯電させて、前記媒体を前記搬送ベルトに吸着させるとともに、前記搬送ベルトの下方に設けられる吸気部により吸引して前記媒体をベルト上に吸着するインクジェットプリンターが開示されている。
また、このようなプリンターにおいて、媒体の第1面とその反対面である第2面の双方に記録を行う両面記録を実行する場合、前記第1面に対して記録を行った後の媒体は、記録面である前記第1面側がインクを吸収して膨張するため、記録面を外側、非記録面を内側にしてカール(湾曲)する場合がある。記録面への前記インクの噴射量が多い程、媒体のカールは大きくなる傾向がある。前記記録ヘッドによる記録領域において前記媒体がカールすると、前記媒体が記録ヘッドに擦れたり、紙ジャムが生じたりする虞がある。尚、この媒体のカールに由来する不具合を、以下において第1の不具合と言う。
このため、特許文献1に記載のプリンターにおいては、前記媒体の前記第1面への記録後に、前記媒体の表裏を反転させた後、前記第2面を前記記録ヘッドによる記録領域に搬送する際に、前記第1面への記録におけるインクの使用量に応じて、前記吸気部の吸引力を制御するように構成されている。
特開2015−67380号公報
ここで、前記プリンターにおいて両面記録を実行するために媒体を反転する反転機構としては、特許文献1のように、第1面への記録後の媒体が、そのまま記録時の搬送方向に送られて前記反転機構(特許文献1における両面印刷機構65)に入って反転された後、記録ヘッドの媒体搬送方向上流側に戻される場合と、第1面への記録後の媒体が、記録時の搬送方向とは逆方向にバックフィードされて反転機構に入って反転された後、記録ヘッドの媒体搬送方向上流側に戻される場合と、がある。
特許文献1を含む前者の場合(第1面への記録後の媒体が、そのまま記録時の搬送方向に送られる場合)には、第2面への記録を行うまで前記媒体が記録ヘッドによる記録領域を搬送されることはないが、後者の場合(第1面への記録後の媒体が、記録時の搬送方向とは逆方向にバックフィードされる場合)、第1面への記録後の媒体を前記反転機構に送るためにバックフィードさせる際に、前記媒体が前記記録ヘッドによる記録領域を通り、このときに前記第1の不具合(ヘッド擦れ、紙ジャム等)が発生する虞がある。
但し、特許文献1を含む前者の構成(第1面への記録後の媒体が、そのまま記録時の搬送方向に送られる構成)では、搬送経路が複雑になり易く、装置の大型化を招き易い。
また、例えば、前記第1面へのインクの噴射量が少ない場合、前記カールの発生は少ないが、前記インクの吸収により前記媒体が柔らかくなる(剛性が低くなる)ため、前記媒体支持部に前記媒体が吸着され易くなる場合がある。すると、前記媒体が前記媒体支持部にはり付いて、媒体搬送不良や皺が発生する場合がある。尚、この不具合を、以下において第2の不具合と言う。
特許文献1を含む前者の構成(第1面への記録後の媒体が、そのまま記録時の搬送方向に送られる構成)では、前記第1面へのインクの噴射量が少なければ、前記反転経路を通って第2面が記録ヘッドによる記録領域に送られるまでの間に、前記第1面がある程度乾燥するので、前記第2の不具合が発生する虞は低い。しかし、後者の構成(第1面への記録後の媒体が、記録時の搬送方向とは逆方向にバックフィードされる構成)では、前記媒体の第1面への記録後すぐにバックフィードが行われて、前記媒体が前記記録ヘッドによる記録領域を通過すると、第2の不具合が発生する虞が増す。
但し、上述したように、特許文献1を含む前者の構成(第1面への記録後の媒体が、そのまま記録時の搬送方向に送られる構成)では、搬送経路が複雑になり易く、装置の大型化を招き易い。
本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録ヘッドによる記録を行う場合に媒体支持部に媒体を吸着しつつ搬送し、記録後の前記媒体をバックフィードさせる構成の記録装置において、前記媒体を適切に搬送することにある。
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係る記録装置は、搬送される媒体に液体を噴射して記録を行う記録部と、前記記録部に対向して配置され、前記媒体を支持する支持面を備える媒体支持部と、前記記録部による記録領域において、前記媒体を、前記記録部によって記録を行う場合の搬送方向である第1搬送方向と、前記第1搬送方向の逆方向である第2搬送方向と、の双方に搬送可能な搬送部と、前記媒体支持部の前記支持面における前記媒体の吸着状態を変える吸着状態変更機構と、前記吸着状態変更機構の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記吸着状態変更機構の動作を制御して、記録を行うために、前記媒体が前記搬送部によって前記第1搬送方向に搬送される場合に、前記支持面における前記媒体の吸着状態を第1の吸着状態とする第1制御と、記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記支持面における前記媒体の吸着状態を前記第1の吸着状態とは異なる第2の吸着状態にする第2制御と、を実行可能であることを特徴とする。
前記吸着状態変更機構によって「前記支持面における前記媒体の吸着状態を変える」とは、前記支持面における前記媒体の吸着力を変えることであり、前記吸着状態には、前記支持面に前記媒体が吸着されていない状態も含むものとする。
本態様によれば、前記制御部は、前記吸着状態変更機構の動作を制御して、記録を行うために、前記媒体が前記搬送部によって前記第1搬送方向に搬送される場合に、前記支持面における前記媒体の吸着状態を第1の吸着状態とする第1制御と、記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記支持面における前記媒体の吸着状態を前記第1の吸着状態とは異なる第2の吸着状態にする第2制御と、を実行可能であるので、前記媒体の記録状態及び搬送方向に応じて前記支持面における前記媒体の吸着状態を変えて、当該媒体を適切に搬送することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記吸着状態変更機構は、前記媒体を前記支持面へ吸着する吸着力、または、前記媒体を前記支持面から離間させる離間力を変更して前記媒体の前記吸着状態を変更する構成である、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記吸着状態変更機構は、前記媒体を前記支持面へ吸着する吸着力、または、前記媒体を前記支持面から離間させる離間力を変更して前記媒体の前記吸着状態を変更して、前記媒体の前記支持面への吸着状態を容易に変更できる。
