以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態の指挟み防止カバー付きヒンジ装置(以下、単にヒンジ装置という)を詳細に説明する。ただし、本発明のヒンジ装置は種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明の範囲を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のヒンジ装置を適用した折戸の斜視図を示す。折戸は、第1部材としての第1パネル1と、第2部材としての第2パネル2と、を備える。第1パネル1及び第2パネル2は、本実施形態のヒンジ装置3(図2参照)によって折り畳み自在に連結される。第1パネル1及び第2パネル2には、上下のスライドレール6a,6bにスライド可能に入れられる滑走車1a,2aが設けられる。5は指挟み防止カバー(以下、単にカバーという)である。カバー5は柱状であり、第1パネル1及び第2パネル2の上端部から下端部まで延びる。カバー5は、第1パネル1と第2パネル2との間の隙間を塞ぐ。
図2(a)は閉じ位置にある折戸の背面図を示し、図2(b)は図2(a)のb部拡大図を示す。第1パネル1と第2パネル2の背面には、ヒンジ装置3が取り付けられる。ヒンジ装置3は、ヒンジ4と、ヒンジ4に回転可能に支持されるカバー5と、を備える。ヒンジ4は、第1パネル1の背面にねじ等の締結部材によって取り付けられる第1片11と、第2パネル2の背面にねじ等の締結部材によって取り付けられる第2片12と、を備える。第1片11と第2片12とは、ヒンジ軸13(図4参照)を中心にして相対回転可能である。ヒンジ4は、2枚のパネル1,2をフラットな状態の閉じ位置と、折り畳まれた状態の開き位置との間を回転させる。なお、ヒンジ4の個数は1つでも複数でもよい。
カバー5は、ヒンジ軸13(図4参照)を中心にして回転可能である。カバー5は、上下方向に延びる柱状で、断面略扇形(本実施形態では断面略半円状)である。カバー5は、第1パネル1及び第2パネル2の背面の境目に設けられる。第1パネル1及び第2パネル2には、上下方向に延びる凹み1b,2bが形成される。凹み1b,2bの断面は、カバー5の円弧状側面に形状を合わせた断面略1/4円状である。
図2(a)に示すように、折戸の閉じ位置において、第1パネル1と第2パネル2とは、フラットである。カバー5は、第1パネル1と第2パネル2の背面に隠れていて、第1パネル1と第2パネル2の前面には露出しない。このため、デザイン性に優れた折戸が得られる。
図3は、ヒンジ4とカバー5を分解したヒンジ装置3の分解斜視図を示す。カバー5は、円弧状側面5aと、平坦状側面5bと、を有する。カバー5の平坦状側面5bには、長さ方向に延びる溝7が形成される。平坦状側面5bは、溝7によって第1側面5b1と第2側面5b2とに区画される。溝7は、あり溝状であり、溝7の口元部7aの幅が狭く、溝7の底部7bの幅が広い。カバー5の上下端部は、半円状の蓋8によって塞がれる。
カバー5の溝7には、長方形の板状の挟み部9が挿入される。挟み部9の幅は、溝7の口元部7aの幅よりも広い。挟み部9には、図示しないねじ等の締結部材が螺合するねじ穴9aが形成される。挟み部9をカバー5の溝7に入れた後、ヒンジ4の軸支持部10a,10bと挟み部9とを締結部材によって締結して、軸支持部10a,10bと挟み部9とで溝7の口元部7aを挟む。これにより、ヒンジ4にカバー5が取り付けられる。
図4は、ヒンジ4の分解斜視図を示す。ヒンジ4は、第1片11と、第2片12と、軸支持部10a,10bと、挟み部9と、を備える。
第1片11は、締結部材23によって第1パネル1に取り付けられる。第1片11は、ヒンジ軸13が挿入される筒部11aと、締結部材23が通される通し穴14が形成される板状の本体部11bと、筒部11aと本体部11bとの間に設けられる板状の第1制御部11cと、筒部11aに設けられる爪状の第2制御部11dと、を備える。
筒部11a、第1制御部11c及び第2制御部11dの上下方向の高さは、本体部11bの約半分であり、本体部11bの上側半分に設けられる。筒部11aには、ブッシュ15を介してヒンジ軸13が通される。第1片11は、ヒンジ軸13を中心にして回転可能である。第1制御部11cは、本体部11bと略平行である。第1制御部11cと本体部11bとの間には、段差が形成される。第1制御部11cは、カバー5の第1側面5b1に当接可能である。第2制御部11dは、筒部11aの外径を部分的に大きくしてなる。筒部11aは、カバー5の溝7の口元部7aに嵌められる。第2制御部11dは、カバー5の第2側面5b2に当接可能である。
