JP2020003288A - 劣化検出方法及び劣化検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】劣化検出の精度向上を図った劣化検出方法及び劣化検出装置を提供する。【解決手段】制御部17は、励磁コイル11に励磁信号を流して電線2上に渦電流を発生させ、検出コイル12に渦電流に応じた検出信号を出力させる。制御部17は、モータ151を制御して励磁コイル11及び検出コイル12を長手方向D1に沿って移動させ、移動させる毎に検出信号の出力値と、励磁信号及び検出信号の位相差と、を求める。制御部17は、求めた検出信号の出力値と、位相差と、の関係をマッピングしたグラフを表示部16に表示する。作業員が、表示部16に表示されたグラフに基づいて電線2の腐食状態を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、劣化検出方法及び劣化検出装置に関する。
従来の劣化検出方法として、例えば、特許文献1に記載された異常検出装置が提案されている。特許文献1の異常検出装置は、変圧器のブッシングに接続している電線の錆(以下、腐食)を診断することを目的としている。励磁コイル、検出コイルを内蔵するクランプヘッドに電線を挟み、励磁コイルに励磁電流を流して電線に渦電流を発生させ、検出コイルから出力される渦電流に応じた検出出力に基づいて腐食を診断している。
しかしながら、従来の異常検出装置では、腐食の有無が検出できる程度の精度しかなく、どの程度の腐食(劣化)が生じているか検出することができない、という問題があった。
特開2007−271607号公報
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、劣化状態の検出精度向上を図った劣化検出方法及び劣化検出装置を提供することを目的としている。
本発明の態様である劣化検出方法は、導体の劣化状態を検出するための劣化検出方法であって、励磁コイルに励磁信号を流して前記導体上に渦電流を発生させ、検出コイルを用いて前記渦電流に応じた検出信号を出力させる出力工程と、前記検出信号の大きさと、前記励磁信号及び前記検出信号の位相差と、に基づいて前記導体の劣化状態を検出する検出工程と、を備えたことを特徴とする。
また、前記導体が、電線の導体から構成され、前記出力工程において、前記励磁コイル及び前記検出コイルを前記導体に対して、その長手方向に沿って移動させ、前記検出工程において、前記励磁コイル及び前記検出コイルが移動する毎に得た前記検出信号の大きさと、前記位相差と、に基づいて前記導体の劣化状態を検出してもよい。
また、前記検出工程において、前記励磁コイル及び前記検出コイルが移動する毎に得た前記検出信号の大きさと、前記位相差と、の関係をマッピングしたグラフを作成し、前記グラフに基づいて前記導体の劣化状態を検出してもよい。
また、本発明の態様である劣化検出装置は、導体に渦電流を発生させるための励磁コイルと、前記渦電流に応じた検出信号を出力するための検出コイルと、を備え、前記導体の劣化状態を検出するための劣化検出装置において、前記検出信号の大きさと、前記励磁信号及び前記検出信号の位相差と、を出力する出力部をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明の態様である劣化検出装置は、導体に渦電流を発生させるための励磁コイルと、前記渦電流に応じた検出信号を出力するための検出コイルと、を備え、前記導体の劣化状態を検出するための劣化検出装置において、前記検出信号の大きさと、前記励磁信号及び前記検出信号の位相差と、に基づいて前記導体状態を検出する検出部をさらに備えたことを特徴とする。
上述した態様によれば、検出信号の大きさと、励磁信号及び検出信号の位相差と、の双方に基づいて導体の劣化状態を検出しているので、劣化状態の検出精度向上を図ることができる。
本発明の劣化検出方法を実施した劣化検出装置の一実施形態を示すブロック図である。 電線と図1に示す劣化検出装置を構成する励磁コイル、検出コイルとの配置を示す正面図である。 電線と図1に示す劣化検出装置を構成する励磁コイル、検出コイルとの配置を示す側面図である。 基準試料、試料A〜Gに対する検出信号の出力値の周波数特性を示すグラフである。 基準試料、試料A〜Gに対する検出信号及び励磁信号の位相差の周波数特性を示すグラフである。 基準試料、試料A〜Gに対する検出信号の出力と、検出信号及び励磁信号の位相差と、の関係を示すグラフである。 図1に示す制御部の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。同図に示す劣化検出装置1は、電線2の導体22の劣化状態(=腐食状態)を検出する装置である。電線2は、図2に示すように、複数の素線21を撚り合わせた導体22と、この導体22を覆う被覆部23と、を備えている。
