[第1実施例]
図1は局部洗浄装置を含む衛生洗浄便座装置10が取り付けられた便器1の外観斜視図であり、図2,図3は局部洗浄装置に含まれる第1実施例のノズルユニット20の外観斜視図であり、図4はノズルユニット20の上面図であり、図5はノズルユニット20の分解斜視図である。便器1は、洋式便器であり、便器1の上面に衛生洗浄便座装置10が設置されている。衛生洗浄便座装置10は、図1に示すように、便器1の後方に設置される便座装置本体12と、便座装置本体12に回動自在に支持された便座14と、便座装置本体12に回動自在に支持された便蓋16と、使用者により操作される操作パネル18と、を備える。
便座装置本体12は、給水管(水道配管)に接続された洗浄水流路、止水弁、熱交換ユニット、洗浄の強さを調整する脈動ポンプ、洗浄水を噴出するノズルユニット20などを含む局部洗浄装置を備えており、これらは樹脂製のハウジング内に収容されている。熱交換ユニットは、水タンクやヒータ、温度センサが設けられ、給水管からの水をヒータによって温水にする。
また、便座装置本体12は、衛生洗浄便座装置10を制御する図示しない制御装置を備える。制御装置は、操作パネル18や着座センサ13(図1参照)、水タンクの温度センサなどからの信号に基づいて、水タンク内のヒータや脈動ポンプ、ノズルユニット20を制御する。操作パネル18には、図示しないが、洗浄強さの強いパワフルなおしり洗浄を指示するパワフル洗浄スイッチや洗浄強さの弱いマイルドなおしり洗浄を指示するマイルド洗浄スイッチ、ビデ洗浄を指示するビデ洗浄スイッチ、洗浄の強さを調整するための洗浄強さ調整スイッチ、洗浄位置を前後に調整するための洗浄位置調整スイッチ(前スイッチ,後スイッチ)、洗浄の停止を指示する停止スイッチなどが設けられている。
ノズルユニット20は、おしり洗浄用の構成として、ノズル30やシリンダ40、ケース50、ギヤカバー60、ノズル洗浄器80、モータ24などを備え、ビデ洗浄用の構成として、図示しないノズルやシリンダ、ケース59、ギヤカバー69、ノズル洗浄器81、モータ26などを備える他、切替バルブ70などを備える。なお、ビデ洗浄用の各構成は、おしり洗浄用の各構成と同様に構成されているため、以下では主におしり洗浄用の各構成について説明する。
ノズル30は、おしり洗浄用のノズルであり、収容位置(図4参照)と洗浄位置(図2,図3参照)との間で進退移動すると共に洗浄位置において人体の局部に洗浄水を噴出可能に構成される。図6はノズル30の上面図,側面図および後面図であり、図7は図6(a)のB−B断面図であり、図8はノズル30の分解斜視図である。ノズル30は、2種類のノズル孔31a,31bと各ノズル孔31a,31bに連通する本体内流路32a,32bが形成されたノズル本体31と、ノズル本体31を覆うと共に先端部にノズル孔31a,31bと連通する連通孔33a,33bが形成され後端が開口した円筒状のノズルカバー33と、ノズル本体31の後端に連結されると共にノズルカバー33内に挿入され前端と後端とが開口した円筒状のノズルテール37とを備える。本実施例では、ノズル孔31aは、パワフル洗浄用のノズル孔として構成され、ノズル孔31bは、マイルド洗浄用のノズル孔として構成される。ノズルカバー33の下面側には、図3に示すように、先端部手前と後端部手前との間で軸方向(進退方向)に延びるガイド溝33c(凹溝)が形成されている。ノズル本体31の後端側には、金属製または樹脂勢のインナーパイプ35a,35bが取り付けられており、インナーパイプ35aはノズル孔31aに連通する本体内流路32aに接続され、インナーパイプ35bは、ノズル孔31bに連通する本体内流路32bに接続されている。インナーパイプ35a,35bは、ノズルテール37内を通ってノズルテール37の後端部から外方に突出している。ノズルテール37の後端部は、ノズルカバー33内にノズルテール37が挿入された状態で外部に露出し、その外周面には、ノズルテール37の軸方向に対して傾斜して延びる2つの凸条38が設けられている。なお、ノズル39は、上述したようにビデ洗浄用のノズルであり、1種類のノズル孔が形成され1本のインナーパイプを備える点を除いて、ノズル30と同様に構成されている。
シリンダ40は、前端と後端とが開口した円筒状の回転体であり、ノズル30を包囲するようにノズル30の外径よりも若干大きい内径を有する。シリンダ40は、2つの半円筒部材41,42の周方向の端面同士が突き合わされて形成される。半円筒部材41,42の外周面には、図5に示すように、半円筒部材41,42の周方向の端面同士が突き合わされた状態で環状をなすようにそれぞれ半円状に形成された外周リブ43が形成されている。また、半円筒部材41,42の内周面には、図5に示すように、それぞれシリンダ40の軸方向に対して傾斜して延びる複数の内周リブ44が形成されている。複数の内周リブ44は、半円筒部材41,42の周方向の端面同士が突き合わされた状態で、隣接する内周リブ44間の溝が螺旋状につながる螺旋溝44aを形成する。
また、半円筒部材41の後端部の外周面には、図5に示すように、シリンダ40と同軸に回転する外歯の回転ギヤ45が設けられている。回転ギヤ45は、ケース50の外径からはみ出さないよう、ケース50の外径よりも小さな外径を有するように形成されている。回転ギヤ45はモータ24の回転軸に取り付けられた駆動ギヤ25と噛合されており、シリンダ40は、モータ24により回転ギヤ45を回転駆動することで回転ギヤ45と一体に回転する。シリンダ40の内周面に形成される螺旋溝44aには、ノズル30の後端部の外周面に設けられた凸条38が嵌合するため、ノズル30は、シリンダ40が回転することにより凸条38が螺旋溝44aに沿って相対的に移動しながら収容位置と進出位置との間で前後(軸方向)に進退する。
また、半円筒部材41,42は、本実施例では、外周面を形成する凹型と内周面を形成する凸型との間の空間に樹脂材料を射出注入し、樹脂材料を冷却固化させる射出成形によって形成され、半円筒部材41,42には回転ギヤ45や外周リブ43、内周リブ44が一体に形成されている。また、内周リブ44は、図5に示すように、半円筒部材41,42の内周面の周方向における両端部には形成されておらず、射出成形の際の型抜き(凸型の型抜き)をスムーズに行うことができる。
ケース50は、前端と後端とが開口した円筒部材であり、シリンダ40を包囲してシリンダ40を回転自在に支持するようにシリンダ40の外径よりも若干大きな内径を有する。ケース50は、図5に示すように、2つの半円筒部材51,52の周方向の端面同士が突き合わされて形成される。ケース50の内周面には2つの半円筒部材51,52の周方向の端面同士が突き合わされた状態で環状をなすように半円状の内周溝53が形成されており、内周溝53には、シリンダ40の外周リブ43が嵌合される。本実施例では、内周溝53は外周リブ43の高さよりも浅い深さを有しており、シリンダ40は、少ない摩擦抵抗で回転自在にケース50に支持される。
また、ケース50の下面側の半円筒部材52には、後端部に径方向に延びるギヤカバー固定部55が一体的に設けられており、先端部の内周面に上方に突出したガイドリブ54が設けられている。ガイドリブ54は、ケース50のシリンダ40の外周面を支持する支持面よりも先端側に形成されており、ノズル30のガイド溝33cに嵌合することで、ノズル30の進退移動をガイドする。