ヒンジ軸13の軸方向視において、第1制御部11cと第2制御部11dとのなす角度α(図5(b−2)参照)は、カバー5の中心角γよりも大きく(図5(b−3)参照)、角度αの範囲内にカバー5が含まれる。筒部11a、第2制御部11d、第1制御部11c、本体部11bは、一体に形成される。
図4に示すように、第2片12は、締結部材16によって第2パネル2に取り付けられる。第2片12も、ヒンジ軸13が挿入される筒部12aと、締結部材16が通される通し穴17が形成される板状の本体部12bと、筒部12aと本体部12bとの間に設けられる板状の第1制御部12cと、筒部12aに設けられる爪状の第2制御部12dと、を備える。
筒部12a、第1制御部12c及び第2制御部12dの上下方向の高さは、本体部12bの約半分であり、第1片11との干渉を避けるために、本体部12bの下側半分に設けられる。筒部12aには、ブッシュ18を介してヒンジ軸13が通される。第2片12は、ヒンジ軸13を中心にして回転可能である。第1制御部12cは、本体部12bと略平行である。第1制御部12cと本体部12bとの間には、段差が形成される。第1制御部12cは、カバー5の第2側面5b2に当接可能である。第2制御部12dは、筒部12aの外径を部分的に大きくしてなる。筒部12aは、カバー5の溝7の口元部7aに嵌められる。第2制御部12dは、カバー5の第1側面5b1に当接可能である。
ヒンジ軸13の軸方向視において、第1制御部12cと第2制御部12dとのなす角度β(図5(b−1)参照)は、カバー5の中心角γ(図5(b−3)参照)よりも大きく、この角度βの範囲内にカバー5が含まれる。筒部12a、第2制御部12d、第1制御部12c、本体部12bは、一体に形成される。
図4に示すように、ヒンジ軸13の両端部には、軸支持部10a,10bが設けられる。軸支持部10aの下面及び軸支持部10bの上面には、ヒンジ軸13が嵌められる穴19が形成される。軸支持部10a,10bは、第1片11と第2片12がばらけるのを防止する。軸支持部10a,10bは、第1片11及び第2片12に対してヒンジ軸13を中心にして回転可能である。軸支持部10a,10bの、カバー5との対向面には、溝7の口元部7aに入る突起10a1,10b2が形成される。突起10a1,10b2は、ヒンジ4の上下方向の移動を案内する役割を持つ。符号9は挟み部である。
図5は、ヒンジ装置3の動作図(図2のV-V線断面図)を示す。図5(a)は、ヒンジ4の閉じ位置(すなわち折戸の閉じ位置)を示し、図5(b−1)(b−2)(b−3)は、ヒンジ4の中間位置(すなわち折戸の中間位置)を示し、図5(c)は、ヒンジ4の開き位置(すなわち折戸の開き位置)を示す。
図5(a)に示すように、折戸の閉じ位置において、第1片11の第1制御部11cがカバー5の外面の第1側面5b1に当接し、第2片12の第1制御部12cがカバー5の外面の第2側面5b2に当接する。このため、カバー5の回転は、第1制御部11c,12cによって規制される。カバー5の位置は、図5(a)に示す位置にリセットされる。なお、第1制御部11c,12cは同時にカバー5に当接しなくてもよく、カバー5には僅かな遊びがあってもよい。
図5(b−1)(b−2)(b−3)に示すように、折戸の中間位置において、図5(b−1)に示すように、カバー5はその第2側面5b2が第1片11の第2制御部11dに当接するまで反時計方向に回転可能であり、図5(b−2)に示すように、カバー5はその第1側面5b1が第2片12の第2制御部12dに当接するまで時計方向に回転可能である。図5(b−3)はカバー5の中間位置を示す。カバー5が時計方向及び反時計方向に回転したとしても、第1パネル1と第2パネル2との間の隙間は、カバー5によって塞がれる。
図5(c)に示すように、折戸の開き位置において、第1片11の第2制御部11dがカバー5の外面の第2側面5b2に当接し、第2片12の第2制御部12dがカバー5の外面の第1側面5b1に当接する。このため、カバー5の回転は、第2制御部11d,12dによって規制される。カバー5の位置は、図5(c)に示す位置にリセットされる。なお、第2制御部11d,12dは同時にカバー5に当接しなくてもよく、カバー5には僅かな遊びがあってもよい。
折戸の第1パネル1と第2パネル2との間に指を挟むのは、折戸が図5(c)に示す開き位置から図5(a)に示す閉じ位置まで到る過程である。この過程において、第1パネル1と第2パネル2との間の隙間がカバー5によって塞がれるので、第1パネル1と第2パネル2との間に指を挟むのを防止できる。
