JP2019116743A - 建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッキングによる外壁の保護を図りつつ太陽光発電の効率を上げることが可能な建物を提供する。
【解決手段】建物は、鉛直方向に延びると共に、前記建物に加わる水平方向の外力によって上部が下部に対して水平方向に変位する躯体と、水平方向に変位する前記躯体に追従するために前記躯体に対して回転運動可能に取り付けられ、水平方向に間隔を空けて並べられた複数の外壁と、前記外壁の外側において水平方向に隣接するように並べられた複数の太陽電池パネルと、前記外壁に対する前記太陽電池パネルの水平方向の相対変位が許容された状態で、前記太陽電池パネルを前記外壁に取り付けるための取付機構と、を備えている。前記取付機構は、予め設定された前記外壁の回転範囲内での回転の過程で水平方向に隣接する前記太陽電池パネル同士が互いに当接する間隔を空けた状態で前記太陽電池パネルを前記外壁に取り付ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、建物に関する。
従来、特許文献1に開示されるように、地震発生時などにおいて建物の外壁を保護するための工法(以下、「ロッキング工法」とも称する)が知られている。このロッキング工法は、地震発生時に水平方向に変位する建物の躯体に対して外壁を追従させるために、外壁を躯体に対して水平方向に沿った軸を中心として回転可能に取り付ける工法である。この回転運動によって地震発生時に外壁に加わる力を吸収することができるため、外壁の破損や脱落を防止することができる。
また特許文献2に開示されるように、建物の外壁に太陽電池パネルを設置し、外壁を太陽光発電の場所として利用することについても提案されている。特許文献2には、柱と、当該柱に取り付けられた外装板と、当該外装板に取り付けられると共に多数の太陽電池パネルが敷き詰められた外壁パネルと、を備えた建物について記載されている。
特開2001−182282号公報 特開2012−7393号公報
特許文献1のロッキング工法を採用した外壁に太陽電池パネルを設置する場合には、次のような課題が生じる。まず、地震発生時に外壁が回転(ロッキング)するのを許容するために、外壁は水平方向に間隔を空けた状態で配置される。また太陽電池パネルも外壁と共に回転させるために、太陽電池パネルも水平方向に間隔を空けた状態で外壁に設置する必要がある。ここで、太陽電池パネル同士の間隔は外壁の回転を妨げないようにするために必要であるが、当該間隔を広く取ると外壁における太陽電池パネルの設置面積が小さくなり、結果として高い発電効率が得られ難くなるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロッキングによる外壁の保護を図りつつ太陽光発電の効率を上げることが可能な建物を提供することである。
本発明の一局面に係る建物は、鉛直方向に延びると共に、前記建物に加わる水平方向の外力によって上部が下部に対して水平方向に変位する躯体と、水平方向に変位する前記躯体に追従するために前記躯体に対して回転運動可能に取り付けられ、水平方向に間隔を空けて並べられた複数の外壁と、前記外壁の外側において水平方向に隣接するように並べられた複数の太陽電池パネルと、前記外壁に対する前記太陽電池パネルの水平方向の相対変位が許容された状態で、前記太陽電池パネルを前記外壁に取り付けるための取付機構と、を備えている。前記取付機構は、予め設定された前記外壁の回転範囲内での回転の過程で水平方向に隣接する前記太陽電池パネル同士が互いに当接する間隔を空けた状態で前記太陽電池パネルを前記外壁に取り付ける。
この建物では、地震発生時などにおいて建物に水平方向の外力が加わり、躯体の上部が躯体の下部に対して水平方向に変位すると、外壁が躯体に対して回転運動する。この回転過程において、水平方向に隣接する太陽電池パネル同士が当接し、外壁の回転を妨げる方向の反力が太陽電池パネルに対して加わる。本発明の建物では、外壁に対する太陽電池パネルの水平方向の相対変位が許容されており、太陽電池パネルに加わる反力を当該相対変位により吸収することができる。このため、太陽電池パネル同士の当接により外壁の回転が妨げられること、つまり外壁のロッキングが阻害されることを防ぎ、且つ当該反力による太陽電池パネルの破損を防ぐことができる。しかも、太陽電池パネルを互いに当接する程度に敷き詰めて配置することにより、設置面積を広く確保することができるため、発電効率を上げることができる。
