以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜図5に、本実施の形態にかかる温度センサ10の一例を示し、図6〜図13に、本実施の形態にかかる水晶振動子100の一例を示している。
まず、本実施の形態にかかる温度センサ10について、図1〜図5を参照して説明する。温度センサ10は、絶縁性基板11に、一対の電極層(電極膜)12,12と、界面層(界面膜)13と、サーミスタ材料により形成される抵抗層(抵抗膜)14とが積層された薄膜サーミスタとして構成されている。本実施形態では、平面視で略矩形状の絶縁性基板11の第1主面11aの略全体にわたって、電極層12と、界面層13と、抵抗層14とが形成されている。また、絶縁性基板11の第2主面11bの長手方向の両端部に、電極層15がそれぞれ形成されている。
絶縁性基板11は、例えばガラスにより形成された略直方体状の基板である。この絶縁性基板11の第1主面11aが平坦面に形成されており、この第1主面11aが電極層12等を積層する面になっている。絶縁性基板11は、電気的な絶縁性能を有していれば、他の材質(例えば水晶等)により形成してもよい。
絶縁性基板11の4隅のうち対角線上に位置する2箇所には、第1主面11aと第2主面11bとの間を貫通する貫通孔11c,11cが形成されている。この場合、貫通孔11cは、絶縁性基板11のA2方向の端部且つB1方向の端部と、A1方向の端部且つB2方向の端部とにそれぞれ設けられている。各貫通孔11cには、第1主面11aと第2主面11bとに形成された電極の導通を図るための貫通電極が、貫通孔11cの内壁面に沿って形成されている。また、各貫通孔11cの中央部分は、第1主面11aと第2主面11bとの間を貫通した中空状態の貫通部分となる。貫通孔11cの貫通電極によって、第1主面11a側の電極層12と、第2主面11b側の電極層15とが導通されている。なお、貫通電極は、貫通部分を有するものに限らず、貫通部分のない中実の状態で形成されていてもよい。
絶縁性基板11の第1主面11a上に、一対の電極層12,12が所定の対向間隔を隔てて形成されている。一対の電極層12,12は、平面視で抵抗層14を挟んで互いに対向して配置される。各電極層12は、絶縁性基板11の第1主面11a上に物理的気相成長させて形成された下地層(例えばTi層)と、当該下地層上に物理的気相成長させて積層形成された電極層(例えばAu層)とから形成されている。下地層は、例えばTi(チタン)からなるTi層とされ、電極層は、例えばAu(金)からなるAu層とされる。なお、下地層を用いずに、絶縁性基板11の第1主面11a上に電極層(Au層)を形成してもよい。
本実施形態では、各電極層12は、図2に示すように、平面視で櫛形形状に形成されている。具体的には、各電極層12は、絶縁性基板11の長辺方向に沿って設けられた基部12aから、多数の枝部12bが平行に延びた構成になっている。そして、一方の電極層12の枝部12bと、他方の電極層12の枝部12bとが、互いに接触しないように、所定の隙間L1(図5)を隔てて互い違いに並んでいる。そして、枝部12b,12b同士の隙間L1に抵抗層14が充填されており、抵抗層14が一対の電極層12,12の対向間に設けられている。このような櫛形形状の電極層12は、例えばメタルエッチングによって形成される。
抵抗層14は、界面層13上に物理的気相成長によって成膜されたPVD膜から形成されている。より詳細には、抵抗層14は、反応性DCマグネトロンスパッタリングや、反応性RFマグネトロンスパッタリングによって成膜された反応性スパッタ膜として形成することが可能である。抵抗層14は、所定の温度特性を有するサーミスタ材料によって形成されており、例えば、温度が上昇するに従って、抵抗値が略比例的に低下するような特性(NTCサーミスタ特性)を有する材質で形成されている。このようなサーミスタ材料として、例えばCrNO(酸素及び窒素を含有成分として含むクロム化合物)が採用されている。なお、サーミスタ材料は、CrNOに限らず、窒化物半導体や、酸化物半導体等であればよく、例えばCrN(窒化クロム)、AlN(窒化アルミニウム)、SiN(窒化ケイ素)、ZrN(窒化ジルコニウム)等であってもよい。
そして、一対の電極層12,12間に挟まれた状態の抵抗層14が、平面視で絶縁性基板11のA2方向の端部且つB1方向の端部から、A1方向の端部且つB2方向の端部まで、蛇行した状態で形成されている。また、一対の電極層12,12間に挟まれた状態の抵抗層14が、一定の幅L2(図5)且つ一本道の状態で形成されており、この抵抗層14の経路長Wは、一対の電極層12,12同士が対向する長さの総和になっている。抵抗層14の幅L2は、上述した電極層12同士の隙間L1よりも界面層13の厚み分だけ小さくなっている。
