実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様のレーザ加工装置について説明する。なお、当該レーザ加工装置の用途は限定されないが、特に半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、または発電装置等の製造工程に用いることが有用である。
本発明の一態様は、平板状の被加工物に対して線状ビームに成形したレーザ光の照射を行うレーザ加工装置である。当該レーザ加工装置は、例えば、基板上に設けられた半導体層にレーザ光を照射し、改質させる用途などに用いることができる。または、二つの基板で挟持された樹脂を含む構造物に対して、一方の基板を透過させたレーザ光を樹脂に照射して加工し、一方の基板を剥離する用途などに用いることができる。
当該レーザ加工装置は、線状ビームを構成するためのレーザ発振器および光学系、ならびにx−y−θまたはx−θステージを有する。x−y−θまたはx−θステージを用いることにより、当該被加工物を水平方向に移動および回転させることができる。この動作により、当該被加工物の所望の領域にレーザ光を効率良く照射することができ、x−y−θまたはx−θステージが設けられるチャンバーの占有面積を小さくすることができる。
図1(A)は、本発明の一態様のレーザ加工装置を説明する斜視図である。レーザ加工装置10aは、チャンバー11内にx−y−θステージを構成するための移動機構12、移動機構13、回転機構14および固定機構15を有する。また、線状ビームを成形するためのレーザ発振器20、光学系ユニット21、ミラー22、レンズ23を有する。
図1(B)はx−y−θステージを横方向から見た図であり、移動機構12は第1の可動部12bを有し、移動機構13は第2の可動部13bを有する。第1の可動部12bおよび第2の可動部13bは、水平方向に往復直線運動をすることができる。第1の可動部12bおよび第2の可動部13bに動力を与える機構としては、例えば、モータで駆動するボールネジ機構16などを用いることができる。
第1の可動部12bには移動機構13が固定される。したがって、移動機構13は水平方向の第1の方向(x方向)に往復直線運動することができる。ここで、第1の可動部12bの移動方向と第2の可動部13bの移動方向は水平方向において直交するように設置する。したがって、第2の可動部13bに回転機構14を固定することで、回転機構14は、第1の方向と第1の方向と直交する第2の方向(y方向)の運動が可能となる。
回転機構14は、垂直方向に回転の中心軸を有する第3の可動部14bを有する。第3の可動部14bには固定機構15が固定される。したがって、固定機構15は、前述した第1の方向(x方向)および第2の方向(y方向)に加え、回転方向(θ方向)の運動が可能となる。
固定機構15は、被加工物30の固定する平面を有するステージ15bを有する。なお、被加工物30は固定機構15に設けられた真空吸着機構などでステージ15b上に固定することができる。また、固定機構15は、必要に応じて加熱機構を有していてもよい。ここで、第3の可動部14bの中心軸と、ステージ15bの平面の中心とは重なるように固定する。
ステージ15bは、上面が矩形で互いに直交する第1の辺および第2の辺を有する。例えば、第1の辺を長辺、第2の辺を短辺とする。
なお、図示はしていないが、固定機構15はプッシャーピンおよびその上下機構を有し、被加工物30をチャンバー11に搬出入する際は、被加工物30を上下に移動させることができる。
レーザ発振器20は、加工の目的に適した波長および強度の光が出力できればよく、パルスレーザが好ましいがCWレーザであってもよい。代表的には、波長351−353nm(XeF)、308nm(XeCl)などの紫外光を照射できるエキシマレーザを用いることができる。または、固体レーザ(YAGレーザ、ファイバーレーザなど)の二倍波(515nm、532nmなど)または三倍波(343nm、355nmなど)を用いてもよい。また、レーザ発振器20は複数であってもよい。
光学系ユニット21は、例えばミラー、ビームエクスパンダ、ビームホモジナイザ等を有し、レーザ発振器20から出力されるレーザ光25のエネルギーの面内分布を均一化させつつ伸張させる。本発明の一態様では、被加工物の加工面でのビーム形状を線状とするため、光学系ユニット21から出力されるレーザ光26は矩形に成形されていることが好ましい。
ミラー22には、例えば、誘電体多層膜ミラーを用いることができ、レーザ光の入射角が略45°となるように設置する。レンズ23には、例えばシリンドリカルレンズを用いることができる。また、チャンバー11の上部には石英窓24が設けられる。
なお、レーザ発振器20以外の要素全体をチャンバー11内に設けてもよい。このような構成とし、チャンバー11内の雰囲気制御などを行うことでミラーやレンズなどの光学部品の劣化を防止することができる。この場合、石英窓24は、レーザ光25がチャンバーに入射する領域に設ければよい。
なお、石英窓24は、線状ビーム27に必要なエネルギー密度が得られる前提において、ガラス窓に置き換えることもできる。また、チャンバー11を設けない構成とする場合は、石英窓24は不要である。
ここで、固定機構15が有するステージ15b上に設置した被加工物30に対するレーザ照射について説明する。
まず、レーザ発振器20から出力されたレーザ光25は、光学系ユニット21に入射する。光学系ユニット21で矩形に伸張されたレーザ光26は、ミラー22に入射する。このとき、レーザ光26は複数に分割されていてもよい。また、図1等では光学系ユニット21から射出するレーザ光26は、平行光として図示しているが、射出方向に広がりを有する光であってもよい。
ミラー22で反射されたレーザ光26は、レンズ23に入射し、石英窓24を介して集光し、被加工物30における所望の位置で線状ビーム27を形成する。このように線状ビーム27が被加工物30に照射される状態でステージ15bを水平方向に移動させることで、被加工物30の所望の領域をレーザ加工することができる。
ここで、線状ビーム27の長さは、被加工物30の一辺の長さ以上であることが理想的である。この場合は、水平方向の一方向に線状ビーム27または被加工物30を移動させるだけで、被加工物30の全体をレーザ加工することができる。しかしながら、G10などの大型ガラス基板の一辺の長さに対応する線状ビームを形成するには、非常に高価な大型の光学部品が必要になる。
また、線状ビームを長尺にするほど必要なエネルギー密度を確保することが難しくなるため、より高出力のレーザ発振器も必要となる。したがって、被加工物30の一辺の長さよりも短い線状ビームを用い、数回に分けて所望の領域にレーザ照射することが現実的である。例えば、図1に示すように、線状ビーム27の長さを被加工物30の1辺の長さの1/4程度とすることができる。
ただし、ビーム長が被加工物30の一辺の長さより短い場合は、線状ビームまたは被加工物30をx−y方向に動かす機構が必要となるため、装置が大型化する問題がある。
図2(A1)乃至(A4)、(B1)乃至(B4)は従来例であり、被加工物30に線状ビーム27を照射し、全面(有効領域)に加工領域31を形成する方法を説明する図である。線状ビーム27は照射される位置を示しており、チャンバー11の中央付近に固定される。また、被加工物30は、x−y方向の移動機構により移動できるものとする。
なお、以下においては、被加工物30の面内を複数回に亘って線状ビームを照射する方法を説明する。線状ビーム27は、目的にあわせて被加工物30の所望の領域のみに照射することができる。または、被加工物30の全面に照射することもできる。すなわち、加工領域31は間隔を設けて形成してもよいし、加工領域31の一部とオーバーラップするように線状ビーム27を照射してもよい。
また、便宜的に被加工物30が固定されるステージ15bのサイズと、被加工物30のサイズは同じとして説明する。なお、被加工物30のサイズは、ステージ15bより小さくてもよい。
図2(A1)乃至(A4)は、線状ビーム27がステージ15b(被加工物30)の一辺の長さの約1/4である場合の例である。
まず、ステージ15bの第1の頂点V1近傍を加工開始点とし、線状ビーム27を照射しながらステージ15bを+x方向に移動させる(図2(A1)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aまで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、−y方向にステージ15bを移動させる(図2(A2)参照)。
ステージ15bを第2辺の長さに対応する距離Bの1/4だけ移動させたのち、線状ビーム27の照射を開始する。そして、−x方向にステージ15bを移動させる(図2(A3)参照)。
次に、ステージ15bを距離Aまで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する(図2(A4)参照)。以降、上記同様の動作を行い、被加工物30の全面に線状ビーム27を照射する。
図2(B1)乃至(B4)は、線状ビーム27がステージ15bの一辺の長さの約1/2である場合の例である。基本的な動作は、図2(A1)乃至(A4)の説明と同じであるが、線状ビーム27の長さがステージ15bの一辺の長さの約1/2であるため、−y方向の移動は1回で済み、その距離は距離Bの1/2となる(図2(B3))参照。
上記従来例では、線状ビーム長にかかわらず、第1の可動部12bの移動範囲はステージ15bの第1の辺の長さである。
以上の説明のように、従来例では、x−y方向にステージ15bを移動させて被加工物30の全面に線状ビーム27を照射するため、チャンバー11の占有面積を比較的大きくする必要がある。図2(A1)乃至(A4)に示す例では、チャンバー11の床の内寸は、短辺が第2の辺の約7/4倍、長辺が第1の辺の約2倍となり、チャンバー11の床の面積はステージ15bの面積の約3.8倍となる。また、図2(B1)乃至(B4)に示す例では、チャンバー11の床の内寸は、短辺が第2の辺の約3/2倍、長辺が第1の辺の約2倍となり、チャンバー11の床の面積はステージ15bの面積の約3.2倍となる。
本発明の一態様では、ステージ15bの移動方向を従来のx−y方向だけでなく、回転方向(θ方向)も可能とし、1度の加工距離をステージ15bの一辺の約1/2とすることでチャンバー11の占有面積を小さくする。
図3(A)乃至(K)は、図1に示す本発明の一態様のレーザ加工装置10aの動作を説明する図である。図3(A)乃至(K)は、線状ビーム27がステージ15bの一辺の長さの約1/4である場合の例である。
図3(A)乃至(K)は、被加工物30の一方の半面にレーザ照射し、被加工物30を180°回転させて、被加工物30の他方の半面にレーザ照射する方法である。
まず、ステージ15bの第1の頂点V1近傍を加工開始点とし、線状ビーム27を照射しながらステージ15bを+x方向に移動させる(図3(A)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、−y方向にステージ15bを移動させる(図3(B)参照)。
ステージ15bを第2辺の長さに対応する距離Bの1/4だけ移動させたのち、線状ビーム27の照射を開始する。そして、−x方向にステージ15bを移動させる(図3(C)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、−y方向にステージ15bを移動させる(図3(D)参照)。
次に、ステージ15bを第2辺の長さに対応する距離Bの1/4だけ移動させたのち、線状ビーム27の照射を開始する。そして、+x方向にステージ15bを移動させる(図3(E)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、−y方向にステージ15bを移動させる(図3(F)参照)。
次に、ステージ15bを第2辺の長さに対応する距離Bの1/4だけ移動させたのち、線状ビーム27の照射を開始する。そして、−x方向にステージ15bを移動させる(図3(G)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、チャンバー11の中心にステージ15bを移動させる(図3(H)参照)。
そして、ステージ15bを180°回転させ、図3(A)と同じ位置にステージ15bを移動させる(図3(H)、(I)参照)。以降、ステージ15bの第3の頂点V3近傍を加工開始点とし、図3(A)乃至(H)と同様の動作を繰り返して、被加工物30の全面に線状ビーム27を照射する(図3(J)、(K)参照)。
したがって、線状ビーム長がステージ15bの第2の辺の1/4のとき、第1の可動部12bの移動範囲は第1の辺の長さの1/2とし、第2の可動部13bの移動範囲は第2の辺の長さよりも1/4だけ短い長さとすることで被加工物30の全面をレーザ加工することができる。すなわち、線状ビーム長がステージ15bの第2の辺の1/Xのとき、第2の可動部13bの移動範囲は第2の辺の長さよりも1/Xだけ短い長さとすればよい。
なお、上記の第1の可動部12bの移動範囲および第2の可動部13bの移動範囲は、最小値であり、機械的な負荷の低減やメンテナンス性を考慮して、上記よりも2%以上20%以下の範囲、好ましくは5%以上10%以下の範囲で移動範囲を拡大してもよい。
