本発明のポリエーテル重合体は、(A)エチレンオキサイド由来の構成単位0〜35モル%、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位65〜100モル%、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位0〜10モル%である;ことを特徴とする。尚、本発明のポリエーテル重合体は単一の重合体であってもよく、2種以上の重合体で構成されていてもよい。
以下、本発明のポリエーテル重合体について詳述する。ポリエーテル重合体における、(A)エチレンオキシド由来の構成単位としては、下限は0モル%以上であることが好ましく、1モル%以上であることがより好ましく、5モル%以上であることが特に好ましく、上限は35モル%以下であることが好ましく、33モル%以下であることがより好ましく、30モル%以下であることが特に好ましい。ポリエーテル重合体においては、(A)エチレンオキシド由来の構成単位を有することにより表面抵抗値を制御できる点で好ましい。
ポリエーテル重合体における、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位としては、下限は65モル%以上であることが好ましく、67モル%以上であることがより好ましく、上限は100モル%以下であることが好ましく、98モル%以下であることがより好ましく、90モル%以下であることが特に好ましい。この範囲であれば、10℃、15%RHと35℃、85%RHの条件下で表面抵抗値の環境変動が小さいと共に、水に浸漬時の寸法安定性に優れるポリマーが得られる。
炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体としては、アルキル基を有するオキシラン単量体、アルキルオキシ基を有するオキシラン単量体、シクロアルキル基を有するオキシラン単量体、芳香族基を有するオキシラン単量体、エステル基を有するオキシラン単量体、ヒドロキシ基を有するオキシラン単量体(エポキシアルコール)を例示することでき、アルキル基を有するオキシラン単量体、アルキルオキシ基を有するオキシラン単量体であることが好ましい。
炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体を例示すると、エポキシブタン、エポキシヘキサン、エポキシオクタン等のアルキル基を有するオキシラン単量体、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、メトキシエトキシエチルグリシジルエーテル等のアルキルオキシ基を有するオキシラン単量体、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカン等のシクロアルキル基を有するオキシラン単量体、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル等の芳香族基を有するオキシラン単量体、2,3−エポキシブタン酸プロピル等のエステル基を有するオキシラン単量体、4,5−エポキシ−1−ペンタノール、3,4−エポキシ−1−ブタノール等のヒドロキシ基を有するオキシラン単量体等を例示することができ、これらは2種以上を併用しても良い。中でも、炭素数4〜10で構成されるアルキレンオキシドであることが好ましく、炭素数4〜8で構成されるアルキレンオキシドであることが好ましく、エポキシブタン、エポキシヘキサンであることが好ましい。
ポリエーテル重合体における、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位としては、下限としては0モル%以上であることが好ましく、1モル%以上であることがより好ましく、2モル%以上であることが更に好ましく、3モル%以上であることが特に好ましく、上限としては10モル%以下であることが好ましく、8モル%以下であることがよりより好ましく、6モル%以下であることが更に好ましく、5モル%以下であることが特に好ましい。ポリエーテル重合体においては、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位を有することにより、光や熱で容易に架橋できる点で好ましい。
架橋性官能基を有するオキシラン単量体としては、本発明のポリエーテル共重合体を架橋せしめ得るオキシラン単量体であればいかなるものでも良く、例えばハロゲン含有オキシラン単量体、具体例としてエピクロルピドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン等のエピハロヒドリン類、p−クロロスチレンオキシド、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、m−クロロメチルスチレンオキシド、p−クロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジル、グリシド酸クロロメチル、テトラフルオロオキシラン、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1,2−エポキシプロパン等のエピハロヒドリン類以外のハロゲン置換オキシラン類、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、3,4−エポキシ−1−ブテン等のエチレン性不飽和基含有オキシラン類、メタグリシド酸グリシジルエステル、グリシドメタグリシジルエステル等を挙げることができる。これら架橋性オキシラン単量体は2種以上を併用しても良い。中でも、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルであることが好ましく、アリルグリシジルエーテルであることが特に好ましい。
ポリエーテル重合体の重合組成はポリエーテル重合体を重クロロホルムに溶解し、1H−NMRにより各ユニットの積分値を求め、その算出結果から組成を決定することができる。
ポリエーテル重合体の重量平均分子量は、下限が1万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましく、30万以上であることが更に好ましく、上限は500万以下であることが好ましく、300万以下であることがより好ましく、200万以下であることが更に好ましい。ポリエーテル重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で標準ポリスチレン換算により算出する。