なお、厳密にいえば、図5(a)に示すように、第1パネル1と第2パネル2との間には隙間δが開く。しかし、この隙間δの幅も奥行きも僅かであるから、折戸を閉じるとき、隙間δに指を入れようとしても隙間δから指がはじかれる。このため、この隙間δに指が挟まれることはない。
以上に本実施形態のヒンジ装置3の構成及び作用を説明した。本実施形態のヒンジ装置3によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態のヒンジ装置3によれば、第1片11及び第2片12の第1制御部11c,12c及び第2制御部11d,12dがカバー5の外面に当接して、カバー5の位置をリセットする。このため、カバー5にこれらを挿入する開口を設ける必要がない。ヒンジ4の取付け位置をカバー5の開口に合わせる必要がないので、ヒンジ4の取付け位置をフレキシブルにすることができる。
ヒンジ軸13の軸方向視において、第1片11の第1制御部11cと第2制御部11dとのなす角度αが略扇形のカバー5の中心角γよりも大きく、第2片12の第1制御部12cと第2制御部12dとのなす角度βがカバー5の中心角γよりも大きいので、第1片11及び第2片12の第1制御部11c,12c及び第2制御部11d,12dをカバー5の外面に当接させることができる。
ヒンジ4の軸支持部10a,10bと挟み部9との間でカバー5の溝7の口元部7aを挟むので、カバー5に対するヒンジ4の上下方向の位置を容易に調節することができる。
図6は、本発明の第1の実施形態のヒンジ装置3を適用した枠21及び扉22の背面図を示す。ヒンジ装置3の構成は、上述したとおりであるので、同一の符号を附してその説明を省略する。
この例では、ヒンジ4の第1片11は枠21の背面に取り付けられる。ヒンジ4の第2片12は扉22に取り付けられる。枠21には、カバー5の円弧状側面に形状を合わせた断面略1/4円状の凹み21aが形成される。扉22には、カバー5の円弧状側面に形状を合わせた断面略1/4円状の凹み22aが形成される。
図7は、ヒンジ装置3の動作図を示す。図7(a)は、ヒンジ4の閉じ位置(すなわち扉22の閉じ位置)を示し、図7(e)は、ヒンジ4の開き位置(すなわち扉22の開き位置)を示す。図7(b)(c)(d)は、ヒンジ4の閉じ位置から開き位置に到るまでのヒンジ4の第1ないし第3中間位置(すなわち扉22の第1ないし第3中間位置)を示す。
図7(a)に示すように、扉22の閉じ位置において、第1片11の第1制御部11cがカバー5の外面の第1側面5b1に当接し、第2片12の第1制御部12cがカバー5の外面の第2側面5b2に当接する。このため、カバー5の回転は、第1制御部11c,12cによって規制される。カバー5の位置は、図7(a)に示す位置にリセットされる。
図7(b)(c)(d)に示すように、扉22の第1ないし第3中間位置において、カバー5は、その第1側面5b1が第1片11の第1制御部11c又は第2片12の第2制御部12dに当接するまで反時計方向に回転可能であり、カバー5は、その第2側面5b2が第2片12の第1制御部12c又は第1片11の第2制御部11dに当接するまで時計方向に回転可能である。カバー5が時計方向及び反時計方向に回転したとしても、カバー5は枠21と扉22との間の隙間を塞ぐ。
図7(e)に示すように、扉22の開き位置において、第1片11の第2制御部11dがカバー5の外面の第2側面5b2に当接し、第2片12の第2制御部12dがカバー5の外面の第1側面5b1に当接する。このため、カバー5の回転は、第2制御部11d,12dによって規制される。カバー5の位置は、図7(e)に示す位置にリセットされる。
枠21と扉22との間に指を挟むのは、扉22が図7(e)に示す開き位置から図7(a)に示す閉じ位置まで到る過程である。これらの過程において、枠21と扉22との間の隙間がカバー5によって塞がれるので、枠21と扉22との間に指を挟むのを防止できる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態のヒンジ装置31の斜視図を示す。図9は、見る方向を変えた第2の実施形態のヒンジ32の斜視図を示す。
