JP2020006839A - ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一枚の金属板で形成された車体取付ブラケットでありながら、車体への取付部としての機能とコラムジャケットを支持する機能とを両立できる構造を提供する。【解決手段】コラムジャケット2を抱持する車体取付ブラケット1は、一枚の金属板を折り曲げることで形成されていると共に、下方が開放されたアーチ状をなしている。取付ブラケット1は、コラムジャケット2を両側から挟み込む一対の側壁部8,9と、これらの側壁部8,9同士を接続しているブリッジ部10と、側壁部8の前後の前壁部11および後壁部13と、側壁部9の前壁部12と、二枚重ね構造の幅広の上壁部14および幅狭の上壁部15と、を備える。双方の側壁部8,9にチルト用長孔18a,18bが形成されている。【選択図】図5
Description
本発明は、少なくともチルト位置調整機能を備えた車両用のステアリングコラム装置に関し、特にコラムジャケットを抱持しつつ車体への取付部として機能する車体取付ブラケットの改良に関する。
この種のステアリングコラム装置、特にコラムジャケットを抱持しつつ車体への取付部として機能する車体取付ブラケットの構造に着目したものとして、例えば特許文献1に記載されたものが提案されている。
この特許文献1に記載されたステアリングコラムの支持装置では、電動式パワーステアリング装置のハウジングを揺動変位可能に支持するための支持ブラケットを、金属板にプレス打ち抜き加工および曲げ加工を施すことにより形成し、各部の寸法および曲げ方向を工夫することで、特に支持剛性の確保に必要な第一,第二両側板板部の高さ寸法等を確保するようにしている。
かかる特許文献1に記載された支持ブラケットの構造によれば、十分な強度および剛性を確保でき、しかも材料の歩留まりを良好にして、低コスト化を図ることができるとされている。
特許文献1に記載された支持ブラケットの構造は、電動式パワーステアリング装置用のステアリングコラムに特化して、その電動式パワーステアリング装置のハウジングを支持するために工夫したものではあるが、支持ブラケット本来の基本機能であるコラムジャケットの支持構造に着目した場合、金属板製の支持ブラケットだけではコラムジャケットを支持することができず、別途、上記支持ブラケットと組み合わされるコラムジャケット用の支持ブラケットが必要となる。
そのため、支持ブラケットおよびコラムジャケット用の支持ブラケットを含む全体としての部品点数および重量を少なくしつつ、低コスト化を図る上でなおも改善の余地を残している。また、所定の箇所の剛性を上げるとともに、所定の箇所の剛性を下げることが難しいという問題がある。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、とりわけ一枚の金属板で形成されたブラケットでありながらも、車体への取付ブラケットとしての機能とコラムジャケットを支持する機能とを両立できるとともに、所定の箇所の剛性を上げたり下げたりすることができるように考慮されたステアリングコラム装置を提供するものである。
本発明は、ステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムジャケットと、前記コラムジャケットを少なくともチルト位置調整可能に抱持すると共に、車体に取り付けられる車体取付ブラケットと、前記車体取付ブラケットに設けられ、当該車体取付ブラケットの一部を撓み変形させることで前記チルト位置調整機能のロックとアンロックを司るロック機構と、を備えたステアリングコラム装置である。
その上で、前記車体取付ブラケットは、折り曲げられた一枚の金属板で形成されていると共に、前記コラムジャケットの軸心方向から見たときに、下方が開放されたアーチ状をなしていて、前記車体取付ブラケットは、前記コラムジャケットを両側から挟み込む左右一対の側壁部と、前記一対の側壁部の上端部同士を接続しているブリッジ部と、を有ている。
そして、前記いずれか一方の側壁部の前部および後部からそれぞれに外側に向けて折り返された前壁部および後壁部が形成されていると共に、前記一方の側壁部の上部から折り返された折り曲げ素片と前記一方の側壁部側の前壁部または後壁部の上部から折り返された折り曲げ素片とが互いに重ね合わされることで二枚重ね構造の第1の取付壁部が形成されている。
また、前記他方の側壁部と前記ブリッジ部との間に二枚重ね構造の第2の取付壁部が形成されていると共に、前記他方の側壁部の前部から外側に向けて折り返された前壁部が形成されていて、前記第1,第2の取付壁部に前記車体に対する取付孔が形成されていることを特徴とする。
