JP2020002479A - 繊維処理方法、繊維処理システム、及び繊維処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を知る。【解決手段】繊維処理方法は、カード機10を用いて原料から繊維束を生成するカーディング工程と、生成した繊維束を練条機30を用いて練条する練条工程と、練条した繊維束を空気紡績機50を用いて精紡して糸を生成する空気紡績工程と、カーディング工程で生成した繊維束の品質に関する第1品質データを取得する第1取得工程と、練条工程で練条した繊維束の品質に関する第2品質データを取得する第2取得工程と、空気紡績工程で生成した糸の品質に関する第3品質データを取得する第3取得工程と、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、原料、カード機10、練条機30、及び空気紡績機50のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する異常判別工程と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、繊維処理方法、繊維処理システム、及び繊維処理プログラムに関する。
従来の繊維処理方法に関する技術として、特許文献1に記載された方法が知られている。特許文献1に記載された方法では、カーディング工程、練条工程及び空気紡績工程(オープンエンド又はエアジェット紡績工程)を経て糸を生産する繊維工場において、各工程、各機台、各錘毎に識別符号を付ける。製品をドッフィングして次の工程に当該製品を供給させる際に、ドッフィングを行う機台番号及び製品のロット番号と供給先の機台番号とを記憶する。これにより、中間製品もしくは最終製品の通過してきた場所的及び時間的な履歴を追うことが図られている。
上記従来技術では、最終的に得られた糸が不良であったとしても、糸が不良である事実と原料及び各工程との相関が判らず、原料及び各工程の機械(カード機、練条機並びに空気紡績機)の異常を知ることができない可能性がある。この場合、異常を解消するための行動が遅れるおそれがある。
そこで、本発明は、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を知ることができる繊維処理方法、繊維処理システム、及び繊維処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る繊維処理方法は、1台又は複数台のカード機を用いて原料から繊維束を生成するカーディング工程と、カーディング工程で生成した繊維束を、1台又は複数台の練条機を用いて練条する練条工程と、練条工程で練条した繊維束を、1台又は複数台の空気紡績機を用いて精紡して糸を生成する空気紡績工程と、カーディング工程で生成した繊維束の品質に関する第1品質データを取得する第1取得工程と、練条工程で練条した繊維束の品質に関する第2品質データを取得する第2取得工程と、空気紡績工程で生成した糸の品質に関する第3品質データを取得する第3取得工程と、空気紡績機で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、原料、カード機、練条機、及び空気紡績機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する異常判別工程と、を備える。
原料及び各工程の機械の異常については、各工程に関連して取得した品質データの関係と相関があることが見出される。そこで、空気紡績機で生成した糸が不良であるとき、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、異常がある原料及び各工程の機械を判別する。これにより、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を知ることが可能となる。
本発明に係る繊維処理方法において、異常判別工程では、空気紡績機で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、当該糸の原料、当該糸を生成した1台又は複数台の空気紡績機、当該空気紡績機へ供給された繊維束を練条した1台又は複数台の練条機、及び当該練条機へ供給された繊維束を生成した1台又は複数台のカード機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別してもよい。これにより、不良な糸の生成に関与した処理ルートにおける原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を知ることができる。
本発明に係る繊維処理方法において、異常判別工程では、空気紡績機で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、当該糸の原料、当該糸を生成した1台の空気紡績機、当該空気紡績機へ供給された繊維束を練条した1台の練条機、及び、当該練条機へ供給された繊維束を生成した1台のカード機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別してもよい。この場合、不良な糸の生成に関与する機械の数が少ないため、不良な糸の生成に関与した処理ルートにおける原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を精度よく知ることが可能となる。
本発明に係る繊維処理方法において、異常判別工程では、空気紡績機で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、生じた異常の原因を推定してもよい。この場合、原料、カード機、練条機、及び空気紡績機における異常の具体的な原因も知ることが可能となる。
本発明に係る繊維処理方法において、第1品質データは、繊維束に含まれるネップの数及び繊維束の太さの少なくとも何れかに関するデータであり、第2品質データは、繊維束の太さに関するデータであり、第3品質データは、糸の欠点及び太さの少なくとも何れかに関するデータであってもよい。この場合、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を精度よく知ることができる。
本発明に係る繊維処理方法において、異常判別工程では、空気紡績機で生成した糸が不良である場合に、カード機の設定データ及び練条機の設定データに更に基づいて、原料、カード機、練条機、及び空気紡績機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別してもよい。原料及び各工程の機械の異常については、各工程に関連して取得した品質データの関係に加えて、カード機及び練条機の各設定データの関係とも相関があることが見出される。よって、カード機の設定データ及び練条機の設定データに更に基づくことで、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を精度よく知ることができる。