上記建物において、前記取付機構は、前記複数の外壁の各々に設けられた取付ユニットを有していてもよい。前記複数の太陽電池パネルの各々は、1つの前記取付ユニットに取り付けられていてもよい。
この構成によれば、各太陽電池パネルが複数の取付ユニットに跨って取り付けられる場合と異なり、複数の外壁が各々異なる回転挙動をする場合でもその影響を考慮しなくてよいため、外壁に対する太陽電池パネルの相対変位を容易に設計することができる。
上記建物において、前記取付機構は、水平方向に隣接する前記太陽電池パネル同士の間隔が水平方向に隣接する前記外壁同士の間隔よりも小さくなるように、前記太陽電池パネルを前記外壁に取り付けるものでもよい。
この構成によれば、太陽電池パネルがより密に敷き詰められた状態となるため、外壁の目地の一部を太陽電池パネルにより覆うことができ、建物の美観の面で好ましい。
上記建物において、前記取付機構は、前記外壁に対する前記太陽電池パネルの鉛直方向の相対変位を許容してもよい。
外壁は、躯体に対して回転する際、水平方向だけでなく鉛直方向においても変位する。これに対し、外壁に対する太陽電池パネルの相対変位を水平方向だけでなく鉛直方向においても許容することにより、外壁の回転運動が妨げられるのをより確実に防止することができる。
上記建物において、前記取付機構は、前記外壁の外面に固定されたレール部材と、前記太陽電池パネルを支持する支持金具と、前記レール部材と前記支持金具とを連結する連結金具と、を有していてもよい。前記レール部材又は前記支持金具には、前記連結金具が挿通されると共に、前記外壁の回転に応じた前記連結金具の移動を許容する長穴が形成されていてもよい。
この構成によれば、外壁の回転中に連結金具を長孔内で移動させることにより、外壁に対して太陽電池パネルを容易に相対変位させることができる。
上記建物において、前記長穴は、前記外壁の回転運動における水平方向の最大変位量に相当する前記連結金具の水平方向の移動を許容する大きさを有していてもよい。また前記長穴は、前記外壁の回転運動における鉛直方向の最大変位量に相当する前記連結金具の鉛直方向の移動を許容する大きさを有していてもよい。
この構成によれば、外壁の回転中において連結金具を長穴内においてより確実に移動させることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ロッキングによる外壁の保護を図りつつ太陽光発電の効率を上げることが可能な建物を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る建物における躯体を示す模式図である。 上記建物を外壁側から見た時の構成を模式的に示す側面図である。 図2中の線分III−IIIに沿った上記建物の断面を模式的に示す図である。 上記建物において太陽電池パネルを取り外した時の様子を模式的に示す側面図である。 図4中の領域Vにおける拡大図である。 図5中の線分VI−VIに沿った断面を模式的に示す図である。 外壁が時計回りに回転した場合に、図2中の領域VIIの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が時計回りに回転した場合に、図2中の領域VIIIの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が時計回りに回転した場合に、図2中の領域IXの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が時計回りに回転した場合に、図2中の領域Xの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が時計回りに回転した場合に、図2中の領域XIの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が時計回りに回転した場合に、図2中の領域XIIの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が反時計回りに回転した場合に、図2中の領域VIIの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が反時計回りに