JP2019199247A - 船艙壁面清掃装置 - Google Patents

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利之 ▲高▼▲崎▼
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Abstract

【課題】撒積貨物船の船艙壁面清掃作業の安全化、省力化を図ることができる船艙壁面清掃装置を提供する。【解決手段】船艙の高さにほぼ相当する長さの中空形状の支柱4、支柱に貫かれその上端部を支持する頭部支持腕2とその直下のガイドボックス3、支柱の下端に取付けられた機器ボックス5からなる支柱構成体1a、及び、支柱構成体を最下端で保持する脚部保持台車6と、支柱に沿って上下に摺動する昇降駒7と、昇降駒を水平に貫通し左右に摺動する水平アーム8とで構成され、ハッチコーミング上面に頭部支持腕を引っ掛けて支柱構成体を懸垂し、船艙内底板上に置かれた脚部保持台車が支柱構成体の振り子状の揺れを抑えることにより、支柱が船艙空間に垂直に設置され、昇降駒に支持された水平アームの上下、左右の移動により、水平アームの先端を船艙壁面のあらゆる任意の点に近接させ、そこに取付けた各種清掃器具にて船艙壁面全面の清掃を可能とする。【選択図】図1

Description

本発明は、撒積貨物船の船艙壁面を清掃するのに適した船艙壁面清掃装置に関する。
技術背景
主に外航海運にて運航されている大型の撒積貨物船は石炭、穀物などの貨物を荷揚げした後、次に異なる種類の貨物を積む場合は船艙内を全面的に清掃する必要があるが、その作業は本船乗組員又は外部の清掃作業員にて単純な清掃用具を用い人力にて行うのが一般的である。撒積貨物船の船艙壁面はフレームなどの骨材で構成されているため、積荷の残留物が付着しやすく、特に、高所に付着している場合、これらを取り除くには長尺の移動梯子や足場の設置、もしくは高所作業車が必要であり、手間が掛かると共に高所作業となるため危険な作業となる。
船艙内の高所作業への対応としては専用の作業足場装置を設置するもの(例えば、特許文献1〜4参照)や上甲板の開口部より作業装置を吊下げるのも(例えば、特許文献5、6参照)が提案されているが、いずれも清掃作業に特化したものではく、工作工事作業のためのものであり、装置の設置及び移動に多大な労力を要する。また、作業足場装置では作業者に対する足場上での高所作業の危険性は依然として解消できない。
船艙内を水洗浄にて清掃する場合に限っては、高圧水噴射装置を使い、高所まで水流を飛ばして付着した残留物を洗い落とす方法もあるが、貨物の種類によっては水洗浄に適さないもの(例えば、セメント)もあり、また最高所では水勢も弱くなり洗浄効果を十分に発揮できないこともある。
実開昭51−80899 特開昭52−13296 特開昭52−14029 特開昭61−183561 特開昭60−197480 実開昭61−85594
撒積貨物船は多種多様な貨物を運送するので、積荷の種類が変わる場合は船艙内の清掃が必要となる場合が多く、その清掃作業に要する日数と作業コストは運航上の負担になると共に、船艙壁面の高所の清掃は危険な作業でもある。特に、揚荷出港後、次の積み地に向かう航海中に乗組員により清掃作業を行う場合、動揺する船艙内での高所作業はさらに危険度が増すことになる。
本発明は上述した問題点に鑑みて創案されたものであり、装置自体が比較的軽量で乗組員による船艙内への設置や船艙間の移動が容易にて、船艙壁面清掃における高所作業の解消と清掃作業全体の省力化・迅速化を図ることができる、船艙壁面清掃装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、撒積貨物船の揚荷後に船艙内の壁面に付着残留してしまう残留物を清掃する船艙壁面清掃装置において、船艙の高さにほぼ相当する長さの中空形状の支柱、該支柱に貫かれその上端部を支持する頭部支持腕とその直下の直方体形状のガイドボックス、該支柱下端に取付けられた機器ボックスとからなる支柱構成体、及び、該支柱構成体を最下端で保持する脚部保持台車と、該支柱に沿って上下に摺動する昇降駒と、該昇降駒を水平に貫通し左右に摺動する水平アームとで構成され、
