以下、本発明の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。先ず、本発明が適用された内燃機関100の概略構成について説明する。なお、以下の説明において単に上流、下流というときは、吸気、排気、蒸発燃料、及び外気の流れにおける上流、下流を示すものとする。
図1に示すように、内燃機関100は、当該内燃機関100の外部から吸気を導入するための吸気管11を備えている。吸気管11には、吸気に含まれる異物を取り除くエアクリーナ21が取り付けられている。吸気管11におけるエアクリーナ21よりも下流側には、ターボチャージャ30におけるコンプレッサ31が取り付けられている。コンプレッサ31は、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも下流側に吸気を圧送する。吸気管11におけるコンプレッサ31よりも下流側には、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも下流側の部分の圧力を検出する過給圧センサ91が取り付けられている。
吸気管11における過給圧センサ91よりも下流側には、圧縮した吸気を冷却するためのインタークーラ22が取り付けられている。吸気管11におけるインタークーラ22よりも下流側には、スロットルバルブ23が取り付けられている。スロットルバルブ23は、吸気管11の流路を開閉することにより、当該吸気管11を流通する吸気量を制御する。吸気管11におけるスロットルバルブ23よりも下流側には、吸気管11におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部分の圧力を検出するインマニ圧センサ92が取り付けられている。
吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側の部分には、コンプレッサ31を迂回して吸気を流通させるバイパス管41の一端が接続されている。バイパス管41の他端は、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも下流側の部分に接続されている。バイパス管41には、当該バイパス管41の流路を開状態及び閉状態のいずれか一方に切り替えるエアバイパスバルブ42が取り付けられている。
吸気管11の下流端には、燃料を吸気と混合して燃焼させる気筒12が接続されている。気筒12内には、当該気筒12の内部に燃料を噴射する燃料噴射弁24の先端が突出している。
気筒12には、当該気筒12から排気を排出するための排気管13の上流端が接続されている。排気管13には、ターボチャージャ30におけるタービン32が取り付けられている。
燃料噴射弁24は、燃料を貯留するための燃料タンク25からの燃料供給を受ける。燃料タンク25は、燃料配管を介して燃料噴射弁24と接続されている。また、燃料タンク25内にはフィードポンプが収容されており、フィードポンプによって圧送された燃料が燃料配管を介して燃料噴射弁24に供給される。なお、図1においては、燃料配管及びフィードポンプの図示を省略している。
燃料タンク25には、当該燃料タンク25内で発生した蒸発燃料の大気放出を抑える蒸発燃料処理装置50が接続されている。蒸発燃料処理装置50は、燃料タンク25内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタ51を備えている。キャニスタ51には、当該キャニスタ51に蒸発燃料を導入するベーパ管52の一端が接続されている。ベーパ管52の他端は、燃料タンク25内へと至っている。また、キャニスタ51には、当該キャニスタ51に外気を導入する外気導入管53が接続されている。
キャニスタ51には、当該キャニスタ51内の蒸発燃料を吸気管11へと導くパージ管55が接続されている。パージ管55は、途中で2つに分岐している。パージ管55のうちの分岐箇所よりも上流側(キャニスタ51側)に位置する共通管58の上流端は、キャニスタ51に接続されている。共通管58には、当該共通管58の流路を開状態及び閉状態のいずれか一方に切り替えるパージバルブ61が取り付けられている。
パージ管55における共通管58の下流端からは、下流側パージ管57及び上流側パージ管56が延びている。下流側パージ管57の下流端は、吸気管11におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部分に接続されている。下流側パージ管57には、吸気管11側からキャニスタ51側への蒸発燃料等のガスの流通を防ぐ下流側逆止弁67が取り付けられている。
