JP2019123680A - 抗菌剤の製造方法、抗菌剤及び抗菌性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然物由来で用途が広い抗菌剤の製造方法を提供する。
【解決手段】ホウノキの葉のアセトン抽出物に水を加えて濃縮した濃縮物を、酢酸エチルで抽出することにより得たアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分を、更に分画することなく含有させることにより、少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して抗菌活性を示す抗菌剤とする。この抗菌剤を含有させる抗菌性組成物を、液状、ペースト状、またはクリーム状の化粧料とすることができる。
【選択図】なし
【解決手段】ホウノキの葉のアセトン抽出物に水を加えて濃縮した濃縮物を、酢酸エチルで抽出することにより得たアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分を、更に分画することなく含有させることにより、少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して抗菌活性を示す抗菌剤とする。この抗菌剤を含有させる抗菌性組成物を、液状、ペースト状、またはクリーム状の化粧料とすることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、天然物由来の抗菌剤の製造方法、該製造方法により製造される抗菌剤、及び、該抗菌剤を含有する抗菌性組成物に関するものである。
化粧料、食品、医薬品等には、細菌やカビ等の微生物に汚染されることによる腐敗や品質の劣化を防止するために、抗菌剤が添加されている。また、医療施設、化粧料や食品の製造工場など各種の産業施設でも、施設自体や施設内で用いられる機器・用具等に対して、抗菌剤が使用されている。更には、一般消費者の清潔さに関する意識の高まりから、日常品に抗菌加工が施されていることが要請され、居住空間や身の回り品に対して噴霧・塗布する抗菌剤も要請されている。
このような抗菌剤に対しては、従前より、天然物由来のものが好まれる傾向にある。天然物由来の抗菌成分としては、ヒノキ、茶、ヨモギ、ワサビの抽出物など、公知のものも多いが、常に新規なものが要請されている。
本発明者らも過去に、抗菌活性を有する天然物質のスクリーニングを行った結果、ホウノキに着目し、その葉のヘキサン抽出物から単離した特定の化合物が、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌に対して抗菌活性を示すことを報告している(特許文献1参照)。本発明は、更に探求を進める過程で、より用途が広い抗菌剤、及びその抗菌剤を応用した製品の提供を目的としてなされたものである。
上記のように、本発明は、天然物由来で用途が広い抗菌剤の製造方法、該製造方法により製造される抗菌剤、及び、該抗菌剤を含有する抗菌性組成物の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる抗菌剤の製造方法(以下、単に「製造方法」と称することがある)は、
「ホウノキの葉のアセトン抽出物に水を加えて濃縮した濃縮物を、酢酸エチルで抽出することにより得たアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分を、更に分画することなく含有させることにより、
少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して抗菌活性を示す抗菌剤とする」ものである。
「ホウノキの葉のアセトン抽出物に水を加えて濃縮した濃縮物を、酢酸エチルで抽出することにより得たアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分を、更に分画することなく含有させることにより、
少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して抗菌活性を示す抗菌剤とする」ものである。
詳細は後述するように、本製造方法により製造される抗菌剤は、少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して高い抗菌活性を示すことが確認された。黄色ブドウ球菌及び緑膿菌は、何れも身近な環境に、ごく普通に分布している細菌でありながら、感染症等の原因となり得る。そのため、これらの何れに対しても高い抗菌活性を有する抗菌剤は、身近な種々の環境や種々の場面で使用する意義があり、広い用途を有している。
次に、本発明にかかる抗菌剤は、
「ホウノキの葉のアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分を含有し、
少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して抗菌活性を示す」ものである。