本発明に係る繊維処理方法において、カード機の設定データは、繊維束の生成速度及び繊維束からのネップの除去量の少なくとも何れかの設定に関するデータであり、練条機の設定データは、練条機のオートレベラ及び繊維束の練条速度の少なくとも何れかの設定に関するデータであってもよい。この場合、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を精度よく知ることができる。
本発明に係る繊維処理方法は、異常判別工程で判別した判別結果に応じて、カード機、練条機及び空気紡績機の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す報知を行う報知工程を備えていてもよい。これにより、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常に対して、例えばオペレータが迅速に行動することが可能となる。
本発明に係る繊維処理方法において、報知工程では、カード機、練条機及び空気紡績機の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す表示を表示部に表示してもよい。これにより、オペレータは、設定調整又はメンテナンスを促す報知の具体的な内容を確認することができる。
本発明に係る繊維処理方法は、第3品質データの変動の管理限界値である第1閾値と、第1閾値よりも小さい第2閾値と、を設定する第1工程と、第1工程の後、カード機及び練条機の少なくとも何れかの設定データを変更する第2工程と、第2工程の後、第3品質データが第1閾値よりも大きい場合には、第2工程に戻り、第3品質データが第1閾値以下で且つ第2閾値よりも大きい場合には、直前の第2工程の前の設定データへカード機及び練条機の少なくとも何れかの設定データを戻し、第3品質データが第2閾値以下の場合には、初回の第2工程の前の設定データへカード機及び練条機の少なくとも何れかの設定データを戻す第3工程と、を備えていてもよい。これにより、空気紡績機で生成した糸の品質の変動を指標に、カード機及び練条機の少なくとも何れかについての望ましい設定データを調査することができる。
本発明に係る繊維処理方法では、異常判別工程は、空気紡績機の制御装置で実施されてもよい。工程の下流に配置されている空気紡績機の制御装置で異常判別を行なうことにより、工程を遡っての設定調整又はメンテナンスの確認が行ないやすい。
本発明に係る繊維処理システムは、繊維束を生成する1台又は複数台のカード機と、カード機で生成した繊維束を練条する1台又は複数台の練条機と、練条機で練条した繊維束を精紡して糸を生成する1台又は複数台の空気紡績機と、生成した繊維束の品質に関する第1品質データを取得する第1品質データ取得部と、練条した繊維束の品質に関する第2品質データを取得する第2品質データ取得部と、生成した糸の品質に関する第3品質データを取得する第3品質データ取得部と、空気紡績機で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、原料、カード機、練条機、及び空気紡績機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する異常判別部と、を備える。
この繊維処理システムにおいても、上記繊維処理方法と同様に、空気紡績機で生成した糸が不良であるとき、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、異常がある原料及び各工程の機械を判別する。これにより、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を知ることが可能となる。
本発明に係る繊維処理プログラムは、繊維束を生成する1台又は複数台のカード機と、カード機で生成した繊維束を練条する1台又は複数台の練条機と、練条機で練条した繊維束を精紡して糸を生成する1台又は複数台の空気紡績機と、生成した繊維束の品質に関する第1品質データを取得する第1品質データ取得部と、練条した繊維束の品質に関する第2品質データを取得する第2品質データ取得部と、生成した糸の品質に関する第3品質データを取得する第3品質データ取得部と、を備える繊維処理システムにおいて、空気紡績機で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、原料、カード機、練条機、及び空気紡績機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する異常判別処理をコンピュータに実行させる。
この繊維処理プログラムにおいても、上記繊維処理方法と同様に、空気紡績機で生成した糸が不良であるとき、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、異常がある原料及び各工程の機械を判別する。これにより、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を知ることが可能となる。
本発明によれば、原料、カード機、練条機及び空気紡績機の異常を知ることができる繊維処理方法、繊維処理システム、及び繊維処理プログラムを提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、一実施形態に係る繊維処理システム1は、複数のカード機10と、複数の練条機30と、複数の空気紡績機50と、コントローラ70と、を備える。
カード機10は、カード工程の前工程における混打綿機で生成したラップをカーディング(梳綿)し、繊維束を生成する。例えばカード機10は、シート状のラップをくしで削って繊維を分離し、ラップに含まれていたゴミ及び短繊維等を除去する。その後、カード機10は、ゴミ及び短繊維の除去後に残った繊維を平行に引き揃えて集束し、紐状の繊維束(カードスライバ)を生成する。カード機10は、ドラフト装置を有する。ドラフト装置は、カード機10の下流側に設けられ、生成した繊維束をドラフト(延伸)する。ドラフト装置は、繊維束を分繊して繊維束の平行度を高める。カード機10は、ドラフト装置でドラフトした繊維束を、ケンス(例えば、円筒容器)に収容する。カード機10のドラフト装置でドラフトした繊維束は、ケンスに収容された状態で次の工程へ移送される。
練条機30は、カード機10で生成した繊維束を練条する。例えば練条機30は、6本又は8本の繊維束を合わせて6倍又は8倍にドラフトし、繊維を真っ直ぐにして繊維束の太さのムラを除去する。練条機30は、練条した繊維束をケンスに収納する。練条機30で練条した繊維束は、ケンスに収容された状態で次の工程へ移送される。
空気紡績機50は、練条機30で練条した繊維束を精紡して糸を生成する。空気紡績機50は、練条機30で練条した繊維束を加撚して糸を生成し、その糸を巻き取ってパッケージを形成する。空気紡績機50は、例えばエアジェット紡績機又はオープンエンド紡績機である。エアジェット紡績機は、旋回空気流によって繊維束を加撚して糸を生成する。空気紡績機50は、複数のドラフトローラ対を有するドラフト部によって繊維束をドラフトしてもよい。オープンエンド紡績機は、コーミングローラ又は空気流によって繊維束の繊維を分離した後、その繊維を再集束させながら加撚して糸を生成する。