本実施形態のヒンジ装置31も、ヒンジ32と、ヒンジ32にヒンジ軸34(図10(b)参照)の回りを回転可能に支持されるカバー33と、を備える。ヒンジ32は、枠35に取り付けられる第1片41と、扉36に取り付けられる第2片42と、を備える。第1片41と第2片42とは、ヒンジ軸34を中心にして相対回転可能である。ヒンジ32は、扉36を閉じ位置(図10(c)のS1参照)と開き位置(図10(c)のS5参照)との間を回転させる。
図8に示すように、第1の実施形態のカバー5は断面略半円状であるのに対し、第2の実施形態のカバー33は断面略1/4円状である。第2の実施形態では、枠35に断面略1/4円状の凹みを形成することなく、扉36のみに断面略1/4円状の凹み36a(図10(b)参照)を形成する。
カバー33には、長さ方向に延びるあり溝状の溝37が形成される。カバー33は、溝37によって互いに直角な第1側面33b1と第2側面33b2とに区画される。
ヒンジ32の第1片41は、締結部材44によって枠35に取り付けられる。第1片41は、ヒンジ軸34が挿入される筒部41aと、締結部材44が通される通し穴が形成される板状の本体部41bと、筒部41aと本体部41bとの間に設けられる板状の第1制御部41cと、筒部41aに設けられる爪状の第2制御部41dと、を備える。第1制御部41cは、本体部41bと略直角である。第1制御部41cは、カバー33の第1側面33b1に当接可能である。第2制御部41dは、筒部41aの外径を部分的に大きくしてなる。第2制御部41dは、カバー33の第2側面33b2に当接可能である。
第2片42は、締結部材38によって扉36に取り付けられる。第2片42は、ヒンジ軸34が挿入される筒部42aと、締結部材38が通される通し穴が形成される板状の本体部42bと、筒部42aと本体部42bとの間に設けられる板状の第1制御部42cと、筒部42aに設けられる爪状の第2制御部42dと、を備える。第2片42は、第1の実施形態の第2片12と略同一である。
ヒンジ軸34の両端部には、軸支持部39a,39bが設けられる。図9に示すように、軸支持部39a,39bには、図示しないねじ等の締結部材によって挟み部40が締結される。挟み部40には、締結部材が螺合するねじ穴が形成される。軸支持部39a,39bには、締結部材の通し穴43が形成される。挟み部40をカバー33の溝37に入れた後、軸支持部39a,39bと挟み部40とを締結部材によって締結して、軸支持部39a,39bと挟み部40とで溝37の口元部37aを挟む。これにより、ヒンジ32にカバー33が取り付けられる。
図10は、図8のX-X線断面図で見たときの第2の実施形態のヒンジ装置31の動作図を示す。図10(a)は、ヒンジ32の閉じ位置(すなわち扉36の閉じ位置)を示し、図10(b)は、図10(a)のb部拡大図を示し、図10(c)は、ヒンジ32の閉じ位置から開き位置までの動作図(すなわち扉36の閉じ位置S1から開き位置S5までの動作図)を示す。
図11は、図8のXI-XI線断面図で見たときの第2の実施形態のヒンジ装置31の動作図を示す。図11(a)(b)(c)は、図10(a)(b)(c)と同様の図である。
図10(c)のS1に示すように、扉36の閉じ位置において、第1片41の第1制御部41cがカバー33の外面の第1側面33b1に当接する。また、図11(c)のS1に示すように、扉36の閉じ位置において、第2片42の第1制御部42cがカバー33の外面の第2側面33b2に当接する。このため、カバー33の回転は、第1制御部41c,42cによって規制される。カバー33の位置は、図10(c)のS1に示す位置にリセットされる。
閉じ位置にある扉36を開くとき、図11(c)のS3、S4に示すように、扉36の中間位置S3、S4において、第2片42の第2制御部42dがカバー33の第1側面33b1に当接し、カバー33が第2片42と一緒に回転し始める。
図10(c)のS5に示すように、扉36の開き位置において、第1片41の第2制御部41dがカバー33の外面の第2側面33b2に当接する。また、図11(c)のS5に示すように、扉36の開き位置において、第2片42の第2制御部42dがカバー33の外面の第1側面33b1に当接する。このため、カバー33の回転は、第2制御部41d,42dによって規制される。カバー33の位置は、図10(c)のS5に示す位置にリセットされる。
枠35と扉36との間に指を挟むのは、図10(c)のS5に示す開き位置から図10(c)のS1の閉じ位置に到る過程である。この過程において、枠35と扉36との間の隙間がカバー33によって塞がれるので、枠35と扉36との間に指を挟むのを防止できる。
