JP2019086412A - 検査システム、検査方法及び検査システムの製造方法 - Google Patents

検査システム、検査方法及び検査システムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂シートの樹脂層の組成を判定可能な検査装置を提供する。【解決手段】樹脂シートに近赤外線を照射する照射部を含む照射装置と、拡散反射スペクトルを取得する検出装置と、複数の波長点における反射光の強度の値、又は拡散反射スペクトルに、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値として算出する処理装置と、複数の回帰式が予め記憶された記憶部と、複数の回帰式のそれぞれを処理装置が算出した樹脂層の複数のパラメータ値にそれぞれ適用して、樹脂層の組成と複数の候補組成との間の類似度をそれぞれ算出する解析部と、複数の類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された類似度を導いた回帰式に対応する候補組成を樹脂層の組成として判定する判定部と、を含む判定装置と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、検査システム、検査方法及び検査システムの製造方法に関する。
従来、樹脂の材質を非破壊で検査するシステム及び方法が提案されている。例えば特許文献1は、レーザー光を樹脂に照射し、樹脂から散乱されたラマン散乱光に基づいて、樹脂の材質を検査する方法を開示している。
特許第4203916号
樹脂の表面に凹凸や汚れなどがある場合には、ラマン散乱光はこれら樹脂の表面の状態の影響を強く受けると考えられる。このため、樹脂の組成の影響がラマン散乱光には明確には現れず、ラマン散乱光に基づく方法によって樹脂の組成を検査することは困難であると考えられる。
本開示の実施形態は、このような課題を解決することができる検査システム、検査方法及び検査システムの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、樹脂シートの樹脂層の組成を判定する検査システムであって、前記樹脂シートに照射光として近赤外線を照射する照射部を含む照射装置と、前記照射光を前記樹脂シートに照射することにより得られる反射光を受光し、複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得する検出装置と、複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、前記拡散反射スペクトルに、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値として算出する処理装置と、複数のパラメータ値と、前記樹脂層の複数の候補組成との関係をそれぞれ表す複数の回帰式が予め記憶された記憶部と、前記記憶部の複数の前記回帰式のそれぞれを、前記処理装置が算出した前記樹脂層の複数のパラメータ値にそれぞれ適用して、前記樹脂層の組成と複数の候補組成との間の類似度をそれぞれ算出する解析部と、複数の前記類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された前記類似度を導いた前記回帰式に対応する候補組成を、前記樹脂層の組成として判定する判定部と、を含む判定装置と、を備える、検査システムである。
本開示の一実施形態による検査システムにおいて、前記記憶部の第1の前記回帰式は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう構成されていてもよい。
本開示の一実施形態による検査システムにおいて、前記処理装置は、800nm以上2500nm以下の波長範囲内において、前記樹脂層のパラメータ値を69個以上含んでもよい。
本開示の一実施形態による検査システムにおいて、前記照射装置は、前記照射光を拡散させる拡散部をさらに含んでもよい。
本開示の一実施形態による検査システムにおいて、前記樹脂シートは、前記樹脂層に重なり、セルロース樹脂を含む基材シートを更に含んでもよい。
本開示の一実施形態による検査システムにおいて、前記樹脂層は、ゴムを含んでもよい。
本開示の一実施形態による検査システムにおいて、前記樹脂層は、無機材料を含んでもよい。
本開示の一実施形態による検査システムにおいて、前記検出装置は、近赤外分光器を含んでもよい。
本開示の一実施形態による検査システムにおいて、前記検出装置は、近赤外ハイパースペクトルカメラを含んでもよい。
本開示の一実施形態は、樹脂シートの樹脂層の組成を判定する検査方法であって、前記樹脂シートに照射光として近赤外線を照射する照射工程と、前記照射光を前記樹脂シートに照射することにより生じる反射光を受光し、複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得する検出工程と、複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、前記拡散反射スペクトルに、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって複数の波長点において得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値として算出する処理工程と、複数のパラメータ値と、前記樹脂層の複数の候補組成との関係をそれぞれ表す複数の回帰式を、前記処理工程において算出された前記樹脂層の複数のパラメータ値にそれぞれ適用して、前記樹脂層の組成と複数の候補組成との間の類似度をそれぞれ算出する解析工程と、複数の前記類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された前記類似度を導いた前記回帰式に対応する候補組成を、前記樹脂層の組成として判定する判定工程と、を備える、検査方法である。
本開示の一実施形態による検査方法において、第1の前記回帰式は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう構成されていてもよい。
本開示の一実施形態による検査方法において、前記処理工程は、800nm以上2500nm以下の波長範囲内において、前記樹脂層のパラメータ値を69個以上算出してもよい。
本開示の一実施形態による検査方法において、前記照射工程は、前記照射光を拡散させることを含んでもよい。
本開示の一実施形態による検査方法において、前記樹脂層は、無機材料を含んでもよい。
本開示の一実施形態による検査方法において、前記検出工程は、近赤外分光器を用いて前記拡散反射スペクトルを取得してもよい。
本開示の一実施形態による検査方法において、前記検出工程は、近赤外ハイパースペクトルカメラを用いて前記拡散反射スペクトルを取得してもよい。
本開示の一実施形態は、上記記載の検査システムの製造方法であって、複数の前記候補組成のいずれかを有する樹脂層を備える樹脂シートを有する複数の標準試料に近赤外線を照射する標準試料照射工程と、前記照射光を複数の前記標準試料に照射することにより得られる反射光をそれぞれ受光し、各々が複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む、複数の標準試料拡散反射スペクトルを取得する標準試料検出工程と、複数の標準試料拡散反射スペクトルの複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、複数の前記標準試料拡散反射スペクトルの各々に、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって複数の波長点において得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値としてそれぞれ算出する標準試料処理工程と、各標準試料の複数のパラメータ値を、多変量解析手法を用いて解析することにより、複数の前記候補組成に対応した複数の前記回帰式をそれぞれ作成する回帰式作成工程と、を備える、検査システムの製造方法である。