尚、前記吸着力について、「前記媒体を前記支持面へ吸着する」とは、前記媒体の全面を前記支持面に完全に吸着させた状態に限られず、前記媒体の一部が接触し、一部が浮き上がった状態になる場合も含むものとする。
また、前記離間力について、「前記媒体を前記支持面から離間させる」とは、前記媒体を前記支持面から完全に離間させた状態に限られず、前記媒体の一部が接触し、一部が浮き上がった状態になる場合も含むものとする。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記制御部は、前記第1制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、前記第2制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に作用させる前記吸着力を、前記第1制御における前記吸着力よりも相対的に弱くして、前記媒体を前記第2の吸着状態とする、ことを特徴とする。
本態様によれば、記録を行うために、前記媒体が前記搬送部によって前記第1搬送方向に搬送される場合に、前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合には、前記媒体に作用させる前記吸着力を記録時よりも相対的に弱くした前記第2の吸着状態とすることができる。
このことにより、例えば、記録により湿って前記支持面にはり付き易い状態になった前記媒体が、前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記媒体が前記支持面にはり付いて、媒体搬送不良や皺が発生する虞を低減できる。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記第2制御における前記吸着状態変更機構による前記吸着力をゼロとする、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第2制御における前記吸着状態変更機構による前記吸着力をゼロとする、すなわち、前記第2制御において前記媒体を前記支持面に吸着しない構成とすることができる。記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記媒体を前記支持面に吸着しないので、第3の態様の作用効果をより確実に得ることができる。
本発明の第5の態様は、第2の態様において、前記制御部は、前記第1制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、前記第2制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に前記離間力を作用させて、前記媒体を前記第2の吸着状態とする、ことを特徴とする。この場合の第2の吸着状態は、前記媒体に対して負の吸着力を作用させると言い換えられる。
本態様によれば、記録を行うために、前記媒体が前記搬送部によって前記第1搬送方向に搬送される場合に、前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合には、前記媒体に前記離間力を作用させた前記第2の吸着状態とすることができる。すなわち、記録後の前記媒体が前記第2搬送方向に搬送される場合には、前記媒体が前記支持面から離間した状態とすることができる。
このことにより、前記媒体と前記支持面との間の抵抗を一層減らすることができるため、例えば、記録により前記媒体が前記支持面にはり付き易い状態になった前記媒体が、前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記媒体が前記支持面にはり付いて、媒体搬送不良や皺が発生する虞を一層確実に抑制できる。
本発明の第6の態様は、第2の態様において、前記制御部は、前記第1制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、前記第2制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に作用させる前記吸着力を、前記第1制御における前記吸着力よりも相対的に強くして、前記媒体を前記第2の吸着状態とする、ことを特徴とする。
本態様によれば、記録を行うために、前記媒体が前記搬送部によって前記第1搬送方向に搬送される場合に、前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合には、前記媒体に作用させる前記吸着力を記録時よりも相対的に強くした前記第2の吸着状態とすることができる。
このことにより、例えば、記録により前記媒体の端部がカールした前記媒体が、前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、記録時よりも吸着力が相対的に強い前記第2の吸着状態により前記媒体の浮きをしっかりと押さえ、前記媒体が記録部に接触したり、紙ジャムが発生したりする虞を低減できる。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記制御部は、記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記媒体における前記第2搬送方向に対する先端が、前記支持面の所定の位置に達するまで前記第2制御を実行し、前記先端が前記所定の位置を越えた場合に、前記吸着力を弱くする、ことを特徴とする。
本態様によれば、記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記媒体における前記第2搬送方向に対する先端が、前記支持面の所定の位置に達するまで前記第2制御を実行するので、前記媒体における前記第2搬送方向に対する先端をしっかりと前記支持面に吸着することができる。
また、前記第2制御によって前記媒体の前記先端が前記支持面に吸着されて、ある程度搬送されると、前記媒体の前記支持面への吸着を弱めても、前記先端がカールする虞は少なくなる。よって、前記先端が前記所定の位置を越えた場合に、前記吸着力を弱くする。このことにより、前記吸着状態変更機構を駆動するための動力や騒音を抑制することができる。