劣化検出装置1は、図1に示すように、励磁コイル11と、検出コイル12と、交流電源13と、検出部14と、コイル移動部15と、表示部16と、制御部17と、を備えている。
励磁コイル11及び検出コイル12は各々、巻線を、例えば、らせん状に巻回して構成されている。励磁コイル11は、励磁信号(交流電流)を流して電線2の表面に渦電流を誘導させるためのコイルである。検出コイル12は、渦電流による磁束変化により誘導電流が流れるコイルである。交流電源13は、励磁コイル11に励磁信号を流す電源である。検出部14は、検出コイル12に流れる誘導電流を検出して、検出信号として出力する。即ち、検出信号は渦電流に応じた信号である。
コイル移動部15は、上記励磁コイル11及び検出コイル12を、電線2の長手方向D1に沿って移動させる。コイル移動部15は、励磁コイル11及び検出コイル12が取り付けられ、内部に電線2が通される図示しない本体部と、この本体部を長手方向D1に沿って移動させるための図1に示すモータ151と、を備えている。
図示しない本体部には、その内側に例えば走行コロなどの回転体が設けられ、電線2に対して長手方向D1に沿って移動自在になっている。上記励磁コイル11及び検出コイル12は、図2に示すように、その中心軸Aが電線2の径方向D2に沿うように本体部に取り付けられている。また、励磁コイル11及び検出コイル12は、図3に示すように、長手方向D1に沿って並べられ、一部が重なるように配置されている。
出力部としての表示部16は、検出信号の出力値(振幅の大きさ)と、検出信号及び励磁信号の位相差と、の関係を示すグラフを表示するためのものである。
制御部17は、CPU、ROM、RAMなどを内蔵したマイクロコンピュータから構成され、劣化検出装置1全体の制御を司る。制御部17は、交流電源13に接続され、交流電源13のオンオフを制御する。制御部17は、モータ151に接続され、モータ151を駆動することにより、励磁コイル11及び検出コイル12を長手方向D1に沿って移動させる。
制御部17は、検出部14に接続され、検出部14から出力された検出信号が入力される。制御部17は、励磁コイル11及び検出コイル12が移動する毎に検出した検出信号の出力値と位相差とを求める。また、制御部17は、求めた検出信号の出力値と位相差とをプロットしたグラフ(図6参照)を作成し、表示部16に表示させる。
次に、上記劣化検出装置1を用いた劣化検出方法の原理について図4〜図6を参照して説明する。上述した劣化検出装置1を用いて、試料A〜Cの電線2に対して1kHz〜100kHzの励磁信号を励磁コイル11に流して、検出コイル12の検出信号の出力値及び位相差を測定した結果を図4及び図5に示す。なお、励磁コイル11及び検出コイル12としては、内径が30[mm]、ターン数300[T]のものを用いた。
なお、試料Aが、腐食していない試料である。また、試料Bは、各素線21が接点以外が腐食した状態であり、中レベルの腐食が発生している試料である。また、試料Cは、素線21が一様に腐食した状態であり、大レベルの腐食が発生している試料である。
図4及び図5に示すように、腐食が発生している電線2は、腐食が発生していない電線2に比べて検出信号の出力値が低下し、位相が遅れる。検出信号の出力値が低下する理由は以下の通りである。腐食している電線2は、導体22表面の抵抗が腐食していない電線2に比べて大きく、導体22表面に発生する渦電流が抑制され、これに伴い出力値が低下する。位相が遅れる理由は以下の通りである。素線21表面に腐食が発生する場合、各素線21(電極)間の腐食が絶縁体となり、各素線21が疑似的なコンデンサとなる。このコンデンサの容量成分により位相遅れが発生する。
図4に示すように、約10[kHz]以下では、腐食が発生していない試料Aと、中レベルの腐食が発生している試料Bと、における検出信号の出力値の差は、ある程度大きい。しかしながら、中レベルの腐食が発生している試料Bと、大レベルの腐食が発生している試料Cと、における検出信号の出力値の差は小さい。約10[kHz]以上では、逆に、中レベルの腐食が発生している試料Bと、大レベルの腐食が発生している試料Cと、における検出信号の出力値差は、ある程度大きいが、腐食が発生していない試料Aと、中レベルの腐食が発生している試料Bと、における検出信号の出力値の差は、小さい。このため、検出信号の出力値だけでは、腐食の程度まで精度よく診断するのは難しい。
