JPH1038807A - プラスチックの判別方法およびプラスチックの判別装置 - Google Patents

プラスチックの判別方法およびプラスチックの判別装置

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JPH1038807A
JPH1038807A JP19353896A JP19353896A JPH1038807A JP H1038807 A JPH1038807 A JP H1038807A JP 19353896 A JP19353896 A JP 19353896A JP 19353896 A JP19353896 A JP 19353896A JP H1038807 A JPH1038807 A JP H1038807A
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JP
Japan
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plastic
spectrum
raman
wave number
raman spectrum
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JP19353896A
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English (en)
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Toshiaki Ito
利昭 伊藤
Yu Koishi
結 小石
Hiroo Hamaguchi
宏夫 浜口
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Hamamatsu Photonics KK
Kanagawa Academy of Science and Technology
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Kanagawa Academy of Science and Technology
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/65Raman scattering

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  • Pathology (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取得データに複雑な処理をすることなく廃棄
物プラスチックの種類の判別が可能なプラスチックの判
別方法およびプラスチックの判別装置を提供する。 【解決手段】 廃棄物プラスチック1がベルトコンベア
2上に載って所定の位置に運ばれてくると、レーザ装置
3からレーザ光が照射されラマン分光器4で分光され
て、ラマンスペクトルが記録部5に記録される。このス
ペクトルから複数のラマン線の波数およびその波数での
スペクトルの相対強度値のデータが抽出され、あらかじ
め測定されデータベース記録部7に記録されている標準
プラスチック試料のデータと抽出データとが比較部6で
比較され、結果は判別部8に送られる。この判別結果に
よって判別部8から分別器9に指示が出されて、廃棄物
プラスチック1は所定のところへ分別される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックのリ
サイクル過程における廃棄物プラスチックの素材の判別
方法およびプラスチックの素材の判別装置に関し、特に
ラマンスペクトルを利用することによるプラスチックの
判別方法およびプラスチックの判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックのリサイクル過程に
おいては、廃棄物プラスチックの素材の同定を近赤外ス
ペクトルを利用する近赤外法で行う試みがある(例え
ば、特開平6ー210632、特開平6ー30802
2、特開平7ー151603)。特開平6ー21063
2の公開公報では、プラスチックの分子構造式に基づ
き、赤外領域または近赤外領域の吸収によりそのプラス
チックの素材の官能基を判別して、その種類を分別する
方法が示されている。また、特開平6ー308022の
公開公報では、プラスチックに近赤外光を照射して吸収
スペクトルを測定し、その1次または2次等の微分スペ
クトルを求めて、測定波長領域における微分スペクトル
の正負等を判別して、あらかじめ求めておいた標準プラ
スチックの微分スペクトルと比較してその適合率を求め
て、その最大の適合率を示す標準プラスチック試料の材
質を未知のプラスチックの材質と判定する方法が示され
ている。また、特開平7ー151603の公開公報に
は、被判別プラスチックの判別に必要な近赤外線吸収ス
ペクトルの測定可能な位置を被判別プラスチック上に検
出する方法が示されている。これらは、いずれも近赤外
の吸収反射スペクトルを利用するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこれら
の方法には、次のような問題点がある。
【0004】近赤外吸収スペクトルは分子の振動遷移に
基づく吸収の倍音、結合音であるので、そのスペクトル
は一般にブロードである。したがって、被判別プラスチ
ックの素材の判別過程で複雑なデータ処理技術が要求さ
れる。共重合体を含む場合はさらに判別過程が複雑とな
る。
【0005】また、近赤外反射吸収スペクトルでは、プ
ラスチック表面の直接反射の影響を受けるので、スペク