回転した場合に、図2中の領域VIIIの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が反時計回りに回転した場合に、図2中の領域IXの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が反時計回りに回転した場合に、図2中の領域Xの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が反時計回りに回転した場合に、図2中の領域XIの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 外壁が反時計回りに回転した場合に、図2中の領域XIIの長穴内においてボルトが移動する軌跡を模式的に示す図である。 本発明の実施形態2に係る建物を説明するための模式図である。 本発明の実施形態2に係る建物を説明するための模式図である。 躯体に対する外壁の取付構造を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る建物について詳細に説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る建物1の構成について説明する。図1は、建物1の躯体2の構造を模式的に示している。図2は、建物1を外壁側から見たときの構成を模式的に示している。図3は、図2中の線分III−IIIに沿った建物1の断面を模式的に示している。
図1〜図3に示すように、建物1は、躯体2と、躯体2に対して取り付けられた複数の外壁20と、外壁20の外側に配置された複数の太陽電池パネル50と、太陽電池パネル50を外壁20に取り付けるための取付機構30と、を主に備えている。以下、これらの構成要素についてそれぞれ説明する。
躯体2は、鉛直方向に延びると共に、建物1に加わる水平方向の外力F1によって上部が下部に対して水平方向に変位する。図1に示すように、躯体2は、鉛直方向に延びると共に水平方向に隣接するように並べられた複数の柱10と、水平方向に延びると共に各柱10の上端が固定された梁16と、を有する。各柱10の下端は、建物1の基礎13に固定されている。
図3に示すように、柱10は、例えばC形鋼材からなる鉄骨材であり、平板状のウェブ11と、ウェブ11の両端から垂直に延びる一対のフランジ12と、一対のフランジ12の各先端から互いに近づく方向に延びる一対のリップ17と、を有する。柱10は、ウェブ11同士が互いに対向した状態で水平方向に隣接し、ウェブ11を貫通するボルト14及び当該ボルト14に締結されるナット15により互いに固定されている。なお、柱10は、本実施形態のようなC形鋼材からなるものに限定されず、任意の形状や材質のものを用いることが可能である。
図1に示すように、地震発生時などにおいては、建物1に対して水平方向に大きな外力F1が加わる。この外力F1によって梁16が水平方向に変位し、これに伴って柱10の上端が柱10の下端に対して水平方向に変位することにより、柱10が鉛直方向に対して傾いた状態となる(図1中の2点鎖線)。このような躯体2の水平方向の変位を層間変位と呼ぶ。
図2に示すように、外壁20は、例えば平面視長方形状を有し、長さ方向が鉛直方向に沿った状態で配置されている。外壁20における一対の長辺は、水平方向に離間すると共に鉛直方向に延びている。また外壁20における一対の短辺は、鉛直方向に離間すると共に水平方向に延びている。なお、外壁20の形状や向きなどは特に限定されない。
複数の外壁20は、水平方向及び鉛直方向において間隔を空けて並べられている。外壁20の水平方向の間隔は長辺同士の間隔であり、外壁20の鉛直方向の間隔は短辺同士の間隔である。
図3に示すように、外壁20は、例えば、C形鋼材からなる縦フレーム21と、矩形状を有するセラミック基材22と、が一体化された構成を有する。外壁20は、建物1の内側(躯体2側)を向く内面23と、建物1の外側(内面23と反対側)を向く外面24と、内面23と外面24とを接続する側面25(長辺部分を構成する側面)と、を有する。図3に示すように、外壁20は、側面25同士が水平方向に対向する状態で配置され、側面25同士の間隔が例えば10mm程度である。なお、外壁20は、本実施形態のように縦フレーム21とセラミック基材22とが一体化された構成のものに限定されず、例えば中空構造を有するコンクリート製のものでもよい。