また、図5に示すように、中レベルの腐食が発生している試料Bと、大レベルの腐食が発生している試料Cと、における位相差の差は、ある程度大きい。しかしながら、中レベルの腐食が発生している試料Bと、腐食が発生していない試料Aと、における位相差の差は、ほとんどなく、腐食の程度まで精度よく検出するのは難しい。
次に、発明者らは、励磁コイル11及び検出コイル12が移動する毎に求めた複数の検出信号の出力値と、位相差と、の関係をマッピングしたグラフを作成した。結果を図6に示す。なお、周波数は、検出信号の出力値の差及び位相差の差が最も大きくなる3[kHz]の間に設定されている。同図に示すように、腐食が発生していない試料Aと、中レベルの腐食が発生している試料Bと、は、検出信号の出力値の差がある程度大きい。このため、両者を区別して診断することができる。一方、中レベルの腐食が発生している試料Bと、大レベルの腐食が発生している試料Cと、は、位相差の差がある程度あるため、両者を区別して診断することができる。このため、検出信号の出力値及び位相差の双方に基づいて腐食の検出を行うことにより、腐食の程度まで精度よく検出できる。
次に、上記概略で説明した劣化検出装置1の動作について図7を参照して説明する。まず、作業員が、励磁コイル11及び検出コイル12を取り付けた図示しない本体部内に電線2を挿入する。これにより、図2及び図3に示すように、電線2上に励磁コイル11及び検出コイル12を配置することができる。次に、作業員が図示しない操作部を操作すると、制御部17は、図7に示す処理を実行する。
まず、制御部17は、交流電源13をオンする(ステップS1)。これにより、励磁コイル11に励磁信号が流れて、電流2の導体表面に渦電流が誘導される。本実施形態では、励磁信号の周波数は、1〜100kHzに設定されている。図4及び図5に示すように、励磁信号の周波数を1〜100kHzとすることにより、試料Aと試料Bとにおける検出信号の出力差を大きくし、試料Bと試料Cとにおける位相差の差を大きくすることができる。ただし、出力値や位相差の差が大きくなる周波数は、励磁コイル11、検出コイル12の設計に応じて変動するため、この限りではない。
次に、制御部17は、検出部14から出力される検出信号を取り込む(ステップS2)。次に、制御部17は、取り込んだ検出信号の出力値及び位相差を求めて、RAM等の記憶部に記憶させる(ステップS3)。
その後、制御部17は、作業員によって終了操作が行われたか否かを判定する(ステップS4)。終了操作が行われていなければ(ステップS4でN)、制御部17は、モータ151を駆動して励磁コイル11及び検出コイル12を電線2の長手方向D1に沿って所定距離移動させた後(ステップS5)、ステップS2に戻る。これにより、RAMには、励磁コイル11及び検出コイル12が移動する毎に、検出信号の出力値及び位相差が記憶される。
一方、終了操作が行われていれば(ステップS4でY)、制御部17は、RAM内に記憶された複数の検出信号の出力値と、位相差と、の関係をマッピングしたグラフを作成し、表示部16に表示して(ステップS5)、処理を終了する。作業員は、表示部16に表示されたグラフから電線2の腐食を診断する。
制御部17は、図6に示すように、大レベルの腐食を示す領域と、中レベルの腐食を示す領域と、腐食がない領域と、がグラフ上、識別できるように表示されている。詳しくは、大レベルの腐食を示す領域と中レベルの腐食を示す領域との境界に境界ラインL2を表示し、中レベルの腐食を示す領域と腐食がない領域との境界に境界ラインL1を表示している。作業員は、グラフ上にプロットされた点がどの領域に位置するかによって腐食レベルを検出することができる。
なお、上述した大レベルの腐食を示す領域と、中レベルの腐食を示す領域と、腐食がない領域と、は、事前に腐食が発生していない電線2を励磁コイル11及び検出コイル12により走査し、そのときの検出信号に基づいて定められる。
