JP2019059102A - 積層造形用粉末、三次元造形用材料セット、三次元造形装置及び三次元造形物 - Google Patents

積層造形用粉末、三次元造形用材料セット、三次元造形装置及び三次元造形物 Download PDF

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尚 森川
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Abstract

【課題】積層造形用粉末として球状の粒子を用いた場合と比較して、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた積層造形用粉末を提供すること。【解決手段】短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上である棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比a2/b2が0.4以下である板状の粒子の少なくとも一方を含む、積層造形用粉末。前記積層造形用粉末は、前記b1が20μm〜150μmである前記棒状の粒子を含むことが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、積層造形用粉末、三次元造形用材料セット、三次元造形装置及び三次元造形物に関する。
従来から、立体的な造形対象物を平行な複数の面で切断した各断面形状に対応させて積層造形用粉末の層を結合剤により結合し、この結合された層よりなる断面形状を順次積層させることによって、造形対象物の三次元モデルとなる三次元造形物を作製する技術が知られている。
上記技術を、粉末固着積層法による三次元造形ともいう。
例えば、特許文献1には、「外的刺激が付与されることで硬化度が変化するインクを作業面に供給可能なインク供給部を備え、前記作業面に供給されたインクに外的刺激を付与する3次元プリンタにおいて実行される3次元造形物の製造方法であって、前記3次元造形物の輪郭に沿って形成された枠体を作業面上に設置する枠体設置工程と、前記枠体の内側でかつ前記作業面上に前記インク供給部が前記インクを供給する最下層インク供給工程と、前記枠体の内側に供給されたインク上に補強部材を重ねる補強部材設置工程と、前記補強部材設置工程の後に、前記枠体の内側でかつ前記補強部材上に前記インク供給部が前記インクを供給する上層インク供給工程と、前記上層インク供給工程の後に、前記枠体の内側に供給されたインクに外的刺激を付与して硬化させる硬化工程と、を含むことを特徴とする3次元造形物の製造方法。」が開示されている。
特許文献2には、「粒子径が1〜10μmで、かつ、略平面の表面形状を備えた非球形粒子からなる無機顔料を色材として含有する無機顔料インキであって、前記無機顔料が、固化可能材料により形成される透明な連続層で被覆されることにより、高い彩度で呈色することを特徴とする無機顔料インキ。」が開示されている。
特許文献3には、「第1の結着樹脂及びフィラーを含むコア粒子と、前記コア粒子の表面に存在し、第2の結着樹脂を含むシェルと、からなるコアシェル型粒子を含み、粒径分布Dv/Dnが1.5以下で、かつ下記式で表される平均円形度が0.800以上0.980以下であることを特徴とする積層造形用粉末。平均円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100」が開示されている。
特開2016−036983号公報 特許2001−354877号公報 特開2016−040121号公報
粉末固着積層法による三次元造形において、積層造形用粉末として、球状の粒子を用いる場合がある。
このように、球状の粒子を用いた場合、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度が低くなる場合がある。
そこで、本発明の課題は、積層造形用粉末として球状の粒子を用いた場合と比較して、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた積層造形用粉末を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上である棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下である板状の粒子の少なくとも一方を含む、
積層造形用粉末。
請求項2に係る発明は、
前記長径b1が20μm以上150μm以下である前記棒状の粒子を含む、請求項1に記載の積層造形用粉末。
請求項3に係る発明は、
前記棒状の粒子が、グラスファイバーである、請求項2に記載の積層造形用粉末。
請求項4に係る発明は、
前記棒状の粒子及び前記板状の粒子の合計含有量が、積層造形用粉末の全質量に対し、90質量%以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層造形用粉末。
請求項5に係る発明は、
空隙率が40%以上である、請求項4に記載の積層造形用粉末。
請求項6に係る発明は、
積層方向の断面において、前記棒状の粒子の長さ方向又は前記板状の粒子の面方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、45°以下である、請求項5に記載の積層造形用粉末。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、
造形インクと、を含む、
三次元造形用材料セット。
請求項8に係る発明は、
前記造形インクが、2液硬化型の2種類の造形インクを含む、請求項7に記載の三次元造形用材料セット。
請求項9に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と、
