JP2020002477A - 周期斑検出方法、繊維処理システム、紡績機、周期斑検出プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維束の品質を向上することが可能な周期斑検出方法、繊維処理システム、紡績機及び周期斑検出プログラムを提供する。【解決手段】周期斑検出方法は、前工程機130によって生成された第1繊維束を後工程機150によって少なくともドラフトすることにより第2繊維束を生成する繊維処理システム100において実行される。周期斑検出方法は、前工程機130に関する第1情報を取得する第1取得ステップと、第2繊維束の周期的な太さの斑に関する太さ斑情報を検出する太さ斑検出ステップと、第1情報、太さ斑情報、及び後工程機150におけるトータルドラフト比に基づいて、前工程機130に起因して第2繊維束に生じている周期斑を特定する周期斑特定ステップと、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、周期斑検出方法、繊維処理システム、紡績機及び周期斑検出プログラムに関する。
従来、繊維束をドラフトするドラフト装置と、ドラフトされた繊維束に撚りを与えて糸を生成する紡績装置と、糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、を備える紡績機が知られている(例えば特許文献1,2参照)。このような紡績機には、例えば練条機等の前工程機で加工された繊維束が供給される。
上記紡績機等のような後工程機に供給される繊維束には、測定器によって検出することができない短波長(高周波数)の太さ斑が含まれている場合がある。このような斑は、後工程機でのドラフト後に、周期斑として現れることがある。後工程機で生成される繊維束の品質を高めるためには、このような周期斑の発生を軽減することが好ましい。
本発明は、繊維束の品質を向上することが可能な周期斑検出方法、繊維処理システム、紡績機及び周期斑検出プログラムを提供することを目的とする。
本発明の周期斑検出方法は、前工程機によって生成された第1繊維束を後工程機によって少なくともドラフトすることにより第2繊維束を生成する繊維処理システムにおいて実行される周期斑検出方法であって、前工程機に関する第1情報を取得する第1取得ステップと、第2繊維束の周期的な太さの斑に関する太さ斑情報を検出する太さ斑検出ステップと、第1情報、太さ斑情報、及び後工程機におけるトータルドラフト比に基づいて、前工程機に起因して第2繊維束に生じている周期斑を特定する周期斑特定ステップと、を備える。
このため、例えば、前工程機に起因する周期斑が特定された場合に、前工程機の運転条件を変更したり、前工程機に生じている不具合を解消したりすることで、当該周期斑の発生を回避することが可能となる。よって、この周期斑検出方法によれば、繊維束の品質を向上することが可能となる。
本発明の周期斑検出方法において、周期斑特定ステップでは、太さ斑情報として、第2繊維束の周期的な太さ斑についての周波数分布又は波長分布を用いて、周期斑を特定してもよい。この場合、後工程機によって第1繊維束がドラフトされることにより、第1繊維束に含まれていた周期斑の間隔が大きくなるため、前工程機に起因する周期斑をより好適に特定することができる。
本発明の周期斑検出方法において、周期斑特定ステップでは、トータルドラフト比、並びに第1繊維束の繊度、平均太さ、及び繊維長の割合に基づく基準分布と、周波数分布又は波長分布とを比較することにより、周期斑を特定してもよい。この場合、基準分布にも基づくことにより、前工程機に起因する周期斑をより一層正確に特定することができる。
本発明の周期斑検出方法において、周期斑特定ステップでは、周波数分布又は波長分布に周期斑に対応するピークが現れたか否かを判定することにより、周期斑を特定してもよい。この場合、前工程機に起因する周期斑をより精度良く特定することができる。
本発明の周期斑検出方法は、周波数分布又は波長分布を表示画面に出力する第1出力ステップを更に備え、第1出力ステップでは、周波数分布又は波長分布に現れるピークを、周波数分布又は波長分布におけるピーク以外の部分の表示態様とは異なる表示態様で表示してもよい。この場合、表示画面を視認したオペレータが、周波数分布又は波長分布に現れるピークを容易に見付けることができる。
本発明の周期斑検出方法において、周期斑特定ステップでは、第1情報及び太さ斑情報に基づいて、周期斑の発生原因を推定してもよい。この場合、前工程機に起因する周期斑の発生原因を知ることが可能となる。
本発明の周期斑検出方法は、後工程機に関する第2情報を取得する第2取得ステップを更に備え、周期斑特定ステップでは、第2情報に更に基づいて、周期斑を特定してもよい。この場合、前工程機に起因する周期斑と後工程機に起因する周期斑とを区別できるため、前工程機に起因する周期斑をより一層精度良く特定することができる。
本発明の周期斑検出方法では、前工程機は、繊維束をドラフトすることにより第1繊維束を生成し、後工程機は、前工程機におけるドラフト比よりも高いドラフト比で第1繊維束をドラフトしてもよい。この場合、前工程機に起因する周期斑が現れ易いため、前工程機に起因する周期斑をより一層好適に特定することができる。
本発明の周期斑検出方法では、後工程機は、第1繊維束をドラフトするドラフト装置と、ドラフト装置によってドラフトされた第1繊維束に撚りを与えて第2繊維束として糸を生成する紡績装置と、糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、を備えてもよい。この場合、そのような後工程機でのドラフト比は一般的に高いため、前工程機に起因する周期斑をより一層好適に特定することができる。
本発明の周期斑検出方法では、前工程機は、駆動ローラ及び従動ローラを各々が有する複数のローラ対を備え、前工程機に供給される繊維束を複数のローラ対によってドラフトすることにより、第1繊維束を生成し、第1情報は、駆動ローラの直径、駆動ローラのプーリの歯数、駆動ローラに形成された溝のピッチ、駆動ローラの駆動ギアの歯数、駆動ローラと従動ローラとの間の接触圧力、及び、前工程機で生成する繊維束が収容されるケンスの直径の少なくとも1つを含んでいてもよい。この場合、周期斑が発生し得る周期を予測できるため、前工程機に起因する周期斑をより一層好適に特定することができる。