ギヤカバー60は、モータ24の駆動ギヤ25とシリンダ40の回転ギヤ45とを内部に収容するように、ギヤカバー固定部55に固定されている。図9はギヤカバー60の前面図,上面図,側面図および後面図であり、図10は図9(b)のC−C断面図である。ギヤカバー60には、前面側(内面側)に2つのアウターパイプ62a,62bが設けられ、アウターパイプ62a,62bにそれぞれ連通し洗浄水が導入される2つの導入口63a,63bが後面側(外面側)に設けられている。アウターパイプ62a,62bは、それぞれインナーパイプ35a,35bの外径よりも若干大きな内径を有しておりそれぞれの内部にインナーパイプ35a,35bが挿入されることで、洗浄水の供給路を形成する。インナーパイプ35aおよびアウターパイプ62aの1組のパイプはパワフル洗浄用の洗浄水の供給路S1(図11参照)を形成し、互いに重なり合うように軸方向に相対移動することにより供給路S1が伸縮する。インナーパイプ35bおよびアウターパイプ62bの1組のパイプは、マイルド洗浄用の洗浄水の供給路S2(図11参照)を形成し、互いに重なり合うように軸方向に相対移動することにより供給路S2が伸縮する。また、これらの2組のパイプは、シリンダ40内で軸方向に沿って平行に配置されており、ノズル30の進退移動に伴って供給路S1,S2をシリンダ40内で伸縮可能である。なお、シリンダ40の回転に伴うノズル30の供回りは、ガイドリブ54とガイド溝33cとの嵌合によって防止可能であるが、2組のパイプを有することによっても防止可能である。インナーパイプ35a,35bの後端部の外周面には環状の凹溝が形成されており、この凹溝にOリング36が取り付けられている。Oリング36は、小径のインナーパイプ35a,35bの外周面と大径のアウターパイプ62a,62bの内周面との間の隙間をシールするように配置されており、供給路S1,S2の伸縮に伴って洗浄水が漏れるのを防止している。なお、ノズル39は、1種類のノズル孔への洗浄水の供給路が1組のインナーパイプおよびアウターパイプにより構成されている。
ノズル洗浄器80は、ケース50の先端部の開口縁に取り付けられる環状の部材であり、ノズル30の外周面に向かって洗浄水を噴出する噴出孔を有する。ノズル洗浄器80には、ホース82の一端が接続されており、ホース82の他端は、切替バルブ70に接続されている。
切替バルブ70は、脈動ポンプよりも下流の洗浄水流路の洗浄水の供給先を、ノズル30の2つの供給路S1,S2とノズル39の供給路とノズル洗浄器80のホース82とノズル洗浄器81のホース83のいずれとするかを切り替えるものであり、切替モータ72により駆動されるロータリバルブとして構成される。切替バルブ70は、継手73を介してノズル30への洗浄水の導入口63a,63bに接続されており、継手75を介してノズル39への洗浄水の導入口63cに接続されている。
次に、こうして構成された本実施例の衛生洗浄便座装置10(局部洗浄装置のノズルユニット20)の動作について説明する。図11はノズルユニット20の作動の様子を示す説明図である。なお、図11(a)は図4のA−A断面図である。衛生洗浄便座装置10の制御装置は、着座センサ13により使用者が便座14に着座していると判定し、かつ、操作パネル18のパワフル洗浄スイッチやマイルド洗浄スイッチが押下されておしり洗浄の開始が指示されたと判定すると、モータ24により駆動ギヤ25と噛合する回転ギヤ45を回転させて、シリンダ40を回転させる。シリンダ40が回転すると、ノズル30に設けられた凸条38がシリンダ40の内周面に形成された螺旋溝44aに沿って相対的に移動し、ノズル30は収容位置(図11(a)参照)からおしり洗浄用の洗浄位置に向かって進出する。このノズル30の進出に伴ってインナーパイプ35a,35bがアウターパイプ62a,62bから進出することにより洗浄水の供給路S1,S2が共に伸張する。そして、ノズル30が洗浄位置に到達すると(図11(b)参照)、制御装置は、ノズル30のノズル孔31a,31bのいずれかに脈動ポンプからの洗浄水が供給路S1,S2を介して供給されるように切替バルブ70(切替モータ72)を制御する。制御装置は、パワフル洗浄スイッチが押下された場合には供給路S1に導入口63aを介して洗浄水が供給されるように切替バルブ70を制御し、マイルド洗浄スイッチが押下された場合には供給路S2に導入口63bを介して洗浄水が供給されるように切替バルブ70を制御する。これにより、ノズル孔31aまたはノズル孔31bから人体の肛門部に向かって洗浄水が噴出され、おしり洗浄が開始される。
制御装置は、前スイッチ(洗浄位置調整スイッチ)が押下されて、洗浄位置の前方への変更が指示されたと判定すると、モータ24によりシリンダ40を回転させてノズル30を所定量進出させる。このノズル30の所定量の進出に伴って、インナーパイプ35a,35bがアウターパイプ62a,62bから所定量進出して供給路S1,S2が所定量伸張する。また、制御装置は、後スイッチ(洗浄位置調整スイッチ)が押下されて、洗浄位置の後方への変更が指示されたと判定すると、モータ24によりシリンダ40を逆回転させてノズル30を所定量後退させる。このノズル30の所定量の後退に伴って、インナーパイプ35a,35bがアウターパイプ62a,62b内に所定量進入して供給路S1,S2が所定量収縮する。このように、供給路S1,S2は、ノズル30の位置調整に追従するように伸縮するから、ノズル30の位置調整の調整量に拘わらず洗浄水を適切に供給することができる。そして、制御装置は、操作パネル18の停止スイッチが押下されて、おしり洗浄の停止が指示されたと判定すると、ノズル30への給水を停止する。そして、モータ24により回転ギヤ45を逆回転させ、ノズル30を収容位置に向かって後退させてシリンダ40内に収容させる。このノズル30の後退に伴ってインナーパイプ35a,35bがアウターパイプ62a,62b内に進入することにより供給路S1,S2が収縮する。制御装置は、ノズル30が洗浄位置から収容位置へ向かう途中または収容位置に到達したときに、ノズル洗浄器80からノズル30に向かって洗浄水が噴出されるよう切替バルブ70を制御し、ノズル30を洗浄する。
また、制御装置は、着座センサ13により使用者が便座14に着座していると判定し、かつ、操作パネル18のビデ洗浄スイッチが押下されてビデ洗浄の開始が指示されたと判定すると、モータ26により図示しないシリンダを回転させ、ノズル39をビデ洗浄用の洗浄位置に向かって進出させる。そして、ノズル39が洗浄位置に到達するとノズル39のノズル孔に脈動ポンプからの洗浄水が供給路を介して供給されるように切替バルブ70を制御して、ビデ洗浄を開始する。なお、ノズル39の進出に伴ってノズル39内のインナーパイプがアウターパイプから軸方向に進出することにより、洗浄水の供給路が伸張する。また、前スイッチまたは後スイッチが押下された場合には、制御装置は、ノズル39を前方または後方に所定量移動させる。これにより、ノズル39内のインナーパイプおよびアウターパイプにより構成される供給路が所定量伸縮する。そして、制御装置は、操作パネル18の停止スイッチが押下されてビデ洗浄の停止が指示されたと判定すると、ノズル39への給水を停止し、モータ26により回転ギヤを逆回転させ、ノズル39を収容位置に向かって後退させてシリンダ内に収容させる。このノズル39の後退に伴ってインナーパイプがアウターパイプ内に進入することにより洗浄水の供給路が収縮する。制御装置は、ノズル39が洗浄位置から収容位置へ向かう途中または収容位置に到達したときに、ノズル洗浄器81からノズル39に向かって洗浄水が噴出されるよう切替バルブ70を制御し、ノズル39を洗浄する。