以上のように動作を行う前提において、チャンバー11の床の内寸は、少なくとも短辺を第1の辺の約3/2倍、長辺を第2の辺の約7/4倍とすることができる。このとき、チャンバー11内の床面積は、ステージ15bの面積の約2.8倍となる。従来例は約3.8倍であり、大幅に占有面積を小さくすることができる。
また、本発明の一態様のレーザ加工装置は、図4(A)に示す構成であってもよい。図4(A)に示すレーザ加工装置10bは、レーザ加工装置10aと同じ構成要素を有する。ただし、レーザ加工装置10aとは異なる動作方法を前提とするため、移動機構13が有する第2の可動部13bの移動範囲をレーザ加工装置10aよりも小さくすることができる。それに伴い、チャンバー11の床の内寸をさらに小さくすることができる。
また、図4(B1)、(B2)に示すように、レーザ光26の光路にビーム長を制御する可変式の遮光機構17を設ける。遮光機構17によってビーム長を可変できるようにすることで、被加工物30の第1の辺と平行の位置で線状ビーム27を照射する場合と、被加工物30の第2の辺と平行の位置で線状ビーム27を照射する場合とに対応することができる。
遮光機構17は、遮蔽板18を左右に1枚ずつ有し、モータ19を動力にスライドさせることで中央の開口部の長さを調節することができる。図4(B1)は、ビーム長を広げる方向に遮蔽板をスライドさせた様子を示す図であり、ビーム長はaとなる。図4(B1)は、ビーム長を狭める方向に遮蔽版をスライドさせた様子を示す図であり、ビーム長はb(a>b)となる。
なお、図4(B1)、(B2)では、遮光機構17が光学系ユニット21とミラー22(図示せず)との間に設けられる例を示したが、これに限られない。遮光機構17は、ミラー22と固定機構15との間のいずれかの領域に設けられていてもよい。
なお、加工領域31に対してオーバーラップしてレーザ照射をしても問題ない場合や、線状ビーム27の一部が被加工物30の外側に照射されても問題ない場合は、遮光機構17を用いなくてもよい。
図5(A)乃至(L)は、図4(A)、(B)に示す本発明の一態様のレーザ加工装置10bの動作を説明する図である。図5(A)乃至(L)は、線状ビーム27がステージ15bの一辺の長さの約1/4である場合の例である。
図5(A)乃至(L)は、被加工物30の1/4の第1の領域にレーザ照射し、被加工物30を90°回転させて、被加工物30の1/4の第2の領域にレーザ照射する方法である。当該方法では、回転とレーザ照射を繰り返すことで、被加工物30の全面にレーザ照射を行うことができる。
まず、ステージ15bの第1の頂点V1近傍を加工開始点とし、線状ビーム27を照射しながらステージ15bを+x方向に移動させる(図5(A)参照)。また、このとき、線状ビーム27の長さが第2の辺の長さBの約1/4となるように、遮光機構17を動作させておく(図4(B2)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、−y方向にステージ15bを移動させる(図5(B)参照)。
次に、ステージ15bを第2辺の長さに対応する距離Bの1/4だけ移動させたのち、線状ビーム27の照射を開始する。そして、−x方向にステージ15bを移動させる(図5(C)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、チャンバー11の中心にステージ15bを移動させる(図5(D)参照)。
そして、ステージ15bを90°回転させ、ステージ15bの第2の頂点V2近傍が加工開始点となるように−x+y方向にステージ15bを移動させる(図5(E)、(F)参照)。また、このとき、線状ビーム27の長さが第1の辺の長さAの約1/4となるように、遮光機構17を動作させる(図4(B1)参照)。
次に、ステージ15bを第2の辺の長さに対応する距離Bの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、−y方向にステージ15bを移動させる(図5(G)参照)。
次に、ステージ15bを第1辺の長さに対応する距離Aの1/4だけ移動させたのち、線状ビーム27の照射を開始する。そして、−x方向にステージ15bを移動させる(図5(H)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Bの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、チャンバー11の中心にステージ15bを移動させる(図5(I)参照)。
そして、ステージ15bを90°回転させ、ステージ15bの第3の頂点近傍が加工開始点となるように−x+y方向にステージ15bを移動させる(図5(J)、(K)参照)。また、このとき、線状ビーム27の長さが第2の辺の長さBの約1/4となるように、遮光機構17を動作させる(図4(B2)参照)。
以降、ステージ15bの第3の頂点V3近傍を加工開始点とし、図5(A)乃至(I)と同じ動作を繰り返して、被加工物30の全面に線状ビーム27を照射する(図5(L)参照)。
したがって、線状ビーム長がステージ15bの第1の辺の1/4のとき、第1の可動部12bの移動範囲は第1の辺の長さの1/2とし、第2の可動部13bの移動範囲は第1の辺の長さの1/4とすることで被加工物30の全面をレーザ加工することができる。すなわち、線状ビーム長がステージ15bの第1の辺の1/2X(Xは2以上の整数)のとき、第2の可動部13bの移動範囲は第1の辺の長さよりも(X+1)/2Xだけ短い長さとすればよい。
なお、上記の第1の可動部12bの移動範囲および第2の可動部13bの移動範囲は、最小値であり、機械的な負荷の低減やメンテナンス性を考慮して、上記よりも2%以上20%以下の範囲、好ましくは5%以上10%以下の範囲で移動範囲を拡大してもよい。
以上のように動作を行う前提において、チャンバー11の床の内寸は、少なくとも短軸をほぼステージ15bの対角線の長さ、長辺を第1の辺の約3/2倍とすることができる。このとき、チャンバー11内の床面積は、ステージ15bの面積の約2.3倍となる。従来例は約3.8倍であり、大幅に占有面積を小さくすることができる。
また、本発明の一態様のレーザ加工装置は、図6に示す構成であってもよい。図6に示すレーザ加工装置10cは、レーザ加工装置10aをベースとして、ビーム長をステージ15bの約1/2とした場合の構成である。レーザ加工装置10aとは異なる動作方法を前提とするため、移動機構13が有する第2の可動部の移動範囲をレーザ加工装置10aよりも小さくすることができる。それに伴い、チャンバー11の床の内寸をさらに小さくすることができる。
図7(A)乃至(J)は、図6(A)、(B)に示す本発明の一態様のレーザ加工装置10cの動作を説明する図である。図7(A)乃至(J)は、線状ビーム27がステージ15bの一辺の長さの約1/2である場合の例である。
図7(A)乃至(J)は、被加工物30の1/4の第1の領域にレーザ照射し、被加工物30を90°回転させて、被加工物30の1/4の第2の領域にレーザ照射する方法である。当該方法では、回転とレーザ照射を繰り返すことで、被加工物30の全面にレーザ照射を行うことができる。
まず、ステージ15bの第1の頂点V1近傍を加工開始点とし、線状ビーム27を照射しながらステージ15bを+x方向に移動させる(図7(A)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、−y方向にステージ15bを移動させる(図7(B)参照)。
次に、ステージ15bを第2辺の長さに対応する距離Bの1/2だけ移動させたのち、線状ビーム27の照射を開始する。そして、−x方向にステージ15bを移動させる(図7(C)参照)。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、チャンバー11の中心にステージ15bを移動させる(図7(D)参照)。
そして、ステージ15bを180°回転させ、ステージ15bの第3の頂点V3近傍が加工開始点となるように−x+y方向にステージ15bを移動させる((図7(E)、(F)参照)。
以降、図7(A)乃至(D)と同じ動作を繰り返して、被加工物30の全面に線状ビーム27を照射する(図7(G)乃至(J)参照)。
したがって、線状ビーム長がステージ15bの第2の辺の1/2のとき、第1の可動部12bの移動範囲は第1の辺の長さの1/2とし、第2の可動部13bの移動範囲は第2の辺の長さよりも1/2だけ短い長さとすることで被加工物30の全面をレーザ加工することができる。すなわち、線状ビーム長がステージ15bの第2の辺の1/Xのとき、第2の可動部13bの移動範囲は第2の辺の長さよりも1/Xだけ短い長さとすればよい。
なお、上記の第1の可動部12bの移動範囲および第2の可動部13bの移動範囲は、最小値であり、機械的な負荷の低減やメンテナンス性を考慮して、上記よりも2%以上20%以下の範囲、好ましくは5%以上10%以下の範囲で移動範囲を拡大してもよい。
以上のように動作を行う前提において、チャンバー11の床の内寸は、少なくとも短辺を第2の辺の約3/2倍、長辺を第1の辺の約3/2倍とすることができる。このとき、チャンバー11内の床面積は、ステージ15bの面積の約2.4倍となる。線状ビーム長がステージ15bの第2の辺の1/2のときの従来例(回転なし)では約3.2倍であり、大幅に占有面積を小さくすることができる。
また、本発明の一態様のレーザ加工装置は、図8(A)に示す構成であってもよい。図8(A)に示すレーザ加工装置10dは、レーザ加工装置10bをベースとして、ビーム長をステージ15bの約1/2とした場合の構成である。レーザ加工装置10bとは異なる動作方法を前提とするため、移動機構13を省いた構成とすることができる。それに伴い、チャンバー11の床の内寸をさらに小さくすることができる。なお、図8(B)に示すように、第1の可動部12bに回転機構14が固定される。
また、レーザ加工装置10bと同様に図4(B1)、(B2)に示した遮光機構17がレーザ光26の光路に設けられる。
図9(A)乃至(K)は、図8(A)、(B)に示す本発明の一態様のレーザ加工装置10dの動作を説明する図である。図9(A)乃至(K)は、線状ビーム27がステージ15bの一辺の長さの約1/2である場合の例である。
図9(A)乃至(K)は、被加工物30の1/4の第1の領域にレーザ照射し、被加工物30を90°回転させて、被加工物30の1/4の第2の領域にレーザ照射する方法である。当該方法では、回転とレーザ照射を繰り返すことで、被加工物30の全面にレーザ照射を行うことができる。
まず、ステージ15bの第1の頂点V1近傍を加工開始点とし、線状ビーム27を照射しながらステージ15bを+x方向に移動させる(図9(A)参照)。また、このとき、線状ビーム27の長さが第2の辺の長さBの約1/2となるように、遮光機構17を動作させておく。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Aの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、チャンバー11の中心にステージ15bを移動させる(図9(B)参照)。
そして、ステージ15bを90°回転させ、ステージ15bの第2の頂点V2近傍が加工開始点となるように−x方向にステージ15bを移動させる(図9(C)、(D)参照)。また、このとき、線状ビーム27の長さが第1の辺の長さAの約1/2となるように、遮光機構17を動作させる。
次に、ステージ15bを第1の辺の長さに対応する距離Bの約1/2まで移動させたのち、線状ビーム27の照射を終了する。そして、チャンバー11の中心にステージ15bを移動させる(図9(E)参照)。
そして、ステージ15bを90°回転させ、ステージ15bの第3の頂点V3近傍が加工開始点となるように−x方向にステージ15bを移動させる(図9(F)、(G)参照)。また、このとき、線状ビーム27の長さが第2の辺の長さBの約1/2となるように、遮光機構17を動作させる。
以降、ステージ15bの第3の頂点V3近傍および第4の頂点V4近傍が加工開始点となるように、図9(A)乃至(E)と同じ動作を繰り返して、被加工物30の全面に線状ビーム27を照射する(図9(H)乃至(K)参照)。
したがって、線状ビーム長がステージ15bの第1の辺の1/2のとき、第1の可動部12bの移動範囲を第1の辺の長さの1/2とすることでステージ15bの全面をレーザ加工することができる。
なお、上記の第1の可動部12bの移動範囲は最小値であり、機械的な負荷の低減やメンテナンス性を考慮して、上記よりも2%以上20%以下の範囲、好ましくは5%以上10%以下の範囲で移動範囲を拡大してもよい。
以上のように動作を行う前提において、チャンバー11の床の内寸は、少なくとも短軸をほぼステージ15bの対角線の長さ、長辺を第1の辺の約3/2倍とすることができる。このとき、チャンバー11内の床面積は、ステージ15bの面積の約2.1倍となる。線状ビーム長がステージ15bの第2の辺の1/2のときの従来例(回転なし)では約3.2倍であり、大幅に占有面積を小さくすることができる。