コントローラ70は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等を実行するプロセッサ(例えばCPU[Central Processing Unit])と、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]及びハードディスク等で構成される記憶部72(図3参照)と、ネットワークカード又は無線通信モジュールで構成される通信制御部と、を有するコンピュータである。記憶部72には、処理に必要なデータ又はデータベースが記憶される。
コントローラ70は、繊維処理システム1の全体を管理ないし制御する上位コントローラである。例えばコントローラ70は、繊維処理システム1が配置された繊維工場の中央管理コンピュータにより構成される。コントローラ70は、カード機10、練条機30及び空気紡績機50と通信し、カード機10、練条機30及び空気紡績機50を管理ないし制御する。コントローラ70は、一つの装置で構成されてもよいし、複数の装置で構成されてもよい。コントローラ70が複数の装置で構成されている場合には、複数の装置がインターネット又はイントラネット等の通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つのコントローラ70が構築される。
このような繊維処理システム1では、カード機10を用いて原料から繊維束を生成するカーディング工程(梳綿工程)と、カーディング工程で生成した繊維束を練条機30を用いて練条する練条工程と、練条工程で練条した繊維束を空気紡績機50を用いて精紡して糸を生成する空気紡績工程と、を備えた繊維処理方法を実施する。
繊維処理システム1では、カード機10で生成されて空気紡績機50へ供給される繊維束が、練条機30を1度のみ通過(1パス)する。繊維処理システム1では、2台のカード機10で生成された繊維束が1台の練条機30へ供給され、1台の練条機30で練条された繊維束が2台の空気紡績機50へ供給される。
繊維処理システム1は、スライバラップ工程を実施するスライバラップ装置と、コーミング工程を実施するコーマ機と、を備えていてもよい。この場合、繊維処理方法は、スライバラップ工程及びコーミング工程を備える。スライバラップ工程では、カード機10で生成した18本〜24本の紐状の繊維束を1枚のシート状にして巻き取り、スライバラップを生成する。コーミング工程では、スライバラップ装置で生成したスライバラップをくしで削り、ゴミ及び短繊維を除去し、除去後に残った繊維を平行に引き揃え、均斉な繊維束を生成する。コーミング工程で生成した繊維束は練条機30に供給される。
繊維処理システム1は、空気紡績機50に代えて、粗紡工程を実施する粗紡機、精紡工程を実施するリング紡績機、及び、巻返工程を実施する自動ワインダを備えていてもよい。この場合、繊維処理方法は、空気紡績工程に代えて、粗紡工程、精紡工程及び巻返工程を備える。粗紡工程では、粗紡機を用いて、練条工程で練条した繊維束から粗糸を生成する。精紡工程では、リング紡績機を用いて、粗紡工程で生成した粗糸から糸を生成する。巻返工程では、精紡工程で生成した糸を自動ワインダで巻き取ってパッケージを形成する。
繊維処理システム1では、カード機10がドラフト装置を備えているが、カード機10はドラフト装置を備えていなくてもよい。繊維処理システム1は、繊維束が練条機30を1度通過する1パスの構成であるが、繊維束が練条機30を2度通過する2パスの構成であってもよいし、繊維束が練条機30を3度以上通過する3パス以上の構成であってもよい。
次に、繊維処理システム1の要部について、図2を参照して説明する。
繊維処理システム1は、生成した繊維束の品質に関する第1品質データを取得する第1品質データ取得部11を有する。第1品質データは、繊維束に含まれるネップの数に関するデータと、繊維束の太さに関するデータと、を含む。例えば第1品質データ取得部11は、カード機10の下流側に設けられたセンサである。第1品質データ取得部11としては、公知の種々のセンサを用いることができる。第1品質データ取得部11は、繊維束のネップに関するデータと、繊維束の太さに関するデータの何れか1つを取得できればよい。
繊維処理システム1は、練条した繊維束の品質に関する第2品質データを取得する第2品質データ取得部31を有する。第2品質データは、繊維束の太さに関するデータを含む。例えば第2品質データ取得部31は、練条機30の下流側に設けられたセンサである。第2品質データ取得部31としては、公知の種々のセンサを用いることができる。
繊維処理システム1は、生成した糸の品質に関する第3品質データを取得する第3品質データ取得部51を有する。第3品質データは、糸の欠点(スラブ及び/又はネップ)に関するデータと、糸の太さに関するデータと、を含む。例えば第3品質データ取得部51は、空気紡績機50における空気紡績装置と糸引出装置(糸貯留ローラ又はデリベリローラ対)との間に設けられたセンサである。第3品質データ取得部51としては、公知の種々のセンサを用いることができる。
コントローラ70は、機能的構成として、異常判別部71を含む。異常判別部71は、異常判別工程を実施する。異常判別工程では、まず、空気紡績機50で生成した糸が不良であるか否かを判定する。空気紡績機50で生成した糸が不良であるか否かは、空気紡績機50の第3品質データ取得部51が取得した第3品質データから判定できる。例えば異常判別工程では、空気紡績機50で生成した糸の小欠点の個数が増加した場合、及び、空気紡績機50で生成した糸の太さの変動が発生した場合の少なくとも何れかの場合に、当該糸が不良であると判定する。
異常判別工程では、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、原料、カード機10、練条機30、及び空気紡績機50のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する。異常判別工程では、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、カード機10の設定データ及び練条機30の設定データに更に基づいて、原料、カード機10、練条機30、及び空気紡績機50のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する。
原料とは、繊維処理システム1が生成する糸の原料である。例えば原料は、圧縮梱包して輸送されてきた原綿(綿には限定されない)である。カード機10の設定に関する設定データは、繊維束の生成速度(生産速度)の設定に関するデータと、ネップ(節)の除去量の設定に関するデータと、を含む。カード機10の設定に関する設定データは、当該カード機10から取得できる。練条機30の設定に関する設定データは、練条機30のオートレベラの設定に関するデータと、繊維束の練条速度(生産速度)に関するデータと、を含む。練条機30の設定に関する設定データは、当該練条機30から取得できる。
オートレベラは、練条機30におけるドラフト速度を調整するシステムである。具体的には、練条機30の最上流のドラフトローラ対の一方が他方に対して繊維束の太さによって移動するように設けられている。この変位量に基づいて繊維束の太さを検出する。太い繊維束が挿入されると、最上流のドラフトローラの速度を速くする。細い繊維束が挿入されると、最上流のドラフトローラの速度を遅くする。