前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、
造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に前記造形インクを付与する付与手段と、を含む
三次元造形装置。
請求項10に係る発明は、
前記付与手段として、2液硬化型の2種類の造形インクをそれぞれ付与する2つの付与手段を有する、請求項9に記載の三次元造形装置。
請求項11に係る発明は、
サポート材インクを収容し、前記サポート材インクを付与するサポート材インク付与手段を更に含む、請求項9又は請求項10に記載の三次元造形装置。
請求項12に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、
樹脂と、を含む
三次元造形物。
請求項13に係る発明は、
積層造形用粉末の含有量が、三次元造形物の全質量に対し、50質量%以上75質量%以下である、請求項12に記載の三次元造形物。
請求項14に係る発明は、
積層方向の断面において、前記棒状の粒子の長さ方向又は前記板状の粒子の面方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、45°以下である、請求項12又は請求項13に記載の三次元造形物。
請求項1に係る発明によれば、積層造形用粉末として球状の粒子を用いた場合と比較して、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた積層造形用粉末が提供される。
請求項2に係る発明によれば、長径b1が20μm以下である棒状の粒子を用いた場合と比較して、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた積層造形用粉末が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記棒状の粒子が、プラスチックファイバーである場合と比較して、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた積層造形用粉末が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記棒状の粒子及び前記板状の粒子の合計含有量が、積層造形用粉末の全質量に対し、50質量%である場合と比較して、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた積層造形用粉末が提供される。
請求項5に係る発明によれば、空隙率が30%である場合と比較して、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた積層造形用粉末が提供される。
請求項6に係る発明によれば、前記棒状の粒子の長さ方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、45°を超えるである場合と比較して、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた積層造形用粉末が提供される。
請求項7に係る発明によれば、積層造形用粉末として球状の粒子を含む場合と比較して、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた三次元造形物が得られる三次元造形用材料セットが提供される。
請求項8に係る発明によれば、1液硬化型の造形インクを含む場合と比較して、造形インクの保存安定性に優れた三次元造形用材料セットが提供される。
請求項9に係る発明によれば、積層造形用粉末として球状の粒子を含む場合と比較して、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れた三次元造形物が得られる三次元造形装置が提供される。
請求項10に係る発明によれば、付与手段として、1液硬化型の造形インクを付与する付与手段を有する場合と比較して、造形インクの保存安定性に優れた三次元造形装置が提供される。
請求項11に係る発明によれば、三次元造形においてサポート部の形成を実現する三次元造形装置が提供される。
請求項12に係る発明によれば、積層造形用粉末として球状の粒子を含む場合と比較して、積層方向の引張強度に優れた三次元造形物が提供される。
請求項13に係る発明によれば、積層造形用粉末の含有量が、三次元造形物の全質量に対し、75質量%である場合と比較して、積層方向の引張強度に優れた三次元造形物が提供される。
請求項14に係る発明によれば、前記棒状の粒子の長さ方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、45°を超える場合と比較して、様々な角度に対する引張強度に優れた三次元造形物が提供される。
本実施形態に係る棒状の粒子の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る板状の粒子の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る三次元造形装置の他の一例を示す概略図である。 実施例において作製した三次元造形物における造形部とサポート部とを表す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。
(積層造形用粉末)
本実施形態に係る積層造形用粉末は、短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上である棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下である板状の粒子の少なくとも一方を含む。
粉末固着積層法による三次元造形において、積層造形用粉末として、球状の粒子が用いられる場合がある。
