JP2019196366A - 閉塞性ポリマーヒドロゲルに関する組成物および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期的可逆的男性避妊の為、輸精管内に閉塞状態を作ることができるヒドロゲル組織ブリッジを形成する組成物の提供。【解決手段】ヒドロゲル組織ブリッジの合成のためにスチレンマレイン酸系ポリマーをジメチルスルホキシドに溶解させて男性被検体の輸精管に注射し、ヒドロゲル組織ブリッジを作る方法。また、このヒドロゲル組織ブリッジは、輸精管の管腔に塩基性緩衝液を注射することにより破壊することができる方法。【選択図】なし
Description
関連出願の相互参照
本出願は、その全体を本明細書に援用する、2013年10月17日に出願された米国特許仮出願第61/892,404号の利益を主張する。
本出願は、その全体を本明細書に援用する、2013年10月17日に出願された米国特許仮出願第61/892,404号の利益を主張する。
本組成物および方法は、閉塞状態を作るのに使用されるヒドロゲル組織ブリッジ、および関連する体内の構造物の分野に関する。
IUDおよび埋め込み式徐放性避妊薬などの長期的可逆的避妊具は女性の妊娠予防の一般的な方法になっているが、男性用の類似の方法は存在しない。加えて、男性の短期的可逆的避妊具、たとえば男性用コンドーム、膣外射精および周期的禁欲法は、失敗率が比較的高く(非特許文献1)、男性避妊の理想的な解決策とは言い難い。さらに、これらの基本的な避妊具でさえも一部の国の人々には容易に入手できない、または受け入れられていない可能性がある。これらのおよび他の多くの理由から、現在、長期的可逆的男性避妊が早急に必要とされているが、まだかなえられていない。
これまで一般に利用可能な唯一の男性の長期的避妊方法は精管切除、すなわち被検体の輸精管を切断して焼灼し、精巣からの精子の通過を効果的に防止する外科的処置である。精管切除は非常に効果的な避妊手段であるが、被検体が精管吻合と呼ばれる精管復元術を行うと決断した場合、被検体の費用は非常に高いうえ、処置が必ずしも成功するとは限らない。
精管切除に代わるものを作ろうといくつかの試みがなされてきた。具体的には、輸精管を遮断する装置が、ウレタンおよびシリコーン栓のほか、注射用医療グレードシリコーンおよびポリウレタンゴムで製造されてきた。これらの方法は試験されてきたが、漏出および/または瘢痕化によりうまく行かないことが証明されている(非特許文献2)。輸精管に移植される弁も、うまく行かなかった(ホランダー(Hollander)が公開した特許文献1を参照)。管壁に固定した柔軟な合成物を用いるウレタンメッシュ栓を含むイントラバス(Intra Vas)装置がヒトで試験されてきた(非特許文献3)。しかしながら、この装置は第2相臨床試験において精管切除ほど効果的でないことが証明され、断念された。
長期的可逆的男性避妊具を作るための、スチレンマレイン酸系ポリマーの使用が、以前に開示されている。具体的には、グーハ(Guha)(特許文献2および特許文献3)は、スチレン無水マレイン酸、または等量部でないスチレン無水マレイン酸およびスチレンマレイン酸を含み、大部分が無水物である混合物、の溶液から作られる、輸精管に使用されるポリマーを開示している。グーハは効果的であると同時に可逆的である男性避妊の一形態を開示したと主張しているが、数十年の開発プロセスにもかかわらず、これはまだ規制上の承認を得ていない。この方法の欠点は、スチレンマレイン酸系ポリマーの合成およびその使用の両方にあることが示されている。第1に、グーハのポリマーの合成は、スチレンマレイン酸モノマーのフリーラジカル重合を開始するために、γ線照射を使用する必要がある。γ線の使用は危険である場合があり、一般的な小規模合成と大規模製造とを問わず簡便または実用的でない。さらに、グーハの方法には、レトルト処理、有機/水溶性結晶化/分離および他の困難な製造プロセスを必要とする面倒な精製ステップが不可欠である。
グーハが注射用のスチレン無水マレイン酸からなる組成物を教示していることは、非常に注目すべきことであり、本発明との相違点である。彼は、体内に注射されたならば、無水物残基が酸に変換される(さらに彼はこれが、精子を非活性化する安定な電荷およびpH作用を与えると主張している)と説明しているが、彼の教示内容には、製品が、満足な効果を発揮するために注射時に無水マレイン酸を含まなければならないことが含まれる。本組成物および方法は、スチレン無水マレイン酸ではなく、ほぼ完全にスチレンマレイン酸に基づく。こうしてスチレン無水マレイン酸より多くスチレンマレイン酸を使用することは、重要な本発明の発見に基づく。無水物は、市販されているジメチルスルホキシド(DMSO:dimethyl sulfoxide)中の残留水(およびその高い吸湿性)によりDMSO中で容易に安定化しないことが分かっている。無水物を安定化できないことから、製造、品質管理および保管期間を管理することが難しく、注射時の製品の粘度および他の特性が一定せずに予測できない可能性がある。無水物が多いまたは全部が無水物であるポリマーは、注射時により硬質の半硬質固体を形成し、これが患者にとって、栓が後で軟ゼラチン質の酸形態に変わるまで合併症のリスクとなり得ることが観察されている。