撒積貨物船のハッチコーミング上面に該頭部支持腕を引っ掛けて該支柱構成体を懸垂し、該ガイドボックスはその側面をハッチコーミング内側面に接して垂直姿勢を保つと共に、船艙内底板(床面)上に置かれた該脚部保持台車が該機器ボックスを保持することにより、該支柱が船艙空間に垂直に設置され、該昇降駒に支持された該水平アームの上下、左右の移動により、該水平アームの先端を船艙壁面のあらゆる任意の点に近接させて、そこに取付けた各種清掃器具にて船艙壁面の清掃を可能とすることを特徴とする船艙壁面清掃装置が提供される。
撒積貨物船のハッチカバーは通常、船首と船尾方向に折畳まれて開閉するエンドホールディングタイプ、又は舷側方向に水平に開閉するサイドスライディングタイプであるが、いずれもハッチカバー全開時はハッチコーミング上面が完全に露出した状態となる。
前記頭部支持腕は走行車輪を有し、ハッチコーミング上面を軌道としてハッチ開口四周に沿って周回移動することができ、また、前記支柱構成体は前記脚部保持台車には荷重を預けず該走行車輪を支点として懸垂された状態とし、船艙内底板上の該脚部保持台車を該頭部支持腕の移動に追従して動かすことにより、該支柱を垂直に保った状態で船艙内空間を周回移動させるようにしてもよい。
前記水平アームの片方の先端には器具取付台を設け、該器具取付台に棒状の回転ブラシ、圧縮空気噴射ノズル、洗浄水噴射ノズル、塗装エアスプレーガンなどの清掃器具を取付けることにより、船艙壁面に付着した残留物を、掻き落とし、吹き飛ばし、海水または清水洗浄し、そして最終的には壁面塗装までを行えるようにしてもよい。
清掃作業とは異なるが、前記器具取付台に照明及びカメラを取付け、映像をモニター画面に映し出して、定期検査時の船殻構造の目視検査に利用してもよい。
前記水平アームは前記支柱を軸芯として首振り動作ができる構造とし、該水平アームの先端の付近の両側からハの字状に2本の長い操作ロープを繋ぎ、これらを船艙内底板上にいる作業員が牽引操作することにより、該水平アームを船艙壁面の狙った点に正確に向けるようにしてもよい。
前記器具取付台は前記水平アームに対し歯車機構により左右に旋回動作ができる構造とし、該歯車機構はチェーンで駆動されるスプロケットを有し、該チェーンに繋がれたワイヤーを船艙内底板上にいる作業員が牽引操作することにより、該器具取付台の向きを調整し、船艙壁面の骨材等による凹凸形状に対し前記清掃器具を最適な方向に向けるようにしてもよい。
前記機器ボックス内に動力源のモーター、ワイヤー巻取りドラム、及びこれらを連動させる歯車機構を設け、該ワイヤー巻取りドラムから前記支柱上方に取付けた滑車、そして前記昇降駒に取付けた滑車を経由し、前記水平アームの先端までを結ぶワイヤリングシステムを構築し、該モーターの正反転と該歯車機構の切替えによるワイヤーの巻取り、繰出しの組み合わせにより、該水平アームの上下及び左右水平移動を可能とするようにしてもよい。
さらに、前記機器ボックス内に設けた補助ドラムと、前記支柱上方に取付けた滑車との間で張られたループワイヤーで前記昇降駒を上下に支持するワイヤリングも構築し、該補助ドラムと前記ワイヤー巻取りドラムとの歯車機構による連動または分離により、該昇降駒の上下移動を助け、または該昇降駒を固定し前記水平アームの左右水平移動を円滑に行えるようにしてもよい。
前記清掃器具の作動時は前記回転ブラシが受ける反力や前記洗浄水噴射ノズルの噴射水流からの反動力が生じるため、前記支柱に水平方向の力が加わり、前記脚部保持台車に横ずれが生じる虞があるので、該脚部保持台車の下面に取付けた永久磁石を船艙内底板に吸着させ、これを制動してもよい。尚、該永久磁石は上下に可動し、該脚部保持台車を動かす時は該船艙内底板から離すようにしてもよい。