本実施形態では、断面視で、電極層12と抵抗層14との間に、所定の厚み(例えば4〜5nm)を有する界面層13が介在されている。図4、図5に示すように、絶縁性基板11の第1主面11a上に、電極層12、界面層13、及び抵抗層14の順で積層されている。詳細には、絶縁性基板11の第1主面11a上に、平面視で櫛形形状に形成された電極層12が形成されており、第1主面11a上には、電極層12が形成された箇所と、電極層12が形成されていない箇所とが存在している。そして、絶縁性基板11の第1主面11a上に電極層12が形成されている箇所では、電極層12上に界面層13が積層され、その界面層13上に抵抗層14が積層されている。一方、絶縁性基板11の第1主面11a上に電極層12が形成されていない箇所では、第1主面11a上に界面層13が積層され、その界面層13上に抵抗層14が積層されている。界面層13は、物理的気相成長によって成膜されたPVD膜から形成されている。本実施形態では、Ti(チタン)からなるTi層によって界面層13が形成されている。なお、図4、図5では、電極層12、界面層13、及び抵抗層14の厚みを誇張して示している。
上記構成の温度センサ10によれば、一対の電極層12,12に挟まれた抵抗層14の経路長Wをより長く確保することができ、これにより、微小なサイズの温度センサ10であっても、より大きなB定数を得ることができる。詳細には、温度センサ10の抵抗値は、抵抗層14の幅L2に比例し、また、抵抗層14の経路長Wに反比例する。このため、抵抗層14の経路長Wをより長くし、また、抵抗層14の幅L2をより狭くすることによって、より大きなB定数を有する温度センサ10の抵抗値を低下させることができる。これにより、温度センサ10のセンシング性能を向上させることができる。絶縁性基板11の第1主面11aの略全体に温度センサ10を形成することによって抵抗層14の経路長Wをより長くしてセンシング性能を向上させることが可能であるが、絶縁性基板11の第1主面11aの一部の領域のみに温度センサ10を形成してもよい。
本実施形態では、電極層12と抵抗層14との間に界面層13が介在されているので、電極層12と抵抗層14とを直接積層した場合に比べて、電極層12と抵抗層14との間の密着性、詳細には、電極層12と界面層13との密着性、及び抵抗層14と界面層13との密着性を向上させることができ、電極層12及び抵抗層14の絶縁性基板11からの剥離を抑制できる。
ここで、電極層12と抵抗層14とを直接積層した場合、櫛形形状の電極層12をメタルエッチングにより形成する際のエッチング液が、電極層12と抵抗層14との界面に侵入する可能性があり、密着性の低下を招く可能性がある。しかし、本実施形態では、電極層12と抵抗層14との間に界面層13が介在されるので、エッチング液の侵入に起因する電極層12と抵抗層14との間の密着性の低下を抑制することができる。
また、Au層からなる電極層12と抵抗層14とを直接積層する場合、両者の密着性が低下する可能性がある。しかし、本実施形態では、両者間にTi層からなる界面層13を介在させることによって、電極層12と抵抗層14との間の密着性を向上させることができる。つまり、Au層からなる電極層12と、Ti層からなる界面層13との密着性が比較的良好であるため、電極層12としてAu層を用いた場合であっても、電極層12と抵抗層14との間の密着性を向上させることができる。
ここで、界面層13として、Cr(クロム)からなるCr層を用いてもよい。この場合にも、Au層からなる電極層12と、Cr層からなる界面層13との密着性が比較的良好であるため、電極層12としてAu層を用いた場合であっても、電極層12と抵抗層14との間の密着性を向上させることができる。なお、エッチング液による浸食を抑制する観点からは、Ti層によって界面層13を形成することが好ましい。
また、本実施形態では、抵抗層14のサーミスタ材料としてCrNOを用いているので、より大きなB定数を得ることができる。これにより、温度センサ10のセンシング性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、絶縁性基板11の第1主面11aに、電極層12、界面層13、及び抵抗層14の順で積層されているので、界面層13及び抵抗層14で電極層12を覆うことによって、電極層12を保護することができ、また、電極層12へのごみ等の付着を防止できる。なお、絶縁性基板11の第1主面11aに、抵抗層14、界面層13、及び電極層12の順で積層してもよい。この場合、絶縁性基板11の第1主面11aの略全体にわたって、抵抗層14を形成し、この抵抗層14の上に界面層13を形成し、さらに、界面層13の上に櫛形形状の電極層12を形成すればよい。
次に、本実施の形態にかかる水晶振動子100について、図6〜図13を参照して説明する。