トルの形状が透過吸収スペクトルの場合と異なる。した
がって、被判別プラスチックのスペクトルに微分処理等
の条件が新たに加わり、データ処理が複雑になる。
【0006】また,近赤外領域に強い吸収をもつ付着物
が被判別プラスチックの表面にあると、その付着物の影
響を受けてプラスチック素材の情報がスペクトルから正
確に得られない場合もある。
【0007】さらに、プラスチックの種類によっては著
しく吸収の強いものがあり、この場合にはスペクトルに
吸収飽和は起こるので、判別に必要な情報が得られず、
被判別プラスチックの判別に支障をきたす。
【0008】さらに、また、明るい場所での計測ではス
ペクトルが外来光の影響を受けるので、被判別プラスチ
ックの正確なスペクトルの形状を測定できない場合があ
る。
【0009】従って、本発明の目的は、プラスチックの
判別の際にそのスペクトルに複雑な処理をすることな
く、またスペクトルの測定の際に被判別プラスチック表
面の影響および特定の吸収の影響を受けることなく、そ
して明るい場所でも使用可能なプラスチック判別方法お
よびプラスチック判別装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるプラスチ
ック判別方法は、素材が未知の被判別プラスチックのラ
マンスペクトルを測定する測定工程と、素材が既知のプ
ラスチックのラマンスペクトルと測定工程で測定された
ラマンスペクトルとを比較する比較工程と、比較工程で
の比較の結果から被判別プラスチックの素材を判別する
工程とを備える。
【0011】このように本発明は、プラスチックのラマ
ンスペクトルを測定し、これにより被判別プラスチック
の素材の判別をするようにしているが、ラマンスペクト
ルは、プラスチックを構成する素材に特有な原子団やそ
れらの結合の様子を反映し、赤外吸収スペクトルに比べ
て、それぞれの素材の特徴をより明確にあらわしてい
る。また、ラマンスペクトルは、赤外吸収のようにブロ
ードではなく、物質に固有の特定波数にラマンシフトと
いう輝線として得られるため、信号レベルが小さくても
素材の特定がしやすい。さらに、ラマン散乱現象は他の
スペクトルと比べて比較的感度が低いので、被判別プラ
スチックに含まれる染料や表面の汚れ等の影響が少な
く、被判別プラスチックの素材独自の情報を得やすい。
さらに、また、ラマンスペクトルは、赤外吸収スペクト
ルのように吸収が著しく強いものがないので飽和吸収が
生じない。
【0012】ラマンスペクトルはこれらの特徴があるの
で、たとえば、表面での直接反射の影響や表面の凹凸か
らの乱反射の影響も受けにくく、被判別プラスチックの
形状等の影響も受けにくい。これらは、廃棄物プラスチ
ックの判別には、好都合な特徴である。実際の判別過程
では、十分よい試料が準備できる素材が既知のプラスチ
ックのラマンスペクトルは、素材の特徴をよくあらわし
たスペクトルが測定できる。一方、素材が未知の被判別
プラスチックは、一般に表面に様々な汚れ等が付着して
いる場合もあるが、そのラマンスペクトルを測定する
と、汚れ等の付着物の影響を受けることなく、素材の特
徴をよくあらわしたスペクトルが得られる。したがっ
て、素材が未知の被判別プラスチックのラマンスペクト
ルと素材が既知のプラスチックのラマンスペクトルとを
比較すると、被判別プラスチックの素材の同定ができ
る。この判別方法を廃棄物プラスチックの分別に適用す
ると、廃棄物プラスチックの素材が判別ができる。
【0013】また、本発明に係わるプラスチックの判別
方法は、素材が未知の被判別プラスチックのラマンスペ
クトルを測定する測定工程と、測定工程で測定されたラ
マンスペクトルからラマン線の波数およびその波数での
相対強度値を抽出する抽出工程と、素材が既知のプラス
チックのラマン線の波数およびその波数での相対強度値
と測定工程で測定されたラマンスペクトルのラマン線の
波数およびその波数での相対強度値とを比較する比較工
程と、比較工程の比較結果から被判別プラスチックの素
材を判別する工程とを備える。
【0014】ラマンスペクトルは、赤外吸収スペクトル
のようにブロードではなく、物質に固有の特定波数にラ
マンシフトという輝線として得られるので、代表的なパ
ラメータとして、ラマンスペクトルの特徴をその輝線
(ラマン線)の波数およびその波数での相対強度値とで
捉えることができる。十分よい試料が準備できる素材が
既知のプラスチックのラマンスペクトルは、素材の特徴
をよくあらわしたラマンシフトが得られ、結果として、
波数とその波数での相対強度値は、素材の特徴をよくあ
らわしたものとなる。また、素材が未知の被判別プラス
チックは、一般に表面に様々な汚れ等が付着している場
合もあるが、上述のラマンスペクトルの特徴から、その
ラマンスペクトルを測定すると、汚れ等の付着物の影響
を受けることなく、素材の特徴をよくあらわしたラマン
シフトが得られる。そして、波数とその波数での相対強
度値は、素材の特徴をよくあらわしたものである。した
がって、ラマン線の波数およびその波数での相対強度値
を測定ラマンスペクトルから抽出し、この抽出データと
素材が既知のプラスチックのラマン線の波数およびその
波数での相対強度値とをそれぞれ比較すると、複雑なデ
ータ処理をすることなく被判別プラスチックの素材の同
定ができる。この判別方法を廃棄物プラスチックの分別
に適用すると、廃棄物プラスチックの素材が判別ができ
る。
【0015】本発明に係わるプラスチックの判別装置
は、素材が未知の被判別プラスチックのラマンスペクト
ルを測定するスペクトル測定手段と、素材が既知のプラ
スチックのラマンスペクトルを記憶しておく記録手段
と、スペクトル測定手段で測定したラマンスペクトルと
記録手段に記録されたラマンスペクトルを比較するスペ
