JP2019108995A - 燃焼炉の燃焼条件決定装置、燃焼条件決定方法、および燃焼システム - Google Patents

燃焼炉の燃焼条件決定装置、燃焼条件決定方法、および燃焼システム Download PDF

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Abstract

【課題】燃焼条件を迅速に精度良く決定することが可能な燃焼炉の燃焼条件決定装置を提供する。【解決手段】燃焼炉の燃焼条件決定装置は、燃焼炉の燃焼装置を制御する複数の燃焼制御パラメータを含む燃焼条件を決定する燃焼炉の燃焼条件決定装置であって、燃焼炉の炉内に燃料及び空気を供給するバーナに供給される燃料である燃焼前燃料の燃料成分の少なくとも一部の計測値を含む燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得部と、燃焼前燃料成分に基づいて、燃焼前燃料の燃焼により生じる灰の灰中未燃分又は排ガス中のNOx濃度の少なくとも一方である評価対象指標が所定のクライテリアを満たすように、少なくとも1つの燃焼制御パラメータの指令値を決定する指令値決定部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、ボイラなどの燃焼炉の燃焼条件の決定手法に関する。
通常、石炭焚きボイラでは、その試運転時に燃料性状が異なる何種類かの石炭を使用して燃焼調整を行う。そして、この燃焼調整を通して、排ガス中のNOx濃度の低減、石炭の燃焼後の灰に残留する未燃分(灰中未燃分)の低減などが達成されるように燃焼制御パラメータを調整し、燃焼条件の決定がなされる。例えば、燃焼制御パラメータは燃焼用のバーナに供給する燃焼用空気流量を調整するダンパの開度やバーナノズル角度、NOx還元のためのアディショナルエア(AA)をボイラの内部に供給するAAポートの角度などである。そして、このような燃焼状態を制御するための機器(燃焼装置)の設定パラメータ(燃焼制御パラメータ)を、NOx濃度が環境基準を満たす保証値以下、灰中未燃分がコンクリートの材料などの有価物として利用できるのに必要な規定値以下(5%以下など)になるように決定する。
他方、ボイラの運用開始後のボイラの運転中に燃焼条件を適宜調整する技術も提案されている(特許文献1〜3)。例えば、特許文献1には、半導体レーザ吸収法(TDLAS)にて排ガス中のO濃度とCO濃度をリアルタイムに計測し、空気比(燃料と空気の比率)を制御することで、完全燃焼状態を維持しつつ、過剰空気を最小とする旨が開示されている。同様に、特許文献2〜3には、レーザ誘起ブレークダウン法(LIBS法)を用いてボイラにおける灰中の未燃分をリアルタイムで計測する灰中未燃分計測システムが開示されている。
特許第6135731号 特開2003−4634号公報 特許第4119624号
上述したような、ボイラなどの燃焼炉の試運転時の燃焼調整により、使用予定の燃料に対して最適な燃焼条件で燃焼装置を運転することは可能である。しかしながら、複数の燃焼制御パラメータに対してそれらの値を上下させて最適な運転条件を探す必要があるため、その分の時間などのコストを要する。また、試運転後においては、NOx100ppmの運用で同じ銘柄の石炭を使用しているのにNOx排出量が20ppm程度変化する場合がある。また、燃料の燃焼により生じる灰がバーナノズルなど炉内に付着していくことにより、燃焼炉の燃焼性能が変化する場合もある。このような場合が生じる度に燃焼調整を行うのは運用上困難であり、最適な燃焼状態を維持することは難しい。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、燃焼条件を迅速に精度良く決定することが可能な燃焼炉の燃焼条件決定装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉の燃焼条件決定装置は、
燃焼炉の燃焼装置を制御する複数の燃焼制御パラメータを含む燃焼条件を決定する燃焼炉の燃焼条件決定装置であって、
前記燃焼炉の炉内に燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃料成分の少なくとも一部の計測値を含む燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得部と、
前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼前燃料の燃焼により生じる灰の灰中未燃分又は排ガス中のNOx濃度の少なくとも一方である評価対象指標が所定のクライテリアを満たすように、少なくとも1つの前記燃焼制御パラメータの指令値を決定する指令値決定部と、を備える。
上記(1)の構成によれば、バーナに供給される燃料(燃焼前燃料)の成分(燃焼前燃料成分)に基づいて、その燃焼前燃料が実際に燃焼された場合に生じる灰の灰中未燃分や排ガス中のNOx濃度がクライテリアを満たすような、例えば各バーナにおける燃焼用空気流量を調整するダンパの開度、バーナノズル角度、ミル装置による固体燃料を粉砕する際の分級器回転速度などの燃焼を制御する燃焼装置の燃焼制御パラメータの指令値を決定する。このように、バーナに供給される前の燃焼前の燃料成分に着目することにより、燃料性状に適した燃焼制御パラメータを迅速に精度良く決定することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記指令値決定部は、
前記燃焼制御パラメータの仮設定値を取得する仮設定値取得部と、
前記仮設定値取得部によって前記仮設定値が取得される度に、前記仮設定値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記評価対象指標の予測値を算出する評価対象指標予測部と、
前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすか否かを判定するクライテリア判定部と、
前記クライテリア判定部によって前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすと判定されるまで、前記仮設定値取得部によって取得される前記燃焼制御パラメータの前記仮設定値を変更すると共に、変更した前記仮設定値を前記仮設定値取得部に取得させるパラメータ調整部と、
前記クライテリア判定部によって前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすと判定された場合の前記仮設定値を前記指令値とする指令値選択部と、を有する。
上記(2)の構成によれば、燃焼制御パラメータの仮設定値と燃焼前燃料成分とに基づいて、その燃焼前燃料が燃焼された場合に生じることになる灰の灰中未燃分やNOx濃度を予測すると共に、燃焼制御パラメータの仮設定値を変更しながら、その予測結果がクライテリアを満たす仮設定値を見つけて、燃焼制御パラメータの指令値とする。これによって、その燃焼前燃料が実際に燃焼された場合に生じる灰の灰中未燃分や排ガス中のNOx濃度がクライテリアを満たすような燃焼制御パラメータの指令値を決定することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記評価対象指標予測部は、前記燃焼前燃料の燃焼性を示す燃焼性指標と前記評価対象指標と前記燃焼制御パラメータとの関係を示す予測マップを用いて、前記燃焼性指標および前記仮設定値から前記予測値を算出する。
上記(3)の構成によれば、灰中未燃分やNOx濃度などの評価対象指標の予測値を、予め実験等により取得可能な予測マップに基づいて算出する。これによって、燃焼制御パラメータの指令値を、迅速かつ精度よく予測することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記指令値決定部は、前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記評価対象指標の計測値と、前記燃焼前燃料を燃焼した際の前記燃焼制御パラメータの指令値とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された予測モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分および前記仮設定値から前記予測値を算出する。
上記(4)の構成によれば、燃焼制御パラメータの指令値を、燃焼前燃料成分と、その燃焼時の評価対象指標の計測値との関係を機械学習することにより作成された予測モデルを用いて予測する。これによって、燃焼制御パラメータの適切な指令値を容易に予測することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記評価対象指標の前記予測値と前記評価対象指標の計測値との差異に基づいて、再学習を行うか否かの判定を行う再学習判定部を、さらに備える。
上記(5)の構成によれば、燃評価対象指標の予測値が許容範囲を超えて計測値と異なる場合などには、再学習が必要と判定する。この判定に応じて再学習を行うことによって、機械学習に基づいて作成する予測モデルを用いた予測精度を維持することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記指令値決定部は、前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記評価対象指標の計測値であって前記所定のクライテリアを満たす前記計測値と、前記燃焼前燃料を燃焼した際の前記燃焼制御パラメータの指令値とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された指令値決定モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分から前記指令値を決定する。
上記(6)の構成によれば、燃焼制御パラメータの指令値を、燃焼前燃料成分と、その燃焼時の評価対象指標の計測値であって所定のクライテリアを満たす計測値と、その際の燃焼制御パラメータとの関係を機械学習することにより作成された指令値決定モデルを用いて決定する。これによって、燃焼制御パラメータの適切な指令値を容易に決定することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の構成において、
前記評価対象指標を含む運転状態評価指標の計測値を取得する運転状態評価指標取得部と、
前記運転状態評価指標の計測値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記指令値決定部によって決定された前記燃焼制御パラメータの前記指令値を調整するための調整値を決定する調整値決定部と、をさらに備える。
上記(7)の構成によれば、評価対象指標などの運転状態評価指標の計測値に基づいて、既に決定された燃焼制御パラメータの指令値を燃焼炉の運転状況に応じて調整する。これによって、燃焼制御パラメータの指令値を実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記運転状態評価指標は、前記評価対象指標を含み、
前記運転状態評価指標取得部は、前記評価対象指標の計測値を取得し、
前記調整値決定部は、前記評価対象指標の計測値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼制御パラメータの指令値を調整する評価対象指標調整値算出部を有する。
上記(8)の構成によれば、評価対象指標の計測値に基づいて、燃焼制御パラメータの調整値を算出する。これによって、燃焼制御パラメータの指令値を実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)〜(8)の構成において、
前記運転状態評価指標は、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方を含み、
前記運転状態評価指標取得部は、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方の計測値を取得し、
前記調整値決定部は、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方の計測値が計画値よりも大きい場合は、前記炉内における前記バーナの先端と前記燃料の着火位置との間の着火距離が短くなるように、前記燃焼制御パラメータを調整する調整値を算出する着火距離調整値算出部を有する。
上記(9)の構成によれば、燃料の燃焼後に生じる灰の灰中未燃分やNOx濃度について、その計測値が計画値よりも大きい場合には、計測値を計画値以下にするために、バーナと着火位置との間の着火距離が小さくなるような燃焼制御パラメータの調整値を算出する。これによって、燃焼制御パラメータの指令値を実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(7)〜(9)の構成において、
