JP2019086412A - 検査システム、検査方法及び検査システムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
樹脂シート10は、床材などの建材の化粧シート、農業用シート、半導体素子の封止シート、包装用シートなど、様々な用途で用いられ得るシートである。樹脂シート10は、基材シート11と、基材シート11に積層された樹脂層12と、を備える。樹脂層12は、基材シート11の面の全域に設けられていてもよく、若しくは、模様を呈するように基材シート11の面に部分的に設けられていてもよい。以下の説明において、樹脂シート10の面のうち、樹脂層12側に位置する面を第1面10xと称し、基材シート11側に位置する面を第2面10yと称する。
次に、上述の樹脂シート10を検査するための検査システム20について説明する。本実施の形態において、検査システム20は、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12を構成する材料の組成が、複数の候補組成のうちのいずれであるかを判定するよう構成されている。複数の候補組成は、予め検査システム20に記憶されている。
照射装置21は、樹脂シート10に照射光として近赤外線を照射するための構成要素である。図2に示すように、照射装置21は、近赤外線を照射することが可能な照射部211を含む。照射部211によって、樹脂シート10の第1面10x側から樹脂シート10の領域に照射光を照射することができる。照射光とする近赤外線の波長は、例えば800nm以上2500nm以下である。
検出装置24は、樹脂シート10によって反射された照射光L1を受光して拡散反射スペクトルを取得するための構成要素である。検出装置24は、上述の照射装置21と一体化していてもよい。検出装置24の大きさは、特に限定されないが、小型であることが好ましい。「小型」とは、検出装置24の質量(検出装置24が照射装置21と一体化している場合には、検出装置24と照射装置21との質量を合わせた質量)が1000g以下であることを意味する。検出装置24が照射装置21と一体化していること、及び検出装置24が小型であることにより、検査システム20の持ち運びが容易になり、屋外での検査や、固定されていて動かせない試料の検査がより容易になる。以下の説明において、樹脂シート10によって反射された照射光L1のことを、反射光L2とも称する。
(吸光度)=log{100/(100−R)}
処理装置27は、検出装置24が取得した拡散反射スペクトルに所定の処理を施すための構成要素である。処理装置27は、上述の検出装置24と一体化していてもよい。以下の説明において、拡散反射スペクトルに所定の処理を施すことにより複数の波長点において得られた値のことを、パラメータ値と称する。なお、「拡散反射スペクトルに処理を施す」とは、拡散反射スペクトルそのものに処理を施す場合だけでなく、上述の吸収スペクトルなど、拡散反射スペクトルと同等の情報を含むスペクトルに対して処理を施す場合も含む概念である。
平均化処理を行うことにより、樹脂シート10の表面に凹凸があったり、表面の状態が均一でなかったりする場合であっても、複数の領域から取得した拡散反射スペクトルを平均化して判定に用いることにより、より精度よく樹脂層12の組成を判定することができる。
判定装置28は、処理装置27が算出したパラメータ値に基づいて樹脂層12の組成を判定するための構成要素である。具体的には、判定装置28は、処理装置27が算出したパラメータ値に基づいて、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12を構成する材料の組成が、複数の候補組成のうちのいずれであるかを判定する。判定装置28は、上述の処理装置27と一体化していてもよい。図2に示すように、判定装置28は、記憶部281と、解析部282と、判定部283と、を含む。
次に、上述の検査システム20を用いて樹脂層12の組成を判定するための検査方法について説明する。
まず、照射装置21の照射部211を用いて、樹脂シート10に、照射光として近赤外線を照射する照射工程を行う。
次に、照射光を樹脂シート10に照射することにより生じる反射光を、検出装置24により受光し、複数の波長点における反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得する検出工程を行う。
次に、検出工程において取得した拡散反射スペクトルに、処理装置27により、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施して、各波長点に対応する複数のパラメータ値を算出する処理工程を行う。
次に、解析工程を行う。解析工程においては、解析部282において、判定装置28の記憶部281に記憶された複数の回帰式を、処理工程において算出したパラメータ値にそれぞれ適用して、樹脂層12の組成と複数の候補組成との類似度を算出する。
次に、判定工程を行う。判定工程においては、判定部283において、解析工程において算出した類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された類似度が導かれた回帰式に対応する候補組成を、樹脂層12の組成として判定する。
以上の方法により、樹脂層12の組成を判定することができる。
次に、上述の検査システム20を製造するための製造方法について説明する。
まず、図2に示すような照射装置21、検出装置24、処理装置27及び判定装置28を準備する。
次に、照射装置21の照射部211を用いて、樹脂材料を含む樹脂層12を備える樹脂シート10を有する複数の標準試料に近赤外線を照射する標準試料照射工程を行う。
次に、照射光を複数の標準試料に照射することにより得られる反射光を、それぞれ検出装置24により受光し、各々が複数の波長点における反射光の強度に関する情報を含む、複数の標準試料拡散反射スペクトルを取得する標準試料検出工程を行う。
次に、複数の標準試料拡散反射スペクトルの各々に、処理装置27により、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施して、各波長点に対応する複数のパラメータ値をそれぞれ算出する標準試料処理工程を行う。