前記頭部支持腕はハッチコーミングに沿って周回移動するが、ハッチコーミングのコーナーでの90度方向転換のためには、ハッチコーミング上面から浮き上がる必要があり、前記機器ボックス内に設けたシリンダーのロッドを下方に伸ばし前記脚部保持台車に突き当て、その反力で前記支柱構成体を若干持ち上げるようにしてもよい。
前記頭部支持腕は前記走行車輪にてハッチコーミング上面を軌道として動くが、軌道上から該走行車輪が外れることを防ぐため、該頭部支持腕にハッチコーミングの外側側面まで伸びた横ずれ防止アームを取付けてもよい。
さらに安全のために、前記横ずれ防止アームが外れ、前記走行車輪がハッチコーミング上面から脱落した場合に備え、転倒防止ワイヤーをハッチコーミングと平行に張り渡し、該頭部支持腕の側面に設けたフックに通し、前記支柱構成体の転倒を防ぐようにしてもよい。
前記水平アームは前記支柱と直交し十字形状をなしているので、使用していない格納時、または船艙内への設置作業時は該水平アームを片方に寄せた状態でヒンジ機構より上方に折れる構造とし該支柱と平行な状態になるようにしてもよい。
前記船艙壁面清掃装置は長尺であり格納は上甲板上のハッチコーミングの舷側サイドのスペースを利用し、使用時の船艙内への設置または船艙間の移動には、撒積貨物船に設備されたデッキクレーンを利用してもよい。
本発明の効果
本発明に係わる船艙壁面清掃装置によれば、船艙壁面を全面的に迅速に清掃でき、かなりの省力化を図れると共に、船艙壁面高所の清掃に係わる従来の危険な高所作業を解消することができる。
さらに、本発明によれば、船艙壁面に付着した残留物の性状に応じ、回転ブラシによる掻き落とし、圧縮空気噴射ノズルによる吹き飛ばし、海水又は清水の洗浄水噴射ノズルによる水洗い洗浄、そして水洗浄でも落ちない変色跡の最終仕上げとして塗装エアスプレーガンによる塗装までの一連の作業を効率よく行うことができる。
本発明の一実施形態に係わる船艙壁面清掃装置を示す全体構成図である。 (a)は船艙壁面清掃装置が船艙内を周回しながら稼働する状況を示した平面図である。(b)は船艙壁面清掃装置を水平方向に移動させる要領を示す側面図である。 船艙壁面清掃装置の頭頂部の詳細を示す側面図である。 船艙壁面清掃装置の頭頂部を除く全体の詳細を示す側面図である。 水平アームと清掃器具取付台の詳細を示す図であり、(a)は水平アームの平面図,(b)は水平アームが貫通する昇降駒のA−A矢視断面図、(c)は清掃器具取付台の旋回機構を示す平面図、(d)はその側面図である。 清掃器具の詳細を示す図であり(a)は回転ブラシとその取付け要領、(b)は圧縮空気噴射ノズルとその取付け要領、(c)海水または清水洗浄水噴射ノズルとその取付け要領、(d)は塗装エアスプレーガンとその取付け要領、及び塗料収納容器、(e)は船殻構造目視検査用の照明及びカメラとその取り付け要領、を示す側面図である。 機器ボックス内の詳細を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)(c)は側面図、(d)は平面図である。 (a)は機器ボックス内のシリンダーのロッドを伸ばし、支柱構成体をジャッキアップした状況を示す側面図、(b)は脚部保持台車の詳細を示す平面図、(c)は脚部保持台車が高さ不足となる場合の継足し脚部を示す側面図である。 機器ボックス内の歯車機構、及び中間歯車切替え機構を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は中間歯車切替え要領を示す側面図である。 水平アームの上下移動、及び水平移動を行うためのワイヤリングシステムを示す説明図であり、(a)は上昇移動、(b)は下降移動、(c)は左水平移動、(d)は右水平移動を示している。 (a)(c)は頭部保持腕がハッチコーミング上面を移動し、コーナーで方向転換する状況を示す平面図、(b)(d)は転倒防止ワイヤーを展張した状態を示す側面図である。 船艙壁面清掃装置を船艙内に吊り下ろし垂直に設置する要領を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図12を用いて説明する。ここで図1は本発明の一実施形態に係わる船艙壁面清掃装置を示す全体構成図である。