本発明の第8の態様は、第2の態様から第7の態様のいずれか一つにおいて、前記吸着状態変更機構は、前記媒体支持部の前記支持面に複数設けられる貫通孔と、前記複数の貫通孔に、前記媒体に作用する圧力を付与する圧力付与部と、を備え、前記圧力を負圧にして前記吸着力を発生させ、前記圧力を正圧にして前記離間力を発生させる、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記媒体を前記支持面へ吸着する吸着力、または、前記媒体を前記支持面から離間させる離間力を変更可能な前記吸着状態変更機構の構成を実現できる。
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記制御部は、前記圧力付与部に付与する電流の向きを制御して前記圧力の負圧と正圧とを切り替え、前記圧力付与部の仕事量を制御して前記負圧及び正圧の圧力を変更する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部が、前記圧力付与部に付与する電流の向きを制御して前記圧力の負圧と正圧とを切り替え、前記圧力付与部の仕事量を制御して前記負圧及び正圧の圧力を変更することにより、第8の態様の構成を実現できる。
本発明の第10の態様は、第8の態様または第9の態様において、前記圧力付与部に連なる第1開口部と、前記複数の貫通孔に連なる第2開口部と、前記圧力付与部と前記複数の貫通孔とを連通する連通部と、を備え、前記連通部は、前記複数の貫通孔に付与される付与圧力を、前記圧力付与部で発生される発生圧力と異なる圧力にする圧力調整部を備える、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記圧力付与部と前記複数の貫通孔とを連通する連通部が、前記複数の貫通孔に付与される付与圧力を、前記圧力付与部で発生される発生圧力と異なる圧力にする圧力調整部を備えるので、前記複数の貫通孔に付与される付与圧力を容易に調整することができる。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記圧力調整部は、前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも一方を開閉するシャッター部を備えて構成される、ことを特徴とする。
本態様によれば、第8の態様の構成を容易に実現できる。
本発明の第12の態様は、第10の態様において、前記連通部は、内部の圧力を外部に逃がす第3開口部を備え、前記圧力調整部は、前記第3開口部を開閉するシャッター部を備えて構成される、ことを特徴とする。
本態様によれば、第8の態様の構成を容易に実現できる。
本発明に係るプリンターの概略構成図。 図1の要部拡大図。 媒体支持部の平面図。 吸着状態変更機構の概略構成図。 第2制御の一例について説明する図。
[第1実施形態]
まず、本発明の一実施形態に係る記録装置の概略について説明する。記録装置の一例として、インクジェットプリンター1(以下、単にプリンター1という)を例に挙げる。
図1は、本発明に係るプリンターの概略構成図である。図2は、図1の要部拡大図である。図3は、媒体支持部の平面図である。図4は、吸着状態変更機構の概略構成図である。図5は、第2制御の一例について説明する図である。
尚、各図において示すX−Y−Z座標系は、X方向が記録ヘッドの走査方向であり、記録が行われる媒体の幅方向である。Y方向が装置奥行き方向であり、媒体の長さ方向である。Z方向は重力方向であり、装置高さ方向である。また、+Y方向側を装置前面側とし、−Y方向側を装置背面側とする。また、装置前面側から見て左側を+X方向、右側を−X方向とする。装置前面を左側に向けて装置側面側から見た図である図1においては、紙面を正面視して奥側が+X方向、手前側が−X方向である。また、+Z方向を装置上方(上部、上面等を含む)とし、−Z方向側を装置下方(下部、下面等を含む)とする。
また本明細書において、プリンター1において用紙が搬送されていく搬送方向を「下流」といい、これと反対の方向を「上流」という。
■■■プリンターの概要とプリンターにおける用紙搬送経路■■■
以下、図1及び図2を参照して、プリンター1の概要とプリンター1における用紙搬送経路について説明する。
プリンター1(図1)は、装置外観を構成する筐体2を備えて構成され、筐体2の内部に「媒体」としての用紙に記録を行う「記録部」としての記録ヘッド10を含む各種構成部を備えている。
プリンター1において記録が行われる用紙としては、一例として普通紙や厚紙、写真用紙等が挙げられる。
プリンター1は、記録機能だけでなく、例えば、原稿の読み取り機能、すなわち、スキャナー部(図示省略)を備える複合機として構成することもできる。前記スキャナー部は、一例として、筐体2の上部に設けることができる。
続いて、図1を参照して、プリンター1における用紙搬送経路について説明する。尚、図1において、破線Sが後述する用紙トレイ3をからの用紙搬送経路を示している。
プリンター1は、底部に複数の用紙Pを収容する用紙トレイ3を備え、用紙トレイ3から用紙Pが1枚ずつ給送される。
用紙Pは、用紙トレイ3から給送ローラー4(ピックアップローラーとも言う)により一旦装置背面側(−Y方向)に送られる。給送ローラー4によって複数枚の用紙がピックアップされた場合には分離ローラー対5によって一枚に分離され、第1中間ローラー6に向けて搬送される。用紙は第1中間ローラー6によって湾曲されて装置前面側(+Y方向)に送られ、更に第2中間ローラー7によって、後述する搬送ローラー対11に向けて送られる。
尚、図1において符号8a、8bは、第1中間ローラー6の回転に従動回転する従動ローラーである。符号9a、9bは、第2中間ローラー7の回転に従動回転する従動ローラーである。
第2中間ローラー7の下流側には「搬送部」としての搬送ローラー対11及び排出ローラー対12が設けられている。搬送ローラー対11及び排出ローラー対12は、搬送ローラー対11と排出ローラー対12との間に配置される記録ヘッド10による記録領域Kにおいて、用紙Pを、記録ヘッド10によって記録を行う場合の搬送方向である第1搬送方向(+Y方向)と、前記第1搬送方向の逆方向である第2搬送方向(−Y方向)と、の双方に搬送可能に構成されている。
