JP2019208475A - 甘味食品、容器入り甘味食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
多層のゲル状食品を工業的に製造する方法として、上層の原料液よりも下層の原料液の比重を高くし、上層の原料液を容器に充填した後、下層の原料液を充填してゲル化させる方法が知られている(特許文献1、2)。
特許文献1には、比重を高くする方法として、砂糖、ぶどう糖などの配合量を多くする方法が記載されている。
特許文献2には、上層の原料液に砂糖と高甘味度甘味料を配合し、下層の原料液に砂糖と粉末水飴を配合することによって、各層の甘味を好ましい強度に調整しつつ、上層と下層の比重差を適切に調整した例が記載されている。
しかし、ゲル層を有する多層の甘味食品にあっては、糖類の配合量を減らすと上層と下層の比重のバランスが崩れるため、上記の製法で低糖質の製品を製造することが難しい。具体的には、上層の原料液と下層の原料液の混合が生じて、多層に分離した状態が得られない場合がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、ゲル層を有し、低糖質でありながら多層に分離している甘味食品、容器入り甘味食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
[1] ゲル状の第1層と、前記第1層よりも比重が高い第2層を有し、前記第2層は、前記第2層の総質量に対して食物繊維を8質量%以上含み、前記第1層と前記第2層の質量の合計に対して、糖質の含有量が10質量%以下である、甘味食品。
[2] 前記第1層と前記第2層の比重差が0.01以上である、[1]の甘味食品。
[3] 前記第1層と前記第2層の質量の合計に対して、前記第2層が1〜40質量%である、[1]又は[2]の甘味食品。
[4] 上方に開口部を有する容器内に、[1]〜[3]のいずれかの甘味食品が収容されており、前記第2層の上方に前記第1層が位置している、容器入り甘味食品。
[6] 前記第1液と前記第2液の比重差が0.04以上である、[5]の容器入り甘味食品の製造方法。
[7] 前記第1液と前記第2液の質量の合計に対して、前記第2液が1〜40質量%である、[5]又は[6]の容器入り甘味食品の製造方法。
本実施形態の甘味食品は、甘味を有するゲル状食品であり、第1層と第2層を有する。第1層はゲル状である。第2層はゲル状でもよく、流動性を有するゾル状又は液状であってもよい。第1層と第2層は混じり合わずに分離しており、互いに接している。
第1層は全体が均一な組成でもよく、互いに組成が異なる複数の層からなっていてもよい。前記複数の層は分離していてもよく、混じり合っていてもよい。
第1層及び第2層がいずれもゲル状である場合、第1層と第2層の界面は略平坦面である。前記界面は、明瞭な平坦面でもよく、一部に不明瞭な部分が残っていてもよい。
第2層が流動性を有する場合、第2層全体の形状が変化しない状態で第1層と接している。例えば容器の内面と第1層とで囲まれた閉空間を満たすように第2層が存在する。
第1層と第2層の質量比は特に限定されないが、工場規模での大量生産を行う場合、第2層が第1層に対して多すぎると第2層の充填スピードが速く、その突出圧が高くなるため、第1層を巻き込みやすくなり、明瞭な界面となりにくい場合がある。この点では第2層が多すぎないことが好ましい。例えば、第1層と第2層の質量の合計に対して、第2層が1〜40質量%であることが好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
第1層、第2層、第3層の質量比は特に限定されない。例えば、第1層と第2層の質量の合計に対して、第3層が1〜40質量%であることが好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
第2層は少なくとも水分及び食物繊維を含む。第2層がゲル化原料を含んでもよい。
第1層と第2層の少なくとも一方は甘味原料を含む。両方が甘味原料を含むことが好ましい。
第2層中の食物繊維は水溶性食物繊維を含むことが好ましい。第2層は水溶性食物繊維原料、及び水溶性食物繊維を含むゲル化原料からなる群から選ばれる1種以上含むことが好ましい。第2層が、少なくとも水溶性食物繊維原料の1種以上を含むことが好ましい。
水溶性食物繊維原料の例としては、難消化性グルカン、難消化性デキストリン、イヌリン、ポリデキストロースが挙げられる。