以上説明した第1実施例の局部洗浄装置では、シリンダ40の回転に伴ってノズル30が進退移動するものにおいて、ノズル30の進退移動に伴って洗浄水の供給路S1,S2が伸縮するように構成されている。このため、ノズル30の移動位置に拘わらず洗浄水を供給可能となるから、ノズル30の進退方向における位置調整範囲を広げることができる。また、供給路S1,S2は、シリンダ40の内部で伸縮し装置外部にはみ出ることがないから、装置が大型化するのを防止することができる。
また、各供給路は、異なる径に形成され互いに重なり合うように軸方向に相対移動可能なインナーパイプおよびアウターパイプの組み合わせであるから、簡易な構成とすることができる。また、インナーパイプ35a,35bおよびアウターパイプ62a,62bの2組のパイプを有するから、2種類の噴出孔31a,31bに洗浄水を供給することができる。
また、大径のアウターパイプ62a,62bの内周面と小径のインナーパイプ35a,35bの外周面との間にOリング36が配置されるから、2つのパイプの間を適切にシールして洗浄水の漏れを防止することができる。
第1実施例では、ノズル30を洗浄するためのノズル洗浄器80を備えるものとしたが、これに限られず、図12の変形例のノズルユニット120に示すように、ノズル30を洗浄するための環状のスポンジ90を備えるものとしてもよい。図13はスポンジ90とシリンダ140の外観斜視図であり、図14は変形例のおしり洗浄用の構成が収容されたケース150の上面図,側面図および断面図であり、図15は図14(a)のD−D断面図である。なお、図14(c)は図14(b)のE−E断面図である。変形例のノズルユニット120は、おしり洗浄用の構成として、ノズル30やシリンダ140、ケース150、ギヤカバー160、モータ24などを備える。また、図示は省略するが、ノズルユニット120は、ノズルユニット20と同様のビデ洗浄用の構成や切替バルブ70などを備える。
変形例のノズルユニット120は、シリンダ140の2つの半円筒部材141,142の先端側の端面に、軸方向に突出する複数の固定爪146が等角度間隔で設けられている。スポンジ90は、図示しない切り込みが後端面に形成されており、半円筒部材141,142の固定爪146がその切り込みに嵌合することによりシリンダ140の先端に固定されてシリンダ140と一体回転するものとなる。また、スポンジ90は、シリンダ140と略同じ外径に形成されると共にノズル30の外表面に摺接可能な内径に形成され、内表面および外表面に凹凸が設けられている。ケース150の内周面には、2つの半円筒部材151,152の周方向の端面同士が突き合わされた状態で環状をなすように突出した内周リブ158が形成されており、スポンジ90は前端面がこの内周リブ158に当接することによりケース150内の配置箇所からの脱落が防止される。また、ケース150の半円筒部材151には、スポンジ90の配置箇所に連通する通水口157が設けられている。通水口157には、一端が切替バルブ70に接続された図示しないホースの他端が接続されており、当該ホースから通水口157を介してスポンジ90に洗浄水を供給可能となっている。また、この変形例では、ギヤカバー160の後面側に形成された導入口163a,163bが、継手73に代えて図示しないホースを介して切替バルブ70に接続されている。勿論、継手を介して接続されるものとしてもよい。なお、ケース150は、先端部の内周面にガイドリブ54が設けられておらず、このため、ノズル30もガイド溝33cが設けられないものとすることができる。ガイドリブ54が設けられないため、シリンダ40の回転に伴うノズル30の供回りの防止をガイドリブ54によって行うことはできないものの、インナーパイプ35a,35bおよびアウターパイプ62a,62bの2組のパイプにより行うことが可能である。
このように、ノズルユニット120は、ノズル30の外周面と摺接可能な内径に形成され、シリンダ40の先端に取り付けられた環状のスポンジ90を備えるから、シリンダ40の回転に伴ってノズル30が進退移動する際に、シリンダ40と一体回転するスポンジ90の内周面がノズル30の外周面に摺接することになる。これにより、ノズル30が進退移動する際に、ノズル30の外周面をスポンジ90が回転しながら清掃してノズル30の汚れを確実に除去することができるから、ノズルの清潔性を保つことができる。また、通水口157からスポンジ90に洗浄水を供給することができるから、スポンジ90の乾燥を防いでノズル30との密着性を高めると共に、除去した汚れを洗い流すこともできる。なお、スポンジ90の内周面および外周面には凹凸が設けられているから、凹凸が設けられないものに比してケース150の内周面との接触面積やノズル30の外周面との接触面積を少なくして、シリンダ40が回転する際の摺動抵抗を抑えることができる。また、スポンジ90が、抗菌作用を有する物質として、例えば二酸化チタンなどの光触媒、銀や銅などを含む無機系抗菌剤などを含有するものとしてもよい。こうすれば、スポンジ90に雑菌などが繁殖するのを抑制することができる。あるいは、銀イオンなどを含む除菌水を通水口157から供給して、スポンジ90に除菌水を通水することで抗菌作用を与えるものとしてもよい。なお、ノズル洗浄器80に代えてスポンジ90を設けるものに限られず、ノズル洗浄器80に加えてスポンジ90を設けるものとしてもよい。ノズル洗浄器80による洗浄とスポンジ90による清掃とによる相乗効果によって、ノズル30の汚れをより確実に除去することができる。このようにする場合、ノズル洗浄器80に洗浄水を供給するタイミングと、スポンジ90に洗浄水を供給するタイミングとを、異なるタイミングとするように制御してもよいし、同じタイミングとするように制御してもよい。
[第2実施例]
第1実施例では、インナーパイプ35a,35bおよびアウターパイプ62a,62bの2組のパイプが縦方向(上下方向)に平行に並ぶと共に導入口63a,63bと切替バルブ70とが継手73を介して接続されるものとしたが、これに限られず、2組のパイプが横方向(左右方向)に平行に並ぶものとしてもよいし、導入口と切替バルブとがホースを介して接続されるものとしてもよい。図16,図17は第2実施例のノズルユニット220の外観斜視図であり、図18はノズルユニット220の上面図であり、図19はノズルユニット220の分解斜視図である。
ノズルユニット220は、おしり洗浄用の構成として、ノズル230やシリンダ240、ケース50、ギヤカバー260、モータ24などを備え、ビデ洗浄用の構成として、ノズル239や図示しないシリンダ、ケース59、ギヤカバー269、モータ26などを備える他、切替バルブ270やノズル洗浄器280などを備える。ノズルユニット220は、これらの構成がハウジングのベース221に搭載されている。以下では、主におしり洗浄用の構成について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。