外壁20は、外力F1によって水平方向に変位する躯体2に追従するために、躯体2に対して回転運動可能に取り付けられている。より具体的には、図2に示すように、外壁20は、下端部における幅方向(水平方向)の中央に位置する点P1を中心として、時計回りD1又は反時計回りD2に回転(ロッキング)する。この時の外壁20の回転範囲は、躯体2の変位量に応じて予め設定されている。
図21は、躯体2に対する外壁20の取付構造を示している。外壁20は、固定金具80により躯体2の柱10に対して取り付けられている。図21に示すように、固定金具80は、外壁20と柱10とを連結する金具本体81と、金具本体81を柱10に対して押さえ付ける押さえ部材82と、金具本体81及び押さえ部材82を柱10に固定する第1固定具83と、金具本体81を外壁20に固定する第2固定具84と、を有する。
金具本体81は、平面視L字形状を有し、外壁20の内面23に沿って延びる第1板部81Aと、第1板部81Aの端部から当該第1板部81Aに対して直交する方向に延びる第2板部81Bと、を有する。押さえ部材82は、第2板部81Bを柱10のリップ17に対して押さえ付ける。
第1固定具83は、金具本体81(第2板部81B)及び押さえ部材82を貫通する第1ボルト83Aと、柱10の溝内に挿入されると共にリップ17の内面に係止される板状の第1係止体83Bと、押さえ部材82の外側から第1ボルト83Aに締結される第1ナット83Cと、を有する。第1ボルト83Aの一端(第1ナット83Cが締結される側と反対側の端)は、第1係止体83Bの板面に接続されている。
第2固定具84は、外壁20の縦フレーム21の溝内に挿入されると共に当該縦フレーム21の内面に係止される板状の第2係止体84Aと、第2係止体84Aと一体に形成されると共に金具本体81(第1板部81A)を貫通する第2ボルト84Bと、金具本体81の外側から第2ボルト84Bに締結される第2ナット84Cと、を有する。図21に示すように、第1板部81Aには、第2ボルト84Bが挿通される長穴84BBが形成されている。なお、図21では、外壁20の幅方向の一方側における取付構造のみを示しているが、他方側の部分も柱10に対して同様に取り付けられている。
図21に示すように、柱10の下端には、水平方向に延びる形状の梁19が取り付けられており、当該梁19には、外壁20を支持する受け金具90が取り付けられている。外壁20は、受け金具90の支持面91上に下端が載置された状態となっている。なお、受け金具90は、外壁20の幅方向における両側に配置されている。
本実施形態では、長穴84BB内における第2ボルト84Bの移動が許容されているため、躯体2の層間変位が生じた時に、外壁20は躯体2と異なる動き(躯体2に対する点P1を中心とする回転運動)をすることができる。なお、ロッキング中、外壁20は鉛直方向及び水平方向にそれぞれ変位し、その変位量は点P1から離れるに従い大きくなる。このように、外壁20を躯体2に対して回転させることにより、地震発生時などにおいて外壁20に加わる力を吸収し、外壁20を保護することができる。なお、外壁20の回転中心は点P1に限定されず、例えば、外壁20の下端部における幅方向の両端に位置する点P2,P3でもよい。
図2に示すように、太陽電池パネル50は、一枚の外壁20に対して複数(例えば6枚)配置されている。各太陽電池パネル50は、例えば平面視長方形状を有し、長さ方向が水平方向に沿った状態で配置されている。このため、太陽電池パネル50の長さ方向は、外壁20の長さ方向に対して直交する。
複数の太陽電池パネル50は、水平方向及び鉛直方向に間隔を空けて隣接している。太陽電池パネル50の水平方向の間隔は短辺同士の間隔であり、太陽電池パネル50の鉛直方向の間隔は長辺同士の間隔である。
図3に示すように、水平方向に隣接する太陽電池パネル50同士の間隔(側面51同士の間隔)は、水平方向に隣接する外壁20同士の間隔(側面25同士の間隔)よりも小さく、例えば2mm以下である。このため、外壁20が点P1を中心に回転する過程で、水平方向に隣接する太陽電池パネル50の側面51同士が互いに当接する。なお、外壁20の回転前の状態において、側面51同士の間隔が0mmであってもよい。つまり、外壁20の回転前の状態において、太陽電池パネル50の側面51同士が互いに接触した状態となっていてもよい。
