JP2019200868A - 非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重量エネルギー密度が高く、かつ充放電特性に優れると共に、充電時にリチウムデンドライトが形成されにくく安全性の高い非水二次電池を提供する。【解決手段】 電池容器内に、電極体と非水電解液を有する非水二次電池において、前記電極体を、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、前記正極および前記負極の間に挿入された、無機絶縁体を80質量%以上の割合で含有する多孔性の絶縁層とで構成し、前記絶縁層の空孔率を50%以下とし、前記非水電解液の質量を、前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対し、2%以上60%以下とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、無機絶縁体を主体とする多孔性の絶縁層をセパレータとして備えた非水二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ等のポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化等に伴い、小型・軽量で且つ高容量・高エネルギー密度の非水二次電池が必要とされるようになってきている。
現在、この要求に応え得る非水二次電池として、例えばリチウムイオン電池が知られており、正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、ニッケル−コバルト−マンガン酸リチウム(LiNiy1Coy2Mny3:0.9<x<1.1、0<y1,y2,y3<1、y1+y2+y3=1で表されるNCM材料)等のリチウム含有複合酸化物あるいはこれらの複合体や混合物を用い、負極活物質に黒鉛等を用いて電池が構成されている。そして、非水二次電池の適用機器の更なる発達に伴って、非水二次電池の更なる高容量化・高エネルギー密度化が求められている。
非水二次電池の高容量化及び高エネルギー密度化を図る手法の一つとして、正極活物質を高電圧で充電して用いることが挙げられる。またNCM材料のNi比率を高くして容量を増加させる方法も検討されている。一方、容量や電圧が上がるにつれて電池の安全性は低下する傾向にある。
従来、安全性を改善する方法としては、電解液添加剤や正極材料への添加元素、表面被覆、セパレータへの絶縁材料コートなどが検討されてきた。特に樹脂製セパレータへの絶縁材料被覆は、電池が短絡しにくくかつ短絡が生じた際の短絡部位の拡大を抑制する効果があり、最近需要が拡大している。例えば、特許文献1では、耐熱材料を含有するセパレータを用いたリチウムイオン電池において、電解液量を、正極、負極およびセパレータにおける空隙の合計体積の0.9倍以上1.6倍以下とすることにより、充放電を繰り返した際の容量減少を抑制し、サイクル特性に優れる電池を提供することが提案されている。
ところで、本発明者らの検討では、NCM材料のNi比率を増加させるなどにより高エネルギー密度化された電池を用いる場合、セパレータ絶縁層の厚みが薄くなるとその効果が生じ難くなり、樹脂層の溶融の際に絶縁層の効果が発現しなくなる傾向であることがわかった。従って、より高温でも安全性に寄与できる絶縁層を形成する必要がある。
一方、固体電解質を用いた電池も安全性が高いと考えられている。固体電解質自体も耐熱性に優れた材料であり、前記の絶縁層と同等以上の効果を発現できると期待されている。しかし、電池の作動に難があり、活物質と固体電解質の界面形成が課題になっている。そのため、特許文献2〜4などにおいて、電解液を界面に介在させることで、良好な界面を形成し、絶縁層の効果を発揮しつつ、作動特性を改善することも提案されており、特許文献2では、固体電解質層を、層状の緻密部と電解液を保持する多孔質部とからなる構造とすることにより、充放電時のデンドライトによる短絡を防止できることも記載されている。
特開2010−113804号公報 特開2013−232284号公報 特開2017−111890号公報 特開2008−243736号公報
しかし、本発明者の検討によれば、無機絶縁体を主体とする多孔性の絶縁層をセパレータとする非水二次電池では、重量エネルギー密度を高めたり、安全性を高めるために電解液量を制限しようとすると、充電時にリチウムのデンドライトが形成されやすくなり、却って安全性が損なわれやすくなることが明らかとなった。
本発明は上記問題を解決しようとするものであり、重量エネルギー密度が高く、かつ充放電特性に優れると共に、充電時にリチウムデンドライトが形成されにくく安全性の高い非水二次電池を提供するものである。
本発明の非水二次電池は、電池容器内に、電極体と非水電解液を有し、前記電極体は、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、前記正極および前記負極の間に介在させてなる多孔性の絶縁層とを有し、前記絶縁層は、無機絶縁体を80質量%以上の割合で含有し、かつ空孔率が50%以下であり、前記電池容器内の前記非水電解液の質量が、前記電極体の正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対し、2%以上60%以下であることを特徴とする。
また、本発明の非水二次電池の別の実施形態は、電池容器内に、直列に導電接続された複数の電極体と非水電解液を有し、前記電極体は、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、前記正極および前記負極の間に介在させてなる多孔性の絶縁層とを有し、前記絶縁層は、無機絶縁体を80質量%以上の割合で含有し、かつ空孔率が50%以下であり、前記電池容器内の前記非水電解液の質量が、それぞれの電極体の正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対し、2%以上60%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、重量エネルギー密度が高く、かつ充放電特性に優れると共に、充電時にリチウムデンドライトが形成されにくく安全性の高い非水二次電池を提供することができる。