次に、各標準試料の複数のパラメータ値を、多変量解析手法を用いて解析することにより、複数の候補組成に対応した複数の回帰式をそれぞれ作成する回帰式作成工程を行う。多変量解析手法としては、例えばPLS判別分析(PLS−DA)を行うことができる。多変量解析は、記憶部281に多変量解析用のプログラムを記録しておき、このプログラムを解析部282において実行することによって行うことができる。作成した回帰式は、判定装置28の記憶部281に記録しておく。
以上の方法により、上述の検査システム20を製造することができる。
なお、上述の実施の形態においては、検出装置24が取得した拡散反射スペクトル又は吸収スペクトルに微分などの処理を施すことによって得られるパラメータ値に基づいて、多変量解析を実施する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、拡散反射スペクトル又は吸収スペクトルに含まれる、各波長点における強度、反射率、吸収率などの値に基づいて、多変量解析を実施してもよい。
また、上述の実施の形態においては、多変量解析手法としてPLS判別分析(PLS−DA)を用いて、組成を判定しようとする樹脂層12又は標準試料のパラメータ値を解析する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、クラスター分析、サポートベクターマシーン、KNN(K−Nearest Neighbor)、SIMCA(Soft Independent Modeling of Class Analogy)などの多変量解析手法を用いて、組成を判定しようとする樹脂層12又は標準試料のパラメータ値を解析してもよい。
実施例1においては、樹脂層12に含まれる樹脂材料の種類又は配合比について判定可能な検査システム20の製造方法及び検査方法について説明する。
(標準試料の準備工程)
まず、実施例1に係る検査システム20の製造方法について説明する。具体的には、検査システム20の記憶部281に記憶させておく回帰式の作成方法について説明する。
以下、実施例1の説明において、標準試料Aと同様の種類及び配合比の樹脂材料を含む樹脂層12の組成のことを第1の候補組成とも称し、標準試料Bと同様の種類及び配合比の樹脂材料を含む樹脂層12の組成のことを第2の候補組成とも称し、標準試料Cと同様の種類及び配合比の樹脂材料を含む樹脂層12の組成のことを第3の候補組成とも称する。
次に、準備した15個〜20個のサンプルのそれぞれについて、近赤外線を照射し、拡散反射スペクトルを取得した。図4に、取得した拡散反射スペクトルを示す。近赤外線を照射する照射装置21としては、オーシャンフォトニクス社製の重水素ハロゲン光源 DH−2000を用いた。また、反射光を検出して拡散反射スペクトルを生成する検出装置24としては、JFEテクノリサーチ株式会社製の近赤外線用イメージング分光解析装置 SWIR−2400を用いた。
次に、測定領域において1画素毎に得た拡散反射スペクトルに対して、全て波長点毎に平均化処理を行って、領域全体における拡散反射平均化スペクトルを得た。取得したサンプルの拡散反射平均化スペクトルを図4に示す。
次に、処理装置27を用いて、拡散反射平均化スペクトルの各々に二次微分の処理を施し、波長900nm以上2400nm以下の範囲内の各波長点におけるパラメータ値を算出した。パラメータ値の算出結果を図5に示す。
次に、判定装置28の解析部282を用いて、標準試料A、標準試料B及び標準試料Cの各サンプルの複数のパラメータ値に多変量解析を施した。これにより、第1の候補組成に対応する第1の回帰式、第2の候補組成に対応する第2の回帰式、及び、第3の候補組成に対応する第3の回帰式を作成した。以下、回帰式作成工程の具体的な手順について説明する。
次に、検査システム20を用いた検査方法について説明する。まず、評価対象試料として、標準試料として用いたサンプルと同様の、サンプル1〜サンプル5の、5個のサンプルを準備した。これら5個のサンプルが第1の候補組成、第2の候補組成又は第3の候補組成のいずれを含むかを、図10の「実際の組成」の欄に示す。
実施例2においては、樹脂層12が添加剤を含むか否かについて判定可能な検査システム20の製造方法及び検査方法について説明する。
実施例2においても、実施例1の場合と同様に、表1に示す標準試料A、標準試料B及び標準試料Cを用いた。標準試料Bは、表1に示す通り添加剤として光安定剤を含んでおり、その他のサンプルである標準試料A及び標準試料Cは、添加剤として光安定剤を含んでいない。以下、実施例2の説明において、添加剤として光安定剤を含まない樹脂層12の組成のことを第1の候補組成とも称し、添加剤として光安定剤を含む樹脂層12の組成のことを第2の候補組成とも称する。
次に、検査システム20を用いた検査方法について説明する。まず、評価対象試料として、標準試料として用いたサンプルと同様の、サンプル1〜サンプル6の6個のサンプルを準備した。これら6個のサンプルが、実際に添加剤が含むか否かを、図14の「実際の添加剤の有無」の欄に示す。
10x 第1面
10y 第2面
11 基材シート
12 樹脂層
20 検査システム
21 照射装置
211 照射部
212 拡散部
24 検出装置
241 検出部
27 処理装置
28 判定装置
281 記憶部
282 解析部
283 判定部
Claims (18)
- 樹脂シートの樹脂層の組成を判定する検査システムであって、
前記樹脂シートに照射光として近赤外線を照射する照射部を含む照射装置と、
前記照射光を前記樹脂シートに照射することにより得られる反射光を受光し、複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得する検出装置と、
複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、前記拡散反射スペクトルに、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値として算出する処理装置と、