(A)エチレンオキシド由来の構成単位0〜35モル%、(B)炭素数4以上で構成されるオキシラン単量体由来の構成単位65〜100モル%、(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体由来の構成単位0〜10モル%を含有するポリエーテル重合体の製造は、触媒としてオキシラン化合物を開環重合させ得るものを使用し、温度−20〜100℃の範囲で溶液重合法、スラリー重合法等により実施できる。このような触媒としては、例えば有機アルミニウムを主体としこれに水やリンのオキソ酸化合物やアセチルアセトン等を反応させた触媒系、有機亜鉛を主体としこれに水を反応させた触媒系、有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系等が挙げられる。例えば本出願人による米国特許第3,773,694号明細書に記載の有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系を使用して本発明のポリエーテル共重合体を製造することができる。なお、このような製法により、共重合させる場合、これらの成分を実質上ランダムに共重合することが好ましい。
本発明では、ポリエーテル重合体を、重合させたままの状態で使用する他、該ポリエーテル重合体を架橋してなる架橋物を用いてもよい。
本発明のポリエーテル重合体を架橋してなる架橋物は、ポリエーテル重合体自体を反応させて架橋して得てもよく、架橋性官能基に適した架橋剤とともに加熱することで架橋してもよく、架橋性官能基に適した熱重合開始剤、光反応開始剤(光重合開始剤ともいう)を用い、架橋させて得てもよい。前記架橋は、加熱の他、紫外線などの活性エネルギー線を照射することによっても行うことができる。尚、架橋剤とともに公知の架橋促進剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤を本発明において用いることができ、熱重合開始剤、光反応開始剤とともに公知の架橋助剤を本発明において用いることができる。
上記架橋剤として下記のものを使用できる。まず、ポリエーテル重合体における(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体として、ハロゲン含有オキシラン単量体、特に、エピハロヒドリン類やこのエピハロヒドリン類以外のハロゲン置換オキシラン類を用いた場合には、使用できる架橋剤として、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等のポリアミン系架橋剤、エチレンチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等のチオウレア系架橋剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエート等のチアジアゾール系架橋剤、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−シクロヘキサンアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプトトリアジン等のメルカプトトリアジン系架橋剤、ピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5−メチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5−エチルピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5,6−ジメチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5,6−ジメチルピラジン−2,3−ジチオカーボネート等のピラジン系架橋剤、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−エチル−2,3−ジメルカプトキノキサリン、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート等のキノキサリン系架橋剤、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、1,1−シクロヘキシリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)、2−クロロ−1,4−シクロヘキシレン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)、2,2−イソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールA)、ヘキサフルオロイソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールAF)及び2−フルオロ−1,4−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)等のビスフェノール系架橋剤等を挙げることができる。
ポリエーテル重合体における(C)架橋性官能基を有するオキシラン単量体として、アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和基含有オキシランを用いた場合には、架橋剤として、通常ジエン系ゴムに用いられているものを適用することができ、例えば硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、モルフォリンジスルフィド等の硫黄系架橋剤、パラベンゾキノンジオキシム、ベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋剤、ポリメチロールフェノール、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、臭化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂等の樹脂系架橋剤を挙げることができる。
架橋剤の量としては、ポリエーテル重合体100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