本発明に係わる船艙壁面清掃装置1は、撒積貨物船の荷揚げ後に船艙壁面に付着した積荷の残留物を取り除き清掃するための各種の清掃器具を船艙壁面の高所を含む任意の点に接触又は近接させるための装置であって、図1に示したように、船艙の高さにほぼ相当する長さの中空形状の支柱4、支柱4に貫かれその上端部を支持する頭部支持腕2とその直下の直方体形状のガイドボックス3、支柱4の下端に設けられた機器ボックス5と、からなる支柱構成体1a、及び、最下端で支柱構成体1aを保持する脚部保持台車6と
支柱4に沿って上下に摺動する昇降駒7と、昇降駒7を水平に貫通し左右に摺動する水平アーム8と、で構成され、
撒積貨物船のハッチカバーを完全に開いた状態で、ハッチコーミング上面16に頭部支持腕2を引っ掛けて支柱構成体1aを懸垂し、船艙内底板上に置かれた脚部保持台車6が機器ボックス5を保持することにより、支柱4が船艙空間に垂直に設置され、昇降駒7に支持された水平アーム8の上下または左右の移動により、水平アーム8の先端を船艙壁面のあらゆる任意の点に近接させ、水平アーム8の先端の器具取付台9に取付けた各種清掃器具にて船艙壁面の清掃を可能とするものである。
ハッチカバー全開時はハッチコーミング上面16が完全に露出した状態となり、図2(a)に示したように、ハッチコーミング上面16を軌道として頭部支持腕2をハッチ開口四周に沿って周回移動させることで、支柱4も垂直状態で周回移動ができ、支柱4と直交する水平アーム2の先端を壁面隅部も含め4つの壁面のあらゆる点に近接させることができる。
支柱構成体1aは頭部支持腕2にて全荷重を支えられた懸垂状態とし、脚部保持台車6には荷重を預けない構造とすることにより、図2(b)に示したように、頭部支持腕2をハッチコーミングに沿って移動させ、それに追随して船艙内底板上の脚部保持台車6を動かすことにて、支柱4は垂直姿勢を保ったまま移動することができる。
図3に示したように、頭部支持腕2は、2個の走行車輪21を有し、ハッチコーミング上面16に引っ掛かる状態で支柱構成体1aを懸垂し、ガイドボックス3はその側面をハッチコーミング内側面に接して垂直を保つと共に、図4に示したように、船艙内底板上に置かれた脚部保持台車6が機器ボックス5の底部から鉛直に伸びた下端軸足パイプ50を脚部ソケット61にて無荷重で受け止めて支柱構成体1aの振り子状の揺れを抑えることにより、支柱4は移動時も含めて安定的に船艙空間に垂直に設置される。
また、図3に示したように、頭部支持腕2には走行車輪21がハッチコーミング上面16の軌道上から外れることを防ぐため、ハッチコーミング上面16の外側側面まで伸びた鉤型形状の横ずれ防止アーム22を取付ける。
さらに安全のため、横ずれ防止アーム22が外れ、走行車輪21がハッチコーミング上面16から脱落した場合に備え、転倒防止ワイヤー17をハッチコーミングと平行に張り渡し、頭部支持腕2の側面に設けたフック23に通し、支柱構成体1aの転倒を防止する。
水平アーム8を上下に昇降、また左右に移動させるため、図4に示したように、1本の駆動ワイヤー10を巻取りAドラム53から支柱4の中空部を通って支柱4の上方側面に取付けた滑車11を経由し、昇降駒7の上部角に設けた滑車71に通した後、水平アーム8の片方の先端部に繋ぎ、また、巻き取りBドラム54からもう1本の駆動ワイヤー10を同様の経路で水平アーム8のもう一方の先端部まで繋ぐワイヤリングシステムを構築し、駆動ワイヤー10を2本同時に巻取る又は繰り出すことにより水平アーム8を上昇又は降下させ、または、1本を巻取り、他方を繰り出すことにより左右に移動させることができる。
