JP2019084971A - インストルメントパネルビーム及びこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、樹脂製ブラケットに対する接合密着性に優れたアルミニウム合金製のインストルメントパネルビーム並びにこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体を提供する。【解決手段】アルミニウム合金からなる管を基材として形成され、樹脂製ブラケットと接合するための接合部を有するインストルメントパネルビームであって、接合部は、管の円周方向に沿って測定したときの十点平均粗さRzJISが100μm〜500μmである表面凹凸と、表面凹凸上に形成された接着層とを有し、かつ、接着層を形成するために用いられる接着剤の塗布量が、1〜7g/m2であるインストルメントパネルビーム。【選択図】図1
Description
本発明は、インストルメントパネルビーム、特に樹脂製ブラケットとの接合密着性に優れたアルミニウム合金製のインストルメントパネルビーム及びこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体に関する。
一般に、自動車などの車両には、車室内の前部に、各種メータ、オーディオ機器、エアバッグ等の機器が設置されたインストルメントパネル(以下、単に「インパネ」ともいう。)が備えられている。このインパネの内部には、ほぼ車幅方向に延設され、左右の車体パネル間を連結する筒状のインストルメントパネルビーム(インパネビーム、インパネリインフォースメント、クロスカービーム、ステアリングハンガビームともいう。)が設けられている。インストルメントパネルビームは、各種部材を取付けるためのブラケットを接合し、インストルメントパネルビーム接合体として車体に組み付けられている。
インストルメントパネルビーム接合体は、ステアリング、エアコン、オーディオ機器等を取り付ける自動車部品であるため、これらの装置、機器等を支える強度が必要とされる。一方、近年の深刻化する環境問題へ対応するため、自動車の燃費向上等を意識した自動車部品の軽量化が求められている。このような軽量化に対応するため、アルミニウム合金製のインストルメントパネルビームの適用が検討されている。また、さらなる軽量化のため、インストルメントパネルビームの肉厚を薄くしたり、あるいは、ブラケットをプラスチック等の樹脂により形成することも検討されている。
インストルメントパネルビーム接合体をより軽量化するために、ブラケットの樹脂化は有効である。この場合、予め成形した樹脂製ブラケットを加熱したインストルメントパネルビームに圧着することで樹脂製ブラケットとインストルメントパネルビームとを接合することは可能である。しかしながら、ブラケットの形状は複雑である。そのため、樹脂製ブラケットをインストルメントパネルビームに低コストで接合するためには圧着成形よりも射出成形の方が望ましい。
また、ブラケットには、ステアリングのような比較的重い装置も取付けられるため、ブラケットとインストルメントパネルビームとが接合される部分には、インストルメントパネルビームの長さ方向(車幅方向)に対し、各種部品の荷重が直角に作用する。つまり、トルクが発生する。このため、ブラケットにトルクがかかってもこれらが剥離しない高い接合密着性が要求される。
ところで、インストルメントパネルビームは、横断面が円形または円形に近い形である管を基材として形成されている。ブラケットとインストルメントパネルビームの接合部の長手方向に作用する負荷は直線的なので、長手方向への負荷には比較的強いものの、円周方向には、ブラケットの長さに比例したトルクがかかり、円周方向の曲面で回転しやすくなるため、特に、ブラケットとインストルメントパネルビームの円周方向の接合密着性を向上させることが必要である。よって、インストルメントパネルビームの円周方向においては、より高い接合密着性が要求される。また、上記装置、機器等を支えるため、インストルメントパネルビームは機械的強度の観点から金属製であることが要求される。しかしながら、金属製のインストルメントパネルビームと樹脂製ブラケットとの接合は異種材料間での接合であるため、インストルメントパネルビーム接合体として十分な接合密着性が得られない場合があった。
さらに、真夏の炎天下では、車内のインパネは80℃近い高温になる場合もあり、夜間と日中の温度差によって、インストルメントパネルビーム接合体には冷熱サイクルに伴う応力が繰り返し加えられることになる。この場合、プラスチック等の樹脂とアルミニウム等の金属とでは熱膨張率が大きく異なるため、接合体を構成する金属と樹脂との界面で大きな熱応力が作用し、金属と樹脂とが剥離しやすい。このため、単純に金属製のインストルメントパネルビームの外表面を粗面化して表面に凹凸を形成し、樹脂製ブラケットとの接合部における樹脂のアンカー効果を期待しても、このような効果が顕著であるインストルメントパネルビーム接合体を製造した直後の段階では、接合密着性は十分であるものの、冷熱サイクルが繰り返されると、接合密着性が次第に低下してしまう場合があった。
このような問題点に鑑み、特許文献1には、アルミニウム合金等の金属材料を用いて形成された筒状部に、内部と外部とを連通させた固定孔と、該固定孔と対向する内周壁部とを設けたインパネリインフォースメントが開示されている。また、特許文献1には、固定孔と内周壁部との間に樹脂材料を侵入させることにより、樹脂ブラケットのアンカー部を形成させ、樹脂ブラケットとインパネリインフォースメントとが機械的に接合されたインパネリインフォースメント構造が開示されている。しかしながら、この構造は、インパネリインフォースメントの内部に、樹脂ブラケットのアンカー部を固定させるための内周壁部を形成する必要があるため、インパネリインフォースメントの加工が複雑かつ高コストである。また、特許文献1には、インパネリインフォースメントの表面粗さ、さらには冷熱サイクル後の接合密着性については何ら言及されていない。