架橋剤を用いた架橋の条件については、加熱温度は100〜200℃であり、加熱時間は温度により異なるが、0.5〜300分の間で行われるのが通常である。加熱方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、蒸気、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
本発明に用いることができる熱重合開始剤として、有機過酸化物系開始剤、アゾ化合物系開始剤等から選ばれるラジカル開始剤が挙げられる。
有機過酸化物系開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等、架橋用途に通常使用されているものが用いられ、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
アゾ化合物系開始剤としては、アゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等、架橋用途に通常使用されているものが用いられ、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)・二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。
これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。好ましくは有機過酸化物系開始剤が用いられる。
活性エネルギー線は、紫外線、可視光線、電子線等を用いることができる。特に装置の価格、制御のしやすさから紫外線が好ましい。
本発明に用いることができる光反応開始剤として、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤、チタノセン系開始剤、トリアジン系開始剤、ビスイミダゾール系開始剤、オキシムエステル系開始剤などが挙げられる。好ましくは、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の光反応開始剤が用いられる。光反応開始剤として前述の化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
アルキルフェノン系開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどが挙げられる。2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましい。
ベンゾフェノン系開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
架橋反応は、熱による場合は、室温から200℃ぐらいの温度設定で10分から24時間程度加熱することによって行なうことができる。
紫外線による場合は、キセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプを用いることができ、例えば、高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて積算露光量1〜10000mJ/cm2照射することによって行うことができる。
架橋反応に用いられる熱重合開始剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、上限は10重量部以下であることが好ましく、4重量部以下であることがより好ましい。
架橋反応に用いられる光反応開始剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、上限は6重量部以下であることが好ましく、4重量部以下であることがより好ましい。
本発明においては、架橋助剤を光反応開始剤と併用してもよい。架橋助剤は、通常、多官能性化合物(例えば、CH2=CH−、CH2=CH−CH2−、CF2=CF−、HS−を少なくとも2個含む化合物)である。架橋助剤の具体例は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェート、ヘキサフルオロトリアリルイソシアヌレート、N−メチルテトラフルオロジアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール、2−メチル−1,8−オクタンジチオール、1,4−シクロヘキサンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−exo−cis−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン等のジチオール化合物;1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス((メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等のトリチオール化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブタネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等のSH基を4個以上有するチオール化合物等の脂肪族ポリチオール化合物、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−チオビス−ベンゼンチオール、4,4'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン等の芳香族ポリチオールなどである。これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
架橋助剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.1重量部以上であることが好ましく、1重量部以上であることがより好ましく、上限は10重量部以下であることが好ましく、8重量部以下であることがより好ましい。
本発明では、ポリエーテル重合体またはその架橋物を、導電性付与剤、ゴム、樹脂及び溶媒から選択される少なくとも1種に対し、添加物として使用することもできる。即ち本発明には、前記ポリエーテル重合体、またはその架橋物と;導電性付与剤、ゴム、樹脂及び溶媒から選択される少なくとも1種と;を含有する組成物も含まれる。
本発明の、例えばポリエーテル重合体またはその架橋物に用いる導電性付与剤として、有機スルホン酸アルカリ金属塩や炭素系ナノフィラーを例示することができる。