本開示の一実施形態による検査システムの製造方法において、前記回帰式作成工程は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう、第1の前記回帰式を作成してもよい。
本開示の実施形態によれば、樹脂シートの樹脂層の組成を判定することができる。
一実施形態に係る樹脂シートを示す断面図である。 一実施形態に係る検査システムを示すブロック図である。 一実施形態に係る検査システムの照射装置及び検出装置を模式的に示す図である。 実施例1において、標準試料からの反射光を受光することによって取得した拡散反射スペクトルに平均化処理を施して得た拡散反射平均化スペクトルを示す図である。 実施例1において、標準試料の拡散反射平均化スペクトルに二次微分の処理を施すことによって算出したパラメータ値を示す図である。 実施例1において、第1の候補組成を有するサンプルに対応する第1の回帰式の算出結果を示す図である。 実施例1において、第2の候補組成を有するサンプルに対応する第2の回帰式の算出結果を示す図である。 実施例1において、第3の候補組成を有するサンプルに対応する第3の回帰式の算出結果を示す図である。 実施例1において、主成分分析により算出された因子2及び因子3を用いたスコア分布を示す図である。 実施例1において、評価対象試料のパラメータ値を回帰式に代入して類似度を算出した結果を示す図である。 実施例2において、添加剤を含まないサンプルに対応する第1の回帰式の算出結果を示す図である。 実施例2において、添加剤を含むサンプルに対応する第2の回帰式の算出結果を示す図である。 実施例2において、主成分分析により算出された因子1及び因子2を用いたスコア分布を示す図である。 実施例2において、評価対象試料のパラメータ値を回帰式に代入して類似度を算出した結果を示す図である。
以下、本開示の実施形態に係る樹脂シート及び検査システムの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本明細書において、「基材」や「シート」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基材」は、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
まず、検査対象の樹脂シート10について説明する。図1は、本実施の形態における樹脂シート10を示す断面図である。
樹脂シート
樹脂シート10は、床材などの建材の化粧シート、農業用シート、半導体素子の封止シート、包装用シートなど、様々な用途で用いられ得るシートである。樹脂シート10は、基材シート11と、基材シート11に積層された樹脂層12と、を備える。樹脂層12は、基材シート11の面の全域に設けられていてもよく、若しくは、模様を呈するように基材シート11の面に部分的に設けられていてもよい。以下の説明において、樹脂シート10の面のうち、樹脂層12側に位置する面を第1面10xと称し、基材シート11側に位置する面を第2面10yと称する。
基材シート11は、樹脂層12に重なり、樹脂層12を支持するシートである。基材シート11は、例えば紙、合成樹脂などを含む。より具体的には、基材シート11は、紙などの材料として、セルロース樹脂を含んでいてもよく、ポリプロピレンなどのオレフィン系合成樹脂を含んでいてもよい。基材シート11の厚みは、例えば50μm以上且つ400μm以下である。
樹脂層12は、樹脂材料を含む。樹脂層12に含まれる樹脂材料は、特に限定されないが、例えば高分子樹脂である。高分子樹脂の例としては、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミドなどを挙げることができる。ポリエチレン系樹脂の例としては、ポリエチレンの他、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体などの、エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体などを挙げることができる。また、樹脂層12は、ゴムを含んでいてもよい。ゴムの例としては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムなどを挙げることができる。樹脂層12の厚みは、例えば50μm以上且つ600μm以下である。
樹脂層12は、着色材などの添加剤を更に含んでいてもよい。着色材の例としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、群青(ウルトラマリン)などの無機材料を含む無機粒子を挙げることができる。着色材の配合量は、好ましくは樹脂材料100質量部に対して3質量部以上且つ40質量部以下であり、例えば樹脂材料100質量部に対して30質量部である。
樹脂層12は、樹脂層12の強度や硬度を高めるための多数のフィラーを更に含んでいてもよい。例えば、樹脂層12は、炭酸カルシウムなどの無機材料を含む多数のフィラーを更に含む。フィラーの配合量は、例えば、ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、好ましくは3質量部以上且つ40質量部以下であり、例えば15質量部である。
その他にも、樹脂層12は、防カビ剤、防虫剤、防腐剤、抗菌剤、消臭剤、重合開始剤、重合禁止剤、増感剤、架橋剤、可塑剤、難燃剤、帯電制御剤、熱安定剤、光安定剤、導電剤、消泡剤、防錆剤、酸化防止剤、発泡剤、発泡助剤、近赤外吸収剤、紫外吸収剤、乳化剤などの添加剤を更に含んでいてもよい。
検査システム
次に、上述の樹脂シート10を検査するための検査システム20について説明する。本実施の形態において、検査システム20は、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12を構成する材料の組成が、複数の候補組成のうちのいずれであるかを判定するよう構成されている。複数の候補組成は、予め検査システム20に記憶されている。
候補組成は、樹脂層12に主成分として含まれている樹脂材料を表すものであってもよく、樹脂層12に副成分として含まれている樹脂材料を表すものであってもよい。主成分とは、樹脂層12を構成する樹脂材料のうち含有率が最も高い樹脂材料であり、副成分とは、主成分の樹脂材料よりも含有率が低い樹脂材料である。また、候補組成は、樹脂層12に添加されている添加剤の種類や、樹脂層12に添加剤が含まれているか否かを表すものであってもよい。
図2を参照して、検査システム20の各構成要素について説明する。図2は、検査システム20を示すブロック図である。検査システム20は、照射装置21、検出装置24、処理装置27及び判定装置28を備える。
(照射装置)
照射装置21は、樹脂シート10に照射光として近赤外線を照射するための構成要素である。図2に示すように、照射装置21は、近赤外線を照射することが可能な照射部211を含む。照射部211によって、樹脂シート10の第1面10x側から樹脂シート10の領域に照射光を照射することができる。照射光とする近赤外線の波長は、例えば800nm以上2500nm以下である。