「ホウノキの葉のアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分を含有し、
少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して抗菌活性を示す」ものである。
これは、上記の製造方法により製造される抗菌剤の構成である。本構成の抗菌剤は、例えば、化粧料、食品、医薬品、染料、顔料、塗料、紙、樹脂フィルムに含有させることができる。また、医療施設、介護施設、入浴施設、化粧料や食品など各種製品の製造工場、飲食店、畜舎などの産業施設において、施設内環境や設備に対して使用される抗菌剤とすることができる。更に、種々の産業施設や一般家庭で使用される物品、例えば、台所用品、食器、バス用品、トイレ用品、医療用具、介護用品、ベビー用品、衣料品、文房具、家電製品、繊維製品、皮革製品、樹脂製品、自動車の内装品に噴霧・塗布する抗菌剤とすることができる。
次に、本発明にかかる抗菌性組成物は、
「上記に記載の抗菌剤を含有する組成物」である。
「上記に記載の抗菌剤を含有する組成物」である。
本構成の抗菌性組成物としては、化粧料、食品、医薬品、染料、顔料、塗料、着色料、香料、樹脂粘着剤、紙の原液、樹脂製品の原料スラリーを例示することができる。
本発明にかかる抗菌性組成物は、上記構成に加え、
「液状、ペースト状、またはクリーム状の化粧料である」ものとすることができる。
「液状、ペースト状、またはクリーム状の化粧料である」ものとすることができる。
上記の製造方法で得られる「アセトン及び酢酸エチルに可溶な成分」であるホウノキ葉エキスは、詳細は後述するように、アセトン及び酢酸エチルを除いたときに若干の水分が残る液状である。そのため、上記構成の抗菌剤を含有させる抗菌性組成物を、液状、ペースト状、またはクリーム状の化粧料とすることができる。かかる化粧料としては、化粧水、乳液、化粧用クリーム、美容液、パック剤、洗顔料等の基礎化粧料、下地クリーム、リキッドファンデーション、口紅、マスカラ等のメイク用化粧料、シャンプー、リンス、養毛剤等の頭髪用化粧料を例示することができる。
日本化粧品工業連合会では、国際標準規格ISO 17516に準拠する形で、化粧品及び薬用化粧品等の医薬部外品の微生物限度値について自主基準を設けている。この自主基準では、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、及びカンジタ・アルビカンスを特定微生物と定め、何れも「陰性/製品1g又は1mL」を限度値としている。従って、この四種の特定微生物のうち少なくとも二種に対して抗菌活性を示す本発明の抗菌性組成物は、化粧料とした場合に他の抗菌剤の種類や添加量を低減して基準を満たすことができ、化粧料として適している。
また、化粧料の分野では、従来、パラベン、フェノキシエタノール等の化学合成品が抗菌剤(防腐剤)として使用されてきた。ところが、近年になって、欧州でREACH規則が採択され、欧州域内で製造し輸入する物質について欧州化学品庁に登録することが求められ、高懸念物質については使用の許可を得ることが必要となった他、制限物質リストに収載された物質については使用が制限されることとなった。中国、オーストラリア等も関連の規則を採択したことから、現在では、パラベン、フェノキシエタノール等の従来の抗菌剤を、海外に輸出される可能性のある化粧料について使用することが困難な状況であり、代替となる化粧料用抗菌剤が要請されていた。このような実情を鑑み、本発明の抗菌剤は、パラベン、フェノキシエタノール等の従来の化学合成品に代替し得る化粧料用抗菌剤として期待される。
以上のように、本発明によれば、天然物由来で用途が広い抗菌剤の製造方法、該製造方法により製造される抗菌剤、及び、該抗菌剤を含有する抗菌性組成物を、提供することができる。
以下、本発明の具体的な一実施形態である抗菌剤の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、ホウノキの葉のアセトン抽出物を得るステップS1と、アセトン抽出物に水を加えて濃縮するステップS2と、濃縮物を酢酸エチルで抽出するステップS3と、ステップS3により得た抽出物からアセトン及び酢酸エチルを除くステップS4と、を備えている。ステップS1〜ステップS4を経て得られた成分は、更に分画することなく抗菌剤に含有させる。
より詳細に説明すると、ステップS1ではホウノキの葉をアセトンに浸漬する。抽出に先立ち、ホウノキの葉は粉砕しておくことが望ましく、粉砕し易くするために凍結乾燥することができる。ホウノキの葉からアセトンに可溶な成分が抽出されることにより、アセトンは黒色に近い濃緑色となる。アセトン抽出液は、ホウノキの葉と濾別する。濾別されたホウノキの葉を更にアセトンに浸漬して同様に抽出を行い、得られたアセトン抽出液を先に得られたアセトン抽出液と合わせても良い。このような抽出操作を、繰り返して行っても良い。