クトル比較手段と、スペクトル比較手段での比較結果か
ら被判別プラスチックの素材を判別する判別手段とを備
える構成とした。
【0016】上述のような特徴があるラマンスペクトル
により、素材が未知の被判別プラスチックのスペクトル
を測定するスペクトル測定手段を設けたので、被判別プ
ラスチックの素材の特徴をよくあらわしたスペクトルを
得ることができる。また、素材が既知のプラスチックの
ラマンスペクトルを記憶しておく記録手段と、スペクト
ル測定手段で測定したラマンスペクトルと記録手段に記
録されたラマンスペクトルを比較するスペクトル比較手
段とを設けたので、被判別プラスチックのスペクトルの
測定後に直ちにスペクトルの比較できる。そして、スペ
クトル比較手段での比較結果から被判別プラスチックの
素材を判別する判別手段を設けたので、比較結果から直
ちに被判別プラスチックの素材の同定ができる。この判
別装置を廃棄物プラスチックの分別に適用すると、廃棄
物プラスチックの素材が判別ができる。
【0017】本発明に係わるプラスチックの判別装置
は、記録手段は、素材が既知のプラスチックのラマンス
ペクトルのラマン線の波数およびその波数での相対強度
値とを記録しており、スペクトル比較手段は、スペクト
ル測定手段で測定した被判別プラスチックのラマンスペ
クトルからラマン線の波数およびその波数での相対強度
値を抽出する抽出手段と、抽出手段で抽出した波数およ
び相対強度値と記録手段に記憶されているラマン線の波
数およびその波数での相対強度値とを比較する手段とを
備える構成としてもよい。
【0018】ラマンスペクトルは、物質に固有の特定波
数にラマンシフトという輝線として得られ、そしてこの
輝線(ラマン線)の波数およびその波数での相対強度値
は、ラマンスペクトルの代表的なパラメータとして捉え
られる。十分よい試料が準備できる素材が既知のプラス
チックでは、素材の特徴をよくあらわしたラマンシフト
が得られる。また、素材が未知の被判別プラスチック
は、一般に表面に様々な汚れ等が付着している場合もあ
るが、ラマンスペクトルの前述したような特徴により、
そのラマンスペクトルを測定すると、汚れ等の付着物の
影響を受けることなく、素材の特徴をよくあらわしたラ
マンシフトが得られる。そこで、このスペクトルからラ
マン線の波数およびその波数での相対強度値を抽出する
抽出手段を設けるようにし、また記録手段は素材が既知
のプラスチックのラマンスペクトルのラマン線の波数お
よびその波数での相対強度値とを記録するようにしたの
で、この抽出データと記録手段に記録されているラマン
線の波数およびその波数での相対強度値とをそれぞれ比
較すると、複雑なデータ処理をすることなく被判別プラ
スチックの素材の同定ができる。この判別装置を廃棄物
プラスチックの分別に適用すると、廃棄物プラスチック
の素材が判別ができる。
【0019】本発明に係わるプラスチックの判別装置
は、記録手段は、スペクトル測定手段により測定された
素材が既知のプラスチックのラマンスペクトルを記録す
る構成としてもよい。
【0020】このように記録手段に記録されたラマンス
ペクトルと被判別プラスチックのラマンスペクトルを同
一の装置で測定すると、検出器の分光感度、分光器の回
折効率等がラマン線のラマンシフトや相対強度には影響
を与えることなく素材の同定ができる。
【0021】本発明に係わるプラスチックの判別装置
は、スペクトル測定手段は、ラマンスペクトル取得のた
めの近赤外レーザ光を出力する励起光源を有する構成と
してもよい。
【0022】このように近赤外レーザ光を出力する励起
光源を用いてラマンスペクトルを取得すると、蛍光性不
純物、着色材、汚れ、酸化物等からの蛍光の影響を回避
できるため、簡単な計測装置で多くの試料の判別をする
ことができる。
【0023】本発明に係わるプラスチックの判別装置
は、スペクトル測定手段は、ラマンスペクトル取得のた
めのパルスレーザ光を出力する励起光源と、励起光源と
同期してラマンスペクトルを測定する手段とを有する構
成としてもよい。
【0024】このようにパルスレーザ光を出力する励起
光源を用いて、さらにこの励起光源と同期してラマンス
ペクトルを取得すると、外来光の影響を受けることなく
明るい場所で動作せることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して本
発明の実施の形態について説明する。
【0026】(第1の実施の形態)図1は、本発明を適
用したプラスチック廃棄物判別システムの概略図であ
る。図1の本廃棄物判別システムでは、廃棄物プラスチ
ック(未知試料)1がベルトコンベア2上に載って所定
の位置に運ばれてくると、レーザ装置3からレーザ光が
照射され分光器4でラマンスペクトルが測定されて、記
録部5に記録される。このスペクトルは、データベース
記録部7に記録されている標準プラスチック試料のスペ
クトルと比較部6で比較されて、その比較結果は判別部
8に送られる。この判別結果によって判別部8から分別
器9に指示が出されて、廃棄物プラスチック1は所定の
ところへ分別される。
【0027】次に、この廃棄物判別システムでプラスチ
ック試料のラマンスペクトル測定手順について説明す
る。レーザ装置3は半導体励起のパルス発振YAGレー
ザを使用し、たとえば、波長1.064μm、パルス幅
10nm、繰り返し周波数12kHz、平均出力13m
Wで用いた。このレーザ光を励起光として試料1に照射
して、後方散乱光をノッチフィルタ(図示せず)を介し
てラマン分光器4で分光し、検出器として近赤外用光電
子増倍管(図示せず)を用いて散乱光強度を測定した。
散乱光強度の測定には、パルスレーザ光の照射と同期し
て検出器のゲートを開ける同期光子計数法を用い、ラマ