本発明の非水二次電池では、耐熱性を向上させるために、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極との間に、無機絶縁体を80質量%以上の割合で含有する多孔性の絶縁層を介在させている。
前記絶縁層は、従来の樹脂製の多孔質フィルムに代わり、あるいは樹脂製の多孔質フィルムと共にセパレータとして機能するものであり、独立膜であってもよく、また、正極活物質層、負極活物質層および樹脂製の多孔質フィルムのいずれかの表面、あるいは全ての表面に塗布などにより形成するのであってもよい。
なお、電池の重量エネルギー密度を高めるためには、活物質に高容量のものを用いる以外に、非水電解液のように活物質以外の成分の割合を減らすことが考えられるが、本発明者の検討によれば、前記多孔性の絶縁層をセパレータとする場合、電解液量が少なくなるほど充電時にリチウムデンドライトが形成されやすくなり、短絡しやすくなることがわかった。
具体的には、電池容器内の非水電解液の質量が、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対し60%以下となった場合に、リチウムデンドライト形成による短絡を生じやすくなることが判明した。
これに対し、前記絶縁層の空孔率を50%以下とした場合には、リチウムデンドライトの形成が抑制され、安全性を高めることが可能となる。絶縁層の空孔率は、45%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。一方、絶縁層の空孔率が低くなりすぎると、イオン伝導性が低下して内部抵抗が高くなり、充放電特性が低下しやすくなるため、良好な充放電特性を得るためには、絶縁層の空孔率は、5%以上とすることが好ましく、20%以上とすることがより好ましい。
非水電解液の含有量については、重量エネルギー密度を高める観点からは、少ないほど好ましく、電池容器内の非水電解液の質量は、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対し、50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることが最も好ましい。一方、非水電解液の含有量が少なくなりすぎると、イオン伝導性が低下して内部抵抗が高くなり、充放電特性が低下しやすくなるため、非水電解液の質量は、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対し、10%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、33%以上であることが最も好ましい。
絶縁層を形成する無機絶縁体は、絶縁性の酸化物、窒化物、難溶性のイオン結晶、共有結合性結晶、粘土、天然あるいは人工鉱物などを用いることができ、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、TiO、BaTiO、ZrO、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム、シリコン、ダイヤモンド、タルク、モンモリロナイト、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイトなどが例示される。これらの中でも、アルミナ、シリカおよびベーマイトよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。
また、無機絶縁体は、固体電解質であってもよく、例えば、酸化物系の固体電解質や硫化物系の固体電解質を用いることができる。
酸化物系固体電解質としては、例えばガーネット型構造を有する固体電解質を挙げることができ、LiLaZrMA(ここで、MAは、Sc、Ti、V、Y、Nb、Hf、Ta、Al、Si、GaおよびGeからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、5≦a≦8、2≦b≦4、0<c≦2、0≦d<1、11<e<13である。)などの化合物が具体的に例示される。
硫化物系固体電解質としては、Liと、MB(ここで、MBは、P、Si、Ge、AlおよびBからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である)と、Sを含有する化合物を挙げることができ、LiS−P系の材料、LiS−SiS系の材料、LiS−GeS系の材料、LiS−Al系の材料、LiS−SiS−LiPO系の材料、LiS−P−GeS系の材料、LiS−LiO−P−SiS系の材料、LiS−GeS−P−SiS系の材料、LiS−SnS−P−SiS系の材料などが具体的に例示される。
硫化物系固体電解質は、前記のイオン伝導体のほかに、LiX(Xはハロゲン元素)を含有することが好ましく、化学安定性を高めるために、前記のイオン伝導体は、オルト組成のアニオン構造(PS43−構造、SiS44−構造、GeS44−構造、AlS33−構造、BS33−構造)をアニオンの主成分として有することが好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、固体電解質中で50mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。
LiXとしては、LiClおよびLiFが好ましく、特に、イオン伝導体の構造中にLiClが取り込まれた状態で存在することが好ましい。言い換えると、硫化物系固体電解質は、単純な混合物ではなく、物理的に分離不可能な状態でハロゲン化リチウムを含有することが好ましい。