本発明の周期斑検出方法は、周期斑特定ステップで周期斑が特定された場合に、周期斑を解消するための情報を出力する第2出力ステップを更に備えてもよい。この場合、前工程機に起因する周期斑が特定された場合に、当該周期斑の発生を回避するための対応を促すことができる。
本発明の周期斑検出方法において、第1取得ステップでは、操作入力及び/又は通信により第1情報を取得してもよい。或いは、第1取得ステップでは、第1繊維束が収容されるケンスに設けられた情報タグの情報を読み取り装置によって読み取ることにより、第1情報を取得してもよい。
本発明の紡績機は、上記周期斑検出方法を後工程機として実行する紡績機であって、第1繊維束をドラフトするドラフト装置と、ドラフトされた第1繊維束に撚りを与えて第2繊維束として糸を生成する紡績装置と、糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、第1情報を取得する第1取得部と、太さ斑情報を検出する太さ斑検出部と、第1情報、太さ斑情報、及びトータルドラフト比に基づいて、前工程機に起因して糸に生じている周期斑を特定する周期斑特定部と、を備える。この紡績機によれば、上述した理由により、繊維束の品質を向上することが可能となる。
本発明の紡績機は、複数の紡績ユニットを備え、複数の紡績ユニットの各々は、ドラフト装置、紡績装置及び巻取装置を有し、周期斑検出部は、複数の紡績ユニットの各々について、周期斑を特定してもよい。この場合、複数の紡績ユニットの各々において繊維束の品質を向上することが可能となる。
本発明の紡績機は、紡績装置から糸を引き出す引出装置を更に備え、ドラフト装置は、バックローラと、ミドルローラと、フロントローラと、を少なくとも備え、周期斑特定部は、トータルドラフト比として、バックローラと引出装置の周速度の差、又はバックローラとフロントローラの周速度の差を用いてもよい。
本発明の繊維処理システムは、第1繊維束を生成する前工程機と、第1繊維束を少なくともドラフトすることにより第2繊維束を生成する後工程機と、前工程機に関する第1情報を取得する第1取得部と、第2繊維束の周期的な太さの斑に関する太さ斑情報を検出する太さ斑検出部と、第1情報、太さ斑情報、及び後工程機におけるトータルドラフト比に基づいて、前工程機に起因して第2繊維束に生じている周期斑を特定する周期斑特定部と、を備える。この繊維処理システムによれば、上述した理由により、繊維束の品質を向上することが可能となる。
本発明の周期斑検出プログラムは、前工程機によって生成された第1繊維束を後工程機によって少なくともドラフトすることにより第2繊維束を生成する繊維処理システムにおいて、前工程機に関する第1情報を取得する処理と、第2繊維束の周期的な太さの斑に関する太さ斑情報を検出する処理と、第1情報、太さ斑情報、及び後工程機におけるトータルドラフト比に基づいて、前工程機に起因して第2繊維束に生じている周期斑を特定する処理と、をコンピュータに実行させる。この周期斑検出プログラムによれば、上述した理由により、繊維束の品質を向上することが可能となる。
本発明によれば、繊維束の品質を向上することが可能な周期斑検出方法、繊維処理システム、紡績機及び周期斑検出プログラムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[繊維処理システム]
[繊維処理システム]
図1に示されるように、一実施形態に係る繊維処理システム100は、複数のカード機110と、複数の練条機130と、複数の空気紡績機150と、を備える。
カード機110は、カード工程の前工程における混打綿機で生成したラップをカーディング(梳綿)し、繊維束を生成する。例えばカード機110は、シート状のラップをくしで削って繊維を分離し、ラップに含まれていたゴミ及び短繊維等を除去する。その後、カード機110は、ゴミ及び短繊維の除去後に残った繊維を平行に引き揃えて集束し、紐状の繊維束(カードスライバ)を生成する。カード機110は、生成した繊維束をケンス(例えば円筒容器)に収容する。カード機110で生成した繊維束は、ケンスに収容された状態で次の工程へ移送される。
練条機130は、カード機110で生成した繊維束を練条する。練条機130は、ドラフト装置131を有する。ドラフト装置131は、繊維束の走行方向に沿って並べられた複数(例えば3対)のローラ対を有する。各ローラ対は、駆動ローラ及び従動ローラを含んで構成される。練条機130は、それらのローラ対によって繊維束をドラフト(延伸)する。例えば、練条機130は、6本又は8本の繊維束を合わせて6倍又は8倍にドラフトし、繊維を真っ直ぐにして繊維束の太さの斑を除去する。練条機130は、練条した繊維束(第1繊維束)をケンスに収容する。練条機130で練条した繊維束は、ケンスに収容された状態で次の工程へ移送される。
空気紡績機150は、練条機130で練条した繊維束を精紡して糸(第2繊維束)を生成する。空気紡績機150は、練条機130で練条した繊維束をドラフト及び加撚して糸を生成し、その糸を巻き取ってパッケージを形成する。空気紡績機150は、例えばエアジェット紡績機又はオープンエンド紡績機である。エアジェット紡績機は、旋回空気流によって繊維束を紡績して糸を生成する。オープンエンド紡績装置は、コーミングローラ又は空気流によって繊維束の繊維を分離した後、その繊維を再集束させながら加撚して糸を生成する。
このような繊維処理システム100では、カード機110を用いて繊維束を生成するカーディング工程と、カーディング工程で生成した繊維束を練条機130を用いて練条する練条工程と、練条工程で練条した繊維束を空気紡績機150を用いて精紡して糸を生成する空気紡績工程と、を備えた繊維処理方法が実施される。
繊維処理システム100では、カード機110で生成されて空気紡績機150へ供給される繊維束が、練条機130を複数回通過する。繊維処理システム100では、2台のカード機110で生成された繊維束が1台の練条機130へ供給され、1台の練条機130で練条された繊維束が2台の空気紡績機150へ供給される。2台のカード機110と1台の練条機130と2台の空気紡績機150とは、繊維処理システム100において繊維の処理ルートが同じユニットを構築する。