我々の研究では、グーハの教示内容と正反対に、DMSO中で安定化することができ、耐久性のある避妊機能および取り扱い性を備えながら、注射用医療品に求められる十分に管理された品質およびコンシステンシーを有し得る酸系ポリマーを容易に製造することができるものと現在判定されている。さらに、注射時にグーハの教示内容と正反対に、本組成物は、精子の通過を耐久性があり可逆的に妨害することができる軟質で安定な空間埋め栓を容易に形成することができる。要するに、本組成物および方法は、インビボで活性剤に変換されると考えられる無水物系ポリマーの「プロドラッグ」を製造することが不必要であり、実際に好ましくないことを示す。逆に本開示は、本酸形態を効果的な閉塞剤として製造し、直接使用できることを証明する。
グーハの方法は、60〜100キロダルトン(kDa)、グーハの好ましい範囲では70〜80kDaの分子量を有するスチレン無水マレイン酸バルクを作る。得られたスチレン無水マレイン酸バルクをより少ない量のスチレンマレイン酸バルクと混合して、混合ポリマーを形成することができる。次いでこの混合ポリマーをDMSOに加えて注射用溶液を作り、これを針およびシリンジにより輸精管に導入すればよい。
興味深いことに、グーハは、不透過性の閉塞状態を作ることを教示していない。むしろ、彼のポリマーは、注射されたポリマーの間隙を精子が通過すると、スチレン無水マレイン酸およびスチレンマレイン酸の両方を含むポリマーの残基により生成される電荷により、精子を化学的に不活性化するとグーハは考える。具体的には、彼のポリマーは、精細胞が横断しなければならいことで不活性化される、荷電表面を有する通路を開放したままにするとグーハは教示する。彼の開示したポリマーが、それを通過する精子のすべてを非活性化するというグーハが正しくても正しくなくてもよいが、すべての精細胞の輸精管の通過を防止する、輸精管における閉塞状態の形成により、こうした化学的非活性化の必要はなくなると考えられる。
男性避妊の分野では、輸精管内に閉塞状態を作ることができるヒドロゲル組織ブリッジを含む長期的可逆的男性避妊具がなく、これを必要としているのが現状である。こうした閉塞状態を作るのに必要とされるポリマーは、小さな空間を埋めることができ、かつ精子を通さない栓として固まる一方、好ましくは他の体液の通過をなお可能にすると考えられる流動性を有さなければならない。この栓は、周囲の組織の損傷を回避し、患者にとって硬質な栓の場合より快適であるように軟質で柔軟なままであることが好ましいと考えられる。
トルーセル(Trussell)J著、「米国における避妊の失敗(Contraceptive failure in the United States)」、コントラセプション(Contraception)2004年;第70巻:p.89−96
トゥシアーニ(Tulsiani)およびアバウ−ヘイラ(Abou−Haila)著、2008年
ソング(Song)ら著、2006年
輸精管または他の生体管腔もしくは空洞内に閉塞状態を作ることができるヒドロゲル組織ブリッジであって、形成するポリマーは、小さな空間を埋めて栓を形成することができる流動性を有し、栓は精子を通さない一方、他の体液の通過を可能にし、かつ周囲の組織の損傷を回避し、患者にとってより快適であるように柔軟なままであるヒドロゲル組織ブリッジを含む長期的可逆的男性避妊具を作るための方法および組成物を提供することが、本開示の態様である。
この態様は、溶媒に溶解したポリマーを含むヒドロゲル形成溶液であって、ポリマーは75%超がスチレンマレイン酸からなり、溶媒はDMSOであるヒドロゲル形成溶液により達成することができる。
この態様はまた、被検体内にある空間内にヒドロゲル組織ブリッジを作るためにヒドロゲル形成溶液を使用するための方法であって、ヒドロゲル形成溶液は注射装置により被検体内の空間内に入れることができ、ヒドロゲル形成溶液は空間内にヒドロゲル組織ブリッジを作るために空間内の利用可能な水および水溶液を吸収する、方法により達成することができる。
本開示のさらなる特徴および利点のほか、本開示の種々の実施形態の詳細は、添付の図面から明らかになり、より容易に理解されるであろう。
この例示的な実施形態の記載は、書面による記載全体の一部と見なされる添付図面と共に読まれることを意図している。
本開示は一般的に、本明細書では「ヒドロゲル形成溶液」ともいう特殊なヒドロゲル誘起/作成溶液により作られる、選択された解剖学的構造領域における半固体のヒドロゲル組織ブリッジの選択的可逆的形成に関する。ヒドロゲル組織ブリッジは、解剖学的構造へのヒドロゲル形成溶液の適切な注射または他の施用により実施することができる。さらに詳しくは、本開示は、こうしたヒドロゲル形成溶液用に計画されたいくつかの組成物、およびこうした溶液の容易に規模を拡大できる合成に関する。本明細書の「組織ブリッジ」という用語は、解剖学的構造内の隔てられた領域に、たとえば解剖学的管腔内、血管内、チャネル内、空洞内および膀胱内または類似の構造内で付着し、かつその領域を、たとえば解剖学的管腔、血管、チャネル、空洞および膀胱または類似の構造を完全または実質的に完全に横切り跨いで結合する構造物、すなわち溶液対応/付着材料塊をいう広い意味で使用される。下記の発明の実用性の説明は各々、本明細書で意図されているような「組織ブリッジ」のカテゴリーにある。