上流側パージ管56の下流端は、エゼクタ70を介して、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側であってエアクリーナ21よりも下流側の部分に接続されている。上流側パージ管56には、吸気管11側からキャニスタ51側への蒸発燃料等のガスの流通を防ぐ上流側逆止弁66が取り付けられている。また、上流側パージ管56において上流側逆止弁66よりも下流側には、当該上流側パージ管56の流路の圧力を検出する圧力センサ93が取り付けられている。すなわち、圧力センサ93は、パージ管55におけるパージバルブ61よりも下流側の部分に取り付けられている。
吸気管11におけるインタークーラ22よりも下流側であってスロットルバルブ23よりも上流側の部分には、還流管54の上流端が接続されている。還流管54の下流端は、エゼクタ70を介して、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側であってエアクリーナ21よりも下流側の部分に接続されている。
エゼクタ70は、上流側パージ管56側の蒸発燃料等のガスを吸引して吸気管11側に導入する。具体的には、コンプレッサ31によって吸気が圧送されると、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも下流側の部分の圧力が、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側の部分の圧力に比べて高くなる。すると、還流管54及びエゼクタ70を介して、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも下流側の部分から吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側の部分に吸気等のガスが還流する。そして、エゼクタ70の流路の吸気等のガスの流通によって当該エゼクタ70の内部に負圧が発生すると、パージ管55における上流側パージ管56の蒸発燃料等のガスが吸引されて吸気管11の流路に導入される。
上記のパージバルブ61は、制御装置80によって開閉制御される。制御装置80は、パージバルブ61を開閉制御するためのバルブ制御部81を備えている。バルブ制御部81は、パージバルブ61に対して、当該パージバルブ61を開閉制御するための制御信号を出力する。なお、本実施形態では、制御装置80は、上記のパージバルブ61の制御の他にも、スロットルバルブ23の開度や燃料噴射弁24の燃料噴射量など、内燃機関100全体を制御する電子制御ユニット(ECU)として構成されている。
制御装置80は、各部の圧力を推定する圧力推定部82を備えている。圧力推定部82は、過給圧センサ91から入力される信号に基づいて、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも下流側であってインタークーラ22よりも上流側の部分の圧力である過給圧Psを推定する。また、圧力推定部82は、インマニ圧センサ92から入力される信号に基づいて、吸気管11におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部分の圧力であるインマニ圧Piを推定する。圧力推定部82は、圧力センサ93から入力される信号に基づいて、パージ管55における上流側パージ管56の流路の圧力であるパージ圧Ppを推定する。また、圧力推定部82は、大気の圧力を検出する大気圧センサ94から入力される信号に基づいて、大気圧Paを推定する。圧力推定部82には、パージバルブ61の制御状況を示す信号がバルブ制御部81から入力される。
また、制御装置80は、圧力推定部82が推定するパージ圧Ppに基づいてパージ管55等の異常の有無を検出する検出部83を備えている。検出部83には、圧力推定部82が推定したパージ圧Ppを示す信号が圧力推定部82から入力される。このように、本実施形態において、制御装置80は、蒸発燃料処理装置50の異常検出装置としての機能を備えている。
次に、制御装置80が行う蒸発燃料処理装置50の異常の有無を検出する異常検出処理について説明する。本実施形態において、制御装置80は、パージ管55における上流側パージ管56の流路の詰まり異常、還流管54の流路の詰まり異常、パージ管55における上流側パージ管56がエゼクタ70から外れる異常、及び還流管54がエゼクタ70から外れる異常を、蒸発燃料処理装置50の異常として検出する。制御装置80は、当該制御装置80が動作を開始したときから当該制御装置80が動作を終了するときまで、異常検出処理を繰り返し実行する。