図3を参照して、照射装置21について更に詳細に説明する。図3は、検査システム20の照射装置21及び検出装置24を模式的に示す図である。図3に示すように、照射装置21は、照射部211から照射された照射光を拡散させる拡散部212を有していてもよい。拡散部212によって、照射光L1を拡散させ、樹脂シート10に対して様々な方向から照射光L1を照射して、拡散反射スペクトルを得ることができる。拡散部212は、例えば、照射部211と樹脂シート10との間に配置される拡散板である。
(検出装置)
検出装置24は、樹脂シート10によって反射された照射光L1を受光して拡散反射スペクトルを取得するための構成要素である。検出装置24は、上述の照射装置21と一体化していてもよい。検出装置24の大きさは、特に限定されないが、小型であることが好ましい。「小型」とは、検出装置24の質量(検出装置24が照射装置21と一体化している場合には、検出装置24と照射装置21との質量を合わせた質量)が1000g以下であることを意味する。検出装置24が照射装置21と一体化していること、及び検出装置24が小型であることにより、検査システム20の持ち運びが容易になり、屋外での検査や、固定されていて動かせない試料の検査がより容易になる。以下の説明において、樹脂シート10によって反射された照射光L1のことを、反射光L2とも称する。
検出装置24は、反射光L2を検出する検出部241を少なくとも含む。検出部241としては、近赤外分光器、近赤外ハイパースペクトルカメラなどを用いることができる。
検出部241は、樹脂シート10によって正反射された反射光L2だけでなく、樹脂シート10によって拡散反射された反射光L2をも検出することができるよう構成されている。これにより、樹脂シート10の樹脂層12に含まれる樹脂材料に関する情報をより多く得ることができ、樹脂層12の組成の判定の精度を向上させることができる。図3において、符号H1は、検出部241と樹脂シート10との距離を表し、符号W1は、検出部241の幅を表す。距離H1及び幅W1は、樹脂シート10によって拡散反射された反射光L2が検出部241に入射するよう適切に定められている。
検出部241は、複数の波長点における反射光L2の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを生成する。波長点の数は、検出部241の分解能に応じて定まる。例えば、検出部241が800nm以上2500nm以下の範囲内において、1nmの分解能で反射光L2の強度を検出する場合、波長点の数は1701である。
なお、検出部241は、拡散反射スペクトルから吸収スペクトルを生成してもよい。この場合に、吸収スペクトルを生成する方法は特に限定されない。例えば、拡散反射スペクトルを反転させることによって吸収スペクトルを生成してもよい。また、拡散反射スペクトルから吸光度を算出し、吸光度を、吸収スペクトルを表す値として用いてもよい。吸光度は、例えば拡散反射スペクトルが百分率により表示された反射率Rとして表されている場合には、以下の式により算出することができる。
(吸光度)=log{100/(100−R)}
吸収スペクトルは、樹脂シート10の樹脂層12に含まれる樹脂材料との相関関係に関して、拡散反射スペクトルと同等の情報を含んでいる。従って、検出装置24の下流側に位置する処理装置27及び判定装置28は、拡散反射スペクトルに基づいて樹脂層12の組成を判定することもでき、また、吸収スペクトルに基づいて樹脂層12の組成を判定することもできる。
(処理装置)
処理装置27は、検出装置24が取得した拡散反射スペクトルに所定の処理を施すための構成要素である。処理装置27は、上述の検出装置24と一体化していてもよい。以下の説明において、拡散反射スペクトルに所定の処理を施すことにより複数の波長点において得られた値のことを、パラメータ値と称する。なお、「拡散反射スペクトルに処理を施す」とは、拡散反射スペクトルそのものに処理を施す場合だけでなく、上述の吸収スペクトルなど、拡散反射スペクトルと同等の情報を含むスペクトルに対して処理を施す場合も含む概念である。
処理装置27は、例えば、拡散反射スペクトルに、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことにより、複数の波長点に対応する複数のパラメータ値を算出する。
ここで、平均化処理とは、以下のような処理である。まず前提として、状態を判定しようとする樹脂シート10の第1面10x側の複数の領域に対して、それぞれ照射装置21により照射光を照射して、検出装置24によりそれぞれの領域における複数の拡散反射スペクトルを取得しておく。そして、処理装置27において、複数の拡散反射スペクトルの値を、波長点毎に足し合わせて、拡散反射スペクトルの数で割り、平均化する。照射光を照射する領域の数は、特に限定されないが、例えば10箇所以上である。
平均化処理を行うことにより、樹脂シート10の表面に凹凸があったり、表面の状態が均一でなかったりする場合であっても、複数の領域から取得した拡散反射スペクトルを平均化して判定に用いることにより、より精度よく樹脂層12の組成を判定することができる。
また、平滑化とは、拡散反射スペクトルにおいて、ある波長点の値が他の波長点の値と乖離している場合に、乖離している値を除去したり、他の値に近づけたりして、全体的に突出の少ない拡散反射スペクトルを得る処理をいう。
また、散乱補正とは、散乱体のスペクトル測定をする際に、散乱因子を最小二乗法により推定して最適なスペクトルを得る処理をいう。
また、ベースライン補正とは、取得した拡散反射スペクトルからベースラインを差し引く処理である。
また、ピークシフト補正とは、取得した拡散反射スペクトルにおけるピークの位置のずれを補正する処理である。
また、上述の検出装置24において、拡散反射スペクトルから吸収スペクトルを生成しない場合には、処理装置27において、拡散反射スペクトルを反転させることにより吸収スペクトルを生成してもよい。
処理装置27による処理は、以下の目的を有していてもよい。検出装置によって取得した拡散反射スペクトルは、反射光の強度の絶対値に関する情報を含むため、照射部211の出力、照射部211と樹脂シート10との間の距離、樹脂シート10と検出部241との間の距離などによって変化する。この結果、樹脂層12の組成の判定がばらついてしまう可能性がある。処理装置27による処理は、このようなばらつきを低減することを目的としてもよい。ばらつきを低減する処理は、反射光の強度の絶対値に関する情報を除く、又は低減することができる処理であれば特に限定されないが、例えば微分又は正規化である。ばらつきを低減する処理として微分を行う場合における微分の回数は特に限定されないが、例えば二次微分を行うことができる。
処理装置27が有するパラメータ値の個数、及びパラメータ値の求められる波長範囲は、パラメータ値に基づいて精度よく樹脂層12の組成を判定できる限りにおいて、特に限定されない。例えば、処理装置は、800nm以上2500nm以下の波長範囲内において、樹脂層12のパラメータ値を69個以上含むことが好ましい。
(判定装置)
判定装置28は、処理装置27が算出したパラメータ値に基づいて樹脂層12の組成を判定するための構成要素である。具体的には、判定装置28は、処理装置27が算出したパラメータ値に基づいて、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12を構成する材料の組成が、複数の候補組成のうちのいずれであるかを判定する。判定装置28は、上述の処理装置27と一体化していてもよい。図2に示すように、判定装置28は、記憶部281と、解析部282と、判定部283と、を含む。
記憶部281は、複数のパラメータ値と樹脂層12の複数の候補組成との関係をそれぞれ表す複数の回帰式が予め記憶された構成要素である。記憶部281は、例えばROMやRAMなどのメモリーである。