このように、球状の粒子を用いた場合、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度が低くなる場合がある。本実施形態において、積層方向とは、積層造形法において複数の層が積層される方向のことである。
これは、積層造形用粉末に含まれる粒子が球状であるために、前記粒子が三次元造形物において積層方向の層を貫通して入り込みにくく、三次元造形により形成された層同士の剥離を抑制しにくいためであると考えられる。
それに対して、本実施形態に係る積層造形用粉末を用いた場合には、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度に優れる。
これは、短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上である棒状の粒子、又は、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下である板状の粒子が積層方向の層を貫通して三次元造形物に入り込むことにより、三次元造形により形成された層同士の剥離が抑制されるためであると考えられる。
また、本実施形態に係る積層造形用粉末を用いることにより、球状の積層造形用粉末を用いた場合と比較して、インクを大量に滴下した場合であっても積層造形用粉末が移動しにくいため、インクの崩れが起きにくく、三次元造形物の造形速度を増加させやすいと考えられる。
更に、球形の粉末を用いた場合よりも、粉末中の空隙の量が大きくなるため、例えば2種類の造形インクを同一箇所に滴下してもインクの溢れが起こりにくく、2液硬化型のインクを打滴しやすいと考えられる。
以下、本実施形態に係る積層造形用粉末の詳細について説明する。
<形状>
本実施形態に係る積層造形用粉末は、短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上である棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下である板状の粒子の少なくとも一方を含む。
図1は、前記棒状の粒子の一例を示す概略図である。
図1中のa1が前記短径a1に該当し、図1中の長径b1が前記長径b1に該当する。
短径a1と長径b1との比b1/a1は、3.0以上であり、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させ、かつ、三次元造形における解像度を向上させる観点から、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
また、棒状の粒子の長径b1は、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点から、20μm以上150μm以下であることが好ましく、30μm以上100μm以下であることがより好ましく、50μm以上90μm以下であることが更に好ましい。
上記短径a1及び長径b1は、積層造形用粉末を顕微鏡観察することにより測定される。具体的にはサンプルを液体窒素中で冷却後に破断させたり、エポキシ樹脂で包埋したサンプル片を実体顕微鏡下またはミクロトーム本体に取り付けたままで切り落としたり、イオンビームを用いた断面ミリング法により、作製した断面を顕微鏡観察することにより測定される。
図2は、前記板状の粒子の一例を示す概略図である。
図2中のa2が前記円相当径a2に該当し、図2中のb2が前記厚さb2に該当する。
円相当径a2と厚さb2との比b2/a2は0.4以下であり、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点からは、0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。
また、板状の粒子の円相当径a2は、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させ、かつ、三次元造形における解像度を向上させる観点から、3μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましく、8μm以上30μm以下であることが更に好ましい。
上記円相当径a2及び厚さb2は、積層造形用粉末を顕微鏡観察することにより測定される。具体的にはサンプルを液体窒素中で冷却後に破断させたり、エポキシ樹脂で包埋したサンプル片を実体顕微鏡下またはミクロトーム本体に取り付けたままで切り落としたり、イオンビームを用いた断面ミリング法により、作製した断面を顕微鏡観察することにより測定される。
<材質>
前記棒状の粒子の材質としては、特に限定されないが、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点からは、金属(例えば、ニッケル、銀又は銅)鉄、アタパルジャイト、カーボン又はガラスであることが好ましく、グラスファイバーであることがより好ましい。
前記棒状の粒子は、例えば、市販のグラスファイバー(ガラス繊維)、カーボンファイバー(炭素繊維)等を、短径a1と長径b1との比b1/a1が上記範囲内となるまで粉砕機を用いて粉砕することにより得られる。粉砕後、篩い分け等により前記b1/a1が上記範囲内に含まれない粒子を取り除いてもよい。
前記板状の粒子の材質としては、特に限定されないが、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点からは、金属、カーボン又はガラスであることが好ましい。
前記板状の粒子は、特に限定されないが、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点からは、タルクやカオリン、雲母、窒化ホウ素である事が好ましく、タルク、雲母である事がより好ましい。タルクは層状鉱物で、石の状態で採掘され、へき開性を有する事から、採掘された鉱物を粉砕する事により得られる。