特許文献2には、アルミニウム管とポリアミド樹脂との接着性を向上させるため、アルミニウム管の外周面に、有機官能基としてエポキシ基を有するシランカップリング剤を含むエポキシ樹脂・フェノール樹脂混合プライマー層を設けることが開示されている。しかしながら、インストルメントパネルビーム接合体は、比較的狭い接合面積において高い接合密着性が要求されるため、この方法では接合密着性が不十分な場合があった。また、特許文献2には、冷熱サイクル後の接合密着性についても何ら言及されておらず、さらに、樹脂は加熱加圧硬化により基板に接合密着された成形体であって、インストルメントパネルビーム接合体に用いられるブラケットの形状は複雑であるため、係る樹脂の加熱加圧硬化技術はインストルメントパネルビーム接合体の製造には適さない。
本発明は、樹脂製ブラケットに対する接合密着性に優れたアルミニウム合金製のインストルメントパネルビーム並びにこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体を提供することを目的とする。
本発明の態様は、アルミニウム合金からなる管を基材として形成され、樹脂製ブラケットと接合するための接合部を有するインストルメントパネルビームであって、前記接合部は、管の円周方向に沿って測定したときの十点平均粗さRzJISが100μm〜500μmである表面凹凸と、前記表面凹凸上に形成された接着層とを有し、かつ、前記接着層を形成するために用いられる接着剤の塗布量が、1〜7g/m2であるインストルメントパネルビームである。
本発明の態様は、上記インストルメントパネルビームと、該インストルメントパネルビームに接合された前記樹脂製ブラケットとで構成されたインストルメントパネルビーム接合体である。
本発明の態様は、前記接着層が、エポキシ系接着剤を含み、かつ、前記樹脂製ブラケットを構成する樹脂が、ポリアミド、または繊維強化されたもしくはエラストマ変性されたポリアミドであるインストルメントパネルビーム接合体である。
本発明の態様は、前記接着層が、接着助剤としてシランカップリング剤をさらに含むインストルメントパネルビーム接合体である。
本発明の態様は、前記接着層が、変性ポリオレフィン系接着剤を含み、かつ、前記樹脂製ブラケットを構成する樹脂が、ポリプロピレン、または繊維強化されたもしくはエラストマ変性されたポリプロピレンであるインストルメントパネルビーム接合体である。
本発明の態様によれば、アルミニウム合金からなる管を基材として形成されたインストルメントパネルビームが、脂製ブラケットと接合するための接合部を有し、該接合部が、管の円周方向に沿って測定したときの十点平均粗さRzJISが100μm〜500μmである表面凹凸と、前記表面凹凸上に形成された接着層とを有し、該接着層を形成するために用いられる接着剤の塗布量が、1〜7g/m2である。接着剤の塗布量を1〜7g/m2にすることにより、樹脂製ブラケットが表面凹凸の凹部内の十分な深さまで入り込み、表面凹凸に沿って形成された接着層により強固に接合されることとなる。そのため、樹脂製ブラケットに対する接合密着性に優れたインストルメントパネルビーム、並びにこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体を得ることができる。また、樹脂製ブラケットとアルミニウム合金製のインストルメントパネルビームとを低コストである射出成形により正常に接合することができる。
本発明の態様によれば、接着層が、エポキシ系接着剤を含み、かつ、樹脂製ブラケットを構成する樹脂が、ポリアミド、または繊維強化されたもしくはエラストマ変性されたポリアミドであることにより、高強度の樹脂で作製したブラケットに対して接合密着性が高いインストルメントパネルビーム接合体を得ることができる。
本発明の態様によれば、接着層が、接着助剤としてシランカップリング剤をさらに含むことにより、接合密着性がさらに向上する。
本発明の態様によれば、接着層が、変性ポリオレフィン系接着剤を含み、かつ、樹脂製ブラケットを構成する樹脂が、ポリプロピレン、または繊維強化されたもしくはエラストマ変性されたポリプロピレンであることにより、高強度の樹脂で作製したブラケットに対して接合密着性が高いインストルメントパネルビーム接合体を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
[インストルメントパネルビーム]
本発明に係るインストルメントパネルビーム(以下、単に「ビーム」ともいう。)は、アルミニウム合金からなる管を基材として形成され、樹脂製ブラケット(以下、単に「ブラケット」ともいう。)と接合するための接合部を有している。基材としてのアルミニウム合金は、市販されているアルミニウム合金管を使用することができるが、板状のアルミニウム合金をロール成形により断面が円形になるように成形し、両端部を溶接して、いわゆるシーム管を形成してもよい。また、その断面形状は、円形である必要はなく、楕円、多角形等でもよい。なお、本発明において、「接合部」とは、表面凹凸と接着層とが形成されたビームの部分を意味し、これらの双方が形成される前の当該接合部に相当するビームの部分を、「接合部相当部分」と呼ぶ。