搬送ローラー対11は、図2に示すように搬送駆動ローラー11aと搬送従動ローラー11bとを備えて構成され、搬送駆動ローラー11aが駆動源としてのモーター19(図1)によって駆動されている。
また、排出ローラー対12は、図2に示す排出駆動ローラー12aと排出従動ローラー12bを備えて構成され、排出駆動ローラー12aが、搬送駆動ローラー11aと共通のモーター19によって駆動されている。
モーター19は、正転及び逆転の双方に回転可能に構成されており、モーター19の回転方向を切り替えることにより、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12の回転方向が切り替えられる。この構成により、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12は、用紙Pを第1搬送方向(+Y方向)と第2搬送方向(−Y方向)との双方に搬送可能になっている。
尚、モーター19の動作は後述する制御部18(図1)によって制御されている。また、モーター19は、給送ローラー4、分離ローラー対5、第1中間ローラー6、及び第2中間ローラー7のいずれか、或いは全部を駆動するように構成することができる。勿論、これらを駆動する他の駆動源を設けることも可能である。
第2中間ローラー7によって搬送された用紙Pは、搬送ローラー対11によって挟持(ニップ)されて搬送され、記録ヘッド10の下へと送られる。
図1に示すように、記録ヘッド10は、媒体搬送方向(Y軸方向)と交差する幅方向(X軸方向)に移動可能に構成されるキャリッジ13に保持されており、記録ヘッド10による記録領域Kに搬送される用紙に対して「液体」としてのインクを噴射することにより記録が行われるように構成されている。記録ヘッド10へのインクの供給は、例えばキャリッジ13に搭載されるインクカートリッジ(図示省略)から行う場合の他、筐体2の内部または外部に設けられるインクタンク(図示省略)からチューブを介して行うことができる。
記録ヘッド10の下方、すなわち記録ヘッド10に対向する位置には、用紙Pを支持する支持面15を備える媒体支持部14が設けられている。
更に、媒体支持部14の支持面15における用紙Pの吸着状態を変える吸着状態変更機構20が設けられている。用紙Pに記録を行う際には、用紙Pは、吸着状態変更機構20により媒体支持部14の支持面15に吸着され、支持面15上に安定して支持される。
尚、吸着状態変更機構20の具体的な構成と動作については、後で詳しく説明する。
記録ヘッド10による記録後の用紙Pは、排出ローラー対12に挟持(ニップ)されて、装置前面側に設けられる排紙トレイ17に排出される。
また、プリンター1は、用紙Pの第1面への記録後に前記第1面に対し反対側の第2面に記録を行う両面記録が可能に構成されている。両面記録を行う場合、用紙Pの第1面への記録後に、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12を逆転させて用紙Pを反転する。
逆転する搬送ローラー対11及び排出ローラー対12により、前記第2搬送方向(−Y方向)にバックフィードされた用紙Pは、スイッチバック経路T(図1において一点鎖線で示す)に送られる。スイッチバック経路Tは、第2中間ローラー7と第1中間ローラー6の下方を通って、従動ローラー8aの手前で用紙搬送経路Sに合流しており、用紙Pは再度第1中間ローラー6によって反転されつつ、用紙搬送経路Sを搬送されるように構成されている。
用紙Pの反転後、用紙Pは、正転する搬送ローラー対11によって前記第1搬送方向(+Y方向)に搬送され、第2面(裏面)が上に向いた状態で再び記録ヘッド10の下方に送られて、前記第2面への記録が行われる前記第2面への記録後の用紙Pは、排出ローラー対12により搬送されて、排紙トレイ17に排出される。
また、搬送経路には、搬送される用紙Pの通過を検出する第1センサー25が設けられている。第1センサー25は、搬送ローラー対11の上流側に設けられている。
更に、記録ヘッド10のすぐ上流側には、第2センサー26が設けられている。キャリッジ13に一体に設けられる第2センサー26は、用紙Pの用紙搬送方向(Y軸方向)の端部位置に加え、キャリッジ13を用紙Pの幅方向(X軸方向)に移動させることで用紙Pの幅方向(X軸方向)の端部位置を検出可能になっている。第1センサー25及び第2センサー26には、光学式センサーや超音波式センサー等の公知の媒体検出センサーを用いることができる。
プリンター1において、記録に係わる動作は制御部18によって制御されている。制御部18は、用紙の搬送に係わる動作、すなわち搬送ローラー対11及び排出ローラー対12等の各種ローラーの駆動や、吸着状態変更機構20(後述する圧力付与部21)の動作、記録ヘッド10によるインクの噴射、キャリッジ13の移動等を制御する。
ここで、制御部18は、後に説明する第1制御と第2制御とを実行可能である。この「第1制御」及び「第2制御」を行う点が、本発明の特徴部分である。
「第1制御」及び「第2制御」については、以下において吸着状態変更機構20の構成について説明した後に説明する。
■■■吸着状態変更機構■■■
以下、図2〜図4を参照して吸着状態変更機構20について説明する。
吸着状態変更機構20は、媒体支持部14の支持面15における用紙Pの吸着状態を変えるための構成部である。
本実施形態において、吸着状態変更機構20は、用紙Pを支持面15へ吸着する吸着力、または、用紙Pを支持面15から離間させる離間力を変更して用紙Pの吸着状態を変更する構成である。
より具体的には、吸着状態変更機構20(図2、図4)は、媒体支持部14の支持面15に複数設けられる貫通孔16と、複数の貫通孔16に、用紙Pに作用する圧力を付与する圧力付与部21と、貫通孔16と圧力付与部21を連通する連通部30と、を備えて構成されている。貫通孔16は、図3に示すように、媒体搬送方向(Y軸方向)と幅方向(X軸方向)のそれぞれに沿って複数配置されている。
複数の貫通孔16は、連通部30を介して圧力付与部21に連通しており(図2も参照)、圧力付与部21によって付与される前記圧力を負圧にして、用紙Pを支持面15へ吸着する吸着力を発生させ、前記圧力を正圧にして用紙Pを支持面15から離間させる離間力を発生させるようになっている。