ここで、被加工物30について説明する。被加工物30は、図10(A)に示すように、平板状の基板35と、基板35上に設けられた構造体36とすることができる。構造体36には、線状ビーム27を直接照射することができる。構造体36は、例えば、薄膜または当該薄膜を含む積層体とすることができる。当該薄膜としては、具体的にはトランジスタの半導体層となる半導体膜などが挙げられる。
また、図10(B)に示すように、基板35、基板37および当該二つの基板で挟持された層38を有する構成とする。少なくともレーザ光が入射する基板37はガラス基板などであって、必要なエネルギー密度の線状ビーム27が層38に照射できる材料とする。また、層38は、例えばポリイミドなどの樹脂層を含み、一定強度以上の線状ビーム27が照射されることによって樹脂層の加工が可能である層とする。
樹脂層は、基板37の全面と接するように設けられる。または、基板37と部分的に接するように設けられていてもよい。樹脂層がレーザ加工されることにより、樹脂層と基板37との密着性が低下し、基板35に支持された層38と基板37とを分離させることができる。
また、図10(C)に示すように、被加工物30は、図10(B)の構成から基板35を除いた構成とすることもできる。この場合、被加工物30の加工後に層38は支持される基板を失うため、図11(A)に示すような補助治具40を用いることが好ましい。
補助治具40は、枠41および吸着部42を有する。枠41には被加工物30を搭載するための切欠き部が設けられる。枠41は、例えば金属、または金属とセラミクスの複合材料で形成することができ、吸着部42は通気性のある多孔質セラミクスなどで形成することができる。なお、図11(A)では、切欠き部において4つの吸着部42を配置した例を示しているが、吸着部42の数は限られない。
図11(B)は、図11(A)に示すX1−X2の断面図である。補助治具40の切欠き部において、枠41と吸着部42は、表裏のいずれも段差が生じないような構成とする。
図11(C)は、被加工物30を搭載した補助治具40を固定機構15に固定した様子を示す図である。また、図11(D)は、図11(C)に示すX3−X4の断面図である。
固定機構15にはステージ15bの表面に通じる開口部43が設けられ、開口部43に真空ポンプ等を接続することにより、ステージ15b表面に接するものを真空吸着することができる。ここで、補助治具40は、開口部43と、吸着部42および枠41とが接するようにステージ15b上に設置する。このように補助治具40を設置することで、補助治具とともに、吸着部42を介して被加工物30を真空吸着することができる。
このような補助治具40を用いることで、被加工物30が図10(C)に示すような形態であっても層38を脱落させることなく、レーザ加工することができる。
また、図1等では、図12(A)に示すようにレーザ光26の入射角が略45°となるようにミラー22を設置した例を示したが、図12(B)に示すようにレーザ光26のミラー22に対する入射角が45°よりも小さい角度としてもよい。例えば、20°以上45°未満、好ましくは25°以上40以下、より好ましくは30°以上40以下とする。
また、図12(C)に示すようにレーザ光26のミラー22に対する入射角が45°よりも大きい角度としてもよい。例えば、45°よりも大きく70°以下、好ましくは50°以上65°以下、より好ましくは50°以上60°以下とする。
図12(A)乃至(C)に示すように、レーザ光26のミラー22に対する入射角を変えることで、被加工物30に対して、斜めに線状ビーム27を照射することができる。そのため、例えば被加工物30が図10(B)に示すような構成であり、基板37を介して層38に線状ビームを照射したいとき、基板37上の異物に起因した加工不良を抑制することができる。また、上記角度で処理を行うことがより効果的である。
この場合のレーザ照射方法としては、図12(A)乃至(C)に示すいずれか二つの形態で線状ビームを被加工物30に照射すればよい。例えば、図12(A)乃至(C)に示すいずれか一つの形態を選択して被加工物30に対して第1回目のレーザ照射を行い、当該照射済みの領域に対して、第1回目に選択した形態以外の形態を選択して第2回目のレーザ照射を行えばよい。
なお、レーザ光26のミラー22に対する入射角の変更は、ミラー22の角度を変えることで容易に行うことができる。例えば、図12(A)乃至(C)に示すように、ミラー22に設けた治具28をモータ29で回転させればよい。このとき、線状ビーム27の焦点が所望の領域に形成されるように被加工物30を上下する機構を用いてもよい。
被加工物30が、図10(B)または図10(C)に示すような形態であって、樹脂をレーザ加工するような場合は、その後の工程において、当該樹脂を取り除く工程を有する場合が多い。このような場合は、本発明の一態様のレーザ加工装置と、樹脂を取り除くためのプラズマ処理装置(例えば、アッシング装置)を組み合わせた積層体の加工装置を利用することが好ましい。
図13は、上記積層体の加工装置の一例を示す図である。積層体の加工装置10eは、レーザ加工装置一式と、トランスファー室51と、ロード/アンロード室52と、アンロード室53と、プラズマ処理室54を有する。なお、図13では、ゲートバルブ等は省いて各室を簡易的に図示している。
レーザ加工装置一式として、図13では図1に示す構成を例示したが、図4、図6、図8の構成であってもよい。なお、積層体の加工装置10eとして、図13に示す構成からプラズマ処理室54を除いた構成とすることもできる。また、積層体の加工装置10eからアンロード室53を除いた構成とすることもできる。
トランスファー室51は、搬送機構60を有し、各室に加工前後の部材の搬出入を行うことができる。
図14(A)に示すように、搬送機構60はアーム型ロボットであり、昇降機構61、関節機構62、アーム63、64、反転機構65、およびフォーク66などを有する。関節機構62などを軸にしたアーム63、64の伸縮動作、昇降機構61の昇降動作などによって、被加工物30などの搬送を行うことができる。
反転機構65は、支持部65aと回転部65bを有する。図14(B)に示すように、回転部65bが回転することでフォーク66を回転することができる。
また、被加工物30などは、吸着機構67によってフォーク66に支持される。したがって、図14(B)、(C)に示すように、フォーク66を傾けた状態および反転した状態でも被加工物30などを支持することができる。なお、吸着機構67には例えば真空吸着機構を用いることができる。また、吸着機構67は吸盤を有していてもよい。
ロード/アンロード室52はカセット45aを有し、被加工物30を格納することができる。また、カセット45aには、プラズマ処理室54から搬出された加工後の部材30cを格納することができる。
アンロード室53はカセット45bを有し、レーザ加工装置のチャンバー11から搬出された加工後の部材30aを格納することができる。なお、カセット45aに部材30aを格納し、カセット45bに部材30cを格納してもよい。
プラズマ処理室54には、プラズマ発生機構47、シャワー板48およびステージ49を有するダウンフロー型のアッシングユニットなどが設けられる。プラズマ発生機構47には、酸素および希ガスなどを供給するためのガスライン、高周波電源などが接続され、酸素ラジカルを発生させることができる。例えば、樹脂が表面に露出した被加工物30をステージ49上に設置し、酸素ラジカルと樹脂を構成する炭素と反応させることにより、樹脂を気化させ取り除くことができる。
シャワー板48は、例えば接地電位とすることでプラズマの広がりを抑えることができる。シャワー板48を用いることで、有用な酸素ラジカルの供給を滞らせることなく被加工物30に対するプラズマダメージを抑えることができる。ステージ49には、上記反応を促進させるためのヒータを設けてもよい。
ここで、積層体の加工装置10eを用いた工程の一例を簡単に説明する。なお、被加工物30は、図10(B)に示す形態とし、基板35および基板37に挟持された樹脂のレーザ加工およびアッシングによる除去を目的とする。
まず、ロード/アンロード室52に被加工物30を格納したカセット45aを設置し、搬送機構60で被加工物30をレーザ加工装置のチャンバー11に搬入する。
レーザ加工の終了後、被加工物30から分離した部材30a(例えば図10(B)に示す基板37等)を搬送機構60でチャンバー11から搬出し、アンロード室53のカセット45bに格納する。なお、部材30aは、搬送機構60のフォーク66を反転させ、吸着機構67で部材30aの表面を吸着し、昇降機構61で上方に持ち上げることで被加工物30から分離することができる。
次に、搬送機構60でチャンバー11から被加工物30から部材30aを分離した部材30bを搬出し、プラズマ処理室54に搬入する。そして、アッシング処理を開始する。アッシング処理中に新たな被加工物30のレーザ加工処理を行うマルチタスク動作を行ってもよい。
アッシング処理終了後、搬送機構60でプラズマ処理室54から処理後の部材30cを搬出し、ロード/アンロード室52のカセット45aに格納する。
以上のように、被加工物30のレーザ加工とアッシング処理を連続処理することができる。また、マルチタスク動作を行うことで、処理時間を短縮することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1とは異なるレーザ加工装置について説明する。なお、当該レーザ加工装置の用途は限定されないが、特に半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、または発電装置等の製造工程に用いることが有用である。
本発明の一態様は、平板状の被加工物に対して線状ビームに成形したレーザ光の照射を行うレーザ加工装置である。当該レーザ加工装置は、例えば、支持基板上に設けられた半導体層にレーザ光を照射し、改質させる用途などに用いることができる。または、支持基板上に形成された樹脂を含む構造物に対して、支持基板を透過させたレーザ光を樹脂に照射して加工し、支持基板を剥離する用途などに用いることができる。
当該レーザ加工装置は、線状ビームを構成するためのレーザ発振器および光学系、ならびに第1のローラユニットおよび第2のローラユニットを有する。
第1のローラユニットは被加工物を第1の水平方向(X方向)に移動させる機能を有し、第2のローラユニットは被加工物を第2の水平方向(Y方向)および垂直方向(Z方向)に移動させる機能を有する。また、レーザ照射機構は、第1のローラユニット上に設置する被加工物に対して下方からレーザ光を照射する機能を有する。
したがって、本発明の一態様のレーザ加工装置では、支持基板上に形成した構造物に対して、支持基板側からのレーザ照射を容易に行うことができる。被加工物の上方からレーザを照射する従来のレーザ加工装置では、当該構造物上に別の支持基板等を設ける必要がある。また、その別の支持基板等を取り除く工程も必要となる。
図15(A)は、本発明の一態様のレーザ加工装置を説明する斜視図である。レーザ加工装置510aは、線状ビームを成形するためのレーザ照射機構を有する。また、チャンバー511内に第1のローラユニット540および第2のローラユニット550を有し、両者は重なる領域を有するように配置される。被加工物530は、第1のローラユニット540上に設置される。
図15(B)は、レーザ照射機構を説明する図である。レーザ照射機構は、レーザ発振器520と、ミラー523aと、ミラー523bと、ミラー523cと、光学系ユニット521と、レンズ522と、を有する。
レーザ発振器520は、加工の目的に適した波長および強度の光が出力できればよく、パルスレーザが好ましいがCWレーザであってもよい。代表的には、波長351−353nm(XeF)、308nm(XeCl)などの紫外光を照射できるエキシマレーザを用いることができる。または、固体レーザ(YAGレーザ、ファイバーレーザなど)の二倍波(515nm、532nmなど)または三倍波(343nm、355nmなど)を用いてもよい。また、レーザ発振器520は複数であってもよい。
ミラー523a、ミラー523b、ミラー523cには、例えば、誘電体多層膜ミラーを用いることができ、それぞれに入射するレーザ光の入射角が略45°となるように設置する。
光学系ユニット521は、例えばミラー、ビームエクスパンダ、ビームホモジナイザ等を有し、レーザ発振器520から出力されるレーザ光525のエネルギーの面内分布を均一化させつつ伸張させる。本発明の一態様では、被加工物の加工面でのビーム形状を線状とするため、光学系ユニット521から出力されるレーザ光526は矩形に成形されていることが好ましい。
レンズ522は集光レンズであり、例えばシリンドリカルレンズを用いることができる。
図15(A)に示すように、レーザ発振器520およびミラー523a以外の要素全体をチャンバー511内に設けることが好ましい。このような構成とし、チャンバー511内の雰囲気制御などを行うことでミラーやレンズなどの光学部品の劣化を防止することができ、メンテナンスが容易となる。この場合、レーザ光525がチャンバー511に入射する領域に石英窓524を設ける。
なお、石英窓524は、線状ビーム527に必要なエネルギー密度が得られる前提において、ガラス窓に置き換えることもできる。また、チャンバー511を設けない構成とする場合は、石英窓524は不要である。
ここで、第1のローラユニット540上に設置した被加工物530に対するレーザ照射について説明する。