本発明に係るインストルメントパネルビーム(以下、単に「ビーム」ともいう。)は、アルミニウム合金からなる管を基材として形成され、樹脂製ブラケット(以下、単に「ブラケット」ともいう。)と接合するための接合部を有している。基材としてのアルミニウム合金は、市販されているアルミニウム合金管を使用することができるが、板状のアルミニウム合金をロール成形により断面が円形になるように成形し、両端部を溶接して、いわゆるシーム管を形成してもよい。また、その断面形状は、円形である必要はなく、楕円、多角形等でもよい。なお、本発明において、「接合部」とは、表面凹凸と接着層とが形成されたビームの部分を意味し、これらの双方が形成される前の当該接合部に相当するビームの部分を、「接合部相当部分」と呼ぶ。
<基材>
アルミニウム合金は、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム−銅系合金(Al−Cu系合金)、アルミニウム−マンガン系合金(Al−Mn系合金)、アルミニウム−ケイ素系合金(Al−Si系合金)、アルミニウム−マグネシウム系合金(Al−Mg系合金)、アルミニウム−マグネシウム−ケイ素系合金(Al−Mg−Si系合金)、アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系合金(Al−Zn−Mg系合金)等のアルミニウム合金を用いることができる。より高い強度が付与される観点から、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg系合金が好ましい。
アルミニウム合金は、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム−銅系合金(Al−Cu系合金)、アルミニウム−マンガン系合金(Al−Mn系合金)、アルミニウム−ケイ素系合金(Al−Si系合金)、アルミニウム−マグネシウム系合金(Al−Mg系合金)、アルミニウム−マグネシウム−ケイ素系合金(Al−Mg−Si系合金)、アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系合金(Al−Zn−Mg系合金)等のアルミニウム合金を用いることができる。より高い強度が付与される観点から、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg系合金が好ましい。
このようなアルミニウム合金として、例えば、JIS H4080の規格における合金番号A2014、A2017、A2024、A2219のAl−Cu系合金、合金番号A3003、A3004のAl−Mn系合金、合金番号A4032のAl−Si系合金、合金番号A5052、A5056、A5083、A5154、A5182、A5454、A5N01のAl−Mg系合金、合金番号A6061、A6063、A6N01のAl−Mg−Si系合金、合金番号A7003、A7050、A7075、A7178、A7N01のAl−Zn−Mg系合金等を用いることができる。
<ブラケット>
ブラケットは、ビームと接合するための取付部位とインパネ内の他の部品と装着するための装着部位を有している。ブラケットは、左右の車体パネルに取付けるためのサイドブラケット、ステアリングコラムを取付けるためのコラムブラケット、ダッシュパネルなどに支持させるためのポストブラケット等、各種部品への装着に応じてビームに接合することができる。ブラケットの形状は、取付部位がビームと接合することができれば、特に限定されるものではなく、ビームが適用される自動車のインパネ内の状況、ブラケットに装着する部品の形状、重量等に応じて適宜設計することができる。また、ブラケットを構成する樹脂は、特に限定されるものではないが、ブラケットの製造コストや強度の観点から、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)であることが好ましい。また、これらの樹脂の強度向上、剛性向上、耐衝撃性向上などのため、グラスファイバ、カーボンファイバ等の繊維あるいはエラストマをさらに添加した、繊維強化されたまたはエラストマ変性されたポリアミド、繊維強化されたまたはエラストマ変性されたポリプロピレンの使用も有効である。このような樹脂で作製したブラケットを使用することにより、高強度の樹脂で作製したブラケットに対して接合密着性が高いインストルメントパネルビーム接合体を得ることができる。
ブラケットは、ビームと接合するための取付部位とインパネ内の他の部品と装着するための装着部位を有している。ブラケットは、左右の車体パネルに取付けるためのサイドブラケット、ステアリングコラムを取付けるためのコラムブラケット、ダッシュパネルなどに支持させるためのポストブラケット等、各種部品への装着に応じてビームに接合することができる。ブラケットの形状は、取付部位がビームと接合することができれば、特に限定されるものではなく、ビームが適用される自動車のインパネ内の状況、ブラケットに装着する部品の形状、重量等に応じて適宜設計することができる。また、ブラケットを構成する樹脂は、特に限定されるものではないが、ブラケットの製造コストや強度の観点から、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)であることが好ましい。また、これらの樹脂の強度向上、剛性向上、耐衝撃性向上などのため、グラスファイバ、カーボンファイバ等の繊維あるいはエラストマをさらに添加した、繊維強化されたまたはエラストマ変性されたポリアミド、繊維強化されたまたはエラストマ変性されたポリプロピレンの使用も有効である。このような樹脂で作製したブラケットを使用することにより、高強度の樹脂で作製したブラケットに対して接合密着性が高いインストルメントパネルビーム接合体を得ることができる。