以下、貫通孔16、圧力付与部21、及び連通部30のそれぞれについて説明する。
<<<貫通孔について>>>
複数の貫通孔16は、図3に示すように、媒体搬送方向(Y方向)と媒体幅方向(X方向)に間隔を空けて支持面15に設けられている。貫通孔16は、連通部30を介して圧力付与部21(図2)に連通している。
尚、図3において複数の貫通孔16は、媒体搬送方向(Y方向)と媒体幅方向(X方向)のそれぞれにおいて等間隔に設けられているが、例えば、媒体幅方向(X方向)における位置を、用紙の規格(A4サイズ、B5サイズ等)に対応するように間隔をずらして配してもよい。
<<圧力付与部について>>
圧力付与部21は、制御部18が、圧力付与部21に付与する電流の向きを制御して前記圧力の負圧と正圧とを切り替えるように構成されている。
本実施形態において、圧力付与部21(図4)は回転羽根21aを有し、回転羽根21aの回転方向を変えることにより、両矢印の+A方向と−A方向との双方に向けて風を発生させることができるように構成されている。
圧力付与部21(図4)は駆動源としてのモーター22(図1)により駆動され、モーター22を制御部18が制御することにより、圧力付与部21が付与する圧力を制御可能に構成されている。モーター22は、正転及び逆転の双方に回転可能に構成されており、圧力付与部21に付与する電流の向きを制御してモーター22の回転方向を切り替えることにより、回転羽根21aの回転方向が切り替えられる。
例えば、モーター22を正転させたときに−A方向に風が発生する方向に回転羽根21aが回転し、モーター22を逆転させたときに+A方向に風が発生する方向に回転羽根21aが回転するようになっている。
つまり、モーター22を正転させたときに−A方向に風が発生するので、圧力付与部21によって付与される前記圧力が負圧になって、貫通孔16に用紙Pを支持面15へ吸着する吸着力が発生する。また、モーター22を逆転させたときに+A方向に風が発生するので、圧力付与部21によって付与される前記圧力が正圧になって、貫通孔16に用紙Pを支持面15から離間させる離間力が発生する。
ここで、「吸着力」及び「離間力」の大小は、用紙Pと支持面15との間の搬送抵抗Rに関係する。
例えば、用紙Pが単に支持面15に支持されている状態で搬送される場合(用紙Pに作用する前記吸着力も前記離間力もゼロの場合)における、用紙Pと支持面15との間の搬送抵抗を搬送抵抗R1とする。
そして、用紙Pに吸着力を作用させた状態で搬送すると、用紙Pと支持面15との間の搬送抵抗R2は、搬送抵抗R1よりも大きくなる。前記吸着力が大きくなるほど搬送抵抗R2は大きくなり、前記吸着力が小さいほど、搬送抵抗R2は搬送抵抗R1に近い値(搬送抵抗R2としては小さい値)になる。
また、用紙Pに離間力を作用させた状態で搬送すると、用紙Pと支持面15との間の搬送抵抗R3は、搬送抵抗R1よりも小さくなる。前記離間力が大きくなるほど搬送抵抗R3は小さくなり、前記離間力が小さいほど、搬送抵抗R3は搬送抵抗R1に近い値(搬送抵抗R3としては大きい値)になる。
以上のことから、貫通孔16に発生される「吸着力」及び「離間力」における相対的な大小は、用紙Pの搬送抵抗の相対的な大小によって判断することができる。
制御部18は、前記圧力付与部の仕事量を制御して前記負圧及び正圧の圧力を変更する。圧力付与部21によって付与される前記圧力は、本実施形態のように圧力付与部21が回転羽根21aを備えて構成されるファンである場合には、回転羽根21aの回転数を上げる(仕事量を増加させる)ことにより吸引力(負圧の場合)または離間力(正圧の場合)を強め、回転羽根21aの回転数を下げる(仕事量を減少させる)ことにより吸引力(負圧の場合)または離間力(正圧の場合)を弱めることができる。モーター22の回転数制御は、例えば、定電圧で電流をPWM制御する場合の他、電圧を変更して回転数を制御することができる。
また、圧力付与部21の動作を停止することによって、圧力付与部21による付与圧力をゼロにすることができる。
尚、本実施形態においては、後述する連通部30に設けられる第2シャッター部36(図4)の開閉を調節することによっても、圧力付与部21によって付与される前記圧力を調節することも可能である。また、第1シャッター部35を閉じることによって、圧力付与部21による付与圧力をゼロにすることができる。第1シャッター部35或いは第2シャッター部36を用いた圧力付与部21による付与圧力の変更については、後で詳述する。
また、圧力付与部21としては、本実施形態のようなファンの他、例えば、空気の吸引と排出が可能なポンプを用いることができる。圧力付与部21がポンプである場合には、ポンプの出力を上げることにより吸引力(空気吸引の場合)または離間力(空気排出の場合)を強め、ポンプの出力を下げることにより吸引力(空気吸引の場合)または離間力(空気排出の場合)を弱めることができる。
<<連通部について>>
図4に示すように、連通部30は、圧力付与部21と複数の貫通孔16とを連通している。第1開口部31は圧力付与部21に連なり、第1開口部31を介して圧力付与部21と連通部30とが連通されている。第2開口部32は、複数の貫通孔16に対応して設けられており、第2開口部32を介して複数の貫通孔16と連通部30とが連通されている。
つまり、圧力付与部21で発生する圧力は、連通部30を介して複数の貫通孔16に付与される。
連通部30には、複数の貫通孔16に付与される付与圧力を、圧力付与部21で発生される発生圧力と異なる圧力にする圧力調整部34(図4)を設けることができる。
本実施形態においては、圧力調整部34として、第1開口部31を開閉する第1シャッター部35と、第3開口部33を開閉する第2シャッター部36と、を備えている。第3開口部33は、連通部30に設けられ、連通部30の内部の圧力を外部に逃がす開口である。
尚、図4において、実線で示す第1シャッター部35及び第2シャッター部36は、それぞれの開状態(全開)を示し、点線で示す第1シャッター部35及び第2シャッター部36は、それぞれの閉状態(全閉)を示している。
また、第1シャッター部35及び第2シャッター部36の開閉は、不図示の駆動源と、前記駆動源の動力を第1シャッター部35及び第2シャッター部36のそれぞれに伝える不図示の動力伝達機構と、によって行われる。前記駆動源(不図示)の動作は、制御部18によって制御することができる。