繊維処理システム100は、スライバラップ工程を実施するスライバラップ装置と、コーミング工程を実施するコーマ機と、を備えていてもよい。この場合、繊維処理方法は、スライバラップ工程及びコーミング工程を備える。スライバラップ工程では、カード機110で生成した18本〜24本の紐状の繊維束を1枚のシート状にして巻き取り、スライバラップを生成する。コーミング工程では、スライバラップ装置で生成したスライバラップをくしで削り、ゴミ及び短繊維を除去し、除去後に残った長繊維を平行に揃え、均斉な繊維束を生成する。この場合、コーミング工程で生成した繊維束が練条機130に供給される。
繊維処理システム100は、空気紡績機150に代えて、粗紡工程を実施する粗紡機、精紡工程を実施するリング精紡機、及び、巻返工程を実施する自動ワインダを備えていてもよい。この場合、繊維処理方法は、空気紡績工程に代えて、粗紡工程、精紡工程及び巻返工程を備える。粗紡工程では、練条機130で練条した繊維束をドラフト及び加撚して粗糸を生成する、精紡工程では、粗紡機で生成した粗糸をドラフト及び加撚して糸を生成する。巻返工程では、リング精紡機で生成した糸を巻き取ってパッケージを形成する。
繊維処理システム100は、繊維束が練条機130を1度のみ通過する1パスの構成であってもよい。繊維処理システム100では、1台のカード機110で生成された繊維束が1台の練条機130へ供給され、1台の練条機130で生成された繊維束が1台の空気紡績機150へ供給されてもよい。このようにカード機110、練条機130及び空気紡績機150による繊維の処理ルートは限定されず、空気紡績機150に供給される繊維束を最後に練条した練条機130を特定可能であればよい。カード機110は、ドラフト装置を有していてもよい。ドラフト装置は、例えば、カード機110の下流側に設けられ、生成した繊維束をドラフトする。ドラフト装置は、繊維束を分繊して繊維束の平行度を高める。この場合、カード機110は、ドラフト装置でドラフトした繊維束をケンスに収容する。
[空気紡績機]
[空気紡績機]
図2を参照しつつ、空気紡績機150の構成について更に説明する。図2に示されるように、空気紡績機150は、複数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、玉揚台車(図示省略)と、第1エンドフレーム4と、第2エンドフレーム5と、複数のユニットコントローラ(周期斑特定部)10と、を備えている。
複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。各紡績ユニット2は、糸Yを生成してパッケージPに巻き取る。糸継台車3は、ある紡績ユニット2で糸Yが切断されたり、何らかの理由で糸Yが切れたりした場合、当該紡績ユニット2で糸継動作を行う。玉揚台車は、ある紡績ユニット2でパッケージPが満巻きになった場合、当該パッケージPを玉揚げし、新しいボビンBを当該紡績ユニット2に供給する。
第1エンドフレーム4には、紡績ユニット2で発生した繊維屑及び糸屑等を回収する回収装置等が収容されている。第2エンドフレーム5には、空気紡績機150に供給される圧縮空気の空気圧を調整して空気紡績機150の各部に空気を供給する空気供給部、及び紡績ユニット2の各部に動力を供給するための駆動モータ等が収容されている。
第2エンドフレーム5には、機台制御装置(第1取得部、第2取得部)5a及びタッチパネル画面5bが設けられている。機台制御装置5aは、空気紡績機150の各部を集中的に管理及び制御する。タッチパネル画面5bは、紡績ユニット2の設定内容及び/又は状態に関する情報等を表示することができる。オペレータは、タッチパネル画面5bに表示されるボタン5cを用いて適宜の操作入力を行うことにより、紡績ユニット2の設定作業を行うことができる。
ユニットコントローラ10は、所定数の紡績ユニット2ごとに設けられている。ユニットコントローラ10は、紡績ユニット2の動作を制御する。ユニットコントローラ10は、例えば、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等を実行するプロセッサ(例えばCPU[Central Processing Unit])と、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]及びハードディスク等で構成される記憶部と、ネットワークカード又は無線通信モジュールで構成される通信制御部と、を有するコンピュータである。ユニットコントローラ10の記憶部には、処理に必要なデータ又はデータベースが記憶されている。ユニットコントローラ10は、機台制御装置5aと通信可能に接続されており、機台制御装置5aに入力された運転条件に基づいて紡績ユニット2の各部の動作を制御する。
各紡績ユニット2は、糸Yの走行方向において上流側から順に、ドラフト装置6と、紡績装置7と、糸監視装置(太さ斑検出部、周期斑検出部)8と、テンションセンサ9と、糸貯留装置(引出装置)11と、ワキシング装置12と、巻取装置13と、を備えている。
ドラフト装置6は、練条機130によって生成された繊維束(スライバ、第1繊維束)Sをドラフトする。ドラフト装置6は、繊維束Sの走行方向における上流側から順に、バックローラと、ミドルローラと、フロントローラと、を有しており、これらのローラによって繊維束Sをドラフトする。ドラフト装置6は、練条機130におけるドラフト比よりも高いドラフト比で繊維束Sをドラフトする。紡績装置7は、ドラフト装置6でドラフトされた繊維束Sに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成する。糸貯留装置11は、紡績装置7から糸Yを引き出す。糸貯留装置11は、紡績装置7と巻取装置13との間において、糸Yの弛みを取る。ワキシング装置12は、糸貯留装置11と巻取装置13との間において、糸Yにワックスを付与する。巻取装置13は、糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。