なお、硫化物系固体電解質は、結晶性材料であってもよく、非晶質材料であってもよい。また、ガラスであってもよく、結晶化ガラス(ガラスセラミックス)であってもよい。25℃における硫化物系固体電解質のLiイオ ン伝導度は、1×10−4S/cm以上であることが好ましく、1×10−3S/cm以上であることがより好ましい。
無機絶縁体は、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機絶縁体の形状は、シート状物であってもよく、また、粒子状物であってもよい。粒子状物(無機粒子)の場合、絶縁層の形成に用いる粒子の平均粒子径は、リチウムデンドライトの形成による短絡を防ぐため、2μm以下とすることが望ましく、1.5μm以下とすることがより望ましく、1μm以下とすることが最も望ましい。一方、平均粒子径が小さくなりすぎると、かさ高くなり、絶縁層の強度の低下や均質性の低下などを生じやすくなるため、平均粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、0.2μm以上であることが最も好ましい。
また、絶縁層をより緻密なものとするためには、異なる粒度の無機粒子を組み合わせて用いることが好ましい。これにより、絶縁層の強度向上が期待できる。例えば、2種の粒度の無機粒子を組み合わせて用いる場合、粒度が大きい方の粒子の平均粒子径をDL、粒度が小さい方の粒子の平均粒子径をDSとすると、DL/DSが1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2以上であることが最も好ましく、一方、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
なお、平均粒子径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、無機粒子を溶解したり、無機粒子が膨潤したりしない媒体に、無機粒子を分散させて測定した数平均粒子径として規定することができる。
前記多孔性の絶縁層は、前記無機粒子を含む絶縁層形成用スラリーを塗布し、乾燥することにより形成することができる。また、前記無機粒子同士を焼結させるなどにより一体化させて無機絶縁体のシート状物とすることもできる。
絶縁層形成用スラリーには増粘剤を使用してもよい。増粘剤を使用することにより、絶縁層形成用スラリーの粘度を好適な範囲に調整し、無機粒子の分散を均一化し、優れた分散状態を安定して維持できるようになる。
増粘剤としては、絶縁層形成用スラリー中において、無機粒子を凝集させるなどの副作用がなく、スラリーを必要な粘度に調整できるものであればよいが、少量の添加で高い増粘作用を有するものが好ましい。また、増粘剤は、スラリーに使用する分散媒に対して良好に溶解または分散し得るものであることが好ましい。増粘剤の未溶解分や凝集物がスラリー中に多数存在すると、無機粒子の分散が不均一になり、スラリーを基材などに塗布し、乾燥することにより形成される絶縁層において、無機粒子の分布が不均一となる。そのため、絶縁層の耐熱性が低下し、ひいては、非水二次電池の信頼性や耐熱性を低下させるおそれを生じる。
増粘剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体などの合成高分子;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体;キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、グアーガム、カラギーナンなどの天然多糖類などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁層形成用スラリーにおける増粘剤の含有量は、スラリー中の固形分(分散媒を除く構成成分。以下、同じ。)の全体積中、10体積%以下であることが好ましく、5体積%以下であることがより好ましく、1体積%以下であることが更に好ましい。また、絶縁層形成用スラリーにおける増粘剤の含有量は、スラリー中の固形分の全体積中、0.1体積%以上であることが好ましい。
また、絶縁層形成用スラリーには、分散剤を使用することが好ましい。分散剤の使用によって、例えば、分散剤が無機粒子の表面に付着することで、絶縁層形成用スラリー中での無機粒子の分散性がより向上し、これら無機粒子同士の凝集を防止することができ、無機粒子の良好な分散状態をより安定して維持することができるようになる。
前記分散剤の具体例としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤;ポリカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アミノ酸(アスパラギン酸など)、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩などの高分子系分散剤;などを用いることができる。分散剤には、上記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの分散剤の中でも、微粒子を分散させる作用が強いことから、イオン解離性の酸基(カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ酸基、マレイン酸基など)またはイオン解離性の酸塩基(カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、マレイン酸塩基など)を複数含有するものが好ましく、アスパラギン酸、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩がより好ましい。また、前記の高分子系分散剤が塩の場合(酸塩基を有する場合)、アンモニウム塩であることが好ましい。