図20はノズル230の上面図,側面図および後面図であり、図21は図20(b)のG−G断面図であり、図22はノズル230の分解斜視図である。ノズル230は、2種類のノズル孔31a,31bが形成されたノズル本体231と、ノズル本体231の後端部に連結されるインナーノズル234と、インナーノズル234の後端部に連結され前端と後端とが開口した筒状のノズルテール237と、前端と後端とが開口しノズル本体231の後端部の縁に取り付けられると共にインナーノズル234とノズルテール237とを覆う筒状のノズルカバー233とを備える。インナーノズル234の後端には、第1実施例と同様のインナーパイプ35a,35bが左右に並ぶように取り付けられている。インナーパイプ35aはノズル孔31aに連通する本体内流路32aに接続され、インナーパイプ35bは、ノズル孔31bに連通する本体内流路32bに接続されている。各インナーパイプ35a,35bの後端には、第1実施例と同様にOリング36が取り付けられており、後述する各アウターパイプ262a,262bとの隙間をシールする。
シリンダ240は、図19に示すように、半円筒部材241,242の内周面に、第1実施例の内周リブ44よりも軸方向の幅(長さ)が大きな内周リブ244が形成されている。このため、第2実施例の螺旋溝244aは、シリンダ240の軸方向に隣り合う溝間のピッチが第1実施例の螺旋溝44aに比して広いものとなる。したがって、シリンダ240の単位回転あたりのノズル230の進退量が多くなるから、ノズル230を比較的速い速度で進退移動させることが可能となる。このようにノズル230が比較的速い速度で進退移動する場合でも、インナーパイプ35a,35bおよびアウターパイプ262a,262bの2組のパイプは軸方向への相対移動によって伸縮可能であるから、ノズル230の移動に容易に追従させて洗浄水を適切に供給することができる。なお、螺旋溝244aのピッチを第1実施例の螺旋溝44aと同じピッチとするものとしてもよい。また、ノズル230の洗浄位置や収容位置の位置決め精度を向上させるために、シリンダ240の先端部や後端部における螺旋溝244aのピッチを中央部におけるピッチよりも狭くするものなどとしてもよい。
図23はギヤカバー260の前面図,上面図,側面図および後面図であり、図24は図23(c)のH−H断面図であり、図25はギヤカバー260の分解斜視図であり、図26はアウターパイプ262a,262bの断面形状を示す説明図である。ギヤカバー260には、アウターパイプ262a,262bの後端を保持する筒状の保持部261が後面側に突出するように設けられており、保持部261の端面に導入口263a,263bが設けられている。導入口263a,263bは、それぞれホース273,274(図17,図18参照)を介して切替バルブ270に接続される。なお、ビデ洗浄用のギヤカバー269に設けられる導入口は、ホース275を介して切替バルブ270に接続される。アウターパイプ262a,262bは、外形の一部に肉厚の薄い平坦面を含むD型の断面形状を有するように形成されており、互いの平坦面を接触させるように組み合わせた状態で保持部261に保持される。また、保持部261内の後端部には、アウターパイプ262a,262bの断面形状に沿って窪む窪み部261a,261bが形成されている。アウターパイプ262a,262bは、後端が窪み部261a,261b内に圧入されており、圧入された状態でそれぞれ導入口263a,263bに連通する。このように、圧入によりアウターパイプ262a,262bが導入口263a,263bに連通するから、ギヤカバー260とアウターパイプ262a,262bとを別部材で構成した場合でも、ギヤカバー260とアウターパイプ262a,262bとの水密性を保って導入された洗浄水が漏れるのを防止することができる。
ノズル洗浄器280は、ケース50,59の先端部の上方に両ケース50,59に跨がるように取り付けられる門型状の部材であり、ノズル230,239の外周面に向かって洗浄水を下方に噴出する噴出孔を有する。ノズル洗浄器280には、ホース282の一端が接続されており、ホース282の他端は、切替バルブ270に接続されている。
図27はノズルユニット220の作動の様子を示す説明図である。なお、図27(a)は図18のF−F断面図である。第2実施例のノズルユニット220は、おしり洗浄の開始が指示されて、ノズル230が収容位置(図27(a)参照)からおしり洗浄用の洗浄位置に向かって進出すると(図27(a)参照)、ノズル230の進出に伴ってインナーパイプ35a,35bがアウターパイプ262a,262bから進出することにより、第1実施例と同様に供給路S1,S2が伸張する(S1は図示略)。このため、第1実施例と同様に、ノズル230の進退方向における位置調整範囲を広げつつ装置が大型化するのを防止することができる。
第1実施例や第2実施例では、ノズル30(130,230)に2種類のノズル孔31a,31bが形成され、インナーパイプ35a,35bおよびアウターパイプ62a,62b(262a,262b)の2組のパイプにより各ノズル孔31a,31bに洗浄水を供給するものとしたが、これに限られず、ノズル30(130,230)に3種類以上のノズル孔が形成され、インナーパイプおよびアウターパイプを1組として平行に配置された3組以上のパイプにより各ノズル孔に洗浄水を供給するものなどとしてもよい。
[第3実施例]
第1実施例や第2実施例では、洗浄水の供給路S1,S2がインナーパイプおよびアウターパイプにより構成されるものを例示したが、ノズル30の進退移動に伴って伸縮するように構成されていればよく、例えば可撓性のホースを用いるものなどとしてもよい。以下、第3実施例について説明する。図28は第3実施例のノズルユニット320の外観斜視図であり、図29はノズルユニット320の分解斜視図である。
ノズルユニット320は、おしり洗浄用の構成として、ノズル330やシリンダ40、ケース50、ギヤカバー360、ノズル洗浄器80、モータ24などを備え、ビデ洗浄用の構成として、ノズル339や図示しないシリンダ、ケース59、ギヤカバー369、ノズル洗浄器81、モータ26などを備える他、切替バルブ370などを備える。以下では、主におしり洗浄用の構成について、第1実施例や第2実施例と異なる点を中心に説明する。
図30はノズル330の上面図および側面図であり、図31は図30(a)のI−I断面図であり、図32はノズル330の分解斜視図である。ノズル330は、1種類のノズル孔31aが形成されたノズル本体331と、ノズル本体331の後端部に連結される円筒状のノズルテール337と、ノズル本体331とノズルテール337とを覆う共に先端部にノズル孔31aと連通する連通孔33aが形成され後端が開口した円筒状のノズルカバー333とを備える。ノズル本体331には、ノズル孔31aに連通する本体内流路32aに洗浄水を供給するための給水口332が後端面から後方に突出するように設けられており、この給水口332にホース334(図29参照)の一端が接続される。ホース334は、螺旋状に巻回されたゴムホースであり、伸縮可能となっている。
また、図33はギヤカバー360の上面図,後面図および断面図であり、図33(c)は図33(b)のJ−J断面図である。ギヤカバー360には、導入口363が後面(外面)に設けられると共に、導入口363に連通する接続口364が前面(内面)に設けられている。ギヤカバー360の接続口364には、ホース334の他端が接続される。これにより、ホース334は、導入口363からの洗浄水が接続口364を介して導入され、導入された洗浄水を給水口332を介してノズル本体331のノズル孔31aに供給することができる。即ち、ホース334が洗浄水の供給路Sを構成する。