水晶振動子100は、図6に示すように、水晶振動板102、第1封止部材103、第2封止部材104、及び上述した温度センサ10を備えている。この水晶振動子100では、水晶振動板102と第1封止部材103とが接合され、水晶振動板102と第2封止部材104とが接合されることによって、略直方体のサンドイッチ構造のパッケージ112が構成される。
水晶振動板102では、一方の主面である第1主面211に第1励振電極221が形成され、他方の主面である第2主面212に第2励振電極222が形成されている。そして、水晶振動子100においては、水晶振動板102の両主面(第1主面211、第2主面212)のそれぞれに第1封止部材103及び第2封止部材104が接合されることで、パッケージ112の内部空間113が形成され、内部空間113に第1励振電極221及び第2励振電極222を含む振動部122(図9、図10参照)が気密封止されている。
本実施形態では、水晶振動子100は、温度センサ10を備えた温度センサ付き水晶振動子として構成されている。つまり、水晶振動子100のパッケージ112に、振動部122の温度(内部空間113の温度)を検知するための温度センサ10が備えられている。温度センサ10は、上記実施形態と略同様の構成になっている(図1〜図5参照)。一方、本実施形態では、図13に示すように、温度センサ10の絶縁性基板11の第2主面11bの4隅の領域に、接続用接合パターン16,17が形成されている。接続用接合パターン16,17は、絶縁性基板11の第2主面11b上に物理的気相成長させて形成された下地膜と、当該下地膜上に物理的気相成長させて積層形成された接合膜とから形成することができる。本実施形態では、下地膜には、Ti(もしくはCr)が用いられ、接合膜にはAuが用いられている。なお、接続用接合パターン16,17は、絶縁性基板11の第1主面11aの電極層12と同一のプロセスで形成することが可能である。
絶縁性基板11の第2主面11bの4隅の領域のうち対角線上に位置する2箇所に、接続用接合パターン16が設けられており、4隅の領域のうち対角線上に位置する残りの2箇所に、接続用接合パターン17が設けられている。接続用接合パターン16は、貫通孔11cの周囲に形成されており、貫通電極を介して、絶縁性基板11の第1主面11aに形成された電極層12に電気的に接続される。接続用接合パターン16は、絶縁性基板11の第2主面11bのA2方向側且つB1方向側の領域と、A1方向側且つB2方向側の領域とにそれぞれ設けられている。接続用接合パターン17は、絶縁性基板11の第2主面11bのA1方向側且つB1方向側の領域と、A2方向側且つB2方向側の領域とにそれぞれ設けられている。図7、図8、図11、図12、図13のA1及びA2方向は、図9、図10の−Z´方向及び+Z´方向にそれぞれ一致し、図7、図8、図11、図12、図13のB1及びB2方向は、図9、図10の−X方向及び+X方向にそれぞれ一致する。
水晶振動子100は、例えば、1.0×0.8mmのパッケージサイズであり、小型化と低背化とを図ったものである。また、小型化に伴い、パッケージ112では、キャスタレーションを形成せずに、後述するスルーホール(貫通孔)を用いて電極の導通を図っている。
ここで、水晶振動子100を構成する水晶振動板102、第1封止部材103、及び第2封止部材104の各部材について、図6〜図12を用いて説明する。
水晶振動板102は、図9、図10に示すように、水晶からなる圧電基板であって、その両主面(第1主面211、第2主面212)が平坦平滑面(鏡面加工)として形成されている。本実施形態では、水晶振動板102として、厚みすべり振動を行うATカット水晶板が用いられている。図9、図10に示す水晶振動板102では、水晶振動板102の両主面211,212が、XZ´平面とされている。このXZ´平面において、水晶振動板102の短手方向(短辺方向)に平行な方向がX軸方向とされ、水晶振動板102の長手方向(長辺方向)に平行な方向がZ´軸方向とされている。なお、ATカットは、人工水晶の3つの結晶軸である電気軸(X軸)、機械軸(Y軸)、及び光学軸(Z軸)のうち、Z軸に対してX軸周りに35°15′だけ傾いた角度で切り出す加工手法である。ATカット水晶板では、X軸は水晶の結晶軸に一致する。Y´軸及びZ´軸は、水晶の結晶軸のY軸及びZ軸からそれぞれ35°15′傾いた軸に一致する。Y´軸方向及びZ´軸方向は、ATカット水晶板を切り出すときの切り出し方向に相当する。
水晶振動板102の両主面211,212には、一対の励振電極(第1励振電極221、第2励振電極222)が形成されている。水晶振動板102は、略矩形に形成された振動部122と、この振動部122の外周を取り囲む外枠部123と、振動部122と外枠部123とを連結することで振動部122を保持する保持部124とを有している。すなわち、水晶振動板102は、振動部122、外枠部123及び保持部124が一体的に設けられた構成となっている。