まず、レーザ発振器520から水平方向に出力されたレーザ光525は、ミラー523aに入射して下方に反射される。そして、レーザ光525はミラー523bで反射され、光学系ユニット521に入射する。
光学系ユニット521で矩形に伸張されたレーザ光526は、ミラー523cに入射する。このとき、レーザ光526は複数に分割されていてもよい。また、図15(B)では光学系ユニット521から射出するレーザ光526は、平行光として図示しているが、射出方向に広がりを有する光であってもよい。
ミラー523cで反射されたレーザ光526は、レンズ522に入射し、被加工物530における所望の位置で線状ビーム527を形成する。このように形成された線状ビーム527を照射しながら被加工物530を水平方向に移動させることで、被加工物530の所望の領域をレーザ加工することができる。
図16(A)は、第1のローラユニット540を説明する斜視図である。また、図16(B)は、第1のローラユニット540の上面図、当該上面図に示すX1−X2の断面図およびY1−Y2の断面図である。第1のローラユニット540は、架台541、ローラ542、回転軸543、および回転機構544をそれぞれ複数有する。レーザ加工装置510aにおいて、被加工物530は、ローラ542上に設置される。
架台541には回転機構544が設けられる。回転機構544には回転軸543の一方の端部が接続され、架台541には回転軸543の他方の端部が接続される。または、架台541に回転軸543の両方の端部が接続される。なお、架台541と回転軸543の間には、軸受546が設けられる。
回転軸543には、円柱状のローラ542が固定される。ローラ542の中心軸は、回転軸543の中心軸と重なる領域を有することが好ましい。
回転機構544と回転軸543を接続することで、ローラ542を回転させることができ、ローラ542上の被加工物530を第1の水平方向(X方向)に移動させることができる。
なお、図16(A)、(B)では、一つの回転軸543に3つのローラ542が固定される形態と示しているが、これに限定されない。例えば、図17(A)に示すように、一つの長尺のローラ542を回転軸543に固定してもよい。または、図17(B)に示すように、図16(A)、(B)よりもローラ数を多くして回転軸543に固定してもよい。
これらは、ローラ542の空転を抑える目的で、被加工物530の重量によって使い分ければよい。被加工物530の重量が重い場合は、ローラ542の数を少なくして被加工物530との接触面積を大きくし、ローラ542にかかる単位面積当たりの荷重を小さくすることが好ましい。また、被加工物530の重量が軽い場合は、ローラ542の数を多くして被加工物530との接触面積を小さくし、ローラ542にかかる単位面積当たりの荷重を大きくすることが好ましい。
また、図17(C)に示すように、ローラ542よりも直径の小さいローラ542bおよび回転軸543よりも直径の小さい回転軸543bを有していてもよい。これらは回転機構544と接続されず、架台541に接続される。このようにローラおよび回転軸を小さくすることで重量を減らすことができ、回転の抵抗を削減することができる。したがって、回転機構544の負荷を小さくすることができる。
また、図16(A)、(B)では、回転機構544と接続されない回転軸543およびローラ542のセットがある例を図示したが、図17(D)に示すように、全ての回転軸543およびローラ542のセットに回転機構544が接続されていてもよい。
また、図17(E)は、第1のローラユニット540の上面図の一部、ならびに回転機構544に接続されないローラ542および回転軸543のセットの断面図(Y3−Y4位置)である。このように、回転機構544に接続されないローラ542および回転軸543のセットにおいては、回転の抵抗を減らすためにローラ542と回転軸543との間に軸受546を設けてもよい。
レーザ加工では、照射面でのレーザ光のエネルギー密度のばらつきが生じないように被加工物の高さ方向の位置が変化しないように制御しなければならない。
X−Yステージを用いる構成では、ステージの位置とレーザ照射位置が常に変化するため、ステージの水平度およびステージ面の平坦性が重要となる。特に大型基板を対象とした場合は、平坦性の高い大型ステージが必要となるため、製造コストが高くなる。また、移動機構を備える大型ステージの水平度を維持するためのセンサや頻繁なメンテナンスが必要である。
一方で、本発明の一態様であるローラ上に被加工物を載せる構成は、ローラの位置とレーザ照射位置が変化しない構成である。大型ステージを移動させるための機構も不要であるため振動も少なく、経時変化によるローラの傾きも発生しにくい。したがって、メンテナンス性のよい装置ということができる。また、大型の部品も少なく、動力も小型のモータ等が利用できるため、製造コストを安く抑えることができる。
図18(A)は、第2のローラユニット550を説明する斜視図である。また、図18(B)は、第2のローラユニット550の上面図、当該上面図に示すX1−X2の断面図およびY1−Y2の断面図である。第2のローラユニット550は、架台551、ローラ552、回転軸553、回転機構554、軸受部555、昇降機構556をそれぞれ複数有する。
架台551には回転機構554が設けられる。回転機構554には回転軸553の一方の端部が接続され、架台551には回転軸553の他方の端部が接続される。なお、架台551と回転軸553の間には軸受559が設けられる。また、架台551には回転軸553を支持する複数の軸受部555が設けられる。
回転軸553には、円柱状のローラ552が固定される。ローラ552の中心軸は、回転軸553の中心軸と重なる領域を有することが好ましい。
回転機構554と回転軸553を接続することで、ローラ552を回転させることができ、ローラ552上に被加工物530を載せて第2の水平方向(Y方向)に移動させることができる。
昇降機構556は、シリンダ部557およびロッド部558を有し、動力を制御することによりロッド部558を昇降させることができる。
ロッド部558には架台551が接続される。したがって、昇降機構556を動作させることにより、架台551およびローラ552等を昇降させることができる。なお、図18(A)、(B)では、ロッド部558と軸受部555とを接続する形態を図示しているが、ロッド部558は、架台551のいずれかの一部と接続していればよい。
なお、第2のローラユニット550の中央部はレーザ光の光路となるため、ローラ552および回転軸553を配置しない。そのため、図18(B)における中央の行では、ローラ552、回転軸553および回転機構554のセットが左右に一つずつ設けられる。
図18(A)、(B)では、ローラ552、回転軸553および回転機構554のセットの配置が3行に配置される例を示しているが、被加工物530を移動するには、少なくとも当該セットが2行以上であればよい。
また、第1のローラユニット540と第2のローラユニット550を重ねて配置したとき、ローラ552は、第1のローラユニット540におけるローラ542が設けられない領域にて昇降を行う。したがって、ローラ552の幅W552(円柱の高さに相当)は、隣接するローラ542の間の距離W542(図16(B)参照)よりも小さくすることで昇降が可能となる。
また、ローラ552に被加工物530を載せて移動させるためには、その頂部をローラ542の頂部よりも高い位置まで上昇させる必要がある。したがって、ローラ542の半径をR42、ローラ542直下における回転軸553の半径をR553としたとき、ローラ552の半径R553を2R542+R553より大きくすることでローラ552を所望の高さまで上昇させることができる。なお、ローラ552の半径R553が2R542+R553以下の場合は、ローラ552の上昇時に回転軸553とローラ542が衝突することがある。
ローラ542およびローラ552には、例えば金属や樹脂などの円柱、ゴムなどの弾性体の円柱、金属や樹脂の円柱の表面にゴムなどの弾性体を設けたものなどを用いることができる。なお、被加工物530に含まれるデバイスの帯電による劣化を防止するため、上記樹脂や弾性体は、導電性を有することが好ましい。
回転機構544および回転機構554には、例えばモータを用いることができる。被加工物530の所望の位置をレーザ加工するためには、ステッピングモータなどの位置精度が高いモータが好ましい。また、バックラッシュの影響などによる位置ずれを防止するために、被加工物530の位置を検出するセンサを設けてもよい。
昇降機構556としては、ボールネジ等を利用した電動シリンダ、油圧シリンダまたはエアシリンダなどを用いることができる。
なお、第1のローラユニット540および第2のローラユニット550において、その構成要素の数は限定されず、被加工物530のサイズや重量にあわせて適切な数を選択すればよい。
ここで、第1のローラユニット540上に設置した被加工物530に対するレーザ照射について説明する。
図19(A)、(B)および図20(A)、(B)は、被加工物530に線状ビーム527を照射し、全面(有効領域)に加工領域531を形成する方法を説明する上面図、正面図および側面図である。なお、図の明瞭化のため、第1のローラユニット540の架台541および回転機構544、第2のローラユニット550の架台551および回転機構554は省いて図示している。また、線状ビーム527は照射される位置を示しており、チャンバー511の中央付近に固定される。
線状ビーム527の長さは、被加工物530の一辺の長さ以上であることが理想的である。この場合は、水平方向の一方向に線状ビーム527または被加工物530を移動させるだけで、被加工物530の全体をレーザ加工することができる。しかしながら、表示装置の製造に用いるG10(2880×3130mm)などの大型ガラス基板の一辺の長さに対応する線状ビームを形成するには、非常に高価な大型の光学部品が必要になる。
また、線状ビームを長尺にするほど必要なエネルギー密度を確保することが難しくなるため、より高出力のレーザ発振器も必要となる。したがって、被加工物530の一辺の長さよりも短い線状ビームを用い、数回に分けて所望の領域にレーザ照射することが現実的である。
以下においては、被加工物530の1辺の長さの1/2程度の長さの線状ビーム527を用い、被加工物530の面内を複数回に亘って線状ビームを照射する方法を説明する。線状ビーム527は、目的にあわせて被加工物530の所望の領域のみに照射することができる。または、被加工物530の全面に照射することもできる。すなわち、加工領域531は間隔を設けて形成してもよいし、加工領域531の一部とオーバーラップするように線状ビーム527を照射してもよい。
まず、被加工物530はローラ542上の所定の位置に設置する。このとき、第2のローラユニット550の昇降機構556は下降させた状態とし、少なくともローラ552の頂部はローラ542の頂部よりも低い位置とする。そして、被加工物530の第1の頂点V1近傍を加工開始点とし、線状ビーム527を照射しながらローラ542を回転させ、被加工物530を+X方向に移動させる(図19(A)参照)。
次に、被加工物530を第1の辺の長さに対応する距離Aまで移動させたのち、線状ビーム527の照射を終了する。そして、昇降機構556を用いて、少なくともローラ552の頂部がローラ542の頂部よりも高い位置となるように設定し、被加工物530を持ち上げる。そして、ローラ552を回転させ、−Y方向に被加工物530を移動させる(図19(B)参照)。
被加工物530の第2辺の長さに対応する距離Bの1/2だけ移動させたのち、昇降機構556を用いて、少なくともローラ552の頂部がローラ542の頂部よりも低い位置となるように設定し、ローラ542上に被加工物530を載せる。そして線状ビーム527の照射を開始し、ローラ542を回転させて−X方向に被加工物530を移動させる(図20(A)参照)。
次に、被加工物530を距離Aまで移動させたのち、線状ビーム527の照射を終了する(図20(B)参照)。以上の動作により、被加工物530の全面に線状ビーム527を照射することができる。
なお、上記では線状ビーム527の長さが被加工物530の一辺の長さの約1/2である場合の説明であるが、線状ビーム527の長さがさらに短い場合であっても基本的な動作は同じである。ただし、線状ビーム527の長さが被加工物530の一辺の長さの約1/3である場合、−Y方向の移動回数は2回、レーザ照射の回数は3回となる。また、線状ビーム527の長さが被加工物530の一辺の長さの約1/4である場合、−Y方向の移動回数は3回、レーザ照射の回数は4回となる。また、線状ビーム長が短いほどY方向の移動距離が大きくなるため、チャンバー511のサイズを大きくする必要がある。
次に、被加工物530について説明する。被加工物530は、図21(A)に示すように、平板状の基板535と、基板535上に設けられた層538とすることができる。層538には、線状ビーム527を基板535を介して照射することができる。基板535はレーザ光の透過率が比較的高いガラス基板などであって、必要なエネルギー密度の線状ビーム527が層538に照射できる材料とする。層538は、例えばポリイミドなどの樹脂層を含み、一定強度以上の線状ビーム527が照射されることによって樹脂層の加工が可能である層とする。