また、前記ワイヤリングシステムの一環として、支柱4上方側面の滑車11aと機器ボックス5内に設けた補助ドラム55の間でループ状に張られたループワイヤー12で昇降駒7を上下で支持し、補助ドラム55が巻き取りAドラム53と同期連動して動いて昇降駒7の上下移動を助けるか、または固定されて昇降駒7の上方移動を抑止して水平アーム8の左右移動を円滑に行えるようにする。
尚、水平アーム8は支柱4と直交し十字形状をなしているので、格納時、または船艙内への設置作業時は水平アーム8を片方に寄せた状態でヒンジ機構81により上方に折れる構造とし支柱4と平行な状態になるようにする。
図3(a)に示したように、頭部支持腕2とガイドボックス3を貫通する支柱4の上部は円形の断面を有し、また、図4に示したように、機器ボックス5の底部の下端軸足パイプ50も円形断面とすることで、支柱4は自由な自転が可能となり、一方、昇降駒7が摺動する範囲の支柱4は矩形の断面を有し、昇降駒7の支柱4に対する水平回転は拘束されており、水平アーム8は支柱4を軸芯として首振り動作が可能となるので、図5(a)に示したように、水平アーム8の先端付近の両側からハの字状に2本の長い操作ロープ15を繋ぎ、これらを船艙内底板上にいる作業員が牽引操作することにより、水平アーム8を船艙壁面の狙った点に正確に向けることができる。
図5(a)、(b)に示したように、昇降駒7はガイドローラー73を介して支柱4に嵌合し上下に摺動、また2本の棒材で構成される水平アーム8はガイドローラー72を介し昇降駒7を水平に貫通して左右に摺動するようにする。
図5(c)、(d)に示したように、水平アーム8の片方の先端に設けた器具取付台9は、回転軸ピン85で水平アーム8に結合され、その後方は半円形状をなし、そこに取付けた平歯車83とウオーム歯車82の組み合わせにて左右60°程度の旋回動作ができるようにする。ウオーム歯車82はスプロケット84に同軸直結し、スプロケット84はチェーン86にて回転駆動され、チェーン86にはワイヤー87を繋げ、船艙内底板上で手動にて牽引操作する。
船艙壁面は骨材等で凹凸形状をしており、特に壁面コーナー部では水平アーム8の首振り動作だけでは清掃器具の先端が狙った点に向かないこともあり、器具取付台9の旋回機構も活用し、清掃器具を最適な向きに調整する。
図6(a)〜(d)に示したように、器具取付台9にエアモーター駆動の回転ブラシ91、圧縮空気噴射ノズル92、洗浄水噴射ノズル93、塗装エアスプレーガン94、塗料収納容器95などの清掃器具を取付け、船艙壁面に付着した残留物の性状に応じて、掻き落とし、吹き飛ばし、海水及び清水洗浄し、そして必要に応じ最終的には壁面塗装までを行い、船艙壁面を完全にクリーンな状態にすることができる。
尚、清掃作業とは異なるが、図6(e)に示したように、器具取付台9に照明96及びカメラ97を取付け、映像をモニター画面に映し出して、定期検査時の船殻構造の目視検査に利用することもできる。
図7に示したように、機器ボックス5内にエアモーター51、巻取りAドラム53及び巻取りBドラム54、補助ドラム55、及びそれらを駆動する歯車機構を配置し、また支柱4をジャッキアップするためのエアシリンダー57も取付ける。
図8(a)、(b)に示したように、脚部保持台車6は4個の車輪62を有し、中央部に脚部ソケット61を備え、ここに下端軸足パイプ50を内挿した状態で支柱4の振り子状の横揺れを抑えて垂直に保つ働きをする。清掃器具の作動時に生じる反力で脚部保持台車6がタイヤの摩擦力だけでは弱く横ずれが発生するのを防ぐため、永久磁石63を取付け、船艙内底板に吸着させて固定する。尚、永久磁石63は上下可動式としフットレバー64にて操作する。
撒積貨物船は通常、上甲板が船首に向けてせり上がる船型構造となっているため、最船首に位置する1番船艙のみ他の船艙より若干深くなっており、支柱構成体1aの長さ不足が生じるので、図8(c)で示したように、脚部保持台車6の高さを増すため、継足し脚部66で対応する。