図2に示すように、制御装置80は、異常検出処理を開始するとステップS11の処理を実行する。ステップS11において、制御装置80は、後述するステップS34で計時を開始する計時時間Tの計時(カウントアップ)が行われているか否かを判定する。ステップS11において、計時時間Tの計時が行われていないと判定した場合(S11:NO)、制御装置80は、処理をステップS21に進める。
一方、ステップS11において、計時時間Tの計時が行われていると判定した場合(S11:YES)、制御装置80は、処理をステップS12に進める。ステップS12において、制御装置80は、計時時間Tが予め設定された所定時間Tx以上になっているか否かを判定する。ここで、所定時間Txは、例えば、数十秒程度の時間が設定されている。ステップS12において、計時時間Tが予め設定された所定時間Tx以上になっていないと判定した場合(S12:NO)、制御装置80は、今回の異常検出処理を終了する。
一方、ステップS12において、計時時間Tが予め設定された所定時間Tx以上になっていると判定した場合(S12:YES)、制御装置80は、処理をステップS13に進める。ステップS13において、制御装置80は、計時時間Tをリセットする。その後、制御装置80は、処理をステップS21に進める。
ステップS21において、制御装置80は、モニタ前提条件が成立しているか否かを判定する。モニタ前提条件としては、例えば、内燃機関100が始動中である、冷却水の温度が所定の温度(例えば、数度)以上になっている、エンジンの回転数が所定の回転数(例えば、数千rpm)以下になっている等の条件である。これらの条件を全て満たした場合に、制御装置80は、モニタ前提条件が成立していると判定する。ステップS21において、モニタ前提条件が成立していないと判定した場合(S21:NO)、制御装置80は、今回の異常検出処理を終了する。
一方、ステップS21において、モニタ実行条件が成立していると判定した場合(S21:YES)、制御装置80は、処理をステップS22に進める。ステップS22において、制御装置80におけるバルブ制御部81は、パージバルブ61を開状態及び閉状態の一方から他方に切り替えるバルブ開閉処理を行う。具体的には、バルブ制御部81は、ステップS21の処理開始時点でパージバルブ61が開状態になっている場合、パージバルブ61を閉状態に切り替え、再び開状態に切り替えるように制御する。また、バルブ制御部81は、ステップS21の処理開始時点で、パージバルブ61が閉状態になっている場合、パージバルブ61を開状態に切り替え、再び閉状態に切り替えるように制御する。また、ステップS22においてパージバルブ61を開状態(閉状態)から閉状態(開状態)に切り替え、閉状態(開状態)から再び開状態(閉状態)に切り替えるまでを1開閉周期としたとき、1開閉周期中の時間のうち、ステップS22においてパージバルブ61を開側に制御する時間の割合をパージデューティとする。このパージデューティは、ステップS22のバルブ開閉処理の際におけるパージ圧Ppの最大値及び最小値の差が大きくなるような値が設定されている。本実施形態において、パージデューティは、15%〜50%であることが好ましい。パージデューティの値は、例えば試験やシミュレーションを行って適宜設定できる。その後、制御装置80は、処理をステップS23に進める。
ステップS23において、制御装置80は、モニタ実行条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、インマニ圧Piが大気圧Paに比べて第1基準値以上大きくなっている、過給圧Psが大気圧Paに比べて第2基準値以上大きくなっている等の条件を全て満たした場合に、モニタ実行条件が成立していると判定する。上記のモニタ実行条件は、内燃機関100が過給運転を行っていることで、蒸発燃料等のガスが下流側パージ管57を流通せず、蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56を流通する状態であることを検出するための条件である。なお、第1基準値は、インマニ圧Piが大気圧Paよりも十分に大きくなり、蒸発燃料等のガスが下流側パージ管57を流通しない状態になるような値が予め設定されている。また、第2基準値は、過給圧Psが大気圧Paよりも十分に大きくなり、蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56を適切に流通する状態になるような値が予め設定されている。ステップS23において、モニタ実行条件が成立していないと判定した場合(S23:NO)、制御装置80は、今回の異常検出処理を終了する。