<含有量>
本実施形態に係る積層造形用粉末における前記棒状の粒子及び前記板状の粒子の合計含有量は、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点から、積層造形用粉末の全質量に対し、70質量%以上〜95質量%以下であることが好ましく、75質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係る積層造形用粉末における前記棒状の粒子の含有量は、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点から、積層造形用粉末の全質量に対し、75質量%以上90質量%以下であることが好ましく、80質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係る積層造形用粉末は、その他の成分を更に含有してもよい。
その他の成分としては、粉末固着積層法による三次元造形において、積層造形用粉末に含まれる公知の成分が挙げられる。
<空隙率>
本実施形態に係る積層造形用粉末の空隙率は、後述する2液硬化型の造形インクを滴下しやすくする観点から、40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
また、空隙率の上限は特に限定されないが、造形速度を向上させる観点から、50%以下であることが好ましい。
上記空隙率は、振動を加えながら一定の容器内に粉黛を一杯に詰めて測定した重量を、容器の体積と粉黛を構成する化合部の密度から算出した重量で割った値を1から引いた値により測定される。
また、上記空隙率は、後述する造形用粉末貯留槽における造形インクが滴下される前の積層造形用粉末の空隙率であることが好ましい。
<角度>
本実施形態に係る積層造形用粉末は、積層方向の断面において、前記棒状の粒子の長さ方向又は前記板状の粒子の面方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、60°以下であることが好ましく、45°以下であることがより好ましい。
前記態様によれば、様々な角度において積層造形用粉末が層同士を貫通するため、様々な角度の力に対する三次元造形物の引張強度が向上しやすい。
前記角度の標準偏差は、サンプルを液体窒素中で冷却後に破断させたり、エポキシ樹脂で包埋したサンプル片を実体顕微鏡下またはミクロトーム本体に取り付けたままで切り落としたり、イオンビームを用いた断面ミリング法により、作製した断面を顕微鏡観察し画像処理する事により各粒子における角度を測定し、算出される。
(三次元造形用材料セット)
本実施形態に係る三次元造形用材料セットは、本実施形態に係る積層造形用粉末と、造形インクと、を含む。
<造形インク>
本実施形態において用いられる造形インクとしては、粉末固着積層法による三次元造形において用いられる公知の造形インクが特に制限なく用いられる。
本実施形態において用いられる造形インクとしては、造形インクの保存安定性の観点から、2液硬化型の2種類の造形インクを含むことが好ましい。
2液硬化型の2種類の造形インクとは、第一の造形インク及び第二の造形インクからなる2種類の造形インクであって、第一の造形インク及び第二の造形インクを混合することにより硬化する性質を有する造形インクをいう。
本実施形態に係る積層造形用粉末によれば、球状の粒子のみを含む積層造形用粉末を用いた場合と比較して、積層造形用粉末中の空隙率が高くなりやすいため、単位体積当たりに滴下される造形インクの量を増加させやすく、2液硬化型の2種類の造形インクを用いやすい。
2液硬化型の2種類の造形インクとしては、例えば、エポキシ樹脂形成用2液硬化型造形インク、ウレタン樹脂形成用2液硬化型造形インク、UV硬化樹脂形成用2液硬化型造形インクが挙げられる。
エポキシ樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水系エポキシ樹脂、等の複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含む第一の造形インクと、ポリアミン、ポリアミド、又は、イミダゾール等の硬化剤を含む第二の造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
ウレタン樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ポリオール樹脂等の複数のヒドロキシ基を有する樹脂を含む第一の造形インクと、多官能イソシアネート化合物を含む第二の造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
UV硬化樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ウレタンアクリレート等の複数の(メタ)アクリロキシ基を有する第一の造形インクと、光重合開始剤等の重合開始剤を含む第二の造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
また、本実施形態に係る三次元造形用材料セットは、サポート材インクを含有してもよい。
サポート材インクとしては、特に限定されず、粉末固着積層法による三次元造形において用いられる公知のサポート材インクが特に制限なく用いられる。
サポート材インクは、造形インクにより形成される造形部を支持するためのサポート部を形成する為に用いられる。前記サポート部は、造形終了後に水を用いて除去されることが好ましい観点から、サポート材インクとしては、硬化性を有するインクであることが好ましく、硬化後の樹脂が水溶性を有するインクであることが好ましい。
本実施形態において、水溶性とは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味し、1質量%以上溶解することが好ましい。