前記他方の側壁部の上部での剛性を確保しつつ、当該他方の側壁部の下部での撓み変形の容易さを確保する上で望ましい態様としては、請求項2に記載のように、前記第2の取付壁部から下方に延びる延長部が形成されていて、この延長部が前記他方の側壁部の前方側の側面に当接しているものとする。
同様に、前記一方の側壁部の上部での剛性を確保しつつ、当該一方の側壁部の下部での撓み変形の容易さを確保する上で望ましい態様としては、請求項3に記載のように、前記一方の側壁部とそれに付帯する前壁部と後壁部および第1の取付壁部の四者によりボックス形状が形成されていて、前記前壁部と前記後壁部は、前記コラムジャケットの軸心方向から見たときに、下方に向かって次第に幅狭となる形状となっているものとする。
同様の理由から、他方の側壁部に着目した場合の望ましい態様としては、請求項4に記載のように、前記他方の側壁部に付帯する前壁部は、前記コラムジャケットの軸心方向から見たときに、下方に向かって次第に幅狭となる形状となっているものとする。
より望ましい態様としては、請求項5に記載のように、前記一対の側壁部には前記チルト位置調整のためのチルト用長孔が上下方向に沿って形成されていると共に、前記他方の側壁部には、前記チルト用長孔に近接して、少なくとも当該チルト用長孔の周囲を弾性変形容易にするための脆弱化スリットが形成されているものとする。
本発明によれば、一枚の金属板で形成された車体取付ブラケットが、車体への取付機能とコラムジャケットを直接支持する機能とを有しているので、車体取付ブラケットの部品点数の削減と重量の軽減を図ることができ、特に車体取付ブラケットを含むステアリングコラム全体の軽量化を図る上で有利となる。
特に車体取付ブラケットのうち車体への直接的な取付部として強度が要求されることになる第1,第2の取付壁部がいわゆる二枚重ね構造となっているので、それらの取付壁部に必要な強度を確保しつつ、他の部位では一枚構成とすることができるため、軽量化を図る上で一段と有利となる。
特に、一方の側壁部には前壁部と後壁部および二枚重ね構造の取付壁部が付帯していることで剛性が高いものとなっているのに対して、他方の側壁部は前壁部が付帯しているだけであり、一方の側壁部に比べて剛性の低いものとすることができる。そのため、チルト位置調整に際して、一方の側壁部に比べて剛性の低い他方の側壁部を積極的に弾性変形または撓み変形させることができ、チルト位置調整後のロック時にコラムジャケットを堅固に圧締保持することができ、支持剛性が一段と向上する。
請求項2に記載の発明によれば、第2の取付壁部から下方に延びる延長部が他方の側壁部の前方側の側面に当接しているため、他方の側壁部のうちでも延長部が当接する部分は他の部位に比べて剛性を高めることができる。そのため、剛性を確保したい上部ほど高剛性とし、チルト位置調整機能のために積極的に弾性変形または撓み変形させたい下部では相対的に剛性を低くすることができ、他方の側壁部に要求される相反する機能を無理なく充足することができる。
請求項3に記載の発明によれば、一方の側壁部とそれに付帯する前壁部と後壁部および第1の取付壁部の四者によりボックス形状が形成されていて、前壁部と後壁部は、コラムジャケットの軸心方向から見たときに、下方に向かって次第に幅狭となる形状となっているものである。そのため、一方の側壁部について、上記と同様に剛性を確保したい上部ほど高剛性とし、チルト位置調整機能のために積極的に弾性変形または撓み変形させたい下部では相対的に剛性を低くすることができ、その一方の側壁部に要求される相反する機能を無理なく充足することができる。
この傾向は、請求項4に記載のように、他方の側壁部に付帯する前壁部についても、コラムジャケットの軸心方向から見たときに、下方に向かって次第に幅狭となる形状となっていると、一段と顕著となる。
請求項5に記載の発明によれば、他方の側壁部には、チルト位置調整のためのチルト用長孔に加えて、少なくとも当該チルト用長孔の周囲を弾性変形容易にするための脆弱化スリットが形成されているため、チルト位置調整機能のために他方の側壁部の積極的に弾性変形または撓み変形させる上で一段と有利となる。
図1〜8は本発明に係るステアリングコラム装置を実施するためのより具体的な第1の形態を示していて、特に図1は対象となるステアリングコラム装置の側面図を、図2は上記ステアリングコラム装置の平面図をそれぞれ示している。また、図3は図2を右側から見た正面図を、図4を右側から見た要部側面図をそれぞれ示している。