記憶部281に記憶された各回帰式は、パラメータ値に基づいて樹脂層12の組成を判定することができる限り、特に限定されない。例えば、回帰式は、対応する標準試料の複数のパラメータ値と、対応する標準試料の樹脂層12の組成との関係を表している。また、回帰式は、標準試料の複数のパラメータ値に対応する複数の回帰係数を含んでいてもよい。
以下、回帰式の具体例について説明する。ここでは、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12に副成分として含まれている樹脂材料が、第1の樹脂材料、第2の樹脂材料又は第3の樹脂材料のいずれかである場合について説明する。この場合、記憶部281には、第1の樹脂材料を含む樹脂層12を表す第1の候補組成に関する第1の回帰式、第2の樹脂材料を含む樹脂層12を表す第2の候補組成に関する第2の回帰式、及び、第3の樹脂材料を含む樹脂層12を表す第3の候補組成に関する第3の回帰式が予め記憶されている。
第1の回帰式は、第1の樹脂材料を含む樹脂層12に近赤外線を照射した場合に算出される複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される値が、第2の樹脂材料又は第3の樹脂材料を含む樹脂層12に近赤外線を照射した場合に算出される複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される値に比べて、目標値に近い値となるよう構成されている。目標値は、例えば1である。以下の説明において、複数のパラメータ値に回帰式を適用した場合に算出される値のことを、類似度とも称する。第1の樹脂材料を含む樹脂層12の複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される類似度は、第2の樹脂材料又は第3の樹脂材料を含む樹脂層12の複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される類似度よりも1に近くなる。
第2の回帰式も同様に、第2の樹脂材料を含む樹脂層12に近赤外線を照射した場合に算出される複数のパラメータ値に第2の回帰式を適用した場合に算出される類似度が、第1の樹脂材料又は第3の樹脂材料を含む樹脂層12に近赤外線を照射した場合に算出される複数のパラメータ値に第2の回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値である1に近い値となるよう構成されている。
第3の回帰式も同様に、第3の樹脂材料を含む樹脂層12に近赤外線を照射した場合に算出される複数のパラメータ値に第3の回帰式を適用した場合に算出される類似度が、第1の樹脂材料又は第2の樹脂材料を含む樹脂層12に近赤外線を照射した場合に算出される複数のパラメータ値に第3の回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値である1に近い値となるよう構成されている。
解析部282は、記憶部281の複数の回帰式のそれぞれを、処理装置27が算出した樹脂層12の複数のパラメータ値にそれぞれ適用して、樹脂層12の組成と複数の候補組成との間の類似度をそれぞれ算出するための構成要素である。解析部282は、例えばCPUである。
解析部282における類似度の算出のために、以下の算出方法を採用してもよい。なお、ここでは、例として第1の回帰式を適用した場合の類似度の算出方法について説明する。事前に、樹脂層12の組成を判定する一つの樹脂シート10の一つの測定点に複数回近赤外線を照射し、又は一つの樹脂シート10の複数の異なる測定点にそれぞれ近赤外線を照射して、複数の拡散反射スペクトルを取得しておく。次に、第1の回帰式を用いて、取得した複数の拡散反射スペクトルに対応する複数の類似度をそれぞれ算出する。次に、複数の類似度を平均した値を、第1の回帰式を適用した場合の類似度として算出する。
判定部283は、解析部282が算出した類似度に基づいて、樹脂層12の組成を判定するための構成要素である。判定部283は、複数の類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された類似度が導かれた回帰式に対応する候補組成を、樹脂層12の組成として判定する。判定部283は、例えばCPUである。
図示はしないが、判定装置28は、判定結果を表示する表示部を有していてもよい。表示部における判定結果の表示の仕方は、表示から判定結果が理解できる限り、特に限定されない。例えば、樹脂シート10が脆化しているか否かを判定する場合には、解析部282において算出された類似度を表示してもよく、判定部283において樹脂層12の組成として判定された候補組成の名称を表示してもよい。また、類似度と候補組成の名称との両方を表示してもよい。
検査方法
次に、上述の検査システム20を用いて樹脂層12の組成を判定するための検査方法について説明する。
まず、照射装置21の照射部211を用いて、樹脂シート10に、照射光として近赤外線を照射する照射工程を行う。
次に、照射光を樹脂シート10に照射することにより生じる反射光を、検出装置24により受光し、複数の波長点における反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得する検出工程を行う。
次に、検出工程において取得した拡散反射スペクトルに、処理装置27により、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施して、各波長点に対応する複数のパラメータ値を算出する処理工程を行う。
次に、解析工程を行う。解析工程においては、解析部282において、判定装置28の記憶部281に記憶された複数の回帰式を、処理工程において算出したパラメータ値にそれぞれ適用して、樹脂層12の組成と複数の候補組成との類似度を算出する。
次に、判定工程を行う。判定工程においては、判定部283において、解析工程において算出した類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された類似度が導かれた回帰式に対応する候補組成を、樹脂層12の組成として判定する。
以上の方法により、樹脂層12の組成を判定することができる。
以下、複数の回帰式が、上述の第1の回帰式、第2の回帰式及び第3の回帰式を含む場合の、解析部282及び判定部283の動作の例について説明する。まず、解析部282は、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12に近赤外線を照射した場合に算出される複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用して、第1の類似度を算出する。また、解析部282は、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12の複数のパラメータ値に第2の回帰式を適用して、第2の類似度を算出する。また、解析部282は、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12の複数のパラメータ値に第3の回帰式を適用して、第3の類似度を算出する。
検査対象の樹脂シート10の樹脂層12が、第1の回帰式に対応する第1の樹脂材料を含む場合、第1の類似度は、第2の類似度及び第3の類似度に比べて、目標値である1に近い値になる。この場合、第2の類似度及び第3の類似度は、第1の類似度に比べて目標値から離れた値になり、例えば、第1の類似度に比べて0に近い値になる。