糸監視装置8は、紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yの状態を監視する。糸監視装置8は、糸Yの周期的な太さの斑に関する太さ斑情報(周期斑情報)を検出する。太さ斑情報は、例えば、糸Yの太さの時間的な変化を表す情報である。糸監視装置8は、任意の様式のセンサを含んで構成されてよい。例えば、糸Yに光を照射して受光量の変化によって糸Yの太さの時間的な変化を検出する光学式センサが用いられてもよいし、電界中に糸Yを通過させて静電容量の変化によって糸Yの太さの時間的な変化を検出する静電容量式センサが用いられてもよい。また、糸監視装置8は、監視結果に基づいて糸欠陥の有無を検出する。糸監視装置8は、糸欠陥として、例えば、糸Yの太さ異常及び/又は糸Yに含有されている異物を検出する。更に、糸監視装置8は、糸Yの糸道における糸Yの有無を検出する。糸監視装置8は、検出結果を示す信号をユニットコントローラ10に送信する。
テンションセンサ9は、紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yのテンションを測定し、テンション測定信号をユニットコントローラ10に送信する。糸監視装置8及び/又はテンションセンサ9の検出結果に基づきユニットコントローラ10が異常有りと判断した場合、紡績ユニット2において糸Yが切断される。
[周期斑検出方法]
[周期斑検出方法]
続いて、繊維処理システム100において実行される周期斑検出方法について説明する。上述したように、繊維処理システム100では、練条機130によって生成された繊維束S(第1繊維束)を空気紡績機150によってドラフト及び加撚することにより、糸Y(第2繊維束)が生成される。すなわち、繊維処理システム100は、前工程機としての練条機130と、後工程機としての空気紡績機150と、を備えている。
概略的には、この周期斑検出方法では、練条機130に関する第1情報が取得される(第1取得ステップ)。空気紡績機150によって、糸Yの太さ斑情報が検出される(太さ斑検出ステップ)。第1情報、太さ斑情報、及び空気紡績機150におけるトータルドラフト比に基づいて、練条機130に起因して糸Yに生じている周期斑が検出(特定)される(周期斑検出ステップ、周期斑特定ステップ)。
そのような周期斑は、例えば、練条機130の機械的な構成が要因となって生じることもあるし、練条機130の部品に生じた傷又は部品の偏心等の不具合が要因となって生じることもある。練条機130に起因する周期斑が検出された場合、例えば、練条機130のドラフト条件(運転条件)を変更したり、練条機130に生じている不具合を解消したりすることで、当該周期斑の発生を軽減することが可能となる。
更に、本実施形態では、空気紡績機150に関する第2情報が取得される(第2取得ステップ)。第1情報に加えて第2情報を用いることにより、練条機130に起因する周期斑を、空気紡績機150に起因する周期斑から区別して検出することができる。その結果、練条機130に起因する周期斑をより精度良く検出することができる。
本実施形態に係る周期斑検出方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、太さ斑検出ステップと、周期斑検出ステップと、第1出力ステップと、第2出力ステップと、を備えている。以下では、空気紡績機150のうち1つの紡績ユニット2に着目して説明するが、他の紡績ユニット2においても同様に周期斑検出方法が実行される。
第1取得ステップでは、機台制御装置5aによって、練条機130に関する第1情報が取得される。例えば、機台制御装置5aは、オペレータがタッチパネル画面5bを操作入力した情報を受け付けることにより、第1情報を取得する。第1情報は、練条機130によって生成される繊維束Sに短波長(高周波数)の斑を生じさせ得る斑要因に関する情報であり、ひいては紡績ユニット2によって生成される糸Yに周期斑を生じさせ得る斑要因に関する情報である。第1情報は、例えば、練条機130の機械的な構成及び/又はドラフト条件に関する情報等を含んでいる。
第1情報は、例えば、駆動ローラの直径、駆動ローラのプーリの歯数、駆動ローラに形成された溝のピッチ(溝を形成する凸部間の間隔)、駆動ローラの駆動ギアの歯数、及び駆動ローラと従動ローラとの間の接触圧力の少なくとも1つを含んでいる。ここでの駆動ローラは、例えば、ドラフト装置131が備えるローラ対のうち、繊維束の走行方向において最も下流側に配置されたローラ対の駆動ローラ(フロントボトムローラ)であるが、他のローラ対の駆動ローラであってもよい。第1情報は、練条機130で生成する繊維束を収容するケンスの直径を含んでいてもよい。これは、ケンス収容に起因して繊維束に斑が生じる場合もあるためである。
第2取得ステップでは、機台制御装置5aによって、紡績ユニット2に関する第2情報が取得される。例えば、機台制御装置5aは、オペレータがタッチパネル画面5bを操作入力した情報を受け付けることにより、第2情報を取得する。第2情報は、糸Yに周期斑を生じさせ得る斑要因に関する情報であり、例えば、紡績ユニット2の機械的な構成及び/又はドラフト条件に関する情報等を含んでいる。より具体的には、紡績ユニット2の機械的な構成に関する情報は、例えば、ドラフトローラの直径、ボトムローラのプーリの歯数、ボトムローラの溝ピッチ、ボトムローラの駆動モータのステップ数である。ドラフト条件に関する情報は、例えば、ドラフト比(トータルドラフト比等)、ドラフト速度、ドラフトゲージ(ドラフトローラ対間の距離)である。第2取得ステップは、第1取得ステップよりも前に又は後に行われてもよいし、第1取得ステップと同時に行われてもよい。トータルドラフト比は、例えば、ドラフト装置6のバックローラと糸貯留装置11の周速度の差、又は、ドラフト装置6におけるバックローラとフロントローラの周速度の差である。
太さ斑検出ステップでは、糸監視装置8によって、糸Yの太さ斑情報が検出される。周期斑検出ステップでは、ユニットコントローラ10によって、練条機130に起因する周期斑が検出(特定)される。