前記運転状態評価指標は、前記灰中未燃分、および前記炉内の壁面における前記バーナの高さ位置に付着した前記灰の付着量を含み、
前記運転状態評価指標取得部は、前記灰中未燃分の計測値および前記灰の付着量の計測値を取得し、
前記調整値決定部は、前記灰中未燃分の計測値が灰中未燃分計画値よりも高く、かつ、前記灰の付着量が付着量計画値よりも少ない場合には、前記炉内における前記バーナの先端と前記燃料の着火位置との間の着火距離が短くなるように、前記燃焼制御パラメータを調整する前記調整値を算出する第2着火距離調整値算出部を有する。
上記(10)の構成によれば、上記の灰の付着状況をさらに考慮して、燃焼制御パラメータの調整値を算出する。これによって、燃焼制御パラメータの指令値を実際の状況に応じて、さらに適切な値に調整することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(7)〜(10)の構成において、
前記運転状態評価指標は、ミル装置により生成された前記燃焼前燃料である微粉燃料、または前記バーナから前記炉内に供給された前記燃焼前燃料の燃料粒子サイズを含み、
前記運転状態評価指標取得部は、前記燃料粒子サイズの計測値を取得し、
前記調整値決定部は、前記燃料粒子サイズの計測値に基づいて、前記燃焼制御パラメータの指令値を調整する調整値を算出する粒子サイズ調整値算出部を有する。
上記(11)の構成によれば、炉内に供給される前の燃焼前燃料の燃料粒子サイズの計測値あるいは炉内に供給された燃焼前燃料のうちの未燃燃料の燃料粒子サイズの計測値に基づいて、燃焼制御パラメータの調整値を算出する。これによって、燃焼制御パラメータの指令値を実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼システムは、
燃焼炉の燃焼装置を制御する複数の燃焼制御パラメータを含む燃焼条件を決定する請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置と、
前記燃焼炉の運転状態を評価するための運転状態評価指標をリアルタイムに計測可能な計測装置と、
前記燃焼条件決定装置によって決定された前記少なくとも1つの燃焼制御パラメータの指令値を前記燃焼装置送信する燃焼制御装置と、を備える。
上記(12)の構成によれば、上記(1)〜(11)と同様の効果を奏する。
(13)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉の燃焼条件決定方法は、
燃焼炉の燃焼装置を制御する複数の燃焼制御パラメータを含む燃焼条件を決定する燃焼炉の燃焼条件決定方法であって、
前記燃焼炉の炉内に燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃料成分の少なくとも一部の計測値を含む燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得ステップと、
前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼前燃料の燃焼により生じる灰の灰中未燃分又は排ガス中のNOx濃度の少なくとも一方である評価対象指標が所定のクライテリアを満たすように、少なくとも1つの前記燃焼制御パラメータの指令値を決定する指令値決定ステップと、を備える。
上記(13)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
(14)幾つかの実施形態では、上記(13)の構成において、
前記指令値決定ステップは、
前記燃焼制御パラメータの仮設定値を取得する仮設定値取得ステップと、
前記仮設定値取得ステップによって前記仮設定値が取得される度に、前記仮設定値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記評価対象指標の予測値を算出する評価対象指標予測ステップと、
前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすか否かを判定するクライテリア判定ステップと、
前記クライテリア判定ステップによって前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすと判定されるまで、前記仮設定値取得ステップによって取得される前記燃焼制御パラメータの前記仮設定値を変更すると共に、変更した前記仮設定値を前記仮設定値取得ステップに取得させるパラメータ調整ステップと、
前記クライテリア判定ステップによって前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすと判定された場合の前記仮設定値を前記指令値とする指令値決定ステップと、を有する。
上記(14)の構成によれば、上記(2)と同様の効果を奏する。
(15)幾つかの実施形態では、上記(14)の構成において、
前記評価対象指標予測ステップは、前記燃焼前燃料の燃焼性を示す燃焼性指標と前記評価対象指標と前記燃焼制御パラメータとの関係を示す予測マップを用いて、前記燃焼性指標および前記仮設定値から前記評価対象指標の予測値を算出する。
上記(15)の構成によれば、上記(3)と同様の効果を奏する。
(16)幾つかの実施形態では、上記(14)の構成において、
前記指令値決定ステップは、前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記評価対象指標の計測値と、前記燃焼前燃料成分を燃焼した際の前記燃焼制御パラメータの指令値とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された予測モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分および前記仮設定値から前記指令値を決定する。
上記(16)の構成によれば、上記(4)と同様の効果を奏する。
(17)幾つかの実施形態では、上記(16)の構成において、
前記評価対象指標の前記予測値と前記評価対象指標の計測値との差異に基づいて、再学習を行うか否かの判定を行う再学習判定ステップを、さらに備える。
上記(17)の構成によれば、上記(5)と同様の効果を奏する。
(18)幾つかの実施形態では、上記(13)の構成において、
前記指令値決定ステップは、前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記評価対象指標の計測値であって前記所定のクライテリアを満たす前記計測値と、前記燃焼前燃料成分を燃焼した際の前記燃焼制御パラメータの指令値とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された指令値決定モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分から前記指令値を決定する。
上記(18)の構成によれば、上記(6)と同様の効果を奏する。
(19)幾つかの実施形態では、上記(13)〜(18)の構成において、
前記評価対象指標を含む運転状態評価指標の計測値を取得する運転状態評価指標取得ステップと、
前記運転状態評価指標の計測値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記指令値決定ステップによって決定された前記燃焼制御パラメータの前記指令値を調整するための調整値を決定する調整値決定ステップと、をさらに備える。
上記(19)の構成によれば、上記(7)と同様の効果を奏する。
(20)幾つかの実施形態では、上記(19)の構成において、
前記運転状態評価指標は、前記評価対象指標を含み、
前記運転状態評価指標取得ステップは、前記評価対象指標の計測値を取得し、
前記調整値決定ステップは、前記評価対象指標の計測値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼制御パラメータの指令値を調整する評価対象指標調整値算出ステップを有する。
上記(20)の構成によれば、上記(8)と同様の効果を奏する。
(21)幾つかの実施形態では、上記(19)〜(20)の構成において、
前記運転状態評価指標は、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方を含み、
前記運転状態評価指標取得ステップは、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方の計測値を取得し、
前記調整値決定ステップは、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方の計測値が計画値よりも大きい場合は、前記炉内における前記バーナの先端と前記燃料の着火位置との間の着火距離が短くなるように、前記燃焼制御パラメータを調整する調整値を算出する着火距離調整値算出ステップを有する。
上記(21)の構成によれば、上記(9)と同様の効果を奏する。
(22)幾つかの実施形態では、上記(19)〜(21)の構成において、
前記運転状態評価指標は、前記灰中未燃分、および前記炉内の壁面における前記バーナの高さ位置に付着した前記灰の付着量を含み、
前記運転状態評価指標取得ステップは、前記灰中未燃分の計測値および前記灰の付着量の計測値を取得し、
前記調整値決定ステップは、前記灰中未燃分の計測値が灰中未燃分計画値よりも高く、かつ、前記灰の付着量が付着量計画値よりも少ない場合には、前記炉内における前記バーナの先端と前記燃料の着火位置との間の着火距離が短くなるように、前記燃焼制御パラメータを調整する前記調整値を算出する第2着火距離調整値算出ステップを有する。
上記(22)の構成によれば、上記(10)と同様の効果を奏する。
(23)幾つかの実施形態では、上記(19)〜(22)の構成において、
前記運転状態評価指標は、ミル装置により生成された前記燃焼前燃料である微粉燃料、または前記バーナから前記炉内に供給された前記燃焼前燃料の燃料粒子サイズを含み、
前記運転状態評価指標取得ステップは、前記燃料粒子サイズの計測値を取得し、
前記調整値決定ステップは、前記燃料粒子サイズの計測値に基づいて、前記燃焼制御パラメータの指令値を調整する調整値を算出する粒子サイズ調整値算出ステップを有する。
上記(23)の構成によれば、上記(11)と同様の効果を奏する。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、燃焼条件を迅速に精度良く決定することが可能な燃焼条件決定装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る燃焼炉の燃焼条件決定装置を備える燃焼システムを概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る指令値決定部を詳細化して示す図であり、評価対象指標の予測値に基づいて燃焼制御パラメータの指令値を決定する。 本発明の一実施形態に係る指令値決定部を詳細化して示す図であり、指令値決定モデルを用いて燃焼制御パラメータの指令値を決定する。 本発明の一実施形態に係る調整値決定部を詳細化して示す図である。 本発明の一実施形態に係る評価対象指標調整値算出部を詳細化して示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃焼炉の燃焼条件決定方法を示すフロー図であり、評価対象指標の予測値に基づいて燃焼制御パラメータの指令値を決定する。 本発明の一実施形態に係る燃焼炉の燃焼条件決定方法を示すフロー図であり、予測モデルを用いて燃焼制御パラメータの指令値を決定する。 本発明の一実施形態に係る予測モデルの再学習判定ステップを示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る指令値決定モデルの再学習判定ステップを示すフロー図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃焼炉8の燃焼条件決定装置1を備える燃焼システム7を概略的に示す図である。図1に示す燃焼システム7は、微粉炭炊きボイラシステムである。より具体的には、図1に示すように、燃焼システム7は、燃焼炉8であるボイラの内部に形成された燃焼室8f(炉内。以下同様。)にバーナ91(通常、複数本)を介して微粉化された石炭燃料及び空気を供給し、燃焼室8fで燃料(燃焼前燃料F)を燃焼させることで、熱交換器が有する伝熱管群82の内部を流れる水などの流体を加熱するように構成される。また、一般に、ボイラは、設置された状態において水平方向に切った断面が四角形状を有しており、バーナ91はその四隅の各々をそれぞれ含む所定の部分(コーナ部)もしくは4つの各壁面部に、ボイラの上下(水平方向に対して垂直な方向)に複数段配置される。例えば、燃焼システム7は、伝熱管群82の流体を加熱してお湯を供給する給湯システムであっても良いし、伝熱管群82の流体の加熱により発生させた蒸気によってタービン(不図示)を駆動して発電を行う発電システムであっても良い。