水溶性食物繊維を含むゲル化原料の例としては、寒天、ペクチン、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、キサンタンガム、カラギナンが挙げられる。
高甘味度甘味料としては、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン、カンゾウ抽出物等が挙げられる。
その他原料の例としては、呈味原料(乳類、油脂類、卵、果汁、飲料(コーヒー等)、酒類等)、乳化剤、でん粉、調味料、香料、色素等が挙げられる。
第1層に含まれるその他原料の総質量に対して、食物繊維の含有量は5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。ゼロでもよい。
第1層と第2層の比重差は後述の充填時の温度において0.04以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.08以上がさらに好ましい。
前記比重差が前記下限値以上であると、第1層と第2層の良好な分離状態が得られやすい。前記比重差の上限は、充填時の工程適性の点で0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい。
甘味食品の製品温度における第1層と第2層の比重差と、後述の充填時の温度における第1液と第2液の比重差とは、測定温度が異なるため一致するとは限らない。また、製品の保存中に第1層と第2層の比重差は水分の移行により小さくなる傾向がある。したがって第1層と第2層の比重差は成り行きの値でよいが、充填時の温度における比重差が0.04以上であるとき、甘味食品の製品温度における第1層と第2層の比重差は0.01以上となりやすい。
低糖質の甘味食品を提供するために、第1層と第2層の質量の合計に対して、糖質の含有量は10質量%以下であり、7質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。糖質の含有量の下限値は特に限定されないが、甘味食品としての風味の点で2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。
前記第3層が存在する場合、第3層の総質量に対する糖質の含有量は10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。ゼロでもよい。
本明細書において、糖質の含有量は、炭水化物の含有量から食物繊維の含有量を減じた残りである。
第2層がゲル状である場合、第2層はゲル化原料を含有する。第2層中のゲル化原料の種類及び含有量は、良好な保形性と食感を有するゲルが形成されるように設定することが好ましい。
また第2層がゲル状でない場合に、ゲル化原料を増粘剤として用いて第2層の流動性を調整してもよい。この場合、第2層中のゲル化原料の種類及び含有量は、所望の流動性と食感が得られるように設定することが好ましい。
前記に挙げたゲル化原料のうち、特に、ペクチン、タラガム、ゼラチン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガムはゲル化剤又は増粘剤として好適に使用できる。
本実施形態の甘味食品の製品形態は、上方に開口部を有する容器内に収容されている容器入り甘味食品が好ましい。容器内において、第1層は第2層の上方(開口部側)に位置する。
容器内の最下層が第2層の層であり、その上に第1層が積層されていることが好ましい。第1層の上にさらに第3層が存在してもよい。
容器の形状は限定されない。例えば、上方に開口部を有する各種カップ状の容器が好ましい。
本実施形態の容器入り甘味食品は、上方に開口部を有する容器に、第1液を充填した後、前記第1液よりも比重が高い第2液を充填し(充填工程)、少なくとも前記第1液をゲル化させる工程(ゲル化工程)を有する方法で製造できる。第1液は前記第1層となり、第2液は前記第2層となる。
第1液をゲル化させた後、前記第3層を設けてもよい。
第1液として、互いに組成が異なる複数の液を用いてもよい。この場合、容器に、前記複数の液を、順次又は同時に充填した後、第2液を充填する。
第1液、第2液はそれぞれ、配合する全原料を水に溶解又は分散させることで調製できる。原料を充分に溶解させるため、必要に応じて加温する。
その後、公知の方法で加熱殺菌してもよい。さらに均質化してもよい。
これにより、容器内の第1液の上から充填した第2液が第1液を突き抜けて容器の底に広がり、第1液と第2液が分離した状態が得られる。
