JP2019199549A - ゴム組成物およびシール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品となったときに、燃料油の透過を遮蔽する性能に優れたゴム組成物を提供する。また当該ゴム組成物の架橋物からなるシール材を提供する。【解決手段】結合アクリロニトリル含有量が36〜43質量%の高ニトリルNBR50〜95質量%、結合アクリロニトリル含有量が44質量%以上の極高ニトリルNBR0〜40質量%、およびポリ塩化ビニル5〜15質量%からなるニトリルゴム組成物100質量部に対して、シリカ30〜60質量部またはカーボンブラック40〜70質量部、可塑剤1〜33質量部、有機過酸化物系架橋剤4〜6質量部、およびトリメタクリル酸トリメチロールプロパン2〜4質量部を配合してなるゴム組成物である。また、当該ゴム組成物の架橋物からなるシール材である。【選択図】なし

Description

本発明は、燃料シール用途に適性を有するゴム組成物とシール材に関する。
燃料シール材の開発においては、一般的にシート状テストピースを膜と見立てて、所望のガスを透過させ、ガスの重量変化からゴムの透過特性を評価している(JIS K 7129参照)。しかし、テストピースの透過特性とゴム製品の透過特性とが合致しないことが多々あり、当該現象が生じる原因も不明であるため、材料開発の短縮化が図れないという状況にあった。
北米において1971年以降、燃料装置は、完全に密閉して、燃料油が直接大気に通気しない構造とすることが義務付けられた。特に燃料油の蒸散規制が厳しい地域においては、シールの機密性を考慮して、シール材にはフッ素ゴムが使用されている。一方、燃料油の蒸散規制がやや緩い地域においては、シール材として、フッ素ゴムよりも安価なニトリルゴムが使用されているが、従来のニトリルゴム材料よりも燃料油の透過性を低減することが求められている。
上記のような状況に対応して、ガソリン等の燃料油の透過性が小さいシール材用ゴム組成物として、いくつかのゴム組成物が開発されている。例えば、特許文献1には、アクリロニトリル、スチレンおよび1,3−ブタジエンを共重合させたニトリル共重合ゴム、塩化ビニル樹脂およびアクリル樹脂から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂、および可塑剤を含有するニトリル共重合体ゴム組成物が開示されている。
特開2011−213844号公報
特許文献1に記載のニトリル共重合体ゴム組成物は、硫黄系架橋剤を好ましく用いて架橋させるものであり、バイオディーゼル燃料との相性が十分ではないため、燃料油のシール性能において改良の余地を有するものであった。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、製品となったときに、燃料油の透過を遮蔽する性能に優れたゴム組成物を提供することである。また当該ゴム組成物の架橋物からなるシール材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解消するために、鋭意検討を重ねた結果、ゴム組成物の架橋成形品(テストピース)の残留応力とゴム製品の燃料油の透過特性とが相関関係にあることを見出した。また、ゴム組成物の架橋成形品の残留応力が大きいほど、ゴム製品の燃料油の遮蔽性能が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のような構成を有するものである。
本発明のゴム組成物は、結合アクリロニトリル含有量が36〜43質量%の高ニトリルNBR50〜95質量%、結合アクリロニトリル含有量が44質量%以上の極高ニトリルNBR0〜40質量%、およびポリ塩化ビニル5〜15質量%からなるニトリルゴム組成物100質量部に対して、シリカ30〜60質量部またはカーボンブラック40〜70質量部、可塑剤1〜33質量部、有機過酸化物系架橋剤4〜6質量部、およびトリメタクリル酸トリメチロールプロパン2〜4質量部を配合している。また、本発明のゴム組成物は、さらに、シランカップリング剤を配合することが好ましい。また、本発明のシール材は、前記のゴム組成物の架橋物からなり、燃料シール用としての適性を有するものである。
本発明のゴム組成物は、製品となったときに、燃料油の透過を遮蔽する性能に優れている。また、本発明のシール材は、燃料油の透過を遮蔽する性能に優れている。