図1に示す実施形態では、ミル装置92には、石炭貯蔵設備71に貯蔵された石炭燃料が、石炭ホッパ72、石炭供給装置73(スクリューフィーダなど)を経て供給されるようになっており、ミル装置92は供給された石炭燃料を所望の粒径(例えば数μm〜数百μm程度)に粉砕するようになっている。また、ミル装置92は、それぞれ、微粉燃料管Lfを介してボイラに設置されたバーナ91に接続されており、粉砕燃料(微粉炭)は、一次空気A1(搬送用空気)の力によって、ミル装置92からバーナ91に供給されるようになっている。そして、燃料は、バーナ91から空気と共にボイラの燃焼室8fに供給(投入)されて、燃焼される。この時、バーナ91による燃焼時に発生するガス(燃料領域)に、常温または空気予熱器77(後述)などより予熱されたアディショナルエア(AA)をAAポート93から供給(投入)することにより、二段燃焼を行うようになっている。このAAポート93はバーナ91の上方に設けられており(図1参照)、二段燃焼率によって定められるAA量をAA量調整バルブ93aによる流量制御の下で炉内に供給する。これによって、バーナ91側で発生しNOxの還元を行う。なお、二段燃焼率は、AAポート93から供給される燃焼用空気量(AA量)÷全燃焼用空気量で算出される。全燃焼用空気量からAA量を引いた分は、バーナ91側から供給される。例えば二段燃焼率が上がると、AAポート93から供給される燃焼用空気量が増え、バーナ91側から供給される燃焼用空気量が減るので、AAまでの空間が空気不足となり、燃焼により発生したNOxが還元される。
他方、ボイラにおける燃料の燃焼により生じる排ガスGは、上述したボイラの煙道8pに連通された排ガス配管75を通って外部に排出されるようになっている。この排ガス配管75には、排ガスGから窒素酸化物を除去する脱硝装置76や、排ガスGの熱により、空気供給管L(後述)を通る外気Aを例えば200℃〜300℃の範囲に昇温する空気予熱器77(後述)、熱回収後の排ガスGに含まれる煤塵を除去する電気集塵器78、除塵後の排ガスG中の硫黄酸化物を除去するための脱硫装置(不図示)など、排ガスGを処理する装置が設置されており、排ガスGは、これらの装置による処理を経て煙突(不図示)から外部に排出される。また、上記の空気供給管Lは、空気予熱器77の下流において、ミル装置92に接続される搬送用空気供給管L1と、ボイラに接続される燃焼用空気供給管L2に分岐されている。これによって、外気Aは、一次空気A1として搬送用空気供給管L1からミル装置92に供給されると共に、二次空気A2(燃焼用空気)として風箱ダンパ94による流量調整の下で燃焼用空気供給管L2から風箱83に供給された後、バーナ91を介してボイラの内部(炉内)に供給される。
なお、燃焼システム7は、バイオマス燃料などのリサイクル燃料および石炭燃料などの化石燃料を用いた運転を行うバイオマス・石炭混焼システムなど、2以上の複数種類の燃料を用いた運転が可能なボイラシステムであっても良い。バイオマス燃料は、例えば木材チップなどの木質バイオマスなど、再生可能な生物由来の有機性資源であって化石資源を除いたものを原料とする燃料である。リサイクル燃料は、上記の木質バイオマスや、廃タイヤ、スラッジ、RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)などを原料とする燃料である。複数種類の燃料には、上述したリサイクル燃料の少なくとも1つが含まれていても良いし、高品位炭、低品位炭などの石炭に関する複数種類の燃料が含まれていても良い。
そして、図1に示すように、燃焼システム7は、ボイラなどである燃焼炉8の燃焼条件決定装置1(以下、単に、燃焼条件決定装置1という。)を備える。燃焼条件決定装置1は、燃焼炉8の燃焼装置9を制御する複数の燃焼制御パラメータPを含む燃焼条件を決定するための装置であり、そのうちの、複数の燃焼制御パラメータPのうちの少なくとも1つの指令値Pv(以下、適宜、単に指令値Pvという。)を決定する。より具体的には、燃焼条件決定装置1は、燃焼炉8(燃焼室8f)での燃料の燃焼により生じる灰に残留する未燃分(灰中未燃分)や、その燃焼により生じる排ガスGに含まれるNOx濃度などが、その各々に対して定められたクライテリアTc(基準値)を満たすように燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定する。
上記の燃焼装置9は、燃焼炉8の燃焼(燃焼状態)を制御するための装置(機器、設備)であり、例えば、上述したバーナ91や、ミル装置92、AAポート93、AA量調整バルブ93a、風箱ダンパ94などである。燃焼制御パラメータPは燃焼装置9を制御するための調整(変更)可能な設定パラメータであり、例えば、バーナ91のバーナノズル角度などの燃料等の噴射角度を設定するパラメータ、AAポート93の角度などのAAの投入角度(AA角度)を設定するパラメータ、二段燃焼率(AA量調整バルブ93aの開度)、風箱ダンパ94の開度を設定するためのパラメータなどである。また、灰中未燃分に対するクライテリアTcは、例えば、灰中未燃分が規定値以下(例えば5%以下など)になることであっても良い。NOx濃度に対するクライテリアTcは、NOx濃度が環境基準を満たす保証値以下になることであっても良い。
以下、上述した燃焼条件決定装置1について、詳細に説明する。
図1に示すように、燃焼炉8の燃焼条件決定装置1は、燃焼前燃料成分取得部2と、指令値決定部3と、を備える。燃焼条件決定装置1はコンピュータで構成されており、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ、外部記憶装置などの記憶装置m、通信インタフェースなどを備えている。そして、主記憶装置にロードされたプログラム(燃焼条件決定プログラム)の命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、上記の各機能部を実現する。燃焼条件決定装置1が備える上記の各機能部について、それぞれ説明する。
燃焼前燃料成分取得部2は、燃焼炉8(図1ではボイラ)の炉内に燃料及び空気を供給(投入)するバーナ91に供給される燃料(図1では石炭)である燃焼前燃料Fの燃料成分Cの少なくとも一部の計測値を含む燃焼前燃料成分Cpを取得する。燃焼前燃料Fは、燃焼炉8による燃焼がなされる前の燃料である。具体的には、燃焼前燃料Fは、石炭貯蔵設備71、石炭ホッパ72、石炭供給装置73、ミル装置92、微粉燃料管Lfなどバーナ91の上流側にある燃料である。燃焼前燃料Fは、上記の設備(機器)以外の他の場所から取得したサンプル品などの燃料であっても良い。燃料成分は、燃料に含まれる元素の種類毎の量や濃度(以下、量という。)であり、燃焼前燃料成分Cpは、炭素(C)、窒素(N)、水素(H)、酸素(O)や、燃焼後の灰を構成するCa(カルシム)、K(カリウム)、Fe(鉄)、Na(ナトリウム)などの少なくとも1つの量の計測値が含まれる。
このように、燃焼前燃料成分Cpを取得するのは、燃料成分が灰中未燃分やNOx濃度に影響するためである。詳述すると、燃料の燃料成分Cから燃料の燃焼性(燃えやすい、燃えにくい)に関する情報が得られる。特に、炭素量(C量)や、水素と炭素とのモル比(H/C)、酸素と炭素とのモル比(O/C)、窒素量(N量)は、燃料の燃えやすさを示す指標(燃焼性指標Ib)になる。具体的には、C量が多いと燃料は燃えにくい傾向になる。C量に対してH量やO量が多い(H/C、O/Cが大きい)と燃料は燃えやすく、逆に、H量やO量が少ない(H/C、O/Cが小さい)と燃料は燃えにくい傾向になる。また、N量が多いほど燃料は燃えにくい傾向になる。また、Ca、K、Fe、Naなどの灰成分は燃焼反応を促進させる成分であり、Ca、K、Fe、Naなどの灰成分が多いと燃料は燃えやすい傾向になるなど、上述したC量、O/C、H/Cに加えて、燃焼性指標Ibになる。
また、こうした燃料の燃焼性の違いは灰中未燃分やNOx濃度に影響する。具体的には、燃えやすい燃料の場合には、灰中未燃分やNOx濃度は少ない傾向になる。逆に、燃えにくい燃料の場合には、灰中未燃分が増大する傾向になる。同様に、燃えにくい燃料の場合には、煙道8p側に放出されるN量も多くなるためNOx濃度が高くなる傾向になる。通常、ボイラではバーナ91とAAポート93とで空気を分けて投入して、バーナ91側で発生したNOxをAAまでの間に還元するが、燃料が燃えにくいと、NOx生成が遅れた状態で煙道8pに向かって流れるため、AAまでの還元時間が短くなる結果、煙道8p側でのNOx濃度が増大する。このように、燃焼前燃料成分Cpは灰中未燃分やNOx濃度に影響する。
指令値決定部3は、燃焼前燃料成分Cpに基づいて、燃焼室8fの下流側となる煙道8pにおける、上述した灰中未燃分又はNOx濃度の少なくとも一方である評価対象指標Tが所定のクライテリアTcを満たすように、少なくとも1つの上述した燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定する。具体的な方法については後述するが、予測マップ、機械学習などを用いて、燃焼前燃料成分Cpから上記の指令値Pvを決定しても良い。
図1に示す実施形態では、指令値決定部3は、上述した燃焼前燃料成分取得部2に接続されており、燃焼前燃料成分取得部2によって取得された燃焼前燃料成分Cpが入力されるようになっている。また、指令値決定部3(燃焼条件決定装置1)は、燃焼システム7が備える燃焼制御装置7cに接続されており、燃焼制御装置7cに対して決定した指令値Pvを入力するようになっている。この燃焼制御装置7cは、燃焼条件決定装置1によって決定された燃焼制御パラメータPの指令値Pvを燃焼装置9に送信(指令)することにより、燃焼制御を行うよう構成された装置である。
また、図1に示す実施形態では、燃焼前燃料成分取得部2は、燃焼前燃料成分Cpを含む運転状態評価指標R(後述)をリアルタイムに計測可能な計測装置12に接続されることで、計測装置12によって所定の周期などで計測される燃焼前燃料成分Cpを取得する。より具体的には、図1に示す実施形態では、計測装置12はLIBS装置であり、石炭ホッパ72に収容されている石炭、ミル装置92の出口(微粉燃料管Lf)における微粉炭などの少なくとも一か所の燃焼前燃料Fを対象に計測を行うようになっている。そして、計測装置12によって計測値が得られる度に、計測された燃焼前燃料成分Cpが燃焼前燃料成分取得部2に入力されるようになっている。
なお、LIBS装置は、レーザ誘起ブレークダウン法(LIBS法:Laser Induced Breakdown Spectroscopy)により、燃焼前燃料成分Cpの計測や、後述するような排ガスGに含まれる灰の灰成分の計測をリアルタイムに行うことが可能な装置である。LIBS法では、レーザ光を計測対象に照射してプラズマ化し、プラズマから発生するプラズマ光を分光器に入射し、分光器にて分光したスペクトル光の発光波長の違いから成分を同定するとともに、発光強度から灰成分を構成する各元素(分子)の量を求めるように構成される。例えば、微粉燃料管Lf、煙道8p、排ガス配管75などの各種設備に計測窓を設け、計測窓を介して、LIBS装置がレーザ光の照射およびプラズマ光の受光を行うように構成しても良い。
ただし、本実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、燃焼前燃料成分取得部2は、予め計測されている燃焼前燃料成分Cpのデータを、燃焼炉8の運転員などのユーザからの手入力や、持ち運び可能なUSBメモリといった可搬記憶媒体、他のコンピュータなどとの通信などにより、取得しても良い。
上述した構成を備える燃焼条件決定装置1は、燃焼前燃料成分Cpに基づいて燃焼装置9の指令値Pvを決定することにより、評価対象指標T(灰中未燃分、NOx濃度)が所定のクライテリアTcを満たすと予想される適切な指令値Pvを迅速に決定できる。すなわち、例えば試運転時における燃焼調整では、燃焼性の異なる1以上(通常は複数)の燃料を用いて燃焼炉8を試運転した後、その試運転の結果として得られる評価対象指標Tを測定することにより確認しつつ、例えば上述した評価対象指標Tが所定のクライテリアTcを満たすようにすることができる燃焼条件を探索する。つまり、燃焼条件を変えた試行錯誤を繰り返しながら、使用した燃料の燃料性状に適した燃焼制御パラメータPの値を燃料毎に決定するので、燃焼条件の決定に時間や労力、資金などのコストを要する。また、燃焼炉8の運用開始後の運転時に実際に用いられる燃料は、試運転時に用いた燃料の性状と同じではない場合がある。この場合には、通常、試運転時に用いた複数の燃料のうちの燃料性状が近いと考えられる燃料に対して設定された燃焼条件を用いて運転するが、燃料性状の差分から、燃焼条件はその燃料に対して最適なものであるとは限らない。運転期間に応じて、炉内への灰付着などにより、燃焼炉8の燃焼性能が変化する場合もある。