保持部124は、振動部122と外枠部123との間の1箇所のみに設けられている。また、振動部122及び保持部124は、基本的には外枠部123よりも薄く形成されている。このような外枠部123と保持部124との厚みの違いにより、外枠部123と保持部124の圧電振動の固有振動数が異なることになり、保持部124の圧電振動に外枠部123が共鳴しにくくなる。なお、保持部124の形成箇所は1か所に限定されるものではなく、保持部124は、振動部122と外枠部123との間の2箇所(例えば、−Z´軸方向の両側)に設けられていてもよい。
保持部124は、振動部122の+X方向且つ−Z´方向に位置する1つの角部のみから、−Z´方向に向けて外枠部123まで延びている(突出している)。このように、振動部122の外周端部のうち、圧電振動の変位が比較的小さい角部に保持部124が設けられているので、保持部124を角部以外の部分(辺の中央部)に設けた場合に比べて、保持部124を介して圧電振動が外枠部123に漏れることを抑制することができ、より効率的に振動部122を圧電振動させることができる。また、保持部124を2つ以上設けた場合に比べて、振動部122に作用する応力を低減することができ、そのような応力に起因する圧電振動の周波数シフトを低減して圧電振動の安定性を向上させることができる。
第1励振電極221は振動部122の第1主面211側に設けられ、第2励振電極222は振動部122の第2主面212側に設けられている。第1励振電極221、第2励振電極222には、これらの励振電極を外部電極端子に接続するための引出配線(第1引出配線223、第2引出配線224)が接続されている。第1引出配線223は、第1励振電極221から引き出され、保持部124を経由して、外枠部123に形成された接続用接合パターン127に繋がっている。第2引出配線224は、第2励振電極222から引き出され、保持部124を経由して、外枠部123に形成された接続用接合パターン128に繋がっている。このように、保持部124の第1主面211側に第1引出配線223が形成され、保持部124の第2主面212側に第2引出配線224が形成されている。
水晶振動板102の両主面(第1主面211、第2主面212)には、水晶振動板102を第1封止部材103及び第2封止部材104に接合するための振動側封止部がそれぞれ設けられている。第1主面211の振動側封止部としては、第1封止部材103に接合するための振動側第1接合パターン251が形成されている。また、第2主面212の振動側封止部としては、第2封止部材104に接合するための振動側第2接合パターン252が形成されている。振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252は、外枠部123に設けられており、平面視で環状に形成されている。第1励振電極221、第2励振電極222は、振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252とは電気的に接続されていない。
また、水晶振動板102には、図9、図10に示すように、第1主面211と第2主面212との間を貫通する5つのスルーホール(貫通孔)が形成されている。具体的には、4つの第1貫通孔261は、外枠部123の4隅(角部)の領域にそれぞれ設けられている。第2貫通孔262は、外枠部123であって、振動部122のZ´軸方向の一方側(図9、図10では、−Z´方向側)に設けられている。第1貫通孔261の周囲には、それぞれ接続用接合パターン253が形成されている。また、第2貫通孔262の周囲には、第1主面211側では接続用接合パターン254が、第2主面212側では接続用接合パターン128が形成されている。振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252の外側に第1貫通孔261が形成され、振動側第1接合パターン251及び振動側第2接合パターン252の内側に第2貫通孔262が形成されている。
第1貫通孔261及び第2貫通孔262には、第1主面211と第2主面212とに形成された電極の導通を図るための貫通電極が、貫通孔それぞれの内壁面に沿って形成されている。また、第1貫通孔261及び第2貫通孔262それぞれの中央部分は、第1主面211と第2主面212との間を貫通した中空状態の貫通部分となる。なお、貫通電極は、貫通部分を有するものに限らず、貫通部分のない中実の状態で形成されていてもよい。