有機スルホン酸アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属の種類としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属が挙げられ、その中でもナトリウム、カリウム、セシウムが好ましく、特にはカリウム及びナトリウムが好ましい。
有機スルホン酸アルカリ金属塩としては、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、トリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドのアルカリ金属塩およびトリフルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩からなる群より選ばれた塩であることが好ましい。
有機スルホン酸アルカリ金属塩を具体的に例示すると、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムLi(CF3SO2)2N、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリカリウムK(CF3SO2)2N、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウムNa(CF3SO2)2N、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムLi(CF3SO2)3C、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドカリウムK(CF3SO2)3C、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドナトリウムNa(CF3SO2)3C、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLi(CF3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムK(CF3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムNa(CF3SO3)を例示することができる。これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
炭素系ナノフィラーとは、少なくとも1次元が200nmより小さい物質であり、一次元が200nmより小さく残る二次元への広がりを有するものは薄膜、二次元が200nmより小さく残る一次元への広がりを有する場合は棒状、三次元とも200nmより小さい場合は粒状の形状をとる物質であり、形状は特に限定される物ではないが、二次元が200nmより小さく、残る一次元への広がりを有する棒状の物が好ましい。
炭素系ナノフィラーとしては、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイル、カーボンマイクロコイル、カーボンナノウォール、カーボンナノチャプレット、フラーレン、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノフレークを例示することができ、中でもカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブであることが好ましい。
これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
本発明の、例えばポリエーテル重合体、またはその架橋物などの組成物としては、導電性付与剤とポリエーテル重合体の配合量は特に限定されないが、ポリエーテル重合体100重量部に対して、0.1〜30重量部であり、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1.0重量部以上、さらに好ましくは1.5重量部以上、特に好ましくは2.0重量部以上であり、また、25重量部以下が好ましく、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは15重量部以下であることが好ましい。
本発明の、例えばポリエーテル重合体またはその架橋物に用いるゴムとして、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム、およびこれらの2種以上の混合ゴムを例示することができる。
本発明の、例えばポリエーテル重合体、またはその架橋物などの組成物としては、ゴムとポリエーテル重合体の配合量は特に限定されないが、配合量はゴム100重量部に対して、ポリエーテル重合体が0.01重量部以上配合されることが好ましく、0.05重量部以上配合されることがより好ましく、1重量部以上配合されることが更に好ましく、30重量部以下配合されることが好ましく、20重量部以下配合されることがより好ましく、15重量部以下配合されることが更に好ましい。配合方法は特に限定されず、通常使用されている方法を用いることができ、ロール、押し出し機、ニーダー等を例示することができる。
本発明の、例えばポリエーテル重合体またはその架橋物に用いる樹脂として、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーであることが好ましく、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本発明の、例えばポリエーテル重合体またはその架橋物などの組成物としては、樹脂とポリエーテル重合体の配合量は特に限定されないが、配合量は樹脂100重量部に対して、ポリエーテル重合体が0.01重量部以上配合されることが好ましく、0.05重量部以上配合されることがより好ましく、1重量部以上配合されることが更に好ましく、900重量部以下配合されることが好ましく、600重量部以下配合されることがより好ましく、400重量部以下配合されることが更に好ましい。配合方法は特に限定されず、通常使用されている方法を用いることができ、ロール、押し出し機、ニーダー等を例示することができる。
本発明の、例えばポリエーテル重合体またはその架橋物に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。これらの溶媒は1種の単独使用でも2種以上の併用でも良い。