異常判別工程では、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、生じた異常の原因を推定する。異常判別工程では、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、カード機10の設定データ及び練条機30の設定データに更に基づいて、生じた異常の原因を推定する。
本実施形態の異常判別工程では、後述するように、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合、異常判別用のマップM(図4参照)を用いて、異常部位及び推定される異常の原因を特定する。異常判別用のマップMは、コントローラ70の記憶部72に記憶されている。
コントローラ70は、報知工程を実施する。報知工程では、異常判別で判別した判別結果に応じて、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す報知を行う。報知は、異常判別工程で推定した異常の原因を解消するための設定調整又はメンテナンスを促す通知である。報知としては、例えば、異常の原因を有するカード機10、練条機30及び空気紡績機50の少なくとも何れかの報知ランプの点灯又は点滅が挙げられる。報知工程では、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す表示を表示部90に表示する。表示部90は、例えばタブレット等の携帯端末のモニタである。表示部90は、コントローラ70と通信可能である。
コントローラ70には、第3品質データの変動の管理限界値である第1閾値と、第1閾値よりも小さい(厳しい)第2閾値と、が設定されている。コントローラ70は、オペレータがカード機10の設定データを変更した際において、第3品質データが第1閾値よりも大きい場合にはカード機10の設定データの再変更を入力可能とし、第3品質データが第1閾値以下で且つ第2閾値よりも大きい場合には、直前の変更前の設定データへカード機10の設定データを戻し、第3品質データが第2閾値以下の場合には、初回の変更前の設定データへカード機10の設定データを戻す(詳しくは、後述)。
繊維処理システム1では、2台のカード機10と1台の練条機と2台の空気紡績機50とが、繊維の処理ルートが同じ1つのルートグループUを構築する。ある空気紡績機50で生成した糸が不良である場合には、当該空気紡績機50が属するルートグループUにおいて異常判別工程を実施する。この場合、もう1台の空気紡績機50の異常判別は省略してもよい。
具体的には、ある空気紡績機50で生成した糸が不良である場合、当該空気紡績機50が属するルートグループUにおける第1〜第3品質データとカード機10及び練条機30の設定データとに基づき、当該空気紡績機50が属するルートグループUにおける糸の原料、空気紡績機50、練条機30及びカード機10のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する。すなわち、糸が不良である場合に、当該糸の原料、当該糸を生成した空気紡績機50、当該空気紡績機50へ供給された繊維束を練条した練条機30、及び当該練条機30へ供給された繊維束を生成したカード機10のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する。繊維の処理ルートが同じルートグループU(カード機10、練条機30及び空気紡績機50の対応関係)の情報については、予め定められてコントローラ70の記憶部72(図3参照)に記憶されている。コントローラ70は、空気紡績機50の設定データにも基づいて、上記判別を行ってもよい。
図3に示されるように、コントローラ70の記憶部72内には、繊維処理プログラムPが記憶されている。記憶部72は、繊維処理プログラムPを格納した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。コントローラ70は、繊維処理プログラムPをプロセッサ上に読み込ませて実行することによって繊維処理方法を実現する。繊維処理プログラムPは、異常判別モジュールP1を含む。異常判別モジュールP1は、上述した異常判別工程に係る異常判別処理をコントローラ70に実行させる。繊維処理プログラムPは、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。或いは、繊維処理プログラムPは、データ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
次に、繊維処理システム1で実施される繊維処理方法の一例について、説明する。
繊維処理方法では、上述したように、カード機10を用いて原料から繊維束を生成する(カーディング工程)。生成した繊維束を練条機30を用いて練条する(練条工程)。練条した繊維束を空気紡績機50を用いて精紡して糸を生成する(空気紡績工程)。第1品質データ取得部11により第1品質データを取得する(第1取得工程)。第2品質データ取得部31により第2品質データを取得する(第2取得工程)。第3品質データ取得部51により第3品質データを取得する(第3取得工程)。
繊維処理方法では、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、図4に示されるマップMを参照し、カード機10の設定データ、練条機30の設定データ、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、不良な当該糸が通過する処理ルートにおける異常部位を判別する(異常判別工程)。異常判別工程において、更に、異常原因を推定してもよい。
カード機10の設定データは、不良な当該糸が通過した処理ルートにおけるカード機10の設定データである。練条機30の設定データは、不良な当該糸が通過した処理ルートにおける練条機30の設定データである。第1品質データは、不良な当該糸が通過した処理ルートにおけるカード機10が生成した繊維束の品質データである。第2品質データは、不良な当該糸が通過した処理ルートにおける練条機30が練条した繊維束の品質データである。第3品質データは、不良な当該糸の品質データである。
マップMでは、カード機10の設定データとして、繊維束の生成速度及び繊維束からのネップの除去量を含む。第1品質データとして、カード機10のセンサで検出された繊維束に含まれるネップの数及び繊維束の太さの変動を含む。練条機30の設定データとして、繊維束の練条速度及びオートレベラの設定変更有無を含む。オートレベラの設定変更有無に加えて、或いは代えて、練条機30の設定データとして、ドラフトローラのゲージ(ドラフト方向における複数のドラフトローラ間の距離)及び/又はドラフト比(ドラフト方向における複数のドラフトローラの周速度の比)も含まれていてもよい。第2品質データとして、練条機30のセンサで検出された繊維束の太さの変動を含む。第3品質データとして、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数及び太さの変動を含む。