ン分光器4をスキャンさせて順次光子計数をしてラマン
スペクトルを測定した。
【0028】このようにパルスレーザ装置のパルスに同
期して測定を行うゲート方式を採用すると、外来光の影
響を受けることなく明るい場所で動作せることができ
る。
【0029】また、このように近赤外励起でラマンスペ
クトルを取得すると、競合する蛍光の影響を回避でき
る。したがって、蛍光性不純物、着色材、汚れ、酸化物
等からの蛍光の影響を回避できるため、簡単な計測装置
で多くの試料の判別をすることができる。なお、本実施
の形態では、ラマンスペクトルを取得するための励起光
としては1.064μmの近赤外光を用いたが、本発明
はこれに限ることなく0.7μm〜1.6μmの近赤外
領域の励起光を利用できる。
【0030】このようにして6種の未知試料についてラ
マンスペクトルを測定した結果を、図2(a)〜図7
(a)に示す。また、図2(a)〜図7(a)のそれぞ
れの素材に対応する標準プラスチック試料についてラマ
ンスペクトルを測定した結果を図2(b)〜図7(b)
に示す。これら図2(a)〜図7(a)、図2(b)〜
図7(b)は、横軸にはcmー1を単位にしてラマンシフ
トを示し、縦軸には散乱光の相対強度値を示す。以下、
図2から図7までのそれぞれについて説明する。
【0031】図2(a)は、未知試料S1としてフロッ
ピーケースのラマンスペクトルを測定した結果であり、
図2(b)は、標準プラスチック試料としてポリスチレ
ン(PST)のラマンスペクトルを測定した結果であ
る。図2(a)では、図中のA’、B’、C’、D’、
E’、F’、G’、H’で示す波数にラマン線がみられ
る。また、PSTのラマンスペクトルを示した図2
(b)では、図中のA、B、C、D、E、F、G、Hで
示す波数にラマン線がある。図2(a)および図2
(b)のAとA’からHとH’までを対応させて比較す
ると、そのピークでの波数がほぼ等しく、また各ピーク
の相対強度値もよい一致を示す。したがって、S1はP
STであると判別される。
【0032】図3(a)は、未知試料S2として定規の
ラマンスペクトルを測定した結果であり、図3(b)
は、標準プラスチック試料としてMMA樹脂(PMM
A)のラマンスペクトルを測定した結果である。図3
(a)では、図中のA’、B’、C’、D’、E’、
F’、G’、H’、J’で示す波数にラマン線がみられ
る。また、MMA樹脂のラマンスペクトルを示した図3
(b)では、図中のA、B、C、D、E、F、G、H、
Jで示す波数にラマン線がある。図3(a)および図3
(b)のAとA’からJとJ’までを対応させて比較す
ると、そのピークでの波数がほぼ等しく、また各ピーク
の相対強度値もよい一致を示す。したがって、S2はP
MMAであると判別される。
【0033】図4(a)は、未知試料S3として白色半
透明のチューブのラマンスペクトルを測定した結果であ
り、図4(b)は、標準プラスチック試料としてポリエ
チレン(PE)のラマンスペクトルを測定した結果であ
る。図4(a)では、図中のA’、B’、C’、D’で
示す波数にラマン線がみられる。また、PEのラマンス
ペクトルを示した図4(b)では、図中のA、B、C、
Dで示す波数にラマン線がある。図4(a)および図4
(b)のAとA’からDとD’までを対応させて比較す
ると、そのピークの波数がほぼ等しく、また各ピークで
の相対強度もよい一致を示す。したがって、S3はPE
であると判別される。
【0034】図5(a)は、未知試料S4としてプラス
チックネジのラマンスペクトルを測定した結果であり、
図5(b)は、標準プラスチック試料としてポリカボネ
ート(PC)のラマンスペクトルを測定した結果であ
る。図5(a)では、図中のA’、B’、C’、D’、
E’、F’、G’、H’、J’、K’、L’、M’、
N’で示す波数にラマン線がみられる。また、PCのラ
マンスペクトルを示した図5(b)では、図中のA、
B、C、D、E、F、G、H、J、K、L、M、Nで示
す波数にラマン線がある。図5(a)および図5(b)
のAとA’からNとN’までを対応させて比較すると、
そのピークの波数がほぼ等しく、また各ピークでの相対
強度もよい一致を示す。したがって、S4はPCである
と判別される。
【0035】図6(a)は、未知試料S5としてビニー
ルテープのラマンスペクトルを測定した結果であり、図
6(b)は、標準プラスチック試料として塩化ビニル樹
脂(PVC)のラマンスペクトルを測定した結果であ
る。図6(a)では、図中のA’、B’、C’、D’、
E’、F’で示す波数にラマン線がみられる。また、P
VCのラマンスペクトルを示した図6(b)では、図中
のA、B、C、D、E、Fで示す波数にラマン線があ
る。図6(a)および図6(b)のAとA’からFと
F’までを対応させて比較すると、そのピークの波数が
ほぼ等しく、また各ピークでの相対強度もよい一致を示
す。したがって、S5はPVCであると判別される。
【0036】図7(a)は、未知試料S6として白色の
チューブのラマンスペクトルを測定した結果であり、図
7(b)は、標準プラスチック試料としてテフロン(P
TFE)のラマンスペクトルを測定した結果である。図
7(a)では、図中のA’、B’、C’、D’、E’、
F’で示す波数にラマン線がみられる。また、PTFE
のラマンスペクトルを示した図7(b)では、図中の
A、B、C、D、E、Fで示す波数にラマン線がある。
図7(a)および図7(b)のAとA’からFとF’ま
でを対応させて比較すると、そのピークの波数がほぼ等
しく、また各ピークでの相対強度もよい一致を示す。し
たがって、S6はPTFEであると判別される。
【0037】このように図2〜図7までの具体例から、