接合部相当部分は、ビームの基材となるアルミニウム合金からなる管(以下、「基体」ともいう。)に表面凹凸を形成させるため、基体の外周面に形成されていることが好ましい。接合部相当部分は、外周面全体であってもよく、外周面の一部であってもよい。接合部相当部分は、ブラケットの取付部位がビームの外周面と接合する位置に相当する。また、複数のブラケットが、ビームの外周面に接合されていてもよく、ビームの長手方向(車幅方向)の中央、末端等、ブラケットを装着する部品に応じて適宜設計することができる。接合部相当部分の面積も、特に限定されるものではなく、各ブラケットに要求される強度に応じて、適宜設計することができる。
また、接合部相当部分には、基体の円周方向に沿って測定したときの十点平均粗さRzが100μm〜500μm、好ましくは300μm〜500μmである表面凹凸が形成されている。接合部相当部分に施す接着剤はこの表面凹凸に沿って形成される。つまり、ブラケットとしての樹脂は、表面凹凸による大きなアンカー効果と凹凸状に施された接着層の接着面積の増大により密着性を上げることができる。十点平均粗さRzJISが100μm未満では、樹脂が十分に表面凹凸の凹部内に入り込まず、冷熱サイクル後の接合密着性が十分ではない。一方、十点平均粗さRzJISが500μmを超えると、ブラケットの射出成形時に樹脂が漏れてしまい、正常な射出成形ができなくなる。接合部相当部分に十点平均粗さRzJISが比較的大きい表面凹凸を形成することにより、見かけの面積におけるブラケットとビームとの実接合面積が大きくなると共に、射出成形により、ブラケットを構成する樹脂が表面凹凸の凹部内により深く入り込むため、ブラケットに対する接合密着性が増大する。そのため、単に基体の表面を粗面化するだけでなく、十分な深さまで樹脂を凹部内入り込ませることが重要である。したがって、十点平均粗さRzJISが上記範囲内である表面凹凸を基体の外表面に形成することにより、ブラケットに対する接合密着性が増大し、ブラケットに対する接合密着性が高いビームを得ることができる。
一方、インパネ内におけるトルクの影響により、ブラケットが破壊し、インストルメントパネルビームから剥がれてしまう恐れがある。特に、インストルメントパネルビームは長手方向に作用する負荷には比較的強いものの、円周方向に作用するトルクの負荷には十分に対抗できず、ブラケットとインストルメントパネルビームとが接合される部分が剥離してブラケットのビームに対する所期しない回転移動が生じやすい。そのため、インストルメントパネルビームの円周方向のトルクにおけるブラケットとの接合密着性をより高くする必要がある。なお、ブラケットとインストルメントパネルビームとが接合される部分の接合密着性として、最低限、ブラケットにトルクをかけたとき、ブラケットがインストルメントパネルビームに対して回転したり破壊したりしないような程度の接合密着性を有することが要求される。
ここで、円周方向における十点平均粗さRzJISとは、図1に示されるように、インストルメントパネルビーム1の中心軸Xと平行な長手方向Lに対して垂直に円周方向Cに沿って測定したビームの外周面の表面粗さを意味する。十点平均粗さRzJISは、表面粗さ測定機等により試料表面の表面形状を計測することで得られる表面粗さであり、具体的には、ビームの外周面に形成された微小な凹凸の程度を数値化したものである。例えば、本発明に係るビームを表面粗度計や形状測定機、レーザー顕微鏡等により、ビームの円周方向における十点平均粗さRzJISを測定することができる。ビーム断面形状が直線ではない場合、形状測定機で測定することが望ましい。
また、本発明に係るビームにおいて、接合部の表面凹凸上には、接着剤の塗布量が1g/m2〜7g/m2になるように接着層が形成されている。接着剤の塗布量が1g/m2未満では、接着層の形成に用いられる接着剤の接合力が不足し、十分な接合密着性が得られない。一方、接着剤の塗布量が7g/m2を超えると、接着剤の使用量が増大しコスト増になるだけでなく、表面凹凸の凹部内に接着剤が過剰に埋まってしまい、ブラケットを構成する樹脂が凹部内に十分に入り込まない。これにより接着剤が凝集破壊しやすくなり、その結果、冷熱サイクル後に十分な接合密着性が得られない。なお、接着剤の塗布量には、接着助剤、揮発性有機溶剤の量は含まれない。
<接着剤成分>
(接着剤)
接着層を構成する接着剤は、特に限定されるものではなく、ブラケットを構成する樹脂の種類により適宜選択することができる。接着剤の例としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤等が挙げられる。接着剤は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、エポキシ系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤は、ブラケットを構成する樹脂として強度が比較的高いポリアミド樹脂、ポリプロピレンとの接着性がそれぞれよいため好ましい。また、これらの接着剤は、合成品であっても市販品であってもよい。
(接着剤)
接着層を構成する接着剤は、特に限定されるものではなく、ブラケットを構成する樹脂の種類により適宜選択することができる。接着剤の例としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤等が挙げられる。接着剤は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、エポキシ系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤は、ブラケットを構成する樹脂として強度が比較的高いポリアミド樹脂、ポリプロピレンとの接着性がそれぞれよいため好ましい。また、これらの接着剤は、合成品であっても市販品であってもよい。