図34はノズルユニット320の作動の様子を示す説明図である。ノズルユニット320は、おしり洗浄の開始が指示されて、ノズル330が収容位置(図34(a)参照)からおしり洗浄用の洗浄位置に向かって進出すると(図34(b)参照)、ノズル330の進出に伴ってノズル本体331の給水口332に一端が接続されたホース334が伸びることにより供給路Sが伸張する。また、前スイッチが押下されてノズル330が所定量進出すると、ホース334が所定量伸びて供給路Sが所定量伸張し、後スイッチが押下されてノズル330が所定量後退すると、ホース334が所定量縮んで供給路Sが所定量収縮する。また、ノズル330が収容位置に向かって後退すると、ノズル30の後退に伴ってホース334が螺旋状に券回されるように縮むことにより供給路Sが収縮する。このように、ホース334により構成される供給路Sは、ノズル330に追従するように伸縮するから、ノズル330の位置調整の調整量に拘わらず洗浄水を適切に供給することができる。このため、第1実施例と同様に、ノズル330の進退方向における位置調整範囲を広げつつ装置が大型化するのを防止することができる。
第3実施例では、ノズル330内にホース334が1本配置されるものとしたが、これに限られず、ホースが2以上の複数本配置されるものとしてもよい。即ち、ノズルが複数種類のノズル孔を有し、各ノズル孔への洗浄水の供給路Sとして複数本のホースが配置されてもよい。このようにする場合、径の細い複数本のホースを用いて互いの伸縮を許容するようにシリンダ40内に収めるものなどとすればよい。
第3実施例では、螺旋状のホース334を例示したが、これに限られず、伸縮が可能に構成された可撓性を有するホースであればよく、蛇腹状のホースなどとしてもよい。
[第4実施例]
次に、第4実施例について説明する。図35,図36は第4実施例のノズルユニット420の外観斜視図であり、図37はノズルユニット420の側面図および後面図であり、図38はノズルユニット420の分解斜視図である。また、図39はギヤカバー460の側面図および後面図であり、図40は図39(a)のJ−J断面図であり、図41はギヤカバー460の分解斜視図である。第4実施例のノズルユニット420は、第1,第2実施例のノズルユニット20,220などと同様に、おしり洗浄用の構成として、ノズル430やシリンダ440、ケース450、ギヤカバー460、モータ24などを備え、ビデ洗浄用の構成として、ノズル439や図示しないシリンダ、ケース459、ギヤカバー469、モータ26などを備える。ノズルユニット420は、これらの構成がハウジングのベース421に搭載されている。ノズルユニット420は、主にギヤカバー460,469の導入口(導入部)463,468や導入口463,468に取り付けられる継手471,474,477の構成がノズルユニット20,220などと異なるため、以下では、それらを中心に説明する。
おしり洗浄用のギヤカバー460では、2つのアウターパイプ462a,462bがギヤカバー460と別体に設けられており、それらのアウターパイプ462a,462bの後端部を保持すると共に洗浄水が導入される筒状の導入口463が後面から後方に突出するように設けられている。導入口463の突出方向は、ノズル30の軸方向と同方向であり、ノズル30の進退移動の方向と同方向となる。導入口463は、2つのアウターパイプ462a,462bが横並びに嵌め込まれるように断面形状が略長円形状に形成されており、円弧状の左右の両側面の一部を部分的に切り込んで形成された左右一対のパイプ押え463aが設けられている。パイプ押え463aは、導入口463との接続辺を残して略U字状に切り込まれたカンチレバー状に形成されて弾性変形が可能となっている。導入口463は、一対のパイプ押え463aの先端側(自由端側)の内面で、2つのアウターパイプ462a,462bの外周面を押さえ付けることでアウターパイプ462a,462bを保持している(図40参照)。また、導入口463の突出端側には、アウターパイプ462a,462bの後端にそれぞれ接続される継手471,474と、継手471,474を保持するホルダ466とが設けられている。
継手471は、先端部の外径がアウターパイプ462aの内径に嵌合可能に形成されアウターパイプ462aの後端に接続される円筒状のパイプ接続部472と、洗浄水を供給するための図示しないホースに接続される円筒状のホース接続部473とが屈曲するように一体成形されたものである。同様に、継手474は、アウターパイプ462bに接続される円筒状のパイプ接続部475と、ホースに接続される円筒状のホース接続部476とが屈曲するように一体成形されたものである。これらの継手471,474は、パイプ接続部472,475の延在方向とホース接続部473,476の延在方向とのなす屈曲角度である角度α(図39(a)参照)が鋭角となるように形成されている。ここで、ノズルユニット420は、便座装置本体12に組み付けられた状態でノズル430やノズル439の進退移動の方向が水平面(ベース421の上面)に対して角度β傾斜するものとなっている(図35参照)。継手471,474の角度αは、角度βと合わせて直角となる角度となっており、本実施形態では角度βを20度、角度αを70度とする。このため、ノズルユニット420(ベース421)が便座装置本体12に組み付けられた状態で、継手471,474のホース接続部473,476が鉛直下向きとなるように配設することができるから、角度αが直角のものなどに比してホース接続部473,476が後方に突出する量を抑えることができる。継手471,474のパイプ接続部472,475の先端部の外周面には環状の凹溝472a,475aが形成されており、この凹溝472a,475aにOリング464が取り付けられている。Oリング464は、パイプ接続部472,475の外周面とアウターパイプ462a,462bの内周面との間の隙間をシールするものであり、洗浄水が漏れるのを防止している。また、継手471,474のパイプ接続部472,475の凹溝472a,475aの後方(ホース接続部473,476)側には、側面がアウターパイプ462a,462bの端面と当接する環状の凸部472b,475bが形成されている。
図42はホルダ466の側面図,正面図および上面図であり、図43は継手471,474の回転の様子を示す説明図である。ホルダ466は、継手471,474のパイプ接続部472,475がそれぞれ嵌まる左右一対の切欠部466bが形成された保持部466aと、保持部466aの上端および下端からそれぞれ突出する上下一対の係合フック466cとにより構成されている。ホルダ466は、上下一対の係合フック466cが、導入口463の外周面における上面と下面に形成された係合爪部463bにそれぞれ係合することにより、導入口463に取り付けられる。また、切欠部466bは、パイプ接続部472,475の環状の凸部472b,475bが挿通不能な内径に形成されている。ホルダ466は、切欠部466bから継手471,474のパイプ接続部472,475(凸部472b,475b)が脱落するのを防止しつつ、パイプ接続部472,475の軸回りの回転を許容するように保持している。このため、図43に示すように、継手471,474は、互いに干渉しない範囲内で、任意の角度に回転することができる。