ラマンスペクトルは、そのスペクトルから原子団やその
結合の様子がわかり、近赤外吸収スペクトルに比べて個
々の素材の特徴をよりあらわしている。したがって、素
材が未知のプラスチックのラマンスペクトルと素材が既
知の試料のスペクトルとを比較すると、素材が未知のプ
ラスチックの素材の同定ができる。これを廃棄物プラス
チックの判別に用いると、非接触で廃棄物プラスチック
の素材が判別できる。
【0038】次に、ピーク検出、強度比較に基づく方法
をこれらのデータに用いた場合について、データベース
作成手順を説明し、そして比較の手順および判別の手順
を説明する。
【0039】まず、データベース記録部7に記録される
プラスチック標準試料のデータベースの作成手順を図8
および図9を用いて説明する。標準プラスチック試料A
のラマンスペクトルを図1に示した装置で測定し(2
1)、記録部5に記録する(22)。測定結果を図8
(a)に示す。次に、低SN比のラマンスペクトルの場
合にスペクトルを比較するとき障害となるので、このデ
ータから検出器の暗出力によるオフセットを減算する
(24)。減算方法としては一般に有機物質のラマン線
がでない波数領域のスペクトル強度をオフセット値とす
ることが好ましい。たとえば、1900cmー1〜200
0cmー1領域のスペクトル強度をオフセット値とするこ
とが好ましい。オフセット値を図8(a)中に破線(3
0)で示すような一定値とし、この値以上の部分を対象
に以後の解析を進める。この後に、ラマン線の位置を見
つけるために、ラマンスペクトルからピークを検出する
(25)。このピークを図8(a)中にv1〜v12に示
す。検出するピークの数は、6〜10点程度が好まし
い。そして、これらのピークの相対強度値に対して、非
常に強い(ss),強い(s),普通(m)、弱い
(w)の4段階で重み付けを行う(26)。図8(a)
のスペクトルに重み付けをした結果は、ピークv2(3
1)は、重み付けssであり、ピークv1(32)、v6
(33)、v10(34)は、重み付けsであり、v
8(35)、v12(36)は、重み付けmであり、そし
て、残りのピークv3、v4、v5、v7、v9、v11は、
重み付けwである。これらのラマン線の重み付けの結果
は、各標準プラスチック試料ごとに図8(b)に示すよ
うな一覧にまとめられて、データベース記録部7に記録
される。一覧表には、重み付けの他にピークでの相対強
度値等を含んでもよい。このようにして必要な標準プラ
スチック試料についてデータベースを作成する。以上の
説明で図9の破線23で囲まれたこれらの手順(24、
25、26)は、図1の比較部6で行われる。
【0040】次に、比較および判別の手順を図10およ
び図11を用いて説明する。未知試料プラスチックSの
ラマンスペクトルを図1に示した装置で測定して(4
1)、記録部5に記録する(42)。測定結果を図11
に示す。このデータに対してデータベース作成の手順と
同様にオフセット値(50)でオフセット減算を行い
(44)、ピークs1〜s9を検出して(45)、さらに
重み付け(46)を行って、データベースと比較するラ
マン線の波数とその波数での重み付けデータをスペクト
ルから抽出する。図11にデータでピーク検出および重
み付けを行った結果は、s7(51)は重み付けssで
あり、s1(52)、s4(53)、s6(54)、s
8(55)、s9(56)は、重み付けmであり、s2
3、s5は、重み付けwである。この後に、データベー
ス記録部7からデータベースを順次読み出し(48)、
未知試料Sのデータと比較して(47)、結果を判別部
8へ送る。以上の説明で図10の破線43で囲まれたこ
れらの手順(44、45、46、47)は、図1の比較
部6で行われる。判別部8では、未知試料Sのデータと
各標準プラスチック試料のデータの比較結果のすべてを
受け取った後に、これらの比較結果でピークの一致の程
度が高いものを選び出して(49)、分別器9へ指示す
る。この方法により図2(a)〜図7(a)に示した未
知試料S1〜S6のラマンスペクトルを判別できる。
【0041】以上説明したデータベース作成手順、比較
および判別の手順は、コンピュータ等を用いると簡単に
実現できる。
【0042】ラマンスペクトルは、赤外吸収スペクトル
のようにブロードではないので、物質に固有の特定波数
にラマンシフトという輝線として得られ、ラマンスペク
トルの特徴を、代表的なパラメータとして、その輝線
(ラマン線)の波数およびその波数での相対強度値とで
捉えることができる。したがって、このようにピーク検
出、強度比較に基づく方法を用いることができる。そし
て、ラマン線の波数およびその波数での相対強度値を未
知試料のラマンスペクトルから抽出し、抽出データと素
材が既知のプラスチックのラマン線の波数およびその波
数での相対強度値とを比較すると、複雑なデータ処理を
せずに被判別プラスチックの素材の同定ができる。
【0043】以上説明したように、このような方法で非
接触で廃棄物プラスチックの分別ができる。また、ラマ
ン散乱は一種の発光現象であり、着目する波数にどの程
度の信号があるかで判別するため、信号強度の絶対値が
微弱であってもよい。したがって、図2(a)〜図7
(a)の測定では、図2(b)〜図7(b)の測定に比
べて、励起レーザ光の強度を1/20にしてSN比を低
くした場合でも同様に同定できる。また、図2(a)〜
図7(a)の未知試料スペクトルの1/50程度のSN
比のものでも、図10に示した方法で判別できる。
【0044】また、試料である廃棄物プラスチックの判
別だけを目的とするのであれば全波数領域にわたりスペ
クトルを取得する必要がなく、試料のラマンスペクトル
に特徴のある部分のみ測定してもよい。この場合は、分