なお、図1〜4に例示したステアリングコラム装置は、チルト位置調整機能(コラムジャケット2のチルト動作によるステアリングホイールの上下位置調整機能)とテレスコ位置調整機能(コラムジャケット2のテレスコピック動作によるステアリングホイールの前後位置調整機能)とを有している。
また、図1〜4では、車体取付ブラケット1を含むステアリングコラム装置単独の状態を示しているが、以下の説明において「前方側」、「後方側」、「前端」、「後端」、「前後方向」、「上下方向」等の用語は、あくまでステアリングコラムの車載状態での向きを基準としていて、例えば「前方側」とは車両前方側を指している。
図1〜4に示すように、ステアリングコラム装置は、大きく分けて、車体への取付部として機能する車体取付ブラケット(以下、単に「取付ブラケット」と称する。)1と、前後方向に延びるコラムジャケット2と、ロック機構3と、を備えている。取付ブラケット1は、その名の通り車体側への例えばボルト締結による取付部として機能する。
コラムジャケット2はいわゆる二重筒構造のものであって、例えばダイカスト製の筒状のロアジャケット2aを外側にしてその内側に同じく筒状のアッパージャケット2bがロアジャケット2aから突出するように摺動可能に挿入されている。また、コラムジャケット2にはステアリングシャフト4が図示を省略した複数の軸受を介して回転可能に軸受支持されている。ステアリングシャフト4も図示を省略したロアシャフトとアッパーシャフトとが摺動可能に組み合わされたいわゆる二重筒構造のものである。そして、そのステアリングシャフト4の後端部に同じく図示を省略したステアリングホイールのボス部が接続される。
ロアジャケット2aの前端部側には、取付孔5bが形成された一対のフランジ部5aを有するロアブラケット5がピン6を介して回転可能に連結されている。これらのロアブラケット5も取付ブラケット1と共に車体側への取付部として機能する。また、ピン6は、後述するチルト位置調整に際してのチルトヒンジ点として機能する。
コラムジャケット2の長手方向(前後方向)の中間部に相当する位置であって、ロアジャケット2aの後端部の外側には取付ブラケット1が配置されている。この取付ブラケット1は、後述する図5に示すように、コラムジャケット2の軸心方向から見たときに、下方が開放された変形アーチ状に形成されている。そして、その変形アーチ状の内側空間にコラムジャケット2を抱きかかえるように抱持している。
また、取付ブラケット1は、左右一対の側壁部8,9と、これら左右一対の側壁部8,9同士を接続しているブリッジ部10と、各側壁部8,9の前側に形成された一対の前壁部11,12と、一方の側壁部8のみに形成された後壁部13と、車体側への取付壁部として機能する一対の上壁部14,15と、から構成されている。一方の上壁部14は第1の取付壁部として機能し、他方の上壁部15は第2の取付壁部として機能する。なお、取付ブラケット1の詳細については後述する。
ロアジャケット2aの下面部では、図3に示すように、長手方向に沿ったすり割り溝16で擦り割られている。また、ロアジャケット2aの後端部のうち取付ブラケット1の幅寸法に相当する部分では、同じく図3に示すように、すり割り溝16をはさんでその両側に取付ブラケット1側の側壁部8,9とほぼ同等の大きさのクランプ壁部17が一体に形成されている。そして、これらの左右一対のクランプ壁部17を含むロアジャケット2aを上方から跨ぐかたちで、変形アーチ状の取付ブラケット1が配置されている。これにより、取付ブラケット1の左右の側壁部8,9とロアジャケット2a側の左右のクランプ壁部17とが互いに重なり合っている。
ロアジャケット2a側のクランプ壁部17と取付ブラケット1側の側壁部8,9とが重なる部分では、互いに重なり合う同等の大きさのチルト用長孔18a,18b(取付ブラケット1側のチルト用長孔18a,18bのみが図1,4のほか後述する図5に示されている。)がそれぞれに形成されている。これらのチルト用長孔18a,18bは、例えば図1に示したピン6からの距離を曲率半径とする円弧状のものとして形成されている。
ロアジャケット2a側のクランプ壁部17と取付ブラケット1側の側壁部8,9に形成されたチルト用長孔18a,18bには、図1,3,4に示すように、ロック機構3のロックボルト19が貫通されている。ロックボルト19の一端には操作レバー20が連結され、ロックボルト19の他端にはナット21が締結固定されている。これらのロックボルト19とナット21および操作レバー20の三者によりロック機構3が形成されている。そして、操作レバー20が図1での図示位置にある状態がロック状態であり、操作レバー20を図1の位置から引き下げるとアンロック状態となる。