透過試験治具の模式的断面図である。 ゴム製品の残留応力と燃料油の透過量との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下に説明する具体例としての実施形態に限定されるわけではない。
本実施形態のゴム組成物は、高ニトリルNBR、極高ニトリルNBRおよびポリ塩化ビニルからなるニトリルゴム組成物を含有するゴム組成物である。ニトリルゴム組成物を構成する各成分について以下説明する。
(ニトリルゴム組成物)
ニトリルゴム(NBR)は、架橋物が燃料に対する膨潤等の耐油性に優れていることから、自動車、産業機械工業など広い分野においてオイルシール、Oリング、パッキンなどのシール材の主要材料として用いられる。ニトリルゴムは、結合アクリロニトリルの含有量に応じて、極高ニトリルNBR(結合アクリロニトリル含有量44質量%以上)、高ニトリルNBR(結合アクリロニトリル含有量36〜43質量%)、中高ニトリルNBR(結合アクリロニトリル含有量31〜35質量%)、中ニトリルNBR(結合アクリロニトリル含有量25〜30質量%)および低ニトリルNBR(結合アクリロニトリル含有量24質量%以下)の各種ニトリルゴムに区分される。
ニトリルゴム組成物には、燃料油に対する高い耐久性が求められことから、結合アクリロニトリル含有量が高い高ニトリルNBRおよび極高ニトリルNBRが用いられる。極高ニトリルNBRは、耐油性が最も優れているものの、耐寒性や低温特性を低下させる傾向にある。そのため、ニトリルゴム組成物は、高ニトリルNBRを主体として、極高ニトリルNBRは必要に応じて適宜混合して用いられる。高ニトリルNBRまたは極高ニトリルNBRのムーニー粘度ML1+4(100℃)は、混練加工性の観点から、30〜85であるものが好ましく、40〜70がより好ましい。
ニトリルゴム組成物としては、これらの高ニトリルNBR、極高ニトリルNBRおよびポリ塩化ビニル(PVC)を適性比でブレンドして用いる。すなわち、ニトリルゴム組成物は、高ニトリルNBR50〜95質量%、極高ニトリルNBR0〜40質量%およびポリ塩化ビニル5〜15質量%からなる。ニトリルゴム組成物の組成は、好ましくは、高ニトリルNBR55〜90質量%、極高ニトリルNBR0〜30質量%およびポリ塩化ビニル9〜12質量%である。
(残留応力および応力緩和率)
本発明者らは、テストピースの透過特性とゴム製品の透過特性とが合致しない現象の原因について検討を加えた。当該検討において、ゴム製品の代表的な製品形状として、Oリングを採用した。
本発明者らは、まず、テストピースで実施した透過特性の結果とゴム製品での透過特性の結果とが合致しないゴム組成物を用意した。そして、当該ゴム組成物を成形し架橋させたテストピースの種々の物性と、当該ゴム組成物から製造したゴム製品であるOリングの透過特性との相関関係について、検討を重ねた。その結果、ゴム組成物のテストピースの残留応力とゴム製品の燃料油の透過特性との間に有意の相関関係があることを見出した。
ここで、残留応力は、後記するように、JIS K 6263:2015に準じて測定される数値である。ゴム組成物を成形し架橋させて得られたテストピースに対して、圧縮率30%、試験温度50℃で、24時間圧縮ひずみを与え、その後に残留応力を測定する。応力緩和率は、初期応力に対する残留応力の保持率のことである。
また、上記のテストピースを作成したゴム組成物を用いて、ゴム製品としてOリングを作製した。ゴム製品の形状としては、例えば、JIS B 2401−1:2012に準拠したG25の規格のOリングを用いた。
図1は、燃料油の透過特性の評価に用いる透過試験治具の模式的断面図である。透過試験治具5は、燃料油を投入する円筒形の形状を有した内槽4を有した下部治具2と、下部治具2に蓋をする円盤状の上部治具1とからなる。下部治具2の上部にはOリング3を設置する凹みがある。透過特性の測定時には、内槽4に所定の燃料油を投入し、下部治具2の上部に評価用のOリング3を設置し、下部治具2の上に上部治具1を設置して、ねじ(非図示)で固定した。透過試験治具5全体を所定の温度に加温したオイルバス(非図示)中に置いて透過試験を行う。所定の温度に加温したオイルバス中に所定時間設置する前後の透過試験治具5の重量変化から燃料油の透過量が測定される。
図2は、ゴム組成物の残留応力とゴム製品の燃料油の透過量との関係を示す図である。図上の複数の四角の点は、後記する実施例、比較例の結果をプロットしたものである。