取付機構30は、太陽電池パネル50を外壁20の外面24に取り付けるためのものである。図3に示すように、取付機構30は、外壁20の外面24に固定されたレール部材31と、太陽電池パネル50を支持する支持金具32と、レール部材31と支持金具32とを連結するボルト33及び当該ボルト33に締結されるナット34(連結金具)と、を有する。レール部材31とナット34との間には、抜け止め用の座金34Aが配置されている。
図4は、図2と同様に建物1の側面図であり、太陽電池パネル50(図2)を外壁20から取り外したときの状態を示している。図4に示すように、レール部材31は、外壁20の長辺に沿って鉛直方向に延びる形状を有し、外壁20とほぼ同じ長さとなっている。レール部材31は、一枚の外壁20に対して2本ずつ配置されている。一方のレール部材31は、点P1を基準として外壁20の幅方向の一方側に配置され、他方のレール部材31は点P1を基準として外壁20の幅方向の他方側に配置されている。
図3に示すように、レール部材31は、幅方向(水平方向)に離間すると共に外壁20の外面24に固定される一対の被固定部35と、一対の被固定部35同士を接続すると共にナット34が収容される空間を外面24との間に形成するように外側に張り出した張出部36と、を有する。レール部材31は、被固定部35においてビス31Aにより外壁20の外面24に対して完全に固定されている。このため、外壁20が点P1を中心に回転する際、レール部材31も外壁20と共に回転する。
図5は、図4中の領域Vにおける拡大図である。図5の左側はレール部材31に支持金具32が取り付けられたときの状態を示し、図5の右側はレール部材31から支持金具32が取り外されたときの状態を示している。
図5の右側に示すように、レール部材31(張出部36)には、幅方向に延びる長方形状の長穴37が形成されている。この長穴37は、張出部36を厚さ方向に貫通するように形成されている。ボルト33は長穴37に挿通されている。また図4に示すように、長穴37は、レール部材31の長さ方向に所定の間隔を空けて複数(例えば7つ)形成されている。
長穴37は、外壁20の回転に応じたボルト33の移動を許容する大きさを有する。より具体的には、図5に示すように、長穴37の長さL1及び幅W1は、いずれもボルト33の径よりも大きい。このため、レール部材31が外壁20と共に回転すると、ボルト33はその回転に応じて長穴37内において見かけ上移動する。
図6は、図5中の線分VI−VIに沿った断面を示している。支持金具32は、レール部材31(張出部36)に固定された平板部41と、太陽電池パネル50の下端部を受ける受け部42と、太陽電池パネル50の上端部を支持する支持部43と、を有する。図6に示すように、受け部42は平板部41の上端から外側に延在し、支持部43は平板部41の下端から受け部42と同じ長さだけ外側に延在する。また受け部42の先端は上側に向かって垂直に折り曲げられ、支持部43の先端は下側に向かって垂直に折り曲げられている。これらの折曲部によって太陽電池パネル50の表面50Aが支持され、太陽電池パネル50の落下を防止することができる。
図6に示すように、ボルト33は、平板部41に挿通されると共に、ナット34に締結されている。ボルト33の頭部と座金34A(図3)とにより支持金具32(平板部41)及びレール部材31(張出部36)が挟まれている。これにより、図5に示すように、外壁20の回転前の状態において、ボルト33が長穴37の長さ方向及び幅方向の中央に位置している。なお、平板部41(支持金具32)に長穴37が形成され、レール部材31に長穴37が形成されなくてもよい。
取付機構30は、複数の外壁20の各々に設けられた取付ユニットを有する。この取付ユニットは、一枚の外壁20に取り付けられたレール部材31、支持金具32、ボルト33及びナット34により構成される。すなわち、本実施形態では、複数の太陽電池パネル50の各々は、1つの取付ユニットに取り付けられている。
次に、地震発生時における建物1の躯体2、外壁20、太陽電池パネル50及び取付機構30のそれぞれの動きについて説明する。
まず、地震が発生すると、図1に示すように建物1に対して水平方向の外力F1が加わる。これにより、図1中の2点鎖線で示すように躯体2が層間変位し、柱10が鉛直方向に対して傾いた状態となる。そして、層間変位する躯体2に対して追従するため、外壁20は、点P1(図2)を中心に時計回りD1又は反時計回りD2に回転(ロッキング)運動する。