図9にて、水平アーム8の上下及び左右移動のためのワイヤリングシステムを動かす歯車機構の詳細を示す。図9(a)にて示したように、機器ボックス5内の2個の巻取りAドラム53及び巻取りBドラム54は1個のエアモーター51により歯車機構で駆動されるが、Aドラム付歯車53aは中間歯車組込ケース52に組み込まれた第1中間歯車52aと第2中間歯車52b(1段目中間歯車)、又は第3中間歯車52c(2段目中間歯車)のどちらかを介在して、一方、Bドラム付歯車54aは第4中間歯車52dを常に介在して、駆動歯車51aに駆動される。
図9(b)にて示したように、中間歯車組込ケース52を歯車の軸方向にスライド移動させて、駆動歯車51aとAドラム付歯車53aとの間に該1段目中間歯車を嵌合すると、巻取りAドラム53と巻取りBドラム54は互いに逆方向に回転、また、該2段目中間歯車に嵌合すると、同方向回転とすることができる。
エアモーター51は正反転可能なタイプとすることにより、図10(a)〜(d)に示したの4つのパターンで巻取りAドラム53と巻取りBドラム54を回転させることができる。
また、水平アーム8の上下及び左右の動きを円滑に行なうため、昇降駒7は滑車11aと補助ドラム55の間でループ状に張られたループワイヤー12で上下を支持され、補助ドラム55と同軸直結されたスプロケット55aは第1中間歯車52aと同軸直結された駆動スプロケット52eと駆動チェーン55bで結ばれる。
第1中間歯車52aが駆動歯車51aに嵌合して回転する場合、補助ドラム55は巻き取りAドラム53と同期連動(ワイヤー速度が同じとなるように歯車比率調整)して動き、昇降駒7の上下移動を助け、
第3中間歯車52cが駆動歯車51aに嵌合して回転する場合、駆動スプロケット52eが圧着ブレーキ板56に圧着され固定停止状態となり、駆動チェーン55bで結ばれた補助ドラム55も固定されることにより昇降駒7の上方移動を抑止して、水平アーム8の左右水平移動が円滑に行える。
尚、中間歯車組込ケース52のスライド移動は機器ボックス5の側面外側に設けられた中間歯車切替えレバー58にて行なう。
撒積貨物船は通常、上甲板上に全船艙のハッチコーミング脇に圧縮空気供給配管を有しており、これを利用すべく動力源はエアモーター51とし、支柱4の中空内部に頂部から機器ボックス5内のエアモーター51まで固定配管13aを設け、頂部の取り込み口にゴムホース13を繋ぎ上甲板の圧縮空気供給配管から圧縮空気を供給する。
また、円筒型エアモーター駆動の回転ブラシ91、圧縮空気噴射ノズル92、及び塗装エアスプレーガン93には機器ボックス5まで引かれた固定配管13aから上方に向けてゴムホース13bを繋ぎ、圧縮空気を供給する。
また、撤積貨物船は通常、上甲板上に全船艙のハッチコーミング脇に雑用海水供給管、及び雑用清水供給管も有しており、洗浄水噴射ノズル93へはこれらの供給口からホース14でハッチコーミングを跨いで供給する。
洗浄水噴射ノズル93は船艙壁面に近接させることができるので、特段、高圧噴射とする必要は無く、撤積貨物船に通常設備されている雑用海水供給管、及び雑用清水供給管の水圧で効果的に洗浄できる。
図11(a)(c)で示したように、ハッチコーミング上面16に沿って移動する頭部支持腕2はハッチコーミングのコーナー部まで来ると90度の方向転換が必要であり、その際は図8(a)で示したように、機器ボックス5内に設けたエアーシリンダー57のシリンダーロッド57aを下方に伸ばし脚部保持台車6に突き当て、その反力で支柱構成体1aを若干持ち上げることにより、頭部支持腕2はハッチコーミング上面16から浮き上がり、手動にて90度の方向転換をすることができる。方向転換後、シリンダーロッド57aを縮め、頭部支持腕2の走行車輪21をハッチコーミング上面16に乗せる。その後に転倒防止ワイヤー17を張り直し、脚部保持台車6も90度向きを変える。
また、ハッチコーミングのコーナー部での頭部支持腕2の90度の方向転換時は転倒防止ワイヤー17をフック23から外し、横ずれ防止アーム22も跳ね上げておく必要があるので、支柱頂部アイ4aを仮止めワイヤー18で留めておき、支柱構成体1aの転倒を防ぐこととする。