なお、図10(c)のS2、S3、S4、図11(c)のS2、S3、S4に示す扉36の中間位置において、カバー33は回転可能である。枠35と扉36との間の隙間をできるだけ塞ぐため、ばね等の付勢手段によってカバー33を第1片41の第1制御部41cに付勢することも可能である。
図12(a)は、本発明の第2の実施形態のヒンジ装置31の変形例(図8のXII-XII線断面図)を示す。この例では、第2片42と軸支持部39bとの間に付勢手段としてのトーションばね45を介在させ、カバー33を第1片41の第1制御部41cに付勢する。トーションばね45の一端45aは、第2片42に連結される。トーションばね45の他端45bは、軸支持部39bに連結される。軸支持部39bには、カバー33が取り付けられるので、トーションばね45によってカバー33を第1制御部41cに付勢することができる。他の構成は、図8に示す第2の実施形態のヒンジ装置31と同一なので、同一の符号を附してその説明を省略する。
図12(b)はトーションばね45を示す。図12(b)の左側に示すように、トーションばね45は、扉36が閉じ位置にあるとき(図11(c)のS1参照)、撓んでいて、カバー33に図12(a)に示す反時計方向の付勢力Mを働かせる。このため、カバー33が第1片41の第1制御部41cに付勢される。カバー33に働く反時計方向の付勢力Mは、図12(b)の右側に示すように、扉36が90度開くまで継続する(図11(c)のS1〜S3、図12(b)の右側参照)。このため、図11(c)のS1,S2,S3において、カバー33を第1片41の第1制御部41cに付勢することができる。また、図11(c)のS4、S5に示すように、第2片42の第2制御部42dがカバー33に当接してカバー33が時計方向に回転するときには、トーションばね45がカバー33を第2片42の第2制御部42dに付勢する。したがって、図11(c)のS1〜S5に示すように、枠35と扉36との間の隙間をカバー33で塞ぐことができる。
なお、トーションばね45の替わりに又はトーションばね45に加えて、ヒンジ軸34と軸支持部39a,39bとを回り止めし、第1片41とヒンジ軸34との間で所定の摩擦力を発生させ、この所定の摩擦力によってカバー33を第1片41に付勢するようにすることもできる。
(第3の実施形態)
図13は、本発明の第3の実施形態のヒンジ装置51の斜視図を示す。図14は、見る方向を変えた第3の実施形態のヒンジ52の斜視図を示す。
本実施形態のヒンジ装置51も、ヒンジ52と、ヒンジ52にヒンジ軸54(図15(b)参照)の回りを回転可能に支持されるカバー33と、を備える。ヒンジ52は、扉36に取り付けられる第1片61と、枠35に取り付けられる第2片62と、を備える。第1片61と第2片62とは、ヒンジ軸54を中心にして相対回転可能である。ヒンジ52は、扉36を閉じ位置(図15(c)のS1参照)と開き位置(図15(c)のS5参照)との間を回転させる。
第3の実施形態のカバー33も、断面略1/4円状である。第3の実施形態のカバー33は、第2の実施形態のカバー33と略同一である。第3の実施形態では、枠35のみに断面略1/4円状の凹み35aを形成し、扉36に断面略1/4円状の凹みを形成しない(図15(b)参照)。
図13に示すように、カバー33には、長さ方向に延びるあり溝状の溝37が形成される。カバー33は、溝37によって互いに直角な第1側面33b1と第2側面33b2とに区画される。
ヒンジ52の第1片61は、締結部材57によって扉36に取り付けられる。第1片61は、ヒンジ軸54が挿入される筒部61aと、締結部材57が通される通し穴が形成される板状の本体部61bと、筒部61aと本体部61bとの間に設けられる板状の第1制御部61cと、筒部61aに設けられる爪状の第2制御部61dと、を備える。第1片61は、第2の実施形態の第1片41と略同一である。
第2片62は、締結部材58(図14参照)によって枠35に取り付けられる。第2片62は、ヒンジ軸54が挿入される筒部62aと、締結部材58が通される通し穴が形成される板状の本体部62bと、筒部62aと本体部62bとの間に設けられる板状の第1制御部62cと、筒部62aに設けられる爪状の第2制御部62dと、を備える。第1制御部62cは、本体部62bと略直角である。第1制御部62cは、カバー33の第2側面33b2に当接可能である。第2制御部62dは、筒部62aの外径を部分的に大きくしてなる。第2制御部62dは、カバー33の第1側面33b1に当接可能である。