たとえば本ヒドロゲル形成溶液の利用により実施される解剖学的組織のヒドロゲルブリッジングは、体内の構造物への用途の中でも、閉塞/遮断(部分的またはそれ以外)、間隙/空隙またはデポーの充填、および組織増量またはコーティングなど多くの有用な解剖学的用途を提供する。本明細書に記載の溶液の使用は主に、閉塞に基づく男性避妊の分野に重点を置いているが、本溶液は、他の解剖学的構造、すなわち、すべて本開示の一部であると意図している体内の他の管腔、チャネル、洞または空洞にも適用される。たとえば、ファローピウス管の閉塞のほか、管状器官、血管および/またはリンパ系、腺系、肝臓系および腎臓系の管の閉塞は、本ヒドロゲル形成溶液およびそれから形成されたヒドロゲル組織ブリッジの意図した使用である。本組成物および方法はまた、皮膚組織、脂肪組織、骨格組織、筋組織および眼/眼内組織に直接注射すると、生体適合性空間充填組織ブリッジまたは増量剤として使用することもできる。最後に、本ヒドロゲル溶液は、移植の前または後にバルーン、カテーテルまたは他の類似の容器などの柔軟な二次的容器に挿入される不活性な二次的生体適合性充填剤として使用してもよい。たとえば、バルーンは、シリコーン、ウレタンまたは他の柔軟なポリマー「皮膚」外層(our layer)からなり、移植の前または後にバルーンを所望の空間に膨張させるために本発明のポリマーを詰める。「スチレンマレイン酸」、「酸」および「スチレンマレイン酸コポリマー」という用語は、少なくとも70%のマレイン酸残基を含むスチレンマレイン酸ポリマー組成物について交換可能に使用される。同様に、本明細書では「スチレン無水マレイン酸」、「無水物」および「スチレン無水マレイン酸コポリマー」という用語も、少なくとも30%の無水物残基を含むスチレン無水マレイン酸ポリマー組成物について互いに交換可能に使用される。酸または無水物の割合に関して述べる場合は、ポリマー鎖に含まれるマレイン酸もしくは無水マレイン酸モノマーに対して、本明細書で特許請求されている最終製品においてその割合(以上または以下、本文に示した通り)が酸形態に水和、または無水形態に脱水している(配合されて医薬品容器に入れられたときの完成製品において)ことを意味するものとする。これは、範囲内の割合の平均を含んでも、あるいは様々な割合の鎖の混合から得られた平均を含んでもよい。割合の引用は、通常の配合、分析の正確性および精密性の限界内にあるものとして理解されたい。「血管外遊走の」という表現は、溶液の溶媒/キャリアの特徴を定義するのに使用され、解剖学的組織との接触の関係において溶媒/キャリアが流出して消失する、そうした溶媒/キャリアの特徴を意味するものとする。DMSOは、ポリマーにとって不活性な生体適合性溶媒であり、医薬品(米国薬局方)グレードで容易に入手でき、本目的上、過去にヒトで安全に使用されており、かつインビボで容易に管壁を通り体組織に拡散し、その結果体内水分に置き換えられることで、酸ポリマーのゲル化が起こるために、適切な血管外遊走溶媒/キャリアである。本解剖学的ヒドロゲル形成溶液は、いくつかの異なる独特の組成形態をとることができ、各々が異なる環境で有用であり、各々が、解剖学的構造環境において解剖学的構造を通って速やかに血管外遊走し、所定の位置でゲル化して目的のヒドロゲル組織ブリッジを形成するために溶質を「遊離させる」溶媒に溶解させたヒドロゲル形成コポリマー溶質(スチレンマレイン酸のみ、または当該酸を大部分としたスチレン無水マレイン酸との共同的組み合わせ)を特徴とする。このヒドロゲル組織ブリッジは、適切な溶媒溶解および/またはフラッシングにより必要に応じて後で除去できるものである。ある実施形態によれば、本ヒドロゲル組織ブリッジは酸性pHで安定であり得る。したがって、炭酸水素塩もしくはリン酸塩および/または他の類似のアルカリ剤のような塩基性緩衝液を、ヒドロゲル組織ブリッジを含む管腔に注射および/またはフラッシングすると、ヒドロゲルを不安定化し、ヒドロゲル組織ブリッジを破壊することができ、ポリマーの除去および輸精管および類似の解剖学的構造物の管腔からの流出が可能になる。
ヒドロゲル組織ブリッジの機能はおそらく、ヒドロゲルで埋められた輸精管の長さに関係すると考えられる。輸精管の管腔の直径は人によって異なるため、一定量の材料を注射する場合、ヒドロゲル組織ブリッジの長さは、輸精管の管腔の半径の二乗に反比例する。一実施形態では、効果的な避妊具として働くため、ヒドロゲル組織ブリッジで輸精管の1cmを超える管腔を埋める(閉塞する)べきである。ヒドロゲル組織ブリッジの耐久性および有効性は、ヒドロゲル組織ブリッジの長さが増すと高まる傾向にあり、いくつかの実施形態では目標長さは4〜20cmの範囲にある。