また、図44はギヤカバー469の分解斜視図であり、図45は継手477の回転の様子を示す説明図である。ビデ洗浄用のギヤカバー469では、アウターパイプ462cがギヤカバー469と別体に設けられており、そのアウターパイプ462cの後端部を保持すると共に洗浄水が導入される筒状の導入口468が後面から後方に突出するように設けられている。導入口468は、断面形状が略円形状に形成されており、パイプ押え463aと同様に側面の一部を部分的に切り込んで形成された一対のパイプ押え468aが設けられている。導入口463は、一対のパイプ押え468aの先端側(自由端側)の内面で、アウターパイプ462cの外周面を押さえ付けることでアウターパイプ462cを保持している。また、導入口468の突出端側には、アウターパイプ462cの後端に接続される継手477と、継手477を保持するホルダ467とが設けられている。
継手477は、継手471,474と同じ形状であり、アウターパイプ462cに接続される円筒状のパイプ接続部478と、図示しないホースに接続される円筒状のホース接続部479とが屈曲するように一体成形されたものである。継手477は、パイプ接続部478の延在方向とホース接続部479の延在方向とのなす角度(屈曲角度)が、角度αと同じく鋭角となっている。このため、ノズルユニット420が便座装置本体12に組み付けられた状態でホース接続部479を鉛直下向きとなるように配設して、ホース接続部479が後方に突出する量を抑えることができる。また、パイプ接続部478の環状の凹溝478aにOリング464が取り付けられている。ホルダ467は、継手477のパイプ接続部478が嵌まると共にパイプ接続部478の環状の凸部478bが挿通不能な内径に形成された1の切欠部467bが形成された保持部467aと、保持部467aの上端および下端からそれぞれ突出し導入口468の係合爪部468bに係合される上下一対の係合フック468cとにより構成されている。ホルダ467は、切欠部467bから継手477のパイプ接続部478(凸部478b)が脱落するのを防止しつつパイプ接続部478の軸回りの回転を許容するように保持している。このため、図45に示すように、継手477は、水平横向き(図45(a)参照)や鉛直下向き(図45(b)参照)などの任意の角度に回転することができる。
この第4実施例では、ギヤカバー460の導入口463には、アウターパイプ462a,462bとの接続を介して導入口463に接続されるパイプ接続部472,475と、ホースに接続されるホース接続部473,476とを有する継手471,474が取り付けられる。継手471,474は、パイプ接続部472,475の延在方向とホース接続部473,476の延在方向とのなす角度αが鋭角となるように形成されている。同様に、ギヤカバー469の導入口468には、パイプ接続部478と、ホース接続部479とを有する継手477が取り付けられる。継手477も、パイプ接続部478の延在方向とホース接続部479の延在方向とのなす角度が鋭角となるように形成されている。したがって、ノズル30,39の進退移動の方向が水平方向に対して傾斜したものにおいて、パイプ接続部の延在方向とホース接続部の延在方向とのなす角度が直角となる継手を用いる場合に比して、導入口463,468から継手471,474,477が後方に突出する量を抑えて装置のコンパクト化を図ることができる。
また、第4実施例では、継手471,474は、導入口463に対するパイプ接続部472,475の回転を許容すると共にパイプ接続部472,475の延在方向への移動を規制するように、ホルダ466によって保持されている。また、継手477は、導入口468に対するパイプ接続部478の回転を許容すると共にパイプ接続部478の延在方向への移動を規制するように、ホルダ467によって保持されている。このため、洗浄水の供給用のホースとの接続に適した向きとなるように継手471,474,477の向きを自在に変更することができるから、ホースを適切に引き回して装置をコンパクトに収めることが可能となる。また、ホルダ466,467で継手471,474,477を保持する構成とすることで、継手471,474,477を導入口463,468と別体の構成としつつ、洗浄水の水圧によって継手471,474,477が外れるのを適切に防止することができる。継手471,474を導入口463と一体の構成とした場合、射出成形の際の型抜きの制約により、各継手の位置を前後にずらす必要が生じて後方への突出量が増えるからノズルユニット420の全長が長いものとなる。本実施例では、継手471,474,477を別部材として構成することで、継手の位置を前後にずらす必要がないから、装置が大型化するのを適切に防止することができる。
この第4実施例のノズルユニット420を以下のように構成してもよい。図46は変形例のホルダ466xを含むギヤカバー460の分解斜視図であり、図47は変形例のホルダ466xの側面図,正面図および上面図である。変形例のホルダ466xは、ホルダ466と同様に、保持部466aと切欠部466bと係合フック466cとを備える。また、ホルダ466xは、ホルダ466と異なり、保持部466aの後面から後方に突出するように形成された2つ1組の突出部466dを計2組(計4つ)有している。2組の突出部466dは、それぞれ切欠部466bの下方に配設されており、各組の左右の突出部466dの配設間隔がホース接続部473,476の外径に合わせた間隔となっている。このため、ホース接続部473,476をそれぞれ対応する組の突出部466dに嵌めるように収めることで、継手471,474の回転を規制して鉛直下向きで保持することができる。したがって、継手471,474を鉛直下向きの状態で使用する場合などに、継手471,474の向きが不必要に変わるのを抑制することができる。勿論、ホース接続部473,476が、それぞれ対応する組の突出部466dのうち外側の突出部466dを乗り越えるように回転させれば、突出部466dによる回転の規制を解除して、継手471,474を任意の向きで使用することは可能である。なお、図示は省略するが、ホルダ467の保持部467aに、突出部466dと同様に突出部を配設してもよい。
また、図48はプレート465を含む変形例のギヤカバー460の断面図であり、図49はプレート465を含む変形例のギヤカバー460の分解斜視図であり、図50はプレート465の正面図である。この変形例では、パイプ接続部472,475の各凸部472b,475bとホルダ466(保持部466a)との間にプレート465が配設されている。プレート465は、例えば金属製のプレートであり、ホルダ466の切欠部466bと同様にパイプ接続部472,475がそれぞれ嵌まる左右一対の切欠部465aが形成されている。プレート465が配設されることにより、ホルダ466の保持部466aを補強することができるから、継手471,474をより確実に保持することができる。なお、プレート465は炭素繊維で形成されるものなどとしてもよい。また、図示は省略するが、プレート465を略C字状に半切するように形成された形状のプレートを、パイプ接続部478の凸部478bとホルダ467(保持部467a)との間に配設するものとしてもよい。
第4実施例では、継手471,474のパイプ接続部472,475とホース接続部473,476とのなす角度αと、ノズル430,439の進退移動の水平面に対する角度βとを合わせて直角としたが、これに限られず、角度αが鋭角となるように継手471,474を形成するものであればよい。継手477についても同様である。