サポート材インクとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミドと、光重合開始剤と、を含むインクが好ましく、ヒドロキシエチルアクリルアミドと、ヒドロキシ基変性ヒマシ油と、光重合開始剤と、を含むインクがより好ましい。
(三次元造形装置)
本実施形態に係る三次元造形装置は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と、前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に前記造形インクを付与する付与手段と、を含む。
<造形用粉末貯留槽>
造形用粉末貯留槽は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容する。造形用粉末貯留槽に対し、前記層形成手段により前記積層造形用粉末の層を形成すること、及び、前記付与手段により造形インクを付与すること、を繰り返すことにより、三次元造形物が製造される。
<層形成手段>
層形成手段は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を用いて前記造形用粉末貯留槽に積層造形用粉末層を形成する手段である。
積層造形用粉末層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザ焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、前記積層造形用粉末をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて層状に拡げる方法、前記積層造形用粉末層の表面を押圧部材を用いて押圧して層状に拡げる方法、公知の材料積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
前記材料積層造形装置は、積層造形用粉末を積層するための均し機構(リコーター)と、積層造形用粉末を供給するための供給用粉末貯留槽と、積層造形用粉末を積層するための造形用粉末貯留槽とを備える。前記三次元造形装置においては、前記供給用粉末貯留槽を上昇させるか、前記造形用粉末貯留槽を下降させるか、又はその両方によって、前記供給用粉末貯留槽の表面を前記造形用粉末貯留槽の表面よりもわずかに上昇させる。上記上昇の後に、前記供給用粉末貯留槽側から前記造形用粉末貯留槽に前記リコーターを用いて積層用造形粉末が層状に配置される。前記リコーターを繰り返し移動させることにより、前記積層造形用粉末が積層される。
前記積層造形用粉末層の厚みとしては、一層当たりの平均厚みで、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上100μm以下がより好ましい。
前記平均厚みが、10μm以上であると、三次元造形物の生産性が向上し、200μm以下であると、三次元造形物の寸法精度が向上する。
<付与手段>
付与手段は、造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、造形インクを付与する手段である。
造形インクの前記積層造形用粉末の層への付与の方法としては、例えば、ディスペンサ法、スプレー法、インクジェット法などで用いられている液体吐出手段が挙げられる。本実施形態においては、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で、前記インクジェット法で用いられる液体吐出手段、例えば、圧電アクチュエーター等の振動素子を用い、複数ノズルから液滴を吐出する手段であることが好ましい。
また、本実施形態に係る三次元造形装置は、前記付与手段として、2液硬化型の2種類の造形インクをそれぞれ付与する2つの付与手段を有することが好ましい。
例えば、造形インクとして、上述の2液硬化型の2種類の造形インクを用いる場合、第一のインクと第二のインクとがそれぞれの付与手段(例えば、インクジェットヘッド)からそれぞれが混合される位置へと滴下される。
<サポート材インク付与手段>
本実施形態に係る三次元造形装置は、サポート材インクを収容し、サポート材インク付与手段をさらに有していてもよい。
サポート材インク付与手段としては、特に限定されず、上述の付与手段と同様の方法が用いられ、好ましい態様も同様である。
<その他の手段>
本実施形態に係る三次元造形装置は、その他の手段をさらに有してもよい。
その他の手段としては、硬化手段、表面保護手段、塗装手段等が挙げられる。
〔硬化手段〕
硬化手段としては、特に限定されないが、例えば、加熱を行う手段、紫外光の照射を行う手段等が挙げられる。
例えば、造形インクとして上述のUV硬化樹脂形成用2液硬化型造形インクを用いるか、サポート材インクとして光重合開始剤を含むインクを用いる場合には、紫外光の照射により、積層造形用粉末の層における各インクの滴下箇所が硬化される。
加熱方法、紫外光の照射方法としては、特に限定されず、公知の方法が用いられる。
〔表面保護手段〕
表面保護手段は、前記付与工程において形成した造形物に保護層を形成する手段である。前記保護層の形成により、得られる三次元造形物の耐久性等が向上する。前記保護層の具体例としては、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層などが挙げられる。前記表面保護手段としては、公知の表面保護装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
〔塗装手段〕
前記塗装手段は、前記造形物に塗装を行う手段である。前記塗装により、得られる三次元造形物が着色される。
前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗
装装置などが挙げられる。