第1液と第2液の比重差は0.04以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.08以上がさらに好ましい。
前記比重差が前記下限値以上であると、第1液と第2液の良好な分離状態が得られやすい。前記比重差の上限は、充填時の工程適性の点で0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい。
第1液の比重は0.95〜1.15が好ましく、1.00〜1.10がより好ましく、1.00〜1.01がさらに好ましい。
第2液の比重は1.03〜1.30が好ましく、1.05〜1.20がより好ましく、1.05〜1.15がさらに好ましい。
本明細書において、容器に充填する液の比重及び比重差は、各液の充填温度における値である。
第1液と第2液の粘度差は200mPa・s以上が好ましく、250mPa・s以上がより好ましく、300mPa・s以上がさらに好ましい。
前記粘度差が前記下限値以上であると、第1液と第2液の良好な分離状態が得られやすい。前記粘度差の上限は、充填時の工程適性の点で2000mPa・s以下が好ましく、1500mPa・s以下がより好ましく、1000mPa・s以下がさらに好ましい。
第1液の粘度は5〜200mPa・sが好ましく、10〜100がmPa・sより好ましく、10〜50mPa・sがさらに好ましい。
第2液の粘度は250〜2000mPa・sが好ましく、300〜1500mPa・sがより好ましく、400〜1000mPa・sがさらに好ましい。
本明細書において、粘度は、B型粘度計を用いて測定した値である。
[態様(1)]
第1液が、寒天、ゼラチン、及びカラギナンからなる群から選ばれる1種以上のゲル化原料(1)と、砂糖、異性化糖、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の糖類(1)と、高甘味度甘味料(1)と、水を含み、第1液の総質量に対して、前記ゲル化原料(1)の含有量が0.1〜2質量%、食物繊維の含有量が0〜1質量%、糖質の含有量が0.5〜5質量%、高甘味度甘味料(1)の含有量が0.005〜1質量%であり、60℃における比重が0.95〜1.15であり、60℃における粘度が10〜50mPa・sであり、
第2液がペクチン、タラガム、ゼラチン、グアーガム、ローカストビーンガム、及びタマリンドシードガムからなる群から選ばれる1種以上のゲル化原料(2)と、難消化性グルカン、難消化性デキストリン、イヌリン及びポリデキストロースからなる群から選ばれる1種以上の水溶性食物繊維原料と、砂糖、異性化糖、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の糖類(2)と、高甘味度甘味料(2)と、水を含み、第2液の総質量に対して、前記ゲル化原料(2)の含有量が0.1〜2質量%、食物繊維の含有量が8〜20質量%、糖質の含有量が5〜15質量%、高甘味度甘味料(2)の含有量が0.005〜1質量%であり、30℃における比重が1.03〜1.30であり、30℃における粘度が250〜1500mPa・sであり、
第1液と第2液の質量の合計に対して、糖質の含有量が10質量%以下であり、かつ第1液と第2液の比重差が0.04以上である態様(1)。
第1液が、卵、乳たんぱく質、及び大豆たんぱく質からなる群から選ばれる1種以上の加熱ゲル化原料(3)と、砂糖、異性化糖、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の糖類(3)と、高甘味度甘味料(3)と、水を含み、第1液の総質量に対して、前記加熱ゲル化原料(3)の含有量が1〜25質量%、食物繊維の含有量が0〜1質量%、糖質の含有量が0.5〜5質量%、高甘味度甘味料(3)の含有量が0.005〜1質量%であり、60℃における比重が0.95〜1.15であり、60℃における粘度が10〜50mPa・sであり、
第2液がペクチン、タラガム、ゼラチン、グアーガム、ローカストビーンガム、及びタマリンドシードガムからなる群から選ばれる1種以上のゲル化原料(4)と、難消化性グルカン、難消化性デキストリン、イヌリン及びポリデキストロースからなる群から選ばれる1種以上の水溶性食物繊維原料と、砂糖、異性化糖、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の糖類(4)と、高甘味度甘味料(4)と、水を含み、第2液の総質量に対して、前記ゲル化原料(4)の含有量が0.1〜2質量%、食物繊維の含有量が8〜20質量%、糖質の含有量が5〜15質量%、高甘味度甘味料(4)の含有量が0.005〜1質量%であり、30℃における比重が1.03〜1.30であり、30℃における粘度が250〜1500mPa・sであり、