判定部283は、第1の類似度、第2の類似度及び第3の類似度の中から、最も目標値に近い値である第1の類似度を抽出する。また、判定部283は、第1の類似度を導いた第1の回帰式に対応する第1の候補組成を、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12の組成として判定する。すなわち、判定部283は、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12に副成分として含まれている樹脂材料が、第1の樹脂材料であると判定する。本実施の形態によれば、このようにして、検査対象の樹脂シート10の樹脂層12の組成を、樹脂シート10を破壊することなく判定することができる。
検査システムの製造方法
次に、上述の検査システム20を製造するための製造方法について説明する。
まず、図2に示すような照射装置21、検出装置24、処理装置27及び判定装置28を準備する。
次に、照射装置21の照射部211を用いて、樹脂材料を含む樹脂層12を備える樹脂シート10を有する複数の標準試料に近赤外線を照射する標準試料照射工程を行う。
次に、照射光を複数の標準試料に照射することにより得られる反射光を、それぞれ検出装置24により受光し、各々が複数の波長点における反射光の強度に関する情報を含む、複数の標準試料拡散反射スペクトルを取得する標準試料検出工程を行う。
次に、複数の標準試料拡散反射スペクトルの各々に、処理装置27により、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施して、各波長点に対応する複数のパラメータ値をそれぞれ算出する標準試料処理工程を行う。
次に、各標準試料の複数のパラメータ値を、多変量解析手法を用いて解析することにより、複数の候補組成に対応した複数の回帰式をそれぞれ作成する回帰式作成工程を行う。多変量解析手法としては、例えばPLS判別分析(PLS−DA)を行うことができる。多変量解析は、記憶部281に多変量解析用のプログラムを記録しておき、このプログラムを解析部282において実行することによって行うことができる。作成した回帰式は、判定装置28の記憶部281に記録しておく。
以上の方法により、上述の検査システム20を製造することができる。
以下、複数の回帰式が、上述の第1の回帰式、第2の回帰式及び第3の回帰式を含む場合の、検査システム20の製造方法の例について説明する。まず、第1の樹脂材料を有する樹脂層12を備える複数の第1の標準試料を準備する。また、第2の樹脂材料を有する樹脂層12を備える複数の第2の標準試料を準備し、同様に、第3の樹脂材料を有する樹脂層12を備える複数の第3の標準試料を準備する。続いて、上述の標準試料照射工程及び標準試料検出工程を実施して、各標準試料の標準試料拡散反射スペクトルを取得する。
続いて、標準試料処理工程において、各標準試料の標準試料拡散反射スペクトルに微分などの処理を施す。これにより、各標準試料において、複数の波長点に対応する複数のパラメータ値を算出する。
続いて、回帰式作成工程において、各標準試料の複数のパラメータ値を、多変量解析手法を用いて解析する。これにより、第1の標準試料を表す第1の候補組成に対応する第1の回帰式、第2の標準試料を表す第2の候補組成に対応する第2の回帰式、及び、第3の標準試料を表す第3の候補組成に対応する第3の回帰式を作成する。
回帰式作成工程においては、複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度が、複数の第2の標準試料の複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度、及び、複数の第3の標準試料の複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度に比べて、目標値である1に近い値となるよう、第1の回帰式を作成する。この際、複数の第2の標準試料の複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度、及び、複数の第3の標準試料の複数のパラメータ値に第1の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度が、0に近い値となるよう、第1の回帰式を作成してもよい。
また、回帰式作成工程においては、複数の第2の標準試料の複数のパラメータ値に第2の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度が、複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第2の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度、及び、複数の第3の標準試料の複数のパラメータ値に第2の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度に比べて、目標値である1に近い値となるよう、第2の回帰式を作成する。
また、回帰式作成工程においては、複数の第3の標準試料の複数のパラメータ値に第3の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度が、複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第3の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度、及び、複数の第2の標準試料の複数のパラメータ値に第3の回帰式を適用した場合に算出される複数の類似度に比べて、目標値である1に近い値となるよう、第3の回帰式を作成する。
(第1の変形例)
なお、上述の実施の形態においては、検出装置24が取得した拡散反射スペクトル又は吸収スペクトルに微分などの処理を施すことによって得られるパラメータ値に基づいて、多変量解析を実施する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、拡散反射スペクトル又は吸収スペクトルに含まれる、各波長点における強度、反射率、吸収率などの値に基づいて、多変量解析を実施してもよい。
(第2の変形例)
また、上述の実施の形態においては、多変量解析手法としてPLS判別分析(PLS−DA)を用いて、組成を判定しようとする樹脂層12又は標準試料のパラメータ値を解析する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、クラスター分析、サポートベクターマシーン、KNN(K−Nearest Neighbor)、SIMCA(Soft Independent Modeling of Class Analogy)などの多変量解析手法を用いて、組成を判定しようとする樹脂層12又は標準試料のパラメータ値を解析してもよい。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1においては、樹脂層12に含まれる樹脂材料の種類又は配合比について判定可能な検査システム20の製造方法及び検査方法について説明する。
検査システムの製造方法
(標準試料の準備工程)
まず、実施例1に係る検査システム20の製造方法について説明する。具体的には、検査システム20の記憶部281に記憶させておく回帰式の作成方法について説明する。
最初に、それぞれ異なった種類、又は異なった配合比の樹脂材料を含む、図1に示す樹脂シート10のサンプルを、標準試料として準備した。具体的には、下記の表に示すオレフィン系樹脂である樹脂材料と、下記の表に示す添加物とを含む樹脂層12と、セルロース樹脂を含む基材シート11とを備えた樹脂シート10のサンプルである標準試料A、標準試料B及び標準試料Cを、それぞれ数個ずつ、合計で15個〜20個準備した。下記の表において、例えば「標準試料A」の列は、樹脂層12に含まれる樹脂材料の質量の合計を100とした場合における、樹脂材料及び添加剤のそれぞれの質量部の値を表す。