複数の貫通孔16に付与される付与圧力の変更或いは停止は、前述した様に、回転羽根21aの回転数を変える或いは停止することにより、圧力付与部21による発生圧力自体を変えて行うこともできるが、回転羽根21aの回転数が所望の回転数になるまでのタイムラグのため、前記付与圧力が所望の圧力になるまでの時間がかかる。
本実施形態のように、圧力調整部34(第1シャッター部35、第2シャッター部36)を設けることにより、複数の貫通孔16への付与圧力を即時に変更することができる。
より具体的には、貫通孔16への付与圧力をゼロにする、すなわち、用紙Pに吸引力も離間力も作用させない状態にする場合、第1シャッター部35を閉じるようにする。第1シャッター部35を閉じると、圧力付与部21からの発生圧力が遮断されるので、第1シャッター部35を閉じる動作からのタイムラグはほとんどなく、貫通孔16への付与圧力をゼロにすることができる。第1シャッター部35を開くと、貫通孔16へ付与される圧力が回復する。
また、複数の貫通孔16に付与される付与圧力を変える場合には、圧力付与部21の動作はそのままで、第2シャッター部36の開閉を調節する。第2シャッター部36が完全に閉じられた状態では、貫通孔16への付与圧力は、圧力付与部21による発生圧力に応じた圧力となる。第2シャッター部36が開かれると、第3開口部33から圧力が外部に逃げるので、複数の貫通孔16への付与圧力は、第2シャッター部36が閉じられている場合よりも低くなる。そして、第2シャッター部36の開き度合いにより、複数の貫通孔16への付与圧力を調整することができる。第2シャッター部36を大きく開いて第3開口部33を大きく開放するほど、貫通孔16への付与圧力は低くすることができる。
以上のような圧力調整部34(第1シャッター部35、第2シャッター部36)を設けることにより、複数の貫通孔16に付与される付与圧力を容易に調整することができる。
尚、本実施形態では、連通部30に第3開口部33を設け、第2シャッター部36の開閉により貫通孔16への付与圧力を調整する構成としたが、複数の貫通孔16に連なる複数の第2開口部32の少なくとも一部を開閉するシャッター部を設け、これを開閉することにより貫通孔16への付与圧力を調整することも可能である。また、第1シャッター部35の開閉を調節することによっても、圧力付与部21によって付与される前記圧力を調節することも可能である。
■■■制御部による制御■■■
制御部18は、吸着状態変更機構20の動作を制御して、「第1制御」と「第2制御」とを実行可能である。
<<<第1制御、第2制御について>>>
「第1制御」は、記録を行うために、用紙Pが、搬送ローラー対11及び排出ローラー対12(搬送部)の少なくとも一方によって前記第1搬送方向(+Y方向)に搬送される場合に、支持面15における用紙Pの吸着状態を第1の吸着状態とする制御である。
用紙Pに記録を行う場合に実行する「第1制御」においては、図4に示す圧力付与部21(吸着状態変更機構20)の回転羽根21aを、−A方向に風を送る方向に回転させて吸引し、貫通孔16から用紙Pに前記吸着力を作用させる。以って、支持面15上において用紙Pが浮き上がるのを抑制し、用紙Pの安定した姿勢を保つようにする。
尚、このときの吸着力(圧力付与部21が貫通孔16から用紙Pに付与する圧力に対応)は、用紙Pの種類(用紙サイズ、厚さ、剛性等の違い)に応じて設定される。
例えば、所定の用紙Pに記録を行う場合に、吸着状態変更機構20が用紙Pに作用する吸着力を吸着力Q1とする。記録時に用紙Pが吸着力Q1で吸着された状態を、用紙Pの第1の吸着状態とする。
一方、「第2制御」は、記録後の用紙Pが、用紙Pが搬送ローラー対11及び排出ローラー対12(搬送部)の少なくとも一方によって前記第2搬送方向(−Y方向)に搬送される場合に、支持面15における用紙Pの吸着状態を前記第1の吸着状態とは異なる第2の吸着状態にする制御である。
「第2制御」は、言い換えると、記録後の用紙Pをバックフィードする場合の吸着状態(第2の吸着状態)を、記録を行う場合における用紙Pの吸着状態(第1の吸着状態)と違う状態にする制御である。
制御部18が、「第1制御」と「第2制御」の双方を実行可能であることにより、用紙Pの記録状態(記録前か記録後か、記録後の場合はどのくらいのインク噴射量か)及び用紙搬送方向に応じて、支持面15における用紙Pの吸着状態を変えて、用紙Pを適切に搬送することができる。
以下において、「第2制御」における、前記第1の吸着状態とは異なる第2の吸着状態と、前記第2の吸着状態とすることによる効果について、具体的な例を挙げて説明する。
尚、支持面15における用紙Pの前記吸着状態には、用紙Pに前記吸着力が作用して支持面15に用紙Pが吸着されている状態と、用紙Pに前記離間力が作用して支持面15から用紙Pが離間している状態と、用紙Pに前記吸着力も前記離間力も作用せず、前記媒体が単に前記支持面に支持されている状態とが含まれる。
尚、「前記吸着力が作用して支持面15に用紙Pが吸着されている状態」には、用紙Pの全面を支持面15に完全に吸着させた状態の他、前記吸着力が作用して用紙Pの一部が支持面15に接触し、一部が支持面15から浮き上がった状態も含むものとする。
また、「前記離間力が作用して支持面15から用紙Pが離間している状態」には、用紙Pを支持面15から完全に離間させた状態の他、前記離間力が作用して用紙Pの一部が支持面15に接触し、一部が支持面15から浮き上がった状態も含むものとする。
◆第2制御における第2の吸着状態の例1◆
記録後の用紙Pが前記第2搬送方向(−Y方向)に搬送される場合に、制御部18が行う「第2制御」において、吸着状態変更機構20によって用紙Pに作用させる吸着力Q2を、「第1制御」における吸着力Q1よりも相対的に弱くして(Q2<Q1)、用紙Pを前記第2の吸着状態にする。表1に、例1の「第1制御」と「第2制御」における吸着力の強弱の相対関係と、搬送抵抗の大小の相対関係を示す。
Figure 2019043073
例えば、記録により噴射されたインクが用紙Pに吸収されると、用紙Pの状態が変化する。具体的には、噴射されたインクが少なく、用紙Pが少し湿った状態になると、用紙Pが柔らかくなり、媒体支持部14の支持面15に吸着され易くなる場合がある。