(接着助剤)
接着層には、さらに接着助剤が含まれていてもよい。接着助剤は、接着剤の接着強度を向上させると共に接着性付与成分としての作用を有する成分である。接着助剤は、特に限定されるものではないが、シランカップリング剤が好適に使用される。シランカップリング剤の具体例としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのようなエポキシ系官能基を有するシランカップリング剤は、エポキシ系接着剤、特にエポキシフェノール樹脂系接着剤との相容性がよく、安定性に優れているため好ましい。シランカップリング剤の含有量は、接着剤100質量部に対して0.3質量部〜3質量部が好ましく、0.5質量部〜2質量部がより好ましい。
接着層には、さらに接着助剤が含まれていてもよい。接着助剤は、接着剤の接着強度を向上させると共に接着性付与成分としての作用を有する成分である。接着助剤は、特に限定されるものではないが、シランカップリング剤が好適に使用される。シランカップリング剤の具体例としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのようなエポキシ系官能基を有するシランカップリング剤は、エポキシ系接着剤、特にエポキシフェノール樹脂系接着剤との相容性がよく、安定性に優れているため好ましい。シランカップリング剤の含有量は、接着剤100質量部に対して0.3質量部〜3質量部が好ましく、0.5質量部〜2質量部がより好ましい。
接着剤は、表面凹凸上に直接塗布してもよく、あるいは、シンナー類、アセトン、アルコールなどの公知の揮発性有機溶剤で希釈し、粘度が調節された接着剤組成物として表面凹凸上に塗布してもよい。接着剤組成物の粘度は、特に限定されるものではなく、塗布方法に応じて適宜調整される。また、接着層にさらに接着助剤が含まれる場合、接着助剤も接着剤組成物中に含まれていてもよい。
接着層の厚さは、接着剤の塗布量が1g/m2〜7g/m2になるように接着層が形成されていればよく、好ましくは1.5μm〜5μmであり、より好ましくは2μm〜4μmである。接着層は、接合部相当部分に形成された表面凹凸上に特定の塗布量の接着剤を施した後、適切な温度、好ましくは60℃〜200℃で乾燥又は熱処理を行うことによって形成することができる。
このように、接合部が、十点平均粗さRzJISが十分に大きい表面凹凸を有し、かつ、表面凹凸に沿って接着剤を特定の塗布量で塗布し、表面凹凸上に所望とする接着層が形成されることにより、表面凹凸の凹部内にブラケットを構成する樹脂が侵入し、さらに接着層が凹凸状に施され接着面積が増大する。これにより、本発明に係るビームは、ブラケットとの接合について優れた接合密着性を得ることができる。十点平均粗さRzJISが100μm〜500μmの比較的粗い表面凹凸が基体の外表面に形成されているだけでは、表面凹凸の凹部内に樹脂がうまく入り込まず、インストルメントパネルビームと樹脂製ブラケットとを接合することができない。一方、表面凹凸上にさらに所望の塗布量の接着剤を施して接着層を形成し、この接着層を介して樹脂製ブラケットが接合されることにより、インストルメントパネルビームと樹脂製ブラケットとを十分な接着強度で接合できるとともに、冷熱サイクルが繰り返えされても、表面凹凸の凹部と樹脂との間に間隙はほとんど形成されず、良好な接合密着性を維持できる。したがって、接合部が、十点平均粗さRzJISが上記範囲内である表面凹凸を有し、さらに、表面凹凸上に、接着剤の塗布量が1g/m2〜7g/m2になるように接着層が形成されることにより、ブラケットに対して高い接合密着性を有し、さらには冷熱サイクル後も良好な接合密着性を示すビームを得ることができる。
(インストルメントパネルビーム接合体)
本発明に係るインストルメントパネルビーム接合体(以下、単に「接合体」ともいう。)は、上記ビームと、当該ビームに接合された上記樹脂製ブラケットとで構成されている。したがって、得られた接合体も上記ビームを備えるため、ブラケットに対する接合密着性に優れている。また、本発明に係る接合体の製造過程において、ブラケットとなる樹脂を、表面凹凸と該表面凹凸上に形成された接着層とを有するビーム表面上、つまり接合部に射出成形により正常に接合することができるため、圧着成形よりも低コストで作製することも可能である。そのため、本発明に係る接合体において、好ましくは、ビームに接合されているブラケットは、ビームの接合部の表面上に形成された射出成形体である。
本発明に係るインストルメントパネルビーム接合体(以下、単に「接合体」ともいう。)は、上記ビームと、当該ビームに接合された上記樹脂製ブラケットとで構成されている。したがって、得られた接合体も上記ビームを備えるため、ブラケットに対する接合密着性に優れている。また、本発明に係る接合体の製造過程において、ブラケットとなる樹脂を、表面凹凸と該表面凹凸上に形成された接着層とを有するビーム表面上、つまり接合部に射出成形により正常に接合することができるため、圧着成形よりも低コストで作製することも可能である。そのため、本発明に係る接合体において、好ましくは、ビームに接合されているブラケットは、ビームの接合部の表面上に形成された射出成形体である。
(ビームおよび接合体の製造方法)
次に、本発明にしたがうビームおよび接合体の製造方法について、以下に具体的に例示しながら説明する。
次に、本発明にしたがうビームおよび接合体の製造方法について、以下に具体的に例示しながら説明する。
(ビームの製造)