複数のパラメータ値と、前記樹脂層の複数の候補組成との関係をそれぞれ表す複数の回帰式が予め記憶された記憶部と、前記記憶部の複数の前記回帰式のそれぞれを、前記処理装置が算出した前記樹脂層の複数のパラメータ値にそれぞれ適用して、前記樹脂層の組成と複数の候補組成との間の類似度をそれぞれ算出する解析部と、複数の前記類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された前記類似度を導いた前記回帰式に対応する候補組成を、前記樹脂層の組成として判定する判定部と、を含む判定装置と、を備える、検査システム。 - 前記記憶部の第1の前記回帰式は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう構成されている、請求項1に記載の検査システム。
- 前記処理装置は、800nm以上2500nm以下の波長範囲内において、前記樹脂層のパラメータ値を69個以上含む、請求項1又は2に記載の検査システム。
- 前記照射装置は、前記照射光を拡散させる拡散部をさらに含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査システム。
- 前記樹脂シートは、前記樹脂層に重なり、セルロース樹脂を含む基材シートを更に含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検査システム。
- 前記樹脂層は、ゴムを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検査システム。
- 前記樹脂層は、無機材料を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検査システム。
- 前記検出装置は、近赤外分光器を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査システム。
- 前記検出装置は、近赤外ハイパースペクトルカメラを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査システム。
- 樹脂シートの樹脂層の組成を判定する検査方法であって、
前記樹脂シートに照射光として近赤外線を照射する照射工程と、
前記照射光を前記樹脂シートに照射することにより生じる反射光を受光し、複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得する検出工程と、
複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、前記拡散反射スペクトルに、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって複数の波長点において得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値として算出する処理工程と、
複数のパラメータ値と、前記樹脂層の複数の候補組成との関係をそれぞれ表す複数の回帰式を、前記処理工程において算出された前記樹脂層の複数のパラメータ値にそれぞれ適用して、前記樹脂層の組成と複数の候補組成との間の類似度をそれぞれ算出する解析工程と、
複数の前記類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された前記類似度を導いた前記回帰式に対応する候補組成を、前記樹脂層の組成として判定する判定工程と、を備える、検査方法。 - 第1の前記回帰式は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう構成されている、請求項10に記載の検査方法。
- 前記処理工程は、800nm以上2500nm以下の波長範囲内において、前記樹脂層のパラメータ値を69個以上算出する、請求項10又は11に記載の検査方法。
- 前記照射工程は、前記照射光を拡散させることを含む、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の検査方法。
- 前記樹脂層は、無機材料を含む、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の検査方法。
- 前記検出工程は、近赤外分光器を用いて前記拡散反射スペクトルを取得する、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の検査方法。
- 前記検出工程は、近赤外ハイパースペクトルカメラを用いて前記拡散反射スペクトルを取得する、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の検査方法。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の検査システムの製造方法であって、
複数の前記候補組成のいずれかを有する樹脂層を備える樹脂シートを有する複数の標準試料に近赤外線を照射する標準試料照射工程と、
前記照射光を複数の前記標準試料に照射することにより得られる反射光をそれぞれ受光し、各々が複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む、複数の標準試料拡散反射スペクトルを取得する標準試料検出工程と、
複数の標準試料拡散反射スペクトルの複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、複数の前記標準試料拡散反射スペクトルの各々に、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって複数の波長点において得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値としてそれぞれ算出する標準試料処理工程と、
各標準試料の複数のパラメータ値を、多変量解析手法を用いて解析することにより、複数の前記候補組成に対応した複数の前記回帰式をそれぞれ作成する回帰式作成工程と、を備える、検査システムの製造方法。 - 前記回帰式作成工程は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう、第1の前記回帰式を作成する、請求項17に記載の検査システムの製造方法。
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