ヒンジ軸54の両端部には、軸支持部59a,59bが設けられる。図14に示すように、軸支持部59a,59bには、図示しないねじ等の締結部材によって挟み部60が締結される。挟み部60には、締結部材が螺合するねじ穴が形成される。軸支持部59a,59bには、締結部材の通し穴63が形成される。挟み部60をカバー33の溝37に入れた後、軸支持部59a,59bと挟み部60とを締結部材によって締結して、軸支持部59a,59bと挟み部60とで溝37の口元部37aを挟む。これにより、ヒンジ52にカバー33が取り付けられる。
図15は、図13のXV-XV線断面図で見たときの第3の実施形態のヒンジ装置51の動作図を示す。図15(a)は、ヒンジ52の閉じ位置(すなわち扉36の閉じ位置)を示し、図15(b)は、図15(a)のb部拡大図を示し、図15(c)は、ヒンジ52の開き位置から閉じ位置(すなわち扉36の開き位置S5から閉じ位置S1)までの動作図を示す。
図16は、図13のXVI-XVI線断面図で見たときの第3の実施形態のヒンジ装置51の動作図を示す。図16(a)(b)(c)は、図15(a)(b)(c)と同様の図である。
図15(c)のS5に示すように、扉36の開き位置において、第1片61の第2制御部61dがカバー33の外面の第2側面33b2に当接する。また、図16(c)のS5に示すように、扉36の開き位置において、第2片62の第2制御部62dがカバー33の外面の第1側面33b1に当接する。このため、カバー33の回転は、第2制御部61d,62dによって規制される。カバー33の位置は、図15(c)のS5に示す位置にリセットされる。
開き位置にある扉36を閉じるとき、図15(c)のS3、S2に示すように、第1片61の第1制御部61cがカバー33の第1側面33b1に当接し、カバー33が第1片61と一緒に回転する。
図15(c)のS1に示すように、扉36の閉じ位置において、第1片61の第1制御部61cがカバー33の外面の第1側面33b1に当接する。また、図16(c)のS1に示すように、扉36の閉じ位置において、第2片62の第1制御部62cがカバー33の外面の第2側面33b2に当接する。このため、カバー33の回転は、第1制御部61c,62cによって規制される。カバー33の位置は、図15(c)のS1に示す位置にリセットされる。
枠35と扉36との間に指を挟むのは、扉36が図15(c)のS5に示す開き位置から図15(c)のS1に到る過程である。この過程において、枠35と扉36との間の隙間がカバー33によって塞がれるので、枠35と扉36との間に指を挟むのを防止できる。
なお、図15(c)のS4、S3、S2、図16(c)のS4、S3、S2に示す扉36の中間位置において、カバー33は回転可能である。枠35と扉36との間の隙間をできるだけ塞ぐため、ばね等の付勢手段によってカバー33を第2片62の第2制御部62dに付勢することも可能である。
図17は、本発明の第3の実施形態のヒンジ装置51の変形例(図13のXVII-XVII線断面図)を示す。この例では、第1片61と軸支持部59aとの間に付勢手段としてのトーションばね53を介在させる。トーションばね53の一端53aは、第1片61に連結される。トーションばね53の他端53bは、軸支持部59aに連結される。軸支持部59aには、カバー33が取り付けられるので、トーションばね53によってカバー33を付勢することができる。他の構成は、図13に示す第3の実施形態のヒンジ装置51と同一なので、同一の符号を附してその説明を省略する。
トーションばね53は、扉36の開き角度が180度〜90度の間(図16(c)のS5〜S3の間)、カバー33を第2片62の第2制御部62dに付勢する。これにより、図16(c)のS5〜S1に示すように、枠35と扉36との間の隙間をカバー33で塞ぐことができる。
なお、トーションばね53の替わりに又はトーションばね53に加えて、ヒンジ軸54と軸支持部59a,59bとを回り止めし、第2片62とヒンジ軸54との間で所定の摩擦力を発生させ、この所定の摩擦力によってカバー33を第2片62に付勢するようにすることもできる。
本発明は、上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な実施形態に具現化可能である。
例えば、上記実施形態では、ヒンジ装置が扉を閉じ位置から開き位置まで約180度回転させているが、ヒンジ装置が扉を閉じ位置から開き位置まで約90度回転させることもできる。
本実施形態のヒンジ、カバーの構成は、一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲で他の構成を採用し得る。