ロック機構3のロック状態では、取付ブラケット1における双方の側壁部8,9が適度に撓み、双方の側壁部8,9間に図3に示したロアジャケット2a側の双方のクランプ壁部17を挟み込むように圧締保持することになる。つまり、ロックボルト19の軸力で取付ブラケット1側の側壁部8,9とロアジャケット2a側のクランプ壁部17とが圧接することで両者の相対移動が阻止されて、チルト位置調整が不能となる。
同時に、ロックボルト19の軸力で、ロアジャケット2a側の双方のクランプ壁部17が互いに接近するように、取付ブラケット1の双方の側壁部8,9で締め込まれることで、ロアジャケット2aの内径が縮径してアッパージャケット2bを締め込むことになる。これにより、ロアジャケット2aとアッパージャケット2bとの相対移動が阻止されて、テレスコ位置調整が不能となる。
他方、ロック機構3のアンロック状態では、ロックボルト19の軸力に基づく取付ブラケット1側の双方の側壁部8,9間の圧締保持力が解除される。これにより、取付ブラケット1の側壁部8,9とロアジャケット2a側のクランプ壁部17との相対移動が可能となり、先に述べたチルト用長孔18a,18bの範囲内でのチルト位置調整が可能となる。同時に、取付ブラケット1側の双方の側壁部8,9間の圧締保持力が解除されることで、ロアジャケット2aによるアッパージャケット2bの縮径保持力が解除される。これにより、ロアジャケット2aとアッパージャケット2bとの長手方向での相対移動に基づくテレスコ位置調整が可能となる。
図5は図1〜4に示した取付ブラケット1単独での斜視図を示し、図6は取付ブラケット1の3面図を、図7は取付ブラケット1の2面図をそれぞれ示している。すなわち、図6の(A)は図5に示した取付ブラケット1の平面図、同図(B)は正面図、同図(C)は下面図をそれぞれ示している。また、図7の(A)は図5に示した取付ブラケット1の左側面図、同図(B)は右側面図をそれぞれ示している。さらに、図8は図5に示した取付ブラケット1の展開図を示している。
図5に示した取付ブラケット1は、例えば鋼板その他の所定厚み(板厚が例えば2.0〜3.0mm程度)の一枚の金属板(板材)にプレス加工による打ち抜き加工と曲げ加工を施すことで形成される。図8に示すように、打ち抜き加工後であって且つ曲げ加工前の展開形状の取付ブラケット1の中間成形品Wは左右非対称形状ものとして形成される。
図5〜7に示した取付ブラケット1は、先にも述べたように、互いに平行で且つほぼ同等の大きさで矩形状をなす左右一対の側壁部8,9と、それらの左右一対の側壁部8,9の上端部同士を接続している幅狭のブリッジ部10と、一方の側壁部8の前端および後端から外側に向けて互いに平行となるようにそれぞれに直角に折り曲げて形成された前壁部11および後壁部13と、他方の側壁部9の前端から外側に向けて直角に折り曲げて形成された前壁部12と、一方の側壁部8とそれに付帯する前後の前壁部11と後壁部13とが共有するかたちでそれらの上側に位置する第1の取付壁部としての矩形状で幅広の上壁部14と、他方の側壁部9の上方でブリッジ部10との間に位置している第2の取付壁部としての矩形状で幅狭の上壁部15と、を備えている。
ブリッジ部10は、左右の上壁部14,15よりも上方側に突出するように上側に向かって膨出形成されている。また、ブリッジ部10は幅広の上壁部14と幅狭の上壁部15とを接続しているので、幅広の上壁部14に近い部分では、その幅広の上壁部14を形成している後述の折り曲げ素片24側に向かって次第に幅広な形状となっているともに、その折り曲げ素片24の幅寸法をもって収束している。
幅広の上壁部14は、図5のほか図8に示すように、一方の側壁部8の上端にネック部22を介して連続する折り曲げ素片23を外側に向けて直角に折り曲げる一方、その一方の側壁部8側の後壁部13の上端に連続する折り曲げ素片24を後方側に直角に折り曲げて、双方の折り曲げ素片23,24同士を互いに重ね合わせたものである。これにより、第1の取付壁部としての二枚重ね構造の幅広の上壁部14が形成されている。この幅広の上壁部14には車体への取り付けのためのボルトが挿入される取付孔25が形成されている。
なお、図5,6,8に示すように、折り曲げ素片23の一部である細片26がさらに直角に折り曲げられて、この細片26が一方の側壁部8側における前壁部11の上部内側に重なり合っている。また、図8に示した一枚板の展開形状が成立するならば、幅広の上壁部14となるべき折り曲げ素片24は、前壁部11から連続するように形成されていても良い。