絶縁層形成用スラリーにおける分散剤の含有量は、絶縁性微粒子100質量部に対して、0.1量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましい。ただし、分散剤の量を多くしすぎると、絶縁層における他の成分の比率が低下して、それらによる効果が小さくなる虞がある。よって、絶縁層形成用スラリーにおける分散剤の含有量は、絶縁性微粒子100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。
絶縁層形成用スラリーには、形成される絶縁層において、無機粒子同士や、無機粒子と後述するその他の成分とを接着したり、絶縁層と基材とを接着したりする目的で、バインダを含有させることができる。バインダの種類は、非水二次電池内部で電気化学的に安定であり、非水二次電池の電解液に対して安定であるものであれば、特に制限はない。また、前記の増粘剤のうち、バインダとしての機能も有するものについては、増粘剤とバインダとを兼用させることもできる。
バインダの具体例としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの);エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体などの(メタ)アクリル酸共重合体;フッ素系ゴム;スチレン−ブタジエンゴム(SBR);ポリビニルアルコール(PVA);ポリビニルブチラール(PVB);ポリビニルピロリドン(PVP);ポリN−ビニルアセトアミド;架橋アクリル樹脂;ポリウレタン;エポキシ樹脂;などが用いられる。これらのバインダは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、自己架橋性を有する(メタ)アクリル酸共重合体がより好ましく、自己架橋性を有し、かつガラス転移温度(Tg)が−20℃以下の(メタ)アクリル酸共重合体が更に好ましい。
絶縁層形成用スラリーの分散媒としては、水を主成分とするものや有機溶媒(トルエンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフランなどのフラン類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;など)が挙げられるが、水を主成分とするものが好ましい。
前記多孔性の絶縁層は、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極との間に介在させることにより、正極、絶縁層および負極の積層体からなる電極体が形成される。正極活物質層および負極活物質層は、それぞれ、正極活物質および負極活物質と、バインダや導電助剤などから構成され、例えば、金属箔などの集電体上に形成することができる。
正極活物質としては、例えば、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物;LiMnO、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物;LiMn、Li4/3Ti5/3などのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物;LiFePOなどのオリビン構造のリチウム含有複合酸化物;前記の酸化物を基本組成とし各種元素で置換した酸化物;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極活物質層に係る導電助剤には、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ−ボンブラック類;炭素繊維;などの炭素材料を用いることが好ましく、また、金属繊維などの導電性繊維類;フッ化カーボン;アルミニウムなどの金属粉末類;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などを用いることもできる。
正極活物質層に係るバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
正極集電体には、アルミニウム製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、アルミニウム箔が用いられる。正極集電体の厚みは、10〜30μmであることが好ましい。
また、負極活物質としては、リチウムイオンをドープ・脱ドープできるものであればよく、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素質材料が挙げられる。また、リチウムまたはリチウム含有化合物なども負極活物質として使用することができる。前記のリチウム含有化合物としては、例えば、錫酸化物、ケイ素酸化物、ニッケル−ケイ素系合金、マグネシウム−ケイ素系合金、タングステン酸化物、リチウム鉄複合酸化物などの他、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−インジウム、リチウム−ガリウム、リチウム−インジウム−ガリウム、などのリチウム合金が挙げられる。これら例示の負極活物質の中には、製造時にはリチウムを含んでいないものもあるが、充電時にはリチウムを含んだ状態になる。
負極活物質層に係るバインダには、正極活物質層に係るバインダとして先に例示した各種のバインダと同じものを使用することができる。また、導電助剤についても同様である。
正極および負極は、例えば、活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤などを、NMPや水などの溶剤に分散あるいは溶解させてペースト状やスラリー状の組成物とし、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてプレス処理を施す工程を経て製造することができる。