第1液と第2液の質量の合計に対して、糖質の含有量が10質量%以下であり、かつ第1液と第2液の比重差が0.04以上である態様(2)。
充填工程では、第1液を容器に充填し、続いて第2液を充填する。充填は公知の充填機を用いて行うことができる。充填する前に、第1液、第2液の温度をそれぞれ充填温度に調整する。
第1液の充填温度は、第1液が含有するゲル化原料がゲル化しない温度である。
第2液がゲル化原料を含む場合、第2液の充填温度は、第2液中のゲル化原料がゲル化しない温度である。また、第2液がゲル化原料を含む場合、含まない場合のいずれにおいても、第2液を充填したときに、先に充填した第1液が直ちにゲル化することを抑制する点から、第2液の充填温度は第1液に含まれるゲル化原料がゲル化しない温度であることが好ましい。
例えば、前記態様(1)又は(2)において、第1液の充填温度は30〜65℃が好ましく、第2液の充填温度は20〜50℃が好ましい。
第1液及び第2液を容器に充填した後、容器内に存在するゲル化原料をゲル化させる。第1液及び第2液の両方がゲル化原料を含む場合、第1液及び第2液を一括的にゲル化させることが好ましい。
第1液が、冷却によってゲル化するゲル化原料を主体として含む場合は、第1液及び第2液をそのゲル化原料のゲル化温度以下に冷却する。例えば、前記態様(1)において、冷却温度は、1〜10℃が好ましい。
第1液が、加熱ゲル化原料を主体として含む場合は、第1液及び第2液を一括して加熱し、その後冷却することが望ましい。例えば、前記様態(2)において、製品の中心温度が80℃以上となるように加熱した後に、1〜10℃に冷却するのが好ましい。
前記第3層を設ける場合には、少なくとも第1層をゲル化した後に第3層を設ける。例えば、ゲル状の第1層の上に、ゲルでない固体の食品又は流動性を有する食品を充填して第3層を形成することができる。
ゲル層を有する多層の甘味食品の例としては、第1層がプリン、ゼリー、ババロア又はブラマンジェであり、第2層がゲル状のソース層、又は流動性を有するソース層である多層デザートが挙げられる。
<炭水化物・糖質・食物繊維の含有量の測定方法>
日本食品標準成分表2015年版(七訂)分析マニュアル」に記載されている手順に従って、水分(常圧加熱乾燥法(乾燥助剤添加法))、タンパク質(燃焼法(改良デュマ法))、脂肪(レーゼゴットリーブ法)、灰分(直接灰化法)を測定し、水分、タンパク質、脂肪及び灰分の合計の含有量を、全体(100質量%)から減じた残りを炭水化物の含有量とした。
炭水化物の含有量から食物繊維の含有量を減じた残りを糖質の含有量とした。
食物繊維の含有量は、原料の食物繊維含有量と配合比率から算出した。
[水溶性食物繊維原料]
難消化性グルカン:製品名「フィットファイバー#80」、日本食品化工社製、食物繊維含有量58質量%。
イヌリン:製品名「フジFF」、フジ日本精糖社製、食物繊維含有量92質量%。
ポリデキストロース:製品名「ライテスHF」、デュポン社製、食物繊維含有量95質量%。
難消化性デキストリン:製品名「ファイバーソル2」、松谷化学社製、食物繊維含有量90質量%。
寒天:伊那食品工業社製、食物繊維含有量62質量%。
ペクチン:三栄源エフ・エフ・アイ社製、食物繊維含有量45質量%。
タラガム:製品名「タラガム」、三菱ケミカルフーズ社製、食物繊維含有量85質量%。
ゼラチン:新田ゼラチン社製、食物繊維含有量0質量%。
砂糖:ホクレン社製。
高甘味度甘味料:製品名「サンスイートSA−5050」、三栄源エフ・エフ・アイ社製。
プリンシラップ(製品名):池田糖化工業社製、砂糖含有量75質量%。
ぶどう糖果糖液糖:日本食品化工社製。
乾燥卵黄:キユーピータマゴ社製。
卵加工品:太陽化学社製。
脱脂粉乳:森永乳業社製。
殺菌乳:森永乳業社製。
植物油脂:太陽油脂社製。
無塩バター:森永乳業社製。
冷凍濃縮いちご果汁:伊藤忠商事社製。
でん粉:松谷化学工業社製。
乳化剤:三栄源エフ・エフ・アイ社製。
カスタード香料:長谷川香料社製。
ミルク香料:長谷川香料社製。
いちご香料:長谷川香料社製。
カロテン色素:三栄源エフ・エフ・アイ社製。
<試験例1>
本試験例では、糖質の含有量を抑えた配合において、第2層中の食物繊維の含有量を変化させて第1層と第2層の分離状態を評価した。例1〜5は実施例、例6〜9は比較例である。
第1液又は第2液の組成を示す表には、各液の総質量に対する炭水化物の含有量、食物繊維の含有量及び糖質の含有量を記載する。これらの含有量はゲル化の前後で変化しない。また各液の充填時の温度における比重を記載する(以下、同様)。