第4実施例では、継手471,474,477が回転可能に保持されるものとしたが、これに限られず、回転不能に固定されるものとしてもよい。また、継手471,474が導入口463と別部材とされると共に継手477が導入口468と別部材とされるものとしたが、これに限られず、継手471,474が導入口463と一体の部材とされたり、継手477が導入口468と一体の部材とされたりしてもよい。そのようにする場合、ホルダ466,467やOリング464を備えないものとすればよい。
[第5実施例]
次に、第5実施例について説明する。図51〜図54は第5実施例のノズルユニット520の外観斜視図であり、図55はノズルユニット520の分解斜視図であり、図56はケース550の半円筒部材552の側面図,後面図であり、図57は図56(b)のK−K断面図であり、図58は図56(b)のL−L断面図である。図59はギヤカバー560の正面図,側面図であり、図60は図59(a)のM−M断面図であり、図61は図59(a)のN−N断面図である。また、図62はノズルユニット520の側面図,後面図であり、図63は図60(b)のO−O断面図であり、図64は図60(b)のP−P断面図である。第5実施例のノズルユニット520は、第1,第2,第4実施例のノズルユニット20,220,420などと同様に、おしり洗浄用の構成として、ノズル530やシリンダ540、ケース550、ギヤカバー560、モータ24などを備え、ビデ洗浄用の構成として、ノズル539や図示しないシリンダ、ケース559、ギヤカバー569、モータ26などを備える。ノズルユニット520は、これらの構成がハウジングのベース521に搭載されている。ノズルユニット520は、主にモータ24,26の取り付けの構成が第1,第2,第4実施例と異なる。また、シリンダ540の半円筒部材542の内周面に形成された螺旋溝544aと螺旋溝544aに嵌合する凸条38とをより適切な構成としている。このため、以下では、それらを中心に説明する。
おしり洗浄用のケース550とギヤカバー560とは、ケース550(ギヤカバー固定部555)に設けられた係合爪部555a,555b(図53参照),555c,555d(図54参照)のそれぞれに、ギヤカバー560に設けられた係合フック560a,560b(図53参照),560c,560d(図54参照)が係合することにより、組み付けられている。なお、図55に示すように、係合爪部555aは、半円筒部材551とギヤカバー固定部555とに分かれて形成されており、半円筒部材551,552が組み合わされることにより係合フック560aと係合する。係合爪部555cも同様である。係合爪部555b,555dはギヤカバー固定部555に形成されている。
また、ギヤカバー固定部555には、ギヤカバー560と対向する内面の縁部近傍に、円柱状に形成された2つの取付ピン556a,556bが設けられている(図56〜図58参照)。また、ギヤカバー560には、ギヤカバー固定部555と対向する内面のうち取付ピン556a,556bに対応する位置に、円筒状に形成されて取付ピン556a,556bが嵌合可能な内径を有する筒状部561a,561bが設けられている(図59〜図61参照)。なお、詳細な図示は省略するが、ケース559のギヤカバー固定部とギヤカバー569とは、ケース559のギヤカバー固定部に設けられた係合爪部とギヤカバー569に設けられた係合フックとの係合により組み付けられている。また、ケース559のギヤカバー固定部には取付ピンが設けられ、ギヤカバー569には筒状部が設けられている。
第5実施例のモータ24は、左右一対のフランジ24aに形成された取付孔24bに、取付ピン556a,556bがそれぞれ挿入されることにより、ギヤカバー固定部555に取り付けられる。また、ギヤカバー固定部55とギヤカバー560とが組み付けられると、筒状部561a,561bと取付ピン556a,556bとが嵌合し、筒状部561a,561bの先端の環状面でフランジ24aが押さえ付けられる。これにより、モータ24がギヤカバー固定部555およびギヤカバー560の間に固定される(図62〜図64参照)。また、図示は省略するが、モータ26も同様に、ケース559のギヤカバー固定部の取付ピンと、ギヤカバー569の筒状部とにより、ケース559のギヤカバー固定部およびギヤカバー569の間に固定される。なお、第1,第2,第4実施例などでは、フランジ24aの取付孔24bにネジN(図38参照)を挿通し、ギヤカバー固定部などに形成されたネジ孔に締結することでモータ24を固定している。第5実施例ではネジNを用いることなくモータ24,26を固定するから、部品点数を抑えてコストダウンを図ることができる。また、ネジNを締結する作業が不要となるため、モータ24,26の組み付け(固定)を容易に行うことができる。また、取付ピン556a,556bが、それぞれ係合爪部555b,555dに隣接する位置(近傍位置)に設けられており、筒状部561a,561bが、それぞれ係合フック560b,560dに隣接する位置(近傍位置)に設けられている。このため、係合爪部555bと係合フック560bとの係合力および係合爪部555dと係合フック560dとの係合力を、筒状部561a,561bによってフランジ24aを押さえ付ける力に有効に利用することができるから、ネジNを用いないものとしてもモータ24の固定を適切に行うことができる。
次に、第5実施例のシリンダ540(半円筒部材541,542)の内周面に形成される螺旋溝544aの構成について説明する。図65は半円筒部材541,542の内周面Aの平面図であり、図66は半円筒部材541,542の内周面Bの平面図であり、図67は半円筒部材541,542の内周面Cの平面図であり、図68は螺旋溝544aの角度γと負荷トルクとノズル速度とセルフロック力との関係を示す説明図である。なお、第5実施例のシリンダ540の内周面として、図65〜図67の内周面A〜Cのいずれかが採用されているものとし、内周面A〜Cを特に区別する必要がある場合を除いて、単に内周面という。第5実施例のノズルユニット520は、第1実施例のノズルユニット120などと同様に、モータ24の駆動により回転したシリンダ540の回転運動を、ノズル530に設けられた凸条38(図55参照)とシリンダ540の内周面に形成された螺旋溝544aとの相対移動による直線運動に変換することで、ノズル530を前後に進退移動させる。
シリンダ540の内周面には、周方向の一部において螺旋溝544aが形成されていない非形成領域544bが軸方向の全長に亘って設けられている。即ち、螺旋溝544aは、内周面の周方向の一部が軸方向の全長に亘って途切れるように形成されている。この非形成領域544bは、シリンダ540内に浸入した水をシリンダ540の傾斜により流下させて排出させる領域として利用可能である。また、半円筒部材541,542の内周面の周方向における両端部に非形成領域544bが設けられることにより、射出成形の際の型抜きをスムーズに行うことができる。