図2から分かるように、残留応力が大きいゴム組成物は、燃料油の透過量が減少し、ゴム製品としての燃料油の遮蔽性能が優れている傾向にある。すなわち、ゴム組成物の残留応力を測定することによって、製品形状のゴム製品の燃料油の透過特性を推定することが可能となった。
残留応力が大きいゴム組成物は、圧縮に対する反発弾性が大きいことを意味する。反発弾性が大きいことは、ゴム組成物内の自由体積が小さいことを示唆し、自由体積が小さい影響で、燃料油のガスが透過し難くなると考えられる。また、応力緩和率が小さいゴム組成物は、残留応力が大きい状態を長期間保持することができ、燃料油のガスが透過し難い状態を保持し易いと考えられる。可塑剤を配合することによって、ゴム組成物内の自由体積を大きくすると、耐寒性は改善される一方で、残留応力が小さくなり、製品形状のゴム製品の燃料油の遮蔽性能が低下する。
また、燃料油のガスの透過現象は、ゴム組成物中へのガスの溶解現象と、ゴム組成物中でのガスの拡散現象との積で表わされる。そうすると、肉厚な製品では、ゴム組成物中でのガスの拡散現象の寄与度が高くなるため、拡散に関係するゴム組成物内の自由体積が燃料油の透過特性に対して重要な因子となる。
ゴム製品の燃料油の透過特性は、70℃で200hr経過後の透過量が1.1g未満であることが望ましい。図2の透過特性とゴム組成物の残留応力との関係から、70℃で200hr経過後の透過量が1.1g未満という透過特性は、残留応力が160N以上であることと対応している。すなわち、燃料油の透過特性に優れたゴム製品を得るためには、残留応力が160N以上であるようなゴム組成物を調製することが必要となる。
(ゴム組成物)
ゴム組成物の残留応力および応力緩和率を改善するには、比較的補強性の高いカーボンやシリカを配合することが望ましい。可塑剤は、耐寒性が許容できる範囲で添加し、架橋剤としては過酸化物と共架橋剤を併用することが望ましい。
シリカとカーボンブラックは、いずれも補強剤としてゴム組成物に配合される。シリカとカーボンブラックのいずれかを配合することが必要である。ニトリルゴム組成物100質量部に対して、シリカであれば30〜60質量部、カーボンブラックであれば40〜70質量部を配合する。シリカとカーボンブラックは適宜併用してもよい。補強剤としては、カーボンブラックとシリカ以外にも、炭酸マグネシウム、クレー等があるが、シリカとカーボンブラックが好ましい。
シリカとしては、乾式法や湿式法で製造された非晶質シリカが好ましく用いられる。シリカの粒子径は0.01〜0.1μmのものが好ましい。シリカの粒子径がこの数値範囲より大きいと、耐摩耗性が悪化し、一方、シリカの粒子径がこの数値範囲より小さいと、シリカをゴムに分散させる際に粒子が凝集して大きくなり、やはり耐摩耗性が悪化するようになる。また、シリカの比表面積は20〜300m/g、好ましくは50〜250m/gのものが一般に用いられる。このようなシリカとして市販品では、例えば東ソー・シリカ社製のニップシール(登録商標)などが用いられる。
カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積が10〜80m/gであるカーボンブラックが好ましく、20〜50m/gであるカーボンブラックがより好ましい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が上記数値範囲より小さいと、カーボンブラックの分散が不十分となり、ゴム生地が硬化して、ロール加工性が低下する。一方、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が上記数値範囲より大きいと、ゴム生地のグリーン強度が低下して、ロール加工性が低下する。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K 6217:1997に準拠して測定することができる。
また、カーボンブラックとしては、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が40〜160cm/100gであるカーボンブラックが好ましく、50〜140cm/100gであるカーボンブラックがより好ましい。DBP吸収量は、カーボンブラックのアグリゲート間の空隙率の指標となる。カーボンブラックのDBP吸収量が上記数値範囲内にあると、ロール加工性が良好となる。カーボンブラックのDBP吸収量は、JIS K 6217:1997に準拠して測定することができる。