しかしながら、本発明によれば、燃焼炉8の試運転時や運用開始後の運転時に、実際に使用する燃料についての燃焼前燃料成分Cpに基づいて、燃焼制御パラメータPの指令値Pv(燃焼条件)を決めるようにすれば、評価対象指標Tに影響する燃焼前燃料成分Cpに応じて、どの燃焼制御パラメータPを調整するかといった判断や、燃焼制御パラメータPの値を増大、減少のいずれの方向にどれくらいの量だけ変更するかといった判断をより迅速かつ容易に行うことができるので、より迅速に指令値Pvを決定することが可能になる。
上記の構成によれば、バーナ91に供給される燃料(燃焼前燃料F)の成分(燃焼前燃料成分Cp)に基づいて、その燃焼前燃料Fが実際に燃焼された場合に生じる灰の灰中未燃分や排ガス中のNOx濃度がクライテリアTcを満たすような、例えば各バーナ91における燃焼用空気流量を調整するダンパ(風箱ダンパ94)の開度、バーナノズル角度、ミル装置92による固体燃料を粉砕する際の分級器回転速度などの燃焼を制御する燃焼装置9の燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定する。このように、バーナ91に供給される前の燃焼前の燃料成分に着目することにより、燃料性状に適した燃焼制御パラメータPを迅速に精度良く決定することができる。
次に、上述した指令値決定部3によって実行される燃焼制御パラメータPの指令値Pvの決定方法に関する幾つかの実施形態について、図2A〜図2Bを用いて詳細に説明する。図2Aは、本発明の一実施形態に係る指令値決定部3を詳細化して示す図であり、評価対象指標Tの予測値Teに基づいて燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定する。また、図2Bは、本発明の一実施形態に係る指令値決定部3を詳細化して示す図であり、指令値決定モデルMvを用いて燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定する。
幾つかの実施形態では、図2Aに示すように、燃焼制御パラメータPの指令値Pvの決定は、燃焼前燃料成分Cpおよび燃焼制御パラメータPの値に基づいて予測される評価対象指標T(灰中未燃分、NOx濃度)の予測値Teであって、上述した所定のクライテリアTcを満たし得る予測値Teが得られる燃焼制御パラメータPを探すことにより行っても良い。具体的には、幾つかの実施形態では、図2Aに示すように、指令値決定部3は、仮設定値取得部31と、評価対象指標予測部32と、クライテリア判定部33と、パラメータ調整部34と、指令値選択部35と、を有する。上記の機能をそれぞれ説明する。
仮設定値取得部31は、燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppを取得する。この仮設定値Ppは、上述した指令値Pvの候補となる任意に設定し得る値であり、初期値として与えられたり、後述するパラメータ調整部34から与えられたりする。例えば、燃焼炉8の試運転中に使用された燃料に対して定められた燃焼制御パラメータPの設定値(後述する図5Aの燃焼モード)であっても良く、例えば上述した燃焼前燃料Fと燃料性状が最も類似すると考えられる燃料に対して規定された燃焼制御パラメータPの設定値であっても良い。あるいは、仮設定値Ppは、燃焼制御パラメータPの標準的な設定値として定められた標準値であっても良い(後述する図5Bの標準燃焼条件)。この標準値は、指令値Pvを決定しようとする燃焼炉8の燃焼調整時に定められた設定値に基づいて作成しても良いし、他の燃焼炉8の燃焼制御パラメータPの設定値に基づいて作成しても良いし、これらの両方の設定値に基づいて作成しても良い。通常、燃焼制御パラメータPは複数あるので、その各々に対する仮設定値Ppを取得しても良い。こうした仮設定値Ppは、燃焼炉8の運転員などのユーザによって入力されたり、他の装置から通信などにより取得したりすることによって、燃焼条件決定装置1の記憶装置mなどに記憶されることにより、仮設定値取得部31は、記憶装置mから仮設定値Ppを取得しても良い。
評価対象指標予測部32は、上述した仮設定値取得部31によって仮設定値Ppが取得される度に、燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppおよび燃焼前燃料成分Cpに基づいて、評価対象指標Tの予測値Teを算出する。より詳細には、幾つかの実施形態では、評価対象指標予測部32は、燃焼前燃料Fの燃焼性を示す燃焼性指標Ib(前述)と評価対象指標Tと燃焼制御パラメータP(燃焼条件)との関係を示す予測マップMfを用いて、燃焼性指標Ibおよび仮設定値Ppから評価対象指標Tの予測値Teを算出しても良い。予測マップMfは、実験等を通して得た、燃焼性指標Ibと、評価対象指標Tと、燃焼制御パラメータPとの関係を関数化したものであっても良い。このような予測マップMfを用いることにより、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを、迅速かつ精度よく予測することが可能になる。
あるいは、他の幾つかの実施形態では、燃焼前燃料成分Cpと、この燃焼前燃料成分Cpを有する燃焼前燃料Fの燃焼により生じた評価対象指標Tの計測値と、この燃焼前燃料Fを燃焼した際の燃焼制御パラメータPの指令値Pv(燃焼条件)とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された予測モデルMmを用いて、燃焼前燃料成分Cpおよび燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppから評価対象指標Tの予測値Teを算出しても良い。この際、予測モデルMmは、例えばニューラルネットワークなどの周知な機械学習の手法(アルゴリズム)により作成すれば良い。このような予測モデルMmを用いることにより、燃焼制御パラメータPの適切な指令値Pvを、燃焼制御パラメータPの適切な指令値Pvを容易に予測することが可能になる。
クライテリア判定部33は、評価対象指標Tの予測値Teが所定のクライテリアTcを満たすか否かを判定する。具体的には、灰中未燃分の予測値Teが規定値以下(5%以下など)であるか否かを判定する。または、NOx濃度の予測値Teが保証値以下であるか否かを判定する。図2Aに示す実施形態では、灰中未燃分の予測値Teが規定値以下、かつ、NOx濃度の予測値Teが保証値以下であるか否かを判定するようになっている。そして、両方の条件が満たされる場合にはクライテリアTcを満たすと判定し、少なくとも一方の条件が満たされない場合にはクライテリアTcを満たさないと判定する。
パラメータ調整部34は、上記のクライテリア判定部33によって評価対象指標Tの予測値Teが所定のクライテリアTcを満たすと判定されるまで、仮設定値取得部31によって取得される燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppを変更すると共に、変更した仮設定値Ppを仮設定値取得部31に取得させる。図2Aに示す実施形態では、クライテリア判定部33によって、評価対象指標Tの予測値Teが所定のクライテリアTcを満たさないと判定された場合には、パラメータ調整部34は、クライテリア判定部33から入力された仮設定値Ppを変更(修正)して、仮設定値取得部31に変更後の仮設定値Pp´を入力する。これによって、仮設定値取得部31は新たな仮設定値Pp´を取得することになると共に、これを契機に、この新たな仮設定値Pp´をクライテリア判定部33に入力する。このような一連の流れを、クライテリア判定部33によって評価対象指標Tの予測値Teが所定のクライテリアTcを満たすと判定されるまで繰り返す。
そして、指令値選択部35は、上記のクライテリア判定部33によって評価対象指標Tの予測値Teが所定のクライテリアTcを満たすと判定された場合の燃焼制御パラメータPの仮設定値Pp(Pp´)を指令値Pvとする。図2Aに示す実施形態では、指令値選択部35は、クライテリア判定部33に接続されており、クライテリア判定部33から、所定のクライテリアTcを満たすと判定された仮設定値Ppが入力される。
上記の構成によれば、燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppと燃焼前燃料成分Cpとに基づいて、その燃焼前燃料Fが燃焼された場合に生じることになる灰の灰中未燃分やNOx濃度を予測すると共に、燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppを変更しながら、その予測結果がクライテリアTcを満たす仮設定値Ppを見つけて、燃焼制御パラメータPの指令値Pvとする。これによって、その燃焼前燃料Fが実際に燃焼された場合に生じる灰の灰中未燃分や排ガス中のNOx濃度がクライテリアTcを満たすような燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定することができる。
また、他の幾つかの実施形態では、上述したように評価対象指標Tの予測値Teを算出することなく、機械学習により得られる指令値決定モデルMvを用いて、評価対象指標TがクライテリアTcを満たすような、指令値Pvを直接求めても良い。具体的には、幾つかの実施形態では、指令値決定部3は、燃焼前燃料成分Cpと、この燃焼前燃料成分Cpを有する燃焼前燃料Fの燃焼により生じた評価対象指標Tの計測値であって所定のクライテリアTcを満たす計測値と、この燃焼前燃料Fを燃焼した際の燃焼制御パラメータPの指令値Pvとを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された指令値決定モデルMvを用いて、燃焼前燃料成分Cpから燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定する。このように、所定のクライテリアTcを満たす場合の上記のデータを教師データとした機械学習に基づいて作成された指令値決定モデルMvを用いることによって、燃焼制御パラメータPの適切な指令値Pvを容易に決定することができる。
なお、上述した2種の機械学習において、教師データは、燃焼前燃料FにおけるC、H、O、N、Ca、K、Na、Feなどの量と、灰中未燃分やNOx濃度などの計測結果を紐付けたデータの複数で構成する。この際、C、H、O、Nで灰中未燃分が整理できない場合(これらの相関が低い場合)や、C、H、O、NとNOx濃度とが整理できない場合は、Ca、K、Na、Fe、Naの何れかが多い場合があり得る。つまり、C量がH量やO量に対して多くてもCa、K、Na、Fe、Naが多ければ、これらの触媒作用により、反応が促進されている可能性がある。よって、上述したように教師データを作成し、機械学習させておけば、石炭の種類などの燃料が変わっても、燃焼前燃料成分Cpに応じた最適な燃焼条件を、適切に迅速に求めることができ、容易に燃焼条件を決定することが可能になる。なお、クラウド上などに教師データや、予測モデルMm、後述する指令値決定モデルMvを保持しておけば、他の燃焼炉(プラント)への展開も容易になる。また、教師データには、手分析などによる工業分析(固定炭素量、揮発分量、灰分量、水分量)の結果も対応付けると、より正確な予測が可能となる。つまり、燃焼前燃料Fにおける固定炭素量(C量)が多いほど燃焼しにくく、灰成分量が低いほど、同じ燃焼率(二段燃焼率)でも相対的に灰中未燃分が多く算出されることになる。また、水分量が多いほど、水分が蒸発するときに石炭構造が多孔質化したり、活性化するなどして燃焼しやすくなることもある。
また、上述した機械学習を行う実施形態において、幾つかの実施形態では、燃焼条件決定装置1は、予測モデルMmまたは指令値決定モデルMvの再学習を行うか否かの判定を行う再学習判定部6を、さらに備えていても良い。具体的には、予測モデルMmについては、再学習判定部6は、評価対象指標Tの予測値Teと評価対象指標Tの計測値Rmとの差異に基づいて、予測モデルMmの再学習を行うか否かの判定を行う(後述する図6参照)。再学習判定部6は、例えば、評価対象指標Tの予測値Teが、評価対象指標Tの計測値Rmの±x%(xは0以上の整数)や超えている場合や、評価対象指標Tの予測値Teと評価対象指標Tの計測値Rmとの差(減算)の絶対値が所定の値よりも大きい場合などには、再学習が必要であると判定しても良い。このように、評価対象指標Tの予測値が許容範囲を超えて計測値と異なる場合などには再学習が必要と判定し、この判定に応じて再学習を行うことによって、機械学習に基づいて作成する予測モデルを用いた予測精度を維持することができる。