マップMの「増加」及び「変更」とは、予め定められた規定値以上の変化を意味する。マップMの「−」とは、変動が無いこと(予め定められた規定値に対して変動していないこと)を意味する。カード機10の設定におけるネップ除去量を「減らす設定に変更」とは、カード機10のメインシリンダーとトップフラットと間の距離を広げる、メインシリンダーとステーショナリーフラットとの間の距離を広げる、及び、モートナイフの角度を調整する(吸引開口の大きさ狭くする)ことの少なくとも何れかである。
カード機10のワイヤ(歯)は、メインシリンダーの外周面に多数設けられた、先端が鋭利な角錘形状の部分である。カード機10のドッファー部は、メインシリンダーからドラフト装置又はケンスに向けて繊維束を案内する装置である。練条機30のドラフト装置が不適切である状態とは、ドラフト比及び/又はドラフトローラのゲージが不適切である状態である。空気紡績機50のドラフト部全般の異常とは、フロントトップローラを除くドラフト部全般のどこかに異常(ドラフトローラのゲージ及び/又は風綿の堆積等)があることである。
図示されるように、異常判別工程では、カード機10のセンサで検出された繊維束に含まれるネップの数が増加し、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数及び太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位が原料であると判別し、異常の原因が原料品質低下であると推定する。具体的には、例えば、カード機10で処理される前の繊維束の原料の異常、当該繊維束の原料に異常がなかったとしても、当該繊維束の温度及び/又は湿度の管理の異常である。或いは、カード機10のセンサで検出された繊維束に含まれるネップの数が増加し、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数及び太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位がカード機10であると判別し、異常の原因がワイヤの摩耗であると推定する。この場合、後述の報知工程において、ワイヤの摩耗が発生しているメインシリンダーの近くに設けられた異常ランプを点灯又は点滅等させてもよく、表示部90に、ワイヤのメンテナンス(オペレータによる研磨又は交換)を促すメッセージを表示してもよい。或いは、カード機10がワイヤの研磨装置を備えている場合は、研磨装置によりワイヤを研磨してもよい。
異常判別工程では、カード機10のセンサで検出された繊維束の太さの変動が発生し、練条機30のセンサで検出された繊維束の太さの変動が発生し、空気紡績機50のセンサで検出された糸の太さが増加し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位がカード機10であると判別し、異常の原因がドッファー部の異常であると推定する。
異常判別工程では、練条機30のセンサで検出された繊維束の太さの変動が発生し、空気紡績機50のセンサで検出された糸の太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位が練条機30であると判別し、異常の原因がドラフト部の異常であると推定する。この場合、後述の報知工程において、練条機30のドラフト部に設けられた異常ランプを点灯又は点滅等させてもよく、表示部90に、ドラフト部のメンテナンス(オペレータによる清掃等)、又はドラフト比及び/又はゲージの調整等を促すメッセージを表示してもよい。
異常判別工程では、カード機10の生成速度の設定が速めに変更され、カード機10のセンサで検出された繊維束に含まれるネップの数が増加し、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数及び太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位がカード機10であると判別し、異常の原因がネップ除去の減少であると推定する。
異常判別工程では、カード機10の生成速度の設定が速めに変更され、カード機10のセンサで検出された繊維束の太さの変動が発生し、練条機30のセンサで検出された繊維束の太さの変動が発生し、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数が増加し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位がカード機10であると判別し、異常の原因がドラフト装置の異常であると推定する。この場合、後述の報知工程において、カード機10のドラフト装置のドラフト速度を前の設定に戻すことを促すメッセージを表示部90に表示してもよい。
異常判別工程では、カード機10のネップ除去量の設定が除去量を減らす設定に変更され、カード機10のセンサで検出された繊維束に含まれるネップの数が増加し、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数及び太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位がカード機10であると判別し、異常の原因がネップ除去量の減少であると推定する。この場合、後述の報知工程において、表示部90に、生産速度を速くするように設定を変更する、カード機10のメインシリンダーとトップフラットと間の距離を広げる、メインシリンダーとステーショナリーフラットとの間の距離を広げる、及び、モートナイフの角度を調整することの少なくとも何れかを促すメッセージを表示させてもよい。
異常判別工程では、練条機30の練条速度の設定が速めに変更され、空気紡績機50のセンサで検出された糸の太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位が練条機30であると判別し、異常の原因が練条機30のドラフト装置が不適切であると推定する。この場合、後述の報知工程において、ドラフト比及び/又はドラフトローラのゲージの変更を促すメッセージを表示部90に表示させる。
異常判別工程では、練条機30のオートレベラの設定が変更され、空気紡績機50のセンサで検出された糸の太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位が練条機30であると判別し、異常の原因が練条機30のドラフト装置が不適切であると推定する。この場合、後述の報知工程において、オートレベラの設定の調整を促すメッセージを表示部90に表示させる。
異常判別工程では、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数及び太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位が空気紡績機50であると判別し、異常の原因が空気紡績機50のドラフト部全般の異常であると推定する。この場合、後述の報知工程において、フロントトップローラを除くドラフト部全般のどこかに異常(ドラフトローラのゲージ及び/又は風綿の堆積等)があることを表示部90に表示してもよい。更に具体的には、ドラフト部の清掃を促すメッセージを表示部90に表示してもよい。