ゴム組成物の加工性を向上させるために、ゴム組成物には可塑剤が配合される。可塑剤は、ニトリルゴムで通常使用されている可塑剤であれば特に制限なく使用することができる。可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系(DOP等)、アジピン酸エステル系(DOA等)、セバシン酸エステル系(DOS等)、トリメリット酸エステル系(TOTM等)、アジピン酸エーテルエステル系(RS−107等)、ポリエーテルエステル系(RS−700等)等の可塑剤を挙げることができる。可塑剤は、加工性および耐寒性が許容できる範囲内で適正量を使用することができる。可塑剤の配合量は、ニトリルゴム組成物100質量部に対して、1〜33質量部であり、15〜30質量部が好ましい。
ゴム組成物には、シリカやカーボンブラックの凝集を防止するために、シランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤は、一般にニトリルゴムで使用されているシランカップリング剤であれば特に制限なく使用することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシシラン)、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤の配合量は、ニトリルゴム組成物100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、0.5〜3質量部が好ましい。
ニトリルゴムの硫黄による架橋には、架橋促進剤として亜鉛華(ZnO)等の金属酸化物が必須であるが、これらはバイオディーゼル燃料との相性が悪い。そのため、ニトリルゴムの架橋には、有機過酸化物による架橋が望ましい。有機過酸化物は、ニトリルゴムの架橋のために一般に使用可能なものであれば、特に制限なく使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物の配合量はニトリルゴム組成物100質量部に対して4〜6質量部であり、4〜5質量部が好ましい。
ニトリルゴムの有機過酸化物による架橋には、共架橋剤(架橋助剤)を併用することが必要である。共架橋剤としては、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンを使用する。トリメタクリル酸トリメチロールプロパンの配合量は、ニトリルゴム組成物100質量部に対して、2〜4質量部であり、2〜3質量部が好ましい。
ゴム組成物には、目標値達成のために使用可能なものであれば特に制限がなく、必要に応じて、タルク、マイカ、グラファイト等の充填剤、加工助剤、老化防止剤等の公知の添加剤を適宜配合することができる。
本実施形態のゴム組成物を成形し架橋させた架橋物は、燃料油の透過を遮蔽する性能に優れたものであり、シール材として有用なものである。シール材の中でも、ガソリンやバイオディーゼル燃料等の燃料シール用のシートやガスケットとして特に適性を有するものである。
以下、実施例と比較例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜9)
実施例、比較例に用いたゴム組成物の原料は、以下のとおりである。
ニトリルゴム:JSR社製N220S(高ニトリルNBR、結合アクリロニトリル含有量41.5質量%)
ニトリルゴム:JSR社製N215SL(極高ニトリルNBR、結合アクリロニトリル含有量48質量%)
NBR/PVCポリマーアロイ:JSR社製NV60(高ニトリルNBR/PVC=65/35)
シリカ:東ソー・シリカ社製、Nipsil ER#100
カーボンブラック:東海カーボン社製シースト G−S
シランカップリング剤:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製A−172−NTJ
可塑剤:アジピン酸ブトキシエチル、三光社製Proviplast 0142
架橋剤:ジクミルパーオキサイド、日本油脂社製
共架橋剤:トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、三菱レイヨン社製
共架橋剤:m-フェニレンジマレイミド、大内新興化学社製バルノックPM
共架橋剤:TAIC(1,3,5-トリアリルイソシアヌレート)、日本化成社製