このように支持面15に吸着され易い状態の用紙Pを、前記第2搬送方向へのバックフィードする際に、「第1制御」と同じ吸着力Q1にすると、用紙Pが支持面15にしっかりと吸着されすぎてしまい、用紙の搬送不良や用紙皺が発生する場合がある。
このような場合に、記録後の用紙Pを第2搬送方向へ搬送する際に行う「第2制御」における吸着力Q2を、「第1制御」における前記吸着力Q1よりも相対的に弱くした前記第2の吸着状態にすることにより、用紙Pの搬送抵抗を記録時よりも減らし、用紙Pが支持面15にはり付くことにより発生する、用紙搬送不良や用紙皺を抑制または回避できる。
また、「第2制御」における吸着力Q2は、Q2=0(ゼロ)とすることもできる。つまり、「第2制御」において用紙Pを支持面15に吸着しない構成とすることができる。
このことにより、記録後の用紙Pのバックフィードを行う際における、用紙Pの支持面15へのはり付きを一層抑制することができる。以って、用紙搬送不良や用紙皺の発生をより確実に抑制できる。
◆第2制御における第2の吸着状態の例2◆
また、第2制御における第2の吸着状態は、以下に説明する例2の様にすることもできる。
すなわち、制御部18は、「第2制御」において、吸着状態変更機構20によって用紙Pに前記離間力を作用させて、用紙Pを前記第2の吸着状態とする。この場合の第2の吸着状態は、前記媒体に対して負の吸着力を作用させた状態と言い換えられる。
前記離間力は、前述のように、図4に示す圧力付与部21の回転羽根21aを+A方向に風を送る方向に回転させることによって発生させる。
表2に、例2の「第1制御」と「第2制御」における、支持面における用紙の状態と、搬送抵抗の大小の相対関係を示す。
Figure 2019043073
表2に示すように、記録を行う場合には用紙Pを支持面15に吸着し(第1制御)、記録後の用紙Pをバックフィードする場合には、用紙Pに前記離間力を作用さ、用紙Pが支持面15から離間した前記第2の吸着状態とすることができる(第2制御)。
このことにより、用紙Pと支持面15との間の搬送抵抗を一層減らすことができるため、例えば、記録により柔らかくなってはり付き易い状態になった用紙Pが、支持面15にはり付いて、媒体搬送不良や用紙皺が発生する虞を一層確実に抑制できる。
◆第2制御における第2の吸着状態の例3◆
更に、第2制御における第2の吸着状態は、以下に説明する例3の様にすることもできる。
すなわち、制御部18は、「第2制御」において、吸着状態変更機構20によって用紙Pに作用させる吸着力Q3を、「第1制御」における吸着力Q1よりも相対的に強くして(Q3>Q1)、用紙Pを前記第2の吸着状態とする。表3に、例3の「第1制御」と「第2制御」における吸着力の強弱の相対関係を示す。
Figure 2019043073
用紙Pに吸収されたインクが少量であると、前述のように、用紙Pが少し湿った状態になって柔らかくなり、媒体支持部14の支持面15に吸着され易くなる場合がある。一方、記録に用いられたインクが多く、ある程度のインクが用紙Pに吸収されると、用紙Pが膨張し、記録面を外にしてカールする場合がある(図5の上図を参照)。
カールした用紙Pを前記第2搬送方向である−Y方向へバックフィードする場合、「第1制御」と同じ吸着力Q1では、用紙P(特にカールした先端E:図5の上図)が支持面15に吸着しきれず、記録ヘッド10に接触し、擦れたり紙ジャムが発生したりする虞がある。
このような場合に、記録後の用紙Pを第2搬送方向へ搬送する際に行う「第2制御」における吸着力Q3を、「第1制御」における前記吸着力Q1よりも相対的に強くした前記第2の吸着状態にすることにより、カールした用紙Pをしっかりと支持面15に吸着し、用紙のヘッド擦れや紙ジャムの発生を抑制または回避できる。
また、制御部18は、記録後の用紙Pが第2搬送方向(−Y方向)に搬送される場合に、用紙Pにおける前記第2搬送方向に対する先端E(図5の各図)が、支持面15の所定の位置B(図5の中図)に達するまで「第2制御」を実行し、先端Eが前記所定の位置Bを越えた場合に、前記吸着力を弱くしてもよい。
つまり、先端Eが前記所定の位置Bを越えた図5の下図の状態における、用紙Pの吸着状態を第3の吸着状態とすると、第3の吸着状態において用紙Pに作用する吸着力Q4は、吸着力Q3よりも弱くされている(Q4<Q3)。
尚、第3の吸着状態(図5の下図)において用紙Pに作用する吸着力Q4は、「第1制御」における第1の吸着状態と同じ吸着力Q1としてもよい。
記録後の用紙Pを第2搬送方向(−Y方向)に搬送する際、用紙Pの先端Eが支持面15の所定の位置B(図5の中図)に達するまで「第2制御」を実行することにより、例えば、用紙Pの先端Eがカールしている場合に、浮き上がり易い先端E側をしっかりと支持面15に吸着することができる。
また、「第2制御」によって用紙Pの先端Eが支持面15に吸着されて、ある程度搬送されると、用紙Pの支持面15への吸着を弱めても、先端Eがカールする虞は少なくなる。よって、先端Eが所定の位置Bを越えた場合に、「第2制御」の実行時よりも前記吸着力を弱くすることができる。このことにより、圧力付与部21(吸着状態変更機構20)を駆動するための動力や駆動に伴う騒音を抑制することができる。
所定の位置Bは、例えば、媒体搬送方向において、媒体支持部14の中央付近に設定することができる。
尚、吸着状態変更機構20は、例えば、複数の貫通孔16に、用紙Pに対する吸着力のみを作用させる構成(例えば、図4における−A方向にのみ風を送る吸引ファン)とすることもできる。その場合には、制御部18は、前記第2制御において、吸着状態変更機構20によって用紙Pに離間力を作用させる制御(前述した、第2制御における第2の吸着状態の例2の場合)を実行しない構成とする。
また、吸着状態変更機構20としては、貫通孔16から圧力付与部21によって吸引して吸着する構成に限られず、例えば、帯電させた支持面15に用紙を静電吸着する構成を用いることができる。その場合、離間力を発生させるための構成(例えば、図4における+A方向に風を送る送風ファン)を別途設けることも可能である。
また、本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
1…インクジェットプリンター(記録装置)、2…筐体、3…用紙トレイ、
4…給送ローラー、5…分離ローラー対、6…第1中間ローラー、
7…第2中間ローラー、8a、8b…従動ローラー、9a、9b…従動ローラー、
10…記録ヘッド(記録部)、11…搬送ローラー対(搬送部)、