尚、図3、及び図11においてはエンドホールディングタイプのハッチカバーを装備した撒積貨物船を前提としている。サイドローリングタイプの撒積貨物船においてはハッチコーミング上面にローラーウエイ16cが無いなど艤装品や形状に違いはあるが、基本的には同様の方法で対応できる。
船艙壁面清掃装置1は長尺であり格納は上甲板上のハッチコーミングサイドのスペースを利用し、図12に示したように、使用時の船艙内への設置または船艙間の移動には、撒積貨物船に設備されたデッキクレーンを利用する。
1 船艙壁面清掃装置
1a 支柱構成体
2 頭部支持腕
20 ベアリング
21 走行車輪
22 横ずれ防止アーム
22a 横ずれ防止アームローラー
23 転倒防止ワイヤー保持フック
3 ガイドボックス
3a ガイドローラー
4 支柱
4a 支柱頂部アイピース
5 機器ボックス
50 下端軸足パイプ
51 エアモーター
51a 駆動歯車
52 切替え中間歯車組込みケース
52a 第1中間歯車
52b 第2中間歯車
52c 第3中間歯車
52d 第4中間歯車
52e 駆動スプロケット
53 巻取りAドラム
53a Aドラム付歯車
54 巻取りBドラム
54a Bドラム付歯車
55 補助ドラム
55a 補助ドラム付スプロケット
55b 駆動チェーン
56 圧着ブレーキ板
57 エアシリンダー
57a シリンダーロッド
58 中間歯車切替えレバー
59 エアモーター操作レバー
6 脚部保持台車
61 脚部ソケット
62 車輪
63 永久磁石
64 磁石脱着フットレバー
65 抜け落ち防止ワイヤー
66 継足し脚部
7 昇降駒
71 昇降駒付滑車
72 水平アームガイドローラー
73 支柱ガイドローラー
8 水平アーム
81ヒンジ
82ウオーム歯車
83平歯車
84スプロケット
85回転軸ピン
86チェーン
87ワイヤー
9 器具取付台
91 回転ブラシ
91a 回転ブラシ取付架台
92 圧縮空気噴射ノズル
93 洗浄水噴射ノズル
93a 洗浄水噴射ノズル取付架台
94 塗装エアスプレーガン
94a 塗装エアスプレーガン取付架台
94b 塗装エアスプレーガン操作レバー
95 塗料収納容器
96 照明
97 カメラ
10 駆動ワイヤー
11 支柱付滑車(駆動ワイヤー用)
11a 支柱付滑車(ループワイヤー用)
12 ループワイヤー
13 圧縮空気供給ホース(甲板上ゴムホース)
13a 圧縮空気供給管(支柱中空内固定配管)
13b 圧縮空気供給ホース(船艙内ゴムホース)
14 海水又は清水供給ホース
15 操作ロープ
16 ハッチコーミング上面
16a コンプレッションバー
16b ハッチカバーガイド
16c ローラーウエイ
17 転倒防止ワイヤー
17a 転倒防止ワイヤー(縦)先端留め金具
17b 転倒防止ワイヤー(縦)巻取り留め金具
17c 転倒防止ワイヤー(横)先端留め金具
17b 転倒防止ワイヤー(横)巻取り留め金具
18 仮止めワイヤー
18a 仮止めワイヤー留め金具

Claims (10)

  1. 撒積貨物船の荷揚げ後に船艙内の壁面に付着残留してしまう残留物を清掃する船艙壁面清掃装置において、船艙の高さにほぼ相当する長さの中空形状の支柱、該支柱に貫かれその上端部を支持する頭部支持腕とその直下のガイドボックス、該支柱下端に取付けられた機器ボックスで構成された支柱構成体、
    及び、該支柱構成体を最下端で保持する脚部保持台車と、
    該支柱に沿って上下に摺動する昇降駒と、該昇降駒を水平に貫通し左右に摺動する水平アームとで構成され、
    ハッチコーミング上面に該頭部支持腕を引っ掛けて該支柱構成体を懸垂し、該ガイドボックスはその側面をハッチコーミング内側面に接して垂直姿勢を保つと共に、船艙内底板上に置かれた該脚部保持台車が該機器ボックスを保持することにより、該支柱が船艙空間に垂直に設置され、該昇降駒に支持された該水平アームの上下、左右の移動により、該水平アームの先端を船艙壁面のあらゆる任意の点に近接させ、そこに取付けた各種清掃器具にて船艙壁面の清掃を可能とすることを特徴とする船艙壁面清掃装置。