水晶振動板102において、第1励振電極221、第2励振電極222、第1引出配線223、第2引出配線224、第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252、及び接続用接合パターン253,254,27,28は、同一のプロセスで形成することができる。具体的には、これらは、水晶振動板102の両主面211,212上に物理的気相成長させて形成された下地膜と、当該下地膜上に物理的気相成長させて積層形成された接合膜とから形成することができる。なお、本実施形態では、下地膜には、Ti(もしくはCr)が用いられ、接合膜にはAuが用いられている。
第1封止部材103は、図7、図8に示すように、水晶により形成された略直方体状の基板であり、この第1封止部材103の第2主面312(水晶振動板102に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として形成されている。本実施形態では、第1封止部材103として、上述した水晶振動板102と同様のATカット水晶板が用いられている。
第1封止部材103の第1主面311(水晶振動板102に面しない外方の主面)の4隅の領域に、接続用接合パターン137,138が形成されている。第1封止部材103の第1主面311の4隅の領域のうち対角線上に位置する2箇所に、接続用接合パターン137が設けられており、4隅の領域のうち対角線上に位置する残りの2箇所に、接続用接合パターン138が設けられている。接続用接合パターン137は、第1封止部材103の第1主面311のA1方向側且つB1方向側の領域と、A2方向側且つB2方向側の領域とにそれぞれ設けられている。接続用接合パターン138は、第1封止部材103の第1主面311のA2方向側且つB1方向側の領域と、A1方向側且つB2方向側の領域とにそれぞれ設けられている。
第1封止部材103には、図7、図8に示すように、第1主面311と第2主面312との間を貫通する6つのスルーホール(貫通孔)が形成されている。具体的には、4つの第3貫通孔322が、第1封止部材103の4隅の領域に設けられている。第4、第5貫通孔323,324は、図7、図8のA2方向及びA1方向にそれぞれ設けられている。第3貫通孔322及び第4、第5貫通孔323,324には、第1主面311と第2主面312とに形成された電極の導通を図るための貫通電極が、貫通孔それぞれの内壁面に沿って形成されている。また、第3貫通孔322及び第4、第5貫通孔323,324それぞれの中央部分は、第1主面311と第2主面312との間を貫通した中空状態の貫通部分となる。なお、貫通電極は、貫通部分を有するものに限らず、貫通部分のない中実の状態で形成されていてもよい。
第4貫通孔323の貫通電極は、接続用接合パターン137を介して、A2方向の端部且つB2方向の端部に設けられた第3貫通孔322の貫通電極に接続されている。第5貫通孔324の貫通電極は、接続用接合パターン137を介して、A1方向の端部且つB1方向の端部に設けられた第3貫通孔322の貫通電極に接続されている。また、A2方向の端部且つB1方向の端部に設けられた第3貫通孔322の周囲には、接続用接合パターン138が設けられており、A1方向の端部且つB2方向の端部に設けられた第3貫通孔322の周囲には、接続用接合パターン138が設けられている。
第1封止部材103の第2主面312には、水晶振動板102に接合するための封止側第1封止部としての封止側第1接合パターン321が形成されている。封止側第1接合パターン321は、平面視で環状に形成されている。封止側第1接合パターン321の外側に第3貫通孔322が形成され、封止側第1接合パターン321の内側に第4、第5貫通孔323,324が形成されている。
また、第1封止部材103の第2主面312では、第3貫通孔322の周囲には、それぞれ接続用接合パターン134が形成されている。第4貫通孔323の周囲には接続用接合パターン351が、第5貫通孔324の周囲には接続用接合パターン352が形成されている。さらに、接続用接合パターン351に対して第1封止部材103の長軸方向の反対側(A2方向側)には接続用接合パターン353が形成されており、接続用接合パターン351と接続用接合パターン353とは配線パターン133によって接続されている。なお、接続用接合パターン353は、接続用接合パターン352とは接続されていない。
第1封止部材103において、封止側第1接合パターン321、接続用接合パターン34,351〜353、及び配線パターン133は、同一のプロセスで形成することができる。具体的には、これらは、第1封止部材103の第2主面312上に物理的気相成長させて形成された下地膜と、当該下地膜上に物理的気相成長させて積層形成された接合膜とから形成することができる。なお、本実施形態では、下地膜には、Ti(もしくはCr)が用いられ、接合膜にはAuが用いられている。
第2封止部材104は、図11、図12に示すように、水晶により形成された略直方体状の基板であり、この第2封止部材104の第1主面411(水晶振動板102に接合する面)は平坦平滑面(鏡面加工)として形成されている。本実施形態では、第2封止部材104として、上述した水晶振動板102と同様のATカット水晶板が用いられている。