光器の代わりに1または複数の波長を透過させるバンド
パスフィルタを用いてもよい。このようにすると判別の
高速化および装置の簡素化が図られる。また、励起レー
ザ光もより高出力のものを用いれば、さらに判別の高速
化を図ることができ、たとえば、1試料当たり0.1秒
程度の判別が可能である。さらに、光ファイバ等を利用
して、複数の試料を同時に並列測定するようにしてもよ
い。このようにすると判別速度の向上を図ることができ
る。
【0045】また、特に近赤外励起でラマンスペクトル
を取得すると、競合する蛍光の影響を回避できる。した
がって、本発明のプラスチック判別方法およびプラスチ
ック判別装置では、蛍光性不純物、着色材、汚れ、酸化
物等からの蛍光の影響を回避できるため、簡単な計測装
置で多くの試料の判別ができる。
【0046】(第2の実施の形態)第2の実施の形態
は、未知試料のスペクトルと標準プラスチック試料の比
較を相関関数を用いて行う場合について説明する。ラマ
ンスペクトルの測定は図1に示した装置で第1の実施の
形態と同様に測定できる。したがって、その詳細な説明
は省略する。なお、相関関数f(X)とは、
【0047】
【数1】 をいう。ここで、Xを波数とし、標準プラスチック試料
のラマンスペクトルの関数をS(X)、未知試料ラマンス
ペクトルの関数をD(X)とする。
【0048】まず、データベース記録部7に記録される
プラスチック標準試料のデータベースの作成手順を図8
(a)および図12を用いて説明する。標準プラスチッ
ク試料Aのラマンスペクトルを図1に示した装置で測定
し(61)、これを記録部5に記録する(62)。測定
結果を図8(a)に示す。第1の実施の形態と同様に、
このデータから検出器の暗出力によるオフセットを減算
する(64)。オフセット値を図8(a)中に破線(3
0)で示すような一定値とし、この値以上の部分を対象
に以後の解析を進める。この後に、ラマン線の位置を見
つけるために、第1の実施の形態と同様にラマンスペク
トルからピークを検出する(65)。このピークを図8
(a)中にv1〜v12に示す。検出するピークの数は、
6〜10点程度が好ましい。そして、これらのピークを
中心にスペクトルの相対強度値を所定の波数間隔で離散
化したデータにする(66)。データベースに所定の測
定領域のすべての値を記録してもよいが、データベース
に記録すべきデータを少なくするために、離散化するデ
ータはスペクトルのピーク値からオフセット値までの波
数の範囲とすることが好ましい。これらのラマンスペク
トルの離散化の結果は、各標準プラスチック試料ごとに
(波数、相対強度値)の対でデータベース記録部7に記
録される(67)。このようにして必要な標準プラスチ
ック試料についてデータベースを作成する。図12の破
線63で囲まれたこれらの手順(64、65、66)
は、図1の比較部6で行われる。なお、ピーク検出を行
わずに、すべての波数の相対強度値を離散化して記録し
てもよい。
【0049】次に、比較および判別の手順を図11およ
び図13を用いて説明する。未知試料プラスチックSの
ラマンスペクトルを図1に示した装置で測定し(7
1)、記録部5に記録する(72)。測定結果を図11
に示す。このデータに対して、データベース作成の手順
と同様にしてオフセット値(50)でオフセット減算を
行い(74)、ピークs1〜s9を検出して(75)、さ
らに離散化(76)を行い、データベースと比較する離
散化データをスペクトルから抽出する。この後に、デー
タベース記録部7からデータベースを順次読み出し(7
8)、未知試料Sのデータとの相関関数を順次計算して
(77)、計算結果を判別部8へ送る。なお、相関関数
はコンピュータによって数値積分で求めることができ
る。以上の説明で図13の破線73で囲まれたこれらの
手順(74、75、76、77)は、図1の比較部6で
行われる。判別部8では、未知試料Sのデータと各標準
プラスチック試料のデータの相関関数の計算結果のすべ
てを受け取った後に、これらの計算結果で相関関数のX
=0の近傍の振る舞いから相関の程度が高いものを選び
分別器9へ指示を出す。この方法でも図2(a)〜図7
(a)に示した未知試料S1〜S6のラマンスペクトル
を判別できる。
【0050】以上説明したように、素材が未知のプラス
チック試料のラマンスペクトルを測定して標準プラスチ
ック試料のデータとの相関関数を計算するようにして
も、プラスチックの素材の同定ができる。したがって、
廃棄物プラスチックの判別をすることができる。また、
複数の標準プラスチック試料とについて計算した相関関
数の値からそれぞれの組成比もわかる。
【0051】(第3の実施の形態)第1の実施の形態お
よび第2の実施の形態では、ラマンスペクトルの測定に
励起光として近赤外レーザ光を用いたが、励起光として
可視光を用いることもできる。可視光を用いる場合は、
図1の第1の実施の形態で用いた装置で、可視レーザ光
の発振ができる励起用のレーザ装置3に、可視光領域を
分光できるラマン分光器4および検出器として可視光用
光電子増倍管(図示せず)を用いる。このような装置で
測定したラマンスペクトルを第1の実施の形態と同じく
ピーク検出、強度比較に基づく方法で比較する。
【0052】フロッピーケースおよび白色の発砲スチロ
ールのラマンスペクトルを励起光として532nmの可
視光を用いて測定した結果を、それぞれ図14(a)お
よび図14(b)に示す。また、比較のために図14
(a)および図14(b)の横に近赤外レーザ光で励起
して測定したものをそれぞれ図14(c)および図14
(d)として示す。図14(a)でオフセット値を破線
(80)で示した値に設定すると、ピークとしてt1
2、t3が検出される。これらのピークは、図14