一方、ステップS23において、モニタ実行条件が成立していると判定した場合(S23:YES)、制御装置80は、処理をステップS24に進める。ステップS24において、制御装置80における検出部83は、ステップS22のバルブ開閉処理の際のパージ圧Ppの圧力変動幅が予め設定された所定値X以上になっているか否かを判定する。本実施形態において、パージ圧Ppの圧力変動幅は、ステップS22のバルブ開閉処理の際におけるパージ圧Ppの最大値及び最小値の差である。ここで、蒸発燃料処理装置50に異常がない理想的な状態(内燃機関100の工場出荷時の状態)であっても、パージバルブ61のバルブ開閉処理の際におけるパージ圧Ppの圧力変動幅は、上流側パージ管56の流路を流通する蒸発燃料等のガスの流通量によって変化する。そして、上流側パージ管56の流路を流通する蒸発燃料等のガスの流通量は、内燃機関100の運転状態やパージ管55の構成等によって変化する。したがって、蒸発燃料処理装置50に異常がない理想的な状態であって、モニタ前提条件が成立、且つ、モニタ実行条件が成立している場合において、バルブ開閉処理の際に生じるパージ圧Ppの圧力変動幅の最小値が実験等によって求められ、そのパージ圧Ppの圧力変動幅の最小値よりも小さい値が上記の所定値Xとして予め設定されている。
ステップS24において、ステップS22のバルブ開閉処理の際のパージ圧Ppの圧力変動幅が予め設定された所定値X以上になっていると判定した場合(S24:YES)、制御装置80は、処理をステップS31に進める。ステップS31において、制御装置80における検出部83は、正常カウンタをカウントアップする。その後、制御装置80は、処理をステップS32に進める。
ステップS32において、制御装置80における検出部83は、正常カウンタが予め設定された正常判定値A以上になっているか否かを判定する。本実施形態において、正常判定値Aは、9回に設定されている。ステップS32において、正常カウンタが予め設定された正常判定値A以上になっていないと判定した場合(S32:NO)、制御装置80は、今回の異常検出処理を終了する。
一方、ステップS32において、正常カウンタが予め設定された正常判定値A以上になっていると判定した場合(S32:YES)、制御装置80は、処理をステップS33に進める。
ステップS33において、制御装置80における検出部83は、蒸発燃料処理装置50が正常であると判定する。また、制御装置80は、正常カウンタ及び異常カウンタをリセットする。その後、制御装置80は、処理をステップS34に進める。ステップS34において、制御装置80は、計時時間Tの計時を開始する。その後、制御装置80は、今回の異常検出処理を終了する。
一方、ステップS24において、ステップS22のバルブ開閉処理の際のパージ圧Ppの圧力変動幅が予め設定された所定値X以上になっていないと判定した場合(S24:NO)、制御装置80は、処理をステップS41に進める。ステップS41において、制御装置80における検出部83は、異常カウンタをカウントアップする。その後、制御装置80は、処理をステップS42に進める。
ステップS42において、制御装置80における検出部83は、異常カウンタが予め設定された異常判定値B以上になっているか否かを判定する。本実施形態において、異常判定値Bは、2回に設定されている。ステップS42において、異常カウンタが予め設定された異常判定値B以上になっていないと判定した場合(S42:NO)、制御装置80は、今回の異常検出処理を終了する。
一方、ステップS42において、異常カウンタが予め設定された異常判定値B以上になっていると判定した場合(S42:YES)、制御装置80は、処理をステップS43に進める。
ステップS43において、制御装置80における検出部83は、蒸発燃料処理装置50が異常であると判定する。また、制御装置80は、正常カウンタ及び異常カウンタをリセットする。その後、制御装置80は、異常検出処理の繰り返しを終了する。
本実施形態の作用について説明する。
内燃機関100において、キャニスタ51側から吸気管11側へ蒸発燃料を流通させるパージ処理を実行しない場合には、制御装置80によってパージバルブ61が閉状態に制御される。この場合、燃料タンク25内で発生した蒸発燃料がベーパ管52を介して、キャニスタ51内に流入する。キャニスタ51内に流入した蒸発燃料は、キャニスタ51内に吸着される。