他方、指令値決定モデルMvについては、再学習判定部6は、評価対象指標Tの計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たさない場合に、指令値決定モデルMvの再学習が必要と判定しても良い(後述する図7参照)。これによって、指令値決定モデルMvを用いた燃焼制御パラメータPの指令値Pvの決定を、適切に維持することができる。
次に、燃焼炉8の運転時における実際の運転状態に応じて、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整する実施形態について説明する。
上述したように指令値決定部3によって決定された燃焼制御パラメータPの指令値Pvで燃焼装置9を運転することにより、評価対象指標TがクライテリアTcを満たすことが期待されるが、燃焼炉8の実際の運転時に、評価対象指標TがクライテリアTcを満たさない場合や、より適切な燃焼制御パラメータPが存在する場合がある。よって、燃焼炉8の実際の運転状態に応じて、既に決定された燃焼制御パラメータPの指令値Pvを燃焼炉8の運転中に調整する。
このため、幾つかの実施形態では、図1に示すように、燃焼条件決定装置1は、運転状態評価指標Rの計測値Rmを取得する運転状態評価指標取得部4と、運転状態評価指標取得部4によって取得された運転状態評価指標Rの計測値Rmおよび燃焼前燃料成分Cpに基づいて、指令値決定部3によって決定された燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整するための調整値Paを決定する調整値決定部5と、をさらに備える。図1に示す実施形態では、調整値決定部5は、運転状態評価指標取得部4と指令値決定部3とにそれぞれ接続されており、運転状態評価指標取得部4から上記の計測値Rmが入力されると共に、調整値Paとして新たな指令値Pvを決定し、指令値決定部3に送信することで、指令値Pvを更新するようになっている。つまり、指令値決定部3が、調整値決定部5から受信した新たな指令値Pvを燃焼制御装置7cに送信することにより、指令値Pvの更新が行われる。
ここで、運転状態評価指標Rとしては、評価対象指標T(灰中未燃分、NOx濃度)の他、灰の付着量B、燃料粒子サイズSなどの様々な指標がある。運転状態評価指標取得部4は、これらの指標の少なくとも1つを取得する。代表的な運転状態評価指標Rについて、図3〜図4を用いて説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る調整値決定部5を詳細化して示す図である。また、図4は、本発明の一実施形態に係る評価対象指標調整値算出部51の処理内容を示す図である。
[1]運転状態評価指標Rが評価対象指標T(灰中未燃分、NOx濃度)の場合、
幾つかの実施形態では、運転状態評価指標Rは、評価対象指標Tを含む。また、運転状態評価指標取得部4は、評価対象指標Tの計測値Rmを取得する。そして、調整値決定部5は、評価対象指標Tの計測値Rmおよび燃焼前燃料成分Cpに基づいて、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整する調整値を算出する評価対象指標調整値算出部51を有する。この場合、図1に示すように、運転状態評価指標Rの計測値Rmは、煙道8pにおける脱硝装置76の上流側で計測されたものであっても良い。図1に示す実施形態では、エコノマイザ82e(節炭器)と脱硝装置76との間(エコノマイザ出口)において、灰中未燃分およびNOx濃度を計測するようになっている。また、灰中未燃分は、LIBS装置である計測装置12により計測し、NOx濃度は、NOx濃度を計測可能なNOx濃度計(不図示)により測定するようになっており、これらの計測値Rmが運転状態評価指標取得部4にリアルタイムに入力されるようになっている。ただし、本実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、計測装置12は、煙道8p内の画像(静止画、動画)を取得可能なカメラなどの撮像手段であって良い。この場合には、運転状態評価指標取得部4は、画像診断により得られる灰中未燃分の計測値Rmをリアルタイムに取得可能となる。その他の幾つかの実施形態では、計測装置12は、マイクロ波などを用いて灰中未燃分をリアルタイムで計測可能な装置であっても良い。
また、運転状態評価指標Rが評価対象指標Tの場合には、図4に示すように、燃焼前燃料成分Cpは上述した燃焼性指標Ibであっても良い。例えば、幾つかの実施形態では、燃焼前燃料成分Cpは、燃焼前燃料Fにおける水素、炭素、および、酸素の各々の濃度を含み、上記の運転状態評価指標Rの計測値Rmは灰中未燃分の計測値Rmである。例えば、燃焼前燃料FにおけるC量がH量やO量に対して少なく、H/C、O/Cが大きい場合(燃焼前燃料Fが燃えやすい場合)において、仮に灰中未燃分の計測値Rmが、その予測値Teなどの所定のクライテリアTcを満たす範囲内の値である想定値よりも大きい場合(図4のステップS43参照)には、燃焼状況があまり良くなく、その際に用いられている燃焼制御パラメータPの指令値Pvは不適切と判断される。よって、灰中未燃分の濃度を下げる側の調整(制御)を行う(図4のステップS44参照)。具体的には、AAをより燃焼炉8の下部に向けるように投入角度を下げるように調整し、AAの炉内滞留時間を保つように図っても良い。風箱ダンパ94の開度を大きくすることによりバーナ91の近傍の空気量を増加させ、燃焼が促進されるように図っても良い。あるいは、燃焼前燃料Fの粒子をより小さくするような制御を行っても良い。つまり、燃焼制御パラメータPである2段燃焼率を下げる、AA角度を下げる、ミル装置92によって燃焼前燃料Fの分級器回転速度を大きくするなどの少なくとも1つの調整を行う。
他の幾つかの実施形態では、燃焼前燃料成分Cpは、燃焼前燃料Fにおける水素、炭素、酸素、および窒素の各々の濃度を含み、上記の運転状態評価指標Rの計測値RmはNOx濃度の計測値Rmである。例えば、燃焼前燃料FにおけるC量がH量やO量に対して少なく、H/C、O/Cが大きい場合(燃焼前燃料Fが燃えやすい場合)であって、N量が少ない場合において、NOx濃度の計測値Rmが上記の想定値よりも大きい場合(図4のステップS45参照)には、バーナ91の着火状況(燃焼状況)が悪いため、その際に用いられている燃焼制御パラメータPの指令値Pvは不適切と判断される。よって、NOxの濃度を下げる側の調整(制御)を行う(図4のステップS46参照)。具体的には、燃焼制御パラメータPであるバーナ91の燃料の噴射角度を下げる、2燃焼率を上げる、AA角度を上げるなどの少なくとも1つの調整を行う。
また、このように、NOx濃度を下げるための制御と、灰中未燃分を下げるための制御は背反事象となる場合があるため、NOx濃度、灰中未燃分の各々の計測値Rmのバランスを見て調整値Paを算出しても良い。例えば、灰中未燃分が規定値以下では有価物として取り扱えるため、灰中未燃分が規定値を超えた場合には、保証値の範囲内でNOx濃度を上げてでも灰中未燃分を下げるような制御を優先しても良い。
その他の幾つかの実施形態では、燃焼前燃料Fは、燃焼前燃料Fの燃焼時に灰を生成する灰成分を含み、燃焼前燃料成分Cpは、燃焼前燃料Fにおける灰成分の量を含み、上記の運転状態評価指標Rの計測値Rmは灰中未燃分の計測値Rmである。燃焼前燃料FにおけるCa、K、Fe、Naの量が多い場合において、灰中未燃分の計測値Rmが上記の想定値よりも大きい場合(図4のステップS47参照)には、上述したような灰中未燃分の濃度を下げる側の調整(制御)を行う(図4のステップS48参照)。
図4に示す実施形態では、ステップS41において、ミル装置92の出口における燃料(燃焼前燃料F)の燃料成分を取得し、ステップS42において、運転状態評価指標(灰中未燃分、NOx濃度)のエコノマイザ出口での計測値Rmを取得する。そして、ステップS43からS48において、上述したような調整値の算出を行う。なお、ステップS43〜S44、S45〜S46、S47〜S48の順番は任意に変更しても良い。
[2]運転状態評価指標Rが灰中未燃分またはNOx濃度であり、着火距離Dを調整する場合、
幾つかの実施形態では、運転状態評価指標Rは、上述した灰中未燃分またはNOx濃度の少なくとも一方を含む。また、運転状態評価指標取得部4は、灰中未燃分またはNOx濃度の少なくとも一方の計測値Rmを取得する。そして、調整値決定部5は、灰中未燃分またはNOx濃度の少なくとも一方の計測値Rmが、灰中未燃分の計画値またはNOx濃度の計画値よりも大きい場合は、炉内におけるバーナ91の先端と燃料の着火位置との間の距離(着火距離D)が短くなるように、燃焼制御パラメータPを調整する調整値Paを算出する着火距離調整値算出部52を有する。上記の灰中未燃分の計画値は、上述した灰中未燃分の規定値以下の任意の値(値範囲)であり、NOx濃度の計画値は、上述したNOx濃度の保証値以下の任意の値(値範囲)であり、例えば上述した予測値Teであっても良い。灰中未燃分やNOx濃度は、上述したように、エコノマイザ出口などの脱硝装置76の上流側で計測しても良い。また、着火位置は、バーナ91から炉内に投入された燃料に火が付く位置であり、バーナ91の先端から着火距離Dだけ離れた位置にある。図1に示す実施形態では、運転状態評価指標取得部4は、上記のようなリアルタイムな計測が可能な計測装置12に接続されると共に、計測装置12による灰中未燃分またはNOx濃度の計測の度に、運転状態評価指標取得部4にその計測値Rmが入力されることにより、灰中未燃分またはNOx濃度の計測値Rmをリアルタイムに取得するようになっている。
そして、灰中未燃分の計測値Rmが計画値より高い場合は、灰中未燃分を下げるための着火位置の適正化を行う。着火距離Dが短くなるように、そのバーナ91から炉内に供給される二次空気A2の流量を低減させても良い。ミル装置92の分級器回転速度を増加させても良い。この両方を組み合わせても良い。これによって、着火距離Dが短くなる(着火位置がバーナ側に近づく)ように制御することができ、灰中未燃分の計測値Rmをより小さくすることができる。同様に、二段段燃焼を行う場合において、NOx濃度の計測値Rmが計画値より高い場合は、着火距離Dを短くしたほうがより早く燃焼する分、NOxが早く放出されることからAAまでの還元時間が多くなるため、NOx濃度を低減することができる。この際、着火距離Dを計測することにより得られる着火距離Dをさらに考慮しても良い。具体的には、灰中未燃分やNOx濃度の計測値Rmが計画値より高い場合において、着火距離Dが適正値よりも長くなる(着火位置が離れる)など、着火性が悪化している場合は、上記の着火距離Dが短くすることが可能な制御を行っても良い。着火位置は、2色温度計や画像診断、放射温度計などの計測装置12により計測が可能であり、個の計測を通して着火距離Dを計測する。
上記の構成によれば、燃料の燃焼後に生じる灰の灰中未燃分について、その計測値Rmが計画値よりも大きい場合には、計測値Rmを計画値以下にするために、バーナ91と着火位置との間の着火距離Dが小さくなるような燃焼制御パラメータPの調整値Paを算出する。これによって、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
他の幾つかの実施形態では、運転状態評価指標Rは、上述した灰中未燃分、および炉内の壁面におけるバーナ91の高さ位置に付着した灰の付着量Bを含む。また、運転状態評価指標取得部4は、灰中未燃分の計測値Rmおよび灰の付着量Bの計測値Rmを取得する。そして、調整値決定部5は、灰中未燃分の計測値Rmが灰中未燃分計画値よりも高く、灰の付着量Bが付着量計画値よりも少ない場合には、炉内におけるバーナ91の先端と燃料の着火位置との上記の着火距離Dが短くなるように、燃焼制御パラメータPを調整する調整値Paを算出する第2着火距離調整値算出部53を有する。灰中未燃分計画値は、上述した灰中未燃分の予測値Teなどの灰中未燃分の規定値以下の任意の値(値範囲)である。灰中未燃分は上述したように、エコノマイザ出口などの脱硝装置76の上流側で計測しても良い。
また、上記の付着量計画値は、炉壁に付着する灰の標準量である。通常、燃焼条件は、炉壁に標準的な量の灰が付着した状態で最適になるように決定されるが、燃焼炉8の運用開始直後などには灰の付着量Bが標準量に達しておらず、炉壁を介した熱の路外への放出は灰が標準量だけ付着した場合に比べて多く、灰中未燃分が多くなりやすい。よって、赤外線カメラなどの計測装置12などを用いて計測される灰の付着量Bに応じて、燃焼炉8の燃焼条件を適正化する。例えば、炉壁と上部伝熱面(82)の吸熱量の比から付着している灰量を推定しても良い。炉壁に灰が多く付着していると、炉壁での吸熱量が減り、上部伝熱面(82)での吸熱量が増加するため、この比で評価することが可能である。