(第1液(プリンベース)の調製)
表1に示す配合Aに従い各原料を混合し、90℃10分間の加熱を行い、続けてホモジナイザーで15MPaの条件で均質化し、30℃に冷却した。その後、90℃まで加温したのち60℃に冷却することによりプリンベースを調製した。プリンベースの60℃における粘度は20mPa・sであった。
表2に示す例1の配合に従い各原料を混合し、90℃10分間の加熱を行った。その後、30℃に冷却することによりカラメルソースを調製した。カラメルソースの30℃における粘度は500mPa・sであった。
上方に開口部を有するカップ状のプラスチック容器(底面の直径56mm、容量118mL)に、プリンベース(60℃)を65g充填し、続けてカラメルソース(30℃)を10g充填した。充填後、コンベアを用いて連続製造する場合を想定して5往復の振動を与えた。その後10℃で18時間冷却して、ゲル状のソース層(第2層)の上に、ゲル状のプリン層(第1層)が積層した容器入りプリン(製品)を得た。
第1層と第2層の質量の合計(75g)に対する、第2層(10g)の割合は13.3質量%である。
例1において、カラメルソース(第2液)の配合を表2に示すとおりに変更したほかは、例1と同様にして容器入りプリンを製造した。
例2〜9のカラメルソースの30℃における粘度はいずれも500mPa・sであった。
例1〜9で製造した容器入りプリンについて、下記の方法でプリン層とソース層の分離状態を評価した。
まず、容器の開口部側から、プリン層の表面を目視で観察し、容器開口部内のプリン層表面にソースが存在するか否かを判定した。次いで容器を逆さにしてプリンを取り出し、縦方向(容器の深さ方向)に半分に切断し、切断面におけるプリン層とソース層の分離状態又は混合状態を目視で観察し、下記の基準により5段階で評価した。評価点が4点以上であれば合格と判定する。
分離状態の評価結果を表3に示す。表3には、第1層と第2層の質量の合計に対する糖質の含有量、及び充填時の温度における第1液と第2液の比重差を記載する。
[評価基準]
1点:容器開口部内のプリン層表面にソースが存在する。
2点:容器開口部内のプリン層表面にソースは存在しないが、切断面においてプリン層とソース層が混合状態にある。
3点:容器開口部内のプリン層表面にソースは存在せず、切断面において2層分離しているが、2層の界面は不明瞭である。
4点:容器開口部内のプリン層表面にソースは存在せず、切断面において2層分離しているが、2層の界面に一部不明瞭な部分が残っている。
5点:容器開口部内のプリン層表面にソースは存在せず、切断面において2層分離しており、2層の界面は明瞭である。
これに対して、第2液の総質量に対して食物繊維を8質量%以上含有させた例1〜5の容器入りプリンは、プリン層とソース層の分離状態が良好であった。
本試験例では、第2液の総質量に対する糖質の含有量及び第2液の比重を維持しつつ、第2液に配合する食物繊維の種類を変えて、第1層と第2層の分離状態を評価した。例2、例10〜12は実施例である。
[例2・例10〜12]
第1液(プリンベース)は例1と同じである。
表4に示す配合に従い各原料を混合し、90℃10分間の加熱を行った。その後、30℃に冷却することにより第2液(カラメルソース)を調製した。例10〜12のカラメルソースの30℃における粘度はいずれも500mPa・sであった。
第2液が異なるほかは例1と同様にして容器入りプリンを製造した。試験例1と同様に評価した。結果を表5に示す。
例2で得られた容器入りプリンについて、商品価値を確認するため、主婦層を中心とする58人を対象に、官能評価を実施した。比較対象として、カラメルソース層が無い低糖質の容器入りプリン(比較対象1)、及び、従来の低糖質ではない、カラメルソース層を有する容器入りプリン(比較対象2)を用いた。
例2において、プリンベースの充填量を75gに変更し、カラメルソースを充填しないほかは、例2と同様にして容器入りプリンを製造した。
(第1液(プリンベース)の調製)
表6に示す配合Bに従い各原料を混合し、90℃10分間の加熱を行い、続けてホモジナイザーで15MPaの条件で均質化し、30℃に冷却した。その後、90℃まで加温したのち60℃に冷却することによりプリンベースを調製した。
(第2液(カラメルソース)の調製)
表7に示す配合Cに従い各原料を混合し、90℃10分間の加熱を行った。その後、30℃に冷却することによりカラメルソースを調製した。
(充填及びゲル化)