太陽電池パネル50は、外壁20と共に回転しようとするが、上述のように水平方向に隣接する太陽電池パネル50の側面51(図3)同士が外壁20の回転の過程で互いに当接する。これにより、太陽電池パネル50は、その回転を規制する方向の反力を隣りの太陽電池パネル50から受ける。このため、太陽電池パネル50は、外壁20と共に回転せず、その位置を維持しようとする。
ここで、太陽電池パネル50が取付機構30により外壁20に対して完全に固定されるとすれば、太陽電池パネル50が受ける反力を吸収することができない。この場合、外壁20のロッキングが妨げられ、また当該反力によって太陽電池パネル50が破損して落下する虞がある。
これに対し、本実施形態に係る建物1では、太陽電池パネル50は、外壁20に対する水平方向及び鉛直方向の相対変位が許容された状態で外壁20に取り付けられている。具体的には、図5(右側)に示す長穴37内においてボルト33が水平方向及び鉛直方向に移動することにより、太陽電池パネル50の移動が規制された状態で外壁20を回転させることができる。このため、太陽電池パネル50が外壁20のロッキング中に互いに当接する程度にまで敷き詰めて配置された場合でも、外壁20のロッキングが阻害されることがなく、外壁20を確実に保護することができる。
図7〜図12は、外壁20が点P1を中心に時計回りD1に回転した場合に、図2中の領域VII〜XIIにおいて、ボルト33が長穴37内で移動する軌跡を示している。これらの図において、外壁20の回転完了時におけるボルト33の位置を実線の丸印で示し、外壁20の回転の過程でボルト33が移動する軌跡を矢印により示している。
まず、外壁20の回転前の状態では、領域VII〜XIIのいずれにおいても、ボルト33は長穴37における長さ方向及び幅方向の中央に位置している。そして、外壁20が回転すると、ボルト33の位置が維持された状態でレール部材31が外壁20と共に回転するため、ボルト33が見かけ上長穴37内において移動する。
図7,図9及び図11に示すように、点P1からの距離(回転半径)が大きくなるに従って、長穴37内におけるボルト33の移動量が大きくなる。図7(図2の領域VII)では、ボルト33が下側に移動して長穴37の下縁37Aに当接した後、ボルト33が下縁37Aに沿って左側の側縁37Bまで移動する。図9(図2の領域IX)では、ボルト33が下縁37Aに当接した後、側縁37Bまで到達する前に外壁20の回転が完了する。また図11(図2の領域XI)では、ボルト33が下縁37Aに当接し、下縁37Aに沿った移動を開始する前に外壁20の回転が完了する。
一方、図8(図2の領域VIII)では、ボルト33が上側に移動して長穴37の上縁37Cに当接した後、ボルト33が上縁37Cに沿って左側の側縁37Bまで移動する。図10(図2の領域X)では、ボルト33が上縁37Cに当接した後、側縁37Bまで到達する前に外壁20の回転が完了する。また図12(図2の領域XII)では、ボルト33が上縁37Cに当接し、上縁37Cに沿った移動を開始する前に外壁20の回転が完了する。
したがって、図7と図8とでは、ボルト33の動きが上下対称の関係となる。これは、図9と図10との関係、図11と図12との関係についても同様である。
図13〜図18は、外壁20が点P1を中心に反時計回りD2に回転した場合に、図2中の領域VII〜XIIにおいて、ボルト33が長穴37内で移動する軌跡を示している。この場合、同じ領域において外壁20が時計回りD1に回転する場合(図7〜図12)と比較すると、ボルト33の動きは上下左右対称の関係となる。
また長穴37は、外壁20の回転運動における水平方向及び鉛直方向の最大変位量に相当するボルト33の水平方向及び鉛直方向の移動を許容する大きさを有する。具体的には、図7に示すように、長穴37の半分の長さL11は、外壁20が時計回りD1又は反時計回りD2に回転したときの外壁20の水平方向の最大変位量に相当する。また長穴37の半分の幅W11は、外壁20が時計回りD1又は反時計回りD2に回転したときの外壁20の鉛直方向の最大変位量に相当する。これにより、外壁20が時計回りD1及び反時計回りD2のいずれの方向に回転した場合でも、外壁20の回転に応じてボルト33を長穴37内において移動させることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る建物について、図19及び図20を参照して説明する。実施形態2に係る建物は、基本的に実施形態1に係る建物1と同様の構成を備えているが、レール部材31に形成される長穴の形状が実施形態1の場合と異なっている。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