ステップS2では、ステップS1で得たアセトン抽出液に水を加え、濃縮する。濃縮は、減圧下で行うことができる。
ステップS3では、ステップS2で得た濃縮物に酢酸エチルを加え、混合・撹拌する。その後、これを静置すると、アセトン及び酢酸エチルの混合液に水が飽和した混合溶媒に、アセトン及び酢酸エチルに可溶な成分が溶解した緑色の層が、着色のない他の液層の下層となるように分離する。この緑色の下層を分取する。
ステップS4では、ステップS3で得た抽出物から、アセトン及び酢酸エチルを留去する。これにより、ホウノキの葉のアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分が、僅かな水に溶解しているホウノキ葉エキスが得られる。
<実施例E1のホウノキ葉エキス>
ホウノキの葉(葉身、葉柄を含む)を液体窒素で凍結乾燥し、粉砕してホウノキ葉粉末とした。ホウノキ葉粉末1.8kgにアセトン6Lを加え、常温にて撹拌しつつ浸漬した。24時間の浸漬後、アセトン抽出液をホウノキ葉粉末と濾別した。濾別されたホウノキ葉粉末をアセトン6Lで抽出する操作を2回繰り返し、計3回の操作で得られたアセトン抽出液を合わせた。アセトン抽出液18Lに水18Lを混合し、830Paの減圧下で温度40℃にて濃縮し、全量を三分の一(12L)とした。この濃縮液に酢酸エチル3Lを加え、混合・撹拌した後で静置した。緑色の下層を他の液層から分離し、830Paの減圧下で温度40℃にてアセトン及び酢酸エチルを留去して、実施例E1のホウノキ葉エキスとした。マイクロガスクロマトグラフィーで確認したところ、ホウノキ葉エキス中に有機溶媒の残渣は確認されなかった。
ホウノキの葉(葉身、葉柄を含む)を液体窒素で凍結乾燥し、粉砕してホウノキ葉粉末とした。ホウノキ葉粉末1.8kgにアセトン6Lを加え、常温にて撹拌しつつ浸漬した。24時間の浸漬後、アセトン抽出液をホウノキ葉粉末と濾別した。濾別されたホウノキ葉粉末をアセトン6Lで抽出する操作を2回繰り返し、計3回の操作で得られたアセトン抽出液を合わせた。アセトン抽出液18Lに水18Lを混合し、830Paの減圧下で温度40℃にて濃縮し、全量を三分の一(12L)とした。この濃縮液に酢酸エチル3Lを加え、混合・撹拌した後で静置した。緑色の下層を他の液層から分離し、830Paの減圧下で温度40℃にてアセトン及び酢酸エチルを留去して、実施例E1のホウノキ葉エキスとした。マイクロガスクロマトグラフィーで確認したところ、ホウノキ葉エキス中に有機溶媒の残渣は確認されなかった。
<比較例R1,R2のホウノキ葉エキス>
ステップS3の抽出溶媒として、酢酸エチルの代わりにジエチルエーテルを使用する他は実施例E1と同様にして、比較例R1のホウノキ葉エキスを得た。また、ステップS3の抽出溶媒として、酢酸エチルの代わりにn−ブタノールを使用する他は実施例E1と同様にして、比較例R2のホウノキ葉エキスを得た。
ステップS3の抽出溶媒として、酢酸エチルの代わりにジエチルエーテルを使用する他は実施例E1と同様にして、比較例R1のホウノキ葉エキスを得た。また、ステップS3の抽出溶媒として、酢酸エチルの代わりにn−ブタノールを使用する他は実施例E1と同様にして、比較例R2のホウノキ葉エキスを得た。
<抗菌活性>
実施例E1及び比較例R1,R2のホウノキ葉エキスについて、それぞれ細菌の発育阻止円を測定することにより、抗菌活性を確認した。供試菌として黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus:JCM5676)を使用した。ハートインフージョン液体培地内で温度37℃で培養し、約106CFU/mLに調整した菌液の一定量を、ミュラーヒントン寒天培地に塗布した。滅菌ピンセットを使用して、ペーパーディスク(ADVANTEC社製、抗生物質検定用、直径8mm、厚手)を、菌液を塗布した寒天培地上に配置した。ペーパーディスクには、実施例E1及び比較例R1,R2のホウノキ葉エキスを、それぞれ60μL含浸させた。温度37℃で48時間好気培養した後、阻止円の大きさを測定した。阻止円が確認された場合を抗菌活性があるとして評価し、その程度を阻止円の大きさがペーパーディスクの直径に対して、200%以上であった場合を「+++」(強く効果あり)、150%以上200%未満であった場合を「++」(効果あり)、150%未満であった場合を「+」(感受性あり)と評価した。一方、阻止円が確認されなかった場合を、抗菌活性がないとして「−」と評価した。その結果を表1に示す。