まず、本発明に係るビームの基材となるアルミニウム合金からなる管を用意する。次いで、この管の接合部相当部分の表面を粗面化し、接合部相当部分に所定の表面粗さを有する表面凹凸を形成する。粗面化の手段は特に限定されるものではなく、例えば、研磨紙、研磨器具、研磨機などを用いた機械的な研磨による粗面化であっても、化学研磨、電解研磨などの非機械的な研磨による粗面化であってもよい。また、便宜上研磨としているが、基体の表面に所定の表面粗さを有する表面凹凸を形成することができれば、特に研磨である必要はない。さらに、粗面化した基体の表面に所定量の接着剤または所定量の接着剤を含む接着剤組成物を施し、適切な温度で乾燥又は熱処理を行うことで表面凹凸上に接着層を形成する。接着剤または接着剤組成物の塗布方法、条件は、特に限定されるものではないが、例えば、スプレーにより行うことができる。これにより、本発明に係るビームを製造することができる。
まず、本発明に係るビームの基材となるアルミニウム合金からなる管を用意する。次いで、この管の接合部相当部分の表面を粗面化し、接合部相当部分に所定の表面粗さを有する表面凹凸を形成する。粗面化の手段は特に限定されるものではなく、例えば、研磨紙、研磨器具、研磨機などを用いた機械的な研磨による粗面化であっても、化学研磨、電解研磨などの非機械的な研磨による粗面化であってもよい。また、便宜上研磨としているが、基体の表面に所定の表面粗さを有する表面凹凸を形成することができれば、特に研磨である必要はない。さらに、粗面化した基体の表面に所定量の接着剤または所定量の接着剤を含む接着剤組成物を施し、適切な温度で乾燥又は熱処理を行うことで表面凹凸上に接着層を形成する。接着剤または接着剤組成物の塗布方法、条件は、特に限定されるものではないが、例えば、スプレーにより行うことができる。これにより、本発明に係るビームを製造することができる。
(接合体の製造)
上記のようにして得られた本発明に係るビームに、ブラケットを射出成形し、ビームの接合部にブラケットを接合させる。射出成形の方法、条件は、特に限定されるものではないが、例えば、射出成形機を用いて、ブラケットの材料となる樹脂をシリンダ内で溶融し、次いで溶融した樹脂を、ブラケットの形状に相当する金型内に射出し、金型内部で保圧、冷却により樹脂を固化させた後、金型を取り出すことにより行うことができる。こうして、本発明に係る接合体を製造することができる。
上記のようにして得られた本発明に係るビームに、ブラケットを射出成形し、ビームの接合部にブラケットを接合させる。射出成形の方法、条件は、特に限定されるものではないが、例えば、射出成形機を用いて、ブラケットの材料となる樹脂をシリンダ内で溶融し、次いで溶融した樹脂を、ブラケットの形状に相当する金型内に射出し、金型内部で保圧、冷却により樹脂を固化させた後、金型を取り出すことにより行うことができる。こうして、本発明に係る接合体を製造することができる。
以下の実施例に基づき、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜14および比較例1〜8]
以下の製法にて各試験片を作製し、下記の評価を行った。その結果を表2に示す。
以下の製法にて各試験片を作製し、下記の評価を行った。その結果を表2に示す。
(1)インストルメントパネルビームの製造
材質(合金番号)がA5052、外径が40mm、厚みが4mm、長さが150mmのアルミニウム合金からなる管の接合部相当部分に相当する表面を、表2に示す研磨紙、研磨器具(エメリー紙、ヤスリ、ワイヤーブラシ等)により粗面化して、接合部相当部分に種々の表面粗さ(十点平均粗さRzJIS)を有する表面凹凸を形成した。次いで、粗面化したアルミニウム合金からなる管に、表2に示す条件で接着剤成分(接着剤、接着助剤としてのシランカップリング剤)と、揮発性有機溶剤とを含む接着剤組成物をスプレー法により塗布し、揮発性有機溶剤を揮発させ、接着層を形成した。接着剤は、エポキシ系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤を使用し、シランカップリング剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用した。シランカップリング剤は、エポキシ系接着剤100質量部に対して1質量部使用した。揮発性有機溶剤として、エポキシ系接着剤にはエポキシシンナーを、変性ポリオレフィン系接着剤にはラッカーシンナーをそれぞれ用いて希釈し、表2中に示した塗布量で各接着剤がスプレー法により塗布されるように接着剤組成物を調節した。このようにして、種々の表面凹凸および所定の塗布量の接着剤を用いて形成された接着層を有するインストルメントパネルビームを製造した。但し、比較例2、6では、表面凹凸上に接着剤の塗布を行っていないため、接着層は形成されていない。
材質(合金番号)がA5052、外径が40mm、厚みが4mm、長さが150mmのアルミニウム合金からなる管の接合部相当部分に相当する表面を、表2に示す研磨紙、研磨器具(エメリー紙、ヤスリ、ワイヤーブラシ等)により粗面化して、接合部相当部分に種々の表面粗さ(十点平均粗さRzJIS)を有する表面凹凸を形成した。次いで、粗面化したアルミニウム合金からなる管に、表2に示す条件で接着剤成分(接着剤、接着助剤としてのシランカップリング剤)と、揮発性有機溶剤とを含む接着剤組成物をスプレー法により塗布し、揮発性有機溶剤を揮発させ、接着層を形成した。接着剤は、エポキシ系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤を使用し、シランカップリング剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用した。シランカップリング剤は、エポキシ系接着剤100質量部に対して1質量部使用した。揮発性有機溶剤として、エポキシ系接着剤にはエポキシシンナーを、変性ポリオレフィン系接着剤にはラッカーシンナーをそれぞれ用いて希釈し、表2中に示した塗布量で各接着剤がスプレー法により塗布されるように接着剤組成物を調節した。このようにして、種々の表面凹凸および所定の塗布量の接着剤を用いて形成された接着層を有するインストルメントパネルビームを製造した。但し、比較例2、6では、表面凹凸上に接着剤の塗布を行っていないため、接着層は形成されていない。