本実施形態によれば、提案したヒドロゲル形成溶液の組成は基本的に、全体として2つの異なる形態をとる。第1の形態は、DMSOまたは同様に適切な血管外遊走溶媒/キャリアに溶解させたほぼ純粋なスチレンマレイン酸(すなわち少なくとも90%酸)コポリマーを特徴とする。この場合には、DMSOは、保存中に加水分解によりその品質を大きく変化させない少量の残留水(5重量%を超えない)を有してもよい。第2の形態は、DMSOまたは同様に適切な血管外遊走溶媒/キャリアに溶解させたスチレンマレイン酸およびスチレン無水マレイン酸のコポリマーのブレンドを特徴とする。この第2の形態では、スチレンマレイン酸が主要なコポリマーであり、本ポリマーが少なくとも75%酸残基を有することを意味する。乾燥DMSO(残留水が1重量%を超えない)を使用して乾燥窒素下、配合ゲルを最終容器に充填すると、保存中の過剰な加水分解を防ぐのに使用することができる。いずれの実施形態も、DMSOに対するポリマーの比率は、18%〜40%(wt/wt)の範囲であればよく、いくつかの実施形態では22〜26%(wt/wt)がより好ましい場合がある。
ヒドロゲル形成溶液の酸のみの形態については、その中の酸の分子量は好ましくは、おおよそ100kDa超から約1200kDaの範囲にある。ポリマーの分子量をこの範囲内に維持すると、ポリマーは注射時に所望の位置を保持するのに十分な粘度を確実に有することができ、したがってポリマーがゲル化中に管腔を埋めることができ、同時になお生産中に処理し、バイアルおよびシリンジに入れ、DMSOに溶解させると容易に注射できる。より高い分子量では粘性が高くなりすぎることがある一方、より低分子量では流動性が高くなりすぎ、管から流れ出るかまたは過剰に拡散し、したがってゲル化時に最適な栓を形成できない。溶液の質量分率は、特定の注射量に適した有効濃度のポリマーを与えるため、好ましくはおおよそ約15%〜約40%の範囲にある。より低い濃度では、安定で丈夫な栓を形成できない、または粘度に対して低分子量と同じ作用を与える。より高い濃度では、取り扱いおよび注射の際に過剰な粘度を有すると考えられる。下記に具体的に記載したように、これら2つのより広範な範囲の分子量内に様々な部分範囲が存在する。こうした部分範囲は、特定の用途に使用すると部分範囲をより有用なものにする特性を有し得る。具体的には、多くの男性避妊用途で特に有用と見なされる特定の分子量および質量分率の値として、200〜1000kDa、300〜800kDa、400〜700kDaおよび600〜700kDaがあり、それぞれ18〜40%(wt/wt)の濃度で十分な特徴が得られる。一実施形態では、23〜26%(wt/wt)(ポリマー:DMSO濃度)で分子量500〜700kDaの、少なくとも95%が酸のポリマーを使用して、輸精管に好適なヒドロゲル組織ブリッジを作ることができる。
本溶液の酸/無水物形態については、無水物に対する酸の2つの好ましい重量比が、この溶液の様々なサブ形態において興味深く有用であることが分かっており、下記により詳細に述べるのは80%:20%、および92%超から8%未満であり、上述のように、好ましくは98%超の酸は避妊剤として働く。より低い酸レベルでは、注射時の取り扱いおよび堅固なゲルの点で粘度が改善され(低下し)得る。しかしながら、これらの利点は、安定性の低下、最終配合時に酸:無水物残基の一定した比率を保証できないこと、ならびに処理および充填中の加水分解のリスクの高まりにより充填および注射がしにくいことを引き起こし得る無水物の加水分解のほか、配合物に吸収される大気中の水分により相殺され得る。
本スチレンマレイン酸ポリマーは主に、分子間または分子内架橋を最低限有するスチレンおよびマレイン酸の線状ポリマー鎖であり、単一残基の長ブロックを有するのでなく、ポリ(スチレン−alt−マレイン酸)形態を有することを一般に意図して製造される。一般に意図して製造されるとは、スチレン−スチレンまたは他の配列ではなく、少なくとも80%の鎖配列がスチレン−alt−マレイン酸(下記に示す通り)であることを意味する。さらに、本組成物は、その主要な避妊または閉塞機能を大きく損なわない、少量の他の残基または側鎖で修飾されていてもよい。
一連の実施形態では、スチレンマレイン酸ポリマーにおける分子間または分子内架橋の割合は、1パーセント未満(<1%)、5パーセント未満(<5%)または10パーセント未満(<10%)であってもよい。一実施形態では、直鎖の大部分、90パーセント超(>90%)がスチレン−スチレンまたはマレイン酸−マレイン酸コポリマーブロックではなく、スチレン−マレイン酸コポリマーブロックからなっていてもよい。架橋は、特徴付けおよび制御を行う必要があると考えられる特性(たとえば、堅固さ、ゲル化、溶解)を不安定にするために好ましくない。
男性避妊に関連して、ヒドロゲル組織ブリッジは、輸精管の閉塞物ともいう完全または部分的妨害物を作るために使用してもよい。この妨害物は、比較的長期的かつ選択的可逆的避妊具となり得る。本ヒドロゲル形成溶液は、小さな空間に自由に流れ込み、柔軟で安定な状態が続き得るヒドロゲル組織ブリッジを作り、したがって輸精管の閉塞状態を与えることができる。よって、この注射用男性避妊溶液は、従来の精管切除手順の外科的侵襲性の一部を回避することができる。従来技術に対する別の利点は、本閉塞形成溶液は、フラッシング機構および手順によって容易に除去され、したがって従来の精管吻合の侵襲性を回避できることである。