実施例E1及び比較例R1,R2のホウノキ葉エキスについて、それぞれ細菌の発育阻止円を測定することにより、抗菌活性を確認した。供試菌として黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus:JCM5676)を使用した。ハートインフージョン液体培地内で温度37℃で培養し、約106CFU/mLに調整した菌液の一定量を、ミュラーヒントン寒天培地に塗布した。滅菌ピンセットを使用して、ペーパーディスク(ADVANTEC社製、抗生物質検定用、直径8mm、厚手)を、菌液を塗布した寒天培地上に配置した。ペーパーディスクには、実施例E1及び比較例R1,R2のホウノキ葉エキスを、それぞれ60μL含浸させた。温度37℃で48時間好気培養した後、阻止円の大きさを測定した。阻止円が確認された場合を抗菌活性があるとして評価し、その程度を阻止円の大きさがペーパーディスクの直径に対して、200%以上であった場合を「+++」(強く効果あり)、150%以上200%未満であった場合を「++」(効果あり)、150%未満であった場合を「+」(感受性あり)と評価した。一方、阻止円が確認されなかった場合を、抗菌活性がないとして「−」と評価した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、ステップS3における抽出溶媒が酢酸エチルである実施例E1のホウノキ葉エキスは、黄色ブドウ球菌に対して高い抗菌活性(強く効果あり)を示したが、ステップS3における抽出溶媒がジエチルエーテルである比較例R1、n−ブタノールである比較例R2のホウノキ葉エキスは、何れも黄色ブドウ球菌に対して抗菌活性を示さなかった。
次に、実施例E1のホウノキ葉エキスについて、黄色ブドウ球菌に加えて緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa:JCM2412)、大腸菌(Escherichia coli:JCM1246)、クラドスポリウム(Cladosporium argillaceum:JCM10678)に対する抗菌活性を確認し、従来の抗菌剤であるフェノキシエタノール及びパラベンと対比した。抗菌活性の確認は、上記と同様の方法で、発育阻止円の大きさにより行った。フェノキシエタノール及びパラベンの濃度は、一般的な化粧料に添加される際の抗菌剤原液の濃度として、それぞれ50%及び18%に設定した。上記と同様の基準で抗菌活性を評価した結果を、表2に示す。
表2に示すように、実施例E1のホウノキ葉エキスは、従来の抗菌剤であるフェノキシエタノール及びパラベンと同様に、黄色ブドウ球菌と緑膿菌に対して高い抗菌活性を示した。また、大腸菌とクラドスポリウム(クロカビ)に対しては、何れもパラベンは感受性を示した程度で、フェノキシエタノールは抗菌活性を示さなかったのに対し、実施例E1のホウノキ葉エキスは大腸菌及びクラドスポリウムの何れに対しても抗菌活性を示した。実施例E1のホウノキ葉エキスの黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、及びクラドスポリウムに対する抗菌活性は、何れも「+++」または「++」であり、これらの微生物に対する抗菌剤として有効であった。
次に、ステップS4を経て得た実施例E1のホウノキ葉エキスを、更に分画した比較例R21〜R25の抽出液について、黄色ブドウ球菌、緑膿菌及び大腸菌に対する抗菌活性を調べた。比較例R21〜R25の抽出液は、シリカベースのカラムBond Elut C18(アジレント・テクノロジー社製)25g,100mLに、実施例E1のホウノキ葉エキス20mLを供した後、五種類の溶媒を20mLずつ順次通して抽出したものであり、抽出順に画分No.1〜画分No.5とした。五種類の溶媒は、通した順に、メタノール100%溶媒、メタノール80%−水20%溶媒、メタノール50%−水50%溶媒、メタノール20%−水80%溶媒、水100%溶媒とした。それぞれの画分についてエタノールを留去した後、上記と同様の方法で、発育阻止円の測定による抗菌活性の評価を行った。その結果を表3に示す。
表3に示すように、更なる分画をしていない実施例E1のホウノキ葉エキスは、黄色ブドウ球菌、緑膿菌及び大腸菌の何れに対しても良好な抗菌活性を示したのに対し、画分No.2及びNo.4は緑膿菌に対する抗菌活性がなく、画分No.3は黄色ブドウ球菌と大腸菌に対する抗菌活性がなく、画分No.5は黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を示さなかった。また、抗菌活性を示す場合であっても、実施例E1のホウノキ葉エキスより抗菌活性が低い画分及び細菌の組み合わせが、多く確認された。これらのことから、実施例E1のホウノキ葉エキスを更に分画することにより、抗菌活性を示す成分が分かれてしまと考えられた。すなわち、実施例E1のホウノキ葉エキスを更に分画することなく抗菌剤として使用することにより、黄色ブドウ球菌、緑膿菌及び大腸菌に対して複合的に良好な抗菌活性を示すと考えられた。
<抗菌性組成物(化粧料)の実施例>
抗菌剤として実施例E1のホウノキ葉エキスを使用し、実施例E3の化粧料(美容液)を調製した。その組成を表4に示す。また、比較のために、実施例E1のホウノキ葉エキスを含有させず、その分だけ精製水を増量した比較例R31の化粧料を調製した。
抗菌剤として実施例E1のホウノキ葉エキスを使用し、実施例E3の化粧料(美容液)を調製した。その組成を表4に示す。また、比較のために、実施例E1のホウノキ葉エキスを含有させず、その分だけ精製水を増量した比較例R31の化粧料を調製した。