一方、内燃機関100において、キャニスタ51側から吸気管11側へ蒸発燃料を流通させるパージ処理を実行する場合には、制御装置80によってパージバルブ61が開状態に制御される。ここで、内燃機関100が過給運転を行っていない場合には、吸気管11におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部分の負圧によって、外気導入管53を介してキャニスタ51内に外気が流入する。そして、キャニスタ51内に吸着されていた蒸発燃料と外気とが、パージ管55における共通管58及び下流側パージ管57を介して吸気管11におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部分に流入する。
また、内燃機関100が過給運転を行っている場合には、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも下流側の部分から還流管54及びエゼクタ70を介して、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側の部分に吸気等のガスが還流する。このようにエゼクタ70の流路の吸気等のガスの流通によって当該エゼクタ70の内部に負圧が発生すると、外気導入管53を介してキャニスタ51内に外気が流入する。そして、キャニスタ51内に吸着されていた蒸発燃料と外気とが、パージ管55における共通管58、上流側パージ管56、及びエゼクタ70を介して、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側の部分に流入する。
ここで、図3(c)に示すように、時刻t0において、パージバルブ61が開状態になっているものとする。また、同時刻t0において、内燃機関100が過給運転を行わないことでインマニ圧Piが大気圧Paよりも小さくなり、蒸発燃料等のガスが下流側パージ管57を流通しているものとする。この場合、過給圧Psは大気圧Paと略同じになり、蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56を流通しないものとする。
図3(a)に示すように、時刻t1において、モニタ前提条件が成立すると、図3(b)に示すように、制御装置80におけるバルブ制御部81は、バルブ開閉処理を開始する。そして、図3(c)に示すように、時刻t1以降において、パージバルブ61が開状態から閉状態、閉状態から開状態に、繰り返し切り替えられる。なお、図3(c)では、パージデューティが約50%に設定されているものとして図示している。
図3(d)に示すように、時刻t1以降において、パージバルブ61のバルブ開閉処理に伴って、パージ圧Ppが変動する。すると、図3(e)に示すように、時刻t2において、時刻t1から時刻t2までの期間についてのパージバルブ61のバルブ開閉処理の際におけるパージ圧Ppの圧力変動幅が算出される。同様に、時刻t3において、時刻t2から時刻t3までの期間についてのパージバルブ61のバルブ開閉処理の際におけるパージ圧Ppの圧力変動幅が算出される。ただし、図3(f)に示すように、時刻t2及び時刻t3では、モニタ実行条件がOFFであるため、制御装置80における検出部83は、正常カウンタ及び異常カウンタのいずれのカウントアップも行わない。
図3(e)に示すように、時刻t4において、時刻t3から時刻t4までの期間についてのパージバルブ61のバルブ開閉処理の際におけるパージ圧Ppの圧力変動幅が算出される。ここで、図3(f)に示すように、時刻t4以降において、内燃機関100が過給運転を行うことで、インマニ圧Piが大気圧Paよりも十分に大きくなり、蒸発燃料等のガスが下流側パージ管57を流通しなくなったとする。この場合、過給圧Psが大気圧Paに比べて十分に大きくなり、蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56を流通するようになったとする。そして、モニタ実行条件がONになったとする。すると、図3(e)に示すように、時刻t4において、制御装置80における検出部83は、時刻t3から時刻t4までの期間についてのパージ圧Ppの圧力変動幅が所定値X以上になっているため、図3(g)に示すように正常カウンタをカウントアップする。