本溶液の使用により形成される閉塞状態は、ヒドロゲルとしての流体および細胞内小分子がマトリックスをパーコレートできるという意味で、必ずしも管腔を通過するすべての液体の流れを防止するわけではない。これは、非閉塞性ポリマーが、精子を含む流体および浮遊細胞は容易に通過できるものの、電荷およびpHに対するポリマーの化学作用により不活性化される開口チャネルを有するグーハの教示内容と区別される。非常に重要なのは、本酸栓の半固体の弾性/弾力性が、精子が通過できる、ポリマー周囲の安定な側面チャネル、ポリマーを通る内部チャネル、および栓周囲の圧力駆動流の形成を防止することである。これは、グーハにより教示されたポリマーのほか、輸精管内に配置される避妊具に関する以前の教示における固体(たとえば、シリコン、EVA)栓および硬質な(たとえば、金属、ポリエチレン)栓とは異なる。したがって、こうした閉塞状態は、ある程度の量の生体(精)液が、本明細書にヒドロゲルブリッジとして様々に言及した閉塞構造を通過することを許容し、したがってどちらも伝統的な精管切除の潜在的副作用である精巣上体および精巣の圧力の増強リスクを低下させることができる。
図1は、輸精管100、および輸精管100の管腔内のヒドロゲル組織ブリッジ101のおよその位置を含む人体組織の関連部位を示す描写図である。具体的には、図1は、精巣を精嚢103に連結している輸精管100を有する精巣102を示す。図1はさらに、実施形態によれば、輸精管100を閉塞するために、本ヒドロゲル溶液を注射してヒドロゲル組織ブリッジ101を形成する挿入点104を示す。
図1Aは、実施形態によれば、図1にも示した、閉塞物ともいうヒドロゲル組織ブリッジ101により閉塞された輸精管100の切片の断面図である。図1Aは、輸精管100の様々な部分、その輪状平滑筋繊維110、その縦走平滑筋線維111、および上皮の凹凸表面113の描写を含むその上皮112を示す。この図では、実施形態によれば、ヒドロゲル組織ブリッジ101は、輸精管100の管腔を埋めて上皮の凹凸表面113の中および周囲に生成し、輸精管100の管腔の完全な妨害を作り、もってそれを通る精子(図示せず)の通過を防止するように示される。
溶液合成
ごく一般的に言えば、ここに開示された組成物および方法による溶液合成は、その初期段階、スチレン無水マレイン酸の調製における、(a)選択された量のスチレンおよび無水マレイン酸とブレンドされ、そして他の方法で最初に処理された溶媒としての酢酸エチル、続いて(b)開始剤として過酸化ベンゾイルを用いて行われる無放射、フリーラジカル開始反応の共同的かつ協同的利用を独自の特徴とする。
ごく一般的に言えば、ここに開示された組成物および方法による溶液合成は、その初期段階、スチレン無水マレイン酸の調製における、(a)選択された量のスチレンおよび無水マレイン酸とブレンドされ、そして他の方法で最初に処理された溶媒としての酢酸エチル、続いて(b)開始剤として過酸化ベンゾイルを用いて行われる無放射、フリーラジカル開始反応の共同的かつ協同的利用を独自の特徴とする。
この初期段階での溶媒としての酢酸エチル、およびフリーラジカル開始剤としての過酸化ベンゾイルの協同的使用は、容易に制御および達成される分子量範囲を有するスチレンマレイン酸溶質成分の中間合成創出を可能にする、ここに開示された組成物および方法による合成アプローチを提供するのに重要な役割を果たす。特に、スチレンマレイン酸溶質成分を作るためのこの方法は、男性の避妊用途など多くの用途で重要であることが明らかになっている考慮すべき事項である比較的大きな分子量の優れた制御をもたらし、その達成を可能にすることが示されている。それは、フリーラジカル開始剤としての過酸化ベンゾイルの利用により、そして特に無水物合成ステップでこの目的ために使用される過酸化ベンゾイルの相対量を制御することによるものであり、無水物合成ステップでは、スチレンマレイン酸分子量の所望の範囲の確立に対してこうした重要な制御が行われ、選択的に100kDaを超える分子量など高分子量のそれを確立する。
さらに、本溶媒/フリーラジカル開始(酢酸エチル/過酸化ベンゾイル)処理アプローチは、全体的な溶液合成においてスチレン−無水マレイン酸を作るステップに関連して使用される場合、容易に規模を拡大でき、全体的な溶液調製のスケーラビリティを可能にし、したがって商業規模の溶液生産が可能になる。
本溶媒/フリーラジカル開始反応手順後、提案した合成におけるスチレン−無水マレイン酸形成部分の最終部分において、DMSOなどの溶媒/キャリアにブレンドされるほぼ100パーセントのスチレンマレイン酸の最終溶質の調製の準備をする精製ステップの役割を果たす、アセトン処理ステップが含まれる。
本溶液合成は、調製されたスチレン無水マレイン酸からのほぼ純粋なスチレンマレイン酸の調製、およびその後のこの酸のDMSOなどの目的の溶液溶媒への適切なブレンドを含め、すぐ下に十分に記載される。本溶液合成のこの詳細な説明は、男性避妊具のほか、他の有用なヒドロゲル組織ブリッジとしての使用に好適なヒドロゲル形成溶液の創出に関する。
以下の合成は、具体例として提供するものであり、重量、温度および体積の測定値は、明確にこの例に関するものである。さらに、提供される個々の重量、温度および体積は、この合成の各成分の許容可能な重量および体積、ならびに合成の各部分に記載された反応温度の範囲内に見られるものの代表例にすぎないことを理解すべきである。