表面粗さは、ミツトヨ社製形状測定機C−3000を用いて、図1に示されるようなインストルメントパネルビームの円周方向Cに沿った外周面の長さ10mmの範囲の十点平均粗さRzJISを、JIS B 0601:2001規格に準じて測定した。
(表面粗さ測定条件)
上記測定機の制御ソフトの計算ダイアログボックスにて以下のように設定した。
定義:Revised、カットオフ値:デフォルト値(評価長さ)、補正:なし、MRスライス・レベル:10%、
プロファイル:R、フィルタ:Gaussian、Smカウント・レベル:10%
上記測定機の制御ソフトの計算ダイアログボックスにて以下のように設定した。
定義:Revised、カットオフ値:デフォルト値(評価長さ)、補正:なし、MRスライス・レベル:10%、
プロファイル:R、フィルタ:Gaussian、Smカウント・レベル:10%
(2)インストルメントパネルビーム接合体の製造
上記の方法により製造した各インストルメントパネルビームに、表1に示す種々の樹脂製ブラケット(接合部:幅30mm×周長63mm、ブラケット:幅30mm×高さ30mm×長さ100mm)を射出成形し、インストルメントパネルビーム接合体を製造した。射出成形は、最大型締め力85t、最大射出量110mlの熱可塑性樹脂用射出成形機(日本製鋼所社製J85AD−110H)を使用した。
上記の方法により製造した各インストルメントパネルビームに、表1に示す種々の樹脂製ブラケット(接合部:幅30mm×周長63mm、ブラケット:幅30mm×高さ30mm×長さ100mm)を射出成形し、インストルメントパネルビーム接合体を製造した。射出成形は、最大型締め力85t、最大射出量110mlの熱可塑性樹脂用射出成形機(日本製鋼所社製J85AD−110H)を使用した。
(射出成形条件)
ブラケットを構成する樹脂は、PP(ポリプロピレン)、PA610(ポリアミド610)の2種類から選択し、以下の表1に示す条件で射出成形した。なお、PPは水分を吸収しないため、樹脂の乾燥は実施していない。
ブラケットを構成する樹脂は、PP(ポリプロピレン)、PA610(ポリアミド610)の2種類から選択し、以下の表1に示す条件で射出成形した。なお、PPは水分を吸収しないため、樹脂の乾燥は実施していない。
(3)評価方法
(3−1)射出成形状況
前記条件にて射出成形を行った際、樹脂製ブラケットの成形状況を目視にて判定した。判定結果は、以下の通りである。
○:ほとんどバリなく正常
×:大きなバリが発生し、インストルメントパネルビームとして使用不可
(3−1)射出成形状況
前記条件にて射出成形を行った際、樹脂製ブラケットの成形状況を目視にて判定した。判定結果は、以下の通りである。
○:ほとんどバリなく正常
×:大きなバリが発生し、インストルメントパネルビームとして使用不可
(3−2)接合密着性評価
(初期)
樹脂ブラケットが接合されたインストルメントパネルビームに、内径41mmの鋼管をかぶせ、万能試験機にて10mm/分の速度で圧縮し、樹脂製ブラケットが破壊されたときの剪断応力(MPa)を測定した。初期の接合密着性の判定結果は、以下の通りである。「◎」、「〇」の場合、樹脂ブラケットとインストルメントパネルビームとの接合において、高い接合密着性が得られていると評価し、「×」の場合、十分な接合密着性が得られていないと評価した。
◎:剪断応力30MPa以上
〇:剪断応力20MPa以上、30MPa未満
×:剪断応力20MPa未満
(初期)
樹脂ブラケットが接合されたインストルメントパネルビームに、内径41mmの鋼管をかぶせ、万能試験機にて10mm/分の速度で圧縮し、樹脂製ブラケットが破壊されたときの剪断応力(MPa)を測定した。初期の接合密着性の判定結果は、以下の通りである。「◎」、「〇」の場合、樹脂ブラケットとインストルメントパネルビームとの接合において、高い接合密着性が得られていると評価し、「×」の場合、十分な接合密着性が得られていないと評価した。
◎:剪断応力30MPa以上
〇:剪断応力20MPa以上、30MPa未満
×:剪断応力20MPa未満
(冷熱サイクル試験後)
樹脂ブラケットが接合されたインストルメントパネルビームを、冷熱サイクル試験機にて0℃にて30分、100℃にて30分のサイクルを100サイクル行った後、初期の接合密着性の測定と同じように剪断応力(MPa)を測定した。冷却サイクル試験後の接合密着性の判定結果は、以下の通りである。「◎」、「〇」の場合、樹脂ブラケットとインストルメントパネルビームとの接合において、冷熱サイクル試験後も良好な接合密着性が得られていると評価し、「×」の場合、十分な接合密着性が得られていないと評価した。
◎:剪断応力30MPa以上
〇:剪断応力20MPa以上、30MPa未満
×:剪断応力20MPa未満
樹脂ブラケットが接合されたインストルメントパネルビームを、冷熱サイクル試験機にて0℃にて30分、100℃にて30分のサイクルを100サイクル行った後、初期の接合密着性の測定と同じように剪断応力(MPa)を測定した。冷却サイクル試験後の接合密着性の判定結果は、以下の通りである。「◎」、「〇」の場合、樹脂ブラケットとインストルメントパネルビームとの接合において、冷熱サイクル試験後も良好な接合密着性が得られていると評価し、「×」の場合、十分な接合密着性が得られていないと評価した。