同様に、図3(e)に示すように、時刻t5において、制御装置80における検出部83は、時刻t4から時刻t5までの期間についてのパージ圧Ppの圧力変動幅が所定値X以上になっているため、図3(g)に示すように正常カウンタをカウントアップする。また、図3(e)に示すように、時刻t6において、制御装置80における検出部83は、時刻t5から時刻t6までの期間についてのパージ圧Ppの圧力変動幅が所定値X以上になっているため、図3(g)に示すように正常カウンタをカウントアップする。
ここで、仮に、時刻t5から時刻t6までの期間内において、上流側パージ管56の流路の一部が詰まる異常が発生したとする。この場合、図3(e)に示すように、時刻t7において、制御装置80における検出部83は、時刻t6から時刻t7までの期間についてのパージ圧Ppの圧力変動幅が所定値X以上になっていないため、図3(h)に示すように異常カウンタをカウントアップする。
さらに、図3(e)に示すように、時刻t8において、制御装置80における検出部83は、時刻t7から時刻t8までの期間についてのパージ圧Ppの圧力変動幅が所定値X以上になっていないため、図3(h)に示すように異常カウンタをカウントアップする。そして、図3(h)に示すように、制御装置80における検出部83は、異常カウンタが異常判定値B(2回)以上になっているため、蒸発燃料処理装置50が異常であると判定する。
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態において、内燃機関100が過給運転を行っていることで上流側パージ管56の流路を蒸発燃料等のガスが流通しやすい状態であって、上流側パージ管56及び還流管54の流路に詰まり異常がない状態においてパージバルブ61が開状態に制御されていると、比較的に多くの蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56の流路を流通する。ここで、パージバルブ61のバルブ開閉処理を行うと、パージ圧Ppの圧力変動幅は比較的に大きくなる。
一方、内燃機関100が過給運転を行っていることで上流側パージ管56の流路を蒸発燃料等のガスが流通しやすい状態であって、上流側パージ管56の流路に詰まり異常がある状態においてパージバルブ61が開状態に制御されていると、上流側パージ管56の流路を流通できる蒸発燃料等のガスは少なくなる。ここで、パージバルブ61のバルブ開閉処理を行うと、パージ圧Ppの圧力変動幅は比較的に小さくなる。
本実施形態では、上流側パージ管56の流路の詰まり異常の有無によって変化するパージバルブ61のバルブ開閉処理の際のパージ圧Ppの圧力変動幅と予め設定された所定値Xとを比較する。これにより、本実施形態では、上流側パージ管56の流路の詰まり異常の有無を検出できる。
(2)内燃機関100が過給運転を行っている状態であっても、還流管54の流路に詰まり異常がある状態では、還流管54及びエゼクタ70を還流する吸気等のガスは少なくなる。すると、エゼクタ70の内部に発生する負圧が小さくなり、パージ管55における上流側パージ管56からエゼクタ70を介して、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側の部分に流入する蒸発燃料等のガスは少なくなる。すなわち、内燃機関100が過給運転を行っていることで上流側パージ管56の流路を蒸発燃料等のガスが流通しやすい状態であって、還流管54の流路に詰まり異常がある状態においてパージバルブ61が開状態に制御されていると、上流側パージ管56の流路を流通できる蒸発燃料等のガスは少なくなる。ここで、パージバルブ61のバルブ開閉処理を行うと、パージ圧Ppの圧力変動幅は比較的に小さくなる。そのため、本実施形態では、還流管54の流路の詰まり異常の有無も検出できる。
(3)同様に、内燃機関100が過給運転を行っていることで上流側パージ管56の流路を蒸発燃料等のガスが流通しやすい状態であって、上流側パージ管56や還流管54がエゼクタ70から外れる異常がある状態においてパージバルブ61が開状態に制御されていると、比較的に少ない蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56の流路を流通する。ここで、パージバルブ61のバルブ開閉処理を行うと、パージ圧Ppの圧力変動幅は比較的に小さくなる。そのため、本実施形態では、上流側パージ管56や還流管54がエゼクタ70から外れる異常の有無を検出できる。