図3を参照しつつ、周期斑検出ステップについて更に説明する。周期斑検出ステップでは、糸Yの周期的な太さの斑についての周波数分布21を用いて、練条機130に起因する周期斑を検出する。周波数分布21は、糸監視装置8によって検出された糸Yの太さ斑情報に基づいて算出される。周波数分布21は、基準分布22と比較される。基準分布22は、本来得られるはずの周波数分布に相当する理想的な分布である。周波数分布21及び基準分布22は、例えば、横軸が周波数で縦軸が強度(カウント数)のグラフ上に表された分布(スペクトログラム)である。
基準分布22は、例えば、紡績ユニット2に供給される繊維束Sの繊度(繊維束Sを構成する繊維の太さ)、平均太さ(繊維束S自体の平均太さ)、及び繊維長の割合(繊維束Sに含まれる各繊維の繊維長の割合)に基づいて算出することができる。繊維束Sの繊度、平均太さ、及び繊維長の割合の各々は、例えば、所定の測定器によって測定され、タッチパネル画面5bを介したオペレータの操作入力により、機台制御装置5aに入力される。基準分布22は、紡績ユニット2のドラフト条件(例えばドラフト比)に更に基づいて算出されてもよい。なお、図3では、分布が曲線により表されているが、分布は棒グラフであってもよい。
図3に示されるように、理想的な分布である基準分布22にも一定の斑(ドラフト斑)が含まれている。実際の周波数分布21には、ピーク23のようなピークが現れる場合がある。このようなピーク23は、練条機130又は紡績ユニット2に起因して生じ得る。ユニットコントローラ10は、ピーク23が現れた場合、第1情報及び第2情報に基づいて、ピーク23が練条機130に起因して生じた周期斑であるか、それとも紡績ユニット2に起因して生じた周期斑であるかを判定する。
例えば、ユニットコントローラ10は、第1取得ステップで取得された第1情報及び第2取得ステップで取得された第2情報に基づいて、第1情報に対応する第1周波数ピークと、第2情報に対応する第2周波数ピークとを設定する。第1周波数ピークは1つ又は複数であってもよい。第2周波数ピークは1つ又は複数であってもよい。ユニットコントローラ10は、ピーク23が第1周波数ピークの少なくともいずれかに該当する場合、ピーク23が練条機130に起因して生じた周期斑であると判定する。ユニットコントローラ10は、ピーク23が第2周波数ピークの少なくともいずれかに該当する場合、ピーク23が紡績ユニット2に起因して生じた周期斑であると判定する。このような処理により、練条機130に起因する周期斑を、紡績ユニット2に起因する周期斑から区別して検出することができる。
更に、周期斑検出ステップでは、練条機130に起因する周期斑の発生原因を推定してもよい。練条機130の機械的な構成の各々及び/又はドラフト条件によって、空気紡績機150で検出されるピーク23の値は異なる。例えば、ユニットコントローラ10は、第1取得ステップで取得された第1情報に基づいて、第1情報の各々(駆動ローラの直径、駆動ローラのプーリの歯数等)に応じた異なる周波数ピークを設定し、ピーク23がどの周波数ピークに該当するかを判定する。これにより、練条機130に起因する周期斑の具体的な発生原因を推定することができる。
第1出力ステップでは、周波数分布21及び基準分布22を表示画面に出力する。例えば、ユニットコントローラ10は、周波数分布21及び基準分布22を表示するようにタッチパネル画面5bを制御する。つまり、この場合、第1出力ステップは、第1出力部としてのタッチパネル画面5bによって実行される。第1出力ステップでは、周波数分布21に現れるピーク23が、周波数分布21におけるピーク23以外の部分の表示態様とは異なる表示態様で表示される。例えば、ピーク23と、ピーク23以外の部分とは、棒の色、種類又は太さ等が互いに異なるように表示される。これにより、タッチパネル画面5bを視認したオペレータが、周波数分布21に現れるピーク23を容易に見付けることができる。
第2出力ステップでは、周期斑検出ステップで練条機130に起因する周期斑が検出された場合に、当該周期斑を解消するための情報を出力する。例えば、ユニットコントローラ10は、当該周期斑を解消するための情報を表示するようにタッチパネル画面5bを制御する。つまり、この場合、第2出力ステップは、第2出力部としてのタッチパネル画面5bによって実行される。出力される情報は、例えば、周期斑の発生原因(発生箇所)を示す表示であってもよいし、検出された周期斑を解消するための方法又はアドバイス等であってもよい。
周期斑検出に関する2つの具体例を説明する。第1の例として、紡績ユニット2に供給される繊維束Sには、練条機130のドラフト装置131が有するフロントローラに形成された溝のピッチに起因する2mm程度の斑(潜在斑)が含まれている場合がある。このような斑は、紡績ユニット2によって例えば200倍のドラフトを行うと400mmの周期斑になって糸Yに現われるため、糸監視装置8によって検出することができる。本実施形態の周期斑検出方法では、このような周期斑を検出することが可能となる。この場合、第2出力ステップでは、例えば、練条機130のドラフト条件の変更を促すための表示がタッチパネル画面5bに出力される。
第2の例として、紡績ユニット2に供給される繊維束Sには、練条機130のドラフト装置131が有するフロントローラに生じた傷又は偏心に起因する斑が含まれている場合がある。このような斑は、紡績ユニット2によってドラフトを行うと周期斑になって糸Yに現われるため、糸監視装置8によって検出することができる。本実施形態の周期斑検出方法では、このような周期斑を検出することが可能となる。この場合、第2出力ステップでは、例えば、フロントローラの傷又は偏心の修復を促すための表示がタッチパネル画面5bに出力される。
[周期斑検出プログラム]
[周期斑検出プログラム]
図4に示されるように、ユニットコントローラ10の記憶部10a内には、周期斑検出プログラムCが記憶されている。記憶部10aは、周期斑検出プログラムCを格納した非一時的なコンピュータ読み取り記憶媒体である。ユニットコントローラ10は、周期斑検出プログラムCをプロセッサに読み込ませて実行することによって周期斑検出方法を実現する。周期斑検出プログラムCは、第1取得モジュールC1と、第2取得モジュールC2と、太さ斑検出モジュールC3と、周期斑検出モジュールC4と、第1出力モジュールC5と、第2出力モジュールC6と、を含んでいる。第1取得モジュールC1、第2取得モジュールC2、太さ斑検出モジュールC3、周期斑検出モジュールC4、第1出力モジュールC5及び第2出力モジュールC6を実行させることにより実現される処理は、上述した第1取得ステップ、第2取得ステップ、太さ斑検出ステップ、周期斑検出ステップ、第1出力ステップ及び第2出力ステップの処理とそれぞれ同様である。周期斑検出プログラムCは、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。或いは、周期斑検出プログラムCは、データ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