<装置の一例>
以下、本実施形態に係る三次元造形装置について、図面を参照しつつ説明する。
図3は、本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す図である。
本実施形態に係る三次元造形装置100は、造形用粉末貯留槽1及び供給用粉末貯留槽2を有している。これらの貯留槽は、それぞれ本実施形態に係る積層造形用粉末10を貯留し、上下に移動されるステージ3を有し、上記ステージ上に本実施形態に係る積層造形用粉末10からなる層を形成する。
造形用粉末貯留槽1の上には、造形用粉末貯留槽1内の積層造形用粉末10に造形インクを吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給用粉末貯留槽2から造形用粉末貯留槽1に積層造形用粉末10を供給すると共に、造形用粉末貯留槽1の積層造形用粉末10の層表面を均す、均し機構6を有する。
三次元造形物の製造においては、造形用粉末貯留槽1の積層造形用粉末10上にインクジェットヘッド5から造形インク4を滴下する。このとき、造形インク4を滴下する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
ここで、造形インクとして、上述の2液硬化型の2種類の造形インクを用いる場合、第一のインクと第二のインクとがそれぞれのインクジェットヘッドからそれぞれが混合される位置に滴下される。
一層分の描画が終了した後、供給用粉末貯留槽2のステージ3を上げ、造形用粉末貯留槽1のステージ3を下げる。その差分の積層造形用粉末10を、前記均し機構6によって、造形用粉末貯留槽1へと移動させる。
このようにして、先に描画した積層造形用粉末10の層面上に、新たな積層造形用粉末10層が一層形成される。
前記新たな積層造形用粉末10層上に、更に二層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して三次元造形物が得られる。
図1において、造形用粉末貯留槽1が本実施形態に係る三次元造形装置における造形用粉末貯留槽の一例に、供給用粉末貯留槽2、ステージ3及び均し機構6が層形成手段の一例に、造形インク4及びインクジェットヘッド5がインク付与手段の一例に、それぞれ該当する。
<装置の別の一例>
図4に、本実施形態に係る三次元造形装置の他の一例を示す。図4の三次元造形装置は、原理的には図3と同じものであるが、三次元造形装置の供給機構が異なる。即ち、供給用粉末貯留槽2は、造形用粉末貯留槽1の上方に配されている。一層目の描画が終了すると、造形用粉末貯留槽1のステージ3が降下し、供給用粉末貯留槽2が移動しながら、積層造形用粉末10を造形用粉末貯留槽1に落下させ、新たな積層造形用粉末10層を形成する。その後、均し機構6で、積層造形用粉末10層を圧縮し、かさ密度を上げると共に、積層造形用粉末10層の高さを均一に近い状態に均す。
図4に示す構成の材料積層造形装置によれば、2つの貯留槽を平面的に並べる図1の構成に比べて、装置が小さくなる。
(三次元造形物)
本実施形態に係る三次元造形物は、本実施形態に係る積層造形用粉末と、樹脂と、を含む。
本実施形態に係る三次元造形物は、本実施形態に係る三次元造形装置により形成されることが好ましい。
例えば、本実施形態に係る三次元造形物は、本実施形態に係る三次元造形装置により形成された造形物に対し、水を用いてサポート材により形成されたサポート部を除去することにより得られる。上記サポート部の除去の後に、造形物中に残留している重合性化合物を加熱等により重合させてもよい。
前記樹脂は、本実施形態において用いられる造形インクの硬化物であることが好ましい。
本実施形態に係る三次元造形物に含まれる積層造形用粉末の形状及び材質は、上述の本実施形態に係る積層造形用粉末における形状及び材質と同様であり、好ましい態様も同様である。
本実施形態に係る三次元造形物において、三次元造形物の積層方向の引張強度の観点から、前記積層造形用粉末の含有量が、三次元造形物の全質量に対し、50質量%以上75質量%以下であることが好ましく、55質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係る三次元造形物は、積層方向の断面において、前記棒状の粒子の長さ方向又は前記板状の粒子の面方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、60°以下であることが好ましく、45°以下であることがより好ましい。
前記標準偏差は、上述の積層造形用粉末における標準偏差と同様の方法により算出される。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
(積層造形用粉末1の作製)
セントラルグラスファイバー社製ミルドファイバーEFDE30−01により、積層造形用粉末1を得た。
(積層造形用粉末2の作製)
セントラルグラスファイバー社製ミルドファイバーEFH150−01により、積層造形用粉末1を得た。
(積層造形用粉末3の作製)
日本タルク社製ミクロエースK−1により、積層造形用粉末1を得た。
(比較用積層造形用粉末1の作製)
アドマテックス社製アルミナAO−509により、比較用積層造形用粉末1を得た。
各積層造形用粉末及び各比較用積層造形用粉末の特性を表1に示す。
(造形インクの調製)
下記組成の各成分を混合することにより、第一の造形インク及び第二の造形インクを調製した。
<第一の造形インク>
・2,2'-[(1-methylethylidene)bis(4,1-phenyleneoxymethylene)]bis-oxirane(フナコシ社製Bisphenol A diglycidyl ether):20部
・1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(四日市合成社製エポゴーセーHD(D)):30部