本発明の、例えばポリエーテル重合体またはその架橋物などの組成物としては、溶媒とポリエーテル重合体の配合量は特に限定されないが、配合量は溶媒100重量部に対して、ポリエーテル重合体が0.01重量部以上配合されることが好ましく、0.05重量部以上配合されることがより好ましく、1重量部以上配合されることが更に好ましく、80重量部以下配合されることが好ましく、60重量部以下配合されることがより好ましく、50重量部以下配合されることが更に好ましい。
本発明の、例えばポリエーテル重合体またはその架橋物などの組成物として、溶媒を用いた場合には、ポリエーテル重合体またはその架橋物などの組成物は、ポリエーテル重合体を溶媒に溶解させた液状であってもよく、この場合、後述の通りコーティング液として用いることができる。
本発明のポリエーテル重合体またはその架橋物などの組成物としては、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、その他の帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、発泡剤、充填剤、顔料、香料、難燃剤、熱重合開始剤、光反応開始剤、架橋助剤等を配合することができる。中でも酸化防止剤又は滑剤を使用することが好ましい。
(成形体)
本発明には、前記ポリエーテル重合体やその架橋物、または前記ポリエーテル重合体を含む組成物を用いて作製された成形体も含まれる。例えば、本発明のポリエーテル重合体またはその架橋物を、単独でまたは前述の添加剤を添加してから、例えば繊維、フィルム、シート、ペレット、粉体等に成形することが挙げられる。
また本発明の組成物は、以下に例示する通り成形することで成形体として用いることができる。成形体としては、繊維、フィルム、シート、ペレット、粉体、基材に対する塗膜等が挙げられる。これらの成形体は、弾性を示す成形体(弾性成形体)であってもよいし、弾性を示さない硬質成形体であってもよい。前記弾性成形体として、弾性ロール等が挙げられる。
前記溶媒とポリエーテル重合体を用いた組成物は、コーティング液として用いることができる。コーティング方法として、ロールコート法、グラビアコート法、ディップコート法、スプレーコート法などが挙げられる。これらの方法により、前記樹脂、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル系樹脂、またはこれらの2種以上の混合樹脂と、ポリエーテル重合体とを含む組成物を、基材にコーティングして塗膜としての成形体とすることも可能である。
また、本発明のポリエーテル重合体組成物に、熱重合開始剤、光反応開始剤、架橋助剤を含有させて、成形時、又は成形後に架橋反応をさせて成形体を得ることができる。架橋は、加熱、又は紫外線などの活性エネルギー線を照射することによって架橋させることができる。
架橋反応は、熱による場合は、室温から200℃ぐらいの温度設定で10分から24時間程度加熱することによって行なうことができる。
紫外線による場合では、キセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプを用いることができ、例えば、高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて積算露光量1〜10000mJ/cm2照射することによって行うことができる。
本発明に用いることができる熱重合開始剤として、有機過酸化物系開始剤、アゾ化合物系開始剤等から選ばれるラジカル開始剤が挙げられる。
有機過酸化物系開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
アゾ化合物系開始剤としてはアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)・二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。
好ましくは有機過酸化物系開始剤が用いられる。これらの化合物を、単独で使用する他、2種類以上併用することも可能である。
活性エネルギー線は、紫外線、可視光線、電子線等を用いることができる。特に装置の価格、制御のしやすさから紫外線が好ましい。
本発明に用いることができる光反応開始剤として、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤、チタノセン系開始剤、トリアジン系開始剤、ビスイミダゾール系開始剤、オキシムエステル系開始剤などが挙げられる。好ましくは、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の光反応開始剤が用いられる。光反応開始剤として前述の化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
アルキルフェノン系開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどが挙げられる。2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましい。
ベンゾフェノン系開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
架橋反応に用いられる熱重合開始剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、上限は10重量部以下であることが好ましく、4重量部以下であることがより好ましい。
架橋反応に用いられる光反応開始剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましく、上限は6重量部以下であることが好ましく、4重量部以下であることがより好ましい。