(4)本実施形態では、ステップS32の正常判定値A及びステップS42の異常判定値Bとして、複数回の値が設定されている。そのため、本実施形態では、パージバルブ61のバルブ開閉処理の際におけるパージ圧Ppの圧力変動幅が予め設定された所定値X以上になっているか否かの判定を複数回行って正常判定又は異常判定を行っている。これにより、本実施形態では、パージバルブ61のバルブ開閉処理の際におけるパージ圧Ppの圧力変動幅が予め設定された所定値X以上になっているか否かの判定を一回行って正常判定又は異常判定を行う場合に比べて、正常判定又は異常判定の判定精度を高めることができる。
(5)本実施形態では、ステップS42の異常判定値Bは、ステップS32の正常判定値Aに比べて小さい値が設定されている。そのため、本実施形態では、ステップS42の異常判定値BがステップS32の正常判定値Aと同じ値に設定されている場合に比べて、上流側パージ管56や還流管54の異常を、より早期に検出できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、パージ管55における上流側パージ管56の下流端は、エゼクタ70を介さず、吸気管11におけるコンプレッサ31よりも上流側の部分に接続されていてもよい。この場合にも、パージバルブ61のバルブ開閉処理の際のパージ圧Ppの圧力変動幅と予め設定された所定値Xとの比較に基づけば、上流側パージ管56の流路の詰まり異常の有無は検出できる。なお、この場合には、エゼクタ70及び還流管54を省略してもよい。
・上記実施形態において、上流側パージ管56に取り付けられた圧力センサ93に代えて、下流側パージ管57に圧力センサを取り付けてもよい。この構成においては、内燃機関100が過給運転を行っていない等で下流側パージ管57の流路を蒸発燃料等のガスが流通しやすい状態であって、下流側パージ管57の流路に詰まり異常がある状態においてパージバルブ61が開状態に制御されていると、比較的に少ない蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56の流路を流通する。ここで、パージバルブ61のバルブ開閉処理を行うと、パージ圧Ppの圧力変動幅は比較的に小さくなる。そして、パージバルブ61のバルブ開閉処理の際に下流側パージ管57の圧力センサから入力される信号に基づくパージ圧の圧力変動幅と予め設定された所定値との比較に基づけば、下流側パージ管57の流路の詰まり異常の有無は検出できる。なお、この場合には、上流側パージ管56、エゼクタ70、及び還流管54を省略してもよい。
・上記実施形態において、ステップS22におけるバルブ開閉処理の回数は適宜変更できる。例えば、ステップS24においてステップS22のバルブ開閉処理の際のパージ圧Ppの圧力変動幅を算出できるのであれば、ステップS22においては、パージバルブ61を開状態及び閉状態の一方から他方に1回切り替えてもよいし、3回以上切り替えてもよい。
・上記実施形態において、ステップS32における正常判定値Aの回数は適宜変更できる。正常判定値Aを大きな値にすれば正常であると判定されにくくなり、小さな値にすれば正常であると判定されやすくなる。そこで、例えば、所定値Xの値や、一連の異常判定に求められる判定精度等を勘案して、適切な正常判定値Aを設定すればよい。
・同様に、上記実施形態において、ステップS42における異常判定値Bの回数は適宜変更できる。また、異常判定値Bは、正常判定値Aよりも小さな値である必要もない。ただし、異常判定値Bを大きな値にすると、実際に異常が発生してから異常判定されるまでのタイムラグが長くなる。
・上記実施形態において、ステップS23におけるモニタ実行条件は変更できる。例えば、ステップS23において、蒸発燃料等のガスが下流側パージ管57を流通せず、蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56を流通する状態を検出できるのであれば、ステップS23における第1基準値や第2基準値は、内燃機関100の運転状態やパージ管55の構成等に合わせて適宜変更してもよい。また、例えば、ターボチャージャ30の運転状態に基づいて、蒸発燃料等のガスが下流側パージ管57を流通せず、蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56を流通する状態を検出してもよい。
・また、ステップS23におけるモニタ実行条件は、例えば、蒸発燃料等のガスが上流側パージ管56を流通する状態であることを検出できれば、比較的に少ない蒸発燃料等のガスが下流側パージ管57を流通する状態であってもよい。この場合にも、上流側パージ管56を流通する蒸発燃料等のガスが一定以上あれば、ステップS24においてステップS22のバルブ開閉処理の際のパージ圧Ppの圧力変動幅を適切に算出できる。