実施例E3及び比較例R31の化粧料について、上記と同様に発育阻止円の測定によって、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を評価した。その結果を表5に示す。
表5に示すように、抗菌剤として実施例E1のホウノキ葉エキスを含有させた実施例E3の化粧料は、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を示したが、実施例E1のホウノキ葉エキスを含有させていない比較例R31の化粧料は、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を示さなかった。
以上のように、本実施形態の製造方法によれば、少なくとも黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、及びクラドスポリウムに対して、良好な抗菌活性を示す抗菌剤を製造することができ、特に黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して高い抗菌活性を示す抗菌剤を製造することができる。黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、及びクラドスポリウムは、何れも身近な環境にごく普通に分布している微生物でありながら、感染症やアレルギー等の原因となり得るため、これらの何れに対しても抗菌活性を有する抗菌剤は、広い用途を有している。
また、黄色ブドウ球菌、緑膿菌及び大腸菌は、日本化粧品工業連合会が化粧品及び薬用化粧品等の医薬部外品の微生物限度値に関して設けている自主基準において、特定微生物として定められている四種のうちの三種であるため、これら三種に抗菌活性を示す抗菌剤は、化粧料に含有させる抗菌剤として適している。また、実施例E1のホウノキ葉エキスは、黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対してフェノキシエタノール及びパラベンと同様に高い抗菌活性を示し、従来の化粧料用抗菌剤に代替できる潜在性を有していることが確認された。更に、実施例E1のホウノキ葉エキスは、大腸菌及びクラドスポリウムに対してはフェノキシエタノール及びパラベンより高い抗菌活性を示し、従来の抗菌剤より対象とする微生物の範囲が広い抗菌剤として有効であると考えられた。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記では、抗菌性組成物である化粧料の実施例として、美容液を例示したが、これに限定されない。液状、ペースト状、またはクリーム状の化粧料であれば、多様な種類の化粧料に、実施例E1のホウノキ葉エキスを抗菌剤として添加することができる。
Claims (4)
- ホウノキの葉のアセトン抽出物に水を加えて濃縮した濃縮物を、酢酸エチルで抽出することにより得たアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分を、更に分画することなく含有させることにより、
少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して抗菌活性を示す抗菌剤とする
ことを特徴とする抗菌剤の製造方法。 - ホウノキの葉のアセトン及び酢酸エチルに可溶な成分を含有し、
少なくとも黄色ブドウ球菌及び緑膿菌に対して抗菌活性を示す
ことを特徴とする抗菌剤。 - 請求項2に記載の抗菌剤を含有する組成物である
ことを特徴とする抗菌性組成物。 - 液状、ペースト状、またはクリーム状の化粧料である
ことを特徴とする請求項3に記載の抗菌性組成物。
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Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0347132A (ja) * | 1989-04-25 | 1991-02-28 | Takeda Chem Ind Ltd | 原虫性疾患の予防治療剤 |
| JPH0482816A (ja) * | 1990-07-23 | 1992-03-16 | Mikimoto Pharmaceut Co Ltd | スクラブ洗顔料 |
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Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| 武井 泰 ほか: "朴葉成分の各種病原微生物に対する抗菌活性", 岐阜医療科学大学紀要, vol. 第3号, JPN6016026803, 2009, pages 125 - 128, ISSN: 0004431501 * |
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