樹脂層は、基板535の全面と接するように設けられる。または、基板535と部分的に接するように設けられていてもよい。樹脂層がレーザ加工されることにより、樹脂層と基板535との密着性が低下し、層538と基板535とを分離させることができる。
また、図21(B)に示すように、被加工物530は基板535、基板537および当該二つの基板で挟持された層538を有する構成とすることもできる。
また、図15(A)、(B)では、図22(A)に示すようにレーザ光526の入射角が略45°となるようにミラー523cを設置した例を示したが、図22(B)に示すようにレーザ光526のミラー523cに対する入射角が45°よりも小さい角度としてもよい。例えば、20°以上45°未満、好ましくは25°以上40以下、より好ましくは30°以上40以下とする。
また、図22(C)に示すようにレーザ光526のミラー523cに対する入射角が45°よりも大きい角度としてもよい。例えば、45°よりも大きく70°以下、好ましくは50°以上65°以下、より好ましくは50°以上60°以下とする。
図22(A)乃至(C)に示すように、レーザ光526のミラー523cに対する入射角を変えることで、被加工物530に対して、斜めに線状ビーム527を照射することができる。そのため、例えば被加工物530が図20(A)、(B)に示すような構成であり、基板535を介して層538に線状ビームを照射したいとき、基板535に付着した異物による影に起因した加工不良を抑制することができる。また、上記角度で処理を行うことがより効果的である。
この場合のレーザ照射方法としては、図22(A)乃至(C)に示すいずれか二つの形態で線状ビームを被加工物530に照射すればよい。例えば、図22(A)乃至(C)に示すいずれか一つの形態を選択して被加工物530に対して第1回目のレーザ照射を行い、当該照射済みの領域に対して、第1回目に選択した形態以外の形態を選択して第2回目のレーザ照射を行えばよい。
なお、レーザ光526のミラー523cに対する入射角の変更は、ミラー523cの角度を変えることで容易に行うことができる。例えば、図22(A)乃至(C)に示すように、ミラー523cに設けた治具528をモータ529で回転させればよい。このとき、線状ビーム527の焦点が所望の領域に形成されるようにレーザ照射機構のミラー523c乃至レンズ522を上下する機構を用いてもよい。
図23は、上述したレーザ加工装置に被加工物530の搬出入装置を加えた構成の一例である。
図23に示す加工装置510bは、レーザ加工装置一式と、トランスファー室561と、ロード室562、563と、アンロード室564、565を有する。なお、図23では、ゲートバルブ等は省いて各室を簡易的に図示している。なお、図23では、ロード室およびアンロード室をそれぞれ二つずつ備える構成を示しているが、それぞれを一つずつ備える構成であってもよい。または、一つの室でロード室とアンロード室を兼ねる構成であってもよい。
トランスファー室561は、搬送機構560を有し、各室に加工前後の部材の搬出入を行うことができる。
搬送機構560はアーム型ロボットであり、昇降機構、関節機構、アームおよびフォークなどを有する。関節機構などを軸にしたアームの伸縮動作、昇降機構の昇降動作などによって、被加工物530などの搬送を行うことができる。
また、被加工物530は、吸着機構によってフォークに支持される。吸着機構には例えば真空吸着機構を用いることができる。また、吸着機構は吸盤を有していてもよい。
ロード室562、563はカセット566a、566bを有し、未加工の被加工物530を格納することができる。
アンロード室564、565はカセット566c、566dを有し、レーザ加工装置のチャンバー511から搬出された加工後の部材530aを格納することができる。
次に、加工装置510bを用いた工程の一例を簡単に説明する。なお、被加工物530は、図21(A)に示す形態とし、基板535上に設けられた樹脂のレーザ加工を目的とする。
まず、ロード室562に被加工物530を格納したカセット566aを設置し、搬送機構560で被加工物530をレーザ加工装置のチャンバー511に搬入する。
ここで、チャンバー511への搬入方法を図24(A)乃至(D)を用いて説明する。まず、ロード室562に搬送機構560のフォークを挿入し、カセット566aから被加工物530を取り出す。このとき、第2のローラユニット550のローラ552は下降した状態とする(図24(A)参照)。
次に、搬送機構560のフォーク上の被加工物530をチャンバー511内の第1のローラユニット540および第2のローラユニット550の上の規定のX、Y位置に搬送する。そして、ローラ552を昇降機構556で上昇させて搬送機構560のフォークから被加工物530を持ち上げる(図24(B)参照)。
次に、搬送機構560のフォークをチャンバー511の外側に移動する(図24(C)参照)。
そして、ローラ552を昇降機構556で下降させて、ローラ542上に被加工物530を設置する。または、ローラ552を回転させて、被加工物530を所望のY位置まで移動させたのちにローラ552を下降させてもよい。以上により、被加工物530をチャンバー511内に搬送することができる(図24(D)参照)。
次に、ローラ542上に設置した被加工物530は、ローラ542またはローラ552を用いて、レーザ加工を開始する所望のX、Y位置まで移動する。
次に、図19、図20で説明した方法で被加工物530のレーザ加工を行い、加工後の部材530aを形成する。そして、ローラ542またはローラ552を用いて、部材530aを規定のX、Y位置まで移動する。
次に、ローラ552を上昇させてローラ542から部材530aを持ち上げ、搬送機構560のフォークをローラ542と部材530aの間に挿入する。そして、ローラ552を下降させてフォーク上に部材530aを載せる。
次に、搬送機構560のフォークに載った部材530aをチャンバー511の外側に移動し、アンロード室564に設置したカセット566cに部材530aを格納する。
このように、本発明の一態様のレーザ加工装置では、被加工物530等を移動させるためのローラを用いて被加工物530の搬入および部材530aの搬出を行うことができる。当該搬出入方法はリフトピンなどを用いないため、装置を安価に製造することができる。
なお、第1のローラユニット540および第2のローラユニット550は、図25に示すように、被加工物530の上側からレーザ光を照射する構成に適用することもできる。
図25に示すレーザ加工装置510cは、レーザ照射機構の一部の構成と第2のローラユニット550の一部の構成を除き、図15(A)、(B)に示すレーザ加工装置510aと同様の構成である。
レーザ加工装置510cでは、光学系ユニット521乃至レンズ522を第1のローラユニット540および第2のローラユニット550の上方に配置できるため、図15(B)に示すミラー523aおよびミラー523bを不要とすることができる。
また、図26に示すように、第2のローラユニット550内にレーザ光の光路を設ける必要がないため、第2のローラユニット550中央部のローラ552を設置することができる。したがって、中央行の全てのローラ552を一つの回転軸553に固定することができるため、図26(B)における中央の行では、ローラ552、回転軸553および回転機構554のセットが一つとなる。
本実施の形態では、本発明の一態様としてレーザ加工装置の構成を説明した。ただし、当該レーザ加工装置に含まれる第1のローラユニット540および第2のローラユニット550を組み合わせた構成は、レーザ加工に限らず、他の用途にも利用することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様のレーザ加工装置、または積層体の加工装置を用いて作製することができる表示装置の作製方法について説明する。
本発明の一態様は、基板上に樹脂層を形成し、樹脂層上に、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを形成し、線状ビームに成形したレーザ光を樹脂層に照射し、トランジスタと基板とを分離する、剥離方法である。
トランジスタのチャネル形成領域には、金属酸化物を用いる。金属酸化物を用いることで、低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly−Silicon))を用いる場合よりも、プロセスの最高温度を低くすることができる。
トランジスタのチャネル形成領域にLTPSを用いる場合、プロセスの最高温度が500℃から550℃程度に達するため、樹脂層に耐熱性が求められる。また、レーザ結晶化の工程での周辺の絶縁層等へのダメージを緩和するため、樹脂層の厚膜化が必要となる。また、樹脂層にレーザ光を照射する際に、完成したトランジスタのチャネル形成領域にレーザ光が照射されることによる特性劣化を抑制するためにも、樹脂層の厚膜化が必要である。
一方、金属酸化物を用いたトランジスタは、高温での熱処理は必要とせず、350℃以下、さらには300℃以下で形成することができる。そのため、樹脂層に高い耐熱性は求められない。したがって、樹脂層に比較的安価な耐熱温度の低い樹脂を用いることができる。また、金属酸化物を用いたトランジスタは、レーザ結晶化の工程が不要である。さらに、金属酸化物のバンドギャップは2.5eV以上3.5eV以下と広く、特定の波長のレーザ光の吸収がシリコンに比べて少ないため、樹脂層の厚さを薄くしても問題がない。樹脂層に高耐熱性が要求されず、薄膜化できることで、デバイス作製の大幅なコストダウンが期待できる。また、LTPSを用いる場合に比べて、工程が簡略化でき好ましい。
本発明の一態様では、樹脂層の耐熱温度以下の温度でトランジスタ等を形成する。ここで、樹脂層の耐熱性は、例えば、加熱による重量減少率、具体的には5%重量減少温度等で評価できる。樹脂層の5%重量減少温度は、450℃以下が好ましく、400℃以下がより好ましく、350℃未満がさらに好ましい。例えば、トランジスタは、350℃以下、さらには300℃以下の温度で作製する。
本発明の一態様では、感光性の材料を用いて樹脂層を作製してもよい。感光性の材料を用いることで、所望の形状の樹脂層を容易に形成することができる。例えば、開口を有する樹脂層、またはそれぞれ厚さの異なる2以上の領域を有する樹脂層を、容易に形成することができる。これにより、樹脂層が、バックゲート、外部接続端子、貫通電極等の作製の妨げになることを防止できる。
本発明の一態様の構造物の剥離方法を用いて、フレキシブル表示装置を作製することができる。図27および図28を用いて、フレキシブル表示装置の作製方法の一例を示す。
まず、図27(A)に示すように、積層体110と積層体120を接着層132で貼り合わせた積層体130とする。
積層体110は、例えば、基板111、剥離層171、樹脂層112、絶縁層113、第1の素子層114、および第2の素子層131を有する。
積層体120は、例えば、基板121、剥離層172、樹脂層122、絶縁層123、および機能層124を有する。ここで、積層体130は、実施の形態1の図10(B)で説明した被加工物30に相当する。また、基板111は、基板35に相当し、基板121は、基板37に相当する。また、剥離層171、樹脂層112、絶縁層113、第1の素子層114、第2の素子層131、機能層124、絶縁層123、樹脂層122および剥離層172は、層38に相当する。
基板111、121には硬質基板を用いることができ、例えばガラス基板などを用いることができる。後の工程でレーザ光を基板111、121を介して樹脂層112、122に照射することから、基板111、121は当該レーザ光の透過率が高いことが好ましい。
剥離層171、172としては金属または金属酸化物を用いることができる。例えば、金属としては、チタン、モリブデン、アルミニウム、タングステン、タンタルなどの各種金属、または合金を用いることができる。
また、金属酸化物としては、各種金属の酸化物を用いることができる。例えば、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化アルミニウム、酸化タングステン、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、In−Ga−Zn酸化物等が挙げられる。
樹脂層112、122には、例えば感光性および熱硬化性を有する材料を用いることができる。具体的には、ポリイミドなどの樹脂を用いることが好ましい。剥離層171、172と、樹脂層112、122との密着性を変化させることで剥離可能な構成とすることができる。
絶縁層113、123には、例えば無機絶縁層を用いることができる。
第1の素子層114は、例えばチャネル形成領域に酸化物半導体を用いたトランジスタを有することができる。
第2の素子層131は、例えばEL素子を有することができる。
機能層124は、例えば、カラーフィルタ等の着色層、ブラックマトリクス等の遮光層、およびタッチセンサ等の検知素子のうち、少なくとも一つを有することができる。
次に、図27(B)に示すように、基板121側から加工領域(剥離層172および樹脂層122を含む領域)にレーザ光160の照射を行う。レーザ光160の照射により、剥離層172、樹脂層122、およびその界面が加熱されることによる構造変化により、両者の密着性を低下させることができる。レーザ光160の照射は線状ビームで行うことが好ましく、本発明の一態様のレーザ加工装置を用いることができる。