具体的には、灰の付着量Bが少なく、灰中未燃分が高い場合には、二段燃焼率を低減することにより、バーナ91のバーナエリア(燃焼領域)における燃料の燃焼量を増加させることでバーナエリアを高温化させ、バーナエリアにおける灰の付着量Bを増加させるように図っても良い。あるいは、二段燃焼率を増加させることにより、バーナエリアの酸素量(O量)を低減させることで、灰の溶融温度を下げ、灰の付着量Bを増加させるように図っても良い。
なお、運転状態評価指標取得部4は、さらに、運転状態評価指標Rとして着火部温度を取得しても良い。着火部温度は、風箱83の内側や炉内におけるバーナ91の近傍の温度であっても良い。この場合には、第2着火距離調整値算出部53、燃焼制御パラメータPを調整する調整値Paの算出を行う条件に、炉内温度が炉内温度計画値よりも低い場合という条件を加えても良い。
上記の構成によれば、上記の灰の付着量Bをさらに考慮して、燃焼制御パラメータの調整値Paを算出する。これによって、燃焼制御パラメータの指令値を実際の状況に応じて、さらに適切な値に調整することができる。
[3]運転状態評価指標Rが燃料粒子サイズSの場合、
幾つかの実施形態では、運転状態評価指標Rは、ミル装置92により生成された燃焼前燃料Fである微粉燃料の燃料粒子サイズS、またはバーナ91から炉内に供給された燃焼前燃料Fの燃料粒子サイズSを含む。また、運転状態評価指標取得部4は、燃料粒子サイズSの計測値Rmを取得する。そして、調整値決定部5は、燃料粒子サイズSの計測値Rmに基づいて、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整する調整値Paを算出する燃料粒子サイズ調整値算出部54を有する。燃料粒子サイズSは、例えばレーザを用いて計測するレーザ計測装置により計測が可能である。そして、運転状態評価指標取得部4は、レーザ計測装置のようなリアルタイムな計測が可能な計測装置12に接続されると共に、計測装置12によるリアルタイムな計測の度などに、運転状態評価指標取得部4に計測値Rmが入力されることにより、燃料粒子サイズSの計測値Rmをリアルタイムに取得しても良い。
より詳細には、燃料粒子サイズSが、ミル装置92により生成された燃焼前燃料Fである微粉燃料のものである場合には、例えば、燃焼炉8の炉内の各コーナ部におけるバーナ91に供給される微粉燃料の燃料粒子サイズSを、バーナ91単位または各コーナ部単位にそれぞれ計測し、この計測値Rmに応じて燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整しても良い。具体的には、特定のバーナ91またはコーナ部に供給されるの燃料粒子サイズSが大きい場合には、風箱ダンパ94の開度を制御することで、その特定のバーナ91またはコーナ部への2次空気量(燃焼用空気量)を減らし、他のバーナ91または他のコーナ部への2次空気量を増加させる。あるいは、その特定のバーナ91またはコーナ部への2次空気量を増加させ、他のバーナ91またはコーナ部への2次空気量を減少させても良い。
他方、燃料粒子サイズSが、バーナ91から炉内に供給された燃料(炉内に供給済みの燃焼前燃料F)のものである場合には、特にバイオマスなどの粗粒子が含まれる燃料を用いて燃焼炉8を運転する場合、炉底ホッパ部84の底84b(炉底)に落下する未燃燃料の燃料粒子サイズSを計測し、この計測値Rmに応じて燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整しても良い。具体的には、燃料粒子サイズSが、ミル装置92の分級器回転速度に応じた想定値よりも大きい場合には、ミル装置92の分級器回転速度を増加させることにより、燃焼前燃料Fの粉砕を促進することで、粗大落下粒子のサイズを小さくなるように図っても良い。バーナ91の噴射角度をより垂直方向上向きに調整することにより、落下粒子の炉内滞留時間を増加させることで、粗大落下粒子が小さくなるように図っても良い。また、風箱ダンパ94の開度調整によって、炉壁の上下方向に沿って複数段設置されたバーナ91の下方側のバーナ91の2次空気量を増加させることにより、炉内下部の空塔速度を増加させることで、粗大落下粒子が小さくなるように図っても良い。これらの調整の少なくとも2つを組み合わせても良い。
また、上記の実施形態では炉底で計測したが、AAポート93から火炉出口までの間における浮遊未燃粒子の燃料粒子サイズSを計測し、この計測値Rmに応じて燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整しても良い。具体的には、浮遊未燃粒子の燃料粒子サイズSが想定値よりも大きい場合には、ミル装置92の分級器回転速度を増加させることにより、燃焼前燃料Fの粉砕を促進することで、粗大落下粒子のサイズを小さくするように図っても良い。バーナ91の噴射角度をより垂直方向下向きに調整することにより、燃焼完結域の滞留時間を増加させることで、浮遊未燃粒子が小さくなるように図っても良い。風箱ダンパ94の開度調整によって、炉壁の上下方向に沿って複数段設置されたバーナ91の下方側のバーナ91の2次空気量を減少させることにより、炉内下部の空塔速度を減少させることで、粗浮遊未燃粒子が小さくなるように図っても良い。これらの調整の少なくとも2つを組み合わせても良い。
上記の構成によれば、炉内に供給される前の燃焼前燃料Fの燃料粒子サイズSの計測値Rm、あるいは炉内に供給された燃焼前燃料Fのうちの未燃燃料の燃料粒子サイズSの計測値Rmに基づいて、燃焼制御パラメータPの調整値Paを算出する。これによって、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
以下、上述した燃焼条件決定装置1が実行する処理に対応した燃焼炉8の燃焼条件決定方法について、図5A〜図7を用いて説明する。図5Aは、本発明の一実施形態に係る燃焼炉8の燃焼条件決定方法を示すフロー図であり、評価対象指標Tの予測値Teに基づいて燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定する。図5Bは、本発明の一実施形態に係る燃焼炉の燃焼条件決定方法を示すフロー図であり、予測モデルMmを用いて燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定する。図6は、本発明の一実施形態に係る再学習判定ステップを示すフロー図である。また、図7は、本発明の一実施形態に係る指令値決定モデルMvの再学習判定ステップを示すフロー図である。
燃焼炉8の燃焼条件決定方法(以下、単に、燃焼条件決定方法)は、燃焼炉8の燃焼装置9を制御する複数の燃焼制御パラメータPを含む燃焼条件を決定する方法である。図5A〜図5Bに示すように、燃焼条件決定方法は、燃焼前燃料成分取得ステップ(S2)と、指令値決定ステップ(S3)と、を備える。燃焼条件決定方法は、上述した燃焼条件決定装置が実行しても良いし、計測装置12などの計測結果を取得しつつ、人手で実行しても良い。なお、本法の実行タイミングは、燃焼炉8の試運転時の他、運転時における石炭変更時などの燃料変更時や、定期的、リアルタイムであっても良い。
図5A〜図5Bに示す燃焼条件決定方法を、微粉炭炊きボイラの運転時における石炭変更時を例として、図示のステップ順に説明する。
図5A〜図5BのステップS1において、本方法の実行前の準備を行う。図5Aに示す実施形態では、燃焼調整時(試運転時)に、燃料性状の異なる複数種類の燃料毎の燃焼条件をそれぞれ決定し、複数の燃焼モードを準備しておいている(ステップS1a)。他方、図5Bに示す実施形態では、対象となる燃焼炉8および他の燃焼炉8の各々に対する燃焼調整を通して得られた燃料種類毎の燃焼条件に基づいて、標準燃焼条件を決定し、準備しておいている(ステップS1b)。その後、燃焼炉8の運転時において実行タイミング(本実施形態では石炭変更)が到来し、次のステップS2以降を実行する。
ステップS2において、燃焼前燃料成分取得ステップを実行する。燃焼前燃料成分取得ステップ(S2)は、燃焼炉8(ボイラ)の上述したバーナ91に供給される燃料(石炭)である燃焼前燃料Fの燃料成分Cの少なくとも一部の計測値を含む燃焼前燃料成分Cpを取得するステップである。燃焼前燃料成分取得ステップ(S2)は、既に説明した燃焼前燃料成分取得部2が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図5A〜図5Bに示す実施形態では、上述したLIBS装置によるリアルタイムの計測を通して、変更後の石炭の燃焼前燃料成分Cpが自動で読み込まれる。
ステップS3において、指令値決定ステップを実行する。指令値決定ステップ(S3)は、燃焼前燃料成分Cpに基づいて、燃焼室8fの下流側となる煙道8pにおける、上述した評価対象指標Tが所定のクライテリアTcを満たすように、少なくとも1つの上述した燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定するステップである。指令値決定ステップ(S3)は、既に説明した指令値決定部3が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略するが、幾つかの実施形態では、上述した指令値決ステップ(S3)は、図5A〜図5Bに示すようステップにより指令値Pvを決定しても良い。あるいは、他の幾つかの実施形態では、上述した指令値決ステップ(S3)は、燃焼前燃料成分Cpと、この燃焼前燃料成分Cpを有する燃焼前燃料Fの燃焼により生じた評価対象指標Tの計測値であって前記所定のクライテリアTcを満たす計測値と、燃焼前燃料成分Cpを燃焼した際の燃焼制御パラメータPの指令値Pvとを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された指令値決定モデルMvを用いて、燃焼前燃料成分Cpから指令値Pvを決定しても良い。
図5A〜図5Bに示す実施形態では、指令値決定ステップ(S3)は、燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppを取得する仮設定値取得ステップ(S31)と、上述した仮設定値取得ステップ(S31)によって仮設定値Ppが取得される度に、燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppおよび燃焼前燃料成分Cpに基づいて、評価対象指標Tの予測値Teを算出する評価対象指標予測ステップ(S32)と、評価対象指標Tの予測値Teが所定のクライテリアTcを満たすか否かを判定するクライテリア判定ステップ(S33)と、このクライテリア判定ステップ(S33)によって評価対象指標Tの予測値Teが所定のクライテリアTcを満たすと判定されるまで、仮設定値取得部31によって取得される燃焼制御パラメータPの仮設定値Ppを変更すると共に、変更した仮設定値Ppを仮設定値取得ステップ(S31)に取得させる(変更した仮設定値PpでS31から再度ループする)パラメータ調整ステップ(S34)と、上記のクライテリア判定部33によって評価対象指標Tの予測値Teが所定のクライテリアTcを満たすと判定された場合の燃焼制御パラメータPの仮設定値Pp(Pp´)を指令値Pvとする指令値選択ステップ(S35)と、を有する。
この際、図5Aに示す実施形態では、評価対象指標予測ステップ(S32)は、燃焼前燃料Fの燃焼性を示す燃焼性指標Ib(前述)と評価対象指標Tと燃焼制御パラメータP(燃焼条件)との関係を示す予測マップMfを用いて、燃焼性指標Ibおよび仮設定値Ppから評価対象指標Tの予測値Teを算出する(S32a)。他方、図5Bに示す実施形態では、燃焼前燃料成分Cpと、この燃焼前燃料成分Cpを有する燃焼前燃料Fの燃焼により生じた評価対象指標Tの計測値と、この燃焼前燃料成分Cpを燃焼した際の燃焼制御パラメータPの指令値Pv(燃焼条件)とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された予測モデルMmを用いて、燃焼前燃料成分Cpおよび仮設定値Ppから評価対象指標Tの予測値Teを算出する(S32b)。
上述した仮設定値取得ステップ(S31)、評価対象指標予測ステップ(S32)、クライテリア判定ステップ(S33)、パラメータ調整ステップ(S34)、指令値選択ステップ(S35)は、それぞれ、既に説明した、仮設定値取得部31と、評価対象指標予測部32と、クライテリア判定部33と、パラメータ調整部34と、指令値選択部35が実行する処理内容とそれぞれ同様であるため、詳細は省略する。
上記の構成によれば、燃焼前燃料Fが実際に燃焼された場合に生じる灰の灰中未燃分や排ガス中のNOx濃度がクライテリアTcを満たすような燃焼制御パラメータPの指令値Pvを決定することができる。