[作用及び効果]
[作用及び効果]
以上説明したように、本実施形態の周期斑検出方法では、繊維束Sを生成する練条機130に関する第1情報、及び、紡績ユニット2によって生成された糸Yの太さ斑情報に基づいて、練条機130に起因して糸Yに生じる周期斑が検出される。そのため、例えば、練条機130に起因する周期斑が検出された場合に、練条機130の運転条件を変更したり、練条機130に生じている不具合を解消したりすることで、当該周期斑の発生を回避することが可能となる。よって、本実施形態の周期斑検出方法によれば、繊維束(繊維束S及び糸Y)の品質を向上することが可能となる。更に、この周期斑検出方法によれば、各紡績ユニット2で生成される糸Yを常時モニタすることにより、練条機130に起因して糸Yに生じる周期斑の検出が可能となる。すなわち、一般的な測定器を用いる場合、空気紡績機150でドラフトされる前の繊維束Sの一部についてしか測定を行うことができないが、本実施形態の周期斑検出方法では、空気紡績機150でドラフトされる繊維束Sの全てについて検出を行うことができる。
周期斑検出ステップでは、太さ斑情報として、糸Yの周期的な太さの斑についての周波数分布21を用いて、練条機130に起因する周期斑が検出される。これにより、紡績ユニット2によって繊維束Sがドラフトされることにより、繊維束Sに含まれていた周期斑の間隔が大きくなるため、練条機130に起因する周期斑をより好適に検出することができる。
周期斑検出ステップでは、空気紡績機150におけるトータルドラフト比、並びに繊維束Sの繊度、平均太さ、及び繊維長の割合に基づく基準分布22と、周波数分布21とを比較することにより、練条機130に起因する周期斑が検出される。これにより、基準分布22にも基づくことにより、練条機130に起因する周期斑をより一層正確に検出することができる。
周期斑検出ステップでは、周波数分布21に周期斑に対応するピークが現れたか否かを判定することにより、周期斑が検出される。これにより、練条機130に起因する周期斑をより精度良く検出することができる。
第1出力ステップでは、周波数分布21に現れるピーク23が、周波数分布21におけるピーク23以外の部分の表示態様とは異なる表示態様で表示される。これにより、表示画面を視認したオペレータが、周波数分布21に現れるピーク23を容易に見付けることができる。
周期斑検出ステップでは、第1情報及び太さ斑情報に基づいて、練条機130に起因する周期斑の発生原因が推定される。これにより、練条機130に起因する周期斑の発生原因を知ることが可能となる。このような周期斑検出方法は、練条機130及び練条機130に起因する周期斑等に関する深い知識が無くとも(オペレータが熟練者ではなくとも)、練条機130に起因する周期斑の発生原因を知ることができる点で有利である。
周期斑検出ステップでは、第2情報に更に基づいて、練条機130に起因する周期斑が検出される。これにより、練条機130に起因する周期斑と空気紡績機150に起因する周期斑とを区別できるため、練条機130に起因する周期斑をより一層精度良く検出することができる。
紡績ユニット2が、練条機130におけるドラフト比よりも高いドラフト比で繊維束Sをドラフトする。これにより、練条機130に起因する周期斑が現れ易いため、練条機130に起因する周期斑をより一層好適に検出することができる。
紡績ユニット2が、繊維束Sをドラフトするドラフト装置6と、ドラフト装置6によってドラフトされた繊維束Sに撚りを与えて糸Yを生成する紡績装置7と、糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する巻取装置13と、を備えている。このような紡績ユニット2では、パッケージPに巻き取られる糸Yの合計長さが長く、ドラフト比も練条機130よりも高いため、練条機130に起因する周期斑をより一層好適に検出することができる。
第1情報が、駆動ローラの直径、駆動ローラのプーリの歯数、駆動ローラに形成された溝のピッチ、駆動ローラの駆動ギアの歯数、駆動ローラと接触ローラとの間の接触圧力、及び、練条機130で生成する繊維束が収容されるケンスの直径の少なくとも1つを含んでいる。これにより、周期斑が発生し得る周期を予測できるため、練条機130に起因する周期斑をより一層好適に検出することができる。
本実施形態の周期斑検出方法は、周期斑検出ステップで練条機130に起因する周期斑が検出された場合に、当該周期斑を解消するための情報を出力する第2出力ステップを備えている。これにより、練条機130に起因する周期斑が検出された場合に、当該周期斑の発生を回避するための対応を促すことができる。第1取得ステップでは、オペレータの操作入力により第1情報が取得される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
上記実施形態の第1取得ステップでは、操作入力を受け付けることにより機台制御装置5aが第1情報を取得したが、操作入力に代えて又は加えて、無線通信又は有線通信により第1情報が取得されてもよい。例えば、無線通信により練条機130から第1情報が取得されてもよい。この場合、無線通信を行う無線通信部が、第1取得ステップを実行する第1取得部として機能する。第2取得ステップでは、操作入力に代えて又は加えて、無線通信又は有線通信により第2情報が取得されてもよい。タッチパネル画面5bに代えて、キーボード又は押しボタン等が用いられてもよい。
上記実施形態の第1取得ステップでは、図5に示されるように、繊維束Sが収容されるケンス31に設けられた情報タグ32の情報を読み取り装置33によって読み取ることにより、第1情報が取得されてもよい。読み取り装置33は、各紡績ユニット2に設けられてもよいし、空気紡績機150に1つ設けられてもよい。情報タグ32への情報の書き込みは、例えば練条機130によって行われる。