得られたプリンベース及びカラメルソースを用い、例1と同様の手順で容器入りプリン(製品)を製造した。ただし、第1液(プリンベース)の充填量は75gに変更した。
(1)58名のパネルを29名ずつの(I)群と(II)群に分け、(I)群は例2、比較対象1、比較対象2の順に評価し、(II)群は比較対象1、例2、比較対象2の順に評価した。
評価は、「おいしさ」、「甘味の質の好み」、「卵味の好み」、「コクの好み」、「1個食べて飽きない味か」、「また食べたい味か」の各項目について下記の方法で評価した。数値(単位:%)が高いほどその項目で高い評価を得ていることを意味する。
結果を表8に示す。表8には、製品中の糖質の含有量、製品のカロリーも記載する。
(評価方法)
(1−1)
各製品の「おいしさ」について下記の7段階で評価してもらい、全パネル(58人))に対して「非常においしい」又は「おいしい」と評価した人数の合計の割合(単位:%)を算出し評価結果とした。
7:非常においしい。
6:おいしい。
5:ややおいしい。
4:どちらともいえない。
3:あまりおいしくない。
2:おいしくない。
1:全くおいしくない。
(1−2)
各製品の「甘味の質の好み」、「卵味の好み」、及び「コクの好み」について、それぞれ下記の5段階で評価してもらい、全パネルに対して「好き」又は「やや好き」と評価した人数の合計の割合(単位:%)を算出し評価結果とした。
5:好き。
4:やや好き。
3:どちらともいえない。
2:やや嫌い。
1:嫌い。
(1−3)
各製品の「1個食べて飽きない味か」及び「また食べたい味か」について、それぞれ下記の5段階で評価してもらい、全パネルに対して「そう思う」又は「ややそう思う」と評価した人数の合計の割合(単位:%)を算出し評価結果とした。
5:そう思う。
4:ややそう思う。
3:どちらともいえない。
2:あまりそう思わない。
1:そう思わない。
本例では、イチゴソース層の上にミルクプリン層が積層した容器入りミルクプリンを製造した。
(第1液(ミルクプリンベース)の調製)
表9に示す配合Dに従い各原料を混合し、90℃10分間の加熱を行い、続けてホモジナイザーで15MPaの条件で均質化し、30℃に冷却した。その後、90℃まで加温したのち60℃に冷却することによりミルクプリンベースを調製した。ミルクプリンベースの60℃における粘度は25mPa・sであった。
(第2液(いちごソース)の調製)
表10に示す配合Eに従い各原料を混合し、90℃10分間の加熱を行った。その後、30℃に冷却することによりいちごソースを調製した。いちごソースの30℃における粘度は600mPa・sであった。
上方に開口部を有するカップ状のプラスチック容器(底面の直径56mm、容量118mL)に、ミルクプリンベース(60℃)を65g充填し、続けていちごソース(30℃)を10g充填した。充填後、5往復の振動を与えた。その後10℃で18時間冷却して、ゲル状の2層が積層した容器入りミルクプリン(製品)を得た。
得られた製品について、試験例1と同様にして2層の分離状態を評価した。結果を表11に示す。
Claims (7)
- ゲル状の第1層と、前記第1層よりも比重が高い第2層を有し、前記第2層は、前記第2層の総質量に対して食物繊維を8質量%以上含み、前記第1層と前記第2層の質量の合計に対して、糖質の含有量が10質量%以下である、甘味食品。
- 前記第1層と前記第2層の比重差が0.01以上である、請求項1に記載の甘味食品。
- 前記第1層と前記第2層の質量の合計に対して、前記第2層が1〜40質量%である、請求項1又は2に記載の甘味食品。
- 上方に開口部を有する容器内に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の甘味食品が収容されており、前記第2層の上方に前記第1層が位置している、容器入り甘味食品。
- 上方に開口部を有する容器に、第1液を充填した後、前記第1液よりも比重が高い第2液を充填し、少なくとも前記第1液をゲル化させる工程を有し、
前記第2液は、前記第2液の総質量に対して食物繊維を8質量%以上含み、前記第1液と前記第2液の質量の合計に対して、糖質の含有量が10質量%以下である、容器入り甘味食品の製造方法。 - 前記第1液と前記第2液の比重差が0.04以上である、請求項5に記載の容器入り甘味食品の製造方法。
- 前記第1液と前記第2液の質量の合計に対して、前記第2液が1〜40質量%である、請求項5又は6に記載の容器入り甘味食品の製造方法。
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