なお、レーザ光は基板121を介して加工領域に照射するため、基板121の表面に異物などがあると加工領域に照射されるレーザ光が遮られ、後工程の剥離不良が局部的に発生することがある。しかしながら、剥離層172として用いる金属または金属酸化物のレーザ光の吸収によって、レーザ光が照射された領域よりも広い範囲で剥離層172と樹脂層122との密着性が低下することができる。したがって、基板121の表面上に異物などによってレーザ光が遮られた場合であっても、後工程における剥離不良を抑制することができる。
次に、図27(C)に示すように、積層体130から基板121および剥離層172の積層を物理的な手段により剥離する。例えば、基板111を吸着ステージ等で固定し、基板121側を上方に移動させるような物理的な力を加えることで当該剥離を行うことができる。
次に、図27(D)に示すように、露出した樹脂層122と基板151を貼り合わせる。基板151は、可撓性を有することが好ましい。例えば、樹脂層122と基板151は、接着剤を用いて貼り合わせることができる。
次に、図28(A)に示すように、基板111側から加工領域(剥離層171および樹脂層112を含む領域)にレーザ光160の照射を行う。
次に、図28(B)に示すように、図28(A)に示す積層体から基板111および剥離層171の積層を物理的な手段により剥離する。
次に、図28(C)に示すように、露出した樹脂層112と基板141を貼り合わせる。基板141は、可撓性を有することが好ましい。
なお、上記工程においては、樹脂層112、122を残す構成を説明したが、樹脂層112、122が透明でなく、着色している場合はアッシング処理によって取り除くことが好ましい。
以上の工程により、図28(D)に示すフレキシブル表示装置100を作製することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
実施の形態2で説明した剥離工程を用いることにより、ハイブリッド表示を行うことができるハイブリッドディスプレイの作製が比較的容易に可能となる。本実施の形態では、ハイブリッドディスプレイについて説明する。
ハイブリッド表示とは、1つのパネルにおいて、反射光と、自発光とを併用して、色調または光強度を互いに補完して、文字または画像を表示する方法である。または、ハイブリッド表示とは、同一画素または同一副画素において複数の表示素子から、それぞれの光を用いて、文字および/または画像を表示する方法である。ただし、ハイブリッド表示を行っているハイブリッドディスプレイを局所的にみると、複数の表示素子のいずれか一を用いて表示される画素または副画素と、複数の表示素子の二以上を用いて表示される画素または副画素と、を有する場合がある。
なお、本明細書等において、上記構成のいずれか1つまたは複数の表現を満たすものを、ハイブリッド表示という。
また、ハイブリッドディスプレイは、同一画素または同一副画素に複数の表示素子を有する。なお、複数の表示素子としては、例えば、光を反射する反射型素子と、光を射出する自発光素子とが挙げられる。なお、反射型素子と、自発光素子とは、それぞれ独立に制御することができる。ハイブリッドディスプレイは、表示部において、反射光、及び自発光のいずれか一方または双方を用いて、文字および/または画像を表示する機能を有する。
本発明の一態様の表示装置は、可視光を反射する第1の表示素子が設けられた画素を有することができる。または、可視光を発する第2の表示素子が設けられた画素を有することができる。または、第1の表示素子および第2の表示素子が設けられた画素を有することができる。
本実施の形態では、可視光を反射する第1の表示素子と、可視光を発する第2の表示素子とを有する表示装置について説明する。
表示装置は、第1の表示素子が反射する第1の光と、第2の表示素子が発する第2の光のうち、いずれか一方、または両方により、画像を表示する機能を有する。または、表示装置は、第1の表示素子が反射する第1の光の光量と、第2の表示素子が発する第2の光の光量と、をそれぞれ制御することにより、階調を表現する機能を有する。
また、表示装置は、第1の表示素子の反射光の光量を制御することにより階調を表現する第1の画素と、第2の表示素子からの発光の光量を制御することにより階調を表現する第2の画素を有する構成とすることが好ましい。第1の画素および第2の画素は、例えばそれぞれマトリクス状に複数配置され、表示部を構成する。
また、第1の画素と第2の画素は、同数且つ同ピッチで、表示領域内に配置されていることが好ましい。このとき、隣接する第1の画素と第2の画素を合わせて、画素ユニットと呼ぶことができる。これにより、後述するように複数の第1の画素のみで表示された画像と、複数の第2の画素のみで表示された画像、ならびに複数の第1の画素および複数の第2の画素の両方で表示された画像のそれぞれは、同じ表示領域に表示することができる。
第1の画素が有する第1の表示素子には、外光を反射して表示する素子を用いることができる。このような素子は、光源を持たないため、表示の際の消費電力を極めて小さくすることが可能となる。
第1の表示素子には、代表的には反射型の液晶素子を用いることができる。または、第1の表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した素子などを用いることができる。
第2の画素が有する第2の表示素子は光源を有し、その光源からの光を利用して表示する素子を用いることができる。特に、電界を印加することにより発光性の物質から発光を取り出すことのできる、電界発光素子を用いることが好ましい。このような画素が射出する光は、その輝度や色度が外光に左右されることがないため、色再現性が高く(色域が広く)、且つコントラストの高い、つまり鮮やかな表示を行うことができる。
第2の表示素子には、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザなどの自発光性の発光素子を用いることができる。または、第2の画素が有する表示素子として、光源であるバックライトと、バックライトからの光の透過光の光量を制御する透過型の液晶素子とを組み合わせたものを用いてもよい。
第1の画素は、例えば白色(W)を呈する副画素、または例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光をそれぞれ呈する副画素を有する構成とすることができる。また、第2の画素も同様に、例えば白色(W)を呈する副画素、または例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光をそれぞれ呈する副画素を有する構成とすることができる。なお、第1の画素および第2の画素がそれぞれ有する副画素は、4色以上であってもよい。副画素の種類が多いほど、消費電力を低減することが可能で、また色再現性を高めることができる。
本発明の一態様は、第1の画素で画像を表示する第1のモード、第2の画素で画像を表示する第2のモード、および第1の画素および第2の画素で画像を表示する第3のモードを切り替えることができる。また、実施の形態1で示したように、第1の画素および第2の画素のそれぞれに異なる画像信号を入力し、合成画像を表示することもできる。
第1のモードは、第1の表示素子による反射光を用いて画像を表示するモードである。第1のモードは光源が不要であるため、極めて低消費電力な駆動モードである。例えば、外光の照度が十分高く、且つ外光が白色光またはその近傍の光である場合に有効である。第1のモードは、例えば本や書類などの文字情報を表示することに適した表示モードである。また、反射光を用いるため、目に優しい表示を行うことができ、目が疲れにくいという効果を奏する。
第2のモードでは、第2の表示素子による発光を利用して画像を表示するモードである。そのため、外光の照度や色度によらず、極めて鮮やかな(コントラストが高く、且つ色再現性の高い)表示を行うことができる。例えば、夜間や暗い室内など、外光の照度が極めて小さい場合などに有効である。また外光が暗い場合、明るい表示を行うと使用者が眩しく感じてしまう場合がある。これを防ぐために、第2のモードでは輝度を抑えた表示を行うことが好ましい。またこれにより、眩しさを抑えることに加え、消費電力も低減することができる。第2のモードは、鮮やかな画像や滑らかな動画などを表示することに適したモードである。
第3のモードでは、第1の表示素子による反射光と、第2の表示素子による発光の両方を利用して表示を行うモードである。具体的には、第1の画素が呈する光と、第1の画素と隣接する第2の画素が呈する光を混色させることにより、1つの色を表現するように駆動する。第1のモードよりも鮮やかな表示をしつつ、第2のモードよりも消費電力を抑えることができる。例えば、室内照明下や、朝方や夕方の時間帯など、外光の照度が比較的低い場合や、外光の色度が白色ではない場合などに有効である。
以下では、本発明の一態様のより具体的な例について、図面を参照して説明する。
[表示装置の構成例]
図29は、本発明の一態様の表示装置が有する画素アレイ70を説明する図である。画素アレイ70は、マトリクス状に配置された複数の画素ユニット75を有する。画素ユニット75は、画素76と、画素77を有する。
図29では、画素76および画素77が、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色に対応する表示素子を有する場合の例を示している。
画素76は、赤色(R)に対応する表示素子76R、緑色(G)に対応する表示素子76G、青色(B)に対応する表示素子76Bを有する。表示素子76R、76G、76Bはそれぞれ、光源の光を利用した第2の表示素子である。
画素77は、赤色(R)に対応する表示素子77R、緑色(G)に対応する表示素子77G、青色(B)に対応する表示素子77Bを有する。表示素子77R、77G、77Bはそれぞれ、外光の反射を利用した第1の表示素子である。
以上が表示装置の構成例についての説明である。
[画素ユニットの構成例]
続いて、図30(A)、(B)、(C)を用いて画素ユニット75について説明する。図30(A)、(B)、(C)は、画素ユニット75の構成例を示す模式図である。
画素76は、表示素子76R、表示素子76G、表示素子76Bを有する。表示素子76Rは、光源を有し、画素76に入力される第2の階調値に含まれる赤色に対応する階調値に応じた輝度の赤色の光R2を、表示面側に射出する。表示素子76G、表示素子76Bも同様に、それぞれ緑色の光G2または青色の光B2を、表示面側に射出する。
画素77は、表示素子77R、表示素子77G、表示素子77Bを有する。表示素子77Rは、外光を反射し、画素77に入力される第1の階調値に含まれる赤色に対応する階調値に応じた輝度の赤色の光R1を、表示面側に射出する。表示素子77G、表示素子77Bも同様に、それぞれ緑色の光G1または青色の光B1を、表示面側に射出する。
〔第1のモード〕
図30(A)は、外光を反射する表示素子77R、表示素子77G、表示素子77Bを駆動して画像を表示する動作モードの例を示している。図30(A)に示すように、画素ユニット75は、例えば外光の照度が十分に高い場合などでは、画素76を駆動させずに、画素77からの光(光R1、光G1、および光B1)のみを混色させることにより、所定の色の光79を表示面側に射出することもできる。これにより、極めて低消費電力な駆動を行うことができる。
〔第2のモード〕
図30(B)は、表示素子76R、表示素子76G、表示素子76Bを駆動して画像を表示する動作モードの例を示している。図30(B)に示すように、画素ユニット75は、例えば外光の照度が極めて小さい場合などでは、画素77を駆動させずに、画素76からの光(光R2、光G2、および光B2)のみを混色させることにより、所定の色の光79を表示面側に射出することもできる。これにより鮮やかな表示を行うことができる。また外光の照度が小さい場合に輝度を低くすることで、使用者が感じる眩しさを抑えると共に消費電力を低減できる。
〔第3のモード〕
図30(C)は、外光を反射する表示素子77R、表示素子77G、表示素子77Bと、光を発する表示素子76R、表示素子76G、表示素子76Bの両方を駆動して画像を表示する動作モードの例を示している。図30(C)に示すように、画素ユニット75は、光R1、光G1、光B1、光R2、光G2、および光B2の6つの光を混色させることにより、所定の色の光79を表示面側に射出することができる。
以上が画素ユニット75の構成例についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
以下では、実施の形態4で説明したハイブリッドディスプレイの構成の具体例について説明する。以下で例示する表示パネルは、反射型の液晶素子と、発光素子の両方を有し、透過モードと反射モードの両方の表示を行うことのできる、表示パネルである。
[構成例]
図31(A)は、表示装置400の構成の一例を示すブロック図である。表示装置400は、表示部362にマトリクス状に配列した複数の画素410を有する。また表示装置400は、回路GDと、回路SDを有する。また、方向Rに配列した複数の画素410、回路GDと電気的に接続する複数の配線G1、複数の配線G2、複数の配線ANO、および複数の配線CSCOMを有する。また、方向Cに配列した複数の画素410、回路SDと電気的に接続する複数の配線S1、および複数の配線S2を有する。