(c)のt1’、t2’、t3’と対応する。同様にして
図14(b)でオフセット値を破線(90)で示した値
に設定すると、ピークとしてu1、u2、u3が検出され
る。これらのピークは、図14(d)のu1’、u2’、
3’と対応する。したがって、可視光を励起光として
用いて測定したラマンスペクトルからも、図9および図
10に示した手順によって未知試料が判別できることが
第1の実施の形態の説明からわかる。なお、本実施の形
態では、オフセット値を波数に関係なく定めているが、
オフセットによっては、オフセット値に波数依存性をも
たせてもよい。
【0053】以上説明したように、本発明は可視光を励
起光に用いても適用できる。得られたラマンスペクトル
は近赤外光を励起光として用いた場合と比較して蛍光の
影響によるオフセットがある。しかし、この影響は、ピ
コ秒レーザ装置を励起光源およびピコ秒のゲートを有す
る検出器を用いて回避できる。
【0054】第1の実施の形態および第3の実施の形態
では、ピーク検出、強度比較に基づく方法により廃棄物
プラスチックの判別を行い、第2の実施の形態では相関
関数を計算する方法で廃棄物プラスチックの判別を行っ
た。本発明はこれらの判別方法に限定されるものではな
く、この他にも、域値により判別する方法、ニューラル
ネットワークにより非線形的パターンマッチングを行う
方法等も利用できる。
【0055】また、第1の実施の形態から第3の実施の
形態では、未知試料が、複数ある標準プラスチック試料
のどれに対応するかについて説明したが、この方法は単
一の物質だけを選別したい場合に特に有効である。しか
し、比較部6での比較結果のすべてを判別部8に送れ
ば、複数の標準プラスチック試料との対応も判別でき
る。さらに、多量の可塑剤が含まれている場合や共重合
体の場合でも、標準プラスチック試料の複数のデータベ
ースの足し算を行って新たなデータを作成して、これと
未知試料とを比較すれば複数の標準プラスチック試料の
組成比も解析できる。さらに、また、同一の装置で未知
試料のスペクトルと標準プラスチック試料のスペクトル
が測定されている場合で、データベースに記録されてい
る複数の標準プラスチック試料のラマン線の波数が、同
じ被判定プラスチックのラマン線の波数の一部と一致す
るときは、各々の標準プラスチック試料と被判定プラス
チックとの対応するラマン線の相対強度値をそれぞれ比
較して、それぞれの相対比を求めると、その複数の標準
プラスチック試料の組成比を求めることもできる。ま
た、データベースに記録されるスペクトルは、単一の素
材からなるプラスチックだけではなく、複数の素材から
なるプラスチックのスペクトルを記録してもよい。この
ようにすると特定の組成からなるプラスチックの同定が
できる。
【0056】また、第1の実施の形態から第3の実施の
形態では、ラマンスペクトルの取得にシングルチャネル
の検出器を用いて分光器をスキャンする方法を用いてい
るが、ゲート機能を有する可視光領域または近赤外光領
域に感度を有するマルチチャネル検出器を用いてもよ
い。このようにすれば分光器をスキャンする必要がない
ので、測定時間を短縮できる。
【0057】第1の実施の形態から第3の実施の形態で
は、データベースを作成するための標準プラスチック試
料のラマンスペクトルを未知試料のラマンスペクトルと
同一の測定装置で測定すようにした。測定装置が異なっ
た場合に物質固有のラマンシフトの値は不変であるか
ら、これらのスペクトルは異なる装置で測定したデータ
に基づくものでもよいが、同一の測定装置で測定するこ
とが好ましい。検出器の分光感度、分光器の回折効率お
よび光ファイバを用いた場合の波長透過率依存性によっ
てラマン線の強度に影響を与えるからである。
【0058】なお、データベースの作成は、一般には装
置の立ち上げ時点で一回行えば、それ以降の判別には継
続して使用できる。また将来合成されるプラスチックに
対してもそのまま適用できる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラスチ
ック判別方法およびプラスチック判別装置では、近赤外
吸収に比べて個々の素材の特徴をよりあらわすラマンス
ペクトルを廃棄物プラスチックについて取得するので、
そのスペクトルから原子団やその結合の様子がわかる。
これと既知試料のスペクトルとを比較すると、非接触で
廃棄物プラスチックの素材が簡単に判別できる。また、
装置の構成も簡単にできる。
【0060】また、一般にラマン散乱現象の感度が比較
的に低いので、未知試料に含まれる染料、顔料、汚れ等
の夾雑物質の影響が少ない。したがって、本発明のプラ
スチック判別方法およびプラスチック判別装置では、こ
れらの影響によらず廃棄物プラスチックの素材独自の情
報を得ることができるので、廃棄物プラスチックの素材
の判別が容易にできる。
【0061】また、本発明のプラスチック判別方法およ
びプラスチック判別装置では、ラマンシフトは物質に固
有であるため、着目する波数にどの程度の信号があるか
で物質の特定ができる。したがって、ノイズレベルより
わずかに高い信号があれば、あまり複雑なデータ処理を
することなく廃棄物プラスチックの素材の判別ができ
る。
【0062】また、本発明のプラスチック判別方法およ
びプラスチック判別装置は、特にパルスレーザ装置とそ
のパルスに同期して測定を行うゲート方式を採用する
と、外来光の影響を受けることなく明るい場所で動作せ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するプラスチック廃棄物判別シス
テムの概略図である。
【図2】図2(a)はフロッピーケースのラマンスペク
トル図である。図2(b)は、ポリスチレン(PST)