I.酢酸エチル沈殿によるスチレン無水マレイン酸の合成、および過酸化ベンゾイルによるフリーラジカル開始反応
以下の合成に使用した機器には、2Lの4口丸底フラスコ、オーバーヘッドスターラー、還流冷却器、温度プローブ、および乾燥窒素ラインに連結されたガラス管が含まれ得る。図2は、以下のスチレン無水マレイン酸の合成の第1のステップを示すフローチャートである。図2では、下記のようなスチレン無水マレイン酸の合成ステップを図示するステップ200〜211までを順次たどることができる。表1は、このセクションに記載した成分および量を収載する。
以下の合成に使用した機器には、2Lの4口丸底フラスコ、オーバーヘッドスターラー、還流冷却器、温度プローブ、および乾燥窒素ラインに連結されたガラス管が含まれ得る。図2は、以下のスチレン無水マレイン酸の合成の第1のステップを示すフローチャートである。図2では、下記のようなスチレン無水マレイン酸の合成ステップを図示するステップ200〜211までを順次たどることができる。表1は、このセクションに記載した成分および量を収載する。
実施形態によれば、無水マレイン酸(50g、0.51mol)、酢酸エチル(溶媒)(500ml)、およびスチレン(45.37g、50ml、0.436mol)を2Lの4口丸底フラスコに入れてもよい。次いで、得られた混合物を、オーバーヘッドスターラーで撹拌しながら、かつ外部温度を87℃に設定して温度プローブに連結された加熱マントルおよび温度コントローラ(Jプローブ、大きな温度変動を防止するために約40〜60%に設定)で昇温しながら、乾燥窒素ラインに連結されたガラス管により窒素で20分間脱気してもよい。
実施形態によれば、内部温度が66℃になったとき、反応混合物に過酸化ベンゾイル75%水湿潤品(開始剤)(Luperox(登録商標)、アルドリッチ(Aldrich)、0.93g、2.89mmol、スチレンに対して0.66mol%、0.73wt.%)を加えてもよい。次いで、得られた混合物を、オーバーヘッドスターラーを用いて290rpmで18時間撹拌してもよい。外部温度を74℃に再設定してもよく、内部温度が最初の2.5時間以内に73〜74℃に上昇したら、66〜67℃に下げてもよい。一実施形態では、反応混合物の外観が透明な溶液から不透明なゲルに変化し得、一部が2Lフラスコ101およびオーバーヘッドスターラーの壁に付着する。過半量が3/4インチ〜1インチの塊であってもよく、十分な撹拌が可能になる。
精製を確立するには、得られた混合物に500mlのアセトンを加えてもよく、内部温度を56℃に下げてもよい。外部温度は44℃に再設定してもよく、これらの条件で、生成物の目に見えるすべての塊を溶解するために反応混合物を5時間撹拌してもよい。次いで、得られた透明な薄桃色の均一な粘性溶液、約1.06Lを、激しく撹拌したtert−ブチルメチルエーテル(MTBE)3Lが入った5Lのビーカーに滴下して加えてもよい。次いで、オフホワイトのビーズとして沈殿した生成物を濾過により単離し、MTBEでリンスし、真空デシケーターで10時間乾燥させてもよい。
図3は、スチレン無水マレイン酸合成の以下のステップを示すフローチャートである。図3では、下記のようなスチレン無水マレイン酸の合成を図示するステップ300〜307までを順次たどることができる。次いで、得られた粗生成物を微粉砕し、1.5Lの塩化メチレンに懸濁してもよい。次いでこの懸濁液を1時間撹拌してから塩化メチレン溶媒を濾別してもよい。次いでこの湿ったケークを塩化メチレン(1L)および氷冷水(1L)の混合物に懸濁し、20分間激しく撹拌してもよい。次いでこの固体を濾過してもよく、濾液の水層をpH試験紙で分析してもよい。測定されたpHは約4であるはずである。次いでこの手順をさらに2回繰り返して、水性洗浄で6〜7の範囲のpHを達成してもよい。実施形態によれば、次いで最後の洗浄後、湿ったケークをフィルターで十分に圧搾し高真空にて50℃で2日間乾燥させ、乾燥粉末として82.5g、93.7%の純粋なポリ(スチレン−co−無水マレイン酸);Mw(Da)628,257を得ることができる。
II.無水物水溶液の塩基加水分解によるスチレンマレイン酸の合成
図4は、実施形態によるスチレン無水マレイン酸の加水分解の以下のステップを示すフローチャートである。図4では、下記のようなスチレン無水マレイン酸の加水分解のステップを図示するステップ400〜407までを順次たどる。実施形態によれば、スチレン無水マレイン酸(56g、Mw 333,332)、および1NのNaOH、1.5Lをオーバーヘッドスターラーおよび温度プローブを備えた5Lの3口丸底フラスコに入れてもよい。次いで、形成された懸濁液を37℃に昇温し(外部温度は最初57℃に設定、次いで44℃まで下げる)、その温度で7時間撹拌して透明な粘性溶液を作ってもよい。次いでこの溶液を室温まで冷却し、1NのHClでゆっくりと酸性化してもよく、1NのHClは250mlずつ分割して加えてもよい。1.25Lの1NのHClの添加後、この反応から透明な液体と白色沈殿物との混合物を得ることができ、次いでこれを室温で10時間撹拌して、6±1.0pH単位のpHの透明均一で極めて粘性の高いゲルを形成することができる。このゲルに250mlの1NのHClを加えてもよく、このHClはゲルを細かく砕き、液体を遊離させることができ、次いでこれを濾別してもよい。次いでこの固体を1Lの0.05NのHClに再懸濁し、3時間撹拌してもよい。次いでこれらの固体を濾過し、高真空にて60℃で72時間乾燥させて、ほぼ純粋な(>85%)ポリ(スチレン−co−マレイン酸)の乾燥粉末、60.4g;Mw(Da)339,019を得ることができる。加水分解の完結は、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)により確認することができる。図5は、スチレンマレイン酸の代表的なFTIRスペクトルである。