正極活物質層および負極活物質層の空隙率は、電解液を含浸させやすくして充放電特性を向上させるために、22%以上とすることが望ましく、25%以上とすることがより望ましく、28%以上とすることが最も望ましい。一方、活物質層上に絶縁層を形成する場合には、絶縁層形成用スラリーが活物質層内部に浸入するのを防ぐために、活物質層の空隙率は、35%以下とすることが望ましく、32%以下とすることがより望ましく、29%以下とすることが最も望ましい。
正極活物質層および負極活物質層の空隙率の調整は、例えば、プレス処理の条件を変えることにより行うことができる。正極活物質層または負極活物質層の表面に絶縁層を形成する場合には、プレス処理後の活物質層上に絶縁層形成用スラリーを塗布して形成することにより、充放電特性への影響が少なく、また、より薄くかつ強固な絶縁層を形成できるため好ましい。
本発明の非水二次電池は、電池容器内に、前記電極体と非水電解液を収容することにより作製される。
前記非水電解液は、有機溶媒に無機リチウム塩や有機リチウム塩等の電解質塩を溶解して構成される。
前記有機溶媒としては、例えば、難燃性溶媒である1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(HCFCF−O−CHCFCFH:フッ素化率67%)などのフッ素化エーテル、リン酸トリメチルなどの燐酸エステルが好ましく用いられる。より具体的には、フッ素化エーテル[Rf−OR(但し、Rfはフッ素を含有するアルキル基であり、Rはフッ素を含有してもよい有機基である。]、リン酸エステル[リン酸トリメチル(TMP)、リン酸トリス(トリフルオロエチル)(TFEP):(CFCHO)P=O、リン酸トリフェニル(TPP):(CO)P=O、エチルジエチルホスホノアセテート(EDPA):(CO)(P=O)−CH(C=O)OC]や、前記各化合物の誘導体などを使用することが好ましい。
また、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸プロピル、ジニトリル(セバコニトリルなど)やこれらの誘導体を用いることもできる。
引火点が100℃以上であるエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、γ−ブチロラクトンなどを用いることもできる。
そのほか、1,3−プロパンサルトン、ジメチルスルフォキシド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ニトロメタン、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体などの非プロトン性有機溶媒を用いることもできる。
前述した溶媒を、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、難燃性であるフッ素化エーテル、リン酸トリメチルなどの燐酸エステルや環状エステルを用いるのが望ましい。特にフッ素化エーテルを用いるのが望ましい。フッ素化エーテルとしては、フッ素化率50%以上の溶媒を用いると難燃性が高まるのでさらに望ましい。一方で、電解液へのリチウム塩の溶解性の観点からフッ素化率90%未満が望ましく、80%未満がより望ましい。フッ素化エーテルを用いる場合には、鎖状のエステルを共に用いることが望ましい。具体的には、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸エチル、セバコニトリル、ピメロニトリル、グルタロニトリルが例示される。
フッ素化エーテルと上記の鎖状エステルの組み合わせがより望ましい。全溶媒に占めるフッ素化エーテルの割合は、副反応を減らすために、質量比で30%以上が望ましく、50%以上がより望ましく、60%以上が最も望ましい。一方、充放電特性を低下させないためには、90%以下であることが望ましい。
上記無機リチウム塩としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸Li、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランLi、四フェニルホウ酸Li等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記有機リチウム塩としては、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiCn12n1+1SO(2≦n1≦7)、LiN(RfOSO[但し、Rfはフルオロアルキル基である。]、LiN(FSO等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのリチウム塩の中では、特にLiN(FSOを用いることが望ましい。難燃性溶媒との組み合わせにおいて溶解度が高く、電池特性をより改善できるからである。
上記電解質塩の濃度は、非水電解液中、例えば、0.2〜3.0mol/dmであることが好ましく、0.5〜1.5mol/dmであることがより好ましく、0.9〜1.3mol/dmであることが更に好ましい。
また、上記非水電解液には、充放電サイクル特性の改善、高温貯蔵特性や過充電防止等の安全性を向上させる目的で、次に示す添加剤を適宜含有させることができる。添加剤としては、例えば、無水酸、スルホン酸エステル、ジニトリル、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビニレンカーボネート(VC)、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼン、環状フッ素化カーボネート[トリフロオロプロピレンカーボネート(TFPC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等]、又は、鎖状フッ素化カーボネート[トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)、トリフルオロジエチルカーボネート(TFDEC)、トリフルオロエチルメチルカーボネート(TFEMC)等]、が挙げられる。