本発明においては、架橋助剤を光反応開始剤と併用してもよい。架橋助剤は、通常、多官能性化合物(例えば、CH2=CH−、CH2=CH−CH2−、CF2=CF−、HS−を少なくとも2個含む化合物)である。架橋助剤の具体例は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェート、ヘキサフルオロトリアリルイソシアヌレート、N−メチルテトラフルオロジアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール、2−メチル−1,8−オクタンジチオール、1,4−シクロヘキサンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−exo−cis−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン等のジチオール化合物;1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス((メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等のトリチオール化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブタネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等のSH基を4個以上有するチオール化合物等の脂肪族ポリチオール化合物、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−チオビス−ベンゼンチオール、4,4'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン等の芳香族ポリチオールなどである。これらの化合物を、単独で用いる他、2種類以上併用することも可能である。
架橋助剤の量はポリエーテル重合体100重量部に対して、下限は0.1重量部以上であることが好ましく、1重量部以上であることがより好ましく、上限は10重量部以下であることが好ましく、8重量部以下であることがより好ましい。
本発明の成形体は、フィルム、シート、あるいは、各種成形品として、非帯電性が要求される分野、例えば自動車部品、OA機器、家電製品部品、電気・電子分野、あるいはその保管・収納ケース、チューブなどの用途で用いられる。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<重合体の分析>
実施例・比較例で得られたポリエーテル重合体の共重合組成は、ポリエーテル重合体を重クロロホルムに溶解し、1H−NMRにより各ユニットの積分値を求め、その算出結果から組成比を求めた。装置としては、日本電子株式会社製のJNM GSX−270型を用いた。
実施例・比較例で得られたポリエーテル重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、以下の方法により求めた。
装置:株式会社島津製作所製GPCシステム
カラム:昭和電工株式会社製Shodex KD−807、KD−806M、KD−806、KD−803
検出器:示差屈折計
溶媒:ジメチルホルムアミド(リチウムブロマイド1mmol/L)
流速:1mL/min
カラム温度:60℃
分子量標準物質:昭和電工株式会社製標準ポリスチレン
<重合用触媒の製造>
重合用触媒の製造攪拌機、温度計、及びコンデンサーを備えた三つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g、及びトリブチルフォスフェート35gを投入し、窒素気流下に攪拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ、残留物として室温で固体状の縮合物を得た。以降これを重合用触媒として使用した(以下、縮合物触媒と記載する。)。
(実施例1)
内容量10Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒10g、1,2−エポキシブタン(EBとも記載する)1017g、アリルグリシジルエーテル(AGEとも記載する)56g、及び溶媒としてノルマルヘキサン3752gを仕込み、エチレンオキシド(EOとも記載する)71gは、1,2−エポキシブタンの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。反応温度を28℃に維持したまま8時間後にメタノール16gを加えて重合反応を停止した。デカンテーションにより粒子状の重合体を取り出した後、減圧下、40℃で8時間乾燥してポリエーテル共重合体371gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位12モル%、1,2−エポキシブタン由来の構成単位84モル%、アリルグリシジルエーテル由来の構成単位4モル%であり、重量平均分子量は194万であった。
(実施例2)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、1,2−エポキシヘキサン(EHとも記載する)1092g、アリルグリシジルエーテル43g、及びノルマルヘキサン3750gとし、エチレンオキシドの量を96gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体582gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位16モル%、1,2−エポキシヘキサン由来の構成単位80モル%、アリルグリシジルエーテル由来の構成単位4モル%であり、重量平均分子量は165万であった。
(実施例3)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、1,2−エポキシブタン1024g、メタクリル酸グリシジル(GMAとも記載する)70g、及びノルマルヘキサン3759gとし、エチレンオキシドの量を102gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体590gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位25モル%、1,2−エポキシブタン由来の構成単位72モル%、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位3モル%であり、重量平均分子量は88万であった。
(比較例1)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、1,2−エポキシブタン(EBとも記載する)488g、アリルグリシジルエーテル72g、及びノルマルヘキサン3750gとし、エチレンオキシドの量を390gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体346gを得た。尚、エチレンオキシドは1,2−エポキシブタンの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位70モル%、1,2−エポキシブタン由来の構成単位27モル%、アリルグリシジルエーテル由来の構成単位3モル%であり、重量平均分子量は、204万であった。