異常判別工程では、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数が増加し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位が空気紡績機50であると判別し、異常の原因が空気紡績機50のフロントトップローラの異常であると推定する。この場合、後述の報知工程において、フロントトップローラのメンテナンス(オペレータによる布団とトップローラの研磨)又は交換を促すメッセージを表示部90に表示してもよい。
異常判別工程では、空気紡績機50のセンサで検出された糸の変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合には、異常部位が空気紡績機50であると判別し、異常の原因が空気紡績機50のドラフト部全般の異常であると推定する。この場合、後述の報知工程において、フロントトップローラを除くドラフト部全般のどこかに異常(ドラフトローラのゲージ及び/又は風綿の堆積等)があることを表示部90に表示してもよい。更に具体的には、ドラフト部の清掃を促すメッセージを表示部90に表示してもよい。
繊維処理方法では、異常判別工程の判別結果に応じて、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す報知を行う(報知工程)。報知工程では、コントローラ70により、設定調整又はメンテナンスを促す各種情報を表示部90に表示させる。
繊維処理方法では、後工程の変化を指標に、前工程の最適な設定を調査することができる。すなわち、まず、オペレータは、コントローラ70の操作入力部を介して、第3品質データの変動の管理限界値である第1閾値と、第1閾値よりも小さい第2閾値と、を設定する(第1工程)。オペレータは、カード機10ないしコントローラ70の操作入力部を介して、カード機10の設定データを変更する(第2工程)。
第3品質データが第1閾値よりも大きいの場合には、第2工程に戻る。第3品質データが第1閾値以下で且つ第2閾値以上の場合には、コントローラ70は、直前の第2工程より前の設定データへカード機10の設定データを戻す。第3品質データが第2閾値以下の場合には、コントローラ70は、初回の第2工程より前の設定データへカード機10の設定データを戻す(第3工程)。
このような後工程の変化を指標に前工程の設定を調査する第1工程、第2工程及び第3工程では、その処理の全てをオペレータが手動で行ってもよいし、その処理の全てをコントローラ70が自動で行ってもよい。第1工程、第2工程及び第3工程の処理の一部についてオペレータが手動で行い、第1工程、第2工程及び第3工程の処理の他部についてコントローラ70が自動で行ってもよい。
本実施形態では、カード機10のセンサで検出された繊維束に含まれるネップの数が増加し、空気紡績機50のセンサで検出された糸の小欠点個数及び太さの変動が発生し、それ以外のデータに変動が無い場合、異常部位が原料であると判別し、異常原因が原料の品質低下であると推定し、或いは、異常部位がカード機10であると判別し、異常原因がワイヤの摩耗であると推定した。これらの判別結果は、カード機10のメンテナンス履歴及び過去のネップの数の変化トレンドに基づくことで、容易に区別できる可能性がある。
具体的には、図5に示されるように、ネップの数の変化トレンドD0では、カード機10のメンテナンス周期に合わせてネップの数は増えている。データD1は、ネップの数の変化トレンドD0におおよそ沿っているため、原料品質に問題がなく、カード機10のワイヤが摩耗してきているのが原因と判別できる。データD2は、変化トレンドD0から大幅に逸脱しているため、原料自体に問題があると判別できる。
以上、繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、空気紡績機50で生成した糸が不良であるとき、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、異常がある原料及び各工程(カーディング工程、練条工程並びに空気紡績工程)の機械を精度よく判別する。原料及び各工程の機械の異常については、各工程に関連して取得した品質データの関係と相関があることが見出されるためである。よって、繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、原料、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の異常を知ることが可能となる。
繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、当該糸の原料、当該糸を生成した空気紡績機50、当該空気紡績機50へ供給された繊維束を練条した練条機30、及び当該練条機30へ供給された繊維束を生成したカード機10のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する。これにより、不良な糸の生成に関与した処理ルートにおける原料、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の異常を知ることができる。
繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、第1品質データ、第2品質データ及び第3品質データに基づいて、生じた異常の原因を推定する。この場合、原料、カード機10、練条機30及び空気紡績機50における異常の具体的な原因も知ることが可能となる。
繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、第1品質データは、繊維束に含まれるネップの数及び繊維束の太さに関するデータであり、第2品質データは、繊維束の太さに関するデータであり、第3品質データは、糸の欠点及び太さに関するデータである。この場合、原料、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の異常を精度よく知ることができる。なお、第1品質データは、繊維束に含まれるネップの数及び繊維束の太さの少なくとも何れかに関するデータであればよい。第3品質データは、糸の欠点及び太さの少なくとも何れかに関するデータであればよい。
繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、カード機10の設定データ及び練条機30の設定データに更に基づいて、原料、カード機10、練条機30、及び空気紡績機50のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する。原料及び各工程の機械の異常については、各工程に関連して取得した品質データの関係に加えて、カード機10及び練条機30の各設定データの関係とも相関があることが見出される。よって、カード機10の設定データ及び練条機30の設定データに更に基づくことで、原料、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の異常を精度よく知ることができる。
繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、カード機10の設定データは、繊維束の生成速度及び繊維束からのネップの除去量の設定に関するデータである。練条機30の設定データは、練条機30のオートレベラ及び繊維束の練条速度の設定に関するデータである。この場合、原料、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の異常を知ることができる。例えば、カード機10における繊維束の生成速度が速過ぎることによる異常、カード機10におけるネップの除去量が少な過ぎることによる異常、練条機30のオートレベラによる繊維束の太さ検出における異常、練条機30における練条速度が適切でないことによる異常を把握することができる。なお、カード機10の設定データは、繊維束の生成速度及び繊維束からのネップの除去量の少なくとも何れかの設定に関するデータであればよい。練条機30の設定データは、練条機30のオートレベラ及び繊維束の練条速度の少なくとも何れかの設定に関するデータであればよい。
繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、判別した判別結果に応じて、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す報知を行う。これにより、原料、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の異常に対して、例えばオペレータが迅速に行動することが可能となる。
繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す表示を表示部90に表示する。これにより、オペレータは、設定調整又はメンテナンスを促す報知の具体的な内容を確認することができる。
繊維処理方法は、第1閾値及び第2閾値を設定する第1工程と、第1工程の後、カード機10の設定データを変更する第2工程と、第2工程の後、第3品質データが第1閾値よりも大きい場合には、第2工程に戻り、第3品質データが第1閾値以下で且つ第2閾値よりも大きい場合には、直前の第2工程の前の設定データへカード機10の設定データを戻し、第3品質データが第2閾値以下の場合には、初回の第2工程の前の設定データへカード機10の設定データを戻す第3工程と、を備える。これにより、空気紡績機50で生成した糸の品質の変動を指標に、カード機10の望ましい設定データを調査することができる。
第2工程及び第3工程では、カード機10の設定データに代えてもしくは加えて、練条機30の設定データを変えてもよい。繊維処理システム1が配置された繊維工場全体で考えると、カード機10の生産速度を上げると、練条機30の生産速度も上げないと、練条機30で処理されることを待つ繊維束(カードスライバ)が発生してしまう可能性がある。この点、このような繊維束が発生してもよいとすれば、カード機10の生産速度のみを調整したり、練条機30の生産速度のみを調整したりしてもよい。
以上、本発明の一形態は、上記実施形態に限定されない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述の材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
上記実施形態では、繊維工場の中央管理コンピュータによりコントローラ70を構成したが、空気紡績機50の制御装置、練条機30の制御装置、カード機10の制御装置、又は、タブレット等の携帯端末の制御装置によりコントローラ70を構成していてもよい。
上記実施形態では、1台のカード機10と1台の練条機と1台の空気紡績機とが、繊維の処理ルートが同じ1つのルートグループUを構築してもよい。この場合、繊維処理方法、繊維処理システム1及び繊維処理プログラムPでは、空気紡績機50で生成した糸が不良である場合に、当該糸の原料、当該糸を生成した1台の空気紡績機50、当該空気紡績機50へ供給された繊維束を練条した1台の練条機30、及び、当該練条機30へ供給された繊維束を生成した1台のカード機10のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する。これにより、不良な糸の生成に関与する機械の数が少ないため、不良な糸の生成に関与した処理ルートにおける原料、カード機10、練条機30及び空気紡績機50の異常を精度よく知ることが可能となる。
上記実施形態では、繊維の処理ルートが同じルートグループUの情報がコントローラ70の記憶部72に記憶されており、記憶された当該情報に基づき同じ処理ルートにおける各工程の機械が特定される。しかし、同じ処理ルートにおける各工程の機械の特定は、当該例に限定されず、各工程でどの機械を通過したかを特定できればよい。例えば、ケンスに付されたIDタグ又はバーコードを用いて、異常の原因を特定してもよい。カード機10が一つのケンスを繊維束で満杯した時点で第1品質情報を当該ケンスと関連付けてコントローラ70へ送信して管理してもよい。練条機30が一つのケンスを繊維束で満杯にした時点で第2品質情報を当該ケンスと関連付けてコントローラ70へ送信して管理してもよい。
上記実施形態では、第3品質データは、空気紡績機50の複数の紡績ユニットにおける平均の品質データであってもよいし、紡績ユニット毎(錘単位)の品質データであってもよい。第3品質データが紡績ユニット毎の品質データである場合、異常判別工程では、紡績ユニット、当該紡績ユニットに供給された繊維束を練条した1又は複数台の練条機30、及び当該練条機30へ供給された繊維束を生成した1又は複数台のカード機10のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別してもよい。
上記実施形態では、異常判別工程において、原料、カード機10、練条機30、及び空気紡績機50のうちの異常が生じた一つを判別してもよいし、これらのうちの異常が生じた二つ以上を判別してもよい。上記実施形態では、報知として設定調整又はメンテナンスを促す表示を表示部90に表示したが、表示部90における表示に代えてもしくは加えて、各工程の機械が有する表示装置の少なくとも一つ、又は可般型の表示装置に表示してもよい。或いは、当該報知に関する情報が記載された紙を印刷してもよい。上記実施形態では、カーディング工程で生成した繊維束の品質(第1品質データ)を、測定器を用いてカーディング工程と練条工程との間で取得してもよい。
上記実施形態において、カード機10は、1台又は複数台であってもよい。練条機30は、1台又は複数台であってもよい。空気紡績機50は、1台又は複数台であってもよい。異常判別部71により実施される異常判定工程では、原料、1台又は複数台のカード機10、1台又は複数台の練条機30、及び1台又は複数台の空気紡績機50のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別すればよい。
上記実施形態では、コントローラ70を中央管理コンピュータにより構成したが、コントローラ70を空気紡績機50の制御装置により構成してもよい。この場合、空気紡績機50の制御装置に異常判別部71が含まれ、空気紡績機50の制御装置で異常判別工程が実施される。工程の下流に配置されている空気紡績機50の制御装置で異常判別を行なうことにより、工程を遡っての設定調整又はメンテナンスの確認が行ないやすい。