高電圧下での充放電サイクル特性の向上に効果が高い添加剤は、分子内にニトリル基を2つ以上有する化合物である。上記分子内にニトリル基を2つ以上有する化合物としては、例えば、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、1,5−ジシアノペンタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,7−ジシアノヘプタン、1,8−ジシアノオクタン、1,9−ジシアノノナン、1,10−ジシアノデカン、1,12−ジシアノドデカン、テトラメチルスクシノニトリル、2−メチルグルタロニトリル、4−ジシアノペンタン、2,6−ジシアノヘプタン、2,7−ジシアノオクタン、2,8−ジシアノノナン、1,6−ジシアノデカン、1,2−ジシアノベンゼン等のジニトリル等が挙げられる。また、これらのジニトリル等は、その一部がフッ素化されていてもよい。
上記非水電解液における上記分子内にニトリル基を2つ以上有する化合物の濃度は、0.1質量%以上が望ましく、2質量%以上がより望ましく、10質量%以上が最も望ましく、また、50質量%以下が望ましく、30質量%以下がより望ましく、20質量%以下が最も望ましい。
充電時の電池の温度は、特に限定されるものではないが、室温より高温で作動させることが望ましい、25℃以上が望ましく、30℃以上がより望ましく、45℃以上が最も望ましい。これは、高温になるほど、電解液量が少なくなっても短絡しにくくなり、さらに電解液のイオン伝導度が上昇して電池の充放電特性が向上するからである。ただし、電解液の蒸発を防ぐために、充電時の電池の温度は、200℃以下とすることが望ましく、170℃以下がより望ましく、150℃以下が最も望ましい。
電池の充電電圧は、4.2V以上であることが望ましく、4.35V以上がより望ましい。充電電圧が高くなると、充電深度が浅い状態でもリチウムデンドライトの形成による電池の短絡が生じやすくなるが、電解液の溶媒として、フッ素化エーテルと鎖状エステルとの混合溶媒を用いることにより、4.45V以上のより高い充電電圧においても、リチウムデンドライト形成による短絡を防ぐことが可能となる。
本発明では、前記電極体を単独で用いて電池を構成する以外に、複数の前記電極体を直列に導電接続して電池容器内に収容し、電圧をn倍化した電池を構成することも可能である。すなわち、電池容器内に、直列に導電接続された複数の電極体と非水電解液を有する非水二次電池において、電池容器内の非水電解液の質量の合計が、それぞれの電極体の正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計に対し、2%以上60%以下となるよう調整することにより、前記電極体を単独で用いた電池と同様に、重量エネルギー密度が高く、かつ充放電特性に優れると共に、充電時にリチウムデンドライトが形成されにくく安全性の高い非水二次電池であって、直列に接続された電極体の数に応じて作動電圧が高められた非水二次電池を構成することも可能である。
本発明の非水二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを電池容器(外装体)として使用した筒形(角筒形や円筒形など)やコイン形などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを電池容器としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
なお、角筒形やコイン形などの形状を有する電池、あるいはラミネートフィルムを電池容器とした扁平形状の電池の場合には、電池の充放電特性を高めるために、電池を厚み方向に加圧した状態で充放電を行ってもよい。電池容器に加える圧力は、0.001kgf/cm以上が望ましく、0.01kgf/cm以上がより望ましい。一方、圧力が高すぎると特性が低下しやすくなるので、電池容器に加える圧力は、10000kgf/cm以下が望ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
〔正極の作製〕
先ず、正極活物質であるLiNi0.5Co0.2Mn0.3(以下“NCM523”):100質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:3.2質量部と、バインダであるPVDF:3.2質量部(NMP溶液として固形分量を供給)とを、溶媒であるNMPに均一になるように混合してペースト状の正極合剤組成物を調製した。次に、得られた組成物を、厚みが20μmのアルミニウム箔からなる集電体の片面に、塗布量が組成物の固形分量として19.5mg/cmとなるように塗布して乾燥させた後、プレス処理を行って、全厚が60μmになるように正極活物質層の厚みを調整し、タブ溶接部を残して長さ30mm、幅30mmになるように切断して正極を作製した。更に、この正極のタブ溶接部の活物質を取り除き、そのタブ溶接部にタブを溶接してリード部を形成した。
〔絶縁層形成用スラリーの作製〕
イオン交換水:154mlとアスパラギン酸:10gを 加え攪拌した後。平均粒子径:0.5μmのアルミナ(Al):385gを加え、さらに10時間攪拌して分散液を作製した。これを冷却しながらビーズミル処理して微粉砕スラリーを作製した。目開き5μmのメッシュを用いて、スラリー中の粗大粒子を取り除いた後、イオン交換水を加え、水:48質量%、アスパラギン酸:1質量%、アルミナ:51質量%を含む分散液を作製した。前記スラリー:100重量部にエチレン・酢酸ビニル共重合エマルジョンを3質量部加え、6時間攪拌して絶縁層形成用スラリーを得た。
〔正極への絶縁層の形成〕