図4は、実施形態によるスチレン無水マレイン酸の加水分解の以下のステップを示すフローチャートである。図4では、下記のようなスチレン無水マレイン酸の加水分解のステップを図示するステップ400〜407までを順次たどる。実施形態によれば、スチレン無水マレイン酸(56g、Mw 333,332)、および1NのNaOH、1.5Lをオーバーヘッドスターラーおよび温度プローブを備えた5Lの3口丸底フラスコに入れてもよい。次いで、形成された懸濁液を37℃に昇温し(外部温度は最初57℃に設定、次いで44℃まで下げる)、その温度で7時間撹拌して透明な粘性溶液を作ってもよい。次いでこの溶液を室温まで冷却し、1NのHClでゆっくりと酸性化してもよく、1NのHClは250mlずつ分割して加えてもよい。1.25Lの1NのHClの添加後、この反応から透明な液体と白色沈殿物との混合物を得ることができ、次いでこれを室温で10時間撹拌して、6±1.0pH単位のpHの透明均一で極めて粘性の高いゲルを形成することができる。このゲルに250mlの1NのHClを加えてもよく、このHClはゲルを細かく砕き、液体を遊離させることができ、次いでこれを濾別してもよい。次いでこの固体を1Lの0.05NのHClに再懸濁し、3時間撹拌してもよい。次いでこれらの固体を濾過し、高真空にて60℃で72時間乾燥させて、ほぼ純粋な(>85%)ポリ(スチレン−co−マレイン酸)の乾燥粉末、60.4g;Mw(Da)339,019を得ることができる。加水分解の完結は、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)により確認することができる。図5は、スチレンマレイン酸の代表的なFTIRスペクトルである。
III.(1)スチレンマレイン酸/DMSO溶液、および(2)スチレンマレイン酸/スチレン無水マレイン酸/DMSO溶液の各々の合成
一実施形態では、205gの本方法の2つの主要な溶液組成物、すなわち(1)スチレンマレイン酸/DMSO、および(2)スチレンマレイン酸/スチレン無水マレイン酸/DMSOは、各々以下の通り製造することができる:組成物(1)、乾燥粉末スチレンマレイン酸22.05gを250ccの褐色バイアルに秤取してもよい;組成物(2)、乾燥粉末スチレンマレイン酸17.64g、および乾燥スチレン無水マレイン酸、4.41g、を250cc褐色バイアルに秤取してもよい(ザルトリウス(Sartorius)社の分析天秤CPA1003Pを使用した)。次いで乾燥混合物を含むバイアルを、無水DMSOのSure/Seal(登録商標)キャップした未開封ビン、缶切り、上皿天秤Adam ADK−20、2本のガラス棒を含むガラスビーカー、ガラス漏斗および数枚のアルミ箔と共にドライボックスに入れてもよい。
一実施形態では、205gの本方法の2つの主要な溶液組成物、すなわち(1)スチレンマレイン酸/DMSO、および(2)スチレンマレイン酸/スチレン無水マレイン酸/DMSOは、各々以下の通り製造することができる:組成物(1)、乾燥粉末スチレンマレイン酸22.05gを250ccの褐色バイアルに秤取してもよい;組成物(2)、乾燥粉末スチレンマレイン酸17.64g、および乾燥スチレン無水マレイン酸、4.41g、を250cc褐色バイアルに秤取してもよい(ザルトリウス(Sartorius)社の分析天秤CPA1003Pを使用した)。次いで乾燥混合物を含むバイアルを、無水DMSOのSure/Seal(登録商標)キャップした未開封ビン、缶切り、上皿天秤Adam ADK−20、2本のガラス棒を含むガラスビーカー、ガラス漏斗および数枚のアルミ箔と共にドライボックスに入れてもよい。
一実施形態では、ドライボックスを密封し、デシケーターチャンバーを介して真空ラインおよび窒素ラインと連結してもよい。次いで空気を吸引し、乾燥窒素で5回置換してもよい。次いでDMSOビンをドライボックス内で開けてもよく、各褐色バイアルに82.95gのDMSOを加えてもよい。次いで得られた組成物をガラス棒で十分に混ぜ合わせてもよい。次いで、棒を中に入れたバイアルをアルミ箔で覆い、ドライボックスを室温で維持してもよい。実施形態によれば、翌週、毎日この混合物を3回または4回撹拌すると、固体の塊が徐々に消失し得る。7日後、両方の主なバイアルは、均一に濁った粘性液体、すなわち目的の2つの最終溶液を含み得る。
血管外遊走液体溶媒、DMSOを乾燥粉末に導入することにより最終溶液のブレンドを行う上述の最終のブレンド手順に代わるものとして、有用な別法には、当該乾燥粉末を血管外遊走液体溶媒に導入することを特徴とする逆のアプローチがある。