1…繊維処理システム、10…カード機、11…第1品質データ取得部、30…練条機、31…第2品質データ取得部、50…空気紡績機、51…第3品質データ取得部、70…コントローラ(コンピュータ)、71…異常判別部、90…表示部、P…繊維処理プログラム。
Claims (13)
- 1台又は複数台のカード機を用いて原料から繊維束を生成するカーディング工程と、
前記カーディング工程で生成した前記繊維束を、1台又は複数台の練条機を用いて練条する練条工程と、
前記練条工程で練条した前記繊維束を、1台又は複数台の空気紡績機を用いて精紡して糸を生成する空気紡績工程と、
前記カーディング工程で生成した前記繊維束の品質に関する第1品質データを取得する第1取得工程と、
前記練条工程で練条した前記繊維束の品質に関する第2品質データを取得する第2取得工程と、
前記空気紡績工程で生成した前記糸の品質に関する第3品質データを取得する第3取得工程と、
前記空気紡績機で生成した前記糸が不良である場合に、前記第1品質データ、前記第2品質データ及び前記第3品質データに基づいて、前記原料、前記カード機、前記練条機、及び前記空気紡績機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する異常判別工程と、を備える、繊維処理方法。 - 前記異常判別工程では、
前記空気紡績機で生成した前記糸が不良である場合に、前記第1品質データ、前記第2品質データ及び前記第3品質データに基づいて、当該糸の前記原料、当該糸を生成した1台又は複数台の前記空気紡績機、当該空気紡績機へ供給された前記繊維束を練条した1台又は複数台の前記練条機、及び当該練条機へ供給された前記繊維束を生成した1台又は複数台の前記カード機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する、請求項1に記載の繊維処理方法。 - 前記異常判別工程では、
前記空気紡績機で生成した前記糸が不良である場合に、前記第1品質データ、前記第2品質データ及び前記第3品質データに基づいて、当該糸の前記原料、当該糸を生成した1台の前記空気紡績機、当該空気紡績機へ供給された前記繊維束を練条した1台の前記練条機、及び、当該練条機へ供給された前記繊維束を生成した1台の前記カード機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する、請求項2に記載の繊維処理方法。 - 前記異常判別工程では、前記空気紡績機で生成した前記糸が不良である場合に、前記第1品質データ、前記第2品質データ及び前記第3品質データに基づいて、生じた前記異常の原因を推定する、請求項1〜3の何れか一項に記載の繊維処理方法。
- 前記第1品質データは、前記繊維束に含まれるネップの数及び前記繊維束の太さの少なくとも何れかに関するデータであり、
前記第2品質データは、前記繊維束の太さに関するデータであり、
前記第3品質データは、前記糸の欠点及び太さの少なくとも何れかに関するデータである、請求項1〜4の何れか一項に記載の繊維処理方法。 - 前記異常判別工程では、前記空気紡績機で生成した前記糸が不良である場合に、前記カード機の設定データ及び前記練条機の設定データに更に基づいて、前記原料、前記カード機、前記練条機、及び前記空気紡績機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する、請求項1〜5の何れか一項に記載の繊維処理方法。
- 前記カード機の設定データは、前記繊維束の生成速度及び前記繊維束からのネップの除去量の少なくとも何れかの設定に関するデータであり、
前記練条機の設定データは、前記練条機のオートレベラ及び前記繊維束の練条速度の少なくとも何れかの設定に関するデータである、請求項6に記載の繊維処理方法。 - 前記異常判別工程で判別した判別結果に応じて、前記カード機、前記練条機及び前記空気紡績機の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す報知を行う報知工程を備える、請求項1〜7の何れか一項に記載の繊維処理方法。
- 前記報知工程では、前記カード機、前記練条機及び前記空気紡績機の少なくとも何れかの設定調整又はメンテナンスを促す表示を表示部に表示する、請求項8に記載の繊維処理方法。
- 前記第3品質データの変動の管理限界値である第1閾値と、前記第1閾値よりも小さい第2閾値と、を設定する第1工程と、
前記第1工程の後、前記カード機及び前記練条機の少なくとも何れかの設定データを変更する第2工程と、
前記第2工程の後、前記第3品質データが前記第1閾値よりも大きい場合には、前記第2工程に戻り、前記第3品質データが前記第1閾値以下で且つ前記第2閾値よりも大きい場合には、直前の前記第2工程の前の設定データへ前記カード機及び前記練条機の少なくとも何れかの設定データを戻し、前記第3品質データが前記第2閾値以下の場合には、初回の前記第2工程の前の設定データへ前記カード機及び前記練条機の少なくとも何れかの設定データを戻す第3工程と、を備える、請求項1〜9の何れか一項に記載の繊維処理方法。 - 前記異常判別工程は、前記空気紡績機の制御装置で実施される、請求項1〜10の何れか一項に記載の繊維処理方法。
- 繊維束を生成する1台又は複数台のカード機と、
前記カード機で生成した前記繊維束を練条する1台又は複数台の練条機と、
前記練条機で練条した前記繊維束を精紡して糸を生成する1台又は複数台の空気紡績機と、
生成した前記繊維束の品質に関する第1品質データを取得する第1品質データ取得部と、
練条した前記繊維束の品質に関する第2品質データを取得する第2品質データ取得部と、
生成した前記糸の品質に関する第3品質データを取得する第3品質データ取得部と、
前記空気紡績機で生成した前記糸が不良である場合に、前記第1品質データ、前記第2品質データ及び前記第3品質データに基づいて、原料、前記カード機、前記練条機、及び前記空気紡績機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する異常判別部と、を備える、繊維処理システム。 - 繊維束を生成する1台又は複数台のカード機と、
前記カード機で生成した前記繊維束を練条する1台又は複数台の練条機と、
前記練条機で練条した前記繊維束を精紡して糸を生成する1台又は複数台の空気紡績機と、
生成した前記繊維束の品質に関する第1品質データを取得する第1品質データ取得部と、
練条した前記繊維束の品質に関する第2品質データを取得する第2品質データ取得部と、
生成した前記糸の品質に関する第3品質データを取得する第3品質データ取得部と、を備える、繊維処理システムにおいて、
前記空気紡績機で生成した前記糸が不良である場合に、前記第1品質データ、前記第2品質データ及び前記第3品質データに基づいて、原料、前記カード機、前記練条機、及び前記空気紡績機のうちの異常が生じた少なくとも何れかを判別する異常判別処理をコンピュータに実行させる、繊維処理プログラム。
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