上記実施形態の周期斑検出ステップでは、ユニットコントローラ10によって基準分布22が算出されたが、練条機130によって基準分布22に対応する分布が算出されている場合、練条機130から受け付けた当該分布が基準分布22の代わりに用いられてもよい。練条機130のスペクトログラムと空気紡績機150のスペクトログラムとでは分布の絶対値が異なるが、相対値は同じであるため、練条機130から受け付けた分布を基準分布22の代わりに用いることができる。上記実施形態の周期斑検出ステップでは、周波数分布21に代えて、糸Yの太さの斑についての波長分布を用いて、練条機130に起因する周期斑が検出されてもよい。この場合、波長分布及び基準分布は、例えば、横軸が波長で縦軸が強度のグラフ上に表された分布である。
上記実施形態の周期斑検出ステップは、機台制御装置5aによって実行されてもよい。或いは、周期斑検出ステップは、練条機130及び空気紡績機150とは別に設けられたコンピュータによって実行されてもよく、例えば、繊維工場の中央管理コンピュータによって実行されてもよい。上記実施形態の周期斑検出ステップでは、第1情報及び第2情報の双方に基づいて練条機130に起因する周期斑が検出されたが、第2情報は必ずしも用いられなくてもよい。
上記実施形態の第1出力ステップでは、周波数分布21及び基準分布22がタッチパネル画面5bに表示されたが、周波数分布21及び基準分布22は、練条機130が有する表示装置、又は可般型の表示装置(タブレット又はスマートフォン等を含む)に表示されてもよい。上記実施形態の第2出力ステップでは、周期斑を解消するための情報がタッチパネル画面5bに表示されたが、当該情報は、練条機130が有する表示装置、又は可般型の表示装置(タブレット又はスマートフォン等を含む)に表示されてもよい。或いは、当該情報が記載された紙が印刷されてもよい。周波数分布21及び基準分布22と、周期斑を解消するための情報とは、1つ表示装置に併せて表示されてもよいし、異なる2つの表示装置にそれぞれ表示されてもよい。
上記実施形態において、周期斑検出ステップで練条機130に起因する周期斑が検出された場合、第2出力ステップでは、繊維束Sの生成開始時点から当該検出までの間に生成された繊維束S(ケンス)を混打綿機に戻すように促す情報を表示してもよい。或いは、周期斑検出ステップで練条機130に起因する周期斑が検出された場合、繊維束Sの生成開始時点から当該検出までの間に生成された繊維束Sを収容しているケンスを練条機130まで自動的に移送させてもよい。繊維束Sは糸Y(パッケージP)に加工されてしまうと廃棄するしかないが、繊維束Sの状態であれば、混打綿機に戻して再利用することができる。
上記実施形態では、前工程機が練条機130であり、後工程機が空気紡績機150である場合を例に挙げて説明したが、前工程機と後工程機の組み合わせは、これに限られない。例えば、練条機130(前工程機)と粗紡機(後工程機)の組み合わせであってもよい。この場合、第1繊維束は練条スライバであり、第2繊維束は粗糸である。或いは、粗紡機(前工程機)とリング精紡機(後工程機)の組み合わせであってもよい。この場合、第1繊維束は粗糸であり、第2繊維束は糸である。すなわち、後工程機は、前工程機によって生成された第1繊維束を少なくともドラフトすることにより第2繊維束を生成する繊維機械であればよく、必ずしも繊維束を加撚する繊維機械でなくてもよい。
上記実施形態では、後工程機としての空気紡績機150が周期斑検出方法を実行しているとみなすことができる。空気紡績機150は、繊維束Sをドラフトするドラフト装置6、ドラフトされた繊維束Sに撚りを加えて糸Yを生成する紡績装置7、及び、糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する巻取装置13を有する紡績ユニット2と、糸Yの周期的な太さの斑に関する太さ斑情報を検出する太さ斑検出部(糸監視装置8)と、繊維束Sを生成する前工程機(練条機130)に関する第1情報を取得する第1取得部(機台制御装置5a)と、第1情報及び太さ斑情報に基づいて、前工程機に起因して糸Yに生じている周期斑を検出する周期斑特定部(ユニットコントローラ10)と、を備えている。空気紡績機150は、複数の紡績ユニット2を備え、周期斑特定部は、複数の紡績ユニット2の各々について、前工程機に起因して糸Yに生じる周期斑を特定する。
上記実施形態の紡績ユニット2では、機台高さ方向において、上側で供給された糸Yが下側で巻き取られるように各装置が配置されていたが、各装置は、下側で供給された糸Yが上側で巻き取られるように配置されていてもよい。紡績ユニット2は、糸貯留装置11ではなく、デリベリローラ対(引出装置)により紡績装置7から糸Yを引き出してもよい。ドラフト装置6は、バックローラと、ミドルローラと、フロントローラと、を少なくとも有していればよく、例えばバックローラを一対有していてもよい。
2…紡績ユニット、5a…機台制御装置(第1取得部)、6…ドラフト装置、7…紡績装置、8…糸監視装置(太さ斑検出部)、10…ユニットコントローラ(周期斑特定部)、13…巻取装置、21…周波数分布、22…基準分布、31…ケンス、32…情報タグ、33…読み取り装置、100…繊維処理システム、130…練条機(前工程機)、150…空気紡績機(後工程機)、C…周期斑検出プログラム、P…パッケージ、S…繊維束、Y…糸。
Claims (18)
- 前工程機によって生成された第1繊維束を後工程機によって少なくともドラフトすることにより第2繊維束を生成する繊維処理システムにおいて実行される周期斑検出方法であって、
前記前工程機に関する第1情報を取得する第1取得ステップと、
前記第2繊維束の周期的な太さの斑に関する太さ斑情報を検出する太さ斑検出ステップと、
前記第1情報、前記太さ斑情報、及び前記後工程機におけるトータルドラフト比に基づいて、前記前工程機に起因して前記第2繊維束に生じている周期斑を特定する周期斑特定ステップと、を備える、周期斑検出方法。 - 前記周期斑特定ステップでは、前記太さ斑情報として、前記第2繊維束の周期的な太さ斑についての周波数分布又は波長分布を用いて、前記周期斑を特定する、請求項1に記載の周期斑検出方法。