上述した実施形態によれば、制御部17が、励磁コイル11に励磁信号を流して電線2上に渦電流を発生させ、検出コイル12に渦電流に応じた検出信号を出力させる。そして、作業員が、表示部16に表示されたグラフ上にプロットされている検出信号の出力と、励磁信号及び検出信号の位相差と、に基づいて電線2の腐食レベルを検出している。このように、検出信号の大きさと、励磁信号及び検出信号の位相差と、の双方に基づいて電線2の腐食レベルを検出しているので、腐食レベルの検出精度向上を図ることができる。また、電線2の腐食の度合いがわかるため、電線2の寿命が分かり、電線2の管理がしやすくなる。
上述した実施形態によれば、制御部17は、励磁コイル11及び検出コイル12を電線2の長手方向D1に沿って移動させ、励磁コイル11及び検出コイル12が移動する毎に得た検出信号の出力値と、励磁信号及び励磁信号の位相差と、をグラフ上にプロットして表示する。このように、励磁コイル11及び検出コイル12を用いて電線2上を走査することにより、電線2全体の腐食検出を行うことができる。
また、図6に示すように、検出信号の出力値と、励磁信号及び励磁信号の位相差と、の関係をマッピングしたグラフを表示することにより、腐食の度合いが視覚的に分かりやすくなるため、腐食検出しやすい。
なお、上述した実施形態によれば、制御部17は、検出信号の出力値と、励磁信号及び励磁信号の位相差と、の関係を示すグラフを表示させていたが、これに限ったものではない。制御部17は、検出信号の出力値と、励磁信号及び励磁信号の位相差と、を表示するだけでもよい。
また、上述した実施形態によれば、作業員が、検出信号の出力値と、励磁信号及び励磁信号の位相差と、の関係を示すグラフを見て腐食レベルを検出していたが、これに限ったものではない。制御部17が、検出部として機能し、検出信号の出力値と、励磁信号及び励磁信号の位相差と、から腐食状態を判断し、その旨を表示部16に表示させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態によれば、励磁コイル11、検出コイル12を移動させて、励磁コイル11、検出コイル12を電線2に対して移動させていたが、これに限ったものではない。電線2を長手方向D1に沿って移動させて、励磁コイル11、検出コイル12を電線2に対して移動させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態によれば、電線2の導体の劣化を検出していたが、これに限ったものではない。電線2の導体でなくてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
2 電線
11 励磁コイル
12 検出コイル
16 表示部(出力部)
17 制御部(検出部)
22 導体
D1 長手方向

Claims (5)

  1. 導体の劣化状態を検出するための劣化検出方法であって、
    励磁コイルに励磁信号を流して前記導体上に渦電流を発生させ、検出コイルを用いて前記渦電流に応じた検出信号を出力させる出力工程と、
    前記検出信号の大きさと、前記励磁信号及び前記検出信号の位相差と、に基づいて前記導体の劣化状態を検出する検出工程と、を備えたことを特徴とする劣化検出方法。
  2. 前記導体が、電線の導体から構成され、
    前記出力工程において、前記励磁コイル及び前記検出コイルを前記導体に対して、その長手方向に沿って移動させ、
    前記検出工程において、前記励磁コイル及び前記検出コイルが移動する毎に得た前記検出信号の大きさと、前記位相差と、に基づいて前記導体の劣化状態を検出することを特徴とする請求項1に記載の劣化検出方法。
  3. 前記検出工程において、前記励磁コイル及び前記検出コイルが移動する毎に得た前記検出信号の大きさと、前記位相差と、の関係をマッピングしたグラフを作成し、前記グラフに基づいて前記導体の劣化状態を検出することを特徴とする請求項2に記載の劣化検出方法。
  4. 導体に渦電流を発生させるための励磁コイルと、前記渦電流に応じた検出信号を出力するための検出コイルと、を備え、前記導体の劣化状態を検出するための劣化検出装置において、
    前記検出信号の大きさと、前記励磁信号及び前記検出信号の位相差と、を出力する出力部をさらに備えたことを特徴とする劣化検出装置。
  5. 導体に渦電流を発生させるための励磁コイルと、前記渦電流に応じた検出信号を出力するための検出コイルと、を備え、前記導体の劣化状態を検出するための劣化検出装置において、
    前記検出信号の大きさと、前記励磁信号及び前記検出信号の位相差と、に基づいて前記導体状態を検出する検出部をさらに備えたことを特徴とする劣化検出装置。
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