ここで、第5実施例では、以下のように、螺旋(螺旋溝544a)の角度と、螺旋の条数である凸条38の数とが定められている。螺旋の角度は、シリンダ540の軸方向に直交する基準面に対する角度(傾斜角度,送り角度)であり、図65〜図67中に螺旋溝544aの角度γ(γ1,γ2,γ3)として示す。この角度γが大きくなるほどシリンダ40の1回転当りのノズル530の移動量が大きくなるから、図66に示すように、角度γが大きくなるほどノズル530の移動速度が大きくなると共に負荷トルクが大きくなる傾向となる。また、ノズル530に作用するセルフロック力は、螺旋の角度γが小さくなったり角度γが大きくなったりすると大きくなり、角度γが45°のときに最も小さくなる傾向にある。このため、例えば螺旋の角度γを30°から60°の間の角度とすると、凸条38と螺旋溝544aとの摺動摩擦を小さくして、負荷トルクが極端に大きくなるのを抑えると共にノズル速度が極端に遅くなるのを防止することができる。即ち、摩擦ロスを抑えてノズル530を効率よく進退移動させることができる。さらに、角度γを45°前後の角度とすると、セルフロック力がより小さくなるから、例えばノズル530が伸びた状態で止まった場合でも使用者などが手でノズル530を押し込むことも可能となる。したがって、螺旋の角度γは、例えば30°から60°の間の角度が好ましく、より好ましくは40°から50°の間の角度となる。一方、凸条38の数が少なくなると、一部が途切れた螺旋溝544aと凸条38との嵌合が不安定となってノズル530の進退移動時のガタツキが大きくなったり、1つの凸条38と螺旋溝544aとの摺動摩擦が大きくなって凸条38が摩耗し易くなったりする。また、上述した非形成領域544bの周方向における幅を確保するために螺旋溝544aの周方向における幅を小さくしつつノズル530の進退移動を安定させるためには、凸条38の数をできるだけ増やすことが好ましい。これらのことを考慮して、少なくとも2つの凸条38が常時螺旋溝544aに嵌合するように螺旋の条数と角度γとを定めることとして、図65〜図67に示すような角度γを定めると共に、凸条38の数(図示略)を定めた。図65は螺旋(凸条38の数)を4条として角度γを約30°としたものを示し、図66は螺旋を4条として角度γを約40°としたものを示し、図67は螺旋を6条として角度γを約45°としたものを示す。図65〜図67のいずれの例でも、ノズル530を効率よく且つスムーズに進退移動させることができるものとなるから、いずれの例を採用してもよいが、角度γが約45°である図67の例が最も好ましいものとなる。
このように第5実施例では、螺旋溝544aは、シリンダ540の内周面の周方向の一部で途切れるように形成されており、少なくとも2つの凸条38が螺旋溝544aに常時嵌合するように、螺旋溝544aの角度γと凸条38の数とが定められている。このため、螺旋溝544aに途切れている箇所があっても凸条38を螺旋溝544aに適切に嵌合させて、ノズル530の進退移動を安定させることができる。なお、ノズル549においても同様に構成することで、同様の効果が得られるものとなる。
第5実施例では、ネジを用いることなくモータ24を固定するようにケース550やギヤカバー560を構成したが、これに限られず、他の実施例と同様にネジを用いてモータ24(26)を固定するものなどとしてもよい。
第5実施例の複数の螺旋溝544aのうち1の螺旋溝544aの幅を他の螺旋溝544aよりも広くし、複数の凸条38のうち1の螺旋溝544aと嵌合する1の凸条38の幅を他の凸条38よりも大きくするものなどとしてもよい。これにより、対応する1組の螺旋溝544aと凸条38とが決まるため、シリンダ540とノズル530との位相合わせを容易に行うことができる。
実施例では、第1実施例の変形例のノズルユニット120がスポンジ90を備えるものを説明したが、これに限られず、他の実施例のノズルユニット220,320,420,520がスポンジ90を備えるものとしてもよい。
実施例では、シリンダ40(以下、シリンダ140,240,440,540を含む)を構成する2つの半円筒部材41,42のうち一方の半円筒部材41に環状の回転ギヤ45を設けるものとしたが、これに限られず、回転ギヤ45は、半円筒部材41,42の周方向の端面同士が突き合わされた状態で環状をなすように半円筒部材41,42のそれぞれに分割して設けられるものとしてもよい。
実施例では、シリンダ40の外周面に環状の外周リブ43を形成し、ケース50(以下、ケース59,150,450,550を含む)の内周面に外周リブ43に嵌合される環状の内周溝53を形成するものとしたが、シリンダ40の外周面に外周溝を形成し、ケース50の内周面に外周溝に嵌合する内周リブを形成してもよい。リブは、必ずしも環状に形成されたものに限られず、円弧状に形成されてもよく、溝と嵌合可能であれば如何なる形状であってもよい。
実施例では、シリンダ40の螺旋溝44aと嵌合する嵌合部としてノズル30の後端部の外周面に複数の凸条38を設けるものとしたが、これに限られず、ノズル30の後端部の外周面に等角度間隔に転動可能なボールを配設するものとしてもよい。
実施例では、シリンダ40と同軸に回転するようにシリンダ40の後端部の外周面に外歯の回転ギヤ45を設けるものとしたが、これに限られず、シリンダ40の後端面にシリンダ40と同軸に回転するようにフェースギヤなどの環状のかさ歯車を設け、回転軸に取り付けられる駆動ギヤがかさ歯車と噛合するようにモータを配置するものとしてもよい。
実施例では、シリンダ40は、2つの半円筒部材41,42により形成されるものとしたが、これに限られず、単一の円筒部材により形成されてもよいし、3つ以上の円弧状に湾曲した部材により形成されてもよい。
第1実施例や第2実施例,第4実施例,第5実施例では、ノズル30の2種類のノズル孔31a,31bをそれぞれおしりパワフル洗浄用とおしりマイルド洗浄用として用いるものとしたが、これに限られず、おしり洗浄用とビデ洗浄用として用いるものなどとしてもよい。このようにする場合、ノズルを2本備えるものに限られず、ノズルを1本のみ備えるものなどとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、螺旋溝44a,244a,444a,544aが「螺旋溝」に相当し、シリンダ40,140,240,440,540が「回転体」に相当し、回転ギヤ45が「回転ギヤ」に相当し、モータ24が「モータ」に相当し、ノズル孔31a,31bが「噴出口」に相当し、ノズル本体31(231,331)が「本体部」に相当し、凸条38が「嵌合部」に相当し、ノズル30(230,330,430,530)が「ノズル」に相当し、導入口63a,63b(163a,163b,263a,263b,363,463,468)が「導入部」に相当し、供給路S1,S2(S)が「供給部」に相当する。また、インナーパイプ35aとアウターパイプ62a(262a)およびインナーパイプ35bとアウターパイプ62b(262b)がそれぞれ「供給部」としての「2つのパイプ」(1組)に相当し、両者が「2組のパイプ」に相当する。スポンジ90が「スポンジ部材」に相当する。Oリング36が「シール部材」に相当する。ホース334が「供給部」としての「ホース」に相当する。また、パイプ接続部472,475,478が「第1接続部」に相当し、ホース接続部473,476,479が「第2接続部」に相当し、継手471,474,477が「継手」に相当する。ホルダ466,467が「保持部材」に相当する。
なお、本実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、本実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、本実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。