図19は、図4中の外壁20の左側の長辺に沿うレール部材31に形成された長穴38を示している。図20は、外壁20の右側の長辺に沿うレール部材31に形成された長穴39を示している。これらの図において、実施形態1で説明した外壁20の回転の過程におけるボルト33の軌跡が2点鎖線により示されている。
図19及び図20に示すように、実施形態2における長穴38,39は、外壁20が点P1を中心に時計回りD1及び反時計回りD2に回転するときのボルト33の移動の軌跡に沿った形状を有する。つまり、長穴38,39は、実施形態1で説明した長方形状の長穴37よりも小さく、外壁20のロッキングに応じてボルト33を移動させるのに必要な最小限の大きさとなっている。また長穴38,39の形状は左右対称となっている。このような長穴の形状を採用した場合でも、実施形態1と同様に、外壁20の回転に応じてボルト33を移動させることにより、外壁20に対して太陽電池パネル50を相対変位させることができる。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 建物
2 躯体
20 外壁
30 取付機構
31 レール部材
32 支持金具
33 ボルト(連結金具)
34 ナット(連結金具)
37,38,39 長穴
50 太陽電池パネル
F1 外力

Claims (7)

  1. 建物であって、
    鉛直方向に延びると共に、前記建物に加わる水平方向の外力によって上部が下部に対して水平方向に変位する躯体と、
    水平方向に変位する前記躯体に追従するために前記躯体に対して回転運動可能に取り付けられ、水平方向に間隔を空けて並べられた複数の外壁と、
    前記外壁の外側において水平方向に隣接するように並べられた複数の太陽電池パネルと、
    前記外壁に対する前記太陽電池パネルの水平方向の相対変位が許容された状態で、前記太陽電池パネルを前記外壁に取り付けるための取付機構と、を備え、
    前記取付機構は、予め設定された前記外壁の回転範囲内での回転の過程で水平方向に隣接する前記太陽電池パネル同士が互いに当接する間隔を空けた状態で前記太陽電池パネルを前記外壁に取り付けることを特徴とする、建物。
  2. 前記取付機構は、前記複数の外壁の各々に設けられた取付ユニットを有し、
    前記複数の太陽電池パネルの各々は、1つの前記取付ユニットに取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の建物。
  3. 前記取付機構は、水平方向に隣接する前記太陽電池パネル同士の間隔が水平方向に隣接する前記外壁同士の間隔よりも小さくなるように、前記太陽電池パネルを前記外壁に取り付けることを特徴とする、請求項1または2に記載の建物。
  4. 前記取付機構は、前記外壁に対する前記太陽電池パネルの鉛直方向の相対変位を許容することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の建物。
  5. 前記取付機構は、前記外壁の外面に固定されたレール部材と、前記太陽電池パネルを支持する支持金具と、前記レール部材と前記支持金具とを連結する連結金具と、を有し、
    前記レール部材又は前記支持金具には、前記連結金具が挿通されると共に、前記外壁の回転に応じた前記連結金具の移動を許容する長穴が形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物。
  6. 前記長穴は、前記外壁の回転運動における水平方向の最大変位量に相当する前記連結金具の水平方向の移動を許容する大きさを有することを特徴とする、請求項5に記載の建物。
  7. 前記長穴は、前記外壁の回転運動における鉛直方向の最大変位量に相当する前記連結金具の鉛直方向の移動を許容する大きさを有することを特徴とする、請求項5または6に記載の建物。
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