プレス処理された正極の活物質層上に、前記絶縁層形成用スラリーを塗布し120℃で10分間乾燥させた。乾燥後の塗膜をロールプレスすることにより、正極活物質層上に、アルミナの含有割合:98質量%、厚み:10μmで、空孔率:45%の絶縁層を形成した。
〔負極の作製〕
負極活物質である黒鉛100質量部と、導電助剤であるVGCF(気相法炭素繊維):2重量部、バインダであるCMC:1質量部(1質量%の水溶液として固形分量を供給)とSBR:1質量部とを、溶媒であるイオン交換水に混合して、ペースト状の負極合剤組成物を調製した。次に、得られた組成物を、厚み16.5μmの銅箔の片面に、塗布量が組成物の固形分量として11.4mg/cmとなるように塗布して乾燥させた後、プレス処理を行って、全厚が88μmになるように負極活物質層の厚みを調整し、タブ溶接部を残して長さ32mm、幅32mmになるように切断して負極を作製した。更に、この負極のタブ溶接部にタブを溶接してリード部を形成した。
〔非水電解液の調製〕
メチルエチルカーボネート(MEC)と1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(HFE)との質量比1:3の混合溶媒100gに、0.1molのLiN(FSOを溶解して非水電解液を調製した。
〔電池の組み立て〕
上記正極と上記負極とを、絶縁層を間に介在させて重ね、正極/絶縁層/負極の3層構成の電極体を作製した。得られた電極体をアルミニウムラミネートフィルムからなる外装体内に収納し、上記非水電解液を正極の絶縁層上に0.1ml注入し、減圧することにより電解液を含侵させた後、常圧で封止を行って非水二次電池を作製した。この電池における非水電解液の質量は、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、非水電解液の質量との総和に対し34%であった。
作成した電池の側面に、3.5cm角のシリコンゴムを介してガラス板を配置し、150gの加重をかけ加圧しながら、25℃の温度環境下で、2.5mA(1/10C相当のレート)の定電流で4.2Vまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で充電を行う定電流−定電圧充電と、2.5mAの定電流で3Vまで放電させる定電流放電を行い、そのときの放電容量を測定して充放電特性を評価した。なお、前記充放電において、外装体の側面に印加した圧力は0.015kgf/cmであった。
実施例2
電池の充放電を45℃の温度環境下で実施した以外は、実施例1と同様にして充放電特性の評価を行った。
実施例3
外装体の側面に印加する圧力を0.006kgf/cmとした以外は、実施例1と同様にして充放電特性の評価を行った。
実施例4
正極活物質層上に形成する絶縁層の厚みを20μmとし、空孔率を49%とした以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製し、実施例1と同様にして充放電特性の評価を行った。この電池の正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、非水電解液の質量との総和に対する非水電解液の質量の割合は、30%であった。
実施例5
非水電解液の液量を0.08mlとした以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製し、実施例2と同様にして充放電特性の評価を行った。この電池における、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、非水電解液の質量との総和に対する非水電解液の質量の割合は、30%であった。
実施例6
正極/絶縁層/負極の3層構成の電極体を2組作製し、一方の電極体の負極と他方の電極体の正極とを重ね合わせ、正極1/絶縁層1/負極1/正極2/絶縁層2/負極2の積層順となるよう2組の電極体を直列に導電接続し、正極1と負極2にそれぞれタブを溶接してリード部を形成することにより、2組の電極体の積層体を作製した。
前記2組の電極体の積層体をアルミニウムラミネートフィルムからなる外装体内に収納し、それぞれの電極体の絶縁層と対向電極の間に、非水電解液を0.1mlずつ注入した以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。この電池における、それぞれの電極体の正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対する非水電解液の質量の割合は、34%であった。
作製した非水二次電池に対し、2.5mAの定電流で8.4Vまで充電し、さらに8.4Vの定電圧で充電を行う定電流−定電圧充電と、2.5mAの定電流で6Vまで放電させる定電流放電を行い、そのときの放電容量を測定して充放電特性を評価した。なお、前記充放電において、外装体の側面に印加した圧力は0.015kgf/cmであった。
比較例1
平均粒子径が0.5μmのアルミナを用いることにより、正極活物質層上に厚み:12.5μmで、空孔率:55%の絶縁層を形成した以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製し、実施例1と同様にして充放電特性の評価を行った。この電池における、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、非水電解液の質量との総和に対する非水電解液の質量の割合は、34%であった。
比較例2
非水電解液の液量を0.5mlとした以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製し、実施例1と同様にして充放電特性の評価を行った。この電池における、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、非水電解液の質量との総和に対する非水電解液の質量の割合は、73%であった。
比較例3