また、幾つかの実施形態では、図5A〜図5B(ステップS4〜S6)に示すように、燃焼炉8の運転時における運転状態に応じて、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整しても良い。すなわち、燃焼条件決定方法は、運転状態評価指標Rの計測値Rmを取得する運転状態評価指標取得ステップ(S4)と、運転状態評価指標取得部4によって取得された運転状態評価指標Rの計測値Rmおよび燃焼前燃料成分Cpに基づいて、指令値決定ステップ(S3)によって決定された燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整するための調整値Paを決定する調整値決定ステップ(S5〜S6)と、をさらに備える。運転状態評価指標取得ステップ(S4)、調整値決定ステップ(S5〜S6)は、それぞれ、既に説明した運転状態評価指標取得部4、調整値決定部5が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
図5A〜図5Bに示す実施形態では、ステップS3の後に実行されるステップS4において、LIBS等により計測された評価対象指標Tの計測値Rmを取得する。その後、ステップS5において、評価対象指標Tの計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たすか判定する。そして、ステップS5において、評価対象指標Tの計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たさないと判定される場合には、ステップS6において、評価対象指標Tの計測値Rmおよび燃焼前燃料成分Cpに基づいて、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整する調整値を算出(評価対象指標調整値算出ステップを実行)することにより、少なくとも1つの燃焼制御パラメータP(燃焼条件)を変更し、再度ステップS4に戻る。逆に、ステップS5において、評価対象指標Tの計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たすと判定された場合には、その燃焼条件による制御を継続する。上述した評価対象指標調整値算出ステップは、既に説明した評価対象指標調整値算出部51が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
他の幾つかの実施形態では、運転状態評価指標Rは、上述した灰中未燃分またはNOx濃度の少なくとも一方を含んでいても良い。この場合、運転状態評価指標取得ステップ(S4)は、灰中未燃分またはNOx濃度の少なくとも一方の計測値Rmを取得する。また、調整値決定ステップ(S5)は、灰中未燃分またはNOx濃度の少なくとも一方の計測値Rmが計画値よりも大きい場合は、上述した着火距離Dが短くなるように、燃焼制御パラメータPを調整する調整値Paを算出する(着火距離調整値算出ステップ)を有する。この着火距離調整値算出ステップは、既に説明した着火距離調整値算出部52が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
その他の幾つかの実施形態では、運転状態評価指標Rは、上述した灰中未燃分、および炉内の壁面におけるバーナ91の高さ位置に付着した灰の付着量Bを含んでいても良い。この場合、運転状態評価指標取得ステップ(S4)は、灰中未燃分の計測値および灰の付着量Bの計測値を取得する。そして、調整値決定ステップ(S5〜S6)は、灰中未燃分の計測値が灰中未燃分計画値よりも高く、灰の付着量が付着量計画値よりも少ない場合には、上述した着火距離Dが短くなるように、燃焼制御パラメータPを調整する調整値Paを算出する(第2着火距離調整値算出ステップ)。この第2着火距離調整値算出ステップは、既に説明した第2着火距離調整値算出部53が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
その他の幾つかの実施形態では、運転状態評価指標Rは、ミル装置92により生成された燃焼前燃料Fである微粉燃料の燃料粒子サイズS、またはバーナ91から炉内に供給された燃焼前燃料Fの燃料粒子サイズSを含んでいても良い。この場合、運転状態評価指標取得ステップ(S4)は、燃料粒子サイズSの計測値Rmを取得する。また、調整値決定ステップ(S4〜S5)は、燃料粒子サイズSの計測値Rmに基づいて、燃焼制御パラメータPの指令値Pvを調整する調整値Paを算出する(燃料粒子サイズ調整値算出ステップ)。この燃料粒子サイズ調整値算出ステップは、既に説明した燃料粒子サイズ調整値算出部54が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
また、幾つかの実施形態では、図6に示すように、燃焼条件決定方法は、評価対象指標Tの予測値Teとその計測値Rmとの差異に基づいて、予測モデルMmの再学習を行うか否かの判定を行う再学習判定ステップ(予測モデル再学習判定ステップ)を、さらに備えていても良い。図6に示す実施形態では、ステップS61において、上述した予測モデルMmを用いて予測した評価対象指標T(灰中未燃分、NOx濃度)の予測値Teを取得する。ステップS62において、LIBS装置などにより計測された評価対象指標Tの計測値Rmを取得する。そして、ステップS63〜S64において、NOx濃度に関する予測値Teと計測値Rmとの差異が所定値を超える場合、または、灰中未燃分に関する予測値Teと計測値Rmとの差異が所定値超える場合には、ステップS65において予測モデルMmの再学習を実行する判定をする。逆に、ステップS63〜S64において、NOx濃度に関する予測値Teと計測値Rmとの差異が所定値以内の場合、かつ、灰中未燃分に関する予測値Teと計測値Rmとの差異が所定値以内の場合には、ステップS65を実行することなく、フローを終了する。
また、幾つかの実施形態では、図7に示すように、燃焼条件決定方法は、評価対象指標Tの計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たさない場合に、指令値決定モデルMvの再学習が必要と判定する再学習判定ステップ(指示値決定モデル再学習判定ステップ)を、さらに備えていても良い。図7に示す実施形態では、ステップS71において、LIBS装置などにより計測された評価対象指標T(NOx濃度、灰中未燃分)の計測値Rmを取得する。そして、ステップS72〜S73において、NOx濃度の計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たさない場合(NOx濃度>保証値)、または、灰中未燃分の計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たさない場合(灰中未燃分>規定値)、ステップS74において指令値決定モデルMvの再学習を実行する判定をする。逆に、S72〜S73において、NOx濃度の計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たす場合(NOx濃度≦保証値)、かつ、灰中未燃分の計測値Rmが所定のクライテリアTcを満たす場合(灰中未燃分≦規定値)には、ステップS74を実行することなく、フローを終了する。
上述した再学習判定ステップ(図6〜図7)は、図5Bのフローとは別に、例えば定期的に行っても良い。例えば、この場合には、図6のステップS61〜S62は、より詳細には、図5BのステップS2〜S4であっても良い。あるいは、図5Bのフローと組み合わせて実行しても良い。具体的には、図5BのフローにおけるステップS4以降であって、ステップS5およびS6の前後に再学習判定ステップ(図6〜図7)を実行しても良いし、ステップS5と並行して行っても良い。この場合には、図6のステップS61、S62は、図5BのステップS2〜S4により実行し、図6のステップS63〜S65は、図5BのステップS4の後に実行しても良い。これによって、次回の石炭変更などの実行タイミングにおける予測モデルMmによる予測精度や指令値決定モデルMvによる精度(信頼性)を維持することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 燃焼条件決定装置
m 記憶装置
12 計測装置
2 前燃料成分取得部
3 指令値決定部
31 仮設定値取得部
32 評価対象指標予測部
33 クライテリア判定部
34 パラメータ調整部
35 指令値選択部
4 運転状態評価指標取得部
5 調整値決定部
51 評価対象指標調整値算出部
52 着火距離調整値算出部
53 第2着火距離調整値算出部
54 燃料粒子サイズ調整値算出部
6 再学習判定部
7 燃焼システム
7c 燃焼制御装置
71 石炭貯蔵設備
72 石炭ホッパ
73 石炭供給装置
75 排ガス配管
76 脱硝装置
77 空気予熱器
78 電気集塵器
8 燃焼炉
8f 燃焼室
8p 煙道
82 伝熱管群
83 風箱
84 炉底ホッパ部
84b 底
9 燃焼装置
91 バーナ
92 ミル装置
93 ポート
93a 量調整バルブ
94 風箱ダンパ

L 空気供給管
L1 搬送用空気供給管
L2 燃焼用空気供給管
Lf 微粉燃料管
F 前燃料
G 排ガス
A 外気
A1 一次空気
A2 二次空気

C 燃料成分
Cp 前燃料成分
T 評価対象指標(灰中未燃分、NOx濃度)
Tc 評価対象指標のクライテリア
Te 評価対象指標の予測値
P 燃焼制御パラメータ
Pv 指令値
Pp 仮設定値

Mf 予測マップ
Mm 予測モデル
Mv 指令値決定モデル
R 運転状態評価指標
Rm 運転状態評価指標の計測値
Ib 燃焼性指標
S 燃料粒子サイズ
B 灰付着量
D 着火距離

Claims (23)

  1. 燃焼炉の燃焼装置を制御する複数の燃焼制御パラメータを含む燃焼条件を決定する燃焼炉の燃焼条件決定装置であって、
    前記燃焼炉の炉内に燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃料成分の少なくとも一部の計測値を含む燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得部と、
    前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼前燃料の燃焼により生じる灰の灰中未燃分又は排ガス中のNOx濃度の少なくとも一方である評価対象指標が所定のクライテリアを満たすように、少なくとも1つの前記燃焼制御パラメータの指令値を決定する指令値決定部と、を備えることを特徴とする燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  2. 前記指令値決定部は、
    前記燃焼制御パラメータの仮設定値を取得する仮設定値取得部と、
    前記仮設定値取得部によって前記仮設定値が取得される度に、前記仮設定値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記評価対象指標の予測値を算出する評価対象指標予測部と、
    前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすか否かを判定するクライテリア判定部と、
    前記クライテリア判定部によって前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすと判定されるまで、前記仮設定値取得部によって取得される前記燃焼制御パラメータの前記仮設定値を変更すると共に、変更した前記仮設定値を前記仮設定値取得部に取得させるパラメータ調整部と、
    前記クライテリア判定部によって前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすと判定された場合の前記仮設定値を前記指令値とする指令値選択部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  3. 前記評価対象指標予測部は、前記燃焼前燃料の燃焼性を示す燃焼性指標と前記評価対象指標と前記燃焼制御パラメータとの関係を示す予測マップを用いて、前記燃焼性指標および前記仮設定値から前記予測値を算出することを特徴とする請求項2に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  4. 前記指令値決定部は、前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記評価対象指標の計測値と、前記燃焼前燃料を燃焼した際の前記燃焼制御パラメータの指令値とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された予測モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分および前記仮設定値から前記予測値を算出することを特徴とする請求項2に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  5. 前記評価対象指標の前記予測値と前記評価対象指標の計測値との差異に基づいて、再学習を行うか否かの判定を行う再学習判定部を、さらに備えることを特徴とする請求項4に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  6. 前記指令値決定部は、前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記評価対象指標の計測値であって前記所定のクライテリアを満たす前記計測値と、前記燃焼前燃料を燃焼した際の前記燃焼制御パラメータの指令値とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された指令値決定モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分から前記指令値を決定することを特徴とする請求項1に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  7. 前記評価対象指標を含む運転状態評価指標の計測値を取得する運転状態評価指標取得部と、