  2. 前記頭部支持腕は走行車輪を有し、ハッチカバーを完全に開いた状態で、ハッチコーミング上面を軌道としてハッチ開口四周に沿って周回移動することができ、また、前記支柱構成体は前記脚部保持台車には荷重を預けず該走行車輪を支点として懸垂された状態とし、船艙内底板上の該脚部保持台車を該頭部支持腕の移動に追従して動かすことにより、前記支柱を垂直に保った状態で船艙内空間を周回移動させることができることを特徴とする請求項1に記載の船艙壁面清掃装置。
  3. 前記水平アームの片方の先端には器具取付台を設け、該器具取付台には棒状の回転ブラシ、圧縮空気噴射ノズル、洗浄水噴射ノズル、塗装エアスプレーガンなどの清掃器具を取付けることにより、船艙壁面に付着した残留物を、掻き落とし、吹き飛ばし、海水または清水洗浄し、そして最終的には壁面塗装までを行えることを特徴とする請求項1に記載の船艙壁面清掃装置。
  4. 前記水平アームは前記支柱を軸心として首振り動作ができる構造とし、該水平アームの先端付近の両側からハの字状に2本の長い操作ロープを繋ぎ、これらを船艙内底板上にいる作業員が牽引操作することにより、該水平アームを船艙壁面の狙った点に正確に向けることができることを特徴とする請求項1の船艙壁面清掃装置。
  5. 前記水平アーム先端の前記器具取付台は歯車機構により左右に旋回動作ができる構造とし、該歯車機構はチェーンで駆動されるスプロケットを有し、該チェーンに繋がれたワイヤーを船艙内底板上にいる作業員が牽引操作することにより、該器具取付台の向きを調整し、船艙壁面の骨材等による凹凸形状に対し前記清掃器具を最適な方向に向けることができることを特徴とする請求項1の船艙壁面清掃装置。
  6. 前記機器ボックス内に動力源のモーター、ワイヤー巻取りドラム、及びこれらを連動させる歯車機構を設け、該ワイヤー巻取りドラムから前記支柱上方に取付けた滑車、そして前記昇降駒に取付けた滑車を経由し前記水平アームの先端までを結ぶワイヤリングシステムを構築し、該モーターの正反転と該歯車機構の切替えによるワイヤーの巻取り、繰出しの組み合わせにより、該水平アームの上下、及び左右水平移動を可能ならしめることを特徴とする請求項1の船艙壁面清掃装置。
  7. 前記機器ボックス内に設けた補助ドラムと、前記支柱上方に取付けた滑車との間で張られたループワイヤーで前記昇降駒を上下に支持するワイヤリングを構築し、該補助ドラムと前記ワイヤー巻取りドラムとの歯車機構による連動または分離により、該昇降駒の上下移動を助け、または該昇降駒を固定し水平アームの左右水平移動を円滑に行えるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の船艙壁面清掃装置。
  8. 前記頭部支持腕はハッチコーミングに沿って周回移動するが、ハッチコーミングのコーナーでの90度方向転換のためには、ハッチコーミング上面から浮き上がる必要があり、前記機器ボックス内に設けたシリンダーのロッドを下方に伸ばし前記脚部保持台車に突き当て、その反力で前記支柱構成体を若干持ち上げることを特徴とする請求項1に記載の船艙壁面清掃装置。
  9. 前記頭部支持腕は前記走行車輪にてハッチコーミング上面を軌道として動くが、軌道上から該走行車輪が外れることを防ぐため、該頭部支持腕にハッチコーミング上面の外側側面まで伸びた横ずれ防止アームを取付けることを特徴とする請求項1に記載の船艙壁面清掃装置。
  10. 安全確保のため、前記横ずれ防止アームが外れ、前記走行車輪がハッチコーミング上面から脱落した場合に備え、転倒防止ワイヤーをハッチコーミングと平行に張り渡し、前記頭部支持腕側面に設けたフックに通し、前記支柱構成体の転倒を防ぐことを特徴とする請求項1に記載の船艙壁面清掃装置。
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