また、この二枚重ね構造の幅広の上壁部14の下方に位置する前壁部11および後壁部13は、コラムジャケット2の軸心方向から見たときに、下方に向かって次第に幅狭となるように略三角形状のものとして形成されている。他方の側壁部9に付帯する前壁部12も同形状に形成されている。その結果として、矩形状の一方の側壁部8と、その側壁部8の周囲三辺部を囲繞している前壁部11と後壁部13および幅広の上壁部14の四者により略ボックス状に形成されている。なお、前壁部11および後壁部13は必ずしも略三角形状のものである必要はなく、下方に向かって次第に幅狭となるような形状であれば他の形状であっても良い。
図5,6,8に示す幅狭の上壁部15は、ブリッジ部10に連続する幅狭の折り曲げ素片27,28同士を折り曲げることで互いに重ね合わせたものであり、これによって幅広の上壁部14と同様に二枚重ね構造のものとして形成されている。この幅狭の上壁部15にも、幅広の上壁部14と同様に、車体への取り付けのためのボルトが挿入される取付孔29が形成されている。
ここで、図4,5,8に示すように、幅狭の上壁部15の端部には舌片状の延長部30が直角に折り曲げ形成されている。この延長部30は他方の側壁部9の上部外側に位置していて、その他方の側壁部9のうち前壁部12に近い部分に重なり合って当接している。
図5,7に示すように、左右の側壁部8,9の同等位置には、先に述べたチルト位置調整のためのチルト用長孔18aまたは18bが上下方向に沿って形成されている。他方の側壁部9側のチルト用長孔18bが長円形のものとして形成されているのに対して、反対側の側壁部8側のチルト用長孔18aはチルト用長孔18bよりも一回り大きな長角孔状のもとして形成されている。その理由は、図1に示すように、チルト用長孔18aが形成された側壁部8と操作レバー20との間に介装されるカム部材31を回転不能に拘束するめに、チルト用長孔18aにカム部材31の一部を嵌合させて回り止め機能を具備させているためである。なお、カム部材31もロック機構3の一部を形成している。また、チルト用長孔18a,18bは両方とも長角孔状としても良い。
このように形成された取付ブラケット1は、図1〜3に示したように、ロアジャケット2aの上端部において双方のクランプ壁部17を跨ぐようにそれらのクランプ壁部17の外側に組み付けられ、クランプ壁部17側のテレスコ用長孔および取付ブラケット1における双方の側壁部8,9のチルト用長孔18a,18bを貫通するようにしてロック機構3のロックボルト19が挿通される。そして、ステアリングホイールのチルト位置調整またはテレスコ位置調整に際して、操作レバー20のロックまたはアンロック操作と協働して、そのロック状態またはアンロック状態の維持を司ることになる。
特に、アンロック状態下でのチルト位置調整またはテレスコ位置調整に続いて再度ロック操作する際には、図3,5に示すように、ボックス形状を形成している一方の側壁部8に比べて、いわゆる一枚板構造の他方の側壁部9が積極的に撓み変形して、双方の側壁部8,9間にロアジャケット2a側の一対のクランプ壁部17を締め込むことになる。これにより、ロック状態でのコラムジャケット2の十分な支持剛性を確保することが可能となる。
したがって、本実施の形態の取付ブラケット1によれば、取付ブラケット1のうち車体への取付壁部として機能する幅広の上壁部14と幅狭の上壁部15がそれぞれ二枚重ね構造となっているとともに、少なくとも一方の側壁部8とその側壁部8を取り囲む前壁部11と後壁部13および幅広の上壁部14とでボックス形状を形成しているため、取付ブラケット1の軽量化を図りつつ必要な強度を十分に確保することができる。
より詳しくは、図8に示した一枚の展開形状の中間成形品Wに折り曲げ加工を施した取付ブラケット1が、車体への取付機能とステアリングコラムのコラムジャケット2を直接支持する機能とを有しているため、取付ブラケット1の部品点数の削減と重量の軽減を図ることができ、取付ブラケット1を含むステアリングコラム全体の軽量化を図る上で有利となる。
特に、車体への取付壁部として機能することになる幅広の上壁部14と幅狭の上壁部15が剛性確保の上で最も強度が要求されることになるが、その双方の上壁部14,15のみが二枚重ね構造となっているので、それらの上壁部14,15に必要な強度を確保しつつ、他の部分では一枚構成とすることができ、取付ブラケット1を含むステアリングコラム全体の軽量化を図る上で一段と有利となる。