なお、ここでは簡単のために回路GDと回路SDを1つずつ有する構成を示したが、液晶素子を駆動する回路GDおよび回路SDと、発光素子を駆動する回路GDおよび回路SDとを、別々に設けてもよい。
画素410は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。画素410において、液晶素子と発光素子とは、互いに重なる部分を有する。
図31(B1)は、画素410が有する導電層311bの構成例を示す。導電層311bは、画素410における液晶素子の反射電極として機能する。また導電層311bには、開口451が設けられている。
図31(B1)には、導電層311bと重なる領域に位置する発光素子360を破線で示している。発光素子360は、導電層311bが有する開口451と重ねて配置されている。これにより、発光素子360が発する光は、開口451を介して表示面側に射出される。
図31(B1)では、方向Rに隣接する画素410が異なる色に対応する画素である。このとき、図31(B1)に示すように、方向Rに隣接する2つの画素において、開口451が一列に配列されないように、導電層311bの異なる位置に設けられていることが好ましい。これにより、2つの発光素子360を離すことが可能で、発光素子360が発する光が隣接する画素410が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子360を離して配置することができるため、発光素子360のEL層をシャドウマスク等により作り分ける場合であっても、高い精細度の表示装置を実現できる。
また、図31(B2)に示すような配列としてもよい。
非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が大きすぎると、液晶素子を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が小さすぎると、発光素子360を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射電極として機能する導電層311bに設ける開口451の面積が小さすぎると、発光素子360が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
開口451の形状は、例えば多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、開口451を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口451を同じ色を表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
[回路構成例]
図32は、画素410の構成例を示す回路図である。図32では、隣接する2つの画素410を示している。
画素410は、スイッチSW1、容量素子C1、液晶素子340、スイッチSW2、トランジスタM、容量素子C2、および発光素子360等を有する。また、画素410には、配線G1、配線G2、配線ANO、配線CSCOM、配線S1、および配線S2が電気的に接続されている。また、図32では、液晶素子340と電気的に接続する配線VCOM1、および発光素子360と電気的に接続する配線VCOM2を示している。
図32では、スイッチSW1およびスイッチSW2に、トランジスタを用いた場合の例を示している。
スイッチSW1は、ゲートが配線G1と接続され、ソースまたはドレインの一方が配線S1と接続され、ソースまたはドレインの他方が容量素子C1の一方の電極、および液晶素子340の一方の電極と接続されている。容量素子C1は、他方の電極が配線CSCOMと接続されている。液晶素子340は、他方の電極が配線VCOM1と接続されている。
また、スイッチSW2は、ゲートが配線G2と接続され、ソースまたはドレインの一方が配線S2と接続され、ソースまたはドレインの他方が、容量素子C2の一方の電極、トランジスタMのゲートと接続されている。容量素子C2は、他方の電極がトランジスタMのソースまたはドレインの一方、および配線ANOと接続されている。トランジスタMは、ソースまたはドレインの他方が発光素子360の一方の電極と接続されている。発光素子360は、他方の電極が配線VCOM2と接続されている。
図32では、トランジスタMが半導体を挟む2つのゲートを有し、これらが接続されている例を示している。これにより、トランジスタMが流すことのできる電流を増大させることができる。
配線G1には、スイッチSW1を導通状態または非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM1には、所定の電位を与えることができる。配線S1には、液晶素子340が有する液晶の配向状態を制御する信号を与えることができる。配線CSCOMには、所定の電位を与えることができる。
配線G2には、スイッチSW2を導通状態または非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM2および配線ANOには、発光素子360が発光する電位差が生じる電位をそれぞれ与えることができる。配線S2には、トランジスタMの導通状態を制御する信号を与えることができる。
図32に示す画素410は、例えば、反射モードの表示を行う場合には、配線G1および配線S1に与える信号により駆動し、液晶素子340による光学変調を利用して表示することができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線G2および配線S2に与える信号により駆動し、発光素子360を発光させて表示することができる。また、両方のモードで駆動する場合には、配線G1、配線G2、配線S1および配線S2のそれぞれに与える信号により駆動することができる。
なお、図32では一つの画素410に、一つの液晶素子340と一つの発光素子360とを有する例を示したが、これに限られない。図33(A)は、一つの画素410に一つの液晶素子340と4つの発光素子360(発光素子360r、360g、360b、360w)を有する例を示している。
図33(A)では図32の例に加えて、画素410に配線G3および配線S3が接続されている。
図33(A)に示す例では、例えば4つの発光素子360を、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、および白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また液晶素子340として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
また、図33(B)には、画素410の構成例を示している。画素410は、電極311が有する開口部と重なる発光素子360wと、電極311の周囲に配置された発光素子360r、発光素子360g、および発光素子360bとを有する。発光素子360r、発光素子360g、および発光素子360bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
[表示パネルの構成例]
図34は、本発明の一態様の表示パネル300の斜視概略図である。表示パネル300は、基板351と基板361とが貼り合わされた構成を有する。図34では、基板361を破線で明示している。
表示パネル300は、表示部362、回路364、配線365等を有する。基板351には、例えば回路364、配線365、および画素電極として機能する導電層311b等が設けられる。また図34では基板351上にIC373とFPC372が実装されている例を示している。そのため、図34に示す構成は、表示パネル300とFPC372およびIC373を有する表示モジュールと言うこともできる。
回路364は、例えば走査線駆動回路として機能する回路を用いることができる。
配線365は、表示部や回路364に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC372を介して外部、またはIC373から配線365に入力される。
また、図34では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板351にIC373が設けられている例を示している。IC373は、例えば走査線駆動回路、または信号線駆動回路などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示パネル300が走査線駆動回路および信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC372を介して表示パネル300を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC373を設けない構成としてもよい。また、IC373を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC372に実装してもよい。
図34には、表示部362の一部の拡大図を示している。表示部362には、複数の表示素子が有する導電層311bがマトリクス状に配置されている。導電層311bは、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子340の反射電極として機能する。
また、図34に示すように、導電層311bは開口を有する。さらに導電層311bよりも基板351側に、発光素子360を有する。発光素子360からの光は、導電層311bの開口を介して基板361側に射出される。
また、基板361上には入力装置366を設けることができる。例えば、シート状の静電容量方式のタッチセンサを表示部362に重ねて設ける構成とすればよい。または、基板361と基板351との間にタッチセンサを設けてもよい。基板361と基板351との間にタッチセンサを設ける場合は、静電容量方式のタッチセンサのほか、光電変換素子を用いた光学式のタッチセンサを適用してもよい。
[断面構成例1]
図35に、図34で例示した表示パネルの、FPC372を含む領域の一部、回路364を含む領域の一部および表示部362を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
表示パネルは、基板351と基板361の間に、絶縁層220を有する。また基板351と絶縁層220の間に、発光素子360、トランジスタ201、トランジスタ205、トランジスタ206、着色層134等を有する。また絶縁層220と基板361の間に、液晶素子340、着色層135等を有する。また基板361と絶縁層220は接着層143を介して接着され、基板351と絶縁層220は接着層142を介して接着されている。
トランジスタ206は、液晶素子340と電気的に接続し、トランジスタ205は、発光素子360と電気的に接続する。トランジスタ205とトランジスタ206は、いずれも絶縁層220の基板351側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。
基板361には、着色層135、遮光層136、絶縁層125、および液晶素子340の共通電極として機能する導電層313、配向膜133b、絶縁層117等が設けられている。絶縁層117は、液晶素子340のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。
絶縁層220の基板351側には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層215等の絶縁層が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層212、絶縁層213、および絶縁層214は、各トランジスタを覆って設けられている。また絶縁層214を覆って絶縁層215が設けられている。絶縁層214および絶縁層215は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214の3層を有する場合について示しているが、これに限られず4層以上であってもよいし、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層214は、不要であれば設けなくてもよい。
また、トランジスタ201、トランジスタ205、およびトランジスタ206は、一部がゲートとして機能する導電層221、一部がソースまたはドレインとして機能する導電層222、半導体層231を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
液晶素子340は反射型の液晶素子である。液晶素子340は、導電層311a、液晶312、導電層313が積層された積層構造を有する。また、導電層311aの基板351側に接して、可視光を反射する導電層311bが設けられている。導電層311bは開口251を有する。また、導電層311aおよび導電層313は可視光を透過する材料を含む。また、液晶312と導電層311aの間に配向膜133aが設けられ、液晶312と導電層313の間に配向膜133bが設けられている。