12…排出ローラー対(搬送部)、13…キャリッジ、14…媒体支持部、
15…支持面、16…貫通孔、17…排紙トレイ、18…制御部、
19…モーター、20…吸着状態変更機構、21…圧力付与部、21a…回転羽根、
22…モーター、25…第1センサー、26…第2センサー、30…連通部、
31…第1開口部、32…第2開口部、33…第3開口部、34…圧力調整部、
35…第1シャッター部、36…第2シャッター部、
P…用紙、E…先端

Claims (12)

  1. 搬送される媒体に液体を噴射して記録を行う記録部と、
    前記記録部に対向して配置され、前記媒体を支持する支持面を備える媒体支持部と、
    前記記録部による記録領域において、前記媒体を、前記記録部によって記録を行う場合の搬送方向である第1搬送方向と、前記第1搬送方向の逆方向である第2搬送方向と、の双方に搬送可能な搬送部と、
    前記媒体支持部の前記支持面における前記媒体の吸着状態を変える吸着状態変更機構と、
    前記吸着状態変更機構の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記吸着状態変更機構の動作を制御して、
    記録を行うために、前記媒体が前記搬送部によって前記第1搬送方向に搬送される場合に、前記支持面における前記媒体の吸着状態を第1の吸着状態とする第1制御と、
    記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記支持面における前記媒体の吸着状態を前記第1の吸着状態とは異なる第2の吸着状態にする第2制御と、を実行可能である、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、
    前記吸着状態変更機構は、前記媒体を前記支持面へ吸着する吸着力、または、前記媒体を前記支持面から離間させる離間力を変更して前記媒体の前記吸着状態を変更する構成である、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置において、前記制御部は、
    前記第1制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、
    前記第2制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に作用させる前記吸着力を、前記第1制御における前記吸着力よりも相対的に弱くして、前記媒体を前記第2の吸着状態とする、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項3に記載の記録装置において、
    前記第2制御における前記吸着状態変更機構による前記吸着力をゼロとする、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項2に記載の記録装置において、前記制御部は、
    前記第1制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、
    前記第2制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に前記離間力を作用させて、前記媒体を前記第2の吸着状態とする、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項2に記載の記録装置において、前記制御部は、
    前記第1制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に前記吸着力を作用させて、前記媒体を前記第1の吸着状態とし、
    前記第2制御において、前記吸着状態変更機構によって前記媒体に作用させる前記吸着力を、前記第1制御における前記吸着力よりも相対的に強くして、前記媒体を前記第2の吸着状態とする、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項6に記載の記録装置において、
    前記制御部は、記録後の前記媒体が前記搬送部によって前記第2搬送方向に搬送される場合に、前記媒体における前記第2搬送方向に対する先端が、前記支持面の所定の位置に達するまで前記第2制御を実行し、前記先端が前記所定の位置を越えた場合に、前記吸着力を弱くする、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記吸着状態変更機構は、
    前記媒体支持部の前記支持面に複数設けられる貫通孔と、
    前記複数の貫通孔に、前記媒体に作用する圧力を付与する圧力付与部と、を備え、
    前記圧力を負圧にして前記吸着力を発生させ、前記圧力を正圧にして前記離間力を発生させる、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項8に記載の記録装置において、
    前記制御部は、前記圧力付与部に付与する電流の向きを制御して前記圧力の負圧と正圧とを切り替え、前記圧力付与部の仕事量を制御して前記負圧及び正圧の圧力を変更する、
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の記録装置において、
    前記圧力付与部に連なる第1開口部と、前記複数の貫通孔に連なる第2開口部と、前記圧力付与部と前記複数の貫通孔とを連通する連通部と、を備え、
    前記連通部は、前記複数の貫通孔に付与される付与圧力を、前記圧力付与部で発生される発生圧力と異なる圧力にする圧力調整部を備える、
    ことを特徴とする記録装置。
  11. 請求項10に記載の記録装置において、
    前記圧力調整部は、前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも一方を開閉するシャッター部を備えて構成される、
    ことを特徴とする記録装置。
  12. 請求項10に記載の記録装置において、
    前記連通部は、内部の圧力を外部に逃がす第3開口部を備え、
    前記圧力調整部は、前記第3開口部を開閉するシャッター部を備えて構成される、
    ことを特徴とする記録装置。
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