しかも、一方の側壁部8の前後に付帯している前壁部11と後壁部13、および他方の側壁部9の前方に付帯している前壁部12は、下方に向かって次第に幅狭となる略三角形状をなしているので、剛性を確保したい取付ブラケット1の上部ほど高剛性とし、チルト位置調整機能あるいはテレスコ位置調整機能のために積極的に弾性変形または撓み変形させたい下部では剛性を低くすることができ、一枚の板材のみで取付ブラケット1に要求される機能を無理なく充足することができる。
また、図3〜5に示したように、幅狭の上壁部15に付帯している延長部30が他方の側壁部9の上部外側であって且つ前壁部12に近い部分に重なり合って当接しているので、他方の側壁部9のうちでも延長部30が当接する部分は他の部位に比べて剛性を高めることができる。そのため、他方の側壁部9のうちでも剛性を確保したい上部ほど高剛性とし、チルト位置調整機能のために積極的に弾性変形または撓み変形させたい下部では相対的に剛性を低くすることができ、他方の側壁部9に要求される相反する機能を無理なく充足することができる。
さらに、一方の側壁部8とそれに付帯する前壁部11と後壁部13および幅広の上壁部14の四者によりボックス形状が形成されていて、前壁部11と後壁部13は、コラムジャケット2の軸心方向から見たときに、下方に向かって次第に幅狭となる形状となっている。そのため、一方の側壁部8のうちでも上記と同様に剛性を確保したい上部ほど高剛性とし、チルト位置調整機能のために積極的に弾性変形または撓み変形させたい下部では相対的に剛性を低くすることができ、その一方の側壁部8に要求される相反する機能を無理なく充足することができる。
図9〜11は、本発明に係るステアリングコラム装置を実施するための第2〜第4の形態を示していて、図5に示した取付ブラケット1の別の例として図7の(B)と同等部位を示している。なお、これらの第2〜第4の実施の形態において、図7の(B)と共通する部分には同一符号を付して、重複する説明は省略するものとする。
図9に示す第2の実施の形態では、他方の側壁部9において、チルト用長孔18bに近接して、上下方向に延びる真直な脆弱化スリット32aが形成されている。この脆弱化スリット32aの上端は他方の側壁部9の上端面で外部に開放されている。
図10に示す第3の実施の形態では、他方の側壁部9において、チルト用長孔18bに近接して、そのチルト用長孔18bと平行に上下方向に延びる脆弱化スリット32bが形成されている。この脆弱化スリット32bの上下両端共に外部に開放されていない。
図11に示す第4の実施の形態では、他方の側壁部9において、チルト用長孔18bに近接して、そのチルト用長孔18bの上部に前後方向に延びる真直な脆弱化スリット32cが形成されている。この脆弱化スリット32cの後端は他方の側壁部9の後端面で外部に開放されている。
これら第2〜第4の実施の形態では、他方の側壁部9に脆弱化スリット32aまたは32bまたは32cが形成されていることによって、その他方の側壁部9のうちでも少なくともチルト用長孔18bの周囲をより撓みやすくすることができる。そのため、先にも述べたように、他方の側壁部9のうちでも剛性を確保したい上部ほど高剛性とし、チルト位置調整機能のために積極的に弾性変形または撓み変形させたい下部では相対的に剛性を低くしたいとの要請に無理なく応えることができるようになる。
1…車体取付ブラケット
2…コラムジャケット
3…ロック機構
4…ステアリングシャフト
8,9…側壁部
10…ブリッジ部
11,12…前壁部
13…後壁部
14…幅広の上壁部(第1の取付壁部)
15…幅狭の上壁部(第2の取付壁部)
18a,18b…チルト用長孔
19…ロックボルト
20…操作レバー
23,24…折り曲げ素片
25…取付孔
29…取付孔
30…延長部
32a,32b,32c…脆弱化スリット
2…コラムジャケット
3…ロック機構
4…ステアリングシャフト
8,9…側壁部
10…ブリッジ部
11,12…前壁部
13…後壁部
14…幅広の上壁部(第1の取付壁部)
15…幅狭の上壁部(第2の取付壁部)
18a,18b…チルト用長孔
19…ロックボルト
20…操作レバー
23,24…折り曲げ素片
25…取付孔
29…取付孔
30…延長部
32a,32b,32c…脆弱化スリット
Claims (5)
- ステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムジャケットと、
前記コラムジャケットを少なくともチルト位置調整可能に抱持すると共に、車体に取り付けられる車体取付ブラケットと、
前記車体取付ブラケットに設けられ、当該車体取付ブラケットの一部を撓み変形させることで前記チルト位置調整機能のロックとアンロックを司るロック機構と、
を備えたステアリングコラム装置において、