以下、実施例1の説明において、標準試料Aと同様の種類及び配合比の樹脂材料を含む樹脂層12の組成のことを第1の候補組成とも称し、標準試料Bと同様の種類及び配合比の樹脂材料を含む樹脂層12の組成のことを第2の候補組成とも称し、標準試料Cと同様の種類及び配合比の樹脂材料を含む樹脂層12の組成のことを第3の候補組成とも称する。
(標準試料照射工程及び標準試料検出工程)
次に、準備した15個〜20個のサンプルのそれぞれについて、近赤外線を照射し、拡散反射スペクトルを取得した。図4に、取得した拡散反射スペクトルを示す。近赤外線を照射する照射装置21としては、オーシャンフォトニクス社製の重水素ハロゲン光源 DH−2000を用いた。また、反射光を検出して拡散反射スペクトルを生成する検出装置24としては、JFEテクノリサーチ株式会社製の近赤外線用イメージング分光解析装置 SWIR−2400を用いた。
拡散反射スペクトルの取得は、具体的には以下のように行った。まず、10cm四方の大きさの試料を用意し、試料の全範囲から、1画素0.3mmの分解能にて、波長900nm以上2400nm以下の範囲にて、各波長点における、反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得した。検出装置24の波長分解能は12nmであり、出力波長間隔は6nmであるため、拡散反射スペクトルは、波長900nm以上2400nm以下の範囲内の251個の波長点における、樹脂シート10の反射率に関する情報を含む。
(標準試料処理工程)
次に、測定領域において1画素毎に得た拡散反射スペクトルに対して、全て波長点毎に平均化処理を行って、領域全体における拡散反射平均化スペクトルを得た。取得したサンプルの拡散反射平均化スペクトルを図4に示す。
次に、処理装置27を用いて、拡散反射平均化スペクトルの各々に二次微分の処理を施し、波長900nm以上2400nm以下の範囲内の各波長点におけるパラメータ値を算出した。パラメータ値の算出結果を図5に示す。
(回帰式作成工程)
次に、判定装置28の解析部282を用いて、標準試料A、標準試料B及び標準試料Cの各サンプルの複数のパラメータ値に多変量解析を施した。これにより、第1の候補組成に対応する第1の回帰式、第2の候補組成に対応する第2の回帰式、及び、第3の候補組成に対応する第3の回帰式を作成した。以下、回帰式作成工程の具体的な手順について説明する。
まず、所定の候補組成を有する標準試料の複数のパラメータ値に第1の回帰式、第2の回帰式又は第3の回帰式を適用した場合に得られるべき値(以下、基準値とも称する)を、下記の表のように設定した。下記の表において、例えば「標準試料A」の行は、第1の候補組成を有する標準試料Aの複数のパラメータに、第1の回帰式、第2の回帰式、第3の回帰式を適用した場合に得られる基準値がそれぞれ、1、0、0であることを表す。
続いて、各サンプルの複数のパラメータ値に第1の回帰式、第2の回帰式又は第3の回帰式をそれぞれ適用した場合に算出される類似度が、表2に示す基準度に最も近くなるよう、多変量解析により第1の回帰式、第2の回帰式又は第3の回帰式を探索した。多変量解析としては、PLS判別分析(PLS−DA)を採用した。PLS判別分析(PLS−DA)を実施するためのソフトウエアとしては、カモソフトウェア製の多変量解析ソフト The Unscrambler Xを用いた。結果を図6乃至図8に示す。
図6は、第1の候補組成を有するサンプルに対応する第1の回帰式の算出結果を示す図である。図6において、横軸は、各サンプルにおける基準値を表す。サンプルが第1の候補組成を有する標準試料Aである場合、その基準値は1である。サンプルが第1の候補組成を有しない場合、すなわちサンプルが第2の候補組成を有する標準試料B又は第3の候補組成を有する標準試料Cである場合、その基準値は0である。図6において、縦軸は、第1の候補組成と、各サンプルの組成との間の類似度を表す。図6において、横軸の値が1であり、縦軸の値が1に近い複数の点が、第1の候補組成を有する標準試料Aの類似度を表す。また、横軸の値が0であり、縦軸の値が0に近い複数の点が、第1の候補組成を有しない標準試料B又は標準試料Cの類似度を表す。また、符号L3が付された直線は、基準値と類似度とが等しくなるよう描かれた基準線である。PLS判別分析(PLS−DA)においては、各サンプルの類似度が基準線L3に回帰されるよう、第1の回帰式を作製した。具体的には、複数のパラメータ値に対応する複数の回帰係数を作製した。図6に示す例においては、類似度が、主成分分析によって算出される因子1、因子2及び因子3を考慮した値になるよう、第1の回帰式が作成された。
なお、図6には、第1の回帰式を作成する時に用いられた、符号P1で示す点に加えて、作成した第1の回帰式に用いられた各サンプルの各波長点におけるパラメータ値を、回帰式に代入して得られた類似度を表す点P2も示されている。図6に示すように、点P1と点P2は近接した位置に現れている。
図7は、第2の候補組成を有するサンプルに対応する第2の回帰式の算出結果を示す図である。図7において、横軸は、各サンプルにおける基準値を表す。サンプルが第2の候補組成を有する標準試料Bである場合、その基準値は1である。サンプルが第2の候補組成を有しない標準試料A又は標準試料Cである場合、その基準値は0である。図7において、縦軸は、第2の候補組成と、各サンプルの組成との間の類似度を表す。PLS判別分析(PLS−DA)においては、第1の回帰式の場合と同様に、各サンプルの類似度が基準線L4に回帰されるよう、第2の回帰式を作製した。図7に示す例においても、類似度が、主成分分析によって算出される因子1、因子2及び因子3を考慮した値になるよう、第2の回帰式が作成された。
なお、図7には、図6と同様に、第2の回帰式を作成する時に用いられた、符号P3で示す点に加えて、作成した第2の回帰式に用いられた各サンプルの各波長点におけるパラメータ値を、回帰式に代入して得られた類似度を表す点P4も示されている。図7に示すように、点P3と点P4は近接した位置に現れている。
図8は、第3の候補組成を有するサンプルに対応する第3の回帰式の算出結果を示す図である。図8において、横軸は、各サンプルにおける基準値を表す。サンプルが第3の候補組成を有する標準試料Cである場合、その基準値は1である。サンプルが第3の候補組成を有しない標準試料A又は標準試料Bである場合、その基準値は0である。図8において、縦軸は、第3の候補組成と、各サンプルの組成との間の類似度を表す。PLS判別分析(PLS−DA)においては、第1の回帰式の場合と同様に、各サンプルの類似度が基準線L5に回帰されるよう、第3の回帰式を作製した。図8に示す例においても、類似度が、主成分分析によって算出される因子1、因子2及び因子3を考慮した値になるよう、第3の回帰式が作成された。
なお、図8には、図6と同様に、第2の回帰式を作成する時に用いられた、符号P5で示す点に加えて、作成した第2の回帰式に用いられた各サンプルの各波長点におけるパラメータ値を、回帰式に代入して得られた類似度を表す点P6も示されている。図8に示すように、点P5と点P6は近接した位置に現れている。