この第2封止部材104の第1主面411には、水晶振動板102に接合するための封止側第2封止部としての封止側第2接合パターン421が形成されている。封止側第2接合パターン421は、平面視で環状に形成されている。
第2封止部材104の第2主面412(水晶振動板102に面しない外方の主面)には、外部に電気的に接続する4つの外部電極端子143a〜143dが設けられている。外部電極端子143a〜143dは、第2封止部材104の4隅の領域にそれぞれ位置する。
第2封止部材104には、図11、図12に示すように、第1主面411と第2主面412との間を貫通する4つのスルーホール(貫通孔)が形成されている。具体的には、4つの第6貫通孔144は、第2封止部材104の4隅の領域に設けられている。第6貫通孔144は、封止側第2接合パターン421の外側に形成されている。
第6貫通孔144には、第1主面411と第2主面412とに形成された電極の導通を図るための貫通電極が、貫通孔それぞれの内壁面に沿って形成されている。また、第6貫通孔144それぞれの中央部分は、第1主面411と第2主面412との間を貫通した中空状態の貫通部分となる。また、第2封止部材104の第1主面411では、第6貫通孔144の周囲には、それぞれ接続用接合パターン145が形成されている。なお、貫通電極は、貫通部分を有するものに限らず、貫通部分のない中実の状態で形成されていてもよい。
第2封止部材104において、封止側第2接合パターン421、及び接続用接合パターン145は、同一のプロセスで形成することができる。具体的には、これらは、第2封止部材104の第1主面411上に物理的気相成長させて形成された下地膜と、当該下地膜上に物理的気相成長させて積層形成された接合膜とから形成することができる。なお、本実施形態では、下地膜には、Ti(もしくはCr)が用いられ、接合膜にはAuが用いられている。
上記の水晶振動板102、第1封止部材103、及び第2封止部材104を含む水晶振動子100では、水晶振動板102と第1封止部材103とが振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321を重ね合わせた状態で拡散接合(Au−Au接合)され、水晶振動板102と第2封止部材104とが振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421を重ね合わせた状態で拡散接合(Au−Au接合)されて、図6に示すサンドイッチ構造のパッケージ112が製造される。これにより、振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321の拡散接合により形成される環状の封止部、及び、振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421の拡散接合により形成される環状の封止部によって、パッケージ112の内部空間、つまり、振動部122の収容空間が気密封止される。なお、図6では、振動側第1接合パターン251及び封止側第1接合パターン321の拡散接合により形成される封止部、及び、振動側第2接合パターン252及び封止側第2接合パターン421の拡散接合により形成される封止部の図示を省略している。
この際、上述した接続用接合パターン同士も重ね合わせられた状態で拡散接合(Au−Au接合)される。本実施形態では、水晶振動子100のパッケージ112への温度センサ10の搭載も接続用接合パターン同士を重ね合わせた状態で拡散接合(Au−Au接合)することによって行われる。具体的には、温度センサ10の絶縁性基板11の第2主面11bの接続用接合パターン16と、第1封止部材103の第1主面311の接続用接合パターン138とが接合され、また、温度センサ10の絶縁性基板11の第2主面11bの接続用接合パターン17と、第1封止部材103の第1主面311の接続用接合パターン137とが接合される。なお、水晶振動子100のパッケージ112への温度センサ10の搭載は、パッケージ112の形成(水晶振動板102、第1封止部材103、及び第2封止部材104の積層)と同時に行ってもよいし、パッケージ112を形成した後に行ってもよい。
そして、接続用接合パターン同士の接合により、第1励振電極221、第2励振電極222と、外部電極端子143c,143dとの間の電気的導通が得られるようになっている。また、温度センサ10の電極層12,12と、外部電極端子143a,143bとの間の電気的導通が得られるようになっている。