・ブチルグリシジルエーテル(四日市合成社製DY-BP):50部
<第二の造形インク>
・Polyoxyalkylenediamine(三井化学ファイン社製2官能D2000):35部
・Norbornanediamine(三井化学ファイン社製NBDA):60部
・ジメチルアミノプロピルアミン(三井化学ファイン社製エポキシ樹脂硬化促進剤):5部
(造形インクの調製)
下記組成の各成分を混合することにより、サポート材インクを調製した。
<サポート材インク>
・ポリエチレンオキサイド(明成化学工業社製アルコックスR−150):30部
・プロピレングリコール(湘南和光社製):15部
・蒸留水:55部
(三次元造形物の作製)
下記(1)乃至(3)に従い、三次元造形物を作製した。
(1)図1に示した粉末積層装置(ニイガタ社製、粉体用冶具)を用いて、供給用粉末貯留槽から造形用粉末貯留槽に、各実施例又は比較例における積層造形用粉末を移送させ、平均厚みが100μmの積層造形用粉末の層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末の層の表面に、前記第一の造形インク、前記第二の造形インク及びサポート材インクを、図5に示した形状となるようにインクジェットヘッド(ディマティックス製、Polaris PQ512/85)を用いてノズルから付与(吐出)し、前記積層造形用粉末を硬化させた。
図5中、積層造形用粉末10の層において、造形部Aが第一の造形インク及び第二の造形インクを付与した箇所であり、サポート部Bがサポート材インクを付与した箇所である。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した積層造形用粉末の層を順次積層していき、三次元造形物を製造した。得られた三次元造形物に対し、水を用いてサポート材インクにより形成されたサポート部を除去することにより、円柱状の三次元造形物を得た。
(評価)
各実施例及び比較例において、得られた三次元造形物を今田製作所製引張圧縮試験機を用いて積層方向に引っ張り、積層方向の破断強度を測定した。評価結果は表2に記載した。破断強度の数値が大きいほど、三次元造形物の積層方向の引張強度に優れるといえる。
また、得られた三次元造形物における積層造形用粉末の含有量、及び、棒状の粒子の長さ方向又は板状の粒子の面方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差と、を上述の方法により測定し、表2に記載した。
1 造形用粉末貯留槽
2 供給用粉末貯留槽
3 ステージ
4 造形インク
5 インクジェットヘッド
6 均し機構
10 積層造形用粉末
100 三次元造形装置
A 造形部
a1 短径a1
a2 円相当径a1
B サポート部
b1 長径b1
b2 厚さb2

Claims (14)

  1. 短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上である棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下である板状の粒子の少なくとも一方を含む、
    積層造形用粉末。
  2. 前記長径b1が20μm以上150μm以下である前記棒状の粒子を含む、請求項1に記載の積層造形用粉末。
  3. 前記棒状の粒子が、グラスファイバーである、請求項2に記載の積層造形用粉末。
  4. 前記棒状の粒子及び前記板状の粒子の合計含有量が、積層造形用粉末の全質量に対し、90質量%以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層造形用粉末。
  5. 空隙率が40%以上である、請求項4に記載の積層造形用粉末。
  6. 積層方向の断面において、前記棒状の粒子の長さ方向又は前記板状の粒子の面方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、45°以下である、請求項5に記載の積層造形用粉末。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、
    造形インクと、を含む、
    三次元造形用材料セット。
  8. 前記造形インクが、2液硬化型の2種類の造形インクを含む、請求項7に記載の三次元造形用材料セット。
  9. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と、
    前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、
    造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に前記造形インクを付与する付与手段と、を含む
    三次元造形装置。
  10. 前記付与手段として、2液硬化型の2種類の造形インクをそれぞれ付与する2つの付与手段を有する、請求項9に記載の三次元造形装置。
  11. サポート材インクを収容し、前記サポート材インクを付与するサポート材インク付与手段を更に含む、請求項9又は請求項10に記載の三次元造形装置。
  12. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、
    樹脂と、を含む
    三次元造形物。
  13. 積層造形用粉末の含有量が、三次元造形物の全質量に対し、50質量%以上70質量%以下である、請求項12に記載の三次元造形物。
  14. 積層方向の断面において、前記棒状の粒子の長さ方向又は前記板状の粒子の面方向と、積層方向とのなす角の角度の標準偏差が、45°以下である、請求項12又は請求項13に記載の三次元造形物。
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