前記車体取付ブラケットは、折り曲げられた一枚の金属板で形成されていると共に、前記コラムジャケットの軸心方向から見たときに、下方が開放されたアーチ状をなしていて、
前記車体取付ブラケットは、
前記コラムジャケットを両側から挟み込む左右一対の側壁部と、
前記一対の側壁部の上端部同士を接続しているブリッジ部と、
を有し、
前記いずれか一方の側壁部の前部および後部からそれぞれに外側に向けて折り返された前壁部および後壁部が形成されていると共に、
前記一方の側壁部の上部から折り返された折り曲げ素片と前記一方の側壁部側の前壁部または後壁部の上部から折り返された折り曲げ素片とが互いに重ね合わされることで二枚重ね構造の第1の取付壁部が形成されていて、
前記他方の側壁部と前記ブリッジ部との間に二枚重ね構造の第2の取付壁部が形成されていると共に、
前記他方の側壁部の前部から外側に向けて折り返された前壁部が形成されていて、
前記第1,第2の取付壁部に前記車体に対する取付孔が形成されていることを特徴とするステアリングコラム装置。 - 前記第2の取付壁部から下方に延びる延長部が形成されていて、この延長部が前記他方の側壁部の前方側の側面に当接していることを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム装置。
- 前記一方の側壁部とそれに付帯する前壁部と後壁部および第1の取付壁部の四者によりボックス形状が形成されていて、前記前壁部と前記後壁部は、前記コラムジャケットの軸心方向から見たときに、下方に向かって次第に幅狭となる形状となっていることを特徴とする請求項2に記載のステアリングコラム装置。
- 前記他方の側壁部に付帯する前壁部は、前記コラムジャケットの軸心方向から見たときに、下方に向かって次第に幅狭となる形状となっていることを特徴とする請求項3に記載のステアリングコラム装置。
- 前記一対の側壁部には前記チルト位置調整のためのチルト用長孔が上下方向に沿って形成されていると共に、前記他方の側壁部には、前記チルト用長孔に近接して、少なくとも当該チルト用長孔の周囲を弾性変形容易にするための脆弱化スリットが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のステアリングコラム装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018130346A JP2020006839A (ja) | 2018-07-10 | 2018-07-10 | ステアリングコラム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018130346A JP2020006839A (ja) | 2018-07-10 | 2018-07-10 | ステアリングコラム装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2020006839A true JP2020006839A (ja) | 2020-01-16 |
Family
ID=69150377
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2018130346A Pending JP2020006839A (ja) | 2018-07-10 | 2018-07-10 | ステアリングコラム装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2020006839A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20220072134A (ko) * | 2020-11-25 | 2022-06-02 | 남양넥스모 주식회사 | 스티어링 컬럼 마운트 브라켓 제조방법 |
-
2018
- 2018-07-10 JP JP2018130346A patent/JP2020006839A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20220072134A (ko) * | 2020-11-25 | 2022-06-02 | 남양넥스모 주식회사 | 스티어링 컬럼 마운트 브라켓 제조방법 |
| KR102917560B1 (ko) | 2020-11-25 | 2026-01-27 | 남양넥스모 주식회사 | 스티어링 컬럼 마운트 브라켓 제조방법 |
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