図9は、回帰式を作成する過程で算出された、主成分分析に基づく因子2を横軸とし、主成分分析に基づく因子3を縦軸として、第1の候補組成を有する標準試料A、第2の候補組成を有する標準試料B、第3の候補組成を有する標準試料Cのスコアをそれぞれプロットした結果を示す図であり、いわゆるスコア分布である。図9に示すように、標準試料Aがプロットされた領域、標準試料Bプロットされた領域、及び標準試料Cがプロットされた領域は、互いに分離されている。従って、主成分分析によって算出される因子1、因子2及び因子3を考慮した値となるように作成された上述の第1の回帰式、第2の回帰式、第3の回帰式は、第1の候補組成、第2の候補組成、第3の候補組成の特徴をそれぞれ適切に反映していると言える。
なお、スコア分布において、異常な場所に分布している点が存在する場合、異常な場所に分布している点に対応するサンプルを除外した後に、PLS判別分析(PLS−DA)を再び実施してもよい。このような処理は、アウトライヤー除去とも称される。図9に示すスコア分布は、アウトライヤー除去を実施した後のものである。
また、PLS判別分析(PLS−DA)を実施する際、パラメータ値に現れるピークのうち重要度が高いと考えられるピークを抽出してPLS判別分析(PLS−DA)を実施する、いわゆるジャックナイフ処理を行ってもよい。図9に示すスコア分布は、カモソフトウェア製の多変量解析ソフト The Unscrambler Xを用いて、このソフトの提供する方法により、重要度が高いと考えられるピークを抽出するジャックナイフ処理を実施した後のものである。
検査方法
次に、検査システム20を用いた検査方法について説明する。まず、評価対象試料として、標準試料として用いたサンプルと同様の、サンプル1〜サンプル5の、5個のサンプルを準備した。これら5個のサンプルが第1の候補組成、第2の候補組成又は第3の候補組成のいずれを含むかを、図10の「実際の組成」の欄に示す。
続いて、標準試料の場合と同様に、照射装置21を用いてサンプル1に近赤外線を照射する照射工程を実施した。また、標準試料の場合と同様に、検出装置24を用いて、サンプル1から生じる反射光を受光し、拡散反射スペクトルを取得する検出工程を実施した。続いて、標準試料の場合と同様に、処理装置27を用いて、拡散反射スペクトルの各々に二次微分の処理を施し、波長900nm以上2400nm以下の範囲内の各波長点におけるパラメータ値を算出した。続いて、判定装置28の解析部282を用いて、記憶部281に記憶されている第1の回帰式、第2の回帰式、及び第3の回帰式のそれぞれを、サンプル1の複数のパラメータにそれぞれ適用した。これにより、第1の候補組成とサンプル1との間の第1の類似度、第2の候補組成とサンプル1との間の第2の類似度、及び、第3の候補組成とサンプル1との間の第3の類似度を算出した。結果、図10に示すように、第1の類似度は0.7499322であり、第2の類似度は0.3038277であり、第3の類似度は-0.0537599であった。
続いて、判定部283を用いて、第1の類似度〜第3の類似度の中で、最も目標値である1に近い類似度を、すなわち第1の類似度を抽出した。続いて、判定部283を用いて、抽出された第1の類似度を導いた第1の回帰式に対応する候補組成、すなわち第1の候補組成を、サンプル1の樹脂層12の組成として判定した。
サンプル2〜サンプル5についても、サンプル1の場合と同様に、検査システム20を用いることにより、各サンプルの組成を判定した。結果を図10に示す。図10においては、サンプル毎に、最も1に近くなった類似度に下線を付している。図10に示すように、5個のサンプルの全てについて、実際に樹脂層12に含まれる樹脂材料を正しく判定することができた。
[実施例2]
実施例2においては、樹脂層12が添加剤を含むか否かについて判定可能な検査システム20の製造方法及び検査方法について説明する。
検査システムの製造方法
実施例2においても、実施例1の場合と同様に、表1に示す標準試料A、標準試料B及び標準試料Cを用いた。標準試料Bは、表1に示す通り添加剤として光安定剤を含んでおり、その他のサンプルである標準試料A及び標準試料Cは、添加剤として光安定剤を含んでいない。以下、実施例2の説明において、添加剤として光安定剤を含まない樹脂層12の組成のことを第1の候補組成とも称し、添加剤として光安定剤を含む樹脂層12の組成のことを第2の候補組成とも称する。
実施例2においても、実施例1の場合と同様に、まず、検査システム20の記憶部281に記憶させておく回帰式を作成した。具体的には、第1の候補組成に対応する第1の回帰式、及び、第2の候補組成に対応する第2の回帰式を作成した。
図11は、添加剤を含まないサンプルに対応する第1の回帰式の算出結果を示す図である。図11において、横軸は、各サンプルにおける基準値を表す。サンプルが添加剤として光安定剤を含まない場合、その基準値は1である。サンプルが添加剤として光安定剤を含む場合、その基準値は0である。図11において、縦軸は、添加剤を含まない第1の候補組成と、各サンプルの組成との間の類似度を表す。図11において、横軸の値が1であり、縦軸の値が1に近い複数の点が、添加剤を含まないサンプルの類似度を表す。また、横軸の値が0であり、縦軸の値が0に近い複数の点が、添加剤を含むサンプルの類似度を表す。また、符号L3が付された直線は、基準値と類似度とが等しくなるよう描かれた基準線である。PLS判別分析(PLS−DA)においては、各サンプルの類似度が基準線L3に回帰されるよう、第1の回帰式を作製した。具体的には、複数のパラメータ値に対応する複数の回帰係数を作製した。図11に示す例においては、類似度が、主成分分析によって算出される因子1、因子2、因子3、因子4及び因子5を考慮した値になるよう、第1の回帰式が作成された。
図12は、添加剤を含むサンプルに対応する第2の回帰式の算出結果を示す図である。図12において、横軸は、各サンプルにおける基準値を表す。サンプルが添加剤として光安定剤を含む場合、その基準値は1である。サンプルが添加剤として光安定剤を含まない場合、その基準値は0である。図12において、縦軸は、添加剤を含む第2の候補組成と、各サンプルの組成との間の類似度を表す。PLS判別分析(PLS−DA)においては、第1の回帰式の場合と同様に、各サンプルの類似度が基準線L4に回帰されるよう、第2の回帰式を作製した。図12に示す例においても、類似度が、主成分分析によって算出される因子1、因子2、因子3、因子4及び因子5を考慮した値になるよう、第2の回帰式が作成された。
図13は、回帰式を作成する過程で算出された、主成分分析に基づく因子1を横軸とし、主成分分析に基づく因子2を縦軸として、添加剤を含まないサンプル及び添加剤を含むサンプルをそれぞれプロットした結果を示す図であり、いわゆるスコア分布である。図13に示すように、添加剤を含まないサンプルがプロットされた領域、及び、添加剤を含むサンプルがプロットされた領域は、互いに分離されている。従って、主成分分析によって算出される因子1〜因子5を考慮した値となるように作成された上述の第1の回帰式、第2の回帰式は、添加剤の有無に関する特徴をそれぞれ適切に反映していると言える。
検査方法
次に、検査システム20を用いた検査方法について説明する。まず、評価対象試料として、標準試料として用いたサンプルと同様の、サンプル1〜サンプル6の6個のサンプルを準備した。これら6個のサンプルが、実際に添加剤が含むか否かを、図14の「実際の添加剤の有無」の欄に示す。
続いて、標準試料の場合と同様に、検査システム20を用いて、各サンプルと第1の組成候補との間の第1の類似度、及び、各サンプルと第2の組成候補との間の第2の類似度を算出した。結果を図14に示す。また、実施例1の場合と同様に、第1の類似度及び第2の類似度のうち最も目標値である1に近い類似度を抽出した。また、抽出された類似度を導いた回帰式に対応する候補組成を、各サンプルの組成として判定した。結果、図14に示すように、6個のサンプルの全てについて、添加剤を含むか否かを正しく判定することができた。
10 樹脂シート
10x 第1面