具体的には、第1励振電極221は、第1引出配線223、接続用接合パターン127と接続用接合パターン353との接合部、配線パターン133、及び接続用接合パターン351、第4貫通孔323内の貫通電極、接続用接合パターン137と接続用接合パターン17との接合部、第3貫通孔322内の貫通電極、接続用接合パターン134と接続用接合パターン253との接合部、第1貫通孔261内の貫通電極、接続用接合パターン253と接続用接合パターン145との接合部、及び第6貫通孔144内の貫通電極を順に経由して、外部電極端子143dに接続される。
第2励振電極222は、第2引出配線224、接続用接合パターン128、第2貫通孔262内の貫通電極、接続用接合パターン254と接続用接合パターン352との接合部、及び第5貫通孔324内の貫通電極、接続用接合パターン137と接続用接合パターン17との接合部、第3貫通孔322内の貫通電極、接続用接合パターン134と接続用接合パターン253との接合部、第1貫通孔261内の貫通電極、接続用接合パターン253と接続用接合パターン145との接合部、及び第6貫通孔144内の貫通電極を順に経由して、外部電極端子143cに接続される。
また、温度センサ10の電極層12,12は、それぞれ貫通孔11c内の貫通電極、接続用接合パターン16と接続用接合パターン138との接合部、第3貫通孔322内の貫通電極、接続用接合パターン134と接続用接合パターン253との接合部、第1貫通孔261内の貫通電極、接続用接合パターン253と接続用接合パターン145との接合部、及び第6貫通孔144内の貫通電極を順に経由して、外部電極端子143a,143bに接続される。
ここで、第2封止部材104の第2主面412に形成された4つの外部電極端子143a〜143dのうち、2つの外部電極端子143a,143bは、温度センサ10の電極層12に電気的に接続される温度センサ用外部端子として形成されている。この例では、図12に示すA2方向の端部且つB1方向の端部の外部電極端子143a、及び、A1方向の端部且つB2方向の端部の外部電極端子143bが温度センサ用外部端子になっている。
一方、残り2つの外部電極端子143c,143dは、第1励振電極221、第2励振電極222に電気的に接続される励振電極用外部端子として形成されている。この例では、図12に示すA1方向の端部且つB1方向の端部の外部電極端子143c、及び、A2方向の端部且つB2方向の端部の外部電極端子143dが励振電極用外部端子になっている。
そして、温度センサ用外部端子と温度センサ10の電極層12との間の温度センサ用電気的経路と、励振電極用外部端子と第1励振電極221、第2励振電極222との間の励振電極用電気的経路とが、互いに独立になっている。温度センサ用電気的経路は、第2封止部材104に形成された貫通孔144(この場合、図11、図12に示すA2方向の端部且つB1方向の端部の貫通孔144と、A1方向の端部且つB2方向の端部の貫通孔144)、水晶振動板102に形成された貫通孔261(この場合、図9、図10に示す−X方向の端部且つ+Z´方向の端部の貫通孔261と、+X方向の端部且つ−Z´方向の端部の貫通孔261)、及び、第1封止部材103に形成された貫通孔322(この場合、図7、図8に示すA2方向の端部且つB1方向の端部の貫通孔322と、A1方向の端部且つB2方向の端部の貫通孔322)を含む構成になっている。
一方、励振電極用電気的経路は、第2封止部材104に形成された貫通孔144(この場合、図11、図12に示すA1方向の端部且つB1方向の端部の貫通孔144と、A2方向の端部且つB2方向の端部の貫通孔144)、水晶振動板102に形成された貫通孔261(この場合、図9、図10に示す+X方向の端部且つ+Z´方向の端部の貫通孔261と、−X方向の端部且つ−Z´方向の端部の貫通孔261)、及び、第1封止部材103に形成された貫通孔322(この場合、図7、図8に示すA1方向の端部且つB1方向の端部の貫通孔322と、A2方向の端部且つB2方向の端部の貫通孔322)を含む構成になっている。
そして、拡散接合によって製造された水晶振動子100では、第1封止部材103と水晶振動板102とは、1.00μm以下のギャップを有し、第2封止部材104と水晶振動板102とは、1.00μm以下のギャップを有する。つまり、第1封止部材103と水晶振動板102との間の接合材の厚みが、1.00μm以下であり、第2封止部材104と水晶振動板102との間の接合材の厚みが、1.00μm以下(具体的には、本実施形態のAu−Au接合では0.15μm〜1.00μm)である。なお、比較として、Snを用いた従来の金属ペースト封止材では、5μm〜20μmとなる。