以上の各成分を用いて、表1に記載の組成で、ニーダーおよびオープンロールで混練した。混練物を架橋プレスを用いて、170℃、15分間のプレス架橋を行い、その後加熱オーブンを用いて120℃、5時間で二次架橋を行った。2mm厚の試験片、JIS規定の小型試験片(直径13mm、厚さ6.3mm)およびG25サイズのOリング(内径22.4mm、線径3.1mm)を得た。
[評価方法]
(1)応力緩和試験
・規格:JIS K 6263:2015
・測定装置:Elastocon社製応力緩和試験機EB01
・試験温度:50℃
・圧縮率:30%
・試験片形状:JIS K 6263:2015、小型試験片
試験開始30分後の数値を初期応力F(0)とし、24時間後の数値を残留応力Fとした。いずれも単位はNである。
・残留応力Fの評価基準:残留応力Fが160(N)以上のとき○、160(N)未満のとき×と判定した。
・応力緩和率は、{(F(0)−F)/F(0)}×100 で算出した。単位は%である。
・応力緩和率の評価基準:応力緩和率が7%未満のとき○、7%以上、8%未満のとき△、8%以上のとき×と判定した。
(2)燃料透過試験
・図1の透過試験治具5を用いた。
・試験片形状:G25 Oリング
・試験温度:70℃
・試験時間:200hr
・圧縮率:30%
・対象ガス:トルエン:イソオクタン:エタノール=45:45:10(vol%)の燃料模擬溶液から蒸散するガス
図1の透過試験治具5の下部治具2上にG25のOリング3を設置した。上記燃料模擬溶液を下部治具2の内槽4に入れ、所定の圧縮率までOリング3を圧縮した。オイルバスに透過試験治具5を設置する前に、透過試験治具5全体の重量を測定した。その後、所定の温度のオイルバス中に透過試験治具5を設置し、所定の試験時間静置した。試験時間経過後に透過試験治具5全体の重量を測定し、重量の減少量から燃料模擬溶液から蒸散したガスの透過量を算出した。
・透過特性の評価基準:200hr経過後の重量変化が1.1g未満のとき○、1.1g以上のとき×と判定した。
(3)低温試験
・規格:JIS K 6261−2:2017
・低温性の評価基準:衝撃脆化限界温度が−20℃以下のとき○、−20℃を超えるとき×と判定した。
Figure 2019199549
評価結果を表1に示した。実施例1〜4はいずれも、残留応力、応力緩和率、透過特性、低温性の性能において優れた性能を示した。
比較例1は、可塑剤の配合量が大きいため、残留応力、応力緩和率および透過特性に劣るものであった。比較例2は共架橋剤の配合量が小さく、比較例3、比較例7は共架橋剤を配合していないため、残留応力および透過特性に劣るものであった。比較例4は、共架橋剤としてm-フェニレンジマレイミドを用いており、残留応力および透過特性に劣っていた。比較例5は、共架橋剤としてTAICを用いており、残留応力、応力緩和率および透過特性に劣っていた。比較例6は有機過酸化物系架橋剤の配合量が少ないため、残留応力および透過特性に劣るものであった。比較例8は共架橋剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンとm-フェニレンジマレイミドを併用するものであり、残留応力および透過特性に劣っていた。比較例9は共架橋剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパンとTAICを併用するものであり、残留応力、応力緩和率および透過特性に劣るものであった。
1 上部治具
2 下部治具
3 Oリング
4 内槽
5 透過試験治具

Claims (4)

  1. 結合アクリロニトリル含有量が36〜43質量%の高ニトリルNBR50〜95質量%、
    結合アクリロニトリル含有量が44質量%以上の極高ニトリルNBR0〜40質量%、および
    ポリ塩化ビニル5〜15質量%からなるニトリルゴム組成物100質量部に対して、
    シリカ30〜60質量部またはカーボンブラック40〜70質量部、
    可塑剤1〜33質量部、
    有機過酸化物系架橋剤4〜6質量部、および
    トリメタクリル酸トリメチロールプロパン2〜4質量部
    を配合してなるゴム組成物。
  2. さらに、シランカップリング剤を配合する請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のゴム組成物の架橋物からなるシール材
  4. 燃料シール用である請求項3に記載のシール材。
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