◎:剪断応力30MPa以上
〇:剪断応力20MPa以上、30MPa未満
×:剪断応力20MPa未満
実施例1〜14の試験片は、いずれも正常に射出成形可能であり、また、初期の剪断応力も全て20MPa以上であることから、樹脂ブラケットとインストルメントパネルビームとの接合においても、高い接合密着性が得られていた。さらに、冷熱サイクル試験後の剪断応力も全て20MPa以上であることから、冷熱サイクル試験後も良好な接合密着性が得られていた。
比較例1、5の試験片は、接着剤の塗布量が1g/m2未満であり、接着剤の接合力が足りていないため、初期、冷熱サイクル試験後ともに剪断応力が20MPa以下であり、十分な接合密着性が得られなかった。
比較例2、6の試験片は、接着層が形成されていないため、樹脂ブラケットとインストルメントパネルビームとが接合されなかった。
比較例7の試験片は、接着剤の塗布量が7gm2より大きく、表面凹凸の凹部内に接着剤が過剰に埋まってしまい、樹脂が十分に凹部内に入り込まず、冷熱サイクル試験後は十分な接合密着性が得られなかった。
比較例3の試験片は、十点平均粗さRzJISが500μmよりも大きく、粗面化をやり過ぎており、インストルメントパネルビームの表面に大きな溝が存在し、射出成形時に樹脂が漏れ出してしまった。そのため、正常な射出成形ができなかった。
比較例4、8の試験片は、十点平均粗さRzJISが100μm未満であり、樹脂が十分に表面凹凸の凹部に入り込まず、冷熱サイクル試験後は十分な接合密着性が得られなかった。
本発明によれば、樹脂製ブラケットに対する接合密着性が高く、かつ、冷熱サイクル後も良好な接合密着性を示す、アルミニウム合金製のインストルメントパネルビーム並びにこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体を提供することが可能になった。本発明に係るインストルメントパネルビーム並びにこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体は、自動車のインストルメントパネル内に使用可能であり、真夏の炎天下でも、樹脂製ブラケットとインストルメントパネルビームとの接合密着性が良好であるため、信頼性の向上も期待できる。
1 インストルメントパネルビーム
C 円周方向
L 長手方向
X 中心軸
C 円周方向
L 長手方向
X 中心軸
Claims (5)
- アルミニウム合金からなる管を基材として形成され、樹脂製ブラケットと接合するための接合部を有するインストルメントパネルビームであって、
前記接合部は、
管の円周方向に沿って測定したときの十点平均粗さRzJISが100μm〜500μmである表面凹凸と、
前記表面凹凸上に形成された接着層と
を有し、かつ、
前記接着層を形成するために用いられる接着剤の塗布量が、1〜7g/m2であることを特徴とするインストルメントパネルビーム。 - 請求項1に記載のインストルメントパネルビームと、該インストルメントパネルビームに接合された前記樹脂製ブラケットとで構成されたインストルメントパネルビーム接合体。
- 前記接着層が、エポキシ系接着剤を含み、かつ、前記樹脂製ブラケットを構成する樹脂が、ポリアミド、または繊維強化されたもしくはエラストマ変性されたポリアミドである、請求項2に記載のインストルメントパネルビーム接合体。
- 前記接着層が、接着助剤としてシランカップリング剤をさらに含む、請求項3に記載のインストルメントパネルビーム接合体。
- 前記接着層が、変性ポリオレフィン系接着剤を含み、かつ、前記樹脂製ブラケットを構成する樹脂が、ポリプロピレン、または繊維強化されたもしくはエラストマ変性されたポリプロピレンである、請求項2に記載のインストルメントパネルビーム接合体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017214824A JP2019084971A (ja) | 2017-11-07 | 2017-11-07 | インストルメントパネルビーム及びこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017214824A JP2019084971A (ja) | 2017-11-07 | 2017-11-07 | インストルメントパネルビーム及びこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019084971A true JP2019084971A (ja) | 2019-06-06 |
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ID=66762106
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2017214824A Pending JP2019084971A (ja) | 2017-11-07 | 2017-11-07 | インストルメントパネルビーム及びこれを用いたインストルメントパネルビーム接合体 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2019084971A (ja) |
-
2017
- 2017-11-07 JP JP2017214824A patent/JP2019084971A/ja active Pending
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