のラマンスペクトル図である。
【図3】図3(a)は定規のラマンスペクトル図であ
る。図3(b)は、MMA樹脂(PMMA)のラマンス
ペクトル図である。
【図4】図4(a)は白色半透明チューブのラマンスペ
クトル図である。図4(b)は、ポリエチレン(PE)
のラマンスペクトル図である。
【図5】図5(a)はプラスチックネジのラマンスペク
トル図である。図5(b)は、ポリカボネート(PC)
のラマンスペクトル図である。
【図6】図6(a)はビニールテープのラマンスペクト
ル図である。図6(b)は、塩化ビニル樹脂(PVC)
のラマンスペクトル図である。
【図7】図7(a)は白色チューブのラマンスペクトル
図である。図7(b)は、テフロン(PTFE)のラマ
ンスペクトル図である。
【図8】図8(a)は、第1の実施の形態においてデー
タベースを作成する標準プラスチック試料Aのラマンス
ペクトル図である。図8(b)は、作成したデータベー
スの構造を示す概念図である。
【図9】第1の実施の形態においてデータベース作成の
手順を示すフロー図である。
【図10】第1の実施の形態において未知試料の判別を
行うための手順を示すフロー図である。
【図11】第1の実施の形態において未知試料Sのラマ
ンスペクトル図である。
【図12】第2の実施の形態においてデータベース作成
の手順を示すフロー図である。
【図13】第2の実施の形態において未知試料の判別を
行うための手順を示すフロー図である。
【図14】図14(a)は、可視光で励起して取得した
あるフロッピーケースのラマンスペクトル図である。図
14(b)は、可視光で励起して取得した白色発泡スチ
ロールのラマンスペクトル図である。図14(c)は、
近赤外光で励起して取得した図14(a)と同一のフロ
ッピーケースのスペクトル図である。図14(d)は、
近赤外光で励起して取得した図14(b)と同一の白色
発泡スチロールのラマンスペクトル図である。
【符号の説明】
1…廃棄物プラスチック、2…ベルトコンベア、3…レ
ーザ装置、4…ラマン分光器、5…記録部、6…比較
部、7…データベース記録部、8…判別部、9…分別器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜口 宏夫 東京都稲城市向陽台5−10−7−407

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材が未知の被判別プラスチックのラマ
    ンスペクトルを測定する測定工程と、 素材が既知のプラスチックのラマンスペクトルと前記測
    定工程で測定されたラマンスペクトルとを比較する比較
    工程と、 前記比較工程での比較の結果から前記被判別プラスチッ
    クの素材を判別する工程と、を備えることを特徴とする
    プラスチックの判別方法。
  2. 【請求項2】 素材が未知の被判別プラスチックのラマ
    ンスペクトルを測定する測定工程と、 前記測定工程で測定されたラマンスペクトルからラマン
    線の波数およびその波数での相対強度値を抽出する抽出
    工程と、 素材が既知のプラスチックのラマン線の波数およびその
    波数での相対強度値と前記測定工程で測定されたラマン
    スペクトルのラマン線の波数およびその波数での相対強
    度値とを比較する比較工程と、 前記比較工程の比較結果から前記被判別プラスチックの
    素材を判別する工程と、を備えることを特徴とするプラ
    スチックの判別方法。
  3. 【請求項3】 素材が未知の被判別プラスチックのラマ
    ンスペクトルを測定するスペクトル測定手段と、 素材が既知のプラスチックのラマンスペクトルを記憶し
    ておく記録手段と、 前記スペクトル測定手段で測定したラマンスペクトルと
    前記記録手段に記録されたラマンスペクトルを比較する
    スペクトル比較手段と、 前記スペクトル比較手段での比較結果から前記被判別プ
    ラスチックの素材を判別する判別手段と、を備えるプラ
    スチックの判別装置。
  4. 【請求項4】 前記記録手段は、素材が既知のプラスチ
    ックのラマンスペクトルのラマン線の波数およびその波
    数での相対強度値とを記録しており、 前記スペクトル比較手段は、前記スペクトル測定手段で
    測定した被判別プラスチックのラマンスペクトルからラ
    マン線の波数およびその波数での相対強度値を抽出する
    抽出手段と、前記抽出手段で抽出した波数および相対強
    度値と前記記録手段に記憶されているラマン線の波数お
    よびその波数での相対強度値とを比較する手段と、を備
    えることを特徴とする請求項3に記載のプラスチックの
    判別装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段は、前記スペクトル測定手
    段により測定された素材が既知のプラスチックのラマン
    スペクトルを記録すること特徴とする請求項3に記載の
    プラスチックの判別装置。
  6. 【請求項6】 前記スペクトル測定手段は、ラマンスペ
    クトル取得のための近赤外レーザ光を出力する励起光源
    を有することを特徴とする請求項3に記載のプラスチッ
    クの判別装置。
  7. 【請求項7】 前記スペクトル測定手段は、 ラマンスペクトル取得のためのパルスレーザ光を出力す
    る励起光源と、 前記励起光源と同期してラマンスペクトルを測定する手
    段と、を有することを特徴とする請求項3に記載のプラ
    スチックの判別装置。
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