これにより、水晶振動子100の高さにバラつきを生じにくくすることができる。例えば、本実施形態と異なり、封止部材(本実施形態でいう第1封止部材103,第2封止部材104)と水晶振動板102とのギャップが1μmより大きくなるSn接合材のような金属ペースト封止材を用いた場合、金属ペースト封止材をパターン(振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252、封止側第1接合パターン321、封止側第2接合パターン421)上に形成する際の高さにバラつきが生じる。また、接合後においても、形成されたパターン(振動側第1接合パターン251、振動側第2接合パターン252、封止側第1接合パターン321、封止側第2接合パターン421)の熱容量分布により均一なギャップ(本実施形態でいう第1封止部材103と水晶振動板102とのギャップや、本実施形態でいう第2封止部材104と水晶振動板102とのギャップ)にならない。
そのため、従来の技術では、第1封止部材、第2封止部材、水晶振動板の3枚の部材が積層された構造の場合、これら3枚の部材間での各々ギャップに差が生じる。その結果、積層された3枚の部材は、平行を保てない状態で接合されてしまう。特に、この問題はパッケージ112の低背化に伴い顕著になる。そこで、本実施形態では、ギャップの上限が1.00μmに設定されているため、第1封止部材103、第2封止部材104、水晶振動板102の3枚の部材を平行に保った状態で積層して接合することができ、本実施形態はパッケージ112の低背化に対応できる。つまり、本実施形態では、パッケージ112を低背化しても、厚みが薄く、寸法精度に優位性がある水晶振動子100を提供することができる。さらに、水晶振動子100の積層間容量のバラつきを抑制することができ、これに起因する周波数バラつきも抑制することができる。
本実施形態によれば、第1封止部材103及び第2封止部材104によって振動部122を気密封止する内部空間113の外部側に温度センサ10が配置される構成において、温度センサ10が電極層12及び抵抗層14を有する薄膜サーミスタとして構成されるため、温度センサ付きの水晶振動子100の低背化を図ることができる。この場合、絶縁性基板11の第1主面11aの略全面に電極層12及び抵抗層14を形成することによって、第1封止部材103等に電極層12及び抵抗層14を形成する場合に比べて、電極層12及び抵抗層14の形成領域をより広く確保することができる。
また、第1封止部材103と温度センサ10の電極層12等との間に絶縁性基板11が介在していることによって、絶縁性基板11を介した電気伝導が温度センサ10の特性に影響を及ぼすことを抑制できる。つまり、温度センサ10の電極層12等を成膜する基材として、絶縁性基板11を好適に用いることが可能である。なお、絶縁性基板11を水晶板とすることによって、第1封止部材103、水晶振動板102、及び第2封止部材104と、絶縁性基板11とが同一の材質になり、温度変化に対する歪を低減できる。これにより、温度変化に伴う水晶振動子100全体の歪を緩和することができる。
上記実施形態では、温度センサ10の絶縁性基板11を第1封止部材103上に搭載したが、温度センサ10の絶縁性基板として第1封止部材103や第2封止部材104を利用してもよい。例えば、第1封止部材103の第1主面311上に、電極層12、界面層13、及び抵抗層14を積層してもよい。
上記実施形態では、温度センサ10の絶縁性基板11を拡散接合によって第1封止部材103に接合したが、ろう材を用いて温度センサ10の絶縁性基板11を第1封止部材103に接合してもよい。
上記実施形態では、水晶振動子100が、第1封止部材103と水晶振動板102と第2封止部材104とが積層される構造であったが、これ以外の構造の水晶振動子に対しても本発明を適用可能である。例えばベース部材の凹部に水晶振動板を収容し、ベース部材の凹部を蓋部材によって気密封止する構造の水晶振動子に対しても本発明を適用可能である。この場合、ベース部材の凹部の底面に温度センサ10を設ける構成とすればよく、ベース部材の凹部の底面に、電極層12、界面層13、及び抵抗層14を積層すればよい。
あるいは、例えば断面H型ベース部材の第1凹部に水晶振動板を収容し、ベース部材の第1凹部を蓋部材によって気密封止する構造の水晶振動子に対しても本発明を適用可能である。この場合、ベース部材の第2凹部の底面に温度センサ10を設ける構成とすればよく、ベース部材の第2凹部の底面に、電極層12、界面層13、及び抵抗層14を積層すればよい。
上記実施形態では、本発明を水晶振動子100に適用した場合について説明したが、水晶振動子100以外の圧電振動デバイス(例えば水晶発振器)にも本発明を適用することが可能である。また、水晶振動板102としてATカット水晶を用いたが、これに限定されるものではなく、ATカット水晶以外の水晶を用いてもよい。また、第1封止部材103及び第2封止部材104としてATカット水晶を用いたが、これに限定されるものではなく、ATカット水晶以外の水晶や、水晶以外の脆性材料(例えばガラス等)を用いてもよい。
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。