10y 第2面
11 基材シート
12 樹脂層
20 検査システム
21 照射装置
211 照射部
212 拡散部
24 検出装置
241 検出部
27 処理装置
28 判定装置
281 記憶部
282 解析部
283 判定部

Claims (18)

  1. 樹脂シートの樹脂層の組成を判定する検査システムであって、
    前記樹脂シートに照射光として近赤外線を照射する照射部を含む照射装置と、
    前記照射光を前記樹脂シートに照射することにより得られる反射光を受光し、複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得する検出装置と、
    複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、前記拡散反射スペクトルに、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値として算出する処理装置と、
    複数のパラメータ値と、前記樹脂層の複数の候補組成との関係をそれぞれ表す複数の回帰式が予め記憶された記憶部と、前記記憶部の複数の前記回帰式のそれぞれを、前記処理装置が算出した前記樹脂層の複数のパラメータ値にそれぞれ適用して、前記樹脂層の組成と複数の候補組成との間の類似度をそれぞれ算出する解析部と、複数の前記類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された前記類似度を導いた前記回帰式に対応する候補組成を、前記樹脂層の組成として判定する判定部と、を含む判定装置と、を備える、検査システム。
  2. 前記記憶部の第1の前記回帰式は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう構成されている、請求項1に記載の検査システム。
  3. 前記処理装置は、800nm以上2500nm以下の波長範囲内において、前記樹脂層のパラメータ値を69個以上含む、請求項1又は2に記載の検査システム。
  4. 前記照射装置は、前記照射光を拡散させる拡散部をさらに含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検査システム。
  5. 前記樹脂シートは、前記樹脂層に重なり、セルロース樹脂を含む基材シートを更に含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検査システム。
  6. 前記樹脂層は、ゴムを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検査システム。
  7. 前記樹脂層は、無機材料を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検査システム。
  8. 前記検出装置は、近赤外分光器を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査システム。
  9. 前記検出装置は、近赤外ハイパースペクトルカメラを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査システム。
  10. 樹脂シートの樹脂層の組成を判定する検査方法であって、
    前記樹脂シートに照射光として近赤外線を照射する照射工程と、
    前記照射光を前記樹脂シートに照射することにより生じる反射光を受光し、複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む拡散反射スペクトルを取得する検出工程と、
    複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、前記拡散反射スペクトルに、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって複数の波長点において得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値として算出する処理工程と、
    複数のパラメータ値と、前記樹脂層の複数の候補組成との関係をそれぞれ表す複数の回帰式を、前記処理工程において算出された前記樹脂層の複数のパラメータ値にそれぞれ適用して、前記樹脂層の組成と複数の候補組成との間の類似度をそれぞれ算出する解析工程と、
    複数の前記類似度の中で最も目標値に近い類似度を抽出し、抽出された前記類似度を導いた前記回帰式に対応する候補組成を、前記樹脂層の組成として判定する判定工程と、を備える、検査方法。
  11. 第1の前記回帰式は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう構成されている、請求項10に記載の検査方法。
  12. 前記処理工程は、800nm以上2500nm以下の波長範囲内において、前記樹脂層のパラメータ値を69個以上算出する、請求項10又は11に記載の検査方法。
  13. 前記照射工程は、前記照射光を拡散させることを含む、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の検査方法。
  14. 前記樹脂層は、無機材料を含む、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の検査方法。
  15. 前記検出工程は、近赤外分光器を用いて前記拡散反射スペクトルを取得する、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の検査方法。
  16. 前記検出工程は、近赤外ハイパースペクトルカメラを用いて前記拡散反射スペクトルを取得する、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の検査方法。
  17. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の検査システムの製造方法であって、
    複数の前記候補組成のいずれかを有する樹脂層を備える樹脂シートを有する複数の標準試料に近赤外線を照射する標準試料照射工程と、
    前記照射光を複数の前記標準試料に照射することにより得られる反射光をそれぞれ受光し、各々が複数の波長点における前記反射光の強度に関する情報を含む、複数の標準試料拡散反射スペクトルを取得する標準試料検出工程と、
    複数の標準試料拡散反射スペクトルの複数の波長点における前記反射光の強度の値、又は、複数の前記標準試料拡散反射スペクトルの各々に、平均化、平滑化、正規化、微分、散乱補正、ベースライン補正、ピークシフト補正、又はそれらの組み合わせを含む処理を施すことによって複数の波長点において得られる値を、各波長点に対応する複数のパラメータ値としてそれぞれ算出する標準試料処理工程と、
    各標準試料の複数のパラメータ値を、多変量解析手法を用いて解析することにより、複数の前記候補組成に対応した複数の前記回帰式をそれぞれ作成する回帰式作成工程と、を備える、検査システムの製造方法。
  18. 前記回帰式作成工程は、第1の候補組成を有する樹脂層を備える複数の第1の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度が、その他の候補組成を有する樹脂層を備える複数の標準試料の複数のパラメータ値に第1の前記回帰式を適用した場合に算出される類似度に比べて、目標値に近い値となるよう、第1の前記回帰式を作成する、請求項17に記載の検査システムの製造方法。
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