非水電解液の液量を0.002mlとした以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製し、実施例1と同様にして充放電特性の評価を行った。この電池における、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、非水電解液の質量との総和に対する非水電解液の質量の割合は、1%であった。
比較例4
非水電解液の調製に、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)との質量比1:3の混合溶媒を用いた以外は、比較例2と同様にして非水二次電池を作製し、実施例1と同様にして充放電特性の評価を行った。
参考例1
外装体の側面を加圧せずに充放電を行った以外は、比較例1と同様にして充放電特性の評価を行った。
それぞれの電池の構成を表1に、充放電特性の評価結果を表2に示す。なお、各電池の重量エネルギー密度は、外装体内に収容した電極体の正極合剤層および絶縁層と、負極合剤層のうち前記正極合剤層と対向する部分の質量の合計と、非水電解液の質量との総和、および、測定された電池の放電容量を基に、各電池の個々の電極体の作動電圧(平均放電電圧)を3.7Vとして計算により求めた値である。
Figure 2019200868
Figure 2019200868
無機絶縁体を80質量%以上の割合で含有し、かつ空孔率が50%以下である絶縁層をセパレータとし、電池容器内の非水電解液の質量の割合を、正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、非水電解液の質量との総和に対し、2%以上60%以下の範囲とした本発明の非水二次電池では、重量エネルギー密度が高く、かつ充放電特性に優れると共に、充電時のリチウムデンドライトの形成が抑制され、安全性の高い電池とすることができた。
一方、絶縁層の空孔率が50%より大きい比較例1の電池では、充電時のリチウムデンドライトの形成による短絡のため、放電容量が低くなっていた。また、非水電解液の量が多すぎる比較例2の電池では、充電時のリチウムデンドライトの形成による短絡がなく、実施例1と同じ放電容量が得られたが、電解液の重量が大きいため、電池の重量エネルギー密度が低くなり、逆に非水電解液の量が少なすぎる比較例3の電池では、イオン伝導性が低下して内部抵抗が高くなり、放電できなくなった。
また、難燃性溶媒であるフッ素化エーテルを全溶媒中に質量比で30%以上含有し、かつ鎖状エステル(MEC)との混合溶媒により非水電解液を構成した比較例2の電池は、汎用の環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒により非水電解液を構成した比較例4の電池と同等の放電容量が得られ、難燃性溶媒を含有する前記の電解液構成とすることにより、充放電特性を低下させずに電解液の難燃化が可能となることがわかる。
さらに、外装体の側面を加圧せずに充放電を行った参考例1の電池よりも、外装体の側面に一定の圧力を印加した実施例1〜6の電池の方が放電容量が大幅に増加しており、本発明の非水二次電池では、充放電時に外装体の側面を加圧することが望ましいことがわかる。
また、実施例6の電池の評価結果より明らかなように、本発明の非水二次電池では、電解液量を少なくしていることから、電池容器の内部で複数の電極体を直列に導電接続しても、内部短絡を生じることなく充放電を行うことができる。

Claims (10)

  1. 電池容器内に、電極体と非水電解液を有する非水二次電池であって、
    前記電極体は、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、前記正極および前記負極の間に介在させてなる多孔性の絶縁層とを有し、
    前記絶縁層は、無機絶縁体を80質量%以上の割合で含有し、かつ空孔率が50%以下であり、
    前記電池容器内の前記非水電解液の質量が、前記電極体の正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対し、2%以上60%以下であることを特徴とする非水二次電池。
  2. 電池容器内に、直列に導電接続された複数の電極体と非水電解液を有する非水二次電池であって、
    前記電極体は、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、前記正極および前記負極の間に介在させてなる多孔性の絶縁層とを有し、
    前記絶縁層は、無機絶縁体を80質量%以上の割合で含有し、かつ空孔率が50%以下であり、
    前記電池容器内の前記非水電解液の質量が、それぞれの電極体の正極活物質層、負極活物質層および絶縁層の質量の合計と、前記非水電解液の質量との総和に対し、2%以上60%以下であることを特徴とする非水二次電池。
  3. 前記絶縁層の厚みが20μm以下である請求項1または2に記載の非水二次電池。
  4. 前記無機絶縁体が、無機粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池。
  5. 前記無機粒子が、酸化物粒子または固体電解質粒子である請求項4に記載の非水二次電池。
  6. 前記無機粒子の平均粒子径が、2μm以下である請求項4または5に記載の非水二次電池。
  7. 前記非水電解液が、難燃性溶媒を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の非水二次電池。
  8. 前記非水電解液が、難燃性溶媒と鎖状エステルとを含有する請求項7に記載の非水二次電池。
  9. 前記非水電解液が、前記難燃性溶媒としてフッ素化エーテルを含有する請求項7または8に記載の非水二次電池。
  10. 全溶媒に占める前記フッ素化エーテルの割合が、質量比で30%以上である請求項9に記載の非水二次電池。
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