基板361の外側の面には、光拡散板129および偏光板140を配置する。偏光板140としては直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、外光反射を抑制するために光拡散板129が設けられる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子340に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
液晶素子340において、導電層311bは可視光を反射する機能を有し、導電層313は可視光を透過する機能を有する。基板361側から入射した光は、偏光板140により偏光され、導電層313、液晶312を透過し、導電層311bで反射する。そして、液晶312および導電層313を再度透過して、偏光板140に達する。このとき、導電層311bと導電層313の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板140を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層135によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
発光素子360は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子360は、絶縁層220側から導電層191、EL層192、および導電層193bの順に積層された積層構造を有する。また導電層193bを覆って導電層193aが設けられている。導電層193bは可視光を反射する材料を含み、導電層191および導電層193aは可視光を透過する材料を含む。発光素子360が発する光は、着色層134、絶縁層220、開口251、導電層313等を介して、基板361側に射出される。
ここで、図35に示すように、開口251には可視光を透過する導電層311aが設けられていることが好ましい。これにより、開口251と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶312が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
導電層191の端部を覆う絶縁層216上には、絶縁層217が設けられている。絶縁層217は、絶縁層220と基板351が必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。またEL層192や導電層193aを遮蔽マスク(メタルマスク)を用いて形成する場合には、当該遮蔽マスクが被形成面に接触することを抑制するための機能を有していてもよい。なお、絶縁層217は不要であれば設けなくてもよい。
トランジスタ205のソースまたはドレインの一方は、導電層224を介して発光素子360の導電層191と電気的に接続されている。
トランジスタ206のソースまたはドレインの一方は、接続部207を介して導電層311bと電気的に接続されている。導電層311bと導電層311aは接して設けられ、これらは電気的に接続されている。ここで、接続部207は、絶縁層220に設けられた開口を介して、絶縁層220の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。
基板351と基板361が重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204は、接続層242を介してFPC372と電気的に接続されている。接続部204は接続部207と同様の構成を有している。接続部204の上面は、導電層311aと同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部204とFPC372とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
接着層143が設けられる一部の領域には、接続部252が設けられている。接続部252において、導電層311aと同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電層313の一部が、接続体243により電気的に接続されている。したがって、基板361側に形成された導電層313に、基板351側に接続されたFPC372から入力される信号または電位を、接続部252を介して供給することができる。
接続体243としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体243として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体243は、図35に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体243と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体243は、接着層143に覆われるように配置することが好ましい。例えば、硬化前の接着層143に接続体243を分散させておけばよい。
図35では、回路364の例としてトランジスタ201が設けられている例を示している。
図35では、トランジスタ201およびトランジスタ205の例として、チャネルが形成される半導体層231を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電層221により、他方のゲートは絶縁層212を介して半導体層231と重なる導電層223により構成されている。このような構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。このとき、2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネルを大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
なお、回路364が有するトランジスタと、表示部362が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また回路364が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示部362が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層212、絶縁層213のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層212または絶縁層213はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示パネルを実現できる。
基板361側において、着色層135、遮光層136を覆って絶縁層125が設けられている。絶縁層125は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層125により、導電層313の表面を概略平坦にできるため、液晶312の配向状態を均一にできる。
〔断面構成例2〕
図36に示す表示パネルは、図35に示す構成において各トランジスタにトップゲート型のトランジスタを適用した場合の例である。このように、トップゲート型のトランジスタを適用することにより、寄生容量が低減できるため、表示のフレーム周波数を高めることができる。
本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。
なお、トランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体などを用いることができる。
シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい酸化物半導体を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。
半導体層は、例えばインジウム、亜鉛およびM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
半導体層を構成する酸化物半導体がIn−M−Zn系酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
また、上記材料等で形成した金属酸化物は、不純物や酸素欠損などを制御することで透光性を有する導電体として作用させることができる。したがって、上述した半導体層に加え、トランジスタの他の構成要素であるソース電極、ドレイン電極およびゲート電極などを透光性を有する導電体で形成することで、透光性を有するトランジスタを構成することができる。当該透光性を有するトランジスタを表示装置の画素に用いることで、表示素子を透過または発するが当該トランジスタを透過することができるため、開口率を向上させることができる。
または、トランジスタのチャネルが形成される半導体にシリコンを用いてもよい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
上述した表示パネル300は、大きく分けて発光素子およびトランジスタ等を有する領域601と、液晶素子等を有する領域602を有する(図35および図36参照)。以下に図37(A)乃至(C)を用いて表示パネル300の作製方法を簡単に説明する。
表示パネル300は、実施の形態2で説明した剥離工程を用いることで、比較的容易に作製することができる。まず、基板352上に剥離層173および樹脂層175を設け、樹脂層175上に領域601を完成させる(図37(A)参照)。
次に、レーザ光160を加工領域(剥離層173および樹脂層175を含む領域)に照射し(図37(B)参照)、基板352および剥離層173を取り除く。
次に、アッシング処理により樹脂層175を取り除き、導電層311a等を露出させる。そして、表示部となる領域に配向膜133aを形成し、液晶312を挟むように別途形成した領域602の残りの構成要素を接着層143を用いて貼り合わせる(図37(C)参照)。以上の工程で図35に示す表示パネル300を完成させることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる電子機器として、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像記憶装置または画像再生装置、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図38に示す。
図38(A)はテレビであり、筐体971、表示部973、操作キー974、スピーカ975、通信用接続端子976、光センサ977等を有する。表示部973にはタッチセンサが設けられ、入力操作を行うこともできる。表示部973は、本発明の一態様のレーザ加工装置または積層体の加工装置を用いて形成することができる。
図38(B)は情報処理端末であり、筐体901、表示部902、表示部903、センサ904等を有する。表示部902および表示部903は一つの表示パネルから成り、可撓性を有する。また、筐体901も可撓性を有し、図示するように折り曲げて使用することができるほか、タブレット端末のように平板状にして使用することもできる。センサ904は筐体901の形状を感知することができ、例えば、筐体が曲げられたときに表示部902および表示部903の表示を切り替えることができる。表示部902および表示部903は、本発明の一態様のレーザ加工装置または積層体の加工装置を用いて形成することができる。
図38(C)はデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、スピーカ967、表示部965、操作キー966、ズームレバー968、レンズ969等を有する。表示部965は、本発明の一態様のレーザ加工装置または積層体の加工装置を用いて形成することができる。
図38(D)は腕時計型の情報端末であり、筐体931、表示部932、リストバンド933、操作用のボタン935、竜頭936、カメラ939等を有する。表示部932はタッチパネルとなっていてもよい。表示部932は、本発明の一態様のレーザ加工装置または積層体の加工装置を用いて形成することができる。
図38(E)携帯電話機の一例であり、筐体951、表示部952、操作ボタン953、外部接続ポート954、スピーカ955、マイク956、カメラ957等を有する。当該携帯電話機は、表示部952にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部952に触れることで行うことができる。表示部952は、本発明の一態様のレーザ加工装置または積層体の加工装置を用いて形成することができる。
図38(F)は携帯データ端末であり、筐体911、表示部912、カメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。表示部932は、本発明の一態様のレーザ加工装置または積層体の加工装置を用いて形成することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。