- 前記周期斑特定ステップでは、前記トータルドラフト比、並びに前記第1繊維束の繊度、平均太さ、及び繊維長の割合に基づく基準分布と、前記周波数分布又は前記波長分布とを比較することにより、前記周期斑を特定する、請求項2に記載の周期斑検出方法。
- 前記周期斑特定ステップでは、前記周波数分布又は前記波長分布に前記周期斑に対応するピークが現れたか否かを判定することにより、前記周期斑を特定する、請求項2又は3に記載の周期斑検出方法。
- 前記周波数分布又は前記波長分布を表示画面に出力する第1出力ステップを更に備え、
前記第1出力ステップでは、前記周波数分布又は前記波長分布に現れるピークを、前記周波数分布又は波長分布における前記ピーク以外の部分の表示態様とは異なる表示態様で表示する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。 - 前記周期斑特定ステップでは、前記第1情報及び前記太さ斑情報に基づいて、前記周期斑の発生原因を推定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。
- 前記後工程機に関する第2情報を取得する第2取得ステップを更に備え、
前記周期斑特定ステップでは、前記第2情報に更に基づいて、前記周期斑を特定する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。 - 前記前工程機は、繊維束をドラフトすることにより前記第1繊維束を生成し、
前記後工程機は、前記前工程機におけるドラフト比よりも高いドラフト比で前記第1繊維束をドラフトする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。 - 前記後工程機は、前記第1繊維束をドラフトするドラフト装置と、前記ドラフト装置によってドラフトされた前記第1繊維束に撚りを与えて前記第2繊維束として糸を生成する紡績装置と、前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。
- 前記前工程機は、駆動ローラ及び従動ローラを各々が有する複数のローラ対を備え、前記前工程機に供給される繊維束を前記複数のローラ対によってドラフトすることにより、前記第1繊維束を生成し、
前記第1情報は、前記駆動ローラの直径、前記駆動ローラのプーリの歯数、前記駆動ローラに形成された溝のピッチ、前記駆動ローラの駆動ギアの歯数、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間の接触圧力、及び、前記前工程機で生成する繊維束が収容されるケンスの直径の少なくとも1つを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。 - 前記周期斑特定ステップで前記周期斑が特定された場合に、前記周期斑を解消するための情報を出力する第2出力ステップを更に備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。
- 前記第1取得ステップでは、操作入力及び/又は通信により前記第1情報を取得する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。
- 前記第1取得ステップでは、前記第1繊維束が収容されるケンスに設けられた情報タグの情報を読み取り装置によって読み取ることにより、前記第1情報を取得する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の周期斑検出方法。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載の周期斑検出方法を前記後工程機として実行する紡績機であって、
前記第1繊維束をドラフトするドラフト装置と、
ドラフトされた前記第1繊維束に撚りを与えて前記第2繊維束として糸を生成する紡績装置と、
前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
前記第1情報を取得する第1取得部と、
前記太さ斑情報を検出する太さ斑検出部と、
前記第1情報、前記太さ斑情報、及びトータルドラフト比に基づいて、前記前工程機に起因して前記糸に生じている周期斑を特定する周期斑特定部と、を備える、紡績機。 - 複数の紡績ユニットを備え、
前記複数の紡績ユニットの各々は、前記ドラフト装置、前記紡績装置及び前記巻取装置を有し、
前記周期斑特定部は、前記複数の紡績ユニットの各々について、前記周期斑を特定する、請求項14に記載の紡績機。 - 前記紡績装置から前記糸を引き出す引出装置を更に備え、
前記ドラフト装置は、バックローラと、ミドルローラと、フロントローラと、を少なくとも備え、
前記周期斑特定部は、前記トータルドラフト比として、前記バックローラと前記引出装置の周速度の差、又は前記バックローラと前記フロントローラの周速度の差を用いる、請求項14又は15に記載の紡績機。 - 第1繊維束を生成する前工程機と、
前記第1繊維束を少なくともドラフトすることにより第2繊維束を生成する後工程機と、
前記前工程機に関する第1情報を取得する第1取得部と、
前記第2繊維束の周期的な太さの斑に関する太さ斑情報を検出する太さ斑検出部と、
前記第1情報、前記太さ斑情報、及び前記後工程機におけるトータルドラフト比に基づいて、前記前工程機に起因して前記第2繊維束に生じている周期斑を特定する周期斑特定部と、を備える、繊維処理システム。 - 前工程機によって生成された第1繊維束を後工程機によって少なくともドラフトすることにより第2繊維束を生成する繊維処理システムにおいて、
前記前工程機に関する第1情報を取得する処理と、
前記第2繊維束の周期的な太さの斑に関する太さ斑情報を検出する処理と、
前記第1情報、前記太さ斑情報、及び前記後工程機におけるトータルドラフト比に基づいて、前記前工程機に起因して前記第2繊維束に生じている周期斑を特定する処理と、をコンピュータに実行させる、周期斑検出プログラム。
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