    前記運転状態評価指標の計測値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記指令値決定部によって決定された前記燃焼制御パラメータの前記指令値を調整するための調整値を決定する調整値決定部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  8. 前記運転状態評価指標は、前記評価対象指標を含み、
    前記運転状態評価指標取得部は、前記評価対象指標の計測値を取得し、
    前記調整値決定部は、前記評価対象指標の計測値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼制御パラメータの指令値を調整する評価対象指標調整値算出部を有することを特徴とする請求項7に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  9. 前記運転状態評価指標は、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方を含み、
    前記運転状態評価指標取得部は、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方の計測値を取得し、
    前記調整値決定部は、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方の計測値が計画値よりも大きい場合は、前記炉内における前記バーナの先端と前記燃料の着火位置との間の着火距離が短くなるように、前記燃焼制御パラメータを調整する調整値を算出する着火距離調整値算出部を有することを特徴とする請求項7または8に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  10. 前記運転状態評価指標は、前記灰中未燃分、および前記炉内の壁面における前記バーナの高さ位置に付着した前記灰の付着量を含み、
    前記運転状態評価指標取得部は、前記灰中未燃分の計測値および前記灰の付着量の計測値を取得し、
    前記調整値決定部は、前記灰中未燃分の計測値が灰中未燃分計画値よりも高く、かつ、前記灰の付着量が付着量計画値よりも少ない場合には、前記炉内における前記バーナの先端と前記燃料の着火位置との間の着火距離が短くなるように、前記燃焼制御パラメータを調整する前記調整値を算出する第2着火距離調整値算出部を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  11. 前記運転状態評価指標は、ミル装置により生成された前記燃焼前燃料である微粉燃料、または前記バーナから前記炉内に供給された前記燃焼前燃料の燃料粒子サイズを含み、
    前記運転状態評価指標取得部は、前記燃料粒子サイズの計測値を取得し、
    前記調整値決定部は、前記燃料粒子サイズの計測値に基づいて、前記燃焼制御パラメータの指令値を調整する調整値を算出する粒子サイズ調整値算出部を有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置。
  12. 燃焼炉の燃焼装置を制御する複数の燃焼制御パラメータを含む燃焼条件を決定する請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃焼炉の燃焼条件決定装置と、
    前記燃焼炉の運転状態を評価するための運転状態評価指標をリアルタイムに計測可能な計測装置と、
    前記燃焼条件決定装置によって決定された前記少なくとも1つの燃焼制御パラメータの指令値を前記燃焼装置送信する燃焼制御装置と、を備えることを特徴とする燃焼システム。
  13. 燃焼炉の燃焼装置を制御する複数の燃焼制御パラメータを含む燃焼条件を決定する燃焼炉の燃焼条件決定方法であって、
    前記燃焼炉の炉内に燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃料成分の少なくとも一部の計測値を含む燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得ステップと、
    前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼前燃料の燃焼により生じる灰の灰中未燃分又は排ガス中のNOx濃度の少なくとも一方である評価対象指標が所定のクライテリアを満たすように、少なくとも1つの前記燃焼制御パラメータの指令値を決定する指令値決定ステップと、を備えることを特徴とする燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  14. 前記指令値決定ステップは、
    前記燃焼制御パラメータの仮設定値を取得する仮設定値取得ステップと、
    前記仮設定値取得ステップによって前記仮設定値が取得される度に、前記仮設定値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記評価対象指標の予測値を算出する評価対象指標予測ステップと、
    前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすか否かを判定するクライテリア判定ステップと、
    前記クライテリア判定ステップによって前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすと判定されるまで、前記仮設定値取得ステップによって取得される前記燃焼制御パラメータの前記仮設定値を変更すると共に、変更した前記仮設定値を前記仮設定値取得ステップに取得させるパラメータ調整ステップと、
    前記クライテリア判定ステップによって前記予測値が前記所定のクライテリアを満たすと判定された場合の前記仮設定値を前記指令値とする指令値決定ステップと、を有することを特徴とする請求項13に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  15. 前記評価対象指標予測ステップは、前記燃焼前燃料の燃焼性を示す燃焼性指標と前記評価対象指標と前記燃焼制御パラメータとの関係を示す予測マップを用いて、前記燃焼性指標および前記仮設定値から前記評価対象指標の予測値を算出することを特徴とする請求項14に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  16. 前記指令値決定ステップは、前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記評価対象指標の計測値と、前記燃焼前燃料成分を燃焼した際の前記燃焼制御パラメータの指令値とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された予測モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分および前記仮設定値から前記指令値を決定することを特徴とする請求項14に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  17. 前記評価対象指標の前記予測値と前記評価対象指標の計測値との差異に基づいて、再学習を行うか否かの判定を行う再学習判定ステップを、さらに備えることを特徴とする請求項16に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  18. 前記指令値決定ステップは、前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記評価対象指標の計測値であって前記所定のクライテリアを満たす前記計測値と、前記燃焼前燃料成分を燃焼した際の前記燃焼制御パラメータの指令値とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された指令値決定モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分から前記指令値を決定することを特徴とする請求項13に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  19. 前記評価対象指標を含む運転状態評価指標の計測値を取得する運転状態評価指標取得ステップと、
    前記運転状態評価指標の計測値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記指令値決定ステップによって決定された前記燃焼制御パラメータの前記指令値を調整するための調整値を決定する調整値決定ステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  20. 前記運転状態評価指標は、前記評価対象指標を含み、
    前記運転状態評価指標取得ステップは、前記評価対象指標の計測値を取得し、
    前記調整値決定ステップは、前記評価対象指標の計測値および前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼制御パラメータの指令値を調整する評価対象指標調整値算出ステップを有することを特徴とする請求項19に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  21. 前記運転状態評価指標は、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方を含み、
    前記運転状態評価指標取得ステップは、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方の計測値を取得し、
    前記調整値決定ステップは、前記灰中未燃分または前記NOx濃度の少なくとも一方の計測値が計画値よりも大きい場合は、前記炉内における前記バーナの先端と前記燃料の着火位置との間の着火距離が短くなるように、前記燃焼制御パラメータを調整する調整値を算出する着火距離調整値算出ステップを有することを特徴とする請求項19または20に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  22. 前記運転状態評価指標は、前記灰中未燃分、および前記炉内の壁面における前記バーナの高さ位置に付着した前記灰の付着量を含み、
    前記運転状態評価指標取得ステップは、前記灰中未燃分の計測値および前記灰の付着量の計測値を取得し、
    前記調整値決定ステップは、前記灰中未燃分の計測値が灰中未燃分計画値よりも高く、かつ、前記灰の付着量が付着量計画値よりも少ない場合には、前記炉内における前記バーナの先端と前記燃料の着火位置との間の着火距離が短くなるように、前記燃焼制御パラメータを調整する前記調整値を算出する第2着火距離調整値算出ステップを有することを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
  23. 前記運転状態評価指標は、ミル装置により生成された前記燃焼前燃料である微粉燃料、または前記バーナから前記炉内に供給された前記燃焼前燃料の燃料粒子サイズを含み、
    前記運転状態評価指標取得ステップは、前記燃料粒子サイズの計測値を取得し、
    前記調整値決定ステップは、前記燃料粒子サイズの計測値に基づいて、前記燃焼制御パラメータの指令値を調整する調整値を算出する粒子サイズ調整値算出ステップを有することを特徴とする請求項19〜22のいずれか1項に記載の燃焼炉の燃焼条件決定方法。
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