上記に詳述した合成の記述は、本方法の2つの主な(含水DMSO)溶液実施形態の各々を包含する最終溶液形成の3つの主要な段階を実施することができ、かつ本方法の合成法をどのように実施するかに関して当業者に明らかに有益と考えられる、1組の特定の方法を示す。特に、スチレン無水マレイン酸の重合において溶媒としての酢酸エチルの使用、およびフリーラジカル(無放射)開始剤としての過酸化ベンゾイルの使用を含む独自の併用ステップの使用について明確に記載する。これらの提示した合成段階では、合成法の実施者が、本方法の無水物合成ステップで使用する過酸化ベンゾイルの相対量を適切に制御することにより、確立すべき他のスチレン−マレイン酸分子量の値を容易に選択できるという理解の下で、代表的な合成の実例の範囲を示すために様々な分子量の溶質を選択して考察してある。この過酸化ベンゾイルの量の使用量の制御こそが、最終スチレンマレイン酸分子量を効率的に決定するものである。
本方法および組成物について例示的な実施形態によって記載してきたが、それに限定されるものではない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、本組成物あるいはそうした組成物を使用するための方法の範囲、およびそれらの均等の範囲を逸脱することなく、当業者によりなし得る本方法および組成物の他の変形例および実施形態を含むように広義に解釈するものとする。
Claims (18)
- 溶媒に溶解したポリマーを含むヒドロゲル形成溶液であって、前記ポリマーは75%超がスチレン−alt−マレイン酸からなり、前記溶媒はDMSOである、ヒドロゲル形成溶液。
- DMSOに対するポリマーの比率は18%〜40%重量/重量の範囲内にある、請求項1に記載のヒドロゲル形成溶液。
- 前記ポリマーの分子量は100kDa〜1200kDaの範囲内にある、請求項1に記載のヒドロゲル形成溶液。
- 前記ポリマーにおける分子間または分子内架橋の割合は1パーセント未満である、請求項1に記載のヒドロゲル形成溶液。
- 前記ポリマーにおける分子間または分子内架橋の割合は5パーセント未満である、請求項1に記載のヒドロゲル形成溶液。
- 前記ポリマーにおける分子間または分子内架橋の割合は10パーセント未満である、請求項1に記載のヒドロゲル形成溶液。
- 被検体内にある空間内にヒドロゲル組織ブリッジを作るためにヒドロゲル形成溶液を使用するための方法であって、
溶媒に溶解したポリマーを含むヒドロゲル形成溶液であって、前記ポリマーは75%超がスチレン−alt−マレイン酸からなり、前記溶媒はDMSOであるヒドロゲル形成溶液を用意するステップ;
空間内に利用可能な水および水溶液を含む被検体内の前記空間を特定するステップ;
前記空間内に前記ヒドロゲル形成溶液を入れるために注射装置を利用するステップ;および
前記ヒドロゲル形成溶液が前記空間内の前記利用可能な水および水溶液を吸収し、それにより前記空間内にヒドロゲル組織ブリッジを作るステップ
を含む方法。 - 被検体内の前記空間は輸精管である、請求項7に記載の方法。
- 前記注射装置は針およびシリンジである、請求項7に記載の方法。
- 前記ヒドロゲル形成溶液中のDMSOに対するポリマーの比率は18%〜40%重量/重量の範囲内にある、請求項7に記載の方法。
- 前記ポリマーの分子量は100kDa〜1200kDaの範囲内にある、請求項7に記載の方法。
- 前記ポリマーにおける分子間または分子内架橋の割合は1パーセント未満である、請求項7に記載の方法。
- 前記ポリマーにおける分子間または分子内架橋の割合は5パーセント未満である、請求項7に記載の方法。
- 前記ポリマーにおける分子間または分子内架橋の割合は10パーセント未満である、請求項7に記載の方法。
- 前記ヒドロゲル組織ブリッジは前記注射装置を用いて塩基性炭酸水素塩緩衝液を被検体内の前記空間に注射することにより除去される、請求項7に記載の方法。
- 前記ヒドロゲル組織ブリッジは前記注射装置を用いて塩基性リン酸塩緩衝液を前記輸精管に注射することにより除去される、請求項8に記載の方法。
- 75%超がスチレン−alt−マレイン酸からなり、100kDa〜1200kDaの分子量を有するポリマーを合成するための方法であって、
溶媒およびフリーラジカル開始反応の利用を含む、選択された量のスチレンおよび無水マレイン酸を含む共重合ステップにおいて75%超の純粋なスチレン無水マレイン酸を調製するステップであって、このように調製された共重合スチレン無水マレイン酸を形成し、利用される前記溶媒は選択された量の酢酸エチルであり、フリーラジカル開始反応は選択された量の過酸化ベンゾイルの添加により行われ、調製されるスチレン−alt−マレイン酸の分子量は前記スチレン無水マレイン酸の調製における過酸化ベンゾイルの量により決定される、ステップを含む方法。 - 前記選択された量の無水マレイン酸および前記選択された量のスチレンは最初の溶液を作るために選択された量の酢酸エチルに溶解され、前記最初の溶液は、前記選択された量の過酸化ベンゾイルが加えられる前に約67℃に加熱される、請求項17に記載の方法。
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