(比較例2)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、1,2−エポキシヘキサン590g、アリルグリシジルエーテル96g、及びノルマルヘキサン3750gとし、エチレンオキシドの量を571gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体426gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位73モル%、1,2−エポキシヘキサン由来の構成単位23モル%、アリルグリシジルエーテル由来の構成単位4モル%であり、重量平均分子量は187万であった。
(比較例3)
重合時の仕込み物及びその量を、縮合物触媒10g、1,2−エポキシブタン(EBとも記載する)480g、メタクリル酸グリシジル126g、及びノルマルヘキサン3750gとし、エチレンオキシドの量を644gとした以外は実施例1と同様の手順でポリエーテル共重合体806gを得た。尚、エチレンオキシドは1,2−エポキシブタンの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位68モル%、1,2−エポキシブタン由来の構成単位28モル%、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位4モル%であり、重量平均分子量は190万であった。
上記実施例1〜3および比較例1〜3で得られたポリエーテル共重合体の表面抵抗値と水膨潤率を後記の通り測定するため、下記の通り試験片を作製した。
上記実施例1〜2および比較例1〜2で得られたポリエーテル共重合体をテトラヒドロフランに固形分濃度15重量%になるように溶解後、光重合開始剤イルガキュア907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)をポリエーテル共重合体100重量部に対して1.5重量部、架橋助剤1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン6.4重量部を加え均一な溶液を調製した。PETフィルム上に一定量の溶液を垂らした後、アプリケーターでコーティングし、テトラヒドロフランを蒸発させることで均一な100μm膜厚のフィルムを作作製した。高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて、1J/cm2照射し架橋フィルム(成形体)を得た。
上記実施例3および比較例3で得られたポリエーテル共重合体をテトラヒドロフランに固形分濃度15重量%になるように溶解後、光重合開始剤イルガキュア907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)をポリエーテル共重合体100重量部に対して1.5重量部を加え均一な溶液を調製した。PETフィルム上に一定量の溶液を垂らした後、アプリケーターでコーティングし、テトラヒドロフランを蒸発させることで均一な100μm膜厚のフィルムを作製した。高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて、1J/cm2照射し架橋フィルム(成形体)を得た。
<成形体の乾燥>
実施例1〜3及び比較例1〜3より作製した成形体に対し、露点−50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節を行った。
<表面抵抗値の測定>
乾燥させた実施例1〜3及び比較例1〜3の成形体に対し、温度10℃、湿度15%RH(低温低湿条件)に調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で上記成形体の表面抵抗値の測定を行った。
乾燥させた実施例1〜3及び比較例1〜3の成形体に対し、温度23℃、湿度50%RHに調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で上記成形体の表面抵抗値の測定を行った。
また、乾燥させた実施例1〜3及び比較例1〜3の成形体に対し、温度35℃、湿度85%RH(高温高湿条件)に調節した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で上記成形体の表面抵抗値の測定を行った。
測定は絶縁抵抗計(三菱化学株式会社製、ハイレスタUX MCP−HT800)を用いて、100ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り表面抵抗値を算出した。測定結果は表1に記載した。
<環境変動評価>
上記表面抵抗値の測定で得られた10℃×15%RH環境下、35℃×85%RH環境下、それぞれの表面抵抗値をもとに表面抵抗値の環境変動値を求めた。その結果を表1に併記する。尚、表面抵抗値の環境変動値の変化が小さいほど環境依存性が小さいことになる。
上記表面抵抗値の環境変動値は、10℃×15%RH環境下での表面抵抗値の常用対数と35℃×85%RH環境下での表面抵抗値の常用対数の差より算出される。より具体的には以下の計算式で算出される。
表面抵抗値の環境変動値=[log10(10℃×15%RHでの表面抵抗値)−log10(35℃×85%RHでの表面抵抗値)]
<水膨張率評価>
乾燥させた実施例1〜3及び比較例1〜3の成形体から面積2cm×5cmの試験片を切り出し、35℃の水に24時間浸漬した。乾燥状態における試験片寸法(面積)からの膨張率を以下の式より算出して35℃における膨張率として、表1に併記する。尚、膨張率が100%に対して変化が少ないほど寸法安定性が高いことになる。
(35℃の水に浸漬時における)水膨張率(%)=((35℃の水に24時間浸漬時の試験片寸法)/乾燥状態における試験片寸法)×100
実施例、及び比較例で得られた各ポリエーテル共重合体を用いた成形体の評価は次の通りである。表1中、実施例1〜3のポリエーテル共重合体を用いた成形体は、環境変動評価が0.7〜1.6であり、さらに水膨張率が100〜103%前後であり、環境依存性が低く、水浸漬時のおける寸法変化が少ない点で優れていることが明らかである。一方、本発明範囲外であるエチレンオキシドが35モル%より大きいポリエーテル重合体を用いた比較例1〜3の成形体は、実施例1〜3の成形体に対して、表面抵抗値は低いものの、環境依存性が高く、水浸漬時の寸法変化が大きい点で著しく劣る。